JP7136669B2 - 導電性フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性フィルムの製造方法、詳しくは、光学用途に好適に用いられる導電性フィルムの製造方法に関する。
従来から、画像表示装置は、タッチパネル用フィルムとして、インジウムスズ複合酸化物(ITO)層などの透明導電膜を透明基材上に配置した透明導電性フィルムを備えることが知られている。近年、このような透明導電性フィルムにおいて、タッチ入力領域の外縁部に引き回し配線を形成して狭額縁化を図るため、透明導電膜の表面に、電極用の銅膜をさらに配置した導電性フィルムが提案されている。
例えば、特許文献1には、透明基材シートの両面のそれぞれに、パターン化された透明導電膜および電極用導電膜(銅膜など)が順に積層された両面導電性のタッチ入力シートが開示されている。
特開2011-60146号公報
ところで、導電性フィルムでは、製造時に、導電性フィルムの品質低下(例えば、歪みや破損の発生)を抑制するために、キャリアフィルムを用いることが検討される。
例えば、透明基材シートの一方面に、第1透明導電膜および第1銅膜を形成した後、透明基材シートの他方面に、第2透明導電膜および第2銅膜を形成する前に、第1透明導電膜と第1銅膜との間に生じる歪みを抑制するために、第1銅膜の表面にキャリアフィルムを一時的に配置することが検討される。
そうすると、第2透明導電膜および第2銅膜を形成し、さらにキャリアフィルムを剥離した後、第1銅膜をパターニングするときに、キャリアフィルムによる汚染によって、パターニング精度が低下する不具合が生じる。
本発明は、キャリアフィルムを用いて、金属層付き導電性フィルムを作製する際に、金属層のパターニング精度が良好な導電性フィルムを製造する方法を提供することにある。
本発明[1]は、透明基材、第1透明導電層および第1金属層を順に備える中間フィルムと、前記中間フィルムに配置されるキャリアフィルムとを備える積層体を用意する用意工程と、前記第1金属層にドライクリーニング処理を実施して、前記キャリアフィルムに由来する成分を除去する除去工程とを備える、導電性フィルムの製造方法を含む。
本発明[2]は、前記ドライクリーニング処理が、プラズマ処理またはコロナ処理である、[1]に記載の導電性フィルムの製造方法を含む。
本発明[3]は、前記除去工程後における前記第1金属層の水接触角が、90度以下である、[1]または[2]に記載の導電性フィルムの製造方法を含む。
本発明[4]は、前記除去工程後において、下記(1)~(3)の少なくとも1つの要件を満たす、[1]~[3]のいずれか一項に記載の導電性フィルムの製造方法を含む。
(1)Cuに対するC1523の相対強度が、7.8×10-2以下である。
(2)Cuに対するC13 の相対強度が、6.1×10-3以下である。
(3)Cuに対するC1835 の相対強度が、4.3×10-2以下である。
本発明[5]は、前記用意工程は、前記透明基材の厚み方向一方側に、前記第1透明導電層および前記第1金属層を順に配置する工程と、前記第1金属層の厚み方向一方側に、前記キャリアフィルムを配置する工程と、前記透明基材の厚み方向他方側に、第2透明導電層および第2金属層を順に配置する工程と、前記キャリアフィルムを除去する工程とを順に備える、[1]~[4]のいずれか一項の導電性フィルムの製造方法を含む。
本発明[6]は、前記用意工程は、前記透明基材の厚み方向他方側に、前記キャリアフィルムを配置する工程と、前記透明基材の厚み方向一方側に、第1透明導電層および第1金属層を順に配置する工程とを順に備える、[1]~[4]のいずれか一項の導電性フィルムの製造方法を含む。
本発明の導電性フィルムの製造方法によれば、第1金属層にドライクリーニング処理を実施するため、キャリアフィルムに由来する成分(残渣)を除去できる。したがって、第1金属層をパターニングする際に、パターニング用レジスト膜と第1金属層との界面に隙間が発生することを抑制することができる。よって、第1金属層のパターニング精度に優れる。
図1A-Hは、本発明の導電性フィルムの製造方法の第1実施形態の工程図を示し、図1Aは、透明基材を用意する工程、図1Bは、ハードコート層を配置する工程、図1Cは、第1透明導電層を配置する工程、図1Dは、第1金属層を配置する工程、図1Eは、キャリアフィルムを配置する工程、図1Fは、第2透明導電層を配置する工程、図1Gは、第2金属層を配置する工程、図1Hは、導電性フィルムを得る工程を示す。 図2A-Cは、プラズマ処理の方式の斜視図およびその側面図を示し、図2Aは、リモート方式、図2Bは、ダイレクト方式、図2Cは、プローブ方式を示す。 図3A-Fは、本発明のパターニング導電性フィルムの製造方法の工程図を示し、図3Aは、ドライフィルムレジストを配置する工程、図3Bは、ドライフィルムレジストをパターニングする工程、図3Cは、第1金属層をエッチングする工程、図3Dは、ドライフィルムレジストを除去する工程、図3Eは、第2金属層をエッチングする工程、図3Fは、第1透明導電層および第2透明導電層をエッチングする工程を示す。 図4A-Bは、図1Hに示す導電性フィルムの製造方法の変形例を示し、図4Aは、光学調整層を配置する工程、図4Bは、図1Hに示す導電性フィルムの変形例(光学調整層を備える形態)を得る工程を示す。 図5A-Fは、本発明の導電性フィルムの製造方法の第2実施形態の工程図を示し、図5Aは、透明基材を用意する工程、図5Bは、キャリアフィルムを配置する工程、図5Cは、ハードコート層を配置する工程、図5Dは、第1透明導電層を配置する工程、図5Eは、第1金属層を配置する工程、図5Fは、導電性フィルムを得る工程を示す。
図1Aにおいて、紙面上下方向は、上下方向(厚み方向、第1方向)であって、紙面上側が、上側(厚み方向一方側、第1方向一方側)、紙面下側が、下側(厚み方向他方側、第1方向他方側)である。また、紙面左右方向および奥行き方向は、上下方向に直交する面方向である。具体的には、各図の方向矢印に準拠する。なお、これらの方向の定義により、本発明の導電性フィルムの製造時および使用時の向きを限定する意図はない。
<第1実施形態>
図1A-図2Cを参照して、本発明の導電性フィルムの製造方法の第1実施形態として、両面金属層付きの導電性フィルム1の製造方法を説明する。
導電性フィルム1の製造方法の一実施形態は、例えば、用意工程と、除去工程とを備える。好ましくは、この製造方法は、全てロールトゥロール方式にて実施される。
1.用意工程
用意工程では、図1A-Gに示すように、積層体2を用意する。
積層体2は、図1Gに示すように、中間フィルム3と、その上面に配置されるキャリアフィルム4とを備える。以下、各フィルムを説明する。
(中間フィルム)
中間フィルム3は、フィルム形状(シート形状を含む)を有し、面方向(第1方向および第2方向)に延び、平坦な上面(厚み方向一方面)および平坦な下面(厚み方向他方面)を有する。
