〔第1実施形態〕
以下に、本発明に係る機械式駐車装置の安全確認システム、機械式駐車装置、安全確認方法、及び安全確認プログラムの第1実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、機械式駐車装置10の乗降領域が前側乗降領域20bと奥側乗降領域20aとを有する縦列式となっている場合について説明する。しかしながら、安全確認システムは、乗降領域が縦列式である場合に限られず、単列式や横列式等の他の構成方式でも同様に適用することが可能である。また、乗降領域とは、機械式駐車装置10において車両の入庫及び出庫の少なくとも一方が行われる領域であり、本実施形態では乗降室20として説明する。
なお、安全確認システムは、後述する各種センサと、操作部(安全確認ボタン)と、制御部(安全確認制御部)とを少なくとも含んで構成される。
図1は、本第1実施形態に係る機械式駐車装置(立体駐車場)10の外観図である。
機械式駐車装置10では、例えば地上に設けた乗入階14から車両を入出庫させる。そして、機械式駐車装置10は、車両を載置したパレット16を、乗入階14と車両を格納する格納庫18との間で昇降させることで車両を搬送する。なお、図1に示す機械式駐車装置10の構成は、一例であり、乗入階14を格納庫18よりも上層とする等、他の構成であってもよい。すなわち、安全確認システムが適用される機械式駐車装置10の構成は、車両の入庫及び出庫の少なくとも一方が行われる乗入階14(乗降室20)と車両の格納が行われる格納庫18との間で、搬送機(例えばパレット16等)を用いて車両を搬送させる構成であれば、どのような構成でもよい。また、本実施形態では、車両を搬送する搬送機をパレット式として説明するが、コンベア式、くし歯式(フォーク式)等の他の構成を適用することも可能である。
乗入階14には、車両の入庫及び出庫の少なくとも一方が行われる乗降室20が設けられている。乗降室20の概略構成を図2に示す。本実施形態における乗降室20は、車両の進入方向(矢印W1)に対して前側乗降領域20bと奥側乗降領域20aとに分割されている(縦列式)。換言すると、乗降室20は、車両が進入する乗降室20の出入口扉21に対して、縦列方向に、前側乗降領域20bと奥側乗降領域20aとに分割されている。
乗降室20には、図2に示すように、出入口扉21と、区画扉27と、複数のセンサ23〜26と、複数の安全確認ボタンSA1〜SA4(操作部)と、操作盤22とが設けられている。本実施例では、安全確認ボタンSA1〜SA4を車両の進行方向に対して右側の壁に設置したが、左側に設置してもよいし、左右両側に複数設置してもよい。乗降室20内における前側乗降領域20b及び奥側乗降領域20aのそれぞれにおいて、略中央に、車両を搬送するためのパレット16(搬送機)が配置される。車両は、前側乗降領域20b及び奥側乗降領域20aのいずれか一方において、配置されたパレット16により乗降室20から格納庫18へ搬送される。なお、乗降室20の構成は、縦列式に限られず、前側乗降領域20bのみを有する単列式または複数の乗降領域が横列方向に配置された横列式としてもよい。
また、乗降室20には、複数の監視区画が予め設定されている。監視区画とは、例えば車両の運転者や機械式駐車装置10の管理人等の人(人間)が、直接的に視認して安全確認を行うことが可能なように設定された区画であり、仮想的に区分けされた領域である。安全確認は、例えば鏡等の媒介(特に、人が直接的に視認する場合と比較して視野等の視認性を低下させるもの)を介さず、人の目によって直接的に視認されることが好ましい。図2に示すように、乗降室20には、区画A1〜A4の4区画の監視区画が設定されているものとする。区画A1は、奥側乗降領域20aにおける車両の前方領域(区画扉27に対して奥側の領域)を監視する区画である。また、区画A2は、奥側乗降領域20aにおける車両の左右方領域、及び後方領域(区画扉27に対して前側の領域)を監視する区画である。また、区画A3は、前側乗降領域20bにおける車両の前方領域(出入口扉21に対して奥側の領域)を監視する区画である。また、区画A4は、前側乗降領域20bにおける車両の左右方領域、及び後方領域(出入口扉21に対して前側の領域)を監視する区画である。なお、乗降室20には、少なくとも2つ以上の監視区画が設定されていれば、図2のような区分けに限られず適宜設定可能である。また、一つの監視区画に対して複数の安全確認ボタン(操作部)を設けてもよい。一つ又は複数の安全確認ボタンにより、監視区画の視認が実施される。
出入口扉21は、乗降室20内への出入を行うための扉であり、車両の入庫または出庫を行う時に開閉される。出入口扉21は、後述する入出庫制御部31によって開閉が制御される。
区画扉27は、乗降室20内において、前側乗降領域20bと奥側乗降領域20aとを区分けする扉である。具体的には、区画扉27は、車両を入庫または出庫させる場合に奥側乗降領域20aへの出入を可能とする扉である。このため、区画扉27は、奥側乗降領域20aへ車両を入庫または出庫させる場合に開とされ、前側乗降領域20bのみにおいて車両を入庫または出庫させる場合(奥側乗降領域20aには車両が進入しない場合)には、安全のため(例えば、奥側乗降領域20aへの誤侵入等を防ぐため)に閉とされる。区画扉27は、後述する入出庫制御部31によって開閉が制御される。
センサは、乗降室20に予め設定された複数の監視区画のそれぞれに対応して設けられ、対応する監視区画における物体の有無を検知する。具体的には、センサは、物体を検知可能なセンサであって、対応する監視区画内において物体があるか否かを検出する。なお、物体とは、例えば、人間や動物(例えば犬や猫等)、または物(例えば荷物等)である。
図2に示すように、奥側乗降領域20aには、車両前側センサ23、車幅右センサ24a、車幅左センサ24b、車両後側センサ24c、右側人感センサ24d、左側人感センサ24eが設けられている。また、前側乗降領域20bには、車両前側センサ25、車幅右センサ26a、車幅左センサ26b、車両後側センサ26c、右側人感センサ26d、左側人感センサ26eが設けられている。ここで、人感センサとは人の存在を検知するものである。なお、センサの種類は上記に限られず、適宜変更することが可能である。
奥側乗降領域20aにおいて、車両前側センサ23は、奥側乗降領域20aにおける車両の前方領域を監視し、区画A1に対応して設けられている。車幅右センサ24a及び右側人感センサ24dは、奥側乗降領域20aにおける車両の右方領域を監視し、区画A2に対応して設けられている。車幅左センサ24b及び左側人感センサ24eは、奥側乗降領域20aにおける車両の左方領域を監視し、区画A2に対応して設けられている。車両後側センサ24cは、奥側乗降領域20aにおける車両の後方領域を監視し、区画A2に対応して設けられている。
また、前側乗降領域20bにおいて、車両前側センサ25は、前側乗降領域20bにおける車両の前方領域を監視し、区画A3に対応して設けられている。車幅右センサ26a及び右側人感センサ26dは、前側乗降領域20bにおける車両の右方領域を監視し、区画A4に対応して設けられている。車幅左センサ26b及び左側人感センサ26eは、前側乗降領域20bにおける車両の左方領域を監視し、区画A4に対応して設けられている。車両後側センサ26cは、前側乗降領域20bにおける車両の後方領域を監視し、区画A4に対応して設けられている。
