以下、添付図面を参照しながら本発明に係る建具の好適な実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1及び図2は、本発明の実施の形態1である建具を示したものである。ここで例示する建具は、枠体10及び障子20を備え、枠体10に対して障子20を室外側に開くように構成した縦すべり出し窓と称されるものである。枠体10は、上下の横枠11,12及び左右の縦枠13,14を四周枠組みすることによって矩形状に構成したものである。障子20は、矩形平板状を成す面材21の四周に上下の横框(建材)22,23及び左右の縦框(建材)24,25を装着することによって構成したものである。面材21としては、スペーサ21aを介してガラス板21bを3枚積層した複層ガラスを適用している。なお、面材21としては、必ずしも複層ガラスである必要はない。枠体10を構成する横枠11,12及び縦枠13,14は、それぞれ枠本体15と、枠本体15の室外側となる部分を覆う枠カバー部材16とを備えて構成したものである。同様に、障子20を構成する横框22,23及び縦框24,25は、それぞれ框本体(建材本体)26と、框本体26の室外側となる部分を覆う框カバー部材(カバー部材)27とを備えて構成したものである。
枠本体15及び框本体26は、ポリ塩化ビニル等の樹脂によって成形した押し出し形材であり、それぞれ長手に沿った全長にわたる部分がほぼ一様な断面形状を有するように構成してある。枠カバー部材16及び框カバー部材27は、アルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材であり、それぞれ長手に沿った全長にわたる部分がほぼ一様な断面形状を有するように構成してある。枠本体15及び框本体26については、それぞれが四周で互いに同一の断面形状を有するように構成してある。これに対して枠カバー部材16は、左右の縦枠13,14を構成するものが互いに同一の断面形状を有しているが、縦枠13,14を構成するもの(以下、区別する場合に縦枠カバー部材16Aという)と、上方の横枠11を構成するもの(以下、区別する場合に上枠カバー部材16Bという)と、下方の横枠12を構成するもの(以下、区別する場合に下枠カバー部材16Cという)とで、互いに異なる断面形状を有するように構成してある。框カバー部材27については、左右の縦框24,25を構成するものが互いに同一の断面形状を有し、上下の横框22,23を構成するものが互いに同一の断面形状を有しているが、縦框24,25を構成するもの(以下、区別する場合に縦框カバー部材27Aという)と、横框22,23を構成するもの(以下、区別する場合に横框カバー部材27Bという)とで、互いに異なる断面形状を有するように構成してある。
以下、これら枠本体15、枠カバー部材16、框本体26、框カバー部材27の構成について説明し、併せて本願発明の特徴部分について詳述する。なお、以下においては便宜上、躯体Bに取り付けられた状態の姿勢でそれぞれの方向を特定することとする。また、見込み方向及び見付け方向という用語を用いる。見込み方向とは、図中の矢印Aで示すように、建具の奥行きに沿った方向である。見込み方向に沿った面については見込み面と称する場合がある。見付け方向とは、横枠11,12や横框22,23等のように水平方向に沿って延在する建材の場合、見込み方向に直交した上下に沿う方向である。縦枠13,14や縦框24,25等のように上下方向に沿って延在する建材の場合には、見込み方向に直交した水平に沿う方向を見付け方向という。見付け方向に沿った面については、見付け面と称する場合がある。
枠本体15は、図1~図3に示すように、枠基部15a、内方取付ヒレ部15b及び枠内周突出部15cを一体に成形したものである。枠基部15aは、中空のブロック状を成すもので、取付支持面15d、本体傾斜面15e、シール面15f、枠外周見込み面15g、枠内周見込み面15h及び内周凹部15jを有している。取付支持面15dは、横枠11,12や縦枠13,14を躯体Bに固定する際に躯体Bの開口内表面B1に当接する平面であり、枠基部15aの室内側、かつ外周側となる部分に設けてある。本体傾斜面15eは、取付支持面15dよりも室外側、かつ内周側に設けた平面であり、室外に向けて漸次外周側となるように傾斜している。シール面15fは、本体傾斜面15eの室外側縁部から内周に向けて延在した見付け方向に沿う平面である。