JP6304580B2 - 液滴吐出装置、画像形成装置及び液滴吐出装置の駆動制御方法 - Google Patents

液滴吐出装置、画像形成装置及び液滴吐出装置の駆動制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、ノズル孔から液滴を吐出する液滴吐出装置、この液滴吐出装置から液滴を記録材上に吐出して画像を形成する画像形成装置、この液滴吐出装置の駆動制御方法に関するものである。
この種の液滴吐出装置は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の画像形成装置として用いられる。ここでいう画像形成装置は、記録材上に画像を形成するものであるが、その記録材の材質は紙に限定されるものではなく、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等のあらゆる記録材に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味する。そして、画像形成とは、文字や図形等の意味を持つ画像を記録材に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を記録材に付与する(単に液滴を吐出する)ことをも意味する。また、液滴として吐出される液体は、所謂インクに限るものではなく、吐出されるときに液体となるものであれば特に限定されるものではなく、例えばDNA試料、レジスト、パターン材料なども含まれる。
このような画像形成装置における液滴吐出装置の駆動方式では、近年、圧電素子等の圧電変換部材を用いた電気機械変換方式が主流になっている。電気機械変換方式の液滴吐出装置は、例えば、複数のノズル孔ごとに連通する複数の加圧液室の天井部分を構成する振動板を介して圧電素子の変形を各加圧液室内の圧力変化に変換させる。これにより、各加圧液室の底部分を構成するノズル板に設けられた各ノズル孔から液滴をそれぞれ吐出させる。一般に、各圧電素子の第2電極(以下「固定電圧電極」という。)に対して一定の電圧値である固定電圧(アース電圧を含む。)が一様に供給された状態で、所定の駆動波形で電圧値が変動する波形電圧を、液滴を吐出させるノズル孔に対応した圧電素子の第1電極(以下「駆動電圧電極」という。)に対して選択的に供給することで、圧電素子に駆動電圧信号を選択的に印加して、所望のノズル孔から液滴を吐出させる。
特許文献1には、各圧電素子の第2電極である固定電圧電極に対して一様に供給されるバイアス電圧(固定電圧)の電圧値を、各圧電素子の特性ばらつきや各加圧液室の製造ばらつき等により生じるノズル間のインク吐出特性の特性差の大きさに応じて設定する液滴吐出装置が開示されている。この液滴吐出装置では、バイアス電圧の電圧値を高めに設定すると各ノズルのインク吐出特性は向上するもののノズル間の特性差が大きくなることに鑑み、バイアス電圧の電圧値を下げる方向へシフトさせることで、ノズル間のインク吐出特性の特性差を抑制している。
前述の波形電圧は、駆動波形生成回路から、フレキシブルフラットケーブルやフレキシブルプリント基板などの波形電圧伝送部材を経由して、各圧電変換部材の駆動電圧電極に供給される。このような波形電圧伝送部材は、通常、電流の変化が誘導起電力となって現れるインダクタンス成分Lを含んでおり、インダクタンス成分Lと単位時間あたりの電流iの変化率(di/dt)との積で表される逆起電力ΔE(=L×(di/dt))が発生する。波形電圧伝送部材の長さ(配線長・経路長)が増加することによりインダクタンス成分Lが大きくなると、その波形電圧伝送部材により伝送される波形電圧に逆起電力ΔEがノイズとして無視できなくなるほど大きくなり、波形に歪みが生じる。
波形電圧伝送部材のインダクタンス成分Lによるノイズは、一般に、オーバーシュートやアンダーシュートと呼ばれる。仮にインダクタンス成分Lにより生じる逆起電力ΔEが常に同じであれば、オーバーシュートやアンダーシュートによる波形の歪みは一定である。この場合、その波形の歪みが生じることを前提にして、その波形の歪みが生じたときの波形電圧が所望の波形となるように予め歪んだ波形をもつ波形電圧を駆動波形生成回路で生成すれば、圧電変換部材に印加される波形電圧にオーバーシュートやアンダーシュートによる波形の歪みが生じるのを抑制できる。
しかしながら、インダクタンス成分Lにより生じる逆起電力ΔEは、上述したとおり、波形電圧伝送部材を流れる電流iの変化率(di/dt)によって変化する。波形電圧伝送部材を流れる電流量は、同時に液滴を吐出させるノズル孔の数、言い換えると、波形電圧が印加される駆動対象の圧電変換部材の数によって変化する。波形電圧伝送部材を流れる電流量が変わると、波形電圧伝送部材によって伝送される波形電圧の電圧値変化によって生じる電流変化率(di/dt)も変わってくる。したがって、波形電圧伝送部材のインダクタンス成分Lに起因した波形の歪みは、駆動対象の圧電変換部材の数によって変動する。具体的には、駆動対象の圧電変換部材の数が少ないときは波形の歪みが小さく、駆動対象の圧電変換部材の数が多いときは波形の歪みが大きくなる。
このように駆動対象の圧電変換部材の数によって波形の歪みが異なることから、波形の歪みが生じることを前提に予め歪んだ波形電圧を生成するといった対応では、圧電変換部材に印加される波形電圧の波形の歪みを抑制することはできない。また、波形電圧に生じる波形の歪みが駆動対象の圧電変換部材の数によらず一定であれば、このような歪んだ波形をもつ波形電圧による液滴吐出特性が駆動対象の圧電変換部材の数によらず一定となるので、画像品質を低下させない他の対応をとることも可能である。いずれにしても、駆動対象の圧電変換部材の数に応じて波形電圧に生じる波形の歪みが変化すると、これにより液滴吐出特性が駆動対象の圧電変換部材の数に応じて変わってしまう。これでは、安定して高い画像品質を得ることは困難である。