なお、図2に示すセンサの数や配置位置等は一例であり、適宜変更可能である。
それぞれのセンサは、後述する安全確認制御部32により、安全確認ボタンSA1〜SA4の操作に応じて有効化される。なお、センサの有効化とは、センサを作動させること(センサによる検出を開始させること)、またはセンサの検知結果を初期化することによって行われる。すなわち、センサの有効化とは、センサを、過去の検知状態に依らずに有効化後に新たな検知を行うことが可能な状態とすることである。本実施形態では、センサを動作させることによって有効化することとする。
安全確認ボタンSA1〜SA4は、監視区画のそれぞれにおいて、監視区画内の物体の有無を人が視認可能な位置に配置され、人により監視区画の安全が確認された後に操作される。本実施形態では、図2に示すように、安全確認ボタンSA1〜SA4が配置されている。安全確認ボタンSA1は、監視区画の区画A1における物体の有無を人が視認可能な位置に配置されており、安全確認ボタンSA1が操作されることで、監視区画の区画A1に対応した車両前側センサ23が有効化される。安全確認ボタンSA2は、監視区画の区画A2における物体の有無を人が視認可能な位置に配置されており、安全確認ボタンSA2が操作されることで、監視区画の区画A2に対応した車幅右センサ24a、車幅左センサ24b、車両後側センサ24c、右側人感センサ24d、左側人感センサ24eが有効化される。安全確認ボタンSA3は、監視区画の区画A3における物体の有無を人が視認可能な位置に配置されており、安全確認ボタンSA3が操作されることで、監視区画の区画A3に対応した車両前側センサ25が有効化される。安全確認ボタンSA4は、監視区画の区画A4における物体の有無を人が視認可能な位置に配置されており、安全確認ボタンSA4が操作されることで、監視区画の区画A4に対応した車幅右センサ26a、車幅左センサ26b、車両後側センサ26c、右側人感センサ26d、左側人感センサ26eが有効化される。
なお、監視区画と、センサと、安全確認ボタンとは連動しているため、設定された監視区画の位置及び数に応じて、センサ及び安全確認ボタンの配置位置(例えば、乗降室20の外側等)及び数は適宜変更される。また、安全確認ボタンSA1〜SA4は、人により監視区画の安全が確認された後に操作される操作部であればボタン式に限られず適用することが可能である。
乗降室20に対して設定されたすべての安全確認ボタンSA1〜SA4が押圧され、全ての監視区画が有効化された場合に、後述する操作盤22における最終確認ボタンSAFへの操作が可能となる。すなわち、全ての監視区画が有効化された場合に、パレット16(搬送機)の可動が許可される。
安全確認ボタンSA1〜SA4は、人間により監視区画の安全が確認された後に操作される入力手段である。このため、周囲の安全確認を行った後に安全確認ボタンSA1〜SA4を押圧することを促すように、人間に対して、「周囲の安全を確認後、安全確認ボタンを押圧してください」等の手引きを通知してもよい。
また、乗降室20において、各安全確認ボタンSA1〜SA4に対応して誘導手段を設けることとしてもよい。誘導手段とは、例えばライト等であって、安全確認ボタンSA1〜SA4の上部に設けられる。誘導手段は、予め決められた順序で人が監視区画の安全確認を行うように、各安全確認ボタンSA1〜SA4を押圧する順序を誘導する。例えば、誘導手段は、乗降室20における人の出口に対して最も遠い位置の監視区画から順に安全確認を行うよう人を誘導する。具体的には、図2において、人が、乗降室20における人の出口に対して最も遠い位置に配置された区画A1から、区画A2、区画A3、そして、人の出口に対して最も近い位置に配置された区画A4の順番に安全確認を行うように、各ライトが点灯する。例えば、区画A1の安全確認が行われていない場合には、安全確認ボタンSA1に対応するライトが点灯し、区画A1〜A3までの安全確認が行われている場合には、安全確認ボタンSA4に対応するライトが点灯する。なお、誘導手段は、ライトに限られず、音声等を用いて行うこととしてもよい。
操作盤22は、乗降室20(乗入階14)の外部に設けられており、機械式駐車装置10における各種動作を実行させるための入力装置である。操作盤22は、機械式駐車装置10の利用者が操作可能なように、例えば、スイッチ、タッチパネル、ICカード、リモコン装置等を介して各種操作(入庫又は出庫の指示等)の入力を受け付ける。また、操作盤22は、文字や画像等を表示する液晶ディスプレイ装置、表示ランプ等の表示装置、音声合成装置による音声、警報音を出すスピーカーによって、種々の情報を利用者のために提供する。
操作盤22には、人によって操作されることで搬送機の可動が許可される最終確認ボタンSAFが備えられている。最終確認ボタンSAFは、乗降室20におけるすべての安全確認ボタンが押圧された後に操作が可能とされ、押圧されることで乗降室20における車両の搬送が開始される。例えば、車両を入庫する場合には、運転者が車両を乗降室20の奥側乗降領域20aへ載置し、全ての安全確認ボタンが押圧された後(すべての監視区画が有効化された後)に最終確認ボタンSAFの操作が可能とされ、最終確認ボタンSAFが押圧されると、車両が乗降室20から格納庫18へ搬送される。
図3は、機械式駐車装置10の制御装置30が備える機能を示した機能ブロック図である。制御装置30は、機械式駐車装置10の入出庫を制御する。また、制御装置30は、乗降室20における安全確認に係る制御を行う。
制御装置30は、例えば、図示しないCPU(中央演算装置)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等から構成されている。後述の各種機能を実現するための一連の処理の過程は、プログラムの形式で記録媒体等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、後述の各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
図3に示されるように、制御装置30は、入出庫制御部31と、安全確認制御部32とを備えている。なお、本実施形態では、安全確認制御部32を、入出庫制御部31と同一の制御部装置内に設けることとしているが、入出庫制御部31とは独立した装置として設けることとしてもよい。
入出庫制御部31は、各種モータ(不図示)を制御することによって、車両を搬送する搬送機や乗降室20における出入口扉21及び区画扉27を駆動させる。具体的には、入出庫制御部31は、車両の入庫予約が入った場合に、パレット16を乗降室20に配置する。そして、車両が乗降室20前に到着した場合に、出入口扉21及び区画扉27の両方、または出入口扉21のみを開く。そして、車両がパレット16に載置され、各監視区画の安全が確認され、最終確認ボタンSAFが押圧された後に、車両を乗降室20から格納庫18へ搬送する。また、入出庫制御部31は、車両の出庫予約が入った場合に、出庫車両が載置されたパレット16を乗降室20に配置する。そして、出庫予約をした人が乗降室20前に到着した場合に、出入口扉21及び区画扉27の両方、または出入口扉21のみを開く。そして、車両が乗降室20から出庫され、各監視区画の安全が確認され、最終確認ボタンSAFが押圧された後に、出庫車両が載置されていたパレット16を格納庫18へ搬送する。
