JP2010208068A - 液体噴射装置および液体噴射方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で液体の実際の温度に近い温度を測ることが可能であり、かつ液体噴射ヘッドのヘッド駆動波形をより適切なヘッド駆動波形へと補正可能な液体噴射装置および液体噴射方法を提供すること。
【解決手段】サーミスターを材質とするノズルプレート32を有し、ノズル開口32aから液体を噴射可能な液体噴射ヘッド30と、噴射媒体Pに付着した液体を加熱して乾燥させる加熱手段60と、ノズルプレート32に電流を導通させる電力供給手段50と、電力供給手段50によってノズルプレート32に電流を導通させた際の電流値または電圧値を測定すると共に、測定された電流値または電圧値からノズルプレート32の温度を算出する温度算出手段70と、温度算出手段70で算出された温度に基づいて、液体噴射ヘッド30のヘッド駆動波形を補正し、補正後のヘッド駆動波形を液体噴射ヘッド30に印加するヘッド制御手段70と、を具備している。
【選択図】図4

Description

本発明は、液体噴射装置および液体噴射方法に関する。
インクジェット式のプリンターにおいては、印刷速度の高速化の進展に伴って、印刷ヘッドの近傍に、用紙等の印刷媒体の印刷面を乾燥させるための加熱機構を有するタイプが開発されつつある。
ところで、印刷面を乾燥させるために加熱機構を用いる場合、印刷ヘッドの温度上昇を来たす。印刷ヘッドにおいて温度上昇が生じると、インクの粘度が変化してしまうので、印刷ヘッドのヘッド駆動波形を補正する必要が生じる。そこで、印刷ヘッドに温度上昇(温度変化)が生じているか否かを検出すべく、温度検出手段を搭載する必要がある。特許文献1および特許文献2には、そのような温度検出手段として、ヘッドサーミスターを有し、当該ヘッドサーミスターでの検出温度に基づいて、印刷ヘッドのヘッド駆動波形を補正する技術内容について開示されている。
また、特許文献3には、ノズルプレートの背面に加熱手段と温度検出手段を配置した構成について開示されている。
特開平6−182997号公報 特開平10−250061号公報 特開2005−238846号公報
上述の特許文献1および特許文献2に示す技術内容によれば、ヘッドサーミスターでの検出温度に基づいて、印刷ヘッドのヘッド駆動波形を補正している。しかしながら、インクは液体であり、その比熱容量から温度上昇が緩やかである。そのため、加熱機構を作動させた場合、ヘッドサーミスターでの検出温度は、インクの実際の温度と比較して、大きなものとなり易い。その結果、インクの実際の温度と、ヘッドサーミスターでの検出温度との間に大きな隔たりが生じる場合がある。サーミスターでの検出温度とインクの実際の温度との間に、大きな隔たりが存在する場合、印刷ヘッドのヘッド駆動波形を、適切に補正することが困難となる。
また、特許文献3に示すように、ノズルプレートの背面に温度検出手段を配置する構成を採用する場合、構造的に複雑となるため、コストが上昇する結果を来たすと共に、印刷ヘッドを組み立てることが難しくなり、作業性が悪い、という問題がある。
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、簡易な構成で液体の実際の温度に近い温度を測ることが可能であり、かつ液体噴射ヘッドのヘッド駆動波形をより適切なヘッド駆動波形へと補正可能な液体噴射装置および液体噴射方法を提供しよう、とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の液体噴射装置の第1の側面は、ノズル開口が形成されかつサーミスターを材質とするノズルプレートを有し、ノズル開口から液体を噴射可能な液体噴射ヘッドと、噴射媒体に付着した液体を加熱して乾燥させる加熱手段と、ノズルプレートに電流を導通させる電力供給手段と、電力供給手段によってノズルプレートに電流を導通させた際の電流値または電圧値を測定すると共に、測定された当該電流値または当該電圧値からノズルプレートの温度を算出する温度算出手段と、温度算出手段で算出された温度に基づいて、液体噴射ヘッドのヘッド駆動波形を補正し、補正後のヘッド駆動波形を液体噴射ヘッドに印加するヘッド制御手段と、を具備するものである。
また、本発明の他の側面は、上述の発明において、電力供給手段は、ノズルプレートに導通する複数の電極を有していて、温度算出手段は、複数の電極のうち少なくとも2つの電極の間に電流を導通させることにより、ノズルプレートの温度を算出することが好ましい。
さらに、本発明の他の側面は、上述の発明において、電力供給手段は、ノズルプレートに導通する少なくとも4つ以上の電極を有していて、温度算出手段は、少なくとも4つ以上の電極のうち、2つの電極を抽出して構成される各パターンの全てにおいて電流値または電圧値を測定することにより、ノズルプレートにおける温度分布を算出することが好ましい。
また、本発明の他の側面は、上述の発明において、加熱手段の作動を制御する加熱制御手段を有すると共に、この加熱制御手段は、温度算出手段で算出されたノズルプレートの温度に基づいて、加熱手段の作動を制御することが好ましい。
さらに、本発明の他の側面は、上述の発明において、液体噴射ヘッドは、複数のヘッド本体が並べられて構成されると共にそれぞれのヘッド本体にノズルプレートが設けられているラインヘッドであると共に、温度算出手段は、それぞれのヘッド本体のノズルプレートの温度を測定すると共に、ヘッド制御手段は、それぞれのノズルプレートにおける温度の算出結果に基づいて、ヘッド駆動波形を複数のヘッド本体毎にまたは複数のヘッド本体を一体的に補正し、液体の噴射を制御することが好ましい。
