JP2010105299A - 液体吐出装置、及び、液体吐出ヘッド - Google Patents

液体吐出装置、及び、液体吐出ヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】液体の吐出時のクロストークを防止して、液体吐出特性を一定に揃えることが可能な液体吐出装置、及び、液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】上電極膜16に定電圧を印加する定電圧供給源29と、下電極膜14に駆動電圧を印加する駆動電圧供給源30と、定電圧供給源と上電極膜16との間に配設されたスイッチ31と、カソード側がスイッチと上電極膜との間に接続されると共にアノード側が接地線に接続された第2のダイオード34と、を備え、ノズルからインクを吐出する場合、スイッチをオンに切り替えて上電極膜に対して定電圧を印加すると共に下電極膜に対して駆動電圧を印加し、ノズルからインクを吐出しない場合、スイッチをオフに切り替えて上電極膜に対する定電圧の印加を遮断する一方、下電極膜に対する駆動電圧の印加を継続する。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、インクジェット式記録ヘッド等の液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置、及び、液体吐出ヘッドに関し、特に、隣接するノズル間のクロストークを防止することが可能な液体吐出装置、及び、液体吐出ヘッドに関する。
液体吐出装置は液体を液滴として吐出可能な液体吐出ヘッドを備え、この液体吐出ヘッドから各種の液体を吐出する装置である。この液体吐出装置の代表的なものとして、例えば、インクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドから液体状のインクを吐出させて記録を行うインクジェット式記録装置(プリンタ)等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、ディスプレー製造装置などの各種の製造装置にも応用されている。
液体吐出ヘッドにおいて液体を吐出するための駆動源、即ち、ヘッド流路内の液体に圧力変動を生じさせるための圧力発生手段として用いられることがある圧電素子は、圧電材料からなる圧電体膜を電極で挟んで成る素子である(例えば、特許文献1参照)。具体的には、この圧電素子は、下電極膜と、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層(圧電体膜の積層構造)と、上電極膜とが、成膜技術によりそれぞれ一定の膜厚で積層形成され、リソグラフィー及びエッチングによるパターニングによって圧力発生室毎に切り分けられて構成される。
特開2008−149636号公報
ところで、上記記録ヘッドでは、記録画像の画質向上に対応するべく、複数のノズルを高密度に配設している。これにより、各ノズルに連通している圧力発生室も高い密度で形成されており、その結果、隣り合う圧力発生室同士を区画する隔壁は非常に薄くなっている。そのため、例えば、あるノズルからインクを吐出する際に、圧電素子の作動による圧力発生室内のインクの圧力変動に伴って、隔壁が撓む虞がある。この点に関し、吐出ノズルの両隣に位置するノズルでも同じタイミングで吐出が行われれば、両隣の圧力発生室の内圧が同時に高まるので、隔壁の撓みは抑えることができる。しかしながら、何れか一方でインクの吐出が行われない場合では、この休止ノズルとの間の隔壁が撓む虞がある。これにより、圧力損失が発生し、インクの飛翔速度の低下やインク量の減少等、インクの吐出特性が変化する虞がある。
このように、吐出ノズルにおいて、この吐出ノズルに隣接するノズルが共に駆動される場合と、一方が駆動される場合とで、圧力発生室内に発生する圧力変動の状態が異なり、これにより吐出特性が変動する、所謂クロストークが発生する問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体の吐出時のクロストークを抑制することが可能な液体吐出装置、及び、液体吐出ヘッドを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、第1の電極、圧電体層、第2の電極の順で積層された圧電部の駆動により圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせ、この圧力変動によってノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置であって、
