JP7143074B2 - 縦列型機械式駐車装置及び縦列型機械式駐車装置の制御方法 - Google Patents
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Description
したがって、奥側機へ入庫しようとする車両、または、奥側機へ入庫した車両に対して、車両の状態に応じた対応をとることができない可能性があった。また、車両の状態に応じた対応をとることができないことで、装置全体の円滑性が低減する可能性があった。
本発明の一態様に係る縦列型機械式駐車装置は、機械式駐車装置が入庫方向に複数並び、複数の該機械式駐車装置の入庫口が共有される縦列型機械式駐車装置であって、前記機械式駐車装置は、車両が搭載されるパレットと、前記パレットを搬送する搬送機が昇降する昇降路と、前記搬送機によって搬送された前記パレットを格納する格納棚と、を有し、前記入庫口が設けられた前記機械式駐車装置が有する前記パレットは、前記入庫口から前記入庫口が設けられていない前記機械式駐車装置である奥側機械式駐車装置までの車路に用いることができ、前記パレットを前記車路として用いている状態で、前記パレット上の前記車両の重量を測定する重量測定手段を備えている。
上記構成では、パレットを車路に用いることができるので、奥側機に入庫するために車両が手前側機を通過する際に、パレットを用いてピットを塞ぐことができる。これにより、手前側機を通過させるための特別な装置(例えば、移動床装置等)を設けることなく、車両を奥側機へ入庫させることができる。したがって、特別な装置を設ける構成と比較して、建設コストを低減することができる。
車両の重量に応じた対応とは、例えば、奥側機において車両重量に応じた対応を準備する対応や、制限重量よりも重い車両に対して迅速に通知する対応等である。
上記構成では、車両重量に基づいて、搬送機の搬送速度を変更するように駆動部を制御しているので、該駆動部の性能を有効に活用することができる。また、その結果、搬送機の昇降時間を短縮することができる。
また、奥側機に車両が入庫するよりも前である手前側機で車両重量を計測しているので、駆動部制御手段が車両重量に基づいて搬送速度を変更する準備をすることができる。したがって、奥側機に入庫した車両を迅速に車両重量に基づいた搬送速度で搬送することができ、縦列型機械式駐車装置において、円滑性を向上させることができる。
また、例えば、閾値超えた重量の車両に対して、運転者が乗車した状態で、運転者にその旨を通知する通知手段を設けた場合には、縦列型機械式駐車装置において、円滑性を向上させることができる。すなわち、運転者が降車した状態で車両重量を測定する場合には、制限重量よりも車両重量が重い際に、再度運転者の乗車が必要となる等、対処が煩雑となるが、運転者が乗車した状態において、車両重量が制限重量を超えている旨を通知することで、運転者が乗車した状態を維持したまま処理を行うことができるので、簡易に対処することができる。したがって、縦列型機械式駐車装置において、円滑性を向上させることができる。
図1に示されるように、本実施形態に係る縦列型機械式駐車装置は、乗入階の上方に格納棚19が設けられているエレベータ式駐車装置が、車両2の入出庫方向に複数並び、入出庫口(入庫口)3を共有している縦列型エレベータ式駐車装置1である。すなわち、縦列型エレベータ式駐車装置1は、入出庫口3を有する手前側のエレベータ式駐車装置(以下、「手前側機4」という。)及び、入出庫口3を有していないエレベータ式駐車装置(奥側機械式駐車装置。以下、「奥側機5」という。)で構成される。本実施形態に係る縦列型エレベータ式駐車装置1は、一例として、2つのエレベータ式駐車装置が前後に並んでいる。以下の説明において、手前側機4では、入出庫口3を有する階を乗入階と称呼し、奥側機5では、手前側機4の乗入階と同じ高さに位置する階を乗入階と称呼する。また、入出庫口3には上下スライド式の入出庫扉6(図3参照)が設けられている。
手前側機4の乗降室21には、図5~図7に示すように、外側から見て、入出庫口3に向かって左側に非常用出入口25があり、入出庫口3の上部に青と赤のランプを備えた入庫管制灯26が設けられている。また、入出庫口3に向かって右側に操作盤27が設けられている。操作盤27は、利用者が各自で機械操作を行う入力部である。