中間フィルム3は、透明基材5と、透明基材5の上側に配置される第1ハードコート層6と、第1ハードコート層6の上側に配置される第1透明導電層7と、第1透明導電層7の上側に配置される第1金属層8と、透明基材5の下側に配置される第2ハードコート層9と、第2ハードコート層9の下側に配置される第2透明導電層10と、第2透明導電層10の下側に配置される第2金属層11とを備える。すなわち、中間フィルム3は、第2金属層11、第2透明導電層10、第2ハードコート層9、透明基材5、第1ハードコート層6、第1透明導電層7、および、第1金属層8を下から順に備える。すなわち、中間フィルム3は、透明基材5の両側に、ハードコート層、透明導電層および金属層を順に備える両面導電性フィルムである。以下、各層について詳述する。
透明基材5は、導電性フィルム1の機械強度を確保するための基材である。すなわち、透明基材5は、後述する透明導電層(第1透明導電層7、第2透明導電層10)および金属層(第1金属層8、第2金属層11)を、後述するハードコート層(第1ハードコート層6、第2ハードコート層9)とともに支持している。
透明基材5は、フィルム形状を有し、例えば、透明性を有する高分子フィルムである。
透明基材5の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、例えば、ポリメタクリレートなどの(メタ)アクリル樹脂(アクリル樹脂および/またはメタクリル樹脂)、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー(例えば、ノルボルネン系、シクロペンタジエン系)などのオレフィン樹脂、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。透明基材5の材料は、単独使用または2種以上併用することができる。
透明性、低複屈折性などの光学特性の観点から、好ましくは、オレフィン樹脂が挙げられ、より好ましくは、シクロオレフィンポリマーが挙げられる。
透明基材5の全光線透過率(JIS K 7375-2008)は、例えば、80%以上、好ましくは、85%以上である。
透明基材5の厚みは、例えば、200μm以下、好ましくは、150μm以下であり、また、例えば、10μm以上、好ましくは、15μm以上、より好ましくは、25μm以上である。透明基材5の厚みが上記上限以下であれば、導電性フィルム1の薄膜化を図ることができる。透明基材5の厚みが上記下限以上であれば、導電性フィルム1の機械強度に優れる。
本発明において、フィルムの厚みは、例えば、厚みが1μm以上である場合は、マイクロゲージ式厚み計を用いて測定することができ、例えば、厚みが1μm未満である場合は、瞬間マルチ測光システムを用いて測定することができる。
第1ハードコート層6は、複数の導電性フィルム1を積層した場合などに、導電性フィルム1の表面(すなわち、第1金属層8の上面、第2金属層11の下面)に擦り傷を生じにくくするための擦傷保護層である。また、導電性フィルム1に耐ブロッキング性を付与するためのアンチブロッキング層とすることもできる。
第1ハードコート層6は、フィルム形状を有しており、例えば、透明基材5の上面全面に、透明基材5の上面と接触するように、配置されている。より具体的には、第1ハードコート層6は、透明基材5と第1透明導電層7との間に、透明基材5の上面および第1透明導電層7の下面と接触するように、配置されている。
第1ハードコート層6は、例えば、ハードコート組成物から形成される。ハードコート組成物は、樹脂成分を含有し、好ましくは、樹脂成分からなる。
樹脂成分としては、例えば、硬化性樹脂、熱可塑性樹脂(例えば、ポリオレフィン樹脂)などが挙げられ、好ましくは、硬化性樹脂が挙げられる。
硬化性樹脂としては、例えば、活性エネルギー線(具体的には、紫外線、電子線など)の照射により硬化する活性エネルギー線硬化性樹脂、例えば、加熱により硬化する熱硬化性樹脂などが挙げられ、好ましくは、活性エネルギー線硬化性樹脂が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂は、例えば、分子中に重合性炭素-炭素二重結合を有する官能基を有するポリマーが挙げられる。そのような官能基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基(メタクリロイル基および/またはアクリロイル基)などが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、具体的には、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどの(メタ)アクリル系紫外線硬化性樹脂が挙げられる。
また、活性エネルギー線硬化性樹脂以外の硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、シロキサン系ポリマー、有機シラン縮合物などが挙げられる。
樹脂成分は、単独使用または2種以上併用することができる。
ハードコート組成物は、粒子をさらに含有することもできる。これにより、ハードコート層を、耐ブロッキング特性を有するアンチブロッキング層とすることができる。
粒子としては、無機粒子、有機粒子などが挙げられる。無機粒子としては、例えば、シリカ粒子、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズなどからなる金属酸化物粒子、例えば、炭酸カルシウムなどの炭酸塩粒子などが挙げられる。有機粒子としては、例えば、架橋アクリル樹脂粒子などが挙げられる。粒子は、単独使用または2種以上併用することができる。
ハードコート組成物には、さらに、レベリング剤、チクソトロピー剤、帯電防止剤などの公知の添加剤を含有することができる。
第1ハードコート層6の厚みは、耐擦傷性の観点から、例えば、0.5μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、10μm以下、好ましくは、3μm以下である。
第1透明導電層7は、後工程で所望のパターンに形成して、例えば、タッチパネルのタッチ入力領域における配線パターンや電極パターンを形成するための透明な導電層である。
第1透明導電層7は、フィルム形状を有しており、例えば、第1ハードコート層6の上面全面に、第1ハードコート層6の上面と接触するように、配置されている。より具体的には、第1透明導電層7は、第1ハードコート層6と第1金属層8との間に、第1ハードコート層6の上面および第1金属層8の下面と接触するように、配置されている。
第1透明導電層7の材料としては、例えば、In、Sn、Zn、Ga、Sb、Ti、Si、Zr、Mg、Al、Au、Ag、Cu、Pd、Wからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含む金属酸化物が挙げられる。金属酸化物には、必要に応じて、さらに上記群に示された金属原子をドープしていてもよい。
第1透明導電層7の材料は、例えば、インジウムスズ複合酸化物(ITO)などのインジウム含有酸化物、例えば、アンチモンスズ複合酸化物(ATO)などのアンチモン含有酸化物などが挙げられ、好ましくは、インジウム含有酸化物、より好ましくは、ITOが挙げられる。
第1透明導電層7の材料としてITOを用いる場合、酸化スズ(SnO)含有量は、酸化スズおよび酸化インジウム(In)の合計量に対して、例えば、0.5質量%以上、好ましくは、3質量%以上であり、また、例えば、15質量%以下、好ましくは、13質量%以下である。酸化スズの含有量が上記下限以上であれば、ITO層の耐久性をより一層良好にすることができる。酸化スズの含有量が上記上限以下であれば、ITO層の結晶転化を容易にし、透明性や比抵抗の安定性を向上させることができる。
