以下、添付図面を参照しながら本発明に係る建具の好適な実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1~図4は、本発明の実施の形態1である建具を示したものである。ここで例示する建具は、枠体10に対して室外側の外障子20A及び室内側の内障子20Bをそれぞれ左右方向にスライド可能に配設した引き違い窓と称されるものである。図示の例では、室外側から見た場合、左側に外障子20Aを配置し、かつ右側に内障子20Bを配置することによって枠体10を閉じることが可能となるように構成してある。但し、引き違い窓の構成としては、室外側から見た場合、右側に外障子20Aを配置し、かつ左側に内障子20Bを配置することによって枠体10を閉じることが可能となるように構成しても良い。
枠体10は、左右の縦枠11、上枠12及び下枠13を四周枠組みすることによって構成したものである。外障子20A及び内障子20Bは、左右で互いに対称となるように構成したものである。本実施の形態1では、互いに間隔を確保して配置された左右の縦框(支持フレーム材)21の間に、互いに間隔を確保して上框22及び下框23を架設することによってそれぞれの障子20A,20Bの框組24が構成してある。個々の框組24には、上框22の下縁に沿って換気框(換気フレーム材)30が配設してあり、さらに左右の縦框21、下框23及び換気框30によって囲まれる領域に、矩形状を成す複層ガラス等の面材25が配置してある。
框組24を構成する左右の縦框21、上框22及び下框23は、樹脂によって成形した押し出し形材であり、長手方向の全長にわたってほぼ一様な断面形状を有するように構成してある。本実施の形態1では特に、縦框21、上框22及び下框23が互いに同一の断面形状を有するように構成してある。これらの框材21,22,23は、両端部に45°の接合面を有しており、互いの接合面を熱溶着することによって矩形状の框組24を構成している。それぞれの框材21,22,23は、矩形の筒状を成す基部201を有したもので、基部201の内周側となる見込み面201aに支持ヒレ部202及び装着溝203を有している。支持ヒレ部202は、框材21,22,23の見込み面201aにおいて室内側となる縁部から内周側に突出した部分であり、個々の框材21,22,23の長手方向に沿った全長にわたって設けてある。装着溝203は、框材21,22,23の見込み面201aにおいて室外側となる縁部に設けた凹部であり、個々の框材21,22,23の長手方向に沿った全長にわたって設けてある。
ここで、見込み面とは、見込み方向に沿った面のことである。見込み方向とは、図中の矢印Aで示すように、建具の奥行きに沿った方向である。また、見付け方向という用語も用いる。見付け方向は、上枠12や下枠13等のように水平方向に沿って延在するものの場合、見込み方向に直交した上下に沿う方向である。縦枠11等のように上下方向に沿って延在するものの場合には、見込み方向に直交した水平に沿う方向を見付け方向という。見付け方向に沿った面については、見付け面と称する場合がある。
換気框30は、框組24を構成する框材21,22,23と同様、樹脂によって成形した押し出し形材であり、長手方向の全長にわたってほぼ一様な断面形状を有するように構成してある。換気框30の両端は、長手方向に対して直角となるように構成してある。換気框30の長手に沿った寸法は、縦框21のそれぞれに設けた支持ヒレ部202の先端相互間距離よりも小さい。本実施の形態1では、外周側の取付部31と、内周側の面材保持部32と、これら取付部31及び面材保持部32の間に設けた連結部33とを有して換気框30が構成してある。
取付部31は、上框22に取り付けられる部分であり、見込み方向に沿った寸法が、上框22の支持ヒレ部202から室外側の見付け面202aまでの距離にほぼ等しくなるように構成してある。取付部31の外周部には、係合ヒレ部31aが設けてある。係合ヒレ部31aは、上框22の装着溝203に係合可能となる薄板状部分であり、外周側に向けて突出した後、外周に向けて漸次内方となるように延在している。
面材保持部32は、面材25の上縁部を支持する部分であり、内周側となる見込み面32aに支持板部32b及び補助装着溝32cを有している。支持板部32bは、面材保持部32の見込み面32aにおいて室内側となる縁部から内周側に突出した板状部分である。支持板部32bの突出寸法は、上框22に設けた支持ヒレ部202の突出寸法とほぼ同じとなるように構成してある。補助装着溝32cは、上框22の装着溝203と同じ形状を有した凹部であり、見込み面32aの室外側となる縁部に設けてある。
連結部33は、見込み方向に沿った寸法が取付部31及び面材保持部32よりも小さく構成された上下に沿う中空の板状部分であり、室外側に片寄った位置に設けてある。図には明示していないが、この連結部33には、長手方向に沿って長孔状となる複数の通気孔33aが等間隔に設けてある。通気孔33aは、連結部33を見込み方向に貫通する開口である。
上述の構成を有する換気框30には、取付部31と面材保持部32との間において連結部33よりも室外側となる外方空間に室外側開閉機構301が設けあるとともに、連結部33よりも室内側となる内方空間に室内側開閉機構302が設けてあり、さらに両端部にキャップ部材40が設けてある。
