JP2016117182A - 液体吐出装置及びヘッドユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電素子に駆動信号が入力される場合に、同圧電素子の保護を図りつつもノズルからの液体の吐出不良の発生を抑制することができる液体吐出装置及びヘッドユニットを提供する。【解決手段】プリンターは、駆動信号COMを出力する駆動信号出力回路52と、駆動信号COMが入力されることにより駆動する圧電素子40と、圧電素子40に対して電気的に並列に接続されている保護回路70とを備える。そして、圧電素子40の駆動によってインクがノズルから吐出される。保護回路70は、ツェナーダイオード71と、ツェナーダイオード71に対して電気的に直列に接続されている整流ダイオード72とを有する。【選択図】図3

Description

本発明は、圧電素子の駆動によって液体をノズルから吐出させる液体吐出装置、及び同液体吐出装置を構成するヘッドユニットに関する。
従来、圧電素子の駆動によって液体をノズルから吐出させる液体吐出装置として、例えば特許文献1に記載の装置が提案されている。こうした液体吐出装置には、同液体吐出装置の本体に固定されている制御回路と、複数の圧電素子を有するヘッドユニットとが設けられており、制御回路から出力された各種の信号は、フレキシブルフラットケーブルを通じてヘッドユニットに転送される。
例えば、制御回路は、駆動信号を生成して出力する駆動信号出力部を備えている。そして、この駆動信号出力部から出力された駆動信号が圧電素子に入力されることによって圧電素子が駆動し、液体の一例であるインクがノズルから吐出される。
なお、圧電素子は、第1の電極と第2の電極とを有しており、この2つの電極の電位差に応じた電流が流れて駆動するようになっている。そして、第1の電極の電位と第2の電極の電位との差分である電位差が大きくなりすぎると、圧電素子の動作不良や破損を招くおそれがある。
そこで、圧電素子を保護する方法の一例として、バリスタを、圧電素子に対して電気的に並列に接続する方法が提案されている(特許文献2参照)。この方法によれば、圧電素子の第1の電極に駆動信号が入力されるに際し、第1の電極と第2の電極との電位差が大きくなりすぎると、バリスタの抵抗が急激に下がり、バリスタに電流が流れるようになる。その結果、上記の電位差が許容範囲内に収まり、圧電素子が適切に保護される。
特開2012−196882号公報 特開2007−89355号公報
ここで、駆動信号出力部からは、図15に示すように、電位が変動する駆動信号AVDが出力されることがある。この駆動信号AVDにおいて、電位の最大値を最大電位AVHとし、電位の最小値を最小電位AVLとするものとする。
そして、こうした駆動信号AVDにノイズが重畳し、ノイズが重畳している駆動信号AVDが圧電素子の第1の電極に入力されることがある。駆動信号AVDの圧電素子への入力を許容しつつも、圧電素子の保護を図るためには、上記の最小電位AVLよりも小さい負の制限電位を第1の制限電位AVTh1とし、上記の最大電位AVHよりも大きい正の制限電位を第2の制限電位AVTh2とした場合、第1の電極の電位が第1の制限電位AVTh1よりも小さい電位になったり、第1の電極の電位が第2の制限電位AVTh2よりも大きい電位になったりすることを制限することが望ましい。
こうした課題を解消する方法の一例として、特許文献2に記載されるように、こうした駆動信号AVDが入力される圧電素子に対して、バリスタを電気的に並列に接続する方法を挙げることができるが、この場合には以下に示すような課題が新たに生じうる。すなわち、バリスタによって、例えば、第1の電極の電位が、第1の制限電位AVTh1よりも小さい電位になることを制限するようにしたとする。なお、第1の制限電位AVTh1に「−1」を乗じた値を「バリスタ制限電位AVTh11」という。こうしたバリスタ制限電位AVTh11は正の値となる。
すると、図16に示すように、第1の電極の電位が第1の制限電位AVTh1よりも小さくなることが、バリスタによって制限されるようになる。しかし、バリスタ制限電位AVTh11は上記最大電位AVHよりも小さいため、第1の電極の電位がバリスタ制限電位AVTh11よりも大きくなることが、バリスタによって不要に制限されてしまう。そのため、正常な駆動信号AVDを圧電素子の第1の電極に入力させることができないために圧電素子を適切に駆動させることができず、結果として、ノズルからの液体の吐出不良を招くおそれがある。
本発明の目的は、圧電素子に駆動信号が入力される場合に、同圧電素子の保護を図りつつもノズルからの液体の吐出不良の発生を抑制することができる液体吐出装置及びヘッドユニットを提供することにある。
上記目的を達成するための液体吐出装置は、駆動信号を出力する駆動信号出力部と、前記駆動信号出力部から前記駆動信号が入力されることにより駆動する圧電素子と、前記圧電素子に対して電気的に並列に接続されている保護回路と、を備え、前記圧電素子の駆動によって液体をノズルから吐出させる液体吐出装置において、前記圧電素子の2つの電極のうち、前記駆動信号が入力される電極を第1の電極とし、他方の電極を第2の電極とし、前記第1の電極の電位と前記第2の電極の電位との差分を電位差とした場合、前記保護回路は、前記電位差が過大になることを制限する過電圧制限素子と、前記過電圧制限素子に対して電気的に直列に接続されている整流ダイオードと、を有する。
上記構成によれば、過電圧制限素子に加えて整流ダイオードを保護回路に設けることにより、保護回路に一方向への電流が流れることは許容するものの、保護回路に他方向への電流が流れることを制限することができる。すなわち、圧電素子の第1の電極の電位が第2の電極の電位よりも大きくなりすぎること、及び、第1の電極の電位が第2の電極の電位よりも小さくなりすぎることのうち何れか一方を、保護回路によって制限することができる。また、上記構成では、圧電素子に対してバリスタのみを電気的に並列に接続する場合とは異なり、正常な駆動信号の圧電素子への入力が制限される事象が生じにくくなる。したがって、圧電素子に駆動信号が入力される場合に、同圧電素子の保護を図りつつもノズルからの液体の吐出不良の発生を抑制することができるようになる。
