JP7136188B2 - シンチレータパネル、放射線検出器、およびシンチレータパネルの製造方法 - Google Patents

シンチレータパネル、放射線検出器、およびシンチレータパネルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シンチレータパネル、放射線検出器、およびシンチレータパネルの製造方法に関する。
従来、医療現場において、フィルムを用いた放射線画像が広く用いられている。しかし、フィルムを用いた放射線画像は、アナログ画像情報である。そのため、近年、平板放射線検出器(flat panel detector:以下、「FPD」)等のデジタル方式の放射線検出器が開発されている。FPDは、放射線を可視光に変換するために、シンチレータパネルが使用される。シンチレータパネルは、放射線蛍光体を含む。照射された放射線に応じて、放射線蛍光体は、可視光を発光する。発光した光は、TFT(thin film transistor)やCCD(charge-coupled device)によって電気信号に変換され、放射線の情報がデジタル画像情報に変換される。しかし、シンチレータパネルには、放射線蛍光体から発光した光が、蛍光体を含有する層(蛍光体層)内で散乱し、鮮鋭度が低下するという課題がある。
そこで、発光した光の散乱の影響を小さくするために、表面に反射層を有する隔壁により区画された空間内、すなわちセル内に、蛍光体を充填する方法が提案されている。反射層の材料として、酸化チタン粉末などの高屈折率の金属酸化物の粉末を用いる方法(特許文献1)や、銀などの高反射率の金属を用いる方法(特許文献2、特許文献3)が知られている。
国際公開第2016/021540号 特開2011-257339号公報 特表2001-516888号公報
しかしながら、特許文献1に記載の金属酸化物粉末を用いる反射層は、反射率が充分ではない。また、高い反射率を得るためには、反射層の厚みを厚くすることが必要である。しかしながら、反射層を厚くすることによりセル内の体積が減少し、蛍光体の充填量が低下する。その結果、シンチレータパネルの輝度が低下する。また、特許文献2に記載の銀などの金属反射層を用いる方法は、金属反射層の腐食により、反射率が低下しやすい。そのため、得られるシンチレータパネルは、輝度が低下しやすい。また、特許文献2には、金属反射層の表面にアクリル樹脂の保護層を形成する方法が記載されている。しかしながら、この場合であっても、輝度低下に対する抑制効果は不充分である。さらに、特許文献2に記載の方法は、金属反射層に屈折率が高い樹脂層を形成している。そのため、金属表面で反射率の大幅な低下が生じる。その結果、シンチレータパネルは、輝度が低下する。特許文献3には、金属反射層にコロイドシリカ含有の低屈折率樹脂層を形成する方法が記載されている。この方法は、金属反射層に屈折率が低い樹脂層を形成する。しかしながら、得られるシンチレータパネルは、保護性能が不充分であり、輝度が低下する。
そこで本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、高輝度、高鮮鋭度なシンチレータパネル、放射線検出器、およびシンチレータパネルの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明のシンチレータパネルは、基板、前記基板の上に形成された格子状の隔壁、および、前記隔壁によって区画されたセル内に蛍光体層を有し、前記隔壁は、前記隔壁の表面に金属反射層と、非晶性フッ素含有樹脂を主成分とする有機保護層とをこの順に有する、シンチレータパネルである。
また、上記課題を解決する本発明の放射線検出器は、上記シンチレータパネルを備える、放射線検出器である。
さらに、上記課題を解決する本発明のシンチレータパネルの製造方法は、基材上に隔壁を形成し、セルを区画する、隔壁形成工程と、前記隔壁の表面に金属反射層を形成する、反射層形成工程と、前記反射層の表面に有機保護層を形成する、有機保護層形成工程と、前記隔壁で区画されたセル内に蛍光体を充填する、充填工程とを含み、前記有機保護層は非晶性フッ素含有樹脂を主成分として含む、シンチレータパネルの製造方法である。
図1は、本発明の一実施形態のシンチレータパネルを含む放射線検出器用部材を模式的に表した断面図である。 図2は、本発明の一実施形態のシンチレータパネルを模式的に表した断面図である。
<シンチレータパネル>
以下、図面を用いて本発明の一実施形態のシンチレータパネルの具体的な構成について説明する。図1は、本実施形態のシンチレータパネル2を含む放射線検出器用部材1を模式的に表した断面図である。放射線検出器用部材1は、シンチレータパネル2、出力基板3を有する。シンチレータパネル2は、基板4と、隔壁5と、隔壁5によって区画されたセル内の蛍光体層6を有する。出力基板3は、基板10と、基板10上に形成された出力層9と、出力層9上に形成されたフォトダイオードを有する光電変換層8とを有する。光電変換層8上には、隔膜層7が設けられてもよい。シンチレータパネル2の出光面と出力基板3の光電変換層8とは、隔膜層7を介して接着または密着されていることが好ましい。蛍光体層6で発光した光は、光電変換層8に到達して光電変換され、出力される。以下、それぞれについて説明する。
(基板4)
基板4は、本実施形態のシンチレータパネル2に設けられる部材である。基板4を構成する材料は、放射線透過性を有する材料であることが好ましい。たとえば、基板4を構成する材料は、各種のガラス、高分子材料、金属等である。ガラスは、石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラス等である。高分子化合物は、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、トリアセテート、ポリカーボネート、炭素繊維強化樹脂等である。金属は、アルミニウム、鉄、銅等が挙げられる。これらは併用されてもよい。これらの中でも、基板4を構成する材料は、放射線の透過性が高い高分子材料であることが好ましい。また、基板4を構成する材料は、平坦性および耐熱性の優れる材料であることが好ましい。
基板4の厚みは、シンチレータパネル2の軽量化の観点から、ガラス基板の場合は2.0mm以下であることが好ましく、1.0mm以下であることがより好ましい。また、基板4の厚みは、高分子材料からなる基板の場合は、3.0mm以下であることが好ましい。
(隔壁5)
隔壁5は、少なくとも区画された空間(セル)を形成するために設けられる。隔壁5は、金属反射層11と、非晶性フッ素含有樹脂を主成分として含む有機保護層12とをこの順に有する。金属反射層11および有機保護層12は、隔壁5の少なくとも一部に設けられればよい。
・金属反射層11
金属反射層11は、薄膜でも高い反射率を有する。そのため、金属反射層11を薄膜で設けることにより、蛍光体13の充填量が低下しにくく、シンチレータパネル2は、輝度が向上しやすい。金属反射層11を構成する金属は、特に限定されない。たとえば、金属反射層11は、銀やアルミニウムなど、反射率の高い金属を主成分として含有することが好ましく、銀を主成分として含有することがより好ましい。金属反射層11は、合金であっても良い。金属反射層11は、パラジウムおよび銅のうち少なくともいずれか1種を含む銀合金を含むことが好ましく、パラジウムと銅を含有する銀合金であることがより好ましい。このような銀合金からなる金属反射層11は、大気中における変色耐性が優れる。なお、本実施形態において、「主成分として含有する」とは、所定の成分を50~100質量%となるよう含むことをいう。
金属反射層11の厚みは特に限定されない。たとえば、金属反射層11の厚みは、10nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましい。また、金属反射層11の厚みは、500nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましい。金属反射層11の厚みが10nm以上であることにより、シンチレータパネル2は、充分な光の遮蔽性が得られ、鮮鋭度が向上する。金属反射層11の厚みが500nm以下であることにより、金属反射層11の表面の凹凸が大きくなりにくく、反射率が低下しにくい。
ここで、金属反射層を有するセル方式シンチレータは、金属反射層の腐食により輝度が低下するという課題がある。輝度の低下とは、本来の金属反射層の反射率から想定されるシンチレータパネルの輝度に比べ、実際の輝度が低下することをいう。これは、金属反射層形成時や、金属反射層形成後の蛍光体層形成時などに、蛍光体層中の成分が金属反射層と反応して、金属反射層が腐食し、反射率が低下することに起因すると推定される。この輝度の低下は、金属反射層上に有機保護層を設けることにより抑制できる。しかしながら、金属反射層の反射率は、有機保護層の影響を受ける。そのため、有機保護層の屈折率が高いほど、金属反射層の反射率が低下する。その結果、シンチレータパネルは、輝度が低下しやすい。本実施形態のシンチレータパネル2は、後述する有機保護層12が形成されていることにより、これらの課題が解決されている。