本明細書中における「ITO」とは、少なくともインジウム(In)とスズ(Sn)とを含む複合酸化物であればよく、これら以外の追加成分を含んでもよい。追加成分としては、例えば、In、Sn以外の金属元素が挙げられ、具体的には、Zn、Ga、Sb、Ti、Si、Zr、Mg、Al、Au、Ag、Cu、Pd、W、Fe、Pb、Ni、Nb、Cr、Gaなどが挙げられる。
第1透明導電層7は、結晶質および非晶質のいずれであってもよく、また、結晶質および非晶質の混合体であってもよい。
第1透明導電層7の厚みは、例えば、10nm以上、好ましくは、20nm以上であり、また、例えば、50nm以下、好ましくは、30nm以下である。
第1金属層8は、後工程で所望のパターンに形成して、例えば、タッチパネルのタッチ入力領域の外側(外周)の外縁部(外周縁部)における配線パターン(例えば、引き回し配線)を形成するための導電性の金属層である。
第1金属層8は、中間フィルム3の最上層である。第1金属層8は、フィルム形状を有しており、第1透明導電層7の上面全面に、第1透明導電層7の上面と接触するように、配置されている。
第1金属層8の材料としては、例えば、銅、ニッケル、クロム、鉄、チタン、または、それらの合金などの金属が挙げられる。導電性などの観点から、好ましくは、銅が挙げられる。
なお、第1金属層8が、銅などの酸化が生じやすい材料である場合、第1金属層8の表面は酸化されていてもよい。具体的には、第1金属層8が、銅層である場合は、第1金属層8は、表面の一部または全部に酸化銅を備える銅層であってもよい。
第1金属層8の厚みは、例えば、100nm以上、好ましくは、150nm以上であり、また、例えば、400nm以下、好ましくは、300nm以下である。第1金属層8の厚みが上記下限以上であれば、第1金属層8の表面抵抗値を低くでき、導電性に優れる。そのため、タッチパネルの大型化に対応して、より一層幅狭で長尺な配線パターン(額縁部の引き回し配線)を形成することが可能となる。また、第1金属層8の厚みが上記上限以下であれば、額縁部の薄膜化を図ることができる。
第2ハードコート層9は、第1ハードコート層6と同様に、擦傷保護層であり、また、アンチブロッキング層とすることもできる。
第2ハードコート層9は、フィルム形状を有しており、透明基材5の下面全面に、透明基材5の下面と接触するように、配置されている。より具体的には、第2ハードコート層9は、透明基材5と第2透明導電層10との間に、透明基材5の下面および第2透明導電層10の上面と接触するように、配置されている。
第2ハードコート層9は、ハードコート組成物から形成される。第2ハードコート層9に用いられるハードコート組成物は、第1ハードコート層6で上述したハードコート組成物と同様である。
第2ハードコート層9の厚みは、例えば、0.5μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、10μm以下、好ましくは、3μm以下である。
第2透明導電層10は、第1透明導電層7と同様に、透明な導電層である。
第2透明導電層10は、フィルム形状を有しており、例えば、第2ハードコート層9の下面全面に、第2ハードコート層9の下面と接触するように、配置されている。より具体的には、第2透明導電層10は、第2ハードコート層9と第2金属層11との間に、第2ハードコート層9の下面および第2金属層11の上面と接触するように、配置されている。
第2透明導電層10の材料としては、第1透明導電層7の材料と同様である。
第2透明導電層10の厚みは、例えば、10nm以上、好ましくは、20nm以上であり、また、例えば、50nm以下、好ましくは、30nm以下である。
第2金属層11は、第1金属層8と同様に、導電性の金属層である。
第2金属層11は、導電性フィルム1の最下層である。第2金属層11は、フィルム形状を有しており、第2透明導電層10の下面全面に、第2透明導電層10の下面と接触するように、配置されている。
第2金属層11の材料としては、第1金属層8の材料と同様である。
第2金属層11の厚みは、例えば、100nm以上、好ましくは、150nm以上であり、また、例えば、400nm以下、好ましくは、300nm以下である。
中間フィルム3の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、25μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、150μm以下である。
キャリアフィルム4は、フィルム形状を有し、面方向に延び、平坦な上面および平坦な下面を有する。キャリアフィルム4は、中間フィルム3の上面に配置されている。より具体的には、キャリアフィルム4は、第1金属層8の上面全面に、第1金属層8の上面と接触するように、配置されている。
キャリアフィルム4は、中間フィルム3を製造、搬送および/または保存する際に、中間フィルム3(ひいては、導電フィルム1)の品質低下を抑制するために、中間フィルム3に配置される保護部材である。特に、キャリアフィルム4は、中間フィルム3の製造時、具体的には、第2透明導電層10および第2金属層11の形成の際、第1透明導電層7-第1金属層8間に生じる応力に起因する歪みや破損を抑制する。
キャリアフィルム4は、高分子フィルムである。キャリアフィルムとしては、例えば、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、オレフィン系フィルム(ポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、シクロオレフィン系フィルムなど)、アクリル系フィルム、ポリエーテルスルフォン系フィルム、ポリアリレート系フィルム、メラミン系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリイミド系フィルム、セルロース系フィルム、ポリスチレン系フィルムが挙げられる。耐熱性、機械強度の観点から、好ましくは、オレフィン系フィルムが挙げられ、より好ましくは、ポリプロピレンン系フィルムが挙げられる。
キャリアフィルム4としては、延伸フィルム(1軸延伸または2軸延伸)または未延伸フィルムのいずれであってもよい。機械強度の観点から、好ましくは、2軸延伸フィルムが挙げられる。具体的には、好ましくは、2軸延伸ポリオレフィンフィルムが挙げられ、より好ましくは、2軸延伸ポリプロピレン系フィルム(OPPフィルム)が挙げられる。
キャリアフィルム4は、少なくとも下面に粘着性を有するフィルムである。
このようなキャリアフィルム4は、下面に粘着処理を付与した高分子フィルム(例えば、OPPフィルム)単独であってもよく、また、下面に粘着剤層が配置された高分子フィルムであってもよい。
粘着剤層としては、例えば、アクリル系粘着剤層、ゴム系粘着剤層、シリコーン系粘着剤層、ポリエステル系粘着剤層、ポリウレタン系粘着剤層、ポリアミド系粘着剤層、エポキシ系粘着剤層、ビニルアルキルエーテル系粘着剤層、フッ素系粘着剤層などが挙げられる。粘着性、剥離性などの観点から、好ましくは、アクリル系粘着剤層が挙げられる。
