JPH04250058A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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Publication number
JPH04250058A
JPH04250058A JP440291A JP440291A JPH04250058A JP H04250058 A JPH04250058 A JP H04250058A JP 440291 A JP440291 A JP 440291A JP 440291 A JP440291 A JP 440291A JP H04250058 A JPH04250058 A JP H04250058A
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JP
Japan
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head
temperature
ejection
recording
ink
Prior art date
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Pending
Application number
JP440291A
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English (en)
Inventor
Kiichiro Takahashi
喜一郎 高橋
Hiroshi Tajika
博司 田鹿
Norifumi Koitabashi
規文 小板橋
Hitoshi Sugimoto
仁 杉本
Sohei Tanaka
壮平 田中
Yasuhiro Numata
靖宏 沼田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘッドの特性データを
有するヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装
置に係り、特に特性データ異常時においても良好な画像
を得ることの可能なインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録装置は吐出性
能の中でも濃度変動や濃度ムラの発生をなくすために吐
出特性の安定化が行われてきたが、最適な吐出や安定し
た吐出を得るためには、各ヘッドにおいてそれぞれ適切
な制御をしなければならない。そのために、制御条件を
設定するためのデータがそれぞれに付随しているデータ
付きヘッドが必要となった。このヘッドを用いることに
より、吐出量変動などに起因する濃度変動や濃度ムラの
発生をなくし、最適な駆動条件設定により良好な画像を
得ることが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】インクジェット記録装
置において、ヘッドに何らかの情報記憶手段を設けてい
る場合、記録媒体としてはヘッドROMやピンがある。 前者は静電破壊やコンタクト不良やインク漏れ破壊、後
者は変形や損傷などにより、ヘッドの記憶情報が正常に
伝達不可能である場合、その異常状態を警告するだけか
、装置そのものが全く動かなくなくなるのが普通であっ
た。この場合、その異常がある間は全く記録が不可能と
なる。一方、無設定の状態で作動させる良好な記録を行
えず、最悪の場合、本体またはヘッドが壊れてしまうこ
とがある。特に、カラー記録を行う場合には、色味が狂
ったり、他ヘッドのインクや記録シートの無駄が発生し
た。そこで、本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、ヘッドのデータに何らかの異常を検知
した場合、または、ヘッドの情報が読み取れなかった場
合でも、良好な記録を行い得るインクジェット記録装置
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録装置は、ヘッド特性情報を有する記録ヘッド用いて
記録を行うインクジェット記録装置であって、前記記録
ヘッドから読出したヘッド特性情報に基づいて設定され
た条件によって記録制御を行う制御手段と、前記記録ヘ
ッドから読出したヘッド特性情報が異常のとき、前記制
御手段の記録制御の条件を標準値に設定する設定手段と
を具備したことを特徴とする。
【0005】
【作用】本発明によれば、ヘッド特性情報の異常状態を
検知してヘッドの制御条件を記録装置本体側で標準値に
設定しているので、装置が使用不可能となる時間を少な
くし、ヘッド特性情報異常時に必要最低限の吐出状態を
確保することが可能となり、吐出量バラツキによる濃度
低下や濃度ムラの発生を防いでほぼ良好な画像を得るこ
とができる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
して詳細に説明する。
【0007】図1〜3は本発明の一実施例であるインク
ジェット記録装置のメイン制御を示すフローチャートで
あり、図1〜3を用いてメイン制御の概要を説明する。
【0008】電源ONされて、装置はステップS1で装
置のイニシャルチェックを行う。このチェックは本装置
のROMとRAMのチェック、つまり、プログラムやデ
ータをチェックして装置が正常に動作できるか確認する
ものである。ステップS2で温度センサー回路の補正値
を読み込む。ステップS3で初期ジャムチェックをする
。この実施例では、前ドアーが閉じられたときもステッ
プS3で初期ジャムチェックをする。ステップS4で、
次のステップにおいて記録ヘッドの情報を読むに当たっ
て必要な装置側のチェックを行う。ステップS5で、記
録ヘッドに内蔵されているROMのデータを読み込む。 次に、ステップS6でイニシャルデータ設定をする。
【0009】ステップS7で初期20℃温調をスタート
し、ステップS8で回復動作判断[1](電源ON時に
吸引回復動作を行うかどうかの判断)を行う。以上まで
がウエイト状態までのシーケンスフロー説明である。
【0010】次に、スタンバイ状態のシーケンスフロー
説明を行う。ステップS9で20℃温調を行い、ステッ
プS10でスタンバイ空吐出を行う。ステップS11で
給紙無しか調べる。給紙無しならばステップS21へ進
む。ステップS12でクリーニングボタンが押されたか
チェックし、押されていたら、ステップS13でクリー
ニング動作を行う。ステップS14でRHSボタンが押
されていれば、ステップS15でRHSモードフラグを
セットする。ここで、RHSとは記録ヘッドの濃度むら
を補正するヘッドシェーディング処理をいい、印字した
パターンの濃度むらを読み取り部(リーダー)によって
読み取り、濃度むらを補正する。
【0011】ステップS16で手差し給紙された場合は
、ステップS17で手差しフラグをセットし、コピー開
始シーケンスであるステップS22へと進む。ステップ
S18でOHPボタンがONされれば、ステップS19
でOHPモードフラグをセットし、ONされていなけれ
ばステップS20でOHPモードフラグをリセットする
。ステップS21でコピーボタンが押されれば、コピー
開始シーケンスであるステップS22へと進む。一方、
押されていなければステップS9へ戻る。ステップS1
3で、クリーニング動作が終了したときもステップS9
へ戻る。
【0012】次に、コピーシーケンスの説明を行う。ス
テップS22で機内昇温を抑えるファンを回転させ、ス
テップS23で25℃温調をスタートする。ステップS
24で給紙無しか調べ、給紙無しならばステップS25
で空吐出[1](N=100)を行い、ステップS29
へ進む。ここで、Nは空吐出の回数を示す。ステップS
26で回復動作判断[2](給紙前に吸引回復動作を行
うかどうかの判断)をし、次のステップS27で給紙を
する。ステップS28で紙幅、紙種検知動作を行う。ス
テップS29で画像移動をするか調べ、画像移動を行う
ならばステップS30の副走査移動(用紙移動)を行い
、画像移動をしないならばステップS31へ進む。ステ
ップS31で書き込みヘッドの温度が25℃以上になっ
ているか調べる。25℃以上になっていればステップS
32で回復動作判断[3](非キャッピング状態でのイ
ンクの蒸発量に基づいて、回復動作を行うかどうかの判
断)をし、ステップS33で1ライン分の記録動作を行
う。その後、ステップS34で回復動作判断[6](ワ
イピングタイミングに基づいて、回復動作を行うかどう
かの判断)を行い、ステップS35で用紙搬送する。
【0013】ステップS36では記録動作が終了したか
調べる。終了していれば、印字枚数等のデータをヘッド
のROMに書き込んだ後、ステップS37へ進む。終了
してなければステップS31へ戻る。ステップS37で
はスタンバイ状態へ移るかどうか調べ、スタンバイ状態
移行ならばステップS38へ進む。
【0014】ステップS38以降は、排紙動作及び1枚
印字後の回復動作判断[4](印字泡の除去、液室内気
泡の除去、異常高温時の冷却、回復)を行うルーチンで
ある。ステップS38では排紙動作の有無を調べる。排
紙動作がなければ、ステップS39,S40,S41で
45℃以下に下がるのを待ち、2分以内に下がらなけれ
ばステップS42で異常を停止する。45℃以下になれ
ば、ステップS50でワイピング動作をし、ステップS
43で空吐動作(N=50)をして、次のステップS4
8でキャッピングをする。排紙動作があればステップS
44で排紙動作をする。ステップS45で連続印字か調
べ、連続印字ならステップS47の回復動作判断[4]
の後、ステップS24へと戻る。連続印字でなければ、
