JP7139672B2 - 記録装置及び導通判断方法 - Google Patents

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本発明は、記録装置、及び、記録装置を構成する配線部材において駆動配線が導通しているか否かを判断する導通判断方法に関する。
記録装置の一例として、特許文献1にはインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置が記載されている。特許文献1のインクジェット記録装置では、フレキシブルフラットケーブルに、断線検知信号用の配線、プリントヘッド制御信号用の配線、温度観測用のサーミスタのAD信号の配線などが配置されている。断線検知信号用の配線は、一方の端部において接地電位に接続され、他方の端部において抵抗素子を介して電源に接続されている。そして、特許文献1では、断線検知信号用の配線と抵抗素子との接続部分の電位を監視している。この部分の電位は、断線検知信号用の配線が断線していない(導通している)状態では接地電位(Lレベル)となり、断線検知信号用の配線が断線するなどしてインピーダンスが高くなると、分圧が発生してHレベルとなる。これにより、上記電位がLレベル及びHレベルのいずれにあるかに基づいて、断線検知信号用の配線が断線しているか否かを判断することができる。そして、特許文献1では、断線検知信号用の配線が断線しているか否かを判断することによって、フレキシブルフラットケーブルにおいて断線が生じているか否かを判断している。
特開2010-052166号公報
特許文献1の場合、フレキシブルフラットケーブルに、断線を検知(配線が導通しているか否かを判断)するための専用の配線(断線検知信号用の配線)を配置する必要がある。しかしながら、特許文献1に記載されているようなインクジェット記録装置では、近年、プリントヘッドにおけるノズル数の増大により、フレキシブルフラットケーブルには、ノズルに対応する制御信号用の配線を多数配置する必要があり、断線検知信号用の配線を配置するためのスペースを確保することが困難になる虞がある。
本発明の目的は、専用の配線を設けることなく、記録ヘッドの記録素子の駆動に関連する駆動配線が導通しているか否かを判断することが可能な記録装置、及び、記録装置において駆動配線が導通しているか否かを判断することが可能な導通判断方法を提供することである。
発明に係る記録装置は、電源と、発熱部を有する記録ヘッドであって、前記記録ヘッドの駆動時に前記発熱部が前記電源からエネルギーを付与されて発熱する記録ヘッドと、前記記録ヘッドの駆動に関連する駆動配線を有する配線部材と、前記発熱部の温度に関する温度情報を検出する温度検出部と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記記録ヘッドを駆動させ、前記温度検出部の検出結果に基づいて、前記記録ヘッドを駆動させる前後における前記発熱部の温度変化についての温度変化情報を取得し、前記温度変化情報に基づいて、前記駆動配線が導通しているか否かを判断するものであって、前記記録ヘッドを駆動させて被記録媒体に記録を行わせ、最後に前記記録ヘッドに記録を行わせた時点からの経過時間が所定経過時間を超えている状態で前記記録ヘッドに記録を行わせるときに、前記記録ヘッドを駆動させ、前記温度変化情報を取得し、前記温度変化情報に基づいて前記駆動配線が導通しているか否かを判断する。
さらに、本発明に係る記録装置は、電源と、発熱部を有する記録ヘッドであって、前記記録ヘッドの駆動時に前記発熱部が前記電源からエネルギーを付与されて発熱する記録ヘッドと、前記記録ヘッドの駆動に関連する駆動配線を有する配線部材と、前記発熱部の温度に関する温度情報を検出する温度検出部と、制御装置と、を備え、前記記録ヘッドは、液体を吐出するノズルを有し、前記制御装置は、前記記録ヘッドを駆動させ、前記温度検出部の検出結果に基づいて、前記記録ヘッドを駆動させる前後における前記発熱部の温度変化についての温度変化情報を取得し、前記温度変化情報に基づいて、前記駆動配線が導通しているか否かを判断するものであって、前記記録ヘッドを駆動させて前記ノズルから被記録媒体に向けて液体を吐出させて被記録媒体に記録を行わせ、前記温度変化情報を取得する際に、前記被記録媒体に記録を行わせる前に、前記記録ヘッドを駆動させて前記ノズルから液体を排出させる記録前フラッシングを行わせ、前記記録前フラッシングの前後についての前記温度変化情報を取得する。
加えて、本発明に係る記録装置は、電源と、発熱部を有する記録ヘッドであって、前記記録ヘッドの駆動時に前記発熱部が前記電源からエネルギーを付与されて発熱する記録ヘッドと、前記記録ヘッドの駆動に関連する駆動配線を有する配線部材と、前記発熱部の温度に関する温度情報を検出する温度検出部と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記記録ヘッドを駆動させ、前記温度検出部の検出結果に基づいて、前記記録ヘッドを駆動させる前後における前記発熱部の温度変化についての温度変化情報を取得し、前記温度変化情報に基づいて、前記駆動配線が導通しているか否かを判断するものであって、前記記録ヘッドを駆動させて被記録媒体へ記録を行うのに必要な記録時間が所定記録時間より長い場合に、前記記録ヘッドを駆動させ、前記温度変化情報を取得し、前記温度変化情報に基づいて前記駆動配線が導通しているか否かを判断する。
さらに、本発明に係る記録装置は、電源と、発熱部を有する記録ヘッドであって、前記記録ヘッドの駆動時に前記発熱部が前記電源からエネルギーを付与されて発熱する記録ヘッドと、前記記録ヘッドの駆動に関連する駆動配線を有する配線部材と、前記発熱部の温度に関する温度情報を検出する温度検出部と、前記記録ヘッドを搭載し、走査方向に移動するキャリッジと、制御装置と、を備え、前記記録ヘッドが、液体を吐出するノズルを有し、前記制御装置は、前記記録ヘッドを駆動させ、前記温度検出部の検出結果に基づいて、前記記録ヘッドを駆動させる前後における前記発熱部の温度変化についての温度変化情報を取得し、前記温度変化情報に基づいて、前記駆動配線が導通しているか否かを判断するものであって、最後に被記録媒体に記録を行った時点からの経過時間が所定経過時間を超えている状態で、前記キャリッジを前記走査方向に移動させつつ、前記記録ヘッドを駆動させて被記録媒体に向けて液体を吐出させる記録パス、を複数回行わせて被記録媒体に記録を行うのに必要な記録時間が所定記録時間より長い場合には、被記録媒体への記録の前に、前記ノズルから液体を吐出させないように前記記録ヘッドを駆動させる非吐出駆動と、被記録媒体への記録の前に、前記記録ヘッドを駆動させて前記ノズルから液体を排出させる記録前フラッシングと、複数回の前記記録パスのうち最初の所定回数の前記記録パスと、を行う前後についての前記温度変化情報を取得する。
また、本発明に係る記録装置は、電源と、発熱部を有する記録ヘッドであって、前記記録ヘッドの駆動時に前記発熱部が前記電源からエネルギーを付与されて発熱する記録ヘッドと、前記記録ヘッドの駆動に関連する駆動配線を有する配線部材と、前記発熱部の温度に関する温度情報を検出する温度検出部と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記記録ヘッドを駆動させ、前記温度検出部の検出結果に基づいて、前記記録ヘッドを駆動させる前後における前記発熱部の温度変化についての温度変化情報を取得し、前記温度変化情報に基づいて、前記駆動配線が導通しているか否かを判断するものであって、前記記録ヘッドを駆動させて1つの被記録媒体に記録を行う前後についての前記温度変化情報を取得する。
加えて、本発明に係る記録装置は、電源と、発熱部を有する記録ヘッドであって、前記記録ヘッドの駆動時に前記発熱部が前記電源からエネルギーを付与されて発熱する記録ヘッドと、前記記録ヘッドの駆動に関連する駆動配線を有する配線部材と、前記発熱部の温度に関する温度情報を検出する温度検出部と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記記録ヘッドを駆動させ、前記温度検出部の検出結果に基づいて、前記記録ヘッドを駆動させる前後における前記発熱部の温度変化についての温度変化情報を取得し、前記温度変化情報に基づいて、前記駆動配線が導通しているか否かを判断するものであって、被記録媒体への記録を行うときに、記録データに基づいて、前記記録ヘッドを駆動させて画像の一部分を記録させる記録動作を、断続的に複数回繰り返し、前記複数回の前記記録動作のうち、ある記録動作の直前と、前記ある記録動作の直後、又は、前記ある記録動作よりも後の記録動作の直後との、前記発熱部の温度変化についての前記温度変化情報を取得する。
また、本発明に係る記録装置は、電源と、発熱部を有する記録ヘッドであって、前記記録ヘッドの駆動時に前記発熱部が前記電源からエネルギーを付与されて発熱する記録ヘッドと、前記記録ヘッドの駆動に関連する駆動配線を有する配線部材と、前記発熱部の温度に関する温度情報を検出する温度検出部と、制御装置と、を備え、前記記録ヘッドが、液体を吐出するノズルを有し、前記ノズルから前記記録ヘッド内の液体を排出させる排出部と、前記排出部に、前記記録ヘッド内の液体を排出させることを指示する信号が入力される入力部と、を備え、前記制御装置は、前記記録ヘッドを駆動させ、前記温度検出部の検出結果に基づいて、前記記録ヘッドを駆動させる前後における前記発熱部の温度変化についての温度変化情報を取得し、前記温度変化情報に基づいて、前記駆動配線が導通しているか否かを判断するものであって、前記入力部に前記信号が入力されたときに、前記記録ヘッドを駆動させ、前記温度変化情報を取得し、前記温度変化情報に基づいて前記駆動配線が導通しているか否かを判断し、前記駆動配線が導通していると判断したときには、前記排出部に前記記録ヘッド内の液体を排出させ、前記駆動配線が導通していないと判断したときには、前記排出部に前記記録ヘッド内の液体を排出させない。
また、本発明に係る記録装置は、第1記録素子と、第2記録素子と、前記第1記録素子を駆動する第1駆動回路と、前記第2記録素子を駆動する第2駆動回路と、を有する記録ヘッドと、前記第1駆動回路の温度を検出する第1温度検出部と、前記第2駆動回路の温度を検出する第2温度検出部と、前記第1記録素子の駆動に関連する第1駆動配線と、前記第2記録素子の駆動に関連する第2駆動配線と、を有する配線部材と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記第1駆動回路及び前記第2駆動回路を制御して、前記第1記録素子と前記第2記録素子の両方を駆動させる通常駆動モードと、前記第1駆動回路を制御して、前記第1記録素子と前記第2記録素子のうち前記第1記録素子のみを駆動させる第1片駆動モードと、前記第2駆動回路を制御して、前記第1記録素子と前記第2記録素子のうち前記第2記録素子のみを駆動させる第2片駆動モードのうち、いずれかの駆動モードで選択的に前記第1記録素子及び前記第2記録素子の少なくとも一方を駆動させ、予め前記通常駆動モードに設定しておき、前記通常駆動モードで前記第1記録素子及び前記第2記録素子の両方を駆動させ、前記第1温度検出部の検出結果に基づいて、前記第1記録素子駆動させる前後における前記第1駆動回路の温度変化についての情報である第1情報を取得し、前記第2温度検出部の検出結果に基づいて、前記第2記録素子を駆動させる前後における前記第2駆動回路の温度変化についての情報である第2情報を取得し、
前記第1情報が、前記第1駆動配線が導通している場合に満たされる第1条件を満たし、且つ、前記第2情報が、前記第2駆動配線が導通している場合に満たされる第2条件を満たさない場合に、前記通常駆動モードから前記第1片駆動モードに変更し、前記第1情報が前記第1条件を満たさず、且つ、前記第2情報が前記第2条件を満たす場合に、前記通常駆動モードから前記第2片駆動モードに変更する。
記録ヘッドを駆動したときに、駆動配線が導通している場合には、発熱部の温度が上昇するのに対して、駆動配線が導通していない場合には、発熱部の温度が上昇しない。そこで、本発明の記録装置では、記録ヘッドを駆動させる前後についての温度変化情報を取得し、温度変化情報に基づいて、駆動配線が導通しているか否かを判断する。ここで、駆動時に発熱する発熱部を有する記録ヘッドを備えた記録装置では、通常、発熱部の温度が許容範囲を越えたときに一時的に動作を停止させる等するために、発熱部の温度に関する情報を検出するための温度検出部が設けられる。本発明の記録装置では、温度検出部による検出結果を利用して駆動配線が導通しているか否かを判断するため、駆動配線が導通していないことを検出するための専用の配線等が必要なく、装置の構成を簡単にすることができる。
