JP2017185841A - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転センサとパルサーリングとを含む回転検出機構を、装置の車軸方向長さに影響することなく配置でき、かつ、ブレーキディスクを小径にすることが可能なインホイールモータ駆動装置を提供する。【解決手段】インホイールモータ駆動装置(10)は、駆動輪にブレーキディスク(BD)を取付け、回転部分となるブレーキディスク(BD)のハット部(82)にパルサーリング(51)を取付け、固定部分(43)にパルサーリング(51)の回転を検出する回転センサ(54)を取り付けている。このインホイールモータ駆動装置(10)において、パルサーリング(51)は、径方向に延び、ハット部(82)に取付けられるフランジ部(52)と、フランジ部(52)から折れ曲がって車軸方向に延び、回転センサ(54)に対面する被検出部(53)とを含むことを特徴とする。【選択図】図8

Description

本発明は、インホイールモータ駆動装置に関し、車輪速検出用のパルサーリングをブレーキディスクに搭載したインホイールモータ駆動装置に関する。
近年、安全性向上のため、ABS(アンチロックブレーキシステム)を装着した自動車が増えている。ABSにおいては、車輪の回転を検出する回転センサ(車輪速センサ)が用いられる。回転センサの検出信号は、車体側に取り付けられた制御装置に送信され、制御装置によって、車輪のブレーキ油圧の調整等、ブレーキ機構の制御が行われる。このような回転センサは、ABSだけでなく、ESC(横滑り防止装置)にも用いられる。
このような回転センサは、車輪と一体回転する回転部分に取付けられたセンサターゲット、すなわちパルサーリングに対面して設けられる。
引用文献1には、ブレーキディスクのハット部内にパルサーリング(トーンリング)を配置する構成が開示されている。
特開2013−152023号公報
車内空間を犠牲にすることなく、インホイールモータ駆動装置と車体の車幅方向外側に形成されるホイールハウジングの内壁との干渉を回避するには、インホイールモータ駆動装置の車軸方向長さを短くする必要がある。加えて、インホイールモータ駆動装置を転舵輪に搭載する場合、転舵角を犠牲にすることなく装置を配置するには、非転舵輪に搭載する場合よりもインホイールモータ駆動装置の車軸方向長さをさらに短くする必要がある。
現在、多くのブレーキアセンブリは、車輪の回転を回転センサで検出するために、パルサーリング(トーンリング)を備える。上記特許文献1のように、ブレーキディスクのハット部内にパルサーリングを設ける構成は、インホイールモータ駆動装置の軸方向長さに影響しない点で有利であるといえる。
しかし、特許文献1に示されたパルサーリングは、径方向に延在する平板状部材により構成されているため、このようなパルサーリングをハット部内に配置するためにはハット部外径を大きくしなくてはならない。そうすると、ブレーキディスク自体が大径になるため、ばね下重量の増加による車両の乗り心地および走行性能の低下という問題が生じ得る。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、回転センサとパルサーリングとを含む回転検出機構を、装置の車軸方向長さに影響することなく配置でき、かつ、ブレーキディスクを小径にすることが可能なインホイールモータ駆動装置を提供することである。
この発明のある局面に従うインホイールモータ駆動装置は、駆動輪にブレーキディスクを取付け、回転部分となるブレーキディスクのハット部にパルサーリングを取付け、固定部分にパルサーリングの回転を検出する回転センサを取り付けている。このインホイールモータ駆動装置において、パルサーリングは、径方向に延び、ハット部に取付けられるフランジ部と、フランジ部から折れ曲がって車軸方向に延び、回転センサに対面する被検出部とを含むことを特徴とする。
このインホイールモータ駆動装置において、ブレーキディスクのハット部内に取付けられたパルサーリングが、径方向に延びる取付け用のフランジ部と、車軸方向に延びる被検出部とを含む構成である。したがって、インホイールモータ駆動装置の車軸方向長さに影響を与えることなく回転検出機構を配置でき、かつ、ブレーキディスクを大径にすることなくパルサーリングをブレーキディスクに取付けることができる。その結果、ばね下重量を軽減することができるため、車両の乗り心地および走行性能を向上させることができる。
好ましくは、回転センサは、当該インホイールモータ駆動装置のケーシングに取付けられている。
好ましくは、被検出部は、フランジ部の内径側端部に連結される。この場合、パルサーリングは、フランジ部の外径側端部に連結され、ハット部の内径面に当接する当接部をさらに含むことが望ましい。
好ましくは、回転センサは、ケーシングに固定された保持部材によって保持される。この場合、保持部材は、回転センサの位置を少なくとも径方向に調整可能とするための位置調整部を有していることが望ましい。