枠外周見込み面15gは、シール面15fの内周側となる部分から室外に向けて延在した平面であり、取付支持面15dとほぼ平行となるように設けてある。枠内周見込み面15hは、枠基部15aの内周側において見込み方向に沿う平面であり、枠外周見込み面15gとほぼ平行となるように設けてある。内周凹部15jは、枠内周見込み面15hの室外側に位置する縁部に設けた凹所であり、枠基部15aの内周側及び室外側に開放している。内周凹部15jの内周側となる内底面15kは、枠内周見込み面15hとほぼ平行である。内方取付ヒレ部15bは、枠基部15aの室内側となる見付け面において外周側に位置する縁部から室内に向けて突出したものである。枠内周突出部15cは、枠内周見込み面15hの室内側に位置する縁部から見付け方向に沿って内周側に突出した中空状のものである。枠内周突出部15cの突出縁部において室外側となる部分には、長手に沿ったほぼ全長に枠シール部材17が装着してある。図には明示していないが、上記の構成を有する枠本体15は、それぞれの端部に45°の傾斜接合面を形成し、傾斜接合面を介して互いに溶着することによって矩形状に連結してある。
縦枠カバー部材16A、上枠カバー部材16B及び下枠カバー部材16Cは、上述したように、互いに断面形状が異なるものであるが、互いに共通となる外周連結片部16a、外周取付ヒレ部16bを有している。外周連結片部16aは、枠本体15の外周側にネジ止めされる部分であり、カバー傾斜面16cを有している。カバー傾斜面16cは、本体傾斜面15eに接合される平面であり、室内に向けて漸次内周側となるように傾斜している。外周取付ヒレ部16bは、外周連結片部16aの室外側に位置する縁部から見付け方向に沿って外周側に延在するものである。
図2及び図3(b)に示すように、縦枠カバー部材16Aは、以上の共通構成に加えて、見込み延在部16d、シール面対向部16e、内周見付け延在部16f及び内周連結片部16gを一体に構成したものである。見込み延在部16dは、外周取付ヒレ部16bにおいて外周連結片部16aよりも内周側となる部分から見込み方向に沿って室外側に突出したものである。見込み延在部16dの突出縁部は、外周側に屈曲した後に室内側に向けて屈曲している。シール面対向部16eは、見込み延在部16dの室内側となる縁部から内周側に向けて突出したものである。シール面対向部16eの室内側となる部分には、長手に沿ったほぼ全長にカバーシール部材18が装着してある。内周見付け延在部16fは、見込み延在部16dにおいて見込み方向のほぼ中間となる部分から見付け方向に沿って内周側に突出したものである。内周連結片部16gは、内周見付け延在部16fの突出縁部よりもわずかに外周側となる部分から見込み方向に沿って室内側に突出することにより、縦枠カバー部材16Aに押縁装着溝16g1を構成するものである。内周連結片部16gの突出縁部は、内周側に向けてほぼ直角に屈曲した後、室外側に向けてほぼ直角に屈曲している。この内周連結片部16gは、外周連結片部16aのカバー傾斜面16cを枠本体15の本体傾斜面15eに当接した場合に、内周凹部15jの内底面15kに当接するように形成してある。内周連結片部16gにおいて内周側に向けて屈曲した部分は、内周見付け延在部16fにおいて内周連結片部16gよりも内周側に突出する部分とほぼ同じ寸法を有し、枠基部15aに設けた内周凹部15jの見付け方向に沿った寸法とほぼ等しい。
図1及び図3(c)に示すように、上枠カバー部材16Bは、上述の共通構成に加えて、見込み延在部16d、内周見付け延在部16f及び内周連結片部16gを一体に構成したものである。見込み延在部16dは、外周連結片部16aと外周取付ヒレ部16bとの連結部から内周側に向けて漸次外方に傾斜した後、見付け方向に沿って内周側に延在し、さらに見込み方向に沿って室外側に突出したものである。見込み延在部16dの突出縁部は、見付け方向に沿って内周側に延在している。また、見込み延在部16dの外周側には、外周取付ヒレ部16bとの間を連結するように上枠補強ヒレ部16hが設けてある。上枠補強ヒレ部16hは、見込み延在部16dの突出縁部から外周側に延在した後、見込み方向に沿って室内側に延在したもので、見込み延在部16d及び外周取付ヒレ部16bとの間に中空部16jを構成している。見込み延在部16d及び上枠補強ヒレ部16hには、それぞれ中空部16jに面する部分にビスホール16kが設けてある。ビスホール16kは、周面の一部が開口した細径の円筒状を成すもので、見込み延在部16dの室内側に位置する部分及び上枠補強ヒレ部16hの室外側に位置する部分に設けてある。内周見付け延在部16fは、見込み延在部16dにおいて見込み方向のほぼ中間となる部分から見付け方向に沿って内周側に突出したものである。内周連結片部16gは、縦枠カバー部材16Aに設けたものと同様のものである。
