JPH0768690A - 透明導電性フィルム - Google Patents

透明導電性フィルム

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JPH0768690A
JPH0768690A JP5217775A JP21777593A JPH0768690A JP H0768690 A JPH0768690 A JP H0768690A JP 5217775 A JP5217775 A JP 5217775A JP 21777593 A JP21777593 A JP 21777593A JP H0768690 A JPH0768690 A JP H0768690A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性透明導電フィルムの透明導電性薄膜面
に、加熱工程を含む加工を、ロールプロセスで連続的に
することを可能とする。 【構成】 ガラス転移温度が120℃以上である第一の
プラスチックフィルム基体に、透明導電性を有する薄膜
を積層し、該薄膜が積層されている面の反対面上に、ガ
ラス転移温度が120℃以上で、且つ第一のプラスチッ
クフィルムとの線膨張係数の差が20ppm/℃以内で
ある第二のプラスチックフィルム基体に、熱分解温度が
120℃以上で、かつ粘着力が50g/cm以下である
粘着材層を設けた保護フィルムを粘着材層を介して貼り
合わせたことを特徴とする透明導電性フィルム。 【効果】 フィルム液晶表示素子や、分散型エレクトロ
ルミネッセンス素子、透明タッチパネル入力装置を高品
質、高機能にする加工を生産性のよい連続プロセスで実
施できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルム液晶表示素子
や有機分散型エレクトロルミネッセンス素子や透明タッ
チパネル入力装置などに用いられる透明導電性フィルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエステルフィルムなどの
表面に、インジウムと錫の酸化物薄膜などを、スパッタ
リングなどの方法により積層した透明導電性フィルム
が、フィルム液晶表示素子や有機分散型エレクトロルミ
ネッセンス素子や透明タッチパネル入力装置の透明電極
基板用材料として使用されている。これらの素子や装置
に透明導電性フィルムを加工する過程において、フィル
ム材料であることの利点が最大に発揮されるのは、ロー
ルプロセスで連続的に加工を行えることである。透明導
電性の機能を発現する薄膜は、通常0.1μm以下の厚
みしかなく、機械的なこすれや打撃に弱いために、取り
扱いには細心の注意が必要であるが、一方、透明導電性
薄膜の形成されている面の反対側の面においても、外観
が重要な用途であることから傷がつかないようにしなけ
ればならない。通常は、この反対面には保護フィルムを
貼り合わせることで、透明導電性フィルムを損傷から防
ぐことが可能であるが、素子や装置に加工するうえでは
高温に加熱される工程を含むことがあり、保護フィルム
には耐熱性の高いものが無いために、ロールプロセスで
の支持ロール表面と接触しないように、エアサポートや
スプロケットホールでのテンター支持などの工夫が考え
られている。しかし、これらの方法は高額な設備投資を
必要としロールプロセスの利点を損なっている。そこ
で、ロールプロセスでの支持ロールに接触しても問題な
い透明導電性フィルムの開発が熱望されている。従来よ
り加工プロセスで120℃以上の加熱工程を加えても熱
による損傷のない透明導電性フィルムを開発されてき
た。これにより、フィルム液晶表示装置では配向膜やシ
ール樹脂の焼成を120℃以上で行うことが可能となり
表示品質や耐久性を向上することができた。また、分散
型エレクトロルミネッセンス素子や透明タッチパネル装
置では銀ペーストなどの印刷焼成を120℃以上で行う
ことが可能になり密着力があがり信頼性に優れた素子や
装置を作成することができた。しかし、フィルムをロー
ルプロセスで連続的に加工するには、透明導電性薄膜の
形成された面の反対側の面の損傷の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、加工プロセ
スで120℃以上の加熱工程を加えても熱による損傷も
なく、透明導電性薄膜の形成された面の反対側の面の損
傷もないロールプロセスで連続的に加工できる耐熱性透
明導電性フィルムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題に
対し、ガラス転移温度が120℃以上の第1のプラスチ
ックフィルム2基体に、透明導電性を有する薄膜1を積
層した耐熱性透明導電性フィルムの薄膜が形成された面
と反対側の面に、ガラス転移温度が120℃以上で第1
のプラスチックフィルムとの線膨張係数の差が20pp
m/℃以下である第2のプラスチックフィルム3基体
に、熱分解温度が120℃以上で、かつ粘着力が50g
/cm以下である粘着材層4を設けた保護フィルムを粘
着材層4を介して貼り合わせることで解決したものであ
る。
【0005】ガラス転移温度が120℃以上のプラスチ
ックフィルム2、3としては、ポリカーボネート、ポリ
アリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポ
リエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン等の樹
脂からなるフィルムがあげられる。熱分解温度が120
℃以上で、粘着力が50g/cm以下である粘着材層4
に使用される粘着材には、アクリル系粘着材、シリコー
ン系粘着材、EVA樹脂系粘着材等から選ばれる。粘着
材を第2のプラスチックフィルム3表面に設けるには、
コーティングや押出しラミネートの手法が使われる。第
2のプラスチックフィルム3表面と粘着材層4の密着力
