JP6706517B2 - インホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造 - Google Patents

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本発明は、車輪内部に配置されて該車輪を駆動するインホイールモータ駆動装置と、インホイールモータ駆動装置を車体に連結するサスペンション装置に関する。
インホイールモータとサスペンションの連結構造としては従来、例えば、特開2015−214273号公報(特許文献1)に記載のものが知られている。特許文献1に記載のインホイールモータは、インホイールモータのハウジングを窪ませてソケットを設け、かかるソケットはボールスタッドのボール部を収容し、サスペンションのロアアームにボールスタッドのスタッド部を結合するというものである。
特開2015−214273号公報
しかし、上記従来のような連結構造にあっては、以下に説明するような問題を生ずる。つまり薄肉のハウジングにボールジョイントを連結するため、路面から車輪に付与される外力が強度上不利なハウジングに作用して、ハウジングに不所望な変形が生じる等の理由で、インホイールモータの耐久性が低下する。あるいはハウジングを肉厚にすれば、サスペンション装置のばね下荷重が増えてしまい、電動車両の乗り心地が悪化する。
またハウジングは、車輪ホイールに合わせて円筒形状とされるところ、円筒形状のハウジングにソケットを設けるとハウジングの製造工数が増えてしまい。さらにインホイールモータをサスペンションに取り付けたり、取り外したりする際の作業効率が低下する。
本発明は、上述の実情に鑑み、従来よりも改良された連結構造を提供することを目的とする。
この目的のため本発明によるインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造は、車輪を駆動するモータ部、減速部車輪ハブ軸受部、および車輪ハブ軸受部の軸線よりも車両前方あるいは車両後方に離れた部位に、下方へ向かって突出するオイルタンクを有するインホイールモータ駆動装置と、インホイールモータ駆動装置に設けられるキャリアと、インホイールモータ駆動装置を車体に取り付けるサスペンション装置と、キャリアをサスペンション装置に方向自在に連結するボールジョイントとを備える。車輪ハブ軸受部は、車幅方向に延びて車輪とともに回転する車輪ハブと、非回転の固定部材と、車輪ハブおよび固定部材によって区画される環状隙間に配列される複数の転動体とを含む。ボールジョイントは、車輪ハブ軸受部の軸線の真下に配置されてオイルタンクの下端よりも上方に位置し、一端に形成されるボール部および他端に形成されるスタッド部を有するボールスタッドと、ボール部を摺動可能に収容するソケットを含む。ソケットはキャリアに設けられ、スタッド部はサスペンション装置と結合し、車輪ハブ軸受部の軸線からみて、スタッド部とサスペンション装置の結合箇所が、ソケットよりも遠い側に配置される。
かかる本発明によれば、インホイールモータ駆動装置がキャリアと結合し、キャリアとサスペンション装置がボールジョイントを介して連結する。キャリアは、インホイールモータ駆動装置の外郭をなすケーシングと比較して高剛性であり、車輪荷重および車輪から付与される外力を確り支持するものであって強度上有利であることから、インホイールモータ駆動装置の耐久性が向上する。
また本発明のボールジョイントは、車輪ハブ軸受部よりも下方に配置される。かかる本発明によれば、上下方向に延びてボール部を通る転舵軸が、車輪ホイールと交差することから、車輪およびインホイールモータ駆動装置を容易に転舵させることができ、電動車両の旋回性能が向上する。他の例としてソケットは、車輪ハブ軸受部よりも車両前方、車両後方、あるいは上方に配置される。
また本発明のインホイールモータ駆動装置は、車輪ハブ軸受部の軸線よりも車両前方あるいは車両後方に離れた部位に、下方へ向かって突出するオイルタンクをさらに有し、ボールジョイントは車輪ハブ軸受部の軸線の真下に配置されてオイルタンクの下端よりも上方に位置する。これにより車輪ホイールの内空領域を有効利用することができる。
またボールジョイントにおいてインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結点になるボール部を、車軸に近い位置に配置し、ボールジョイントのスタッド部を車軸から遠い位置に配置することができ、サスペンション装置の特性を向上させることができる。なおサスペンション装置のうちスタッド部と結合する箇所は、サスペンション装置のアーム部材であってもよいし、あるいはリンク部材であってもよいし、特に限定されない。サスペンション装置の形式も特に限定されない。なお車軸は車輪ハブ軸受部の軸線に沿って延びる。
車輪ハブ軸受部は軸受であるから、内輪(中実軸であってもよい)、外輪、およびこれら内外輪間に配置される複数の転動体を含む。内輪および外輪のいずれか一方は、回転部材の車輪ハブになる。内輪および外輪のうち残る他方は非回転部材の固定部材になる。本発明の一実施形態として車輪ハブは固定部材の外周を包囲する外輪であり、固定部材は外輪の中心孔に通される固定軸を含み、キャリアは固定軸の端部に連結固定される。かかる実施形態によれば、外輪回転タイプにおいて本発明を実現することができる。またキャリアが、車輪ハブ軸受部に付与される車輪荷重および外力を、直接受け止めることができる。なおキャリアは固定軸の端部に隣接配置されてもよいし、あるいはキャリアと固定軸端部との間にインホイールモータ駆動装置のケーシング等が介在してもよい。反対に他の実施形態として、固定部材は車輪ハブの外周を包囲する外輪を含み、車輪ハブは外輪の中心孔に通される内輪あるいは軸であってもよい。