また、本発明の記録装置では、記録ヘッドを駆動したときに、駆動配線が導通している場合には、発熱部の温度が上昇するのに対して、駆動配線が導通していない場合には、発熱部の温度が上昇しない。そこで、本発明では、記録ヘッドを駆動させる前後についての温度変化情報を取得し、温度変化情報に基づいて、駆動配線が導通していない旨を報知する。
また、本発明の記録装置では、上述したのと同様に、第1駆動配線及び第2駆動配線が導通しているか否かを判断することができる。そして、第1駆動配線及び第2駆動配線の両方が導通しているときには、通常駆動モードで、第1、第2記録素子の両方を駆動させて記録を行う。一方、第1駆動配線が導通しており、第2駆動配線が導通していないときには、第1片駆動モードで第1、第2記録素子のうち第1記録素子のみを駆動させて記録を行う。また、第2駆動配線が導通しており、第1駆動配線が導通していないときには、第2片駆動モードで第1、第2記録素子のうち第2記録素子のみを駆動させて記録を行う。これにより、第1、第2駆動配線の一方が導通していない場合に、記録にかかる時間は長くなってしまうが、記録を行うことはできる。
また、本発明の導通判断方法では、上述したのと同様に、記録ヘッドを駆動させる前後についての温度変化情報を取得し、温度変化情報に基づいて、駆動配線が導通しているか否かを判断することができる。
第1実施形態のプリンタの概略構成図である。 インクジェットヘッドの平面図である。 図2のIII-III線断面図である。 圧電アクチュエータとドライバICとキャリッジ基板と本体基板との接続関係を説明するための図である。 プリンタ全体の電気的構成を示すブロック図である。 記録時の制御の流れを示すフローチャートである。 パージ指令入力時の制御の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態のインクジェットヘッドの平面図である。 第2実施形態の圧電アクチュエータとドライバICとキャリッジ基板と本体基板との接続関係を説明するための図である。 第2実施形態の記録時の制御の流れを示すフローチャートである。 変形例1の記録時の制御の流れを示すフローチャートである。 変形例2の記録時の制御の流れを示すフローチャートである。 変形例3の記録時の制御の流れを示すフローチャートである。 変形例4のプリンタの概略構成図である。 変形例4の圧電アクチュエータとドライバICと本体基板との接続関係を説明するための図である。 変形例4のプリンタにおいて記録される画像の一例を示す図である。 変形例4の記録時の制御の流れを示すフローチャートである。
[第1実施形態]
以下、本発明の好適な第1実施形態について説明する。
<プリンタの全体構成>
図1に示すように、第1実施形態に係るプリンタ1(本発明の「記録装置」)は、キャリッジ2、記録ヘッド3、プラテン4、搬送ローラ5,6、カートリッジホルダ7、メンテナンスユニット8(本発明の「排出部」)等を備えている。
キャリッジ2は、走査方向に延びた2本のガイドレール11,12に支持され、ガイドレール11,12に沿って走査方向に移動可能となっている。キャリッジ2は、図示しないベルトを介してキャリッジモータ106(図5参照)に接続されている。キャリッジモータ106を駆動させると、キャリッジ2が走査方向に移動する。なお、以下では、図1の右側及び左側を走査方向の右側及び左側として説明を行う。
記録ヘッド3は、キャリッジ2に搭載されている。記録ヘッド3は、その下面であるノズル面3aに形成された複数のノズル45からインクを吐出するインクジェットヘッドである。複数のノズル45は、走査方向と直交する搬送方向に配列されることによってノズル列29を形成しており、記録ヘッド3は、走査方向に並んだ4列のノズル列29を有する。複数のノズル45からは、走査方向の右側のノズル列29を構成するものから、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクが吐出される。記録ヘッド3については、後ほど詳細に説明する。
プラテン4は、記録ヘッド3の下方に複数のノズル45と対向するように配置されている。プラテン4は、走査方向に記録用紙P(本発明の「被記録媒体」)の全長にわたって延び、記録用紙Pを下方から支持する。搬送ローラ5,6は、それぞれ、搬送方向におけるプラテン4の上流側及び下流側に配置されている。搬送ローラ5,6は、図示しないギヤ等を介して搬送モータ107(図5参照)に接続されている。搬送モータ107を駆動させると、搬送ローラ5,6が回転し、記録用紙Pが搬送方向に搬送される。
カートリッジホルダ7は、プリンタ1の筐体1aの右前端部に配置されている。カートリッジホルダ7には4つのインクカートリッジ13が取り外し可能に装着されている。カートリッジホルダ7に装着された4つのインクカートリッジ13は、図示しないチューブ等を介して記録ヘッド3と接続されている。カートリッジホルダ7に装着された4つのインクカートリッジ13は、走査方向に並んでおり、右側に配置されたものから、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクを貯留している。そして、4つのインクカートリッジ13に貯留された4色のインクが、図示しないチューブ等を介して、記録ヘッド3に供給される。
メンテナンスユニット8は、ノズルキャップ15と、切換ユニット16と、吸引ポンプ17と、廃液タンク18とを備えている。
ノズルキャップ15は、プラテン4の右側に配置されている。ノズルキャップ15は、キャップ部15aと、キャップ部15aの左側に並ぶキャップ部15bとを有する。キャリッジ2を、プラテン4よりも右側のメンテナンス位置に移動させると、最も右側のノズル列29を構成する複数のノズル45がキャップ部15aと対向し、左側3列のノズル列29を構成する複数のノズル45がキャップ部15bと対向する。
また、ノズルキャップ15は、キャップ昇降機構108(図5参照)によって昇降可能となっている。キャリッジ2をメンテナンス位置に位置させた状態で、キャップ昇降機構108によりノズルキャップ15を上昇させると、複数のノズル45がノズルキャップ15に覆われたキャッピング状態となる。キャッピング状態では、最も右側のノズル列29を構成する複数のノズル45がキャップ部15aに覆われ、左側3列のノズル列29を構成する複数のノズル45がキャップ部15bに覆われる。
切換ユニット16は、チューブ19a,19bを介してキャップ部15a,15bと接続され、チューブ19cを介して吸引ポンプ17と接続されている。切換ユニット16は、キャップ部15a,15bと吸引ポンプ17との接続を切り換える。吸引ポンプ17は、チューブポンプなどである。また、吸引ポンプ17は、チューブ19dを介して廃液タンク18と接続されている。
そして、メンテナンスユニット8では、上記キャッピング状態とし、切換ユニット16によりキャップ部15aと吸引ポンプ17とを接続させたうえで、吸引ポンプ17を駆動させることによって、最も右側のノズル列29を構成する複数のノズル45から記録ヘッド3内のブラックインクを排出させる、ブラックの吸引パージを行わせることができる。また、メンテナンスユニット8では、上記キャッピング状態とし、切換ユニット16によりキャップ部15bと吸引ポンプ17とを接続させたうえで、吸引ポンプ17を駆動させることによって、左側3列のノズル列29を構成する複数のノズル45から記録ヘッド3内のカラーインク(イエロー、シアン、マゼンタのインク)を排出させる、カラーの吸引パージを行わせることができる。なお、ブラック及びカラーの吸引パージが、本発明の「排出動作」に相当する。また、吸引パージによって排出されたインクは、廃液タンク18に貯留される。
<インクジェットヘッド>
次に、記録ヘッド3について説明する。図2、図3に示すように、記録ヘッド3は、流路ユニット21と、圧電アクチュエータ22と、COF(Chip On Film)23とを備えている。
流路ユニット21は、4枚のプレート31~34が積層されることによって形成されている。プレート31には、複数の圧力室40が形成されている。圧力室40は、平面視で走査方向を長手方向とする楕円形状である。複数の圧力室40は、搬送方向に配列されることによって圧力室40の列を形成しており、プレート31には、圧力室40の列が走査方向に4列に並んでいる。
プレート32には、複数の貫通孔42と複数の貫通孔43とが形成されている。複数の貫通孔42は、複数の圧力室40に個別のものであり、圧力室40の走査方向の右側の端部と上下に重なるように配置されている。複数の貫通孔43は、複数の圧力室40に個別のものであり、圧力室40の走査方向の左側の端部と上下に重なるように配置されている。
プレート33には、4つのマニホールド41と、複数の貫通孔44とが形成されている。4つのマニホールド41は、上記4列の圧力室40の列に対応しており、圧力室40の列を構成する複数の圧力室40にわたって搬送方向に延びている。また、マニホールド41は、圧力室40の右側の部分と上下に重なっている。また、各マニホールド41には、搬送方向の上流側の端部に設けられたインク供給口39からインクが供給される。複数の貫通孔44は、複数の圧力室40に個別のものであり、複数の貫通孔43と上下に重なるように配置されている。
プレート34には複数のノズル45が形成されている。複数のノズル45は、複数の圧力室40に個別のものであり、複数の貫通孔44と上下に重なるように配置されている。これにより、プレート34には、上述したような4列のノズル列29が形成されている。そして、流路ユニット21には、1つのノズル45と、このノズル45に対応する圧力室40、貫通孔42~44とによってそれぞれ形成される個別流路46が複数形成されている。
圧電アクチュエータ22は、圧電層51,52と共通電極53と複数の個別電極54とを有している。圧電層51,52は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料からなる。圧電層51は、プレート31の上面に複数の圧力室40を覆うように配置され、圧電層52は、圧電層51の上面に配置され、複数の圧力室40にまたがって連続的に延びている。なお、圧電層51の代わりに、例えば合成樹脂材料等、圧電材料以外の絶縁性材料からなる層を配置してもよい。
共通電極53は、圧電層51と圧電層52との間に複数の圧力室40にわたって連続的に延びている。共通電極53は、後述するように電源回路91(図4参照)のグランド端子91aに接続されており、グランド電位に保持されている。
複数の個別電極54は、複数の圧力室40に個別に設けられている。個別電極54は、平面視で走査方向を長手方向とする、圧力室40よりも一回り小さい楕円形状であり、圧力室40の中央部と上下方向に重なっている。また、個別電極54の右端部は、圧力室40と上下に重ならない位置まで延び、その先端部が接続端子54aとなっている。接続端子54aの表面にはバンプ55が形成されており、複数の個別電極54の接続端子54aに設けられた複数のバンプ55がCOF23と接合されている。
また、共通電極53及び複数の個別電極54がこのように配置されているのに対応して、圧電層52の共通電極53と各個別電極54とに挟まれた部分は、上下方向に分極されている。そして、圧電アクチュエータ22は、各圧力室40と上下に重なる部分が、それぞれ、圧力室40内のインクに圧力を付与するための圧電素子50となっている。なお、第1実施形態では、1つの個別流路46と、その個別流路46に対応する圧電素子50とを合わせたものが、それぞれ、本発明の「記録素子」に相当する。
<COF>
COF23は、可撓性を有するフィルム状の配線部材であり、複数のバンプ55との接続部分から右側に延び、さらに、上方に折り曲げられて延びている。COF23の上下方向に延びた部分の表面にはドライバIC61(本発明の「発熱部」、「駆動回路」)が実装されている。また、図4に示すように、COF23には、複数の個別配線62、グランド配線63、複数の制御配線64、電源配線65等の配線が形成されている。
複数の個別配線62は、複数のバンプ55とドライバIC61とを接続する。そして、複数の個別配線62を介して、ドライバIC61から複数の個別電極54に駆動電圧が付与される。グランド配線63は、共通電極53を電源回路91のグランド端子91aに接続するための配線である。複数の制御配線64は、ドライバIC61と接続され、ドライバIC61を駆動するための後述する駆動信号が伝送される。電源配線65は、ドライバIC61に電源供給するための配線である。
<FPC>