前記第1の電極を第1電位に維持する定電圧を印加する定電圧供給源と、
前記第2の電極に駆動電圧を印加する駆動電圧供給源と、
前記定電圧供給源と前記第1の電極との間に配設されたスイッチと、
カソード側が前記スイッチと前記第1の電極との間に接続されると共にアノード側が第2電位に維持された保護ダイオードと、
を備え、
前記ノズルから液体を吐出する場合、前記スイッチがオンである状態で前記第1の電極に対して定電圧を印加すると共に前記第2の電極に対して駆動電圧を印加し、
前記ノズルから液体を吐出しない場合、前記スイッチがオフである状態で前記第1の電極に対する定電圧の印加を遮断する一方、前記第2の電極に対する駆動電圧の印加を継続することを特徴とする。
また、上記構成において、前記駆動電圧が、前記スイッチを切り替える時の電位である基準電位よりも電位が下降する電位下降要素を少なくとも含み、
前記第1電位が、第2電位より高く且つ前記基準電位より低い構成を採用することが望ましい。
さらに、前記保護ダイオードが、前記第1の電極の電位が0Vよりも下回る場合に、前記第1の電極側に電流を流す構成を採用することが望ましい。
上記構成によれば、ノズルから液体を吐出しない場合、対応する圧電素子にはダイオードを通して電気が流れ、微小パルスが印加され、当該休止ノズルの圧力発生室内には液体が吐出されない程度の圧力変動が生じる。これにより、吐出ノズルの圧電素子だけでなく休止ノズルに対応する圧電素子も作動することで、隣接するノズル間で圧力発生室の隔壁が引き合う状態となる。これにより、隔壁の変形が抑制されて圧力損失を低減させることができる。その結果、液体の飛翔速度の低下や液体量の減少等の吐出特性の変動を抑制してクロストークを防止することが可能となる。
また、本発明は、第1の電極、圧電体層、及び、第2の電極の順で積層された圧電部の駆動により圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせ、この圧力変動によってノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置であって、
液体を吐出する前記ノズルに対応する圧電部の第1の電極と第2の電極との間に、第1の駆動波形の電位差を与え、
液体を吐出しない前記ノズルに対応する圧電部の第1の電極と第2の電極との間に、第2の駆動波形の電位差を与え、
前記第2の駆動波形は前記ノズルから液体を吐出しない波形であり、前記第1の駆動波形が与えられている時間と少なくとも一部が重なる時間に与えられることを特徴とする。
さらに、本発明は、第1の電極、圧電体層、及び、第2の電極の順で積層された圧電部の駆動により圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせ、この圧力変動によってノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドであって、
前記第1の電極は第1の定電圧供給源に電気的に接続され、前記第2の電極は駆動電圧供給源に電気的に接続され、
前記定電圧供給源と前記第1の電極との間に配設されたスイッチと、
カソード側が前記スイッチと前記第1の電極との間に接続されると共にアノード側は第2の定電圧供給源に電気的に接続された保護ダイオードと、を備えることを特徴とする。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下の説明は、本発明の液体吐出ヘッドとして、インクジェット式プリンタ(本発明の液体吐出装置の一種)に搭載されるインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を例に挙げて行う。
図1は、本実施形態の記録ヘッド1の構成を示す分解斜視図である。また、図2(a)は記録ヘッド1の平面図、図2(b)は(a)におけるA−A′線断面図、図2(c)は圧力発生室9の幅方向(圧電素子短尺方向)の要部断面図である。本実施形態における記録ヘッド1は、流路形成基板2、ノズルプレート3、弾性体膜4、絶縁体膜5、圧電素子6(本発明における圧電部の一種)、及び、保護基板7等を積層して構成されている。