室外側開閉機構301及び室内側開閉機構302は、連結部33に設けた通気孔33aとともに換気機構を構成するものである。本実施の形態1では、換気框30の室外側及び室内側において連結部33に設けた通気孔33aを覆うように設けられ、見込み方向に沿った通気を許容する開放状態と、見込み方向に沿った通気を遮断する遮断状態とに切り替わる室外側開閉機構301及び室内側開閉機構302を適用している。図には明示していないが、室外側開閉機構301及び室内側開閉機構302は、互いに連動するように連係してある。さらに室内側開閉機構302の室内に臨む部分には、開放状態と遮断状態とに切り替えるための操作部303が設けてある。つまり、換気框30に設けた室外側開閉機構301及び室内側開閉機構302は、室内において操作部303を操作することにより、開放状態と遮断状態とを切り替えることが可能である。本実施の形態1では、操作部303を左右にスライドさせることによってそれぞれの開閉機構301,302が切り替わるように構成してある。また、室内側開閉機構302には、操作部303のみを外部に露出させるように、カバー部材304が設けてある。カバー部材304には、室内側開閉機構302が開放状態となった場合の通気を妨げることのないように、多数のスリット304aが形成してある。なお、図中の符号305は、フィルタ部材である。
キャップ部材40は、左右で互いに対称となるように構成したもので、図5及び図6に示すように、換気框30の端面とほぼ同じ大きさの矩形状を成す基板部41と、基板部41の室外側縁部及び室内側縁部から互いに対向するように延在した2つの側壁部42,43とを樹脂によって一体に成形してある。それぞれのキャップ部材40は、基板部41を介して換気框30の端部にネジSを螺合することによって固定してあり、基板部41によって室外側開閉機構301及び室内側開閉機構302を含む換気框30の両端面を閉塞している。すなわち、キャップ部材40は、換気框30の端部を迂回した室内外での通気を不可とすることにより、それぞれの開閉機構301,302が遮断状態となった場合に通気の漏れを防止する機能を有したものである。
キャップ部材40において換気框30の長手に沿った寸法は、縦框21の相互間に換気框30を配設した場合に両端部のキャップ部材40がそれぞれの室内側に位置する側壁部(一方の壁部)43を介して縦框21の支持ヒレ部202に同時に当接させることができるように構成してある。一方、キャップ部材40の見込み方向に沿った寸法は、縦框21において支持ヒレ部202の室外に臨む見付け面202aから縦框21の室外に臨む見付け面21aまでの距離よりもわずかに小さく、かつキャップ部材40の室内側に位置する側壁部43を縦框21の支持ヒレ部202に支持させた場合に、縦框21の装着溝203を覆うことができるように構成してある。
それぞれのキャップ部材40には、室外側に位置する側壁部42の下面に延長装着溝44が設けてあるとともに、2つの側壁部42,43の間にロックユニット50が収容してある。延長装着溝44は、換気框30の補助装着溝32cに対してその延長上に位置するもので、補助装着溝32cと同一の形状に構成してある。
ロックユニット50は、図5、図7、図8に示すように、L字状の断面を有する取付ベース51と、軸部材52により取付ベース51に対して回転可能に配設した係合部材53とを備えて構成したもので、取付ベース51を介してキャップ部材40に取り付けてある。取付ベース51、軸部材52及び係合部材53は、いずれも金属によって成形してある。ロックユニット50の換気框30への取り付けは、係合部材53の回転軸心が見込み方向に沿う状態で、キャップ部材40を換気框30に取り付けるためのネジSにより取付ベース51を介して共締めしてある。
係合部材53には、係合板部53aとロック板部53bとが一体に形成してある。係合板部53aは、軸部材52から径方向に延在した後、室外側に向けてほぼ直角に屈曲して延在し、さらに延在端部からほぼ直角に屈曲したものである。係合板部53aの屈曲した延在端部(以下、係合端部53cという)は、軸部材52を中心として回転した場合に側壁部42,43の端縁から突出した係合位置と、側壁部42,43の端縁よりも退行した退避位置とに変位することが可能である。係合端部53cは、キャップ部材40の室内側に位置する側壁部43を縦框21の支持ヒレ部202に当接させた場合に縦框21の装着溝203とほぼ同じ位置となるように構成してある。ロック板部53bは、軸部材52を中心として係合板部53aからほぼ90°ずれた位置において径方向に延在した後、室外側に向けて屈曲したものである。より具体的に説明すると、係合板部53aの係合端部53cが係合位置に配置された場合に、軸部材52の下方に位置するようにロック板部53bが設けてある。ロック板部53bには、室外側に向けて屈曲した屈曲部に矩形状のロック孔53dが設けてある。
また、キャップ部材40の基板部41には、弾性係合片45が設けてある。弾性係合片45は、係合端部53cが係合位置に配置された場合にロック板部53bに対してその上方で対向するように突出したもので、先端部の下面に係合突起45aを有している。係合突起45aは、係合端部53cが係合位置に配置された場合にロック孔53dを介してロック板部53bに係合するものである。
