JP7140367B2 - ヒト由来サンプルにおける可溶型tlr7の分析 - Google Patents

ヒト由来サンプルにおける可溶型tlr7の分析 Download PDF

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Description

本発明は、トール様受容体7(toll-like receptor 7:TLR7)を検出する技術に関する。特に本発明は、可溶型TLR7の検出に関しており、TLR7を標的とした物質のスクリーニング、TLR7を標的とした治療などにも関する。
トール様受容体(TLR)は病原体センサーの一つのファミリーを形成しており、病原体成分に応答して活性化シグナルを誘導し、感染防御反応を誘導する。TLRは感染防御に重要であるばかりでなく、自己免疫疾患などの病態における炎症誘導にも関わっている。例えば、非特許文献1には、血清中のTLRを非小細胞肺がん(NSCLC)の患者における放射性肺炎の指標として用いることが提案されている。
約10種類のTLRのうちTLR3、TLR7、TLR8及びTLR9は、細胞内小器官である小胞体に分布し、細菌やウイルス由来の核酸を認識する。TLR7とTLR8は1本鎖RNAを認識し、TLR9はCpGモチーフを含む非メチル化1本鎖DNA(CpG-DNA)を認識する。
しかし、ウイルス特有の2本鎖RNAとは異なり、一本鎖RNAやDNAは宿主由来の核酸と大きな違いはなく、TLRによるリガンド認識機構が厳密に制御されなければ、自己に対する反応を惹起し、自己免疫疾患に陥ってしまう。
この点、TLR7による自己免疫反応は、核酸を認識する場所をエンドリソソームに限定することによって調節されている(非特許文献2)。定常時、細胞外にある自己の核酸は急速に分解されるため、細胞内のエンドリソソームには到達せず、TLR7には認識されない。一方、微生物核酸は細菌の細胞壁やウイルス粒子に保護されているのでエンドリソソームに到達し、そこで初めて放出され、TLR7に認識される。
これに対し、抗微生物ペプチドや自己抗体との相互作用によって自己の核酸が分解に耐性を有するようになり、エンドリソソームに到達できるようになると、TLR7依存性自己免疫反応が引き起こされる。実際、TLR7については、乾癬や全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)との関連が示唆されている(非特許文献3~5)。
したがって、TLR7は、乾癬やSLEなどのTLR7依存性自己免疫疾患の治療標的と考えられ、これまでにTLR7の発現や機能を抑制する様々な方法が提案されている。具体的には、TLR7に対して拮抗作用を持つオリゴDNAや、TLR7の発現を抑制するマイクロRNAなどを用いた方法が試みられてきた。しかしながら、一般に核酸医薬の安全性は未知数であり、また、TLR7の機能を完全に抑制すると、感染症などの危険性を招く可能性も否定できない。
TLR7は、自己免疫反応を制限するためにエンドリソソームに局在し、細胞表面からは隔絶されていると考えられてきたため、細胞表面にのみ作用する抗体は使用できないとの考えもあったが、安全性及び特異性の面で優れるとされる抗体医薬も提案されている(特許文献1)。
国際公開WO2014/174704
Int. J. Clin. Exp. Pathol., 711:8087-8095 (2014) Barton, G.et al. d Medzhitov, R. Nat Immunol 7, pp. 49-56 (2006) Lande, R. et al. Nature 449, pp. 564-569 (2007) Christensen, S. R. et al. Immunity 25, pp. 417-428 (2006) Ehlers, M. et al. J Exp Med 203, pp. 553-561 (2006)
全身性エリテマトーデス(SLE)や関連する自己免疫疾患では、自己免疫応答による炎症が誘導されており、病態に深く関与しているとされるが、これらの疾患の原因は不明な点が多い。治療薬としては、非特異的な抗炎症作用を有するステロイドが用いられているが、その副作用は症例によっては大きな問題となっており、治療標的を同定し、より特異的な治療法を開発することが重要である。
TLR7は、エンドソームやライソソームに局在するRNAセンサーであり、自己免疫疾患の病態に関与すること、特に、自己免疫疾患であるSLEにおいてその関与が示唆されている。しかしながら、TLR7に関する知見は、主にモデルマウスにおける知見であり、ヒトのサンプルにおいてTLR7の関与を示す結果はまだ充分ではない。
このように、SLEモデルマウスに関する研究において病態におけるTLR7の関与が示唆されたため、SLEを含む膠原病などの治療標的分子としてTLR7が期待されているものの、TLR7を簡便に検出する技術が確立されておらず、TLR7の病態への関与を調べられる新たな手法が必要とされていた。特にヒトにおいては、SLEなどの自己免疫疾患にTLR7が関与しているかどうか検討しようにも、マウスと比較して解析に使える手法が限定されており、TLR7と病態との関連を解析することが困難であった。
上記課題について鋭意検討したところ、本発明者らは、ヒトTLR7に対するモノクローナル抗体を実際に複数得るとともに、TLR7を検出できる分析法を確立することに成功し、これに基づいて本発明を完成させるに至った。
本発明は、これに限定されるものではないが、以下の発明を包含する。
(1) 抗ヒトTLR7抗体を用いて被験者のサンプル中のヒトTLR7を検出する工程と、被験者のサンプルに関する検出結果を、健常人由来のサンプルに関する検出結果と比較する工程と、を含む、ヒト由来の体液サンプルを分析する方法。
(2) 酵素免疫アッセイおよび/または免疫沈降によってヒトTLR7を検出する、(1)に記載の方法。
(3) 複数の抗ヒトTLR7抗体を用いてサンプル中のヒトTLR7を検出する、(1)または(2)に記載の方法。
(4) 前記サンプルが、ヒトの体液由来のサンプルである、(1)~(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 前記サンプルが、ヒトの血漿および/または血清を含む、(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(6) 被験者が、自己免疫疾患の患者または自己免疫疾患が疑われる者である、(1)~(5)のいずれかに記載の方法。
(7) ヒトTLR7を標的とする医薬のヒトにおける効果を評価する方法であって、抗ヒトTLR7抗体を用いてヒト由来のサンプル中のヒトTLR7を検出することを含む、上記方法。
(8) ヒトTLR7を標的とする医薬が自己免疫疾患に対する医薬である、(7)に記載の方法。
(9) ヒトTLR7を標的とする医薬がSLEに対する医薬である、(7)または(8)に記載の方法。
(10) 抗ヒトTLR7抗体を含んでなる、自己免疫疾患を検査するための薬剤。
(11) ヒト由来の体液サンプルを分析するための、(10)に記載の薬剤。
(12) 自己免疫疾患がSLEである、(10)または(11)に記載の薬剤。
本発明によれば、TLR7を簡便に検出することが可能になる。特に本発明によれば、可溶型TLR7の検出が可能であり、本発明は、TLR7を標的とした物質のスクリーニング、TLR7を標的とした治療などにも適用できる。
本発明によれば、ヒトの血清をはじめとする体液中の可溶型TLR7を測定することができるため、自己免疫疾患における可溶型TLR7の変動と病態との関連を調べることが容易となる。従来、ヒトのサンプルを用いた解析としては、末梢血由来の白血球を用いて、TLR7の発現、TLR7リガンドに対する応答を調べることが知られていたが、これらの解析は新鮮血を必要とするものであり、サンプルの入手が容易ではなかった。本発明によれば、体液を用いてより多くのサンプル解析が可能となるため、TLR7が関連する疾患や病態の分析や治療、研究において本発明は極めて有用である。
図1は、実験1における遺伝子配列の解析結果である(rE3およびLTM3、下線はCDRを示す)。 図2は、実験2の結果を示すヒストグラムである。 図3は、rE3およびLTM3のエピトープが異なることを示す図である。 図4は、実験3で作成したサルTLR7の標準曲線である。 図5は、実験4の免疫沈降とウエスタンブロッティング法で可溶型TLR7を検出した結果を示す図である。 図6は、実験5の結果を示すグラフである(-:平均値、*: p<0.05;***: p<0.001)。
本発明においては、ヒトTLR7(本明細書中、hTLR7とも称する)に対する抗体を使用する。本発明に係る抗ヒトTLR7抗体は、ヒトTLR7の細胞外ドメインを認識するものであれば特に限定されず、例えば、抗体全体のみならず、その機能的断片であってもよい。
