JP7134241B2 - 鍵盤装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鍵盤装置に関し、特に、製品コストを低減できる鍵盤装置に関する。
支持部材にヒンジを介して鍵を連結することにより、鍵の基端側をヒンジによって揺動自在に支持する鍵盤装置が知られている。例えば、特許文献1には、規制壁を有し鍵支持部(支持部材)に固定される規制壁部材と、被規制壁を有し白鍵に固定される被規制壁部材と備え、それら規制壁部材の規制壁と被規制壁部材の被規制壁とが鍵の幅方向で微小な間隔を隔てて配設される鍵盤装置が記載されている。この鍵盤装置によれば、押鍵時に鍵がローリングしようとする(鍵が長手方向軸周りに捩じれる)場合に、被規制壁を規制壁に接触させることができるので、鍵がローリングすることを抑制できる。
特開2008-076720号公報(例えば、段落0030、図1,2)
しかしながら、上述した従来の技術では、鍵の揺動を案内する部材(規制壁部材や被規制壁部材)を別途設けることで鍵のローリングを規制する構成であるため、鍵の支持構造が複雑化し、鍵盤装置の製品コストが増大するという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、製品コストを低減できる鍵盤装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために本発明の鍵盤装置は、支持部材に支持される複数の鍵と、前記支持部材に連結され前記鍵の幅方向で所定間隔を隔てる一対の基部、及び、それら一対の基部および前記鍵を前記鍵の長手方向で接続する接続部を有する複数のヒンジと、を備え、前記鍵の幅方向における前記基部の寸法よりも、前記鍵の長手方向における前記接続部の寸法が大きく設定され、複数の前記鍵は、複数の白鍵を備え、複数の前記ヒンジは、第1のヒンジと、その第1のヒンジよりも上方側で前記支持部材に連結される第2のヒンジと、から少なくとも構成され、前記白鍵のローリングに対する前記第1のヒンジの剛性は、前記第2のヒンジよりも高く設定される。
本発明の鍵盤装置は、支持部材に支持される複数の鍵と、前記支持部材に連結され前記鍵の幅方向で所定間隔を隔てる一対の基部、及び、それら一対の基部および前記鍵を前記鍵の長手方向で接続する接続部を有する複数のヒンジと、を備え、前記鍵の幅方向における前記基部の寸法よりも、前記鍵の長手方向における前記接続部の寸法が大きく設定され、複数の前記鍵は、第1の白鍵と、その第1の白鍵よりも前記鍵の幅方向において前記ヒンジの中央から偏心した位置に接続される第2の白鍵と、から少なくとも構成され、前記白鍵のローリングに対する前記ヒンジの剛性は、前記第1の白鍵が接続される前記ヒンジよりも前記第2の白鍵が接続される前記ヒンジにおいて高く設定される。
本発明の鍵盤装置は、支持部材に支持される複数の鍵と、前記支持部材に連結され前記鍵の幅方向で所定間隔を隔てる一対の基部、及び、それら一対の基部および前記鍵を前記鍵の長手方向で接続する接続部を有する複数のヒンジと、を備え、前記鍵の幅方向における前記基部の寸法よりも、前記鍵の長手方向における前記接続部の寸法が大きく設定され、複数の前記鍵は、基端が前記ヒンジに接続され前記鍵の長手方向に延びる幅狭部と、その幅狭部の先端に接続され前記鍵の幅方向における寸法が前記幅狭部よりも大きく設定される幅広部と、を有する複数の白鍵を備え、複数の前記白鍵は、第3の白鍵と、その第3の白鍵よりも前記鍵の幅方向において前記幅狭部の中央から偏心した位置に前記幅広部が接続される第4の白鍵と、から少なくとも構成され、前記白鍵のローリングに対する前記ヒンジの剛性は、前記第3の白鍵が接続される前記ヒンジよりも前記第4の白鍵が接続される前記ヒンジにおいて高く設定される。
第1実施形態における鍵盤装置の上面図である。 鍵盤装置の分解斜視図である。 下段ユニット、中段ユニット、及び、上段ユニットの上面図である。 (a)は、下段ユニットに中段ユニットを重ねた状態を示す鍵ユニットの上面図であり、(b)は、下段ユニット、中段ユニット、及び、上段ユニットをそれぞれ重ねた状態を示す鍵ユニットの上面図である。 図4(b)の矢印V方向視における鍵ユニットの部分拡大側面図である。 (a)は、第2実施形態における下段ユニットの上面図であり、(b)は、中段ユニットの上面図である。
以下、好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、鍵盤装置1の全体構成について説明する。図1は、第1実施形態における鍵盤装置1の上面図である。なお、図1では、図面を簡素化するために、鍵盤装置1の構成の一部を省略し、模式的に図示している。
図1に示すように、鍵盤装置1は、複数(本実施形態では、88個)の鍵2と、それら複数の鍵2の周囲を取り囲むパネル3と、を備える鍵盤楽器(電子ピアノ)として構成される。鍵2は、幹音を演奏するための複数(本実施形態では、52個)の白鍵10と、派生音を演奏するための複数(本実施形態では、36個)の黒鍵20と、から構成され、それら複数の白鍵10及び黒鍵20が左右方向(鍵2の幅方向)に並べて設けられる。
白鍵10は、その基端側から前方側に延びる幅狭部11と、その幅狭部11の先端に接続され幅狭部11よりも左右方向寸法が大きく設定される幅広部12と、を備える。黒鍵20は、白鍵10の幅狭部11どうしの間に配設される。
なお、以下の説明において、白鍵10を音名(C、D、E、F、G、A、B)に応じて個別に特定する場合には、対応する音名を付して(例えば、Cの音名に対応する白鍵10は、「白鍵10C」として)説明する。また、黒鍵20も同様に、音名(C#、D#、F#、G#、A#)に応じて個別に特定する場合には、対応する音名を付して(例えば、C#の音名に対応する黒鍵20は、「黒鍵20C」として)説明する。