なお、液滴吐出特性が駆動対象の圧電変換部材の数に応じて変わってしまうという課題は、画像形成装置以外の用語に用いる液滴吐出装置でも生じ得る。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、駆動対象の圧電変換部材の数に応じて液滴吐出特性が変化してしまうのを抑制することが可能な液滴吐出装置を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明は、液滴を吐出する複数のノズル孔と、各ノズル孔が連通する複数の加圧液室と、駆動電圧信号が印加されることで、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせる複数の圧電変換部材と、液滴を吐出させるノズル孔に対応した駆動対象の圧電変換部材に対し、当該圧電変換部材における第1電極に所定の駆動波形をもつ波形電圧を供給するとともに、第2電極に一定の電圧値である駆動用の固定電圧を供給することで、当該駆動対象の圧電変換部材に前記駆動電圧信号を印加する駆動電圧信号印加手段とを有する液滴吐出装置において、前記駆動電圧信号印加手段は、液滴を吐出させないノズル孔に対応した非駆動対象の圧電変換部材のうちの少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に対し、前記第1電極に前記波形電圧を供給するとともに、前記第2電極には、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせない非駆動用の電圧を供給することで、当該少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に非駆動電圧信号を印加するものであり、前記非駆動用の電圧は、前記駆動用の固定電圧とは電圧値が異なる固定電圧であることを特徴とする。
本発明によれば、駆動対象の圧電変換部材の数に応じて液滴吐出特性が変化してしまうのを抑制することが可能となるという優れた効果が得られる。
実施形態のインクジェット記録装置の構成を示す斜視図である。 同インクジェット記録装置の機構部の側面図である。 同インクジェット記録装置における液滴吐出ヘッドの駆動回路の一例を示す模式図である。 同駆動回路における圧電素子の駆動電圧電極に供給される波形電圧と、圧電素子の固定電圧電極に供給される第1バイアス波形電圧及び第2バイアス波形電圧とを示すグラフである。 実施形態における圧電素子の端子間電圧(電極間電圧)と、圧電素子の変位量との関係を示すグラフである。 インクを吐出していないノズル孔から次のインク吐出期間にインクを吐出させるように切り替えるときのバイアス電圧切り替えタイミングを示すグラフである。 変形例における駆動回路の一例を示す模式図である。 変形例において、インクを吐出していないノズル孔から次のインク吐出期間にインクを吐出させるように切り替えるときのバイアス電圧切り替えタイミングを示すグラフである。 従来の液滴吐出ヘッドの駆動回路の一例を示す模式図である。 駆動波形生成回路で生成される波形電圧の波形の一例を示すグラフである。 同波形電圧に生じる歪みの様子を説明するためのグラフである。
はじめに、本発明に係る液滴吐出装置である液滴吐出ヘッドの一例であるインクジェット記録ヘッドを搭載した画像形成装置としてのインクジェット記録装置の構成について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置の構成を示す斜視図である。図2は本実施形態のインクジェット記録装置の機構部の側面図である。
図1及び図2に示すインクジェット記録装置100は、装置本体の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ101を備えている。このキャリッジ101に搭載した液滴吐出ヘッド1及び液滴吐出ヘッド1に対してインクを供給するインクカートリッジ102等で構成される印字機構部103等を収納している。
装置本体の下方部には、前方側から多数枚の記録材30を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい)104が抜き差し自在に装着されている。また、記録材30を手差しで給紙するために開かれる手差しトレイ105も有している。給紙カセット104あるいは手差しトレイ105から給送される記録材30は、印字機構部103によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ106に排紙される。なお、記録材30は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の材質の媒体を含むものとする。
印字機構部103は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド107と従ガイドロッド108とでキャリッジ101を主走査方向に摺動自在に保持している。このキャリッジ101には、複数のインク吐出口(ノズル孔)が主走査方向と直交する副走査方向に配列され、液滴吐出方向が下方に向くように、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴(液滴)を吐出する液滴吐出ヘッド1が装着されている。また、キャリッジ101には、液滴吐出ヘッド1に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ102を交換可能に装着している。
