JP2016017818A - シンチレータパネル、放射線検出器及び非破壊検査方法 - Google Patents

シンチレータパネル、放射線検出器及び非破壊検査方法 Download PDF

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貴広 谷野
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Abstract

【課題】散乱X線による影響を排除し、鮮鋭度の高い画像を得ることが可能な、シンチレータパネルを提供する。【解決手段】基板4、該基板4上に載置された隔壁5、及び、該隔壁5により区画されたセル内に充填された蛍光体層6a,6bからなり、上記蛍光体層6a,6bが、組成及び/又は厚さが異なる複数の態様からなるシンチレータパネル。【選択図】図1

Description

本発明は、シンチレータパネル、放射線検出器及び非破壊検査方法に関する。
近年、建造から長期間が経過した高速道路等の建造物すなわち大型構造物において、その老朽化による信頼性低下が問題化している。その補修は急務といえるが、予めその内部構造等を把握しておく必要があることから、使用されたコンクリート等の破壊を伴うことのない、非破壊検査方法の重要性が増しつつある。
非破壊検査方法としては超音波探傷法又はX線透過試験が挙げられるが、中でもX線透過試験は、コンクリート等からなる大型構造物に高エネルギーのX線を照射し、大型構造物を透過したX線をフラットパネルディテクターで検出して、透過X線の強度に応じた透過像を得る方法である(特許文献1)。
特開平10−197456号公報
しかしながら、大型構造物をはじめとする検査対象物にX線を照射すると、検査対象物内でX線が散乱し、この散乱したX線(以下、「散乱X線」)がそのままシンチレータパネルに照射されると、得られる透過像すなわち画像の鮮鋭度が低下してしまうことが知られていた。中でも、大型構造物に高エネルギーのX線を照射すると、大型構造物内で散乱しなかったX線(以下、「直進X線」)と、散乱X線とがシンチレータパネルに照射されるが、散乱X線のエネルギーの方が蛍光体の発光により適した範囲となることから、本来検出すべき高エネルギーの直進X線による発光光、すなわちシンチレーション光が、散乱X線によるシンチレーション光のノイズで埋もれてしまい、透過像が得られないことが問題視されてきた。
そこで本発明は、散乱X線による影響を排除し、鮮鋭度の高い画像を得ることが可能な、シンチレータパネルを提供することを目的とする。
この課題は次の技術手段の何れかによって達成される。
(1) 基板、該基板上に載置された隔壁、及び、該隔壁により区画されたセル内に充填された蛍光体層からなり、上記蛍光体層が、組成及び/又は厚さが異なる複数の態様からなる、シンチレータパネル。
(2) X線吸収率が最大の上記蛍光体層におけるX線吸収率をP、X線吸収率が最小の上記蛍光体層におけるX線吸収率をQ、としたときに、P/Q≧1.5の関係を満たす、上記(1)に記載のシンチレータパネル。
(3) 上記隔壁が格子状であり、互いに隣接する上記セル間で、上記蛍光体層の態様が異なる部位を有する、上記(1)又は(2)に記載のシンチレータパネル。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかに記載のシンチレータパネルを具備する、放射線検出器。
(5) 検査対象物にX線を照射する、照射工程と、検査対象物を透過したX線を、上記(4)に記載の放射線検出器で検出する、検出工程と、を備える、非破壊検査方法。
(6) 上記X線は、加速電圧500kV以上のX線源から照射されるX線である、上記(5)に記載の非破壊検査方法。
本発明のシンチレータパネルによれば、X線透過試験において、散乱X線による影響を排除することができ、鮮鋭度が顕著に向上した画像を得ることが可能となる。
本発明のシンチレータパネルを具備する放射線検出器の構成を、模式的に表した断面図である。 本発明のシンチレータパネルの構成を、模式的に表した斜視図である。 本発明のシンチレータパネルの構成を、模式的に表した断面図である。
以下、図を用いて本発明のシンチレータパネルの具体的な構成について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