また、図3、図4に示すように、COF23は、圧電アクチュエータ22と反対側の端部において、FPC(Flexible Printed Cable)70(本発明の「配線部材」)と接続されている。また、FPC70は、COF23と反対側の端部が、キャリッジ2上に配置されたキャリッジ基板79に接続されている。
FPC70には、サーミスタ71(本発明の「温度検出部」)が配置されている。サーミスタ71は、自身の温度の情報(本発明の「温度情報」)を示す信号を出力する。ここで、サーミスタ71は、後述するようにドライバIC61が発熱したときに、ドライバIC61から伝わった熱により温度が上昇する。すなわち、サーミスタ71が出力する信号は、ドライバIC61の温度に応じた信号となる。ここで、サーミスタ71が出力する信号は、温度そのものを示す信号であってもよいし、温度に応じたパラメータの値を示す信号であってもよい。
また、FPC70には、サーミスタ用配線72、グランド配線73、複数の制御配線74、電源配線75等の配線が形成されている。サーミスタ用配線72は、サーミスタ71とキャリッジ基板79とを接続し、サーミスタ71から出力された信号が伝送される。グランド配線73は、グランド配線63とキャリッジ基板79とを接続する。複数の制御配線74は、複数の制御配線64とキャリッジ基板79とを接続する。電源配線75は、電源配線65とキャリッジ基板79とを接続する。
<FFC、本体基板>
また、キャリッジ基板79は、FFC(Flexible Flat Cable)80(本発明の「配線部材」)を介して、プリンタ1の筐体1a(キャリッジ2外)に配置された本体基板90に接続されている。FFC80には、サーミスタ用配線82、グランド配線83、複数の制御配線84、電源配線85等の配線が形成されている。
サーミスタ用配線82は、本体基板90に設けられた制御装置100と接続されているとともに、キャリッジ基板79を介して、サーミスタ用配線72と接続されている。これにより、サーミスタ71からの信号が、サーミスタ用配線72,82及びキャリッジ基板79を介して制御装置100に入力される。
グランド配線83は、本体基板90に設けられた電源回路91のグランド端子91aと接続されているとともに、キャリッジ基板79を介してグランド配線73と接続されている。これにより、共通電極53は、グランド配線63,73,83及びキャリッジ基板79を介してグランド端子91aと接続され、グランド電位に保持される。
複数の制御配線84は、本体基板90に設けられた生成回路92に接続されているとともに、キャリッジ基板79を介して複数の制御配線74と接続されている。生成回路92は、ドライバIC61を駆動するための駆動信号を生成する。そして、複数の制御配線64,74,84及びキャリッジ基板79を介して、生成回路92からドライバIC61に駆動信号が伝送される。
例えば、生成回路92は、駆動信号として、圧電素子50を駆動する複数種類の駆動波形の信号を生成する。また、生成回路92は、駆動信号として、画像データに基づいて、各圧電素子50について、それぞれ、上記複数種類の駆動波形のうちどの駆動波形を用いて圧電素子50を駆動させるかを示す波形選択信号を生成する。そして、複数の制御配線64,74,84には、駆動波形の信号が伝送される配線、及び、波形選択信号が伝送される配線が含まれている。そして、ドライバIC61は、入力された複数種類の駆動波形のうち、各圧電素子50についてそれぞれ入力された波形選択信号が示す駆動波形を用いて、対応する圧電素子50を駆動させる。
電源配線85は、電源回路91のVDD端子91bに接続されているとともに、キャリッジ基板79を介して電源配線75と接続されている。電源回路91は、VDD端子91bから所定の電源電圧を出力している。これにより、電源配線65,75,85及びキャリッジ基板79を介して、電源回路91からドライバIC61に電源供給される。なお、本実施形態では、配線64,74,84,65,75,85が、本発明の「駆動配線」に相当する。
<プリンタ全体の電気的構成>
次に、プリンタ1全体の電気的構成について説明する。プリンタ1の動作は、制御装置100によって制御される。制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、フラッシュメモリ104、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)105等からなる。制御装置100は、キャリッジモータ106、搬送モータ107、キャップ昇降機構108、切換ユニット16、吸引ポンプ17、電源回路91、生成回路92等を制御する。また、上述したように、制御装置100には、サーミスタ71からの信号が入力される。
また、プリンタ1は、上述した構成の他、表示部109(本発明の「報知部」)と操作部110(本発明の「入力部」)とを備えている。表示部109は液晶ディスプレイなどであり、後述するエラーメッセージなど、プリンタ1の動作に必要な各種情報を表示する。操作部110は、筐体101aに設けられたボタンや液晶ディスプレイに表示されるアイコンであり、ユーザの操作に基づいて、制御装置100に、吸引パージを行わせることを指示するパージ信号等を入力させる。
なお、制御装置100は、CPU101のみが各種処理を行うものであってもよいし、ASIC105のみが各種処理を行うものであってもよいし、CPU101とASIC105とが協働して各種処理を行うものであってもよい。また、制御装置100は、1つのCPU101が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のCPU101が処理を分担して行うものであってもよい。また、制御装置100は、1つのASIC105が単独で処理を行うものであってもよいし、複数のASIC105が処理を分担して行うものであってもよい。
<記録時の制御>
次に、プリンタ1の記録時の制御装置100による制御について説明する。プリンタ1では、印刷指令が入力されたときに、図6のフローに沿って処理を行うことで、記録用紙Pへの記録を行う。図6のフローは、プリンタ1に記録を行うことを指示する記録指令が入力されたときに開始される。
より詳細に説明すると、制御装置100は、前回の記録が完了してから、今回の記録指令が入力されるまでの経過時間Uが、所定経過時間Ua以下である場合(S101:NO)、あるいは、経過時間Uは所定経過時間Uaを超えているが(S101:YES)、今回の記録用紙Pへの記録に係る記録時間Rが、所定記録時間Ra以下である場合(S102:NO)には、S103に進む。S102では、記録指令とともに入力される画像データ等に基づいて記録時間Rを算出し、所定記録時間Raとの大小関係を判断する。
S103では、制御装置100は、生成回路92に駆動信号を生成させることにより、ドライバIC61に、ノズル45からインクが吐出されない程度に圧電アクチュエータ22を駆動させる、非吐出駆動を行わせる(S103)。続いて、制御装置100は、キャリッジ2をメンテナンス位置に位置させた状態で、生成回路92に駆動信号を生成させてドライバIC61に圧電アクチュエータ22を駆動させることにより、複数のノズル45からノズルキャップ15にインクを排出させる吐出フラッシングを行わせる(S104)。
続いて、制御装置100は、図示しない給紙機構を制御して記録用紙を供給させる給紙動作を行わせる(S105)。続いて、制御装置100は、キャリッジモータ106を制御してキャリッジ2を走査方向に移動させつつ、生成回路92に駆動信号を生成させてドライバIC61に圧電アクチュエータ22を駆動させることにより、複数のノズル45から記録用紙Pに向けてインクを吐出させる記録パスを行わせる(S106)。そして、記録用紙Pへの記録が完了していない場合には(S107:NO)、制御装置100は、搬送モータ107を制御して搬送ローラ5,6に記録用紙Pを所定距離だけ搬送させる搬送動作を行わせ(S108)、S106に戻る。これにより、記録用紙Pへの記録が完了するまで、S106の記録パスとS108の搬送動作とが繰り返し行われる。そして、記録用紙Pへの記録が完了したときに(S107:YES)、制御装置100は、搬送モータ107を制御して搬送ローラ5,6に記録用紙Pを排出させる排紙動作を行わせる(S109)。
一方、上記経過時間Uが所定経過時間Uaを超え(S101:YES)、且つ、上記記録時間Rが所定記録時間Raを超えている場合には(S102:YES)、制御装置100は、続いて、サーミスタ71からの信号に基づいて、現在のドライバIC61の温度T11の情報を取得し、RAM103に記憶させる(S110)。続いて、制御装置100は、変数Nを0にリセットし(S111)、非吐出駆動を行わせ(S112)、吐出フラッシングを行わせ(S113)、給紙動作を行わせる(S114)。
つづいて、制御装置100は、記録パスを行わせ(S115)、変数Nを[N+1]に更新する(S116)。そして、更新後の変数Nが所定値Naと等しくない場合には(S117:NO)、S118に進む。更新後の変数Nが所定値Naと等しい場合には(S117:YES)、サーミスタ71からの信号に基づいて、現在のドライバIC61の温度T12の情報を取得し、RAM103に記憶させる(S119)。そして、温度T11から温度T12への温度変化量[T12-T11](本発明の「温度変化情報」)が所定温度Ta以上であるか否かを判断する(S120)。すなわち、S120では、非吐出駆動と吐出フラッシングと、記録用紙Pへの記録のために行われる複数回の記録パスのうち最初のNa回(本発明の「所定回数」)の記録パスとが行われる前後でドライバIC61の温度変化が所定温度以上であるか否かを判断する。
温度変化量[T12-T11]が所定温度Ta以上の場合には(S120:YES)、S118に進む。S118では、S107と同様に、記録用紙Pへの記録が完了したか否かが判断される。そして、記録用紙Pへの記録が完了していない場合には(S118:NO)、制御装置100は、搬送動作を行わせ(S121)、S115に戻る。そして、記録用紙Pへの記録が完了したときに(S118:YES)、排紙動作を行わせる(S109)。
温度変化量[T12-T11]が所定温度Ta未満の場合には(S120:NO)、制御装置100は、配線が導通していないために記録を行うことができない旨を報知するエラーメッセージを表示部109に表示させ(S122)、上記排紙動作を行わせる(S109)。
<パージ指令入力時の制御>
次に、ユーザにより操作部110が操作されることで、パージ信号が入力されたときの制御装置100による制御の流れについて説明する。パージ信号が入力されたときには、制御装置100は、図7のフローに沿って制御を行う。
より詳細に説明すると、パージ信号が入力されたときに、制御装置100は、まず、サーミスタ71からの信号に基づいて、現在のドライバIC61の温度T21の情報を取得し、RAM103に記憶させる(S201)。続いて、制御装置100は、非吐出駆動を行わせてから(S202)、サーミスタ71からの信号に基づいて、現在のドライバIC61の温度T22の情報を取得する(S203)。そして、温度T21から温度T22への温度変化量[T22-T21](本発明の「第1情報」)が所定温度Tb以上であるか否かを判断する(S204)。すなわち、S204では、非吐出駆動の前後のドライバIC61の温度変化が所定温度以上であるか否かを判断する。
温度変化量[T22-T21]が所定温度Tb以上である場合には(S204:YES)、制御装置100は、切換ユニット16、吸引ポンプ17等を制御して、吸引パージを行わせる(S208)。S208では、例えば、上述のブラックの吸引パージとカラーの吸引パージとを順に行わせる。
温度変化量[T22-T21]が所定温度Tb未満の場合には(S204:NO)、制御装置100は、吐出フラッシングを行わせてから(S205)、サーミスタ71からの信号に基づいて、現在のドライバICの温度T23の情報を取得する(S206)。そして、温度T22から温度T23への温度変化量[T23-T22](本発明の「第2情報」)が所定温度Tc以上であるか否かを判断する(S207)。すなわち、S207では、吐出フラッシングの前後のドライバIC61の温度変化が所定温度以上であるか否かを判断する。
温度変化量[T23-T22]が所定温度Tc以上である場合には(S207:YES)、制御装置100は、吸引パージを行わせる(S208)。一方、温度変化量[T23-T22]が所定温度Tc未満の場合には(S207:NO)、制御装置100は、吸引パージを行わせず、上述のエラーメッセージを表示部109に表示させる(S208)。
<効果>
