JP7137391B2 - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インホイールモータ駆動装置に関し、特に、車輪の回転を検出する車輪速検出部を備えたインホイールモータ駆動装置に関する。
近年、安全性向上のため、ABS(アンチロックブレーキシステム)を装着した自動車が増えている。ABSにおいては、車輪の回転を検出する車輪速検出装置が用いられる。車輪速検出装置は、車輪と一体回転する回転部分に設けられるセンサターゲットと、センサターゲットに対面して取り付けられる回転センサ(車輪速センサ)とを含む。回転センサの検出信号は、車体側に取り付けられた制御装置に送信され、制御装置によって、車輪のブレーキ油圧の調整等、ブレーキ機構の制御が行われる。このような回転センサは、ABSだけでなく、ESC(横滑り防止装置)にも用いられる。
特開2013-152023号公報(特許文献1)には、ブレーキディスクのハット部内にパルサーリング(センサターゲット)を配置される構成が開示されている。引用文献1において、パルサーリングは、径方向に延びてハット部に取り付けられるフランジ部と、フランジ部から折れ曲がって車軸方向に延びて回転センサに対面する被検出部とを含む。
特開2013-152023号公報
車内空間を犠牲にすることなく、インホイールモータ駆動装置と車体の車幅方向外側に形成されるホイールハウジングの内壁との干渉を回避するには、インホイールモータ駆動装置の車軸方向長さを短くする必要がある。加えて、インホイールモータ駆動装置を転舵輪に搭載する場合、転舵角を犠牲にすることなく装置を配置するには、非転舵輪に搭載する場合よりもインホイールモータ駆動装置の車軸方向長さをさらに短くする必要がある。
特許文献1のように、ブレーキディスクのハット部内にパルサーリングを配置する構成は、インホイールモータ駆動装置の軸方向長さに影響しない点で有利である。
また、特許文献1では、回転センサを保持する保持部材に位置調整部を設け、パルサーリングの被検出部と回転センサとの間のギャップ調整を可能にしているため、他部品の製作誤差や組み付け誤差を許容することができる。その結果、回転センサの検出精度の低下を防ぐことができる。
しかしながら、インホイールモータ駆動装置にブレーキディスクを取り付けた状態では、ブレーキディスクのハット部内は閉じた空間となるため、パルサーリングの被検出部と回転センサとの間のギャップ調整を直接行うことができない。そのため、特許文献1では、治具を用いてギャップ調整をする必要があり、治具の脱着工数が必要となる。また、治具と実際の被検出部の位置は異なるため、正確なギャップ調整が困難である。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、パルサーリングと回転センサとを含む車輪速検出部を、インホイールモータ駆動装置の車軸方向長さに影響することなく配置でき、かつ、パルサーリングの被検出部と回転センサとの間の間隔(エアギャップ)を正確に調整することのできるインホイールモータ駆動装置を提供することである。
この発明のある局面に従うインホイールモータ駆動装置は、車輪の内部に配置される車両用モータ駆動装置であって、車幅方向外側に凹むように形成されたハット部を有するブレーキロータおよび車輪と同軸に結合する回転輪を含む車輪ハブ軸受部と、車輪の回転を検出する車輪速検出部とを備える。車輪速検出部は、ブレーキロータのハット部内に配置される被検出部を有し、車輪ハブ軸受部の回転輪と同軸に取り付けられたパルサーリングと、パルサーリングの被検出部に対面するように、固定部分に取り付けられた回転センサとを含む。
車輪ハブ軸受部の回転輪は、径方向外側に突出するハブフランジを有している。パルサーリングは、ネジ部材によってハブフランジに固定されていることが望ましい。ネジ部材には、ネジ、ボルト、ビスなどの締結部材が含まれる。
ハブフランジが、周方向に互いに間隔をあけて配置される複数の突出部と、突出部間に位置する複数の谷部とで構成されている場合、パルサーリングは、ハブフランジの複数の谷部のうちの少なくとも2箇所において固定されていることがより望ましい。
あるいは、パルサーリングは、ハブフランジに圧入された状態で固定されていてもよい。
インホイールモータ駆動装置は、車輪ハブ軸受部の回転輪を駆動するモータ回転軸を含むモータ部と、モータ部を収容するケーシングとをさらに備えている。回転センサは、ケーシング、車輪ハブ軸受部の固定部分、または、車輪ハブ軸受部を支持するハブ支持部材に取り付けられていればよい。
好ましくは、回転センサは、固定部分に固定された保持部材によって保持されている。
インホイールモータ駆動装置は、回転センサとブレーキロータとの間に配置された遮熱板をさらに備えることが望ましい。
本発明によれば、パルサーリングと回転センサとを含む車輪速検出部を、インホイールモータ駆動装置の車軸方向長さに影響することなく配置できる。また、パルサーリングの被検出部と回転センサとの間の間隔を正確に調整することが可能となる。