・有機保護層12
本実施形態のシンチレータパネル2は、金属反射層11上に、非晶性フッ素含有樹脂を主成分とする有機保護層12が形成される。有機保護層12が形成されることにより、シンチレータパネル2は、蛍光体層6を形成する際に、金属反射層11と蛍光体層6との反応による金属反射層11の反射率低下が抑制され、輝度が向上する。
有機保護層は、非晶性フッ素含有樹脂を主成分として含有する。非晶性フッ素含有樹脂を主成分として含有する有機保護層を形成することにより、シンチレータパネル2は、輝度が向上する。ここで、金属反射層の反射率は、有機保護層の影響を受け、有機保護層の屈折率が低いほど、向上しやすい。その結果、シンチレータパネルは、輝度が向上しやすい。フッ素含有樹脂は、屈折率が低い。そのため、非晶性フッ素含有樹脂が主成分として含有されることにより、シンチレータパネル2は、金属反射層の反射率が向上し、輝度が向上しやすい。なお、「非晶性フッ素含有樹脂を主成分とする」とは、有機保護層12を構成する材料の50~100質量%が、非晶性フッ素含有樹脂であることをいう。
有機保護層12は、非晶性である。非晶性のフッ素含有樹脂は、溶剤溶解性が優れる。そのため、有機保護層12は、溶液塗布やスプレーコーティングなど、公知の手法により容易に形成され得る。ここで、「フッ素含有樹脂が非晶性である」とは、フッ素含有樹脂を粉末X線回折法により測定した際に、結晶構造に起因するピークが実質的に見られず、ブロードなハローのみが観察される場合をいう。
有機保護層12は、非晶性フッ素含有樹脂を主成分としており、その他の成分は特に限定されない。非晶性フッ素含有樹脂を主成分として含む有機保護層12は、金属反射層の腐食を抑制し、銀の反射率が低下しにくい。非晶性フッ素含有樹脂は、主鎖の原子に直接フッ素原子が結合している樹脂であることが好ましい。主鎖の原子に直接フッ素原子が結合しているフッ素含有樹脂は、耐溶剤性が優れる。そのため、蛍光体層の形成時に、有機保護層の膨潤や溶解が生じにくい。これにより、シンチレータパネル2は、蛍光体層中に含まれる成分と金属反射層との反応による反射率の低下が抑制され、輝度が向上しやすい。
有機保護層の屈折率は、1.41以下であることが好ましく、1.39以下であることがより好ましい。屈折率が1.41以下の有機保護層が形成されることにより、金属反射層と有機保護層との界面における屈折率差の低減が抑制されやすく、金属反射層は、反射率がより向上しやすい。その結果、シンチレータパネル2は、より輝度が向上しやすい。有機保護層の屈折率は、塗膜をエリプソメトリーにより測定することで求めることができる。
本実施形態において、有機保護層の主成分である非晶性フッ素含有樹脂は、下記一般式(1)で表される構造を繰り返し単位として有することが好ましい。フッ素含有樹脂は、下記一般式(1)で表される構造と他の構造とを有する共重合体であってもよく、下記一般式(1)で表される構造を主成分とすることが好ましい。フッ素含有樹脂が、下記一般式(1)で表される互いに異なる2種の構造を有する共重合体の場合、交互共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体のいずれでもよい。
Figure 0007136188000001
上記一般式(1)中、R1~R4は、水素、ハロゲン、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、水酸基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、シアノ基、アルデヒド基、置換もしくは無置換のエステル基、アシル基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のアミノ基、ニトロ基、または、置換もしくは無置換のエポキシ基を表す。また、R1~R4のうちの2つにより1つの環構造を形成してもよい。ただし、R1~R4のうち、少なくとも1つはフッ素、またはフッ素を有する基である。R1~R4のうち、1つ以上がフッ素であることが好ましく、2つ以上がフッ素であることがより好ましい。これらの基が置換されている場合の置換基としては、たとえば、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アルコキシ基などが挙げられる。なお、R1~R4は、それぞれ同じでも異なっていてもよい。
上記一般式(1)において、アルキル基は鎖状でも環状でもよく、その炭素数は1~12が好ましい。アルケニル基の炭素数は1~15が好ましい。アルキニル基の炭素数は1~10が好ましい。アルコキシ基の炭素数は1~10が好ましい。アリール基の炭素数は6~40が好ましい。
上記一般式(1)で表される構造は、飽和環構造を有することが好ましい。飽和環構造を有する非晶性フッ素含有樹脂は、前記一般式(1)で表される構造が、下記一般式(2)で表される構造であることが好ましい。
Figure 0007136188000002
上記一般式(2)において、Xは酸素を表し、sおよびuはそれぞれ独立に0または1を表し、tは1以上の整数を表す。
上記一般式(2)において、R5~R8は水素、ハロゲン、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、水酸基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、シアノ基、アルデヒド基、置換もしくは無置換のエステル基、アシル基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のアミノ基、ニトロ基、または、置換もしくは無置換のエポキシ基を表す。R5~R6の少なくとも1つは、フッ素であることが好ましい。また、R7~R8の少なくとも1つは、フッ素であることが好ましい。
上記一般式(2)において、sおよびuは酸素の数を表す。ただし、sまたはuが0の場合、XsまたはXuは単結合である。sとuの少なくともいずれかが1であると、ガラス転移温度が適切となるため好ましい。
上記一般式(2)において、tは繰り返し数を表し、1~4であることが好ましく、1~3であることがより好ましい。また、tが2以上の場合、複数のR7およびR8は互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
上記一般式(2)において、アルキル基の炭素数は1~8が好ましい。アルケニル基の炭素数は1~12が好ましい。アルコキシ基の炭素数は1~10が好ましい。アリール基の炭素数は5~15が好ましい。
本実施形態において、非晶性フッ素含有樹脂の主鎖の末端は、たとえば、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のカルボキシル基、アルコール基、アシル基、置換もしくは無置換のシリル基、置換もしくは無置換のホスホニル基、置換もしくは無置換のスルホニル基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ビニル基、置換もしくは無置換のエポキシ基などの官能基に置換されていてもよい。これらの基が置換されている場合の置換基としては、たとえば、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、シリル基などが挙げられる。この場合、アルキル基の炭素数は1~8が好ましい。アルケニル基の炭素数は1~10が好ましい。アルコキシ基の炭素数は1~10が好ましい。アリール基の炭素数は5~15が好ましい。これらの官能基のうち、基材との密着性の観点から、カルボキシル基、アシル基、シリル基、ホスホニル基が好ましい。
本実施形態において、非晶性フッ素含有樹脂の数平均分子量は、耐候性や耐溶剤性の観点から3,000以上であることが好ましく、5,000以上であることがより好ましい。また、非晶性フッ素含有樹脂の数平均分子量は、保護層形成時の溶剤への溶解性の観点から300,000以下であることが好ましく、250,000以下、60,000以下であることがより好ましく、50,000以下であることがさらに好ましい。数平均分子量が3,000以上であることにより、非晶性フッ素含有樹脂は耐候性や耐溶剤性が良好になり、蛍光体層形成時に保護層の膨潤や溶解が生じにくい。その結果、得られるシンチレータパネルは、輝度をより向上し得る。数平均分子量が300,000以下であることにより、非晶性フッ素含有樹脂は、保護層形成時の溶剤への溶解性が良好になり、保護層を公知の方法で容易に形成することができる。