インクカートリッジ102は、上方に大気と連通する大気口、下方には液滴吐出ヘッド1へインクを供給する供給口が設けられている。内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により液滴吐出ヘッド1へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、液滴吐出ヘッド1としては、色ごとに異なる液滴吐出ヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個の液滴吐出ヘッドでもよい。
キャリッジ101は、後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド107に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド108に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ101を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ109aで回転駆動される駆動プーリ110と従動プーリ111との間にタイミングベルト112を張装している。このタイミングベルト112をキャリッジ101に固定し、主走査モータ109aの正逆回転によりキャリッジ101が往復に走査される。
また、本インクジェット記録装置100は、給紙カセット104から記録材30を分離給装する給紙ローラ113及びフリクションパッド114、記録材30を案内するガイド部材115、給紙された記録材30を反転させて搬送する搬送ローラ116なども備えている。更に、この搬送ローラ116の周面に押し付けられる搬送コロ117及び搬送ローラ116からの記録材30の送り出し角度を規定する先端コロ118も有している。搬送ローラ116は副走査モータ109bによってギヤ列を介して回転駆動される。
また、キャリッジ101の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ116から送り出された記録材30を液滴吐出ヘッド1の下方側で案内するため、用紙ガイド部材である印写受け部材119も有している。この印写受け部材119の用紙搬送方向下流側には、記録材30を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ120と拍車121を設け、さらに記録材30を排紙トレイ106に送り出す排紙ローラ123と拍車124と、排紙経路を形成するガイド部材125、126とを配設している。
インクジェット記録装置100で記録する際、キャリッジ101を移動させながら、画像信号に応じて液滴吐出ヘッド1を駆動することにより、停止している記録材30にインクを吐出して1行分を記録し、その後、記録材30を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号または記録材30の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ、記録材30を排紙する。
また、キャリッジ101の移動方向一端側の記録領域を外れた位置には、液滴吐出ヘッド1の吐出不良を回復するための回復装置127を配置している。回復装置127はそれぞれ図示していないキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ101は、印字待機中には回復装置127側に移動されてキャッピング手段で液滴吐出ヘッド1をキャッピングして吐出口部の湿潤状態を保つことによりインクの乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインクの粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
更に、吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で液滴吐出ヘッド1の吐出口(ノズル孔)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出す。これにより、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され、吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
ここで、従来の一般的な液滴吐出ヘッドの駆動回路について説明する。
図9は、液滴吐出ヘッドの駆動回路の一例を示す模式図である。
図9に示す駆動回路は、圧電変換部材としての圧電素子201の端子間電圧を変化させ、圧電素子の変位量を変えることにより、液滴吐出ヘッド1の加圧液室に圧力変化を発生させ、その加圧液室に連通したノズル孔から液滴としてのインクを吐出させる。圧電素子201の一方の電極(駆動電圧電極)には、アナログスイッチSW3を介して、駆動電圧源から所定の駆動波形をもつ波形電圧を生成して出力する駆動波形生成回路202に接続されている。また、圧電素子201の他方の電極(固定電圧電極)には、一定の電圧値(直流電圧)を出力するバイアス電圧電源207が常時接続されている。
波形選択制御回路203は、インクを吐出させるノズル孔に対応する駆動対象の圧電素子201に接続されたアナログスイッチSW3をオンにし、液滴を吐出させないノズル孔に対応する非駆動対象の圧電素子201に接続されたアナログスイッチSW3をオフにする制御を行う。従来の駆動回路においては、アナログスイッチSW3及びこれをオン/オフ制御する波形選択制御回路203等によって、圧電素子201に対して駆動電圧信号を選択的に印加して、所望のノズル孔からインクを吐出させる。なお、印加される電圧に応じて加圧液室の圧力を変化させることができるものであれば、圧電素子201を用いたものではなく、他の圧電変換部材を用いてもよい。