TLRはマウスでは12種類、ヒトでは10種類のファミリーが知られている。TLR1、TLR2、TLR4、TLR5、TLR6は細胞表面に分布し、細菌膜成分であるリポタンパク質、LPSなどの糖脂質、フラジェリンなどのタンパク質を認識する。TLR3、TLR7、TLR8、TLR9は細胞内小器官である小胞体に分布し、細菌やウイルス由来の核酸を認識する。
TLRはI型の膜タンパク質で細胞外にLRR(Leucine rich repeat)を有する。病原体成分を認識すると、細胞内のTIR(Toll/IL-1R homology)ドメインによりシグナル伝達を行う。リガンドを認識したTLRはTIRドメインを介したシグナルを細胞内へ伝えることにより、最終的にNF-κBやIRF(Interferon-Regulatory Factor)ファミリーなどの転写因子を活性化させ、炎症性サイトカイン(IL-6やIL-12、TNFαなど)や炎症性ケモカイン(RANTESなど)、I型インターフェロン(IFNαやIFNβ)の産生を誘導し、局所において適切な自然免疫応答を引き起こす。これらのTLRを介した免疫応答は生体防御において必要不可欠であり、TLR応答に関連する分子が欠損すると、様々な病原体に感染し易くなることが報告されている。しかし、何らかの原因で、自己に由来する物質がTLRの内因性リガンドとなると、慢性的な炎症を引き起こす可能性が指摘されている。
実際、TLR7は、SLEや乾癬の発症に関与することが知られている。抗TLR7抗体は、細胞表面TLR7に結合し、当該細胞のTLR7応答を阻害することにより、免疫の異常な活性化を防いで疾患の治療又は予防に寄与する。
ヒトTLR7のcDNAのヌクレオチド配列は、例えばGenBankにアクセッション番号:NM_016562として登録されており、バリアントも知られている。ヒトTLR7(バリアント2)のアミノ酸配列は、配列番号17に記載されている。本発明に係る抗TLR7抗体は、可溶型TLR7に結合する。可溶型TLR7は、少なくともTLR7の細胞外ドメインを含むタンパク質である。
また、本発明に用いられる抗TLR7抗体の一態様は、以下のCDRのうち少なくとも1つを含む。
(a) 配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1
(b) 配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2
(c) 配列番号3で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3
(d) 配列番号4で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1
(e) 配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2
(f) 配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3
本発明に用いられる抗TLR7抗体の別の態様は、以下のCDRのうち少なくとも1つを含む。
(g) 配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1
(h) 配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2
(i) 配列番号11で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3
(j) 配列番号12で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1
(k) 配列番号13で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2
(l) 配列番号14で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3
本発明に用いられる抗TLR7抗体は、上記(a)~(f)の重鎖CDR1~3及び軽鎖CDR1~3のうち、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、又はすべてを含む抗体であってもよい。本発明に用いられる抗TLR7抗体は、上記(g)~(l)の重鎖CDR1~3及び軽鎖CDR1~3のうち、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、又はすべてを含む抗体であってもよい。
また、本発明に用いられる抗TLR7抗体は、上記(a)~(f)の重鎖CDR1~3及び軽鎖CDR1~3の少なくとも1つが、そのアミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するものであってもよい。本発明に用いられる抗TLR7抗体は、上記(g)~(l)の重鎖CDR1~3及び軽鎖CDR1~3の少なくとも1つが、そのアミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するものであってもよい。
本明細書において用語「アミノ酸」は、その最も広い意味で用いられ、天然のアミノ酸のみならずアミノ酸変異体及び誘導体といったような非天然アミノ酸を含む。アミノ酸の例としては、天然タンパク原性L-アミノ酸;D-アミノ酸;アミノ酸変異体及び誘導体などの化学修飾されたアミノ酸;ノルロイシン、β-アラニン、オルニチンなどの天然非タンパク原性アミノ酸;及びアミノ酸の特徴である当業界で公知の特性を有する化学的に合成された化合物などが挙げられるがこれらに限定されない。非天然アミノ酸の例としては、α-メチルアミノ酸(α-メチルアラニンなど)、D-アミノ酸、ヒスチジン様アミノ酸(2-アミノ-ヒスチジン、β-ヒドロキシ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、α-フルオロメチル-ヒスチジン及びα-メチル-ヒスチジンなど)、側鎖に余分のメチレンを有するアミノ酸(「ホモ」アミノ酸)及び側鎖中のカルボン酸官能基アミノ酸がスルホン酸基で置換されるアミノ酸(システイン酸など)が挙げられるがこれらに限定されない。
本明細書において、「1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有する」という場合、欠失、置換等されるアミノ酸の個数は、結果として得られるCDRのセットが抗原認識機能を保持する限り特に限定されない。各CDRにおける欠失、置換又は付加の位置は、結果として得られるCDRのセットが抗原認識機能を保持する限り、N末端でも、C末端でも、その中間であってもよい。
本発明に用いられる抗TLR7抗体は、結果として得られるCDRのセットが抗TLR7抗体のCDRとしての機能を保持する限り、上記(a)~(f)の重鎖CDR1~3及び軽鎖CDR1~3の少なくとも1つが、配列番号1~6に示されるアミノ酸配列と90%以上、95%以上または98%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるものであってもよい。本発明に用いられる抗TLR7抗体は、結果として得られるCDRのセットが抗TLR7抗体のCDRとしての機能を保持する限り、上記(g)~(l)の重鎖CDR1~3及び軽鎖CDR1~3の少なくとも1つが、配列番号9~14に示されるアミノ酸配列と90%以上、95%以上、98%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるものであってもよい。
本明細書において、「配列番号Xに示すアミノ酸配列に対してY%以上の同一性を有する」とは、2つのポリペプチドのアミノ酸配列の一致が最大になるように整列(アライメント)させたときに、共通するアミノ酸残基数の、配列番号Xに示す全アミノ酸数に対する割合がY%以上であることを意味する。
本発明に用いられる抗TLR7抗体は、以下のいずれかであってもよい。
(1) 配列番号7で表されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列番号8で表されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む抗体、
(2) 配列番号7及び/又は8で表されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域を含む抗体、
(3) 配列番号7及び/又は8で表されるアミノ酸配列と70%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域を含む抗体、及び
(4) 上記(1)から(3)のいずれかの抗体と同じエピトープを認識する抗体。