上記液体吐出装置において、前記圧電素子の前記第1の電極の電位の変化と、前記圧電素子の伸縮する方向との関係が切り替わる電位を変化点電位とした場合、前記過電圧制限素子は、前記第1の電極の電位が前記変化点電位を超えることを制限することが好ましい。
圧電素子の第1の電極の電位が変化点電位を超えると、圧電素子や圧電素子を支持している支持部材の破損、支持部材からの圧電素子の離脱などが発生し、ノズルからの液体吐出の不良を招くおそれがある。この点、上記構成では、過電圧制限素子によって、第1の電極の電位が変化点電位を超えないように、圧電素子への信号の入力が制限される。したがって、圧電素子を適切に保護することができるようになる。
上記液体吐出装置において、前記圧電素子の使用が許可されている前記第1の電極の電位の上限を上限電位とし、前記圧電素子の使用が許可されている前記第1の電極の電位の下限を下限電位とした場合、前記駆動信号出力部は、電位の最大値である最大電位が前記上限電位よりも小さく、且つ電位の最小値である最小電位が前記下限電位よりも大きい前記駆動信号を出力するようになっており、前記最小電位と前記下限電位との差分は、前記最大電位と前記上限電位との差分よりも小さく、前記過電圧制限素子は、前記第1の電極の電位が制限電位以上であるときには電流が流れることを禁止し、前記第1の電極の電位が前記制限電位よりも小さいときには電流が流れることを許容する素子であり、前記制限電位は、前記最小電位よりも小さく且つ前記下限電位よりも大きいことが好ましい。
第1の電極の電位が上限電位を上回ったり下限電位を下回ったりすることは、第1の電極の電位と第2の電極の電位との差分である電位差が過大になるため、圧電素子の保護の観点上、望ましくない。そこで、上記構成では、上記最小電位と下限電位との差分が上記最大電位と上限電位との差分よりも小さいため、過電圧制限素子によって、第1の電極の電位が下限電位を下回ることを制限している。すなわち、第1の電極の電位が制限電位よりも小さくなるような信号が圧電素子に入力される場合には、保護回路に電流が流れるようになり、第1の電極の電位が制限電位よりも小さくなることが制限される。これにより、圧電素子を適切に保護することができる。また、上記最大電位と上限電位との差分は比較的大きい。そのため、ノイズが重畳している駆動信号が圧電素子に入力される場合であっても、第1の電極の電位が大きくなることを制限しなくても第1の電極の電位が上限電位を上回る事象が生じにくい。したがって、第1の電極の電位が大きくなることを制限しなくても、圧電素子の保護と同圧電素子の適切な駆動とを両立させることができるようになる。
上記液体吐出装置において、前記圧電素子の使用が許可されている前記第1の電極の電位の上限を上限電位とし、前記圧電素子の使用が許可されている前記第1の電極の電位の下限を下限電位とした場合、前記駆動信号出力部は、電位の最大値である最大電位が前記上限電位よりも小さく、且つ電位の最小値である最小電位が前記下限電位よりも大きい前記駆動信号を出力するようになっており、前記最大電位と前記上限電位との差分は、前記最小電位と前記下限電位との差分よりも小さく、前記過電圧制限素子は、前記第1の電極の電位が制限電位以下であるときには電流が流れることを禁止し、前記第1の電極の電位が前記制限電位よりも大きいときには電流が流れることを許容する素子であり、前記制限電位は、前記最大電位よりも大きく且つ前記上限電位よりも大きいことが好ましい。
第1の電極の電位が上限電位を上回ったり下限電位を下回ったりすることは、第1の電極の電位と第2の電極の電位との差分である電位差が過大になるため、圧電素子の保護の観点上、望ましくない。そこで、上記構成では、上記最大電位と上限電位との差分が上記最小電位と下限電位との差分よりも小さいため、過電圧制限素子によって、第1の電極の電位が上限電位を上回ることを制限している。すなわち、第1の電極の電位が制限電位よりも大きくなるような信号が圧電素子に入力される場合には、保護回路に電流が流れるようになり、第1の電極の電位が制限電位よりも大きくなることが制限される。これにより、圧電素子を適切に保護することができる。また、上記最小電位と下限電位との差分は比較的大きい。そのため、ノイズが重畳している駆動信号が圧電素子に入力される場合であっても、第1の電極の電位が小さくなることを制限しなくても第1の電極の電位が下限電位を下回る事象が生じにくい。したがって、第1の電極の電位が小さくなることを制限しなくても、圧電素子の保護と同圧電素子の適切な駆動とを両立させることができるようになる。
上記液体吐出装置において、前記過電圧制限素子はツェナーダイオードであり、前記ツェナーダイオードのアノードに前記整流ダイオードのアノードが電気的に直列に接続されていることが好ましい。
上記構成によれば、ツェナーダイオードを有する保護回路によって、第1の電極の電位が大きくなりすぎること、及び、第1の電極の電位が小さくなりすぎることのうち何れか一方を制限することができる。一方、第1の電極の電位が大きくなりすぎること、及び、第1の電極の電位が小さくなりすぎることのうち何れか他方については、保護回路によって制限されない。
上記液体吐出装置において、前記過電圧制限素子は、バリスタであることが好ましい。
上記構成によれば、バリスタと整流ダイオードとを電気的に直列に接続することにより、第1の電極の電位が大きくなりすぎること、及び、第1の電極の電位が小さくなりすぎることのうち何れか一方を制限することができる。一方、第1の電極の電位が大きくなりすぎること、及び、第1の電極の電位が小さくなりすぎることのうち何れか他方については、保護回路によって制限されない。
上記液体吐出装置において、前記第2の電極は、前記駆動信号の基準となる基準電圧と同電位となっていることが好ましい。