本発明によれば、ブレーキディスクのハット部内に取付けられたパルサーリングが、径方向に延びる取付け用のフランジ部と、車軸方向に延びる被検出部とを含む構成である。したがって、インホイールモータ駆動装置の車軸方向長さに影響を与えることなく回転検出機構を配置でき、かつ、ブレーキディスクを大径にすることなくパルサーリングをブレーキディスクに取付けることができる。その結果、ばね下重量を軽減することができるため、車両の乗り心地および走行性能を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置およびその周辺構造を、車幅方向内側からみた状態を模式的に表す図である。 本発明の実施の形態において、車体のホイールハウジング内に配置される構造物を、車両前方からみた状態を模式的に表す図である。 図2に示した構造物を、車両上方からみた状態を模式的に表す図である。 本発明の実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置の基本構成部を車幅方向外側からみた状態を模式的に表す図である。 本発明の実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置の基本構成部を示す横断面図である。 本発明の実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置の基本構成部を示す展開断面図である。 本発明の実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置の基本構成部およびサスペンション装置を模式的に示す縦断面図である。 本発明の実施の形態において、インホイールモータ駆動装置に設けられる回転検出機構を模式的に示す縦断面図である。 本発明の実施の形態におけるパルサーリングの正面図である。 本発明の実施の形態において、回転センサを保持する保持部材の外観斜視図である。 本発明の実施の形態において、回転センサを保持する保持部材の断面図である。 本発明の実施の形態において、保持部材に保持された回転センサが位置調整可能であることを模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態の変形例1における回転検出機構を模式的に示す縦断面図である。 本発明の実施の形態の変形例1におけるパルサーリングの正面図である。 本発明の実施の形態の変形例2における回転検出機構を模式的に示す縦断面図である。 本発明の実施の形態の変形例2におけるパルサーリングの正面図である。 本発明の実施の形態の変形例3における回転検出機構を模式的に示す縦断面図である。 本発明の実施の形態の変形例3におけるパルサーリングの正面図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
(基本構成について)
はじめに、図1〜図7を参照して、本発明の実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置の基本構成およびその周辺構造について説明する。インホイールモータ駆動装置は、電気自動車またはハイブリッド車両などの乗用自動車に搭載される。
図2等に示されるように、車体101(図2に車体の車幅方向外側部分のみ示す)の車幅方向外側に、車輪ホイールW、インホイールモータ駆動装置10、およびサスペンション装置70が配置される。車輪ホイールW、インホイールモータ駆動装置10、およびサスペンション装置70は、車体101の車幅方向両側に左右対称に配置され、電動車両を構成する。
車輪ホイールWの外周には仮想線で示すタイヤTが嵌合する。車輪ホイールWおよびタイヤTは車輪を構成する。車輪ホイールWのリム部Wrは、車輪の内空領域を区画する。かかる内空領域にはインホイールモータ駆動装置10が配置される。インホイールモータ駆動装置10は車輪ホイールWと連結して車輪を駆動する。
サスペンション装置70はストラット式サスペンション装置であり車幅方向に延びるロアアーム71と、ロアアーム71よりも上方に配置されて上下方向に延びるストラット76を含む。ストラット76は車輪ホイールWおよびインホイールモータ駆動装置10よりも車幅方向内側に配置され、ストラット76の下端がインホイールモータ駆動装置10と結合し、ストラット76の上端が車輪ホイールWよりも上方で車体101と連結する。なおストラット76と、車輪ホイールWの上部と、インホイールモータ駆動装置10の上部は、車体101の車幅方向外側に形成されるホイールハウジング102に収容される。
ストラット76は上端領域にショックアブソーバ77を内蔵して上下方向に伸縮可能なサスペンション部材である。ショックアブソーバ77の外周には仮想線で概略を示すコイルスプリング78が配置され、ストラット76に作用する上下方向の軸力を緩和する。ストラット76の上端部および中央部には、コイルスプリング78の上端および下端を挟んで保持する1対のコイルスプリングシート79b,79cが設けられる。ショックアブソーバ77の内部にはストラット76に作用する軸力を減衰させるダンパーが設けられる。
ロアアーム71は、インホイールモータ駆動装置10の軸線Oよりも下方に配置されるサスペンション部材であって、車幅方向外側端72および車幅方向内側端73d,73fを含む。ロアアーム71は、車幅方向外側端72で、ボールジョイント60を介してインホイールモータ駆動装置10に連結される。またロアアーム71は車幅方向内側端73d,73fで図示しない車体側メンバに連結される。車幅方向内側端73d,73fを基端とし、車幅方向外側端72を遊端として、ロアアーム71は上下方向に揺動可能である。なお車体側メンバとは説明される部材からみて車体側に取り付けられる部材をいう。車幅方向外側端72とストラット76の上端76aを結ぶ直線は、上下方向に延びて転舵軸線Kを構成する。転舵軸線Kは基本的には上下方向に延びるが、車幅方向および/または車両前後方向に若干傾斜してもよい。なお図中において車幅方向内側端73d,73fを区別しない場合、単に符号73を付してある。
ロアアーム71よりも上方にはタイロッド80が配置される。タイロッド80は車幅方向に延び、タイロッド80の車幅方向外側端がインホイールモータ駆動装置10と回動可能に連結する。タイロッド80の車幅方向内側端は図示しない操舵装置と連結する。操舵装置はタイロッド80を車幅方向に進退動させて、インホイールモータ駆動装置10および車輪ホイールWを転舵軸線K回りに転舵させる。