図1及び図3(d)に示すように、下枠カバー部材16Cは、上述の共通構成に加えて、見込み延在部16d、シール面対向部16e、内周見付け延在部16f及び内周連結片部16gを一体に構成したものである。見込み延在部16dは、外周取付ヒレ部16bにおいて外周連結片部16aよりも外周側となる部分から見込み方向に沿って室外側に突出したものである。見込み延在部16dの突出縁部は、外周側に向けて屈曲している。シール面対向部16eは、外周連結片部16aと外周取付ヒレ部16bとの連結部から内周側に向けて漸次外方に傾斜した後、見付け方向に沿って内周側に突出したものである。シール面対向部16eの室内側となる部分には、長手に沿ったほぼ全長にカバーシール部材18が装着してある。また、シール面対向部16eには、室外側となる部分と見込み延在部16dとの間を連結するように下枠補強ヒレ部16mが設けてある。上述の見込み延在部16d及び下枠補強ヒレ部16mには、それぞれビスホール16kが設けてある。ビスホール16kは、上枠カバー部材16Bに設けたものと同様のものであり、見込み延在部16dの室外側に位置する部分及び下枠補強ヒレ部16mと見込み延在部16dとの連結部分に設けてある。内周見付け延在部16fは、見込み延在部16dにおいて室外側となる部分から見付け方向に沿って内周側に突出した後、見込み方向に沿って内周側に延在し、さらに見付け方向に沿って内周側に延在したものである。内周連結片部16gは、縦枠カバー部材16Aに設けたものと同様のものである。
上述した縦枠カバー部材16A、上枠カバー部材16B及び下枠カバー部材16Cは、枠本体15に対して内周連結片部16gが内周凹部15jに配置されるとともに、外周連結片部16aのカバー傾斜面16cが本体傾斜面15eに当接した状態に配置される。この状態から内周連結片部16gを介して内周凹部15jの内底面15kにネジ19を螺合し、かつ外周連結片部16aを介して本体傾斜面15eにネジ19を螺合することにより、縦枠カバー部材16A、上枠カバー部材16B、下枠カバー部材16Cがそれぞれの枠本体15に連結された状態に維持される。また、図には明示していないが、上枠カバー部材16B及び下枠カバー部材16Cの両端面は、それぞれ縦枠カバー部材16Aにおける見込み延在部16dの内周側となる見込み面に当接している。この状態から縦枠カバー部材16Aの見込み延在部16dを介して上枠カバー部材16Bのビスホール16k及び下枠カバー部材16Cのビスホール16kにそれぞれネジを螺合することによって縦枠カバー部材16Aの上下両端部間にそれぞれ上枠カバー部材16B及び下枠カバー部材16Cが連結された状態に維持されて枠体10が構成される。
これらの組立作業の間、枠カバー部材16の内周連結片部16g及び外周連結片部16aが枠本体15の内周凹部15j及び本体傾斜面15eに当接するまでの間は、下枠カバー部材16Cのカバーシール部材18及び縦枠カバー部材16Aのカバーシール部材18が枠本体15に摺接されることがない。従って、枠体10を構成する際にカバーシール部材18に損傷を来すおそれがなく、その品質を確実に維持することができる。しかも、外周連結片部16aを介して本体傾斜面15eにネジ19を螺合すれば、カバー傾斜面16cと本体傾斜面15eとの傾斜により、カバーシール部材18が枠本体15のシール面15fに押圧されることになり、カバー部材と枠本体15との間に所望の水密性を確保することが可能である。
また、上記のようにして枠本体15に枠カバー部材16を取り付けた枠体10においては、樹脂によって成形した枠本体15の室外側となる部分が、金属によって成形した枠カバー部材16によって覆われることになり、耐候性の点で有利となる。
さらに、枠カバー部材16と枠本体15とを連結するネジ19がいずれも見付け方向に沿って螺合されたものであり、室内の見付け面や室外の見付け面にネジ19が露出することがない。従って、外観品質の点で有利となる。なお、枠カバー部材16と枠本体15との連結強度を考慮した場合には、図からも明らかなように、枠本体15においてネジ19が螺合される部分に、予め肉盛りすることによって板厚を増大させておくことが好ましい。