本発明の一実施形態としてキャリアは固定軸から外径方向に突出し、キャリアの先端部は車輪ハブ軸受部の軸線方向にさらに延び、先端部の軸線方向位置が固定軸の軸線方向位置に重なり、ソケットはキャリアの先端部に設けられる。かかる実施形態によれば、ソケットの軸線方向位置が車輪ハブ軸受部の軸線方向位置に重なることから、車輪ホイールの内空領域にソケットを配置することができる。したがって車輪の懸架構造において有利なものとなる。他の実施形態として、車輪ホイールの外側にソケットを配置してもよい。
本発明のさらに好ましい実施形態として車輪ハブ軸受部の軸線方向にみて、オイルタンクは下方に向かって細くなる略三角形状に形成される。これによりオイルタンクの容積を大きくすることができる。
本発明のさらに好ましい実施形態として減速部は、車輪ハブ軸受部の軸線からみて上方にオフセットして配置される。かかる実施形態によれば車輪ホイールの内空領域において、車輪ハブ軸受部よりも下方に空間を確保することができる。したがってサスペンション装置をインホイールモータ駆動装置から充分に離隔させることができる。なお上方とは、直上および斜め上方を含む。減速部は例えば車輪ハブ軸受部よりも車両前方かつ上方に配置される。あるいは減速部は車輪ハブ軸受部よりも車両後方かつ上方に配置される。他の実施形態として、ソケットは車輪ハブ軸受部よりも上方に配置され、減速部は車輪ハブ軸受部よりも下方に配置されてもよい。
本発明のさらに好ましい実施形態としてモータ部は、車輪ハブ軸受部の軸線からみて車両前後方向にオフセットして配置される。かかる実施形態によれば車輪ホイールの内空領域において、車輪ハブ軸受部よりも上方および下方に空間を確保することができる。したがってサスペンション装置をインホイールモータ駆動装置の上部および下部に連結することができる。なおモータ部は車輪ハブ軸受部よりも斜め上方に配置されてもよい。他の実施形態としてモータ部は車輪ハブ軸受部の直上に配置されてもよい。
このように本発明によれば、インホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結点を、車輪ハブ軸受部に近づけることができ、しかも車輪からインホイールモータ駆動装置に付与される外力を車輪ハブ軸受部で受け止めることができ、インホイールモータ駆動装置に不所望な変形が生じない。しかもインホイールモータ駆動装置をサスペンション装置に容易に取り付けたり、あるいは取り外したりことができ、作業効率が向上する。
本発明の第1実施形態になるインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造から、インホイールモータ駆動装置を取り出し、所定の平面で切断・展開して示す展開断面図である。 同実施形態のインホイールモータ駆動装置の内部を、車輪とともに示す背面図である。 同実施形態になるインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造を示す断面図である。 同実施形態になるインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造を車輪とともに示す斜視図である。 同実施形態になるインホイールモータ駆動装置の内部および連結構造を車輪とともに示す斜視図である。 同実施形態になるインホイールモータ駆動装置の内部および連結構造を示す斜視図である。 同実施形態になるインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造を車輪とともに示す背面図である。 同実施形態になるインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造から、インホイールモータ駆動装置を取り出して示す背面図である。 本発明の第2実施形態になるインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造から、インホイールモータ駆動装置を取り出し、所定の平面で切断・展開して示す展開断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態になるインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造から、インホイールモータ駆動装置10を取り出し、所定の平面で切断・展開して示す展開断面図である。図2は、第1実施形態のインホイールモータ駆動装置の内部を、車輪とともに示す背面図であり、図1中のインホイールモータ駆動装置10からモータ部21および本体ケーシング43の背面部分43bを取り外し、図1の紙面右側からインホイールモータ駆動装置10内部をみた状態を表す。なお図1で表される所定の平面は、図2に示す軸線Mおよび軸線Nfを含む平面と、軸線Nfおよび軸線Nlを含む平面と、軸線Nlおよび軸線Oを含む平面とを、この順序で接続した展開平面である。
インホイールモータ駆動装置10は、図1に示すように仮想線で表される車輪ホイールWの中心と連結する車輪ハブ軸受部11と、車輪の車輪ホイールWを駆動するモータ部21と、モータ部の回転を減速して車輪ハブ軸受部11に伝達する減速部31を備え、電動車両のホイールハウジング(図示せず)に配置される。モータ部21および減速部31は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oと同軸に配置されるのではなく、図2に示すように車輪ハブ軸受部11の軸線Oからオフセットして配置される。車輪ホイールWは周知のものであり、車輪ホイールWの外周にタイヤTが嵌合し、車体の前後左右に配置される。かかる車体は車輪とともに電動車両を構成する。インホイールモータ駆動装置10は、公道で電動車両を時速0〜180km/hで走行させることができる。