また別の態様において、本発明に用いられる抗TLR7抗体は、以下のいずれかであってもよい。
(1) 配列番号15で表されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列番号16で表されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む抗体、
(2) 配列番号15及び/又は16で表されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域を含む抗体、
(3) 配列番号15及び/又は16で表されるアミノ酸配列と70%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域を含む抗体、及び
(4) 上記(1)から(3)のいずれかの抗体と同じエピトープを認識する抗体。
本明細書において、「配列番号A及び/又はBで表されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域を含む抗体」という場合、重鎖可変領域が、配列番号Aで表されるアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有する配列からなること、及び/又は、軽鎖可変領域が、配列番号Bで表されるアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有する配列からなることを意味する。欠失、置換又は付加する個数は、結果として得られる重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含む抗体が、抗原に特異的に結合する限り特に限定されず、例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個とすることができる。欠失、置換又は付加する位置も、結果として得られる重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含む抗体が、抗原に特異的に結合する限り特に限定されない。
本明細書において、「配列番号A及び/又はBで表されるアミノ酸配列と70%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域を含む抗体」という場合、重鎖可変領域が配列番号Aで表されるアミノ酸配列と70%以上の同一性を有すること、及び/又は、軽鎖可変領域が配列番号Bで表されるアミノ酸配列と70%以上の同一性を有することを意味する。同一性は、結果として得られる重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含む抗体が、TLR7に特異的に結合する限り特に限定されないが、例えば、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、98%以上とすることができる。
本発明に用いられる抗TLR7抗体は、配列番号17で示されるヒトTLR7のアミノ酸配列のうち、276位~313位の領域内に結合するものとしてもよい。
本発明に用いられる抗TLR7抗体は、モノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であってもよい。また、本発明に用いられる抗TLR7抗体は、IgG、IgM、IgA、IgD及びIgEのいずれのアイソタイプであってもよい。
本発明に用いられる抗TLR7抗体は、細胞表面TLR7にそれぞれ結合する限り、マウス抗体、ヒト型CDR移植抗体、ヒト型キメラ抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体であってもよく、低分子抗体であってもよいが、これらに限定されない。
ヒト型CDR移植抗体は、ヒト以外の動物の抗体のCDRを、ヒト抗体のCDRで置換した抗体である。ヒト型キメラ抗体は、ヒト以外の動物の抗体に由来する可変領域と、ヒト抗体に由来する定常領域からなる抗体である。また、ヒト化抗体とは、ヒト以外の動物の抗体において、安全性の高い一部の領域を残して、ヒトの抗体に由来する部分を組み込んだものをいい、ヒト型キメラ抗体、ヒト型CDR移植抗体を含む概念である。
本明細書において「低分子抗体」とは、抗体の断片又は抗体の断片に任意の分子を結合させたものであって、もとの抗体と同一のエピトープを認識するものを意味する。具体的には、VL、VH、CL及びCH1領域からなるFab;2つのFabがヒンジ領域でジスルフィド結合によって連結されているF(ab’);VL及びVHからなるFv;VL及びVHを人工のポリペプチドリンカーで連結した一本鎖抗体であるscFvのほか、sdFv、Diabody、sc(Fv)が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明で用いられる抗TLR7抗体の作製方法は限定されないが、例えば、モノクローナル抗体は、TLR7又はその断片で免疫した非ヒト哺乳動物から抗体産生細胞を単離し、これを骨髄腫細胞等と融合させてハイブリドーマを作製し、このハイブリドーマが産生した抗体を精製することによって得ることができる。後述の実施例に記載のrE3およびLTM3はそのようにして作製されたモノクローナル抗体である。また、ポリクローナル抗体は、TLR7又はその断片で免疫した動物の血清から得ることができる。免疫に用いるTLR7の断片は、得られる抗体が細胞表面TLR7に結合してその機能を阻害する限り特に限定されないが、例えば、配列番号17の276位~313位アミノ酸配列を含むTLR7断片が挙げられる。
特定のアミノ酸配列を有する抗TLR7抗体を作製する場合は、例えば、抗TLR7抗体をコードする核酸を含む発現ベクターで適当な宿主を形質転換し、この形質転換体を適当な条件で培養して抗体を発現させ、公知の方法に従って単離精製することによって、抗TLR7抗体を作製することができる。単離精製方法としては、例えば、プロテインA等を用いたアフィニティカラム、その他のクロマトグラフィーカラム、フィルター、限外濾過、塩析、透析が挙げられ、これらを適宜組み合わせることができる。
また、「ある抗体Xと同一のエピトープに特異的に結合する抗体Y」は、次のようにエピトープの配列を決定してから作製することができる。
例えば、多数のランダムな配列のペプチドを固相担体に固定してアレイ化し、抗体Xと反応させ、酵素標識2次抗体で結合を検出して、抗体Xが特異的に結合するペプチドのアミノ酸配列を調べ、このアミノ酸配列と抗原タンパク質のアミノ酸配列の相同性を検索することによって、抗原タンパク質上のエピトープを決定することが可能である。固相担体に固定するペプチドを、予め、抗原タンパク質の部分ペプチド群としてもよい。
また、抗原タンパク質の種々の部分ペプチドの存在下で、抗体Xと抗原タンパク質との結合をELISA法で検出し、競合活性の有無を調べることによっても、抗原タンパク質上のエピトープを決定することが可能である。
エピトープの配列を決定することができれば、これに特異的に結合する抗体Yは、公知の方法にしたがって当業者が作製することができる。例えば、エピトープ配列を含むペプチドを固相担体に固定し、当該ペプチドと種々の抗体の結合を検出することにより、同エピトープに特異的に結合する抗体を得ることができる。
ここで、「種々の抗体」としては、動物を抗原タンパク質又はその部分ペプチドで免疫することによって得たものを用いてもよいし、ファージディスプレイ法によって作製した抗体ライブラリ又は抗体フラグメントライブラリを用いてもよい。ファージディスプレイ法によるライブラリを用いる場合、エピトープ配列を含むペプチドを固相担体に固定しパニングを繰り返すことによって、同エピトープに特異的に結合する抗体Yを得ることもできる。
また、ヒトキメラ抗体及びヒトCDR移植抗体は、ヒト以外の動物の抗体を産生するハイブリドーマのmRNAから抗体遺伝子をクローン化し、これをヒト抗体遺伝子の一部と遺伝子組換え技術で連結することによって作製することができる。
例えば、ヒト型キメラ抗体の場合、マウス抗体を産生するハイブリドーマのmRNAから逆転写酵素によりcDNAを合成し、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(LH)をPCRでクローニングして配列を解析する。次に、一致率の高い抗体塩基配列から、リーダー配列を含む5’プライマーを作製し、5’プライマーと可変部3’プライマーによって上記cDNAから、シグナル配列から可変領域の3’末端までをPCRでクローニングする。一方で、ヒトIgG1の重鎖及び軽鎖の定常領域をクローニングし、重鎖と軽鎖それぞれについて、マウス抗体由来可変領域と、ヒト抗体由来定常領域とをPCRによるOverlapping Hanging法で連結し、増幅する。得られたDNAを適当なベクターに挿入し、これを形質転換して、ヒト型キメラ抗体を得ることができる。