パネル3は、正面パネル3aと、その正面パネル3aと前後方向(図1の上下方向)で対向配置される背面パネル3bと、正面パネル3a及び背面パネル3bの左右方向端部どうしを接続する一対の端パネル3cとを備え、それら正面パネル3a、背面パネル3b、及び、一対の端パネル3cによって白鍵10及び黒鍵20が取り囲まれる。
背面パネル3bの上面(図1の紙面手前側の面)には、例えば、LEDや液晶ディスプレイなどから形成され各種の状態を表示するための表示装置、ボリューム調整やモード変更などを行うための複数の操作子などが配設される(いずれも図示せず)。また、背面パネル3bの背面には、例えば、電源スイッチ、MIDI信号やオーディオ信号を入出力するための複数のジャックなどが配設される(いずれも図示せず)。
また、鍵盤装置1は、演奏者の操作(押鍵または離鍵)による白鍵10及び黒鍵20の揺動によってオン/オフされるスイッチ(図示せず)を備え、演奏者によって白鍵10又は黒鍵20が押鍵されると、かかるスイッチがオン/オフされる。このスイッチのオン/オフ動作によって白鍵10及び黒鍵20の押鍵情報(ノート情報)が検出され、その検出結果に基づく楽音信号が外部に出力される。
次いで、図2を参照して、鍵盤装置1の詳細構成について説明する。図2は、鍵盤装置1の分解斜視図である。なお、図2では、図面を簡素化すために、鍵盤装置1の構成の一部を省略し、模式的に図示している。
図2に示すように、鍵盤装置1は、合成樹脂や鋼板等を用いて形成されるシャーシ30と、そのシャーシ30に固定される鍵ユニット100と、を備える。鍵ユニット100は、鍵盤装置1の複数の白鍵10及び黒鍵20のうち、1オクターブを構成する白鍵10及び黒鍵20をユニット化したものである。即ち、鍵ユニット100を左右方向に複数並べてシャーシ30に支持させることで鍵盤装置1が構成される。
鍵ユニット100は、シャーシ30に固定される下段ユニット110と、その下段ユニット110に重ねられる中段ユニット120と、その中段ユニット120に重ねられる上段ユニット130と、を備える。
下段ユニット110は、複数の白鍵10を(本実施形態では、4つの音名の白鍵10C,10E,10G,10Bを1音名置きに)支持するユニットである。下段ユニット110は、複数の白鍵10の基端にそれぞれ接続され平板状に形成される複数の下段ヒンジ111と、その下段ヒンジ111を介して白鍵10を揺動自在に支持する下段支持部材112と、を備え、それら白鍵10、下段ヒンジ111、及び、下段支持部材112が樹脂材料を用いて一体的に形成される。
中段ユニット120は、複数の白鍵10を(本実施形態では、3つの音名の白鍵10D,10F,10Aを1音名置きに)支持するユニットである。中段ユニット120は、複数の白鍵10の基端にそれぞれ接続され平板状に形成される複数の中段ヒンジ121と、その中段ヒンジ121を介して白鍵10を揺動自在に支持する中段支持部材122と、を備え、それら白鍵10、中段ヒンジ121、及び、中段支持部材122が樹脂材料を用いて一体的に形成される。
上段ユニット130は、1オクターブを構成する黒鍵20(黒鍵20C,20D,20F,20G,20A)のそれぞれを支持するユニットである。上段ユニット130は、複数の黒鍵20の基端にそれぞれ接続され平板状に形成される複数の上段ヒンジ131と、その上段ヒンジ131を介して黒鍵20を揺動自在に支持する上段支持部材132と、を備え、それら黒鍵20、上段ヒンジ131、及び、上段支持部材132が樹脂材料を用いて一体的に形成される。
なお、以下の説明において、下段ユニット110、中段ユニット120、及び、上段ユニット130を「各ユニット110,120,130」と省略して記載し、そのユニットを構成するヒンジや支持部材についても同様に(例えば、各ヒンジ111,121,131と省略して)記載する。
各支持部材112,122,132は、それぞれシャーシ30の左右方向に延びるように設けられる。下段支持部材112の上面に中段支持部材122が嵌め込まれ、中段支持部材122の上面に上段支持部材132が嵌め込まれ、各支持部材112,122,132をねじ(図示せず)によって締結固定することにより、鍵ユニット100が構成される。これにより、複数の白鍵10及び黒鍵20は、それぞれ高さ位置の異なる各ヒンジ111,121,131に揺動自在に支持される。
よって、例えば、下段ヒンジ111に接続される白鍵10の押鍵時には、主に下段ヒンジ111の左右方向(白鍵10の幅方向)における軸Oa周りに白鍵10が回転するが、押鍵される方向(角度)によっては、前後方向(白鍵10の長手方向)における軸Ob周りに白鍵10が回転しようとする。また、中段ヒンジ121に接続される白鍵10や、上段ヒンジ131に接続される黒鍵20も同様に、押鍵の方向によっては、前後方向軸周りに回転しようとする。この「前後方向軸周りの白鍵10及び黒鍵20の回転」を、以下の説明においては単に「ローリング」と記載して説明する。
この場合、例えば、白鍵10及び黒鍵20の押鍵に伴う揺動(回転)を案内するためのガイド機構を設ける構成であれば、白鍵10及び黒鍵20の軸Oa周りの回転をガイド機構によって案内できることに加え、ローリング(軸Ob周りの回転)も抑制することができる。ガイド機構とは、例えば、下面側に開口を有する箱状に白鍵10及び黒鍵20を形成し、その白鍵10及び黒鍵20の下面側の開口部分に摺動可能なガイドポスト(ブッシュを有するもの)をシャーシ30に設ける機構である。