ここで、プリンタ1においては、使用している間に断線が生じて配線が導通しなくなることがある。例えば、キャリッジ2の走査方向への移動により、キャリッジ2と本体基板90とを接続するFFC80に負荷がかかり、FFC80に形成された配線が断線して導通しなくなることがある。あるいは、プリンタ1の製造時等に、FPC70に形成される配線に異物が混入することで、その後のプリンタ1の使用に伴ってFPC70に形成された配線が導通しなくなることがある。あるいは、プリンタ1の製造時に、FPC70とCOF23とが異物を噛み込んだ状態で接続されていると、プリンタ1の使用による経年劣化により、FPC70とCOF23との接続部分において断線が生じて、配線が導通しなくなることがある。あるいは、FFC80が、キャリッジ基板79及び本体基板90のコネクタ部に挿通される構成である場合に、FFC80が本来の姿勢に対して傾いた姿勢でコネクタ部に挿通された場合にも、FFC80に形成された配線と、FPC70に形成された配線とが導通しなくなることがある。
そして、生成回路92からドライバIC61に駆動信号を伝送するための制御配線64,74,84、及び、ドライバIC61に電源供給を行うための電源配線65,75,85のいずれもが導通している場合には、生成回路92からドライバIC61に正常に駆動信号が伝送され、ドライバIC61が圧電アクチュエータ22を駆動させる。このとき、ドライバIC61が電源回路91から付与される電力(エネルギー)によって発熱し、温度が上昇する。
一方、生成回路92からドライバIC61に駆動信号を伝送するための制御配線64,74,84のいずれかが導通していない場合には、生成回路92からドライバIC61に駆動信号が伝送されない。そのため、生成回路92で駆動信号を生成しても、ドライバIC61が圧電アクチュエータ22を駆動させることがなく、ドライバIC61は発熱しない(ドライバIC61の温度は上昇しない)。
また、ドライバIC61に電源供給を行うための電源配線65,75,85のいずれかがが導通していない場合には、ドライバIC61に電源供給されないため、生成回路92からドライバIC61に駆動信号が伝送されても、ドライバIC61が圧電アクチュエータ22を駆動させることがなく、ドライバIC61は発熱しない(ドライバIC61の温度は上昇しない)。
そこで、第1施形態では、上述したように、非吐出駆動と、吐出フラッシングと、画像の記録のための複数回の記録パスのうち最初のNa回の記録パスと、を行う前後のドライバIC61の温度変化量[T12-T11]が所定温度Ta以上であるか否かによって、配線64,74,84,65,75,85が導通しているか否かを判断する。
ここで、記録ヘッド3の駆動時にドライバIC61が発熱するプリンタ1では、通常、ドライバIC61の温度が許容範囲を超えたときに一時的に動作を停止させる等するために、ドライバIC61の温度の情報を取得するためのサーミスタ71が設けられる。そして、第1実施形態では、上述したように、サーミスタ71の検出結果を利用して、配線64,74,84,65,75,85が導通しているか否かを判断する。したがって、配線64,74,84,65,75,85が導通しているか否かを判断するために専用の配線等を設ける必要がない。
また、配線64,74,84,65,75,85が導通していれば、非吐出駆動と、吐出フラッシングと、上記Na回の記録パスとを行わせる制御を行ったときに、ドライバIC61にある程度大きなエネルギーが付与され、ドライバIC61が十分に発熱する。すなわち、ドライバIC61に付与される総エネルギーを、温度変化量[T12-T11]を所定温度Taとするのに必要なエネルギー(本発明の「所定エネルギー」)以上のエネルギーとすることができる。
また、第1実施形態では、上記のとおり、非吐出駆動と、吐出フラッシングと、上記Na回の記録パスとを行う前後での、ドライバIC61の温度変化量に基づいて、配線64,74,84,65,75,85が導通しているか否かを判断する。この場合には、ドライバIC61を発熱させるための動作に、ノズル45からインクを吐出させない非吐出駆動が含まれている。したがって、ドライバIC61を発熱させるための動作に非吐出駆動が含まれない場合と比較して、インクの消費量を抑えることができる。
一方で、ノズル45からインクを吐出させない非吐出駆動は、吐出フラッシングや記録パスと比較して、電源回路91からドライバIC61に付与されるエネルギーが小さい。そのため、非吐出駆動のみで、ドライバIC61を十分に発熱しようとするとドライバIC61を発熱させるのにかなりの時間がかかってしまう。そこで、第1実施形態では、ドライバIC61を発熱させるための動作に、非吐出駆動よりも、電源回路91からドライバIC61に付与されるエネルギーの大きい吐出フラッシングや上記Na回の記録パスを含めている。
また、このとき、第1実施形態と異なり、ドライバIC61を発熱させるための動作に、上記Na回の記録パスを含めないとすると、ドライバIC61を十分に発熱させるために、吐出フラッシングによって排出されるインクの量が多くなってしまう。そこで、第1実施形態では、ドライバIC61を発熱させるための動作に、上記Na回の記録パスを含めている。この場合には、上記Na回の記録パスが、ドライバIC61を発熱させるための動作の一部と、記録用紙Pへの記録のための動作の一部とを兼ねているため、配線64,74,84,65,75,85が導通している場合に、記録に使用されずに排出されるインク量を抑えることができる。また、この場合には、配線64,74,84,65,75,85のいずれかが導通していないときに、記録用紙Pへの記録の比較的早い段階で、そのことを把握することができる。
また、最後に記録用紙Pへの記録を行った時点からの経過時間Uが長い場合、今回の記録用紙Pへの記録までの間に配線64,74,84,65,75,85が断線している(導通しなくなっている)可能性がある。一方、配線64,74,84,65,75,85が導通しているか否かを判断するための処理にはある程度の時間がかかり、その分、記録指令が入力されてから記録用紙Pへの記録が完了するまでの時間が長くなる。
そこで、第1実施形態では、最後に記録用紙Pへの記録を行った時点からの経過時間Uが所定経過時間Uaを超え、且つ、記録用紙Pへの記録に必要な記録時間Rが所定記録時間Raよりも長い場合にのみ、配線64,74,84,65,75,85が導通しているか否かを判断する。
これにより、プリンタ1において、記録用紙Pへの記録が長期間行われておらず、配線64,74,84,65,75,85が導通しなくなっている可能性がある場合に、配線64,74,84,65,75,85が導通しているか否かを判断することができる。
また、記録時間Rが長い場合には、配線64,74,84,65,75,85が導通しているか否かを判断するための処理に必要な時間の、記録時間Rに対する割合が小さくなる。したがって、上記判断を行うことによって、記録指令が入力されてから記録用紙Pへの記録が完了するまでの時間が長くなったことを、ユーザが気付きにくい。
また、上述したように、配線64,74,84,65,75,85のいずれかが導通していない場合には、記録用紙Pに画像が記録されない。このとき、ユーザは、配線64,74,84,65,75,85のいずれかが導通していないとは知らずに、ノズル45が目詰まりしている可能性があると考えて、操作部110を操作して、パージ信号を入力させることがある。配線64,74,84,65,75,85のいずれかが導通していない場合に吸引パージを行っても、画像の記録を行うことができるようにはならず、インクを無断に排出してしまうことになる。
そこで、第1実施形態では、パージ信号が入力されたときに、非吐出駆動を行わせ、非吐出駆動の前後のドライバIC61の温度変化量[T22-T21]が所定温度Tb以上である場合に、吸引パージを行わせる。さらに、温度変化量[T22-T21]が所定温度Tb未満の場合には、吐出フラッシングを行わせ、吐出フラッシングの前後のドライバIC61の温度変化量[T23-T22]が所定温度Tc以上である場合に、吸引パージを行わせる。一方、温度変化量[T23-T22]が所定温度Tc未満の場合には、吸引パージを行わせない。
この場合には、配線64,74,84,65,75,85のいずれかが導通していない場合に、不必要に吸引パージを行ってインクを無駄に消費してしまうのを防止することができる。
また、非吐出駆動の前後のドライバIC61の温度変化量[T22-T21]が所定温度Tb以上である場合には、インクを消費することなく、配線64,74,84,65,75,85が導通していることを判断することができる。
一方で、非吐出駆動では、電源回路91からドライバIC61に付与されるエネルギーがそれほど大きくはないため、プリンタ1の使用環境等によっては、配線64,74,84,65,75,85が導通していても、ドライバIC61の温度が十分に上昇しないことがある。そこで、第1実施形態では、非吐出駆動の前後のドライバIC61の温度変化量[T22-T21]が所定温度Tb未満である場合に、さらに吐出フラッシングを行わせ、吐出フラッシングの前後のドライバIC61の温度変化量[T23-T22]が所定温度Tc以上であるか否かを判断する。配線64,74,84,65,75,85が導通していれば、吐出フラッシングを行ったときに、非吐出フラッシングを行ったときよりも、電源回路91からドライバIC61に付与される総エネルギーが大きくなり、プリンタ1の使用環境によらず、ドライバIC61の温度が十分に上昇する。したがって、配線64,74,84,65,75,85が導通しているか否かを正確に判断することができる。
また、第1実施形態では、配線64,74,84,65,75,85のいずれかが導通していない場合に、上述のエラーメッセージを表示部109に表示させてユーザに報知することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の好適な第2実施形態について説明する。第2実施形態では、図8に示すように、記録ヘッド201は、記録ヘッド3と同様に、流路ユニット21及び圧電アクチュエータ22を備えているが、記録ヘッド3とは異なり、2つのCOF202a,202bを有している。COF202aは、複数の個別電極54のうち、搬送方向の上流側の半分の個別電極54と接続され、個別電極54との接続部分から搬送方向の上流側に引き出されたうえで、上方に折り曲げられて延びている。COF202bは、複数の個別電極54のうち、搬送方向の下流側の半分の個別電極54と接続され、個別電極54との接続部分から搬送方向の下流側に引き出されたうえで、上方に折り曲げられて延びている。
なお、第2実施形態では、記録ヘッド201の複数の個別流路46のうち、搬送方向の上流側の半分の各個別流路46と、その個別流路46に対応する圧電素子50(図3参照)とを合わせたものが、それぞれ、本発明の「第1記録素子」に相当する。また、記録ヘッド201の複数の個別流路46のうち、搬送方向の下流側の半分の各個別流路46と、その個別流路46に対応する圧電素子50(図3参照)とを合わせたものが、それぞれ、本発明の「第2記録素子」に相当する。
COF202aには、ドライバIC211a(本発明の「第1駆動回路」)が実装されている。また、COF202aには、複数の個別配線212aと、グランド配線213aと、複数の制御配線214aと、電源配線215aとが形成されている。COF202bには、ドライバIC211b(本発明の「第2駆動回路」)が実装されている。また、COF202bには、複数の個別配線212bと、グランド配線213b、複数の制御配線214bと、電源配線215aとが形成されている。
また、2つのCOF202a,202bは、それぞれ、圧電アクチュエータ22と反対側の端部において、FPC220a、220bと接続されている。FPC220a,220bは、COF23と反対側の端部が、共通のキャリッジ基板229に接続されている。
FPC220aには、サーミスタ221a(本発明の「第1温度検出部」)が配置されている。また、FPC220aには、サーミスタ用配線222a、グランド配線223a、複数の制御配線224a、電源配線225a等の配線が形成されている。FPC220bには、サーミスタ221b(本発明の「第2温度検出部」)が配置されている。また、FPC220bには、サーミスタ用配線222b、グランド配線223b、複数の制御配線224b、電源配線225b等の配線が形成されている。
また、キャリッジ基板229は、FFC230を介して、本体基板90に接続されている。FFC230には、2本のサーミスタ用配線232a,232b、グランド配線233、複数の制御配線234a,234b、電源配線235等の配線が形成されている。
そして、第2実施形態では、サーミスタ221aからの信号が、サーミスタ用配線222a,232a及びキャリッジ基板229を介して制御装置100に入力され、サーミスタ221bからの信号が、サーミスタ用配線222b,232b及びキャリッジ基板229を介して制御装置100に入力される。