また、本発明の他の側面は、サーミスターを材質とするノズルプレートを有し、そのノズルプレートに形成されているノズル開口から液体を噴射可能な液体噴射ヘッド、および噴射媒体に付着した液体を加熱して乾燥させる加熱手段を備え、当該加熱手段の作動による液体の温度変化に対応する液体噴射方法であって、噴射媒体に付着した液体を加熱して乾燥させる加熱ステップと、ノズルプレートに電流を導通させる電力供給ステップと、電力供給ステップによってノズルプレートに電流を導通させた際の電流値または電圧値を測定すると共に、測定された当該電流値または当該電圧値からノズルプレートの温度を算出する温度算出ステップと、温度算出ステップで算出された温度に基づいて、液体噴射ヘッドのヘッド駆動波形を補正し、補正後のヘッド駆動波形を液体噴射ヘッドに印加するヘッド制御ステップと、を具備するものである。
本発明の一実施の形態に係るプリンターの概略構成を示す図である。 図1のプリンターにおける印刷ヘッドの構成を示す分解斜視図である。 図1の印刷ヘッドの構成を示す断面図である。 印刷ヘッドを底面側から見た状態を示す図である。 印刷ヘッドの下方側の構成を示す側面図である。 図4の電極Bと電極Cを結ぶ線で切断した状態を示す側断面図である。 制御部とそれに接続される周辺構成の概略を示すブロック図である。 ヘッド駆動波形の補正のイメージを示す図である。 複数の印刷ヘッド、加熱機構を備える場合の概略構成を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態に係る液体噴射装置としてのプリンター10および液体噴射方法について、図1から図8に基づいて説明する。なお、本実施の形態のプリンター10は、インクジェット式のプリンターであるが、かかるインクジェット式プリンターは、インクを噴射して印刷可能な装置であれば、いかなる噴射方法を採用した装置でも良い。
また、以下の説明においては、下方側とは、プリンター10が設置される側を指し、上方側とは、設置される側から離間する側を指す。また、印刷媒体Pが供給される側を給送側(後端側)、印刷媒体Pが排出される側を排紙側(手前側)として説明する。また、後述するキャリッジ21が移動する方向を主走査方向、主走査方向に直交する方向であって印刷媒体Pが搬送される方向を副走査方向とする。
<プリンター10の概略構成>
図1に示すように、プリンター10は、筐体部(図示省略)と、キャリッジ機構20と、用紙搬送機構40と、温度センサー50と、加熱機構60と、制御部70等を主要な構成要素としている。
これらのうち、キャリッジ機構20は、キャリッジ21と、キャリッジモーター(CRモーター22)と、ベルト23と、歯車プーリ24と、従動プーリ25およびキャリッジ軸26(摺動軸に対応)を備えている。これらのうち、キャリッジ21は、各色のインクカートリッジ27を搭載可能としている。また、図1に示すように、キャリッジ21の下面には、インク滴を噴射可能な印刷ヘッド30(液体噴射ヘッドに対応)が設けられている。また、ベルト23は、無端ベルトであり、その一部がキャリッジ21の背面に固定されている。このベルト23は、歯車プーリ24と従動プーリ25とによって張設されている。
また、キャリッジ21は、各色(例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のインク(液体に対応)を貯留しているインクカートリッジ27を搭載可能としている。なお、インクカートリッジ27の色数は、上述のような4色に限られるものではなく、シアン、マゼンタ、イエローの3色、または5色以上としても良い。
また、用紙搬送機構40は、図1に示すように、印刷媒体P(噴射媒体に対応)を搬送するためのPFモータ41、および普通紙等の給紙に対応する給紙ローラー42を具備している。また、給紙ローラー42よりも排紙側には、印刷媒体Pを搬送/挟持するための不図示のPFローラー対が設けられている。また、PFローラー対の排紙側には、不図示のプラテンおよび上述の印刷ヘッド30が上下に対向する様に配設されている。
<印刷ヘッド30の構成の詳細について>
上述のキャリッジ機構20の印刷ヘッド30の構成の詳細について、図2〜図4に基づいて説明する。印刷ヘッド30は、図2に示すように、ヘッド本体31と、ノズルプレート32から構成されている。ヘッド本体31は、図2および図3において下から順に、ノズルプレート32の上部に存在する流路形成基板311と、弾性膜312と、絶縁性膜313と、保護基板314とが積層されることにより、構成されている。
上述のヘッド本体31には、圧力発生室315、インク供給路316、リザーバー317等の液体の流路となる部分が形成されている。これらのうち、圧力発生室315は、プリンター10の副走査方向に沿って多数設けられている。なお、隣り合う圧力発生室315の間には、隔壁315aが設けられている。この圧力発生室315は、後述する各ノズル開口32aごとに1つずつ設けられている。
また、インク供給路316は、圧力発生室315とリザーバー317とを結ぶ部分であり、リザーバー317から圧力発生室315にインクを供給するための流路である。そのため、インク供給路316は、圧力発生室315と同じ個数だけ設けられている。図3に示すように、インク供給路316は、圧力発生室315の幅寸法よりも狭い幅寸法の流路径を有して形成されている。そのため、インク供給路316は、圧力発生室315にインクが導入される際に、一定の流路抵抗を生じさせている。