駆動波形生成回路202からは、例えば図10に示すような駆動波形をもつ波形電圧が出力され、オン状態のアナログスイッチSW3を介して駆動対象の圧電素子201の一方の電極(駆動電圧電極)に供給される。この波形電圧は、最大値がV1で、最小値がV0である駆動波形が規定の周期で繰り返される信号である。ところが、駆動波形生成回路202から出力される波形電圧は、フレキシブルフラットケーブルやフレキシブルプリント基板などの波形電圧伝送部材を経由して、駆動対象の圧電素子201の駆動電圧電極に供給される。このとき、波形電圧伝送部材のインダクタンス成分L及び波形電圧伝送部材を流れる電流iの変化率(di/dt)に応じて発生する逆起電力ΔE(=L×(di/dt))が大きいと、図11に示すように、当該波形電圧伝送部材により伝送される波形電圧の波形に歪みAが生じる。
駆動対象の圧電素子201の数が変わって波形電圧伝送部材を流れる電流iの量が変化すると、この波形の歪みも変化するので、波形電圧に生じる波形の歪みは駆動対象の圧電素子201の数によって変わってくる。そのため、一定の歪みが生じることを前提にその歪みがなくなるように予め歪ませた波形電圧を駆動波形生成回路202に生成させるといった対応や、一定の歪みが生じる波形電圧によるインク吐出特性を前提として所望の画像品質を得るための対応では、高い画像品質を安定して得ることはできない。
次に、本実施形態における液滴吐出ヘッドの駆動回路について説明する。
図3は、液滴吐出ヘッドの駆動回路の一例を示す模式図である。
本実施形態の駆動回路では、圧電素子201の駆動電圧電極に対しては、アナログスイッチSW3を介さずに、駆動波形生成回路202が常時続されている。すなわち、本実施形態においては、駆動波形生成回路202から出力される波形電圧が、常に、すべての圧電素子201の駆動電圧電極に供給される構成となっている。そのため、駆動対象の圧電素子201の数が変わっても、駆動波形生成回路202の負荷はほぼ一定に維持され、波形電圧伝送部材を流れる電流量の変化が抑制される。その結果、駆動対象の圧電素子201の数が変わっても、波形電圧に生じる波形の歪みは、例えば図11に示すような波形でほぼ一定となる。本実施形態では、当該一定の歪みがなくなるように予め歪ませた波形電圧を駆動波形生成回路202を生成するのではなく、当該一定の歪みが生じている駆動波形をもった波形電圧による液滴吐出特性を前提として高い画像品質が得られるように設計されている。
次に、本実施形態の駆動回路において、すべての圧電素子201に対して波形電圧を供給した状態で、駆動対象の圧電素子201に対応するノズル孔からはインクを吐出させ、非駆動対象の圧電素子201に対応するノズル孔からはインクを吐出させないための構成及び制御について説明する。
本実施形態において、圧電素子201の他方の電極(固定電圧電極)には、図3に示すように、アナログスイッチSW1,SW2を介して、一定の電圧値(直流電圧)を出力する非駆動用電圧源としての第1バイアス電圧電源204及び駆動用電圧源としての第2バイアス電圧電源205が接続されている。本実施形態では、第1バイアス電圧電源204が出力する非駆動用の電圧としての第1バイアス電圧Vb1と、第2バイアス電圧電源205が出力する駆動用の固定電圧としての第2バイアス電圧Vb2との関係は、Vb1<Vb2となるように設定されている。バイアス電圧選択制御回路206は、駆動対象の圧電素子201については、アナログスイッチSW1をオフ、アナログスイッチSW2をオンにし、非駆動対象の圧電素子201については、アナログスイッチSW1をオン、アナログスイッチSW2をオフにするように、各アナログスイッチSW1,SW2のオン/オフ制御を行う。
図4は、圧電素子201の駆動電圧電極に供給される波形電圧と、圧電素子201の固定電圧電極に供給される第1バイアス波形電圧Vb1及び第2バイアス波形電圧Vb2とを示すグラフである。
非駆動対象の圧電素子201の固定電圧電極には、第1バイアス電圧Vb1が印加されるので、この圧電素子201の端子間には、図4に示した波形電圧の電圧値を全体的に第1バイアス電圧Vb1だけ下げた電圧信号(非駆動電圧信号)が印加されることになる。すなわち、この非駆動電圧信号は、駆動波形生成回路202から出力される波形電圧の波形と同じ波形をもち、最大値がV1−Vb1で、最小値がV0−Vb1である信号である。
一方、駆動対象の圧電素子201の固定電圧電極には、第2バイアス電圧Vb2が印加されるので、この圧電素子201の端子間には、図4に示した波形電圧の電圧値を全体的に第2バイアス電圧Vb2だけ下げた駆動電圧信号が印加されることになる。すなわち、この駆動電圧信号は、駆動波形生成回路202から出力される波形電圧の波形と同じ波形をもち、最大値がV1−Vb2で、最小値がV0−Vb2である信号である。
インクジェット記録装置100の画像形成動作を制御する本体側制御部は、入力される画像データに基づき、予め決められたインク吐出タイミングが到来するたびに、液滴を吐出させるべきノズル孔を特定し、その情報(駆動ノズル情報)をバイアス電圧選択制御回路206に送る。そして、バイアス電圧選択制御回路206は、本体側制御部から送られてくる駆動ノズル情報に従って、各圧電素子201のアナログスイッチSW1に対し、駆動するノズルに対応した圧電素子201についてはオフ状態とし、駆動しないノズルに対応した圧電素子201についてはオン状態とする制御を実行する。また、バイアス電圧選択制御回路206は、本体側制御部から送られてくる駆動ノズル情報に従って、各圧電素子201のアナログスイッチSW2に対し、駆動するノズルに対応した圧電素子201についてはオン状態とし、駆動しないノズルに対応した圧電素子201についてはオフ状態とする制御を実行する。
図5は、本実施形態における圧電素子201の端子間電圧(電極間電圧)と、圧電素子201の変位量との関係を示すグラフである。
このグラフに示すように、圧電素子201は、その端子間電圧と圧電素子201の変位量との関係が非線形の関係となっている。ここで、圧電素子201の変位量は、加圧液室に生じさせる圧力と相関関係があるパラメータである。よって、圧電素子201は、その端子間電圧と加圧液室に生じさせる圧力との関係も非線形の関係である。
