JP6735132B2 - インホイールモータ駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インホイールモータ駆動装置に関し、特に、インホイールモータ駆動装置における信号線の取り出し構造に関する。
インホイールモータ駆動装置を搭載する車両では、車体と車輪とを結ぶ経路上に、車体側からイールモータ駆動装置に電力を供給するための動力線、および、インホイールモータ駆動装置内部のロータのポジション(回転角度)を示す検出信号等を車体側に送信するための信号線が配置される。
動力線および信号線(これらを総称して「電力線」ともいう)は、たとえば特許第4628136号公報(特許文献1)に示されるように、インホイールモータ駆動装置のケーシングに設けられた共通の端子箱から車体側へ引き出される。インホイールモータ駆動装置から引き出されたこれら電力線は、クランプ部材によってサスペンション装置のアッパーアームに取付けられ、あるいはクランプ部材によってインホイールモータに取付けられる。
特許第4628136号公報
上記特許文献1のように、共通の端子箱に動力線と信号線との双方を接続する場合、端子箱に動力線のみを接続する場合と比較して、端子箱内部や外部に設ける接続構造が多くなるため、端子箱を小型化することは難しい。その結果、インホイールモータ駆動装置の搭載に必要な空間が大きくなるというデメリットがある。
また、特許文献1では、電力線をクランプすることで、転舵やホイールストロークによるケーブルの屈曲運動を制限し、耐久性低下を防いでいる。しかし、特許文献1のように、動力線と信号線とをまとめてクランプする場合、動力線および信号線はごく近い場所から取り出さなければ、インホイールモータ駆動装置のケーシングに設けられた配線コネクタ部からクランプまでの間で異なるケーブルの経路がケーブルの本数分だけ存在することになる。そのため、動力線と信号線とをまとめてクランプする場合に、動力線と信号線とが離間して取り出されると、ケーブルの屈曲運動に必要な空間が大きくなるため、望ましくない。
一方で、動力線の近傍に信号線を配置すると、動力線から発生するノイズが信号線に影響を与える可能性がある。そうすると、信号線を介して検出信号を受信する車体側の制御装置等において、誤作動が起きる可能性が高くなる。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、搭載車両のホイール径を大きくする必要がなく、また、動力線から発生するノイズの影響を極力受けないように信号線を取り出すことのできるインホイールモータ駆動装置を提供することである。
この発明のある局面に従うインホイールモータ駆動装置は、車輪の内部に配置されて車輪を駆動するインホイールモータ駆動装置であって、車幅方向に延びる車輪ハブを回転自在に支持する車輪ハブ軸受部と、車輪ハブを駆動するモータ部と、モータ部を内蔵するケーシングとを備える。モータ部は、円筒形状のステータと、ステータの内径側に配置されるロータと、車軸よりも車両前後方向にオフセットして配置され、ロータと一体回転するモータ回転軸と、ロータの回転角度を検出する回転角センサとを含む。ケーシングは、回転角センサに接続された信号線を径方向に取り出す信号線取り出し口を含む。信号線取り出し口は、車軸方向からみてステータの外周面の位置より内側に設けられている。
このインホイールモータ駆動装置によれば、信号線取り出し口が、車軸方向からみてステータの外周面の位置より内側に設けられているため、信号線を径方向に取り出しても、搭載車両のホイール径を大きくする必要がない。また、車軸方向からみて動力線は、ステータの外周面の位置よりも外側の部分から引き出されるため、動力線から発生するノイズの影響を極力受けないように信号線を取り出すことができる。
好ましくは、ケーシングの信号線取り出し口は、モータ回転軸の軸心と車軸の軸心との間に位置し、信号線取り出し口には、信号線の取り出し方向が車軸の軸心に向かって延びるように信号線を保持する保持部が固定されている。
好ましくは、ケーシングは、隔壁部によって区画された信号線取り出し空間を有し、信号線は、信号線取り出し空間からケーシング外に導かれる。
ケーシングは、モータ部の外周を取り囲む筒状部と、筒状部の車幅方向内側の開口を閉鎖する蓋部とを含む。この場合、信号線取り出し空間は、蓋部に設けられていることが望ましい。
また、回転角センサは、隔壁部に収容されることが望ましい。
好ましくは、ケーシングには、信号線取り出し空間とは別に、動力線端子箱が設けられている。
本発明によれば、信号線取り出し口が、車軸方向からみてステータの外周面の位置より内側に設けられているため、信号線を径方向に取り出しても、搭載車両のホイール径を大きくする必要がない。
また、車軸方向からみて動力線は、ステータの外周面の位置よりも外側の部分から引き出されるため、動力線から発生するノイズの影響を極力受けないように信号線を取り出すことができる。