一方、障子20を構成する横框22,23及び縦框24,25の框本体26は、図1、図2、図4に示すように、框基部26a、框内周突出部(面材支持部)26b及び框外周突出部26cを一体に成形したものである。框基部26aは、中空のブロック状を成すもので、框外周見込み面26d、框内周見込み面26e及び押縁装着溝26fを有している。框外周見込み面26d及び框内周見込み面26eは、それぞれ見込み方向に沿った平面であり、互いに平行となるように延在している。押縁装着溝26fは、框内周見込み面26eの室外側に位置する縁部に形成した凹所であり、内周側にのみ開口している。押縁装着溝26fの室内側に位置する開口部には、押さえ突部26gが設けてある。押さえ突部26gは、押縁装着溝26fの縁部から見込み方向に沿って室外側に突出した平板状部分である。框内周突出部26bは、框内周見込み面26eの室内側に位置する縁部から内周に向けて突出した中空状のものである。框外周突出部26cは、外周見込み面の室外側に位置する縁部から見付け方向に沿って外周側に突出した中空状のものである。図からも明らかなように、框内周突出部26bは、框外周突出部26cよりも見込み方向に沿った寸法が大きくなるように構成してある。框外周突出部26cには、シール部26h及び係合溝26nが設けてある。シール部26hは、框外周突出部26cよりも軟質となる樹脂によって成形したもので、框外周突出部26cの室内側、かつ外周側となる隅部分から室内側に向けて漸次内周側となるように傾斜延在している。このシール部26hは、二色成形によって框本体26と一体に成形してある。係合溝26nは、框外周突出部26cの外周側に位置する見込み面26mと、室内側となる見付け面26pとの間の隅部に設けた凹所である。
図には明示していないが、上記の構成を有する框本体26は、枠本体15と同様、それぞれの端部に45°の傾斜接合面を形成し、傾斜接合面を介して互いに溶着することによって矩形状に連結してある。矩形状に連結した框本体26は、枠体10の内周に配置した場合に、框外周突出部26cが枠本体15の室外側となる見付け面15mに対向し、かつ框本体26の室内側となる見付け面26jが枠内周突出部15cに対向するようにそれぞれの寸法が調整してある。
框カバー部材27は、カバー本体部27a、溝係合片部(係合片部)27c、押縁構成部27dを一体に構成したものである。カバー本体部27aは、框本体26の室外側となる部分を覆うためのもので、見付けカバー部27a1及び外周当接部(当接部)27a2を有している。見付けカバー部27a1は、框本体26の室外側となる見付け面26kを覆う平板状部分であり、框本体26の見付け面26kよりもわずかに大きな見付け寸法を有するように形成してある。外周当接部27a2は、見付けカバー部27a1の外周側に位置する縁部から見込み方向に沿って室内側に延在し、框外周突出部26cの外周側に位置する見込み面26mを覆うものである。外周当接部27a2の延在縁部には、内周側に向けて屈曲した係合突起27a3が設けてある。係合突起27a3は、外周当接部27a2によって框外周突出部26cの見込み面26mを覆った場合に係合溝26nを介して框外周突出部26cに係合することが可能である。溝係合片部27cは、見付けカバー部27a1の内周側に位置する縁部から見込み方向に沿って室内側に延在した後に二股に分岐し、外方係合部27c1及び内方係合部27c2を構成している。外方係合部27c1は、室内に向けて漸次外周側となるように傾斜した後、見込み方向に沿って室内側に延在したものである。これに対して内方係合部27c2は、室外に向けて漸次外周側となるように傾斜したものである。これら外方係合部27c1及び内方係合部27c2を有する溝係合片部27cは、見付けカバー部27a1によって框基部26aの見付け面26kを覆い、かつ外周当接部27a2によって框外周突出部26cの見込み面26mを覆った場合に、框基部26aに設けた押縁装着溝26fの内部に配置させることが可能である。これにより、外方係合部27c1が押さえ突部26gの外周側に位置する面に当接するとともに、内方係合部27c2が押縁装着溝26fの室外側に位置する内壁面に当接する。従って、溝係合片部27cが框本体26に係合し、押縁装着溝26fからの溝係合片部27cの脱落が制限された状態となる。