インホイールモータ駆動装置10の基本構成部については、図4〜図7を特に参照して説明する。なお、図5中、減速部内部の各歯車は歯先円で表され、個々の歯を図略する。また、図6で表される切断面は、図5に示す軸線Mおよび軸線Nfを含む平面と、軸線Nfおよび軸線Nlを含む平面と、軸線Nlおよび軸線Oを含む平面とを、この順序で接続した展開平面である。図7は、インホイールモータ駆動装置10を示す縦断面図であり、車輪ホイールWおよびサスペンション装置70とともに表す。図面の煩雑を避けるため図7中、減速部内部の各歯車は図略される。
インホイールモータ駆動装置10は、図6に示すように仮想線で表される車輪ホイールWの中心と連結する車輪ハブ軸受部11と、車輪の車輪ホイールWを駆動するモータ部21と、モータ部の回転を減速して車輪ハブ軸受部11に伝達する減速部31を備え、電動車両のホイールハウジング(図示せず)に配置される。モータ部21および減速部31は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oと同軸に配置されるのではなく、図5に示すように車輪ハブ軸受部11の軸線Oからオフセットして配置される。インホイールモータ駆動装置10は、公道で電動車両を時速0〜180km/hで走行させることができる。
車輪ハブ軸受部11は、図6に示すように車輪ホイールWと結合する車輪ハブとしての外輪12と、外輪12の中心孔に通される内側固定部材13と、外輪12と内側固定部材13との環状隙間に配置される複数の転動体14を有し、車軸を構成する。内側固定部材13は、非回転の固定軸15と、1対のインナーレース16と、抜け止めナット17と、キャリア18とを含む。固定軸15は根元部15rが先端部15eよりも大径に形成される。インナーレース16は、根元部15rと先端部15eの間で、固定軸15の外周に嵌合する。抜け止めナット17は固定軸15の先端部15eに螺合して、抜け止めナット17と根元部15rの間にインナーレース16を固定する。
固定軸15は軸線Oに沿って延び、減速部31の外郭をなす本体ケーシング43を貫通する。固定軸15の先端部15eは、本体ケーシング43の正面部分43fに形成される開口43pを貫通し、正面部分43fよりも車幅方向外側へ突出する。固定軸15の根元部15rは、本体ケーシング43の背面部分43bよりも車幅方向内側から、背面部分43bに形成される開口43qを貫通する。なお正面部分43fと背面部分43bは軸線O方向に間隔を空けて互いに向き合う壁部分である。根元部15rにはキャリア18が取付固定される。キャリア18は本体ケーシング43の外部でサスペンション装置70およびタイロッド80と連結する。
転動体14は、軸線O方向に離隔して複列に配置される。軸線O方向一方のインナーレース16の外周面は、第1列の転動体14の内側軌道面を構成し、外輪12の軸線O方向一方の内周面と対面する。軸線O方向他方のインナーレース16の外周面は、第2列の転動体14の内側軌道面を構成し、外輪12の軸線O方向他方の内周面と対面する。以下の説明において、車幅方向外側(アウトボード側)を軸線方向一方ともいい、車幅方向内側(インボード側)を軸線方向他方ともいう。図6の紙面左右方向は、車幅方向に対応する。外輪12の内周面は転動体14の外側軌道面を構成する。
外輪12の軸線O方向一方端にはフランジ部12fが形成される。フランジ部12fはブレーキディスクBDおよび車輪ホイールWのスポーク部Wsと同軸に結合するための結合座部を構成する。外輪12はフランジ部12fでブレーキディスクBDおよび車輪ホイールWと結合して、車輪ホイールWと一体回転する。なお図示しない変形例として、フランジ部12fは周方向に間隔を空けて外径側へ突出する突出部であってもよい。
本実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置10は、ブレーキディスクBDを構成として含み、ブレーキディスクBDの回転を検出することにより車輪速を検出する回転検出機構を備えている。回転検出機構は、パルサーリングと、その回転を検出する回転センサとを含むが、図6および図7ではそれらの図示が省略されている。回転検出機構については後に詳述する。
モータ部21は図6に示すように、モータ回転軸22、ロータ23、ステータ24、モータケーシング25を有し、この順序でモータ部21の軸線Mから外径側へ順次配置される。モータケーシング25は円筒形状であり、モータケーシング25の車幅方向内側端部はモータケーシングカバー25vと接続する。モータケーシング25およびモータケーシングカバー25vは、本体ケーシング43とともに、インホイールモータ駆動装置10のケーシングを構成する。モータ部21は、インナーロータ、アウターステータ形式のラジアルギャップモータであるが、他の形式であってもよい。例えば図示しなかったがモータ部21はアキシャルギャップモータであってもよい。
モータ回転軸22およびロータ23の回転中心になる軸線Mは、車輪ハブ軸受部11の軸線Oと平行に延びる。つまりモータ部21は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oから離れるようオフセットして配置される。モータ回転軸22の先端部を除いたモータ部21の大部分の軸線方向位置は、図6に示すように内側固定部材13の軸線方向位置と重ならない。モータケーシング25は筒状であり、軸線M方向一方端で本体ケーシング43の背面部分43bと結合し、軸線M方向他方端で蓋状のモータケーシングカバー25vに封止される。モータ回転軸22の両端部は、転がり軸受27,28を介して、モータケーシング25およびモータケーシングカバー25vに回転自在に支持される。モータ部21は外輪12および車輪を駆動する。