流路形成基板2は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、この流路形成基板2には、複数の圧力発生室9がその幅方向に並設されている。また、流路形成基板2の圧力発生室9の長手方向外側の領域には連通部10が形成され、連通部10と各圧力発生室9とが、各圧力発生室9毎に設けられたインク供給路11を介して連通されている。なお、連通部10は、後述する保護基板7のリザーバ部20と連通して各圧力発生室9の共通のインク室となるリザーバ21の一部を構成する。インク供給路11は、圧力発生室9よりも狭い幅で形成されており、連通部10から圧力発生室9に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
流路形成基板2の開口面側には、各圧力発生室9のインク供給路11とは反対側の端部に連通するノズル12が開設されたノズルプレート3が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。一方、流路形成基板2の開口面とは反対側には、例えば二酸化シリコン(SiO)からなる弾性膜4が形成され、この弾性膜4上には、酸化ジルコニウム(ZrO)からなる絶縁体膜5が形成されている。また、この絶縁体膜5上には、下電極膜14(本発明における第2の電極に相当)と、圧電体層15と、上電極膜16(本発明における第1の電極に相当)とが形成され、これらが積層状態で圧電素子6(薄膜圧電素子)を構成している。ここで、圧電素子6は、下電極膜14、圧電体層15、及び上電極膜16を含む部分をいう。一般的には、圧電素子6の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層15を圧力発生室9毎にパターニングして構成する。そして、パターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層15から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜14は圧電素子6の共通電極とし、上電極膜16を圧電素子6の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合によってこれを逆にする構成とすることもできる。何れの場合においても、圧力発生室9毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、このような各圧電素子6の上電極膜16には、例えば、金(Au)等からなるリード電極17がそれぞれ接続されている。
流路形成基板2上の圧電素子6側の面には、圧電素子6に対向する領域にその変位を阻害しない程度の大きさの空間となる圧電素子保持部19を有する保護基板7が接合されている。圧電素子6は、この圧電素子保持部19内に収容されるため、外部環境の影響を殆ど受けない状態で保護されている。さらに、保護基板7には、流路形成基板2の連通部10に対応する領域にリザーバ部20が設けられている。このリザーバ部20は、保護基板7を厚さ方向に貫通して圧力発生室9の並設方向に沿って設けられており、上述したように流路形成基板2の連通部10と連通されて各圧力発生室9の共通のインク室となるリザーバ21を構成している。
また、保護基板7の圧電素子保持部19とリザーバ部20との間の領域には、保護基板7を厚さ方向に貫通する貫通孔22が設けられ、この貫通孔22内に下電極膜14の一部及びリード電極17の先端部が露出されている。そして、リード電極17には、プリンタ本体側の定電圧供給源(バイアス電圧供給源)29からの定電圧(バイアス電圧)が印加され、また、下電極膜14には、プリンタ本体側の駆動電圧供給源30からの駆動電圧が印加される(何れも、図3を参照しながら後述する)。保護基板7上には、封止膜23及び固定板24とからなるコンプライアンス基板25が接合されている。封止膜23は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、ポリフェニレンサルファイドフィルム)からなり、この封止膜23によってリザーバ部20の一方面が封止されている。また、固定板24は、金属等の硬質の材料(例えば、ステンレス鋼等)で形成される。この固定板24のリザーバ21に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部26となっているため、リザーバ21の一方面は可撓性を有する封止膜23のみで封止されている。
上記構成の記録ヘッド1では、インク供給手段からインクを取り込み、リザーバ21からノズル12に至るまで内部をインクで満たした後、プリンタ本体側からの駆動電圧及び定電圧の供給により、圧力発生室9に対応するそれぞれの下電極膜14と上電極膜16との間に吐出パルスを印加し、弾性膜4、絶縁体膜5、下電極膜14及び圧電体層15を撓み変形させることにより圧力発生室9内の圧力が高まり、この圧力変動を制御することで、ノズル12からインクが吐出(噴射)される。