また、インク供給路316と連通するリザーバー317は、複数の圧力発生室315の並びの方向(長手方向)に沿って設けられている。そのため、リザーバー317は、長尺状に設けられていて、例えば1つのノズル列32bに1つ設けられている。リザーバー317は、インク供給路316を介して圧力発生室315にインクが導入される前にインクが導入される部分である。
また、上述の絶縁性膜313上には、それぞれの圧力発生室315ごとに、圧電素子33が設けられている。圧電素子33は、白金とイリジウムとを積層して構成される下電極膜331と、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等を材質とする圧電体層332と、例えばイリジウム(Ir)を材質とする上電極膜333とから構成されている。なお、下電極膜331は共通電極であるため大面積に設けられているものの、圧電体層332および上電極膜333は、各圧力発生室315ごとに1つずつ設けられており、隣り合う圧電体層332、および上電極膜333との間には、所定の間隔の隙間が設けられる状態となる。
また、上電極膜333には、例えば、金(Au)等からなるリード電極334がそれぞれ接続されていて、このリード電極334は、不図示の駆動回路に接続されている。そして、このリード電極334を介して、各圧電素子33に選択的に電圧が印加される。
また、本実施の形態では、ノズルプレート32は、サーミスターを材質として形成されている。ここで、サーミスターとしては、ニッケル、マンガン、コバルト、鉄などの酸化物を混合して焼結したNTC(Negative temperature coefficient)サーミスター、チタン酸バリウムに添加物を加えたセラミックを用いたセラミックPTC(Positive temperature coefficient)、低融点のポリマー(ポリエチレン等)中にカーボンブラック、ニッケル等の導電性粒子を分散させて構成されるポリマーPTC等のようなPTCサーミスター、CTR(Critical temperature coefficient)サーミスター等がある。
すなわち、本実施の形態におけるノズルプレート32は、サーミスタ−を材質として形成されているので、ノズルプレート32に温度変化が生じると、電気抵抗が変化する。また、図4に示すように、本実施の形態では、ノズルプレート32には、複数の電極50が設けられている。この電極50は、導電線51の下端に対して電気的に接続されている。導電線51は、図5および図6に示すように、印刷ヘッド30のヘッド本体31の端部側の部位に設けられた貫通孔31aに差し込まれている。また、この導電線51は、図5および図6に示すようなスイッチ52にそれぞれ接続されている。加えて、導電線51は、直接または別途の導電部材を介して、電力をノズルプレート32に供給するための不図示の電源に接続されている。そのため、いずれか2つの電極50に導通させるためのスイッチ52をオンにし、それ以外の電極50に導通させるためのスイッチ52をオフにすることにより、2つの電極50の間の電気的な抵抗を測定することが可能となり、その電気的な抵抗に対応するノズルプレート32の温度を測定可能となっている。
なお、電極50、導電線51およびスイッチ52は、電力供給手段に対応する。また、後述する測温出力回路53は、温度算出手段の一部に対応する。
また、図4に示すように、本実施の形態では、ノズルプレート32の四隅にそれぞれ電極50が存在している。すなわち、合計4つの電極50が存在している。以下の説明では、4つの電極50をそれぞれ区別する必要がある場合、それぞれ電極50A、電極50B、電極50C、電極50Dと称呼する。これら4つの電極50の間では、電極50Aと電極50Bの間、電極50Aと電極50Cの間、電極50Aと電極50Dの間、電極50Bと電極50Cの間、電極50Bと電極50Dの間、電極50Cと電極50Dの間という、6パターンの電気抵抗(または電流値または電圧値)を測定可能となっている。
また、電極50は、図4に示すように4つ存在するものには限られず、2つ存在するものでも良く、また3つ存在するものでも良く、5つ以上存在するものでも良い。また、2つの電極50の間における電気抵抗(または電流値または電圧値)を測定する場合のみならず、3つ以上の電極50の間で電気抵抗(または電流値または電圧値)を測定するように構成しても良い。
また、ノズルプレート32は、導電線51を介して測温出力回路53に接続されている。測温出力回路53では、ノズルプレート32の電気抵抗に応じた電圧値または電流値(測定値とする。)をデジタル化して出力する。そして、出力された測定値は、後述する制御部70に入力される。
なお、ノズルプレート32には、その温度を算出するときのみ、電流が導通させられる。また、ノズルプレート32に電流を導通させていない状態(ノズルプレート32の温度を測定していない状態)の場合、導電線51を接地させて、ノズルプレート32が帯電しないように構成されている。
また、本実施の形態においては、図5に示すように、印刷ヘッド30は、例えば1つのインクカートリッジ27毎に2つずつ、合計8つのノズル列32bを有している。また、リザーバー317は、各ノズル列32b毎に設けられている。すなわち、1つのノズル列32bにつき、1つのリザーバー317が対応するように設けられている。なお、ノズル列32bの個数は合計8つに限られるものではなく、また1つのインクカートリッジ27毎に2つずつ設けられるものでもなく、インクカートリッジ27の色数に応じて、その個数を適宜変更可能である。