安全確認制御部32は、操作が行われた安全確認ボタンに対応する監視区画に配置されたセンサを有効化する。具体的には、安全確認制御部32は、各安全確認ボタンの操作状況に応じて、監視区画のセンサの有効化(監視区画の有効化)を行う。すなわち、安全確認制御部32は、安全確認ボタンSA1が操作された場合には、監視区画の区画A1に対応した車両前側センサ23を有効化する。また、安全確認制御部32は、安全確認ボタンSA2が操作された場合には、監視区画の区画A2に対応した車幅右センサ24a、車幅左センサ24b、車両後側センサ24c、右側人感センサ24d、左側人感センサ24eを有効化する。また、安全確認制御部32は、安全確認ボタンSA3が操作された場合には、監視区画の区画A3に対応した車両前側センサ25を有効化する。また、安全確認制御部32は、安全確認ボタンSA4が操作された場合には、監視区画の区画A4に対応した車幅右センサ26a、車幅左センサ26b、車両後側センサ26c、右側人感センサ26d、左側人感センサ26eを有効化する。
また、安全確認制御部32は、全てのセンサが有効化される前に、有効化されたセンサが物体を検知した場合には、物体を検知したセンサの有効化を解除し、対応する監視区画の安全確認を促す。なお、有効化を解除するセンサについては、物体を検知したセンサが含まれていれば、有効化となっているすべてのセンサに対して解除処理を行ってもよい。本実施形態では、全てのセンサが有効化される前に有効化されたセンサが物体を検知した場合には、物体を検知したセンサを含むすべての有効化となっているセンサに対して解除処理を行うものとする。なお、解除処理とは、それまでに行われた安全確認ボタンへの入力及び監視区画の有効化が取り消され、再度、安全確認ボタンへの操作が必要とされる状態に戻すこと(センサ及び安全確認ボタンの初期化)である。
例えば、区画A1〜A3までのセンサが有効化された後であって区画A4のセンサが有効化される前に、区画A3のセンサが物体を検出した場合には、有効化された区画A1〜A3のすべてのセンサの有効化が解除される。
安全確認制御部32は、センサの有効化を解除した場合には、乗降室20内において物体が検知されたことを人に対して通知し、再度の安全確認を促す。例えば、安全確認制御部32は、センサの有効化を解除した後、乗降室20において人等が侵入した可能性があることを表示や音声等により通知する。なお、物体を検知したセンサに対応する安全確認ボタンのライト(誘導手段)を点灯させること、または、物体を検知したセンサに対応する監視区画を音声等で通知することとしてもよい。
また、安全確認制御部32は、奥側乗降領域20aにおいて入出庫が行われる場合に、奥側乗降領域20aに設定されたすべての監視区画のセンサが有効化となった後、前側乗降領域20bにおける操作部の入力を受け付けることとしてもよい。すなわち、安全確認制御部32は、奥側乗降領域20aの安全確認が完了する前は、前側乗降領域20bに配置された安全確認ボタンへの操作を受け付けない。安全確認ボタンへの操作を受け付けないとは、前側乗降領域20bに配置された安全確認ボタンが押圧できないように物理的にロックする処理、または、前側乗降領域20bに配置された安全確認ボタンを押圧しても対応するセンサを有効化しない処理等である。また、安全確認制御部32は、奥側乗降領域20aの安全確認が完了する前に前側乗降領域20bに配置された安全確認ボタンへの操作が行われた場合には、センサの有効化が完了していない旨を該人へ通知することとしてもよい。
次に、上述の安全確認制御部32による処理について図4及び図5を参照して説明する。図4及び図5に示すフローは、車両を入庫させる場合であり、車両がパレット16(搬送機)に載置された後に実行される。なお、図4及び図5の処理が開始される前に安全確認ボタンの有効化は解除されているものとする。また、図4及び図5のフローでは、安全確認ボタンSA1、安全確認ボタンSA2、安全確認ボタンSA3、安全確認ボタンSA4の順に押圧される場合について説明するが、ボタンの押圧順については適宜変更可能である。
まず、安全確認ボタンSA1に対応するライトを点灯する(S101)。そして、安全確認ボタンSA1が押圧されたか否かを判定する(S102)。
安全確認ボタンSA1が押圧されていない場合(S102のNO判定)には、S102を繰り返し実行する。
安全確認ボタンSA1が押圧された場合(S102のYES判定)には、安全確認ボタンSA1に対応するライトを消灯するとともに安全確認ボタンSA2に対応するライトを点灯し、安全確認ボタンSA1に対応するセンサ(車両前側センサ23)を有効化する(S103)。
そして、有効化したセンサ(車両前側センサ23)において、物体が検出されたか否かを判定する(S104)。有効化したセンサ(車両前側センサ23)において、物体が検出された場合(S104のYES判定)には、有効化したすべてのセンサの有効化を解除し(S105)、S101が再度実行される。
有効化したセンサにおいて物体が検出されない場合(S104のNO判定)には、安全確認ボタンSA2が押圧されたか否かを判定する(S106)。安全確認ボタンSA2が押圧されていない場合(S106のNO判定)には、S104へ戻り上記の処理が繰り返し実行される。
安全確認ボタンSA2が押圧された場合(S106のYES判定)には、安全確認ボタンSA2に対応するライトを消灯するとともに安全確認ボタンSA3に対応するライトを点灯し、安全確認ボタンSA2に対応するセンサ(車幅右センサ24a、車幅左センサ24b、車両後側センサ24c、右側人感センサ24d、左側人感センサ24e)を有効化する(S107)。
そして、有効化したセンサ(車両前側センサ23、車幅右センサ24a、車幅左センサ24b、車両後側センサ24c、右側人感センサ24d、左側人感センサ24e)において、物体が検出されたか否かを判定する(S108)。有効化したセンサにおいて、物体が検出された場合(S108のYES判定)には、有効化したすべてのセンサの有効化を解除し(S105)、S101が再度実行される。
有効化したセンサにおいて物体が検出されない場合(S108のNO判定)には、安全確認ボタンSA3が押圧されたか否かを判定する(S109)。安全確認ボタンSA3が押圧されていない場合(S109のNO判定)には、S108へ戻り上記の処理が繰り返し実行される。
安全確認ボタンSA3が押圧された場合(S109のYES判定)には、安全確認ボタンSA3に対応するライトを消灯するとともに安全確認ボタンSA4に対応するライトを点灯し、安全確認ボタンSA3に対応するセンサ(車両前側センサ25)を有効化する(S110)。