は第1のプラスチックフィルムと粘着材の密着力より十
分大きくなければならない。そのためには、第2のプラ
スチックフィルム表面をコロナ処理したりプライマーコ
ーティングすることが有効である。第1のプラスチック
フィルム表面を密着性が乏しくなるようにすることも有
効である。第1のプラスチックフィルムと粘着材の粘着
力が50g/cm以上になると、剥し難くなり、ロール
プロセスでの自動剥離機構に特別な設計が必要となり生
産性にも支障をきたし、また剥す際に透明導電性フィル
ムを損傷するおそれも出てくるので好ましくない。第2
のプラスチックフィルムの厚さは、コスト的には薄いほ
うが有利であるが、貼り合わせた状態での透明導電性フ
ィルムの補強効果においては厚いほうが有利となる。粘
着材層4の厚さは薄いほうが第2のプラスチックフィル
ムの耐熱性を損ないにくいので好ましい。なお、粘着材
のガラス転移温度は120℃以下であっても、粘着機能
は高温でも損なわれないので差し支えない。
【0006】本発明における透明導電性薄膜1として
は、錫を5〜10wt%含んだインジウムの酸化物(I
TO)が最も適しているが、金、銀、パラジウム、ニッ
ケルやカドミウム、アンチモン、亜鉛等の酸化物も選ぶ
ことができる。プラスチックフィルムにこれらの薄膜を
積層する方法としは、真空蒸着法やスパッタリング法、
イオンプレーティング法が選ばれる。透明導電性薄膜を
形成する前に、プラスチックフィルム表面に、密着力向
上のためにアンダーコーティングを施すのも有効であ
る。
【0007】
【実施例】
(実施例1)ロール状のポリエーテルイミドフィルム
(住友ベークライト(株)製スミライトFS−1450、
ガラス転移温度216℃、線膨張係数62ppm/℃、
厚み25μm)にアクリル系粘着材を5μmの厚みにコ
ーティングし、耐熱性保護フィルムを作成した。この耐
熱性保護フィルムを、同じくロール状の、ポリエーテル
スルホンフィルム(住友ベークライト(株)製スミライト
FS−5300、ガラス転移温度223℃、線膨張係数
54ppm/℃、厚み100μm)にアンダーコートを
施しその表面上にITOをスパッタリング法で厚さ0.
03μmに形成した透明導電性フィルムのポリエーテル
スルホンフィルム面に貼り合わせた。この積層フィルム
のロールを、巻出しながら耐熱性保護フィルムを貼って
ある面だけが支持ロール等に接触するように設計された
加熱炉を通し150℃で10分間加熱し、再び巻取っ
た。加熱炉の中および通過後巻取られるまで耐熱性保護
フィルムが剥がれたり、変形したりすることはなかっ
た。
【0008】(実施例2)ポリカーボネート樹脂(GE
P製レキサン141、ガラス転移点145℃、線膨張係
数67ppm/℃)を押出製膜法で300μmのフィル
ムに成形し、さらにこの一方の表面上にEVA樹脂(三
井デュポン(株)製 エバフレックス)を押出しラミネー
トして耐熱性保護フィルムを作成し、ロール状に巻取っ
た。この耐熱性保護フィルムを、同じく押し出し製膜し
たロール状の、ポリカーボネートフィルム(ガラス転移
温度145℃、線膨張係数67ppm/℃、厚み300
μm)にアンダーコートを施しその表面上にITOをス
パッタリング法で厚さ0.1μmに形成した透明導電性
フィルムのポリカーボネートフィルム面に貼り合わせ
た。この積層フィルムのロールを、巻出しながら耐熱性
保護フィルムを貼ってある面だけが支持ロール等に接触
するように設計された加熱炉を通し150℃で10分間
加熱し、再び巻取った。加熱炉の中および通過後巻取ら
れるまで耐熱性保護フィルムが剥がれたり、変形したり
することはなかった。
【0009】(比較例1)実施例1の加熱を、ポリエー
テルスルホンフィルム面に耐熱性保護フィルムを貼らな
いでおこなった。巻取ったフィルムには支持ロール等で
こすれて発生した傷が無数に観察された。 (比較例2)実施例1の加熱を、ガラス転移温度が80
℃で線膨張係数が12ppm/℃のポリエステルフィル
ムを基体としアクリル系粘着材が塗布されている保護フ
ィルム(サンエー化学工業(株)製 サニテクトE)を耐
熱性保護フィルムの代わりに用いて行ったところ乾燥機
内部でポリエステルフィルムが収縮し透明導電性フィル
ムが変形し、ITO面に傷が生じた。 (比較例3)実施例1の加熱を、ガラス転移温度が−1
25℃で線膨張係数が100ppm/℃のポリエチレン
フィルムを基体としEVA樹脂が共押出し積層されてい
る保護フィルム(サンエー化学工業(株)製 サニテクト
PAC)を耐熱性保護フィルムの代わりに用いて行った
ところ乾燥機を出てからポリエチレンフィルムが収縮し
積層フィルム全体が大きくカールし支持ロールで折れ曲
がり損傷した。
【0010】
【発明の効果】この発明により、耐熱性の高い透明導電
性フィルムの透明導電性薄膜に、加熱工程を必要とする
加工が、ロール形状のまま連続プロセスで可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例要部断面図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス転移温度が120℃以上である第
    1のプラスチックフィルム基体に、透明導電性を有する
    薄膜を積層し、該薄膜が積層されている面の反対面上
    に、ガラス転移温度が120℃以上で、且つ第1のプラ
    スチックフィルムとの線膨張係数の差が20ppm/℃
    以内である第2のプラスチックフィルム基体に、熱分解
    温度が120℃以上で、かつ粘着力が50g/cm以下
    である粘着材層を設けた保護フィルムを粘着材層を介し
    て貼り合わせたことを特徴とする透明導電性フィルム。
JP21777593A 1993-09-01 1993-09-01 透明導電性フィルム Ceased JP3310408B2 (ja)

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