JP2021035774A - 積層体および保護フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
かかる透明導電性フィルムとしては、一般に、ポリエステル等のフィルム基材の片面にITO(Indium Tin Oxide)の透明導電膜を設けたものが使用されている。
この場合、まず、透明導電膜積層用フィルムの製造工程およびスパッタ処理工程をロール トゥ ロールにて行い、この時点で得られた一枚の長尺シートを複数枚の短尺シートに裁断した後、これらを積み重ね、積層品の状態で保管する。
次いで、積層品から必要枚数のシートを一枚ずつ取り出し、続くアニール処理工程以降の工程が行われることになる。
なお、スパッタ処理およびアニール処理では、いずれも150℃程度の加熱がなされ、スパッタ処理では、加熱環境下に1〜数分程度曝されるのが一般的であり、アニール処理では、加熱環境下に1時間程度曝されるのが一般的である。
そのため、これを構成する透明導電膜積層用フィルムにも、これまで以上の薄型化が要求されてきている。
したがって、例示した態様で各工程を実施した場合、ロール トゥ ロールでのスパッタ処理時においてシートのテンション調整が難しくなるという問題が見られた。
また、透明導電膜積層用フィルムをこれまで以上に薄型化した場合、取り扱い性が過度に低下してしまい、積層品として保管されている状態から一枚ずつシートを取り出しづらくなって、次のアニール処理に供することが困難になるといった問題が見られた。
しかしながら、従来の保護フィルムにおいて当該態様を試みた場合、スパッタ処理を行う際に加熱環境下において搬送による振動やテンションがかかるため、透明導電膜積層用フィルムと保護フィルムとの間に剥がれが生じ、透明導電性フィルムの透明導電膜の厚みにムラが生じたり、フィルムにシワが発生したりするといった新たな問題が発生した。
なお、特許文献1の実施例に示されているような保護フィルムを用いても、これらの新たな問題を解決することはできなかった。
すなわち、本発明は、低コストかつ簡略な工程で、パターン化透明導電膜を寸法通りに形成してなる薄型の透明導電性フィルムを得ることができる積層体、当該積層体の透明導電膜積層側に透明導電膜を積層してなる積層体、およびこれらの積層体を構成するための保護フィルムを提供することを課題とする。
すなわち、本発明の積層体であれば、加熱環境下における積層体から保護フィルムを剥離した際の粘着力と、加熱後における積層体から保護フィルムを剥離した際の粘着力と、をそれぞれ所定の範囲に規定していることから、スパッタ処理中における保護フィルムの密着性に優れるとともに、アニール処理の後、最終的に保護フィルムを剥離する際の保護フィルムの剥離性に優れた積層体を得ることができる。
したがって、スパッタ処理中における透明導電膜積層用フィルムにシワや剥がれが生じることを効果的に抑制しつつ、アニール処理の後、最終的に保護フィルムを剥離する際に、パターン化透明導電膜に歪みが生じることを効果的に抑制することができる。
P2−P1≦300mN/25mm (1)
このように構成することにより、スパッタ処理中における保護フィルムの密着性と、アニール処理の後、最終的に保護フィルムを剥離する際の保護フィルムの剥離性と、をより安定的に両立させることができる。
このように構成することにより、スパッタ処理中における保護フィルムの密着性と、アニール処理の後、最終的に保護フィルムを剥離する際の保護フィルムの剥離性と、をさらに安定的に両立させることができる。
このように構成することにより、スパッタ処理中における保護フィルムの密着性と、アニール処理の後、最終的に保護フィルムを剥離する際の保護フィルムの剥離性と、をさらに安定的に両立させることができる。
このように構成することにより、透明導電膜積層用フィルムの耐久性および寸法安定性を向上させることができるとともに、スパッタ処理中における保護フィルムの密着性と、アニール処理の後、最終的に保護フィルムを剥離する際の保護フィルムの剥離性と、をさらに安定的に両立させることができる。
すなわち、本発明の保護フィルムであれば、スパッタ処理中における透明導電膜積層用フィルムに対する密着性と、アニール処理の後、最終的に保護フィルムを剥離する際の透明導電膜積層用フィルムに対する剥離性と、を効果的に両立させることができる。
なお、図1(a)〜(b)における透明導電膜積層用フィルム10は、ハードコート層3(3a、3b)および光学調整層2(2a、2b)を有しているが、これらは本発明において必須の構成ではなく、少なくとも透明導電膜積層用フィルム基材4を有していればよい。
以下、本発明の実施形態を、図面を適宜参照して、具体的に説明する。
(1)加熱時の粘着力P1
図2に示すように、本発明においては、積層体を150℃の環境下で10分間加熱したときの透明導電膜積層用フィルムに対する保護フィルムの粘着力P1(剥離角度180°、剥離速度0.3m/分)を20〜400mN/25mmの範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる加熱時の粘着力P1が20mN/25mm未満の値となると、スパッタ処理工程を実施している間に保護フィルムの粘着力が過度に低下して、透明導電膜積層用フィルムにシワや剥がれが生じてしまい、後の工程において、透明導電膜積層用フィルムの表面を安定的に保護することが困難になる場合があるためである。一方、かかる加熱時の粘着力P1が400mN/25mmを超えた値となると、加熱後の粘着力P2が過度に上昇してしまい、アニール処理の後、最終的に保護フィルムを剥離する際に、パターン化透明導電膜に歪みが生じる場合があるためである。
したがって、積層体を150℃の環境下で10分間加熱したときの透明導電膜積層用フィルムに対する保護フィルムの粘着力P1の下限値を50mN/25mm以上の値とすることがより好ましく、100mN/25mm以上の値とすることがさらに好ましい。
また、積層体を150℃の環境下で10分間加熱したときの透明導電膜積層用フィルムに対する保護フィルムの粘着力P1の上限値を200mN/25mm以下の値とすることがより好ましく、150mN/25mm以下の値とすることがさらに好ましい。
なお、積層体を150℃の環境下で10分間加熱した時点で、保護フィルムの粘着力は十分に低下しており、それ以上継続して加熱しても、大きな変化は見られないことが確認されている。
また、スパッタ処理よりも加熱時間が長い条件で粘着力を測定することで、スパッタ処理の条件よりも若干過酷な状態の粘着剤層を判断基準とすることになり、効果の再現性を確保することができる。
また、加熱時における粘着力の低下は、粘着剤層の弾性率の低下に起因して生じるものと推定される。
また、図2に示すように、本発明においては、積層体を150℃の環境下で60分間加熱した後、25℃の環境下で24時間静置したときの透明導電膜積層用フィルムに対する保護フィルムの粘着力P2(剥離角度180°、剥離速度0.3m/分)を100〜400mN/25mmの範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる加熱後の粘着力P2が100mN/25mm未満の値となると、加熱時の粘着力P1が過度に低下してしまい、スパッタ処理後、透明導電膜積層用フィルムにシワや剥がれが生じる場合があるためである。一方、かかる加熱後の粘着力P2が400mN/25mmを超えた値となると、アニール処理の後、最終的に保護フィルムを剥離する際に、パターン化透明導電膜に歪みが生じる場合があるためである。
