JP6135993B2 - 液滴吐出装置及び画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、ノズル孔から液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置、及び液滴吐出ヘッドから記録液剤を媒体上に吐出して画像を形成する画像形成装置に関するものである。
この種の液滴吐出装置は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の画像形成装置として用いられる。ここでいう画像形成装置は、記録材上に画像を形成するものであるが、その記録材の材質は紙に限定されるものではなく、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等のあらゆる記録材に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味する。そして、画像形成とは、文字や図形等の意味を持つ画像を記録材に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を記録材に付与する(単に液滴を吐出する)ことをも意味する。また、液滴として吐出される液体は、所謂インクに限るものではなく、吐出されるときに液体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えばDNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる。
このような画像形成装置における液滴吐出ヘッドの駆動方式では、現在、共通電極、圧電層及び個別電極から構成している圧電素子を用いた電気機械変換方式が主流になっている。この液滴吐出ヘッドでは、複数のノズル孔毎に連通する複数の加圧液室の天井部分を構成する振動板を介して圧電素子の変形を各加圧液室内の圧力変化に変換させる。これにより、各加圧液室の底部分を構成するノズル板に設けられた各ノズル孔から液滴をそれぞれ吐出させる。このとき、各圧電素子には、液滴の大きさ毎の駆動波形がドライバICからそれぞれ供給される。このように駆動波形の供給によって、ドライバICの発熱や、ドライバICの個別電極との電気的な接続を行う配線の電気抵抗による発熱が発生する。高速印刷の要望に応えるためドライバICの高速処理化及びノズル孔の増加が進められ、あるいは小型化の要望に応えるためノズル孔の高密度化が進められている。ドライバICの高速処理化がなされると、ドライバICからの発熱量がさらに増加する傾向にある。ノズル孔の増加及び高密度化がなされると、これに併行して給電端子の増加及び高密度化がなされドライバICへの配線数も増加する。これらにより、ヘッド内の温度がより一層上昇し、加圧液室内のインクの温度が上昇しインク粘度が所望の粘度より低下する。この結果、駆動波形が供給されたときの吐出特性は、温度上昇前と温度上昇後とで変化して、印刷品質が安定しない。これを防止するため、温度センサでヘッド温度を検出したり、装置内部の温度を検出して液滴吐出ヘッドの駆動履歴からヘッド温度を推定したりして、狙いの吐出特性を得るのにそれらのヘッド温度に適合した駆動波形を選択する。この駆動波形選択方式を用いることにより、ヘッド温度によらず狙いの吐出特性で液滴吐出ヘッドを駆動することができる。
液滴吐出ヘッドが複数のノズル孔を有するとき、温度上昇は、ノズル列の全域にわたって同じではない。印刷データによっては、吐出頻度の高いノズル孔に連通する加圧液室に偏ったり、吐出頻度の高いノズル孔に対応する圧電素子の個別電極に電気的に接続された配線に流れる電流が集中することによって加圧液室間にインクの温度差が生じたりする。上記駆動波形選択方式を用いた場合のヘッド温度はヘッド全体の温度を検出又は推定したものであり、各加圧液室の温度とは異なるので、検出又は推定したのとは異なる温度の加圧液室については狙いの吐出特性を得られず、印刷品質が不安定になる虞がある。これに対して、ヒータなどの加熱手段を加圧液室毎に設け、この加熱手段に加熱用電圧を印加することによって加圧液室を個別に加熱して、加圧液室間の温度を略均一化する方式がある。しかし、この方式のようにヒータを加圧液室毎に実装した場合は、コストアップや、ヘッド大型化になるという問題がある。