本発明の実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置およびその周辺構造を、車幅方向内側からみた状態を模式的に表す図である。 本発明の実施の形態において、車体のホイールハウジング内に配置される構造物を、車両前方からみた状態を模式的に表す図である。 図2に示した構造物を、車両上方からみた状態を模式的に表す図である。 本発明の実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置を車幅方向外側からみた状態を模式的に表す図である。 本発明の実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置を示す横断面図である。 本発明の実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置を示す展開断面図である。 本発明の実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置およびサスペンション装置を模式的に示す縦断面図である。 本発明の実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置および動力線を、車両後方からみた状態を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置および動力線を、車両上方から転舵軸線方向にみた状態を示す模式図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
(基本構成について)
はじめに、図1〜図7を参照して、本発明の実施の形態に係るインホイールモータ駆動装置の基本構成およびその周辺構造について説明する。インホイールモータ駆動装置は、電気自動車またはハイブリッド車両などの乗用自動車に搭載される。
図2等に示されるように、車輪ホイールWの外周には仮想線で示すタイヤTが嵌合する。車輪ホイールWおよびタイヤTは車輪を構成する。車輪ホイールWのリム部Wrは、車輪の内空領域を区画する。かかる内空領域にはインホイールモータ駆動装置10が配置される。インホイールモータ駆動装置10は車輪ホイールWと連結して車輪を駆動する。
サスペンション装置70はストラット式サスペンション装置であり車幅方向に延びるロアアーム71と、ロアアーム71よりも上方に配置されて上下方向に延びるストラット76を含む。ストラット76は車輪ホイールWおよびインホイールモータ駆動装置10よりも車幅方向内側に配置され、ストラット76の下端がインホイールモータ駆動装置10と結合し、ストラット76の上端が車輪ホイールWよりも上方で車体101と連結する。なおストラット76と、車輪ホイールWの上部と、インホイールモータ駆動装置10の上部は、車体101の車幅方向外側に形成されるホイールハウジング102に収容される。
ストラット76は上端領域にショックアブソーバ77を内蔵して上下方向に伸縮可能なサスペンション部材である。ショックアブソーバ77の外周には仮想線で概略を示すコイルスプリング78が配置され、ストラット76に作用する上下方向の軸力を緩和する。ストラット76の上端部および中央部には、コイルスプリング78の上端および下端を挟んで保持する1対のコイルスプリングシート79b,79cが設けられる。ショックアブソーバ77の内部にはストラット76に作用する軸力を減衰させるダンパーが設けられる。
ロアアーム71は、インホイールモータ駆動装置10の軸線Oよりも下方に配置されるサスペンション部材であって、車幅方向外側端72および車幅方向内側端73d,73fを含む。ロアアーム71は、車幅方向外側端72で、ボールジョイント60を介してインホイールモータ駆動装置10に連結される。またロアアーム71は車幅方向内側端73d,73fで図示しない車体側メンバに連結される。車幅方向内側端73d,73fを基端とし、車幅方向外側端72を遊端として、ロアアーム71は上下方向に揺動可能である。なお車体側メンバとは説明される部材からみて車体側に取り付けられる部材をいう。車幅方向外側端72とストラット76の上端76aを結ぶ直線は、上下方向に延びて転舵軸線Kを構成する。転舵軸線Kは基本的には上下方向に延びるが、車幅方向および/または車両前後方向に若干傾斜してもよい。なお図中において車幅方向内側端73d,73fを区別しない場合、単に符号73を付してある。
ロアアーム71よりも上方にはタイロッド80が配置される。タイロッド80は車幅方向に延び、タイロッド80の車幅方向外側端がインホイールモータ駆動装置10と回動可能に連結する。タイロッド80の車幅方向内側端は図示しない操舵装置と連結する。操舵装置はタイロッド80を車幅方向に進退動させて、インホイールモータ駆動装置10および車輪ホイールWを転舵軸線K回りに転舵させる。
インホイールモータ駆動装置10の基本構成部については、図4〜図7を特に参照して説明する。なお、図5中、減速部内部の各歯車は歯先円で表され、個々の歯を図略する。また、図6で表される切断面は、図5に示す軸線Mおよび軸線Nfを含む平面と、軸線Nfおよび軸線Nlを含む平面と、軸線Nlおよび軸線Oを含む平面とを、この順序で接続した展開平面である。図7は、インホイールモータ駆動装置を示す縦断面図であり、車輪およびサスペンション装置とともに表す。図面の煩雑を避けるため図7中、減速部内部の各歯車は図略される。
インホイールモータ駆動装置10は、図6に示すように仮想線で表される車輪ホイールWの中心と連結する車輪ハブ軸受部11と、車輪の車輪ホイールWを駆動するモータ部21と、モータ部の回転を減速して車輪ハブ軸受部11に伝達する減速部31を備え、電動車両のホイールハウジング(図示せず)に配置される。モータ部21および減速部31は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oと同軸に配置されるのではなく、図5に示すように車輪ハブ軸受部11の軸線Oからオフセットして配置される。インホイールモータ駆動装置10は、公道で電動車両を時速0〜180km/hで走行させることができる。