ステップS46の回復動作判断[4]を行い、判断後に
、排紙無しの場合と同様にステップS48でキャッピン
グを行う。そして、ステップS49でファンを停止して
ステップS9へと戻り、コピー動作終了となる。
【0015】図4は、ステップS3の初期ジャムチェッ
クルーチンの詳細を示すフローチャートである。このル
ーチンは電源ON直後のジャム検知である。ステップS
201からステップS204において、それぞれ給紙セ
ンサー、排紙センサー、紙浮き検知センサー、紙幅セン
サーによって、記録用紙等が搬送路中やキャリッジ近く
にないかを調べる。あれば、ジャムと判断して警告を発
し、なければ、メインフローに戻る 図5は、ステップS5のヘッド情報読み込みルーチンの
詳細を示すフローチャートである。ステップS301で
書き込みヘッドの持つヘッド固有のシリアルNoの読み
込みをし、そのシリアルNoの値がFFFFHか調べる
(ステップS302)。シリアルNoがFFFFHなら
ば、ステップS304でヘッドなしと判断してエラーと
なる。シリアルNoがFFFFHでなければ、ステップ
S303でヘッドのもつ色情報を読み取る。ステップS
305で、そのヘッドが色ごとに指定されている正規の
位置に装着されているかを色情報から調べ、正しく装着
されていればステップS306へ、誤装着していればス
テップS307へ進む。
【0016】ステップS306では残りのヘッド情報(
印字パルス幅、温度センサー補正値、印字枚数、ワイピ
ング回数等)を読み取り記憶する。ステップS308で
は、装着されている書き込みヘッドが新しいものかを、
ヘッドのシリアルNoを比べることにより調べる。 ヘッドのシリアルNoは常にバックアップRAMに保存
してあり、ヘッドから読み込んだデータと比較すること
ができる。両者の値が異なれば新規ヘッドが装着され、
値が等しければヘッドは交換されていないと判断できる
。本実施例ではBk、C、M,Yの色についてそれぞれ
おこなう。新規のヘッドでなければヘッド情報読み込み
ルーチンは終了である。新規のヘッドであれば、ステッ
プS309で新規のヘッド情報を装置内のメモリに記憶
し、新規ヘッドが装着されていることを示すフラグ(ま
たはデータ)をメモリにセットする。次に、ステップS
310で書き込みヘッドのHSデータ(シェーディング
情報)を読み込み、ステップS311でこの新規ヘッド
が使用開始した時刻を装置内の時計からヘッド内不揮発
メモリに書き込み、ヘッド情報読み込みルーチンを終了
する。
【0017】次に、印字過程での回復動作(吸引・空吐
出・ワイピング)について説明する。 (回復動作判断[1])図6はステップS8の回復動作
判断[1]のルーチンの詳細を示すフローチャートであ
る。ステップS501で記録装置に新しい記録ヘッドが
装着されているか調べ、新規ヘッドが装着していればス
テップS502の回復動作[6](新カートリッジ吸引
回復)へ進む。その後、ステップS514のインク残量
検知へ進み、回復動作判断[1]を終了する。
【0018】新規ヘッドが装着してなければ、ステップ
S503で記録ヘッドがキャッピングされていたか調べ
る。キャッピングしていればステップS505へ、キャ
ッピングしていなければステップS504で1時間以上
キャッピングしていなかったか調べる。キャッピングを
せずに1時間放置するとヘッドのノズルが増粘するため
、回復動作が必要である。非キャッピング状態が1時間
以内であればステップS505へ進む。ステップS50
5では装置を動作させていて、最後に吸引動作をしてか
ら3日過ぎている調べ、3日過ぎていれば回復動作が必
要である。ステップS506では装置を動作させていて
、最後に空吐動作をしてから10日過ぎているか調べ、
10日過ぎていれば回復動作が必要である。以上のどれ
かの条件が揃った場合、ステップS507の回復動作[
3](タイマー吸引回復)へ進む。
【0019】ステップS508で、ヘッド温度が45℃
以上(異常高温)ならばステップS509でファンを回
転し、ステップS510の異常高温チェックへと進む。 異常高温チェック終了後はステップS511でファンを
停止して、ステップS512へ進む。45℃以下ならば
直接ステップS512へと進む。ステップS512はイ
ンクの不吐出を検知する不吐検知動作である。その後、
ステップS513で、キャッピングを行う。ステップS
514でインク残量検知を行い、回復動作判断[1]の
ルーチンを終わる。
【0020】(不吐出検知動作)図7は、S512の不
吐出検知動作ルーチンの詳細を示すフローチャートであ
る。ステップS601で温調/PWM制御を停止して、
ステップS602でヘッド温度の安定待ちを行う。ステ
ップS603で動作前のヘッド温度を測定をし、ステッ
プS604で短パルス加熱を行う。この短パルス加熱と
は、吐出しない程度の小さな駆動パルス幅にて加熱を行
うことをいう。これはステップS605で空吐出[5]
を行う(N=2000,PWM制御をせず,パルス幅固
定のダブルパルスで行う)。ステップS606で動作後
のヘッド温度を測定し、ステップS607で動作前後の
ヘッド温度上昇値を判断する。もし、ヘッド温度上昇値
が所定値を越えているならば、記録ヘッドが不吐出して
いると判断し、ステップS608の回復動作[7](不
吐出検知吸引回復)へ、不吐出でなければステップS6
09に進んで空吐出[4]を2000発する。
【0021】ここで、不吐出検知方法について説明する
。本方法はヘッドの吐出状態が正常に行われているかど
うかを検知する方法であるが、本装置本体においては特
に電源ON時に行う。
【0022】まず、本方法の原理について説明する。本
記録では熱エネルギーによりインクを吐出させる。その
際発生する熱の大部分は、吐出するインク滴と共にヘッ
ドの外部へ出て行く。そのため駆動の際のかなりの大き
さの熱エネルギーが発生するにもかかわらず、ヘッドの
温度はそれほど上昇しない。しかしながら、一部のノズ
ルが吐出しない状態(不吐出)があると、発生するエネ
ルギーがインク滴と共に外部に出て行かないため、正常
な場合に比べて、ヘッド温度がより上昇する。そこで、
ある一定の発数の吐出の前後でヘッドの温度を温度セン
サーにより検知し、上昇温度が基準の値を越えたら不吐
出があったとみなす。
【0023】具体的には、まず、サブヒーターによるヘ
ッドの温調をやめ、ヘッド温度を測定しメモリする。次
に、短パルス加熱を行う。これは吐出しない程度の小さ
な駆動パルス幅をノズル内ヒーターに加えることで、ノ
ズル部の増粘しているインクの粘度を低下させるもので
ある。駆動法はダブルパルスで行い、プレパルスもメイ
ンパルスも1μsecの固定パルスとして、連続的に駆
動させる。次に、4KHzの空吐出を2000発行う。 ここでの駆動法はPWM制御を行わず、固定値によるダ
ブルパルスとする。これは、不吐出検知の際のヘッドに
与える熱エネルギーを一定にするためである。最後に、
ヘッドの温度を測定し、上昇温度を計算し、この値が基
準値に対して大きければ、ヘッドに不吐出があると検知
する。
【0024】(異常高温チェック)図8はステップS5
10の異常高温チェックルーチンの詳細を示すフローチ
ャートである。ステップS701で3回吸引動作カウン
ターセット、ステップS702で2分タイマーセットし
た後、ステップS703で記録ヘッドの温度が45℃以
上あるか調べる。温度が45℃以上あればステップS7
05に進み、温度が45℃未満であればステップS70
4で回復動作[9]をする。
【0025】ステップS705では記録ヘッドの温度が
60℃以上あるか調べる。温度が60℃以上あれば、ス
テップS706で本装置が吸引動作を3回以上したか調
べ、吸引動作が3回未満の場合ステップS707で本装
置は回復動作[8](高温印字吸引回復)を行う。その
後、ステップS708で3回吸引動作カウンターを減算
し、ステップS709で約20秒ウエイトする。このウ
エイトをすることで、高温になっているヘッド温度が下
がるのを待つ。ステップS706で本装置が吸引動作を
3回以上した場合、及び2分以上45度から下がらない
場合(ステップS710)には、ステップS711で本
装置は異常停止をする。
【0026】(回復動作判断[2])図9はステップS
26の回復動作判断[2]ルーチンの詳細を示すフロー
チャートである。ステップS801では、本装置が回復
動作してから3日以上印字しているか調べ、3日以上印
字していればステップS802の手差しチェックをする
。手差しでなければ、ステップS806で回復動作[3
]をする。その後、ステップS807でインク残量検知
を行い、回復動作判断[2]ルーチンを終了する。 手差しであれば、ステップS804で手差しを解除して
回復動作[3](ステップS805)をし、メインルー
チンのステップS9の20度温調へ戻る。
【0027】ステップS801にて吸引して3日未満で
あれば、ステップS803で空吐出[1](N=100
)を行い回復動作判断[2]ルーチンを終わる。
【0028】(回復動作判断[3])図10はステップ
S32の回復動作判断[3]ルーチンの詳細を示すフロ
ーチャートである。ステップS901で給紙直後か判断
し、給紙直後ならば、カセット給紙と手差し給紙とで、
空吐出の発数を変えて行う。つまり、空吐出[1]の発
数をカセットでは10発、手差しでは15発とする(ス
テップS902,S903,S904)。その後、空吐
カウンタとワイピングカウンタとをリセットする(ステ
ップS905,S906)。
【0029】給紙直後でない場合、ステップS907で
空吐カウンターがN回(本実施例ではN=2)かどうか
調べる。N回ならステップS908で空吐出を5発し、