ヒータを実装せずに、加圧液室間のインクの温度差を低減する液滴吐出装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1の液滴吐出装置では、各加圧液室内のインク温度を検出し、検出したインク温度に応じて選択された複数の微駆動波形のいずれかが各圧電素子にそれぞれ供給される。微駆動波形とは、ノズル孔から液体が吐出しない駆動波形である。また、各加圧液室に対応して設けられた各圧電素子には、選択された微駆動波形を供給するか否かを切換え、かつ所定の電気抵抗値をもつスイッチング素子が電気的に接続されている。スイッチング素子のオンオフの切換えを制御する。例えば、検出したインクの温度が低い加圧液室に対応するスイッチング素子をオンにして、スイッチング素子を介してインクの温度に応じて選択された微駆動波形を圧電素子に供給する。その際、スイッチング素子が素子自身の電気抵抗によって発熱し、この熱が対応する加圧液室に伝わり、加圧液室のインクの温度が上昇する。これにより、ヒータを用いることなく、液滴を吐出させないようにしながら低温の加圧液室内のインクを加熱できる。よって、コストアップやヘッド大型化することなく、加圧液室間の温度を略均一化して効率的に全ての加圧液室におけるインクの粘度を所望の粘度に略均一にすることができる。
しかしながら、上記特許文献1の液滴吐出装置では、微駆動波形の電圧値が液滴吐出を行う駆動波形の電圧値に比べて小さいので、スイッチング素子の抵抗による発熱量が少ない。そのため、加圧液室間のインクの温度差が大きい場合、微駆動波形を用いて加圧液室内のインクを攪拌させただけでは加熱しきれない虞がある。よって、ヘッド全体における温度分布を低減することができないという問題があった。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、本発明は、ヘッド全体における温度分布を従来に比して良好に低減することができる液滴吐出装置及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、液滴を吐出する複数のノズル孔と、該ノズル孔が連通する複数の加圧液室と、該加圧液室の一部を構成する振動板を介して前記加圧液室に圧力変化を付与する複数の圧電素子とを備える液滴吐出ヘッドと、前記圧電素子に駆動波形を供給する駆動部とを備え、前記駆動部から前記圧電素子に駆動波形を供給する回路上の抵抗体の電気抵抗値を切換え可能に構成した液滴吐出装置において、前記加圧液室の液体温度を検出する温度検出手段をそれぞれ設け、前記温度検出手段によって検出した前記複数の加圧液室内の液体温度のうち、最も高い液体温度との温度差が減るように、加熱対象の加圧液室に対応する前記抵抗体の電気抵抗値を切換えることを特徴とするものである。
本発明では、加熱電圧を印加されるようなヒータなどの加熱手段を加圧液室毎に設けることでなく、微駆動波形を圧電素子に供給することでもなく、液滴吐出のとき駆動波形が圧電素子に供給されたときの電気抵抗値を切換えられる抵抗体を構成した。抵抗体の電気抵抗値を切換えられるので、駆動波形の供給によって発熱する抵抗体の発熱量を切換え、加圧液室の液体温度を制御することができる。例えば、加圧液室毎に設けた温度センサによって加圧液室の液体温度を測定したり、あるいは装置内部の温度を検出して液滴吐出ヘッドの駆動履歴から加圧液室の液体温度を推定したりする。その検出又は推定した加圧液室の液体温度に基づき、低い温度の加圧液室に対応する抵抗体の電気抵抗値を高めに切換えてその抵抗体の発熱を高めて加圧液室の液体を、低めの電気抵抗値の場合よりも上昇させる。駆動部からの駆動波形が抵抗体を介して圧電素子に供給されるが、抵抗体の電気抵抗値が変化しても、圧電素子内の電圧値及び電流値は、略変化しない電気抵抗値の変化範囲が存在することが実験からわかっている。この変化範囲内で電気抵抗値を切換えれば、圧電素子の変形に影響を与えることは少なく、液滴の吐出特性に影響を及ぼすことは少ない。さらに、複数の加圧液室内の液体温度のうち、最も高い液体温度との温度差が減るように、加熱対象の加圧液室に対応する抵抗体の電気抵抗値を切換える。これにより、圧電素子に供給される駆動波形を用いて加圧液室毎の液体を加熱でき、ヘッド全体における温度分布を低減することができる。
以上説明のように、本発明によれば、従来の微駆動波形よりも電圧値が大きい駆動波形を用いて加圧液室毎の液体の温度を制御でき、ヘッド全体における温度分布を従来に比して良好に低減することができるという特有な効果が得られる。