CDR移植抗体の場合、使用するマウス抗体可変部と最も相同性の高いヒト抗体可変部を選択してクローン化し、メガプライマー法を用いた部位選択的突然変異導入により、CDRの塩基配列を改変する。なお、フレームワーク領域を構成するアミノ酸配列をヒト化すると抗原との特異的な結合ができなくなる場合には、フレームワークの一部のアミノ酸をヒト型からラット型に変換してもよい。
「配列番号Xに示されるアミノ酸配列において1又は2個のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなるCDR」や、「配列番号Xに示されるアミノ酸配列に対してY%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるCDR」は、部位特異的変異導入法、ランダム変異導入法、チェーンシャフリング法、CDRウォーキング法などの公知の方法を用いて作製され得る。
これらの方法により、ファージディスプレイ法によってCDRに種々の変異を有する抗体又は抗体断片をファージ表面に提示させ、抗原を使用してスクリーニングすることにより、より親和性が成熟したCDRを得られることが当業者によく知られている(例えば、Wu et al., PNAS, 95:6037-6042(1998); Schier, R. et al., J. Mol. Bio. 263:551-567(1996); Schier, R. et al., J. Mol. Biol. 255:28-43(1996); Yang, W.P. et al., J. Mol. Biol., 254:392-403(1995)。)。本発明は、このような方法で成熟させたCDRを含む抗体も包含する。
その他の抗体の製造方法として、トリコスタチンA処理ニワトリB細胞由来DT40細胞株から抗体産生株を取得するAdlib法(Seo, H. et al., Nat. Biotechnol., 6:731-736, 2002)、マウス抗体遺伝子が破壊されヒト抗体遺伝子が導入されたマウスであるKMマウスを免疫してヒト抗体を作製する方法(Itoh, K. et al., Jpn. J. Cancer Res., 92:1313-1321, 2001;Koide, A. et al., J. Mol. Biol., 284:1141-1151, 1998)等があり、これらも本発明に係る抗体の産生に応用することができる。
本発明の抗TLR7抗体が低分子抗体である場合、当該低分子抗体をコードするDNAを用いて上記方法で発現させてもよいし、また、全長の抗体をパパイン、ペプシン等の酵素で処理して作製してもよい。
本発明で用いられる抗体は、作製方法や精製方法により、アミノ酸配列、分子量、等電点、糖鎖の有無、形態などが異なり得る。しかしながら、得られた抗体が、本発明の抗体と同等の機能を有している限り、本発明に含まれる。例えば、本発明の抗体を、大腸菌等の原核細胞で発現させた場合、本来の抗体のアミノ酸配列のN末端にメチオニン残基が付加される。本発明は、かかる抗体も包含する。
本発明において、抗体は公知の方法によって準備すればよい。例えば、ヒトTLR7に対する抗体は、非ヒト動物を目的抗原で免疫し、免疫成立後の動物からリンパ液、リンパ組織、血球試料又は骨髄由来の細胞を採取し、公知の方法(例えば、Kohler and Milstein,Nature(1975)256,p.495-497、Kennet,R.ed.,Monoclonal Antibodies,p.365-367,Plenum Press,N.Y.(1980))に従って、抗原に対する抗体を産生する抗体産生細胞とミエローマ細胞とを融合させることによりハイブリドーマを樹立し、モノクローナル抗体を得ることができる。このような方法の具体的な例は、WO2009/48072(2009年4月16日公開)及びWO2010/117011(2010年10月14日公開)に記載されている。
本発明の抗体には、モノクローナル抗体に加え、ヒトに対する異種抗原性を低下させること等を目的として人為的に改変した遺伝子組換え型抗体、例えば、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体なども含まれる。これらの抗体は、既知の方法を用いて製造することができる。
キメラ抗体としては、抗体の可変領域と定常領域が互いに異種である抗体、例えばマウス又はラット由来抗体の可変領域をヒト由来の定常領域に接合したキメラ抗体を挙げることができる(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,81,6851-6855,(1984)参照)。
ヒト化抗体としては、CDRのみをヒト由来の抗体に組み込んだ抗体(Nature(1986)321,p.522-525参照)、CDR移植法によって、CDRの配列に加え一部のフレームワークのアミノ酸残基もヒト抗体に移植した抗体(国際公開WO90/07861号)などを挙げることができる。
好ましい態様において本発明の抗体としては、ヒト抗体を挙げることができる。例えば、抗TLR7ヒト抗体とは、ヒト染色体由来の抗体の遺伝子配列のみを有するヒト抗体を意味する。抗TLR7ヒト抗体は、ヒト抗体の重鎖と軽鎖の遺伝子を含むヒト染色体断片を有するヒト抗体産生マウスを用いた方法によって取得することができる。この方法については、例えば、下記を参照することができる。
Tomizuka, K. et al., Nature Genetics (1997) 16, p.133-143
Kuroiwa, Y. et.al., Nucl.Acids Res. (1998) 26, p.3447-3448
Yoshida, H. et.al., Animal Cell Technology: Basic and Applied Aspects vol.10, p.69-73 (Kitagawa,Y., Matsuda,T. and Iijima,S. eds.), Kluwer Academic Publishers, 1999
Tomizuka, K. et.al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (2000) 97, p.722-727
このようなヒト抗体産生マウスは、具体的には、内在性免疫グロブリン重鎖及び軽鎖の遺伝子座が破壊され、代わりにヒト人工染色体(Human Artificial Chromosome:HAC)ベクターやマウス人工染色体(Mouse Artificial Chromosome:MAC)ベクターなどのベクターを介してヒト免疫グロブリン重鎖及び軽鎖の遺伝子座が導入された遺伝子組み換え動物を、ノックアウト動物及びトランスジェニック動物の作製、及びこれらの動物同士を掛け合わせることにより作り出すことができる。
また、遺伝子組換え技術により、そのようなヒト抗体の重鎖及び軽鎖の各々をコードするcDNA、好ましくは該cDNAを含むベクターにより真核細胞を形質転換し、遺伝子組換えヒトモノクローナル抗体を産生する形質転換細胞を培養することにより、この抗体を培養上清中から得ることもできる。ここで、宿主としては例えば真核細胞、好ましくはCHO細胞、リンパ球やミエローマ等の哺乳動物細胞を用いることができる。
また、抗TLR7ヒト抗体は、ヒト抗体ライブラリより選別したファージディスプレイ由来のヒト抗体を取得する方法により取得することもできる。この方法に関しては、例えば、下記の文献などを参照できる。
Wormstone, I.M.et.al, Investigative Ophthalmology & Visual Science.(2002) 43(7), p.2301-2308
Carmen, S. et.al., Briefings in Functional Genomics and Proteomics (2002), 1(2), p.189-203
Siriwardena, D. et.al., Ophthalmology (2002) 109(3), 427-431
ある抗TLR7抗体を、本発明に用いることができるか否かは、当業者が適宜決定することができる。例えば、下記の少なくとも1つを確認することにより、得られた抗体から、ヒトTLR7の検出に用いられるものを選択することが可能である。
(a)得られた抗体が細胞表面のTLR7に結合するか否か
(b)免疫細胞をTLR7のリガンドによって刺激しつつ、得られた抗体と接触させたときに、免疫細胞から分泌される炎症性サイトカイン量が抑制されるか否か
(c)B細胞をTLR7のリガンドによって刺激しつつ、得られた抗体と接触させたときに、B細胞の増殖が抑制されるか否か