図3は、プリンタの圧電体周りの電気的な構成を説明する簡易回路図である。
同図に示すように、定電圧供給源29と、駆動電圧供給源30と、スイッチ31と、保護回路32と、圧電素子6とから回路が概略構成されている。定電圧供給源29は、スイッチ31を介して圧電素子6の上電極膜16に接続され、当該上電極膜16に対して定電圧(直流電圧)を供給する。スイッチ31は、図示しない制御部によって制御され、定電圧供給源29からの定電圧の印加状態(オン)・非印加状態(オフ)を切り替えるように構成されている。駆動電圧供給源30は、圧電素子6の下電極膜14に接続され、当該上電極膜16に対して圧電素子6を撓み駆動させるための駆動電圧(後述)を印加する。保護回路32は、第2のダイオード34(本発明における保護ダイオードに相当)と第1のダイオード33とから構成されている。第1のダイオード33のアノード側は、スイッチ31と上電極膜16との間に接続され、カソード側は例えば42Vの直流電源に接続されている。そして、この第1のダイオード33は、正の過大入力(サージ)から圧電素子6を含む回路を保護するに構成されている。また、第2のダイオード34のカソード側は、スイッチ31と上電極膜16との間に接続される一方、アノード側は接地線に接続されて接地電位(第2電位)に維持されている。そして、この第2のダイオード34は、負の過大入力から圧電素子6を含む回路を保護する。なお、例示した構成において、上電極膜16と下電極膜14を逆にしても良い。つまり、上電極膜16を本発明における第2の電極、下電極膜14を本発明における第1の電極とすることもできる。
ここで、従来では、上記回路において駆動電圧供給源30と定電圧供給源29とが逆である構成、つまり、駆動電圧供給源30からの駆動電圧がスイッチ31を介して上電極膜16(又は下電極膜14)に印加され、定電圧供給源29からの定電圧が下電極膜14(又は上電極膜16)に印加される構成が一般的であった。したがって、スイッチ31によって圧電素子5に対する駆動電圧の印加・非印加を切り替えることにより、圧電素子6の駆動が制御されていた。これに対し、本発明に係るプリンタ及び記録ヘッド1では、スイッチ31によって圧電素子6に対する定電圧の印加・非印加を切り替えることで、圧電素子5の駆動が制御される。以下、この点について説明する。
図4は、本実施形態において圧電素子6に印加される駆動電圧等の波形を示す波形図である。同図において、波形Aは駆動電圧供給源30が発生する駆動電圧の電圧波形、波形Bは第2のダイオード34のカソード側における電位の変化を示す波形、波形Cは圧電素子6(圧電体層15)に印加される電圧波形、即ち、下電極膜14の電位と上電極膜16の電位との差から成る電圧波形である。また、波形Dは定電圧供給源29が発生する電圧波形であり、波形Eは、スイッチ31の制御電圧である。なお、スイッチ31は、制御電圧がHの場合にオン、つまり、上電極膜16に対して定電圧供給源29からの定電圧を印加する状態に切り替わり、制御電圧がLの場合にオフ、つまり、上電極膜16に対する定電圧の印加を遮断する状態に切り替わる。
そして、この制御電圧は、印刷データにおいてインクを吐出すべきノズルに対応する圧電素子6に対してはHとなり、印刷データにおいてインクを吐出すべきではないノズルに対応する圧電素子6に対してはLとなるように制御されている。
本実施形態において、定電圧供給源29が発生する定電圧は、例えば4.5Vの直流電圧であり、スイッチ31がオン(H)の状態で上電極膜16の電位を一定に(本発明における第1電位に)維持する。この定電圧(又は第1電位)は、0V(第2電位)以上で、なお且つ、駆動電圧供給源30が発生する駆動電圧の基準電位Vbよりも低く設定される。一方、駆動電圧供給源30が発生する駆動電圧は、例えば4.5V〜25Vの間で変化するパルス電圧となっている。そして、スイッチ31がオン(H)の状態では、定電圧供給源29が発生する定電圧が上電極膜16に印加されると共に、駆動電圧供給源30が発生する駆動電圧が下電極膜14に印加されることにより、圧電素子6には吐出パルスP(第1の駆動波形の一種)が印加される。この吐出パルスPは、スイッチ31が切り替わるタイミングにおける電位である基準電位(中間電位)Vmから最低電位VLまで比較的緩やかな勾配で電位を降下させる電位下降要素p1と、最低電位VLを所定時間保持する第1電位ホールド要素p2と、最低電位VLから最高電位VHまで急勾配で電位を上昇させる電位上昇要素p3と、最高電位VHを所定時間保持する第2電位ホールド要素p4と、最高電位VHから基準電位Vmまで電位を下降させる復帰要素p5とを含んで構成されている。