<加熱機構60について>
続いて、プリンター10が備える加熱機構60について説明する。加熱機構60は、加熱手段に対応している。この加熱機構60は、図1、図7に示すように、印刷ヘッド30での印刷が実行された印刷媒体P(噴射媒体に対応)の印刷面の加熱乾燥を行わせるための部分である。この加熱機構60は、印刷媒体Pの幅方向の寸法の全てにおいて、加熱乾燥を実行させるだけの大きさを有している。このような加熱機構60としては、例えばマイクロ波を印刷面に照射して、加熱乾燥を実行させるものがある。しかしながら、マイクロ波を印加する以外に、熱風を噴射することにより印刷面を乾燥させるようにしたり、ローラー体を加熱し、そのローラー体に印刷媒体Pを接触させることで、印刷面に付着しているインクを乾燥させるようにしても良い。なお、本実施の形態では、加熱機構60は、印刷媒体Pの搬送方向のうち、印刷ヘッド30よりも下流側に設けられている。
<制御部70の構成>
続いて、制御部70の構成について、図7に基づいて説明する。制御部70は、通信インターフェース71と、CPU72と、RAM73と、ROM74と、PTS生成回路75と、ヘッド駆動信号生成回路76と、加熱機構駆動回路77とを具備している。なお、この制御部70は、温度算出手段の一部、ヘッド制御手段、および加熱制御手段に対応する。
これらのうち、通信インターフェース71は、コンピューターPCとの間で通信を行うための回路である。CPU72は、各種データや各種プログラムを読み込んで、それら各種プログラムに従って各種の処理を実行する。なお、CPU72には、クロック72aが内蔵されていて、このクロック72aは、後述するPTS生成回路75で生成されるPTSの基準となるクロック信号CLを生成する。
RAM73は、各種のデータを一時的に記憶させる部分である。また、ROM74は、各種のプログラムや各種のデータが記憶されていて、プリンター10の電源をオフにしてもその記憶は維持される。ROM74に記憶されるプログラムとしては、プリンター10の各部の動作を司る印刷制御プログラム74aや、後述するヘッド駆動信号の基準波形データ74bがある。
ROM74には、その他、温度算出プログラム74c、ヘッド駆動波形補正処理プログラム74d、および加熱機構制御プログラム74eが記憶されている。温度算出プログラム74cは、測定値に基づいて、ノズルプレート32の温度を算出する。この温度の算出に際しては、電極50Aと電極50Bの間の測定値から、ノズルプレート32の温度を算出するようにしている。すなわち、電極50Aと電極50Bの間の測定値から、その間の電気抵抗が判明する。ここで、電極50Aと電極50Bの間の距離は、予め測定する等により判別しており、その他の物性値(ノズルプレート32の厚み寸法、幅寸法等)も予め測定する等により判別しているため、電気抵抗が判明すれば、サーミスターを材質としているノズルプレート32の温度が判明する。ここで、温度算出プログラム74cでは、上述のように電気抵抗を一々算出せずに、測定値からノズルプレート32の温度を直接算出するようにしても良い。
なお、温度算出プログラム74cは、上述のような温度の算出以外にも、電極50Aと電極50Bの間、および電極50Cと電極50Dの間で、測定値の平均値を求め、その平均値からノズルプレート32の温度を算出するようにしても良い。また、電極50Aと電極50Bの間、電極50Aと電極50Cの間、電極50Aと電極50Dの間、電極50Bと電極50Cの間、電極50Bと電極50Dの間、電極50Cと電極50Dの間という、6パターンの測定値を求め、それら6パターンの測定値から、ノズルプレート32の温度分布を求めるようにしても良い。また、この6パターンの測定値の中から任意のパターンの平均値を複数抽出して、当該抽出された測定値の平均値を算出するようにしても良い。
また、ヘッド駆動波形補正処理プログラム74dは、温度算出プログラム74cで算出された温度に基づいて、基準波形データ74bを補正して補正波形データを作成する(温度補正処理を行う)。
また、加熱機構制御プログラム74eは、温度算出プログラム74cで算出されたノズルプレート32に基づいて、当該ノズルプレート32が所定の温度以上または所定の温度より大きくならないように、加熱機構60の作動を制御する処理を行う。加えて、加熱機構制御プログラム74eは、印刷媒体Pの印刷面に付着したインクを加熱乾燥させる必要があることから、ノズルプレート32が所定の温度以下または所定の温度未満とならないように、加熱機構60の作動を制御する処理を行う。
なお、加熱機構制御プログラム74eは、上述のようにノズルプレート32の検出温度が所定の温度範囲に収まるような制御を行わずに、加熱機構60の出力調整によってノズルプレート32が所定の目標温度に倣うように制御しても良い。
PTS生成回路75は、印刷ヘッド30の駆動タイミング信号(Print Timing Signal;以下、PTSと略記する。)を生成するものである。このPTS生成回路75には、図1に示すリニアエンコーダーREからのエンコーダ信号と、上述のクロックからのクロック信号CLと、CPU72で処理される画像データに基づくPTS生成情報とが入力される。そして、これらの信号に基づいて、基準PTSが生成される。