有機保護層の厚みは、0.05μm以上であることが好ましく、0.2μm以上であることがより好ましい。また、有機保護層の厚みは、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。有機保護層の厚みが0.05μm以上であることにより、シンチレータパネル2は、輝度低下の抑制効果をより大きくすることができる。また、有機保護層の厚みが10μm以下であることにより、シンチレータパネル2は、セル内の体積を大きくし、蛍光体13を充分量充填することにより、輝度をより向上させることができる。本実施形態において、有機保護層の厚みは、走査型電子顕微鏡観察により測定できる。なお、後述する有機保護層形成工程で形成される有機保護層は、隔壁頂部付近の側面では厚みが薄く、底部付近の側面では厚く形成される傾向がある。そのため、このように厚みに隔たりがある場合、上記有機保護層の厚みは、隔壁5の高さ方向の中央部側面における厚みを指す。
隔壁5全体の説明に戻り、隔壁5は、強度や耐熱性を高めるため、無機物からなることが好ましい。無機物とは、単純な一部の炭素化合物(グラファイト若しくはダイヤモンド等炭素の同素体等)および炭素以外の元素で構成される化合物をいう。なお、「無機物からなり」とは、厳密な意味で無機物以外の成分の存在を排除するものではなく、原料となる無機物自体が含有する不純物や、隔壁5の製造の過程において混入する不純物程度の無機物以外の成分の存在は、許容される。
隔壁5は、ガラスを主成分とすることが好ましい。ガラスとは、ケイ酸塩を含有する、無機非晶質固体をいう。隔壁5の主成分がガラスであると、隔壁5は、強度や耐熱性が高まり、金属反射層11の形成工程や蛍光体13の充填工程における変形や損壊が発生しにくくなる。なお、「ガラスを主成分とする」とは、隔壁5を構成する材料の50~100質量%が、ガラスであることをいう。
隔壁5は、軟化点650℃以下の低軟化点ガラスを95体積%以上含有することが好ましく、98体積%以上含有することがより好ましい。低軟化点ガラスの含有率が95体積%以上であることにより、隔壁5は、焼成工程において隔壁5の表面が平坦化しやすくなる。これにより、シンチレータパネル2は、隔壁5の表面に均一な金属反射層11を形成しやすくなる。その結果、反射率が高くなり、輝度がより高くなりやすい。
隔壁5が含有する低軟化点ガラス以外の成分は、高軟化点ガラス粉末やセラミック粉末等である。これらの粉末は、隔壁形成工程において隔壁5の形状を調整しやすくする。低軟化点ガラスの含有率を高めるために、低軟化点ガラス以外の成分の含有量は、5体積%未満であることが好ましい。
図2は、本実施形態のシンチレータパネル2の模式的な断面図である(蛍光体層6は図示せず。蛍光体層6は図1を参照)。隔壁5の高さL1は、50μm以上であることが好ましく、70μm以上であることがより好ましい。また、隔壁5の高さは、3000μm以下であることが好ましく、1000μm以下であることがより好ましい。L1が3000μm以下であることにより、蛍光体13自体による発光した光の吸収が生じにくく、シンチレータパネル2は、輝度が低下しにくい。一方、L1が50μm以上であることにより、シンチレータパネル2は、充填可能な蛍光体13の量が適切となり、輝度が低下しにくい。
隣接する隔壁5の間隔L2は、30μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましい。また、隔壁5の間隔L2は、1000μm以下であることが好ましく、500μm以下であることがより好ましい。L2が30μm以上であることにより、シンチレータパネル2は、セル内へ蛍光体13を充填しやすい。一方、L2が1000μm以下であることにより、シンチレータパネル2は、鮮鋭度が優れる。
隔壁5の底部幅L3は、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。また、底部幅L3は、150μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。L3が5μm以上であることにより、シンチレータパネル2は、パターンの欠陥が生じにくい。一方、L3が150μm以下であることにより、シンチレータパネル2は、充填可能な蛍光体13の量が適切となり、輝度が低下しにくい。
隔壁5の頂部幅L4は、3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。また、頂部幅L4は、80μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。L4が3μm以上であることにより、シンチレータパネル2は、隔壁5の強度が適切となり、パターンの欠陥が生じにくくなる。一方、L4が80μm以下であることにより、シンチレータパネル2は、蛍光体13の発光した光を取り出せる領域が適切となり、輝度が低下しにくい。
隔壁5の底部幅L3に対する隔壁5の高さL1のアスペクト比(L1/L3)は、1.0以上であることが好ましく、2.0以上であることがより好ましい。また、アスペクト比(L1/L3)は、100.0以下であることが好ましく、50.0以下であることがより好ましい。アスペクト比(L1/L3)が1.0以上であることにより、シンチレータパネル2は、蛍光体13の充填量が適切となりやすい。また、アスペクト比(L1/L3)が100.0以下であることにより、シンチレータパネル2は、隔壁強度が適切となりやすい。
隔壁5の間隔L2に対する隔壁5の高さL1のアスペクト比(L1/L2)は、0.5以上であることが好ましく、1.0以上であることがより好ましい。また、アスペクト比(L1/L2)は、20.0以下であることが好ましく、10.0以下であることがより好ましい。アスペクト比(L1/L2)が0.5以上であることにより、シンチレータパネル2は、X線の吸収効率が低くしにくい。また、アスペクト比(L1/L2)が20.0以下であることにより、シンチレータパネル2は、セル内での発光の取り出し効率が低下しにくく、輝度が低下しにくい。
隔壁5の高さL1および隣接する隔壁5の間隔L2は、基板に対して垂直な断面を割断するか、またはクロスセクションポリッシャー等の研磨装置により露出させ、走査型電子顕微鏡で断面を観察することにより測定することができる。ここで、隔壁5と基板との接触部における隔壁5の幅をL3とする。また、隔壁5の最頂部の幅をL4とする。
本実施形態のシンチレータパネル2は、各セルが隔壁5によって区画されている。そのため、シンチレータパネル2は、格子状に配置された光電変換素子の画素の大きさおよびピッチと、シンチレータパネル2のセルの大きさおよびピッチとを一致させることにより、光電変換素子の各画素と、シンチレータパネル2の各セルとを対応づけることができる。これにより、シンチレータパネル2は、高鮮鋭度が得られやすい。
(蛍光体層6)
蛍光体層6は、図1に示されるように、隔壁5で区画されたセル内に形成される。蛍光体層6は、入射されたX線等の放射線のエネルギーを吸収して、波長300nm~800nmの範囲の電磁波、すなわち、可視光を中心に紫外光から赤外光にわたる範囲の光を発光する。蛍光体層6で発光した光は、光電変換層8で光電変換が行われ、出力層9を通じて電気信号として出力される。蛍光体層6は、蛍光体13およびバインダー樹脂14を有することが好ましい。
・蛍光体13
蛍光体13は特に限定されない。たとえば、蛍光体13は、硫化物系蛍光体、ゲルマン酸塩系蛍光体、ハロゲン化物系蛍光体、硫酸バリウム系蛍光体、リン酸ハフニウム系蛍光体、タンタル酸塩系蛍光体、タングステン酸塩系蛍光体、希土類ケイ酸塩系蛍光体、希土類酸硫化物系蛍光体、希土類リン酸塩系蛍光体、希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、アルカリ土類金属リン酸塩系蛍光体、アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系蛍光体が挙げられる。希土類ケイ酸塩系蛍光体としては、セリウム賦活希土類ケイ酸塩系蛍光体が挙げられ、希土類酸流化物系蛍光体としては、プラセオジム賦活希土類酸硫化物系蛍光体、テルビウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体、ユウロピウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体が挙げられ、希土類リン酸塩系蛍光体としては、テルビウム賦活希土類リン酸塩系蛍光体が挙げられ、希土類オキシハロゲン蛍光体としては、テルビウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、ツリウム賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体が挙げられ、アルカリ土類金属リン酸塩系蛍光体としては、ユウロピウム賦活アルカリ土類金属リン酸塩系蛍光体が挙げられ、アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系蛍光体としては、ユウロピウム賦活アルカリ土類金属フッ化ハロゲン化物系蛍光体が挙げられる。蛍光体13は、併用されてもよい。これらの中でも、発光効率が高い点から、蛍光体13は、ハロゲン化物系蛍光体、テルビウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体およびユウロピウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体から選ばれた蛍光体が好ましく、テルビウム賦活希土類酸硫化物系蛍光体がより好ましい。
