JP7127400B2 - 画像形成装置、情報処理装置及びプログラム - Google Patents
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Description
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、次の配送回の準備が整うまで、配送の実行を待機させる、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記制御手段は、電池の残量が、次の配送回に必要な残量を下回る間、配送の実行を待機させる、請求項1または2に記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記制御手段は、次の配送回中に消耗品の不足が生じる場合、当該消耗品が補充されるまで配送の実行を待機させる、請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記制御手段は、次の配送回中に消耗品の不足が生じる場合、当該消耗品の補充の必要性を通知する、請求項4に記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、個々の配送回に割り当てられる期間は、間欠的に予定されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、画像を記録材に形成する画像形成手段と、画像の形成と指定する場所での受け取りを要求するジョブを受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けた前記ジョブのうち、次回の配送に対応する受付期間に受け付けたジョブを対象として移動の経路を決定する決定手段と、決定された経路に基づいて自装置の移動を制御する制御手段と、を有し、配送が完了した時点で、現在の配送回に対応する前記受付期間の経過後に受け付けた前記ジョブに対応する配送が可能である場合、前記制御手段は、追加の配送を指示する、画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記配送が可能である場合には、現在の配送回に割り当てられている期間の残時間が予め定めた値以上の場合であることが含まれる、請求項7に記載の画像形成装置である。
請求項9に記載の発明は、画像を記録材に形成する画像形成手段と、画像の形成と指定する場所での受け取りを要求するジョブを受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けた前記ジョブのうち、次回の配送に対応する受付期間に受け付けたジョブを対象として移動の経路を決定する決定手段と、決定された経路に基づいて自装置の移動を制御する制御手段と、を有し、配送が完了した時点で、前記制御手段は、次回の配送に対応する前記受付期間を終了し、次回の配送の前倒しを指示する、画像形成装置である。
請求項10に記載の発明は、前記場所は、複数のユーザについて用意されている場所のいずれかである、請求項1~9のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項11に記載の発明は、配送回と1対1に対応付けられ、前記配送回の開始時間より前に定められた受付期間を単位として、画像の形成と指定する場所での受け取りを要求する複数のジョブを受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けた前記ジョブのうち、次の配送回と対応する受付期間に受け付けた全てのジョブを対象として移動の経路を決定する決定手段と、前記受付期間に対応する配送回が開始すると、前記決定手段により決定された経路に基づいて、当該受付期間に受け付けられた全てのジョブに対応する場所への自装置の移動を制御する制御手段と、を有する情報処理装置である。
請求項12に記載の発明は、コンピュータに、配送回と1対1に対応付けられ、前記配送回の開始時間より前に定められた受付期間を単位として、画像の形成と指定する場所での受け取りを要求する複数のジョブを受け付ける機能と、前記受け付ける機能で受け付けた前記ジョブのうち、次の配送回と対応する受付期間に受け付けた全てのジョブを対象として移動の経路を決定する機能と、前記受付期間に対応する配送回が開始すると、前記決定する機能により決定された経路に基づいて、当該受付期間に受け付けられた全てのジョブに対応する場所への自装置の移動を制御する機能と、を実行させるプログラムである。
請求項2記載の発明によれば、画像形成装置に起因する配送の不成功を回避できる。
請求項3記載の発明によれば、画像形成装置に起因する配送の不成功を回避できる。
請求項4記載の発明によれば、画像形成装置に起因する配送の不成功を回避できる。
請求項5記載の発明によれば、配送が開始される前に消耗品の補充を促すことができる。
請求項6記載の発明によれば、画像の配送を準備する期間を確保できる。
請求項7記載の発明によれば、ユーザが画像を受け取るまでの待ち時間を短縮できる。
請求項8記載の発明によれば、予定されている配送回への影響を低減できる。
請求項9記載の発明によれば、ユーザが画像を受け取るまでの待ち時間を短縮できる。
請求項10記載の発明によれば、配送に要する時間を短縮できる。
請求項11記載の発明によれば、画像の形成と指定する場所での受け取りを要求するジョブの割り込み実行が可能な場合に比べ、配送先が多い場面での可用性を高めることができる。
請求項12記載の発明によれば、画像の形成と指定する場所での受け取りを要求するジョブの割り込み実行が可能な場合に比べ、配送先が多い場面での可用性を高めることができる。
<実施の形態1>
<空間の例>
図1は、自走式の印刷装置10を配置する空間1の例を説明する図である。
図1では、空間1の一例として、印刷装置10を使用する複数人が所在する部屋を想定する。
ただし、印刷装置10を配置する空間1は、部屋のように壁で囲まれている必要はない。例えば空間1は、仕切り、書架などによって物理的に区切られていてもよい。なお、空間1は、物理的に区切られている必要もない。例えば人為的に定めた仮想の境界で囲まれた範囲として管理されてもよい。
机2には、ユーザが操作する端末が配置されている。これらの端末において印刷ジョブが発行され、印刷装置10に送信される。