車輪ハブ軸受部11は、車輪ホイールWと結合する車輪ハブとしての外輪12と、外輪12の中心孔に通される内側固定部材13と、外輪12と内側固定部材13との環状隙間に配置される複数の転動体14を有し、車軸を構成する。内側固定部材13は、非回転の固定軸15と、1対のインナーレース16と、抜け止めナット17を含む。固定軸15は根元部15rが先端部15eよりも大径に形成される。インナーレース16は、根元部15rと先端部15eの間で、固定軸15の外周に嵌合する。抜け止めナット17は固定軸15の先端部15eに螺合して、抜け止めナット17と根元部15rの間にインナーレース16を固定する。
固定軸15は軸線Oに沿って延び、固定軸15の先端部15eは、車幅方向外側を指向する。固定軸15の根元部15rは、車幅方向内側を指向し、本体ケーシング43の背面部分43bに形成される開口43qと一致する。開口43qには外方から図示しないキャリアが差し込まれて、キャリアは本体ケーシング43の内部で根元部15rに取付固定される。さらにキャリアは、本体ケーシング43の外方で図示しないサスペンション部材と連結する。キャリアおよびサスペンション部材については後で詳細に説明する。
転動体14は、軸線O方向に離隔して複列に配置される。軸線O方向一方のインナーレース16の外周面は、第1列の転動体14の内側軌道面を構成し、外輪12の軸線O方向一方の内周面と対面する。軸線O方向他方のインナーレース16の外周面は、第2列の転動体14の内側軌道面を構成し、外輪12の軸線O方向他方の内周面と対面する。以下の説明において、車幅方向外側(アウトボード側)を軸線方向一方ともいい、車幅方向内側(インボード側)を軸線方向他方ともいう。図1の紙面左右方向は、車幅方向に対応する。外輪12の内周面は転動体14の外側軌道面を構成する。
外輪12の軸線O方向一方端にはフランジ部12fが形成される。フランジ部12fは図示しないブレーキロータおよび車輪ホイールWのスポーク部Wsと同軸に結合するための結合座部を構成する。外輪12はフランジ部12fで車輪ホイールWと結合して、車輪ホイールWと一体回転する。
モータ部21は図1に示すように、モータ回転軸22、ロータ23、ステータ24、モータケーシング25、およびモータケーシングカバー25vを有し、この順序でモータ部21の軸線Mから外径側へ順次配置される。モータ部21は、インナーロータ、アウターステータ形式のラジアルギャップモータであるが、他の形式であってもよい。例えば図示しなかったがモータ部21はアキシャルギャップモータであってもよい。
モータ回転軸22およびロータ23の回転中心になる軸線Mは、車輪ハブ軸受部11の軸線Oと平行に延びる。つまりモータ部21は、車輪ハブ軸受部11の軸線Oから離れるようオフセットして配置される。モータ回転軸22の先端部を除いたモータ部21の大部分の軸線方向位置は、図1に示すように内側固定部材13の軸線方向位置と重ならない。モータケーシング25は略円筒形状であり、軸線M方向一方端で本体ケーシング43の背面部分43bと結合し、軸線M方向他方端で椀状のモータケーシングカバー25vに封止される。モータ回転軸22の両端部は、転がり軸受27,28を介して、モータケーシング25およびに回転自在に支持される。モータ部21は外輪12を駆動する。
減速部31は、入力軸32、入力歯車33、中間歯車34、中間軸35、中間歯車36、中間歯車37、中間軸38、中間歯車39、出力歯車40、出力軸41、および本体ケーシング43を有する。入力軸32は、モータ回転軸22の先端部22eよりも大径の筒状体であって、モータ部21の軸線Mに沿って延びる。先端部22eは入力軸32の軸線M方向他方端部の中心孔に受け入れられて、入力軸32はモータ回転軸22と同軸に結合する。入力軸32の両端は転がり軸受42a,42bを介して、本体ケーシング43に支持される。入力歯車33は、モータ部21よりも小径の外歯歯車であり、入力軸32と同軸に結合する。具体的には入力歯車33は、入力軸32の軸線M方向中央部の外周に一体形成される。
出力軸41は、外輪12よりも大径の筒状体であって、車輪ハブ軸受部11の軸線Oに沿って延びる。外輪12の軸線O方向他方端は、出力軸41の軸線O方向一方端の中心孔に受け入れられて、出力軸41は外輪12と同軸に結合する。出力軸41の軸線O方向一方端は転がり軸受44を介して、本体ケーシング43に支持される。出力軸41の軸線O方向他方端は転がり軸受46を介して、固定軸15の根元部15rに支持される。出力歯車40は外歯歯車であり、出力軸41と同軸に結合する。具体的には出力歯車40は出力軸41の軸線O方向他方端の外周に一体形成される。
2本の中間軸35,38は入力軸32および出力軸41と平行に延びる。つまり減速部31は四軸の平行軸歯車減速機であり、出力軸41の軸線Oと、中間軸35の軸線Nfと、中間軸38の軸線Nlと、入力軸32の軸線Mは互いに平行に延び、換言すると車幅方向に延びる。
各軸の車両前後方向位置につき説明すると、図2に示すように入力軸32の軸線Mは出力軸41の軸線Oよりも車両前方に配置される。また中間軸35の軸線Nfは入力軸32の軸線Mよりも車両前方に配置される。中間軸38の軸線Nlは出力軸41の軸線Oよりも車両前方かつ入力軸32の軸線Mよりも車両後方に配置される。図示しない変形例として入力軸32の軸線Mと、中間軸35の軸線Nfと、中間軸38の軸線Nlと、出力軸41の軸線Oが、この順序で車両前後方向に配置されてもよい。この順序は駆動力の伝達順序でもある。
