以下、一実施例を説明する。
まず、図1及び図2に基づいてフィーダセット作業台11の構成を説明する。
フィーダセット作業台11のベース台12の上面には、テープフィーダ13を載置するフィーダ載置テーブル14が設けられている。このフィーダ載置テーブル14の上面には、テープフィーダ13を縦置き支持するための断面逆T字溝形のガイド溝15が設けられ、テープフィーダ13の下面側に設けられた断面逆T字形のガイドレール(図示せず)を手前側からガイド溝15に差し込むことで、フィーダ載置テーブル14上にテープフィーダ13が縦置き状態に支持される。更に、テープフィーダ13の先端面の位置決めピン20がフィーダ載置テーブル14の位置決め穴21に差し込まれることで、フィーダ載置テーブル14上でテープフィーダ13のセット位置が位置決めされると共に、テープフィーダ13の先端面のコネクタ22がフィーダ載置テーブル14のコネクタ18に差し込み接続されることで、テープフィーダ13に電源が供給される。これにより、作業者がテープフィーダ13のテープ送り操作部を操作することで、テープフィーダ13にセットしたテープリール23から部品供給テープ24を引き出して部品吸着位置へピッチ送りできるようになっている。このフィーダセット作業台11のコネクタ18は、後述するコンピュータ31に接続されており、テープフィーダ13のコネクタ22をフィーダセット作業台11のコネクタ18に差し込み接続することで、後述するコンピュータ31がテープフィーダ13の制御部41と相互に通信可能な状態になる。
フィーダセット作業台11は、そのフィーダ載置テーブル14に載置したテープフィーダ13にセットされた部品供給テープ24の部品吸着位置の部品収容部分(部品供給テープ24のカバーテープが剥離されて部品が露出した部分)やテープフィーダ13上端面の基準マークをその上方から撮像するカメラ25を備えている。フィーダセット作業台11には、カメラ25をXY方向(前後左右方向)に移動させるXYスライド26が設けられ、このXYスライド26にカメラ25が下向きに支持されている。このXYスライド26は、送りねじ機構等により構成され、そのXY移動量を作業者が手動操作するようにしても良いし、モータで駆動するようにしても良い。
カメラ25で撮像した画像は、コンピュータ31(図5参照)に転送される。このコンピュータ31は、受信した画像を処理して、テープフィーダ13への部品供給テープ24のセット状態を確認したり、テープフィーダ13の上端面の基準マークの位置を画像認識してテープフィーダ13の調整状態の良否を判定する。図5に示すように、コンピュータ31には、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置32と、各種情報を表示する表示装置33と、各種プログラムやデータを記憶するハードディスク装置等の記憶装置34と、テープリール23に貼着されたバーコードラベル35(部品識別情報記録部)のバーコードを読み取るバーコードリーダ36(部品識別情報読取部)等が接続されている。
テープリール23のバーコードラベル35には、そのテープリール23に巻回された部品供給テープ24の部品の種類を識別する部品識別情報(以下「部品ID」と表記する)がバーコードで記録されている。部品IDの記録方法は、バーコードに限定されず、2次元コード等で記録しても良い。或は、部品IDのデータを記憶した電子タグ(RFタグ、ICタグ、電波タグ、無線タグとも呼ばれる)を用いても良い。電子タグを用いる場合は、電子タグと通信可能なリーダを部品識別情報読取部として用いれば良い。バーコードリーダ36等の部品識別情報読取部で読み取った部品IDは、コンピュータ31に転送される。コンピュータ31は、受信した部品IDに基づいてテープリール23に巻回された部品供給テープ24の部品の種類を認識する。
図3及び図4に示すように、テープフィーダ13の上面側部分のうち、部品供給テープ24が通るテープ通路42の底面部には、該部品供給テープ24を支持するサポートプレート43が交換可能(取替え可能)に取り付けられている。このサポートプレート43をテープ通路42の底面部に交換可能に取り付ける手段は、ねじ、係合手段、クランプ機構等のいずれであっても良い。サポートプレート43は、鉄等の磁性材料又は樹脂等の非磁性材料で形成され、その下面側には部品供給テープ24の部品に対して磁気吸引力を作用させるマグネット44が設けられている。テープフィーダ13は、部品供給テープ24の部品に対する磁気吸引力等の磁気的な特性が異なる複数のサポートプレートの中からサポートプレートを選択して交換可能に取り付けるように構成されている。更に、テープフィーダ13には、部品供給テープ24の部品に対して磁気吸引力を作用させないサポートプレート(つまりマグネット44が無いサポートプレート)も取り付け可能となっている。