本実施の形態の場合、印刷ジョブを発行する端末として、例えばコンピュータやスマートフォンを想定する。
無線通信には、例えば無線LAN(Local Area Network)規格の1つであるWi-Fi規格を使用する。
なお、端末とアクセスポイント20とは、ケーブルで接続されていてもよい。
車輪12Fは、装置本体11の前方側に取り付けられている。車輪12L及び12Rは、装置本体11の左右両側面に取り付けられている。
ユーザインタフェース13は、ユーザに対する情報の提供とユーザによる指示の入力に用いられる。図1の場合、ユーザインタフェース13は、装置本体11の天面に取り付けられている。
ここでの印刷装置10は、画像形成装置の一例であるとともに、自装置を配置する位置を決定する情報処理装置の一例でもある。
図2は、実施の形態1で使用する印刷装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
印刷装置10は、プログラムの実行を通じて装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)111と、BIOS(Basic Input Output System)やファームウェア等のプログラムを記憶するROM112と、プログラムの実行領域として使用されるRAM(Random Access Memory)113と、を有している。
CPU111、ROM112、RAM113は、コンピュータとして機能する。
ここでの画像処理部115、画像形成部116、給紙機構117は、画像形成手段の一例である。
印刷装置10には、原稿を光学的に読み取るスキャン機能、FAX文書を送受信するFAX機能、原稿から光学的に読み取った画像を印刷するコピー機能が設けられていてもよい。
また、印刷装置10には、車輪12L、12R、12Fを駆動して、自由な走行を可能にする自走機構120が設けられている。
本実施の形態における自走機構120は、車輪12L及び12Rを駆動するモータと、車輪12Fの向きを制御する操舵機構とを有している。
車輪12L及び12Rの回転により、装置本体11は前進又は後進する。また、車輪12Fの向きにより、装置本体11の進行方向が切り替えられる。もっとも、車輪12L及び12Rの回転量や回転方向を制御することにより、移動の向きや速度を調整してもよい。ここでの自走機構120は、移動手段の一例である。
また、印刷装置10には、外部との通信に用いられる通信インターフェース(通信IF)121が設けられている。
前述した各部は、バス122や不図示の通信線を通じて互いに接続されており、これらの配線を介してデータの受け渡しを実行する。
図3に示す機能は、CPU111によるプログラムの実行を通じて実現される。
図3では、プログラムの実行を通じて実現される機能のうち、印刷ジョブを発行したユーザの元への印刷物の配送に関連する機能について表している。
機能上の印刷装置10は、予め定められている配送スケジュールを管理する配送スケジュール管理部131と、印刷ジョブを受け付ける印刷ジョブ受付部132と、印刷物が配送される範囲として規定された空間1(図1参照)のレイアウトを取得する空間レイアウト取得部133と、配送に必要とされる電力を供給する電池の残量を監視する電池残量監視部134と、印刷物の生成に伴い消費される消耗品の残量を監視する消耗品残量監視部135と、消耗品の不足などをユーザに通知する消耗品不足通知部136と、配送経路を決定する配送経路決定部137と、印刷ジョブの実行を制御する印刷制御部138と、自機の移動を制御する移動制御部139と、を有している。
本実施の形態の場合、配送準備フェーズと配送フェーズが開始する時刻は、事前に設定されたスケジュールで定められている。例えば配送フェーズは毎時0分に開始され、配送準備フェーズは対応する配送フェーズの5分前に開始される。
待機フェーズは、基本的に、現在の配送フェーズの配送が完了してから次回の配送準備フェーズが開始されるまでの間として規定される。もっとも、これらのスケジュールは一例である。なお、配送フェーズの時間長は、配送先の数や配送に伴う移動の距離によって変動する。このため、待機フェーズの時間長も変動する。
図4の例では、第1の配送フェーズ(配送#1)を先頭に、第2の待機フェーズ(待機#2)、第2の配送準備フェーズ(配送準備#2)、第2の配送フェーズ(配送#2)、第3の待機フェーズ(待機#3)、第3の配送準備フェーズ(配送準備#3)、第3の配送フェーズ(配送#3)、第4の待機フェーズ(待機#4)、第4の配送準備フェーズ(配送準備#4)が予定されている。
すなわち、第1の配送フェーズ(配送#1)、第2の配送フェーズ(配送#2)、第3の配送フェーズ(配送#3)の間欠的な実行が予定されている。
図4に示す配送スケジュールでは、ある配送フェーズの開始時刻から次の配送フェーズの開始時刻までが1周期として管理される。図4の例では、周期Tを1時間とする。
なお、待機フェーズ中の印刷装置10を、据え置き型の印刷装置として利用することも可能である。据え置き型の印刷装置としての使用中は、配送時とは異なる排出口から印刷物を排出してもよい。本実施の形態では、据え置き型の印刷装置として使用される動作モードを据え置きモードともいう。
据え置き型の印刷装置としての使用は、配送が開始される前の配送準備フェーズにおいても可能である。
図4では、各配送準備フェーズが扱う印刷ジョブを破線で囲んで示している。すなわち、ある配送準備フェーズの開始時刻から次回の配送準備フェーズの開始時刻までに発行された全ての印刷ジョブを対象として配送の経路が計算される。ここでの破線で囲んだ期間が、次回の配送フェーズの対象になる印刷ジョブの受付期間になる。
例えば不図示の第1の配送準備フェーズ(配送準備#1)の開始時刻から第2の配送準備フェーズ(配送準備#2)の開始時刻までに受け付けた全ての印刷ジョブを対象に、第2の配送フェーズで用いる配送の経路が計算される。
この手法の場合、配送の経路の計算が、配送回毎に1回で済む。
しかし、本実施の形態のように、配送の経路の計算が1度で済めば、計算上の負荷も計算に要する時間も、印刷ジョブを受け付けるたびに再計算する場合に比して少なくなる。
印刷ジョブ受付部132は、本体の電源が入っている間、印刷ジョブの受け付け処理を実行する。この印刷ジョブ受付部132は、受付手段の一例である。