また、圧電アクチュエータ22の共通電極53(図3参照)は、グランド配線213a,223a、233、グランド配線213b,223b,233及びキャリッジ基板229を介して、電源回路91のグランド端子91aと接続され、グランド電位に保持される。また、制御配線214a,224a,234a及びキャリッジ基板229を介して、生成回路92からドライバIC211aに駆動信号が伝送される。また、制御配線214b,224b,234b及びキャリッジ基板229を介して、生成回路92からドライバIC211bに駆動信号が伝送される。また、電源配線215a,225a,235及びキャリッジ基板229を介して、電源回路91からドライバIC211aに電源供給され、電源配線215b,225b,235及びキャリッジ基板229を介して、電源回路91からドライバIC211bに電源供給される。
なお、第2実施形態では、配線214a,224a,234a,215a,225a,235が、本発明の「第1駆動配線」に相当し、配線214b,224b,234b,215b,225b,235が、本発明の「第2駆動配線」に相当し、電源配線235が本発明の「第1駆動配線」と「第2駆動配線」とを兼ねている。
<記録時の制御>
次に、プリンタ200の記録時の制御装置100による制御について説明する。ここで、プリンタ200では、通常駆動モードと第1片駆動モードと第2方駆動モードのうち、いずれかの駆動モードで選択的に圧電アクチュエータ22を駆動させることができるようになっている。プリンタ200では、予め、通常駆動モードに設定されている。
通常駆動モードは、ドライバIC211a,211bの両方を用いて圧電アクチュエータ22を駆動させるモードである。通常駆動モードでは、全てのノズル45からインクの吐出が可能である。
第1片駆動モードは、ドライバIC211a,211bのうちドライバIC211aのみを用いて圧電アクチュエータ22を駆動させるモードである。第1片駆動モードでは、複数のノズル45のうち、搬送方向の上流側の半分のノズル45のみからインクの吐出が可能である。
第2片駆動モードは、ドライバIC211a,211bのうちドライバIC211bのみを用いて圧電アクチュエータ22を駆動させるモードである。第2片駆動モードでは、複数のノズル45のうち、搬送方向の下流側の半分のノズル45のみからインクの吐出が可能である。
そして、プリンタ200では、図10のフローに沿って処理を行うことで、記録用紙Pへの記録を行う。図10のフローは、プリンタ200に記録指令が入力されたときに開始される。
より詳細に説明すると、制御装置100は、まず、サーミスタ221a,221bからの信号に基づいて、現在のドライバIC211a,211bの温度T31a,T31bの情報を取得し、RAM53(図5参照)に記憶させる(S301)。続いて、制御装置100は、生成回路92に駆動信号を生成させてドライバIC211a,211bに圧電アクチュエータ22を駆動させることによって、非吐出駆動を行わせる(S302)。続いて、制御装置100は、生成回路92に駆動信号を生成させてドライバIC211a,211bに圧電アクチュエータ22を駆動させることによって、吐出フラッシングを行わせる(S303)。
続いて、制御装置100は、サーミスタ221a,221bからの信号に基づいて、現在のドライバIC211a,211bの温度T32a,T32bの情報を取得し、RAM53に記憶させる(S304)。そして、ドライバIC211aの温度T31aから温度T32bへの温度変化量[T32a-T31a]が所定温度Td以上で(S305:YES)、且つ、ドライバIC211bの温度T31bから温度T32bへの温度変化量[T32b-T31b]が所定温度Te以上の場合には(S306:YES)、通常駆動モードを維持したままS310に進む。なお、第2実施形態では、温度変化量[T32a-T31a]が所定温度Td以上であることが、本発明の「第1条件」に相当し、温度変化量[T32b-T31b]が所定温度Te以上であることが、本発明の「第2条件」に相当する。
一方、温度変化量[T32a-T31a]が所定温度Td以上で(S305:YES)、且つ、温度変化量[T32b-T31b]が所定温度Te未満の場合には(S306:NO)、制御装置100は、第1片駆動モードに切り換えてから(S307)、S310に進む。
また、温度変化量[T32a-T31a]が所定温度Td未満で(S305:NO)、且つ、温度変化量[T32b-T31b]が所定温度Te以上の場合には(S308:YES)、制御装置100は、第2片駆動モードに切り換えてから(S309)、S310に進む。
S310では、制御装置100は、給紙動作を行わせる。続いて、制御装置100は、記録用紙Pへの記録が完了するまで、記録パスと搬送動作とを繰り返し行わせ、記録用紙Pへの記録が完了したときに、排紙動作を行わせる(S311~S314)。
ただし、S311の記録パスでは、通常駆動モードに設定されている場合には、ドライバIC211a,211bの両方に圧電アクチュエータ22を駆動させる。また、第1片駆動モードに設定されている場合には、ドライバIC211a,211bのうちドライバIC211aにのみ圧電アクチュエータ22を駆動させる。また、第2片駆動モードに設定されている場合には、ドライバIC211a,211bのうちドライバIC211bにのみ圧電アクチュエータ22を駆動させる。
一方、温度変化量[T32a-T31a]が所定温度Td未満で(S305:YES)、且つ、温度変化量[T32b-T31b]が所定温度Te未満の場合には(S306:NO)、制御装置100は、上述のエラーメッセージを表示部109(図5参照)に表示させる(S315)。
<効果>
第2実施形態では、配線214a、224a,234a,215a,225a、配線214b、224b,234b,215b,225b,及び、電源配線235の全てが導通しているときには、非吐出駆動及び吐出フラッシングを行わせる制御を行ったときに、ドライバIC211a,211bの両方が発熱する。その結果、温度変化量[T32a-T31a]が所定温度Td以上となり、温度変化量[T32b-T31b]が所定温度Te以上となる。
また、配線214a、224a,234a,215a,225a,235が導通しており、且つ、配線214b、224b,234b,215b,225bのいずれかが導通していないときには、非吐出駆動及び吐出フラッシングを行わせる制御を行ったときに、ドライバIC211aは発熱するが、ドライバIC211bは発熱しない。その結果、温度変化量[T32a-T31a]が所定温度Td以上となり、温度変化量[T32b-T31b]が所定温度Te未満となる。
また、配線214b、224b,234b,215b,225b,235が導通しており、且つ、配線214a、224a,234a,215a,225aのいずれかが導通していないときには、非吐出駆動及び吐出フラッシングを行わせる制御を行ったときに、ドライバIC211bは発熱するが、ドライバIC211aは発熱しない。その結果、温度変化量[T32a-T31a]が所定温度Td未満となり、温度変化量[T32b-T31b]が所定温度Te以上となる。
また、配線214b、224b,234b,215b,225bのいずれか導通しておらず、且つ、配線214a、224a,234a,215a,225aのいずれかが導通していないとき、あるいは、電源配線235が導通していないときには、非吐出駆動及び吐出フラッシングを行わせる制御を行っても、ドライバIC211a,211bのいずれもが発熱しない。その結果、温度変化量[T32a-T31a]が所定温度Td未満となり、温度変化量[T32b-T31b]が所定温度Te未満となる。
そこで、第2実施形態では、温度変化量[T32a-T31a]が所定温度Td以上で、且つ、温度変化量[T32b-T31b]が所定温度Te以上のときには、全てのノズル45からインクを吐出可能な通常駆動モードで記録を行う。また、温度変化量[T32a-T31a]が所定温度Td以上で、且つ、温度変化量[T32b-T31b]が所定温度Te未満のときには、複数のノズル45のうち搬送方向の上流側の半分のノズル45のみからインクを吐出可能な第1片駆動モードで記録を行う。また、温度変化量[T32a-T31a]が所定温度Td未満で、且つ、温度変化量[T32b-T31b]が所定温度Te以上のときには、複数のノズル45のうち搬送方向の下流側の半分のノズル45のみからインクを吐出可能な第2片駆動モードで記録を行う。
これにより、配線214b,224b,234b,215b,225bのいずれかが導通していなくても、配線214a,224a,234a,215a,225a、235が導通している場合に、記録にかかる時間は長くなってしまうが、記録を行うことはできる。同様に、配線214a,224a,234a,215a,225aのいずれかが導通していなくても、配線214b,224b,234b,215b,225b,235が導通している場合に、記録にかかる時間は長くなってしまうが、記録を行うことはできる。
以上、本発明の好適な第1、第2実施形態について説明したが、本発明は上述の第1、第2実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載の限りにおいて、様々な変更が可能である。
第1実施形態では、非吐出駆動と、吐出フラッシングと、上記Na回の記録パスとを行う前後のドライバIC61の温度変化量[T12-T11]が所定温度Ta以上であるか否かに基づいて、配線64,74,84,65,75,85が導通しているか否かを判断したがこれには限られない。
例えば、変形例1では、記録指令が入力されたときに、制御装置100は、図11のフローに沿って処理を行う。図11のフローは、S420を除くS401~S419,S421,S422の処理が、第1実施形態のS101~S119,S121,S122と同様である。そして、S419でドライバIC61の温度T12の情報を取得した後、取得した温度T12が、S401で取得した温度T11よりも低いか否かを判断する(S420)。すなわち、S420では、非吐出駆動と、吐出フラッシングと、上記Na回の記録パスとを行った後のドライバIC61の温度が、これらの動作を行う前のドライバIC61の温度よりも低くなっているか否かを判断する。
そして、温度T12が温度T11以上の場合には(S420:NO)、S418に進んで記録用紙Pへの記録を継続する。一方、温度T12が温度T11よりも低い場合には(S420:YES)、S422に進んで、上述のエラーメッセージを表示部109に表示させる。
配線64,74,84,65,75,85が導通していれば、非吐出駆動、吐出フラッシング、上記Na回の記録パスを行ったときにドライバIC61が発熱するため、これらの動作を行った後に、これらの動作を行う前よりもドライバIC61の温度が低下することはない。したがって、これらの動作の後に、これらの動作の前よりもドライバIC61の温度が低下している場合には、配線64,74,84,65,75,85のいずれかが導通していないと判断することができる。
第1実施形態では、記録指令が入力されたときに、前回の記録が完了してからの経過時間Uが所定経過時間Uaを超え、且つ、記録用紙Pへの記録に必要な記録時間Rが所定記録時間Raを超える場合に、配線64,74,84,65,75,85のいずれかが導通しているか否かを判断したが、これには限られない。
例えば、経過時間Uが所定経過時間Uaを超えている場合に、記録時間Rに関係なく、上記判断を行ってもよい。あるいは、記録時間Rが所定記録時間Raを超える場合に、経過時間Uに関係なく、上記判断を行ってもよい。さらには、経過時間U及び記録時間Rによらず、記録指令が入力されたときには、常に上記判断を行ってもよい。
また、第1実施形態では、非吐出駆動と、吐出フラッシングと、記録用紙Pに記録を行うための複数回の記録パスのうち最初のNa回の記録パスと、を行う前後のドライバIC61の温度変化に基づいて、配線64,74,84,65,75,85のいずれかが導通しているか否かを判断したが、これには限られない。例えば、これらの動作のうち一部の動作を行う前後のドライバIC61の温度変化に基づいて、上記判断を行ってもよい。
具体的には、非吐出駆動と吐出フラッシングと、を行う前後のドライバIC61の温度変化に基づいて上記判断を行ってもよい。あるいは、非吐出駆動の前後のドライバIC61の温度変化に基づいて上記判断を行ってもよい。あるいは、吐出フラッシングの前後のドライバIC61の温度変化に基づいて上記判断を行ってもよい。あるいは、吐出フラッシングと上記Na回の記録パスと、を行う前後のドライバIC61の温度変化に基づいて、上記判断を行ってもよい。あるいは、上記Na回の記録パスの前後のドライバIC61の温度変化に基づいて、上記判断を行ってもよい。