圧電素子を使用する電圧の領域には、第1の電極の電位の変化量と、圧電素子の伸縮量との関係がほぼ一定となる線形領域がある。こうした線形領域で圧電素子を制御することにより、同圧電素子の制御性、ひいてはノズルからの液体の吐出量の制御性を高めることができる。この点、上記構成では、圧電素子の第2の電極を接地させないで、同第2の電極を、基準電位と同電位とするようにしている。これにより、基準電位を適切に設定することにより、上記の線形領域で圧電素子を制御することが可能となる。
上記液体吐出装置は、前記保護回路とは異なる他の保護回路をさらに備え、前記保護回路は、前記第1の電極の電位が大きくなりすぎること、及び、前記第1の電極の電位が小さくなりすぎることのうち何れか一方を制限し、前記他の保護回路は、前記第1の電極の電位が大きくなりすぎること、及び、前記第1の電極の電位が小さくなりすぎることのうち何れか他方を制限することが好ましい。
上記構成によれば、保護回路及び他の保護回路によって、第1の電極の電位が大きくなりすぎること、及び、第1の電極の電位が小さくなりすぎることの双方を適切に制限することができる。
上記液体吐出装置は、前記保護回路とは異なる他の保護回路をさらに備え、前記他の保護回路は、前記圧電素子に過電流が流れることを制限するように構成されていることが好ましい。
上記構成によれば、圧電素子への過電流の入力が他の保護回路によって制限される。したがって、圧電素子の過電流の入力に起因する圧電素子の破損を抑制することができるようになる。
上記液体吐出装置は、前記圧電素子が設けられているヘッドユニットを備え、前記駆動信号出力部は前記液体吐出装置の本体に固定されており、前記保護回路は、前記ヘッドユニットに設けられていることが好ましい。
駆動信号出力部からヘッドユニットに駆動信号が転送される過程で、同駆動信号にノイズが重畳することがある。このようにノイズが重畳している駆動信号を圧電素子の第1の電極に入力させると、第1の電極の電位と第2の電極の電位との差分である電位差が過大になる可能性がある。この点、上記構成では、ヘッドユニットに保護回路を設けているため、転送過程の駆動信号にノイズが重畳したとしても、上記電位差が過大になることが抑制され、結果として、圧電素子を適切に保護することができるようになる。
上記液体吐出装置は、前記圧電素子が設けられているヘッドユニットを備え、前記駆動信号出力部は前記液体吐出装置の本体に固定されており、前記保護回路は、前記液体吐出装置の本体に固定されていることが好ましい。
駆動信号出力部の駆動不良などによって誤った駆動信号が出力されることがある。誤った駆動信号の波形は、正常な駆動信号の波形とは異なっており、誤った駆動信号が圧電素子にそのまま入力されると、第1の電極の電位と第2の電極の電位との差分である電位差が過大になるおそれがある。この点、上記構成では、液体吐出装置の本体に保護回路が設けられているため、駆動信号出力部から誤った駆動信号が出力されたとしても、保護回路によって、上記電位差が過大になることが抑制され、ひいては圧電素子を適切に保護することができる。
また、上記目的を達成するためのヘッドユニットは、駆動信号が入力される圧電素子と、前記圧電素子に対して電気的に並列に接続されている保護回路と、を備え、前記圧電素子の駆動によって液体をノズルから吐出させるヘッドユニットにおいて、前記保護回路は、前記圧電素子への過電圧の印加を制限する過電圧制限素子と、前記過電圧制限素子に対して電気的に直列に接続される整流ダイオードと、を有する。
上記構成によれば、液体吐出装置のヘッドユニットとして、上記ヘッドユニットを採用することにより、上記液体吐出装置と同等の作用及び効果を得ることができるようになる。
液体吐出装置の第1の実施形態であるプリンターの概略斜視図。 (a)はプリンターを構成する吐出ヘッドの一部を模式的に示す断面図、(b)は図2(a)の一部を拡大した断面図。 プリンターの制御構成の一部を示すブロック図。 圧電素子の変位量と第1の電極の電位との関係を説明するグラフ。 駆動信号と基準電圧信号とを説明するグラフ。 駆動信号にノイズが重畳した様子を示す作用図。 液体吐出装置の第2の実施形態であるプリンターの制御構成の一部を示すブロック図。 保護回路の変形例を説明するブロック図。 保護回路の変形例を説明するブロック図。 保護回路の変形例を説明するブロック図。 駆動信号にノイズが重畳した様子を示す作用図。 駆動信号の変形例を説明するグラフ。 保護回路の変形例を説明するブロック図。 保護回路の変形例を説明するブロック図。 従来技術において、駆動信号を説明するグラフ。 従来技術において、圧電素子への駆動信号の入力がバリスタによって制限されている状態を説明する作用図。
(第1の実施形態)
以下、液体吐出装置及びヘッドユニットを具体化した第1の実施形態を図1〜図6に従って説明する。
図1には、液体吐出装置の一例であるインクジェット式のプリンター11が図示されている。図1に示すように、プリンター11は液体吐出装置の本体としてのフレーム12を備え、このフレーム12内には、媒体の一例である用紙Pを支持する支持部材13と、フレーム12の長手方向に延びるガイド部材14とが設けられている。このガイド部材14は、ガイド部材14の延びる方向でもある走査方向Xに往復移動可能な状態でキャリッジ15を支持している。このキャリッジ15には、ヘッドユニットの一例を構成する吐出ヘッド16が設けられている。また、キャリッジ15には、吐出ヘッド16に供給する液体の一例であるインクを収容した複数(本実施形態では4つ)の液体収容体17が着脱可能に装着されている。
フレーム12の長手方向に延びる壁部には、駆動プーリー18及び従動プーリー19が回転自在な状態で支持されている。駆動プーリー18には、キャリッジ15を往復移動させる際の動力源となるキャリッジモーター20の出力軸が連結されている。また、これら一対のプーリー18,19には、無端状のタイミングベルト21が掛装されている。そして、キャリッジモーター20の駆動力がタイミングベルト21を通じてキャリッジ15に伝達されることにより、キャリッジ15が、ガイド部材14にガイドされながら走査方向Xに往復移動する。
また、プリンター11には、用紙Pを搬送する搬送ユニット22が設けられている。この搬送ユニット22の駆動によって、走査方向Xと交差(好ましくは、直交)する方向である搬送方向Yに用紙Pが支持部材13上を搬送される。