各軸の上下方向位置につき説明すると、入力軸32の軸線Mは出力軸41の軸線Oよりも上方に配置される。中間軸35の軸線Nfは入力軸32の軸線Mよりも上方に配置される。中間軸38の軸線Nlは中間軸35の軸線Nfよりも上方に配置される。なお複数の中間軸35,38は、入力軸32および出力軸41よりも上方に配置されれば足り、図示しない変形例として中間軸35が中間軸38よりも上方に配置されてもよい。あるいは図示しない変形例として出力軸41が入力軸32よりも上方に配置されてもよい。
中間歯車34および中間歯車36は外歯歯車であり、図1に示すように中間軸35の軸線Nf方向中央部と同軸に結合する。中間軸35の両端部は、転がり軸受45a,45bを介して、本体ケーシング43に支持される。中間歯車37および中間歯車39は外歯歯車であり、中間軸38の軸線Nl方向中央部と同軸に結合する。中間軸38の両端部は、転がり軸受48a,48bを介して、本体ケーシング43に支持される。
本体ケーシング43は、減速部31および車輪ハブ軸受部11の外郭をなし、筒状に形成されて、図2に示すように互いに平行に延びる軸線O、Nf、Nl、Mを取り囲む。また本体ケーシング43は、車輪ホイールWの内空領域に収容される。車輪ホイールWの内空領域はリム部Wrの内周面と、リム部Wrの軸線O方向一端と結合するスポーク部Wsとによって区画される。そして車輪ハブ軸受部11、減速部31、およびモータ部21の軸線方向一方領域が車輪ホイールWの内空領域に収容される。またモータ部21の軸線方向他方領域が車輪ホイールWから軸線方向他方へはみ出す。このように車輪ホイールWはインホイールモータ駆動装置10の大部分を収容する。
図2を参照して本体ケーシング43は、出力歯車40の軸線Oから車両前後方向に離れた位置、具体的には入力歯車33の軸線Mの真下で、下方へ突出する。この突出部分はオイルタンク47を形成する。これに対し本体ケーシング43のうち軸線Oの真下部分43cと、リム部Wrの下部との間には、空間Sを確保する。空間Sには、車幅方向に延びるサスペンション部材71が配置され、サスペンション部材71の車幅方向外側端72と内側固定部材13が、ボールジョイント60を介して方向自在に連結される。ボールジョイント60については、後で詳細に説明する。
本体ケーシング43は、筒状であり、図1に示すように入力軸32、入力歯車33、中間歯車34、中間軸35、中間歯車36、中間歯車37、中間軸38、中間歯車39、出力歯車40、および出力軸41を収容するとともに、車輪ハブ軸受部11の軸線O方向他方端を覆う。本体ケーシング43の内部には潤滑油が封入される。入力歯車33、中間歯車34、中間歯車36、中間歯車37、中間歯車39、出力歯車40ははすば歯車である。
本体ケーシング43は、図1に示すように減速部31の筒状部分の軸線方向一方側を覆う略平坦な正面部分43fと、減速部31の筒状部分の軸線方向他方側を覆う略平坦な背面部分43bを含む。背面部分43bは、モータケーシング25と結合する。また背面部分43bは、例えばストラット等の図示しないサスペンション部材と結合する。これによりインホイールモータ駆動装置10は、該サスペンション部材に支持される。
正面部分43fには外輪12が貫通するための開口43pが形成される。開口43pには、外輪12との環状隙間を封止するシール材43sが設けられる。このため回転体になる外輪12は、軸線O方向一方端部を除いて本体ケーシング43に収容される。
小径の入力歯車33と大径の中間歯車34は、減速部31の軸線方向一方側に配置されて互いに噛合する。小径の中間歯車36と大径の中間歯車37は、減速部31の軸線方向他方側に配置されて互いに噛合する。小径の中間歯車39と大径の出力歯車40は、減速部31の軸線方向一方側に配置されて互いに噛合する。このようして入力歯車33と複数の中間歯車34、36,37,39と出力歯車40は、互いに噛合し、入力歯車33から複数の中間歯車34、36,37,39を経て出力歯車40に至る駆動伝達経路を構成する。そして上述した小径歯車および大径歯車の噛合により、入力軸32の回転は中間軸35で減速され、中間軸35の回転は中間軸38で減速され、中間軸38の回転は出力軸41で減速される。これにより減速部31は減速比を十分に確保する。複数の中間歯車のうち中間歯車34は、駆動伝達経路の入力側に位置する第1中間歯車となる。複数の中間歯車のうち中間歯車39は、駆動伝達経路の出力側に位置する最終中間歯車となる。
図2に示すように、出力軸41、中間軸38、および入力軸32は、この順序で車両前後方向に間隔を空けて配置される。さらに中間軸35および中間軸38は、入力軸32および出力軸41よりも上方に配置される。かかる第1実施形態によれば、車輪ハブになる外輪12の上方に中間軸を配置し得て、外輪12の下方にオイルタンク47の配置スペースを確保したり、外輪12の真下に空間Sを確保したりすることができる。したがって上下方向に延びる転舵軸を空間Sに交差して設けることができ、車輪ホイールWおよびインホイールモータ駆動装置10を転舵軸回りに好適に転舵させることができる。