しかしながら、そのようなガイド機構を設けると、ローリングを抑制できる一方で、白鍵10及び黒鍵20の形状が複雑化することや、シャーシ30にガイドポストを設ける必要があり、鍵盤装置1の製品コストが増大する。更に、白鍵10及び黒鍵20とガイドポストとの摺動部分にグリスを塗る必要があり、鍵盤装置1のメンテナンスに手間を要する。
これに対して本実施形態では、かかるガイド機構が省略されているため、鍵盤装置1の製品コストを抑制しつつ、メンテナンスを容易にできる。一方、ガイド機構が省略されることでローリングが生じやすくなるものの、そのローリングに対するヒンジの剛性を高めることでローリングを抑制している。このヒンジの剛性について、図3を参照して説明する。
図3は、下段ユニット110、中段ユニット120、及び、上段ユニット130の上面図である。なお、図3では、図面を簡素化するために、各ユニット110,120,130の構成の一部を省略し、模式的に図示している。
図3(a)に示すように、下段ユニット110の下段ヒンジ111は、基端が下段支持部材112に連結され左右方向で所定間隔を隔てて設けられる一対の基部111aと、それら一対の基部111aを白鍵10に接続する接続部111bと、を備える。基部111a及び接続部111bは、それぞれ上面視において略矩形状に形成され、一対の基部111aは、それぞれ上面視において略同一の形状に形成される。
また、中段ユニット120及び上段ユニット130の中段ヒンジ121及び上段ヒンジ131も同様に、前後方向における接続部121b,131bの寸法が異なる点を除き、下段ヒンジ111の基部111aや接続部111bと同様の構成の基部121a,131aや接続部121b,131bを備えている。よって、各ヒンジ111,121,131には、上面視において各支持部材112,122,132と、基部111a,121a,131a及び接続部111b,121b,131bとによって取り囲まれる略矩形状の貫通孔が形成される。
なお、前後方向や左右方向における各ヒンジ111,121,131の寸法(ヒンジ全体としての寸法)はそれぞれ略同一の寸法に設定されている。なお、「略同一」とは、製造工程・材料・測定のばらつきを許容する主旨である。具体的には、「略同一」とは、±10%の範囲と定義し、以下の説明においても同様とする。
下段ヒンジ111は、接続部111bの前後方向(白鍵10の長手方向)寸法L1が基部111aの左右方向(白鍵10の幅方向)寸法L2よりも大きく設定され、中段ヒンジ121は、接続部121bの前後方向寸法L3が基部121aの左右方向寸法L4よりも大きく設定される。また、上段ヒンジ131は、接続部131bの前後方向寸法L5が基部131aの左右方向寸法L6よりも大きく設定される。
これにより、接続部111b,121b,131bの剛性、即ち、白鍵10や黒鍵20との接続部分に近い側において各ヒンジ111,121,131の剛性を高めることができる(ローリングによる変形を抑制できる)。よって、白鍵10や黒鍵20のローリングを規制するための部材を別途設けることを不要にできるので、鍵盤装置1の製品コストを低減できる。更に、上述したガイド機構を備えていない場合であっても、ローリングを抑制することができるので、鍵盤装置1の製品コストをより低減できる。
なお、接続部111b,121b,131bの前後方向寸法とは、上述した各ヒンジ111,121,131の貫通孔の前端から鍵2(白鍵10及び黒鍵20)の基端までの長さである。
次いで、図4を参照して、下段ユニット110、中段ユニット120、及び、上段ユニット130をそれぞれ重ねた場合について説明する。図4(a)は、下段ユニット110に中段ユニット120を重ねた(上段ユニット130を取り外した)状態を示す鍵ユニット100の上面図であり、図4(b)は、下段ユニット110、中段ユニット120、及び、上段ユニット130をそれぞれ重ねた状態を示す鍵ユニット100の上面図である。
図4(a)に示すように、下段ユニット110の下段支持部材112(図3参照)に中段ユニット120の中段支持部材122を重ねた場合、中段ヒンジ121は、上面視において下段ヒンジ111の一部に重なる位置に配置される。より具体的には、白鍵10Dが接続される中段ヒンジ121は、白鍵10Cが接続される下段ヒンジ111と重なる位置に配置され、白鍵10Fが接続される中段ヒンジ121は、白鍵10Eが接続される下段ヒンジ111と重なる位置に配置され、白鍵10Aが接続される中段ヒンジ121は、白鍵10Bが接続される下段ヒンジ111と重なる位置に配置される。
図4(b)に示すように、中段ユニット120の中段支持部材122に上段ユニット130の上段支持部材132を重ねた場合、上段ヒンジ131は、上面視において中段ヒンジ121に重なる位置に配置される。より具体的には、黒鍵20C,20Dが接続される上段ヒンジ131は、それぞれ白鍵10Dが接続される中段ヒンジ121と重なる位置に配置され、黒鍵20Fが接続される上段ヒンジ131は、白鍵10Fが接続される中段ヒンジ121と重なる位置に配置され、黒鍵20G,20Aが接続される上段ヒンジ131は、それぞれ白鍵10Aが接続される中段ヒンジ121と重なる位置に配置される。
このように、上面視において各ヒンジ111,121,131をそれぞれ重ねて配置することにより、白鍵10の幅狭部11や黒鍵20よりも各ヒンジ111,121,131の左右方向寸法を大きくできる。よって、ローリングに対する剛性を各ヒンジ111,121,131において高めることができるので、ローリングが生じることを抑制できる。