カウンターをリセット(ステップS909)して、回復
動作判断[3]ルーチンを終わる。カウンターがNでな
ければ、ステップS910でカウンターを加算して終了
する。
【0030】(回復動作判断[6])図11はステップ
S34の回復動作判断[6]ルーチンの詳細を示すフロ
ーチャートである。ステップS1001でワイピングが
M回(本実施例ではM=10)かどうか調べる。M回な
らステップS1002でワイピング動作を行い、空吐出
[1]を100発行った後、カウンターをリセットして
(ステップS1003,1004,1005)、回復動
作判断[6]ルーチンを終わる。カウンターがMでなけ
れば、カウンターを加算して終わる。
【0031】(回復動作判断[4])図12はステップ
S47の回復動作判断[4]ルーチンの詳細を示すフロ
ーチャートである。
【0032】ステップS1101で印字中の温度が50
℃より高いか、または印字後45℃を越えたかにより(
ステップS1102)、ステップS1103の異常高温
CHECKへと進む。ステップS1104で枚数カウン
ターが10枚かどうか調べ、10枚なら回復動作[4]
(印字後吸引回復)をする(ステップS1105)。1
0枚でなければステップS1106でワイピングを行い
、空吐出[2](N=50)を行い(ステップS110
7)、回復動作判断[4]を終える。
【0033】(タイマー吸引回復)図13はタイマー吸
引回復(回復動作[3])ルーチンの詳細を示すフロー
チャートである。この回復モードの目的は、吸引回復動
作が行われない状態が長い間続いた場合、ヘッドの液室
内のインクが増粘し、さらにヘッドの液室内に気泡が発
生し増大することで正常な吐出ができなくなる場合があ
るため、それを防止することである。そのため、最終吸
引後のある一定時間、空吐出後の一定時間、及び非キャ
ップ状態で一定時間経過したことを判断して行う回復動
作である。
【0034】ポンプにより吸引を行うことで液室内の気
泡を除去し、増粘インクを排除する。さらに吸引と同時
に吐出を行う。これは吸引のみで発生する負圧に対して
、吐出の際に瞬間的な負圧が加わるため液室内の気泡の
除去を容易にしている。さらに吐出の際の気泡を発生さ
せる手段として電気熱変換体が駆動されるため、各液路
部のインク温度が上昇し粘度を低下させ、かつ表面張力
を低下させるため、一層液路内の流路抵抗が小さいもの
となり気泡の除去がさらに容易なものとなる。具体的に
は、チューブポンプによりある程度の大きさの負圧をヘ
ッドの液室内に発生させ、最大負圧が発生したと同時に
各ノズルを最大駆動周波数で吐出させる。ただし、ノズ
ル列の端部側においては液室内のインクの流れが悪いた
めインクの濃度が高くなるため、中央に比べて吐出発数
を多くすることで回復後の印字で各ノズルの濃度を一定
にしてインク増粘による濃度むらを防止する。吸引圧は
そのポンプの最大圧に設定した。吸引保持時間は2.5
秒でその時の吸引量は0.17g程度である。吐出数は
中央部で1000発、端部で3000発とした。吸引後
はゴムブレードによりヘッドのオリフィス面をワイピン
グし、その後、空吐出を行う。
【0035】(印字後吸引回復)図14は印字後吸引回
復(回復動作[4])ルーチンの詳細を示すフローチャ
ートである。この回復モードの目的は、印字動作状態が
長い間続いた場合、吐出によりヘッドの液室内に気泡が
発生し増大することで正常な吐出ができなくなる場合が
あるため、それを防止することである。そのため、最終
吸引後からのある一定枚数の印字後に行う回復動作であ
る。
【0036】ポンプにより吸引を行うことで液室内の気
泡を除去する。さらに吸引と同時に吐出を行う。これは
吸引のみで発生する負圧に対して吐出の際に瞬間的な負
圧が加わるため、液室内の気泡の除去を容易にしている
。特に、印字直後に行うため各液路部のインク温度が上
昇し粘度が低下しており、かつ表面張力も低下している
ため、液路内の流路抵抗が小さく気泡の除去がさらに容
易なものとなる。
【0037】具体的には、チューブポンプによりある程
度の大きさの負圧をヘッドの液室内に発生させ、最大負
圧が発生したと同時に各ノズルを最大駆動周波数で吐出
させる。吸引圧はそのポンプの最大圧より小さめに設定
した。これは、印字直後であるためインクの粘度が小さ
く、ポンプの圧力を大きくしなくとも十分気泡をとるこ
とが可能であり、また必要以上にインク消費量を増やさ
ずにすむためである。吸引保持時間は2.5秒でその時
の吸引量は0.12g程度である。吐出数は各ノズル共
100発とした。吸引後はゴムブレードによりヘッドの
オリフィス面をワイピングし、その後、空吐出を行う。
【0038】(新カートリッジ吸引回復)図15は、新
カートリッジ吸引回復(回復動作[6])ルーチンの詳
細を示すフローチャートである。この回復モードの目的
は、パッケージから取り出された新しいカートリッジが
本体に装着された場合、各種物流の環境等によってヘッ
ドの液室内のインクが増粘し、さらにヘッドの液室内に
気泡が発生し増大することで、正常な吐出ができなくな
る場合が想定されるため、それを防止することである。 そのため、新カートリッジが本体に装着されたことが認
識されたときに行う回復動作である。
【0039】ポンプにより吸引を行うことで液室内の気
泡を除去し、増粘インクを排除する。さらに吸引と同時
に吐出を行う。これは、吸引のみで発生する負圧に対し
て、吐出の際に瞬間的な負圧が加わるため液室内の気泡
の除去を容易にしている。さらに吐出の際の気泡を発生
させる手段として電気熱変換体が駆動されるため、各液
路部のインク温度が上昇して粘度を低下させ、かつ表面
張力を低下させるため、一層液路内の流路抵抗が小さい
ものとなり、気泡の除去がさらに容易なものとなる。ま
た、最悪の場合、通常の回復時に比べて、ノズルや液室
内部の増粘は著しいものとなるため、吸引と同時に行う
吐出は通常の回復モードに比べて多く設定してある。
【0040】具体的には、図23のチューブポンプをヘ
ッドキャッピング状態で加圧コロを(K)位置より回転
を開始し、(L)位置までチューブを加圧する事により
、ある程度の大きさの負圧をヘッドの液室内に発生させ
、最大負圧が発生したと同時に各ノズルを最大駆動周波
数で吐出させる。ただし、ノズル列の端部側においては
液室内のインクの流れが悪くインクの濃度が高くなるた
め、中央に比べて吐出発数を多くすることで回復後の印
字で各ノズルの濃度を一定にしてインク増粘による濃度
むらを防止する。吸引圧はそのポンプの最大圧に設定し
た。吸引保持時間は2.5秒でその時の吸引量は0.1
7g程度である。吐出数は中央部で2000発、端部で
6000発とした。吸引後はゴムブレードによりヘッド
のオリフィス面をワイピングし、その後、空吐出を行う
【0041】(不吐出検知吸引回復)図16は不吐出検
知吸引回復(回復動作[7])ルーチンの詳細を示すフ
ローチャートである。
【0042】(高温印字後吸引回復)図17は高温印字
後吸引回復(回復動作[8])ルーチンの詳細を示すフ
ローチャートである。この回復モードの目的は、高du
tyな印字状態が長い間続いた場合等、ヘッド内のイン
クの温度の上昇で正常な吐出ができなくなる場合がある
ため、それを防止することである。そのため、ヘッド内
の温度がある一定以上の値になった場合に行う回復動作
である。
【0043】ポンプにより吸引を行うことで液室内の高
温インクを排出する。この時、このモード以外の回復動
作においては、さらに吸引と同時に吐出を行うが、本モ
ードにおいては吐出に伴うインク温度の上昇を防止する
ため、あえて行わない。各液路部のインク温度が上昇し
粘度が低下しており、かつ表面張力も低下しているため
、液路内の流路抵抗が小さく、小さい圧力で高温インク
を低温インクに置換できる。吸引圧はそのポンプの最大
圧より小さめに設定した。これは、印字直後であるため
インクの粘度が小さく、ポンプの圧力を大きくしなくと
も十分に、また必要以上にインク消費量を増やさずにす
むためである。
【0044】具体的には、図23のチューブポンプをヘ
ッドキャッピング状態で加圧コロを(K)位置より回転
を開始し、(M)位置までチューブを加圧する事により
少な目の負圧をヘッドの液室内に発生させ、吸引保持時
間は2.5秒でその時の吸引量は0.12g程度である
。吸引後はゴムブレードによりヘッドのオリフィス面を
ワイピングする。
【0045】(高温印字後回復)図18は高温印字後回
復(回復動作[9])ルーチンの詳細を示すフローチャ
ートである。この回復動作は異常高温動作ルーチンから
戻る場合のルーチンである。ノズル内のインク温度を上
昇させる事は、次の印字に際し悪影響となるので、ワイ
ピング後の空吐出を空吐出[2]とする。通常の空吐よ
りもより昇温を押さえるために500Hzで吐出を行い
、全くヘッドの温度上昇をさせない。
【0046】(回復スイッチ)図19は、回復スイッチ
ルーチン(回復動作[10])の詳細を示すフローチャ
ートである。この回復モードの目的は、本装置における
シーケンス上の回復モードが行われているのにも拘らず
、万一、ヘッドの吐出が正常に行われない場合、ユーザ
ーの判断により回復スイッチが押された時に、ヘッドの
吐出を正常な状態に回復させることである。通常は使用
されることはないが、もし使用された場合には、確実に
回復させるために、他の回復モードに比べて強力にして
いる。
【0047】ポンプにより吸引を行うことで液室内の気
泡を除去し、増粘インクを排除する。さらに吸引と同時
に吐出を行う。これにより、吸引のみで発生する負圧に
対して吐出の際に瞬間的な負圧が加わるため、液室内の
気泡の除去を容易にしている。さらに、吐出の際の気泡