・バインダー樹脂14
バインダー樹脂14は特に限定されない。たとえば、バインダー樹脂14は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等である。より具体的には、バインダー樹脂14は、アクリル樹脂、アセタール樹脂、セルロース誘導体、ポリシロキサン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルトルエン、ポリフェニルベンゼン等である。バインダー樹脂14は、併用されてもよい。これらの中でも、バインダー樹脂14は、アクリル樹脂、アセタール樹脂、エポキシ樹脂およびセルロース誘導体のうち少なくともいずれか1種を含有することが好ましく、これら1~3種を主成分として含有することがより好ましい。これにより、シンチレータパネル2は、セル内での光の減衰を抑制でき、発光を充分に取り出しやすい。なお、アクリル樹脂、アセタール樹脂、エポキシ樹脂およびセルロース誘導体のうち少なくともいずれか1種を主成分とするとは、アクリル樹脂、アセタール樹脂、セルロース誘導体の合計量が、樹脂を構成する材料の50~100質量%であることをいう。
バインダー樹脂14は、有機保護層12と接触していることが好ましい。この場合、バインダー樹脂14は、有機保護層12の少なくとも一部に接触していればよい。これにより、シンチレータパネル2は、蛍光体13がセル内から脱落しにくい。なお、バインダー樹脂14は、図1に示されるように、セル内にほぼ空隙なく充填されていてもよく、空隙を有するよう充填されていてもよい。
以上、本実施形態のシンチレータパネル2によれば、高輝度、高鮮鋭度である。
<放射線検出器>
本発明の一実施形態の放射線検出器は、放射線検出器用部材1をケース中に配置することにより作製できる。または、放射線検出器は、市販の放射線検出器のシンチレータを取り外し、代わりに本発明の一実施形態のシンチレータパネル2を配置することにより作製できる。
<シンチレータパネルの製造方法>
本発明の一実施形態のシンチレータパネルの製造方法は、基材上に隔壁を形成し、セルを区画する、隔壁形成工程と、隔壁の表面に金属反射層を形成する、反射層形成工程と、反射層の表面に有機保護層を形成する、有機保護層形成工程と、隔壁で区画されたセル内に蛍光体を充填する、充填工程とを含む。以下、それぞれの工程について説明する。なお、以下の説明において、上記したシンチレータパネルの実施形態において説明した事項と共通する事項は、説明を適宜省略する。
(隔壁形成工程)
隔壁形成工程は、基材上に隔壁を形成する工程である。基材上に隔壁を形成する方法は特に限定されない。隔壁を形成する方法は、各種公知の方法が利用でき、形状の制御が容易である点から、感光性ペースト法であることが好ましい。
ガラスを主成分とする隔壁は、たとえば、基材の表面に、ガラス粉末を含有する感光性ペーストを塗布して塗布膜を得る、塗布工程と、塗布膜を露光および現像して、隔壁の焼成前パターンを得る、パターン形成工程と、パターンを焼成して、隔壁パターンを得る、焼成工程と、により形成できる。
・塗布工程
塗布工程は、基材の表面に、ガラス粉末含有ペーストを全面または部分的に塗布して塗布膜を得る工程である。基材は、ガラス板またはセラミックス板等の高耐熱性の支持体を用いることができる。ガラス粉末含有ペーストを塗布する方法は、たとえば、スクリーン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコーターまたはブレードコーターが挙げられる。得られる塗布膜の厚さは、塗布回数、スクリーンのメッシュサイズまたはペーストの粘度等により調整することができる。
ガラスを主成分とする隔壁を製造するためには、塗布工程で用いるガラス粉末含有ペーストが含有する無機成分の50~100質量%がガラス粉末である必要がある。
ガラス粉末含有ペーストが含有するガラス粉末は、焼成温度で軟化するガラスが好ましく、軟化温度が650℃以下である低軟化点ガラスであることがより好ましい。軟化温度は、示差熱分析装置(たとえば、差動型示差熱天秤TG8120;(株)リガク製)を用いて、サンプルを測定して得られるDTA曲線から、吸熱ピークにおける吸熱終了温度を接線法により外挿して求めることができる。より具体的には、まず、示差熱分析装置を用いて、アルミナ粉末を標準試料として、室温から20℃/分で昇温して、測定サンプルとなる無機粉末を測定し、DTA曲線を得る。そして得られたDTA曲線における第3変曲点を接線法により外挿して求めた軟化点Tsを、軟化温度とすることができる。
低軟化点ガラスを得るためには、ガラスを低軟化点化するために有効な化合物である、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛およびアルカリ金属の酸化物からなる群から選ばれる金属酸化物を用いることができる。アルカリ金属の酸化物を用いて、ガラスの軟化温度を調整することが好ましい。アルカリ金属とは、リチウム、ナトリウムおよびカリウムからなる群から選ばれる金属をいう。
低軟化点ガラスに占めるアルカリ金属酸化物の割合は、2質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。また、低軟化点ガラスに占めるアルカリ金属酸化物の割合は、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。アルカリ金属酸化物の割合が2質量%以上であることにより、軟化温度が適切となり、焼成工程を高温で行う必要が生じにくく、隔壁に欠陥が生じにくい。一方、アルカリ金属酸化物の割合が20質量%以下であることにより、焼成工程においてガラスの粘度が過度に低下しにくく、得られる格子状の焼成後パターンの形状に歪みが生じにくい。
低軟化点ガラスは、高温での粘度を適切に調整するために、酸化亜鉛を3~10質量%含有することが好ましい。低軟化点ガラスに占める酸化亜鉛の割合が3質量%以上であることにより、低軟化点ガラスは、高温での粘度が適切となりやすい。一方、酸化亜鉛の含有量が10質量%以下であることにより、低軟化点ガラスは、製造コストが適切となりやすい。
低軟化点ガラスは、安定性、結晶性、透明性、屈折率または熱膨張特性の調整のため、酸化ケイ素、酸化ホウ素、酸化アルミニウムおよびアルカリ土類金属の酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物を含有することが好ましい。ここでアルカリ土類金属とは、マグネシウム、カルシウム、バリウムおよびストロンチウムからなる群から選ばれる金属をいう。好ましい低軟化点ガラスの組成範囲の一例を、以下に示す。
アルカリ金属酸化物 : 2~20質量%
酸化亜鉛 : 3~10質量%
酸化ケイ素 : 20~40質量%
酸化ホウ素 : 25~40質量%
酸化アルミニウム : 10~30質量%
アルカリ土類金属酸化物 : 5~15質量%。
ガラス粉末を含む無機粉末の粒子径は、粒度分布測定装置、たとえば、MT3300(日機装(株)製)を用いて測定をすることができる。より具体的には、粒子径は、水を満たした粒度分布測定装置の試料室に無機粉末を投入し、300秒間超音波処理を行ってから測定することができる。
低軟化点ガラス粉末の50%体積平均粒子径(以下、「D50」)は、1.0μm以上であることが好ましく、2.0μm以上であることがより好ましい。また、D50は、4.0μm以下であることが好ましく、3.0μm以下であることがより好ましい。D50が1.0μm以上であることにより、ガラス粉末は、凝集しにくく、均一な分散性が得られ、得られるペーストの流動安定性が適切となる。一方、D50が4.0μm以下であることにより、焼成工程で得られる焼成後パターンの表面凹凸が大きくなりにくく、事後的に隔壁が破壊される原因となりにくい。
ガラス粉末含有ペーストは、焼成工程における格子状パターンの収縮率の制御や、最終的に得られる隔壁の形状保持のため、低軟化点ガラス以外に、軟化温度が700℃を超える高軟化点ガラスまたは酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン若しくは酸化ジルコニウム等のセラミックス粒子を、フィラーとして含有しても構わない。無機成分全体に占めるフィラーの割合は、隔壁の平坦性向上のため、2体積%以下であることが好ましい。フィラーのD50は、低軟化点ガラス粉末と同様であることが好ましい。