電位下降要素p1が圧電素子6に供給されると、圧電素子6が圧力発生室9とは反対側に撓んで弾性膜4を変形させることにより圧力発生室9が比較的緩やかに膨張し圧力発生室9が減圧される。続いて、第1ホールド要素p2が供給されることで圧力発生室9の膨張状態が維持される。その後、電位上昇要素p3が供給されて圧電素子6が圧力発生室9側に撓み、圧力発生室9がごく短時間で収縮し、この収縮状態が第2ホールド要素p4の供給期間に亘って維持される。そして、電位上昇要素p3の供給により、圧力発生室9内のインクが急激に加圧されてノズル12からインクが吐出される。その後、第2ホールド要素p4の後に続いて復帰要素p5が供給されて圧力発生室9が緩やかに膨張され、インクが吐出された後のノズル12のメニスカスの振動を収束させる。
次に、スイッチ31が復帰要素p5の後にオフ(L)に切り替わった場合、上電極膜16に対する定電圧の供給が遮断される一方、下電極膜14に対する駆動電圧の印加は継続される。この際、図4に示すように、第2のダイオード34のカソード側における電位は、駆動電圧との電位差PDを保ちつつ、この駆動電圧の電位変化に伴って変化しようとする。しかしながら、時点t1から時点t2までの僅かな期間Δtでは、第2のダイオード34のカソード側における電位は0Vよりも下回ることなく0Vで一定となる。これは、この期間Δtでは、第2のダイオード34のカソード側における電位がマイナス側に変化しようとすると、図3のIaのように、保護ダイオードとしての第2のダイオード34に電流Iaが流れ、上電極膜16の電位を0Vで維持しようとするためである。
そして、第2のダイオード34のカソード側における電位が0Vで維持された状態で駆動電圧の電位が変化するため、この期間Δtだけ、図4に示すように、圧電素子6には下電極膜14の電位の変化に応じたパルス状の電圧(微小パルスVP:第2の駆動波形の一種)が生じる。この微小パルスVPは、電位降下要素p6と電位ホールド要素p7と電位上昇要素p8とからなる逆台形状の電圧波形となる。即ち、インクを吐出するノズル12(吐出ノズル)の圧電素子6への吐出パルスPの印加タイミングで、インクを吐出しないノズル12(休止ノズル)の圧電素子6に対しても微小パルスVPが印加される。この微小パルスVPが休止ノズルの圧電素子6に印加されることにより、圧電素子6が撓み駆動し、これに伴って、圧力発生室9が比較的緩やかに膨張・収縮することで圧力発生室9内のインクには圧力変動が生じる。微小パルスVPの駆動電圧(最大電位から最小電位までの電位差)は、吐出パルスPの駆動電圧に比べて十分に小さいため、このときの圧力変動では休止ノズルからインクは吐出されない。
なお、この微小パルスVPの駆動電圧は、定電圧供給源29が発生する定電圧を調整することによって変化させることができる。例えば、図5に示すように、定電圧(波形D)を0Vに近づける程、つまり、駆動電圧の基準電位Vbとの電位差PDをより大きくする程、スイッチ31をオフに切り替えた状態における第2のダイオード34のカソード側における電位が0Vで維持される期間Δtが長くなるため、微小パルスVPの波形が大きくなる。逆に、定電圧(波形D)を駆動電圧(波形A)の基準電位Vbに近づける程、つまり、駆動電圧の基準電位Vbとの電位差PDをより小さくする程、スイッチ31をオフに切り替えた状態における第2のダイオード34のカソード側における電位が0Vで維持される期間Δtが短くなるため、微小パルスVPの波形が小さくなる。そして、図6に示すように、定電圧が駆動電圧の基準電位Vbに等しくなると駆動電圧が0Vを下回らない限り、スイッチ31をオフにした後においても第2のダイオード34のカソード側における電位は、0Vに至ることなく下電極膜14の電位変化に追従して変化するため、微小パルスVPが生じない。
図4において、圧電素子6に微小パルスVPが印加された後、時点t2を過ぎると、駆動電圧の上昇に伴って、第2のダイオード34のカソード側における電位も0Vからプラス側に上昇するが、期間Δtで回路に電流が流れた分だけ、駆動電圧との電位差PD´は、当初の電位差PDよりも小さくなる。第2のダイオード34のカソード側における電位が0Vを超えた後は、この電位差PD´を維持した状態で駆動電圧の電位変化に追従して変化しようとするため、図4における波形Cに示すように、圧電素子6に印加される電圧は一定となる。