上記のように構成した換気框30は、図1及び図4に示すように、左右の縦框21、上框22及び下框23によって框組24を構成した後、面材25を装着する以前に上框22の下面に取り付けられる。換気框30の取り付けにあたっては、取付部31の室内に臨む見付け面31b及びキャップ部材40の室内側に位置する側壁部43にそれぞれ接着剤もしくは両面テープを装着する。その後、図2及び図6(a)に示すように、係合部材53を退避位置に保持した状態で上框22の装着溝203に係合ヒレ部31aを挿入しながら、取付部31の室内に臨む見付け面31bを上框22の支持ヒレ部202に押し付けて支持させるとともに、キャップ部材40の室内側に位置する側壁部43を縦框21の支持ヒレ部202に押し付けて支持させる。
このとき、退避位置に保持した係合部材53が縦框21に干渉することはなく、換気框30を取り付ける際の作業性を損なうことがない。取付部31の室内に臨む見付け面31b及びキャップ部材40の室内側に位置する側壁部43をそれぞれ対応する支持ヒレ部202に支持させた後においては、例えば、キャップ部材40の2つの側壁部42,43の相互間に工具を挿入し、係合部材53を回転させて係合位置に配置させる。これにより、図6(b)に示すように、側壁部42,43の端縁から突出した係合板部53aが縦框21の装着溝203に挿入された状態となる。
この状態においては、換気框30の取付部31と上框22の支持ヒレ部202との間が接着されるとともに、取付部31の係合ヒレ部31aが上框22の装着溝203に係合された状態となる。また、換気框30の両端部に設けたキャップ部材40が縦框21の支持ヒレ部202に接着され、かつ係合部材53の係合端部53cが縦框21の装着溝203に係合された状態となる。これらの結果、換気框30は、上框22及び縦框21に対して見込み方向に沿った移動及び上下方向への移動が制限された状態で框組24に取り付けられることになる。その後に左右の縦框21、換気框30及び下框23によって囲まれる領域に面材25を配置し、例えば面材25の一方の表面をそれぞれの支持ヒレ部202及び支持板部32bに接着するとともに、装着溝203及び補助装着溝32cにそれぞれ押縁26を装着すれば、押縁26が面材25の他方の表面を支持することになる。これにより、面材25が支持ヒレ部202、支持板部32bと押縁26との間に支持された障子20A,20Bを構成することができる。この実施の形態1においては、框材21,22,23と同様、押縁26の両端部に45°の接合面を形成するようにしている。
上述の障子20A,20Bを備える建具にあっては、障子20A,20Bによって枠体10の開口を閉じた状態においても、換気框30の操作部303を左右にスライドさせることで室外側開閉機構301及び室内側開閉機構302を開放状態に操作すれば、室外と室内との間で通気が可能となり、室内を換気することができるようになる。しかも、換気框30のキャップ部材40は、室外側の側壁部42がいずれも外部に露出した状態である。換言すれば、框材21,22,23及び換気框30に装着する押縁26は、いずれも面材25の表面にのみ配置される構成となり、キャップ部材40を覆う構成にない。従って、面材25の表面位置とキャップ部材40の表面位置とに差があったとしても、その差が押縁26と面材25の表面との相対位置に影響を及ぼすことがなく、押縁26と面材25との間の気密性や水密性が損なわれるおそれがない。
加えて、キャップ部材40に設けた係合部材53が縦框21の装着溝203に挿入されているため、キャップ部材40が縦框21の支持ヒレ部202から離隔する方向の移動が制限される。これにより、縦框21に対してキャップ部材40が突出する事態を招来するおそれがない。さらに、框組24を構成する框材21,22,23としては、四周で同一の断面形状のものを適用することが可能であるばかりでなく、換気機構を有していない建具の框材を流用することが可能であり、意匠性の点や製造コストの点でも有利となる。
なお、実施の形態1では、キャップ部材40に設けた弾性係合片45に係合部材53のロック板部53bを係合させることによって退避位置に保持するようにしているが、本発明はこれに限定されない。例えば、図9及び図10に示す変形例1のロックユニット50′のように、取付ベース51にネジ挿通孔54aを有した保持片部54を設けるとともに、ロック板部53bのロック孔53dをネジ孔53eに変更し、係合部材53が退避位置に配置された場合に保持片部54のネジ挿通孔54aを介してロック板部53bのネジ孔53eにネジ55を螺合するようにしても良い。なお、変形例1において実施の形態1と同様の構成については同一の符号が付してある。
(実施の形態2)
上述した実施の形態1では、キャップ部材40に設けられる係合部材53として、軸部材52によって回転可能に支持され、退避位置と係合位置とに変位するものを例示しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、図11及び図12に示す実施の形態2のように、弾性部材によって成形した係合部材60を適用すれば、換気框30の取り付け後に係合部材60を操作する作業を不要とすることも可能である。以下、実施の形態2の建具で適用するキャップ部材70及び係合部材60について説明を行う。なお、キャップ部材70及び係合部材60以外の構成については実施の形態1と同様であるため、同一の符号を付してそれぞれの詳細説明を省略する。また、キャップ部材70が左右で対称形状であるのは実施の形態1と同様である。
実施の形態2の建具で適用するキャップ部材70は、基板部41、2つの側壁部42,43、延長装着溝44を有する点で実施の形態1のキャップ部材40と一致し、弾性係合片45を有していない点及び位置決めダボ71を有する点で実施の形態1のキャップ部材40と相違する。位置決めダボ71は、円柱状を成す突出部であり、基板部41においてキャップ部材70を換気框30に共締めする際にネジSが挿通されるネジ挿通孔(図示せず)の上方に設けてある。