印刷ジョブ受付部132は、印刷ジョブが発行された時点におけるユーザの位置の情報も取得する。ユーザの位置情報は、印刷物を配送する宛先として用いられる。ユーザの位置には、例えば印刷ジョブを発行した端末の位置を用いてもよいし、印刷ジョブを発行したユーザに関連付けられている机2(図1参照)の位置を用いてもよい。
印刷ジョブを発行したユーザに関連付けられている机2の位置は、例えば印刷ジョブに含まれるユーザを識別する情報に紐付けられている。ユーザを識別する情報には、例えば番号や記号の列で与えられる管理用の情報、所属する組織を特定する情報、名前等を使用する。
なお、印刷ジョブを発行した後のユーザの移動先に印刷物を配送することも技術的には可能であるが、本実施の形態の場合には、ユーザ毎に登録されている位置に、発行された印刷ジョブに対応する印刷物を配送する。
レイアウト情報には、印刷装置10を配置する位置や移動の経路の決定に必要となる空間1の形状や寸法、空間1内における机2や椅子3(図1参照)の配置、机2や椅子3の寸法、印刷装置10の移動が可能な通路などの情報が含まれる。
なお、レイアウト情報は、印刷装置10が、自装置の移動の履歴から学習してもよい。
配送に必要な電池容量+α<現在の電池の残量
αは、予め定めた定数であり、配送中の電池切れを避けるために考慮する。定数αは、非ゼロである。定数αの値の大きさは経験に基づいて与える。定数αの値は、印刷装置10の管理者やユーザによる変更が可能である。
本実施の形態にかかる消耗品残量監視部135は、配送先での印刷ジョブの実行中に消耗品の不足が生じないように、配送の開始前に消耗品の残量が足りるか否かを監視する。残量が足りると判断した場合、消耗品残量監視部135は、配送モードへの移行を許可する。
配送を開始する前に全ての印刷ジョブを実行し、印刷物の出力を済ませておく場合には、印刷中に消耗品が不足しても、配送が開始される前なので補充も容易である。もちろん、配送を開始する前に全ての印刷ジョブを実行する場合にも、消耗品の不足を事前に監視してもよい。
配送経路決定部137は、配送の対象である全ての配送先に印刷物を効率的に配送できるように配送の経路を決定する。ここで、配送経路決定部137は、全ての移動先を巡回するための移動の距離が少なくなるように移動の経路を決定する。配送経路決定部137は、移動の経路を決定する決定手段の一例である。
印刷制御部138は、印刷ジョブで指定された設定の内容に基づいて画像処理部115(図2参照)、画像形成部116(図2参照)、給紙機構117(図2参照)の動きを制御し、用紙に画像を形成する。
移動制御部139は、車輪12L、12R、12F(図1参照)の動きを制御して、配送経路決定部137で決定された配送先を通る経路に沿って自装置を移動させる。ここでの移動制御部139は、自装置の移動を制御する制御手段の一例である。
なお、移動制御部139には、不図示のLIDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)センサの出力信号を使用し、移動経路上に位置する障害物を回避する機能を設けてもよい。
図5は、印刷ジョブを受け付けた自走式の印刷装置10で実行される処理動作の例を説明するフローチャートである。
図5に示す処理動作は、CPU111(図2参照)によるプログラムの実行を通じて実現される。なお、図5に示す記号のSは、処理動作を構成する個々のステップを表している。
印刷ジョブを実行するタイミングは、配送を開始する前に実行する場合と配送先で実行する場合の2種類がある。
図5に示す処理動作は、配送を開始する前に全ての印刷ジョブを一括して実行する場合に対応する。
次に、CPU111は、自装置を待機フェーズに制御する(ステップ2)。配送スケジュールは予め定まっているが、システムが起動した直後は、待機フェーズに制御される。待機フェーズとしての動作中に印刷ジョブを受信した場合、CPU111は、受け付けた印刷ジョブの全てをハードディスク装置114(図2参照)に蓄積する。
次に、CPU11は、配送準備フェーズの予定時刻になったか否かを判定する(ステップ3)。本実施の形態の場合、配送準備フェーズの開始時刻は、配送スケジュールによって定められている。
ステップ3で肯定結果が得られた場合、CPU111は、蓄積されている印刷ジョブはあるか否かを判定する(ステップ4)。
ステップ4で否定結果が得られた場合、CPU111は、ステップ2に戻る。この場合、予定されていた次回の配送準備フェーズと配送フェーズはスキップされ、現在の待機フェーズが延長される。
図6の例では、第2の配送フェーズ(配送#2)での配送の対象とされる印刷ジョブが存在しなかった場合の動作例を表している。
図6では、第2の配送フェーズ(配送#2)の対象である印刷ジョブが存在しないので、印刷ジョブの欄の先頭の囲み内が空白になっている。この場合、予定されている配送準備フェーズと配送フェーズがスキップされる。
図6では、対応する第2の配送準備フェーズ(配送準備#2)と第2の配送フェーズ(配送#2)にバツ印を付している。
結果的に、第2の待機フェーズと第3の待機フェーズ(図4参照)が連結される。
ステップ4で肯定結果が得られた場合、CPU111は、配送準備フェーズに移行する(ステップ5~9)。なお、配送準備フェーズに移行した後も、印刷ジョブの受け付け処理は継続され、受け付けた印刷ジョブは、次回の配送フェーズに備えて、ハードディスク装置114(図2参照)に蓄積される。
まず、CPU111は、ハードディスク装置114に蓄積されている全ての印刷ジョブを実行する(ステップ5)。具体的には、ハードディスク装置114に蓄積されている対象期間内に受け付けた印刷ジョブの全てを画像処理部115(図2参照)に順番に出力する。
ステップ6で否定結果が得られている間、CPU111は、ステップ5に戻り、別の印刷ジョブを出力する。ステップ5とステップ6の繰り返しにより、配送を開始する前に、全ての印刷ジョブに対応する印刷物の出力が完了する。
ステップ6で肯定結果が得られると、CPU111は、全ての印刷ジョブに対応する印刷物の配送先を通る配送経路を算出する(ステップ7)。本実施の形態の場合、配送経路の算出は、各配送回について1度だけ実行される。
次に、CPU111は、配送経路の算出が終了したか否かを判定する(ステップ8)。
