JP7279519B2 - 画像形成システム、制御装置、画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の画像形成装置を含み、印刷要求にかかる文書コンテンツを分割して、個々の画像形成装置に対し、印刷指示を発する画像形成システムに関し、特に、文書印刷で得られた印刷物の配達を移動体に行わせるシステムの改良に関する。
画像形成システムは、クライアント端末により要求された文書の印刷をプリンタサーバー等の制御装置が受け付け、複数の画像形成装置に分散して実行させる。しかし、別々の場所に置かれた画像形成装置により、印刷物が出力されると、ユーザーはこれら、複数の画像形成装置の設置場所に立ち寄り、印刷物を回収せねばならず、とても面倒である。こうした回収の手間を解消する策として、近年、自律制御可能な移動体を用いた、印刷物の搬送が検討されている。
移動体を用いた印刷物搬送に関する先行技術としては、以下の特許文献1、2に記載されたものがある。
特許文献1は、ドローンに搭載された搬送ケースに印刷物を収容して搬送する印刷物搬送システムを開示する。特許文献1の印刷物搬送システムでは、画像形成装置の排紙口側の側面に隣接して離着陸台が配置されており、ドローンは、離着陸台の上面に着陸して、画像形成装置の排紙先分別ユニットから排紙される印刷物を荷受する。
特許文献2は、移動体が配達することができる積載可能量を記憶しており、印刷ジョブによる印刷物の重量が積載可能量を越えるかどうかを判定し、超える場合、積載可能量以下となる複数の印刷ジョブを得る画像形成システムを開示する。
特開2017-087524号公報 特開2016-141036号公報
ところで、従来の画像形成システムでは、クライアント端末から印刷要求があった場合、印刷が要求された文書の総ページ数を、利用可能な画像形成装置の台数で割り、その割り算の商にあたるページ数の部分文書を個々の画像形成装置に割り当てて、印刷を行わせる。
こうして割り当てた部分文書の印刷物の重量が、移動体の積載能力を超える場合がある。この場合移動体は、出力された印刷物を一度に運び切ることができず、端数となるページの用紙が搬送されずに残ってしまう。こうした端数の用紙の存在により、ユーザーへの印刷物の到達順序が入れ替わってしまうことがある。例えば、図19に示すクライアント端末10が、90ページの文書の分散印刷を画像形成装置1、2、3に要求したとする。この場合、従来の制御装置は、90ページという文書のページ数を3台という画像形成装置の台数で分割して、1ページから30ページまでの部分文書を画像形成装置1に、31ページから60ページまでの部分文書を画像形成装置2に、61ページから90ページまでの部分文書を画像形成装置3にそれぞれ割り当てる。しかし、部分文書を配達する移動体4、5、6の積載能力が20ページ程度であると、端数のページ(図19における21~30ページ、51~60ページ、81~90ページ)が搬送されず、画像形成装置に残る。この端数のページが遅れて搬送されることで、ユーザー居所における、印刷物の到達順序が入れ替わってしまう。こうした順序の入れ替わりがあると、ユーザーはページ番号等を手掛かりに、部分文書のページを正しい順序に並べ替えねばならず、そうした並べ替えの手間に、煩雑感を覚えることがある。
本発明の目的は、移動体が搬送し得ない端数のページが発生したとしても、移動体により配達される部分文書のページ順序が、入れ替わらない画像形成システムを提供することである。
上記課題は、複数の画像形成装置と、自律制御可能な複数の移動体とを含み、文書コンテンツを含むジョブデータの印刷と、印刷物の配達とを画像形成装置及び移動体を用いて実行する画像形成システムであって、ユーザーが印刷要求をした文書をコンテンツとして含むジョブデータを、移動体による印刷物の積載能力以下の所定のページ単位で分割して、複数の部分ジョブデータを得るジョブデータ分割手段と、分割により得られた複数の部分ジョブデータを、前記複数の画像形成装置のそれぞれに分配して印刷させる指示を、全ての部分ジョブデータが印刷されるまで繰り返し発する印刷実行指示手段と、部分ジョブデータの印刷物が画像形成装置から出力される度に、当該印刷物を移動体に収容させ、目的地に配達させる指示を、全ての部分ジョブデータの印刷物が配達されるまで繰り返し発する配達実行指示手段とを備え、前記配達実行指示手段は、複数の画像形成装置のそれぞれから、複数の部分ジョブデータの印刷物が出力された際、部分ジョブデータにあたるページ単位のページ番号が小さい順に、以下の1)の処理、及び、2)の処理を、部分ジョブデータのそれぞれについて実行する
1)1の画像形成装置により出力された1のページ単位の印刷物の配達を指示するにあたり、直前のページ単位にあたる印刷物であって、別の画像形成装置から出力されたものを収容した移動体の状態を監視する、