このような圧電素子201に対して駆動電圧信号Cを印加した場合、その圧電素子201の端子間電圧は、最大値(V1−Vb2)と最小値(V0−Vb2)との間で変動する。この圧電素子201の端子間電圧の変動により、圧電素子の変位量はD1とD3との間で変化する。圧電素子の変位量が変わると、液滴吐出ヘッドの加圧液室に圧力変化を発生し、その圧力変化に応じたインク吐出特性(インク吐出速度やインク滴量等)で、その加圧液室に連通したノズル孔からインクを吐出させる。
一方、圧電素子201に対して非駆動電圧信号Bを印加した場合、その圧電素子201の端子間電圧は、最大値(V1−Vb1)と最小値(V0−Vb1)との間で変動する。この圧電素子201の端子間電圧の変動により、圧電素子の変位量はD0とD2との間で変化する。非駆動電圧信号Bは、その最大値と最小値との差(振幅値)は駆動電圧信号Cと同じであるが、その最大値と最小値の値が駆動電圧信号Cとは異なっている。そのため、図5に示すように端子間電圧と変位量との関係が非線形の関係である圧電素子201であれば、圧電素子201の変位量の変化幅が異なるものとなる。より詳しくは、駆動電圧信号Cを印加した場合における圧電素子201の変位量の変化幅(D1−D3)よりも、非駆動電圧信号Bを印加した場合における圧電素子201の変位量の変化幅(D0−D2)の方が小さなものとなる。
本実施形態において、非駆動用の電圧である第1バイアス電圧Vb1は、圧電素子201の変位量の変化幅(D0−D2)が、ノズル孔からインクを吐出するには不足するように、すなわち、ノズル孔からインクを吐出されない程度の変化幅となるように、設定されている。よって、アナログスイッチSW1をオン状態とし、かつ、アナログスイッチSW2をオフ状態とした圧電素子201については、圧電素子201の変位量の変化幅が不足して、その加圧液室内にノズル孔からインクを吐出できる程度の圧力変化を生じさせることができず、当該ノズル孔からはインクが吐出されない。
一方、第2バイアス電圧Vb2は、圧電素子201の変位量の変化幅(D1−D3)がノズル孔からインクを吐出するのに十分な変化幅となるように設定されている。よって、アナログスイッチSW1をオフ状態とし、かつ、アナログスイッチSW2をオン状態とした圧電素子201については、その加圧液室内にノズル孔からインクを吐出できる程度の圧力変化を生じさせることができ、当該ノズル孔からインクを吐出することができる。
図6は、インクを吐出していないノズル孔から次のインク吐出期間にインクを吐出させるように切り替えるときのバイアス電圧切り替えタイミングを示すグラフである。
予め決められたインク吐出タイミングが到来するたびに、インク吐出期間Fにおいて、当該タイミング時にインクを吐出させるノズル孔に対応した駆動対象の圧電素子201には第2バイアス電圧Vb2を印加し、当該タイミング時にインクを吐出させないノズル孔に対応した非駆動対象の圧電素子201には第1バイアス電圧Vb1を印加するように、アナログスイッチSW1,SW2をオン/オフ制御する。インク吐出期間Fが終了し、次のインク吐出期間Fになるまでの間には、波形電圧の電圧値が変動しない非インク吐出期間が存在する。本実施形態におけるバイアス電圧の切り替えは、この非インク吐出期間内に行われる。これにより、バイアス電圧の切り替えによるインク吐出特性への影響を小さく抑えることができる。
本実施形態においては、非駆動用の電圧である第1バイアス電圧Vb1が、加圧液室内にノズル孔からインクを吐出させることができない程度の圧力変化しか生じない電圧値に設定されているが、このような電圧値が取り得る範囲内であっても、できる限り駆動用の固定電圧である第2バイアス電圧Vb2の電圧値に近い値に設定されている。このような設定により、バイアス電圧の切り替え時における圧電素子201の端子間電圧の変動を抑制できる。非インク吐出期間内にバイアス電圧を切り替える場合でも、その切り替え時における圧電素子201の端子間電圧の変動は、次のインク吐出期間Fのときの加圧液室内の圧力変化に影響を及ぼすことがある。この影響は、バイアス電圧の切り替え時における圧電素子201の端子間電圧の変動が大きいほど大きなものとなるので、上述した設定により、次のインク吐出期間Fのときの加圧液室内の圧力変化に及ぼす影響を小さく抑えることができる。その結果、次のインク吐出期間Fのときにインクを吐出する場合にはそのインク吐出特性が変化することを抑制でき、また、次のインク吐出期間Fのときにインクを吐出しない場合にはノズル孔からインクが漏れ出てしまう等の不具合を抑制できる。なお、このような第1バイアス電圧Vb1の設定値は、予め実験等により決定することができる。
〔変形例〕
次に、本実施形態における液滴吐出ヘッドの駆動回路の一変形例について説明する。
図7は、本変形例における駆動回路の一例を示す模式図である。
本実施形態では、非駆動用の電圧である第1バイアス電圧Vb1ができる限り駆動用の固定電圧である第2バイアス電圧Vb2の電圧値に近い値に設定されているが、この場合でも、次のインク吐出期間Fのときの加圧液室内の圧力変化に及ぼす影響を十分に抑制できない場合もある。
そこで、本変形例では、図7に示すように、第2バイアス電圧電源205と各圧電素子201の固定電圧電極との間を、互いに並列接続された2つのアナログスイッチSW2−1,SW2−2によって接続している。そして、本変形例のバイアス電圧選択制御回路206は、圧電素子201の固定電圧電極に印加する固定電圧を非駆動用の第1バイアス電圧Vb1から駆動用の第2バイアス電圧Vb2へ切り替えるとき、アナログスイッチSW1−1,SW1−2をいずれもオフの状態とした上で、最初はアナログスイッチSW2−1をオン状態にし、圧電素子端子間電圧が安定したら続いてアナログスイッチSW2−2をオンにする。