ステップ8で否定結果が得られている間、CPU111は、配送経路の算出を続行する。
ステップ9で否定結果が得られている間、CPU111は、配送フェーズへの移行を延期し、電池の残量の回復を優先する。
ステップ9で肯定結果が得られた場合、CPU111は、配送フェーズに移行する(ステップ10)。
配送フェーズに移行したCPU111は、算出された配送経路に従って自装置を移動させ、印刷済みの印刷物を対応するユーザの元への配送を開始する。
配送フェーズに移行すると、CPU111は、配送が完了したか否かを判定する(ステップ11)。
ステップ11で肯定結果が得られた場合、CPU111は、システムの終了か否かを判定する(ステップ12)。
ステップ12で否定結果が得られた場合、CPU111は、ステップ2に戻り、次の配送に備える。
一方、ステップ12で肯定結果が得られた場合、CPU111は、一連の処理を終了する。
図7の例では、配送フェーズ以外で印刷装置10が位置する待機場所30を破線で囲んで示している。
また、図7では、印刷ジョブの発信者に対応する机2にマル印を付して示している。
図7の例では、待機場所30に近い側から1つ目の島では1名のユーザが印刷ジョブを発行し、2つ目の島では2名のユーザが印刷ジョブを発行し、3つ目の島では1名のユーザが印刷ジョブを発行し、4つ目の島では2名のユーザが印刷ジョブを発行している。すなわち、図7は、6名のユーザが印刷ジョブを発信する例を示している。
このため、印刷ジョブを受け付けるたびに、配送経路の算出をやり直す場合に比して、計算に要する時間や計算上の負荷が低減される。
なお、配送の終了を検知したCPU111は、予め定めた待機場所30に自装置を移動させる。待機場所30には、内蔵される電池を充電する設備が備えられている。また、待機場所30は、消耗品の補充も容易な場所である。
配送フェーズを開始する時刻になると、印刷装置10は、算出された配送経路に沿って各ユーザの場所に移動する。図7では、各ユーザへの移動を移動#1~移動#6で示し、待機場所30への移動を移動#7で示す。
図8は、印刷ジョブを受け付けた自走式の印刷装置10で実行される処理動作の他の例を説明するフローチャートである。
図8に示す処理動作は、CPU111(図2参照)によるプログラムの実行を通じて実現される。
図8には、図5との対応する部分に対応する符号を付して示している。従って、図8に示す記号のSは、処理動作を構成する個々のステップを表している。
ステップ4で肯定結果が得られると、CPU111は、消耗品は不足しないか否かを判定する(ステップ21)。この処理動作の場合、配送先で印刷ジョブを実行するので、事前に消耗品の過不足を確認する。
ステップ21で否定結果が得られた場合、CPU111は、消耗品が不足する旨をユーザに通知する(ステップ22)。すなわち、補充の必要性が通知される。
通知の対象となるユーザは、例えば待機場所30に停止している印刷装置10に消耗品を補充するユーザである。本実施の形態の場合、CPU111は、ユーザへの通知の後に、ステップ2に戻る。消耗品の補充に要する時間は不定であるので、直近の配送フェーズはスキップされる。
図9には、図4との対応部分に対応する符号を付して示している。(A)は印刷ジョブの発行例を示し、(B)は配送スケジュールの配置例を示す。なお、いずれも横軸は時間である。
図9の場合、第2の配送準備フェーズ(配送準備#2)に消耗品の不足の通知が発生している。この場合、予定の時刻になっても第2の配送フェーズ(配送#2)は開始せず、第3の待機フェーズ(待機#3)に移行する。図9では、実行されない第2配送フェーズ(配送#2)にバツ印を付している。
この場合、第3の配送フェーズ(配送#3)に、第2の配送フェーズ(配送#2)で配送されるはずであった分の印刷物を含む配送が実行される。
ステップ21で肯定結果が得られた場合、CPU111は、対象である全ての印刷ジョブに対応する印刷物の配送先を通る配送経路を算出し、算出が終了すると、配送に必要な電池容量があることを確認して、配送フェーズに移行する(ステップ7~10)。
この動作例の場合、CPU111は、配送経路上の配送先に移動するたびに印刷ジョブを実行する(ステップ23)。
配送フェーズでの動作中、CPU111は、配送が完了したか否かを判定している(ステップ11)。ステップ11で否定結果が得られている間、配送先に移動するたびに印刷ジョブを実行する。
ステップ12で否定結果が得られた場合、CPU111は、ステップ2に戻り、次の配送に備える。
一方、ステップ12で肯定結果が得られた場合、CPU111は、一連の処理を終了する。
図10には、図7との対応部分に対応する符号を付して示している。
図10の場合も、印刷ジョブの発信者に対応する机2にマル印を付して示している。マル印を付した位置は、図7と共通である。
図10の場合、待機場所30では、印刷ジョブが発行された全ての配送先を通る配送経路の算出が一括して実行されるが、印刷物の出力は実行されない。
図10に示す配送経路は、図7に示す配送経路と同じであるが、配送先の位置で印刷が実行される点で図7の例とは異なる。図10では、図7との違いを表現するために、各配送先に対応付ける内容として移動と印刷を記している。
もっとも、次の配送先への移動を開始すると、次の配送先に到着する前に対応する印刷ジョブの実行を開始してもよい。すなわち、次の配送先への移動中に印刷ジョブを実行してもよい。
実施の形態1の場合、印刷ジョブを発行した個別のユーザの元に移動して印刷物を配送したが、本実施の形態では、印刷ジョブを発行したユーザが属するグループ単位で印刷物をまとめて配送する場合について説明する。
ここで、グループとは、例えば複数の座席、会議室等を単位として設定される。
例えばグループの設定は、印刷装置10を管理する管理者が実行する。
グループとして管理する範囲は任意である。例えば机2が物理的に隣り合って並ぶ範囲をグループとして設定してもよい。また例えば管理上の組織が同じユーザの机を単位としてグループを設定してもよい。
図11には、図1との対応部分に同一の符号を付して示している。
図11の場合も、空間1には、32台の机2と32脚の椅子3が4行8列に配置されている。
図11では、行単位に4つのグループAからDを設定している。図11の場合、グループAも、グループBも、グループCも、グループDも、8台の机2と8脚の椅子3を含んでいる。