また、フレーム12内において、キャリッジ15の移動領域における一端部となる非印刷領域には、吐出ヘッド16を含むインク供給系のメンテナンスを行うためのメンテナンス装置23が設けられている。
次に、図2を参照し、吐出ヘッド16においてインクを吐出する構成について説明する。
図2(a)に示すように、吐出ヘッド16は、ケース本体30を備えている。このケース本体30には、図中下方に開口する凹部301が形成されている。そして、ケース本体30の図中下端にノズルプレート31と一対の蓋部材32とを固定することにより、凹部301の開口が閉塞されている。なお、ノズルプレート31には、インクを吐出する複数のノズル311が形成されており、このノズルプレート31の図中右側及び左側の双方に蓋部材32が配置されている。
また、ケース本体30の凹部301内には、流路形成部材33と、流路形成部材33の図中下部に接合されている連通板34とが設けられている。流路形成部材33には複数の圧力発生室331が形成されており、液体収容体17からインクが各圧力発生室331内に供給される。また、連通板34には複数の連通孔341が形成されている。そして、1つの連通孔341は、1つの圧力発生室331と1つのノズル311とを連通させている。
また、ケース本体30の凹部301内において、流路形成部材33の図中上部には、弾性膜35が設けられており、流路形成部材33の各圧力発生室331の上部開口が弾性膜35によって閉塞されている。そして、こうした弾性膜35の図中上面には絶縁体膜36が設けられており、この絶縁体膜36上に複数の圧電素子40が設けられている。
図2(b)に示すように、圧電素子40は、圧電体層43と、後述する駆動信号COMが入力される第1の電極41と、後述する基準電圧信号VBSが入力される第2の電極42とを有している。なお、第2の電極42は複数の圧電素子40に共通する電極である一方、第1の電極41は各圧電素子40で独立する個別の電極である。そして、第1の電極41の電位と第2の電極42の電位との差分を電位差とした場合、この電位差に基づいて圧電体層43が駆動される。このように圧電体層43が駆動されると、絶縁体膜36及び弾性膜35が変動して圧力発生室331内の圧力が変動する。すると、圧力発生室331内のインクが連通孔341を通じてノズル311内に流れ、ノズル311からインクが吐出される。
なお、流路形成部材33の凹部301の底面と絶縁体膜36との間には、保護基板37が設けられている。この保護基板37には、圧電素子40を保護するための空間である保護空間371が形成されている。保護空間371は図中下方に開放されており、この保護空間371内に、圧電素子40の少なくとも一部が収容されている。そして、この保護空間371内では圧電素子40の変形が許容されている。
次に、図3を参照し、プリンター11の電気的構成の一部について説明する。
図3に示すように、プリンター11は、フレーム12に固定されている制御回路50と、ヘッド駆動回路61とを備えている。このヘッド駆動回路61が、吐出ヘッド16とともに「ヘッドユニット60」の一例を構成している。
制御回路50には、プリンター11を制御するマイクロコンピューター51と、駆動信号COMを出力する駆動信号出力部の一例である駆動信号出力回路52と、基準電圧信号VBSを出力するバイアス電源回路53とが設けられている。マイクロコンピューター51は、CPU及びメモリーなどで構成されており、モーターなどを制御している。
駆動信号出力回路52から出力された駆動信号COM、及びバイアス電源回路53から出力された基準電圧信号VBSは、フレキシブルフラットケーブル55を構成する信号線を通じてヘッドユニット60に転送される。そして、駆動信号COMは、ヘッド駆動回路61を通じて圧電素子40の第1の電極41に入力され、基準電圧信号VBSは、圧電素子40の第2の電極42に入力される。
ヘッド駆動回路61には、圧電素子40と同数のスイッチング素子が設けられている。そして、駆動させる圧電素子40に対応するスイッチング素子をオン状態とすることにより、対応するスイッチング素子がオン状態になっている圧電素子40の第1の電極41に、駆動信号COMが入力される。
また、ヘッドユニット60には、各圧電素子40に対して電気的に並列に接続されている保護回路70が設けられている。この保護回路70は、ツェナーダイオード71と、このツェナーダイオード71に電気的に直列に接続されている整流ダイオード72とを備えている。このツェナーダイオード71が、圧電素子40の第1の電極41の電位と第2の電極42の電位との差分である電位差が過大となることを制限する「過電圧制限素子」の一例である。なお、本明細書では、「電位」とは、グランド「0(零)V」を基準とした電位のことをいうものとする。
保護回路70において、整流ダイオード72のカソードが圧電素子40の第1の電極41に電気的に接続され、整流ダイオード72のアノードがツェナーダイオード71のアノードに電気的に接続されている。また、ツェナーダイオード71のカソードが第2の電極42に電気的に接続されている。
これにより、第1の電極41の電位が小さくなりすぎるような信号、すなわち第1の電極41の電位が制限電位VRよりも小さくなるような信号が第1の電極41に入力されるときには、ツェナーダイオード71に電流が流れる。すなわち、保護回路70には、ツェナーダイオード71、整流ダイオード72の並ぶ方向に電流が流れる。その結果、第1の電極41の電位が制限電位VRよりも小さくなることが抑制され、第1の電極41の電位と第2の電極42の電位との差分である電位差が過大になることが抑制される。一方、第1の電極41の電位が大きくなりすぎても、保護回路70に電流が流れることは、整流ダイオード72によって規制されている。すなわち、保護回路70は、第1の電極41の電位が大きくなりすぎることによって上記電位差が過大になることを許容している。
ここで、図4を参照し、圧電素子40の特性について説明する。