実施の形態2の建具で適用する係合部材60は、弾性部材によって一体に成形したもので、平板状を成す取付基板部61を介してキャップ部材70の基板部41に取り付けてある。取付基板部61には、室外側に位置する縁部に取付孔61aが上下に2つ設けてある。取付孔61aは、上方に位置するものに位置決めダボ71を挿通させた場合に、下方に位置するものが基板部41のネジ挿通孔(図示せず)に合致するように構成してある。
この係合部材60には、取付基板部61の室内側に位置する縁部に可撓板部62が設けてある。可撓板部62は、取付基板部61からキャップ部材70の室内側に位置する側壁部43に沿うようにほぼ直角に屈曲した後、室外側に向けてほぼ直角に屈曲したもので、側壁部43において換気框30の長手に沿った寸法内に配設してある。可撓板部62の延在端部には、取付基板部61から離隔する方向に向けて突出片部63が設けてある。突出片部63は、取付基板部61から離隔するに従って漸次室外側となるように傾斜延在した後、取付基板部61に向けて湾曲延在したものである。突出片部63において取付基板部61に向けて延在した部分は、取付基板部61に対してほぼ直角となっている。突出片部63の延在端部は、側壁部42,43の端縁から突出し、かつキャップ部材70の室内側に位置する側壁部43を縦框21の支持ヒレ部202に当接させた場合に縦框21の装着溝203とほぼ同じ位置となるように構成してある。係合部材60は、左右のキャップ部材70で同一形状のものを適用している。
上記のように構成したキャップ部材70及び係合部材60を備える換気框30では、取付部31の室内に臨む見付け面31b及びキャップ部材70の室内側に位置する側壁部43にそれぞれ接着剤もしくは両面テープを装着した後、上框22の装着溝203に係合ヒレ部31aを挿入しながら、取付部31の室内に臨む見付け面31bを上框22の支持ヒレ部202に押し付けて支持させるとともに、キャップ部材70の室内側に位置する側壁部43を縦框21の支持ヒレ部202に押し付けて支持させれば、係合部材60の突出片部63が縦框21の装着溝203に挿入された状態となる。
すなわち、換気框30を縦框21の相互間に配置する際には、図12(a)に示すように、キャップ部材70から突出した係合部材60の突出片部63が傾斜面63aを介して縦框21に当接するため、傾斜面63aの傾斜作用により、図12(b)に示すように、可撓板部62が弾性的に変形し、突出片部63がキャップ部材70に向けて一旦引っ込んだ状態となる。従って、そのままの状態で換気框30を左右の縦框21の相互間に配置させることが可能となる。その後、係合部材60は、キャップ部材70の室内側に位置する側壁部43が縦框21の支持ヒレ部202に支持されるまでの間に突出片部63が縦框21の装着溝203に対向することになり、図12(c)に示すように、可撓板部62の弾性復元力によって突出片部63が装着溝203に挿入された状態となる。従って、係合部材60を何ら操作する必要がなく、換気框30の取付作業を容易化することができる。なお、一旦装着溝203に挿入された突出片部63は、取付基板部61に対してほぼ直角となる部分が当接する。従って、係合部材60は、装着溝203に当接した状態が維持され、キャップ部材70が支持ヒレ部202から離隔する方向の移動を制限することができる。
なお、実施の形態1及び実施の形態2では、いずれもキャップ部材40,70に係合部材53,60を設けるようにしているが、押縁26と別個に構成されたものであれば、必ずしもこれに限定されない。例えば、縦框21に係合部材を設けるようにしても良いし、後述する実施の形態3のように、換気框を取り付けた後、キャップ部材と縦框との間に係合部材を配置するようにしても良い。
(実施の形態3)
図13は、本発明の実施の形態3である建具の要部を示したものである。図には明示していないが、ここで例示する建具は、実施の形態1と同様、枠体10に対して室外側の外障子20A及び室内側の内障子20Bをそれぞれ左右方向にスライド可能に配設した引き違い窓と称されるもので、実施の形態1とはキャップ部材80及び係合部材90の構成のみが異なったものである。以下、これらキャップ部材80及び係合部材90について説明し、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付してそれぞれの詳細説明を省略する。なお、キャップ部材80が左右で対称形状であるのは実施の形態1と同様である。
実施の形態3の建具で適用するキャップ部材80においては、室外側に位置する側壁部42が厚板状に構成してある。この側壁部42は、キャップ部材80の室内側に位置する側壁部43を縦框21の支持ヒレ部202に当接させた場合に、端面が縦框21の装着溝203に対向して配置されるように構成してあり、装着溝203に対向する部位にスリット(挿入溝)81を有している。スリット81は、平板状を成す係合部材90の板厚とほぼ同じ幅に形成してあり、図には明示していないが、側壁部42の端面及び下面に開口するように構成してある。係合部材90については、左右のキャップ部材80で同一形状のものを適用している。