2)前記直前のページ単位にあたる印刷物を配達する移動体の状態が、印刷物の配達間隔を確保できる所定の状態になるのを待って、前記1のページ単位の印刷物について、配達指示を前記移動体に発する、ことを特徴とする画像形成システムにより解決される。
ここで前記所定のページ単位は、前記移動体が積載することができる記録シートの上限枚数であり、前記ジョブデータ分割手段は、各移動体の積載能力の上限となる重量を、前記印刷物を構成する記録シートの単位枚数当りの重量で割ることで、前記所定のページ単位を定めてもよい。
ここで前記移動体は、印刷物の収容のためのキャビネットと、ステータス通知部とを含み、前記移動体の状態は、キャビネット内の記録シートの載置の有無、移動体の到着の有無、キャビネットの扉の開閉状態によって表現され、録シートが前記キャビネットに収容されることなく、前記移動体が前記画像形成装置に到着して、前記キャビネットの扉が開いた状態になった場合、前記ステータス通知部は、無線通信ネットワークを通じて、移動体が新たな印刷物を収容することが可能なステータスに至った旨を通知し、前記印刷実行指示手段は前記ステータス通知部から前記ステータスに至った旨の通知を受けて、前記部分ジョブデータを分配した画像形成装置に対し、印刷開始の指示を発してもよい。
ここで、前記印刷実行指示手段が印刷開始を指示した後に、前記移動体のキャビネットに記録シートが載置され、且つ、前記キャビネットの扉を閉じた状態になった場合、前記ステータス通知部は、移動体への新たな印刷物の収容が完了した旨を通知し、前記配達実行指示手段は、前記移動体による印刷物の収容が完了した旨の通知を受けて、前記移動体に対し、配達開始の指示を発してもよい。
前記配達実行指示手段が配達開始の指示を発した後に、前記移動体が、目的地に到着し、キャビネットの扉が開いて、ユーザーにより記録シートが取り出され、前記記録シートが載置されていない状態になった場合、前記ステータス通知部は移動体による印刷物の配達完了のステータスに至った旨を通知し、前記配達実行指示手段は、印刷物の配達完了の通知を受けて、前記移動体に対し、画像形成装置に帰還する旨の指示を発してもよい。
ここで、ホームポジションから画像形成装置に設置された離着陸台まで、移動体を移動させるのに費やされる期間、及び/又は、画像形成装置に設置された離着陸台からユーザー居所の目的地まで移動体を移動させて、当該目的地から離着陸台まで移動体を帰還させるのに費やされる期間において、部分ジョブデータの分配を受けた画像形成装置のメモリに、印刷物の配達を伴わない他のジョブデータが蓄積された場合、当該他のジョブデータの印刷を優先的に実行してもよい。
また上記課題は、複数の画像形成装置と、自律制御可能な複数の移動体とを含む画像形成システムに用いられ、文書コンテンツを含むジョブデータの印刷と、印刷物の配達とを画像形成装置及び移動体を用いて実行する制御装置であって、ユーザーが印刷要求をした文書をコンテンツとして含むジョブデータを、移動体による印刷物の積載能力以下の所定のページ単位で分割して、複数の部分ジョブデータを得るジョブデータ分割手段と、分割により得られた複数の部分ジョブデータを、前記複数の画像形成装置のそれぞれに分配して印刷させる指示を、全ての部分ジョブデータが印刷されるまで繰り返し発する印刷実行指示手段と、部分ジョブデータの印刷物が画像形成装置から出力される度に、当該印刷物を移動体に収容させ、目的地に配達させる指示を、全ての部分ジョブデータの印刷物が配達されるまで繰り返し発する配達実行指示手段とを備え、前記配達実行指示手段は、複数の画像形成装置のそれぞれから、複数の部分ジョブデータの印刷物が出力された際、部分ジョブデータにあたるページ単位のページ番号が小さい順に、以下の1)の処理、及び、2)の処理を、部分ジョブデータのそれぞれについて実行する
1)1の画像形成装置により出力された1のページ単位の印刷物の配達を指示するにあたり、直前のページ単位にあたる印刷物であって、別の画像形成装置から出力されたものを収容した移動体の状態を監視する、
2)前記直前のページ単位にあたる印刷物を配達する移動体の状態が、印刷物の配達間隔を確保できる所定の状態になるのを待って、前記1のページ単位の印刷物について、配達指示を前記移動体に発する、ことを特徴とする制御装置により解決される。
また上記課題は、複数の画像形成装置と、自律制御可能な複数の移動体とを含み、文書コンテンツを含むジョブデータの印刷と、印刷物の配達とを画像形成装置及び移動体を用いて実行する画像形成システムにおける1の画像形成装置であって、ユーザーが印刷要求をした文書をコンテンツとして含むジョブデータを、移動体による印刷物の積載能力以下の所定のページ単位で分割して、複数の部分ジョブデータを得るジョブデータ分割手段と、分割により得られた複数の部分ジョブデータのうちの一部を実行するジョブ実行手段と、残りの部分ジョブデータを、前記残りの画像形成装置のそれぞれに分配して印刷させる指示を、残りの部分ジョブデータが全て印刷されるまで繰り返し発する印刷実行指示手段と、部分ジョブデータの印刷物が各画像形成装置から出力される度に、当該印刷物を移動体に収容させ、目的地に配達させる指示を、全ての部分ジョブデータの印刷物が配達されるまで繰り返し発する配達実行指示手段とを備え、前記配達実行指示手段は、複数の画像形成装置のそれぞれから、複数の部分ジョブデータの印刷物が出力された際、部分ジョブデータにあたるページ単位のページ番号が小さい順に、以下の1)の処理、及び、2)の処理を、部分ジョブデータのそれぞれについて実行する