テープフィーダ13には、サポートプレート43の種類に応じて異なる信号を出力するセンサ部46が設けられている。このセンサ部46は、例えば複数の赤外線反射検出方式の赤外線センサ46a~46cを用いてサポートプレート43の種類を検出するように構成されている。具体的には、サポートプレート43のうちの複数の赤外線センサ46a~46cと対向する部分に、各赤外線センサ46a~46cから照射された赤外線を反射する赤外線反射部47又は赤外線を反射しない赤外線非反射部48が設けられている。赤外線反射部47と対向する赤外線センサ(図3の例では46a,46c)は、赤外線反射部47で反射された赤外線を検出することで赤外線反射部47を検出する。一方、赤外線非反射部48と対向する赤外線センサ(図3の例では46b)は、照射した赤外線が外線非反射部48で反射されないため、赤外線非反射部48を検出しない。
サポートプレート43に設ける赤外線反射部47と赤外線非反射部48との組み合わせは、サポートプレート43の種類によって変更されている。これにより、複数の赤外線センサ46a~46cが検出する赤外線反射部47の個数と位置(つまり赤外線反射部47と赤外線非反射部48との組み合わせ)によってサポートプレート43の種類を検出できるようになっている。テープフィーダ13の制御部41は、サポートプレート43の種類に応じて異なるセンサ部46の出力信号(複数の赤外線センサ46a~46cの出力信号)をコンピュータ31に転送する。
尚、センサ部46は、赤外線センサ46a~46cに代えて、光電センサ、近接センサ、磁気センサ等の非接触式センサを用いても良い。光電センサや近接センサを用いる場合は、赤外線センサ46a~46cの場合と同様に構成すれば良い。また、磁気センサを用いる場合は、サポートプレート43(マグネット44)から生じる磁界を磁気センサで検出して、検出した磁界の強さによってサポートプレート43の種類を検出するようにすれば良い。或は、非接触式センサに代えて、マイクロスイッチ等のスイッチ類や、接触式変位センサ等の接触式センサを用いても良い。例えば、複数のマイクロスイッチ等のスイッチをテープフィーダ13に設けて、サポートプレート43の種類に応じて、サポートプレート43と接触してオンするスイッチの個数と位置(オンするスイッチの組み合わせ)が変更されるように構成し、オンするスイッチの個数と位置によってサポートプレート43の種類を検出するようにしても良い。また、接触式変位センサを用いる場合は、サポートプレート43の種類に応じて、サポートプレート43と接触する接触式変位センサの検出変位量が変更されるように構成し、接触式変位センサの検出変位量によってサポートプレート43の種類を検出するようにしても良い。
コンピュータ31の記憶装置34には、サポートプレート43の種類と部品供給テープ24の部品の種類との適正な組み合わせのデータを集積したデータベースが格納されている。コンピュータ31は、後述する図6及び図7のサポートプレート種/部品種組み合わせ確認プログラムを実行することで、テープフィーダ13の制御部41から転送されてくるセンサ部46の出力信号に基づいてテープフィーダ13に取り付けられているサポートプレート43の種類を認識するサポートプレート種情報取得部として機能すると共に、作業者がバーコードリーダ36で読み取った部品IDを取り込んでテープリール23に巻回された部品供給テープ24の部品の種類を認識する部品種情報取得部として機能する。更に、コンピュータ31は、認識したサポートプレート43の種類と部品供給テープ24の部品の種類との組み合わせが適正であるか否かをデータベースを参照して判定する組み合わせ判定部として機能すると共に、その判定結果に応じたメッセージを表示装置33に表示したり、音声装置(図示せず)で音声で知らせる判定結果出力部としても機能する。或は、作業者が携帯する携帯端末に判定結果に応じたメッセージを表示したり、携帯端末から音声で作業者に知らせるようにしても良い。
以上説明した本実施例のサポートプレート43の種類と部品供給テープ24の部品の種類との組み合わせの適否の判定は、コンピュータ31によって図6及び図7のサポートプレート種/部品種組み合わせ確認プログラムに従って実行される。以下、図6及び図7のサポートプレート種/部品種組み合わせ確認プログラムの処理内容を説明する。