本実施の形態の場合、各グループには、印刷物の配送先となる場所が定められている。
図11の場合には、個々のユーザが使用する机2とは別に作業台40A~40Dが用意されている。作業台40AはグループA用であり、図中左端に配置されている。作業台40BはグループB用であり、図中左端に配置されている。作業台40CはグループD用であり、図中左端に配置されている。作業台40DはグループD用であり、図中左端に配置されている。
なお、作業台40A~40Dを配置する位置は任意であり、図11のように作業台40A~40Dが一列に配置されていなくてもよい。
従って、CPU111(図2参照)は、図5や図8におけるステップ7の実行の際に、印刷ジョブに対応する印刷物の配送先として、印刷ジョブを発行した個々のユーザが属するグループの作業台を使用する。
実施の形態1の場合には、配送先の数が最大で32箇所であったが、本実施の形態の場合には最大でも4箇所で済む。このため、配送経路の計算に要する時間と計算上の負荷は低減される。
図12には、図7との対応部分に対応する符号を付して示している。
図12の場合も、印刷ジョブを発行したユーザは、図7の例と同じである。
本実施の形態の場合も、図5又は図8に示す処理手順に従って印刷物の配送が実行される。
ただし、この実施の形態2の場合、配送の単位はグループである。このため、配送先は、グループ毎に定められた作業台40A~40Dの4箇所となる。
本実施の形態の場合、グループAに対応する作業台40Aでは1名分の印刷物が配送され(配送#1)、次にグループBに対応する作業台40Bでは2名分の印刷物が配送され(配送#2)、次にグループCに対応する作業台40Cでは1名分の印刷物が配送され(配送#3)、次にグループDに対応する作業台40Dでは2名分の印刷物が配送される(配送#4)。
図12の例では、グループAに対応する作業台40Aに用紙41Aが配布され、グループBに対応する作業台40Bに用紙41Bが配布され、グループCに対応する作業台40Cに用紙41Cが配布され、グループDに対応する作業台40Dに用紙41Dが配布されている。
図13は、各グループ内で印刷ジョブの発行者の位置を示す情報を印刷した用紙41A~41Dの例を示す図である。(A)はグループAに対応する用紙41Aの例を示し、(B)はグループBに対応する用紙41Bの例を示し、(C)はグループCに対応する用紙41Cの例を示し、(D)はグループDに対応する用紙41Dの例を示す。
図13の例では、「矢印を付した人に印刷物を渡してください」との文例が用紙41A~41Dに印刷されているが、「Aさんの印刷物です」とか、「Aさんに知らせてください」とかでもよい。
図14には、図11との対応部分に同一の符号を付して示している。
図14の場合も、空間1には、32台の机2と32脚の椅子3が4行8列に配置されている。
図14では、列単位に8つのグループAからHを設定している。図14の場合、各グループは、4台の机2と4脚の椅子3を含んでいる。
図14の場合には、グループ毎に専用の作業台を用意していない。例えば各列の先頭に位置する机2を配布先として登録する。その場合、配送先の数は最大で8箇所で済む。なお、2列を1つのグループとして管理すれば、配送先の数は最大でも4箇所で済む。
図15には、図14との対応部分に対応する符号を付して示している。
図15の場合も、印刷ジョブを発行したユーザは、図7の例と同じである。
図15の場合、印刷ジョブを発行したユーザを含むグループは、グループB、グループC、グループD、グループF、グループHの5つである。
このため、印刷装置10は、これら5つのグループについて登録されている配送先に自装置を移動させ、印刷物と配送先を記述した用紙41B、41C、41D、41F、41Hを配送する。
本実施の形態では、配送の範囲である空間内に複数の配送エリアを設定し、配送スケジュールで規定される個々の配送フェーズを、複数の配送エリアに割り当てる。
本実施の形態は、例えば配送フェーズに割り当てが可能な時間に比して配送の単位を与えるグループの数や対応するユーザの人数が閾値より多い場合に利用される。
例えばグループの数が少なくても対応付けられているユーザの人数が多ければ、各グループで必要な印刷の時間が長くなり、配送スケジュールを守ることが難しくなる。また、1つのグループに対応付けられるユーザの人数が少なくても、グループの数が多ければ、全てのグループへの印刷物の配送に要する時間が長くなり、配送スケジュールを守ることが難しくなる。
配送エリアに含まれるグループの数や対応付けられるユーザの人数は、自走式の印刷装置10(図1参照)の動作を管理する管理者が自由に設定し、変更することが可能である。
図16の場合、配送エリアAにはグループA~グループFが設定され、配送エリアBにはグループG~グループLが設定されている。
図16の場合、各グループには、4台の机2と、4脚の椅子3と、配送先としての作業台40A~40Lが含まれている。
図16では、グループA~グループLに対応する作業台40A~40Lが、配送エリアAと配送エリアBの間の通路沿いに配置されている。
図17には、図4との対応部分に対応する符号を付して示している。(A)は配送エリアAに対応する印刷ジョブの発行例を示し、(B)は配送エリアBに対応する印刷ジョブの発行例を示し、(C)は配送スケジュールの配置例を示す。なお、いずれも横軸は時間である。
配送スケジュールを見て分かるように、図17の場合には、第1の配送フェーズ(配送#1)を配送エリアAに割り当て、第2の配送フェーズ(配送#2)を配送エリアBに割り当て、第3の配送フェーズ(配送#3)を配送エリアAに割り当てる。
すなわち、図17の場合には、予定されている配送フェーズの時刻が到来するたびに、前回の配送フェーズとは異なる配送エリアに印刷物を配送する。
また、配送エリアB内で発行された印刷ジョブは、配送エリアBの配送用に割り当てられている第2の配送フェーズ(配送#2)の直前の配送準備フェーズまでハードディスク装置114に蓄積される。
換言すると、2つの配送エリアが設定されている場合、各配送エリアに割り当てられた配送フェーズでは、2周期の間に発行された印刷ジョブに対応する印刷物の配送が一括して実行される。
図18には、図16との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態の場合も、図5又は図8に示す処理手動作に従って印刷物の配送が実行される。