本実施形態のインクジェット記録装置の構成を示す斜視図である。 本実施形態のインクジェット記録装置の機構部の側面図である。 液滴吐出ヘッドの発熱個所を示す模式図である。 各グループごとのインク温度の変化の様子を示す図である。 液滴吐出ヘッドにおける駆動回路の一例である。 駆動波形の一例を示す波形図である。 アナログスイッチの合成抵抗値が100[Ω]と200[Ω]のときに圧電素子に印加される電圧波形を示す図である。 圧電素子1chあたりに流れる電流波形を示す図である。 アナログスイッチの合成抵抗値が100[Ω]と200[Ω]のときの駆動IC1chあたりの消費電力波形を示す図である。
はじめに、本発明に係る液滴吐出ヘッドの一例であるインクジェット記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置の構成について図面を参照して説明する。図1は本実施形態のインクジェット記録装置の構成を示す斜視図、図2は本実施形態のインクジェット記録装置の機構部の側面図である。
図1及び図2に示す本実施形態のインクジェット記録装置100は、装置本体の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ101を備えている。このキャリッジ101に搭載した液滴吐出ヘッド1及び液滴吐出ヘッド1に対してインクを供給するインクカートリッジ102等で構成される印字機構部103等を収納している。装置本体の下方部には前方側から多数枚の記録材30を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい)104を抜き差し自在に装着されている。また、記録材30を手差しで給紙するために開かれる手差しトレイ105を有している。給紙カセット104あるいは手差しトレイ105から給送される記録材30を取り込み、印字機構部103によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ106に排紙する。なお、記録材30は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の材質の媒体を含むものとする。
印字機構部103は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド107と従ガイドロッド108とでキャリッジ101を主走査方向に摺動自在に保持し、このキャリッジ101にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッド1を複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。また、キャリッジ101には液滴吐出ヘッド1に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ102を交換可能に装着している。
インクカートリッジ102は、上方に大気と連通する大気口、下方には液滴吐出ヘッド1へインクを供給する供給口が設けられている。内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により液滴吐出ヘッド1へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、液滴吐出ヘッド1としては各色毎に液滴吐出ヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個の液滴吐出ヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ101は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド107に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド108に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ101を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ109aで回転駆動される駆動プーリ110と従動プーリ111との間にタイミングベルト112を張装している。このタイミングベルト112をキャリッジ101に固定し、主走査モータ109aの正逆回転によりキャリッジ101が往復に走査される。
一方、給紙カセット104にセットした記録材30を液滴吐出ヘッド1の下方側に搬送する。このために、給紙カセット104から記録材30を分離給装する給紙ローラ113及びフリクションパッド114と、記録材30を案内するガイド部材115と、給紙された記録材30を反転させて搬送する搬送ローラ116とを備えている。更に、この搬送ローラ116の周面に押し付けられる搬送コロ117及び搬送ローラ116からの記録材30の送り出し角度を規定する先端コロ118とを有する。搬送ローラ116は副走査モータ109bによってギヤ列を介して回転駆動される。