(d)マウスなどの炎症性疾患モデル動物に得られた抗体を投与することによって、病態が改善されるか否か
本発明に係る抗TLR7抗体は、疾患の診断や治療に有用である。本発明に係る抗TLR7抗体が特に有用な疾患としては、各種の自己免疫疾患が挙げられる。自己免疫疾患としては、例えば、関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症、多発性筋炎(PM)、シェーグレン症候群、ANCA関連性血管炎、ベーチェット病、川崎病、混合性クリオグロブリン血症、多発性硬化症、ギランバレー症候群、筋無力症、1型糖尿病、バセドウ病、橋本病、アジソン病、IPEX、APS type-II、自己免疫性心筋炎、間質性肺炎、気管支喘息、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、溶血性貧血、自己免疫性甲状腺炎、特発性若年性関節炎の多関節炎型などが挙げられる。中でも、本発明に係る抗TLR7抗体は、その発症の機序にTLR7応答が関与することが報告されているSLEや乾癬に有用と考えられる。
本発明に係る抗TLR7抗体は、一つの態様において、薬学的に許容できる担体や添加物を含む。担体及び添加物の例として、水、食塩水、リン酸緩衝液、デキストロース、グリセロール、エタノール等薬学的に許容される有機溶剤、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ぺクチン、メチルセルロース、エチルセルロース、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、寒天、ポリエチレングリコール、ジグリセリン、グリセリン、プロピレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、界面活性剤等が挙げられるがこれらに限定されない。
抗ヒトTLR7抗体を用いた分析
一つの態様において、本発明に係る抗ヒトTLR7抗体は、ヒトTLR7を検出するために使用される。すなわち、本発明は、抗ヒトTLR7抗体を用いてサンプル中のヒトTLR7を認識または検出することを含む、ヒトTLR7の検出方法に関する。本発明の利用分野は、臨床、医薬品、食品など広範囲に渡り、例えば、TLR7が関与する自己免疫疾患に関する分析はもちろん、TLR7抗体の投与を決定する際の指標などとして本発明による分析結果を利用することができる。
一つの態様において本発明は、抗ヒトTLR7抗体を用いてヒトTLR7を認識又は検出することを含む、ヒトTLR7が関与する疾患の検査方法に関する。
上記認識又は検出は、ヒトTLR7に対する抗体又はその機能的断片を用いることができる。抗体又はその機能的断片を用いて目的分子を検出する方法は、当業者に周知の方法を用いて行うことができ、例えば、酵素免疫アッセイ、ラジオイムノアッセイ、蛍光イムノアッセイ、発光イムノアッセイ、フローサイトメトリー、ウエスタンブロット法、免疫沈降法、免疫比濁法、免疫拡散法などの手法によってヒトTLR7が検出される。
ここで、抗体の機能的断片とは、その機能が維持された抗体断片を意味し、例えば、ヒトTLR7に対する抗体の機能性断片とは、ヒトTLR7を認識する機能が維持された抗体断片を意味する。抗体断片としては、例えば、scFvおよびドメイン抗体などの抗体フラグメントなどを好適に使用することができる。
好ましい態様において、本発明では酵素免疫アッセイ、免疫沈降またはフローサイトメトリーによってヒトTLR7を検出する。
現在、抗体・抗原間の親和性を利用して標的物質を検出および/または定量する方法として、ELISA(Enzyme-Linked Immuno Sorbent Assay:エライザ)法に代表される酵素免疫アッセイ(EIA:エンザイムイムノアッセイ)が幅広い分野で利用されており、各種診断や種々の生物学的検査になくてはならない技法の1つとなっている。また、酵素免疫アッセイを応用したバイオセンサーであるイムノセンサーも開発され、広く利用されている。
ELISA法の測定原理は、標的物質である抗原または抗体を、標識酵素を連結した抗体または抗原と反応させ、その標識酵素の酵素活性から標的物質を検出および/または定量するものである。すなわち、ELISA法においては、抗体による分子認識により得られた信号を、酵素を利用して増幅することによって、標的物質の高感度な検出を達成している。
本発明においては、ELISA法などに一般に用いられる標識酵素を制限なく使用することができる。標識酵素としては、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、グルコースオキシダーゼおよびガラクトシダーゼなどを好適な例として挙げることができるが、他の酵素を用いることも可能である。ELISA法などにおいては、標識酵素が触媒する反応によって生じる反応生成物を、吸光、蛍光、発光によって検出する方法が一般的であり、また、イムノセンサーの場合、標識酵素による酵素反応を電気化学的に検出する方法が主流となっている。その他の酵素反応の検出法としては、標識酵素であるアルカリフォスファターゼ等の反応により不溶性生成物を生成させ、その沈殿物を水晶振動子などのピエゾ素子を利用して検出する方法などが知られている。
一般に酵素免疫アッセイとして種々の方法が知られているが、本発明は、公知のあらゆる酵素免疫アッセイに対して応用することが可能である。また、本発明は、酵素免疫アッセイを応用したイムノセンサーに応用することも可能である。
本発明において、酵素免疫アッセイとは、酵素反応と免疫反応とを利用することにより、標的物質を検出および/または定量する方法をいう。より具体的には、酵素で標識した抗原または抗体を用いて抗原抗体反応を行い、酵素活性を測定することにより抗原抗体反応を検出して、標的物質を検出および/または定量する方法である。また、一般に、酵素免疫アッセイには、競合法と非競合法(例えば、サンドイッチ法)が知られている。競合法は、抗原または抗体を標識酵素で標識し、標識した抗原を試料中の遊離抗原と競合させて、対応する抗体または抗原と抗原抗体反応を行わせる。その後、基質を添加して、酵素反応によって抗原抗体反応の信号を増幅し、検出および/または定量を行う。一方、非競合法として一般的なサンドイッチ法では、非標識抗体(捕獲抗体、第1抗体)を試料中の標的物質(抗原)と結合させ、ついで、酵素標識した標識化抗体(検出抗体、第2抗体)を、抗原と捕獲抗体との複合体に結合させる。その後、基質を添加して、酵素反応によって抗原抗体反応の信号を増幅し、標的物質の検出および/または定量を行うものである。特に、サンドイッチ法は、異なる二つの抗体を用いて検出するため、特異性が高い。その他にも、酵素免疫アッセイとして、ダブルレイヤー法等が知られており、本発明をこれらの測定法に応用することができる。また、サンドイッチ法を始めとする方法では、通常、捕獲抗体と検出抗体とではそれぞれエピトープが異なる。
標識酵素と抗体を連結する方法は、特に制限されず、化学的手法を用いてもよいし、遺伝子工学的手法を用いてもよい。また、標識酵素を抗体に直接連結してもよいし、間接的に結合させてもよい。
化学的手法により標識酵素を抗体に連結する場合、直接連結することもできるし、リンカーやスペーサーを介して連結させることもできる。また、ジゴキシゲニン、アビジン、ビオチンなどの特異的結合を利用して、標識酵素と抗体を連結することができる。また、遺伝子工学的手法により標識酵素を抗体に連結する場合、融合タンパク質法を利用して、例えば、融合タンパク質(キメラタンパク質)として酵素標識された抗体を作製することもできる。
具体的には、標識酵素の抗体への連結は、これに限定されるものではないが、二価架橋剤を使用する方法を始めとする公知の方法を利用することができる。したがって、例えば、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、チオール基、イミダゾール基、フェニル基などを利用することができる。アミノ基相互間を連結する場合、例えば、イソシアネート法、グルタルアルデヒド法、次フルオロベンゼン法、ベンゾキノン法などを挙げることができる。また、アミノ基とカルボキシル基とを結合する場合、カルボキシル基をサクシニルイミドエステル化する方法の他、カルボジイミド法、ウッドワード試薬法、アミノ基と糖鎖を架橋する過ヨウ素酸酸化法(Nakane法)も適用できる。さらに、チオール基を利用する場合には、例えば、一方の側のカルボキシル基をサクシニルイミドエステル化して、これにシステインを反応させてチオール基を導入し、チオール基反応性二価架橋剤を用いて双方を結合させることができる。その他、フェニル基を利用する方法としてはジアゾ化法、アルキル化法などがある。