そして、有効化したセンサ(車両前側センサ23、車幅右センサ24a、車幅左センサ24b、車両後側センサ24c、右側人感センサ24d、左側人感センサ24e、車両前側センサ25)において、物体が検出されたか否かを判定する(S111)。有効化したセンサにおいて、物体が検出された場合(S111のYES判定)には、有効化したすべてのセンサの有効化を解除し(S105)、S101が再度実行される。
有効化したセンサにおいて物体が検出されない場合(S111のNO判定)には、安全確認ボタンSA4が押圧されたか否かを判定する(S112)。安全確認ボタンSA4が押圧されていない場合(S112のNO判定)には、S111へ戻り上記の処理が繰り返し実行される。
安全確認ボタンSA4が押圧された場合(S112のYES判定)には、安全確認ボタンSA4に対応するライトを消灯するともに最終確認ボタンSAFへの操作を有効とし、安全確認ボタンSA4に対応するセンサ(車幅右センサ26a、車幅左センサ26b、車両後側センサ26c、右側人感センサ26d、左側人感センサ26e)を有効化する(S113)。なお、最終確認ボタンSAFへの操作を有効としたときに、最終確認ボタンSAFに対応するライトを点灯することとしてもよい。
そして、有効化したセンサ(車両前側センサ23、車幅右センサ24a、車幅左センサ24b、車両後側センサ24c、右側人感センサ24d、左側人感センサ24e、車両前側センサ25、車幅右センサ26a、車幅左センサ26b、車両後側センサ26c、右側人感センサ26d、左側人感センサ26e)において、物体が検出されたか否かを判定する(S114)。有効化したセンサにおいて、物体が検出された場合(S114のYES判定)には、有効化したすべてのセンサの有効化を解除し(S105)、S101が再度実行される。
有効化したセンサにおいて物体が検出されない場合(S114のNO判定)には、最終確認ボタンSAFが押圧されたか否かを判定する(S115)。最終確認ボタンSAFが押圧されていない場合(S115のNO判定)には、S114へ戻り上記の処理が繰り返し実行される。
最終確認ボタンSAFが押圧された場合(S115のYES判定)には、機械式駐車装置10における動作が開始される(S116)。具体的には、出入口扉21及び区画扉27が閉とされ、車両が搬送機によって乗降室20から格納庫18へ搬送される。
なお、車両を出庫させる場合についても、図4及び図5に示すフローと同様に処理が行われる。すなわち、車両を出庫させる場合には、車両が乗降室20から出庫した後(出入口扉21が閉とされる前)に開始され、区画A1から区画A4の順に安全確認を行うように、安全確認処理が実行される。
以上説明したように、本実施形態に係る機械式駐車装置の安全確認システム、機械式駐車装置、安全確認方法、及び安全確認プログラムによれば、操作が行われた安全確認ボタンに対応する監視区画のセンサを有効化することとしたため、人よって安全確認が行われた後の監視区画の安全確認を、センサを用いて行うことができる。すなわち、監視区画毎に人為的な安全確認と機械的な安全確認をシームレスに移行し、各監視区画内の安全確認の信頼性を向上させることが可能となる。例えば、乗降室20内において、車両の運転手等が監視区画毎に安全確認を行い、安全確認後に安全確認ボタンの操作を行うことで、段階的に、監視区画が有効化(監視区画のセンサが有効化)されるため、乗降室20内の安全確認の信頼性を向上させることができる。
また、最も遠い位置の監視区画から順に安全確認を行うことで、乗降室20内へ侵入した人等をより確実に認識することができる。また、人による安全が確認済の監視区画に物体が検知された場合には、安全確認を再度行うよう促すため、乗降室20内における安全確認をより確実に行うことが可能となる。また、奥側乗降領域20aの安全確認を完了した後に前側乗降領域20bの安全確認を行うため、安全確認の信頼性を向上させることができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る機械式駐車装置の安全確認システム、機械式駐車装置、安全確認方法、及び安全確認プログラムについて説明する。
上述した第1実施形態では、乗降領域が奥側乗降領域20aと前側乗降領域20bとに区分けされた縦列式となっている場合について説明したが、本実施形態では、乗降領域が、入庫乗降領域70aと出庫乗降領域70bとに分けられたバース式となっている場合について説明する。以下、本実施形態に係る機械式駐車装置60について、第1実施形態と異なる点について主に説明する。
図6は、本第2実施形態に係る機械式駐車装置60の外観図である。
本実施形態における機械式駐車装置60は、バース式であり、例えば地上に設けた乗入階から車両を入出庫させる。図6に示すように、乗入階には、乗降室70(乗降領域)が設けられており、乗降室70は、入庫乗降領域70a(入庫バース)と出庫乗降領域70b(出庫バース)とに分けられている。
車両を入庫させる場合、入庫のために入庫乗降領域70aに駐車された車両は、横送りコンベア61a〜61dによって入庫リフト62へ移される。そして入庫リフト62によって車両が格納庫66まで搬送(降下)され、横送りコンベア61c〜61fによって入庫リフト62から走行台車63へ車両が移動される。そして、入庫車両を載置した走行台車63は台車走行路64を走行して所定の格納棚67まで移動する。その後、横送りコンベア61e〜61hによって、走行台車63上の入庫車両が所定の格納棚67へ格納される。
また、車両を出庫させる場合、出庫車両は、横送りコンベア61e〜61hによって格納棚67から走行台車63へ移され、また、横送りコンベア61e、61f、61i、61jによって走行台車63から出庫リフト65に移される。そして、出庫車両は、出庫リフト65によって出庫乗降領域70bまで搬送(上昇)され、横送りコンベア61i〜61lによって出庫乗降領域70bに移される。なお、図6のバース式の機械式駐車装置60の構成は一例であり乗降室70(入庫乗降領域70a及び出庫乗降領域70b)を備える構成であれば適宜変更可能である。
図7は、本実施形態における乗降室70(入庫乗降領域70a及び出庫乗降領域70b)の概略構成を示す図である。入庫乗降領域70aには、監視区画として、区画B1及びB2が設定されている。区画B1は、矢印W2の方向で侵入し入庫乗降領域70aに駐車した車両の後方領域を監視する区画であり、区画B2は、駐車した車両の右方領域、左方領域、前方領域を監視する区画である。また、出庫乗降領域70bには、監視区画として、区画B3及びB4が設定されている。区画B3は、出庫乗降領域70bで駐車した車両(矢印W3の方向へ出庫)の前方領域を監視する区画であり、区画B4は、該車両の右方領域、左方領域、後方領域を監視する区画である。
そして、入庫乗降領域70aには、車両後側センサ71、車両前側センサ72、入庫バース人感センサ73が設けられている。ここで、人感センサとは人の存在を検知するものである。入庫乗降領域70aにおいて、車両後側センサ71は、車両の後方領域を監視し、区画B1に対応して設けられる。また、車両前側センサ72は、車両の前方領域を監視し、区画B2に対応して設けられる。入庫バース人感センサ73は、車両の右方領域、左方領域を監視し、区画B2に対応して設けられる。また、出庫乗降領域70bには、車両前側センサ74、車両後側センサ75、出庫バース人感センサ76が設けられている。出庫乗降領域70bにおいて、車両前側センサ74は、車両の前方領域を監視し、区画B3に対応して設けられる。また、車両後側センサ75は、車両の後方領域を監視し、区画B4に対応して設けられる。出庫バース人感センサ76は、車両がある場合には車両の右方領域、左方領域を監視(出庫準備でバースに車両が無い場合には、バースの中央部の左右領域を監視)し、区画B4に対応して設けられる。