キャリアフィルム4は、その物性劣化抑制のために、一般的に、安定剤を含有している。
安定剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などの酸化防止剤(熱安定剤)、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸剤などの光安定剤などが挙げられる。好ましくは、耐熱の観点から、酸化防止剤が挙げられ、好ましくは、酸化防止性が良好である観点から、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられ、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、好ましくは、ジ-tert-ブチルヒドロキシトルエン(BHT)骨格を有する化合物が挙げられる。具体的には、商品名「IRGANOX1010」(BASF製)(ペンタエリスリトール・テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート])、商品名「IRGANOX1010FF」(BASF製)、商品名「IRGANOX1035」(BASF製)、商品名「IRGANOX1035FF」(BASF製)、商品名「IRGANOX1076」(BASF製)、商品名「IRGANOX1076FD」(BASF製)、商品名「IRGANOX1076DWJ」(BASF製)、商品名「IRGANOX1098」(BASF製)、商品名「IRGANOX1135」(BASF製)、商品名「IRGANOX1330」(BASF製)、商品名「IRGANOX1726」(BASF製)、商品名「IRGANOX1425WL」(BASF製)、商品名「IRGANOX1520L」(BASF製)、商品名「IRGANOX245」(BASF製)、商品名「IRGANOX245FF」(BASF製)、商品名「IRGANOX259」(BASF製)、商品名「IRGANOX3114」(BASF製)、商品名「IRGANOX565」(BASF製)、商品名「IRGANOX295」(BASF製)などが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、商品名「IRGAFOS168」(BASF製)などのリン系加工熱安定剤、商品名「アデカスタブ」(ADEKA製)などのホスファイト系酸化防止剤などが挙げられる。好ましくは、リン系加工熱安定剤が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、商品名「IRGANOX PS 800FL」(BASF製)、商品名「スミライザー」(住友化学製)などが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、商品名「TINUVIN P」(BASF製)(フェノール,2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル)、商品名「TINUVIN P FL」(BASF製)、商品名「TINUVIN234」(BASF製)、商品名「TINUVIN326」(BASF製)、商品名「TINUVIN326FL」(BASF製)、商品名「TINUVIN328」(BASF製)、商品名「TINUVIN329」(BASF製)、商品名「TINUVIN329FL」(BASF製)、商品名「TINUVIN360」(BASF製)などが挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、商品名「TINUVIN1577ED」(BASF製)(フェノール,2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヘキシルオキシ)、商品名「TINUVIN1600」(BASF製)などが挙げられる。
安定剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
安定剤の含有割合は、キャリアフィルム4に対して、例えば、0.01質量%以上、好ましくは、0.1質量%以上であり、また、例えば、5質量%以下、好ましくは、1質量%以下である。
(用意工程)
用意工程は、例えば、(1)透明基材5を用意する工程、(2)透明基材5にハードコート層(第1ハードコート層6、第2ハードコート層9)を配置する工程、(3)第1ハードコート層6の上面に第1透明導電層7および第1金属層8を順に配置する工程、(4)第1金属層8の上面にキャリアフィルム4を配置する工程、(5)第2ハードコート層9の下面に第2透明導電層10および第2金属層11を順に配置する工程、および、(6)キャリアフィルム4を除去する工程を順に備える。(以下、「(1)透明基材5を用意する工程」を「(1)工程」と省略することもある。その他の工程も同様に(2)工程などと省略する。)
(1)透明基材5を用意する工程
図1Aに示すように、公知または市販の透明基材5を用意する。
(2)透明基材5にハードコート層を配置する工程
図1Bに示すように、透明基材5の下面および上面に、ハードコート層(第1ハードコート層6および第2ハードコート層9)を、例えば、湿式塗工により形成する。
具体的には、例えば、ハードコート組成物を溶媒で希釈した希釈液(ワニス)を調製し、続いて、希釈液を透明基材5の下面および下面に塗布して、希釈液を乾燥する。
その後、ハードコート組成物が活性エネルギー線硬化性樹脂を含有する場合は、希釈液の乾燥後に、活性エネルギー線を照射することにより、活性エネルギー線硬化性樹脂を硬化させる。
(3)第1ハードコート層6の上面に第1透明導電層7および第1金属層8を順に配置する工程
図1Cに示すように、第1ハードコート層6の上面に第1透明導電層7を、例えば、乾式方法により形成する。続いて、図1Dに示すように、第1透明導電層7の上面に第1金属層8を、例えば、乾式方法により形成する。
第1透明導電層7および第1金属層8に用いる乾式方法としては、それぞれ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。好ましくは、スパッタリング法が挙げられる。この方法により、薄膜で均一な第1透明導電層7および第1金属層8を形成することができる。
スパッタリング法は、真空チャンバー内にターゲットおよび被着体(ハードコート層が積層された透明基材5)を対向配置し、ガスを供給するとともに電源から電圧を印加することによりガスイオンを加速しターゲットに照射させて、ターゲット表面からターゲット材料をはじき出して、そのターゲット材料を被着体表面に積層させる。
第1透明導電層7を形成する際のターゲット材料としては、第1透明導電層7を構成する上述の金属酸化物などが挙げられ、好ましくは、ITOが挙げられる。
第1金属層8を形成する際のターゲット材料としては、第1金属層8を構成する上述の金属などが挙げられ、好ましくは、銅が挙げられる。
ガスとしては、例えば、Arなどの不活性ガスが挙げられる。また、必要に応じて、酸素ガスなどの反応性ガスを併用することができる。反応性ガスを併用する場合において、反応性ガスの流量比(sccm)は、スパッタガスおよび反応性ガスの合計流量比に対して、例えば、0.1流量%以上5流量%以下である。