図1は、本発明のシンチレータパネルを具備する放射線検出器の構成を、模式的に表した断面図である。放射線検出器1は、シンチレータパネル2、出力基板3及び電源部11からなる。シンチレータパネル2は、蛍光体層6a(及び6b)を有し、蛍光体層6a(及び6b)は入射したX線のエネルギーを吸収して、波長が300〜800nmの範囲の電磁波、すなわち、可視光線を中心に、紫外光から赤外光にわたる範囲の電磁波(光)であるシンチレーション光を放射する。
シンチレータパネル2は、基板4と、その上に区画された空間すなわちセルを形成するための隔壁5と、隔壁5で区画された空間内に充填された蛍光体層6a(及び6b)と、隔壁5の表面と蛍光体層6a(又は6b)との間に形成されたX線吸収層12と、反射層13と、から構成される。
出力基板3は、基板10上に、光電変換素子とTFTとからなる画素が2次元状に形成された、光電変換層8及び出力層9を有する。シンチレータパネル2の出光面と、出力基板3の光電変換層8とを、ポリイミド樹脂等からなる隔膜層7を介して、接着又は密着させることで、放射線検出器1が得られる。蛍光体層6a(及び6b)で発光した光が光電変換層8に到達すると、光電変換層8で光電変換が行われ、出力層9を通じて電気信号が出力される。本発明のシンチレータパネルは各セルを隔壁が区画しているので、格子状に配置された光電変換素子の画素の大きさ及びピッチと、シンチレータパネルのセルの大きさ及びピッチとを一致させることにより、光電変換素子の各画素と、シンチレータパネルの各セルとを対応づけることができる。
本発明のシンチレータパネルは、基板、該基板上に載置された隔壁、及び、該隔壁により区画されたセル内に充填された蛍光体層からなり、上記蛍光体層が、組成及び/又は厚さが異なる複数の態様からなることを特徴とする。
基板とは、隔壁を載置する対象となる、平板状の支持体をいう。基板の材質としては、例えば、高分子、半導体、金属、セラミック又はガラスが挙げられる。高分子化合物としては、例えば、ポリエステル、セルロースアセテート、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート又は炭素繊維強化樹脂が挙げられる。半導体としては、例えば、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐又はガリウム窒素が挙げられる。金属としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、鉛、タングステン又はモリブデンが挙げられる。セラミックとしては、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ムライト又はステアタイトが挙げられる。ガラスとしては、例えば、石英、ホウ珪酸ガラス又は化学的強化ガラスが挙げられる。
大型構造物に高エネルギーのX線を照射する場合、散乱X線を選択的に吸収し、直進X線を選択的に透過するものが好ましい。より具体的には、厚さ5〜20mmの鉛と同等のX線吸収特性を示す基板が好ましい。
基板の反射率は、90%以上であることが好ましい。反射率が90%以上であると、シンチレータパネルの輝度が向上する。反射率が90%以上である基板としては、例えば、液晶ディスプレイにおいて反射板として用いられている白色PETフイルムが挙げられる。ここで反射率とは、分光測色計(例えば、CM−2600d;コニカミノルタ社製)を用いて測定された、波長530nmのSCI反射率をいう。基板の選択的な散乱X線吸収と、反射率とを両立させるため、厚さ5〜20mmの鉛と同等のX線吸収特性を示す基板上に、白色PETフイルムを積層することも好ましい。
図3は、本発明のシンチレータパネルの構成を、模式的に表した断面図である。
隔壁5の高さL1は、0.1〜50mmが好ましく、1〜20mmがより好ましい。L1が50mmを超えると、直進X線が蛍光体層内で散乱し、得られる画像の鮮鋭性が低下する場合がある。一方で、L1が0.1mm未満であると、高エネルギーの直進X線を十分にシンチレーション光に変換できず、シンチレータパネルの輝度が低下する場合がある。
隣接する隔壁の間隔L2は、0.05〜5mmが好ましい。L2が0.05mm未満であると、セル内への蛍光体層の形成が困難になり易い。一方で、L2が5mmを超えると、得られる画像の鮮鋭性が低下する場合がある。
隔壁の底部幅L3は、0.005〜0.3mmが好ましい。L3が0.005mm未満であると、パターンの欠陥が生じ易くなる。一方で、L3が0.3mmを超えると、蛍光体層の体積が不十分となるため、シンチレータパネルの輝度が低下する場合がある。
隔壁の頂部幅L4は、0.005〜0.2mmが好ましい。L4が0.005mm未満であると、隔壁の強度が低下し、パターンの欠陥が生じ易くなる。一方で、L4が0.2mmを超えると、蛍光体層からシンチレーション光を取り出せる面積が狭くなり、シンチレータパネルの輝度が低下する場合がある。