そして、キャリッジ101の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ116から送り出された記録材30を液滴吐出ヘッド1の下方側で案内するため用紙ガイド部材である印写受け部材119を設けている。この印写受け部材119の用紙搬送方向下流側には、記録材30を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ120と拍車121を設け、さらに記録材30を排紙トレイ106に送り出す排紙ローラ123と拍車124と、排紙経路を形成するガイド部材125、126とを配設している。
このインクジェット記録装置100で記録時には、キャリッジ101を移動させながら画像信号に応じて液滴吐出ヘッド1を駆動することにより、停止している記録材30にインクを吐出して1行分を記録し、その後、記録材30を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または記録材30の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ記録材30を排紙する。
また、キャリッジ101の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、液滴吐出ヘッド1の吐出不良を回復するための回復装置127を配置している。回復装置127はそれぞれ図示していないキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ101は印字待機中にはこの回復装置127側に移動されてキャッピング手段で液滴吐出ヘッド1をキャッピングして吐出口部を湿潤状態に保つことによりインクの乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインクの粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
更に、吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で液滴吐出ヘッド1の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出す。これにより、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
このように、このインクジェット記録装置100においてはアクチュエータユニットを有するインクジェット記録ヘッドを搭載しているので、安定したインク滴吐出特性が得られ、画像品質を向上することができる。
図3は液滴吐出ヘッドの発熱個所を示す模式図である。同図に示す液滴吐出ヘッド300では、駆動信号が制御装置400から駆動信号配線301を介して駆動IC302に供給される。駆動IC302は、駆動信号に基づいて駆動波形を、抵抗体としてのアナログスイッチ303を介して圧電素子304に供給する。圧電素子304は共通電極配線305を介して制御装置400と電気的に接続されている。駆動IC302は駆動する圧電素子304のみに駆動波形が供給されるよう、駆動信号を選択する。図3に示すように、液滴吐出ヘッド300のノズル孔列(不図示)を例えばA、B、Cの3グループに分けている。各グループの任意の位置に、温度検出手段としての温度センサ306が設けられている。なお、各加圧液室毎に温度センサを設けてもよい。この温度センサ306によって各グループにおける加圧液室(不図示)内のインクの温度をそれぞれ検出する。グループごとの温度検出は、例えば次のように行う方法がある。その一つの方法として、図3のように、温度センサ306を各々実装させた加圧液室毎のインクの温度を検出する。各加圧液室の各インクの温度に基づいて当該グループ内における平均のインクの温度を算出する。他の方法として、環境温度に対するグループの駆動履歴から計算することにより求める方法があるが、これに限定する必要はない。検出したインクの温度のうち最も高い温度と他のグループの温度との差をそれぞれ求める。インクの温度が最も高い温度のグループ以外のグループでは、求められた温度差に応じ、当該グループの圧電素子を駆動させる駆動ICの後述するアナログスイッチのオン抵抗値を大きく変更する。これにより、アナログスイッチの発熱を大きくする。当該グループ内の加圧液室内のインクの温度を上昇させる。よって、インクの温度が最も高い温度のグループの温度に他のグループの温度を近づけ、各グループ間の加圧液室内のインクの温度差を最小にすることができる。