感光性のガラス粉末含有ペーストは、露光時の光散乱を抑制し、高精度のパターンを形成するため、ガラス粉末の屈折率n1と、有機成分の屈折率n2とが、-0.1 < n1-n2 < 0.1の関係を満たすことが好ましく、-0.01 ≦ n1-n2 ≦ 0.01の関係を満たすことがより好ましく、-0.005 ≦ n1-n2 ≦ 0.005の関係を満たすことがさらに好ましい。なお、ガラス粉末の屈折率は、ガラス粉末が含有する金属酸化物の組成によって、適宜調整することができる。
ガラス粉末の屈折率は、ベッケ線検出法により測定することができる。また、有機成分の屈折率は、有機成分からなる塗膜をエリプソメトリーにより測定することで求めることができる。より具体的には、ガラス粉末または有機成分の、25℃での波長436nm(g線)における屈折率(ng)を、それぞれn1またはn2とすることができる。
感光性のガラス粉末含有ペーストが含有する感光性有機成分は特に限定されない。たとえば、感光性有機成分は、感光性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーが挙げられる。感光性モノマー、感光性オリゴマー、感光性ポリマーは、活性光線の照射により、光架橋または光重合等の反応を起こして化学構造が変化するモノマー、オリゴマー、ポリマーのことをいう。
感光性モノマーは、活性の炭素-炭素不飽和二重結合を有する化合物であることが好ましい。そのような化合物としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基またはアクリルアミド基を有する化合物が挙げられる。感光性モノマーは、光架橋の密度を高め、高精度のパターンを形成するため、多官能アクリレート化合物または多官能メタクリレート化合物であることが好ましい。
感光性オリゴマーまたは感光性ポリマーは、活性の炭素-炭素不飽和二重結合を有し、かつカルボキシル基を有するオリゴマーまたはポリマーであることが好ましい。そのようなオリゴマーまたはポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸若しくはこれらの酸無水物等のカルボキシル基含有モノマー、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニルまたは2-ヒドロキシアクリレートを共重合することにより得られるオリゴマーまたはポリマーである。活性の炭素-炭素不飽和二重結合をオリゴマーまたはポリマーに導入する方法は、たとえば、オリゴマーまたはポリマーが有するメルカプト基、アミノ基、水酸基またはカルボキシル基に対して、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド若しくはアリルクロライド、グリシジル基若しくはイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物またはマレイン酸等のカルボン酸を反応させる方法が挙げられる。
ウレタン結合を有する感光性モノマーまたは感光性オリゴマーを用いることにより、焼成工程の初期における応力を緩和することが可能な、焼成工程においてパターン欠損をしにくいガラス粉末含有ペーストが得られる。感光性のガラス粉末含有ペーストは、必要に応じて、光重合開始剤を含有しても構わない。光重合開始剤とは、活性光線の照射により、ラジカルを発生する化合物をいう。
光重合開始剤は特に限定されない。たとえば、光重合開始剤は、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4,4-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4-ジクロロベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4-メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、チオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジル、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2-t-ブチルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4-アジドベンザルアセトフェノン、2,6-ビス(p-アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6-ビス(p-アジドベンジリデン)-4-メチルシクロヘキサノン、1-フェニル-1,2-ブタジオン-2-(O-メトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(O-エトキシカルボニル)オキシム、1,3-ジフェニルプロパントリオン-2-(O-エトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-3-エトキシプロパントリオン-2-(O-ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-1-プロパノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタノン-1、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N-フェニルチオアクリドン、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、過酸化ベンゾイン若しくはエオシンまたはメチレンブルー等の光還元性の色素とアスコルビン酸若しくはトリエタノールアミン等との還元剤の組合せ等が挙げられる。
感光性のガラス粉末含有ペーストが、感光性ポリマーとしてカルボキシル基を有するポリマーを含有することにより、感光性のガラス粉末含有ペーストは、現像時のアルカリ水溶液への溶解性が向上する。カルボキシル基を有するポリマーの酸価は、50~150mgKOH/gであることが好ましい。酸価が150mgKOH/g以下であることにより、現像マージンが広くなる。一方、酸価が50mgKOH/g以上であることにより、感光性のガラス粉末含有ペーストは、アルカリ水溶液への溶解性が低下せず、高精細のパターンを得ることができる。
感光性のガラス粉末含有ペーストは、各種成分を所定の組成となるように調合した後、3本ローラーまたは混練機で均質に混合分散して得ることができる。
感光性のガラス粉末含有ペーストの粘度は、無機粉末、増粘剤、有機溶媒、重合禁止剤、可塑剤または沈降防止剤等の添加割合によって適宜調整することができる。感光性のガラス粉末含有ペーストの粘度は、2000mPa・s以上であることが好ましく、5000mPa・s以上であることがより好ましい。また、粘度は、200000mPa・s以下であることが好ましく、100000mPa・s以下であることがより好ましい。たとえば、感光性のガラス粉末含有ペーストをスピンコート法で基材に塗布する場合には、粘度は2~5Pa・sであることが好ましく、ブレードコーター法またはダイコーター法で基材に塗布する場合には、10~50Pa・sであることが好ましい。感光性のガラス粉末含有ペーストを1回のスクリーン印刷法で塗布して膜厚10~20μmの塗布膜を得る場合には、粘度は、50~200Pa・sであることが好ましい。
・パターン形成工程
パターン形成工程は、たとえば、塗布工程で得られた塗布膜を、所定の開口部を有するフォトマスクを介して露光する露光工程と、露光後の塗布膜における、現像液に可溶な部分を溶解除去する現像工程と、からなる。
露光工程は、露光により塗布膜の必要な部分を光硬化させて、または、塗布膜の不要な部分を光分解させて、塗布膜の任意の部分を、現像液に可溶とする工程である。現像工程は、露光後の塗布膜における、現像液に可溶な部分を現像液で溶解除去して、必要な部分のみが残存した格子状の焼成前パターンを得る工程である。
露光工程においては、フォトマスクを用いずに、レーザー光等で任意のパターンを直接描画しても構わない。露光装置は、たとえば、プロキシミティ露光機が挙げられる。露光工程で照射する活性光線としては、たとえば、近赤外線、可視光線または紫外線が挙げられ、紫外線が好ましい。またその光源は、たとえば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプまたは殺菌灯が挙げられ、超高圧水銀灯が好ましい。
露光条件は塗布膜の厚さにより異なる。通常、露光は、1~100mW/cm2の出力の超高圧水銀灯を用いて、0.01~30分間露光をする。