図1に示すようにインホイールモータ駆動装置10の上部には動力線端子箱25bが設けられる。動力線端子箱25bはモータケーシング25(図6)の上部およびモータケーシングカバー25v(図6)の上部に跨って形成され、複数の動力線接続部91を有する。本実施形態の動力線端子箱25bは、3個の動力線接続部91を有し、三相交流電力を受電する。各動力線接続部91には動力線93の一端が接続される。動力線93の芯線は、動力線端子箱25b内部で、ステータ24のコイルから延びる導線と接続する。
モータケーシングカバー25vの中心部には信号線端子箱25cが形成される。信号線端子箱25cは、動力線端子箱25bから離隔する。信号線端子箱25cは図6に示すように軸線Mと交差するように配置される。信号線端子箱25cは回転角センサ84を収容する。回転角センサ84は、モータ回転軸22の軸線方向端部に設けられて、モータ回転軸22の回転角度を検出する。信号線端子箱25cには信号線接続部85が設けられる。信号線接続部85は信号線端子箱25cの壁部分と、該壁部分を貫通する貫通孔と、この貫通孔に近接する壁部分に設けられた雌ねじ孔(図示せず)を有する。貫通孔にはスリーブ86および信号線87が通される。スリーブ86は、筒状体であり、信号線87の外周に密着して、信号線87を保護し、貫通孔と信号線87との環状隙間を封止する。スリーブ86の外周面には、スリーブ外径方向に突出する舌部86tが形成される。舌部86tおよび信号線接続部85の雌ねじ孔には図6に示さないボルトがねじ込まれ、これによりスリーブ86は信号線接続部85に取付固定される。
信号線87は導電体からなる複数の芯線と、複数の芯線を束ねるように被覆する絶縁体の被覆部からなり、屈曲可能である。信号線87の一端は、信号線接続部85と接続する。図示はしなかったが信号線87は一端から車体101(図2)まで延びる。
各動力線接続部91も、信号線接続部85と同様に構成され、動力線端子箱25bの壁部分と、該壁部分を貫通する貫通孔と、この貫通孔に近接する壁部分に設けられた雌ねじ孔(図示せず)を有する。貫通孔にはスリーブ92および動力線93の一端部が通される。スリーブ92および動力線93は、動力線接続部91の貫通孔から車体101側へ延出する。動力線93はスリーブ92に通されて、スリーブ92から車体101側へ延出する。各スリーブ92は、筒状体であり、動力線93の外周に密着して、動力線93を保護する。また各スリーブ92は、動力線93の一端部とともに動力線接続部91の貫通孔に差込固定されて、動力線93の一端部を保持し、さらに動力線93と貫通孔との環状隙間を封止する。スリーブ92を抜け止めするため、スリーブ92の外周面には、スリーブ外径方向に突出する舌部92tが形成される。舌部92tおよび動力線接続部91の雌ねじ孔には図1に示すボルト91bがねじ込まれ、これによりスリーブ92は動力線接続部91に取付固定される。
減速部31は、入力軸32、入力歯車33、中間歯車34、中間軸35、中間歯車36、中間歯車37、中間軸38、中間歯車39、出力歯車40、出力軸41、および本体ケーシング43を有する。入力軸32は、モータ回転軸22の先端部22eよりも大径の筒状体であって、モータ部21の軸線Mに沿って延びる。先端部22eは入力軸32の軸線M方向他方端部の中心孔に受け入れられて、入力軸32はモータ回転軸22と同軸に結合する。入力軸32の両端は転がり軸受42a,42bを介して、本体ケーシング43に支持される。入力歯車33は、モータ部21よりも小径の外歯歯車であり、入力軸32と同軸に結合する。具体的には入力歯車33は、入力軸32の軸線M方向中央部の外周に一体形成される。
出力軸41は、外輪12の円筒部分よりも大径の筒状体であって、車輪ハブ軸受部11の軸線Oに沿って延びる。外輪12の軸線O方向他方端は、出力軸41の軸線O方向一方端の中心孔に受け入れられて、出力軸41は外輪12と同軸に結合する。出力軸41の軸線O方向両端部外周には転がり軸受44,46が配置される。出力軸41の軸線O方向一方端は転がり軸受44を介して、本体ケーシング43の正面部分43fに支持される。出力軸41の軸線O方向他方端は転がり軸受46を介して、本体ケーシング43の背面部分43bに支持される。出力歯車40は外歯歯車であり、出力軸41と同軸に結合する。具体的には出力歯車40は出力軸41の軸線O方向他方端の外周に一体形成される。
2本の中間軸35,38は入力軸32および出力軸41と平行に延びる。つまり減速部31は四軸の平行軸歯車減速機であり、出力軸41の軸線Oと、中間軸35の軸線Nfと、中間軸38の軸線Nlと、入力軸32の軸線Mは互いに平行に延び、換言すると車幅方向に延びる。
各軸の車両前後方向位置につき説明すると、図5に示すように入力軸32の軸線Mは出力軸41の軸線Oよりも車両前方に配置される。また中間軸35の軸線Nfは入力軸32の軸線Mよりも車両前方に配置される。中間軸38の軸線Nlは出力軸41の軸線Oよりも車両前方かつ入力軸32の軸線Mよりも車両後方に配置される。図示しない変形例として入力軸32の軸線Mと、中間軸35の軸線Nfと、中間軸38の軸線Nlと、出力軸41の軸線Oが、この順序で車両前後方向に配置されてもよい。この順序は駆動力の伝達順序でもある。
各軸の上下方向位置につき説明すると、入力軸32の軸線Mは出力軸41の軸線Oよりも上方に配置される。中間軸35の軸線Nfは入力軸32の軸線Mよりも上方に配置される。中間軸38の軸線Nlは中間軸35の軸線Nfよりも上方に配置される。なお複数の中間軸35,38は、入力軸32および出力軸41よりも上方に配置されれば足り、図示しない変形例として中間軸35が中間軸38よりも上方に配置されてもよい。あるいは図示しない変形例として出力軸41が入力軸32よりも上方に配置されてもよい。