本発明の実施の形態1に係るインホイールモータ駆動装置の基本構成を示す展開断面図である。 本発明の実施の形態1に係るインホイールモータ駆動装置の内部を示す模式的な断面図である。 本発明の実施の形態1に係るインホイールモータ駆動装置の基本構成部を模式的に示す正面図である。 本発明の実施の形態1における車輪ハブ軸受部を模式的に示す縦断面図である。 本発明の実施の形態1における車輪速検出部の取り付け構造を模式的に示す正面図である。 本発明の実施の形態1における車輪速検出部の取り付け構造を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1において、回転センサを保持する保持部材の外観斜視図である。 本発明の実施の形態1において、回転センサを保持する保持部材の断面図である。 本発明の実施の形態1の変形例1における車輪速検出部の取り付け構造を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1の変形例1における車輪速検出部の取り付け構造を模式的に示す正面図である。 本発明の実施の形態1の変形例2において、遮熱板がケーシングに固定された状態を模式的に示す正面図である。 本発明の実施の形態1の変形例2において、遮熱板がケーシングに固定された状態を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2における車輪速検出部の取り付け構造を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2における車輪速検出部の取り付け構造を模式的に示す正面図である。 本発明の実施の形態2の変形例における車輪速検出部の取り付け構造を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2の変形例における車輪速検出部の取り付け構造を模式的に示す正面図である。 本発明の実施の形態2の変形例における車輪速検出部の他の取り付け構造を模式的に示す正面図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
本実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置は、車輪の内部に配置される車両用モータ駆動装置である。車輪は、電気自動車またはハイブリッド車両などの乗用自動車の駆動輪である。
<実施の形態1>
(インホイール駆動装置の基本構成例)
図1~図4を参照して、本実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置1の基本構成例およびその周辺構造について説明する。なお、これらの図には、車輪速検出部の図示は省略されている。図1は、本発明の実施の形態1に係るインホイールモータ駆動装置1を示す展開断面図である。図1において、紙面右側は車幅方向内側(インボード側)を表し、紙面左側は車幅方向外側(アウトボード側)を表す。なお図1で表される断面は、図2および図3に示す軸線Mおよび軸線Nを含む平面と、軸線Nおよび軸線Oを含む平面を、この順序で接続した展開平面である。
図2は同実施形態の内部を示す模式的な断面図であり、図1中II―IIでインホイールモータ駆動装置1を切断し、断面を矢の方向にみた状態を表す。図3は同実施形態を示す模式的な正面図であり、車幅方向外側からインホイールモータ駆動装置1をみた状態を表す。図面の煩雑さを回避にするため図2では、各歯車を歯先円で表す。図2および図3において、紙面右側は車両前方を表し、紙面左側は車両後方を表し、紙面上側は車両上方を表し、紙面下側は車両下方を表す。図2および図3では、軸線O方向に車幅方向外側(アウトボード側)から車幅方向内側(インボード側)をみている。
図4は同実施形態の車輪ハブ軸受部を示す縦断面図であり、軸線Oを含む平面で車輪ハブ軸受部を切断したときの切断面を表す。図面の煩雑を避けるため図4では、ブレーキディスクおよびロードホイール(車輪ホイール)を半分のみ表す。
図1に示すように、インホイールモータ駆動装置1は、図示しない車輪の中心に設けられる車輪ハブ軸受部11と、車輪を駆動するモータ部21と、モータ部の回転を減速して車輪ハブ軸受部11に伝達する減速部31とを備える。モータ部21および減速部31は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oからオフセットして配置される。軸線Oは車幅方向に延び、車軸に一致する。軸線O方向位置に関し、車輪ハブ軸受部11はインホイールモータ駆動装置1の軸線方向一方(アウトボード側)に配置され、モータ部21はインホイールモータ駆動装置1の軸線方向他方(インボード側)に配置され、減速部31はモータ部21よりも軸線方向一方に配置され、減速部31の軸線方向位置が車輪ハブ軸受部11の軸線方向位置と重なる。
インホイールモータ駆動装置1は、電動車両の車輪を駆動する車両用モータ駆動装置である。インホイールモータ駆動装置1は、図示しない車体に連結される。
車輪ハブ軸受部11は、回転内輪・固定外輪とされ、図示しない車輪ホイールと結合する回転輪(ハブ輪)としての内輪12と、内輪12の外径側に同軸に配置される固定輪としての外輪13と、内輪12と外輪13との間の環状空間に配置される複数の転動体14を有する。
図1を参照して、外輪13は本体ケーシング39の正面部分39fに形成される開口39pを貫通する。本体ケーシング39とは、減速部31の外郭を含むケーシングをいい、減速部31の回転要素を収容する。正面部分39fは、本体ケーシング39のうち減速部31の軸線O方向一方端を覆うケーシング壁部である。正面部分39fには、開口39pの開口縁に沿って円筒部39cが形成される。円筒部39cは正面部分39fの外壁面から軸線O方向一方へ突出する。
外輪13の外周面には周方向で異なる位置に複数の外輪突出部13gがさらに設けられる。外輪13のうち外輪突出部13gよりも軸線O方向他方側の円筒領域は、正面部分39fの開口39pに差し込まれる。このとき外輪突出部13gの軸線O方向他方面が円筒部39cの先端と当接し、外輪13は軸線O方向に位置決めされる。