押縁構成部27dは、框本体26の框内周突出部26bに対向するように、見付けカバー部27a1の内周側に位置する縁部から見付け方向に沿って内周側に延在したものである。押縁構成部27dの突出縁部において室内側となる部分には、面材用シール部材28が装着してある。面材用シール部材28は、矩形の筒状を成すシール本体28aと、シール本体28aの外周に位置する部分から延在した2条のシールヒレ部28bとを樹脂によって一体に成形したものである。シールヒレ部28bの延在縁部は、溝係合片部27cとの間に隙間を確保した位置において溝係合片部27cに対向している。縦框カバー部材27Aと横框カバー部材27Bとは、見付けカバー部27a1の室内側に位置する表面に突起27eがあるか否かが相違し、かつこの突起27eの突出寸法分だけ外周当接部27a2の見込み方向に沿った寸法及び溝係合片部27cの見込み方向に沿った寸法が大きい点が相違するのみである。すなわち、図4(b)に示すように、縦框カバー部材27Aには、見付けカバー部27a1に突起27eが設けてある。これに対して横框カバー部材27Bには、図4(c)に示すように、見付けカバー部27a1に突起27eがない。突起27eの突出寸法は、框カバー部材27の板厚に相当するものである。つまり縦框カバー部材27Aの外周当接部27a2及び溝係合片部27cは、見込み方向に沿った寸法が、横框カバー部材27Bの外周当接部27a2及び溝係合片部27cよりも突起27eの分だけ大きく構成してある。
上述した框カバー部材27は、押縁構成部27dと框本体26の框内周突出部26bとの間に面材21の縁部を配置した状態で框本体26に装着され、これら框本体26及び面材21とともに障子20を構成することになる。より具体的に説明すると、溝係合片部27cが押縁装着溝26fの内部に係合されることにより、框カバー部材27の見付けカバー部27a1及び外周当接部27a2によって框本体26の室外側となる見付け面26k及び外周側の見込み面26mが覆われた状態となる。図からも明らかなように、框カバー部材27の溝係合片部27cは、見付けカバー部27a1からほぼ直角となる方向に延在し、その先端部である外方係合部27c1が室内に向けて漸次外周側となるように傾斜している。このため、図5に示すように、框本体26に対して室外側となる部分から見込み方向に沿うように框カバー部材27を近接させることで、外周当接部27a2と框本体26とが干渉することなく溝係合片部27cを押縁装着溝26fに挿入することが可能であり、框カバー部材27の取り付け作業が煩雑化するおそれもない。
さらに外周当接部27a2を介して框外周突出部26cにネジ(ネジ部材)29を螺合することにより、框カバー部材27が框本体26に連結された状態に維持され、押縁構成部27dと框本体26の框内周突出部26bとの間に面材21が支持される。特に、ネジ29を見込み方向に沿って螺合しているため、溝係合片部27cの内方係合部27c2が押縁装着溝26fの押さえ突部26gに押圧された状態となり、框カバー部材27に外力が加えられた場合にも、溝係合片部27cが押縁装着溝26fから不用意に脱落するおそれがない。
図からも明らかなように、框本体26と框カバー部材27との間に面材21を支持した状態においては、面材用シール部材28のシールヒレ部28bが面材21の外周側となる端面21cよりも外周側に突出している。図には明示していないが、横框カバー部材27Bと縦框カバー部材27Aとは、障子20の四隅において互いに重ね合わされ、横框カバー部材27Bの見付けカバー部27a1が縦框カバー部材27Aの見付けカバー部27a1によって覆われた状態となっている。
上記のようにして框本体26に框カバー部材27を取り付けた障子20においては、樹脂によって成形した框本体26の室外側となる部分が、金属によって成形した框カバー部材27によって覆われることになり、耐候性の点で有利となる。
しかも、框カバー部材27と框本体26とを連結するネジ29は、見付け方向に沿って螺合されたものであり、障子20において室内の見付け面や室外の見付け面に露出することがない。従って、外観品質の点で有利となる。なお、框カバー部材27と框本体26との連結強度を考慮した場合には、図からも明らかなように、框本体26においてネジ29が螺合される部分に、予め肉盛りすることによって板厚を増大させておくことが好ましい。
上述の障子20は、横框22,23と横枠11,12との間にそれぞれ開閉リンク機構30を介在させた状態で枠体10の内部に配置され、縦すべり出し窓を構成することになる。縦すべり出し窓を躯体Bに取り付けるには、枠カバー部材16の外周取付ヒレ部16b及び枠本体15の内方取付ヒレ部15bを介して躯体Bに取付ネジ1を螺合させれば良い。障子20を閉じた状態においては、枠本体15の枠内周突出部15cに設けた枠シール部材17が框本体26に押圧されるとともに、框本体26に設けたシール部26hが枠カバー部材16の内周見付け延在部16fに押圧された状態となり、枠体10と障子20との間に所望の気密性及び水密性が確保される。