中間歯車34および中間歯車36は外歯歯車であり、図6に示すように中間軸35の軸線Nf方向中央部と同軸に結合する。中間軸35の両端部は、転がり軸受45a,45bを介して、本体ケーシング43に支持される。中間歯車37および中間歯車39は外歯歯車であり、中間軸38の軸線Nl方向中央部と同軸に結合する。中間軸38の両端部は、転がり軸受48a,48bを介して、本体ケーシング43に支持される。
本体ケーシング43は、減速部31および車輪ハブ軸受部11の外郭をなし、筒状に形成されて、図5に示すように軸線O、Nf、Nl、Mを取り囲む。また本体ケーシング43は、図7に示すように車輪ホイールWの内空領域に収容される。車輪ホイールWの内空領域はリム部Wrの内周面と、リム部Wrの軸線O方向一端と結合するスポーク部Wsとによって区画される。そして車輪ハブ軸受部11、減速部31、およびモータ部21の軸線方向一方領域が車輪ホイールWの内空領域に収容される。またモータ部21の軸線方向他方領域が車輪ホイールWから軸線方向他方へはみ出す。このように車輪ホイールWはインホイールモータ駆動装置10の大部分を収容する。
図5を参照して本体ケーシング43は、軸線Oの真下部分43cと、出力歯車40の軸線Oから車両前後方向に離れた位置、具体的には入力歯車33の軸線Mの真下で、下方へ突出する部分とを有する。この突出する部分はオイルタンク47を形成し、真下部分43cよりも下方に位置する。
図7を参照して真下部分43cの直下には、キャリア18の下端部18bと、ロアアーム71の車幅方向外側端72が配置され、ロアアーム71の車幅方向外側端72と下端部18bが、ボールジョイント60を介して方向自在に連結される。図5に示すように軸線O方向にみてオイルタンク47は、略垂直な後側壁部43tと、傾斜した前側壁部43uによって区画され、下向きに細くなる三角形状にされる。なお後側壁部43tは間隔を空けてボールジョイント60(図7)と車両前後方向に対面する。前側壁部43uはリム部Wr(図7)のうち前側かつ下側の部分と対面する。
ボールジョイント60は、図7に示すようにボールスタッド61およびソケット62を含む。ボールスタッド61は上下方向に延び、上端に形成されるボール部61bおよび下端に形成されるスタッド部61sを有する。ソケット62はキャリア18に設けられて、ボール部61bを摺動可能に収容する。スタッド部61sは、ロアアーム71の車幅方向外側端72を上下方向に貫通する。スタッド部61sの下端外周には雄ねじが形成され、下方からナット72nが螺合することにより、スタッド部61sはロアアーム71に取付固定される。図1に示すようにボールジョイント60は、オイルタンク47の下端よりも上方に位置する。ボールジョイント60およびオイルタンク47は、車輪ホイールWの内空領域に配置され、ボールジョイント60は軸線Oの直下に配置され、オイルタンク47はボールジョイント60から車両前後方向に離れて配置される。またボールジョイント60は、図7に示すように背面部分43bよりも車幅方向外側に配置される。転舵軸線Kはボール部61bのボール中心を通過して上下方向に延び、固定軸15と、タイヤTの接地面Rを交差する。キャリア18の上端部は、ストラット76の下端に取付固定される。
本体ケーシング43は、筒状であり、図6に示すように入力軸32、入力歯車33、中間歯車34、中間軸35、中間歯車36、中間歯車37、中間軸38、中間歯車39、出力歯車40、出力軸41、および車輪ハブ軸受部11の軸線O方向中央部を収容する。本体ケーシング43の内部には潤滑油が封入され、減速部31は潤滑される。入力歯車33、中間歯車34、中間歯車36、中間歯車37、中間歯車39、出力歯車40ははすば歯車である。
本体ケーシング43は、図5に示すように真下部分43cおよびオイルタンク47を含む筒状部分と、図6に示すように減速部31の筒状部分の軸線方向一方側を覆う略平坦な正面部分43fと、減速部31の筒状部分の軸線方向他方側を覆う略平坦な背面部分43bを有する。背面部分43bは、モータケーシング25と結合する。また背面部分43bは、固定軸15と結合する。
正面部分43fには外輪12が貫通するための開口43pが形成される。開口43pには、出力軸41との環状隙間を封止するシール材43sが設けられる。このため回転体になる外輪12は、軸線O方向一方端部を除いて本体ケーシング43に収容される。出力軸41の軸線O方向他方端部内周面にはシール材43vが配置される。シール材43vは出力軸41と背面部分43bの環状隙間を封止する。
小径の入力歯車33と大径の中間歯車34は、減速部31の軸線方向他方側(モータ部21側)に配置されて互いに噛合する。小径の中間歯車36と大径の中間歯車37は、減速部31の軸線方向一方側(フランジ部12f側)に配置されて互いに噛合する。小径の中間歯車39と大径の出力歯車40は、減速部31の軸線方向他方側に配置されて互いに噛合する。このようにして入力歯車33と複数の中間歯車34、36,37,39と出力歯車40は、互いに噛合し、入力歯車33から複数の中間歯車34、36,37,39を経て出力歯車40に至る駆動伝達経路を構成する。そして上述した小径歯車および大径歯車の噛合により、入力軸32の回転は中間軸35で減速され、中間軸35の回転は中間軸38で減速され、中間軸38の回転は出力軸41で減速される。これにより減速部31は減速比を十分に確保する。複数の中間歯車のうち中間歯車34は、駆動伝達経路の入力側に位置する第1中間歯車となる。複数の中間歯車のうち中間歯車39は、駆動伝達経路の出力側に位置する最終中間歯車となる。