外径方向に突出する各外輪突出部13gには貫通孔13hが穿設される。また外輪突出部13gの軸線O方向他方側にはハブアタッチメント61が隣接して配置される。ハブアタッチメント61は中心孔を有し、該中心孔に本体ケーシング39の円筒部39cが差し込まれる。このとき円筒部39cの外周面がハブアタッチメント61の内周面61nと嵌合する。ハブアタッチメント61は軸線O方向一方の各外輪突出部13gと軸線O方向他方の正面部分39fの間に介在する。
ハブアタッチメント61には雌ねじ孔61fが複数形成される。雌ねじ孔61fは、ハブアタッチメント61の内径側部分に形成され、周方向に間隔を空けて複数配置される。ハブアタッチメント61の各雌ねじ孔61fおよび外輪13の各貫通孔13hは、軸線Oと平行に延び、互いに一致する。外輪13の貫通孔13hおよびハブアタッチメント61の雌ねじ孔61fには軸線O方向一方側から第1ボルト62が通され、第1ボルト62の軸部は外輪13の貫通孔13hを貫通し、ハブアタッチメント61の雌ねじ孔61fに螺合し、第1ボルト62の頭部が外輪突出部13gに当接する。これにより、外輪13は第1ボルト62によってハブアタッチメント61に確りと取付固定される。
内輪12は、外輪13よりも長い筒状体であり、外輪13の中心孔に通される。外輪13からインホイールモータ駆動装置1の外部へ突出する内輪12の軸線O方向一方端部には、ハブフランジ12fが形成される。正面視においてハブフランジ12fの形状は花びら形状となっており、ハブフランジ12fは、周方向に間隔をあけて設けられる複数の突出部(結合部)12aと、突出部間に位置する複数の谷部12bとで構成されている。ハブフランジ12fの突出部12aが、ブレーキディスクBDおよび図示しない車輪と同軸に結合するための結合座部を構成する。内輪12は、ハブフランジ12fの突出部12aで車輪ホイールと結合し、車輪と一体回転する。
内輪12および外輪13間の環状空間には、複数列の転動体14が配置される。内輪12の軸線O方向中央部の外周面は、第1列に配置される複数の転動体14の内側軌道面を構成する。内輪12の軸線O方向他方端部外周には内側軌道輪12rが嵌合する。内側軌道輪12rの外周面は、第2列に配置される複数の転動体14の内側軌道面を構成する。外輪13の軸線O方向一方端部の内周面は、第1列の転動体14の外側軌道面を構成する。外輪13の軸線O方向他方端部の内周面は、第2列の転動体14の外側軌道面を構成する。内輪12および外輪13間の環状空間には、シール材16がさらに介在する。シール材16は環状空間の両端を封止して、塵埃および異物の侵入を阻止する。内輪12の軸線O方向他方端の中心孔には減速部31の出力軸38が差し込まれて嵌合する。かかる嵌合は、スプライン嵌合あるいはセレーション嵌合である。
図3には、インホイールモータ駆動装置1の内輪12と結合するブレーキディスクBDおよび車輪のロードホイールWを示す。インホイールモータ駆動装置1はロードホイールWの内空領域に収容される。ただしモータ部21はロードホイールWの内空領域から車幅方向内側へはみ出してもよい。
内輪12の外径は、突出部12aで最大となり、谷部12b(周方向に隣り合う結合部12f,12f間に位置する部分)で最小になる。外輪13の外径は外輪突出部13gで最大になる。外輪13の外径は周方向に隣り合う外輪突出部13g,13g間で最小になる。内輪12および外輪13の最大外径はロードホイールWの内径よりも小さい。
図3に示すようにハブアタッチメント61には、外径方向に突出する突出部61gが形成される。突出部61gは周方向に間隔をあけて複数配置される。突出部61gは本実施形態では突出部61gが外径側に向かって細くなり、ハブアタッチメント61が星形とされる。軸線Oに関し、外輪突出部13gよりも外径側に位置する。これによりハブアタッチメント61は外輪13よりも大径にされる。
図1および図4に示すように各突出部61gには、軸線Oと平行に延びる雌ねじ孔61hが形成される。ハブアタッチメント61よりも軸線O方向他方に位置する正面部分39fには貫通孔39hが形成される。貫通孔39hおよび雌ねじ孔61hは、軸線Oと平行に延び、互いに一致する。雌ねじ孔61hには雌ねじが形成される。貫通孔39hには軸線O方向他方から第2ボルト15が通され、第2ボルト15の先端部が貫通孔61hの雌ねじに螺合する。これによりハブアタッチメント61は第2ボルト15によって本体ケーシング39に確りと取付固定される。
なお図3には、第2ボルト15を図略し、貫通孔61hを表す。複数の貫通孔61h,61h・・・のうちの幾つかでは雌ねじを設けず、代わりに貫通孔39hに雌ねじを設けておき、軸線O方向一方から第2ボルトを貫通孔61hに通し、貫通孔39hの雌ねじに螺合させてもよい。
本体ケーシング39の壁厚は概ね均一であるが、正面部分39fの壁厚は均一ではなく、貫通孔39hが形成される部分が他の部分よりも肉厚に形成される。かかる肉厚部分39gは後述する出力歯車37よりも外径側に配置される。
図3に示すようにハブアタッチメント61は軸線Oを中心として回転対称な星形であり、突出部61gで最大外径とされ、周方向に隣り合う突出部61g,61gで最小外径とされる。ハブアタッチメント61の最大外径は、ロードホイールWの内径よりも小さく、車輪ハブ軸受部11とともにロードホイールWの内空領域に収容される(図4)。