なお、抗体に酵素と結合させるための適当な官能基がない場合には、これらにアミノ基、カルボキシル基或いはチオール基等を導入してもよい。その際にはスペーサーを介して導入し、酵素と結合し易くしてもよい。
また、抗体と標識酵素との連結比は1:1には限定されず、任意の比率とすることができる。例えば、グルタルアルデビド法や過ヨウ素酸法(J. Histochemistry and Cytochemistry 22, 1084, 1974)を利用して、分子認識素子に複数の標識酵素を連結することができる。
本発明の好ましい態様において、免疫沈降法によって抗原であるTLR7を分析することができる。免疫沈降法では、可溶性の抗原と抗体が特異的に反応して不溶化することを利用するが、比較的穏和な条件で抗原を検出・分離・精製することができる。例えば、基質と抗体を多数架橋させることによって、大きな構造体として不溶化させる。一般に、セファロースビーズなどの担体に抗体を結合させるが、磁気ビーズを使用する方法もよく行われる。
モノクローナル抗体よりもポリクローナル抗体の方が免疫沈降を行いやすい。
免疫沈降法においては、サンプルに特異性のない抗体(使用する場合は担体も)を混ぜ、遠心分離によって非特異的に吸着する成分を取り除いてもよい。磁気ビーズを用いる場合は、遠心分離の代わりに磁石による分離を行う。
本発明の1つの態様において、抗体や抗原であるTLR7を基材に固定化することができる。例えば、本発明をELISA法に適用する場合などでは、本発明の抗体が基材に固定化される。本発明において抗体や抗原を固定化する基材としては、公知のあらゆる材料を使用することができる。したがって、例えば、多孔性ガラス、シリカゲル、ヒドロキシアパタイトなどの無機高分子化合物;および、金、銀、白金などの金属;が基材として利用可能である。さらに、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネートなどの合成高分子;デンプン、グルテン、キチン、セルロース、天然ゴムなどの天然高分子;およびこれらの誘導体を挙げることができる。また、疎水基を有するアガロース誘導体、ニトロセルロース、およびそれらの誘導体なども、本発明に使用する基材として挙げることができる。特に、本発明においては、使用する測定方法に応じて基材の材質を選択することができ、基材の形状は、特に限定されず、使用方法に応じて、マイクロプレート、ビーズ、フイルム、シート、チューブ、繊維、スティック等の形状とすることができる。
本発明において、抗原または抗体を基材に固定化する場合、固定化の方法は、特に限定されず、公知のあらゆる方法を使用することができる。例えば、物理吸着、包括固定、そして化学的な結合反応による固定化を利用することができる。物理吸着としては、疎水性樹脂表面へのタンパク質の吸着を挙げることができる。包括固定は、ゲルやポリマー等の支持体に固定化すべき物質を包括させることによって固定化を達成する方法である。また、化学的な結合に基づく固定化方法は、支持体表面に導入された官能基を、固定化すべき物質の官能基と化学的に結合させる方法である。
化学的な固定化方法としては、例えば、シランカップリング剤、プラズマ重合膜、酸無水物を利用して、抗体または抗原を基材へ固定化することを挙げることができる。例えば、酸無水物を介した共有結合によって、抗体または抗原を基材上に固定化する場合、基材表面に存在する酸無水物基を介して抗体などを固定化してもよいし、基材表面に存在するカルボキシル基、ホルミル基、アミノ基、アジド基、イソシアネート基、クロロホルミル基、エポキシ基等の他の反応性官能基に酸無水物基を導入した後、この酸無水物基を介して抗体などを固定化してもよい。また、酸無水物基、反応性官能基のいずれも高分子材料表面に無い場合には材料表面に直接酸無水物基を導入して固定化してもよいし、あるいは反応性官能基を導入した後、酸無水物基を導入して固定化してもよい。酸無水物基はスチレン-無水マレイン酸共重合体、エチレン-無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル-無水マレイン酸共重合体などと反応させることにより導入できる他、例えばポリウレタンに無水マレイン酸をγ線や電子線によりグラフト重合させ酸無水物基を導入することもできる。
高分子材料表面に反応性官能基を導入する方法としては、例えばエチレン-酢酸ビニル共重合体にカルボキシル基を導入する場合は、エチレン-酢酸ビニル共重合体をケン化した後、カルボキシメチル化することにより導入される。また、カルボキシル基はヒドラジル基を経てアジド基に誘導することができる。さらに、カルボキシル基は塩化チオニル、塩化アセチルなどによりクロル化することによりクロロホルミル基に変えることもできる。
エチレン-酢酸ビニル共重合体にアミノ基を導入するには、ケン化したエチレン-酢酸ビニル共重合体をアミノアセタール化すればよい。エポキシ基を導入するには、エピクロルヒドリン、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルなどと反応させることにより導入できる。イソシアネート基はヘキサメチレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナートなどと反応させることにより導入できる。ホルミル基はグルタルアルデヒド、ジアルデヒドデンプンなどと反応させることにより導入できる。
また、本発明においては、種々の試料を分析することができる。本発明において、血液(全血、血漿、血清)、リンパ液、唾液、尿、組織病片などの生体からの試料を分析することが好ましく、羊水中に存在する胎児の細胞や、試験管内での分裂卵細胞の一部を検体とすることもできる。本発明により分析する試料は、必要に応じて、前処理などの処理を施してもよいことは言うまでもない。例えば、これらの検体は直接、又は必要に応じて遠心分離操作等により沈渣として濃縮した後、例えば、酵素処理、熱処理、界面活性剤処理、超音波処理、あるいはこれらの組み合わせ等による細胞破壊処理を予め施したものを使用することができる。好ましい態様において、本発明の検出方法は、ヒトの体液由来のサンプル中の可溶型TLR7を検出する。体液は、例えば、血液(全血、血漿、血清)、リンパ液、組織液、体腔液、消化液、唾液、または尿などであり、より好ましくは血漿または血清である。
一態様において、本発明の検出方法では、サンドイッチELISA法のように、複数の抗ヒトTLR7抗体を用いてサンプル中のヒトTLR7を検出する。サンドイッチELISA法によってヒトTLR7を検出する場合、例えば固相担体に第1の抗ヒトTLR7抗体を固定し、ヒトの体液由来のサンプルを添加し、反応させた後、さらに酵素で標識した別のエピトープを認識する第2の抗ヒトTLR7抗体を添加して反応させる。洗浄後、酵素基質と反応、発色させ、吸光度を測定することにより、ヒトTLR7量を求めることができる。第1抗体および第2抗体としては、本発明に係る抗ヒトTLR7抗体のうち、それぞれエピトープの異なるものを任意に組み合わせることができる。そのような組み合わせとしては、例えば、配列番号17で示されるヒトTLR7のアミノ酸配列のうち、276位~313位の領域内に結合する抗体(例えばrE3)とその他の抗ヒトTLR7抗体(例えばLTM3)の組み合わせが挙げられる。
以上のようにしてサンプル中に存在するヒトTLR7を検出および定量することにより、ヒトTLR7が関連する疾患の検査を行うことができる。すなわち、本発明の一つの態様は検査用の薬剤である。例えば、サンプル中に存在するヒトTLR7の量が所定の閾値よりも少ない場合に、ヒトTLR7が関連する疾患に罹患している疑いがあると判断される。健常人および疾病罹患者由来のサンプルにおける測定値を用いたROC曲線を用いた統計的解析によりカットオフ値を設定することもできる。
また、サンプル中に存在するヒトTLR7を検出および定量することにより、ヒトTLR7を標的とする医薬のヒトにおける効果を評価することができる。すなわち、本発明に係る抗ヒトTLR7抗体は、ヒトTLR7を標的とする医薬のためのコンパニオン診断薬として有用である。この場合、被験者由来のサンプルにおけるヒトTLR7の量が所定の閾値よりも少ない場合に、当該被験者において当該医薬は治療効果を有すると予測することができる。この所定の閾値の設定については、上述のとおりである。ここでヒトTLR7を標的とする医薬としては、各種の自己免疫疾患に対する医薬が挙げられる。自己免疫疾患としては、例えば、関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症、多発性筋炎(PM)、シェーグレン症候群、ANCA関連性血管炎、ベーチェット病、川崎病、混合性クリオグロブリン血症、多発性硬化症、ギランバレー症候群、筋無力症、1型糖尿病、バセドウ病、橋本病、アジソン病、IPEX、APS type-II、自己免疫性心筋炎、間質性肺炎、気管支喘息、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、溶血性貧血、自己免疫性甲状腺炎、特発性若年性関節炎の多関節炎型などが挙げられる。中でも、本発明に係る抗ヒトTLR7抗体は、その発症の機序に抗TLR7抗体が関与することが報告されているSLEや乾癬に対する医薬のヒトにおける効果の評価に有用と考えられる。