また、ヘッド駆動信号生成回路76は、PTS生成回路75により生成された基準PTSに同期させて、ヘッド駆動信号を生成する部分である。ここで、ヘッド駆動波形補正処理プログラム74dは、算出された温度の平均値に基づいて、基準波形データ74bを補正して補正波形データを作成する。そしてヘッド駆動信号生成回路76では、この補正波形データが入力され、それに基づいて、基準PTSに同期させたヘッド駆動信号が生成される。
加熱機構駆動回路77は、CPU72からの指令に基づいて、加熱機構60の作動を制御するための回路である。なお、加熱機構駆動回路77は、プリンター10の作動中、常に加熱機構60が作動するように制御しても良く、印刷媒体Pへの印刷が実行された際に加熱機構60が作動するように制御しても良い。
<動作>
以上のような構成を有するプリンター10を用いて、印刷媒体Pに印刷を実行する場合、印刷ヘッド30が主走査方向に移動しつつ、印刷ヘッド30から印刷媒体Pに向けてインクを噴射する。そして、1走査分の印刷が終了すると、印刷媒体Pを紙送りの1ピッチ分だけ副走査方向に向けて搬送する。この1ピッチ分の搬送処理が終了した後に、再び同じ動作を繰り返すことにより、印刷媒体Pの全体に対して、印刷が実行される。
ここで、印刷ヘッド30よりも、紙送り方向の下流側には、加熱機構60が設けられていて、印刷媒体Pへの印刷が為される際には、当該加熱機構60が作動する。そのため、印刷媒体Pの印刷面が加熱機構60に差し掛かると、印刷面に対する加熱乾燥が為される。そのため、印刷ヘッド30も、加熱機構60の作動により、温度が上昇する等の影響を受ける。
その場合、印刷ヘッド30の所定の基板に取り付けられているヘッドサーミスター付近(ヘッド駆動信号生成回路76)も、加熱機構60の作動によって容易に加熱される。一方、インクは液体であり、その比熱容量から温度上昇が緩やかである。そのため、ヘッドサーミスター付近の温度は、インクの実際の温度と比較し、インクの温度が飽和するまでの間、その差異が大きなものとなり、インクの実際の温度と、ヘッドサーミスター付近の検出温度との間に大きな隔たりが生じる。
一方、ノズルプレート32は、広い面積でリザーバー317と対向していて、そのリザーバー317には、多くのインクが蓄えられる関係上、ノズルプレート32の温度はインクの実際の温度に対応する温度を指し示す。そこで、本実施の形態では、電極50を介してノズルプレート32に電流を導通させ、そのときの測定値から、ノズルプレート32の温度を算出し、このノズルプレート32の温度を、インクの温度と同等と見なしている。
以上のように、本実施の形態では、ノズルプレート32に電流を導通させ、温度算出プログラム74cは、そのときの測定値からノズルプレート32の温度を算出している。なお、ノズルプレート32に電流を導通させて温度測定を行うのは、所定の時間毎、または1枚の印刷媒体Pへの印刷が終了するとき等、所定のタイミング毎に為される。
また、CPU72では、ヘッド駆動波形補正処理プログラム74dが実行される。このヘッド駆動波形補正処理プログラム74dでは、測定された温度の平均値に基づいて基準波形データ74bを補正して、補正後のヘッド駆動波形を生成する。すなわち、補正波形データを作成する。図8は、補正波形データを作成するイメージであるが、温度によってインク粘度は変化する。一般的には、低温環境下ではインク粘度は増大し、逆に高温環境下ではインク粘度は減少する。そこで、低温環境下ではインク粘度が増大するため、基準波形データ74bに対して、補正波形データは大きくなるように補正処理を行う(図8;符号Aで示される破線の補正結果参照)。逆に、高温環境下ではインク粘度が減少するため、基準波形データ74bに対して、補正波形データは小さくなるように補正処理を行う(図8;符号Bで示される一点鎖線の補正結果参照)。
なお、この補正処理を組み込むための事前の実験では、高温の測定ポイントと低温の測定ポイントとでインク粘度の変化を測定し、その間で線形的にインク粘度が変化するものとして、温度に応じて所定の割合で線形的に補正波形データが大小するような補正処理を行っても良い。また、インク粘度の変化を温度毎に測定し、測定されたインク粘度に応じた補正テーブルを持たせ、その補正テーブルに応じて補正波形データが大小するような補正処理を行うようにしても良い。
以上のようにして補正波形データが作成されると、ヘッド駆動信号生成回路76では、この補正波形データが入力され、それに基づいて、PTSに同期させたヘッド駆動信号が生成される。そして、印刷ヘッド30(圧電素子33)は、ヘッド駆動信号に基づいて駆動され、ノズル開口32aからインクが噴射される。
また、CPU72によって温度算出プログラム74cが実行されることにより、ノズルプレート32の温度を算出した場合、加熱機構制御プログラム74eがCPU72によって実行させられて、加熱機構60の作動制御が為される。この作動制御においては、算出されたノズルプレート32の温度が所定以上または所定より大きい場合には、ノズルプレート32が過加熱の状態に該当する。その場合には、CPU72は、加熱機構60の作動を停止させる信号を、加熱機構駆動回路77に向けて出力する。
一方、算出されたノズルプレート32の温度が所定以下または所定未満の場合には、加熱機構60を作動させるのに、何等問題がない状態に該当する。その場合、所定の作動タイミングが到来すると加熱機構60を作動させる信号を、加熱機構駆動回路77に向けて出力する。このように、加熱機構60の作動を制御して、ノズルプレート32の過加熱を防止しつつ、印刷媒体Pの印刷面に付着したインクを加熱乾燥させるようにしている。