第1ボルト62は軸線Oを中心として周方向等間隔に複数配置される。第2ボルト15も同様である。車輪ハブ軸受部11の中心になる軸線Oに関し、第2ボルト15は第1ボルト62よりも外径側に配置される。図3には出力歯車37の歯先円を破線で表す。第1ボルト62は出力歯車37の歯先円よりも内径側に配置され、軸線O方向にみて出力歯車37と重なる。これに対し第2ボルト15は出力歯車37の歯先円よりも外径側に配置される。
ハブアタッチメント61につき附言すると、中心領域61cの軸線O方向一方端面は外輪突出部13gの軸線O方向他方端面と当接する。中心領域61cの軸線O方向他方端面は正面部分39fと対向するかあるいは接触する。第1ボルト62と螺合する雌ねじ孔は中心領域61cに形成される。このため中心領域61cは外輪突出部13gと結合する。図3に示されるように、軸線O方向に見て、突出部61gの位置と外輪突出部13gの位置が重なる。
内輪12のハブフランジ12fと外輪突出部13gは軸線O方向に離隔し、ハブフランジ12fおよび外輪突出部13g間に第1ボルト62の頭部が配置される。ハブフランジ12fに取付固定されるブレーキディスクBDは、車幅方向外側に凹むように形成されたハット部を有する。すなわちブレーキディスクBDは、環状段差BHを境界として、外径領域および内径領域を含み、内径領域が軸線O方向一方側に配置され、外径領域は軸線O方向他方側に配置される。内径領域および環状段差BHが、ハット部を構成する。ハット部は円筒状の内空領域90を区画する。なお、外径領域の両端面は摩擦面となる。
図3に示されるように、ハブフランジ12fの突出部12a、外輪突出部13g、およびハブアタッチメント61の突出部61gの全てが、ブレーキディスクBDの環状段差BHよりも内径側に配置されている。また、第1ボルト62の頭部は、ハット部の内空領域90に収容される。
外輪13の軸線O方向他方領域の外周面13bは開口39pの内周面と嵌合する。外周面13bには環状溝が形成され、当該環状溝にシール材65が配置される。シール材65は例えばOリングであり、全周で開口39pの内周面と接触して、開口39pの内周面と外周面13bとの隙間を封止する。
図1に示すようにモータ部21は、モータ回転軸22、ロータ23、ステータ24、およびモータケーシング29を有し、この順序でモータ部21の軸線Mから外径側へ順次配置される。モータ部21は、インナロータ、アウタステータ形式のラジアルギャップモータであるが、他の形式の電動モータであってもよい。例えば図示しなかったがモータ部21はアキシャルギャップモータであってもよい。モータケーシング29はステータ24の外周を包囲する。モータケーシング29の軸線M方向一方端は本体ケーシング39の背面部分39bと結合する。モータケーシング29の軸線M方向他方端は、板状のモータケーシングカバー29vで封止される。背面部分39bは、本体ケーシング39のうち減速部31の軸線M方向(軸線O方向)他方端を覆うケーシング壁部である。
本体ケーシング39およびモータケーシング29は、インホイールモータ駆動装置1の外郭をなすケーシング10を構成する。以下の説明において本体ケーシング39およびモータケーシング29を区別する必要がない場合には、単にケーシング10という。
ステータ24は円筒形状のステータコア25と、該ステータコア25に巻回されたコイル26を含む。ステータコア25はリング状の鋼板を軸線M方向に積層してなる。
モータ回転軸22の両端部は、転がり軸受27,28を介して、本体ケーシング39の背面部分39bと、モータ部21のモータケーシングカバー29vに回転自在に支持される。モータ回転軸22のうち軸線方向一方端部22eを除いた大部分は、モータケーシング29内に配置される。軸線方向一方端部22eは本体ケーシング39内に配置される。つまりモータ回転軸22はインホイールモータ駆動装置1のケーシング10に収容される。
モータ回転軸22およびロータ23の回転中心になる軸線Mは、車輪ハブ軸受部11の軸線Oと平行に延びる。つまりモータ部21は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oから離れるようオフセットして配置される。例えば図2に示すようにモータ部の軸線Mは、軸線Oから車両前後方向にオフセットして、具体的には軸線Oよりも車両前方、に配置される。
減速部31は、モータ部21のモータ回転軸22と同軸に結合する入力軸32と、入力軸32の外周面に同軸に設けられる入力歯車33と、複数の中間歯車34,36と、これら中間歯車34,36の中心と結合する中間軸35と、車輪ハブ軸受部11の内輪12に連結される出力軸38と、出力軸38の外周面に同軸に設けられる出力歯車37と、これら複数の歯車および回転軸を収容する本体ケーシング39を有する。本体ケーシング39は減速部31の外郭をなすことから減速部ケーシングともいう。
入力歯車33は外歯のはすば歯車である。入力軸32は中空構造であり、この中空孔32hにモータ回転軸22の軸線方向一方端部22eが差し込まれて相対回転不可能にスプライン嵌合(セレーションも含む、以下同じ)する。入力軸32は入力歯車33の両端側で、転がり軸受32a,32bを介して、本体ケーシング39の正面部分39fおよび背面部分39bに回転自在に支持される。
減速部31の中間軸35の回転中心になる軸線Nは軸線Oと平行に延びる。中間軸35の両端は、転がり軸受35a,35bを介して、本体ケーシング39の正面部分39fおよび背面部分39bに回転自在に支持される。中間軸35の軸線N方向他方端部には、第1中間歯車34が同軸に設けられる。中間軸35の軸線N方向中央領域には、第2中間歯車36が同軸に設けられる。