L1〜L4は、基板に対して垂直なシンチレータパネルの断面を、クロスセクションポリッシャー等の研磨装置により露出させ、走査型電子顕微鏡(例えば、S2400;日立製作所製)で断面を観察し、測定することができる。ここで、隔壁と基板との接触部における隔壁の幅を、L3とする。また、隔壁の最頂部の幅を、L4とする。
隔壁は、その強度に加えて、X線の吸収率、光の反射率を高めるため、無機物からなることが好ましい。ここで無機物とは、単純な一部の炭素化合物(グラファイト又はダイヤモンド等炭素の同素体等)及び炭素以外の元素で構成される化合物をいう。なお、「無機物からなる」とは、厳密な意味で無機物以外の成分の存在を排除するものではなく、原料となる無機物自体が含有する不純物や、隔壁の製造の過程において混入する不純物程度の無機物以外の成分の存在は、許容される。隔壁の原料となる無機物としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、鉛、タングステン若しくはモリブデン等の金属、酸化チタン若しくは酸化アルミニウム等の金属酸化物又はホウケイ酸ガラス等のガラスが挙げられる。
隔壁の空隙率は、25%以下であることが好ましい。空隙率が25%を超えると、隔壁の強度が不十分となる場合がある。隔壁の空隙率は、基板に対して垂直な隔壁の断面の画像を、走査型電子顕微鏡で撮影し、隔壁の固体部分と空隙部分とを2値化により区別し、空隙部分の比率を画像解析で求めて測定することができる。
本発明のシンチレータパネルは、隔壁により区画されたセル内に充填された蛍光体層が、組成及び/又は厚さが異なる複数の態様からなる。このような構成とすることにより、蛍光体層が、X線吸収率が異なる、複数の態様の蛍光体層からなる、シンチレータパネルが得られる。ここでX線吸収率とは、1MeVのX線についての各蛍光体層の吸収率をいい、各蛍光体層の組成及び厚さに基づいて、放射線シミュレーションプログラムであるEGS5を用いて算出することができる。
蛍光体としては、例えば、CsI、CsBr、BaF、BaFI、BaFBr、GOS(GdS)、GSO(GdSiO)、BGO(BiGe12)、LSO(LuSiO)、LuAP(LuAlO)、PbWO又はCaWOが挙げられる。発光効率を高めるため、蛍光体に賦活剤を添加しても構わない。蛍光体に添加する賦活剤としては、例えば、インジウム(In)、タリウム(Tl)、リチウム(Li)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、ナトリウム(Na)、テルビウム(Tb)、ユーロピウム(Eu)又はプラセオジム(Pr)が挙げられる。
組成及び/又は厚さが異なる複数の態様からなる蛍光体層を形成する方法としては、例えば、隔壁により区画されたセル内に、パターン化されたメタルマスクを介して、特定のセルにのみ蛍光体ペーストを真空印刷する方法を、複数種の蛍光体ペーストを用いて繰り返す方法が挙げられる。
隔壁を形成する方法としては、例えば、機械加工、フォトリソグラフィー又は3Dプリンタによる形成が挙げられるが、高強度の隔壁を高精細に形成できることから、感光性ペーストを用いてフォトリソグラフィー又は3Dプリンタで隔壁を形成することが好ましい。中でも、大面積の加工が容易であり、タクトタイムが短く、さらに製造コストが安価であることから、感光性ガラスペーストを用いてフォトリソグラフィーでガラスを主成分とする隔壁を形成することが好ましい。
ガラスを主成分とする隔壁は、例えば、基板の表面に、ガラス粉末を含有する感光性ペーストを塗布して塗布膜を得る、塗布工程と、塗布膜を露光及び現像して、隔壁の焼成前パターンを得る、パターン形成工程と、パターンを焼成して、隔壁パターンを得る、焼成工程と、により形成できる。ガラスを主成分とする隔壁を製造するためには、塗布工程で用いるガラス粉末含有ペーストが含有する無機成分の50〜100質量%がガラス粉末である必要がある。
ガラス粉末含有ペーストが含有するガラス粉末は、焼成温度で軟化するガラスが好ましく、軟化温度が700℃以下である、低軟化点ガラスがより好ましい。
軟化温度は、示差熱分析装置(例えば、差動型示差熱天秤TG8120;株式会社リガク製)を用いて、サンプルを測定して得られるDTA曲線から、吸熱ピークにおける吸熱終了温度を接線法により外挿して求めることができる。より具体的には、まず、示差熱分析装置を用いて、アルミナ粉末を標準試料として、室温から20℃/分で昇温して、測定サンプルとなる無機粉末を測定し、DTA曲線を得る。そして得られたDTA曲線より、吸熱ピークにおける吸熱終了温度を接線法により外挿して求めた軟化点Tsを、軟化温度とすることができる。