上記のように構成したキャップ部材80を備える換気框30では、キャップ部材80の側壁部42,43からは突出する部材がないため、換気框30を取り付ける際の作業性を損なうことがない。換気框30及びキャップ部材80をそれぞれ対応する框材21,22の支持ヒレ部202に接着させた後においては、係合部材90をキャップ部材80のスリット81及び縦框21の装着溝203にわたって挿入すれば良い。
この状態においては、換気框30の両端部に設けたキャップ部材80が縦框21の支持ヒレ部202に接着され、かつ係合部材90によってキャップ部材80と縦框21とが互いに係合された状態となる。これらの結果、換気框30は、上框22及び縦框21に対して見込み方向に沿った移動及び上下方向への移動が制限された状態で框組24に取り付けられることになる。この実施の形態3の建具によれば、実施の形態1と同様の作用効果に加え、係合部材90の構成が単純であるため、製造コストの点で有利となる。
なお、実施の形態3では、係合部材90の室外に臨む表面を覆うように側壁部42にスリット81を設けるようにしているが、必ずしもこれに限らず、図14の変形例2に示すように、室外に臨む部分が一部開放するように側壁部42にスリット81を設けるようにしても良い。この場合、係合部材90は、内周側の一部のみがスリット81に装着され、室外に臨む表面の大部分が外部に露出するようになるものの、キャップ部材80が支持ヒレ部202からの離隔する方向への移動を制限するように機能することが可能である。
また、実施の形態1~実施の形態3では、係合部材53,60,90を直接キャップ部材40,70,80と縦框21とに係合させるようにしているが、本発明はこれに限定されない。例えば、後述する実施の形態4のように、換気框と縦框との間に係合部材を設けることも可能である。
(実施の形態4)
図15は、本発明の実施の形態4である建具の要部を示したものである。図には明示していないが、ここで例示する建具は、実施の形態1と同様、枠体10に対して室外側の外障子20A及び室内側の内障子20Bをそれぞれ左右方向にスライド可能に配設した引き違い窓と称されるもので、実施の形態1とは係合部材100の構成が異なったものである。以下、係合部材100について説明し、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付してそれぞれの詳細説明を省略する。
実施の形態4の建具で適用する係合部材100は、換気框30の面材保持部32において内周側となる見込み面32aに沿って配置される第1板部101と、縦框21の内周側となる見込み面201aに沿って配置される第2板部102とを有したものである。第1板部101及び第2板部102は、金属によって一体に成形してあり、個々の先端部にネジ挿通孔101a,102aを有している。図からも明らかなように、第1板部101は、換気框30の長手に沿った寸法がキャップ部材40よりも大きく構成してある。第1板部101のネジ挿通孔101aは、第2板部102を縦框21の見込み面201aに当接させた場合に換気框30に対応する部位に形成してある。なお、実施の形態4のキャップ部材40には、弾性係合片45に相当する構成が設けられていない。
上述の係合部材100を備える建具において換気框30を取り付ける場合には、キャップ部材40の側壁部42,43からは突出する部材がないため、換気框30を取り付ける際の作業性を損なうことがない。換気框30及びキャップ部材40をそれぞれ対応する框材21,22の支持ヒレ部202に接着させた後においては、係合部材100の第1板部101を換気框30の見込み面32aに当接させるとともに、第2板部102を縦框21の見込み面201aに当接させ、この状態からそれぞれのネジ挿通孔101a,102aを介してネジを螺合すれば良い。
この状態においては、係合部材100により、換気框30を介してキャップ部材40と縦框21とが互いに係合された状態となる。これらの結果、換気框30は、上框22及び縦框21に対して見込み方向に沿った移動及び上下方向への移動が制限された状態で框組24に取り付けられることになる。
(実施の形態5)
図16及び図17は、本発明の実施の形態5である建具の要部を示したものである。ここで例示する建具は、実施の形態1と同様、枠体10に対して外障子20A及び内障子20Bをそれぞれ左右方向にスライド可能に配設した引き違い窓と称されるもので、実施の形態1とはキャップ部材110及び係合部材120の構成のみが異なったものである。以下、これらキャップ部材110及び係合部材120について説明し、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付してそれぞれの詳細説明を省略する。なお、キャップ部材110が左右で対称形状であるのは実施の形態1と同様である。
実施の形態5の建具で適用するキャップ部材110は、図18及び図19に示すように、直方体状を成すキャップ本体部111と、プレート状を成すキャップカバー部112とを備えて構成してある。