スパッタリング時の気圧は、スパッタリングレートの低下抑制、放電安定性などの観点から、例えば、1Pa以下であり、好ましくは、0.1Pa以上0.7Pa以下である。
電源は、例えば、DC電源、AC電源、MF電源およびRF電源のいずれであってもよく、また、これらの組み合わせであってもよい。
(4)第1金属層8の上面にキャリアフィルム4を配置する工程
図1Eに示すように、第1金属層8の上面にキャリアフィルム4の下面(粘着面)を接触させることにより、第1金属層8とキャリアフィルム4とを積層させる。
(5)第2ハードコート層9の下面に第2透明導電層10および第2金属層11を順に配置する工程
図1Fに示すように、第2ハードコート層9の下面に第2透明導電層10を、例えば、乾式方法により形成する。続いて、図1Gに示すように、第2透明導電層10の下面に第2金属層11を、例えば、乾式方法により形成する。
これらの方法は、上記した(3)工程と同様の方法が挙げられる。好ましくは、第2透明導電層10および第2金属層11の形成方法は、ともに、スパッタリング方法が挙げられる。
これにより、中間フィルム3と、その上面に配置されるキャリアフィルム4とを備える積層体(キャリアフィルム付き導電性フィルム)2が得られる。
(6)キャリアフィルム4を除去する工程
図1Gの仮想線で示すように、中間フィルム3の第1金属層8の上面と、キャリアフィルム4の下面とが互いに離間するように、キャリアフィルム4を剥離する。
これにより、中間フィルム3が単体として得られる。中間フィルム3は、第2金属層11、第2透明導電層10、第2ハードコート層9、透明基材5、第1ハードコート層6、第1透明導電層7および第1金属層8を順に備える。すなわち、中間フィルム3は、両面金属層付きの透明導電性フィルムである。中間フィルム3は、後述するドライクリーニング処理が実施されていない未クリーニング処理フィルムである。中間フィルム3の第1金属層8の上面には、キャリアフィルム4に由来する成分(例えば、安定化剤、長鎖脂肪酸)が付着している。
2.除去工程
除去工程では、中間フィルム3の第1金属層8の上面に、ドライクリーニング処理を実施する。
ドライクリーニング処理は、液体(クリーニング液など)や固体(スクリーンローラー)を中間フィルム3(クリーニング対象)に接触させず、放電やガス放出を中間フィルム3に対して実施する処理である。
ドライクリーニング処理としては、例えば、プラズマ処理、コロナ処理、サンドブラスト処理などが挙げられる。確実にキャリアフィルム由来成分を除去できる観点から、好ましくは、プラズマ処理、コロナ処理が挙げられる。
プラズマ処理およびコロナ処理は、公知または市販のプラズマ処理装置またはコロナ処理装置を用いて実施することができる。
プラズマ処理およびコロナ処理としては、それぞれ、例えば、リモート方式、ダイレクト方式、スポット方式が挙げられる。
リモート方式では、図2Aが参照されるように、互いに対向する2つの電極20を備えるヘッド部21の間にプラズマを発生させ、そのヘッド部21(電極20)の間から外部に噴き出したプラズマを中間フィルム3に衝突させる。
ダイレクト方式では、図2Bが参照されるように、互いに対向する2つの電極20を備えるヘッド部21の間にプラズマを発生させ、そのヘッド部21(電極20)の間に中間フィルム3を通過させる。
スポット方式では、図2Cが参照されるように、略円筒状のノズル22を備えるヘッド部21の先端からプラズマを発生させ、中間フィルム3に衝突させる。
ヘッド部21の数は限定的でなく、例えば、1つであってもよく、複数(好ましくは、2~4個)であってもよい。
幅広の中間フィルム3をクリーニングできる観点からは、好ましくは、ダイレクト方式、リモート方式が挙げられる。
また、中間フィルム3の損傷を抑制できる観点からは、リモート方式が挙げられる。すなわち、ダイレクト方式では、中間フィルム3内の金属層が電極として働いてしまい、所望のプラズマが発生しないため、中間フィルム3に損傷を与えるおそれがある。一方、リモート方式では、このような現象を防止でき、所望の特性の導電性フィルム1を得ることができる。
プラズマ処理およびコロナ処理に用いるガスとしては、窒素、酸素、アルゴン、空気などが挙げられる。ガスは、単独使用または2種以上併用することができる。好ましくは、酸素を含有するガスが挙げられ、より好ましくは、窒素および酸素の混合ガス、空気が挙げられ、さらに好ましくは、空気が挙げられる。これにより、キャリアフィルム由来成分をより確実に除去することができる。
窒素および酸素の混合ガスを用いる場合、窒素100slm当たり、酸素の流量は、例えば、10ccm以上、好ましくは、50ccm以上であり、また、例えば、1000ccm以下、好ましくは、500ccm以下である。
プラズマ処理において、放電量は、例えば、100W・min/m以上、好ましくは、200W・min/m以上、より好ましくは、400W・min/m以上であり、また、例えば、2000W・min/m以下、好ましくは、1500W・min/m以下である。
コロナ処理において、放電量は、例えば、10W・min/m以上、好ましくは、50W・min/m以上、より好ましくは、100W・min/m以上であり、また、例えば、1000W・min/m以下、好ましくは、300W・min/m以下である。
放電量を上記範囲とすることにより、キャリアフィルム由来成分をより確実に除去することができる。放電量(W・min/m)は、「[電力(W)]/[中間フィルムの搬送速度(m/min)]・[電極長(m)]」の式によって算出される。
プラズマ処理およびコロナ処理において、放電容量は、例えば、電力、搬送速度、電極長などを適宜設定することにより、容易に調整することができる。電力は、例えば、100W以上、2000W以下である。中間フィルム3の搬送速度は、例えば、1m/min以上、20m/min以下である。電極長(電極20におけるフィルムの幅方向長さ)は、例えば、0.3m以上、2.5m以下である。
サンドブラスト処理では、ガスを中間フィルム3に直接噴射する。サンドブラスト処理に用いるガスとしては、例えば、ドライアイス(二酸化炭素)などが挙げられる。
これにより、図1Hに示すように、導電性フィルム1が得られる。導電性フィルム1は、第2金属層11、第2透明導電層10、第2ハードコート層9、透明基材、第1ハードコート層6、第1透明導電層7および第1金属層8を順に備える。導電性フィルム1は、両面金属層付きの透明導電性フィルムである。
導電性フィルム1の上面(すなわち、第1金属層8の上面)において、水接触角は、例えば、90度以下、好ましくは、86度以下、より好ましくは、82度以下、さらに好ましくは、78度以下、とりわけ好ましくは、72度以下である。水接触角が上記範囲であれば、第1金属層8の上面に付着したキャリアフィルム由来成分が除去されているため、第1金属層8のパターニング精度に優れる。
水接触角は、第1金属層8の上面に約1μLの水滴を滴下し、5秒後に、水滴と第1金属層8の上面とのなす角度を測定することにより、求められる。
導電性フィルム1の上面において、例えば、下記(1)~(3)の少なくとも1つの要件を満たす。好ましくは、下記(1)~(3)の全ての要件を満たす。
(1)Cuに対するC1523の相対強度が、7.8×10-2以下である。
(2)Cuに対するC13 の相対強度が、6.1×10-3以下である。