したがって、積層体を150℃の環境下で60分間加熱した後、25℃の環境下で24時間静置したときの透明導電膜積層用フィルムに対する保護フィルムの粘着力P2の下限値を150mN/25mm以上の値とすることがより好ましく、250mN/25mm以上の値とすることがさらに好ましい。
また、積層体を150℃の環境下で60分間加熱した後、25℃の環境下で24時間静置したときの透明導電膜積層用フィルムに対する保護フィルムの粘着力P2の上限値を350mN/25mm以下の値とすることがより好ましく、300mN/25mm以下の値とすることがさらに好ましい。
なお、積層体を150℃の環境下で60分間加熱した後、25℃の環境下で24時間静置した時点で、保護フィルムの粘着力は十分に上昇しており、それ以上継続して静置しても、大きな変化は見られないことが確認されている。
また、加熱後の粘着力の上昇は、高温から室温程度まで冷却されることで、粘着剤と基材との界面の密着力が向上することに起因して生じるものと推定される。
また、上述した粘着力P1およびP2が、下記関係式(1)を満足することが好ましい。
P2−P1≦300mN/25mm (1)
この理由は、P2−P1の値が300mN/25mmを超えた値となると、加熱時と、加熱後と、における粘着力の変動が過度に大きくなって、スパッタ処理中における保護フィルムの密着性と、アニール処理の後、最終的に保護フィルムを剥離する際の保護フィルムの剥離性と、を安定的に両立させることが困難になる場合があるためである。一方、P2−P1の値が過度に小さな値となると、製造が困難になる場合がある。
したがって、P2−P1の上限値を250mN/25mm以下の値とすることがより好ましく、200mN/25mm以下の値とすることがさらに好ましい。
また、P2−P1の下限値を50mN/25mm以上の値とすることがより好ましく、100mN/25mm以上の値とすることがさらに好ましい。
本発明の積層体を加熱する前の段階における透明導電膜積層用フィルムに対する保護フィルムの粘着力P0(剥離角度180°、剥離速度0.3m/分)を100〜250mN/25mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる加熱前の粘着力P0が100mN/25mm未満の値となると、スパッタ処理前の工程において、ロール繰出しおよび搬送時の透明導電膜積層用フィルムへの貼付性が不十分となる場合があるばかりでなく、加熱時の粘着力P1が過度に低下しやすくなって、搬送を伴うスパッタ処理により透明導電膜積層用フィルムにシワや剥がれが生じる場合があるためである。一方、かかる加熱前の粘着力P0が250mN/25mmを超えた値となると、加熱後の粘着力P2が過度に上昇しやすくなって、アニール処理の後、最終的に保護フィルムを剥離する際に、パターン化透明導電膜に歪みが生じる場合があるためである。
したがって、積層体を加熱する前の段階における透明導電膜積層用フィルムに対する保護フィルムの粘着力P0の下限値を130mN/25mm以上の値とすることがより好ましく、150mN/25mm以上の値とすることがさらに好ましい。
また、積層体を加熱する前の段階における透明導電膜積層用フィルムに対する保護フィルムの粘着力P0の上限値を230mN/25mm以下の値とすることがより好ましく、220mN/25mm以下の値とすることがさらに好ましい。
(1)透明導電膜積層用フィルム基材
(1)−1 種類
透明導電膜積層用フィルム基材の種類としては、特に制限されるものではなく、光学用基材として公知の基材フィルムを用いることができる。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルム等のプラスチックフィルムを好ましく挙げることができる。
また、透明性およびフィルム強度、柔軟性の両立の観点から、特にPETフィルムであることが好ましい。
また、透明導電膜積層用フィルム基材の厚みを20〜200μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、透明導電膜積層用フィルム基材の厚みが20μm未満の値となると、透明導電膜積層用フィルム基材の強度が低下することにより、後述する光学調整層の表面における透明導電膜の存在部分と非存在部分とにおいて、アニール処理時に歪みが発生しやすくなる場合があるためである。一方、透明導電膜積層用フィルム基材の厚みが200μmを超えた値となると、得られる透明導電性フィルムの画像鮮明度等の光学特性が悪化する場合があるためである。
したがって、透明導電膜積層用フィルム基材の厚みを30〜100μmの範囲内の値とすることがより好ましく、40〜80μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
図1(a)に示すように、本実施形態における透明導電膜積層用フィルム10を構成するにあたり、少なくとも透明導電膜積層用フィルム10における保護フィルム20が貼合される側、すなわち、図1(b)に示す透明導電膜1が積層される側とは反対側に、ハードコート層3aを設けることが好ましい。
この理由は、このようにハードコート層を設けることにより、透明導電膜積層用フィルムの耐久性および寸法安定性を向上させることができるとともに、スパッタ処理中における保護フィルムの密着性と、アニール処理の後、最終的に保護フィルムを剥離する際の保護フィルムの剥離性と、をさらに安定的に両立させることができるためである。
この理由は、かかる第2のハードコート層を有することにより、透明導電膜積層用フィルム基材からブリードするオリゴマー成分が、透明導電膜側に移行するのを抑制することができるばかりか、透明導電膜積層用フィルムにおけるカールの発生を効果的に抑制することができるためである。
また、第2のハードコート層が、第1のハードコート層と同じ材料物質からなるとともに、第1のハードコート層と同じ厚みを有することが好ましい。
この理由は、第2のハードコート層をこのように構成することにより、第1および第2のハードコート層の形成が容易になるとともに、アニール処理を施した際の透明導電膜積層用フィルムにおけるカールの発生をより効果的に抑制することができるためである。
したがって、以下の説明は、第1のハードコート層および第2のハードコート層の両方に共通する内容である。
本実施形態におけるハードコート層の材料物質は、特に制限されるものではないが、材料物質として下記(A)〜(B)成分を含むハードコート層形成用組成物を光硬化してなることが好ましい。
(A)活性エネルギー線硬化性樹脂 100重量部
(B)シリカ微粒子 5〜30重量部
この理由は、ハードコート層を形成する際に用いるハードコート層形成用組成物が、活性エネルギー線硬化性樹脂に対し、シリカ微粒子を比較的少ない範囲で含むことにより、過酷なアルカリ処理を含むエッチング処理を行った場合であっても、ハードコート層におけるシリカ微粒子が溶けたり、脱落したりすることを効果的に抑制することができるためである。
また、ハードコート層の表面特性を好適な範囲に制御して、スパッタ処理中における保護フィルムの密着性と、アニール処理の後、最終的に保護フィルムを剥離する際の保護フィルムの剥離性と、をさらに安定的に両立させることができるためである。
(A)成分は、活性エネルギー線硬化性樹脂である。