低軟化点ガラスを得るためには、ガラスを低軟化点化するために有効な化合物である、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛及びアルカリ金属の酸化物からなる群から選ばれる金属酸化物を用いることができるが、アルカリ金属の酸化物を用いて、ガラスの軟化温度を調整することが好ましい。ここでアルカリ金属とは、リチウム、ナトリウム及びカリウムからなる群から選ばれる金属をいう。
低軟化点ガラスに占めるアルカリ金属酸化物の割合は、2〜20質量%であることが好ましい。アルカリ金属酸化物の割合が2質量%未満であると、軟化温度が高くなり、焼成工程を高温で行う必要が生じてしまい、隔壁に欠陥が生じ易い。一方で、アルカリ金属酸化物の割合が20質量%を超えると、焼成工程においてガラスの粘度が過度に低下し、得られる格子状の焼成後パターンの形状に歪みが生じ易い。
また低軟化点ガラスは、高温での粘度を至適なものとするために、酸化亜鉛を3〜10質量%含有することが好ましい。低軟化点ガラスに占める酸化亜鉛の割合が3質量%未満であると、高温での粘度が高くなる。一方で、酸化亜鉛の含有量が10質量%を超えると、低軟化点ガラスの製造コストが高くなる。
さらに低軟化点ガラスは、安定性、結晶性、透明性、屈折率又は熱膨張特性の調整のため、酸化ケイ素、酸化ホウ素、酸化アルミニウム及びアルカリ土類金属の酸化物からなる群から選ばれる金属酸化物を含有することが好ましい。ここでアルカリ土類金属とは、マグネシウム、カルシウム、バリウム及びストロンチウムからなる群から選ばれる金属をいう。好ましい低軟化点ガラスの組成範囲の一例を、以下に示す。
アルカリ金属酸化物 : 2〜20質量%
酸化亜鉛 : 3〜10質量%
酸化ケイ素 : 20〜40質量%
酸化ホウ素 : 25〜40質量%
酸化アルミニウム : 10〜30質量%
アルカリ土類金属酸化物 : 5〜15質量%
ガラス粉末を含む無機粉末の粒子径は、粒度分布測定装置(例えば、MT3300;日機装株式会社製)を用いて測定をすることができる。より具体的には、水を満たした粒度分布測定装置の試料室に無機粉末を投入し、300秒間超音波処理を行ってから測定をすることができる。
低軟化点ガラス粉末の50%体積平均粒子径(以下、「D50」)は、1.0〜4.0μmであることが好ましい。D50が1.0μm未満であると、ガラス粉末が凝集し、均一な分散性が得られなくなって、ペーストの流動安定性が低下する。一方で、D50が4.0μmを超えると、焼成工程で得られる焼成後パターンの表面凹凸が大きくなり、事後的に隔壁が破壊される原因となり易い。
ガラス粉末含有ペーストは、焼成工程における格子状パターンの収縮率の制御や、最終的に得られる隔壁の形状保持のため、低軟化点ガラス以外に、軟化温度が700℃を超える高軟化点ガラス又は酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン若しくは酸化ジルコニウム等のセラミックス粒子を、フィラーとして含有しても構わない。無機成分全体に占めるフィラーの割合は、ガラス粉末の焼結が阻害されることによる隔壁の強度低下を防ぐため、50質量%以下であることが好ましい。フィラーのD50は、低軟化点ガラス粉末と同様であることが好ましい。
塗布工程は、基板の表面に、ガラス粉末含有ペーストを全面又は部分的に塗布して塗布膜を得る工程である。基板としては、ガラス板又はセラミックス板等の高耐熱性の支持体を用いることができる。ガラス粉末含有ペーストを塗布する方法としては、例えば、スクリーン印刷法、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター又はブレードコーターが挙げられる。得られる塗布膜の厚さは、塗布回数、スクリーンのメッシュサイズ又はペーストの粘度等により調整することができる。
パターン形成工程は、例えば、塗布工程で得られた塗布膜を、所定の開口部を有するフォトマスクを介して露光する露光工程と、露光後の塗布膜における、現像液に可溶な部分を溶解除去する現像工程と、から構成することができる。
露光工程は、露光により塗布膜の必要な部分を光硬化させて、又は、塗布膜の不要な部分を光分解させて、塗布膜の任意の部分を、現像液に可溶とする工程である。現像工程は、露光後の塗布膜における、現像液に可溶な部分を現像液で溶解除去して、必要な部分のみが残存した格子状の焼成前パターンを得る工程である。