ここで附言すると、第1中間歯車34の軸線N方向他方端面には凹部が形成され、かかる凹部内に軸受35bが収納される。これにより軸受35bの軸線N方向位置と第1中間歯車34の歯面の軸線N方向位置とが重なり、中間軸35の長さが短縮される。
第1中間歯車34および第2中間歯車36は、外歯のはすば歯車であり、第1中間歯車34の径が第2中間歯車36の径よりも大きい。大径の第1中間歯車34は、第2中間歯車36よりも軸線N方向他方側に配置されて、小径の入力歯車33と噛合する。小径の第2中間歯車36は、第1中間歯車34よりも軸線N方向一方側に配置されて、大径の出力歯車37と噛合する。
中間軸35の軸線Nは、図2に示すように、軸線Oおよび軸線Mよりも上方に配置される。また中間軸35の軸線Nは、軸線Oよりも車両前方、軸線Mよりも車両後方に配置される。減速部31は、車両前後方向に間隔を空けて配置されて互いに平行に延びる軸線O,N,Mを有する3軸の平行軸歯車減速機であり、2段変速とされる。
説明を図1に戻すと出力歯車37は外歯のはすば歯車であり、出力軸38の軸線O中央部に同軸に設けられる。出力軸38は軸線Oに沿って延びる。出力軸38の軸線O方向一方端部は、内輪12の中心孔に差し込まれて相対回転不可能に嵌合する。出力軸38の軸線O方向中央部は、図4に示す外周面13bよりも外径側で転がり軸受38aを介して、本体ケーシング39の正面部分39fに回転自在に支持される。出力軸38の軸線O方向他方端部は、転がり軸受38bを介して、本体ケーシング39の背面部分39bに回転自在に支持される。
図1に示すように減速部31は、小径の駆動歯車と大径の従動歯車の噛合、即ち入力歯車33と第1中間歯車34の噛合、また第2中間歯車36と出力歯車37の噛合、により入力軸32の回転を減速して出力軸38に伝達する。減速部31の入力軸32から出力軸38までの回転要素は、モータ部21の回転を内輪12に伝達する駆動伝達経路を構成する。
本体ケーシング39は、これまで説明した正面部分39fおよび背面部分39bの他、筒状部分を含む。当該筒状部分は、互いに平行に延びる軸線O、N、Mを取り囲むように減速部31の内部部品を覆う。板状の正面部分39fは、減速部31の内部部品を軸線方向一方側から覆い、筒状部分の一方端と結合する。板状の背面部分39bは、減速部31の内部部品を軸線方向他方側から覆い、筒状部分の他方端と結合する。本体ケーシング39の背面部分39bは、モータケーシング29と結合し、減速部31の内部空間およびモータ部21の内部空間を仕切る隔壁でもある。モータケーシング29は本体ケーシング39に支持されて、本体ケーシング39から軸線方向他方側へ突出する。
本体ケーシング39は、減速部31の内部空間を区画し、減速部31の全ての回転要素(回転軸および歯車)を内部空間に収容する。図2に示すように本体ケーシング39の下部は、オイル貯留部41とされる。オイル貯留部41の高さ位置はモータ部21の下部の高さ位置と重なる。本体ケーシング39の内部空間の下部を占めるオイル貯留部41には、モータ部21および減速部31を潤滑する潤滑油が貯留する。
入力軸32と、中間軸35と、出力軸38は、上述した転がり軸受によって両持ち支持される。これらの転がり軸受32a,35a,38a,32b,35b,38bはラジアル軸受である。
インホイールモータ駆動装置1外部から上述したコイル26に電力が供給されると、モータ部21のロータ23が回転し、モータ回転軸22から減速部31に回転を出力する。減速部31はモータ部21から入力軸32に入力された回転を減速し、出力軸38から車輪ハブ軸受部11へ出力する。車輪ハブ軸受部11の内輪12は、出力軸38と同じ回転数で回転し、内輪12に取付固定される図示しない車輪(ロードホイールW)を駆動する。
ここで、インホイールモータ駆動装置1は、車輪の回転を検出する車輪速検出部を備えている。以下に、本実施の形態における車輪速検出部の取り付け構造について詳細に説明する。
(車輪速検出部の取り付け構造について)
図5および図6を参照して、本実施の形態における車輪速検出部50の取り付け構造について説明する。図5は、インホイールモータ駆動装置1を車幅方向外側から見た正面図である。図6は、インホイールモータ駆動装置1のうちの車輪ハブ軸受部11およびその周辺部を、軸線Oを通る平面で切断した断面図である。
車輪速検出部50は、回転部分に取り付けられたパルサーリング51と、固定部分に取り付けられ、パルサーリング51の回転を検出する回転センサ54とを含む。パルサーリング51は、ブレーキディスクBDのハット部の内空領域90(以下、「ハット部内」という)に配置されている。回転センサ54は、ハット部内に位置するパルサーリング51の被検出部52に対面するように、たとえばケーシング10に固定される。パルサーリング51は、たとえば磁性体(薄型の鋼板)により構成され、回転センサ54は、たとえばピックアップコイルにより構成される。
本実施の形態において、パルサーリング51は、車輪ハブ軸受部11の内輪12と同軸に取り付けられている。具体的には、パルサーリング51は、ネジ部材81によってハブフランジ12fに固定されている。
パルサーリング51は、軸線Oに直交する板状部材により形成され、軸線Oを中心とする円環部51aと、円環部51aの内周縁から径方向内側に向かって突出する複数の支持部51bとを含む。被検出部52は、円環部51aの車幅方向内側を向く面に設けられている。被検出部52は、円周方向に繰り返し設けられた凹凸によって形成される。本実施の形態では、円環部51aに一定ピッチで設けられた複数の貫通孔53によって、被検出部52の凹部が構成されている。