かかる(A)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂とは、電磁波または荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線または電子線等を照射することにより、架橋、硬化する重合性化合物を意味し、例えば、光重合性プレポリマーや光重合性モノマーを挙げることができる。
なお、これらの光重合性モノマーは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分は、シリカ微粒子である。
かかるシリカ微粒子の種類としては、特に制限されるものではないが、中実シリカ微粒子を用いることが好ましい。
この理由は、中実シリカ微粒子であれば、光学性能への影響を最小限に抑えながら、ハードコート性を向上させることができるためである。
この理由は、反応性シリカ微粒子であれば、上述した活性エネルギー線硬化性樹脂との相溶性に優れ、該樹脂と化学結合を形成することから、ハードコート層に対してシリカ微粒子を強固に固定することができる。このことから、上述したハードコート性に加えて、より効果的に耐エッチング性を向上させることができるためである。
なお、「反応性シリカ微粒子」とは、重合性不飽和基含有有機化合物が結合したシリカ微粒子であり、シリカ微粒子の表面におけるシラノール基に、該シラノール基と反応し得る官能基を有する重合性不飽和基含有有機化合物を反応させることによって得ることができる。
また、上述した重合性不飽和基としては、例えば、ラジカル重合性のアクリロイル基やメタクリロイル基等が挙げられる。
この理由は、シリカ微粒子の体積平均粒子径(D50)をかかる範囲内の値とすることにより、ハードコート層における透明性を低下させることなく、所定のハードコート性を得ることができるためである。
この理由は、シリカ微粒子の配合量が5重量部未満の値となると、ハードコート層の硬度が不十分になる場合があるためである。一方、シリカ微粒子の配合量が30重量部を超えた値となると、過酷なアルカリ処理を含むエッチング処理を行った場合に、ハードコート層におけるシリカ微粒子が溶けたり、脱落したりしやすくなる場合があるためである。
また、(C)成分として、フッ素系レベリング剤をさらに含むことが好ましい。
この理由は、フッ素系レベリング剤を含むことにより、効果的に耐エッチング性を向上させることができるためである。
また、ハードコート層の表面特性を好適な範囲に制御して、スパッタ処理中における保護フィルムの密着性と、アニール処理の後、最終的に保護フィルムを剥離する際の保護フィルムの剥離性と、をさらに安定的に両立させることができるためである。
なお、フッ素系レベリング剤の種類としては、従来公知のものを用いることができる。
例えば、ネオス(株)製、フタージェント7602A等を挙げることができる。
また、活性エネルギー線硬化性樹脂を活性エネルギー線、特に紫外線によって効率的に硬化できることから、所望により(D)成分としての光重合開始剤を併用することも好ましい。
かかる光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミン安息香酸エステル等が挙げられる。
なお、これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、光重合開始剤の配合量としては、上述した(A)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、0.2〜10重量部の範囲内の値とすることが好ましく、1〜5重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、ハードコート層は、ハードコート層形成用組成物を予め調製し、後述の通り塗布・乾燥し、硬化することにより形成されることが好ましい。
当該組成物は、必要に応じ、適当な溶媒中に活性エネルギー線硬化性樹脂、光重合開始剤、シリカ微粒子、および所望により用いられる各種添加成分を、それぞれ所定の割合で加え、溶解または分散させることにより調製することができる。
なお、各種添加成分としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、(近)赤外線吸収剤、シラン系カップリング剤、光安定剤、レベリング剤、帯電防止剤、消泡剤等が挙げられる。
また、ハードコート層の厚みは、耐エッチング性および耐熱性をより優れたものとする観点から0.5μm以上であることが好ましい。また、加熱時のアウトガスをより低いレベルとすることによりスパッタ処理の効率を上げる観点か5μm以下の値とすることが好ましい。
したがって、ハードコート層の厚みの下限値を0.8μm以上の値とすることがより好ましく、1μm以上の値とすることがさらに好ましい。
また、ハードコート層の厚みの上限値を4μm以下の値とすることがより好ましく、3 μm以下の値とすることがさらに好ましい。
図1(a)に示すように、本実施形態における透明導電膜積層用フィルム10を構成するにあたり、図1(b)に示す透明導電膜1が積層される側に光学調整層2を設けることが好ましい。
より具体的には、透明導電膜積層用フィルム基材4の側から、相対的に屈折率が高い高屈折率層2bと、相対的に屈折率が低い低屈折率層2aと、を順に積層してなることが好ましい。
この理由は、光学調整層をこのような積層構造とすることにより、透明導電膜の屈折率と、透明導電膜積層用フィルム基材の屈折率との差に起因して透明導電膜のパターン形状が視認されやすくなることを、効果的に抑制することができるためである。
(i)屈折率
高屈折率層の屈折率を1.6以上の値とすることが好ましい。
この理由は、高屈折率層の屈折率が1.6未満の値となると、低屈折率層との有意な屈折率差が得られなくなり、透明導電膜のパターン形状が視認されやすくなる場合があるためである。一方、高屈折率層の屈折率が過度に大きな値になると、高屈折率層の膜が脆くなる場合があるためである。
したがって、高屈折率層の屈折率を1.61〜2の範囲内の値とすることがより好ましく、1.63〜1.8の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、高屈折率層が、金属酸化物微粒子および活性エネルギー線硬化性樹脂を含む組成物の硬化物からなることが好ましい。
この理由は、金属酸化物微粒子および活性エネルギー線硬化性樹脂を含むことにより、高屈折率層における屈折率の調整が容易になるためである。
なお、これらの金属酸化物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、金属酸化物微粒子の体積平均粒子径(D50)は、0.005〜1μmの範囲内の値とすることが好ましい。
なお、金属酸化物微粒子の体積平均粒子径(D50)は、例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて求めることができる。
また、高屈折率層に使用される活性エネルギー線硬化性樹脂および光重合開始剤としては、ハードコート層の説明において挙げられたものを適宜使用することができる。
また、金属酸化物微粒子の配合量としては、活性エネルギー線硬化性樹脂100重量部に対して、20〜2000重量部であることが好ましく、80〜1000重量部であることがより好ましく、150〜400重量部であることがさらに好ましい。