車輪ハブ軸受部11は、図6に示すように車輪ホイールWと結合する車輪ハブとしての外輪12と、外輪12の中心孔に通される内側固定部材13と、外輪12と内側固定部材13との環状隙間に配置される複数の転動体14を有し、車軸を構成する。内側固定部材13は、非回転の固定軸15と、1対のインナーレース16と、抜け止めナット17と、キャリア18とを含む。固定軸15は根元部15rが先端部15eよりも大径に形成される。インナーレース16は、根元部15rと先端部15eの間で、固定軸15の外周に嵌合する。抜け止めナット17は固定軸15の先端部15eに螺合して、抜け止めナット17と根元部15rの間にインナーレース16を固定する。
固定軸15は軸線Oに沿って延び、減速部31の外郭をなす本体ケーシング43を貫通する。固定軸15の先端部15eは、本体ケーシング43の正面部分43fに形成される開口43pを貫通し、正面部分43fよりも車幅方向外側へ突出する。固定軸15の根元部15rは、本体ケーシング43の背面部分43bよりも車幅方向内側から、背面部分43bに形成される開口43qを貫通する。なお正面部分43fと背面部分43bは軸線O方向に間隔を空けて互いに向き合う壁部分である。根元部15rにはキャリア18が取付固定される。キャリア18は本体ケーシング43の外部でサスペンション装置70およびタイロッド80と連結する。
転動体14は、軸線O方向に離隔して複列に配置される。軸線O方向一方のインナーレース16の外周面は、第1列の転動体14の内側軌道面を構成し、外輪12の軸線O方向一方の内周面と対面する。軸線O方向他方のインナーレース16の外周面は、第2列の転動体14の内側軌道面を構成し、外輪12の軸線O方向他方の内周面と対面する。以下の説明において、車幅方向外側(アウトボード側)を軸線方向一方ともいい、車幅方向内側(インボード側)を軸線方向他方ともいう。図6の紙面左右方向は、車幅方向に対応する。外輪12の内周面は転動体14の外側軌道面を構成する。
外輪12の軸線O方向一方端にはフランジ部12fが形成される。フランジ部12fはブレーキディスクBDおよび車輪ホイールWのスポーク部Wsと同軸に結合するための結合座部を構成する。外輪12はフランジ部12fでブレーキディスクBDおよび車輪ホイールWと結合して、車輪ホイールWと一体回転する。なお図示しない変形例として、フランジ部12fは周方向に間隔を空けて外径側へ突出する突出部であってもよい。
モータ部21は図6に示すように、モータ回転軸22、ロータ23、ステータ24を有し、この順序でモータ部21の軸線Mから外径側へ順次配置される。モータ回転軸22は、ロータ23の内側に連結固定されてロータ23と一体回転する。モータ部21は、モータ回転軸22(すなわちロータ23)の回転角度を検出する回転角センサ84をさらに含む。モータ部21は、モータケーシング25に内蔵される。モータケーシング25は、モータ部21の外周を取り囲む筒状部(以下「筒状ケーシング」という)25aと、筒状ケーシング25aの車幅方向内側の開口を閉鎖する蓋部(以下「リヤカバー」という)25vとで構成される。
モータ回転軸22およびロータ23の回転中心になる軸線Mは、車輪ハブ軸受部11の軸線Oと平行に延びる。つまりモータ部21は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oから離れるようオフセットして配置される。モータ回転軸22の先端部を除いたモータ部21の大部分の軸線方向位置は、図6に示すように内側固定部材13の軸線方向位置と重ならない。モータケーシング25の筒状ケーシング25aは、軸線M方向一方端で本体ケーシング43の背面部分43bと結合し、軸線M方向他方端でリヤカバー25vに封止される。モータ回転軸22の両端部は、転がり軸受27,28を介して、モータケーシング25に回転自在に支持される。モータ部21は外輪12および車輪を駆動する。
減速部31は、入力軸32、入力歯車33、中間歯車34、中間軸35、中間歯車36、中間歯車37、中間軸38、中間歯車39、出力歯車40、および出力軸41を有する。入力軸32は、モータ回転軸22の先端部22eよりも大径の筒状体であって、モータ部21の軸線Mに沿って延びる。先端部22eは入力軸32の軸線M方向他方端部の中心孔に受け入れられて、入力軸32はモータ回転軸22と同軸に結合する。入力軸32の両端は転がり軸受42a,42bを介して、本体ケーシング43に支持される。入力歯車33は、モータ部21よりも小径の外歯歯車であり、入力軸32と同軸に結合する。具体的には入力歯車33は、入力軸32の軸線M方向中央部の外周に一体形成される。
出力軸41は、外輪12の円筒部分よりも大径の筒状体であって、車輪ハブ軸受部11の軸線Oに沿って延びる。外輪12の軸線O方向他方端は、出力軸41の軸線O方向一方端の中心孔に受け入れられて、出力軸41は外輪12と同軸に結合する。出力軸41の軸線O方向両端部外周には転がり軸受44,46が配置される。出力軸41の軸線O方向一方端は転がり軸受44を介して、本体ケーシング43の正面部分43fに支持される。出力軸41の軸線O方向他方端は転がり軸受46を介して、本体ケーシング43の背面部分43bに支持される。出力歯車40は外歯歯車であり、出力軸41と同軸に結合する。具体的には出力歯車40は出力軸41の軸線O方向他方端の外周に一体形成される。
2本の中間軸35,38は入力軸32および出力軸41と平行に延びる。つまり減速部31は四軸の平行軸歯車減速機であり、出力軸41の軸線Oと、中間軸35の軸線Nfと、中間軸38の軸線Nlと、入力軸32の軸線Mは互いに平行に延び、換言すると車幅方向に延びる。