露光工程においてはフォトマスクを用いずに、レーザー光等で任意のパターンを直接描画しても構わない。露光装置としては、例えば、プロキシミティ露光機が挙げられる。露光工程で照射する活性光線としては、例えば、近赤外線、可視光線又は紫外線が挙げられるが、紫外線が好ましい。またその光源としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ又は殺菌灯が挙げられるが、超高圧水銀灯が好ましい。露光条件は塗布膜の厚さにより異なるが、1〜100mW/cmの出力の超高圧水銀灯を用いて、0.01〜30分間露光をすることが通常である。
現像工程における現像の方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法又はブラシ法が挙げられる。現像液としては、露光後の塗布膜における不要な部分を溶解することが可能な溶媒を適宜選択すればよいが、水を主成分とする水溶液が好ましい。例えば、ガラス粉末含有ペーストがカルボキシル基を有するポリマーを含有する場合には、現像液としてアルカリ水溶液を選択することができる。アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム又は水酸化カルシウム等の無機アルカリ水溶液又はテトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン若しくはジエタノールアミン等の有機アルカリ水溶液が挙げられるが、焼成工程における除去が容易であることから、有機アルカリ水溶液が好ましい。アルカリ水溶液の濃度は、0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。アルカリ濃度が0.05質量%未満であると、露光後の塗布膜における不要な部分が十分に除去されない場合がある。一方で、アルカリ濃度が5質量%を超えると、格子状の焼成前パターンの剥離又は腐食のおそれがある。現像温度は、工程管理を容易にするため、20〜50℃が好ましい。
露光及び現像によるパターン形成を行うには、塗布工程で塗布するガラス粉末含有ペーストが、感光性であることが必要である。すなわち、ガラス粉末含有ペーストが、感光性有機成分を含有する必要がある。感光性のガラス粉末含有ペーストに占める有機成分の割合は、30〜80質量%であることが好ましく、40〜70質量%であることがより好ましい。有機成分が30質量%未満であると、ペースト中の無機成分の分散性が低下し、焼成工程で欠陥が生じ易くなるばかりでなく、ペースト粘度が高くなって塗布性が低下し、さらにペーストの安定性も低下し易い。一方で、有機成分が80質量%を超えると、焼成工程における格子状パターンの収縮率が大きくなって、欠陥が生じ易くなる。
感光性のガラス粉末含有ペーストが含有するガラス粉末は、焼成工程において有機成分をほぼ完全に除去し、最終的に得られる隔壁の強度を確保するため、軟化温度が480℃以上であることが好ましい。軟化温度が480℃未満であると、焼成工程において有機成分が十分に除去される前にガラス粉末が軟化してしまい、焼結後のガラス中に有機成分が残存し、隔壁の着色を誘発してシンチレータパネルの輝度を低下させる等の懸念がある。
感光性のガラス粉末含有ペーストにおいては、露光時の光散乱を抑制し、高精度のパターンを形成するため、ガラス粉末の屈折率n1と、有機成分の屈折率n2とが、−0.1 < n1−n2 < 0.1の関係を満たすことが好ましく、−0.01 ≦ n1−n2 ≦ 0.01の関係を満たすことがより好ましく、−0.005 ≦ n1−n2 ≦ 0.005の関係を満たすことがさらに好ましい。なお、ガラス粉末の屈折率は、ガラス粉末が含有する金属酸化物の組成によって、適宜調整することができる。
ガラス粉末の屈折率は、ベッケ線検出法により測定することができる。また、有機成分の屈折率は、有機成分からなる塗膜をエリプソメトリーにより測定することで求めることができる。より具体的には、ガラス粉末又は有機成分の、25℃での波長436nm(g線)における屈折率(ng)を、それぞれn1又はn2とすることができる。
感光性のガラス粉末含有ペーストが含有する感光性有機成分としては、例えば、感光性モノマー、感光性オリゴマー又は感光性ポリマーが挙げられる。ここで感光性モノマー、感光性オリゴマー又は感光性ポリマーとは、活性光線の照射により、光架橋又は光重合等の反応を起こして化学構造が変化するモノマー、オリゴマー又はポリマーをいう。