また、別の例として、変形例2では、図12に示すように、制御装置100は、記録指令が入力されたときに、サーミスタ71からの信号に基づいて、現在のドライバIC61の温度T41についての情報を取得する(S501)。続いて、制御装置100は、非吐出駆動、吐出フラッシング、及び、給紙動作を行わせる(S502~S504)。続いて、制御装置100は、記録用紙Pへの記録が完了するまで、記録パスと搬送動作とを繰り返し行わせ、記録用紙Pへの記録が完了したときに、排紙動作を行わせる(S505~S508)。
S508の排紙動作の後、制御装置100は、サーミスタ71からの信号に基づいて、現在のドライバIC61の温度T42の情報を取得する(S509)。そして、温度T41から温度T42への温度変化量[T42-T41]が所定温度Tf以上であるか否かを判断する(S510)。すなわち、1枚の記録用紙Pへの記録の前後においてドライバIC61が所定温度以上上昇しているか否かを判断する。温度変化量[T42-T41]が所定温度Tf以上の場合には(S510:YES)、そのまま処理を終了する。温度変化量[T42-T41]が所定温度Tf未満の場合には(S510:NO)、上述のエラーメッセージを表示部109に表示させる(S511)。
また、別の例として、変形例3では、図13に示すように、制御装置100は、記録指令が入力されたときに、非吐出駆動、吐出フラッシング及び給紙動作を行わせる(S601~S603)。
続いて、制御装置100は、変数Nを0にリセットする(S604)。続いて、制御装置100は、変数Nが所定値Nbと等しい場合には(S605:YES)、サーミスタ71からの信号に基づいて、現在のドライバIC61の温度T51の情報を取得し(S606)、S607に進む。変数Nが所定値Nbと等しくない場合には(S605:NO)、そのままS607に進む。ここで、所定値Nbは、0以上の整数である。
S607では、制御装置100は、記録パスを行わせる。続いて、制御装置100は、変数Nを[N+1]に更新する(S608)。続いて、制御装置100は、更新後の変数Nが所定値Ncと等しいか否かを判断する。所定値Ncは、所定値Nbよりも大きい整数である。このことから、S608において、変数Nが所定値Ncと等しいと判断されるのは、S605において変数Nが所定値Nbと等しいと判断され、S606で温度T51の情報が取得されるよりも後になる。
更新後の変数Nが所定値Ncと等しくない場合(S609:NO)、記録用紙Pへの記録が完了していなければ(S610:NO)、搬送動作を行わせてから(S611)、S605に戻り、記録用紙Pへの記録が完了していれば(S610:YES)、排紙動作を行わせ(S612)、処理を終了する。
一方、S608での更新後の変数Nが所定値Ncと等しい場合には(S609:YES)、制御装置100は、続いて、サーミスタ71からの信号に基づいて、現在のドライバIC61の温度T52の情報を取得する(S613)。そして、温度T51から温度T52への温度変化量[T52-T51]が所定温度Tg以上であるか否かを判定する。すなわち、S613では、[Nb+1]回目の記録パスが行われる直前と、Nc回目の記録パスが行われた直後のドライバIC61の温度変化量が所定温度以上であるか否かを判断している。
なお、変形例3では、記録パスが、本発明の「記録動作」に相当する。そして、変形例3では、1枚の記録用紙Pに記録を行う間に、画像の一部分を記録させる記録動作としての記録パスを、搬送動作を挟んで断続的に繰り返している。
温度変化量[T52-T51]が所定温度Tg以上である場合は(S614:YES)、S610に進む。温度変化量[T52-T51]が所定温度Tg未満である場合は(S614:NO)、制御装置100は、上述のエラーメッセージを表示部109に表示させる(S615)。
また、第1実施形態では、吸引パージを指示する信号が入力されたときに、まず、非吐出駆動を行わせ、非吐出駆動の前後でのドライバIC61の温度変化に基づいて、配線64,74,84,65,75,85が導通しているか否かを判断し、配線64,74,84,65,75,85が導通していると判断された場合に吸引パージを行わせる。さらに、配線64,74,84,65,75,85が導通していると判断されなかったときに、吐出フラッシングを行い、吐出フラッシングの前後でのドライバIC61の温度変化に基づいて、上記判断を行い、配線64,74,84,65,75,85が導通していると判断された場合に吸引パージを行わせる。しかしながら、これには限られない。
例えば、吸引パージを指示する信号が入力されたときに、非吐出駆動の前後のドライバIC61の温度変化によっては、配線64,74,84,65,75,85が導通しているか否かの判断を行わず、吐出フラッシングの前後のドライバIC61の温度変化によってのみ、配線64,74,84,65,75,85が導通しているか否かの判断を行ってもよい。具体的には、吸引パージを指示する信号が入力されたときに、S201,S202,S204の処理は行わず、S203とS205~S209の処理のみを行うようにしてもよい。この場合には、吸引パージを指示する信号が入力されたときに、常に、吐出フラッシングが行われるため、第1実施形態と比較すると、インクの消費量が多くなることがある。ただし、この場合には、S201,S202,S204の処理を行わない分、処理にかかる時間を短くすることができる。
あるいは、吸引パージを指示する信号が入力されたときに、非吐出駆動の前後のドライバIC61の温度変化によってのみ、配線64,74,84,65,75,85が導通しているか否かの判断を行い、吐出フラッシングの前後のドライバIC61の温度変化によっては、配線64,74,84,65,75,85が導通しているか否かの判断を行わないようにしてもよい。具体的には、吸引パージを指示する信号が入力されたときに、S201~S204の処理を行い、S204で温度変化量[T22-T21]が所定温度Tb以上であると判断された場合に、第1実施形態と同様に吸引パージを行わせ、S204で温度変化量[T22-T21]が所定温度Tb未満であると判断された場合に、上述のエラーメッセージを表示部109に表示させてもよい。ただし、この場合には、配線64,74,84,65,75,85が導通している場合に、プリンタの使用環境などによらずS202の非吐出駆動でドライバIC61の温度が十分に上昇するように、非吐出駆動の時間を長くする必要などがある。
また、以上の例では、記録用紙Pへの記録を行う前に非吐出駆動と、吐出フラッシングとを行ったがこれには限られない。配線が導通しているか否かを判断するためにドライバIC61を発熱させる動作に非吐出駆動が含まれていない場合には、記録用紙Pへの記録を行う前に非吐出駆動を行わなくてもよい。同様に、配線が導通しているか否かを判断するためにドライバIC61を発熱させる動作に吐出フラッシングが含まれていない場合には、記録用紙Pへの記録を行う前に吐出フラッシングを行わなくてもよい。
また、以上の例では、キャリッジとともに走査方向に移動しつつ、ノズルからインクを吐出するいわゆるシリアルヘッドを備えたプリンタに本発明を適用したが、これには限られない。記録ヘッドが走査方向において、記録用紙Pの幅方向の全長にわたって延びた、いわゆるラインヘッドを備えたプリンタに本発明を適用することも可能である。
ラインヘッドを備えたプリンタにおいても、例えば、記録前に非吐出駆動と吐出フラッシングとを行わせた前後のドライバICの温度変化に基づいて、記録ヘッドの駆動に関わる配線が導通しているか否かを判断することができる。また、例えば、1枚の記録用紙Pへの記録の前後のドライバICの温度変化に基づいて上記判断を行うことができる。
また、ラインヘッドを備えたプリンタにおいても、上述の変形例3のように、記録用紙Pへの記録を行っている途中に上記判断を行うことが可能である。例えば、変形例4では、図14に示すように、プリンタ301が、記録ヘッド303と、プラテン304と搬送ローラ305,306とを備えている。
記録ヘッド303は、流路ユニット321と圧電アクチュエータ322とCOF323を備えている。流路ユニット321にはそれぞれがノズル310を含む複数の個別流路、これら複数の個別流路に共通のマニホールド等の流路が形成されている。ここで、複数の個別流路を構成する複数のノズル310は、走査方向に配列されることによってノズル列309を形成している。流路ユニット321では、4列のノズル列309が搬送方向に並んでいる。圧電アクチュエータ322は、複数のノズル310に個別の圧電素子を備えている。圧電素子は、第1実施形態の圧電アクチュエータの圧電素子と同様のものである。
また、図15に示すように、圧電アクチュエータ322はCOF323と接続されている。COF323には、ドライバIC361(本発明の「発熱部」、「駆動回路」)が実装されている。また、COF323には、複数の個別配線362、グランド配線363、複数の制御配線364、電源配線365等の配線が形成されている。
複数の個別配線362は、複数の圧電素子とドライバIC361とを接続し、複数の個別配線362を介して、ドライバIC361から複数の個別電極54に駆動電圧が付与される。また、COF323は、圧電アクチュエータ22と反対側の端部において、FPC370と接続されている。
また、FPC370は、COF323と反対側の端部が、記録ヘッド303に設けられたヘッド基板379に接続されている。FPC370には、サーミスタ371が配置されている。また、FPC370には、サーミスタ用配線372、グランド配線373、複数の制御配線374、電源配線375等の配線が形成されている。
また、ヘッド基板379は、FFC380を介して、プリンタ301の筐体301aに配置された本体基板390に接続されている。FFC380には、サーミスタ用配線82、グランド配線383、複数の制御配線384、電源配線385等の配線が形成されている。
そして、プリンタ301では、サーミスタ371からの信号が、サーミスタ用配線372,382及びヘッド基板379を介して制御装置350に入力される。また、圧電アクチュエータ322の共通電極(図示省略)は、グランド配線363,373,383及びヘッド基板379を介して本体基板390に設けられた電源回路391のグランド端子391aと接続される。
また、ドライバIC361は、複数の制御配線374,384及びヘッド基板379を介して、本体基板390に設けられた生成回路392に接続される。そして、複数の制御配線374,384及びヘッド基板379を介して、生成回路392からドライバIC361に駆動信号が伝送される。
また、ドライバIC361は、電源配線365,375,385及びヘッド基板379を介して、電源回路391のVDD端子391bに接続されている。そして、電源配線365,375,385及びヘッド基板379を介して、電源回路391からドライバIC361に電源供給される。
そして、変形例4では、制御装置350は、記録指令が入力されたときに、図16に示すフローに沿って処理を行う。より詳細に説明すると、記録指令が入力されたときに、制御装置350は、記録される画像の画像データに基づいて、記録用紙Pにおける、画像を構成する1つの画像部分が記録される領域の、搬送方向の上流端及び下流端の位置の情報を取得する(S701)。
例えば、図17に示すように、記録される画像Gが、空白部Gbをあけて搬送方向に並ぶ複数の画像部分Gaを有するものである場合に、記録用紙Pの、搬送方向において、いずれかの画像部分Gaが記録される領域の、上流端Ga1及び下流端Ga2の位置の情報を取得する。このとき、位置の情報を取得する上流端Ga1と同じ画像部分Gaの下流端Ga2の位置の情報を取得してもよいし、これよりも下流側の画像部分Gaの下流端Ga2の位置を取得してもよい。
続いて、制御装置350は、画像の記録を開始させる(S702)。具体的には、搬送ローラ305,306により記録用紙Pを搬送方向に搬送させつつ、画像データに基づいて記録ヘッド303を駆動させて、複数のノズル310からインクを吐出させることによって、記録用紙Pに画像の記録を行わせる動作を開始させる。
このとき、記録用紙Pの各画像部分Gaが記録される領域の下流端Ga2が、最も上流側のノズル列309と対向する位置に到達したときに、記録ヘッド303の駆動を開始し、記録用紙Pの各画像部分Gaが記録される領域の上流端Ga1が、最も下流側のノズル列309と対向する位置を通過したときに、記録ヘッド303の駆動を停止させる。なお、変形例4では、各画像部分Gaを記録させるために記録ヘッド303を駆動させて複数のノズル310からインクを吐出させる動作が、本発明の「記録動作」に相当し、記録用紙Pに画像Gを記録する間に、上記記録動作が断続的に複数回繰り返される。