また本実施形態によれば、図2に示すように、モータ部21の軸線Mが車輪ハブ軸受部の軸線Oから車両前後方向にオフセットして配置され、中間軸35の軸線Nfが車輪ハブ軸受部の軸線Oから上方にオフセットして配置され、中間軸38の軸線Nlが車輪ハブ軸受部の軸線Oから上方にオフセットして配置される。これにより、インホイールモータ駆動装置10における軸線Oの真下部分43cとリム部Wrの下部との間に空間Sを確保することができる。そして車輪の転舵軸を車輪ホイールWに交差するよう配置することができ、車輪の旋回特性が向上する。
また本実施形態によれば、図1に示すように入力軸32および出力軸41は車幅方向に延び、図2に示すように入力歯車33および出力歯車40は上下方向に起立した姿勢にされ、出力歯車40の下縁40bが入力歯車33の下縁33bよりも下方に配置される。これにより高速回転する入力歯車33が、本体ケーシング43の内部で減速部31の下部に貯留する潤滑油に浸漬することがなく、入力歯車33の攪拌抵抗を回避できる。なお図2以降では、歯車の個々の歯を表さず、歯車を歯先円で表す。
また本実施形態によれば、図2に示すように複数の中間軸35,38は、入力軸32の上方に隣り合うよう配置されて入力軸32から駆動トルクを供給される最初の中間軸35、および出力軸41の上方に隣り合うよう配置されて出力軸41に駆動トルクを供給する最終の中間軸38を含み、入力軸32と最初の中間軸35と最終の中間軸38と出力軸41は、複数の中間軸35,38の軸線方向にみて、入力軸の中心(軸線M)と最初の中間軸35の中心(軸線Nf)と最終の中間軸38の中心(軸線Nl)と出力軸41の中心(軸線O)とを順次結ぶ基準線が逆U字を描くよう、配置される。これにより駆動伝達経路を構成する複数の軸および歯車の全体配置が小型化されて、複数の軸および歯車を車輪ホイールWの内部に収納することができる。
また本実施形態によれば、図1に示すように、車輪ハブになる外輪12は筒状体であり、車輪ハブ軸受部11は外輪12の中心孔に配置されて外輪12を回転自在に支持する固定軸15をさらに含む。これにより出力歯車40を外輪12の外径側に同軸に結合し得る。そして、外輪12を中心としてオフセットするよう配置される中間軸38から、外輪12へ駆動力を伝達することができる。
本体ケーシング43は、図1に示すようにポンプ軸51、転がり軸受52a,52b、ポンプギヤ53、およびオイルポンプ54をさらに収容する。ポンプ軸51の軸線Pは、出力軸41の軸線Oと平行に延びる。またポンプ軸51は、出力軸41から車両前後方向に離れて配置され、軸線P方向両端で、転がり軸受52a,52bを介して回転自在に支持され、軸線P方向中央部でポンプギヤ53と同軸に結合する。ポンプギヤ53は出力歯車40と噛合する。
オイルポンプ54は、転がり軸受52bよりもさらに軸線P方向他方に配置され、ポンプ軸51の軸線P方向他方端に設けられる。オイルポンプ54が出力歯車40に駆動されることにより、オイルポンプ54はオイルタンク47から潤滑油を吸入し、吸入した潤滑油をモータ部21および減速部31へ吐出する。これによりモータ部21および減速部31は潤滑される。
図2を参照して本実施形態のポンプ軸51は入力軸32の下方に配置され、オイルタンク47はポンプ軸51の下方に配置される。オイルポンプ54は、ポンプ軸51と略同軸に配置され、オイルタンク47に貯留した潤滑油を、オイルタンク47の直上へ汲み上げる。またポンプ軸51およびオイルタンク47は、出力軸41の車両前方に配置される。車輪ホイールWがインホイールモータ駆動装置10に駆動されて車両が走行すると、オイルタンク47は車両前方から走行風を受けて、空気冷却される。図2に示すように軸線O方向にみてオイルタンク47は、略垂直な後側壁部43tと、傾斜した前側壁部43uによって区画され、下向きに細くなる三角形状にされる。後側壁部43tは後述するボールジョイント60と対面する。前側壁部43uはリム部Wrのうち前側かつ下側の部分と対面する。
次にインホイールモータ駆動装置10とサスペンション部材71との連結構造につき説明する。
図3は、本発明の第1実施形態になるインホイールモータ駆動装置10とサスペンション装置70の連結構造を示す断面図であり、車両前後方向にみた状態を表す。図4は、同実施形態になるインホイールモータ駆動装置10とサスペンション装置70の連結構造を示す斜視図であり、車輪とともに示す。図5および図6は、同実施形態になるインホイールモータ駆動装置の内部および連結構造を車輪とともに示す斜視図である。図4〜図6は、車両後方かつ上方から斜めに見下ろした状態を表し、モータ部21、サスペンション装置70のストラット、およびキャリアを適宜図略してある。図7は、同実施形態になるインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造を車輪とともに示す背面図である。図8は、同実施形態になるインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造から、インホイールモータ駆動装置を取り出して示す背面図である。図7および図8は、車幅方向内側からみた状態を表す。
まず車輪ホイールWの内部につき説明すると図3に示すように、外輪12のフランジ部12fには、車輪ホイールWのスポーク部WsおよびブレーキロータBDが取付固定される。本体ケーシング43の車両後方部分には結合座部43a(図4参照)が形成される。結合座部43a(図4参照)には、ブレーキロータBDを制動するキャリパ(図示せず)が取付固定される。キャリパはブレーキロータBDを制動する。本発明の理解を容易にするため、図2、および図4以降では、車輪ホイールWの内空領域に配置されるブレーキロータBDおよびキャリパを図略する。外輪12は、車輪ホイールWのホイールセンタ(軸線O上で車輪ホイールWの一端から他端までの中心)からみて、車幅方向外側に配置される。