を発生させる手段として電気熱変換体が駆動されるため
、各液路部のインク温度が上昇して粘度を低下させ、か
つ表面張力を低下させるため、一層液路内の流路抵抗が
小さいものとなり、気泡の除去がさらに容易なものとな
る。また、回復性能を確実なものとするため、このモー
ドではスイッチが1回押されたら、吸引動作を2回繰り
返して行われる。
【0048】具体的には、図23のチューブポンプをヘ
ッドキャッピング状態で加圧コロを(K)位置より回転
を開始し(L)位置までチューブを加圧する事により、
ある程度の大きさの負圧をヘッドの液室内に発生させ、
最大負圧が発生したと同時に各ノズルを最大駆動周波数
で吐出させる。ただし、ノズル列の端部側においては液
室内のインクの流れが悪くインクの濃度が高くなるため
、中央に比べて吐出発数を多くすることで回復後の印字
で各ノズルの濃度を一定にして、インク増粘による濃度
むらを防止する。吸引圧はそのポンプの最大圧に設定し
た。吸引保持時間は2.5秒でその時の吸引量は0.1
7g程度である。吐出数は中央部で2000発、端部で
6000発とした。
【0049】吸引後はゴムブレードによりヘッドのオリ
フィス面をワイピングし、吸引したインクはチューブポ
ンプの加圧コロを(L)位置から2回転し、(K)位置
で停止させる事で排インク吸収体へと送られる。その後
、空吐出を行う。この後、さらに上記動作を繰り返して
行う。
【0050】図20は空吐出[1]から空吐出[5]、
スタンバイ空吐出の詳細を示すフローチャートである。
【0051】(空吐出[1])この空吐出[1]は印字
中、スタンバイ中、及びワイピング後に全ノズルを吐出
させて行う。最大駆動周波数の4KHzに対して吐出周
波数を1KHzとしているのは、ノズル部の昇温を伴わ
ない、安定した吐出状態だからである。(空吐出[2]
)この空吐出[2](パターン空吐出)の目的は、ノズ
ル内に発生する微小な気泡を除去することである。なぜ
なら、ノズル内に気泡があると、正常な発泡ができなく
なるからであり、また、微小な気泡を放置して置くと気
泡どうしが合体して大きな気泡となり、ノズル内を塞い
で不吐出を引き起こすからである。
【0052】ところで、ノズル内の微小気泡を除去する
方法として吸引が考えられるが、吸引は吐出量に比ベイ
ンクの消費量が多く、また動作時間が長いという問題が
ある。そこで、本空吐出方法が有効となる。即ち、気泡
は印字中に発生するため、印字直後に除去することが望
ましいが、吸引動作は比較的時間が長いため記録時間が
長くなり、またランニングコストも大きなものとなるか
らである。
【0053】ここで本空吐出方法について説明する。通
常ノズル内に気泡があると、そのノズルから吐出しても
その気泡はなかなか除去できない。しかしながら、気泡
除去を目的とするノズルに対して隣接するノズルを断続
的に吐出させると、気泡はノズルから排出される。
【0054】具体的には、はじめに奇数ノズルだけを1
KHzで50発吐出させ、次に偶数ノズルを1KHzで
50発吐出させる。これを1サイクルとして、確実に気
泡を除去するために2サイクル行う。
【0055】(空吐出[3])この空吐出[3]は吸引
と同時か、不吐出検知の際に全ノズルの吐出により行う
。最大駆動周波数の4KHzとした理由は、吸引と同時
の場合はノズル部の温度が高くなり、増粘インクを低粘
度化させ、かつ液室内の流速を最大にすることで吸引性
を上げるためであり、不吐出検知の場合は検知精度を上
げるためである。 (空吐出[4])比較的長い間、吐出や吸引回復を行わ
ないとヘッドの液室の壁側から内部に向かってインクが
増粘していく。ヘッドの端部側のノズルは液室の壁に近
いため、放置後に回復無しで印字を行うと、ヘッドの端
部が濃くなる。そこで、この空吐出[4]は、端部ノズ
ルだけ吐出させることで全ノズルのインク濃度のむらを
なくすことが目的である。
【0056】具体的には、ヘッドの駆動を複数のノズル
に対してBLOCK毎に分割駆動しているため、ヘッド
の端部である1BLOCKと16BLOCKを4KHz
で吐出させる。
【0057】(空吐出[5])この空吐出[5]は、異
常高温吸引回復動作後のワイピング後に全ノズルを吐出
させて行う。通常ワイピング後の吐出周波数は1KHz
であるが、より一層ノズル部の昇温を伴わない為に駆動
周波数を500Hzとし、安定した吐出を行う。(スタ
ンバイ空吐出)この空吐出はスタンバイ中に行うもので
あり、1時間毎に行う。目的は、スタンバイ中のノズル
内及び液室内のインクの増粘を防止するためであり、コ
ピースイッチが押されたらすぐに濃度むらのない安定し
た印字を可能にするためである。具体的には空吐出[1
](N=50)を行う。
【0058】なお、上述した各吸引動作後には、10日
タイマー及び3日タイマー、コピー枚数カウンターをリ
セットする。また、各空吐出動作後には、10日タイマ
ーをリセットする。
【0059】(ワイピング動作)図21はワイピング動
作ルーチンのフローである。ステップS5401でキャ
リッジをスタート位置まで移動させる。ステップS54
02でワイピングブレードを上げる。ステップS540
3でキャリッジをワイピング位置へ移動させる。この移
動の際、キャリッジに搭載されている記録ヘッドのノズ
ル部がワイピングブレードでふかれる。キャリッジがワ
イピング位置で停止したのち、ステップS5404でワ
イピングブレードを下げる。
【0060】図22はワイピング動作の説明図である。 図22(A)はキャリッジがスタート位置でワイピング
ブレードを上げた様子を示す。図22(B)はキャリッ
ジがスタート位置からワイピング位置へ移動している様
子を示す。図22(C)はキャリッジがワイピング位置
でワイピングブレードを上ったままの様子を示す。図2
2(D)はキャリッジがワイピング位置でワイピングブ
レードを下げたときの様子を示す。
【0061】ここで、ヘッドROMの使用方法について
詳しく説明する。 (駆動設定)本実施例で用いている装置は、交換可能な
ヘッド(カートリッジタイプ)を使用しており、ユーザ
ーがいつでもヘッドを交換できる利点を有するものであ
る。このため、サービスマン等による装置の細かな調整
は期待できない。また、この交換可能なヘッドは、大量
生産によって供給されるため、個々のヘッドが、前記し
たヒーターボ−ド(H・B)の面積、抵抗値、膜構造な
ど製造工程上のバラツキによって異なる特性を持ってい
る。よってより安定に高い画質を得るためには、上記特
性のバラツキを補正する必要がある。
【0062】この様なヘッド毎の駆動条件設定の違いを
補正する方法として、ROM情報の読み込みによる補正
や、ヘッドの吐出穴径の分布による1ヘッド内での吐出
量バラツキによる濃度ムラを補正する方法(H・Sデー
タの読み込み)を行う。
【0063】この様な補正をヘッド毎に行わない場合に
は、吐出特性の中でも特に吐出速度、方向(着弾精度)
、吐出量(濃度)、吐出安定性(リフィル周波数・ムラ
・ヌレ)などが適正化されない。このため安定した画像
が得られないばかりか、印字中に発生する不吐出やヨレ
によって著しい画像の乱れが発生する。
【0064】また、特にフルカラー画像は、シアン・マ
ゼンタ・イエロ−・ブラックの4つのヘッドによって形
成されるため、1色でも標準状態と違った吐出量や制御
特性を持ったヘッドで印字すると画像に支障を来す。中
でも吐出量のバラツキは、全体のカラ−バランスが崩れ
るため色味の変化や色再現性が低下(色差の増大)し、
画質を低下させてしまう。ブラック、レッド、ブル−、
グリ−ン等の単色画像においては、濃度変動を起こすこ
とになる。また、制御特性のバラツキは、中間調再現性
を変えてしまう。よって本実施例では、これらの吐出特
性のバラツキの補正を行う。
【0065】まず、本実施例における印字方法について
詳しく説明する。 (印字方法)本実施例では、ヘッド駆動方法及び印字方
法に特徴を持たせている。ヘッド駆動には分割パルス幅
変調(PWM)駆動法を用いている。Vopは、図28
に示すように、H・B上に熱エネルギーを発生させるた
めに必要な電気エネルギ−を与えるための電気的エネル
ギ−であり、H・Bの面積・抵抗値・膜構造やヘッドの
ノズル構造によって決まる。P1 はプレヒートパルス
幅、P2 はインターバルタイム、P3 はメインヒー
トパルス幅を示している。T1 ,T2 ,T3 はプ
レヒートパルスの立ち上がりからの時間であり、それぞ
れP1 ,P2 ,P3 を決めるための時間を示して
いる。
【0066】分割パルス幅変調駆動法は、P1 ,P2
 ,P3 の順にパルスを与える。P1 はプレヒート
パルスで主にノズル内のインク温度を制御するためのパ
ルス幅であり、ヘッドの温度センサーを利用した温度検
知によってP1 のパルス幅を制御する。この時H・B
上に熱エネルギーを加えすぎてプレ発泡現象が発生しな
いようにしている。
【0067】P2 はインターバルタイムでプレヒート
パルスP1 とメインヒートパルスP2が相互干渉しな
いように一定時間の間隔を設けるためと、ノズル内イン
クの温度分布を均一化する働きがある。P3 はメイン
ヒートパルスで、H・B上に発泡現象を発生させノズル
穴よりインク滴を吐出させる。これらのパルス幅は,H
・Bの面積,抵抗値,膜構造やヘッドのノズル構造,イ
ンク物性によって決まる。
【0068】本実施例では、図29に示すようなヘッド
構造を持つヘッドを用いている。ヘッド温度TH =2
5. 0(℃)の環境で、Vop=18. 0(V)の
時に、P1 =1. 867(μsec )で、P3 
=4. 114(μsec )のパルスを与えると最適
な駆動条件となり、安定したインク吐出状態が得られる
。この時の吐出特性は、インク吐出量Vd =30. 