各軸の車両前後方向位置につき説明すると、図5に示すように入力軸32の軸線Mは出力軸41の軸線Oよりも車両前方に配置される。また中間軸35の軸線Nfは入力軸32の軸線Mよりも車両前方に配置される。中間軸38の軸線Nlは出力軸41の軸線Oよりも車両前方かつ入力軸32の軸線Mよりも車両後方に配置される。図示しない変形例として入力軸32の軸線Mと、中間軸35の軸線Nfと、中間軸38の軸線Nlと、出力軸41の軸線Oが、この順序で車両前後方向に配置されてもよい。この順序は駆動力の伝達順序でもある。
各軸の上下方向位置につき説明すると、入力軸32の軸線Mは出力軸41の軸線Oよりも上方に配置される。中間軸35の軸線Nfは入力軸32の軸線Mよりも上方に配置される。中間軸38の軸線Nlは中間軸35の軸線Nfよりも上方に配置される。なお複数の中間軸35,38は、入力軸32および出力軸41よりも上方に配置されれば足り、図示しない変形例として中間軸35が中間軸38よりも上方に配置されてもよい。あるいは図示しない変形例として出力軸41が入力軸32よりも上方に配置されてもよい。
中間歯車34および中間歯車36は外歯歯車であり、図6に示すように中間軸35の軸線Nf方向中央部と同軸に結合する。中間軸35の両端部は、転がり軸受45a,45bを介して、本体ケーシング43に支持される。中間歯車37および中間歯車39は外歯歯車であり、中間軸38の軸線Nl方向中央部と同軸に結合する。中間軸38の両端部は、転がり軸受48a,48bを介して、本体ケーシング43に支持される。
本体ケーシング43は、減速部31および車輪ハブ軸受部11の外郭をなし、筒状に形成されて、図5に示すように軸線O、Nf、Nl、Mを取り囲む。また本体ケーシング43は、図7に示すように車輪ホイールWの内空領域に収容される。車輪ホイールWの内空領域はリム部Wrの内周面と、リム部Wrの軸線O方向一端と結合するスポーク部Wsとによって区画される。そして車輪ハブ軸受部11、減速部31、およびモータ部21の軸線方向一方領域が車輪ホイールWの内空領域に収容される。またモータ部21の軸線方向他方領域が車輪ホイールWから軸線方向他方へはみ出す。このように車輪ホイールWはインホイールモータ駆動装置10の大部分を収容する。
図5を参照して本体ケーシング43は、軸線Oの真下部分43cと、出力歯車40の軸線Oから車両前後方向に離れた位置、具体的には入力歯車33の軸線Mの真下で、下方へ突出する部分とを有する。この突出する部分はオイルタンク47を形成し、真下部分43cよりも下方に位置する。
図7を参照して真下部分43cの直下には、キャリア18の下端部18bと、ロアアーム71の車幅方向外側端72が配置され、ロアアーム71の車幅方向外側端72と下端部18bが、ボールジョイント60を介して方向自在に連結される。図5に示すように軸線O方向にみてオイルタンク47は、略垂直な後側壁部43tと、傾斜した前側壁部43uによって区画され、下向きに細くなる三角形状にされる。なお後側壁部43tは間隔を空けてボールジョイント60(図7)と車両前後方向に対面する。前側壁部43uはリム部Wr(図7)のうち前側かつ下側の部分と対面する。
ボールジョイント60は、図7に示すようにボールスタッド61およびソケット62を含む。ボールスタッド61は上下方向に延び、上端に形成されるボール部61bおよび下端に形成されるスタッド部61sを有する。ソケット62は内側固定部材13に設けられて、ボール部61bを摺動可能に収容する。スタッド部61sは、ロアアーム71の車幅方向外側端72を上下方向に貫通する。スタッド部61sの下端外周には雄ねじが形成され、下方からナット72nが螺合することにより、スタッド部61sはロアアーム71に取付固定される。図1に示すようにボールジョイント60は、オイルタンク47の下端よりも上方に位置する。ボールジョイント60およびオイルタンク47は、車輪ホイールWの内空領域に配置され、ボールジョイント60は軸線Oの直下に配置され、オイルタンク47はボールジョイント60から車両前後方向に離れて配置される。またボールジョイント60は、図7に示すように背面部分43bよりも車幅方向外側に配置される。転舵軸線Kはボール部61bのボール中心を通過して上下方向に延び、固定軸15と、タイヤTの接地面Rを交差する。キャリア18の上端部は、ストラット76の下端に取付固定される。
本体ケーシング43は、筒状であり、図6に示すように入力軸32、入力歯車33、中間歯車34、中間軸35、中間歯車36、中間歯車37、中間軸38、中間歯車39、出力歯車40、出力軸41、および車輪ハブ軸受部11の軸線O方向中央部を収容する。本体ケーシング43の内部には潤滑油が封入され、減速部31は潤滑される。入力歯車33、中間歯車34、中間歯車36、中間歯車37、中間歯車39、出力歯車40ははすば歯車である。
本体ケーシング43は、図5に示すように真下部分43cおよびオイルタンク47を含む筒状部分と、図6に示すように減速部31の筒状部分の軸線方向一方側を覆う略平坦な正面部分43fと、減速部31の筒状部分の軸線方向他方側を覆う略平坦な背面部分43bを有する。背面部分43bは、モータケーシング25と結合する。また背面部分43bは、固定軸15と結合する。
正面部分43fには外輪12が貫通するための開口43pが形成される。開口43pには、外輪12との環状隙間を封止するシール材43sが設けられる。このため回転体になる外輪12は、軸線O方向一方端部を除いて本体ケーシング43に収容される。外輪12の軸線O方向他方端部内周面にはシール材43vが配置される。シール材43vは外輪12と背面部分43bの環状隙間を封止する。