パルサーリング51はたとえば3つの支持部51bを有しており、各支持部51bが、ハブフランジ12fの谷部12bに固定されている。5つの谷部12bのそれぞれに支持部51bを固定させる構成に比べて、パルサーリング51を軽量化することができる。なお、支持部51bは少なくとも2つ設けられていればよい。つまり、パルサーリング51は、ハブフランジ12fの複数の谷部12bのうちの少なくとも2箇所において固定されていればよい。
支持部51bは、谷部12bの形状に沿うようにV字状に形成されている。ハブフランジ12fの複数の谷部12bのうち、支持部51bを受入れる箇所には、径方向外側に突出する舌部12tが設けられている。舌部12tは谷部12bの底に設けられている。なお、図5においては、舌部12tを誇張して記載している。
舌部12tの厚み寸法は、ハブフランジ12fの厚み寸法未満である。舌部12tは、ブレーキディスクBDから離隔し、ハブフランジ12fの車幅方向内側端面と面一状となるように形成されている。この場合、パルサーリング51の支持部51bの車幅方向内側端面の一部(内径側端部)が、舌部12tの車幅方向外側端面に当接した状態で固定される。
支持部51bの内径側端部には貫通孔51iが設けられ、舌部12tには雌ネジ孔12iが設けられている。支持部51bの貫通孔51iおよび舌部12tの雌ネジ孔12iに、車幅方向外側からネジ部材81が通され、ネジ部材81の軸部が舌部12tの雌ネジ孔12iに螺合する。取り付け状態において、パルサーリング51は、ブレーキディスクBDの内径領域の車幅方向内側端面(ハット部の底面)から離れて配置されていることが望ましい。ネジ部材81の頭部もまた、ブレーキディスクBDの内径領域の車幅方向内側端面(ハット部の底面)から離れて配置されていることが望ましい。
回転センサ54は、ケーシング10に取り付けられている。具体的には、回転センサ54は、ケーシング10のうちブレーキディスクBDの内径領域(ハット部)と対面する部分に、たとえば保持部材(ステー)55を介して取り付けられている。保持部材55の構成例を図7および図8に示す。
保持部材55は、径方向に延びる取り付け部56と、取り付け部56の上端から車幅方向外側に斜め上方に延びる保持部57とを含む。保持部57は、取り付け部56との角度が鈍角となるよう傾斜している。取り付け部56には、ネジ部材82を挿通するための貫通孔56aが設けられている。貫通孔56aに挿通されたネジ部材82がケーシング10の壁部(正面部分39f)に形成された雌ねじ孔に螺合することで、保持部材55がケーシング10に固定される。
保持部57には、回転センサ54の本体部を嵌め入れるための貫通孔57aと、回転センサ54の固定片54bを通過したネジ部材83を挿通するための貫通孔57bとが設けられている。貫通孔57bの内壁には、図示しない雌ねじが切られている。ネジ部材83が、その頭部と保持部57との間に、回転センサ54の固定片54bを挟み込んだ状態で、貫通孔57bに螺合する。これにより、回転センサ54は、その姿勢および向きが固定された状態で、保持部材55に保持される。
回転センサ54は、その先端に位置する検出面54aが、パルサーリング51の被検出部52と対面するように固定される。回転センサ54は、パルサーリング51が回転すると、パルサーリング51の被検出部52の凹凸に応じて変化する起電力を電圧として出力する。回転センサ54の検出信号は、車体側に設けられた制御装置に送信される。
このように、パルサーリング51がブレーキディスクBDのハット部内に配置されるため、インホイールモータ駆動装置1の車軸方向長さを大きくすることなく、車輪速検出部50を搭載することができる。具体的には、パルサーリング51がハブフランジ12fの厚み範囲内に配置されるため、パルサーリング51だけでなく、回転センサ54の少なくとも先端部分をブレーキディスクBDのハット部内に配置することができる。
また、パルサーリング51が、支持部51bによりハブフランジの谷部12bに取り付けられるため、パルサーリング51の大径化を抑えることができる。本実施の形態では、軸線O方向に見て、パルサーリング51の円環部51a(被検出部52)の全体、あるいはその少なくとも内径側部分が、ハブアタッチメント61と重なる(図5)。
また、車輪速検出部50がブレーキディスクBDのハット部内に配置されることにより、泥、雪、ブレーキダスト等の付着による検出不良を防ぐこともできる。
また、本実施の形態では、パルサーリング51が車輪ハブ軸受部11のハブフランジ12fに取り付けられるため、ブレーキディスクBDを取り外した状態で、パルサーリング51の被検出部52と回転センサ54の検出面54aとの間隔D1、すなわちエアギャップを確認することができる(図6)。したがって、間隔D1の調整を正確に行うことができる。その結果、車輪速検出部50によって車輪の回転速度を正確に検出することが可能となる。また、ハブフランジ12fではなくブレーキディスクBDにパルサーリングを取り付ける場合にはエアギャップ調整のために治具が必要となるが、このような治具による調整を不要とすることができる。したがって、本実施の形態によれば、治具の脱着工数を省くことができる。
また、本実施の形態では、保持部材55を利用し、回転センサ54に傾きを持たせた状態でケーシング10に取り付けている。この場合、パルサーリング51の被検出部52をケーシング10の外側まで広げなくてもよいため、パルサーリング51を小径にできる。これにより、パルサーリング51の支持部51bから外径部までの距離が短くなり、外径部の周速を遅くすることができるため、パルサーリング51の板厚を薄くしても剛性を確保できる。さらに、パルサーリング51を小径にできることから、小型のプレス機での加工が可能になるため、低コスト化にも寄与できる。