現像工程における現像の方法は、たとえば、浸漬法、スプレー法またはブラシ法が挙げられる。現像液は、露光後の塗布膜における不要な部分を溶解することが可能な溶媒を適宜選択すればよい。現像液は、水を主成分とする水溶液が好ましい。たとえば、現像液は、ガラス粉末含有ペーストがカルボキシル基を有するポリマーを含有する場合には、アルカリ水溶液を選択することができる。アルカリ水溶液は、たとえば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムまたは水酸化カルシウム等の無機アルカリ水溶液またはテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン若しくはジエタノールアミン等の有機アルカリ水溶液が挙げられる。これらの中でも、アルカリ水溶液は、焼成工程における除去が容易であることから、有機アルカリ水溶液であることが好ましい。アルカリ水溶液の濃度は、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。また、アルカリ水溶液の濃度は、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。アルカリ水溶液の濃度が0.05質量%以上であることにより、露光後の塗布膜における不要な部分が充分に除去されやすい。一方、アルカリ濃度が5質量%以下であることにより、格子状の焼成前パターンが剥離または腐食しにくい。現像温度は、工程管理を容易にするため、20~50℃であることが好ましい。
露光および現像によるパターン形成を行うには、塗布工程で塗布するガラス粉末含有ペーストが、感光性であることが必要である。すなわち、ガラス粉末含有ペーストが、感光性有機成分を含有する必要がある。感光性のガラス粉末含有ペーストに占める有機成分の割合は、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。また、感光性のガラス粉末含有ペーストに占める有機成分の割合は、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましい。有機成分の割合が30質量%以上であることにより、ペースト中の無機成分の分散性が低下し、焼成工程で欠陥が生じにくくなる。また、ペーストは、粘度が適切となり、塗布性および安定性が優れる。一方、有機成分の割合が80質量%以下であることにより、焼成工程における格子状パターンの収縮率が大きくなりにくく、欠陥が生じにくい。
感光性のガラス粉末含有ペーストが含有するガラス粉末は、焼成工程において有機成分をほぼ完全に除去し、最終的に得られる隔壁の強度を確保するため、軟化温度が480℃以上であることが好ましい。
・焼成工程
焼成工程は、パターン形成工程で得られた格子状の焼成前パターンを焼成して、ガラス粉末含有ペーストが含有する有機成分を分解除去し、ガラス粉末を軟化および焼結させて、格子状の焼成後パターン、すなわち隔壁を得る工程である。
焼成条件は、ガラス粉末含有ペーストの組成や基材の種類により異なる。たとえば、焼成は、空気、窒素または水素雰囲気の焼成炉で実施することができる。焼成炉は、たとえば、バッチ式の焼成炉またはベルト式の連続型焼成炉が挙げられる。焼成の温度は、500℃以上であることが好ましく、550℃以上であることがより好ましい。また、焼成の温度は、1000℃以下であることが好ましく、700℃以下であることがより好ましく、650℃以下であることがさらに好ましい。焼成の温度が500℃以上であることにより、有機成分は、充分に分解除去され得る。一方、焼成温度が1000℃以下であることにより、使用される基材が高耐熱性セラミック板等に限定されない。焼成の時間は、10~60分間が好ましい。
本実施形態のシンチレータパネルの製造方法では、隔壁形成時の基材がシンチレータパネルの基板として用いられてもよく、基材から隔壁を剥離した後、剥離した隔壁を基板上に載置して用いても良い。基材から隔壁を剥離する方法は、基材と隔壁の間に剥離補助層を設ける手法など、公知の手法を用いることができる。
(反射層形成工程)
本実施形態のシンチレータパネルの製造方法は、隔壁の表面に金属反射層を形成する、反射層形成工程を有する。金属反射層は、隔壁表面の少なくとも一部に形成されればよい。
金属反射層の形成方法は特に限定されない。たとえば、金属反射層は、真空蒸着法、スパッタ法若しくはCVD法等の真空製膜法、メッキ法、ペースト塗布法またはスプレーによる噴射法によって形成され得る。これらの中でも、スパッタ法により形成された金属反射層は、他の手法で形成された金属反射層に比べて反射率の均一性や耐食性が高いことから好ましい。
(有機保護層形成工程)
本実施形態のシンチレータパネルの製造方法は、有機保護層を形成する、有機保護層形成工程を有する。有機保護層の形成方法は特に限定されない。後述するとおり、有機保護層は、非晶性フッ素含有樹脂を含有する溶液を隔壁基板上に真空下で塗布した後、乾燥して溶媒を除去することによって形成され得る。また、乾燥後の基板は、耐熱性や耐薬品性を向上させるため、乾燥後に、加熱による硬化または光による硬化がなされても良い。
有機保護層は、非晶性フッ素含有樹脂を主成分とし、フッ素含有樹脂はシンチレータパネルの実施形態において上記した一般式(1)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 0007136188000003
上記一般式(1)中、R1~R4は、水素、ハロゲン、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、水酸基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、シアノ基、アルデヒド基、置換もしくは無置換のエステル基、アシル基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のアミノ基、ニトロ基、または、置換もしくは無置換のエポキシ基を表す。また、R1~R4のうちの2つにより1つの環構造を形成してもよい。ただし、R1~R4のうち、少なくとも1つはフッ素、またはフッ素を有する基である。R1~R4のうち、1つ以上がフッ素であることが好ましく、2つ以上がフッ素であることがより好ましい。これらの基が置換されている場合の置換基としては、たとえば、ハロゲン、アルキル基、アリール基、アルコキシ基などが挙げられる。なお、R1~R4は、それぞれ同じでも異なっていてもよい。
上記一般式(1)において、アルキル基は鎖状でも環状でもよく、その炭素数は1~12が好ましい。アルケニル基の炭素数は1~15が好ましい。アルキニル基の炭素数は1~10が好ましい。アルコキシ基の炭素数は1~10が好ましい。アリール基の炭素数は6~40が好ましい。
上記一般式(1)で表される構造は、飽和環構造を有することが好ましい。飽和環構造を有する非晶性フッ素含有樹脂は、一般式(1)で表される構造が、上記した一般式(2)で表される構造であることが好ましい。
(充填工程)
本実施形態のシンチレータパネルの製造方法は、隔壁で区画されたセル内に蛍光体を充填する、充填工程を有する。蛍光体の充填方法は特に限定されない。たとえば、プロセスが簡便であり、大面積への均質な蛍光体充填が可能であることから、充填方法は、蛍光体粉末およびバインダー樹脂を溶媒に混合した蛍光体ペーストを隔壁基板上に真空下で塗布した後、乾燥して溶媒を除去する方法が好ましい。
以上、本実施形態のシンチレータパネルの製造方法によれば、得られるシンチレータは、高輝度、高鮮鋭度である。
以上、本発明の一実施形態について説明した。本発明は、上記実施形態に格別限定されない。なお、上記した実施形態は、以下の構成を有する発明を主に説明するものである。
(1)基板、前記基板の上に形成された格子状の隔壁、および、前記隔壁によって区画されたセル内に蛍光体層を有し、前記隔壁は、前記隔壁の表面に金属反射層と、非晶性フッ素含有樹脂を主成分とする有機保護層とをこの順に有する、シンチレータパネル。
このような構成によれば、シンチレータパネルは、高輝度、高鮮鋭度となりやすい。
(2)前記非晶性フッ素含有樹脂は、主鎖の原子に直接フッ素原子が結合している、(1)に記載のシンチレータパネル。
このような構成によれば、シンチレータパネルは、金属反射層の腐食を抑制しやすく、より高輝度、高鮮鋭度となりやすい。
(3)前記非晶性フッ素含有樹脂が、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を主成分とする化合物である、(1)または(2)記載のシンチレータパネル。
Figure 0007136188000004
(上記一般式(2)中、Xは酸素を表し、sおよびuはそれぞれ独立に0または1を表し、tは1以上の整数を表す。R5~R8は水素、ハロゲン、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、水酸基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、シアノ基、アルデヒド基、置換もしくは無置換のエステル基、アシル基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のアミノ基、ニトロ基、または、置換もしくは無置換のエポキシ基を表す。)