(3)Cuに対するC1835 の相対強度が、4.3×10-2以下である。
相対強度は、TOF-SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法:Time-of-Flight Secondary Ion Mass Spectrometry)を用いて測定することができる。条件は、実施例にて詳述する。
1523、C13 、および、C1835 は、キャリアフィルム由来成分である。具体的には、C1523は、キャリアフィルム4に含まれる酸化防止剤由来成分(ジ-tert-ブチルヒドロキシトルエン:BHT)であり、C13 は、キャリアフィルム4に含まれる脂肪族炭化水素由来成分であり、C1835 は、キャリアフィルム4に含まれる長鎖脂肪酸由来成分である。よって、これらの相対強度が上記上限以下であれば、導電性フィルム1の上面の汚れが低減されているため、第1金属層8のパターニング精度に優れる。
導電性フィルム1における下面(すなわち、第2金属層11の下面)において、水接触角は、例えば、90度以下、好ましくは、86度以下、より好ましくは、82度以下、さらに好ましくは、78度以下、とりわけ好ましくは、72度以下である。
なお、上記工程において、各層の形成ごとに巻取ロールに巻回してもよい。また、ハードコート層、透明導電層および金属層の形成まで巻回せずに連続的に実施して、金属層の形成後に巻取ロールに巻回してもよい。
3.後工程(パターニング工程)
導電性フィルム1は、その後、必要に応じて、図3A-Fに示すように、パターニング工程が実施される。
パターニング工程は、金属層パターニング工程、および、導電層パターニング工程を備える。
金属層パターニング工程は、第1金属層8および第2金属層11をパターニングする。
すなわち、第1金属層8および第2金属層11の平面視周端部(例えば、タッチ入力領域外側の額縁部)に所望のパターン(例えば、引き回し配線)が形成されるように、これらの金属層(特に、平面視中央部)をエッチングする。
第1金属層8をパターニングする方法としては、具体的には、第1金属層8の上面全面に感光性のドライフィルムレジスト15を配置し(図3A)、続いて、ドライフィルムレジスト15を所望のパターン(配線パターン)に現像し(図3B)、続いて、ドライフィルムレジスト15から露出する第1金属層8をエッチング液などによりエッチングし(図3C)、最後に、ドライフィルムレジスト15を除去する(図3D)。
一方、第2金属層11をパターニングする方法についても、第1金属層8と同様である。
これにより、図3Eに示すように、第1金属層8から第1パターニング金属層8Aが形成され、第2金属層11から第2パターニング金属層11Aが形成される。
導電層パターニング工程は、第1透明導電層7および第2透明導電層10をパターニングする。
例えば、金属層8A、11Aから露出した第1透明導電層7および第2透明導電層10(特に、平面視中央部)を、所望のパターン(例えば、タッチ入力領域における電極パターンや額縁部の配線パターン)が形成されるように、エッチングする。
具体的には、第1透明導電層7をパターニングする方法としては、第1透明導電層7および第1パターニング金属層8Aの上面全面に感光性のドライフィルムレジストを配置し、続いて、ドライフィルムレジストを所望のパターン(電極パターンや配線パターン)に現像し、続いて、ドライフィルムレジストから露出する第1透明導電層7をエッチング液などによりエッチングし、最後に、ドライフィルムレジストを除去する。
一方、第2透明導電層10をパターニングする方法についても、第1透明導電層7と同様である。
これにより、図3Fに示すように、第1透明導電層7から第1パターニング透明導電層7Aが形成され、第2透明導電層10から第2パターニング透明導電層10Aが形成される。
このようにして、第2パターニング金属層11A、第2パターニング透明導電層10A、第2ハードコート層9、透明基材5、第1ハードコート層6、第1パターニング透明導電層7Aおよび第1パターニング金属層8Aを順に備えるパターニング導電性フィルム1Aが得られる。
4.用途
導電性フィルム1は、例えば、画像表示装置に備えられるタッチパネル用基材に用いられる。タッチパネルの形式としては、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式などの各種方式が挙げられ、特に静電容量方式のタッチパネルに好適に用いられる。具体的には、例えば、導電性フィルム1の一実施形態であるパターニング導電性フィルム1Aを、タッチパネルとして用いる。
また、導電性フィルム1は、例えば、電気泳動方式、ツイストボール方式、サーマル・リライタブル方式、光書き込み液晶方式、高分子分散型液晶方式、ゲスト・ホスト液晶方式、トナー表示方式、クロミズム方式、電界析出方式などのフレキシブル表示素子にも好適に利用できる。
そして、この導電性フィルム1の製造方法によれば、第1金属層8のパターニング精度に優れる。
従来の導電性フィルムの製造方法では、すなわち、クリーニング処理を実施しない製造方法では、第1金属層をパターニングした際に、パターニングした第1金属層(例えば、引き回し配線)に欠けなどが発生しており、パターニング精度が不良であった。
本発明者らは、この点を鋭意検討したところ、第1金属層とドライフィルムレジストとの界面に気泡やゴミ(ダート)が発生し、その箇所で、ドライフィルムレジスト15が第1金属層8から浮いており、エッチング液がその箇所に浸入する現象を発見した。
そして、その発見をさらに検討したところ、第1金属層の表面に、肉眼では観察されないキャリアフィルムに由来する成分(残渣)が付着していることを知見した。その中でも、特に、キャリアフィルムに含有されるC1523、C13 およびC1835 を備える成分が、上記界面に気泡を発生させて、パターニング精度を低下させることを知見した。
この知見に基づき、本発明者らは、第1金属層8の表面にドライクリーニング処理を実施し、上記残渣を除去することにより、気泡の発生などを抑制して、パターニング精度を向上させることに至った。
なお、ドライクリーニング以外のクリーニング方法、例えば、スクリーンローラーを用いたクリーンロール法やクリーンニング液を用いたウェットクリーニング法であると、ローラーやクリーニング液由来の成分が第1金属層8の表面に付着してしまい、上記課題を解決することは困難である。
5.変形例
図4A-Bを参照して、本発明の導電性フィルム1の製造方法の一実施形態の変形例について説明する。なお、変形例において、一実施形態と同様の部材には、同様の符号を付し、その説明を省略する。
(1)図1A-Gに示す一実施形態では、光学調整層を配置する工程を備えていないが、例えば、図4Aに示すように、光学調整層(第1光学調整層12および第2光学調整層13)を配置する工程を備えることもできる。
光学調整層は、透明導電層(第1透明導電層7および第2透明導電層層10)におけるパターンの視認を抑制しつつ、導電性フィルム1に優れた透明性を確保するために、導電性フィルム1の光学物性(例えば、屈折率)を調整する層である。
光学調整層の屈折率は、それぞれ、例えば、1.6以上、好ましくは、1.8以下である。
光学調整層を配置する工程は、(2)工程と(3)工程との間に実施される。