このようにして、本発明に係るプリンタでは、圧電素子6に対する定電圧の印加・非印加をスイッチ31によって切り替えることでインクの吐出・非吐出を制御することにより、吐出が行われない休止ノズルに対応する圧電素子6には、吐出ノズルに対応する圧電素子6への吐出パルスPの供給タイミングに合わせて、微小パルスVPが印加される。これにより、休止ノズルに対応する圧電素子6が作動し、つまり、吐出ノズルの圧電素子6だけでなく休止ノズルに対応する圧電素子6も作動することで、隣接するノズル間で圧力発生室9の隔壁が引き合う状態となる。これにより、隔壁の変形が抑制されて圧力損失を低減させることができる。その結果、インクの飛翔速度の低下やインク量の減少等の吐出特性の変動を抑制してクロストークを防止することが可能となる。このため、吐出ノズルに隣接するノズルで同時にインクの吐出が行われる場合(吐出ノズルの隣に位置するノズルが吐出ノズルである場合)と、吐出ノズルに隣接するノズルで同時にインクの吐出が行われない場合(吐出ノズルの隣のノズルが休止ノズルである場合)とで、インクの吐出特性を一定に揃えることができる。
また、スイッチ31はインクの吐出・非吐出に関わらず、切換のタイミングにおいて、スイッチ31がオフとなる状態が連続するような場合にはオンを挟むようにすることが望ましい。上述したようにスイッチ31がオフで微小パルスVPが印加された場合、微小パルスVPの前後で圧電素子6の2つの電極の電位差が変化する。そのため、切換のタイミングにおいて必ずオンを経由して圧電素子6の2つの電極の電位差をもとに戻すようにしなければ、スイッチ31がオフの状態が連続したときに微小パルスVPが小さくなっていってしまう。
ただし、吐出ノズルに隣接する吐出しないノズルに微小パルスを印加するようにすれば良いので、隣接するノズルも吐出しない状態が続くと印刷データによって判断できる場合等では切換のタイミングにおいてオンを経由しないなどで、ノズルによっては微小パルスVPを印加しないようにしても良い。
ここで、図7は、上記回路において駆動電圧供給源30と定電圧供給源29とが逆である構成、つまり、駆動電圧供給源30からの駆動電圧がスイッチ31を介して上電極膜16に印加され、定電圧供給源29からの定電圧が下電極膜14に印加される従来構成を採用した場合の動作を説明する波形図である。同図に示すように、従来構成では、スイッチ31をオフ(非吐出)に切り替えると、上電極膜16に対する駆動電圧の印加が遮断される一方、下電極膜14に対する定電圧の印加が維持される状態となる。このため、電位差PD"が維持され、尚かつ、上電極膜16と下電極膜14とで電位変化が生じないため、圧電素子6に印加される電圧は一定となり、微小パルスVPは発生しない。
ところで、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
例えば、駆動波形の形状は、上記実施形態で例示したものには限られず、保護回路32が動作しない程度の範囲(上記例では、0V〜42Vの範囲)の電圧波形であり、尚かつ、基準電位Vbよりも電位が下降する電位下降要素を少なくとも有するものであれば、任意の形状の駆動波形を採用することができる。
また、定電圧に関しては、0V以上、基準電位Vb以下であって、スイッチオフの状態で第2のダイオード34のカソード側における電位が0Vとなる(第2のダイオード34を電流が通る)期間Δtが生じるような値であれば、任意の値に設定することができる。
なお、実際の電位の値は上述したものに限られず、本願発明の趣旨に反しない限り様々な値であっても構わない。例えば、全体的に電位を上下させて第2のダイオード34のアノード側を+10Vや−5Vにして、定電圧を14.5Vや−0.5Vの直流電圧としても良い。
また、上記実施形態では、薄膜圧電素子である圧電素子6を例示したが、これには限られず、他の構成の圧電素子にも適用することができる。
さらに、本発明は、複数の駆動信号を用いて吐出制御が可能な液体吐出装置であれば、プリンタに限らず、プロッタ、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジェット式記録装置や、記録装置以外の液体吐出装置、例えば、ディスプレー製造装置、電極製造装置、チップ製造装置等にも適用することができる。
記録ヘッドの分解斜視図である。 記録ヘッドの平面図及び断面図である。 プリンタの電気的な構成を説明する簡易回路図である。 回路の動作を説明する波形図である。 定電圧供給源が発生する定電圧を0Vに近づけた場合の動作を説明する波形図である。 定電圧供給源が発生する定電圧を駆動電圧の基準電位と等しくした場合の動作を説明する波形図である。 従来構成における回路の動作を説明する波形図である。