キャップ本体部111は、基板部113と、3つの外側壁部114,115,116と、内側壁部117とを一体に成形したものである。基板部113は、平板状を成すもので、換気框30の端面において補助装着溝32cの延長域を除く部分を覆うことのできる形状に構成してある。この基板部113には、ネジ挿通孔113a及び切欠113bが設けてある。ネジ挿通孔113aは、キャップ本体部111を換気框30に取り付けるためのネジSを挿通するため貫通孔であり、上下に2つ設けてある。切欠113bは、上下に沿って形成した縦長矩形状の開口であり、基板部113の室外側となる縁部よりもわずかに室内側となる位置に形成してある。図からも明らかなように、切欠113bは、上下に沿った長さが基板部113よりも短く、上下方向のほぼ中央となる位置に設けてある。外側壁部114,115,116は、基板部113の外周側、内周側及び室内側となる3つの縁部に設けたものである。基板部113からの外側壁部114,115,116の突出寸法は、実施の形態1で示したキャップ部材40の側壁部43とほぼ同じである。内側壁部117は、切欠113bの上下となる位置にそれぞれ設けたものである。この内側壁部117には、位置決め孔117a及び係止孔117bが設けてある。位置決め孔117a及び係止孔117bは、それぞれ矩形の開口を有した貫通孔であり、内側壁部117において切欠113bを挟んで上下となる部分のそれぞれに形成してある。
キャップカバー部112は、キャップ本体部111の内側壁部117を室外側から覆うためのものである。このキャップカバー部112には、位置決め突部112a及び係止突部112bが設けてある。位置決め突部112aは、断面が矩形の柱状を成すもので、内側壁部117の位置決め孔117aに嵌合することのできる大きさに形成してある。係止突部112bは、先端部に爪部112cを有したもので、内側壁部117の係止孔117bに挿通することのできる大きさに形成してある。係止突部112bの爪部112cは、内側壁部117の係止孔117bに挿通した場合に内側壁部117の裏面に係合することにより、キャップカバー部112をキャップ本体部111に対して着脱可能に保持させるものである。
上述したキャップ部材110には、固定金具130が取り付けてある。固定金具130は、キャップ部材110に対して係合部材120を取り付けるための機能を付与するとともに、キャップ部材110を換気框30に取り付けるためのものである。本実施の形態5では、図20に示すように、固定基板部131及び位置決め板部132が鋼材等の金属によって一体に成形された固定金具130を例示している。
固定基板部131は、図21及び図22に示すように、キャップ本体部111の基板部113に対して外側の表面113cに取り付けられるもので、基板部113に沿って上下に縦長となるように形成してある。この固定基板部131には、ネジ孔131a及び框取付部131b,131c,131dが設けてある。ネジ孔131aは、基板部113のネジ挿通孔113aに対応する部分に形成したものである。つまり、キャップ本体部111のネジ挿通孔113aを介して固定基板部131のネジ孔131aにそれぞれネジSを螺合することにより、固定基板部131がキャップ本体部111の表面113cに取り付けられることになる。框取付部131b,131c,131dは、固定基板部131を換気框30に取り付ける際にネジ131eが螺合される部分であり、固定基板部131の上下両端部及び室内側となる縁部に設けてある。固定基板部131の上方に設けた框取付部131bは、換気框30の取付部31にネジ止めされるもので、固定基板部131の下方に設けた框取付部131cは、換気框30の面材保持部32にネジ止めされるもので、それぞれキャップ本体部111から離隔する方向に向けて延在している。固定基板部131の室内側となる縁部に設けた框取付部131dは、室内側開閉機構302にネジ止めされるもので、キャップ本体部111から離隔する方向に向けて延在している。
位置決め板部132は、固定基板部131の室外側となる縁部からキャップ本体部111の切欠113bを介して基板部113を貫通し、内側壁部117の相互間に配置された板状のものである。この位置決め板部(固定手段)132には、固定用ネジ孔(固定手段)132a、位置決め突起132b及び位置決め孔132cが設けてある。固定用ネジ孔132aは、位置決め板部132を見込み方向に沿って貫通するように形成したものである。位置決め突起132bは、位置決め板部132の上縁において外周側に位置する部分から上方に突出したものである。位置決め孔132cは、固定用ネジ孔132aの下方となる部分に設けた貫通孔である。
一方、実施の形態5で適用する係合部材120は、図23に示すように、取付板部121、係合端部122、押縁保持片部123を鋼材等の金属によって一体に成形したものである。取付板部121は、位置決め板部132に重ね合わせた状態で固定金具130に連結されるもので、ネジ挿通孔121a及び2つの回転規制片121bを有している。ネジ挿通孔121aは、位置決め板部132の固定用ネジ孔132aに対応して形成した貫通孔である。回転規制片121bは、取付板部121においてネジ挿通孔121aを中心として互いに180°ずれた上下位置から室内側に向けて突出したものである。より詳細に説明すると、ネジ挿通孔121aが位置決め板部132の固定用ネジ孔132aに対向して配置された場合に位置決め板部132の上縁132d及び位置決め孔132cに対応する部分に形成してある。係合端部122は、縦框(支持フレーム材)21の装着溝203に挿入されるものである。この係合端部122は、取付板部121のネジ挿通孔121aが位置決め板部132の固定用ネジ孔132aに対向して配置された場合に外側壁部114,115,116の端縁から突出した係合位置となるように取付板部121に設けてある。図からも明らかなように、係合端部122の上下に沿った寸法は、取付板部121よりも大きく構成してある。押縁保持片部123は、係合端部122において下方の内側壁部117に対向する部分から下方に向けて延在したものである。図25に示すように、この押縁保持片部123は、下方に向けて漸次室外側に傾斜した後に屈曲して見付け方向に延在しており、図24及び図25に示すように、換気框30の補助装着溝32cに装着された押縁26の装着片部26aに対して室外側から当接することが可能である。