本実施の形態3の場合、配送の単位は配送エリアである。また、各配送エリア内では、グループ単位で印刷物の配送が実行される。
図18の場合、配送エリアA用の待機場所30Aと配送エリアB用の待機場所30Bを用意する。2つの待機場所30A、30Bを用意することにより、消耗品の不足が発生した場合でも速やかに補充を行うことが可能である。
なお、1つの待機場所30A又は30Bのみを設ける場合には、毎回、対象とする配送エリアに対する配送が完了した後に待機場所30A又は30Bに戻る。
図18の例では、配送エリアAのグループCとグループFの2箇所に印刷物が配送され、配送エリアBのグループIとグループLの2箇所に印刷物が配送される例を表している。
実施の形態1~3においては、予め定めた配送スケジュールに従って、全ての配送が実行される場合について説明したが、本実施の形態では、配送フェーズと配送フェーズの間に追加の配送フェーズを挿入する場合について説明する。
追加の配送フェーズは、予め定めた2つの配送フェーズの間の空き時間に追加的に実行される配送フェーズである。換言すると、追加の配送フェーズは、予定の時刻に対して前倒しで実行される配送フェーズの一例である。
図19は、追加の配送フェーズを説明する図である。
図19では、追加の配送フェーズに対応する処理動作を点線で囲んで示す。
図19では、6つの印刷ジョブP1~P6がそれぞれ、どのフェーズで処理されるかについて説明する。
例えば第1の印刷ジョブP1は、待機フェーズT1で受け付けられている。第1の印刷ジョブP1は、前述した実施の形態の場合と同様、後続する配信準備フェーズT2において配送経路が算出され、配送フェーズT3で配送される。図19では、配送準備の実行を三角形の記号で示し、配送の実行を菱形の記号で示す。
実施の形態1~3であれば、印刷ジョブP2及びP3に対応する印刷物は、後続する第4の印刷ジョブP4、第5の印刷ジョブP5、第6の印刷ジョブP6の印刷物とともに、次回の配送フェーズT8で配送される。
図19では、追加の配信準備フェーズT4に、配送準備の実行を示す三角形の記号が示され、追加の配信フェーズT5に、配送の実行を示す菱形の記号が示されている。
なお、追加の配送準備フェーズT4が開始する時刻は、配送フェーズT3の終了後であるので不定である。
本実施の形態では、配送準備フェーズが開始する前に受信された印刷ジョブを一括して配送するため、追加の配送準備フェーズT4の開始後に受信された印刷ジョブP4~P6の印刷物は、次回の配送フェーズT8における配送の対象になる。
図20は、開始時刻が予め定められている配送フェーズの実行に関連する処理動作を説明するフローチャートである。
図21は、追加の配送フェーズの実行に関連する処理動作を説明するフローチャートである。
図20には、図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
図20が図8と相違する点は、配送が完了したか否かを判定するステップ11の実行後に、追加配信の対象となる印刷ジョブがあるか否かを判定するステップ31がCPU111(図2参照)によって実行される点である。
このステップ31では、図19における印刷ジョブP2及びP3の有無が判定される。
ステップ31で否定結果が得られた場合、CPU111は、ステップ2の待機フェーズに戻る。この場合、追加の配送は実行されない。
追加の配送準備フェーズが開始されると、CPU111は、消耗品は不足しないか否かを判定する(ステップ32)。この処理動作の場合、印刷ジョブを発行したユーザの位置に移動するたびに印刷ジョブを実行するため、事前に消耗品の過不足の確認を実行する。
ステップ32で否定結果が得られた場合、CPU111は、消耗品が不足する旨をユーザに通知する(ステップ33)。
ここでのユーザは、例えば待機場所30に停止している印刷装置10に消耗品を補充するユーザである。本実施の形態の場合、CPU111は、ユーザへの通知の後、追加の配送を中止してステップ41に進む。消耗品の補充に要する時間は不定であるためである。
この後、CPU111は、印刷装置10(図1参照)に設けられたユーザインタフェース(UI)13の操作に伴うジョブの実行中でないか否かを判定する(ステップ37)。換言すると、据え置きモードでの動作中でないか否かが判定される。
本実施の形態の場合、待機場所30(図7参照)で待機中の印刷装置10は、据え置き型の印刷装置としての操作が可能である。このため、ステップ37は、印刷装置10をユーザが操作している間は、配送フェーズが開始されないように設定されている。
従って、ステップ37で否定結果が得られている間、CPU111は、配送の準備が完了しても、配送フェーズへの移行が延期される。
ステップ37で肯定結果が得られると、CPU111は、追加の配送フェーズに移行する(ステップ38)。
追加の配送フェーズでの動作中、CPU111は、配送が完了したか否かを判定している(ステップ40)。ステップ40で否定結果が得られている間、配送先に移動するたびに印刷ジョブを実行する。
ステップ40で肯定結果が得られた場合、CPU111は、次の配信スケジュールがあるか否かを判定する(ステップ41)。
ステップ41で肯定結果が得られた場合、CPU111は、ステップ2の待機フェーズに移行する。
一方、ステップ41で否定結果が得られた場合、CPU111は、配送モードでの使用を終了する。
図22には、図4との対応部分に対応する符号を付して示している。(A)は印刷ジョブの発行例を示し、(B)は配送スケジュールの例を示す。なお、いずれも横軸は時間である。
図22の場合、第1の配送準備フェーズと第1の配送フェーズの期間に受け付けた印刷ジョブが存在しないので、第1の配送フェーズ(配送#1)の後に、第2の待機フェーズ(待機#2)が開始される。この第2の待機フェーズは、予め定めた時刻が到来するまで継続される。
この第2の配送フェーズのための第2の配送準備フェーズ(配送準備#2)が開始されてから第2の配送フェーズ(配送#2)が終了するまでの間に受け付けられた印刷ジョブは、追加の配送フェーズ(追加配送)の対象とされる。
このため、開始時刻が予め定められている第2の配送フェーズ(配送#2)が終了すると、追加の配送準備フェーズ(追加配送準備)が開始され、続いて、追加の配送フェーズ(追加配送)に移行する。