上記のように構成した縦すべり出し窓によれば、枠体10及び障子20において室内側に位置する部分に、樹脂によって成形された枠本体15及び框本体26が配置される。また、框カバー部材27と面材21との間に断熱性を有した面材用シール部材28が介在する。さらに、面材用シール部材28のシールヒレ部28bが面材21の外周側となる端面21cよりも外周側に突出しているため、框本体26の框内周突出部26bと框カバー部材27の押縁構成部27dとの間に構成される面材21の収容空間Sが、シールヒレ部28bによって室外側と室内側とに区分けされ、相互間での対流が抑制される。これらの結果、室外側と室内側とが熱的に遮断され、あるいは室外側と室内側との間の熱伝達が抑制され、断熱性の点で有利となる。従って、例えば外気温が室内に比べて低い場合にも、枠体10や障子20に結露が生じ難くなる。しかも、枠本体15及び框本体26の室外側となる部分は、いずれも金属によって成形したカバー部材16,27によって覆われており、太陽光が直接照射されない等、耐候性の点で有利となる。これにより、例えば実施の形態1のように枠本体15や框本体26がポリ塩化ビニルによって成形されたものであっても、変色が生じ難い等の利点があり、枠本体15や框本体26の表面にアクリル樹脂を積層する必要もなくなる。
さらに、室外側において面材21を支持する押縁構成部27dが金属によって成形してあるため、樹脂によって成形した場合に比べて温度変化による熱変形量が抑えられ、面材21の支持状態が不安定となる事態を防止することができる。加えて、カバー本体部27aと押縁構成部27dとが一体であるため、障子20の横框22,23及び縦框24,25において室外側に位置する部分及び押縁構成部27dが同じ金属によって成形されたものとなるため、外観品質の点でも好ましいものとなる。しかも、取り扱い部品点数が増えることがないため、組立作業に影響を与えるおそれもない。
なお、框カバー部材27の溝係合片部27cは、必ずしも框本体26の押さえ突部26gに当接する必要はなく、例えば図6及び図7に示す変形例の框カバー部材27Cのように、押縁装着溝26fの室外側に位置する縁部26qに係合するように溝係合片部27fを構成するようにしても良い。すなわち、変形例に示す框カバー部材27Cの溝係合片部27fは、見付けカバー部27a1の内周側に位置する縁部から見込み方向に沿って室内側に延在した後に外周側に向けてわずかに室外側となるように湾曲し、さらに内周側に向けて漸次室内側となるように湾曲したものである。溝係合片部27fにおいてもっとも外周側となる部分には、見付けカバー部27a1に向けて突出するように係合爪部27f1が設けてある。一方、変形例の框本体26には、押縁装着溝26fの室外側に位置する縁部26qに、押さえ突部26gに向けてわずかに突出するように係合突条26rが設けてある。なお、変形例において実施の形態1と同様の構成については、同一の符号が付してある。
この変形例の框カバー部材27Cは、押縁構成部27dと框本体26の框内周突出部26bとの間に面材21の縁部を配置した状態で框本体26に装着され、これら框本体26及び面材21とともに障子20を構成することになる。より具体的に説明すると、係合爪部27f1を係合突条26rに係合させることにより、溝係合片部27fが押縁装着溝26fの内部に挿入された状態に維持され、框カバー部材27Cの見付けカバー部27a1及び外周当接部27a2によって框本体26の室外側となる見付け面26k及び外周側の見込み面26mが覆われた状態となる。図からも明らかなように、框カバー部材27Cの溝係合片部27fは、見付けカバー部27a1からほぼ直角となる方向に延在している。このため、図7に示すように、框本体26に対して室外側となる部分から見込み方向に沿うように框カバー部材27Cを近接させることで、外周当接部27a2と框本体26とが干渉することなく溝係合片部27fを押縁装着溝26fに挿入することが可能であり、框カバー部材27Cの取り付け作業が煩雑化するおそれもない。