<効果>
以上のような構成のプリンター10によれば、ノズルプレート32の材質をサーミスターとしているので、簡易な構成でありながら、精度良くノズルプレート32の温度を測定することが可能となる。そのため、加熱機構60が作動している状況下であっても、インクの実際の温度に近い温度を測定することが可能となる。すなわち、従来のように印刷ヘッド30のヘッド駆動信号生成回路76等のようなヘッド基板に存在する、ヘッドサーミスターでの検出温度を用いる場合、その検出温度は、インクの実際の温度と著しい乖離が生じている。これに対して、上述のように、ノズルプレート32の材質をサーミスターとしている場合、ノズルプレート32に電流を導通させて、その測定値からノズルプレート32の温度が分かるので、従来のような乖離が生じるのを防止可能となる。
このように、本実施の形態においては、ノズルプレート32の温度が、2つの電極50の間で電流を導通させることによって直接的に分かるので、インクの実際の温度との間の隔たりが、ほとんど存在しない状態となるか、または隔たりが存在しても従来と比較して非常に小さなものとなる。そのため、印刷ヘッド30のヘッド駆動波形を、その温度下のインク粘度に対応したものへと適切に補正することが可能となる。
また、印刷ヘッド30のノズル開口32aからのインクの噴射が適正化され、インクが多く噴射され過ぎたり、逆にインクの噴射量が少なくなってしまう、といった不具合が発生するのを防止可能となる。すなわち、インク粘度に適したヘッド駆動波形へと調整可能となるため、安定したインク量を噴射し続けることが可能となる。その結果、プリンター10の稼動直後といった過渡期の状況下においても、安定した印刷品質を得ることが可能となる。
また、従来の構成を用いる場合、ノズルプレート32の真下に加熱機構60が存在する場合、インクの実際の温度とヘッドサーミスターでの検出温度との間に差が生じるため、噴射直前のインクの温度を測定することが困難となっている。しかしながら、本実施の形態では、ノズルプレート32の直下に加熱機構60が存在する場合でも、当該ノズルプレート32に電流を導通させることで、ノズルプレート32の温度が分かるので、簡便かつ精度良く、インクの温度を測定することが可能となる。
また、本実施の形態では、ノズルプレート32に電流を導通させる構成を採用しているため、簡易な構造とすることが可能となる。そのため、従来例であるノズルプレートの背面に温度検出手段を設ける場合のように、構造的に複雑となることがなく、コストを抑えることが可能となる。また、印刷ヘッド30を組み立てる際の作業性が悪化するのを抑えることも可能となる。
また、本実施の形態において、電極50A〜50Dの間の電流を導通させる組み合わせである6パターンのそれぞれにつき、電流を導通させて電気抵抗(または電流値または電圧値)を測定するようにしても良い。この場合には、各パターンの電気抵抗(または電流値または電圧値)を比較することにより、ノズルプレート32の温度分布を算出することも可能となる。それにより、例えばヘッド駆動波形をノズル列32b毎に個別に補正して、その個別補正に基づいてインクを噴射するように制御することも可能となる。
すなわち、それぞれのノズル列32bからインクを噴射すると、水冷効果が発生して実際のインクの温度は低下してしまう。そのため、特定の色のインクの使用量が多い場合、その特定の色に対応するインクの温度が、他の色のインクよりも低下して、各色のインクの間でインク粘度のバラ付きが生じる結果となる。そのため、ヘッド駆動波形を全て一体的に補正する場合、インクの噴射量にバラ付きを生じさせる結果となり、インクが多く噴射され過ぎたり、逆にインクの噴射量が少なくなってしまう、という弊害が生じる。これに対して、ヘッド駆動波形をそれぞれのノズル列32b毎に個別に補正して、インクの噴射を制御する場合、インクの噴射量の適正化を図ることが可能となり、安定したインク量を噴射し続けることが可能となる。その結果、プリンター10の稼動直後といった過渡期の状況下においても、安定した印刷品質を得ることが可能となる。
なお、電極50A〜50Dの間の電流を導通させる組み合わせである6パターンのそれぞれにつき、電流を導通させて電気抵抗(または電流値または電圧値)を測定する場合において、ヘッド駆動波形をノズル列32b毎に個別に補正するのではなく、インクの種類毎(例えば色毎)に、ヘッド駆動波形を補正して補正波形データを作成するようにしても良い。このようにする場合、例えば図4では、インクの色の種類は4つであるため、2つのノズル列32b毎に、合計4つの補正波形データが作成される状態となる。
このようにしても、インクの噴射量は、色種毎に為され、同じ色種のノズル列32b同士では、水冷効果も同様に発生するため、インクの実際の温度の差異もほとんどない。そのため、インクの種類毎にヘッド駆動波形を補正する方式を採用しても、インクの噴射量の適正化を図ることが可能となり、安定したインク量を噴射し続けることが可能となる。その結果、プリンター10の稼動直後といった過渡期の状況下においても、安定した印刷品質を得ることが可能となる。
また、本実施の形態では、ROM74には加熱機構制御プログラム74eが記憶されていて、この加熱機構制御プログラム74eがCPU72で実行されることにより、加熱機構60の作動を制御することが可能となる。このため、加熱機構60の作動により、ノズルプレート32が過加熱される等の弊害を防ぐことが可能となり、インクの温度を適切な範囲に収束させることが可能となる。