符号の説明
1…記録ヘッド,6…圧電素子,14…下電極膜,15…圧電体層,29…定電圧供給源,30…駆動電圧供給源,31…スイッチ,32…保護回路,33…第1のダイオード,34…第2のダイオード

Claims (4)

  1. 第1の電極、圧電体層、第2の電極の順で積層された圧電部の駆動により圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせ、この圧力変動によってノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置であって、
    前記第1の電極を第1電位に維持する定電圧を印加する定電圧供給源と、
    前記第2の電極に駆動電圧を印加する駆動電圧供給源と、
    前記定電圧供給源と前記第1の電極との間に配設されたスイッチと、
    カソード側が前記スイッチと前記第1の電極との間に接続されると共にアノード側が第2電位に維持された保護ダイオードと、
    を備え、
    前記ノズルから液体を吐出する場合、前記スイッチがオンである状態で前記第1の電極に対して定電圧を印加すると共に前記第2の電極に対して駆動電圧を印加し、
    前記ノズルから液体を吐出しない場合、前記スイッチがオフである状態で前記第1の電極に対する定電圧の印加を遮断する一方、前記第2の電極に対する駆動電圧の印加を継続することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記駆動電圧は、前記スイッチを切り替える時の電位である基準電位よりも電位が下降する電位下降要素を少なくとも含み、
    前記第1電位は、第2電位より高く且つ前記基準電位より低いことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 第1の電極、圧電体層、及び、第2の電極の順で積層された圧電部の駆動により圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせ、この圧力変動によってノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置であって、
    液体を吐出する前記ノズルに対応する圧電部の第1の電極と第2の電極との間に、第1の駆動波形の電位差を与え、
    液体を吐出しない前記ノズルに対応する圧電部の第1の電極と第2の電極との間に、第2の駆動波形の電位差を与え、
    前記第2の駆動波形は前記ノズルから液体を吐出しない波形であり、前記第1の駆動波形が与えられている時間と少なくとも一部が重なる時間に与えられることを特徴とする液体吐出装置。
  4. 第1の電極、圧電体層、及び、第2の電極の順で積層された圧電部の駆動により圧力発生室内の液体に圧力変動を生じさせ、この圧力変動によってノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドであって、
    前記第1の電極は第1の定電圧供給源に電気的に接続され、前記第2の電極は駆動電圧供給源に電気的に接続され、
    前記定電圧供給源と前記第1の電極との間に配設されたスイッチと、
    カソード側が前記スイッチと前記第1の電極との間に接続されると共にアノード側は第2の定電圧供給源に電気的に接続された保護ダイオードと、を備えることを特徴とする液体吐出ヘッド。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012051237A (ja) * 2010-09-01 2012-03-15 Ricoh Co Ltd 液滴吐出ヘッド、インクカートリッジ及び画像形成装置
JP2012143965A (ja) * 2011-01-12 2012-08-02 Seiko Epson Corp 液体噴射装置、および、その制御方法
JP2015116673A (ja) * 2013-12-17 2015-06-25 株式会社リコー 液滴吐出装置、画像形成装置及び液滴吐出装置の駆動制御方法
JP2016117182A (ja) * 2014-12-19 2016-06-30 セイコーエプソン株式会社 液体吐出装置及びヘッドユニット

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