図4には、圧電素子40の第1の電極41の電位と、圧電素子40の変位量との関係が図示されている。図4に示すように、第1の電極41の電位が「0(零)」よりも大きい場合、圧電素子40の変位量は、第1の電極41の電位が大きくなるほど多くなる。これに対し、第1の電極41の電位が「0(零)」よりも小さい場合、第1の電極41の電位が負の値である分極電位VLに達するまでは、圧電素子40の変位量は、第1の電極41の電位が小さくなるほど小さくなる、すなわち圧電素子40は収縮する。しかし、第1の電極41の電位が分極電位VLに達すると、圧電素子40の変位量は、第1の電極41の電位が小さくなるほど大きくなる、すなわち圧電素子40は伸長する。すなわち、この分極電位VLが、圧電素子40の第1の電極41の電位の変化と、圧電素子40の伸縮する方向との関係が切り替わる電位である「変化点電位」に相当する。
このような分極電位VLを含む領域で圧電素子40を制御する場合、圧電素子40の破損、圧電素子40を支持する部材(例えば、絶縁体膜36)の破損、絶縁体膜36からの圧電素子40の剥離などが発生するおそれがある。そのため、こうした領域で圧電素子40を制御することは望ましくない。
また、図4に示すように、第1の電極41の電位が大きくなるにつれて圧電素子40の変位量が多くなる領域であっても、第1の電極41の電位の変化量に対する圧電素子40の変位量である変位速度が相違する。すなわち、第1の電極41の電位が第1の電位VS1未満である場合、第1の電極41の電位が大きいほど上記変位速度が大きくなる。また、第1の電極41の電位が、第1の電位VS1より大きい第2の電位VS2よりも大きい場合、第1の電極41の電位が大きいほど上記変位速度が小さくなる。言い換えると、第1の電極41の電位が、第1の電位VS1以上であって且つ第2の電位VS2以下である場合、上記変位速度がほぼ一定となる。すなわち、第1の電位VS1以上であって且つ第2の電位VS2以下の電位の領域が、「線形領域」に相当する。
こうした線形領域で圧電素子40を制御することにより、圧電素子40の制御性、すなわちノズル311からのインクの吐出量の制御性を高めることができる。そこで、本実施形態では、基準電圧信号VBSの電位である基準電位VBは、第1の電位VS1よりも大きく、且つ第2の電位VS2よりも小さい値に決定されている。すなわち、圧電素子40の第2の電極42の電位は、基準電位VBと同電位となっている。
次に、図4及び図5を参照し、駆動信号COMについて説明する。
図4及び図5に示すように、駆動信号COMの電位は、基準電位VBよりも大きくなったり、小さくなったりする。駆動信号COMにおける電位の最大値を「最大電位VCmax」とし、電位の最小値を「最小電位VCmin」とする。
なお、図5に示すように、本実施形態のヘッドユニット60で採用されている圧電素子40では、第1の電極41の電位が上限電位VLU以上になること、及び、第1の電極41の電位が下限電位VLD以下になることは、圧電素子の保護の関係上、望ましくない。なお、上限電位VLUは、上記の第2の電位VS2と同電位であってもよいし、第2の電位VS2よりも大きい電位であってもよい。また、下限電位VLDは、負の電位であり、上記分極電位VLよりも大きい電位であれば、上記第1の電位VS1と同電位であってもよいし、第1の電位VS1よりも小さい電位であってもよい。
駆動信号COMの最大電位VCmaxは上限電位VLUよりも小さく、駆動信号COMの最小電位VCminは下限電位VLDよりも大きい。しかも、最小電位VCminと下限電位VLDとの差分ΔV1は、最大電位VCmaxと上限電位VLUとの差分ΔV2よりも小さい。すなわち、駆動信号COMにノイズが重畳し、ノイズが重畳している駆動信号COMが第1の電極41に入力される場合、第1の電極41の電位が下限電位VLDを下回る可能性は十分にある一方で、第1の電極41の電位が上限電位VLUを上回る可能性は非常に低い。そのため、図5に示すように、上記保護回路を構成するツェナーダイオード71の制限電位VRは、最小電位VCminと下限電位VLDとの間の値に決定されている。そして、ツェナーダイオード71は、第1の電極41の電位が制限電位VR以上であるときには保護回路70に電流が流れることを禁止し、第1の電極41の電位が制限電位VRよりも小さいときには保護回路70に電流が流れることを許容している。
ちなみに、駆動信号COMの最大電位VCmax及び最小電位VCminは、基準電位VBによって決まる。すなわち、図4及び図5に示す例よりも基準電位VBを大きくすると、最大電位VCmax及び最小電位VCminが大きくなる。反対に、図4及び図5に示す例よりも基準電位VBを小さくすると、最大電位VCmax及び最小電位VCminが小さくなる。
次に、図6を参照し、圧電素子40に駆動信号COMが入力される際の作用について説明する。なお、前提として、駆動信号出力回路52からヘッドユニット60に転送される過程で駆動信号COMにノイズが重畳するものとする。
図6に示すように、第1のタイミングt11で、圧電素子40の第1の電極41には、電位が小さくなるようなノイズが重畳している駆動信号COMが入力される。保護回路70が設けられていない場合、第1の電極41の電位は、下限電位VLDを下回る可能性がある。この点、本実施形態のヘッドユニット60には、保護回路70が圧電素子40に対して電気的に並列に接続されている。そのため、このようにノイズが重畳している駆動信号COMが第1の電極41に入力され、第1の電極41の電位が制限電位VRを下回りそうなときには、保護回路70に電流が流れるようになり、第1の電極41の電位が制限電位VRよりも小さくならない。すなわち、第1の電極41の電位が下限電位VLDを下回る事象の発生が回避される。これにより、圧電素子40への過電圧の印加が回避される。