なお、追加の配送フェーズ(追加配送)の終了後は、開始時刻が予め定められた第3の配送フェーズ(配送#3)に対応する第3の待機フェーズ(待機#3)に移行する。
図22に示すように、追加の配送準備フェーズ(追加配送準備)が開始された以降に受け付けられた印刷ジョブが、第3の配送フェーズ(配送#3)の対象として処理される。
図23は、自走式の印刷装置10A、10B、10Cと印刷サーバ50を配置する空間1の例を説明する図である。
図23には、図1との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態における印刷サーバ50は、複数台の印刷装置10に対する印刷ジョブの割り当てを管理する。
印刷サーバ50は、プログラムの実行を通じて装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)511と、BIOS(Basic Input Output System)等のプログラムを記憶するROM512と、プログラムの実行領域として使用されるRAM(Random Access Memory)513と、を有している。
CPU511、ROM512、RAM513は、コンピュータとして機能する。
この他、印刷サーバ50には、ユーザインタフェース画面を表示する表示部515と、ユーザの操作を受け付ける操作受付部516と、外部との通信に用いられる通信インターフェース(通信IF)517が設けられている。
前述した各部は、バス518や不図示の通信線を通じて互いに接続されており、これらの配線を介してデータの受け渡しを実行する。
図25に示す機能は、CPU511によるプログラムの実行を通じて実現される。
図25では、プログラムの実行を通じて実現される機能のうち、印刷ジョブの割り当てに関連する機能について表している。
機能上の印刷サーバ50は、印刷ジョブを受け付ける印刷ジョブ受付部521と、印刷ジョブの割当先となる印刷装置10A、10B、10C(図23参照)の動作モードを監視する印刷装置別動作モード監視部522と、印刷装置の10A、10B、10Cの動作モードに応じて印刷ジョブの割当先を決定する印刷ジョブ割当先決定部523と、を有している。
本実施の形態における印刷装置別動作モード監視部522は、印刷装置10A、10B、10Cとの通信を通じ、各印刷装置10A、10B、10Cの現在の動作モードを監視する。すなわち、印刷装置別動作モード監視部522は、印刷装置別に、現在の動作モードが、待機フェーズ、配送準備フェーズ、配送フェーズ、追加の配送準備フェーズ、追加の配送フェーズのいずれであるかを監視する。
図26に示す処理動作は、CPU511(図24参照)によるプログラムの実行を通じて実現される。
なお、図26に示す記号のSは、処理動作を構成する個々のステップを表している。
まず、CPU511は、未対応の印刷ジョブの数が1以上であるか否かを判定し、1以上である間、後続する処理を繰り返し実行する(ステップ51)。
次に、CPU511は、印刷ジョブを発行したユーザは配送エリア内か否かを判定する(ステップ52)。本実施の形態では、配送エリアの外縁として空間1(図23参照)を設定しているので、印刷ジョブを発行したユーザが空間1内に位置するか否かが判定される。
この後、CPU511は、未対応の印刷ジョブの数を1つ減らす(ステップ54)。
これに対し、ステップ52で肯定結果が得られた場合、CPU511は、配送エリア内に待機フェーズ、追加の配送準備フェーズ、又は、追加の配送フェーズの印刷装置があるか否かを判定する(ステップ55)。
ステップ55で肯定結果が得られた場合、CPU511は、配送エリア内に待機フェーズの印刷装置があるか否かを判定する(ステップ56)。
ステップ56で否定結果が得られた場合、CPU511は、追加の配送準備フェーズ又は追加の配送フェーズの印刷装置のいずれかに印刷ジョブを送信し(ステップ58)、その後、未対応の印刷ジョブの数を1つ減らす(ステップ54)。
なお、追加の配送準備フェーズ又は追加の配送フェーズで動作中の印刷装置は、受信した印刷ジョブを次回の配送フェーズでの配信の対象とする。
ステップ59で肯定結果が得られた場合、CPU511は、配送準備フェーズ又は配送フェーズの印刷装置のいずれかに印刷ジョブを送信し(ステップ60)、その後、未対応の印刷ジョブの数を1つ減らす(ステップ54)。
なお、配送準備フェーズ又は配送フェーズで動作中の印刷装置は、受信した印刷ジョブを次回の配送フェーズで配信の対象とする。
ステップ59で否定結果が得られた場合、CPU511は、ステップ53に進む。
図27には、図23との対応部分に対応する符号を付して示している。
図27に示す例は、ステップ56(図26参照)で肯定結果が得られた場合における割り当て例に対応する。
図27の場合、印刷装置10A及び10Cの2台が待機フェーズで動作中であり、印刷装置10Bは配送フェーズ中である。
この動作状態の場合、印刷サーバ50は、印刷装置10A及び10Cのうちいずれか一方に印刷ジョブを割当先に決定する。図27では、印刷装置10Aに印刷ジョブを送信している。
図28には、図23との対応部分に対応する符号を付して示している。
図28に示す例は、ステップ56(図26参照)で否定結果が得られた場合における割り当て例に対応する。
図28の場合、印刷装置10Aは追加の配信準備フェーズであり、印刷装置10Bは配送フェーズであり、印刷装置10Cは追加の配信フェーズで動作している。
この動作状態の場合、印刷サーバ50は、印刷装置10A及び10Cのうちいずれか一方を印刷ジョブの割当先に決定する。図28では、印刷装置10Cに印刷ジョブを送信している。
図29には、図23との対応部分に対応する符号を付して示している。
図29に示す例は、ステップ59(図26参照)で肯定結果が得られた場合における割り当て例に対応する。
図29の場合、印刷装置10A及び10Cの2台が配送フェーズで動作中であり、印刷装置10Bは配送準備フェーズで動作中である。
この動作状態の場合、印刷サーバ50は、印刷装置10A~10Cのうちいずれか1つを印刷ジョブの割当先に決定する。図29では、印刷装置10Bに印刷ジョブを送信している。
図30には、図23との対応部分に対応する符号を付して示している。