この一方で、各ヒンジ111,121,131が重ねて配置されることで各ヒンジ111,121,131の高さ(各支持部材112,122,132に対する連結高さ)が異なるため、ローリングによって各ヒンジ111,121,131に作用する応力に相違が生じやすくなる。この応力の相違について図5を参照して説明する。図5は、図4(b)の矢印V方向視における鍵ユニット100の部分拡大側面図である。
図5に示すように、各白鍵10は、その上面がそれぞれ面一になるように配置されるため、白鍵10の上面から中段ヒンジ121までの距離よりも、白鍵10の上面から下段ヒンジ111までの距離が長くなる。即ち、ローリング時の白鍵10の回転軸からの距離が下段ヒンジ111の方が長くなる。よって、ローリングによって作用する応力(モーメント)は、中段ヒンジ121よりも、下段ヒンジ111において大きくなる。
従って、同じ力で白鍵10が押鍵された場合であっても、中段ヒンジ121に接続される白鍵10よりも、下段ヒンジ111に接続される白鍵10においてローリングが生じやすくなるため、白鍵10のタッチ感(押鍵感触)に相違が生じやすくなる。
これに対して本実施形態では、中段ヒンジ121よりも下段ヒンジ111においてローリングに対する剛性が高く設定されている。より具体的には、下段ヒンジ111の接続部111bの厚み寸法L7は、中段ヒンジ121の接続部121bの厚み寸法L8よりも大きく設定されるので、ローリングに対する剛性を中段ヒンジ121よりも下段ヒンジ111において高くすることができる。
また、図3に示すように、中段ヒンジ121の接続部121bの前後方向寸法L3よりも、下段ヒンジ111の接続部111bの前後方向寸法L1が大きく設定されるので、これによっても、ローリングに対する剛性を中段ヒンジ121よりも下段ヒンジ111において高くすることができる。
このように、中段ヒンジ121に比べてローリングによる応力が生じやすい下段ヒンジ111の剛性を高めることにより、下段ヒンジ111に接続される白鍵10と、中段ヒンジ121に接続される白鍵10とでローリングの生じ易さに相違が出ることを抑制できる。よって、各白鍵10のタッチ感を均一にすることができる。
また、中段支持部材122の厚み寸法よりも、下段支持部材112の厚み寸法が大きく設定され、下段支持部材112の前面(図5の右側の面)の上端部分に下段ヒンジ111が接続される。これにより、下段ヒンジ111と白鍵10の上面との距離を近づけることができるので、ローリング時に下段ヒンジ111に作用する応力を低減できる。これにより、白鍵10がローリングしようとした場合に、下段ヒンジ111が変形することを抑制できるので、ローリングを抑制できる。
ここで、例えば、単に下段ヒンジ111のローリングに対する剛性を高めることを目的とするのであれば、下段ヒンジ111の基部111aの厚み寸法も同様に、中段ヒンジ121の基部121aの厚み寸法よりも大きくする(即ち、下段ヒンジ111の全体の厚み寸法を中段ヒンジ121よりも大きくする)構成を採用することも可能である。
しかしながら、そのような構成では、白鍵10の押鍵方向での回転(軸Oa周りの回転)(図2参照)のし易さに相違が生じやすくなる。よって、下段ヒンジ111接続される白鍵10と、中段ヒンジ121に接続される白鍵10とでタッチ感に相違が生じやすくなる。
これに対して本実施形態では、下段ヒンジ111の接続部111bには厚肉部111cが形成され、その厚肉部111cの厚み寸法L7は、基部111aの厚み寸法L9よりも大きく設定される。また、中段ヒンジ121の接続部121bには厚肉部121cが形成され、その厚肉部121cの厚み寸法L8は、基部121aの厚み寸法L10より大きく設定されている。また、下段ヒンジ111の基部111aの厚み寸法L9は、中段ヒンジ121の基部121aの厚み寸法L10と略同一に設定されている。
これにより、各ヒンジ111,121のローリングに対する剛性が比較的厚肉の厚肉部111c,121cによって確保される一方で、白鍵10の押鍵方向での揺動による各ヒンジ111,121の変形は、主に比較的薄肉の基部111a,121aで生じることになる。よって、その基部111a,121aの厚み寸法L9,L10を下段ヒンジ111及び中段ヒンジ121のそれぞれで略同一に設定することにより、下段ヒンジ111に接続される白鍵10と、中段ヒンジ121に接続される白鍵10とでタッチ感を均一にすることができる。
また、上段ヒンジ131においても同様に、接続部131bには基部131aよりも厚み寸法が大きい厚肉部131cが形成されている。このように、各ヒンジ111,121,131の接続部111b,121b,131bの厚み寸法を基部111a,121a,131aよりも大きく設定することにより、白鍵10や黒鍵20との接続部分に近い側において各ヒンジ111,121,131の剛性を高めることができるので、ローリングが生じることを抑制できる。
この場合、単に接続部111b,121b,131bの剛性を高めることを目的とするのであれば、例えば、接続部111bの上面側や、上下の両面側に厚肉部111cを突出させる構成を採用することも可能である。しかしながら、上述した通り、上面視において、中段ヒンジ121は下段ヒンジ111の一部に重なる位置に配置され(図4参照)、上段ヒンジ131は中段ヒンジ121に重なる位置に配置されている。
よって、例えば、下段ヒンジ111の接続部111bの上面側に厚肉部111cを突出させる構成であると、押鍵によって中段ヒンジ121が下段ヒンジ111側(下方)に変形した場合に、中段ヒンジ121が下段ヒンジ111の厚肉部111cに干渉する恐れがある。その干渉を抑制するために、下段ヒンジ111と中段ヒンジ121との上下の対向間隔を広げる(下段支持部材112に対する下段ヒンジ111の連結位置を低くする)と、ローリング時の白鍵10の回転軸から下段ヒンジ111までの距離が長くなり、ローリングが生じやすくなる。