以上、上記構成及び作用によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)保護回路70には、ツェナーダイオード71に加えて整流ダイオード72が設けられている。これにより、保護回路70に一方向への電流が流れることは許容するものの、保護回路70に他方向への電流が流れることを規制することができる。すなわち、圧電素子40の第1の電極41の電位が小さくなりすぎることを保護回路70によって制限し、圧電素子40の第1の電極41の電位が大きくなることを保護回路70によって制限しないようにすることができる。また、本実施形態では、圧電素子40に対してバリスタのみを電気的に並列に接続する場合とは異なり、正常な駆動信号COMの圧電素子40への入力が制限される事象が生じにくくなる。したがって、圧電素子40に駆動信号COMが入力される場合に、同圧電素子40の保護を図りつつもノズル311からのインクの吐出不良の発生を抑制することができる。
(2)本実施形態では、上記最小電位VCminと下限電位VLDとの差分が、上記最大電位VCmaxと上限電位VLUとの差分よりも大きいため、保護回路70によって、第1の電極41の電位が下限電位VLDを下回りにくくしている。この下限電位VLDは、分極電位VLよりは大きい電位である。そのため、ノイズが重畳している駆動信号COMが第1の電極41に入力されるときでも、保護回路70によって第1の電極41の電位が分極電位VLを下回ることが回避され、圧電素子40を適切に保護することができる。
(3)その一方で、上記最大電位VCmaxと上限電位VLUとの差分は比較的大きいため、ノイズの重畳している駆動信号COMが第1の電極41に入力され、第1の電極41の電位が大きくなっても、この電位が上限電位VLU以上になることはほとんどない。そのため、本実施形態では、保護回路70は、第1の電極41の電位が最大電位VCmaxよりも大きくなることを制限していない。このように第1の電極41の電位が大きくなることが不要に制限しないことにより、圧電素子40への正常な駆動信号COMの入力が、保護回路70によって妨げられない。したがって、正常な駆動信号COMがヘッドユニット60に転送された場合には、圧電素子40を適切に駆動させることができ、ひいてはノズル311からインクを適切に吐出させることができる。
(4)なお、圧電素子40の第2の電極42の電位は、基準電位VBと同電位となっている。しかも、基準電位VBは、第1の電位VS1よりも大きく且つ第2の電位VS2よりも小さい値に決定されている。そのため、圧電素子40を線形領域(図4参照)で制御することができる。すなわち、第1の電極41の電位を、最大電位VCmaxと最小電位VCminとの間で変動させることができる。したがって、ノズル311からのインクの吐出量を適切に制御することができる。
(5)本実施形態では、ヘッドユニット60に保護回路70が設けられている。そのため、駆動信号出力回路52からヘッドユニット60に転送される過程で駆動信号COMにノイズが重畳したとしても、保護回路70によって圧電素子40を保護することができる。
(第2の実施形態)
次に、液体吐出装置を具体化した第2の実施形態を図7に従って説明する。なお、第2の実施形態では、保護回路70の位置が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一の部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図7に示すように、保護回路70は、液体吐出装置の本体であるフレーム12に固定されている制御回路50に設けられている。このような配置態様であっても、保護回路70は、圧電素子40に対して電気的に並列に接続されている。すなわち、保護回路70の整流ダイオード72のカソードが、駆動信号COMが流れる信号線に電気的に接続されており、ツェナーダイオード71のカソードが、基準電圧信号VBSが流れる信号線に電気的に接続されている。
以上、上記構成によれば、上記第1の実施形態の効果(1)〜(4)と同等の効果に加え、以下に示す効果をさらに得ることができる。
(6)駆動信号出力回路52の駆動不良などによって誤った駆動信号COMが出力されることがある。誤った駆動信号COMの波形は、正常な駆動信号の波形と大きく異なっている。そのため、誤った駆動信号COMが圧電素子40にそのまま入力されると、第1の電極41の電位と第2の電極42の電位との差分である電位差が過大になるおそれがある。この点、本実施形態では、駆動信号出力回路52の出力側に保護回路70が設けられているため、駆動信号出力回路52から誤った駆動信号COMが出力されたとしても、保護回路70によって、上記電位差が過大になることを抑制することができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・保護回路は、整流ダイオード72のアノードがツェナーダイオード71のアノードに電気的に接続されているのであれば、例えば図8に示すように、整流ダイオード72とツェナーダイオード71との間に抵抗73が介在する構成の保護回路70Aであってもよい。こうした構成の保護回路70Aを採用することにより、保護回路70Aに電流が流れすぎる事象の発生を抑制することができ、整流ダイオード72及びツェナーダイオード71を保護することが可能となる。
・保護回路は、図9に示すように、過電圧制限素子としてバリスタ74を備える保護回路70Bであってもよい。この保護回路70Bでは、バリスタ74に整流ダイオード72が電気的に直列に接続されている。そのため、こうした保護回路70Bを、圧電素子40に対して電気的に並列に接続することにより、上記各実施形態と同等の効果を得ることができる。
・上記各実施形態では、保護回路70は、圧電素子40の第1の電極41の電位が小さくなりすぎることを抑制している。そこで、図10に示すように、圧電素子40の第1の電極41の電位が大きくなりすぎることを抑制するために、他の保護回路170を、圧電素子40に対して電気的に並列に接続させてもよい。他の保護回路170は、過電圧制限素子の一例であるツェナーダイオード171のアノードが整流ダイオード172のアノードに接続された構成としてもよい。このとき、ツェナーダイオード171のカソードが圧電素子40の第1の電極41に電気的に接続され、整流ダイオード172のカソードが圧電素子40の第2の電極42に電気的に接続されるようにすることが好ましい。もちろん、他の保護回路170は、ツェナーダイオード171の代わりにバリスタを過電圧制限素子として用いた構成であってもよい。