0ng/ dot、  吐出速度V=12. 0m/s
ecであった。ちなみに、ヘッドの最高駆動周波数はf
r =4.0KHzであり、400dpiの解像度をも
ち、128ノズルを16Blockに分割して1Blo
ckから順次駆動している。本実施例でのヘッドは、ヘ
ッド毎の特性を記録したROMを有しており、この情報
を本体に読み込ませることによって個々のヘッドの特性
のバラツキを補正させる様にしている。
【0069】このヘッド毎の吐出特性バラツキを補正し
、最適な画像形成を行うための方法を以下に示す。ヘッ
ドを搭載した本体に電源を投入した時に、ヘッドのRO
Mにヘッドの製造時に記憶させた情報(ROM情報)を
本体側に読込む。このとき、ヘッドID番号,色情報,
TA1(印字パルス幅に対応するヘッドの駆動条件テ−
ブルポインタ),TA3(PWMテ−ブルポインタ),
温度センサ補正値,印字枚数,ワイピング回数などの情
報を読み取る。ここで読み取ったテ−ブルポインタTA
1に従って、本体側では後述する分割パルス幅変調駆動
制御法のメインヒートパルス幅:P3 の値を求める。
【0070】図30にテーブルポインタ:TA1とTA
1から求めたメインヒートパルス幅:P3 との関係を
示す。
【0071】(1)  TA1の決定:ヘッドの製造時
に、予め各ヘッドの吐出特性測定を標準駆動条件(ヘッ
ド温度:TH=25.0 (℃)の環境下で駆動電圧:
Vop=18.0( V ) の時にP1 =1.87
( μsec )でP3 =4.114( μsec)
 のパルス印加)で行っておき、各ヘッドに最適な駆動
条件を決めて、ヘッドのROMに情報として記憶させて
おく。
【0072】(2)  駆動条件設定:本体側では分割
パルス幅駆動時の各パルス幅プレヒートパルス幅:P1
 、インターバルタイム幅:P2 、メインヒートパル
ス幅:P3 を設定するためにプレヒートパルスの立ち
上がり時からの時間を、図28に示すようにT1 、T
2 、T3 としておきT3(T3 =8.602 μ
sec )の値は本体上で最初から固定しておく。ヘッ
ドより読み込んだポインタによって与えられるパルス幅
条件T2 :TA1(例えばTA1=4.488 μs
ec )の値によってP3 (P3 =T3 −T2 
=4.114 μsec )を決定している。
【0073】以上のように、ヘッドのROM内に記憶し
ているヘッド駆動条件設定用テーブルポインタTA1を
情報として読み込み、本体側の設定条件(駆動条件)を
変えることで、ヘッド毎の吐出特性バラツキを補正する
ことが可能となり、交換可能なヘッドを用いた場合であ
っても簡単にカラー画質の安定化が図れるようになった
【0074】(PWMによる補正法)ここでは、本実施
例で用いているヘッド毎の吐出量バラツキを補正し、最
適な画像形成を行うための方法であるPWM制御方法を
更に有効に利用するための方法について述べる。
【0075】PWMの制御条件は、ヘッドの装着された
本体に、電源を入れたときに本体側に、ヘッドのROM
情報としてID番号・色・駆動条件・HSデータととも
に読み込まれる。本実施例では、PWMの制御条件とし
てテーブルポインタ:TA3を読みとる。後述する様に
、この番号TA3はヘッドの吐出量(VDM)に対応し
た番号が付けられており、読み込まれたTA3に従って
、本体側ではPWMのプレヒートパルス幅:P1 の上
限値を決める。
【0076】次にPWMによる補正法を順に説明する。
【0077】(1)テ−ブルポインタTA3の決定:予
め、ヘッドの製造時に行程上で各ヘッドの吐出量測定を
標準駆動条件(ヘッド温度:TH=25.0 (℃)の
環境下で駆動電圧:Vop=18.0( V ) の時
にP1 =1.87( μsec )でP3 =4.1
14( μsec ) のパルス印加)で行い、その値
を測定吐出:VDMとする。次に, 標準吐出量:VD
0=30.0(ng/dot)との差を△V=VD0−
VDMとして求める。
【0078】この△Vから図31に示す如く、△Vの値
とテ−ブルポインタ:TA3との関係を求めた。このよ
うに吐出量の多少量によってランク分けし、ヘッドごと
のTA3をそれぞれのROMに情報として記憶させてお
く。
【0079】△Vからテ−ブルを作成する場合には、後
述する分割パルス幅変調駆動法で制御可能なプレヒ−ト
パルス幅P1 の1テ−ブルの変化分:△VP と同じ
にする必要がある。つまり、後述する様にプレヒ−トパ
ルス幅P1 によってヘッドの吐出量補正を行っている
ためである。
【0080】(2)テ−ブルポインタの読み込み:先に
示した(1)の様にして、ヘッドのROM内に記憶させ
た情報を持つヘッドをインクジェット記録装置本体に装
着し、電源ON時に図5で示す様なシ−ケンスに従って
、ヘッドROM内に記憶された情報を本体側のSRAM
に記憶させる。
【0081】(3)PWM制御のテ−ブル決定:1.吐
出量の多いヘッドでは、25.0℃の時のプレヒ−トパ
ルス幅P1 の値を標準駆動条件(P1 =1.867
μsec )より短くして吐出量を少なくし、標準吐出
量VD0に近づける。 2.吐出量の少ないヘッドでは、25.0℃の時のプレ
ヒ−トパルス幅P1 の値を標準駆動条件(P1 =1
.867μsec )より長くして吐出量を多くし、標
準吐出量VD0に近づける。 3.上記の動作は図31に示されているように、各ヘッ
ドの吐出量に応じてテ−ブルポインタTA3とプレヒ−
トパルス幅P1 の関係がが決められており、常に標準
吐出量VD0になるよう設定してある。 4.このような方法によって、標準吐出量VD0( 3
0.0ng/dot)に対して±0.6(ng/dot
)の吐出量バラツキを補正することが可能となった。以
上のように、PWM制御用テ−ブルポインタTA3をヘ
ッドのROM情報として読み込み、本体側の設定条件(
駆動条件)を変えることで、ヘッド毎の吐出量バラツキ
を吸収することが可能となり、交換可能なヘッドを用い
た本体でも簡単にカラ−画質の安定化が可能となった。 さらに、ヘッドの歩溜りを向上させることができるので
、カ−トリッジヘッドのコストをも低減させることが可
能となった。
【0082】次に、プレヒ−トパルス:P1 を用いた
吐出量制御方法について詳細に述べる。ヘッド温度(T
H )一定の条件でプレヒ−トパルス幅:P1 と吐出
量:Vd との関係を、図32に示している。図で示さ
れる様に、プレヒ−トパルス幅P1 の増加に対してP
1LMTまでは直線的に増加し、それ以後はプレ発泡現
象によりメインヒ−トパルスP3 の発泡が乱され、P
1MAXを過ぎると吐出量が減少する傾向を示す。
【0083】プレヒ−トパルス幅:P1 の一定の条件
でヘッド温度:TH (環境温度)と吐出量:VD と
の関係は、図33に示すようにヘッド温度TH の増加
に対して直線的に増加する傾向を示す。それぞれの直線
性を示す領域の係数は、 吐出量のプレヒ−トパルス依存係数: KP =△VDP/ △P1 (ng/ μs・dot
)吐出量のヘッド温度依存係数: KTH=△VDT/ △TH (ng/ ℃・dot)
のように決まる。
【0084】図29に示すヘッド構造のものではKP 
=3.21(ng/ μsec ・dot)、KTH=
0.3(ng/ μsec ・dot)であった。これ
らの二つの関係を以下に説明するように有効に利用する
と、ヘッド温度が環境温度の変動や印字による自己昇温
による変動など様々な要因によって変化しても、ヘッド
のインク吐出量を常に一定に保てる吐出量制御方法が可
能となる。ヘッド温度に対する吐出量制御の様子を、ヘ
ッド温度と吐出量との関係で示したのが図34である。 図34においてT0 は標準温度、TL は吐出量制御
の限界温度、TC は発泡限界温度を示している。
【0085】吐出量制御は以下の3つの条件で行う。 (1)TH ≦T0 低温時の吐出量補償をヘッドの温調で行う。 (2)T0 <TH ≦TL 分割パルス幅変調法(PWM)による吐出量制御で行う
。 (3)TL <TH (<TC ) P1 =一定による非制御で行う。
【0086】(1)の状態は、図34の温調領域で主に
低温環境での吐出量を確保するためのものである。ヘッ
ド温度TH =25.0℃以下の時に、ヘッド温度TH
 を温調温度T0 =25. 0(℃)に一定に保つこ
とで、TH =T0 の時の吐出量VD0=30. 0
(ng/dot)を得ている。T0 を25. 0℃と
しているのは温調によるインク増粘、インク固着、温調
リップルなどによる弊害を極力なくすためである。この
ときのP1 のパルス幅は、P1 =1. 867μs
ec である。
【0087】(2)の状態は、図34で示すPWM領域
であり、ヘッド温度TH が26. 0℃〜44. 0
℃の間で行われている。印字による自己昇温や環境温度
の変化を、センサ−が温度検知する。プレヒ−トパルス
幅P1 は、図35に示されるようにヘッド温度TH 
の適当な範囲ごとにP1 の値を変化させるか、図24
に示したシ−ケンスに従って行えば良い。
【0088】なお、図35(A)においては、P1 の
基準値をP1=0Aとした場合を示し、2.0℃毎にプ
レヒ−トパルス幅P1 を1ステップ(1H )づつ変
化させている。また同図(B),(C)は、P1 の基
準値をP1=0BまたはP1=09とした場合を示して
いる。
【0089】図24のシ−ケンスに従う場合には、次の
様に行う。このシ−ケンスでは、ヘッド温度の誤検知を
防ぎ、より正確な温度検知を行うために、過去3回の温
度(Tn−3 、Tn−2 、Tn−1 )と新しく検
知した温度Tn との平均ヘッド温度Tm を ,Tm =(Tn−3 +Tn−2 +Tn−1 +T
n )/4として求め、更に左右のセンサ−における平
均値を求める。
【0090】次のステップでは、この値Tm と前回求
めたヘッド温度Tm−1 とを次の式で比較し、次の様
に補正を行う。
【0091】(1)|Tm −Tm−1 |≦△T(本
実施例では  △T=1℃)の場合 温度変化が±1℃以内の変化であり、図35の1テ−ブ
ルに示される温度範囲なのでP1 のパルス幅は変えな
い。 (2)Tm −Tm−1 >△Tの場合温度変化が高温
側にシフトしているので、プレヒ−トパルス幅P1 を
1H 小さくしてパルス幅を狭くする。 (3)Tm −Tm−1 <−△Tの場合温度変化が低
温側にシフトしているので、プレヒ−トパルス幅P1 
を1H 大きくしてパルス幅を広くする。
【0092】以上説明したシ−ケンスのフロ−チャ−ト
を、図24に示す。このフロ−チャ−トはタイマ−割り
込みの一部であり、20m秒に一度このル−チンに入り
込む。ステップS401で4色のヘッドにある左右2個
の温度センサ−からヘッドの温度を読み込み、各々のセ
ンサ−で過去3回の温度デ−タ−との平均をステップS
402で演算する。次にヘッド毎で左右の温度デ−タの
平均を求める。そして、ステップS403で、Tm と
Tm−1 と△Tとの関係により前述の条件(3)の場
合ステップS404でP1 を1H 増し、条件(1)
の場合ステップS405でP1 をそのままとし、条件
(2)の場合ステップS406でP1 を1H 減らす
。なお、図35のようなテ−ブルを用いる場合において
も、また図24で示されるようなシ−ケンスを用いる場
合においても、一度の補正でP1 の変化量を多くする
と濃度むらを生じる恐れがあるため、温度変化が1ポイ
ンタの補正範囲より大きくなった場合であっても1回に
P1 の変化量を1ポインタ(本実施例では1H)にな
る様に制御を行う。
【0093】シ−ケンスを用いる場合、印字中に1つの
1ポインタを変化させるのに要する時間(フィ−ドバッ
クタイム)はTF =20msecである。従って、1
ライン(約800msec)の中では約40回のポイン
タ変化が可能となっている。このため、最高で△Tup
=19.0℃の昇温にも対処可能となっており、広い温
度範囲において濃淡変化の発生を低減している。温度検
知に4回平均を用いているのは、センサ−のノイズ等に
よる誤検知を防ぎ、フィ−ドバックをなめらかに行うと
ともに制御による濃度変動を必要最低限にしシリアル印
字方式による繋ぎでの濃度変化(繋ぎスジ)を目だたな
くするためである。