また、高屈折率層は、高屈折率層形成用の組成物を予め調製し、後述の通り塗布・乾燥し、硬化することにより形成されることが好ましい。
当該組成物は、必要に応じ、適当な溶媒中に活性エネルギー線硬化性樹脂、光重合開始剤、金属酸化物微粒子、および所望により用いられる各種添加成分を、それぞれ所定の割合で加え、溶解または分散させることにより調製することができる。
なお、各種添加成分、溶媒、高屈折率層形成用の組成物の濃度、粘度等については、ハードコート層の説明における内容と同様である。
また、高屈折率層の厚みを20〜130nmとすることが好ましい。
(i)屈折率
低屈折率層の屈折率を1.45以下の値とすることが好ましい。
この理由は、低屈折率層の屈折率が1.45を超えた値となると、高屈折率層との有意な屈折率差が得られなくなり、透明導電膜のパターン形状が視認されやすくなる場合があるためである。一方、低屈折率層の屈折率が過度に小さな値となると、低屈折率層の膜が脆くなる場合があるためである。
したがって、低屈折率層の屈折率を1.3〜1.44の範囲内の値とすることがより好ましく、1.35〜1.43の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、低屈折率層が、下記(a)〜(b)成分を含む低屈折率層形成用組成物を光硬化してなることが好ましい。
(a)活性エネルギー線硬化性樹脂 100重量部
(b)シリカ微粒子 2〜120重量部
この理由は、低屈折率層を形成する際に用いる低屈折率層形成用組成物が、活性エネルギー線硬化性樹脂に対し、シリカ微粒子を比較的少ない範囲で含むことにより、過酷なアルカリ処理を含むエッチング処理を行った場合であっても、低屈折率層におけるシリカ微粒子が溶けたり、脱落したりすることを効果的に抑制することができるためである。
また、活性エネルギー線硬化性樹脂は、硬化により低屈折率層におけるマトリックス部分を構成し、低屈折率層におけるシリカ微粒子をより効果的に保護し、さらに効果的に耐エッチング性を向上させることができる。
以下、成分ごとに説明する。
(a)成分は、活性エネルギー線硬化性樹脂である。
かかる(a)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂としては、ハードコート層の説明において挙げられた光重合性プレポリマーや光重合性モノマーを適宜使用することができる。
この理由は、撥水性樹脂を含有することにより、低屈折率層におけるシリカ微粒子をさらに効果的に保護することができることから、より一段と効果的に耐エッチング性を向上させることができるためである。
また、かかる撥水性樹脂としては、撥水性を有する樹脂であれば特に制限されるものではなく、従来公知の撥水性樹脂を用いることができる。
より具体的には、撥水性樹脂単体で形成した樹脂膜における表面自由エネルギーが10〜30mJ/m2の範囲内の値であれば、本発明における撥水性樹脂として好適に使用することができる。
かかるシリカ微粒子の種類としては、特に制限されるものではないが、屈折率をより低下させる観点から、中空シリカ微粒子を用いることが好ましい。
なお、「中空シリカ微粒子」とは、粒子の内部に空洞を有するシリカ微粒子を意味する。
この理由は、反応性シリカ微粒子であれば、低屈折率層に対してシリカ微粒子を強固に固定することができることから、より効果的に耐エッチング性を向上させることができるためである。
なお、「反応性シリカ微粒子」とは、重合性不飽和基含有有機化合物が結合したシリカ微粒子であり、シリカ微粒子の表面におけるシラノール基に、該シラノール基を反応し得る官能基を有する重合性不飽和基含有有機化合物を反応させることによって得ることができる。
また、上述した重合性不飽和基としては、例えば、ラジカル重合性のアクリロイル基やメタクリロイル基等が挙げられる。
この理由は、シリカ微粒子の体積平均粒子径(D50)をかかる範囲内の値とすることにより、低屈折率層における透明性を低下させることなく、所定の屈折率を得ることができるためである。
なお、シリカ微粒子の体積平均粒子径(D50)は、例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて求めることができる。
また、低屈折率層は、低屈折率層形成用組成物を予め調製し、後述の通り塗布・乾燥し、硬化させることにより形成される。
当該組成物は、必要に応じ、適当な溶媒中に上述した(a)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂、および(b)成分としてのシリカ微粒子、並びに、光重合開始剤その他の各種添加成分をそれぞれ所定の割合で加え、溶解または分散させることにより調製することができる。
なお、各種添加成分、溶媒、低屈折率層形成用組成物の濃度、粘度等については、ハードコート層の説明における内容と同様である。
また、低屈折率層の厚みを20〜150nmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、低屈折率層の厚みをかかる範囲内の値とすることにより、透明導電膜のパターン形状をより安定的に不可視化することができると同時に、十分な耐エッチング性を得ることができるためである。
また、透明導電膜積層用フィルムにおける保護フィルムが貼合される側の面の表面自由エネルギーを30〜60mJ/m2の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる表面自由エネルギーが30mJ/m2未満の値となると、加熱時の粘着力P1が過度に低下してしまい、スパッタ処理により透明導電膜積層用フィルムにシワや剥がれが生じる場合があるためである。一方、かかる表面自由エネルギーが60mJ/m2を超えた値となると、加熱後の粘着力P2が過度に上昇しやすくなって、アニール処理の後、最終的に保護フィルムを剥離する際に、パターン化透明導電膜に歪みが生じる場合があるためである。
したがって、透明導電膜積層用フィルムにおける保護フィルムが貼合される側の面の表面自由エネルギーの下限値を、35mJ/m2以上の値とすることがより好ましく、40mJ/m2以上の値とすることがさらに好ましい。
また、透明導電膜積層用フィルムにおける保護フィルムが貼合される側の面の表面自由エネルギーの上限値を、55mJ/m2以下の値とすることがより好ましく、50mJ/m2以下の値とすることがさらに好ましい。
なお、上述した表面自由エネルギーは、ハードコート層を設けた場合には、ハードコート層表面の表面自由エネルギーを意味し、ハードコート層を設けない場合には、透明導電膜積層用フィルム基材表面の表面自由エネルギーを意味する。
本実施形態における透明導電膜積層用フィルムは、例えば、下記工程(a)〜(b)を含む製造方法により得ることができる。
(a)透明導電膜積層用フィルム基材の両面にハードコート層を形成する工程
(b)一方のハードコート層上に、光学調整層を形成する工程
透明導電膜積層用フィルムの両面に、上述したハードコート層形成用組成物を、従来公知の方法により塗布して塗膜を形成した後、乾燥し、これに活性エネルギー線を照射して塗膜を硬化させることにより、ハードコート層が形成される。
また、ハードコート層形成用組成物の塗布方法としては、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等が挙げられる。
さらに、活性エネルギー線としては、例えば、紫外線や電子線等が挙げられる。