また、乗降室70には、図7に示すように、安全確認ボタンSB1〜SB4が配置されている。安全確認ボタンSB1は、監視区画の区画B1における物体の有無を人が視認可能な位置に配置されており、安全確認ボタンSB1が操作されることで、監視区画の区画B1に対応した車両後側センサ71が有効化される。安全確認ボタンSB2は、監視区画の区画B2における物体の有無を人が視認可能な位置に配置されており、安全確認ボタンSB2が操作されることで、監視区画の区画B2に対応した車両前側センサ72及び入庫バース人感センサ73が有効化される。安全確認ボタンSB3は、監視区画の区画B3における物体の有無を人が視認可能な位置に配置されており、安全確認ボタンSB3が操作されることで、監視区画の区画B3に対応した車両前側センサ74が有効化される。安全確認ボタンSB4は、監視区画の区画B4における物体の有無を人が視認可能な位置に配置されており、安全確認ボタンSB4が操作されることで、監視区画の区画B4に対応した車両後側センサ75及び出庫バース人感センサ76が有効化される。なお、監視区画と、センサと、安全確認ボタンとは連動しているため、設定された監視区画の位置及び数に応じて、センサ及び安全確認ボタンの配置位置及び数は適宜変更される。
また、乗降室70には、操作盤77が設けられており、最終確認ボタンSBF1、SBF2を有している。また、乗降室70には、人の出入りが可能な通路扉78が設けられている。
誘導手段としては、車両を入庫させる場合、区画B1から区画B2の順に安全確認を行うように、安全確認ボタンSB1及び安全確認ボタンSB2に対応して設けられたライトが点灯する。また、車両を出庫させる場合には、誘導手段として、区画B3から区画B4の順に安全確認を行うように、安全確認ボタンSB3及び安全確認ボタンSB4に対応して設けられたライトが点灯する。
安全確認制御部32は、安全確認ボタンSB1が操作された場合には、監視区画の区画B1に対応した車両後側センサ71を有効化する。また、安全確認制御部32は、安全確認ボタンSB2が操作された場合には、監視区画の区画B2に対応した車両前側センサ72及び入庫バース人感センサ73を有効化する。また、安全確認制御部32は、安全確認ボタンSB3が操作された場合には、監視区画の区画B3に対応した車両前側センサ74を有効化する。また、安全確認制御部32は、安全確認ボタンSB4が操作された場合には、監視区画の区画B4に対応した車両後側センサ75及び出庫バース人感センサ76を有効化する。
次に、上述の安全確認制御部32による処理について図8を参照して説明する。図8に示すフローは、車両を入庫させる場合であり、車両が入庫乗降領域70aに載置された後に実行される。
まず、安全確認ボタンSB1に対応するライトを点灯する(S201)。そして、安全確認ボタンSB1が押圧されたか否かを判定する(S202)。
安全確認ボタンSB1が押圧されていない場合(S202のNO判定)には、S202を繰り返し実行する。
安全確認ボタンSB1が押圧された場合(S202のYES判定)には、安全確認ボタンSB1に対応するライトを消灯するとともに安全確認ボタンSB2に対応するライトを点灯し、安全確認ボタンSB1に対応するセンサ(車両後側センサ71)を有効化する(S203)。
そして、有効化したセンサ(車両後側センサ71)において、物体が検出されたか否かを判定する(S204)。有効化したセンサ(車両後側センサ71)において、物体が検出された場合(S204のYES判定)には、有効化したすべてのセンサの有効化を解除し(S205)、S201が再度実行される。
有効化したセンサにおいて物体が検出されない場合(S204のNO判定)には、安全確認ボタンSB2が押圧されたか否かを判定する(S206)。安全確認ボタンSB2が押圧されていない場合(S206のNO判定)には、S204へ戻り上記の処理が繰り返し実行される。
安全確認ボタンSB2が押圧された場合(S206のYES判定)には、安全確認ボタンSB2に対応するライトを消灯するとともに最終確認ボタンSBF1への操作を有効とし、安全確認ボタンSB2に対応するセンサ(車両前側センサ72及び入庫バース人感センサ73)を有効化する(S207)。
そして、有効化したセンサ(車両後側センサ71、車両前側センサ72、入庫バース人感センサ73)において、物体が検出されたか否かを判定する(S208)。有効化したセンサにおいて、物体が検出された場合(S208のYES判定)には、有効化したすべてのセンサの有効化を解除し(S205)、S201が再度実行される。
有効化したセンサにおいて物体が検出されない場合(S208のNO判定)には、最終確認ボタンSBF1が押圧されたか否かを判定する(S209)。最終確認ボタンSBF1が押圧されていない場合(S209のNO判定)には、S208へ戻り上記の処理が繰り返し実行される。
最終確認ボタンSBF1が押圧された場合(S209のYES判定)には、機械式駐車装置60における動作が開始される(S210)。具体的には、車両が搬送機によって入庫乗降領域70aから入庫リフト62へ搬送される。
なお、車両を出庫させる場合についても、図8に示すフローと同様に処理が行われる。すなわち、車両を出庫させる場合には、車両が出庫乗降領域70bから出庫された後(搬送機が稼働する前)に開始され、区画B3から区画B4の順に安全確認を行うように、安全確認処理が実行される。
以上説明したように、本実施形態に係る機械式駐車装置の安全確認システム、機械式駐車装置、安全確認方法、及び安全確認プログラムによれば、監視区画毎に人為的な安全確認と機械的な安全確認をシームレスに移行し、各監視区画内の安全確認の信頼性を向上させることが可能となる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態に係る機械式駐車装置の安全確認システム、機械式駐車装置、安全確認方法、及び安全確認プログラムについて説明する。
上述した第1実施形態では、乗降領域が奥側乗降領域20aと前側乗降領域20bとに区分けされた縦列式となっている場合について説明したが、本実施形態では、乗降領域が、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれかが可能な複数の領域が横列方向に配置された昇降横行式(単列)となっている場合について説明する。以下、本実施形態に係る機械式駐車装置90について、第1実施形態及び第2実施形態と異なる点について主に説明する。なお、本実施形態における機械式駐車装置90を昇降横行式として説明するが、ピット昇降式についても同様に適用可能である。
図9は、本第3実施形態に係る機械式駐車装置90の概念図である。なお、図9には、機械式駐車装置90の一部が示されている。