乗降室21の内部には、中央部にパレット18(図5~図7では、図示の関係上パレット18を省略している)が配置されるスペースがあり、パレット18の配置スペースを挟んだ乗降室21の両側面の壁には、車両2の車速、車長及び前後位置等を検知するための第1センサ部(全長測定手段)28が設けられている。また、乗降室21の内部には、車両2の車幅を検知するための第2センサ部(車幅測定手段)33(図4参照)が設けられている。
さらに、乗降室21の内部に、主に手前側機4の制御を行う手前側機制御装置29が設置されている。手前側機制御装置29は、入出庫口3、ターンテーブル8、搬送機14等による一連の入出庫動作(機械操作)の実行等を行う装置である。
さらに、乗降室22の内部に、主に奥側機5の制御を行う奥側機制御装置32が設置されている。奥側機制御装置32は、入出庫口3、ターンテーブル8、搬送機14等による一連の入出庫動作(機械操作)の実行等を行う装置である。
また、奥側機5の乗降室22にも手前側機4の乗降室21に設けられている第1センサ部28及び第2センサ部33と同じセンサが設けられている(図示では省略)。なお、第1センサ部28の各光電管センサの配置は、奥側機5の適正停車位置に基づいて配置されている。第1センサ部28及び第2センサ部33は、奥側機5の入庫時における対象車両2の全長が所定の全長以下かを判定する役割と、適正位置に停車しているか否かを判定する役割と、を有する。
手前側機制御装置29及び奥側機制御装置32は、互いに情報の送受信を行い、縦列型エレベータ式駐車装置1全体の制御を行う制御装置34を構成している。
制御装置34は、図4に示すように、第1センサ部28、第2センサ部33及びモータ部センサ20からデータを受信し、受信したデータに基づいて、モータ制御部23及び表示装置31を制御する。
奥側機5に車両2を格納する際には、まず、手前側機4において、車両2が搭載されていないパレット18を検索する。この検索は、複数段の格納棚19の下段から検索を行う。検索により、車両2が搭載されていないパレット18を検出すると、当該パレット18を車路とすることを決定する。車路とすることが決定されたパレット18は、当該パレット18が格納されている格納棚19から、搬送機14によって、乗降室21に搬送される。図3に示すように、乗降室21に搬送された、パレット18は、開口ピット9を塞ぐように配置される。このとき、パレット18は、乗入階の床面7上には載置されずに、床面7から僅かに浮かせるように、モータ17の駆動力によって維持されている(図3では、図示の関係上浮いている状態は図示していない)。なお、床面7には、パレット18を車路に用いる際に、パレット18の車輪誘導溝が、床面7と同レベルになるように、パレット18が収納される開口を形成してもよい。このような開口を形成することで、車両2がパレット18状に載り易くすることができる。
また、手前側機4において、車路とするパレット18が乗降室21に搬送されるのと平行して、奥側機5では、車両2が載置されていないパレット18が、収容されている格納棚19から、搬送機14によって乗降室22に降ろされる。
次に、図2に示すように、入出庫口3から手前側機4に入庫した車両2が、パレット18の上を通過し、奥側機5に入庫する。このパレット18の上を車両2が通過する際に、後述する奥側機入庫処理を行う。
奥側機5に入庫した車両2は、乗降室22に待機しているパレット18に載置される。このとき、車両2は、第1センサ部28及び表示装置31からの指示によって、適正停車位置に停車する。次に、車両2が載置されたパレット18ごとターンテーブル8によって90°方向転回される。そして、搬送機14によって昇降路13を上昇し、車両2がパレット18ごと格納棚19に格納される。
なお、車両2を格納棚19から出庫させる場合には、この逆の運用が行われる。ただし、出庫時には、車両2がパレット18の上を通過する際に、奥側機入庫処理は行われない。
まず、制御装置34は、第1光電管センサ28aが車両2を検出したか否かを判定する(S1)。第1光電管センサ28aが車両2を検出したと判定した場合には、次に制御装置34、第2光電管センサ28bが車両2を検出したか否かを判定する(S2)。S1において、第1光電管センサ28aが車両2を検出していないと判定した場合には、S1を繰り返す。