また、紫外線の光源としては、高圧水銀ランプ、無電極ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等が挙げられ、その照射量は、通常、100〜500mJ/cm2とすることが好ましい。
一方、電子線の光源としては、電子線加速器等が挙げられ、その照射量は、通常、150〜350kVとすることが好ましい。
また、活性エネルギー線を照射する際には、窒素雰囲気下にいて行うことがより好ましい。
この理由は、窒素雰囲気下において行うことにより、ハードコート層表面の硬化反応が効果的に進み、ハードコート層における耐エッチング性を、さらに効果的に向上させることができるためである。
次いで、形成されたハードコート層上に(ハードコート層を形成しない場合は、透明導電膜積層用フィルム基材上に直接)、高屈折率層を形成する。
すなわち、高屈折率層は、透明導電膜積層用フィルム基材上にハードコート層を形成するのと同様にして、上述した高屈折率層形成用組成物を塗布・乾燥するとともに、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより形成することができる。
次いで、形成された高屈折率層上に、さらに低屈折率層を形成する。
すなわち、低屈折率層は、透明導電膜積層用フィルム基材上にハードコート層を形成するのと同様にして、上述した低屈折率層形成用組成物を塗布・乾燥するとともに、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより形成することができる。
また、活性エネルギー線を照射する際には、窒素雰囲気下において行うことがより好ましい。
この理由は、窒素雰囲気下において行うことにより、光学調整層表面の硬化反応が効果的に進み、光学調整層、特に最表面層である低屈折率層における耐エッチング性を、さらに効果的に向上させることができるためである。
(1)保護フィルム基材
(1)−1 種類
保護フィルム基材の種類としては、特に制限されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、紙等を用いることができる。
これらの中でも、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂がより好ましい。
また、保護フィルム基材の厚みを23〜250μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、保護フィルム基材の厚みが23μm未満の値となると、スパッタ処理時に薄型の透明導電膜積層用フィルムを保持する効果が不十分となる場合があるためである。さらに、基材のコシがないために、アニール処理後の最終的な剥離がしにくくなる場合があるためである。一方、保護フィルム基材の厚みが250μmを超えた値となると、保護フィルム基材の被着体への追従性が低下して、保護フィルム基材が追従できなかった部分に対応する透明導電膜積層用フィルムの部分からシワや剥がれが生じる可能性がある。
したがって、保護フィルム基材の厚みの下限値を50μm以上の値とすることがより好ましく、100μm以上の値とすることがさらに好ましい。
また、保護フィルム基材の厚みの上限値を188μm以下の値とすることがより好ましく、135μm以下の値とすることがさらに好ましい。
(2)−1 材料物質
粘着剤層に用いられる粘着剤としては、特に制限されるものではなく、従来公知の粘着剤を用いることができる。
例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、エステル系粘着剤、オレフィン系粘着剤などが好ましく挙げられる。なかでも、上記粘着力P1およびP2を満たす粘着剤となるように調整しやすい観点から、アクリル系粘着剤、または、シリコーン系粘着剤であることがより好ましい。
官能基含有モノマーとしては、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アミノ等を含有するモノマーがあげられる。カルボキシル基を有するモノマーとしてはアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等があげられる。水酸基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等、エポキシ基を含有するモノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート等が好ましく挙げられる。これらを単独もしくは組合せて使用することができる。
特に、主成分として、シロキサン結合を主骨格としアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンおよびオルガノハイドロジェンポリシロキサンからなる付加型オルガノポリシロキサンと、白金触媒と、を構成成分として含むシリコーン化合物を含有することが好ましい。
R1aSiO(4-a)/2 (1)
(式(1)中、R1は互いに同一または異種の炭素数1〜12、好ましくは1〜8の非置換または置換の1価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.05の範囲の正数である。)
そして、オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子中にSiH基を有しており、シロキサン結合を主骨格としアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンのアルケニル基との間で付加反応し、硬化することができる。
そして、かかる白金触媒の使用量を、付加型オルガノポリシロキサン100重量部に対して、0.01〜3.0重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
なお、当業者であれば、上述した各成分の配合量や粘着剤厚などを微調整することにより、上述した粘着力P1およびP2となるように容易に調製することができる。
また、粘着剤層の厚みを2〜100μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、粘着剤層の厚みが2μm未満の値となると、粘着力が不十分となる場合があるためである。一方、粘着剤層の厚みが100μmを超えた値となると、粘着剤層のアウトガスが問題となる場合があるためである。
したがって、粘着剤層の厚みの下限値を5μm以上の値とすることがより好ましく、10μm以上の値とすることがさらに好ましい。
また、粘着剤層の厚みの上限値を50μm以下の値とすることがより好ましく、30μm以下の値とすることがさらに好ましい。
保護フィルムは、従来公知の方法により、保護フィルム基材に対して粘着剤組成物を塗布し、熱もしくは光により硬化させて粘着剤層を形成することにより得ることができる。
例えば、上述した各粘着剤成分をトルエンや酢酸エチルなどの溶剤で希釈しながら混合することにより塗工液を作製する。
当該塗工液は、コンマコータ、ナイフコータ、アプリケータ、ロールコータ等の塗布装置を用いて、保護フィルムの一方の面に塗布する。
その後、80〜160℃で30秒〜10分間程度の加熱乾燥を行う。なお、粘着剤中に光硬化剤が添加されている場合は、上述した乾燥前または後に、硬化に必要な光量の活性エネルギー線を照射する。そして、必要に応じ常温程度で数日〜2週間程度の養生期間を設ける。