感光性モノマーとしては、活性の炭素−炭素不飽和二重結合を有する化合物が好ましい。そのような化合物としては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基又はアクリルアミド基を有する化合物が挙げられるが、光架橋の密度を高め、高精度のパターンを形成するため、多官能アクリレート化合物又は多官能メタクリレート化合物が好ましい。
感光性オリゴマー又は感光性ポリマーとしては、活性の炭素−炭素不飽和二重結合を有し、かつカルボキシル基を有するオリゴマー又はポリマーが好ましい。そのようなオリゴマー又はポリマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸若しくはこれらの酸無水物等のカルボキシル基含有モノマー、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル又は2−ヒドロキシアクリレートを共重合することにより得られる。活性の炭素−炭素不飽和二重結合をオリゴマー又はポリマーに導入する方法としては、例えば、オリゴマー又はポリマーが有するメルカプト基、アミノ基、水酸基又はカルボキシル基に対して、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド若しくはアリルクロライド、グリシジル基若しくはイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物又はマレイン酸等のカルボン酸を反応させる方法が挙げられる。
ウレタン結合を有する感光性モノマー又は感光性オリゴマーを用いることにより、焼成工程の初期における応力を緩和することが可能な、焼成工程においてパターン欠損をしにくいガラス粉末含有ペーストを得ることができる。
感光性のガラス粉末含有ペーストは、必要に応じて、光重合開始剤を含有しても構わない。ここで光重合開始剤とは、活性光線の照射により、ラジカルを発生する化合物をいう。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジル、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、1−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(O−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(O−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホルフィン、過酸化ベンゾイン若しくはエオシン又はメチレンブルー等の光還元性の色素とアスコルビン酸若しくはトリエタノールアミン等との還元剤の組合せが挙げられる。
感光性のガラス粉末含有ペーストが、感光性ポリマーとしてカルボキシル基を有するポリマーを含有することにより、現像時のアルカリ水溶液への溶解性が向上する。カルボキシル基を有するポリマーの酸価は、50〜150mgKOH/gが好ましい。酸価が150mgKOH/g以下であると、現像マージンが広くなる。一方で、酸価が50mgKOH/g以上であると、アルカリ水溶液への溶解性が低下せず、高精細のパターンを得ることができる。
感光性のガラス粉末含有ペーストは、各種成分を所定の組成となるように調合した後、3本ローラー又は混練機で均質に混合分散して得ることができる。
感光性のガラス粉末含有ペーストの粘度は、無機粉末、増粘剤、有機溶媒、重合禁止剤、可塑剤又は沈降防止剤等の添加割合によって適宜調整することができるが、その範囲は2〜200Pa・sが好ましい。例えば、感光性のガラス粉末含有ペーストをスピンコート法で基板に塗布する場合には、2〜5Pa・sの粘度が好ましく、ブレードコーター法又はダイコーター法で基板に塗布する場合には、10〜50Pa・sの粘度が好ましい。感光性のガラス粉末含有ペーストを1回のスクリーン印刷法で塗布して膜厚10〜20μmの塗布膜を得る場合には、50〜200Pa・sの粘度が好ましい。
焼成工程は、パターン形成工程で得られた格子状の焼成前パターンを焼成して、ガラス粉末含有ペーストが含有する有機成分を分解除去し、ガラス粉末を軟化及び焼結させて、格子状の焼成後パターンすなわち隔壁を得る工程である。焼成条件はガラス粉末含有ペーストの組成や基板の種類により異なるが、例えば、空気、窒素又は水素雰囲気の焼成炉で焼成することができる。焼成炉としては、例えば、バッチ式の焼成炉又はベルト式の連続型焼成炉が挙げられる。焼成の温度は、500〜1000℃が好ましく、500〜800℃がより好ましく、500〜700℃がさらに好ましい。焼成の温度が500℃未満であると、有機成分の分解除去が不十分となる。一方で、焼成温度が1000℃を超えると、用いることが可能な基板が高耐熱性セラミック板等に限定されてしまう。焼成の時間は、10〜60分間が好ましい。