そして、図11に示すように、ツェナーダイオード171は、駆動信号COMの最大電位VCmaxよりも大きく且つ上限電位VLUよりも小さい制限電位VR2を有する構成であることが好ましい。この構成によれば、駆動信号COMにノイズが重畳することにより、第1の電極41の電位が大きくなるような場合であっても、他の保護回路170によって、第1の電極41の電位が制限電位VR2よりも大きくなることを抑制することができる。こうした構成を採用することにより、圧電素子40の保護構成が多少複雑化するものの、圧電素子40を保護しつつもノズル311からのインクの吐出不良を抑制することができる。
・駆動信号COMとしては、例えば図12に示すように、最大電位VCmaxと上限電位VLUとの第2の差分ΔV2が、最小電位VCminと下限電位VLDとの第1の差分ΔV1よりも小さくなるような信号が採用されることもある。この場合、上記最小電位VCminと下限電位VLDとの差分は比較的大きいため、ノイズが重畳している駆動信号COMが第1の電極41に入力されて同第1の電極41の電位が小さくなっても、この電位が下限電位VLD以下になることはほとんどない。
そこで、保護回路として、図13に示すような保護回路70Cを採用するようにしてもよい。すなわち、保護回路70Cは、ツェナーダイオード71のカソードが圧電素子40の第1の電極41に電気的に接続され、整流ダイオード72のカソードが圧電素子40の第2の電極42に電気的に接続されている。そして、ツェナーダイオード71として、制限電位VRが、上限電位VLUよりも小さく且つ最大電位VCmaxよりも大きくなるような素子を採用するようにしてもよい。このツェナーダイオード71は、第1の電極41の電位が制限電位VR以下であるときには保護回路70Cに電流が流れることを禁止し、第1の電極41の電位が制限電位VRよりも大きいときには保護回路70Cに電流が流れることを許容することとなる。
こうした構成では、第1の電極41の電位が最大電位VCmaxよりも大きくなることは制限し、第1の電極41の電位が最小電位VCminよりも小さくなることが制限されない。このように第1の電極41の電位が小さくなることが不要に制限されないため、圧電素子40に正常な駆動信号COMが入力されることを、保護回路70Cによって妨げることはない。したがって、正常な駆動信号COMがヘッドユニット60に転送された場合には、圧電素子40を適切に駆動させることができ、ひいてはノズル311からインクを適切に吐出させることができる。
・図14に示すように、圧電素子40への過電流が流れることを制限する他の保護回路170Aを、圧電素子40に対して電気的に直列に接続させるようにしてもよい。この他の保護回路170Aは、駆動信号COMが流れる信号線に配置される抵抗173を有している。この構成によれば、圧電素子40への過電流の入力が他の保護回路170Aによって制限される。したがって、圧電素子40の過電流の入力に起因する圧電素子40の破損を抑制することができる。
・圧電素子40の第2の電極42の電位を、「0(零)V」と同電位としてもよい。この場合、第2の電極42を接地させることが好ましい。
・上記各実施形態では、インクを吐出させるための駆動素子として、薄膜型の圧電素子を例示したが、駆動素子として他のタイプの圧電素子を採用してもよい。例えば、駆動素子として、縦振動型の圧電素子や厚膜型の圧電素子を採用するようにしてもよい。
・液体吐出装置を、複数の吐出ヘッドを備えるラインヘッド型のプリンターに具体化してもよいし、媒体へのインク吐出時に、複数の吐出ヘッドを一方向に移動させつつ同各吐出ヘッドからインクを吐出させるラテラルスキャン型のプリンターに具体化してもよい。そして、このように複数の吐出ヘッドを備えるプリンターにあっては、制御回路50に保護回路を設けることが好ましい。
・液体吐出装置は、インク以外の他の液体を吐出する液体吐出装置であってもよい。なお、液体吐出装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体吐出装置から吐出させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記各実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体吐出装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を吐出する液体吐出装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する液体吐出装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する液体吐出装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する液体吐出装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する液体吐出装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する液体吐出装置であってもよい。
11…液体吐出装置の一例であるプリンター、12…液体吐出装置の本体としてのフレーム、311…ノズル、40…圧電素子、41…第1の電極、42…第2の電極、52…駆動信号出力回路、60…ヘッドユニット、70,70A,70B,70C…保護回路、71…過電圧制限素子の一例であるツェナーダイオード、72…整流ダイオード、74…過電圧制限素子の一例であるバリスタ、170…他の保護回路、170A…他の保護回路、COM…駆動信号、VB…基準電位、VCmax…最大電位、VCmin…最小電位、VL…変化点電位としての分極電位、VLD…下限電位、VLU…上限電位、VR…制限電位

Claims (12)