これにより、保護フィルム基材上に所定の粘着剤層を有する保護フィルムを得ることができる。
また、透明導電膜積層用フィルムにおける透明導電膜が積層される側とは反対側に対し、得られた保護フィルムを、従来公知の方法により貼合することで、本発明の積層体を得ることができる。
本発明の別の実施形態は、図1(b)に示すように、透明導電膜積層用フィルム10の一方の面に透明導電膜1が積層され、透明導電膜積層用フィルム10の他方の面に保護フィルム20が貼付されてなる積層体100´である。
以下、本実施形態を、これまでの内容と重複する部分は省略し、異なる部分のみを詳述する。
(1)−1 材料物質
透明導電膜の材料物質としては、透明性と導電性とを併せ持つものであれば特に制限されるものではないが、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫、インジウム錫酸化物(ITO)、錫アンチモン酸化物、亜鉛アルミニウム酸化物、インジウム亜鉛酸化物等が挙げられる。
また、特に、材料物質としてITOを用いることが好ましい。
この理由は、ITOであれば、適当な造膜条件を採用することで、透明性および導電性に優れた透明導電膜を形成することができるためである。
また、透明導電膜は、表面全体に一様に形成されていてもよいし、部分的に形成されていてもよく、その形式を問わない。中でも、透明導電膜は、メッシュ状、ライン状、または格子状のようなパターン形状に形成されてなることが好ましい。
また、上述したパターン形状は、透明導電膜の存在する部分の線幅と、透明導電膜が存在しない部分の線幅とが、略等しいことが好ましい。
さらに、当該線幅は、通常、0.1〜10mmであり、好ましくは、0.2〜5mmであり、特に好ましくは0.5〜2mmである。
なお、上述したライン状若しくは格子状における線幅は一定である場合に限られず、例えば、静電容量式のタッチパネルに要求される形状に連なるもの等を自由に選択することができる。
具体的には、ひし形部分と線部が繰り返し連なったパターン形状等が挙げられ、このようなパターン形状も「ライン状」の範疇に含まれる。
また、透明導電膜の厚みは、5〜500nmであることが好ましい。
この理由は、透明導電膜の厚みが5nm未満の値となると、透明導電膜が脆くなるばかりか、十分な導電性が得られなくなる場合があるためである。一方、透明導電膜の厚みが500nmを超えた値となると、透明導電膜に起因した色味が強くなり、パターン形状が認識されやすくなる場合があるためである。
したがって、透明導電膜の厚みは、15〜250nmであることがより好ましく、20〜100nmであることがさらに好ましい。
(2)−1 透明導電膜の積層
透明導電膜積層用フィルム10と保護フィルム20からなる積層体100において、透明導電膜積層用フィルム10の保護フィルム20が貼付されているのとは反対側の面に、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法、スプレー法、ゾル−ゲル法等の公知の方法により、透明導電膜1を積層することができる。
中でも、上述した第1の実施形態の、透明導電膜積層用フィルム10と保護フィルム20からなる積層体100は、その特性上、スパッタリング法によりロール トゥ ロールで透明導電膜1を積層することが特に好ましい。
また、スパッタリング法としては、化合物を用いた通常のスパッタリング法、あるいは金属ターゲットを用いた反応性スパッタリング法等が挙げられる。
この際、反応性ガスとして酸素、窒素、水蒸気等を導入したり、オゾン添加やイオンアシスト等を併用したりすることも好ましい。
上述したとおり透明導電膜積層工程(好ましくは、スパッタ処理工程)までは生産性の観点からロール トゥ ロールによって行うことが好ましい。しかし、次工程のアニール処理は加熱時間が長いことから、設備的な観点からロットごとに処理することが好ましい。なお、アニール処理と後述のパターン化処理は、必要に応じて適宜順番を入れ替えることができる。しかし、パターン化処理が先になった場合であっても、ロットごとに処理することが好ましい。
このため、透明導電性フィルムと保護フィルムからなる積層体は、スパッタ処理後、ロールから巻き出された長尺のシートから、所定サイズの短尺のシートに裁断されることが好ましい。なお、裁断された短尺のシートは次工程まで、所定数量を互いに積層して保管されることが通常である。
前工程で得られた透明導電膜は、結晶性を高めて抵抗率を低下させるために、アニール工程を設けて所定のアニール処理を行うことが好ましい。
すなわち、得られた透明導電性フィルムと保護フィルムからなる積層体は、130〜180℃の温度条件下に0.5〜2時間加熱されることが好ましい。
透明導電膜は、上述したようにして製膜しアニール処理後、フォトリソグラフィー法により所定のパターンのレジストマスクを形成した後、公知の方法によりエッチング処理を施すことで、ライン状のパターン等を形成することができる。
なお、エッチング液としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の酸の水溶液等が好ましく挙げられる。
また、エッチング処理の最終工程である残留したフォトレジストを除去するためのアルカリ処理に用いられる液としては、エッチング処理の迅速化の観点から、液温10〜50℃、濃度1〜10重量%、pH13.4〜14.4の強塩基水溶液を用いることが好ましい。
また、好適な強塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化ユウロピウム(II)、水酸化タリウム(I)、グアニジン等が挙げられる。
上述した各工程を経ることのより、パターン化透明導電膜が積層された透明導電性フィルムと保護フィルムからなる積層体が得られる。得られた積層体から保護フィルムを剥がすことにより、パターン化透明導電膜が積層された、薄型の透明導電性フィルムを単離することができる。なお、本実施形態の積層体によれば、薄型でありながら、歪み等のないパターン化透明導電膜を積層してなる透明導電性フィルムを高い確率で得ることができる。
以上、本発明が理解できるように、各実施形態により詳細に説明したが、本発明はこれらにより限定されるものではない。また、以下に実施例を示し、より詳細に説明するが、同様に本発明はこれにより限定されるものではない。
1.透明導電膜積層用フィルムの製造
(1)ハードコート層形成用組成物の調製
容器内に、(A)成分としての活性エネルギー線硬化性樹脂と、(B)成分としてのシリカ微粒子と、(C)成分としてのレベリング剤と、(D)成分としての光重合開始剤と、を下記組成にて収容した後、溶剤を加えて均一に混合し、固形分濃度16重量%のハードコート層形成用組成物を調製した。
なお、下記組成および表1に示す組成における配合量は、希釈溶剤を除いた純分を表す。
(A)成分:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 100重量部
(B)成分:反応性中実シリカ微粒子 20重量部
(体積平均粒子径(D50)15nm)
(C)成分:フッ素系レベリング剤 0.05重量部
(ネオス(株)製、フタージェント7602A)
(D)成分:光重合開始剤 3重量部
(BASFジャパン(株)製、イルガキュア 184)
なお、上述した(B)成分の体積平均粒子径(D50)は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置にて測定した。