コンピュータ31は、図6及び図7のサポートプレート種/部品種組み合わせ確認プログラムを起動すると、まず、ステップ101で、作業者がテープフィーダ13をフィーダセット作業台11にセットしたか否かを、テープフィーダ13のコネクタ22がフィーダセット作業台11のコネクタ18に差し込み接続されてコンピュータ31がテープフィーダ13の制御部41と通信可能な状態になったか否かによって判定する。まだ、テープフィーダ13がフィーダセット作業台11にセットされていなければ、作業者がテープフィーダ13をフィーダセット作業台11にセットするまで待機する。
その後、作業者がテープフィーダ13をフィーダセット作業台11にセットしてコンピュータ31がテープフィーダ13の制御部41と通信可能な状態になった時点で、ステップ102に進み、テープフィーダ13の制御部41から転送されてくるセンサ部46の出力信号を取り込んで、テープフィーダ13に取り付けられているサポートプレート43の種類を認識する。
この後、ステップ103に進み、作業者がテープフィーダ13にセットしようとするテープリール23のバーコードラベル35から部品IDのバーコードをバーコードリーダ36で読み取ったか否か(つまりバーコードリーダ36からテープリール23の部品IDの読み取り情報がコンピュータ31に転送されてきたか否か)を判定し、まだ、部品IDのバーコードがバーコードリーダ36で読み取られていなければ、作業者がバーコードリーダ36でテープリール23の部品IDのバーコードを読み取るまで待機する。その後、作業者がバーコードリーダ36でテープリール23の部品IDのバーコードを読み取った時点で、ステップ104に進み、バーコードリーダ36で読み取ったテープリール23の部品IDをコンピュータ31に取り込んで、テープリール23に巻回された部品供給テープ24の部品の種類を認識する。
尚、上述したステップ101→102の処理(サポートプレート43の種類を認識する処理)と、ステップ103→104の処理(部品供給テープ24の部品の種類を認識する処理)を行う順序を逆にして、先に部品供給テープ24の部品の種類を認識してからサポートプレート43の種類を認識するようにしても良い。
以上のようにして、サポートプレート43の種類と部品供給テープ24の部品の種類を認識した後、ステップ105に進み、記憶装置34に格納されているサポートプレート43の種類と部品供給テープ24の部品の種類との適正な組み合わせのデータを集積したデータベースを参照して、上記ステップ102と104で認識したサポートプレート43の種類と部品供給テープ24の部品の種類との組み合わせの適否を判定する。その結果、図7のステップ106で、組み合わせが適正であると判定すれば、ステップ110に進み、テープフィーダ13への部品供給テープ24のセットを促すメッセージを表示装置33や携帯端末に表示したり、音声で作業者に知らせる。
これに対し、上記ステップ106で、サポートプレート43の種類と部品供給テープ24の部品の種類との組み合わせが適正でない(つまり間違っている)と判定すれば、ステップ107に進み、テープフィーダ13に取り付けられているサポートプレート43の交換を促すメッセージを表示装置33や携帯端末に表示したり、音声で作業者に知らせる。
その後、ステップ108に進み、センサ部46の出力信号が変化したか否かで、テープフィーダ13に取り付けられているサポートプレート43が交換されたか否かを判定し、センサ部46の出力信号が変化するまで待機する。その後、センサ部46の出力信号が変化した時点で、テープフィーダ13に取り付けられているサポートプレート43が交換されたと判断して、ステップ109に進み、センサ部46の出力信号からテープフィーダ13に取り付けられているサポートプレート43の種類を認識する。この後、上述した図6のステップ105に戻り、サポートプレート43の種類と部品供給テープ24の部品の種類との組み合わせの適否を再度判定する。以後、上述したステップ106以降の処理を再度行い、最終的に、ステップ106で、サポートプレート43の種類と部品供給テープ24の部品の種類との組み合わせが適正と判定された段階で、ステップ110に進み、テープフィーダ13への部品供給テープ24のセットを促すメッセージを表示装置33や携帯端末に表示したり、音声で作業者に知らせる。