また、パルサーリング51を小径にできるため、ブレーキディスクBDのハット部を必要なブレーキ性能以上の大きさに広げる必要がない。これにより、ブレーキディスクBDおよび車輪のロードホイールWを小径にできるため、ばね下重量を軽減でき、車両の乗り心地および走行性能を向上できる。
なお、本実施の形態では、インホイールモータ駆動装置1がハブアタッチメント61を備える構成を例に説明したが、図示しない形態として、ハブアタッチメント61を有さず、比較的大径の外輪がケーシング10に固定されていてもよい。この場合、軸線O方向に見て、パルサーリング51の円環部51a(被検出部52)の全体、あるいはその少なくとも内径側部分が、外輪と重なるように配置されていればよい。
(変形例1)
本実施の形態では、内輪回転タイプの車輪ハブ軸受部11を例に示したが、図9および図10に示されるように、外輪回転タイプの車輪ハブ軸受部に、パルサーリング51を取り付けてもよい。図9および図10には、外輪回転タイプの車輪ハブ軸受部11Aを備えたインホイールモータ駆動装置1Aに車輪速検出部50が搭載された例が示されている。
車輪ハブ軸受部11Aは、車輪と結合する車輪ハブとしての外輪112と、外輪112の中心孔に通される内側固定部材113と、外輪112と内側固定部材113との環状隙間に配置される複数の転動体114を有している。外輪112の軸線O方向一方端に、ハブフランジ112fが形成されている。外輪112はハブフランジ112fでブレーキディスクBDおよび車輪ホイールと結合して、車輪ホイールと一体回転する。ハブフランジ112fもまた、周方向に間隔をあけて外径側へ突出する複数の突出部112aと、周方向に隣り合う突出部112a間に形成される複数の谷部112bとにより構成されている。
この例においても、ハブフランジ112fの複数の谷部112bのうちの少なくとも2つに、径方向外側に突出する舌部112tが設けられる。パルサーリング51は、ネジ部材81により、支持部51bを介して舌部112tに固定される。
(変形例2)
回転センサ54の誤作動を防ぐために、ブレーキディスクBDと回転センサ54との間に遮熱板を設けてもよい。図11には、図10に示したインホイールモータ駆動装置1Aのケーシング10に、遮熱板70を固定した例が示されている。
遮熱板70は、軸線Oを中心とする円弧状部材により構成されている。遮熱板70は、パルサーリング51よりも径方向外側に位置し、複数のネジ部材84によって、ケーシング10の正面壁部に固定されている。遮熱板70は、ケーシング10の正面壁部のうちブレーキディスクBDの外径領域と対面する部分、および、ケーシング10から食み出して回転センサ54が配置される部分を、被覆するように配置される。
遮熱板70の外径側端縁はブレーキディスクBDの外径領域の外周円よりも外側に位置し、遮熱板70の内径側端縁はブレーキディスクBDの外径領域の内周円よりも内側に位置している。遮熱板70の内径側端縁のうち回転センサ54の配置位置と重なる部分71は、ブレーキディスクBDの環状段差BHに対面するように、車幅方向外側に折り曲げられていることが望ましい。遮熱板70の外端縁72は、その全体が車幅方向外側に折り曲げられていてもよい。図12の模式断面図には、遮熱板70の断面形状が示されている。
<実施の形態2>
次に、図13および図14を参照して、本発明の実施の形態2に係るインホイールモータ駆動装置1Bに搭載された車輪速検出部50Aについて説明する。実施の形態1では、パルサーリング51がネジ部材81によってハブフランジ12fに固定されたのに対し、本実施の形態では、パルサーリング151がハブフランジ212fに圧入固定されている。
なお、本実施の形態における車輪ハブ軸受部11Bは、実施の形態1の変形例1で示した車輪ハブ軸受部11Aのように外輪回転タイプとしているが、実施の形態1で示した車輪ハブ軸受部11のように内輪回転タイプであってもよい。車輪ハブ軸受部11Bの外輪212は、外径寸法が均一な(花びら形状ではない)ハブフランジ212fを有している。
本実施の形態におけるパルサーリング151は、上述の支持部51bに代えて、円筒部51cを含む。つまり、パルサーリング151は、軸線Oに直交して配置される円環部51aと、ハブフランジ212fと嵌合する円筒部51cとで構成されている。円筒部51cは、ハブフランジ212fの厚み寸法の範囲内に配置されていることが望ましい。本実施の形態では、円筒部51cの車幅方向内側端縁と、被検出部52を有する円環部51aの内径側端縁とが一体的に連結されている。
このように、パルサーリング151が、ハブフランジ212fに圧入された状態で固定される場合、上述の舌部12tを設けるなど、ハブフランジ212fを加工することなく、パルサーリング151をハブフランジ212fに取り付けることができる。また、ネジ部材が不要となるため、パルサーリング151の取り付け作業を簡素化することができる。
(変形例)
本実施の形態において、パルサーリング151の被検出部52は、実施の形態1と同様に軸線Oに直交して配置される円環部51aに設けられる例を示したが、ハブフランジに圧入固定される円筒部自体に被検出部52が設けられてもよい。実施の形態2の変形例における車輪速検出部50Bの構成例が、図15および図16に示される。
車輪速検出部50Bのパルサーリング251は、車輪ハブ軸受部11Bと同軸に配置され、ハブフランジ212fと嵌合する円筒部により構成されている。つまり、パルサーリング251は、円筒状に形成されている。この場合、パルサーリング251の外周面に、周方向に繰り返し凹凸が形成された被検出部52Aが設けられる。本変形例では、回転センサ54は、先端の検出面54aが径方向内側を向くように固定される。