ここで、全ノズル孔列にわたって複数のグループに分け方の一例として、図3に示すように、A、B、Cのグループに分ける。そして、図4に示すように、Aのグループでは、当該グループ内におけるほぼ全てのノズル孔に対応する加圧液室内のインクの温度がインクの温度の目標範囲外である。Bのグループでは、加圧液室内のインクの温度がインクの温度の目標範囲内におさまっているノズル孔に対応する加圧液室の部分と、インクの温度の目標範囲外になっているノズル孔に対応する加圧液室の部分とが互いにほぼ半々になっている。Cのグループでは、当該グループ内におけるほぼ全てのノズル孔に対応する加圧液室内のインクの温度がインク温度目標範囲内におさまっている。上述したように、圧電素子や駆動ICの発熱は、熱伝導により広い範囲に伝わるので、特定のノズル孔のみの温度上昇になるのではなく、ある範囲をもった温度上昇となる。このとき、ヘッド基板におけるノズル孔間のインクの温度の温度勾配が印刷品質に影響なく駆動できる温度範囲の領域を最大の範囲としてグループ分けを行う。よって、図4に示す例では、Cのグループにおけるアナログスイッチによる発熱は不要であり、A、Bのグループにおけるアナログスイッチによる発熱を増加させて、図4に示す点線で示すインクの温度勾配を低減する。なお、アナログスイッチの抵抗によって発熱させているが、駆動波形が供給され、かつ電気抵抗値を切換えられる端子や配線でもよい。すなわち、駆動波形が圧電素子に供給されるときの電気抵抗値を切換えられる抵抗体であればよい。また、抵抗体は、抵抗体によって加熱する加圧液室の近傍に設置されていればよく、その加圧液室の液体温度を加熱できる設置位置であれば設置箇所は問わない。
次に、インクの温度検出について説明すると、図3の温度センサに電気的に接続されている温度検出用配線307は、圧電素子用配線に使用している白金薄膜を使用して構成した配線であり、ヘッド基板(不図示)の温度変化に応じて抵抗値が変化する。この温度検出用配線307の抵抗値は、白金薄膜を使用した場合、配線パターンを0[℃]のときに100[Ω]となるように構成する。液滴吐出ヘッドが通常使用される0[℃]〜40[℃]の使用環境温度では、使用環境温度をT[℃]、配線抵抗値をR[Ω]とすると、R=100+0.3908・Tという近似式で表現できる。液滴吐出装置の機器制御部で、温度検出用配線307の抵抗値を測定することにより、ヘッド基板の図3のA、B、Cのグループにおける温度を検出できる。温度検出用配線307はヘッド基板上にあるため、ヘッド基板の温度は加圧液室のインク温度と略等しい。ヘッド基板の温度を検出することにより、加圧液室のインクの温度を検出したことになる。
なお、スイッチング素子の抵抗値を変化させたとき、圧電素子の静電容量とスイッチング素子の抵抗値とで構成されるローパスフィルタを通過することによる駆動波形の変形を予めスイッチング素子に印加する駆動波形をなまらせておく。これにより、スイッチング素子の抵抗値変化による吐出特性の変化を最小限に抑えることができる。グループ間の温度差によってスイッチング素子の抵抗値を大きくするグループにおけるノズル孔の数を変更することにより、低温のグループにおける全てのノズル孔ではなく、抵抗値を上げるノズル数を制御することにより、さらに細かい加熱制御ができる。加圧液室内の液体を攪拌させる微駆動波形を印加する圧電素子に対応するスイッチング素子の抵抗値を大きくすることにより、微駆動波形によってスイッチング素子が発熱することで、細かい加熱制御ができる。
図5は液滴吐出ヘッドにおける駆動回路の一例である。同図において、C1〜CN(Nは正の整数)は圧電素子で、アナログスイッチ311で選択された駆動波形が印加される。1chの圧電素子に対して、アナログスイッチSW1、SW2を並列に接続している。印刷時では、DATA1及びDATA2の各データ信号、SWON1及びSWON2のスイッチオン信号によって論理積回路及び増幅回路を介してスイッチSW1及びスイッチSW2の両方をオンにし、圧電素子が駆動する。DATA1及びDATA2の各データ信号は、スイッチ制御部312、313からの基準クロックに同期した信号である。そして、駆動IC(不図示)の発熱を増やすときは、スイッチ制御部312、313からのDATA1又はDATA2のいずれかデータ信号、SWON1又はSWON2のいずれかのスイッチオン信号によって、論理積回路及び増幅回路を介してスイッチSW1又はスイッチSW2のどちらかをオンにして合成抵抗値を大きくする。例えば、スイッチSW1の抵抗値とスイッチSW2の抵抗値とがともに200[Ω]であるとき、スイッチSW1がオン、スイッチSW2がオンである時、合成抵抗値は100[Ω]となる。スイッチSW1がオン、スイッチSW2がオフである時、合成抵抗値は200[Ω]となる。