さらに外周当接部27a2を介して框外周突出部26cにネジ(ネジ部材)29を螺合することにより、框カバー部材27Cが框本体26に連結された状態に維持され、押縁構成部27dと框本体26の框内周突出部26bとの間に面材21が支持される。この変形例においても実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。
(実施の形態2)
上述した実施の形態1及び変形例では、障子20について例示しているが、図8に示す実施の形態2のように、枠体10に面材21を支持させたFIX窓にも適用することが可能である。すなわち、図8に示す実施の形態2では、FIX窓の枠体を形成する横枠(建材)及び縦枠(建材)が、枠本体(建材本体)115及び枠カバー部材(カバー部材)116を備えて構成してある。
枠本体115は、枠基部115a、内方取付ヒレ部115b、枠内周突出部(面材支持部)115c、水切り部115d、外周取付ヒレ部115eを樹脂によって一体に成形したものである。枠基部115aは、中空のブロック状を成すもので、取付支持面115f、枠内周見込み面115g、押縁装着溝115hを有している。取付支持面115fは、躯体Bに固定する際に躯体Bの開口内表面B1に当接する平面であり、枠基部115aの室内側、かつ外周側となる部分に設けてある。枠内周見込み面115gは、枠基部115aの内周側において見込み方向に沿う平面であり、取付支持面115fとほぼ平行となるように設けてある。押縁装着溝115hは、枠内周見込み面115gの室外側に位置する縁部に形成した凹所であり、内周側にのみ開口している。押縁装着溝115hの室内側に位置する開口部には、押さえ突部115jが設けてある。押さえ突部115jは、押縁装着溝115hの縁部から見込み方向に沿って室外側に突出した平板状部分である。内方取付ヒレ部115bは、枠基部115aの室内側となる見付け面において外周側に位置する縁部から室内に向けて突出したものである。枠内周突出部115cは、枠内周見込み面115gの室内側に位置する縁部から見付け方向に沿って内周側に突出した中空状のものである。枠内周突出部115cの突出縁部において室外側となる部分には、長手に沿ったほぼ全長に面材用シール部材328が装着してある。水切り部115dは、枠基部の室外側、かつ外周側となる部分から見込み方向に沿って室外に突出した中空状のものである。水切り部115dの外周側、かつ室外側となる部分には、係合溝115d1が設けてある。外周取付ヒレ部115eは、枠基部115aの外周側となる見込み面から見付け方向に沿って外周側に突出したものである。図には明示していないが、上記の構成を有する枠本体115は、それぞれの端部に45°の傾斜接合面を形成し、傾斜接合面を介して互いに溶着することによって矩形状に連結してある。
枠カバー部材116は、枠本体115の室外側となる表面を覆うカバー本体部116a、押縁となる押縁構成部116b、枠本体115の押縁装着溝115hに係合される溝係合片部(係合片部)116cをアルミニウム合金等の金属によって一体に成形したものである。カバー本体部116aは、枠本体115の室外側となる見付け面115kを覆う内周見付け延在部116a1と、水切り部115dの内周側となる表面115mを覆う表面カバー部116a2と、水切り部115dの室外側となる見付け面115nを覆う水切りカバー部116a3と、水切り部115dの外周側となる見込み面を覆う外周当接部(当接部)116a4とを有したものである。外周当接部116a4延在縁部には、内周側に向けて屈曲した係合突起116a5が設けてある。係合突起116a5は、外周当接部116a4によって水切り部115dの外周側となる部分を覆った場合に係合溝115d1を介して水切り部115dに係合することが可能である。その他、実施の形態2において実施の形態1と同様の構成については、同一の符号が付してある。
上記のように構成したFIX窓によれば、枠体を構成する横枠及び縦枠において室内側に位置する部分に、樹脂によって成形された枠本体115が配置される。また、枠カバー部材116と面材21との間に断熱性を有した面材用シール部材28が介在する。さらに、面材用シール部材28のシールヒレ部28bが面材21の外周側となる端面21cよりも外周側に突出しているため、枠本体115の枠内周突出部115cと枠カバー部材116の押縁構成部116bとの間に構成される面材21の収容空間Sが、シールヒレ部28bによって室外側と室内側とに区分けされ、相互間での対流が抑制される。これらの結果、室外側と室内側とが熱的に遮断され、あるいは室外側と室内側との間の熱伝達が抑制され、断熱性の点で有利となる。従って、例えば外気温が室内に比べて低い場合にも、枠体10に結露が生じ難くなる。しかも、枠本体15の室外側となる部分は、金属によって成形した枠カバー部材116によって覆われており、太陽光が直接照射されない等、耐候性の点で有利となる。これにより、例えば枠本体115に変色が生じ難い等の利点があり、枠本体115の表面にアクリル樹脂を積層する必要もなくなる。