これに対して本実施形態では、下段ヒンジ111の厚肉部111cは接続部111bの下方に張り出して形成され、中段ヒンジ121の厚肉部121cは接続部121bの上下に張り出して形成され、上段ヒンジ131の厚肉部131cは接続部131bの上方に張り出して形成される。
即ち、下段ヒンジ111においては、厚肉部111cが基部111aの上下方向中央よりも下方に偏心し、中段ヒンジにおいては、厚肉部121cが基部121aの上下方向中央と略同一の高さに位置している。また、上段ヒンジ131においては、厚肉部131cが基部131aの上下方向中央よりも上方に偏心している。
これにより、白鍵10や黒鍵20が押鍵された場合に、厚肉部111c,121c,131cが各ヒンジ111,121,131に干渉することを抑制できる。よって、各ヒンジ111,121,131の上下の対向間隔を極力狭くすることができるので、下段支持部材112に対する下段ヒンジ111の連結位置や、中段支持部材122に対する中段ヒンジ121の連結位置を高くすることができる。よって、ローリング時の白鍵10の回転軸から下段ヒンジ111や中段ヒンジ121までの距離を短くすることができるので、白鍵10のローリングを抑制できる。
また、厚肉部111c,121c,131cは、その厚み寸法が各支持部材112,122,132側から鍵2(白鍵10及び黒鍵20)側にかけて徐々に大きくなるテーパ状に形成される。これにより、ローリングよる応力が比較的生じにくい各支持部材112,122,132側(基端側)の部位から、応力が比較的生じやすい鍵2側(先端側)にかけて各ヒンジ111,121,131の剛性を徐々に高めることができる。よって、厚肉部111c,121c,131cの厚み寸法を極力小さくしつつ、ローリングを抑制できる。
また、厚肉部111c,121c,131cがテーパ状に形成されることにより、各ユニット110,120,130の樹脂材料を用いた金型での一体成形時に、樹脂の流れを円滑にすることができる。更に、ローリング時に厚肉部111c,121c,131cの一部に応力が集中することを抑制できるので、各ヒンジ111,121,131の耐久性を向上させることができる。
次いで、図6を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、下段ユニット110の各下段ヒンジ111において接続部111bの前後方向寸法が略同一であり、中段ユニット120の各中段ヒンジ121において接続部121bの前後方向寸法が略同一である場合を説明した。これに対して第2実施形態では、各下段ヒンジ111の一部で接続部111bの前後方向寸法が異なり、各中段ヒンジ121のそれぞれで接続部121bの前後方向寸法が異なる場合について説明する。
なお、第2実施形態の下段ヒンジ111や中段ヒンジ121は、接続部111b,121bの前後方向寸法が異なる点を除き、第1実施形態の下段ヒンジ111及び中段ヒンジ121と同一の構成であるため、第1実施形態と同一の符号を付して説明する。図6(a)は、第2実施形態における下段ユニット210の上面図であり、図6(b)は、中段ユニット220の上面図である。
図6(a)に示すように、下段ユニット210の白鍵10C,10Bは、下段ヒンジ111の接続部111bの左右方向中央よりも偏心した位置に幅狭部11が接続されている。よって、白鍵10C,10Bにローリングが生じると、幅狭部11の左右方向端部との接続部分Pに応力が生じやすくなる。この接続部分Pが下段ヒンジ111の接続部111bの左右方向中央に近いほど、下段ヒンジ111が変形しやすくなる。
即ち、接続部111bの左右方向中央に幅狭部11が接続される白鍵10E,10G(第1の白鍵)に比べ、白鍵10C,10B(第2の白鍵)が接続される下段ヒンジ111の方がローリングによって変形しやすい。よって、同じ力で押鍵された場合でも、白鍵10E,10Gに比べて白鍵10C,10Bでローリングが生じやすくなる。
これに対して本実施形態では、白鍵10E,10G(第1の白鍵)が接続される下段ヒンジ111の接続部111bの前後方向寸法L11,L12よりも、白鍵10C,10B(第2の白鍵)が接続される下段ヒンジ111の接続部111bの前後方向寸法L13が大きく設定されている。よって、比較的ローリングが生じやすい白鍵10C,10Bが接続される下段ヒンジ111において、ローリングに対する剛性を高めることができるので、白鍵10C,10E,10G,10Bのタッチ感を均一にできる。
一方、白鍵10E,10Gは、それぞれ接続部111bの左右方向中央に接続されているものの、白鍵10G(第3の白鍵)の幅広部12に比べ、白鍵10E(第4の白鍵)の幅広部12の方が幅狭部11の左右方向中央から偏心した位置に接続されている。よって、幅広部12が押鍵される場合、幅狭部11に対する幅広部12の偏心量が大きい白鍵10Eの方が、ローリング時の白鍵10(幅狭部11)の回転軸から離れた位置が押鍵されやすくなる。
従って、白鍵10Gが接続される下段ヒンジ111に比べ、白鍵10Eが接続される下段ヒンジ111の方が、ローリング時に大きな応力が生じやすくなる。即ち、同じ力で押鍵された場合でも、白鍵10Gに比べて白鍵10Eでローリングが生じやすくなる。
これに対して本実施形態では、白鍵10G(第3の白鍵)が接続される下段ヒンジ111の接続部111bの前後方向寸法L12よりも、白鍵10E(第4の白鍵)が接続される下段ヒンジ111の接続部111bの前後方向寸法L11が大きく設定されている。よって、比較的ローリングが生じやすい白鍵10Eが接続される下段ヒンジ111において、ローリングに対する剛性を高めることができるので、白鍵10C,10E,10G,10Bのタッチ感をより均一にできる。