<変形例>
以上、本発明の一実施の形態について述べたが、本発明は、これら以外にも、種々変形可能である。以下、それについて述べる。
上述の実施の形態では、印刷ヘッド30は1つのみ存在する構成を採用している。加えて、加熱機構60も、印刷媒体Pの搬送方向において印刷ヘッド30よりも下流側に設けられている構成を採用している。しかしながら、図9に示すように、複数の印刷ヘッド30Aを備えると共に、印刷ヘッド30Aの間、または搬送方向において印刷ヘッド30Aよりも下流側に加熱機構60Aを配置する構成を採用しても良い。この図9に示す構成においては、上述の実施の形態で述べた手法により、それぞれの印刷ヘッド30Aのノズルプレート32の温度を算出して、その印刷ヘッド30Aよりも下流側に位置する加熱機構60Aの作動を個別に制御するようにしても良い。
このようにすれば、印刷の高速化が測れると共に、それぞれの印刷ヘッド30Aのノズルプレート32の温度を均一に制御することができ、それぞれの印刷ヘッド30Aのヘッド駆動波形を揃えることが可能となる。
また、上述の実施の形態においては、加熱機構60が印刷ヘッド30よりも搬送方向の下流側に位置する構成を採用している。しかしながら、加熱機構が、印刷ヘッド30と対向するプラテンに存在する構成を採用しても良い。その場合、上述の実施の形態で述べた手法により、印刷ヘッド30のノズルプレート32の温度を算出し、算出された温度に基づいて加熱機構の作動を制御するようにしても良い。このようにすれば、プラテンに加熱機構が存在する場合でも、印刷ヘッド30の温度を均一に保つことが可能となる。
また、上述の実施の形態におけるプリンター10においては、例えばプリンター10の始動時のようなプリンター10の温度が外部環境の温度と等しくなるような状態にある場合において、プリンター10の外部環境の温度を別途の温度センサー等によって測定する。そして、温度センサー等によって測定した温度と、ノズルプレート32に電流を導通させたときに制御部70で算出される温度との間の差分を求め、その分だけノズルプレート32を介して算出される温度、または温度算出のためのパラメーターを補正するうにしても良い。このようにすれば、プリンター10の状態が使用するにつれて変動しても、ノズルプレート32に電流を導通させることにより、常に精度良く温度を算出することができる。
さらに、上述の実施の形態において、プリンター10は、印刷ヘッド30によって印刷媒体Pに印刷が実行される前に、印刷媒体Pを事前に加熱する機構を有していても良い。すなわち、上述の実施の形態における加熱機構(加熱機構60)が、印刷ヘッド30よりも搬送方向の上流側に存在する構成を採用しても良く、また加熱機構60以外の別途の加熱機構が印刷ヘッド30よりも搬送方向の上流側に存在する構成を採用しても良い。
その場合、上述の実施の形態で述べた手法により、印刷ヘッド30のノズルプレート32の温度を算出し、算出された温度に基づいて加熱機構の作動を制御するようにしても良い。このようにすれば、印刷媒体Pが印刷の事前に加熱されて、ノズルプレート32がその事前加熱による影響を受ける場合でも、加熱機構の作動を適切に制御可能となり、印刷ヘッド30の温度を均一に保つことが可能となる。
さらに、上述の実施の形態で述べたように、ノズルプレート32の温度分布を算出することが可能である場合において、加熱機構60がそれぞれの部位毎に、その作動を制御可能な構成を採用することも可能である。この場合、加熱機構60をノズルプレート32の温度分布に対応させて、加熱機構60の部位毎に、作動をきめ細かく制御すれば、ノズルプレート32の温度分布の均一化を図ることが可能となる。
さらに、本実施の形態では、液体噴射ヘッドとして、主走査方向に移動する方式の印刷ヘッド30を用いている。しかしながら、液体噴射ヘッドは、かかる走査方式の印刷ヘッド30に限られるものではなく、長尺状のラインヘッドとしても良い。この場合、ラインヘッドに対しても、ヘッド駆動波形を、その温度下のインク粘度に対応したものへと適切に補正することが可能となり、インクの噴射が適正化され、安定した印刷品質を得ることが可能となる。
なお、ラインヘッドが、複数の短尺のヘッド本体を並べて構成するものである場合、それぞれのヘッド本体のノズルプレートの温度を、上述の手法により算出する。そして、算出された温度に基づいて、ヘッド駆動波形の補正をヘッド本体毎に行い、液体の噴射を制御するようにしても良い。このようにすれば、ヘッド本体毎に補正波形データが作成されるので、ヘッド駆動回路の構成を簡略化することが可能となる。また、複数の短尺のヘッド本体のノズル列毎、またはインクの種類毎にヘッド駆動波形の補正を行うようにしても良い。また、複数のヘッド本体を一体的なものとして、ヘッド駆動波形の補正を行うようにしても良い。
また、上述の各実施の形態における液体噴射装置としてのプリンター10は、プリンター単独の機能を有する構成のみならず、スキャナ装置やコピー装置のような、複合的な機器の一部であっても良い。さらに、上述の実施の形態においては、インクジェット方式のプリンター10に関して説明している。しかしながら、プリンター10としては、液体を噴射可能なものであれば、インクジェット方式のプリンターには限られない。例えば、ジェルジェット方式のプリンター等、種々のプリンターに対して、本発明を適用することが可能である。