小径の入力歯車33と大径の中間歯車34は、減速部31の軸線方向他方側(モータ部21側)に配置されて互いに噛合する。小径の中間歯車36と大径の中間歯車37は、減速部31の軸線方向一方側(フランジ部12f側)に配置されて互いに噛合する。小径の中間歯車39と大径の出力歯車40は、減速部31の軸線方向他方側に配置されて互いに噛合する。このようにして入力歯車33と複数の中間歯車34、36,37,39と出力歯車40は、互いに噛合し、入力歯車33から複数の中間歯車34、36,37,39を経て出力歯車40に至る駆動伝達経路を構成する。そして上述した小径歯車および大径歯車の噛合により、入力軸32の回転は中間軸35で減速され、中間軸35の回転は中間軸38で減速され、中間軸38の回転は出力軸41で減速される。これにより減速部31は減速比を十分に確保する。複数の中間歯車のうち中間歯車34は、駆動伝達経路の入力側に位置する第1中間歯車となる。複数の中間歯車のうち中間歯車39は、駆動伝達経路の出力側に位置する最終中間歯車となる。
図5に示すように、出力軸41、中間軸38、および入力軸32は、この順序で車両前後方向に間隔を空けて配置される。さらに中間軸35および中間軸38は、入力軸32および出力軸41よりも上方に配置される。かかる第1実施形態によれば、車輪ハブになる外輪12の上方に中間軸を配置し得て、外輪12の下方にオイルタンク47の配置スペースを確保したり、外輪12の真下にボールジョイント60(図7)を受け入れる空間を確保したりすることができる。したがって上下方向に延びる転舵軸線Kを車輪ハブ軸受部11に交差して設けることができ、車輪ホイールWおよびインホイールモータ駆動装置10を転舵軸線K回りに好適に転舵させることができる。
本実施の形態では、図1〜図3に示されるように、動力線端子箱25bと信号線端子箱25cとが別に設けられている。そのため、動力線端子箱から動力線93だけでなく信号線87も引き出す構成に比べて、動力線端子箱25bを小さくすることができる。その結果、インホイールモータ駆動装置10の搭載に必要な空間が小さくなるため、車輪ホイールWを小径化することができる。
(動力線端子箱について)
動力線端子箱25bは、インホイールモータ駆動装置10の上部に設けられる。具体的には、動力線端子箱25bは、モータケーシング25の筒状ケーシング25a(図6)の上部に形成され、複数の動力線接続部91を有する。本実施形態の動力線端子箱25bは、3個の動力線接続部91を有し、三相交流電力を受電する。各動力線接続部91には動力線93の一端が接続される。動力線93の芯線は、動力線端子箱25b内部で、ステータ24のコイルから延びる導線と接続する。
各動力線接続部91は、動力線端子箱25bの壁部分と、該壁部分を貫通する貫通孔と、この貫通孔に近接する壁部分に設けられた雌ねじ孔(図示せず)を有する。貫通孔にはスリーブ92および動力線93の一端部が通される。スリーブ92および動力線93は、動力線接続部91の貫通孔から車体101側へ延出する。動力線93はスリーブ92に通されて、スリーブ92から車体101側へ延出する。各スリーブ92は、筒状体であり、動力線93の外周に密着して、動力線93を保護する。また各スリーブ92は、動力線93の一端部とともに動力線接続部91の貫通孔に差込固定されて、動力線93の一端部を保持し、さらに動力線93と貫通孔との環状隙間を封止する。スリーブ92を抜け止めするため、スリーブ92の外周面には、スリーブ外径方向に突出する舌部92tが形成される。舌部92tおよび動力線接続部91の雌ねじ孔には図1に示すボルト91bがねじ込まれ、これによりスリーブ92は動力線接続部91に取付固定される。
(動力線の配線構造について)
図8および図9はインホイールモータ駆動装置および動力線を示す模式図であり、図8は車両後方からみた状態を、図9は車両上方から転舵軸線方向にみた状態を表す。第1実施形態では、インホイールモータ駆動装置10から車体101まで3本の動力線93が延びる。3本の動力線93は三相交流電力を車体101からモータ部21に供給する。各動力線93は導電体からなる芯線と、芯線の全周を覆う絶縁体の被覆部からなり、屈曲可能である。動力線93の一端は、各動力線接続部91およびスリーブ92によって、他端側が車両後方かつ車幅方向内側に向かって斜めの姿勢になるよう保持される。具体的には動力線93の一端部は、前後方向に延びる基準線と角度θ°で交差するよう、斜めに保持される。なお角度θは0°以上90°以下の範囲に含まれる固定値である。θ=0°のとき、各動力線93の一端部は車両前後方向と平行に延びる。θ=90°のとき、各動力線93の一端部は車幅方向と平行に延びる。より好ましいθは10°以上80°以下の固定値である。動力線93の他端は、車体101に搭載されるインバータ103と接続する。
各動力線93の一端部は、図8に示すように転舵軸線K方向に間隔を空けて整列し、図9に示すように転舵軸線K方向にみて重なるよう配置される。なお各動力線93の一端部は、図9に示すように全ての動力線接続部91が重なるよう配置される。
各動力線93は、動力線93の一端と他端の間に、連続して延びる3つの領域を含む。これら3つの領域のうち、インホイールモータ駆動装置10と接続する側の領域をインホイールモータ駆動装置側領域93dと呼び、車体101と接続する側の領域を車体側領域93fと呼び、インホイールモータ駆動装置側領域93dと車体側領域93fの間の領域を中間領域93eと呼ぶ。
インホイールモータ駆動装置側領域93dは、上下方向に延び、インホイールモータ駆動装置側領域93dの上側でインホイールモータ駆動装置10側と接続し、インホイールモータ駆動装置側領域93dの下側で中間領域93eと接続する。車体側領域93fは、上下方向に延び、車体側領域93fの下側で中間領域93eと接続し、車体側領域93fの上側で車体101側と接続する。中間領域93eは、中間領域93eの両側を上方とし中間領域93eの中間部分を下方として湾曲して延びる。