本発明の放射線検出器は、本発明のシンチレータパネルを具備することを特徴とする。また本発明の非破壊検査方法は、検査対象物にX線を照射する、照射工程と、検査対象物を透過したX線を、本発明の放射線検出器で検出する、検出工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の非破壊検査方法は、大型構造物を検査対象物とする場合において特に好適に用いられ、大型構造物の内部構造等を、非破壊ながら高い精度で検査することができる。ここで大型構造物とは、その最小幅が20cm以上であり、かつ、500keVのエネルギーを有するX線の透過率が、JIS A5308で規定されるレディミクストコンクリートである普通18−8−20−Nの硬化物の、厚さ20cmの部位における透過率よりも小さい物体をいう。
検査対象物が大型構造物である場合には、高エネルギーのX線の発生効率をより高めるため、X線は加速電圧500kV以上のX線源から照射されることが好ましく、加速電圧1MV以上のX線源から照射されることがより好ましく、加速電圧2MV以上のX線源から照射されることがさらに好ましい。
本発明の非破壊検査方法が備える照射工程と検出工程とは、同時に開始/終了をしても構わないし、それらのタイミングが前後しても構わない。より具体的には、例えば、高エネルギーのX線を予め照射しておき、一定時間後に検出工程を開始しても構わない。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(ガラス粉末含有ペーストの原料)
感光性のガラス粉末含有ペーストの作製に用いた原料は次のとおりである。
感光性モノマーM−1 : トリメチロールプロパントリアクリレート
感光性モノマーM−2 : テトラプロピレングリコールジメタクリレート
感光性ポリマー : メタクリル酸/メタクリル酸メチル/スチレン=40/40/30の質量比からなる共重合体のカルボキシル基に対して0.4当量のグリシジルメタクリレートを付加反応させたもの(重量平均分子量43000;酸価100)
光重合開始剤 : 2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(IC369;BASF社製)
重合禁止剤 : 1,6−ヘキサンジオール−ビス[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])
紫外線吸収剤溶液 : スダンIV(東京応化工業株式会社製)のγ−ブチロラクトン0.3質量%溶液
粘度調整剤 : フローノンEC121(共栄社化学社製)
溶媒 : γ−ブチロラクトン
低軟化点ガラス粉末:
SiO 27質量%、B 31質量%、ZnO 6質量%、LiO 7質量%、MgO 2質量%、CaO 2質量%、BaO 2質量%、Al 23質量%、屈折率(ng)1.56、ガラス軟化温度588℃、熱膨張係数70×10−7(K−1)、平均粒子径2.3μm
高軟化点ガラス粉末:
SiO 30質量%、B 31質量%、ZnO 6質量%、MgO 2質量%、CaO 2質量%、BaO 2質量%、Al 27質量%、屈折率(ng)1.55、軟化温度790℃、熱膨張係数32×10−7(K−1)、平均粒子径2.3μm
(ガラス粉末含有ペーストの作製)
4質量部の感光性モノマーM−1、6質量部の感光性モノマーM−2、24質量部の感光性ポリマー、6質量部の光重合開始剤、0.2質量部の重合禁止剤及び12.8質量部の紫外線吸収剤溶液を、38質量部の溶媒に、温度80℃で加熱溶解した。得られた溶液を冷却した後、9質量部の粘度調整剤を添加して、有機溶液1を得た。得られた有機溶液1をガラス板に塗布して乾燥することにより得られた有機塗膜の屈折率(ng)は、1.555であった。
50質量部の有機溶液1に、40質量部の低軟化点ガラス粉末及び10質量部の高軟化点ガラス粉末を添加した後、3本ローラー混練機にて混練し、ガラス粉末含有ペーストを得た。
(蛍光体ペーストの原料)
蛍光体 : 平均粒子径10μmの、テルビウムをドープした酸硫化ガドリニウム
バインダー1 : 7cpエトセル(登録商標)(一般名:エチルセルロース;日進化成製)
バインダー2 : 100cpエトセル(登録商標)(一般名:エチルセルロース;日進化成製)
溶媒 : テルピネオール
(蛍光体ペーストの作製)