図5に示すように、出力軸41、中間軸38、および入力軸32は、この順序で車両前後方向に間隔を空けて配置される。さらに中間軸35および中間軸38は、入力軸32および出力軸41よりも上方に配置される。かかる実施形態によれば、車輪ハブになる外輪12の上方に中間軸を配置し得て、外輪12の下方にオイルタンク47の配置スペースを確保したり、外輪12の真下にボールジョイント60(図7)を受け入れる空間を確保したりすることができる。したがって上下方向に延びる転舵軸線Kを車輪ハブ軸受部11に交差して設けることができ、車輪ホイールWおよびインホイールモータ駆動装置10を転舵軸線K回りに好適に転舵させることができる。
(回転検出機構について)
次に、図8〜図12を参照して、本実施の形態における回転検出機構50について説明する。なお、図8の模式断面図には、減速部31の構成の一部が展開して示されているが、図6に示した展開図とは逆方向に展開されている。
回転検出機構50は、回転部分となるブレーキディスクBDに取付けられたパルサーリング51と、固定部分に取付けられ、パルサーリング51の回転を検出する回転センサ54とを含む。本実施の形態における回転検出機構50は、パッシブ方式を採用している。そのため、パルサーリング51は、たとえば磁性体(薄型の鋼板)により構成され、回転センサ54は、たとえばピックアップコイルにより構成される。
図8に示すように、ブレーキディスクBDは、ブレーキパッド83に挟み込まれるブレーキリング81と、ブレーキリング81の内径側端部から車幅方向外側に突出して設けられたハット部82とを有している。ハット部82は、径方向に延在する底壁部82aと、底壁部82aとブレーキリング81とに連結される円筒部82bとで構成される。パルサーリング51は、その中心が軸線Oに一致するように、ブレーキディスクBDのハット部82に取付けられている。回転センサ54は、本体ケーシング43に取付けられている。より具体的には、回転センサ54は、本体ケーシング43のうちハット部82と対面する部分に、保持部材(ステー)55を介して取付けられている。保持部材55を用いた回転センサ54の取付け構造については後述する。
パルサーリング51は、径方向に延びるフランジ部52と、車軸方向に延びる被検出部53とを有する。被検出部53は、円筒状に形成されており、被検出部53の車軸方向外側端縁にフランジ部52が設けられている。このように、パルサーリング51は、フランジ部52と被検出部53とが略L字状となるよう折り曲げられている。なお、フランジ部52は、リング状に構成されてもよいし、図9に示されるように、円周方向に沿って等間隔に複数個(たとえば4つ)設けられていてもよい。
ハット部82の底壁部82aには予め、ボルト111が固定されており、フランジ部52には、ボルト111挿通用の貫通孔52aが設けられている。フランジ部52は、ボルト111の先端部分に螺合されたナット112によって、ハット部82の底壁部82aに取付けられる。なお、フランジ部52とナット112との間に、皿ねじを介在させてもよい。また、パルサーリング51の心合わせは、治具を用いて行われる。ブレーキディスクBDにおけるハット部82の底壁部82aの中心円筒部分が車輪ハブとしての外輪12と嵌合するため、底壁部82aに固定されたパルサーリング51の振れ周りが防止される。
図11に示されるように、被検出部53は、フランジ部52から折れ曲がって車軸方向に延びている。被検出部53は、回転センサ54に対面し、回転センサ54により回転が検出される部分である。フランジ部52の径方向長さは、被検出部53の車軸方向長さよりも短いことが望ましい。
被検出部53には、たとえば、円周方向に沿って複数の貫通孔53aが所定ピッチで設けられている。これにより、被検出部53の外周面に繰り返し凹凸が形成される。この場合、回転センサ54は、ブレーキディスクBDが回転すると、パルサーリング51の被検出部53の凹凸に応じて変化する起電力を電圧として出力する。回転センサ54の検出信号は、車体側に設けられた制御装置に送信される。
このように、パルサーリング51がブレーキディスクBDのハット部82内に配置されるため、インホイールモータ駆動装置10の車軸方向長さを大きくすることなく、回転検出機構50を搭載することができる。したがって、インホイールモータ駆動装置10とホイールハウジング102(図2)の内壁との干渉を避けることができる。また、転舵角を犠牲にすることなく、インホイールモータ駆動装置10を配置することができる。
ここで、図8には、比較例におけるパルサーリング151の配置構造が破線枠内に図示されている。なお、破線枠内の構造物は、比較を容易にするために、本実施の形態におけるインホイールモータ駆動装置10と紙面上左右対称となるように図示されている。
比較例においても、パルサーリング151がブレーキディスク180のハット部182内に取付けられている。しかしながら、パルサーリング151は、径方向に延びる部分のみによって構成されており、パルサーリング151の全体がハット部182の底壁部182aに当接した状態で固定されている。この場合、パルサーリング151をハット部182に取付ける取付け部分152と被検出部分153とが、径方向に連なって設けられている。