光学調整層を配置する工程は、具体的には、第1ハードコート層6の上面に第1光学調整層12を配置し、一方、第2ハードコート層9の下面に第2光学調整層13を配置する。
具体的には、第1ハードコート層6の上面および第2ハードコート層9の下面に光学調整層を、例えば、湿式塗工により形成する。
これにより、図4Bに示すように、第1光学調整層12および第2光学調整層13を備える導電性フィルム1が得られる。
この実施形態では、光学調整層を配置することができ、パターニング透明導電層7A、10Aの視認を抑制することができる。
(2)図1A-Gに示す一実施形態では、透明基材5の下側に、第2キャリアフィルムを配置する工程を備えていないが、例えば、図示しないが、透明基材5の下側に、特に第2ハードコート層9の下面に、第2キャリアフィルムを配置する工程を備えることもできる。
第2キャリアフィルムとしては、上記したキャリアフィルム4が挙げられる。
第2キャリアフィルムを配置する工程は、(2)工程と(3)工程との間に実施される。第2キャリアフィルムは、(4)工程と(5)工程との間に、除去される。
この実施形態では、第1透明導電層7および第1金属層8を配置する工程において、ハンドリング性を向上させることができ、これらの層を確実に透明基材5に配置することができる。これは、特に、透明基材5の厚みが薄い場合(例えば、55μm以下)に、有効である。
(3)図1A-Gに示す一実施形態では、アニール工程を備えていないが、例えば、図示しないが、アニール工程を備えることもできる。
アニール工程は、例えば、(2)工程と(3)工程との間に実施される。
アニール工程時の温度は、例えば、60℃以上、160℃以下である。アニール時間は、例えば、3分以上、60分以下である。
この実施形態では、(3)工程での図1A-Bからのアウトガスを低減できる。また、図1A-Bでの熱収縮率を予め調整することができる。
(4)図1A-Gに示す一実施形態では、結晶化工程を備えていないが、例えば、図示しないが、結晶化工程を備えることもできる。
結晶化工程は、透明導電層を加熱することにより、透明導電層をアモルファス状態から結晶状態に変化させる。
結晶化工程は、例えば、(5)工程の後に実施される。
加熱は、例えば、赤外線ヒーター、オーブンなどを用いて大気下で実施する。
加熱温度は、例えば、80℃以上、200℃以下である。加熱時間は、例えば、3分以上、5時間以下である。
この実施形態では、透明導電層を結晶化させて、導電性フィルム1の導電性を良好にすることができる。
<第2実施形態>
図5A-Fを参照して、本発明の導電性フィルム1の製造方法の第2実施形態を説明する。なお、これら実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には、同様の符号を付し、その説明を省略する。これら実施形態についても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。また、これら実施形態についても、第1実施形態の変形例を同様に適用することができる。
第2実施形態における導電性フィルム1の製造方法は、例えば、用意工程と、除去工程とを備える。好ましくは、この製造方法は、全てロールトゥロール方式にて実施される。
1.用意工程
用意工程では、図5A-Eに示すように、積層体2を用意する。
第2実施形態における積層体2は、図5Eに示すように、中間フィルム3と、その下面に配置されるキャリアフィルム4とを備える。
第2実施形態における中間フィルム3は、透明基材5と、透明基材5の上側に配置される第1ハードコート層6と、第1ハードコート層6の上側に配置される第1透明導電層7と、第1透明導電層7の上側に配置される第1金属層8とを備える。すなわち、中間フィルム3は、透明基材5、第1ハードコート層6、第1透明導電層7、および、第1金属層8を下から順に備える。すなわち、中間フィルム3は、透明基材5の片側のみに、透明導電層および金属層を順に備える片面導電性フィルムである。
キャリアフィルム4は、中間フィルム3の下面に配置されている。より具体的には、キャリアフィルム4は、透明基材5の下面全面に、透明基材5の下面と接触するように、配置されている。
第2実施形態におけるキャリアフィルム4は、上面に粘着性を有し、それ以外は、第1実施形態におけるキャリアフィルム4と同様である。
(用意工程)
用意工程は、例えば、(1´)透明基材5を用意する工程、(2´)透明基材5の下面に、キャリアフィルム4を配置する工程、(3´)透明基材5にハードコート層(第1ハードコート層6)を配置する工程、(4´)第1ハードコート層6の上面に第1透明導電層7および第1金属層8を順に配置する工程、(5´)積層体2を巻回する工程、および、(6´)キャリアフィルム4を除去する工程を順に備える。
(1´)透明基材5を用意する工程は、図5Aに示すように、第1実施形態の(1)工程と同様である。
(2´)透明基材5の下面にキャリアフィルム4を配置する工程
図5Bに示すように、透明基材5の下面にキャリアフィルム4の上面(粘着面)を接触させることにより、透明基材5とキャリアフィルム4とを積層させる。
(3´)透明基材5にハードコート層を配置する工程
図5Cに示すように、透明基材5の上面に、第1ハードコート層6を、例えば、湿式塗工により形成する。具体的には、第1実施形態の(2)工程と同様である。
(4´)第1ハードコート層6の上面に第1透明導電層7および第1金属層8を順に配置する工程は、図5D-Eに示すように、第1実施形態の(3)工程と同様である。
これにより、中間フィルム3と、その下面に配置されるキャリアフィルム4とを備える積層体2(キャリアフィルム付き導電性フィルム)が得られる。
(5´)積層体2を巻回する工程
積層体2を巻回する工程では、例えば、積層体2をロールトゥロール方式により、ロール状に巻回する。
これにより、複数の積層体2が径方向に重なるロール状の積層体2において、キャリアフィルム4の下面が、第1金属層8の上面と接触するように配置される。
(6´)キャリアフィルム4を除去する工程
ロール状の積層体2を直線状に巻き戻した後、図5Eの仮想線に示すように、中間フィルム3の透明基材5の下面と、キャリアフィルム4の上面とが互いに離間するように、キャリアフィルム4を剥離する。これにより、中間フィルム3が単体として得られる。
2.除去工程
除去工程では、中間フィルム3の第1金属層8の上面に、ドライクリーニング処理を実施する。詳しくは、第1実施形態と同様である。
これにより、図5Fに示すように、導電性フィルム1が得られる。導電性フィルム1は、透明基材、第1ハードコート層6、第1透明導電層7および第1金属層8を順に備える。導電性フィルム1は、片面金属層付きの透明導電性フィルムである。
導電性フィルム1の上面および下面の物性(例えば、水接触角)などは、第1実施形態と同様である。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。特に、第2実施形態では、導電性フィルム1の作製時においては、ロールトゥロール方式において、工程ごとにロール状に巻回する場合が生じ、その場合に、キャリアフィルム4に接触した第1金属層8のパターニング精度を良好にすることができる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