さらに、室外側において面材21を支持する押縁構成部116bが金属によって成形してあるため、樹脂によって成形した場合に比べて温度変化による熱変形量が抑えられ、面材21の支持状態が不安定となる事態を防止することができる。加えて、カバー本体部116aと押縁構成部116bとが一体であるため、枠体の横枠及び縦枠において室外側に位置する部分及び押縁構成部116bが同じ金属によって成形されたものとなるため、外観品質の点でも好ましいものとなる。しかも、取り扱い部品点数が増えることがないため、組立作業に影響を与えるおそれもない。
なお、上述した実施の形態1、変形例及び実施の形態2では、建材本体である框本体26及び枠本体115として樹脂によって成形したものを例示しているが、本発明はこれに限定されず、建材本体を木材によって成形しても良い。また、カバー部材27,116としていずれも外周当接部27a2,116a4を有したものを適用しているため、建材本体とカバー部材との連結強度を向上させることができるが、カバー部材が必ずしも外周当接部を有している必要はない。特に、外周当接部を設けていない場合には、カバー部材と建材本体との間に両面テープ等の接着手段を介在させることが好ましい。
以上のように、本発明に係る建具は、樹脂または木材によって成形され、室内側、かつ内周側となる部分に面材支持部が設けられた建材本体を備え、四周に設けられた前記建材本体の端部が互いに連結された建具であって、前記建材本体には、室外側、かつ内周側となる部分に押縁装着溝が設けられ、前記建材本体の押縁装着溝には、前記建材本体の室外側となる部分を覆うカバー本体部と、前記面材支持部に対応して配置される押縁構成部とが一体に成形された金属製のカバー部材が装着され、前記面材支持部と前記押縁構成部との間に面材が支持されていることを特徴としている。
この発明によれば、建材の室内側となる建材本体が樹脂または木材によって成形されているため、断熱性の点で有利となる。しかも、面材を支持する押縁構成部及び建材本体の室外側となる部分を覆うカバー本体部が金属によって成形されているため、室外側の温度変化による熱変形量が抑えられ、面材の支持状態が不安定となる事態を防止することができるようになるとともに、耐候性に優れる。さらに、押縁構成部及びカバー本体部が一体であるため、室外側からの外観品質の点で有利となるばかりでなく、組立作業性の容易化を図ることも可能となる。
また本発明は、上述した建具において、前記建材本体には、前記押縁装着溝の室内側となる縁部に室外側に向けて突出する押さえ突部が設けられ、前記カバー部材には、前記押さえ突部の外周側となる部分に当接した状態で前記押縁装着溝に挿入される係合片部が設けられているとともに、前記建材本体の外周側となる部分に当接する当接部が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、当接部が建材本体の外周側となる部分に当接するため、カバー部材が建材本体から外れ難くなり、カバー部材が不用意に脱落する事態を防止することができる。
また本発明は、上述した建具において、前記当接部を介して前記建材本体にネジ部材が螺合されていることを特徴としている。
この発明によれば、ネジ部材が見付け面に露出しないため、外観品質を損なうことなくカバー部材の脱落をより確実に防止することができる。
また本発明は、上述した建具において、前記面材と前記押縁構成部との間には面材用シール部材が装着され、前記面材用シール部材には、前記面材及び前記押縁構成部の間に介在するシール本体と、前記シール本体から外周側に向けて延在したシールヒレ部とが設けられ、前記シールヒレ部の延在縁部が前記面材の外周側となる端面よりも外周側に突出していることを特徴としている。
この発明によれば、押縁構成部と面材との間に介在する面材用シール部材によって両者の間が熱的に遮断され、さらに建材において面材を収容する空間の対流がシールヒレ部によって抑制されるため、断熱性の向上を図ることが可能となる。なお、下方の横材として建材を用いる場合には、排水性を考慮して、シールヒレ部の延在縁部を建材から離隔させることが好ましい。