これに対し、本実施の形態では、ハット部82の底壁部82aに当接状態で固定される部分が、フランジ部52のみである。このように、パルサーリング51の形状を、フランジ部52付きの円筒形状とすることで、パルサーリング51の外径寸法を小さくすることができる。したがって、ブレーキディスクBDのハット部82の外径寸法L1を、比較例におけるブレーキディスク180のハット部182の外径寸法L10よりも小さくすることができる。その結果、ブレーキディスクBD自体の外径寸法を、比較例におけるブレーキディスク180よりも小さくすることができる。言い換えると、ブレーキディスクBDの外径寸法を、ブレーキディスクにパルサーリングを搭載しない場合と同じ寸法とすることができる。
なお、車軸方向において、被検出部53はハット部82の範囲内に完全に収まっていることが望ましいが、インホイールモータ駆動装置10の軸線方向長さに影響を与えない範囲において、被検出部53の一部がハット部82から車幅方向内側に食み出していてもよい。
次に、保持部材55を用いた回転センサ54の取付け構造について説明する。図10および図11には、保持部材55の外観および断面が模式的に示されている。図8、図10、および図11を参照して、保持部材55は、径方向に延びる取付け部56と、取付け部56の上端から車幅方向外側に向けて延びる保持部57とを含む。保持部57は、取付け部56との角度が鈍角となるよう傾斜している。
取付け部56には、ボルト113を挿通するための貫通孔56aが設けられている。貫通孔56aに挿通されたボルト113が本体ケーシング43の壁部に形成された雌ねじ孔に螺合することで、保持部材55が本体ケーシング43に固定される。
保持部57には、回転センサ54の本体部を嵌め入れるための貫通孔57aと、回転センサ54の固定片54bを通過したボルト114を挿通するための貫通孔57bとが設けられている。貫通孔57bの内壁には、図示しない雌ねじが切られている。ボルト114が、その頭部と保持部57との間に、回転センサ54の固定片54bを挟み込んだ状態で、貫通孔57bに螺合する。これにより、回転センサ54は、その姿勢および向きが固定された状態で、保持部材55に保持される。
ここで、保持部材55は、回転センサ54の検出面54aと被検出部53との間隔(エアギャップ)を調整するために、少なくとも径方向に回転センサ54を移動可能に構成されていることが望ましい。本実施の形態では、図10および図11に示されるように、取付け部56の貫通孔56aは径方向に長い長孔となっている。
そのため、図12の矢印A1に示されるように、本体ケーシング43に対する保持部材55の径方向位置を微調整することができる。これにより、保持部材55に保持された回転センサ54を径方向に移動可能となるめ、回転センサ54の検出面54aと被検出部53の外周面との間隔D1、すなわちエアギャップを微調整することができる。
このように、保持部材55に設けられた長孔56aは、回転センサ54の位置を径方向に調整可能とするための位置調整部として機能する。このような位置調整部を設けることで、他部品の製作誤差や組み付け誤差を許容することができる。その結果、回転センサ54の検出精度の低下を防ぐことができる。
なお、本実施の形態では、エアギャップ調整のために、回転センサ54の位置を径方向に調整可能であることとしたが、回転センサ54の位置を車軸方向にも調整可能であってもよい。つまり、保持部材55は、回転センサ54の位置を径方向および車軸方向の双方に調整可能とするための位置調整部を有していてもよい。これにより、回転センサ54の検出面54aが、被検出部53の全幅のうち、貫通孔53aを有する読取部分(より望ましくは、その部分の中央位置)に対面するよう、回転センサ54の車軸方向位置を微調整することができる。
この場合、たとえば、保持部材55の保持部57に設けられた貫通孔57a,57bを、車軸方向に長い長孔としてもよい。ただし、その場合、回転センサ54の本体部の姿勢を安定させるための部材が別途設けられることが望ましい。なお、本実施の形態では、パルサーリング51の被検出部53が車軸に平行であり、かつ、保持部材55の保持部57が車軸に対し傾斜して設けられている。したがって、図12の矢印A2で示されるように、回転センサ54を保持部57に沿ってスライド移動させることで、車軸方向および径方向の双方に回転センサ54の位置を調整することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、パルサーリング51の被検出部53が車軸方向に延びる構成であるため、ブレーキディスクBDのハット部82を大径としなくてもよい。したがって、ブレーキディスクBD自体の外径寸法を小さくすることができる。また、ブレーキディスクBDを小径化できるため、ブレーキディスクBDのハット部82内にパルサーリング51を搭載する場合でも、車輪ホイールWの内空領域を径方向に拡大させる必要がない。また、ブレーキディスクBDを小径化できるため、ばね下重量を軽減することができ、その結果、車両の乗り心地および走行性能を向上させることができる。
さらに、回転センサ54を保持する保持部材55が、回転センサ54の位置を少なくとも径方向に調整可能とするための位置調整部を有しているため、回転センサ54の検出精度を向上させることができる。
なお、パルサーリング51の構造は、上記例に限定されない。以下に、変形例について説明する。
(変形例1)
図13は、本発明の実施の形態の変形例1における回転検出機構50Aを模式的に示す縦断面図である。回転検出機構50Aは、図8等に示したパルサーリング51に代えて、パルサーリング51Aを含む。図14には、車幅方向内側から見たパルサーリング51Aの正面図が示されている。
パルサーリング51Aの被検出部53は、上記実施の形態と同様に車軸方向に延びているが、車幅方向内側に向かって小径となるよう円錐状に形成されている。本変形例において、フランジ部52と被検出部53とがなす角度は、保持部材55の取付け部56と保持部57とがなす角度と略同じである。このような場合、保持部材55に保持される回転センサ54の本体部の形状を図8に示すような折り曲げ形状としなくても、回転センサ54の検出面54aを被検出部53の外周面に対面させることができる。