各動力線接続部91と接続する各動力線93の一端部は、インホイールモータ駆動装置側領域93dに向かって水平方向に延出するが、間もなく下方へ向きを変えて延び、インホイールモータ駆動装置側領域93dの上側に連なる。インホイールモータ駆動装置側領域93dは、クランプ部材によって把持されない。
図2に示すように複数の動力線93は、車体側領域93fよりも他端側で、クランプ部材94に束ねられ、上下方向に延びるよう保持される。このため車体側領域93fは、クランプ部材によって把持されることなく、クランプ部材94よりも下側で上下方向に延びる。クランプ部材94はブラケット95を介して車体101に取付固定される。ブラケット95をホイールハウジング102よりも車幅方向内側に配置することにより、車体側領域93fをホイールハウジング102よりも車幅方向内側に配線することができる。そしてホイールハウジング102を迂回するように動力線93を配線し得るのみならず、ホイールハウジング102の壁面をインホイールモータ駆動装置10に近づけてホイールハウジング102を小さくすることができる。
図2に示すように、クランプ部材94の上下方向位置は、3個の動力線接続部91のうち少なくとも1個の上下方向位置と重なる。このため全ての動力線93は、下向きに膨らむU字状に湾曲した状態で、インホイールモータ駆動装置10および車体101に保持される。
図1に示すように、動力線端子箱25bおよび3個の動力線接続部91は軸線Oよりも車両前方に配置され、各動力線接続部91は車両後方に指向する。これによりインホイールモータ駆動装置側領域93dを転舵軸線Kの近傍に配線することができる。あるいは図示しない変形例として、動力線端子箱25bおよび3個の動力線接続部91は軸線Oよりも車両後方に配置され、各動力線接続部91は車両前方に指向してもよい。
また車輪ホイールWが転舵しない直進状態で、3個の動力線接続部91は軸線Oよりも車両前方に配置され、クランプ部材94は軸線Oよりも車両後方に配置される。これによりインホイールモータ駆動装置側領域93dを転舵軸線Kの近傍に配線することができる。あるいは図示しない変形例として、3個の動力線接続部91は軸線Oよりも車両後方に配置され、クランプ部材94は軸線Oよりも車両前方に配置されてもよい。いずれにせよ直進状態で、インホイールモータ駆動装置側領域93dの車両前後方向位置が、車体側領域93fの車両前後方向位置に重なるよう配置されるとよい。
インホイールモータ駆動装置側領域93dは相対的に車幅方向外側に配置され、車体側領域93fは車幅方向内側に配置される。このため中間領域93eは車幅方向に延びる。中間領域93eは、両側をインホイールモータ駆動装置側領域93dおよび車体側領域93fによって吊り下げられ、クランプ部材によって把持されず、宙に浮いている。
上述のように、各動力線93が一端と他端との間に、連続して延びるインホイールモータ駆動装置側領域93d、中間領域93e、および車体側領域93fを含む。インホイールモータ駆動装置側領域93dは、上下方向に延び、上側でインホイールモータ駆動装置10側と接続し、下側で中間領域93eと接続する。車体側領域93fは、上下方向に延び、下側で中間領域93eと接続し、上側で車体101側と接続する。中間領域93eは、両側を上方とし中間部分を下方として湾曲して延びる。これによりインホイールモータ駆動装置10が転舵する際、各動力線93は殆ど変位せず、中間領域93eの湾曲度も殆ど変化せず、インホイールモータ駆動装置側領域93dがねじれるにすぎない。したがって各動力線93は繰り返し曲げ伸ばしされず、動力線93に曲げ疲労が蓄積しない。ストラット76が伸縮して、インホイールモータ駆動装置10が上下方向にバウンドおよびリバウンドしても、中間領域93eの湾曲度が少し変化する程度にとどまり、動力線93は繰り返し曲げ伸ばしされない。
また、車体側領域93fが上下方向に延び、上側で車体101側と接続することから、ホイールハウジング102を迂回して動力線93を配線することができる。したがってホイールハウジング102に貫通孔を穿孔して該貫通孔に動力線を通す必要がなく、ホイールハウジング102の剛性および強度が低下することがない。またホイールハウジング102の壁面を従来よりも車幅方向外側に移設して、インホイールモータ駆動装置10に近づけることができる。したがってホイールハウジング102を従来よりも小さくするとともに車内空間を従来よりも大きくすることができる。
また、動力線接続部91から延びる各動力線93の一端部は、転舵軸線K方向にみて、少なくとも一部が重なるように配置されることから、全ての動力線93の一端部を、転舵軸線Kから略同じ距離に配置することができる。したがって特定の動力線93に転舵時の応力が集中することがなく、各動力線93の寿命を揃えることができる。
また、インホイールモータ駆動装置側領域93d、中間領域93e、および車体側領域93fのうち少なくとも1は、何ら把持されないことから、各領域が自由に屈曲したりねじれたりすることができる。したがって各領域の特定の箇所に転舵時の応力が集中することがなく、動力線93の寿命を長くすることができる。
また、動力線93が車体側領域93fよりも他方側(車体101側)で、車体101に設けられるクランプ部材94に保持されることから、車体側領域93fを上下方向に延びるよう仕向けることができる。