また、上述の実施の形態では、液体噴射装置を、インクジェット式のプリンター10に具体化しているが、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液体を噴射する液状体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置、ゲル(例えば物理ゲル)などの流状体を噴射する流状体噴射装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。
10…プリンター、20…紙送り機構、30…印刷ヘッド(液体噴射ヘッドに対応)、31…ヘッド本体、32…ノズルプレート、32a…ノズル開口、32b…ノズル列、50…電極(電力供給手段の一部に対応)、51…導電線(電力供給手段の一部に対応)、52…スイッチ(電力供給手段の一部に対応)、53…測温出力回路(温度算出手段の一部に対応)、60…加熱機構(加熱手段に対応)、70…制御部(温度算出手段の一部、ヘッド制御手段および加熱制御手段に対応)、72…CPU、72a…クロック、73…RAM、74…ROM、74a…印刷制御プログラム、74b…基準波形データ、74c…温度算出プログラム(温度算出手段の主要部に対応)、74d…ヘッド駆動波形補正処理プログラム(ヘッド制御手段の主要部に対応)、74e…加熱機構制御プログラム(加熱制御手段の主要部に対応)、75…PTS生成回路、76…ヘッド駆動信号生成回路、77…加熱機構駆動回路、317…リザーバー、P…印刷媒体(噴射媒体に対応)

Claims (6)

  1. ノズル開口が形成されかつサーミスターを材質とするノズルプレートを有し、上記ノズル開口から液体を噴射可能な液体噴射ヘッドと、
    噴射媒体に付着した上記液体を加熱して乾燥させる加熱手段と、
    上記ノズルプレートに電流を導通させる電力供給手段と、
    上記電力供給手段によって上記ノズルプレートに電流を導通させた際の電流値または電圧値を測定すると共に、測定された当該電流値または当該電圧値から上記ノズルプレートの温度を算出する温度算出手段と、
    上記温度算出手段で算出された温度に基づいて、上記液体噴射ヘッドのヘッド駆動波形を補正し、補正後の上記ヘッド駆動波形を上記液体噴射ヘッドに印加するヘッド制御手段と、
    を具備することを特徴とする液体噴射装置。
  2. 請求項1記載の液体噴射装置において、
    前記電力供給手段は、前記ノズルプレートに導通する複数の電極を有していて、
    前記温度算出手段は、上記複数の電極のうち少なくとも2つの電極の間に電流を導通させることにより、前記ノズルプレートの温度を算出する、
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  3. 請求項1記載の液体噴射装置において、
    前記電力供給手段は、前記ノズルプレートに導通する少なくとも4つ以上の電極を有していて、
    前記温度算出手段は、少なくとも4つ以上の上記電極のうち、2つの電極を抽出して構成される各パターンの全てにおいて前記電流値または前記電圧値を測定することにより、前記ノズルプレートにおける温度分布を算出する、
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の液体噴射装置において、
    前記加熱手段の作動を制御する加熱制御手段を有すると共に、この加熱制御手段は、前記温度算出手段で算出された前記ノズルプレートの温度に基づいて、前記加熱手段の作動を制御する、
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  5. 請求項1記載の液体噴射装置において、
    前記液体噴射ヘッドは、複数のヘッド本体が並べられて構成されると共にそれぞれのヘッド本体に前記ノズルプレートが設けられているラインヘッドであると共に、
    前記温度算出手段は、それぞれの前記ヘッド本体の前記ノズルプレートの温度を測定すると共に、
    前記ヘッド制御手段は、それぞれの前記ノズルプレートにおける温度の算出結果に基づいて、前記ヘッド駆動波形を複数の前記ヘッド本体毎にまたは複数の前記ヘッド本体を一体的に補正し、前記液体の噴射を制御する、
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  6. サーミスターを材質とするノズルプレートを有し、そのノズルプレートに形成されているノズル開口から液体を噴射可能な液体噴射ヘッド、および噴射媒体に付着した上記液体を加熱して乾燥させる加熱手段を備え、当該加熱手段の作動による上記液体の温度変化に対応する液体噴射方法であって、
    上記噴射媒体に付着した上記液体を加熱して乾燥させる加熱ステップと、
    上記ノズルプレートに電流を導通させる電力供給ステップと、
    上記電力供給ステップによって上記ノズルプレートに電流を導通させた際の電流値または電圧値を測定すると共に、測定された当該電流値または当該電圧値から上記ノズルプレートの温度を算出する温度算出ステップと、
    上記温度算出ステップで算出された温度に基づいて、上記液体噴射ヘッドのヘッド駆動波形を補正し、補正後の上記ヘッド駆動波形を上記液体噴射ヘッドに印加するヘッド制御ステップと、
    を具備することを特徴とする液体噴射方法。
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