第1光電管センサ28a及び第2光電管センサ28bは、図9及び図10に示すように、比較的短い間隔で配置されている。車両2が手前側機4の乗降室21に入庫し、奥側機5に向かう際には、図9及び図10に示すように、第1光電管センサ28a、第2光電管センサ28bの順番で、車両2を検知する。
車速は、第1光電管センサ28aと第2光電管センサ28bとの離間距離と、第1光電管センサ28aが車両2を検知してから、第2光電管センサ28bが車両2を検知するまでの時間と、に基づいて算出される。
具体的には、図9に示すように、最も長い離間距離のペアである第3光電管センサ28c及び第6光電管センサ28fが車両2を検知しない瞬間がある場合には、当該車両2の全長は、第3光電管センサ28cと第6光電管センサ28fとの離間距離よりも短いことが判断できる。なお、図9では、図示の関係上、第4光電管センサ28dと第5光電管センサ28eを省略している。
また、図10に示すように、第3光電管センサ28c及び第5光電管センサ28eが車両2を検知しない瞬間がある場合には、当該車両2の全長は、第3光電管センサ28cと第5光電管センサ28eとの離間距離よりも短いことが判断できる。当該車両2がさらに前進をし、仮に、第4光電管センサ28d及び第5光電管センサ28eが車両2を検知しない瞬間がある場合には、当該車両2の全長は、第4光電管センサ28dと第5光電管センサ28eとの離間距離よりも短いことが判断できる。
上述したように、手前側機4の乗降室21には、2つの光電管センサを有する第2センサ部33が設けられている。両方の光電管センサが車両2を検知した場合には、車幅が閾値よりも長いと判断する。
なお、S12で車幅オーバーである旨の表示を行うか、正常な位置へと誘導する表示を行うかは、車両2の両側に配置された光電管センサの両方が車両2を検知するか、片方の光電管センサのみが車両2を検知するかによって変更する。すなわち、両方の光電管センサが車両2を検知した場合には、車幅が閾値よりも長いと判断し、車幅オーバーの表示を行う。片方の光電管センサのみが車両2を検知した場合には、車両2が正常な位置から車幅方向にずれた位置にいると判断し、正常な位置へと誘導する表示を行う。
上述したように、車路として用いられていているパレット18は、乗入階の床面7上には載置されずに、床面7から浮かせるように、モータ17の駆動力によって維持されている。また、モータ部センサ20が、モータ17の負荷を常に監視している。具体的には、所定時間に数回モータ部負荷を検出することで、モータ17の負荷を監視している。
モータ17は、モータ制御部23によって、パレット18の位置を常に略同一の状態に維持するように制御されている。したがって、車路として用いられているパレット18に車両2が載ると、車両2重量分だけモータ17の負荷が増大する。これをモータ部センサ20が検出すると、モータ部センサ20がモータ制御部23または制御装置34にデータを送信する。データを受信したモータ制御部23または制御装置34は、車両2が載っていない状態のモータ負荷と、車両2が載っている状態のモータ負荷との差に基づいて、車両重量を測定する。すなわち、本実施形態では、モータ17、モータ部センサ20及びモータ制御部23等が車両重量を確認(測定)する車両重量測定手段を構成している。
モータ17等の車両重量測定手段によって確認された重量に基づいて、当該車両2の搬送速度を調整する。具体的には、搬送機14の昇降速度及び加速度を適切な速度に設定を行う。適切な速度の設定とは、例えば、車両2が重い場合には、昇降速度及び加速度を遅くし、車両2が軽い場合には、昇降速度及び加速度を速くする設定等である。
本実施形態では、奥側機5に入庫するために、手前側機4を通過する際に、開口ピット9を塞ぐために、車両2を格納するためのパレット18を用いることができる。これにより、手前側機4を通過させるための特別な装置(例えば、移動床装置等)を設けることなく、車両2を奥側機5へ入庫させることができる。したがって、特別な装置を設ける構成と比較して、建設コストを低減することができるとともに、省スペース化することができる。
また、車路に用いるパレット18を、最下段から検索しているので、最も下段にある空きパレット(車両2が搭載されていないパレット18)を車路として用いることができるので、パレット18の移動時間を短縮し、円滑性を向上させることができる。