次にサスペンション装置70につき説明する。
本実施形態のサスペンション装置70は、ストラット式サスペンション装置であり、2本のサスペンション部材71,76を備える。サスペンション部材71は車幅方向に延びるロアアームである。サスペンション部材76は、上下方向に延びるストラットであり、ショックアブソーバ76sを内蔵して上下方向に伸縮可能である。サスペンション部材76の上端領域77の外周には図示しないコイルスプリングが同軸に配置され、サスペンション部材76に作用する上下方向の軸力を緩和する。サスペンション部材76の上端77aは図示しない車体側メンバを支持する。
サスペンション部材71は略三角形の板材であり、各頂点が車幅方向外側端72および車幅方向内側端73f,73bを構成する。サスペンション部材71は、車幅方向外側端72で、ボールジョイント60を介してインホイールモータ駆動装置10に連結される。またサスペンション部材71は車幅方向内側端73f,73bで図示しない車体側メンバに連結される。なお車体側メンバとは説明される部材からみて車体側に取り付けられる部材をいう。
車幅方向内側端73fは車両前方に配置され、車幅方向内側端73bは車両後方に配置される。車幅方向内側端73f,73bは、回動軸および回動軸を包囲するゴムブッシュをそれぞれ有する。以下の説明において車幅方向内側端73f,73bを区別しない場合、単に符号73を付す。車幅方向内側端73を基端とし、車幅方向外側端72を遊端として、サスペンション部材71は上下方向に揺動可能である。
ボールジョイント60は、ボールスタッド61およびソケット62を含む。ボールスタッド61は上下方向に延び、上端に形成されるボール部61bおよび下端に形成されるスタッド部61sを有する。ソケット62は内側固定部材13に設けられて、ボール部61bを摺動可能に収容する。スタッド部61sは、車幅方向外側端72を上下方向に貫通する。スタッド部61sの下端外周には雄ねじが形成され、下方からナット72nが螺合することにより、スタッド部61sはサスペンション部材71に取付固定される。図2に示すようにボール部61bは、オイルタンク47の下端よりも上方に位置する。ボールジョイント60およびオイルタンク47は、車輪ホイールWの内空領域に配置され、ボールジョイント60は軸線Oの直下に配置され、オイルタンク47はボールジョイント60から車両前後方向に離れて配置される。またボールジョイント60は、図3に示すように背面部分43bよりも車幅方向外側に配置される。
次に内側固定部材13につき説明する。
図3に示すように、内側固定部材13は、およびキャリア18を含む。キャリア18はボルト13bで固定軸15に結合される。固定軸15およびキャリア18間には中間部材19が介在する。中間部材19は、固定軸15の根元部15r端面に密着する。また中間部材19は、開口43q(図1)と同じ形状であり、開口43qを封止する。中間部材19を境界として、固定軸15は本体ケーシング43の内部に配置され、キャリア18は本体ケーシング43の外部に配置される。
図7および図8に示すようにキャリア18は、上方に延びる上側アーム部18aと、下方に延びる下側アーム部18bと、車両後方に延びる後側アーム部18cを有する。図3に示すように上側アーム部18aは、車輪ハブ軸受部11を超えて上方へ突出し、先端部でボルト78によってサスペンション部材76(ストラット)の下端部76bに取付固定される。下側アーム部18bは、車輪ハブ軸受部11を超えて下方へ突出し、先端部にボールジョイント60のソケット62を有する。なお下側アーム部18bは、先端部で向きを変えて軸線Oと平行に延び、真下部分43cの直下に回り込んで、出力歯車40の下方に位置する。このためソケット62の軸線O方向位置は、固定軸15の軸線O方向位置と重なる。またソケット62の軸線O方向位置は、出力歯車40の軸線O方向位置と重なる。図4に示すようにキャリア18の縁には切欠き18tが形成される。切欠き18tは、モータケーシング25およびモータケーシングカバー25vの外周に形成される突出部25pを受け入れる。
ボール部61bはインホイールモータ駆動装置10とサスペンション装置70の連結点として、自由な方向に回動することを許容する。図3に示すようにサスペンション部材76(ストラット)の上端77aとボール部61bを通り上下方向に延びる直線は車輪ホイールWおよびインホイールモータ駆動装置10の転舵軸Kを構成する。
本実施形態によれば、ソケット62が内側固定部材13に設けられる。また軸線Oを中心として、ソケット62が内径側に配置され、サスペンション部材71の車幅方向外側端72が外径側に配置される。これによりボール部61bが車輪ハブ軸受部11の軸線Oに近くなり、スタッド部61sが車輪ハブ軸受部11の軸線Oから遠ざかる。つまりボールスタッド61は、内径側の内側固定部材13と外径側の車幅方向外側端72によって、ボール部61bが軸線Oに近くなりスタッド部61sが軸線Oから遠くなる姿勢に保持される。これによりインホイールモータ駆動装置10とサスペンション装置70の連結点になるボール部61bを、車輪ハブ軸受部11の軸線Oに近い位置に配置することができ、サスペンション装置70の特性を向上させることができる。また車輪ハブ軸受部11は車輪荷重および車輪から付与される外力を確り支持するものであって強度上有利であり、内側固定部材13に作用する車輪荷重および車輪はサスペンション装置70で受け止められ、モータ部21および減速部31に伝達しない。これによりモータ部21および減速部31に不所望な変形が生じず、インホイールモータ駆動装置10の耐久性が向上する。