図6(b)に示すように、中段ユニット220の白鍵10D,10F,10Aは、それぞれ中段ヒンジ121の接続部121bの左右方向中央に接続されるものの、幅狭部11に対する幅広部12の偏心量は、白鍵10D(第3の白鍵)よりも白鍵10A(第4の白鍵)の方が大きく、白鍵10A(第3の白鍵)よりも白鍵10F(第4の白鍵)の方が大きくなる。
これに対して本実施形態では、白鍵10D(第3の白鍵)が接続される接続部121bの前後方向寸法L14よりも、白鍵10A(第4の白鍵)が接続される接続部121bの前後方向寸法L15が大きく設定される。また、白鍵10A(第3の白鍵)が接続される接続部121bの前後方向寸法L15よりも、白鍵10F(第4の白鍵)が接続される接続部121bの前後方向寸法L16が大きく設定される。
これにより、比較的ローリングが生じやすい白鍵10が接続される中段ヒンジ121ほど、ローリングに対する剛性を高めることができるので、白鍵10D,10F,10Aのタッチ感を均一にできる。
また、白鍵10F,10Gの幅狭部11は、それぞれ接続部111b,121bの左右方向中央に接続されているが、幅狭部11に対する幅広部12の偏心量は白鍵10Gよりも白鍵10Fで大きくなっている。即ち、白鍵10Gに比べ、白鍵10Fの方がローリング時の幅狭部11の回転軸から離れた位置が押鍵されやすい。
この一方で、第1実施形態で説明した通り、白鍵10Gが接続される下段ヒンジ111に比べ、白鍵10Fが接続される中段ヒンジ121の方がローリング時に生じる応力が大きくなり易い(白鍵10F,10Gの上面から下段ヒンジ111までの距離が長いため)。よって、本実施形態では、白鍵10Gが接続される下段ヒンジ111と、白鍵10Fが接続される中段ヒンジ121とにおいて、接続部111b,121bの前後方向寸法L12,L16をそれぞれ略同一の寸法に設定している。これにより、各ヒンジ111,121に接続される白鍵10のタッチ感を均一にできる。
また、各ヒンジ111,121において、接続部111b,121bの前後方向寸法は基部111a,121aの左右方向寸法よりも大きく設定されている。これにより、第1実施形態と同様、白鍵10との接続部分に近い側において各ヒンジ111,121の剛性を高めることができる(ローリングによる変形を抑制できる)。よって、白鍵10のローリングを規制するための部材を別途設けることを不要にできるので、鍵盤装置の製品コストを低減できる。
以上、上記実施形態に基づき説明をしたが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記各実施形態では、鍵盤装置1が電子ピアノとして構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、他の電子楽器(例えば、電子オルガンやアコーディオン)や、標準的な鍵盤楽器よりも鍵の左右方向寸法を縮小した小型の電子楽器においても、上記実施形態の技術思想を適用できる。なお、標準的な鍵盤楽器とは、JIS S8507(1992年版)に規定される標準的な鍵盤楽器である。
上記各実施形態では、白鍵10及び黒鍵20の揺動を案内するためのガイド機構を省略する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ガイド機構を設ける構成でも良い。ガイド機構とは、例えば、下面側に開口を有する箱状に白鍵10及び黒鍵20を形成し、その白鍵10及び黒鍵20の下面側の開口部分に摺動可能なガイドポスト(ブッシュを有するもの)をシャーシ30に設ける機構である。
上記各実施形態では、白鍵10及び黒鍵20と、各ヒンジ111,121,131と、各支持部材112,122,132とがそれぞれ樹脂材料を用いて一体に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、白鍵および黒鍵と、ヒンジと、支持部材とをそれぞれ異なる材料(例えば、木材、金属、樹脂等)を用いて別体に形成し、適宜の連結手段(例えば、接着剤やねじ)を用いて連結しても良い。
上記各実施形態では、白鍵10(幅狭部11)や黒鍵20よりも各ヒンジ111,121,131の左右方向寸法が大きく設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、白鍵10(幅狭部11)や黒鍵20の左右方向寸法と、各ヒンジ111,121,131の左右方向寸法とを略同一に設定しても良い。
上記各実施形態では、各支持部材112,122,132に対する連結高さが各ヒンジ111,121,131においてそれぞれ異なる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、支持部材に対する連結高さがそれぞれ同一である(左右方向に一列に並べられる)複数のヒンジに白鍵10及び黒鍵20を支持させる構成でも良い。
上記各実施形態では、下段支持部材112に白鍵10C,10E,10G,10Bが一音名置きに支持され、中段支持部材122に白鍵10D,10F,10Aが一音名置きに支持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、下段支持部材112及び中段支持部材122に支持させる白鍵10の組み合わせは適宜設定でき、一音名置きに支持させる構成でなくても良い。