本発明は、1つの態様において、標的物質であるヒトTLR7の測定キットを提供する。本発明の標的物質の測定キットは、ある態様において、抗ヒトTLR7抗体を含んでなる。本発明の測定キットは、さらに、抗体が固定化される基材、標準溶液、増感剤、バッファー、使用説明書、パッケージなどを含んでもよい。
具体的な実験例を挙げつつ本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実験例に限定されるものではない。なお、本明細書において、特に記載しない限り、濃度などは重量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
実験1:抗hTLR7抗体の取得
(1)ベクター構築とhTLR7発現細胞の樹立
遺伝子のC末端側にFlag-Hisタグを6つ付加したレトロウイルスベクター(pMXs)に、In Fusion酵素(タカラバイオ)を用いてhTLR7遺伝子(全長、配列番号17で表されるアミノ酸配列をコードする遺伝子)を組み込んだ。このレトロウイルスベクターを、パッケージング細胞株(Plat-E、HEK293細胞由来)にトランスフェクション試薬(Fugene 6、Roche)を用いて遺伝子導入した。24時間後、培養上清を回収し、ウイルス懸濁液とした。このウイルス懸濁液をリポソームトランスフェクション試薬(DOTAP、Roche)と混和して目的細胞に加え、2000rpmで1時間、遠心処理を行った。なお、レトロウイルスベクターとパッケージング細胞株は、東京大学医科学研究所の北村俊雄教授より分与していただいた。
(2)免疫
(LTM3) TLR9欠損マウス(バックグラウンド:BALB/c)に、アジュバント(Titer MAX Gold、CYT)と混合した抗原(hTLR7-Flag-His×6/hUnc93B1-HA×2強制発現Ba/F3細胞株)を1週間ごとに合計3回、足底部、尾根部、腹腔内に投与した。4回目は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で懸濁した抗原を腹腔内に投与した。最終免疫日から5日目にマウスから脾臓を摘出して、ハイブリドーマの作製に用いた。
(rE3) 野生型ラット(バックグラウンド:Wister)に、アジュバント(Titer MAX Gold、CYT)と混合した抗原(hTLR7-Flag-His×6/hUnc93B1-HA×2強制発現Ba/F3細胞株)を1週間ごとに合計3回、足底部、尾根部、腹腔内に投与した。4回目は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で懸濁した抗原を腹腔内に投与した。最終免疫日から5日目にラットから脾臓を摘出して、ハイブリドーマの作製に用いた。
(3)ハイブリドーマの作製
免疫後の脾臓細胞とSp2/Oマウスミエローマ細胞株を混合し、HVJ-E細胞融合キット(石原産業)を用いて細胞融合を行った。細胞融合操作の翌日から、ハイブリドーマを選択するために、HAT含有培養液(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジンを含有する培養液)で培養した。
(4)ハイブリドーマのスクリーニング試験
顕微鏡下でコロニーを形成しているハイブリドーマから培養上清を採取し、スクリーニングに用いた。サポニン0.1%溶液を用いて細胞膜透過処理を行った後、hTLR7-Flag-His×6/hUnc93B1-HA×2強制発現Ba/F3細胞株と何も発現させていないBa/F3細胞を、培養上清でそれぞれ染色し、フローサイトメトリーで解析して抗hTLR7抗体を産生するハイブリドーマを選別した。
(5)抗体可変領域遺伝子配列の決定
各抗体のハイブリドーマについて、遺伝子配列を解析した(Genescript社にて実施)。結果を図2に示す。
実験2:フローサイトメトリーによるモノクローナル抗体の特異性評価
hTLR7-Flag-His×6/hUnc93B1-HA×2、サルTLR7、マウスTLR7を強制発現したBa/F3細胞株を、サポニン0.1%溶液を用いて細胞膜透過処理を行い、rE3およびLTM3で染色した。各抗体の結合評価は、フローサイトメトリーで解析して、未発現細胞の染色とヒストグラムを比較した。その結果、rE3およびLTM3は、ヒトTLR7だけでなくサルTLR7にも交差活性を示したが、マウスTLR7には交差活性を示さなかった(図2)。
実験3:ELISA系の確立
rE3およびLTM3は、お互いのエピトープが異なっているため(図3)、これらのモノクローナル抗体を用いたサンドイッチELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)を行った。具体的には、LTM3抗体を捕獲抗体、ビオチン化rE3抗体(rE3-bio)を検出抗体とし、直接検出法により抗原を検出した。
(1)プレートの準備
PBSで希釈したLTM3(10μg/ml)を、96穴プレートに播種し、4℃で一晩静置した。PBS(0.05重量%のTweenを含有)で3回洗浄後、ブロッキング試薬(Blocking One、ナカライテスク)を4倍希釈したものでブロッキングを行った。
(2)検体の準備
検体には、健常人から採取したサンプル(血清:7検体、血漿:9検体)を用いた。ブロッキング試薬(Blocking One、ナカライテスク)を10倍希釈した液(以下、希釈液とする)に、最終濃度が0.1%になるように界面活性剤(Triton-X100)を添加した。この希釈液を用いて、5μlの検体を10倍に希釈した。また、濃度既知のサルTLR7蛋白質(細胞外ドメイン、macaca TLR7)を8ng/mlから0.03125ng/mlまで2倍ずつ希釈液で段階希釈を行って、標準曲線作成用の検体を調製した。なお、サルTLR7蛋白質は、東京大学薬学部の清水敏之博士よりご供与いただいた。
(3) hTLR7の検出
プレートを3回洗浄後、ビオチン化したrE3抗体1μg/mlを添加した。室温で2時間、静置した。3回、洗浄後、アビジン・HRP複合体を添加し、室温で30分静置した。
3回洗浄後、HRP基質(西洋ワサビペルオキシダーゼ基質)を加えて15分間反応させた。次いで、1N硫酸を添加して反応を停止させた。
次いで、450nmの波長の吸光度を測定し、570nm波長の吸光度を適宜除いた。サルTLR7についての標準曲線を図4に示す。
Figure 0007140367000001
(4)標準曲線を用いた定量
健常人またはSLE(全身性エリテマトーデス)患者の血漿から得られたサンプルに関して可溶型TLR7を測定し、標準曲線に基づいて可溶型TLR7を定量したところ、結果は以下の通りであった。
・健常人:3246pg/ml
・SLE患者:273pg/ml
このように、抗原決定基の異なる複数の抗体を用いて、サンドイッチELISAによって可溶型TLR7を実際に定量することができた。
実験4:免疫沈降とウエスタンブロッティング法による可溶型TLR7の検出
ヒト血清または血漿500μlを、界面活性剤(Triton-X100、最終濃度:1%)500μlで処理した。続いて、担体(NHS-activated Sepharose 4 Fast Flow、GEヘルスケア)に担持させたrE3を用いて免疫沈降した。
次いで、これらの検体をSDS-PAGEによって分子量で分離し、ウエスタンブロッティングにてhTLR7を検出した。hTLR7の検出には、下記の抗体を使用した。
・1次抗体:Rabbit Anti-TLR7 monoclonal antibody(CST)
・2次抗体:Anti-Rabbit IgG (H+L) antibody-HRP(Thermo Fisher Scientific)
発色基質を加えて、検出されたバンドの分子量を評価した。結果を図5に示すが、およそ130kDaのバンドを検出したので、hTLR7の全長型と判断した。
実験5:ELISAによる可溶型TLR7の検出
実験3で確立したELISA系を用いて、ヒトの末梢血由来の血清または血漿を分析し、疾患との関連性を調べた。具体的には、全身性エリテマトーデス(SLE)、皮膚筋炎(DM)、多発性筋炎(PM)、全身性強皮症(SSc)、混合性結合組織病(MCTD)の患者および健常人(Healthy)から採取した末梢血由来の血清または血漿について、TLR7を定量した。