【0094】この吐出量制御方法を用いると、上記の温
度範囲で目標吐出量VD0=30.0(ng/dot)
に対して±0.3(ng/dot)の範囲内で制御が可
能となる。このような範囲内での吐出量変動に押さえる
ことによって、1枚の印字中に発生する濃度変動は、約
±0.2程度に抑えられ、シリアル印字方式において顕
著な濃度ムラの発生や繋ぎスジを問題とならない程度に
することができる。
【0095】なお、温度検知の平均回数を増やすとノイ
ズ等に強ポインタくなりよりなめらかな変化となるが、
リアルタイムでの制御では検知精度が損なわれ正確な制
御が出来なくなる。また、温度検知の平均回数を減らす
とノイズ等に弱くなり急激な変化が発生するが、リアル
タイムでの制御では検知精度が高まり正確な制御が可能
となる。
【0096】(3)の状態は、非制御領域であり、ヘッ
ド温度TH =44.0℃以上の場合を想定している。 印字状態において、例えば100%duty(最高吐出
周波数による印字)を連続して印字すると、瞬間的には
ヘッド温度がこの領域に到達することがあるが、常時こ
の領域の温度にならないようにヘッド構造の設計及びヘ
ッド駆動条件を設定している。万一、この状態が連続し
て発生するような場合には、高温異常状態と判断し回復
動作を行うことで対処する。また、P1 のパルス幅を
P1 =0.187μsecとしてプレヒ−トパルスに
よる加熱を抑えて、印字による自己昇温を極力低減する
ようにしている。
【0097】(温調)次に温調のシーケンスについて詳
しく述べる。本実施例では、ヘッド側に位置した左右の
サブヒーターと、吐出用ヒ−タ−の近傍に位置する左右
の温度センサーとを用いて本体側で制御を行っている。 図25に本実施例で使用しているヘッドのH.Bの模式
図を示している。温度センサー8e、サブヒーター8d
、吐出用(メイン)ヒーター8cが配された吐出部列8
g、駆動素子8hが同図で示される様な位置関係で同一
基板上に形成されている。この様に各素子を同一基板上
に配することでヘッド温度の検出、制御が効率よく行え
、更にヘッドのコンパクト化、製造工程の簡略化を計る
ことができる。また同図には、H.Bをインクで満たさ
れる領域と、そうでない領域とに分離する天板の外周壁
断面8fの位置関係を示す。同図で示される通り、温度
センサ−8eは、天板の外周壁8fより吐出口側、つま
りインクで満たされた領域であり、吐出口に近い位置に
配されている。このことにより吐出口近辺のヘッド温度
を効率よく検出することができる。
【0098】温度の検知は、吐出量制御方式と同様で4
回の平均値を利用している。この時、ヘッド温度TH 
は右側のセンサーから検知した温度TR と、左側のセ
ンサーから検知した温度TL との平均値(TH =(
TR +TL )/2)を用いている。この検知温度に
よってヘッド側のサブヒーターに電流を流して温調を行
うわけであるが、温度の制御方法は基本的にON/OF
F方式である。つまり、目標温度T0 =25.0℃に
到達するまでは最大電力(左右各1. 2W)を投入し
、目標温度に到達すると電流を切り、下がると電流を流
す方式である。 ON/OFFのタイミングは40msec毎に行ってい
る。
【0099】このタイミングを長くするとリップルの幅
が大きくなり周期が延びる。また、このタイミングを短
くするとリップルの幅が小さくなり周期が短くなる。こ
の方式によって目標温度での温調リップル幅は、約2℃
あるが4回平均による温度検知を用いているため、温調
リップルによる吐出量制御への影響はほとんどない。必
要があればPID制御などの高価な制御方法を用いても
かまわない。
【0100】図26は初期20度温調ルーチンのフロー
である。ステップS2001でタイマーカウンターを3
0秒セットした後、20℃より高い場合はルーチンを終
わる(ステップS2002)。20℃より低い場合はス
テップS2003でヘッドのヒーターをONする。ステ
ップS2004でタイマーが30秒たっているかを調べ
る。30秒たっていればステップS2005で異常停止
、たっていなければステップS2002へ戻る。
【0101】図27は、20度温調及び25度温調ルー
チンのフローである。ステップS2101でヘッドの温
度が20℃より高いか低いかチェックする。20℃より
高い場合はステップS2102でヘッドのヒーターをO
FFし、20℃より低い場合はステップS2103でヘ
ッドのヒーターをONして、20度温調ルーチンを終了
する。
【0102】なお、25度温調ルーチンにおけるステッ
プS2104〜S2106についても、20度温調ルー
チンにおけるステップS2101〜S2103と同様で
あるので、説明を省略する。
【0103】(HSテーブル)ここでは、本実施例で用
いているHS制御方法を有効に利用するための方法につ
いて述べる。この実施例は、交換可能なヘッド(カート
リッジタイプ)を使用するため、ユーザーがいつでもヘ
ッドを交換できるのでサービスマン等による細かな調整
は期待できない。また、カートリッジヘッドは大量生産
によって製造するため、個々のヘッド特有の特性をもっ
ており、前記したH・Bの面積・抵抗値・膜構造やノズ
ル形成など製造工程上のバラツキによる1ヘッド内での
吐出特性分布や吐出穴径の分布が発生するので、吐出量
バラツキによる濃度ムラを補正する方法が必要となる。
【0104】この1ヘッド内での吐出量バラツキを補正
し、ムラの無い最適な画像形成を行えるようにするため
の方法を以下に示す。電源を入れたときに、ヘッドのR
OM情報としてID番号・色・駆動条件とともにHSデ
ータとしてテーブルTHSを読みとる。このテーブルT
HSを本体側ではコピーする。
【0105】THSの決定は以下のように行う。あらか
じめヘッドの製造行程上で各ヘッドのト径分布測定を標
準駆動条件で行ってHSデータを計算しておき、計算結
果をテーブル化したものをヘッドのROM情報として記
憶させておく。
【0106】以上のように、HSデータ用テーブルTH
SをヘッドのROM情報として読み込むことによって、
本体側で各ヘッドのムラ補正が行えるようにしておくこ
とで、各ヘッド毎の吐出量バラツキによる濃度ムラを吸
収することが可能となる。従って、交換可能なヘッドを
用いた本体でも、簡単にカラー画質の安定化が可能とな
った。
【0107】(制御構成)次に、上述した記録制御フロ
ーを実行するための制御構成について、図36を参照し
て説明する。同図において、60はCPU、61はCP
U60が実行する制御プログラムを格納するプログラム
ROM、62は各種データを保存しておくバックアップ
RAMである。63は記録ヘッド搬送のための主走査モ
ータ、64は記録用紙搬送のための副走査モータで、ポ
ンプによる吸引動作にも用いられる。65はワイピング
用ソレノイド、66は給紙制御に用いる給紙ソレノイド
、67は冷却用のファン、68は紙幅検知動作のときに
ONする紙幅検知用LEDである。69は紙幅センサ、
70は紙浮きセンサ、71は給紙センサ、72は排紙セ
ンサ、73は吸引ポンプの位置を検知する吸引ポンプ位
置センサである。74はキャリッジのホームポジション
を検知するキャリッジHPセンサ、75はドアの開閉を
検知するドアオープンセンサ、76は手差しボタンの押
下を検知する手差しボタンセンサ、77はOHPボタン
の押下を検知するOHPボタンセンサである。
【0108】78は4色のヘッドに対する記録データの
供給制御を行うゲートアレイ、79はヘッドを駆動する
ヘッドドライバ、8aは4色分のインクカ−トリッジ、
8bは4色分の記録ヘッドであり、ここでは8a,8b
としてブラック(Bk)を代表して示す。インクカ−ト
リッジ8aは、インクの残量を検知するインク残量セン
サ8fを有する。ヘッド8bは、インクを吐出させるた
めのメインヒータ8c、ヘッドの温調制御を行うサブヒ
ータ8d、ヘッド温度を検知するヘッド温度センサ8e
、ヘッド特性情報を格納するROM854を有する。
【0109】図37(A)は本実施例のインクジエツト
カートリツジの外観形状を示す図である。また同図(B
)は同図(A)のプリント板85の詳細を示す図である
。図37(B)において、851はプリント基板、85
2はアルミ放熱板、853は発熱素子とダイオードマト
リクスからなるヒータボード、854は濃度むら情報等
を予め記憶しているEEPROM(不揮発性メモリ)、
及び855は本体とのジヨイント部となる接点電極であ
る。なお、ここではライン状の吐出口群は図示されてい
ない。
【0110】このように、インクジエツト記録ヘツド8
bの発熱素子や駆動制御部を含むプリント基板851上
に、各々の記録ヘツド固有の濃度むら情報等を記憶する
ためのEEPROM854を実装する。こうすることに
より、本体装置に記録ヘツド8bが装着されると、本体
装置は記録ヘツド8bから濃度むら等の記録ヘッド特性
に関する情報を読出し、この情報に基づいて記録特性改
善のための所定の制御を行う。これにより、良質な画像
品位を確保することが可能となる。
【0111】図38(A)、(B)は図37のプリント
基板851上の要部回路構成を示す図である。ここで、
一点鎖線の枠内がヒータボード853内の回路構成であ
り、このヒータボード853は発熱素子857と電流の
回り込み防止用のダイオード856の直列接続回路のN
×M(ここでは、16×8)のマトリクス構造で構成さ
れている。即ち、これらの発熱素子857は、図39に
示すように各ブロツク毎に時分割で駆動され、その駆動
エネルギーの供給量の制御はセグメント(seg)側に
印加されるパルス幅(T)変更して制御することにより
実現される。
【0112】図38(B)は図37(B)のEEPRO
M854の一例を示す図であり、本実施例に関する濃度
むら等の情報が記憶されている。これらの情報は、本体
装置側からの要求信号(アドレス信号)D1に応じてシ
リアル通信により本体側装置へ出力される。
【0113】本発明が適用可能な装置の全体説明をする
。図40は本実施例の構成斜視説明図、図41はその断
面説明図である。先ず全体構成を説明すると、この装置
は読取装置Rと記録装置Pからなる。読取装置Rの構成
は、読取手段1が読取キャリッジ2に設けられ、このキ
ャリッジ2が主走査方向(矢印a方向)へ往復移動可能
に構成されている。また前記キャリッジ2は読取ユニッ
ト3に取り付けられ、該ユニット3が副走査方向(矢印
b方向)へ往復移動可能に構成されている。従って、装
置上面に取り付けられた原稿台ガラス4上に原稿面を下
にして原稿5を載置すると共に、カバー6で固定してセ
ットし、図示しない複写スイッチを押すと、キャリッジ
2が主走査方向へ移動して一行分の原稿を読み取り、そ
の情報を信号ケーブル7を介して図示しない制御系へ伝
達する。前記の如くして一行分の読み取りを終了すると
、キャリッジ2をホームポジションに戻すと共に、読取
ユニット3が副走査方向へ一行分移動し、前記と同様に
して次行以下の読み取りを行うものである。また記録装
置Pの構成は、記録手段8が記録キャリッジ9に搭載さ
れ、該記録手段8の位置へシート搬送手段10によって
記録シート11が搬送される如く構成されている。従っ
て、前記読取装置Rからの読取信号が信号ケーブル7を
介して伝達されると、記録シート11が搬送手段10で
矢印c方向へ搬送され、該シート11が記録位置まで搬
送されると、記録キャリッジ9が図40の矢印d方向へ
往復移動すると共に、この移動に同期して記録手段8が
画信号に応じて駆動し、記録シート11に画像を記録す
る。そして一行分の記録が終了すると、記録シート11
を一行分矢印c方向へ搬送して同様に記録を行い、記録
後のシート11を排出トレイ12へ排出するものである
。ここで前記読取ユニット3の一部底部は記録装置Pの
最高部よりも低くなるように突出構成され、該部分に信
号ケーブル7の一端が接続固定されている。図42はイ
ンクジェット記録装置の模式的斜視図である。同図にお
いて、記録シート11はステッピングモータによって駆
動される搬送ローラ10c,10dによって搬送される
ように構成されている。8aはブラック、シアン、マゼ
ンタ、イエローのインクカートリッジで、下端にはイン
クジェット方式の記録ヘッド8b(図示せず)が取り付