また本実施形態によれば、内側固定部材13が車輪ハブ軸受部11の軸線Oに沿って延びる固定軸15と、固定軸15の端部から軸線Oに直角な方向に突出するキャリア18とを含み、キャリア18の下側アーム部18bの先端部が、車輪ハブ軸受部11の軸線O方向にさらに延び、ソケット62は下側アーム部18bの先端部に設けられる。これにより車輪ホイールWの内空領域にソケットを配置することができる。したがって車輪の懸架構造において有利なものとなる。
また本実施形態によれば、ボールジョイント60が車輪ハブ軸受部11よりも下方に配置されることから、上下方向に延びてボール部61bを通る転舵軸Kが、タイヤTの接地面Rと交差する。したがって車輪およびインホイールモータ駆動装置10を容易に転舵させることができ、電動車両の旋回性能が向上する。
また本実施形態によれば、減速部31が車輪ハブ軸受部11の軸線Oよりも上方にオフセットして配置されることから、図2に示すように車輪ホイールWの内空領域において、車輪ハブ軸受部11よりも下方に空間Sを確保することができる。したがってサスペンション部材71をインホイールモータ駆動装置10から充分に離隔させることができる。
また本実施形態によれば、図7に示すようにモータ部21が車輪ハブ軸受部11の軸線Oよりも車両前後方向にオフセットして配置されることから、車輪ホイールWの内空領域において、車輪ハブ軸受部11よりも上方および下方に空間を確保することができる。したがってサスペンション装置70をインホイールモータ駆動装置10の上部および下部に連結することができる。
次に本発明の第2実施形態を説明する。図9は本発明の第2実施形態になるインホイールモータ駆動装置30を所定の平面で切断・展開して示す展開断面図である。第2実施形態につき、前述した実施形態と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。第2実施形態の車輪ハブ軸受部11は、内輪と外輪と複数の転動体を含む点で、上述した第1実施形態と共通する。異なる点として第1実施形態の車輪ハブ軸受部11は、外輪回転かつ内輪固定であるのに対し、第2実施形態の車輪ハブ軸受部11は、外輪固定かつ内輪回転である。
図9に示すように、車輪ハブ軸受部11は、車輪ハブとしての内輪部材81、内輪部材81の外周を覆う固定外輪82、および内輪部材81と固定外輪82との間の環状空間に配置される複数の転動体14を含む。車輪ハブ軸受部11は、出力軸41からみて軸線O方向一方側に配置される。
車輪ハブ軸受部11の固定外輪82は例えばフランジを有し、フランジには複数の貫通孔が形成されて各貫通孔にボルト83を通される。ボルト83は本体ケーシング43の正面部分43fに螺合する。これにより固定外輪82は本体ケーシング43に連結固定される。内輪部材81は固定外輪82の中心孔に通される。固定外輪82と内輪部材81との環状隙間は、シール材84,85に封止される。シール材84は固定外輪82の軸線O方向一方端に配置される。シール材85は固定外輪82の軸線O方向他方端に配置される。
出力軸41の一方端部41eは、軸線O方向一方へ突出し、内輪部材81の中心孔に差差し込まれる。一方端部41eの外周面にはスプライン溝41sが形成され、内輪部材81の内周面にはスプライン溝81sが形成され、両スプライン溝41s,81sは互いにスプライン嵌合する。
出力軸41は、軸線O方向他方端部に出力歯車40が一体形成される。出力軸41の軸線O方向他方端部は、一方端部41eよりも大径にされ、出力歯車40からみて軸線O方向両側に配置される第1の転がり軸受44および第2の転がり軸受46によって両持ち支持される。第1の転がり軸受44は正面部分43fと出力軸41外周面との間に介在する。第2の転がり軸受46は背面部分43bと出力軸41外周面との間に介在する。
転がり軸受44,46は、複列の転動体14が配置される軸線O方向領域よりも軸線O方向他方側にずらして配置される。転がり軸受44,46のピッチ円径は、転動体14のピッチ円径よりも大きい。図9に示す実施形態では転がり軸受44と転がり軸受46のピッチ円径が同じであるが、図示しない変形例として転がり軸受44と転がり軸受46のピッチ円径が異なっていてもよい。
図9には示さなかったが、背面部分43bの軸線O方向他方壁面43bnには、ボルト等によってキャリアが連結固定される。キャリアは図3に示すキャリア18と同じ部品であり、上側アーム部18aおよび下側アーム部18bを有する。このようにしてキャリアは固定部材としての固定外輪82側に取り付けられる。あるいは変形例として、キャリアは直接固定外輪82に連結固定されてもよい。
下側アーム部18bは、第2実施形態の車輪ハブ軸受部11を超えて下方へ突出し、先端部にボールジョイント60のソケット62を有する。なお下側アーム部18bは、先端部で向きを変えて軸線Oと平行に延び、本体ケーシング43の真下部分の直下に回り込んで、出力歯車40の下方に位置する。このためソケット62の軸線O方向位置は、出力軸41の軸線O方向位置と重なる。またソケット62の軸線O方向位置は、出力歯車40の軸線O方向位置とも重なってもよい。
図3に示すインホイールモータ駆動装置10とサスペンション装置70の連結構造において、インホイールモータ駆動装置10に代えて図9に示すインホイールモータ駆動装置30を適用可能である。つまり車輪ハブ軸受部11は、外輪固定かつ内輪回転であってもよく、車輪ハブ軸受部11の軸線Oを基準にして、スタッド部61sと、サスペンション装置70のサスペンション部材71(ロアアーム)との結合箇所が、ソケット62よりも遠い側に配置される。