パルサーリング251の軸方向長さは、ハブフランジ212fの厚みよりも長く、パルサーリング251がハブフランジ212fから車幅方向内側に食み出していてもよい。これにより、回転センサ54の後端部分をブレーキディスクBDのハット部外に配置できるため、回転センサ54の全体をブレーキディスクBDのハット部内に配置する形態に比べてブレーキディスクBDを小径化することができる。
なお、本変形例のパルサーリング251の被検出部52Aと実施の形態1のパルサーリング51の支持部51bとを組み合わせてもよい。つまり、外周面に被検出部52Aが設けられた円筒部を有するパルサーリングが、円筒部から径方向内側に延びる支持部を介して、ネジ部材によってハブフランジに固定されてもよい。
また、本実施の形態のようにパルサーリングをハブフランジに圧入固定する構造は、実施の形態1で示したような花びら形状のハブフランジに対しても適用することが可能である。一例として、図17に、実施の形態1の変形例1で示した車輪ハブ軸受部11Aが含む花びら形状のハブフランジ112fに、円筒状のパルサーリング251が圧入固定された状態を示す。この場合、パルサーリング251の内周面は、ハブフランジ112fの突出部112aにおいてのみ面接触する。
<他の実施形態>
上記各実施の形態では、回転センサ54がケーシング10に固定されることとしたが、回転センサ54は、車輪ハブ軸受部のうち回転しない固定部分に取り付けられてもよい。あるいは、回転センサ54は、車輪ハブ軸受部を支持するハブ支持部材に取り付けられてもよい。たとえば実施の形態1の車輪ハブ軸受部11においては、回転センサ54は、外輪13またはハブアタッチメント61に固定されてもよい。
また、回転センサ54は、保持部材55を介してインホイールモータ駆動装置の固定部分に取り付けられることとしたが、保持部材55を介することなくインホイールモータ駆動装置の固定部分に直接取り付けられてもよい。
また、各実施の形態では、パッシブ方式を採用する車輪速検出部について説明したが、アクティブ方式を採用してもよい。その場合、パルサーリングの被検出部として、たとえば公知の磁気エンコーダが採用され得る。磁気エンコーダは、円周方向にN極とS極とが繰り返し配置された環状の磁石である。この場合、回転センサ54は、磁気エンコーダの回転に伴う磁気の強弱を読み取る。
また、上記説明では、ディスクタイプのブレーキロータとして、ブレーキディスクBDを示したが、ドラムタイプのブレーキロータであってもよい。また、減速部31が、互いに平行に延びる軸線O,R,Mを有する平行3軸式歯車減速機である例を示したが、減速部31の構成は限定的ではなく、例えば遊星歯車式減速機やサイクロイド式減速機に適用されてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A,1B インホイールモータ駆動装置、10 ケーシング、11,11A,11B 車輪ハブ軸受部、12f,112f,212f ハブフランジ、21 モータ部、31 減速部、50,50A,50B 車輪速検出部、51,151,251 パルサーリング、52,52A 被検出部、54 回転センサ、55 保持部材、70 遮熱板、BD ブレーキディスク。

Claims (4)

  1. 車輪の内部に配置される車両用モータ駆動装置であって、
    車幅方向外側に凹むように形成されたハット部を有するブレーキロータおよび前記車輪と同軸に結合する回転輪を含む車輪ハブ軸受部と、
    前記車輪の回転を検出する車輪速検出部とを備え、
    前記車輪速検出部は、
    前記ブレーキロータのハット部内に配置される被検出部を有し、前記車輪ハブ軸受部の前記回転輪と同軸に取り付けられたパルサーリングと、
    前記パルサーリングの前記被検出部に対面するように、固定部分に取り付けられた回転センサとを含み、
    前記車輪ハブ軸受部の前記回転輪は、周方向に互いに間隔をあけて配置される複数の突出部と前記突出部間に位置する複数の谷部とで構成された、径方向外側に突出するハブフランジを有し、
    前記パルサーリングは、ネジ部材によって、前記ハブフランジの前記複数の谷部のうちの少なくとも2箇所において固定されている、インホイールモータ駆動装置。
  2. 前記車輪ハブ軸受部の前記回転輪を駆動するモータ回転軸を含むモータ部と、
    前記モータ部を収容するケーシングとをさらに備え、
    前記回転センサは、前記ケーシング、前記車輪ハブ軸受部の固定部分、または、前記車輪ハブ軸受部を支持するハブ支持部材に取り付けられている、請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置。
  3. 前記回転センサは、前記固定部分に固定された保持部材によって保持されている、請求項1または2に記載のインホイールモータ駆動装置。
  4. 前記パルサーリングよりも径方向外側に位置し、前記ブレーキロータの外径領域に対面するように配置された遮熱板をさらに備え
    前記遮熱板の内径側端部が、前記回転センサと、前記外径領域と前記ハット部との段差部分との間に配置された折り曲げ部を有する、請求項1~のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
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