85質量部の蛍光体、3質量部のバインダー1及び12質量部の溶媒を撹拌し、蛍光体ペースト1を得た。また、20質量部の蛍光体、10質量部のバインダー2及び65質量部の溶媒を撹拌し、蛍光体ペースト2を得た。
(隔壁の形成)
基板として、125mm×125mm×0.7mmのソーダガラス板を用いた。基板の表面に、ガラス粉末含有ペーストを、乾燥後の厚さが1.5mmになるようにダイコーターで塗布して乾燥し、ガラス粉末含有ペーストの塗布膜を得た。次に、所望のパターンに対応する開口部を有するフォトマスク(ピッチ0.25mm、開口幅0.03mmの、格子状開口部を有するクロムマスク)を介して、ガラス粉末含有ペーストの塗布膜を、超高圧水銀灯を用いて1000mJ/cmの露光量で露光した。露光後の塗布膜は、0.5質量%のエタノールアミン水溶液中で現像し、未露光部分を除去して、格子状の焼成前パターンを得た。得られた格子状の焼成前パターンを、空気中585℃で15分間焼成して、ガラスを主成分とする、格子状の隔壁を形成した。隔壁の空隙率は2.5%、隔壁の高さL1は1mm、隔壁の間隔L2は0.25mm、隔壁の底部幅L3は0.05mm、隔壁の頂部幅L4は0.03mmであった。
(実施例1)
格子状の隔壁を形成した基板を真空印刷機にセットし、その上に、0.02mm四方の開口部がピッチ0.25mmの市松模様状に配列されたメタルマスクを配置し、メタルマスクの開口部と、隔壁により区画されたセルの開口部と、が一致するようにアライメントを行った後、蛍光体ペースト1を印刷し、対象セル内に蛍光体ペースト1をフル充填した。次に、メタルマスクを0.25mmシフトし、同様にアライメントを行なった後、蛍光体ペースト2を印刷し、対象セル内に蛍光体ペースト2をフル充填した。その後、150℃で乾燥して、互いに隣接するセル間で、蛍光体層の組成が異なる、シンチレータパネル1を得た。
得られたシンチレータパネル1を、0.25mmピッチの解像度を有する出力基板にアライメントしてから貼り合わせ、放射線検出器1を得た。放射線検出器1を用いて、厚さ30cmの鉄筋コンクリートに対し、加速電圧1MVのX線源からのX線を照射した場合のX線透過検査を行った。高エネルギーのX線すなわち直進X線の強度のみを求める演算を行って透過像を構築したところ、鮮鋭度が極めて高い画像が得られた。
(比較例1)
基板として、125mm×125mm×0.7mmのソーダガラス板を用いた。基板の表面に、蛍光体ペースト1を乾燥後の厚さが1mmになるようにダイコーターで塗布して乾燥し、シンチレータパネル2を得た。得られたシンチレータパネル2を、0.25mmピッチの解像度を有する出力基板にアライメントしてから貼り合わせ、放射線検出器2を得た。放射線検出器2を用いて、厚さ30cmの鉄筋コンクリートに対し、加速電圧1MVのX線源からのX線を照射した場合のX線透過検査を行った。得られた画像は、非常に鮮鋭度が低いものであった。
以上の結果より、本発明のシンチレータパネルが、非破壊検査における画像の鮮鋭度の顕著な向上に資することは明らかである。
1 放射線検出器
2 シンチレータパネル
3 出力基板
4 基板
5 隔壁
6a 厚さが薄い蛍光体層
6b 厚さが厚い蛍光体層
7 隔膜層
8 光電変換層
9 出力層
10 基板
11 電源部
12 反射層
本発明は、医療診断装置又は非破壊検査機器等に用いられる放射線検出器を構成する、シンチレータパネルとして有用に利用できる。

Claims (6)

  1. 基板、該基板上に載置された隔壁、及び、該隔壁により区画されたセル内に充填された蛍光体層からなり、前記蛍光体層が、組成及び/又は厚さが異なる複数の態様からなる、シンチレータパネル。
  2. X線吸収率が最大の前記蛍光体層におけるX線吸収率をP、
    X線吸収率が最小の前記蛍光体層におけるX線吸収率をQ、としたときに、
    P/Q≧1.5の関係を満たす、請求項1記載のシンチレータパネル。
  3. 前記隔壁が格子状であり、互いに隣接する前記セル間で、前記蛍光体層の態様が異なる部位を有する、請求項1又は2記載のシンチレータパネル。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項記載のシンチレータパネルを具備する、放射線検出器。
  5. 検査対象物にX線を照射する、照射工程と、
    検査対象物を透過したX線を、請求項4記載の放射線検出器で検出する、検出工程と、を備える、非破壊検査方法。
  6. 前記X線は、加速電圧500kV以上のX線源から照射されるX線である、請求項5記載の非破壊検査方法。
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