本実施形態における機械式駐車装置90は、3段8列の昇降横行式(単列)であり、例えば地上に設けた乗入階から車両を入出庫させる。図9に示すように、乗入階には、乗降領域100が設けられており、乗降領域100は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれかが可能な複数の領域(以下、「単位乗降領域」という。)が横列方向に8列、縦列方向に単列配置されている。なお、横列方向に配置された各単位乗降領域100a〜100hは、図9及び図10に示すように、同一方向(矢印W4)から車両の進入が可能なように配置されている。また、乗降領域100は例えば柵等で囲われており、車両が進入する側の面には出入口扉が設けられている。
そして、格納庫は、該単位乗降領域の上側及び下側の少なくとも一方に設けられている。本実施形態では、8つの単位乗降領域100a〜100hが横列方向に単列配置されており、各単位乗降領域に対応して格納棚が3段構成となっている地上式の場合について説明する(図10)。
3段目の搬送機は昇降機能を有し、3段目と1段目の乗降領域100a〜100hの間を昇降する。2段目の搬送機は昇降機能及び横行機能を有し、2段目と1段目の乗降領域100a〜100hの間を昇降すると同時に、2段目において1列を横行する(2段目の乗降領域100a〜100hの間を横行する)。1段目の搬送機は横行機能を有し、1段目において1列を横行する(1段目の乗降領域100a〜100hの間を横行する)。
本実施形態では、空格納棚を乗入階へ必要に応じて横行し、昇降制御することによって、利用者は乗入階から空格納棚へ車両を駐車させることができる。具体的には、図9において、乗入階(1段目)の単位乗降領域100bで格納棚101bへ入庫する場合には、まず格納棚101bが横行して単位乗降領域100bの上部である2段目に横行する、その後格納棚101bが下降して乗入階の単位乗降領域100bに配置される。乗入階において空格納棚へ車両を駐車させた後は、格納棚101bは上昇して2段目に上昇する。また、車両を出庫させる場合には、出庫車両が載置された格納棚が、必要に応じて水平方向に横行し、上下方向に昇降することによって乗入階に移動し、利用者は格納階から車両の出庫が可能となる。
図10は、本実施形態における乗降領域100の概略構成である。乗降領域100には、監視区画として、単位列における車両の進入方向に対して区画C1(奥方監視区画)と区画C2(前方監視区画)が設定されている。区画C1は、乗降領域100へ駐車した車両の後方領域を監視する区画であり、区画C2は、駐車した車両の前方領域を監視する区画である。昇降横行式(単列)では、単位乗降領域100a〜100hが横列方向に単列配置されているため、監視区画は、各単位乗降領域100a〜100hにまたがって設定される。すなわち、区画C1は、単位配列された各単位乗降領域100a〜100hの奥側領域を監視する区画であり、区画C2は、単位配列された各単位乗降領域100a〜100hの前側領域を監視する区画である。なお、監視区画として、駐車した車両の左右方向の領域を監視する区画を設けることとしてもよい。また、監視区画は、各単位乗降領域にまたがって設定される場合に限られず、任意に設定可能である。
そして、乗降領域100には、車両後側センサ103、車両前側センサ104及び区画センサ105a〜105iが設けられている。乗降領域100において、車両後側センサ103は、車両の後方領域を監視し、区画C1に対応して設けられる。また、車両前側センサ104は、車両の前方領域を監視し、区画センサ105a〜105iは単位乗降領域の左右の領域をそれぞれを監視し、区画C2に対応して設けられる。
また、乗降領域100には、図10に示すように、安全確認ボタンSC1〜SC2が配置されている。安全確認ボタンSC1は、乗降領域100の内部であって、監視区画の区画C1における物体の有無を人が視認可能な位置に配置されており、安全確認ボタンSC1が操作されることで、監視区画の区画C1に対応した車両後側センサ103が有効化される。なお、本実施形態では、安全確認ボタンSC1は、2つの単位乗降領域に対して1つ設けている。
安全確認ボタンSC2は、監視区画の区画C2における物体の有無を人が視認可能な位置に配置されており、安全確認ボタンSC2が操作されることで、監視区画の区画C2に対応した車両前側センサ104及び区画センサ105a〜105iが有効化される。なお、本実施形態では、安全確認ボタンSC2は、2つの単位乗降領域に対して1つ設けている。
なお、監視区画と、センサと、安全確認ボタンとは連動しているため、設定された監視区画の位置及び数に応じて、センサ及び安全確認ボタンの配置位置及び数は適宜変更される。また、乗降領域100には、操作盤106が設けられており、最終確認ボタンSCFを有している。
誘導手段としては、車両を入庫させる場合、区画C1から区画C2の順に安全確認を行うように、安全確認ボタンSC1及び安全確認ボタンSC2に対応して設けられたライトが点灯する。
安全確認制御部32は、安全確認ボタンSC1が操作された場合には、監視区画の区画C1に対応した車両後側センサ103を有効化し、安全確認ボタンSC2が操作された場合には、監視区画の区画C2に対応した車両前側センサ104及び区画センサ105a〜105iを有効化する。
次に、上述の安全確認制御部32による処理について図11を参照して説明する。図11に示すフローは、車両を入庫させる場合であり、車両が乗降領域100に載置された後に実行される。なお、図11のフローでは、乗降領域100における単位乗降領域(例えば、100g)に車両を入庫させる場合について例示して説明する。
まず、安全確認ボタンSC1に対応するライトを点灯する(S301)。そして、安全確認ボタンSC1が押圧されたか否かを判定する(S302)。
安全確認ボタンSC1が押圧されていない場合(S302のNO判定)には、S302を繰り返し実行する。
安全確認ボタンSC1が押圧された場合(S302のYES判定)には、安全確認ボタンSC1に対応するライトを消灯するとともに安全確認ボタンSC2に対応するライトを点灯し、安全確認ボタンSC1に対応するセンサ(車両後側センサ103)を有効化する(S303)。なお、例えば単位乗降領域100gに車両を駐車した運転者は、近くの安全確認ボタンSC1を操作することによって、区画C1を直接的に視認して安全確認を行うことができる。
そして、有効化したセンサ(車両後側センサ103)において、物体が検出されたか否かを判定する(S304)。有効化したセンサ(車両後側センサ103)において、物体が検出された場合(S304のYES判定)には、有効化したすべてのセンサの有効化を解除し(S305)、S301が再度実行される。
有効化したセンサにおいて物体が検出されない場合(S304のNO判定)には、安全確認ボタンSC2が押圧されたか否かを判定する(S306)。安全確認ボタンSC2が押圧されていない場合(S306のNO判定)には、S304へ戻り上記の処理が繰り返し実行される。