図30に示す例は、ステップ59(図26参照)で否定結果が得られた場合における割り当て例に対応する。
図30の場合、印刷装置10A及び10Bの2台が電源オフの状態にあり、印刷装置10Cは据置モードで使用中である。すなわち、ユーザが印刷装置10Cのユーザインタフェースを直接操作して印刷などを実行している状態である。
この動作状態の場合、印刷サーバ50は、受け付けた印刷ジョブに対応する印刷物を配送可能な印刷装置がない旨を印刷ジョブの発行元に通知する。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上述の実施の形態に記載の範囲に限定されない。上述の実施の形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
例えば印刷サーバ50(図23参照)において、自走式の印刷装置のそれぞれについて、配信スケジュールの管理、配信経路の計算、電池の残量の監視、消耗品の残量の監視などの機能の全て又は一部を実行してもよい。この場合、印刷サーバ50は、自走式の印刷装置の移動を制御する情報処理装置の一例である。
例えば現在の配送フェーズが終了した時刻から次回の配送フェーズが開始される時刻までの残時間が予め定めた基準より長い場合に、追加の配送フェーズの実行を許可してもよい。
また例えば追加の配送フェーズが終了する時刻を予め定めた計算式に従って計算し、計算された時刻が次回の配送準備フェーズが開始される時刻よりも前である場合に、追加の配送フェーズの実行を許可してもよい。
これらの条件は、予め定めた定期的な配送スケジュールを維持するために用意される。
Claims (12)
- 画像を記録材に形成する画像形成手段と、
配送回と1対1に対応付けられ、前記配送回の開始時間より前に定められた受付期間を単位として、画像の形成と指定する場所での受け取りを要求する複数のジョブを受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた前記ジョブのうち、次の配送回と対応する受付期間に受け付けた全てのジョブを対象として移動の経路を決定する決定手段と、
前記受付期間に対応する配送回が開始すると、前記決定手段により決定された経路に基づいて、当該受付期間に受け付けられた全てのジョブに対応する場所への自装置の移動を制御する制御手段と、
を有する画像形成装置。 - 前記制御手段は、次の配送回の準備が整うまで、配送の実行を待機させる、請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、電池の残量が、次の配送回に必要な残量を下回る間、配送の実行を待機させる、請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、次の配送回中に消耗品の不足が生じる場合、当該消耗品が補充されるまで配送の実行を待機させる、請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、次の配送回中に消耗品の不足が生じる場合、当該消耗品の補充の必要性を通知する、請求項4に記載の画像形成装置。
- 個々の配送回に割り当てられる期間は、間欠的に予定されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 画像を記録材に形成する画像形成手段と、
画像の形成と指定する場所での受け取りを要求するジョブを受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた前記ジョブのうち、次回の配送に対応する受付期間に受け付けたジョブを対象として移動の経路を決定する決定手段と、
決定された経路に基づいて自装置の移動を制御する制御手段と、
を有し、
配送が完了した時点で、現在の配送回に対応する前記受付期間の経過後に受け付けた前記ジョブに対応する配送が可能である場合、前記制御手段は、追加の配送を指示する、画像形成装置。 - 前記配送が可能である場合には、現在の配送回に割り当てられている期間の残時間が予め定めた値以上の場合であることが含まれる、請求項7に記載の画像形成装置。
- 画像を記録材に形成する画像形成手段と、
画像の形成と指定する場所での受け取りを要求するジョブを受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた前記ジョブのうち、次回の配送に対応する受付期間に受け付けたジョブを対象として移動の経路を決定する決定手段と、
決定された経路に基づいて自装置の移動を制御する制御手段と、
を有し、
配送が完了した時点で、前記制御手段は、次回の配送に対応する前記受付期間を終了し、次回の配送の前倒しを指示する、画像形成装置。 - 前記場所は、複数のユーザについて用意されている場所のいずれかである、請求項1~9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 配送回と1対1に対応付けられ、前記配送回の開始時間より前に定められた受付期間を単位として、画像の形成と指定する場所での受け取りを要求する複数のジョブを受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた前記ジョブのうち、次の配送回と対応する受付期間に受け付けた全てのジョブを対象として移動の経路を決定する決定手段と、
前記受付期間に対応する配送回が開始すると、前記決定手段により決定された経路に基づいて、当該受付期間に受け付けられた全てのジョブに対応する場所への自装置の移動を制御する制御手段と、
を有する情報処理装置。 - コンピュータに、
配送回と1対1に対応付けられ、前記配送回の開始時間より前に定められた受付期間を単位として、画像の形成と指定する場所での受け取りを要求する複数のジョブを受け付ける機能と、
前記受け付ける機能で受け付けた前記ジョブのうち、次の配送回と対応する受付期間に受け付けた全てのジョブを対象として移動の経路を決定する機能と、
前記受付期間に対応する配送回が開始すると、前記決定する機能により決定された経路に基づいて、当該受付期間に受け付けられた全てのジョブに対応する場所への自装置の移動を制御する機能と、
を実行させるプログラム。
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