上記のように構成したキャップ部材110及び係合部材120を備える建具においては、換気框30を取り付ける際に、図25に示すように、係合部材120を取り外し、キャップ本体部111及び固定金具130を換気框30の両端部に取り付けた状態で行うことができる。従って、キャップ本体部111の外側壁部114,115,116からは突出する部材がないため、換気框30を取り付ける際の作業性を損なうことがない。換気框30及びキャップ本体部111をそれぞれ対応する框材21,22の支持ヒレ部202に接着させた後においては、係合端部122を縦框21の装着溝203に配置した状態でネジ挿通孔121aを介して固定用ネジ孔132aに固定ネジ(固定手段)150を螺合することにより、固定金具130を介して係合部材120をキャップ本体部111に取り付ければ、係合部材120によってキャップ本体部111と縦框21とが互いに係合された状態となる。この結果、換気框30は、上框22及び縦框21に対して見込み方向に沿った移動及び上下方向への移動が制限された状態で框組24に取り付けられることになる。固定ネジ150を螺合する作業においては、係合部材120を固定金具130に重ね合わせた際に回転規制片121bが位置決め板部132の上縁132d及び位置決め孔132cに係合し、係合部材120と固定金具130との相対回転が規制された状態となっている。従って、単一の固定ネジ150を螺合する場合にも、係合部材120を押さえている必要がなくなり、取付作業を煩雑化することなく部品点数の削減を図ることができる。最後に、キャップ本体部111にキャップカバー部112を取り付ければ、係合部材120が外部に露出することはなく、外観品質が損なわれるおそれもない。
なお、上述した実施の形態5では、係合部材120に押縁保持片部123を設けるようにしているため、延長装着溝を有していないキャップ部材110においても、押縁26の位置ずれを防止することが可能となる。しかしながら、本発明は必ずしも係合部材120が押縁保持片を有している必要はない。例えば、図26及び図27の変形例3に示すように、押縁保持片を省略した係合部材220を用いるようにしても良い。なお、変形例3において実施の形態5と同様の構成については同一の符号が付してある。この変形例3においても、換気框30を取り付ける際の作業性に関する作用効果、固定ネジ150の螺合作業が容易化する作用効果については、実施の形態5と同様に奏することが可能である。
また、上述した実施の形態5では、固定ネジ150を螺合することによって係合部材120をキャップ部材110に取り付けるようにしているが、本発明はこれに限定されず、かしめ固定したり、接着固定して係合部材をキャップ部材に取り付けるようにしても良い。なお、固定ネジ150を適用する場合に上述した実施の形態5では、キャップ部材110とは別体の固定金具130に固定用ネジ孔132aを設けるようにしているが、キャップ部材110に直接固定用ネジ孔を設けても良い。またさらに、回転規制部材として係合部材120の取付板部121から突出する突起状の回転規制片121bを例示しているが、本発明は必ずしもこれに限定されず、取付板部121が固定金具130の位置決め板部132に重ね合わされた状態で相対回転を規制することができれば、その他の形状のものであっても良いし、位置決め板部132に回転規制部材を設けるようにしても構わない。
なお、上述した実施の形態1~実施の形態5及び変形例では、引き違い窓の障子に換気框を設けたものを例示しているが、本発明はこれに限定されず、引き違い窓以外の建具に適用される障子にも適用することが可能である。また、必ずしも障子に限らず、枠体に直接面材を支持させたFIX窓に換気フレーム材を設ける場合にも適用することが可能である。これらの場合、上方のフレーム材に換気フレーム材を設ける必要はなく、下方のフレーム材に換気フレーム材を設ける場合にも適用可能である。さらに、支持フレーム材を上下に配置した建具においては、左右のフレーム材に換気フレーム材を設ける場合に適用可能である。またさらに、支持フレーム材及び換気フレーム材として樹脂によって成形したものを例示しているが、必ずしもこれに限定されない。またさらに、キャップ部材として、支持フレーム材の支持ヒレ部に支持させた(具体的には接着剤や両面テープを介して当接させた)場合に、支持フレーム材の装着溝を覆う寸法を有したものを適用しているが、本発明は必ずしもこれに限定されない。
以上のように、本発明に係る建具は、互いに間隔を確保して配置される2つの支持フレーム材と、前記2つの支持フレーム材の間に架け渡すように設けられた換気フレーム材とを備え、前記支持フレーム材には、面材の一方の表面を支持する支持ヒレ部が設けられているとともに、前記面材の他方の表面を支持するための押縁が装着される装着溝が設けられ、前記換気フレーム材は、両端部に装着したキャップ部材の間に見込み方向に沿った通気を可能とする換気機構を備え、前記キャップ部材の一方の壁部を介して前記支持フレーム材の支持ヒレ部に支持されるものであり、前記キャップ部材と前記支持フレーム材との間には、前記キャップ部材が前記支持ヒレ部から離隔する方向の移動を制限し、かつ前記押縁とは別個に構成された規制手段が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、換気フレーム材のキャップ部材を押縁とは別個の規制手段と支持フレーム材の支持ヒレ部とによって支持するようにしている。このため、押縁によってキャップ部材を挟持する必要がなく、キャップ部材の表面位置と面材の表面位置との差が押縁と面材の表面との相対位置に影響を及ぼすことがない。これにより、気密性や水密性に影響を与えることなく換気フレーム材を支持することが可能となる。