本実施形態では、車両2の重量に基づいて、搬送機14の搬送速度を変更するようにモータ17を制御しているので、モータ17の性能を有効に活用することができる。また、その結果、搬送機14の昇降時間を短縮することができる。
例えば、手前側機4の乗降室21に、車両2の車高を検知するための車高センサを設けてもよい。車高センサが検知した車高が、制限高さ以上の場合には、車高オーバーである旨を表示装置31に表示することで、制限高さ以上の車両2の入庫を防止することができる。また、制限高さ以上である原因がドライバーの対応で解消可能である場合(例えば、アンテナの畳み忘れ等)には、ドライバーの降車前に、表示装置31でその旨をドライバーに通知することができるので、迅速に対処し、制限高さ以下とすることができる。
また、計測した車速に基づいて、停車を促す表示をしてから実際に車両2が停車するまでの時間を逆算し、奥側機5の乗降室22において適切な位置に停車可能と見込まれるタイミングで、停車を促す表示をしてもよい。
2 車両
3 入出庫口(入庫口)
4 手前側機
5 奥側機
6 入出庫扉
7 床面
8 ターンテーブル
9 開口ピット
10 旋回板
11 旋回駆動部
13 昇降路
14 搬送機
15 ウインチ
16 ワイヤロープ
17 モータ(駆動部)
18 パレット
19 格納棚
20 モータ部センサ
21 乗降室
22 乗降室
23 モータ制御部
28 第1センサ部(全長測定手段)
31 表示装置
33 第2センサ部(車幅測定手段)
34 制御装置(判断手段)
100 縦列型エレベータ式駐車装置(縦列型機械式駐車装置)
Claims (5)
- 機械式駐車装置が入庫方向に複数並び、複数の該機械式駐車装置の入庫口が共有される縦列型機械式駐車装置であって、
前記機械式駐車装置は、車両が搭載されるパレットと、前記パレットを搬送する搬送機が昇降する昇降路と、前記搬送機によって搬送された前記パレットを格納する格納棚と、を有し、
前記入庫口が設けられた前記機械式駐車装置が有する前記パレットは、前記入庫口から前記入庫口が設けられていない前記機械式駐車装置である奥側機械式駐車装置までの車路に用いることができ、
前記パレットを前記車路として用いている状態で、前記パレット上の前記車両の重量を測定する重量測定手段と、
前記搬送機を昇降させる駆動部と、
前記重量測定手段が測定した重量に基づいて、前記車両が搭載された前記奥側機械式駐車装置が有する前記パレットを搬送する前記搬送機の搬送速度を変更するように、前記駆動部を制御する駆動部制御手段とを備えている縦列型機械式駐車装置。 - 前記重量測定手段が測定した重量が、前記奥側機械式駐車装置における制限重量に基づいた閾値を超えているか否かを判断する判断手段を備える請求項1に記載の縦列型機械式駐車装置。
- 前記パレットを前記車路として用いている状態で、前記車両の前後方向の全長を測定する全長測定手段を備える請求項1または請求項2に記載の縦列型機械式駐車装置。
- 前記パレットを前記車路として用いている状態で、前記車両の車幅を測定する車幅測定手段を備える請求項1から請求項3のいずれかに記載の縦列型機械式駐車装置。
- 機械式駐車装置が入庫方向に複数並び、複数の該機械式駐車装置の入庫口が共有される縦列型機械式駐車装置の制御方法であって、
前記機械式駐車装置は、車両が搭載されるパレットと、前記パレットを搬送する搬送機が昇降する昇降路と、前記搬送機によって搬送された前記パレットを格納する格納棚と、を有し、
前記入庫口側の前記機械式駐車装置に設けられた前記パレットは、前記入庫口から前記入庫口が設けられていない前記機械式駐車装置である奥側機械式駐車装置までの車路に用いることができ、
前記パレットを前記車路として用いている状態で、前記車両の重量を測定する重量測定工程と、
前記搬送機を昇降させる駆動工程と、
前記重量測定工程において測定した重量に基づいて、前記駆動工程において前記車両が搭載された前記奥側機械式駐車装置が有する前記パレットを搬送する前記搬送機の搬送速度を変更するように制御する駆動部制御工程とを備えている縦列型機械式駐車装置の制御方法。
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