ここで、第2バイアス電圧Vb2を印加するための2つのアナログスイッチSW2−1,SW2−2の両方をオン状態にしたときの合成抵抗は、図3に示した駆動回路における1つのアナログスイッチSW2のオン状態時の抵抗と同等になるように設定されている。そして、本変形例においてアナログスイッチSW2−1のみをオン状態にしたときには、図3に示した駆動回路における1つのアナログスイッチSW2のオン状態時の抵抗よりも大きくなる。このような構成により、インク吐出期間におけるアナログスイッチのオン状態での抵抗値は、図3に示した駆動回路における1つのアナログスイッチSW2のオン状態時の抵抗値と同等のまま、バイアス電圧の切り替えの際における圧電素子201の充電時の時定数を延ばして、図8中符号Eに示すように、圧電素子電極間電圧をなだらかに変化させることができる。これにより、非インク吐出期間Gでのバイアス電圧切り替え時に加圧液室内の急激な圧力変化が抑制され、次のインク吐出期間Fのときの加圧液室内の圧力変化に及ぼす影響が抑制される結果、所望のインク吐出特性でインクを吐出することができる。
また、本変形例では、図7に示すように、第1バイアス電圧電源204と各圧電素子201の固定電圧電極との間についても、互いに並列接続された2つのアナログスイッチSW1−1,SW1−2によって接続している。また、本変形例のバイアス電圧選択制御回路206は、圧電素子201の固定電圧電極に印加する固定電圧を駆動用の第2バイアス電圧Vb2から駆動用の第1バイアス電圧Vb1へ切り替えるとき、アナログスイッチSW2−1,SW2−2をいずれもオフの状態とした上で、最初はアナログスイッチSW1−1をオン状態にし、圧電素子端子間電圧が安定したら続いてアナログスイッチSW1−2をオンにする。このときも、非インク吐出期間Gでのバイアス電圧切り替え時に加圧液室内の急激な圧力変化が抑制され、次のインク吐出期間Fのときの加圧液室内の圧力変化に及ぼす影響を抑制される結果、ノズル孔からインクを漏れ出る等の不具合を抑制できる。
本変形例における2つのアナログスイッチSW1−1,SW1−2の合成抵抗も、2つのアナログスイッチSW2−1,SW2−2の合成抵抗も、図3に示した駆動回路における1つのアナログスイッチSW1,SW2の抵抗と同等であるため、集積化した場合のチップ面積の増加はない。
なお、本実施形態においては、駆動波形生成回路202がすべての圧電素子201の駆動電圧電極に常時接続された構成であるが、一部の圧電素子201については従来の駆動回路のようにアナログスイッチSW3を介して接続し、アナログスイッチSW3のオン/オフ制御によって波形電圧を選択的に印加するように構成してもよい。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
インク滴等の液滴を吐出する複数のノズル孔と、各ノズル孔が連通する複数の加圧液室と、駆動電圧信号が印加されることで、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせる圧電素子201等の複数の圧電変換部材と、液滴を吐出させるノズル孔に対応した駆動対象の圧電変換部材に対し、当該圧電変換部材における第1電極(駆動電圧電極)に所定の駆動波形をもつ波形電圧を供給するとともに、当該圧電変換部材における第2電極(固定電圧電極)に一定の電圧値である第2バイアス電圧Vb2等の駆動用の固定電圧を供給することで、当該駆動対象の圧電変換部材に前記駆動電圧信号を印加する駆動波形生成回路202、第2バイアス電圧電源205、アナログスイッチSW2,SW2−1,SW2−2等の駆動電圧信号印加手段とを有する液滴吐出装置において、前記駆動電圧信号印加手段は、液滴を吐出させないノズル孔に対応した非駆動対象の圧電変換部材のうちの少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に対し、前記第1電極に前記波形電圧を供給するとともに、前記第2電極には、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせない第1バイアス電圧Vb1等の非駆動用の電圧を供給することで、当該少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に非駆動電圧信号を印加することを特徴とする。
本態様によれば、液滴を吐出させないノズル孔に対応した非駆動対象の圧電変換部材のうちの少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材にも波形電圧が供給される。よって、駆動電圧信号印加手段からの波形電圧を伝送する波形電圧伝送部材を流れる電流量が駆動対象の圧電変換部材の数の違いによって変動する範囲を、非駆動対象の圧電変換部材のいずれにも波形電圧を供給しない場合よりも、狭くすることができる。その結果、波形電圧伝送部材によって伝送される波形電圧の電圧値変化によって生じる電流変化率(di/dt)の変動範囲も狭くすることができる。したがって、駆動対象の圧電変換部材の数に応じた波形電圧の歪みの違いが小さくなるので、駆動対象の圧電変換部材の数の違いによる液滴吐出特性の変化を抑制できる。
(態様B)
前記態様Aにおいて、前記非駆動用の電圧は、前記駆動用の固定電圧とは電圧値が異なる固定電圧であることを特徴とする。
本態様によれば、比較的簡易な構成で、当該少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材の他方の電極に対して非駆動用の電圧を供給することができる。
(態様C)