(実施例1)
透明基材5として、厚み55μmのシクロオレフィンポリマーフィルム(COPフィルム)を用意した(図1A参照)。
紫外線硬化型アクリル樹脂および溶媒(酢酸エチル)を混合して、ハードコート組成物塗布液を調製した。COPフィルムの上面および下面に、ハードコート組成物塗布液を塗布および乾燥させた後、紫外線を照射した。これにより、厚み1.3μmのハードコート層(第1ハードコート層6および第2ハードコート層9)をCOPフィルムの上面および下面に形成した(図1B参照)。
次いで、得られた積層体を、巻き取り式スパッタリング装置に投入して、第1ハードコート層の上面に、厚みが30nmの第1透明導電層7(ITO層)を形成した(図1C参照)。具体的には、真空雰囲気下で、97質量%の酸化インジウムおよび3質量%の酸化スズの焼結体からなるITOターゲットを用いて、第1ハードコート層6に対してスパッタリングを実施した。
次いで、得られた積層体を、巻き取り式スパッタリング装置に投入して、第1透明導電層7の上面に、厚みが200nmの第1金属層8(銅層)を形成した(図1D参照)。具体的には、真空雰囲気下で、無酸素銅からなるCuターゲットを用いて、第1透明導電層7に対してスパッタリングを実施した。
次いで、得られた積層体の第1金属層8の上面に、キャリアフィルム4(フタムラ製、「FSA020M」、厚み35μm)を積層した(図1E参照)。
次いで、得られた積層体の第2ハードコート層9の下面に、上記と同様にして、第2透明導電層10(ITO層)および第2金属層11(銅層)を形成した後、キャリアフィルム4を剥離した(図1F-G参照)。これにより、中間フィルム3を得た。
次いで、表1に示すプラズマ処理の条件にて、中間フィルム3の第1金属層8の上面に対して、ドライクリーニング処理を実施した。なお、プラズマ処理装置としては、積水化学工業社製のプラズマ表面処理装置「RD640」(電極長540mm)を用いた。
これにより、実施例1の導電性フィルム1を得た(図1H参照。)
(実施例2~6)
ドライクリーニングの条件を表1に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例の導電性フィルムを得た。
(実施例7~9)
プラズマ処理の代わりに、コロナ処理を実施した以外は、実施例1と同様にして、実施例の導電性フィルムを得た。コロナ処理装置としては、春日電機社製のコロナ表面処理装置(電極長430mm)を用いた。コロナ処理の条件は、表1に示す。コロナ処理において、酸素ガスの値は、濃度を示す。
(比較例1)
ドライクリーニング処理を実施しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例の導電性フィルムを得た。
(水接触角の測定)
接触角計(協和界面科学社製、「DropMaster・DM500」)を用いて、第1金属層8の上面に約1.0μLの水滴を滴下し、5秒後に、水滴と第1金属層8の上面とのなす角度を測定した。3回測定の平均値を表1に示す。
(TOF-SIMSによる第1金属層表面の測定)
第1金属層の上面に対して、TOF-SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法)を実施し、(1)Cuに対するC1523の相対強度、(2)C13 の相対強度、および、(3)Cuに対するC1835 の相対強度を測定した。具体的には、下記の条件で測定した。表1に示す。
測定装置 :ION-TOF社製、「TOF SIMS 5」
一次イオン:Bi32+
加圧電圧 :25kV、
測定面積 :500μm角
なお、C1523は、キャリアフィルム4に含有する酸化防止剤(ペンタエリスリトール・テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート])由来成分(BHT)であり、C13 は、キャリアフィルムに含有する脂肪族炭化水素由来成分であり、C1835 は、キャリアフィルムに含有する長鎖脂肪族酸由来成分であった。
(パターニング評価)
実施例および比較例の導電性フィルムの第1金属層を、エッチングした。具体的には、第1金属層の上面に、幅1cm間隔のストライプ状のドライフィルムレジストを形成し、エッチング液で、ドライフィルムから露出する第1金属層をエッチングした。
この際、パターニングされた第1金属層に、欠けが全く観察されなかった場合を◎と評価し、ごくわずかな欠けが観察されたが、実用上問題がないレベルであった場合を〇と評価し、大きな欠けが観察された場合を×と評価した。結果を表1に示す。
Figure 0007136669000001
1 導電性フィルム
2 積層体
3 中間フィルム
4 キャリアフィルム
5 透明基材
7 第1透明導電層
8 第1金属層
10 第2透明導電層
11 第2金属層

Claims (6)

  1. 透明基材、第1透明導電層および第1金属層を順に備える中間フィルムと、前記中間フィルムに配置されるキャリアフィルムとを備える積層体を用意する用意工程と、
    前記第1金属層にドライクリーニング処理を実施して、前記キャリアフィルムに由来する成分を除去する除去工程と
    を備えることを特徴とする、導電性フィルムの製造方法。
  2. 前記ドライクリーニング処理が、プラズマ処理またはコロナ処理であることを特徴とする、請求項1に記載の導電性フィルムの製造方法。
  3. 前記除去工程後における前記第1金属層の水接触角が、90度以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の導電性フィルムの製造方法。
  4. 前記除去工程後において、下記(1)~(3)の少なくとも1つの要件を満たすことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の導電性フィルムの製造方法。
    (1)Cuに対するC1523の相対強度が、7.8×10-2以下である。
    (2)Cuに対するC13 の相対強度が、6.1×10-3以下である。
    (3)Cuに対するC1835 の相対強度が、4.3×10-2以下である。
  5. 前記用意工程は、
    前記透明基材の厚み方向一方側に、前記第1透明導電層および前記第1金属層を順に配置する工程と、
    前記第1金属層の厚み方向一方側に、前記キャリアフィルムを配置する工程と、
    前記透明基材の厚み方向他方側に、第2透明導電層および第2金属層を順に配置する工程と、
    前記キャリアフィルムを除去する工程と
    を順に備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項の導電性フィルムの製造方法。
  6. 前記用意工程は、
    前記透明基材の厚み方向他方側に、前記キャリアフィルムを配置する工程と、
    前記透明基材の厚み方向一方側に、第1透明導電層および第1金属層を順に配置する工程と
    を順に備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項の導電性フィルムの製造方法。
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