上記各実施形態では、各ヒンジ111,121,131の基部111a,121a,131aが上面視において略矩形状に形成される場合、即ち、基部111a,121a,131aの左右方向寸法が基端側から先端側にかけて一定である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、基部の左右方向寸法を基端側から先端側にかけて徐々に減少、若しくは、増大させる構成でも良い。即ち、基部の左右方向寸法が基端側から先端側にかけての一部の領域で変化する構成でも良い。この場合には、基部の左右方向寸法の最小値よりも接続部111b,121b,131bの前後方向寸法を大きく設定することが好ましく、基部の左右方向寸法の最大値よりも接続部111b,121b,131bの前後方向寸法を大きく設定することがより好ましい。
少なくとも基部の左右方向寸法の最小値よりも接続部111b,121b,131bの前後方向寸法を大きく設定する構成であれば、ローリングに対する各ヒンジ111,121,131の剛性を高めることができる。また、基部の左右方向寸法の最大値よりも接続部111b,121b,131bの前後方向寸法を大きく設定する構成であれば、ローリングに対する各ヒンジ111,121,131の剛性をより高めることができる。
上記各実施形態では、一対の基部111a,121a,131aがそれぞれ上面視において略同一の形状に形成される場合、即ち、左右方向寸法が一対の基部111a,121a,131aのそれぞれで同一である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対の基部のうち、一方の基部の左右方向寸法を他方の基部の左右方向寸法よりも小さく設定する構成でも良い。
この場合には、一方の基部(左右方向寸法が小さいもの)の左右方向寸法よりも接続部111b,121b,131bの前後方向寸法を大きく設定することが好ましく、他方の基部(左右方向寸法が大きいもの)の左右方向寸法よりも接続部111b,121b,131bの前後方向寸法を大きく設定することがより好ましい。
少なくとも一方の基部の左右方向寸法よりも接続部111b,121b,131bの前後方向寸法を大きく設定する構成であれば、ローリングに対する各ヒンジ111,121,131の剛性を高めることができる。また、他方の基部の左右方向寸法よりも接続部111b,121b,131bの前後方向寸法を大きく設定する構成であれば、ローリングに対する各ヒンジ111,121,131の剛性をより高めることができる。
上記各実施形態では、基部111a,121a,131aの厚み寸法が各ヒンジ111,121,131のそれぞれにおいて略同一である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下段ヒンジ111の基部111aの厚み寸法を中段ヒンジ121の基部121aの厚み寸法よりも大きくする構成でも良い。
上記各実施形態では、各ヒンジ111,121,131の接続部111b,121b,131bが上面視において略矩形状に形成される場合、即ち、接続部111b,121b,131bの左右方向寸法が基端側から先端側にかけて一定である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、接続部の左右方向寸法を基端側から先端側にかけて徐々に減少、若しくは、増大させる構成でも良い。即ち、接続部の左右方向寸法が基端側から先端側にかけての一部の領域で変化する構成でも良い。少なくとも接続部の前後方向寸法(各ヒンジ111,121,131の貫通孔の前端から鍵2の基端までの寸法)が基部111a,121a,131aの左右方向寸法よりも大きく設定される構成であれば、ローリングに対する各ヒンジ111,121,131の剛性を高めることができる。
上記各実施形態では、各ヒンジ111,121,131の接続部111b,121b,131bの厚み寸法を基部111a,121a,131aの厚み寸法よりも大きく設定する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、接続部111b,121b,131bの厚み寸法と、基部111a,121a,131aの厚み寸法とを略同一に設定しても良い。
上記各実施形態では、厚肉部111c,121c,131cがテーパ状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、接続部111b,121b,131bの剛性を高めることができるものであれば、その形状は限定されない。よって、例えば、接続部111b,121b,131bの上方または下方(若しくはその両方)にリブ状に張り出す厚肉部を形成しても良い。
上記各実施形態では、接続部111b,121b,131bの前後方向寸法を各ヒンジ111,121,131において異ならせる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、接続部111b,121b,131bの前後方向寸法を各ヒンジ111,121,131においてそれぞれ略同一に設定しても良い。
少なくとも接続部111b,121b,131bの前後方向寸法が基部111a,121a,131aの左右方向寸法よりも大きい構成であれば、白鍵10や黒鍵20のローリングを抑制できる。また、白鍵10が接続されるヒンジ(若しくは黒鍵20が接続されるヒンジ)のみにおいて、接続部の前後方向寸法を基部の左右方向寸法よりも大きくする構成でも良い。
また、下段ヒンジ111の接続部111bと中段ヒンジ121の接続部121bとの前後方向寸法をそれぞれ略同一に設定し、厚肉部111c,121cの厚み寸法の差のみによってローリングに対する剛性差を調整しても良い。