前記態様Bにおいて、前記駆動電圧信号印加手段は、液滴吐出タイミングの間の非インク吐出期間G等の非液滴吐出期間に、前記圧電変換部材の前記第2電極に印加される電圧を当該非駆動用の固定電圧から前記駆動用の固定電圧へ切り替えを行うものであり、前記非駆動用の固定電圧は、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせない電圧範囲内で前記駆動用の固定電圧に近い値に設定されていることを特徴とする。
本態様によれば、非駆動用の固定電圧から駆動用の固定電圧へ切り替えを行ったときの電圧変化が次回の液滴吐出タイミングに吐出される液滴の吐出特性に与える影響を抑制することができる。
(態様D)
前記態様A〜Cのいずれかの態様において、前記駆動電圧信号印加手段は、前記駆動用の固定電圧を発生させる第2バイアス電圧電源205等の駆動用電圧源と前記非駆動用の電圧を発生させる第1バイアス電圧電源204等の非駆動用電圧源を、前記複数の圧電変換部材それぞれの第2電極に対してアナログスイッチSW1,SW2,SW1−1,SW1−2,SW2−1,SW2−2等のスイッチング素子を介して接続し、各スイッチング素子を制御して、前記駆動対象の圧電変換部材には該駆動用電圧源からの駆動用の固定電圧を供給し、前記少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材には該非駆動用電圧源からの非駆動用の電圧を供給することを特徴とする。
本態様によれば、圧電変換部材の第2電極に印加する電圧の切り替えを簡易な構成で実現することができる。
(態様E)
前記態様Dにおいて、前記駆動電圧信号印加手段は、前記駆動用電圧源と前記複数の圧電変換部材それぞれの第2電極との間を、互いに並列接続されたアナログスイッチSW2−1,SW2−2等の複数のスイッチング素子によって接続し、前記圧電変換部材の前記第2電極に印加される電圧を前記非駆動用の電圧から前記駆動用の固定電圧へ切り替えるときは、当該圧電変換部材における該複数のスイッチング素子を順次オンにすることを特徴とする。
本態様によれば、非駆動用の固定電圧から駆動用の固定電圧へ切り替えを行ったときの電圧変化が次回の液滴吐出タイミングに吐出される液滴の吐出特性に与える影響を抑制することができる。
(態様F)
液滴吐出装置から記録材へ液滴を吐出することで、該記録材に画像を形成するインクジェット記録装置100等の画像形成装置において、前記液滴吐出装置として、前記態様A〜Eのいずれかの態様に係る液滴吐出装置を用いることを特徴とする。
本態様によれば、発生する波形歪みの違いが狭くなるので、その歪みがなくなるように予め歪ませた波形電圧を駆動波形生成回路202に生成させるといった対応や、その歪みが生じる波形電圧によるインク吐出特性を前提として所望の画像品質を得るための対応などによって、高い画像品質を安定して得ることが可能となる。
(態様G)
液滴を吐出する複数のノズル孔と、各ノズル孔が連通する複数の加圧液室と、駆動電圧信号が印加されることで、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせる複数の圧電変換部材と、液滴を吐出させるノズル孔に対応した駆動対象の圧電変換部材に対し、当該圧電変換部材における第1電極に所定の駆動波形をもつ波形電圧を供給するとともに、当該圧電変換部材における第2電極に一定の電圧値である駆動用の固定電圧を供給することで、当該駆動対象の圧電変換部材に前記駆動電圧信号を印加する駆動電圧信号印加手段とを有する液滴吐出装置の駆動制御方法において、液滴を吐出させないノズル孔に対応した非駆動対象の圧電変換部材のうちの少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に対し、前記第1電極に前記波形電圧を供給するとともに、前記第2電極には、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせない非駆動用の電圧を供給することで、当該少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に非駆動電圧信号を印加することを特徴とする。
本態様によれば、駆動対象の圧電変換部材の数に応じた波形電圧の歪みの違いが小さくなるので、駆動対象の圧電変換部材の数の違いによる液滴吐出特性の変化を抑制できる。
1 液滴吐出ヘッド
30 記録材
100 インクジェット記録装置
101 キャリッジ
201 圧電素子
202 駆動波形生成回路
203 波形選択制御回路
204 第1バイアス電圧電源
205 第2バイアス電圧電源
206 バイアス電圧選択制御回路
207 バイアス電圧電源
特開2010−30182号公報

Claims (7)

  1. 液滴を吐出する複数のノズル孔と、
    各ノズル孔が連通する複数の加圧液室と、
    駆動電圧信号が印加されることで、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせる複数の圧電変換部材と、
    液滴を吐出させるノズル孔に対応した駆動対象の圧電変換部材に対し、当該圧電変換部材における第1電極に所定の駆動波形をもつ波形電圧を供給するとともに、第2電極に一定の電圧値である駆動用の固定電圧を供給することで、当該駆動対象の圧電変換部材に前記駆動電圧信号を印加する駆動電圧信号印加手段とを有する液滴吐出装置において、
    前記駆動電圧信号印加手段は、液滴を吐出させないノズル孔に対応した非駆動対象の圧電変換部材のうちの少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に対し、前記第1電極に前記波形電圧を供給するとともに、前記第2電極には、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせない非駆動用の電圧を供給することで、当該少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に非駆動電圧信号を印加するものであり、