けられている。記録ヘッド8bはキャリッジ9に搭載さ
れ、キャリッジモータの駆動によってベルト9c及びプ
ーリを介して主走査レール9aに沿って往復走査するよ
うに構成されている。以上の構成により、記録ヘッド8
bが移動しながら、インクを記録シート11に吐出して
画像を形成する。また、必要に応じてインク回復系ユニ
ット(キャップユニット300、ポンプユニット500
等)を用いて、ノズルの目づまりを解消している。ここ
で、本体側で発生の予測される異常状態のリカバリー方
法について説明する。
【0114】本体の電源を入れた時にヘッド側のROM
情報を読み取ってそのヘッドに必要な条件を本体側が設
定するようになっている。この初期動作での異常として
、読み取りエラーやヘッドの断線等によって、設定不可
能な場合が発生することがある。
【0115】この時は、まず必要最低限の本体設定を行
うため本体標準設定仕様がセットされ、安全性を確保す
るために直ちに本体動作を停止させ、使用している人に
異常が発生していることを知らせると同時に、どこが異
常であるかを知らせサービスマンへの連絡を促す用に設
定してある。
【0116】本体が動作中(印字途中等)に生じる異常
には、次の2つの場合が考えられる。 (1)動作中にユーザーが対処可能な異常。例えば、紙
詰まりによるジャム処理等がある。 (2)動作中にユーザーが対処不可能な異常。例えば、
印字中のセンサー断線等がある。
【0117】(1)の場合には、各種センサーがジャム
検知してユーザーに知らせ、異常発生後に紙を取り除く
ことでジャム処理が可能である。この時、本体側・ヘッ
ド側がダメージを受けないようにリカバリー処理をする
ようにしてある。具体的には、ジャム検知の状態に応じ
て回復動作を変えるように設定してある。給紙時のジャ
ム検知の時は、スタートポジションからホームポジシシ
ョンに戻りキャッピングする。印字途中でのジャム検知
の時は、ジャム検知をしてからの時間によって回復動作
を変える。1分未満の時は空吐出[1]を行い、1分以
上5分未満の時は空吐出[2]を行い、5分以上の時は
回復動作[1]を行う。また、排紙時のジャム検知の時
は回復動作は何も行わない。
【0118】(2)の場合には、印字中に温度センサー
やサブヒーターの断線が発生すると、印字制御が正確に
出来なくなるためにそれらを検知し機械を停止させても
よいが、印字途中の印字物が無駄になると同時にジャム
の発生やヘッド放置による弊害も引き起こす可能性があ
る。本実施例では、印字制御として上述の温度センサー
に基づく吐出量制御方法を実施しているために、特に温
度センサー断線が印字中に発生するとセンサーから送ら
れてくる温度データに基づいてプレヒートパルス:P1
 のパルス幅を変化させてしまう。具体的には、センサ
ー断線によって温度が異常高温状態(60℃以上)とな
るので、P1 の値を最低パルス幅:P1 =0.18
7(μsec)[10]に固定してしまう。この状態が
低温環境下(例えば、環境温度TR =15.0℃)で
1つ以上のヘッドで発生すると、印字中に突然ヘッドの
吐出量が標準吐出量(VD0=30.0ng/dot)
より低下(VT15 =24.0ng/dot)する。
【0119】図34に示すヘッド温度:TH と吐出量
:VD との関係から分かるように、P1 =0.18
7(μsec)では十分な吐出量が得られず、濃度の低
下(コントラストの低下)と混色による色再現性の変化
(色差の増加)が発生し、4つのヘッドの吐出量バラン
スで成り立っているカラー画像のコントラストと色再現
とが崩れ、画質低下を招く。
【0120】この状態を防ぐために、本体側であらかじ
め各種異常状態に対応した標準設定条件をもたせている
。上記異常の場合には、センサー断線を検知したら断線
したヘッドの駆動方式のみ直ちにPWM制御状態を解除
して、P1 を固定パルス幅とし単なる分割パルス駆動
方式にする。具体的には、P1 をテーブルの中心値で
あるパルス幅P1FIX=1.00(μsec)に固定
する。 この条件変更により、低温環境下でもある程度の吐出量
を確保できるため画質に大きな低下を招かない。カラー
画像においてもコントラストと色再現の崩れを防ぎ、大
きな画質低下を避けることができる。
【0121】P1 のパルス幅を中心値とした理由は、
印字による自己昇温を想定しているためである。但し、
このリカバリー動作は印字中のフェイルセイフを行うた
めのもので印字終了後には、断線を知らせ本体を停止さ
せる。
【0122】(第2実施例)次に、本発明の第2実施例
について説明する。この実施例は、ヘッドの制御手段の
一つとして、ヘッドを補助加熱するためのサブヒータの
制御に関する。
【0123】サブヒータの断線時にも第1実施例と同様
のリカバリー動作を行う。図26、27に示すように、
ヘッド温度がTO (℃)以下の状態では、ヘッドの左
右に取り付けられているサブヒータにより温調して、ヘ
ッド温度をTO (℃)以上に昇温することで吐出量の
確保を行っている。このとき、低温環境下で片側のサブ
ヒータが断線すると、サブヒータのパワーが不足気味と
なって全体的にヘッドの温度は下がりヘッドの吐出量が
減少して白すじや濃度の低下が生じる。ヘッド温度:T
H とノズル位置との関係を示す図43から分かるよう
に、片側のサブヒータが断線した場合には左右での温度
勾配が発生する。PWM制御状態ではヘッドの左右の平
均温度よりP1 を決定するため、左右での濃度ムラが
生じる。 カラー画像では色味が狂ってしまい、画質は低下する。
【0124】この状態を防ぐためにサブヒータの断線を
検知したら、そのヘッドのPWM制御状態を解除してP
1 のパルス幅を最大パワー:P1 =1.87(μs
ec)[1]に設定する。P1 のパルス幅を最大にす
ることで、吐出量を確保して濃度ムラの発生を防ぎ、画
質低下を最小限に止めることができる。
【0125】(第3実施例)第3実施例は、ヘッドデー
タとしてヘッド駆動電圧を検知して制御する場合を示す
【0126】図44に示す吐出量:VD とヘッドの駆
動電圧: VOPとの関係から分かるように、VOP=
17.0〜18.2(V)付近は安定領域であり、VD
 はほぼ一定の値となる。この領域より大きいVOPを
とった場合、つまりシングルパルスが高めの時は通常の
吐出量より大きい値をとるが、ヘッドの寿命を低下して
しまう。また、シングルパルスが低めの時は、通常の吐
出量より低く、不吐出や吐出不安定、濃度低下が発生す
る。このヘッド駆動電圧のデータが異常である場合、正
確な吐出量が得られなくなってしまう。
【0127】この異常状態の場合には、確実に吐出させ
るために異常状態を検知したら直ちにPWM制御状態を
解除して、P1 のパルス幅を最大パルス幅であるP1
 =1.87(μsec)とする。この方法においては
ヘッドの寿命低下というデメリットがあるが、通常使用
では画質を低下させてしまうヘッドでも、吐出を確実に
させることでほぼ良好な画質を得ることができる。特に
、カラー画像では確実な吐出により、濃度低下を防ぎ色
再現性を確保して画質の大幅な低下を軽減することがで
きる。
【0128】(第4実施例)第4実施例は、ヘッドデー
タのインク残量を検知して回復条件の最適化する場合を
示す。
【0129】インクカートリッジ内のインク残量に関係
なく一定の圧力で吸引を行った場合、ある一定量以上の
インクがないと吸引力が大きすぎるため、インクととも
にカートリッジ内の空気も吸引する可能性がある。この
状態になると、吸引回復によって逆に不吐出が発生する
ため、画質が低下してしまう。そこでインク残量を検知
して回復条件にフィードバックして制御する。通常時は
0.3〜0.8(atm)の圧力で吸引している。これ
によってカートリッジ内の空気の流れ込みを最小限に止
め、常にインクだけをヘッドに送り込むようにしている
【0130】ここで、インク残量検知が異常である場合
、最適な吸引圧力を設定できないため不吐出が発生する
可能性がある。この場合は吸引圧力を最小値に設定し固
定化する。このようにすることで、カートリッジ内の空
気を吸引してしまうことを防ぎ、不吐出を最小限に抑え
、それに起因する画質の低下を防止することができる。
【0131】(第5実施例)第5実施例は、ヘッドデー
タとして吐出量を記憶していて、回復条件を制御する場
合を示す。
【0132】適切な吐出量が異なる記録シートを用いる
場合、その記録シートによって吐出量を制御しなければ
ならない。普通紙を使用するときは、吐出量が大きいの
で吐出パワーを大きくしてあるため、少ない空吐出数で
も吐出の安定化が可能である。また、吐出口が大きなた
めに吸引は比較的容易であることから、印字枚数が10
0枚毎に1回の吸引が必要である。
【0133】これに対し、コート紙を使用するときは、
吐出量が小さいので空吐出数は多くして、吸引を頻繁に
行わなければならない。10枚毎に1回の吸引が必要で
あり、ノズルが細くつまり易いので吸引圧力も高く設定
してある。
【0134】ここで、吐出量のデータが異常である場合
、回復条件を適切に制御できないので十分な回復が行わ
れず、不吐出の原因となる。この場合には回復条件を標
準設定に固定化する。つまり、吐出量に拘らず吸引回数
を10枚毎に1回とし、吸引圧力も最大値に設定する。 これにより回復に要するインクの使用量は増加するが、
不吐出を極力避け画質の低下を防いで安定した記録が可
能となり、特にカラー画像において不吐出による濃度低
下を防ぎ、カラーバランスの乱れによる色再現性の低下
を軽減することができる。
【0135】(第6実施例)第6実施例はヘッドデータ
として印字枚数を随時書き込み、回復条件を制御する場
合を示す。
【0136】本実施例では印字枚数に応じてワイピング
回数を制御している。すなわち、ヘッドの耐久が進むに
つれ吐出口形成面上に異物が堆積してき易すくなること
と、その異物によってさらに拭き取り難くなってくるこ
とから耐久枚数が大きくなると、ワイピングを30行毎
に1回から1行毎に徐々に増やしている。本実施例では
、ヘッドに順次蓄積したデータが異常な場合、1行毎に
ワイピングするように設定している。こうすることで、
ヘッドデータの異常時でも、吐出口形成面上の異物によ
る画質の低下を回避することができる。 (その他)なお、本発明は、特にインクジェット記録方
式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエ
ネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱
変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギによりイ
ンクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録装
置において優れた効果をもたらすものである。かかる方
式によれば記録の高密度化、高精細化が達成できるから
である。
【0137】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型
、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、
特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保
持されているシートや液路に対応して配置されてい電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生
せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結果的
にこの駆動信号に一対一対応し液体(インク)内の気泡
を形成出来るので有効である。この気泡の成長,収縮に
より吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、
少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス
形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれる
ので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成
でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第4463359号明細書、同第4345
262号明細書に記載されているようなものが適してい
る。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国
特許第4313124号明細書に記載されている条件を
採用すると、更に優れた記録を行なうことができる。
【0138】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応せる構成を開
示する特開昭59年第138461号公報に基づいた構
成としても本発明は有効である。
【0139】更に、記録装置が記録できる最大記録媒体
の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘ
ッドとしては、上述した明細書に開示されているような
複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満た
す構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとしての
構成のいずれでも良いが、本発明は、上述した効果を一
層有効に発揮することができる。
【0140】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0141】又、本発明の記録装置の構成として設けら
れる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手
段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャピング手段、クリーニング手
段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の
加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、
記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なうこと
も安定した記録を行なうために有効である。
【0142】更に、記録装置の記録モードとしては黒色
等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッド
を一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも
よいが、異なる色の複色カラー又は、混色によるフルカ
ラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて
有効である。
【0143】以上説明した本発明実施例においては、液
体インクを用いて説明しているが、本発明では室温で固
体状であるインクであっても、室温で軟化状態となるイ
ンクであっても用いることができる。上述のインクジエ
ツト装置ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものであれば良い。 加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固
形状態から液体状態への態変化のエネルギーとして使用
せしめることで防止するか又は、インクの蒸発防止を目
的として放置状態で固化するインクを用いるかして、い
ずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によ
ってインクが液化してインク液状として吐出するものや
記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等
のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質の
インク使用も本発明には適用可能である。このような場
合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特
開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔
質シート凹部又は貫通孔に液状又は固形物として保持さ
れた状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態
としても良い。本発明においては、上述した各インクに
対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行す
るものである。
【0144】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、ヘッドデータの異常状態を検知してヘッドの制御条
件を標準設定にしているので、吐出に関する基本性能が
正常であれば、ヘッドデータ異常時においてもそれぞれ
の異常に応じて最適な制御を行うことができるので、吐
出量バラツキによる濃度変動や濃度ムラの発生を防ぐこ
とが可能になる。これにより、画像形成上で最も大きい
影響を与える各ヘッドの吐出量バラツキを無くし、シア
ン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4色で形成される
フルカラー画像におけるカラーバランスの乱れによる色
再現性の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるインクジェット記録装
置のメイン制御を示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施例であるインクジェット記録装
置のメイン制御を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施例であるインクジェット記録装
置のメイン制御を示すフローチャートである。
【図4】ステップS3の初期ジャムチェックルーチンの
詳細を示すフローチャートである。
【図5】ステップS5のヘッド情報読み込みルーチンの
詳細を示すフローチャートである。
【図6】ステップS8の回復動作判断[1]のルーチン
の詳細を示すフローチャートである。
【図7】S512の不吐出検知動作ルーチンの詳細を示
すフローチャートである。
【図8】異常高温チェックルーチンの詳細を示すフロー
チャートである。
【図9】ステップS20の回復動作判断[2]ルーチン
の詳細を示すフローチャートである。
【図10】回復動作判断[3]ルーチンの詳細を示すフ
ローチャートである。
【図11】回復動作判断[6]ルーチンの詳細を示すフ
ローチャートである。
【図12】回復動作判断[4]ルーチンの詳細を示すフ
ローチャートである。
【図13】タイマー吸引回復(回復動作[3])ルーチ
ンの詳細を示すフローチャートである。
【図14】印字後吸引回復(回復動作[4])ルーチン
の詳細を示すフローチャートである。
【図15】新カートリッジ吸引回復(回復動作[6])
ルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図16】不吐出検知吸引回復(回復動作[7])ルー
チンの詳細を示すフローチャートである。
【図17】高温印字後吸引回復(回復動作[8])ルー
チンの詳細を示すフローチャートである。
【図18】高温印字後回復(回復動作[9])ルーチン
の詳細を示すフローチャートである。
【図19】回復スイッチ吸引回復(回復動作[10])
ルーチンの詳細を示すフローチャートである。
【図20】空吐出[1]から空吐出[5]、スタンバイ
空吐出の詳細を示すフローチャートである。
【図21】ワイピング動作ルーチンのフローチャートで
ある。
【図22】ワイピング動作の説明図である。
【図23】チュ−ブポンプの作動を示す説明図である。
【図24】プレヒートパルス幅P1を設定するシ−ケン
スを示す図である。
【図25】本実施例で使用しているヘッドの温度センサ
−、サブヒ−タ−、吐出用(メイン)ヒ−タ−の位置関
係を示す図である。
【図26】初期20度温調ルーチンのフローチャ−トで
ある。
【図27】20度温調及び25度温調ルーチンのフロー
チャ−トである。
【図28】分割パルス幅変調駆動法の説明図である。
【図29】本実施例で用いるヘッド構造の説明図である
【図30】テーブルポインタTA1とTA1から求めた
メインヒートパルス幅P3 の関係を示す図である。
【図31】テ−ブルポインタTA3とプレヒ−トパルス
幅P1 の関係を示す図である。
【図32】プレヒ−トパルス幅P1 と吐出量VDの関
係を示す図である。
【図33】ヘッド温度THと吐出量VDの関係を示す図
である。
【図34】ヘッド温度に対する吐出量制御の様子を、ヘ
ッド温度と吐出量の関係で示す図である。
【図35】ヘッド温度THとプレヒ−トパルス幅P1 
の関係を示す図である。
【図36】記録制御フローを実行するための制御構成を
示すブロック図である。
【図37】本実施例のインクジエツトカートリツジを説
明する図である。
【図38】プリント基板851上の要部回路構成を説明
する図である。
【図39】発熱素子857をブロツク毎に時分割で駆動
するためのタイミングチャ−トである。
【図40】本実施例の構成斜視説明図である。
【図41】本実施例の断面説明図である。
【図42】回復系ユニットの模式的斜視図である。
【図43】ヘッド温度TH とノズル位置との関係を示
すグラフである。
【図44】吐出量VD とヘッドの駆動電圧VOPとの
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
P  記録装置 R  読取装置 HP  ホ−ムポジション SP  スタ−トポジション 1  読取手段 2  読取キャリッジ 3  読取ユニット 8  記録手段 8a  インクカ−トリッジ 8b  記録ヘッド 8c  吐出用(メイン)ヒ−タ− 8d  サブヒ−タ− 8e  温度センサ− 9  記録キャリッジ 9a  主走査レ−ル 9b  駆動プ−リ 9c  タイミングベルト 9d  記録キャリッジモ−タ− 10  シ−ト搬送手段 60  CPU 853  ヒ−タボ−ド 854  EEPROM 13  装置本体フレ−ム 13a  ガイド部 60  CPU 108  吐出口 853  ヒ−タボ−ド 854  EEPROM

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ヘッド特性情報を有する記録ヘッド用
    いて記録を行うインクジェット記録装置であって、前記
    記録ヘッドから読出したヘッド特性情報に基づいて設定
    された条件によって記録制御を行う制御手段と、前記記
    録ヘッドから読出したヘッド特性情報が異常のとき、前
    記制御手段の記録制御の条件を標準値に設定する設定手
    段とを具備したことを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  2. 【請求項2】  前記記録ヘッドは交換可能であること
    を特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】  前記記録ヘッドは、インクを吐出する
    複数の吐出口と、対応する吐出口毎に設けられ、インク
    に熱による状態変化を生起させ該状態変化に基づいてイ
    ンクを前記吐出口から吐出させて飛翔的液滴を形成する
    熱エネルギー発生手段とを有したことを特徴とする請求
    項1記載のインクジェット記録装置。
JP440291A 1991-01-18 1991-01-18 インクジェット記録装置 Pending JPH04250058A (ja)

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Cited By (6)

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