また、以下において、上述した(D)成分としての光開始剤を「イルガキュア 184」と称する場合がある。
容器内に、紫外線硬化性樹脂(大日精化工業(株)製、セイカビーム EXF−01L(NS))を100重量部(希釈剤を除いた純分を表す。以下同じ。)と、酸化ジルコニウム分散液(CIKナノテック(株)製、ZRMIBK15WT%−F85)を200重量部と、アクリル系レベリング剤(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−355)を0.05重量部と、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製、イルガキュア 907)を3重量部と、を収容した後、溶剤を加えて均一に混合し、固形分濃度1重量%の高屈折率層形成用組成物を調製した。
容器内に、(a)成分としての撥水性樹脂を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂と、(b)成分としてのシリカ微粒子と、(c)成分としてのレベリング剤と、(d)成分としての光重合開始剤と、を下記組成にて収容した後、溶剤を加えて均一に混合し、固形分濃度1重量%の低屈折率層形成用組成物を調製した。
なお、下記組成に示す組成における配合量は、希釈溶剤を除いた純分を表す。
(a)成分:フッ素樹脂を含有する紫外線硬化性アクリル樹脂
100重量部
(フッ素樹脂の種類:反応性フッ素アクリル樹脂、フッ素樹脂の含有量:80重量%、フッ素樹脂単体の硬化樹脂塗膜の表面自由エネルギー:25mN/m)
(b)成分:反応性中空シリカ微粒子 100重量部
(体積平均粒子径(D50)45nm)
(c)成分:アクリル系レベリング剤 0.05重量部
(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK−355)
(d)成分:光重合開始剤 5重量部
(BASFジャパン(株)製、イルガキュア 184)
なお、上述した(b)成分の体積平均粒子径(D50)は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置にて測定した。
透明導電膜積層用フィルム基材として、厚み50μm、MD方向の熱収縮率0.7%、TD方向の熱収縮率0.4の易接着層付きポリエステルフィルム(東レ(株)製、UH33)のロール(長尺シート)を用意した。
次いで、用意した透明導電膜積層用フィルム基材の表面に、ハードコート層形成用組成物をグラビアコーターにて塗工した。
次いで、70℃で1分間乾燥させた後、窒素雰囲気下において紫外線照射装置(ジーエスユアサコーポレーション(株)製)を用いて下記条件にて紫外線を照射し、透明導電膜積層用フィルム基材の表面に厚み2μmのハードコート層を形成した。
また、透明導電膜積層用フィルム基材の反対側の面にも、同様にしてハードコート層を形成した。
光源:高圧水銀灯
照度:150mW/cm2
光量:150mJ/cm2
すなわち、「分散成分」としてのジヨードメタン、「双極子成分」としての1−ブロモナフタレン、「水素結合成分」としての蒸留水を液滴として使用し、協和界面科学(株)製、DM−70を用いて、静滴法により、JIS R3257に準拠して接触角(測定温度:25℃)を測定し、その値を基に北崎・畑理論により、表面自由エネルギー(mJ/m2)を求めた。
その結果、ハードコート層の表面における表面自由エネルギーは、42mJ/m2であった。
次いで、形成した一方のハードコート層上に、高屈折率形成用組成物をグラビアコーターにて塗工した。
次いで、50℃で1分間乾燥させた後、窒素雰囲気下において紫外線照射装置(ジーエスユアサコーポレーション(株)製)を用いてハードコート層と同じ照射条件にて紫外線を照射し、ハードコート層上に厚み35nm、屈折率nD=1.65の高屈折率層を形成した。
次いで、形成した高屈折率層上に、低屈折率層形成用組成物をグラビアコーターにて塗工した。
次いで、50℃で1分間乾燥させた後、窒素雰囲気下において紫外線照射装置(ジーエスユアサコーポレーション(株)製)を用いてハードコート層と同じ照射条件にて紫外線を照射し、高屈折率層上に厚み50nm、屈折率nD=1.37の低屈折率層を形成し、図1(a)に示すような透明導電膜形成用積層体のロール(長尺シート)を得た。
保護フィルム基材として、厚み125μm、MD方向の熱収縮率0.7%、TD方向の熱収縮率0.4%のPETフィルム(東レ(株)製、ルミラーU48)のロール(長尺シート)を準備した。
次いで、準備した保護フィルム基材の表面に、以下のアクリル系粘着剤組成物を塗工した後、乾燥・シーズニングを行い、厚み15μmの粘着剤層を有する保護フィルムのロール(長尺シート)を得た。得られた粘着剤層の露出面側は、使用時まで剥離フィルム(長尺シート)を貼付することにより保護された。
通常の溶液重合により、アクリル酸2−エチルヘキシル/アクリル酸ブチル/アクリル酸=15/85/5(重量比)にて重量平均分子量70万の(メタ)アクリル酸エステル共重合体を得た。この共重合体100重量部に対して、エポキシ系架橋剤としてのN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン6重量部を加えることによりアクリル系粘着剤組成物を得た。
次いで、透明導電膜積層用フィルムのロールからフィルムを引き出し、同様に保護フィルムのロールからフィルムを引き出し、剥離フィルムを剥がして、透明導電膜積層用フィルムにおけるハードコート層と、保護フィルムにおける粘着剤層とをラミネーターを用いて貼り合せ、透明導電膜積層用フィルムと、当該透明導電膜積層用フィルムにおける透明導電膜が積層される側とは反対側に貼合された保護フィルムと、からなる積層体のロール
(長尺シート)を得た。
(1)加熱前の粘着力P0
得られた積層体を加熱する前の段階において、透明導電膜積層用フィルムから保護フィルムを剥離する際の粘着力を測定した。
すなわち、得られた積層体のロール(長尺シート)から幅50mm、長さ150mmのサンプルを切出した。当該サンプルを25℃の環境下で剥離角度180°、剥離速度0.3m/分の条件により、透明導電膜積層用フィルムから保護フィルムを剥離する際の粘着力(mN/25mm)を測定した。得られた結果を表1に示す。
得られた積層体を加熱している段階において、透明導電膜積層用フィルムから保護フィルムを剥離する際の粘着力を測定した。
すなわち、上述したサンプルを、150℃の炉内で10分間加熱し、かかる加熱環境下において剥離角度180°、剥離速度0.3m/分の条件により、透明導電膜積層用フィルムから保護フィルムを剥離する際の粘着力(mN/25mm)を測定した。得られた結果を表1に示す。
得られた積層体を加熱した後の段階において、透明導電膜積層用フィルムから保護フィルムを剥離する際の粘着力を測定した。
すなわち、上述したサンプルを25℃の環境下で24時間静置した後、150℃の炉内で60分間加熱した。
次いで、25℃の環境下で24時間静置後、剥離速度180°、剥離速度0.3m/分の条件により、透明導電膜積層用フィルムから保護フィルムを剥離する際の粘着力(mN/25mm)を測定した。得られた結果を表1に示す。
(1)スパッタ処理時の保護フィルムの外観
得られた積層体に対してスパッタ処理により透明導電膜を形成した場合における透明導電性フィルム/保護フィルムからなる積層体の外観を評価した。