  1. 駆動信号を出力する駆動信号出力部と、前記駆動信号出力部から前記駆動信号が入力されることにより駆動する圧電素子と、前記圧電素子に対して電気的に並列に接続されている保護回路と、を備え、前記圧電素子の駆動によって液体をノズルから吐出させる液体吐出装置において、
    前記圧電素子の2つの電極のうち、前記駆動信号が入力される電極を第1の電極とし、他方の電極を第2の電極とし、前記第1の電極の電位と前記第2の電極の電位との差分を電位差とした場合、
    前記保護回路は、前記電位差が過大になることを制限する過電圧制限素子と、前記過電圧制限素子に対して電気的に直列に接続されている整流ダイオードと、を有する
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記圧電素子の前記第1の電極の電位の変化と、前記圧電素子の伸縮する方向との関係が切り替わる電位を変化点電位とした場合、
    前記過電圧制限素子は、前記第1の電極の電位が前記変化点電位を超えることを制限する
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記圧電素子の使用が許可されている前記第1の電極の電位の上限を上限電位とし、前記圧電素子の使用が許可されている前記第1の電極の電位の下限を下限電位とした場合、前記駆動信号出力部は、電位の最大値である最大電位が前記上限電位よりも小さく、且つ電位の最小値である最小電位が前記下限電位よりも大きい前記駆動信号を出力するようになっており、
    前記最小電位と前記下限電位との差分は、前記最大電位と前記上限電位との差分よりも小さく、
    前記過電圧制限素子は、前記第1の電極の電位が制限電位以上であるときには電流が流れることを禁止し、前記第1の電極の電位が前記制限電位よりも小さいときには電流が流れることを許容する素子であり、
    前記制限電位は、前記最小電位よりも小さく且つ前記下限電位よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記圧電素子の使用が許可されている前記第1の電極の電位の上限を上限電位とし、前記圧電素子の使用が許可されている前記第1の電極の電位の下限を下限電位とした場合、前記駆動信号出力部は、電位の最大値である最大電位が前記上限電位よりも小さく、且つ電位の最小値である最小電位が前記下限電位よりも大きい前記駆動信号を出力するようになっており、
    前記最大電位と前記上限電位との差分は、前記最小電位と前記下限電位との差分よりも小さく、
    前記過電圧制限素子は、前記第1の電極の電位が制限電位以下であるときには電流が流れることを禁止し、前記第1の電極の電位が前記制限電位よりも大きいときには電流が流れることを許容する素子であり、
    前記制限電位は、前記最大電位よりも大きく且つ前記上限電位よりも大きい
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体吐出装置。
  5. 前記過電圧制限素子はツェナーダイオードであり、前記ツェナーダイオードのアノードに前記整流ダイオードのアノードが電気的に直列に接続されている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記過電圧制限素子は、バリスタである
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記第2の電極は、前記駆動信号の基準となる基準電圧と同電位となっている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
  8. 前記保護回路とは異なる他の保護回路をさらに備え、
    前記保護回路は、前記第1の電極の電位が大きくなりすぎること、及び、前記第1の電極の電位が小さくなりすぎることのうち何れか一方を制限し、
    前記他の保護回路は、前記第1の電極の電位が大きくなりすぎること、及び、前記第1の電極の電位が小さくなりすぎることのうち何れか他方を制限する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項7のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
  9. 前記保護回路とは異なる他の保護回路をさらに備え、
    前記他の保護回路は、前記圧電素子に過電流が流れることを制限するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項7のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
  10. 前記圧電素子が設けられているヘッドユニットを備え、前記駆動信号出力部は前記液体吐出装置の本体に固定されており、
    前記保護回路は、前記ヘッドユニットに設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項9のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
  11. 前記圧電素子が設けられているヘッドユニットを備え、前記駆動信号出力部は前記液体吐出装置の本体に固定されており、
    前記保護回路は、前記液体吐出装置の本体に固定されている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項9のうち何れか一項に記載の液体吐出装置。
  12. 駆動信号が入力される圧電素子と、前記圧電素子に対して電気的に並列に接続されている保護回路と、を備え、前記圧電素子の駆動によって液体をノズルから吐出させるヘッドユニットにおいて、
    前記保護回路は、前記圧電素子への過電圧の印加を制限する過電圧制限素子と、前記過電圧制限素子に対して電気的に直列に接続される整流ダイオードと、を有する
    ことを特徴とするヘッドユニット。
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