また、上述したような記録用紙Pへの記録のための動作は、記録用紙Pへの画像Gの記録が完了し、記録用紙Pが排出されるまで、あるいは、後述のS708で画像の記録が停止されるまで継続される。
続いて、制御装置350は、S701で位置の情報を取得した下流端Ga2が、最も上流側のノズル列309と対向する位置に到達するまで待機する(S703:NO)。そして、S701で位置の情報を取得した下流端Ga2が、最も上流側のノズル列309と対向する位置に到達したときに(S703:YES)、サーミスタ371からの信号に基づいて、現在のドライバIC361の温度T61の情報を取得する(S704)。
続いて、制御装置350は、S701で位置の情報を取得した上流端Ga1が、最も下流側のノズル列309と対向する位置を通過するまで待機する(S705:NO)。そして、S701で位置の情報を取得した上流端Ga1が、最も下流側のノズル列309と対向する位置を通過したときに(S705:YES)、サーミスタ371からの信号に基づいて、現在のドライバIC361の温度T62の情報を取得する(S706)。
続いて、制御装置350は、温度T61から温度T62への温度変化量[T62-T61]が所定温度Th以上であるか否かを判定する(S707)。すなわち、S707では、1つの画像部分Gaを記録するための上記記録動作の前後の、ドライバIC361の温度変化が所定温度以上であるか否かを判断する。
そして、温度変化量[T62-T61]が所定温度Th以上である場合には(S707:YES)、そのまま処理を終了する。温度変化量[T62-T61]が所定温度Th未満である場合には(S707:NO)、制御装置350は、画像の記録を停止(搬送ローラ305,306、記録ヘッド303の駆動を停止)させる(S708)。そして、制御装置350は、プリンタ301の図示しない表示部に、上述のエラーメッセージを表示させる(S709)。
また、以上の例では、ドライバICの温度変化に応じて、上述のエラーメッセージを表示部109に表示させたが、これには限られない。例えば、ドライバICの温度変化に基づいて、配線が導通しているか否かを判断する処理を行い、この処理で配線が導通していないと判断されたときに、上述のエラーメッセージを表示部109に表示されてもよい。
また、以上の例では、生成回路で生成した駆動信号をドライバICに伝送するための配線、及び、電源回路からドライバICに電源供給するための配線が、導通しているか否かを判断する場合について説明したが、これには限られない。これらの配線とは別の、圧電アクチュエータの駆動に関連する配線が導通しているか否かを判断してもよい。ここで、圧電アクチュエータの駆動に関連する配線とは、その配線が導通していないと、ドライバICによって圧電アクチュエータを駆動させることができない配線のことである。
また、以上の例では、ドライバICが実装されたCOFと接続されるFPCに、ドライバICの温度の情報を取得するためのサーミスタが配置されていたが、これには限られない。例えば、サーミスタはFPCよりもドライバICに近いCOFに配置されていてもよい。ただし、ドライバIC内にサーミスタが配置されていると、例えば、ドライバICに接続される電源配線が導通しなくなったときに、サーミスタから温度を示す信号が出力されなくなる虞がある。そのため、サーミスタをCOFに配置する場合、ドライバICの外部にサーミスタを配置することが好ましい。
また、以上の例では、配線が導通していないために記録ができない旨を報知するエラーメッセージをプリンタに設けられたディスプレイなどである表示部109に表示させたが、これには限られない。例えば、プリンタにLEDランプなどの発光部(本発明の「報知部」)が設けられており、発光部を発光させることによって、配線が導通していない旨をユーザに報知してもよい。あるいは、プリンタにスピーカ(本発明の「報知部」)が設けられており、スピーカでアラーム音を鳴らすことによって、配線が導通していない旨をユーザに報知してもよい。また、プリンタが表示部109、上記発光部、上記スピーカのうち、2以上の報知部を有しており、これら2以上の報知部を用いて配線が導通していない旨をユーザに報知してもよい。
また、プリンタが報知部を有していることにも限られない。例えば、プリンタがスマートフォン、PCなどの別の装置と通信可能となっており、これら別の装置のディスプレイ等にエラーメッセージを表示することによって配線が導通していない旨をユーザに報知してもよい。あるいは、例えば、プリンタがインターネットなどのネットワークを介して、プリンタのベンダーの端末等と接続されている場合に、ベンダーの端末などに、配線が導通していない旨を報知するための信号を送信してもよい。
また、以上の例では、ユーザが、プリンタに設けられた操作部を操作することによって、パージ信号を入力させる場合について説明したが、これには限られない。例えば、プリンタが、スマートフォン、PCなどの別の装置と通信するためのインターフェース部(本発明の「入力部」)を有し、ユーザが、上記別の装置を操作することによって、プリンタのインターフェース部にパージ信号を入力させてもよい。
また、以上の例では、記録指令が入力されたときや、吸引パージを行うことを指示する信号が入力されたときといった、プリンタの使用時に、配線が導通しているか否かを判断する場合について説明したが、これには限られない。例えば、プリンタの製造時に、記録ヘッドを駆動させ、その駆動の前後のドライバICの温度変化に基づいて、配線が導通しているか否かを判断してもよい。また、この場合、プリンタの制御装置が、上記判断を行うことにも限られない。例えば、制御装置が、記録ヘッドの駆動の前後についての記録ヘッドの温度の情報を、プリンタに接続された端末などに出力し、プリンタの製造を行う作業者が、この端末に入力された温度の情報を用いてドライバICの温度変化を把握し、その結果に基づいて、配線が導通しているか否かを判断してもよい。
また、第1実施形態では、吸引パージによってノズル45から記録ヘッド3内のインクを排出させたが、これには限られない。例えば、記録ヘッド3よりも上流側の流路にポンプ(本発明の「排出部」)が設けられており、このポンプで、ノズル45から記録ヘッド3内のインクを排出させる正圧パージ(本発明の「排出動作」)を行ってもよい。
あるいは、吸引パージと正圧パージの両方によってインクカートリッジ内のインクを排出させてもよい。なお、この場合には、吸引パージのためのメンテナンスユニット8と、正圧パージのための上記ポンプとを合わせたものが、本発明の「排出部」に相当し、吸引パージと正圧パージとを合わせたものが、本発明の「排出動作」に相当する。
あるいは、排出動作として、圧電アクチュエータ22を駆動させてノズル10からインクを排出させる吐出フラッシングを行わせてもよい。この場合には、例えば、吐出フラッシングを行うことを指示する信号が入力されたときに、非吐出駆動を行わせ、その前後のドライバIC61の温度変化に基づいて、配線64,74,84,65,75,85が導通しているか否かの判断を行う。そして、配線64,74,84,65,75,85が導通していると判断した場合には、吐出フラッシングを行わせる。配線64,74,84,65,75,85が導通していると判断した場合には、吐出フラッシングを行わせず、上述のエラーメッセージを表示部109に表示させる。なお、この場合には、圧電アクチュエータ22が本発明の「排出部」に相当する。
また、以上では、記録ヘッドが、圧電アクチュエータにより圧力室内のインクに圧力を付与してノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドであり、記録ヘッドの駆動時に、圧電アクチュエータの圧電素子とは別の、ドライバICが発熱する場合について説明したが、これには限られない。例えば、記録ヘッドが、ノズルから、紫外線が照射されたときに硬化するUVインクを吐出するものであり、プリンタが、記録用紙上に着弾したUVインクに向けて紫外線を照射する紫外線照射部を有するものであってもよい。この場合には、紫外線照射部が本発明の「発熱部」に相当し、紫外線の照射時に発熱する。あるいは、記録ヘッドが、常温では粘度が高いインクを吐出するものであり、プリンタが、ノズルからのインクの吐出時にインクを加熱するヒータを有するものであってもよい。この場合にはインクを加熱するヒータが、本発明の「発熱部」に相当する。
また、記録ヘッドは、記録素子とは別に発熱部を有するものであることにも限られない。例えば、記録ヘッドは、特開2018-008484号公報に記載されているような、圧力室内のインクを加熱素子で加熱して、圧力室内に気泡を発生させることによって、ノズルからインクを吐出させるものであってもよい。この場合には、インクを加熱する加熱素子が、本発明の「発熱部」に相当する。また、ノズル、圧力室、加熱素子等を合わせたものが、それぞれ、本発明の「記録素子」に相当する。すなわち、記録素子が発熱部を含んでいる。
また、記録ヘッドは、ノズルからインクを吐出するものであることにも限られない。記録ヘッドは、例えば、インク以外の液体、例えば、液体状にした樹脂や金属を吐出するものであってもよい。
さらには、記録ヘッドは、ノズルから液体を吐出させるものであることにも限られない。例えば、記録ヘッドは、感熱紙を加熱するための複数の加熱素子を備えたサーマルヘッドなどであってもよい。なお、この場合は、感熱紙を加熱する加熱素子が、本発明の「発熱部」及び「記録素子」に相当する。
1 プリンタ
2キャリッジ
3 記録ヘッド
8 メンテナンスユニット
23 COF
61 ドライバIC
64,74,84 制御配線
65,75,85 電源配線
70 FPC
71 サーミスタ
80 FFC
91 電源回路
92 生成回路
100 制御装置
109 表示部
110 操作部
201 記録ヘッド
202a,202b COF
211a,211b ドライバIC
214a,224a,234a,214b,224b,234b 制御配線
215a,225b,235a,215b,225b,235b 電源配線
211a,211b サーミスタ
220a,220b FPC
230 FFC
301 プリンタ
303 記録ヘッド
310 ノズル
323 COF
350 制御装置
361 ドライバIC
364,374,384 制御配線
365,375,385 電源配線
370 FPC
371 サーミスタ
380 FFC
391 電源回路
392 生成回路

Claims (16)

  1. 電源と、
    発熱部を有する記録ヘッドであって、前記記録ヘッドの駆動時に前記発熱部が前記電源からエネルギーを付与されて発熱する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドの駆動に関連する駆動配線を有する配線部材と、
    前記発熱部の温度に関する温度情報を検出する温度検出部と、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記記録ヘッドを駆動させ、
    前記温度検出部の検出結果に基づいて、前記記録ヘッドを駆動させる前後における前記発熱部の温度変化についての温度変化情報を取得し、
    前記温度変化情報に基づいて、前記駆動配線が導通しているか否かを判断するものであって、
    前記記録ヘッドを駆動させて被記録媒体に記録を行わせ、
    最後に前記記録ヘッドに記録を行わせた時点からの経過時間が所定経過時間を超えている状態で前記記録ヘッドに記録を行わせるときに、前記記録ヘッドを駆動させ、前記温度変化情報を取得し、前記温度変化情報に基づいて前記駆動配線が導通しているか否かを判断することを特徴とする記録装置。
  2. 電源と、
    発熱部を有する記録ヘッドであって、前記記録ヘッドの駆動時に前記発熱部が前記電源からエネルギーを付与されて発熱する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドの駆動に関連する駆動配線を有する配線部材と、
    前記発熱部の温度に関する温度情報を検出する温度検出部と、
    制御装置と、を備え、
    前記記録ヘッドは、液体を吐出するノズルを有し、
    前記制御装置は、
    前記記録ヘッドを駆動させ、
    前記温度検出部の検出結果に基づいて、前記記録ヘッドを駆動させる前後における前記発熱部の温度変化についての温度変化情報を取得し、
    前記温度変化情報に基づいて、前記駆動配線が導通しているか否かを判断するものであって、
    前記記録ヘッドを駆動させて前記ノズルから被記録媒体に向けて液体を吐出させて被記録媒体に記録を行わせ、