すなわち、得られた積層体のロール(長尺シート)を、ロール トゥ ロールのスパッタ加工装置を操作して、ITOターゲット(酸化錫10重量%、酸化インジウム90重量%)を用いてスパッタリング(温度150℃、搬送速度1m/分、ロールテンション100N/500mm)を行い、低屈折率層上に厚み30nmの透明導電膜を形成した。その後、縦500mm×横500mmのシート状(短尺シート)に裁断した。
得られたシート状(短尺シート)の積層体(透明導電性フィルム/保護フィルム)10サンプルについて、下記基準に沿って加熱時の積層体(透明導電性フィルム/保護フィルム)の外観を評価した。得られた結果を表1に示す。
◎:10サンプル中全てのサンプルで、透明導電性フィルムのシワや浮きは確認されなかった。
○:10サンプル中7〜9サンプルで、透明導電性フィルムのシワや浮きは確認されなかった。
△:10サンプル中4〜6サンプルで、透明導電性フィルムのシワや浮きは確認されなかった。なお、シワや浮きは確認されなくとも、積層体として次工程へ進めないほどのカールを有したものは、成功サンプルには加えなかった。
×:10サンプル中0〜3サンプルで、透明導電性フィルムのシワや浮きは確認されなかった。なお、シワや浮きは確認されなくとも、積層体として次工程へ進めないほどのカールを有したものは、成功サンプルには加えなかった。
上述したスパッタ処理を経た透明導電性フィルム/保護フィルムからなるシート状の積層体について、150℃、1時間の加熱によるアニール処理を行った。
アニール処理を経た積層体は、その透明導電膜表面に格子状にパターン化されたフォトレジスト膜を形成した。
次いで、室温下にて、10重量%の塩酸に1分間浸漬することによりエッチング処理を行い、透明導電膜を格子状にパターン化した。
次いで、40℃に加温した5重量%の水酸化ナトリウム水溶液に5分間浸漬させてアルカリ処理を行い、透明導電膜上のフォトレジスト膜を除去した。
得られたパターン化導電膜は、線幅2mmのITOからなる線部により1辺が2mmの正方形の空隙が格子状に区画化されたパターン形状を有し、厚みは30nmであった。
○:10枚中7〜10枚ではパターン化導電膜が歪み等の外観不良のない良好な状態であった。
△:10枚中4〜6枚ではパターン化導電膜が歪み等の外観不良のない良好な状態であった。
×:10枚中0〜3枚ではパターン化導電膜が歪み等の外観不良のない良好な状態であった。
参考例1では、保護フィルムを製造する際に、粘着剤層の粘着剤組成物を変えたほかは、実施例1と同様に積層体を製造し、評価した。アクリル系粘着剤組成物の詳細は以下に示す。また、得られた結果を表1に示す。
通常の溶液重合により、アクリル酸ブチル/アクリル酸=100/5(重量比)にて重量平均分子量50万の(メタ)アクリル酸エステル共重合体を得た。この共重合体100重量部に対して、エポキシ系架橋剤としてのN,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン5重量部を加えることによりアクリル系粘着剤組成物を得た。
実施例3では、保護フィルムを製造する際に、粘着剤層をシリコーン系の粘着剤層に変えたほかは、実施例1と同様に積層体を製造し、評価した。シリコーン粘着剤組成物の詳細は以下に示す。また、得られた結果を表1に示す。
シロキサン結合を主骨格としビニル基を有するオルガノポリシロキサンおよびオルガノハイドロジェンポリシロキサンからなる付加型オルガノポリシロキサン(信越化学工業社製、商品名:KS−847H)100質量部に白金触媒(信越化学工業社製、商品名:PL−50T)0.03質量部、シリコーン樹脂成分(信越化学工業社製、商品名:KR3700)20質量部を加え、メチルエチルケトンにて、固形分濃度約20質量%に希釈したシリコーン粘着剤組成物を得た。
比較例1では、保護フィルムを製造する際に、保護フィルム基材をPETフィルム(東レ(株)製、ルミラーU48)からPETフィルム(東レ社製、PET38T−100、厚み38μm)に変更し、粘着剤層の厚さを15μmから20μmに変更し、粘着剤組成物を以下のとおり変更した以外は、実施例1と同様に積層体を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
通常の溶液重合により、アクリル酸ブチル/アクリル酸=100/6(重量比)にて重量平均分子量60万の(メタ)アクリル酸エステル共重合体を得た。この共重合体100重量部に対して、エポキシ系架橋剤としての1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロへキサン6重量部を加えることによりアクリル系粘着剤組成物を得た。
比較例2では、保護フィルムを製造する際に、粘着剤組成物を以下のとおりを変えたほかは、比較例1と同様に積層体を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
通常の溶液重合により、アクリル酸ブチル/アクリル酸=100/6(重量比)にて重量平均分子量60万の(メタ)アクリル酸エステル共重合体を得た。この共重合体100重量部に対して、エポキシ系架橋剤としての1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロへキサン4重量部を加えることによりアクリル系粘着剤組成物を得た。
Claims (7)
- 透明導電膜積層用フィルムと、当該透明導電膜積層用フィルムにおける透明導電膜が積層される側とは反対側に貼合された保護フィルムと、を含む積層体であって、
前記保護フィルムが、保護フィルム基材と、当該保護フィルム基材の一方の面に積層された粘着剤層と、を有するとともに、
前記積層体を150℃の環境下で10分間加熱したときの前記透明導電膜積層用フィルムに対する前記保護フィルムの粘着力P1(剥離角度180°、剥離速度0.3m/分)を50〜400mN/25mmの範囲内の値とし、かつ、
前記積層体を150℃の環境下で60分間加熱した後、25℃の環境下で24時間静置したときの前記透明導電膜積層用フィルムに対する前記保護フィルムの粘着力P2(剥離角度180°、剥離速度0.3m/分)を100〜400mN/25mmの範囲内の値とすることを特徴とする積層体。 - 前記粘着力P1およびP2が、下記関係式(1)を満足することを特徴とする請求項1に記載の積層体。
P2−P1≦300mN/25mm (1) - 前記保護フィルム基材の厚みを23〜250μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
- 前記透明導電膜積層用フィルムにおける前記保護フィルムが貼合される側の面の表面自由エネルギーを30〜60mJ/m2の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記透明導電膜積層用フィルムにおける前記保護フィルムが貼合される側に、ハードコート層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記透明導電膜積層用フィルムにおける透明導電膜が積層される側に、透明導電膜を積層してなる請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記請求項1〜6のいずれかに記載の積層体を構成するために用いることを特徴とする保護フィルム。
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