図6は駆動波形の一例を示す波形図である。図6に示す駆動波形が、図5の駆動波形の信号として圧電素子に印加される。図7はアナログスイッチの合成抵抗値が100[Ω]と200[Ω]のときに圧電素子に印加される電圧波形を示す図、図8は圧電素子1chあたりに流れる電流波形を示す図である。合成抵抗値が100[Ω]と200[Ω]であるとき、圧電素子に印加される電圧波形及び電流波形にほとんど差がない。このように、アナログスイッチの合成抵抗値差が生じても、インク吐出特性に影響しないことがわかる。
図9はアナログスイッチの合成抵抗値が100[Ω]と200[Ω]のときの駆動ICの1chあたりの消費電力波形を示す図である。アナログスイッチの消費電力Pは、合成抵抗値をR、電流をIとすると、P=R×Iとなり合成抵抗値に比例する。合成抵抗値が200[Ω]のときの消費電力は合成抵抗値が100[Ω]の時の約2倍となる。つまり、アナログスイッチの合成抵抗値を100[Ω]から200[Ω]に変更することにより、インク吐出に影響することなく、駆動ICの消費電力を2倍にできる。駆動ICの発熱は消費電力に比例するため、発熱も2倍となる。この熱を加圧液室内のインクに伝導することにより、インクを加熱できる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
駆動IC302等の駆動部から圧電素子304に駆動波形を供給する回路上のアナログスイッチ303等の抵抗体の電気抵抗値を切換え可能に構成した。これによれば、上記実施形態について説明したように、加熱電圧を印加されるようなヒータなどの加熱手段を加圧液室毎に設けることでなく、微駆動波形を圧電素子に供給することでもなく、液滴吐出のとき駆動波形が圧電素子に供給されたときの電気抵抗値を切換えられる抵抗体を構成した。抵抗体の電気抵抗値を切換えられるので、駆動波形の供給によって発熱する抵抗体の発熱量を切換え、加圧液室の液体温度を制御することができる。例えば、加圧液室毎に設けた温度センサによって加圧液室の液体温度を測定したり、あるいは装置内部の温度を検出して液滴吐出ヘッドの駆動履歴から加圧液室の液体温度を推定したりする。その検出又は推定した加圧液室の液体温度に基づき、低い温度の加圧液室に対応する抵抗体の電気抵抗値を高めに切換えてその抵抗体の発熱を高めて加圧液室の液体を、低めの電気抵抗値の場合よりも上昇させる。駆動部からの駆動波形が抵抗体を介して圧電素子に供給されるが、抵抗体の電気抵抗値が変化しても、圧電素子内の電圧値及び電流値は、略変化しない電気抵抗値の変化範囲が存在することが実験からわかっている。この変化範囲内で電気抵抗値を切換えれば、圧電素子の変形に影響を与えることは少なく、液滴の吐出特性に影響を及ぼすことは少ない。以上説明のように、本発明によれば、従来の微駆動波形よりも電圧値が大きい駆動波形を用いて加圧液室毎の液体の温度を制御でき、ヘッド全体における温度分布を従来に比して良好に低減することができる。
(態様2)
(態様1)において、抵抗体は、電気抵抗値を切換え可能なスイッチング手段である。これによれば、上記実施形態について説明したように、液滴吐出のとき駆動波形が圧電素子に供給されたときの電気抵抗値を切換えられる。
(態様3)
(態様2)において、スイッチング手段は複数のスイッチング素子で構成され、少なくともいずれかのスイッチング素子を介して駆動部から駆動波形を圧電素子に供給する。これによれば、上記実施形態について説明したように、複数のスイッチング素子を切換えて、液滴吐出のとき駆動波形が圧電素子に供給されたときの電気抵抗値を切換えられる。
(態様4)
(態様3)において、複数のスイッチング素子は、並列接続されている。これによれば、上記実施形態について説明したように、簡単な構成で、液滴吐出のとき駆動波形が圧電素子に供給されたときの電気抵抗値を切換えられる。
(態様5)
(態様1)において、加圧液室の液体温度を検出する温度検出手段をそれぞれ設け、温度検出手段によって検出した複数の加圧液室内の液体温度のうち、最も高い液体温度との温度差が減るように、加熱対象の加圧液室に対応する抵抗体の電気抵抗値を切換える。これによれば、上記実施形態について説明したように、圧電素子に供給される駆動波形を用いて加圧液室毎の液体を加熱でき、ヘッド全体における温度分布を低減することができる。