    前記温度変化情報を取得する際に、前記被記録媒体に記録を行わせる前に、前記記録ヘッドを駆動させて前記ノズルから液体を排出させる記録前フラッシングを行わせ、
    前記記録前フラッシングの前後についての前記温度変化情報を取得することを特徴とする記録装置。
  3. 前記記録ヘッドを搭載し、走査方向に移動するキャリッジ、を備え、
    前記制御装置は、
    前記キャリッジを前記走査方向に移動させつつ、前記記録ヘッドを駆動させて被記録媒体に向けて液体を吐出させる記録パス、を複数回行わせて被記録媒体への記録を行わせ、
    さらに、前記温度変化情報を取得する際に、
    前記記録前フラッシングと、複数回の前記記録パスのうち最初の所定回数の前記記録パスと、を行う前後についての前記温度変化情報を取得することを特徴とする請求項に載の記録装置。
  4. 電源と、
    発熱部を有する記録ヘッドであって、前記記録ヘッドの駆動時に前記発熱部が前記電源からエネルギーを付与されて発熱する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドの駆動に関連する駆動配線を有する配線部材と、
    前記発熱部の温度に関する温度情報を検出する温度検出部と、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記記録ヘッドを駆動させ、
    前記温度検出部の検出結果に基づいて、前記記録ヘッドを駆動させる前後における前記発熱部の温度変化についての温度変化情報を取得し、
    前記温度変化情報に基づいて、前記駆動配線が導通しているか否かを判断するものであって、
    前記記録ヘッドを駆動させて被記録媒体へ記録を行うのに必要な記録時間が所定記録時間より長い場合に、前記記録ヘッドを駆動させ、前記温度変化情報を取得し、前記温度変化情報に基づいて前記駆動配線が導通しているか否かを判断することを特徴とする記録装置。
  5. 電源と、
    発熱部を有する記録ヘッドであって、前記記録ヘッドの駆動時に前記発熱部が前記電源からエネルギーを付与されて発熱する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドの駆動に関連する駆動配線を有する配線部材と、
    前記発熱部の温度に関する温度情報を検出する温度検出部と、
    前記記録ヘッドを搭載し、走査方向に移動するキャリッジと、
    制御装置と、を備え、
    前記記録ヘッドが、液体を吐出するノズルを有し、
    前記制御装置は、
    前記記録ヘッドを駆動させ、
    前記温度検出部の検出結果に基づいて、前記記録ヘッドを駆動させる前後における前記発熱部の温度変化についての温度変化情報を取得し、
    前記温度変化情報に基づいて、前記駆動配線が導通しているか否かを判断するものであって、
    最後に被記録媒体に記録を行った時点からの経過時間が所定経過時間を超えている状態で、前記キャリッジを前記走査方向に移動させつつ、前記記録ヘッドを駆動させて被記録媒体に向けて液体を吐出させる記録パス、を複数回行わせて被記録媒体に記録を行うのに必要な記録時間が所定記録時間より長い場合には、
    被記録媒体への記録の前に、前記ノズルから液体を吐出させないように前記記録ヘッドを駆動させる非吐出駆動と、
    被記録媒体への記録の前に、前記記録ヘッドを駆動させて前記ノズルから液体を排出させる記録前フラッシングと、
    複数回の前記記録パスのうち最初の所定回数の前記記録パスと、を行う前後についての前記温度変化情報を取得することを特徴とする記録装置。
  6. 電源と、
    発熱部を有する記録ヘッドであって、前記記録ヘッドの駆動時に前記発熱部が前記電源からエネルギーを付与されて発熱する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドの駆動に関連する駆動配線を有する配線部材と、
    前記発熱部の温度に関する温度情報を検出する温度検出部と、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記記録ヘッドを駆動させ、
    前記温度検出部の検出結果に基づいて、前記記録ヘッドを駆動させる前後における前記発熱部の温度変化についての温度変化情報を取得し、
    前記温度変化情報に基づいて、前記駆動配線が導通しているか否かを判断するものであって、
    前記記録ヘッドを駆動させて1つの被記録媒体に記録を行う前後についての前記温度変化情報を取得することを特徴とする記録装置。
  7. 電源と、
    発熱部を有する記録ヘッドであって、前記記録ヘッドの駆動時に前記発熱部が前記電源からエネルギーを付与されて発熱する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドの駆動に関連する駆動配線を有する配線部材と、
    前記発熱部の温度に関する温度情報を検出する温度検出部と、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記記録ヘッドを駆動させ、
    前記温度検出部の検出結果に基づいて、前記記録ヘッドを駆動させる前後における前記発熱部の温度変化についての温度変化情報を取得し、
    前記温度変化情報に基づいて、前記駆動配線が導通しているか否かを判断するものであって、
    被記録媒体への記録を行うときに、
    記録データに基づいて、前記記録ヘッドを駆動させて画像の一部分を記録させる記録動作を、断続的に複数回繰り返し、
    前記複数回の前記記録動作のうち、ある記録動作の直前と、前記ある記録動作の直後、又は、前記ある記録動作よりも後の記録動作の直後との、前記発熱部の温度変化についての前記温度変化情報を取得することを特徴とする記録装置。
  8. 電源と、
    発熱部を有する記録ヘッドであって、前記記録ヘッドの駆動時に前記発熱部が前記電源からエネルギーを付与されて発熱する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドの駆動に関連する駆動配線を有する配線部材と、
    前記発熱部の温度に関する温度情報を検出する温度検出部と、
    制御装置と、を備え、
    前記記録ヘッドが、液体を吐出するノズルを有し、
    前記ノズルから前記記録ヘッド内の液体を排出させる排出部と、
    前記排出部に、前記記録ヘッド内の液体を排出させることを指示する信号が入力される入力部と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記記録ヘッドを駆動させ、
    前記温度検出部の検出結果に基づいて、前記記録ヘッドを駆動させる前後における前記発熱部の温度変化についての温度変化情報を取得し、
    前記温度変化情報に基づいて、前記駆動配線が導通しているか否かを判断するものであって、
    前記入力部に前記信号が入力されたときに、
    前記記録ヘッドを駆動させ、前記温度変化情報を取得し、前記温度変化情報に基づいて前記駆動配線が導通しているか否かを判断し、
    前記駆動配線が導通していると判断したときには、前記排出部に前記記録ヘッド内の液体を排出させ、
    前記駆動配線が導通していないと判断したときには、前記排出部に前記記録ヘッド内の液体を排出させないことを特徴とする記録装置。
  9. 前記制御装置は、
    前記入力部に前記信号が入力されたときに、
    前記ノズルから液体を吐出させないように前記記録ヘッドを駆動させる非吐出駆動を行わせ、
    前記非吐出駆動の前後における前記温度変化情報である第1情報を取得し、
    前記第1情報に基づいて、前記駆動配線が導通しているか否かを判断し、
    前記駆動配線が導通していると判断した場合には、前記排出部に前記記録ヘッド内の液体を排出させ、
    前記駆動配線が導通していると判断されなかった場合には、さらに、
    前記非吐出駆動よりも前記電源から前記発熱部に付与される総エネルギーが大きく、前記ノズルから液体を吐出させるように前記記録ヘッドを駆動させる吐出駆動を行わせ、
    前記吐出駆動の前後における前記温度変化情報である第2情報を取得し、
    前記第2情報に基づいて、前記駆動配線が導通しているか否かを判断し、
    前記駆動配線が導通していると判断した場合には、前記排出部に前記記録ヘッド内の液体を排出させることを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  10. 前記記録ヘッドは、前記発熱部として、記録素子を有することを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の記録装置。
  11. 前記制御装置は、前記温度変化情報を取得する際に、前記電源から前記発熱部に付与される総エネルギーが所定エネルギー以上となるように、前記記録ヘッドを駆動させることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の記録装置。
  12. 前記制御装置は、
    前記温度変化情報が、前記発熱部の温度が所定温度以上上昇していることを示している場合には、前記駆動配線が導通していると判断し、
    前記温度変化情報が、前記発熱部の温度が前記所定温度以上上昇していないことを示している場合には、前記駆動配線が導通していないと判断することを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の記録装置。
  13. 前記制御装置は、
    前記温度変化情報が前記発熱部の温度が低下していることを示している場合に、前記駆動配線が導通していないと判断することを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の記録装置。
  14. 報知部、をさらに備え、
    前記制御装置は、
    前記駆動配線が導通していないと判断したときに、前記報知部に報知を行わせることを特徴とする請求項1~13のいずれかに記載の記録装置。
  15. 前記記録ヘッドは、液体を吐出するノズルを有し、
    前記制御装置は、
    前記温度変化情報を取得する際に、前記ノズルから液体を吐出させないように前記記録ヘッドを駆動させる非吐出駆動を行わせ、
    前記非吐出駆動の前後についての前記温度変化情報を取得することを特徴とする請求項1~14のいずれかに記載の記録装置。
  16. 第1記録素子と、第2記録素子と、前記第1記録素子を駆動する第1駆動回路と、前記第2記録素子を駆動する第2駆動回路と、を有する記録ヘッドと、
    前記第1駆動回路の温度を検出する第1温度検出部と、
    前記第2駆動回路の温度を検出する第2温度検出部と、
    前記第1記録素子の駆動に関連する第1駆動配線と、前記第2記録素子の駆動に関連する第2駆動配線と、を有する配線部材と、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記第1駆動回路及び前記第2駆動回路を制御して、前記第1記録素子と前記第2記録素子の両方を駆動させる通常駆動モードと、
    前記第1駆動回路を制御して、前記第1記録素子と前記第2記録素子のうち前記第1記録素子のみを駆動させる第1片駆動モードと、
    前記第2駆動回路を制御して、前記第1記録素子と前記第2記録素子のうち前記第2記録素子のみを駆動させる第2片駆動モードのうち、いずれかの駆動モードで選択的に前記第1記録素子及び前記第2記録素子の少なくとも一方を駆動させ、
    予め前記通常駆動モードに設定しておき、
    前記通常駆動モードで前記第1記録素子及び前記第2記録素子の両方を駆動させ、
    前記第1温度検出部の検出結果に基づいて、前記第1記録素子を駆動させる前後における前記第1駆動回路の温度変化についての情報である第1情報を取得し、
    前記第2温度検出部の検出結果に基づいて、前記第2記録素子を駆動させる前後における前記第2駆動回路の温度変化についての情報である第2情報を取得し、
    前記第1情報が、前記第1駆動配線が導通している場合に満たされる第1条件を満たし、且つ、前記第2情報が、前記第2駆動配線が導通している場合に満たされる第2条件を満たさない場合に、前記通常駆動モードから前記第1片駆動モードに変更し、
    前記第1情報が前記第1条件を満たさず、且つ、前記第2情報が前記第2条件を満たす場合に、前記通常駆動モードから前記第2片駆動モードに変更することを特徴とする記録装置。
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