(変形例2)
図15は、本発明の実施の形態の変形例2における回転検出機構50Bを模式的に示す縦断面図である。回転検出機構50Bは、図8等に示したパルサーリング51に代えて、パルサーリング51Bを含む。図16には、車幅方向内側から見たパルサーリング51Bの正面図が示されている。なお、図15では、回転センサ54およびその保持部材55の図示が省略されている。
パルサーリング51Bは、フランジ部52および被検出部53に加え、当接部58を含む。また、フランジ部52は、リング状に構成されている。フランジ部52の寸法は全周に亘り一定である。
当接部58は、フランジ部52の外径側端部に連結され、車軸方向に延びている。つまり、パルサーリング51Bは、フランジ部52と被検出部53と当接部58とが略U字状となるよう折り曲げられている。なお、当接部58の車軸方向長さは、被検出部53の車軸方向長さよりも短くてもよい。当接部58は、取付け状態において、ブレーキディスクBDのハット部82の内径面82c(すなわち、円筒部82bの内側の面)に当接する。
このように、本変形例におけるパルサーリング51Bは、ブレーキディスクBDのハット部82の内径面82cに当接する当接部58を有するため、パルサーリング51BをブレーキディスクBDに取付ける際に心合わせを容易に行うことができる。したがって、パルサーリング51Bの取付け作業を簡易に行うことができる。
(変形例3)
図17は、本発明の実施の形態の変形例3における回転検出機構50Cを模式的に示す縦断面図である。回転検出機構50Cは、図8等に示したパルサーリング51に代えて、パルサーリング51Cを含む。図18には、車幅方向内側から見たパルサーリング51Cの正面図が示されている。なお、図17では、回転センサ54およびその保持部材55の図示が省略されている。
パルサーリング51Cの被検出部53は、フランジ部52の外径側端部に連結されている。この場合、被検出部53の外径面ではなく内径面が、回転センサ54による読取面となる。つまり、回転センサ54は、検出面54a(図12)が外径方向を向くように本体ケーシング43に取付けられる。
なお、上記実施の形態およびその変形例では、パッシブ方式の回転検出機構50(50A,50B,50C)について説明したが、回転検出機構はアクティブ方式を採用してもよい。その場合、パルサーリングの被検出部として、たとえば公知の磁気エンコーダが採用され得る。磁気エンコーダは、円周方向にN極とS極とが繰り返し配置された環状の磁石である。この場合、回転センサ54は、磁気エンコーダの回転に伴う磁気の強弱を読み取る。
また、上記した複数の変形例を適宜組み合わせてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 インホイールモータ駆動装置、11 車輪ハブ軸受部、12 外輪、13 内側固定部材、15 固定軸、18 キャリア、21 モータ部、22 モータ回転軸、23 ロータ、24 ステータ、25 モータケーシング、25b 動力線端子箱、25c 信号線端子箱、25v モータケーシングカバー、31 減速部、32 入力軸、33 入力歯車、34,36,37,39 中間歯車、35,38 中間軸、40 出力歯車、41 出力軸、43 本体ケーシング、47 オイルタンク、50,50A,50B,50C 回転検出機構、51,51A,51B,51C,151 パルサーリング、52 フランジ部、53 被検出部、54 回転センサ、55 保持部材、56 取付け部、57 保持部、58 当接部、60 ボールジョイント、61 ボールスタッド、62 ソケット、70 サスペンション装置、71 ロアアーム、76 ストラット、77 ショックアブソーバ、78 コイルスプリング、80 タイロッド、81 ブレーキリング、82,182 ハット部、83 ブレーキパッド、84 回転角センサ、85 信号線接続部、87 信号線、91 動力線接続部、93 動力線、101 車体、102 ホイールハウジング、BD,180 ブレーキディスク、W 車輪ホイール。

Claims (4)

  1. 駆動輪にブレーキディスクを取付け、回転部分となる前記ブレーキディスクのハット部にパルサーリングを取付け、固定部分に前記パルサーリングの回転を検出する回転センサを取り付けたインホイールモータ駆動装置において、
    前記パルサーリングは、
    径方向に延び、前記ハット部に取付けられるフランジ部と、
    前記フランジ部から折れ曲がって車軸方向に延び、前記回転センサに対面する被検出部とを含むことを特徴とする、インホイールモータ駆動装置。
  2. 前記回転センサは、当該インホイールモータ駆動装置のケーシングに取付けられている、請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置。
  3. 前記被検出部は、前記フランジ部の内径側端部に連結されており、
    前記パルサーリングは、前記フランジ部の外径側端部に連結され、前記ハット部の内径面に当接する当接部をさらに含む、請求項1または2に記載のインホイールモータ駆動装置。
  4. 前記回転センサは、前記ケーシングに固定された保持部材によって保持されており、
    前記保持部材は、前記回転センサの位置を少なくとも径方向に調整可能とするための位置調整部を有している、請求項2に記載のインホイールモータ駆動装置。
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