このような構成によれば、シンチレータパネルは、より高輝度になりやすい。
(4)前記非晶性フッ素含有樹脂は、屈折率が1.41以下である、(1)~(3)のいずれかに記載のシンチレータパネル。
このような構成によれば、シンチレータパネルは、より高輝度になりやすい。
(5)前記金属反射層は、銀を主成分として含む、(1)~(4)のいずれかに記載のシンチレータパネル。
このような構成によれば、シンチレータパネルは、輝度がより向上しやすい。
(6)前記金属反射層は、パラジウムおよび銅のうち少なくともいずれか1種を含む銀合金を含む、(5)記載のシンチレータパネル。
このような構成によれば、シンチレータパネルは、大気中における変色耐性がより優れる。
(7)前記隔壁は、軟化点650℃以下の低軟化点ガラスを98体積%以上含む、(1)~(6)のいずれかに記載のシンチレータパネル。
このような構成によれば、シンチレータパネルは、輝度がより高くなりやすい。
(8)(1)~(7)のいずれかに記載のシンチレータパネルを備える、放射線検出器。
このような構成によれば、高鮮鋭度な放射線検出器が得られる。
(9)基材上に隔壁を形成し、セルを区画する、隔壁形成工程と、前記隔壁の表面に金属反射層を形成する、反射層形成工程と、前記反射層の表面に有機保護層を形成する、有機保護層形成工程と、前記隔壁で区画されたセル内に蛍光体を充填する、充填工程とを含み、前記有機保護層は、非晶性フッ素含有樹脂を主成分として含む、シンチレータパネルの製造方法。
このような構成によれば、得られるシンチレータパネルは、高輝度、高鮮鋭度である。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらに限定されるものではない。
(有機保護層の原料)
有機保護層用樹脂溶液の作製に用いた原料は次の通りである。
フッ素系溶剤:CT-SOLV180(AGC(株)製)
非フッ素系溶剤A:1-メチル-2-ピロリドン(富士フイルム和光純薬(株)製)
非フッ素系溶剤B:デカン(富士フイルム和光純薬(株)製)
非フッ素系溶剤C:γ―ブチロラクトン(富士フイルム和光純薬(株)製)
非晶性フッ素含有樹脂A:CYTOP(登録商標) CTL-809M(サイトップMタイプ(飽和環構造を有し、主鎖の原子に直接結合するフッ素原子を有し、末端にシリル基を有する非晶性フッ素含有樹脂。一般式(2)において、s:1、u:0、t:2、R5~R8:F。)をCT-SOLV180で9質量%に希釈した溶液、AGC(株)製)
非晶性フッ素含有樹脂B:CYTOP(登録商標) CTL-809A(サイトップAタイプ(飽和環構造を有し、主鎖の原子に直接結合するフッ素原子を有し、末端にカルボキシル基を有する非晶性フッ素含有樹脂。一般式(2)において、s:1、u:0、t:2、R5~R8:F。)をCT-SOLV180で9質量%に希釈した溶液、AGC(株)製)
非晶性フッ素含有樹脂C:CYTOP(登録商標) CTX-809SP2(サイトップSタイプ(飽和環構造を有し、主鎖の原子に直接結合するフッ素原子を有し、末端に置換基を有しない非晶性フッ素含有樹脂。一般式(2)において、s:1、u:0、t:2、R5~R8:F。)をCT-SOLV180で9質量%に希釈した溶液、AGC(株)製)
非晶性フッ素含有樹脂D:Hyflon AD60(飽和環構造を有し、主鎖の原子に直接結合するフッ素原子を有し、末端にフッ素置換アルキル基を有する非晶性フッ素含有樹脂。一般式(2)において、s:1、u:1、t:1、R5:OCF3、R6~R8:F。Sigma Aldrich社製。)
非晶性フッ素含有樹脂E:ポリ(2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチルメタクリレート、Sigma Aldrich社製)
非晶性フッ素含有樹脂F:ポリ(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、Sigma Aldrich社製)
結晶性フッ素含有樹脂:807-NX(三井・ケマーズ・フロロプロダクツ(株)製)
非フッ素系樹脂A:SYLGARD184(東レ・ダウコーニング(株)製)
非フッ素系樹脂B:スチレンポリマー(富士フイルム和光純薬(株)製)
非フッ素系樹脂C:メタクリル酸メチルポリマー(富士フイルム和光純薬(株)製)
非フッ素系樹脂D:エトセル(登録商標)7cp(ダウケミカル(株)製)
(有機保護層の形成)
(調製例1)フッ素含有樹脂溶液
非晶性フッ素含有樹脂Aの1質量部に対し、溶媒としてフッ素系溶剤を1質量部混合して樹脂溶液を作製した。
(調製例2)フッ素含有樹脂溶液
非晶性フッ素含有樹脂Bの1質量部に対し、溶媒としてフッ素系溶剤を1質量部混合して樹脂溶液を作製した。
(調製例3)フッ素含有樹脂溶液
非晶性フッ素含有樹脂Cの1質量部に対し、溶媒としてフッ素系溶剤を1質量部混合して樹脂溶液を作製した。
(調製例4)フッ素含有樹脂溶液
非晶性フッ素含有樹脂Dの9質量部に対し、溶媒としてフッ素系溶剤を200質量部攪拌容器に入れ、室温で12時間攪拌して樹脂溶液を作製した。
(調製例5)フッ素含有樹脂溶液
非晶性フッ素含有樹脂Eの5質量部に対し、溶媒として非フッ素系溶剤Aを95質量部混合して樹脂溶液を作製した。
(調製例6)フッ素含有樹脂溶液
非晶性フッ素含有樹脂Fの5質量部に対し、溶媒として非フッ素系溶剤Aを95質量部混合して樹脂溶液を作製した。
(調製例7)フッ素含有樹脂溶液
結晶性フッ素含有樹脂の5質量部に対し、溶媒としてフッ素系溶剤を95質量部混合して混合液を作製した。
(調製例8)非フッ素系樹脂溶液
非フッ素系樹脂Aの5質量部に対し、溶媒として非フッ素系溶剤Bを95質量部混合して樹脂溶液を作製した。
(調製例9)非フッ素系樹脂溶液
非フッ素系樹脂Bの5質量部に対し、溶媒として非フッ素系溶剤Cを95質量部混合して樹脂溶液を作製した。
(調製例10)非フッ素系樹脂溶液
非フッ素系樹脂Cの5質量部に対し、溶媒として非フッ素系溶剤Cを95質量部混合して樹脂溶液を作製した。
(調製例11)非フッ素系樹脂溶液
非フッ素系樹脂Dの5質量部に対し、溶媒として非フッ素系溶剤Cを95質量部混合して樹脂溶液を作製した。
表1に記載の有機保護層は次のように形成した。実施例1~6、比較例1~5について、表1に記載の樹脂溶液を用いた。この樹脂溶液を隔壁基板に真空印刷した後、90℃で1h乾燥し、さらに190℃で1hキュアして有機保護層を形成した。トリプルイオンミリング装置 EM TIC 3X(LEICA社製)を用いて隔壁断面を露出させ、電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)Merlin(Zeiss社製)で撮像して測定した、各隔壁基板における隔壁の高さ方向中央部側面の有機保護層厚みは、1μmであった。比較例6は、有機保護層を形成しないこと以外は、他の比較例と同様の方法でシンチレータパネルを作製した。
(ガラス粉末含有ペーストの原料)
感光性のガラス粉末含有ペーストの作製に用いた原料は次のとおりである。
感光性モノマーM-1 : トリメチロールプロパントリアクリレート
感光性モノマーM-2 : テトラプロピレングリコールジメタクリレート
感光性ポリマー : メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン=40/40/30の質量比からなる共重合体のカルボキシル基に対して0.4当量のグリシジルメタクリレートを付加反応させたもの(重量平均分子量43000;酸価100)
光重合開始剤 : 2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタノン-1(BASF社製)
重合禁止剤 : 1,6-ヘキサンジオール-ビス[(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート])
紫外線吸収剤溶液 : スダンIV(東京応化工業(株)製)のγ-ブチロラクトン0.3質量%溶液
粘度調整剤 : フローノンEC121(共栄社化学(株)製)
溶媒 : γ-ブチロラクトン
低軟化点ガラス粉末:
SiO2 27質量%、B23 31質量%、ZnO 6質量%、Li2O 7質量%、MgO 2質量%、CaO 2質量%、BaO 2質量%、Al23 23質量%、屈折率(ng)1.56、ガラス軟化温度588℃、熱膨張係数70×10-7(K-1)、平均粒子径2.3μm
(ガラス粉末含有ペーストの作製)
ガラス粉末含有ペーストP-1:
4質量部の感光性モノマーM-1、6質量部の感光性モノマーM-2、24質量部の感光性ポリマー、6質量部の光重合開始剤、0.2質量部の重合禁止剤および12.8質量部の紫外線吸収剤溶液を、38質量部の溶媒に、温度80℃で加熱溶解した。得られた溶液を冷却した後、9質量部の粘度調整剤を添加して、有機溶液1を得た。得られた有機溶液1をガラス板に塗布して乾燥することにより得られた有機塗膜の屈折率(ng)は、1.555であった。50質量部の有機溶液1に、50質量部の低軟化点ガラス粉末を添加した後、3本ローラー混練機にて混練し、ガラス粉末含有ペーストP-1を得た。