    前記非駆動用の電圧は、前記駆動用の固定電圧とは電圧値が異なる固定電圧であることを特徴とする液滴吐出装置
  2. 求項に記載の液滴吐出装置において、
    前記駆動電圧信号印加手段は、前記駆動用の固定電圧を発生させる駆動用電圧源と前記非駆動用の電圧を発生させる非駆動用電圧源を、前記複数の圧電変換部材それぞれの第2電極に対してスイッチング素子を介して接続し、各スイッチング素子を制御して、前記駆動対象の圧電変換部材には該駆動用電圧源からの駆動用の固定電圧を供給し、前記少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材には該非駆動用電圧源からの非駆動用の電圧を供給することを特徴とする液滴吐出装置。
  3. 請求項の液滴吐出装置において、
    前記駆動電圧信号印加手段は、前記駆動用電圧源と前記複数の圧電変換部材それぞれの第2電極との間を、互いに並列接続された複数のスイッチング素子によって接続し、前記圧電変換部材の前記第2電極に印加される電圧を前記非駆動用の電圧から前記駆動用の固定電圧へ切り替えるときは、当該圧電変換部材における該複数のスイッチング素子を順次オンにすることを特徴とする液滴吐出装置。
  4. 液滴を吐出する複数のノズル孔と、
    各ノズル孔が連通する複数の加圧液室と、
    駆動電圧信号が印加されることで、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせる複数の圧電変換部材と、
    液滴を吐出させるノズル孔に対応した駆動対象の圧電変換部材に対し、当該圧電変換部材における第1電極に所定の駆動波形をもつ波形電圧を供給するとともに、第2電極に一定の電圧値である駆動用の固定電圧を供給することで、当該駆動対象の圧電変換部材に前記駆動電圧信号を印加する駆動電圧信号印加手段とを有する液滴吐出装置において、
    前記駆動電圧信号印加手段は、液滴を吐出させないノズル孔に対応した非駆動対象の圧電変換部材のうちの少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に対し、前記第1電極に前記波形電圧を供給するとともに、前記第2電極には、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせない非駆動用の電圧を供給することで、当該少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に非駆動電圧信号を印加するものであり、
    更に、前記駆動電圧信号印加手段は、前記駆動用の固定電圧を発生させる駆動用電圧源と前記非駆動用の電圧を発生させる非駆動用電圧源と、前記複数の圧電変換部材それぞれの第2電極との間を、互いに並列接続された複数のスイッチング素子によって接続し、各スイッチング素子を制御して、前記駆動対象の圧電変換部材には該駆動用電圧源からの駆動用の固定電圧を供給し、前記少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材には該非駆動用電圧源からの非駆動用の電圧を供給し、前記圧電変換部材の前記第2電極に印加される電圧を前記非駆動用の電圧から前記駆動用の固定電圧へ切り替えるときは、当該圧電変換部材における該複数のスイッチング素子を順次オンにすることを特徴とする液滴吐出装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液滴吐出装置において、
    前記駆動電圧信号印加手段は、液滴吐出タイミングの間の非液滴吐出期間に、前記圧電変換部材の前記第2電極に印加される電圧を当該非駆動用の固定電圧から前記駆動用の固定電圧へ切り替えを行うものであり、
    前記非駆動用の固定電圧は、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせない電圧範囲内で前記駆動用の固定電圧に近い値に設定されていることを特徴とする液滴吐出装置。
  6. 液滴吐出装置から記録材へ液滴を吐出することで、該記録材に画像を形成する画像形成装置において、
    前記液滴吐出装置として、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の液滴吐出装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  7. 液滴を吐出する複数のノズル孔と、各ノズル孔が連通する複数の加圧液室と、駆動電圧信号が印加されることで、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせる複数の圧電変換部材と、液滴を吐出させるノズル孔に対応した駆動対象の圧電変換部材に対し、当該圧電変換部材における第1電極に所定の駆動波形をもつ波形電圧を供給するとともに、当該圧電変換部材における第2電極に一定の電圧値である駆動用の固定電圧を供給することで、当該駆動対象の圧電変換部材に前記駆動電圧信号を印加する駆動電圧信号印加手段とを有する液滴吐出装置の駆動制御方法において、
    液滴を吐出させないノズル孔に対応した非駆動対象の圧電変換部材のうちの少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に対し、前記第1電極に前記波形電圧を供給するとともに、前記第2電極には、対応する加圧液室内にノズル孔から液滴を吐出させる圧力変化を生じさせない非駆動用の電圧を供給することで、当該少なくとも1つの非駆動対象の圧電変換部材に非駆動電圧信号を印加し、
    前記非駆動用の電圧として、前記駆動用の固定電圧とは電圧値が異なる固定電圧を用いることを特徴とする液滴吐出装置の駆動制御方法。
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