安全確認ボタンSC2が押圧された場合(S306のYES判定)には、安全確認ボタンSC2に対応するライトを消灯するとともに最終確認ボタンSCFへの操作を有効とし、安全確認ボタンSC2に対応するセンサ(車両前側センサ104及び区画センサ105a〜105i)を有効化する(S307)。なお、例えば単位乗降領域100gに車両を駐車した運転者は、近くの安全確認ボタンSC2を操作することによって、区画C2を直接的に視認して安全確認を行うことができる。
そして、有効化したセンサ(車両後側センサ103、車両前側センサ104)において、物体が検出されたか否かを判定する(S308)。有効化したセンサにおいて、物体が検出された場合(S308のYES判定)には、有効化したすべてのセンサの有効化を解除し(S305)、S301が再度実行される。
有効化したセンサにおいて物体が検出されない場合(S308のNO判定)には、最終確認ボタンSCFが押圧されたか否かを判定する(S309)。最終確認ボタンSCFが押圧されていない場合(S309のNO判定)には、S308へ戻り上記の処理が繰り返し実行される。
最終確認ボタンSCFが押圧された場合(S309のYES判定)には、機械式駐車装置90における動作が開始される(S310)。
なお、車両を出庫させる場合についても、図11に示すフローと同様に処理が行われる。すなわち、車両を出庫させる場合には、車両が乗降領域100から出庫された後(搬送機が稼働する前)に開始され、区画C1から区画C2の順に安全確認を行うように、安全確認処理が実行される。
以上説明したように、本実施形態に係る機械式駐車装置の安全確認システム、機械式駐車装置、安全確認方法、及び安全確認プログラムによれば、乗降領域100が、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれかが可能な複数の領域が横列方向に単列配置された単位列となっている場合であっても、奥方監視区画を人が視認可能な位置に安全確認ボタンを配置することとしたため、奥方監視区画の安全確認を人の視認によって確実に行うことができる。
例えば、図16に示す参考例のように、後方確認ミラー160によって乗降領域の外部から乗降領域の奥方監視区画の安全確認を行うこととすると、視認性が悪く安全確認を十分に行うことができない。そして、夜間や雨等の場合には、さらに視認性は悪くなってしまう可能性がある。すなわち、安全性をより向上させるためには、人間によって直接的に視認して安全確認を行うことが好ましい。そこで、例えば鏡等の媒介(特に、人が直接的に視認する場合と比較して視野等の視認性を低下させるもの)を介さず、人の目によって直接的に視認して安全確認を行うことで、安全確認の信頼性を向上させることができる。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態に係る機械式駐車装置の安全確認システム、機械式駐車装置、安全確認方法、及び安全確認プログラムについて説明する。
上述した第3実施形態では、乗降領域が、単位乗降領域が横列方向に配置された単位列の昇降横行式(単列)となっている場合について説明したが、本実施形態では、乗降領域が、該単位列が縦列方向に複数配置された昇降横行式(縦列)となっている場合について説明する。以下、本実施形態に係る機械式駐車装置120について、第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態と異なる点について主に説明する。なお、本実施形態における機械式駐車装置120を昇降横行式として説明するが、ピット昇降式についても同様に適用可能である。
図12は、本第4実施形態に係る機械式駐車装置120の概念図である。なお、図12には、機械式駐車装置120の一部が示されている。
本実施形態における機械式駐車装置120は、3段6列の昇降横行式(縦列)であり、例えば地上に設けた乗入階から車両を入出庫させる。図12に示すように、乗入階には、乗降領域130が設けられており、乗降領域130は、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれかが可能な複数の領域が横列方向に6列配置されており、これを単位列として、該単位列が縦列方向に複数配置された構成となっている。そして、格納庫は各単位乗降領域130a〜130lの上側及び下側の少なくとも一方に設けられている。本実施形態では、乗降領域130には、6つの単位乗降領域が横列方向に6列配置されて成す単位列が縦列方向に2列配置されている場合について説明する。
3段目の搬送機は昇降機能を有し、3段目と1段目の乗降領域130a〜130lの間を昇降する。2段目の搬送機は昇降機能及び横行機能を有し、2段目と1段目の乗降領域130a〜130lの間を昇降すると同時に、2段目において1列を横行する(2段目の乗降領域130a〜130fの間と130g〜130lの間を横行する)。1段目の搬送機は横行機能を有し、1段目において1列を横行する(1段目の乗降領域130a〜130fの間と130g〜130lの間を横行する)。
図13は、本実施形態における乗降領域130の概略構成である。なお、本実施形態では、乗降領域130は単位乗降領域130a〜130lから構成されており、単位乗降領域130a〜130fが成す列を単位列L2とし、単位乗降領域130g〜130lが成す列を単位列L1とする。図12及び図13において、搬送機は、単位乗降領域130a〜130l毎に格納棚131a〜131cを昇降させる。乗降領域130には、各単位列において、監視区画として、車両の進入方向(矢印W5)に対して奥方監視区画と前方監視区画が設定されている。本実施形態では、単位列を縦列方向に2列配置することとしているため、単位列L1における奥方監視区画を区画D1(L1)とし、前方監視区画を区画D2(L1)とし、単位列L2における奥方監視区画を区画D1(L2)とし、前方監視区画を区画D2(L2)とする。
そして、乗降領域130には、単位列L1において車両後側センサ133、車両前側センサ134及び区画センサ137a〜137gが設けられ、単位列L2において車両後側センサ135、車両前側センサ136及び区画センサ138a〜138gが設けられている。単位列L1において、車両後側センサ133は、車両の後方領域を監視し、区画D1(L1)に対応して設けられる。また、車両前側センサ134は、車両の前方領域を監視し、区画センサ137a〜137gは単位乗降領域の左右の領域をそれぞれ監視し、区画D2(L1)に対応して設けられる。また、単位列L2において、車両後側センサ135は、車両の後方領域を監視し、区画D1(L2)に対応して設けられる。また、車両前側センサ136は、車両の前方領域を監視し、区画センサ138a〜138gは単位乗降領域の左右の領域をそれぞれ監視し、区画D2(L2)に対応して設けられる。