また、動力線接続部91から延出する動力線93の一端部はスリーブ92に通される。各スリーブ92は、動力線93の一端部とともに動力線接続部91の貫通孔に差込固定されて、動力線93の一端部を保持し、さらに動力線93と貫通孔との環状隙間を封止する。このため動力線端子箱25bの内部の水密性を確保することができる。しかも各スリーブ92は、転舵軸線K方向にみて少なくとも一部が重なるように配置されることから、全ての動力線93の一端部を、転舵軸線Kから略同じ距離に配置することができる。したがって特定の動力線93に転舵時の応力が集中することがなく、各動力線93の寿命を長くすることができる。
(信号線の取り出し構造について)
次に、図1〜3および図6を参照して、信号線87の取り出し構造について説明する。
本実施の形態では、信号線端子箱25cが、リヤカバー25vの中心部に形成されている。信号線端子箱25cは、図6に示すように軸線Mと交差するように配置されて、リヤカバー25vの他の平板部分25dよりも、車幅方向内側に突出している。このように、信号線端子箱25cは、動力線端子箱25bとは独立して設けられる。なお、平板部分25dには、放熱フィン(図示せず)が設けられていてもよい。
信号線端子箱25cは、リヤカバー25vの平板部分25dに連結されて車幅方向内側に突出する筒状の外側壁部51と、外側壁部51の車幅方向外側端部に連結される隔壁部52と、外側壁部51の車幅方向内側端部に連結されるカバー部53とで構成される。隔壁部52は、モータ回転軸22の軸線方向端部に位置し、隔壁部52によって、モータケーシング25の内部空間54と、信号線端子箱25c内の信号線取り出し空間50とが仕切られ、信号線取り出し空間50が密閉空間とされる。
隔壁部52は、回転角センサ84を収容する。回転角センサ84から延びる信号線87は、信号線取り出し空間50を通過して、モータケーシング25外へと導かれる。なお、信号線87は、導電体からなる複数の芯線87aと、複数の芯線87aを束ねるように被覆する絶縁体の被覆部87bとからなり、屈曲可能である。信号線取り出し空間50に位置する信号線87は、被覆部87bを有さず芯線87aが剥き出しであってもよい。
モータケーシング25の外部において、信号線87の一端は、信号線接続部85と接続し、図示はしなかったが信号線87の他端は、車体101(図2)側に固定される。信号線87は、動力線93と同様に、ホイールハウジング102を迂回して配線される。
信号線接続部85は、信号線端子箱25cの外側壁部51に設けられる。信号線接続部85は、外側壁部51のうち車両後方側に位置する壁部分と、この壁部分に設けられた信号線取り出し口51aおよび雌ねじ孔(図示せず)とを有する。この雌ねじ孔は、信号線取り出し口51aに近接する位置に設けられる。
信号線取り出し口51aには、スリーブ86および信号線87が通される。スリーブ86は、信号線87を保持する保持部である。スリーブ86は、車両後方側に向けて斜め上方に延びている。スリーブ86は、筒状体であり、信号線87の外周に密着して、信号線87を保護し、信号線取り出し口51aと信号線87との環状隙間を封止する。スリーブ86の外周面には、スリーブ外径方向に突出する舌部86tが形成される。舌部86tおよび信号線接続部85の雌ねじ孔には図6に示さないボルトがねじ込まれ、これによりスリーブ86は信号線接続部85に取付固定される。
図1を参照して、動力線端子箱25bの動力線接続部91は、車軸方向からみてステータ24の外周面の位置(図1の想像円)よりも外側に設けられているのに対し、信号線接続部85の信号線取り出し口51aは、車軸方向からみてステータ24の外周面の位置よりも内側に設けられている。図6には、信号線取り出し口51aが配置され得る径方向範囲が両矢印で図示されている。
信号線取り出し口51aがこのような位置に配置されることにより、信号線端子箱25cを含めたモータケーシング25の径方向寸法を拡大させることなく、信号線87を径方向に取り出すことができる。これにより、車輪ホイールWを小径にすることができる。この場合、タイヤの偏平率を下げる必要がないため、乗り心地を悪化させることがない。また、その結果、インホイールモータ駆動装置10を小型車などホイール径が小さい車両にも搭載することができる。
また、リヤカバー25vに設けた信号線端子箱25cから信号線87を径方向に取り出す構成であるため、信号線端子箱25cを含めたモータケーシング25の車軸方向長さを抑えることもできる。
ここで、本実施の形態では、図1に示されるように、信号線取り出し口51aが、軸線Mと軸線Oとの間に位置している。つまり、信号線87は、モータ回転軸22が車軸からオフセットされた方向とは逆の方向から取り出される。さらに、信号線取り出し口51aに固定されたスリーブ86の先端部は、信号線取り出し口51aよりもさらに軸線Oに近い位置に設けられている。したがって、スリーブ86によって、信号線87の引き出し方向が軸線Oに向かって延びるように仕向けられる。
このように、モータ回転軸22の軸心(モータ部21の軸線M)が車軸の軸心(車輪ハブ軸受部11の軸線O)よりも車両前方にオフセットして配置されているため、インホイールモータ駆動装置10の外部における信号線87の一端を、転舵軸線Kに近接した位置に配置することができる。このように、信号線87が、転舵軸線Kに近接した位置においてインホイールモータ駆動装置10から引き出される場合、転舵時に信号線87の屈曲運動が単純なものとなるため、信号線87の耐久性を向上させることができる。その結果、信号線87の寿命を長くすることができる。
なお、信号線87を保持するスリーブ86も、転舵軸線K方向にみて、動力線93の3つのスリーブ92のうちの少なくとも一部と重なっていてもよい。このような場合であっても、動力線93のスリーブ92が前後方向に延びる基準線に対して斜め(10°以上80°未満)に配置され、信号線87のスリーブ86が当該基準線に略真直ぐ平行(10°未満)に配置される。そのため、インホイールモータ駆動装置10の外部での信号線87と動力線93との接触を避けることができる。