分析結果を図6に示すが、全身性エリテマトーデス(SLE)および皮膚筋炎(DM)の患者由来のサンプルについては、健常人由来のサンプルとは明確な有意差が見られた(***)。また、多発性筋炎(PM)、全身性強皮症(SSc)、混合性結合組織病(MCTD)の患者由来のサンプルについても、健常人由来のサンプルと有意差が見られた(*)。例えば、全身性エリテマトーデスの患者群の結果からROC曲線を描き、健常人由来のサンプルの結果と比較してYouden indexが最大となる濃度を求めたところ1327pg/mlだった。例えば、この数値を閾値として設定してサンプルの分析をすることが可能である。
この結果は、可溶型TLR7が自己免疫疾患の病態を示すマーカーとして有用であることを示すものであり、TLR7に対する抗体を投与するにあたって本発明によってTLR7を検出することで、自己免疫疾患の診断や治療に有用に応用できるものである。
抗ヒトTLR7抗体を樹立し、可溶型TLR7を検出し得るアッセイ系を構築した。ヒト血清を解析した結果、可溶型TLR7が血清中に検出されるという結果を得た。さらに、健常人と自己免疫疾患の患者由来の血清で可溶型TLR7の量に有意差があることが判明した。この検出系により得られる結果は、TLR7が病態に関与する疾患において、病態の状態を示す指標として有用であると考えられる。

Claims (8)

  1. 抗ヒトTLR7抗体を用いて被験者のサンプル中のヒトTLR7を検出する工程と、
    被験者のサンプルに関する検出結果を、健常人由来のサンプルに関する検出結果と比較する工程と、
    を含む、ヒト由来の体液サンプルを分析する方法であって、
    当該ヒト由来の体液サンプルは、ヒトの血漿および/または血清を含み、
    当該抗ヒトTLR7抗体は、
    (a)~(f)のCDRのうち少なくとも1つを含む
    (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR1
    (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR2
    (c)配列番号3で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR3
    (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1
    (e)配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2
    (f)配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3
    あるいは、
    (g)~(l)のCDRのうち少なくとも1つを含む
    (g)配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR1
    (h)配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR2
    (i)配列番号11で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR3
    (j)配列番号12で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1
    (k)配列番号13で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2
    (l)配列番号14で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3
    前記方法
  2. 酵素免疫アッセイおよび/または免疫沈降によってヒトTLR7を検出する、請求項1に記載の方法。
  3. 複数の抗ヒトTLR7抗体を用いてサンプル中のヒトTLR7を検出する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記抗ヒトTLR7抗体が、
    (1)配列番号7で表されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列番号8で表されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む抗体、
    (2)配列番号7及び/又は8で表されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域を含む抗体、又は
    (3)配列番号7及び/又は8で表されるアミノ酸配列と、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、又は98%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域を含む抗体、
    (4)配列番号15で表されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域と、配列番号16で表されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域とを含む抗体、
    (5)配列番号15及び/又は16で表されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域を含む抗体、
    (6)配列番号15及び/又は16で表されるアミノ酸配列と、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、又は98%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域を含む抗体、又は
    (7)配列番号17で表されるヒトTLR7の276~313位のアミノ酸領域内に結合する抗体、
    である、請求項1~のいずれかに記載の方法。
  5. 被験者が、自己免疫疾患の患者または自己免疫疾患が疑われる者である、請求項1~のいずれかに記載の方法。
  6. ヒト由来の体液サンプルを用いてTLR7が活性化してなる自己免疫疾患を検査するための抗ヒトTLR7抗体を含む薬剤であって、
    当該ヒト由来の体液サンプルは、ヒトの血漿および/または血清を含み、
    当該抗ヒトTLR7抗体が、
    (a)~(f)のCDRのうち少なくとも1つを含む
    (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR1
    (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR2
    (c)配列番号3で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR3
    (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1
    (e)配列番号5で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2
    (f)配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3
    あるいは、
    (g)~(l)のCDRのうち少なくとも1つを含む
    (g)配列番号9で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR1
    (h)配列番号10で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR2
    (i)配列番号11で表されるアミノ酸配列からなる重鎖CDR3、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR3
    (j)配列番号12で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1
    (k)配列番号13で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2
    (l)配列番号14で表されるアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3、または当該アミノ酸配列において、1又は2のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3
    上記薬剤。
  7. ヒト由来の体液サンプルを分析するための、請求項に記載の薬剤。
  8. 自己免疫疾患がSLEである、請求項またはに記載の薬剤。
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