尚、図6及び図7のサポートプレート種/部品種組み合わせ確認プログラムでは、作業者がテープリール23(部品供給テープ24)をテープフィーダ13にセットする前に、テープリール23の部品IDのバーコードをバーコードリーダ36で読み取るようにしたが、作業者がテープリール23をテープフィーダ13にセットした後にテープリール23の部品IDのバーコードをバーコードリーダ36で読み取るようにしても良い。この場合、テープフィーダ13をフィーダセット作業台11にセットする前に、テープフィーダ13にセットされているテープリール23の部品IDのバーコードをバーコードリーダ36で読み取るようにしても良いし、テープフィーダ13をフィーダセット作業台11にセットした後に、テープフィーダ13にセットされているテープリール23の部品IDのバーコードをバーコードリーダ36で読み取るようにしても良い。
以上説明した本実施例によれば、テープフィーダ13に取り付けられているサポートプレート43の種類の情報をセンサ部46の出力信号によって取得すると共に、部品供給テープ24の部品の種類の情報をバーコードリーダ36によって取得して、サポートプレート43の種類と部品供給テープ24の部品の種類との組み合わせの適否を判定し、その組み合わせの適否の判定結果に応じたメッセージを表示装置33や携帯端末に表示したり、音声で作業者に知らせるようにしたので、作業者は、表示や音声によって組み合わせの適否の判定結果に応じたメッセージを受け取ることができる。これにより、作業者が間違った組み合わせに気付かずに生産を開始してしまう人為ミスを未然に防止できて、人為ミスによる吸着ノズルの部品吸着ミスや斜め吸着等の異常吸着を未然に防止できると共に、磁気に弱い部品をサポートプレート43の磁気で損傷してしまうことを未然に防止できる。
尚、本実施例では、テープフィーダ13に取り付けられているサポートプレート43の種類をセンサ部46によって検出するようにしたが、例えば、サポートプレート43の上面のうちの露出する部分に、サポートプレート43の種類を識別するサポートプレート識別情報が記録又は記憶されたサポートプレート識別情報記録部を設けると共に、そのサポートプレート識別情報記録部からサポートプレート識別情報を読み取るサポートプレート識別情報読取部を備え、このサポートプレート識別情報読取部で読み取ったサポートプレート識別情報をコンピュータ31に転送するようにしても良い。この場合、サポートプレート識別情報読取部は、例えばリーダを用いても良いし、フィーダセット作業台11のカメラ25でサポートプレート識別情報記録部を撮像して、その画像を処理することでサポートプレート識別情報を読み取るようにしても良い。
また、本実施例では、テープフィーダ13に取り付けたサポートプレート43を交換できるようにしたが、サポートプレート43を交換できないテープフィーダについても、本実施例と同様に、サポートプレート43の種類と部品供給テープ24の部品の種類との組み合わせの適否を判定するようにしても良い。この場合、サポートプレート43の種類と部品供給テープ24の部品の種類との組み合わせが間違っていると判定された場合には、作業者はテープフィーダを交換するようにすれば良い。サポートプレート43を交換できないテープフィーダの場合は、テープフィーダを識別するフィーダ識別情報にサポートプレート識別情報を含ませてテープフィーダの制御部の不揮発性メモリに記憶しておき、テープフィーダをフィーダセット作業台11にセットしたときに、コンピュータ31がテープフィーダの制御部からサポートプレート識別情報を含むフィーダ識別情報を読み込んでサポートプレートの種類の情報を取得するようにすれば良い。
また、本実施例では、サポートプレート43の種類と部品供給テープ24の部品の種類との組み合わせの適否の判定結果に応じたメッセージとして、テープフィーダ13への部品供給テープ24のセットを促すメッセージや、サポートプレート43の交換を促すメッセージを表示装置33等に表示するようにしたが、例えば、組み合わせの適否の判定結果をそのままメッセージとして表示装置33等に表示するようにしても良い等、組み合わせの適否の判定結果に応じたメッセージは、種々変更可能である。
その他、本発明は、上記実施例に限定されず、例えば、サポートプレート43の構成を変更したり、フィーダセット作業台11の構成を変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更しても良いことは言うまでもない。