(隔壁基板の作製)
隔壁基板:
基板として、125mm×125mm×0.7mmのソーダガラス板を用いた。基板の表面に、ガラス粉末含有ペーストP-1を、乾燥後の厚さが220μmになるようにダイコーターで塗布して乾燥し、ガラス粉末含有ペーストの塗布膜を得た。次に、所望のパターンに対応する開口部を有するフォトマスク(ピッチ127μm、線幅15μmの、格子状開口部を有するクロムマスク)を介して、ガラス粉末含有ペーストの塗布膜を、超高圧水銀灯を用いて300mJ/cm2の露光量で露光した。露光後の塗布膜は、0.5質量%のエタノールアミン水溶液中で現像し、未露光部分を除去して、格子状の焼成前パターンを得た。得られた格子状の焼成前パターンを、空気中580℃で15分間焼成して、ガラスを主成分とする、格子状の隔壁を形成した。割断により隔壁断面を露出させ、走査型電子顕微鏡S2400((株)日立製作所製)で撮像して測定した、隔壁の高さL1は150μm、隔壁の間隔L2は127μm、隔壁の底部幅L3は30μm、隔壁の頂部幅L4は10μmであった。
(金属反射層の形成)
市販のスパッタ装置、およびスパッタターゲットを用いた。スパッタ時は、隔壁基板の近傍にガラス平板を配置し、ガラス平板上における金属厚みが300nmとなる条件でスパッタを実施した。スパッタターゲットには、パラジウムおよび銅を含有する銀合金であるAPC((株)フルヤ金属製)を用いた。有機保護層の厚みと同様にして測定した、各隔壁基板における隔壁の高さ方向中央部側面の金属反射層厚みは、70nmであった。
(蛍光体)
市販のGOS:Tb(Tbをドープした酸硫化ガドリニウム)蛍光体粉末をそのまま用いた。粒度分布測定装置MT3300(日機装(株)製)で測定した平均粒子径D50は11μmであった。
(蛍光体層のバインダー樹脂)
蛍光体層のバインダー樹脂の作製に用いた原料は次の通りである。
バインダー樹脂:エトセル(登録商標)7cp(ダウケミカル(株)製)
溶媒:ベンジルアルコール(富士フイルム和光純薬(株)製)
(蛍光体層の形成)
蛍光体粉末10質量部を、濃度10質量%のバインダー樹脂溶液5質量部と混合して、蛍光体ペーストを作製した。この蛍光体ペーストを、反射層、有機保護層等を形成した隔壁基板に真空印刷し、蛍光体の体積分率が65%になるように充填して150℃で15分乾燥し、蛍光体層を形成した。
(有機保護層の屈折率測定)
調製例1~11に記載の各樹脂溶液を、ガラス基板上に塗布し、樹脂塗膜を作製した。作製した樹脂塗膜について、大塚電子(株)製分光エリプソメータFE5000を用いて、22℃での550nmにおける屈折率を測定した。
(反射率の評価)
蛍光体層充填前の各シンチレータパネル表面に、分光測色計CM-2600D(コニカミノルタ(株)製)を設置し、400~700nmにおける反射率をSCI方式により測定した。得られた反射率について、550nmにおける値を金属反射層の反射率の値とした。また、実施例1の反射率に対する相対値を算出し、金属反射層の反射率とした。
(輝度の評価)
蛍光体層充填後の各シンチレータパネルを、X線検出器PaxScan 2520V(Varex社製)のセンサ表面中央に、シンチレータパネルのセルがセンサのピクセルと1対1対応するようにアライメントして配置し、基板端部を粘着テープで固定して、放射線検出器を作製した。この検出器に、X線放射装置L9181-02(浜松ホトニクス(株)製)からのX線を、管電圧50kV、X線管と検出器の距離30cmの条件でX線を照射して画像を取得した。得られた画像中の、シンチレータパネルの発光位置中央における256×256ピクセルのデジタル値の平均値を輝度値とし、各サンプルについて実施例1の輝度値に対する相対値を算出し、輝度とした。
(実施例1~6、比較例1~6)
表1に示す隔壁基板に、表1に示す材料を用いて、前述の方法により金属反射層を形成し、前述の方法により、表1に示す有機保護層を形成した。その後、表1に示すバインダー樹脂を用いて前述の方法により蛍光体層を形成した。各実施例、比較例の構成、および各種評価結果を表1に示す。
Figure 0007136188000005
表1に示されるように、非晶性フッ素含有樹脂を主成分として含有する有機保護層が金属反射層上に形成されている実施例1~6のシンチレータパネルは、反射率、輝度がともに高かった。中でも、一般式(1)または(2)で表される非晶性フッ素含有樹脂を含む有機保護層が設けられた実施例1~4のシンチレータパネルは、輝度が特に高かった。また、非晶性フッ素含有樹脂だが、主鎖の原子に直接フッ素原子が結合していない実施例5~6は、蛍光体充填前のシンチレータパネルの反射率が良好であった。また、実施例5~6のシンチレータパネルは、蛍光体充填工程において、蛍光体ペースト中に含まれる溶媒により、保護層が膨潤、溶解したため、輝度がいくらか低下したが、許容範囲内であった。
一方、比較例1のシンチレータパネルは、結晶性フッ素含有樹脂が溶媒に溶解せず、有機保護層の形成が不可能であった。非晶性フッ素含有樹脂を保護層として有さない比較例2~5のシンチレータパネルは、反射率、輝度ともに不適であった。比較例2のシンチレータパネルは、金属反射層の腐食の抑制が不充分であり、輝度が不適であった。また、比較例3~5のシンチレータパネルは、保護層の屈折率、耐溶剤性が不充分であり、反射率、輝度がどちらも不適であった。比較例6のシンチレータパネルは、保護層を有していないため、蛍光体充填時に蛍光体ペースト中に含まれる成分により、金属反射層の腐食が生じ、輝度が不適であった。
以上の結果より、本発明のシンチレータパネルは、高輝度、高鮮鋭度なシンチレータパネルを提供できることが明らかである。
1 放射線検出器用部材
2 シンチレータパネル
3 出力基板
4 基板
5 隔壁
6 蛍光体層
7 隔膜層
8 光電変換層
9 出力層
10 基板
11 金属反射層
12 有機保護層
13 蛍光体
14 バインダー樹脂
L1 隔壁の高さ
L2 隣接する隔壁の間隔
L3 隔壁の底部幅
L4 隔壁の頂部幅

Claims (9)

  1. 基板、前記基板の上に形成された格子状の隔壁、および、前記隔壁によって区画されたセル内に蛍光体層を有し、
    前記隔壁は、前記隔壁の表面に金属反射層と、非晶性フッ素含有樹脂を主成分とする有機保護層とをこの順に有し、
    前記蛍光体層に含まれる蛍光体は、希土類酸硫化物系蛍光体である、シンチレータパネル。
  2. 前記非晶性フッ素含有樹脂は、主鎖の原子に直接フッ素原子が結合している、請求項1記載のシンチレータパネル。
  3. 前記非晶性フッ素含有樹脂が、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を主成分とする化合物である請求項1または2記載のシンチレータパネル。
    Figure 0007136188000006
    (上記一般式(2)中、Xは酸素を表し、sおよびuはそれぞれ独立に0または1を表し、tは1以上の整数を表す。R5~R8は水素、ハロゲン、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、水酸基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基、シアノ基、アルデヒド基、置換もしくは無置換のエステル基、アシル基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のアミノ基、ニトロ基、または、置換もしくは無置換のエポキシ基を表す。)
  4. 前記非晶性フッ素含有樹脂は、屈折率が1.41以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
  5. 前記金属反射層は、銀を主成分として含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
  6. 前記金属反射層は、パラジウムおよび銅のうち少なくともいずれか1種を含む銀合金を含む、請求項5記載のシンチレータパネル。
  7. 前記隔壁は、軟化点650℃以下の低軟化点ガラスを98体積%以上含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載のシンチレータパネルを備える、放射線検出器。
  9. 基材上に隔壁を形成し、セルを区画する、隔壁形成工程と、
    前記隔壁の表面に金属反射層を形成する、反射層形成工程と、
    前記反射層の表面に有機保護層を形成する、有機保護層形成工程と、
    前記隔壁で区画されたセル内に蛍光体を充填する、充填工程とを含み、
    前記有機保護層は、非晶性フッ素含有樹脂を主成分として含み、
    前記蛍光体は、希土類酸硫化物系蛍光体である、シンチレータパネルの製造方法。
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