また、本実施の形態では、信号線87が動力線93とは別空間から取り出されるため、信号線87が接続された端子箱内部において、動力線93のような高圧電線との絶縁破壊を防止するためのクリアランスを考慮する必要がない。また、動力線93から信号線87に加えられるノイズの影響を軽減することができる。
さらに、インホイールモータ駆動装置10の外部においても、動力線93と信号線87とはまとめてクランプされない。つまり、車体101に設けられたクランプ部材94は動力線93だけを保持し、車体101側において信号線87を保持するクランプ部材(図示せず)は別に設けられる。したがって、インホイールモータ駆動装置10の外部においても、動力線93から信号線87に加えられるノイズの影響を軽減することができる。
また、信号線端子箱25cを車軸方向から見た形状は、信号線接続部85が他の部分よりもモータ部21の軸線Mから離れた位置に配置されている。これにより、信号線端子箱25cの形状を、モータ部21の軸線Mを中心とした円形状とするよりも、信号線端子箱25cを小型化することができる。
さらに、本実施の形態では、回転角センサ84と信号線取り出し口51aとの間に、密閉空間である信号線取り出し空間50が介在する。そのため、モータケーシング25の内部空間54を循環する潤滑油が、信号線87の芯線87aを伝って信号線取り出し口51aから外部へ漏れるリスクを軽減することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 インホイールモータ駆動装置、11 車輪ハブ軸受部、12 外輪、13 内側固定部材、15 固定軸、18 キャリア、21 モータ部、22 モータ回転軸、23 ロータ、24 ステータ、25 モータケーシング、25a 筒状ケーシング(筒状部)、25b 動力線端子箱、25c 信号線端子箱、25v リヤカバー(蓋部)、31 減速部、32 入力軸、33 入力歯車、34,36,37,39 中間歯車、35,38 中間軸、40 出力歯車、41 出力軸、43 本体ケーシング、47 オイルタンク、50 信号線取り出し空間、51 外側壁部、51a 信号線取り出し口、52 隔壁部、53 カバー部、54 内部空間、60 ボールジョイント、61 ボールスタッド、62 ソケット、70 サスペンション装置、71 ロアアーム、76 ストラット、77 ショックアブソーバ、78 コイルスプリング、80 タイロッド、84 回転角センサ、85 信号線接続部、87 信号線、91 動力線接続部、93 動力線、101 車体、102 ホイールハウジング、BD ブレーキディスク、W 車輪ホイール。

Claims (5)

  1. 車輪の内部に配置されて前記車輪を駆動するインホイールモータ駆動装置であって、
    車幅方向に延びる車輪ハブを回転自在に支持する車輪ハブ軸受部と、
    円筒形状のステータと、前記ステータの内径側に配置されるロータと、車軸よりも車両前方にオフセットして配置され、前記ロータと一体回転するモータ回転軸と、前記ロータの回転角度を検出する回転角センサとを含み、前記車輪ハブを駆動するモータ部と、
    前記モータ部を内蔵するケーシングとを備え、
    前記ケーシングは、
    車軸よりも車両前方かつ上方に位置し、車軸方向からみて前記ステータの外周面の位置よりも外側に設けられた動力線接続部を有する動力線端子箱と、
    車軸よりも車両前方かつ前記動力線接続部よりも下方側に位置するとともに、車軸方向からみて前記ステータの外周面の位置より内側に設けられ、前記回転角センサに接続された信号線を取り出す信号線取り出し口を有する信号線端子箱とを含み、
    前記動力線接続部に接続された動力線および前記信号線は、前記動力線端子箱および前記信号線端子箱のそれぞれから、径方向において車両後方側に向かって引き出されている、インホイールモータ駆動装置。
  2. 前記ケーシングの前記信号線取り出し口は、前記モータ回転軸の軸心と車軸の軸心との間に位置し、
    前記信号線取り出し口には、前記信号線の取り出し方向が車軸の軸心に向かって延びるように前記信号線を保持する保持部が固定されている、請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置。
  3. 前記動力線接続部は、複数設けられており、
    前記信号線取り出し口に固定されて前記信号線を保持する保持部は、転舵軸線方向にみて、前記複数の動力線接続部のそれぞれに固定された複数のスリーブのうちの少なくとも一部と重なっている、請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置。
  4. 前記ケーシングは、前記モータ部の外周を取り囲む筒状部と、前記筒状部の車幅方向内側の開口を閉鎖する蓋部とを含み、
    前記信号線端子箱は、前記蓋部に設けられている、請求項1〜3のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
  5. 前記信号線端子箱は、隔壁部によって区画された信号線取り出し空間を内部に有し、
    前記回転角センサは、前記隔壁部に収容される、請求項1〜4のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置。
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