上記各実施形態では、下段ヒンジ111の厚肉部111cの厚み寸法が、中段ヒンジ121の厚肉部121cの厚み寸法よりも大きく設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下段ヒンジ111の厚肉部111cの厚み寸法と中段ヒンジ121の厚肉部121cの厚み寸法とをそれぞれ略同一に設定し、下段ヒンジ111の接続部111bと中段ヒンジ121の接続部121bとの前後方向寸法の差のみによってローリングに対する剛性差を調整しても良い。また、各ヒンジ111,121,131の厚肉部111c,121c,131cを省略する構成でも良い。
1 鍵盤装置
2 鍵
10 白鍵(鍵)
10E,10G 白鍵(第1の白鍵)
10C,10B 白鍵(第2の白鍵)
10D,10G 白鍵(第3の白鍵)
10A 白鍵(第3の白鍵または第4の白鍵)
10E,10F 白鍵(第4の白鍵)
11 幅狭部
12 幅広部
20 黒鍵(鍵)
111 下段ヒンジ(ヒンジ、第1のヒンジ)
111a 基部
111b 接続部
111c 厚肉部
112 下段支持部材(支持部材)
121 中段ヒンジ(ヒンジ、第2のヒンジ)
121a 基部
121b 接続部
121c 厚肉部
122 中段支持部材(支持部材)
131 上段ヒンジ(ヒンジ、第3のヒンジ)
131a 基部
131b 接続部
131c 厚肉部
132 上段支持部材(支持部材)


Claims (9)

  1. 支持部材に支持される複数の鍵と、前記支持部材に連結され前記鍵の幅方向で所定間隔を隔てる一対の基部、及び、それら一対の基部および前記鍵を前記鍵の長手方向で接続する接続部を有する複数のヒンジと、を備え、
    前記鍵の幅方向における前記基部の寸法よりも、前記鍵の長手方向における前記接続部の寸法が大きく設定され
    複数の前記鍵は、複数の白鍵を備え、
    複数の前記ヒンジは、第1のヒンジと、その第1のヒンジよりも上方側で前記支持部材に連結される第2のヒンジと、から少なくとも構成され、
    前記白鍵のローリングに対する前記第1のヒンジの剛性は、前記第2のヒンジよりも高く設定されることを特徴とする鍵盤装置。
  2. 支持部材に支持される複数の鍵と、前記支持部材に連結され前記鍵の幅方向で所定間隔を隔てる一対の基部、及び、それら一対の基部および前記鍵を前記鍵の長手方向で接続する接続部を有する複数のヒンジと、を備え、
    前記鍵の幅方向における前記基部の寸法よりも、前記鍵の長手方向における前記接続部の寸法が大きく設定され、
    複数の前記鍵は、第1の白鍵と、その第1の白鍵よりも前記鍵の幅方向において前記ヒンジの中央から偏心した位置に接続される第2の白鍵と、から少なくとも構成され、
    前記白鍵のローリングに対する前記ヒンジの剛性は、前記第1の白鍵が接続される前記ヒンジよりも前記第2の白鍵が接続される前記ヒンジにおいて高く設定されることを特徴とする鍵盤装置。
  3. 支持部材に支持される複数の鍵と、前記支持部材に連結され前記鍵の幅方向で所定間隔を隔てる一対の基部、及び、それら一対の基部および前記鍵を前記鍵の長手方向で接続する接続部を有する複数のヒンジと、を備え、
    前記鍵の幅方向における前記基部の寸法よりも、前記鍵の長手方向における前記接続部の寸法が大きく設定され、
    複数の前記鍵は、基端が前記ヒンジに接続され前記鍵の長手方向に延びる幅狭部と、その幅狭部の先端に接続され前記鍵の幅方向における寸法が前記幅狭部よりも大きく設定される幅広部と、を有する複数の白鍵を備え、
    複数の前記白鍵は、第3の白鍵と、その第3の白鍵よりも前記鍵の幅方向において前記幅狭部の中央から偏心した位置に前記幅広部が接続される第4の白鍵と、から少なくとも構成され、
    前記白鍵のローリングに対する前記ヒンジの剛性は、前記第3の白鍵が接続される前記ヒンジよりも前記第4の白鍵が接続される前記ヒンジにおいて高く設定されることを特徴とする鍵盤装置。
  4. 前記鍵の長手方向における前記ヒンジの寸法は、複数の前記ヒンジにおいてそれぞれ同一に設定され、
    前記鍵の長手方向における前記接続部の寸法は、前記第2のヒンジよりも、前記第1のヒンジにおいて大きく設定されることを特徴とする請求項記載の鍵盤装置。
  5. 前記接続部には、前記基部よりも厚み寸法が大きい厚肉部が形成され、
    前記基部の厚み寸法は、前記第1のヒンジと前記第2のヒンジとにおいてそれぞれ同一に設定されることを特徴とする請求項又は4に記載の鍵盤装置。
  6. 前記第2のヒンジは、上面視において前記第1のヒンジと重なる位置に配置され、
    前記第1のヒンジにおいて、前記厚肉部が前記基部の上下方向中央よりも下方に偏心していることを特徴とする請求項5記載の鍵盤装置。
  7. 複数の前記鍵は、複数の黒鍵を備え、
    複数の前記ヒンジは、前記第1のヒンジと、前記第2のヒンジと、その第2のヒンジよりも上方側で前記支持部材に連結され前記黒鍵が接続される第3のヒンジと、から少なくとも構成され、
    前記第3のヒンジは、上面視において前記第2のヒンジと重なる位置に配置され、
    前記第3のヒンジにおいて、前記厚肉部が前記基部の上下方向中央よりも上方に偏心していることを特徴とする請求項6記載の鍵盤装置。
  8. 前記第2のヒンジにおいて、前記厚肉部が前記基部の上下方向中央に位置することを特徴とする請求項7記載の鍵盤装置。
  9. 前記厚肉部は、前記支持部材側から前記鍵側にかけて徐々に厚み寸法が大きく設定されることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の鍵盤装置。
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