(態様6)
(態様5)において、温度検出手段が、複数の加圧液室を複数のグループに分割してグループ毎の加圧液室の液体温度を検出し、検出した液体温度が低いグループ内の抵抗体の電気抵抗値を切換える。これによれば、上記実施形態について説明したように、温度検出手段の数を削減できる。
(態様7)
(態様6)において、液体温度が高いグループ内の抵抗体の電気抵抗値より、液体温度が高いグループ以外のグループ内の抵抗体の電気抵抗値を大きくなるように切換える。これによれば、上記実施形態について説明したように、温度検出手段及び制御回路を削減できる。
(態様8)
(態様6)又は(態様7)において、複数のグループ間の温度差によって抵抗体の電気抵抗値を大きくするグループにおけるノズル孔の数を変更する。これによれば、上記実施形態について説明したように、これによれば、上記実施形態について説明したように、低温のグループの全てのノズルではなく、電気抵抗値を上げる抵抗体に対応する加圧液室のノズル孔の数を制御することにより、さらに細かい加熱制御ができる。
(態様9)
(態様1)において、圧電素子の静電容量成分と抵抗体の抵抗成分とで構成されるローパスフィルタに駆動波形を通過させたときの駆動波形の変形とほぼ同じ形状になるよう抵抗体に供給する駆動波形を予めなまらせる。これによれば、上記実施形態について説明したように、抵抗体の電気抵抗値の変化による吐出特性の変化を最小限に抑えることができる。
(態様10)
(態様1)〜(態様9)のいずれかの液滴吐出装置が備える液滴吐出ヘッドで記録液剤を媒体に吐出して画像形成を行う。これによれば、上記実施形態について説明したように、これによれば、上記実施形態について説明したように、吐出特性に優れ、安定した画像形成を行うことができる。
300 液滴吐出ヘッド
301 駆動信号配線
302 駆動IC
303 アナログスイッチ
304 圧電素子
305 共通電極配線
306 温度センサ
307 温度検出用配線
311 アナログスイッチ
312 スイッチ制御部
313 スイッチ制御部
400 制御装置
特開2008−143023号公報

Claims (7)

  1. 液滴を吐出する複数のノズル孔と、該ノズル孔が連通する複数の加圧液室と、該加圧液室の一部を構成する振動板を介して前記加圧液室に圧力変化を付与する複数の圧電素子とを備える液滴吐出ヘッドと、前記圧電素子に駆動波形を供給する駆動部とを備え、前記駆動部から前記圧電素子に駆動波形を供給する回路上の抵抗体の電気抵抗値を切換え可能に構成した液滴吐出装置において、
    前記加圧液室の液体温度を検出する温度検出手段をそれぞれ設け、
    前記温度検出手段によって検出した前記複数の加圧液室内の液体温度のうち、最も高い液体温度との温度差が減るように、加熱対象の加圧液室に対応する前記抵抗体の電気抵抗値を切換えることを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 請求項1記載の液滴吐出装置において、
    前記抵抗体は、電気抵抗値を切換え可能なスイッチング手段であることを特徴とする液滴吐出装置。
  3. 請求項2記載の液滴吐出装置において、
    前記スイッチング手段は複数のスイッチング素子で構成され、少なくともいずれかの前記スイッチング素子を介して前記駆動部から駆動波形を前記圧電素子に供給することを特徴とする液滴吐出装置。
  4. 請求項3記載の液滴吐出装置において、
    前記複数のスイッチング素子は、並列接続されていることを特徴とする液滴吐出装置。
  5. 請求項記載の液滴吐出装置において、
    前記温度検出手段が、前記複数の加圧液室を複数のグループに分割してグループ毎の加圧液室の液体温度を検出し、検出した液体温度が低いグループ内の前記抵抗体の電気抵抗値を切換えることを特徴とする液滴吐出装置。
  6. 請求項記載の液滴吐出装置において、
    液体温度が高いグループ内の前記抵抗体の電気抵抗値より、液体温度が高いグループ以外のグループ内の前記抵抗体の電気抵抗値を大きくなるように切換えることを特徴とする液滴吐出装置
  7. 求項1〜のいずれかに記載の液滴吐出装置が備える液滴吐出ヘッドで記録液剤を媒体に吐出して画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
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