また、乗降領域130には、図13に示すように、安全確認ボタンSD1〜SD3が配置されている。なお、各安全確認ボタンSD1〜SD3は、2つの単位乗降領域に対して1つ設けられている。安全確認ボタンSD1は、乗降領域130の内部であって、監視区画の区画D1(L1)における物体の有無を人が視認可能な位置に配置されており、安全確認ボタンSD1が操作されることで、監視区画の区画D1(L1)に対応した車両後側センサ133が有効化される。安全確認ボタンSD2は、監視区画の区画D2(L1)及び区画D1(L2)における物体の有無を人が視認可能な位置に配置されており、安全確認ボタンSD2が操作されることで、監視区画の区画D2(L1)及び区画D1(L2)に対応した車両前側センサ134、区画センサ137a〜137g及び車両後側センサ135が有効化される。安全確認ボタンSD3は、監視区画の区画D2(L2)における物体の有無を人が視認可能な位置に配置されており、安全確認ボタンSD3が操作されることで、監視区画の区画D2(L2)に対応した車両前側センサ136及び区画センサ138a〜138gが有効化される。なお、監視区画と、センサと、安全確認ボタンとは連動しているため、設定された監視区画の位置及び数に応じて、センサ及び安全確認ボタンの配置位置及び数は適宜変更される。また、乗降領域130には、操作盤139が設けられており、最終確認ボタンSDFを有している。
誘導手段としては、車両を入庫させる場合、区画D1(L1)から区画D2(L2)の順に安全確認を行うように、安全確認ボタンSD1〜SD3に対応して設けられたライトが点灯する。
安全確認制御部32は、安全確認ボタンSD1が操作された場合には、監視区画の区画D1(L1)に対応した車両後側センサ133を有効化する。また、安全確認制御部32は、安全確認ボタンSD2が操作された場合には、監視区画の区画D2(L1)及び区画D1(L2)に対応した車両前側センサ134、区画センサ137a〜137g及び車両後側センサ135を有効化する。また、安全確認制御部32は、安全確認ボタンSD3が操作された場合には、監視区画の区画D2(L2)に対応した車両前側センサ136及び区画センサ138a〜138gを有効化する。
次に、上述の安全確認制御部32による処理について図14及び図15を参照して説明する。図14及び図15に示すフローは、車両を入庫させる場合であり、車両が乗降領域130に載置された後に実行される。なお、図14及び図15のフローでは、乗降領域130の単位列L1における単位乗降領域(例えば、130i)に車両を入庫させる場合について例示して説明する。
まず、安全確認ボタンSD1に対応するライトを点灯する(S401)。そして、安全確認ボタンSD1が押圧されたか否かを判定する(S402)。
安全確認ボタンSD1が押圧されていない場合(S402のNO判定)には、S402を繰り返し実行する。
安全確認ボタンSD1が押圧された場合(S402のYES判定)には、安全確認ボタンSD1に対応するライトを消灯するとともに安全確認ボタンSD2に対応するライトを点灯し、安全確認ボタンSD1に対応するセンサ(車両後側センサ133)を有効化する(S403)。なお、例えば単位乗降領域130iに車両を駐車した運転者は、近くの安全確認ボタンSD1を操作することによって、区画D1(L1)を直接的に視認して安全確認を行うことができる。
そして、有効化したセンサ(車両後側センサ133)において、物体が検出されたか否かを判定する(S404)。有効化したセンサ(車両後側センサ133)において、物体が検出された場合(S404のYES判定)には、有効化したすべてのセンサの有効化を解除し(S405)、S401が再度実行される。
有効化したセンサにおいて物体が検出されない場合(S404のNO判定)には、安全確認ボタンSD2が押圧されたか否かを判定する(S406)。安全確認ボタンSD2が押圧されていない場合(S406のNO判定)には、S404へ戻り上記の処理が繰り返し実行される。
安全確認ボタンSD2が押圧された場合(S406のYES判定)には、安全確認ボタンSD2に対応するライトを消灯するとともに安全確認ボタンSD3に対応するライトを点灯し、安全確認ボタンSD2に対応するセンサ(車両後側センサ135、車両前側センサ134、区画センサ137a〜137g)を有効化する(S407)。なお、例えば単位乗降領域130cに車両を駐車した運転者は、近くの安全確認ボタンSD2を操作することによって、区画D2(L1)及び区画D1(L2)を直接的に視認して安全確認を行うことができる。
そして、有効化したセンサにおいて、物体が検出されたか否かを判定する(S408)。有効化したセンサにおいて、物体が検出された場合(S408のYES判定)には、有効化したすべてのセンサの有効化を解除し(S405)、S401が再度実行される。
有効化したセンサにおいて物体が検出されない場合(S408のNO判定)には、安全確認ボタンSD3が押圧されたか否かを判定する(S409)。安全確認ボタンSD3が押圧されていない場合(S409のNO判定)には、S408へ戻り上記の処理が繰り返し実行される。
安全確認ボタンSD3が押圧された場合(S409のYES判定)には、安全確認ボタンSD3に対応するライトを消灯するとともに最終確認ボタンSDFへの操作を有効とし、安全確認ボタンSD3に対応するセンサ(車両前側センサ136、区画センサ138a〜138g)を有効化する(S410)。なお、例えば単位乗降領域130cに車両を駐車した運転者は、近くの安全確認ボタンSD3を操作することによって、区画D2(L2)を直接的に視認して安全確認を行うことができる。
そして、有効化したセンサにおいて、物体が検出されたか否かを判定する(S411)。有効化したセンサにおいて、物体が検出された場合(S411のYES判定)には、有効化したすべてのセンサの有効化を解除し(S405)、S401が再度実行される。
有効化したセンサにおいて物体が検出されない場合(S411のNO判定)には、最終確認ボタンSDFが押圧されたか否かを判定する(S412)。最終確認ボタンSDFが押圧されていない場合(S412のNO判定)には、S411へ戻り上記の処理が繰り返し実行される。
最終確認ボタンSDFが押圧された場合(S412のYES判定)には、機械式駐車装置120における動作が開始される(S413)。
なお、車両を出庫させる場合についても、図14及び図15に示すフローと同様に処理が行われる。すなわち、車両を出庫させる場合には、車両が乗降領域130から出庫された後(搬送機が稼働する前)に開始され、区画D1(L1)から区画D2(L2)の順に安全確認を行うように、安全確認処理が実行される。
以上説明したように、本実施形態に係る機械式駐車装置の安全確認システム、機械式駐車装置、安全確認方法、及び安全確認プログラムによれば、乗降領域が、車両の入庫及び出庫の少なくともいずれかが可能な複数の領域が横列方向に配置された単位列が、縦列方向に複数配置された場合であっても、奥方監視区画を人が視認可能な位置に安全確認ボタンを配置することとしたため、奥方監視区画の安全確認を人の視認によって確実に行うことができる。
本発明は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施が可能である。なお、各実施形態を組み合わせることも可能である。
例えば、安全確認システムが適用される機械式駐車装置については、上記に限られず、垂直循環方式、多層階循環方式、水平循環方式、エレベータ方式、エレベータ・スライド方式、平面往復方式、二・多段昇降方式(ピット式)、昇降横行式(ピット式)等さまざまな方式の機械式駐車装置とすることが可能である。