第2実施形態においても、軸線Oを中心として、ソケット62が内径側に配置され、サスペンション部材71の車幅方向外側端72が外径側に配置される。これによりボール部61bが車輪ハブ軸受部11の軸線Oに近くなり、スタッド部61sが車輪ハブ軸受部11の軸線Oから遠ざかる。つまりボールスタッド61は、ボール部61bが軸線Oに近くなりスタッド部61sが軸線Oから遠くなる姿勢に保持される。これによりインホイールモータ駆動装置30とサスペンション装置70の連結点になるボール部61bを、車輪ハブ軸受部11の軸線Oに近い位置に配置することができ、サスペンション装置70の特性を向上させることができる。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明になるインホイールモータ駆動装置は、電気自動車およびハイブリッド車両において有利に利用される。
10 インホイールモータ駆動装置、 11 車輪ハブ軸受部、
12 外輪、 12f フランジ部、 13 内側固定部材、
13b ボルト、 14 転動体、
15 固定軸、 15r 根元部、 18 キャリア、
18a 上側アーム部、 18b 下側アーム部、 18c 後側アーム部、
19 中間部材、 21 モータ部、 22 モータ回転軸、
25 モータケーシング、 31 減速部、 32 入力軸、
33 入力歯車、 34,36,37,39 中間歯車、
35,38 中間軸、 40 出力歯車、 41 出力軸、
43 本体ケーシング、 43b 背面部分、 43c 真下部分、
43f 正面部分、 43p,43q 開口、 47 オイルタンク、
51 ポンプ軸、 53 ポンプギヤ、 54 オイルポンプ、
60 ボールジョイント、 61 ボールスタッド、 61b ボール部、
61s スタッド部、 62 ソケット、 70 サスペンション装置、
71 サスペンション部材(ロアアーム)、 72 車幅方向外側端、
3b,73f 車幅方向内側端、 76 サスペンション部材(ストラット)、
76b 下端部、 77 上端領域、 77a 上端、
BD ブレーキロータ、 K 転舵軸、
M,Nf,Nl,O,P 軸線、 R 接地面、 S 空間、
T タイヤ、 W 車輪ホイール、 Wr リム部、 Ws スポーク部。

Claims (7)

  1. 車輪を駆動するモータ部、減速部車輪ハブ軸受部、および前記車輪ハブ軸受部の軸線よりも車両前方あるいは車両後方に離れた部位に、下方へ向かって突出するオイルタンクを有するインホイールモータ駆動装置と、前記インホイールモータ駆動装置に設けられるキャリアと、前記インホイールモータ駆動装置を車体に取り付けるサスペンション装置と、前記キャリアを前記サスペンション装置に方向自在に連結するボールジョイントとを備え、
    前記車輪ハブ軸受部は、車幅方向に延びて車輪とともに回転する車輪ハブと、非回転の固定部材と、前記車輪ハブおよび前記固定部材によって区画される環状隙間に配列される複数の転動体とを含み、
    前記ボールジョイントは、前記車輪ハブ軸受部の軸線の真下に配置されて、前記オイルタンクの下端よりも上方に位置し、一端に形成されるボール部および他端に形成されるスタッド部を有するボールスタッドと、前記ボール部を摺動可能に収容するソケットとを含み、
    前記ソケットは前記キャリアに設けられ、
    前記スタッド部は前記サスペンション装置と結合し、
    前記車輪ハブ軸受部の軸線からみて、前記スタッド部と前記サスペンション装置の結合箇所が、前記ソケットよりも遠い側に配置される、インホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造。
  2. 前記車輪ハブは前記固定部材の外周を包囲する外輪であり、
    前記固定部材は前記外輪の中心孔に通される固定軸を含み、
    前記キャリアは前記固定軸の端部に連結固定される、請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造。
  3. 前記固定部材は前記車輪ハブの外周を包囲する外輪を含み、
    前記車輪ハブは前記外輪の中心孔に通される内輪あるいは軸である、請求項1に記載のインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造。
  4. 前記キャリアは前記固定軸から外径方向に突出し、
    前記キャリアの先端部は、前記車輪ハブ軸受部の軸線方向にさらに延び、前記先端部の軸線方向位置が前記固定軸の軸線方向位置に重なり、
    前記ソケットは前記キャリアの先端部に設けられる、請求項2に記載のインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造。
  5. 前記車輪ハブ軸受部の軸線方向にみて、前記オイルタンクは下方に向かって細くなる略三角形状に形成される、請求項1〜4のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造。
  6. 前記減速部は、前記車輪ハブ軸受部の軸線からみて上方にオフセットして配置される、請求項1〜5のいずれかに記載のインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造。
  7. 前記モータ部は、前記車輪ハブ軸受部の軸線からみて車両前後方向にオフセットして配置される、請求項に記載のインホイールモータ駆動装置とサスペンション装置の連結構造。
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