また本発明は、上述した建具において、前記規制手段は、前記キャップ部材に設けられ、延在端部が前記支持フレーム材の装着溝に挿入される係合部材を備えていることを特徴としている。
この発明によれば、係合部材がキャップ部材と支持フレーム材の装着溝との間に介在するだけであるため、外部に露出する事態を防止することができ、外観品質が損なわれる事態を招来するおそれがない。
また本発明は、上述した建具において、前記係合部材は、前記キャップ部材に対して移動可能に支持され、前記支持フレーム材の装着溝から逸脱した退避位置と、前記支持フレーム材の装着溝に挿入された係合位置とに変位することを特徴としている。
この発明によれば、係合部材を退避位置に保持した状態で換気フレーム材を取り付け、その後に係合部材を支持フレーム材の装着溝に挿入させることができる。従って、換気フレーム材の取付作業を煩雑化する事態を招来することがない。
また本発明は、上述した建具において、前記係合部材は、弾性部材によって成形され、延在端部が前記キャップ部材から突出する位置に配置されたものであり、前記係合部材において前記キャップ部材から突出した部分には傾斜面が設けられ、前記傾斜面は、前記キャップ部材から突出するに従って前記一方の壁部との距離が漸次増大するように傾斜していることを特徴としている。
この発明によれば、換気フレーム材を取り付ける際に係合部材の傾斜面に支持フレーム材が当接すると、傾斜作用によって係合部材がキャップ部材に向けて一旦引っ込んだ状態となる。その後、係合部材が支持フレーム材の装着溝に対向した位置に至ると、弾性復元力によって装着溝に挿入された状態となる。従って、係合部材を操作する必要がなく、換気フレーム材の取付作業を容易化することが可能である。
また本発明は、上述した建具において、前記規制手段は、前記換気フレーム材と前記支持フレーム材との間にわたって配置され、これら換気フレーム材及び支持フレーム材に対してそれぞれネジによって固定された係合部材を備えていることを特徴としている。
この発明によれば、係合部材を換気フレーム材及び支持フレーム材に固定することにより、換気フレーム材を介してキャップ部材が支持ヒレ部から離隔する方向の移動を制限することができる。従って、キャップ部材としては、単に換気フレーム材の端部を塞ぐ機能を有しているものを適用すれば良く、構造を単純化することができる。
また本発明は、上述した建具において、前記キャップ部材は、前記支持フレーム材の装着溝に対向する部分に挿入溝が設けられたものであり、前記規制手段は、前記キャップ部材の挿入溝と前記支持フレーム材の装着溝との間にわたって配置される平板状の係合部材を備えていることを特徴としている。
この発明によれば、係合部材をキャップ部材の挿入溝と支持フレーム材の装着溝との間にわたって配置すれば良いため、換気フレーム材の取付作業を容易化することが可能となる。
また本発明は、上述した建具において、前記規制手段は、前記キャップ部材と前記支持フレーム材の装着溝との間にわたって配置され、固定手段によって前記キャップ部材に取り付けられる係合部材を備えていることを特徴としている。
この発明によれば、係合部材をキャップ部材と支持フレーム材の装着溝との間にわたって配置し、固定手段によってキャップ部材に取り付ければ良いため、換気フレーム材の取付作業を煩雑化することなく係合部材の取付状態をより確実化することが可能となる。
また本発明は、上述した建具において、前記キャップ部材には、固定用ネジ孔が設けられた固定金具が取り付けられ、固定ネジを前記固定用ネジ孔に螺合することによって前記係合部材が前記キャップ部材に取り付けられていることを特徴としている。
この発明によれば、固定ネジを固定金具の固定用ネジ孔に螺合しているため、温度変化や経年の影響によってネジが脱落する事態を防止することができる。
また本発明は、上述した建具において、前記係合部材と前記固定金具との間には、相対回転を制限する回転規制部材が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、係合部材と固定金具との間に固定ネジを唯一螺合する場合にも係合部材を押さえている必要がなくなり、取付作業を煩雑化することなく部品点数の削減を図ることができる。
また本発明は、上述した建具において、前記換気フレーム材には、前記面材の一方の表面を支持する面材保持部が設けられているとともに、前記面材の他方の表面を支持するための押縁が装着される補助装着溝が設けられ、前記係合部材には、前記補助装着溝に装着された押縁の装着片部を保持する押縁保持片部が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、換気フレーム材に設けた押縁の端部が係合部材の押縁保持片部によって押さえられることになり、押縁の位置ずれを防止することができる。