1)1の画像形成装置により出力された1のページ単位の印刷物の配達を指示するにあたり、直前のページ単位にあたる印刷物であって、別の画像形成装置から出力されたものを収容した移動体の状態を監視する、
2)前記直前のページ単位にあたる印刷物を配達する移動体の状態が、印刷物の配達間隔を確保できる所定の状態になるのを待って、前記1のページ単位の印刷物について、配達指示を前記移動体に発する、ことを特徴とする画像形成装置により解決される。
ジョブデータ分割手段は、ユーザーが印刷要求をした文書をコンテンツとして含むジョブデータを、移動体による印刷物の積載能力以下の所定のページ単位で分割して、複数の部分ジョブデータを得る。印刷指示手段は、こうした分割により得られた複数の部分ジョブデータを、前記複数の画像形成装置のそれぞれに分配し印刷させるので、移動体の積載能力を超える端数のページは、画像形成装置への送信が後回しにされる。こうして、端数のページの画像形成装置への送信が後回しにされることで、端数にあたるページの印刷物が、ユーザーの手元に先に到達することはない。ユーザーは、ページの入れ替わりが生じない状態で、移動体により配達された複数の印刷物を受け取ることができる。ページ順序の入れ替わりを危惧することなく、複数の画像形成装置によって分散印刷された文書を利用することができる。
本発明に係る画像形成システムの全体構成を示す。 扉116を開けた状態の移動体101の外観を示す。 移動体101の内部構成を示す図である。 HPFデータの一例を示す図である。 図5(a)は、X軸正方向に移動体101を進行させる場合のローター制御、図5(b)は、Y軸正方向に移動体101を進行させる場合のローター制御、図5(c)は、移動体101を上昇させる際のローター制御、図5(d)は、移動体101を時計周りに旋回させる際のローター制御を示す。 クライアント端末200、画像形成装置301の内部構成を示す構成図である。 プリントコントローラー400の内部構成を示す図である。 クライアント端末200、画像形成装置301~303、移動体101~303間の処理シーケンスを示すシーケンスチャートである。 ジョブ分割部405による印刷ジョブの分割手順を示すフローチャートである。 図10(a)は、ジョブ分割部405の分割により得られる、分割ジョブA1/5、分割ジョブA2/5、分割ジョブA3/5、分割ジョブA4/5、分割ジョブA5/5を示す。図10(b)は、分割ジョブA1/5から分割ジョブA3/5までのPJLデータを画像形成装置301~303に分配する過程を示す。図10(c)は、分割ジョブA4/5から分割ジョブA5/5までのPJLデータを画像形成装置301~302に分配する過程を示す。 ジョブ配達指示プロセス207Dの処理手順を示すフローチャートである。 図12(a)~(e)は、移動中から配達完までの移動体101の一連の動作を示す。 移動体101の制御部132によるステータスパケットの送信手順を示すフローチャートである。 ジョブ印刷指示プロセス207Pの処理手順を示すフローチャートである。 分割ジョブA1/5~分割ジョブA5/5の時間的関係を示すタイミングチャートである。 移動体101、102、103の航路を示す。 図17(a)は、複数の画像形成装置のそれぞれにおいて、複数の印刷ジョブが実行待ちになっている状態を示す。図17(b)は、印刷ジョブE、Fを優先して実行する状態、及び、印刷ジョブI、Hを優先して実行する状態を示す。 図18(a)は、移動体101、102、103の積載能力の一例を示す。図18(b)は、図18(a)の積載能力に応じた、ページ数の分配を示す。 従来の画像形成システムの分散印刷により出力された印刷物を、複数の移動体4、5、6で配達する場合の問題点を指摘するための図である。
以下、図面を参照しながら、本発明にかかる画像形成システムの実施形態について説明する。
[1]画像形成システムの概要
図1に、本発明に係る画像形成システムの全体構成を示す。本図の画像形成システム1000は、移動体101、102、103、クライアント端末200、画像形成装置301、302、303、プリントコントローラー400により構成される。画像形成システム1000は、複数のユーザーによる使用を想定していて、各ユーザーが占有している事業所のスペース(ユーザー居所という)には、クライアント端末200、離着陸台210の組が存在する。図1では省略しているが、同様のクライアント端末、離着陸台210の組は事業所内の複数の場所に存在するものとする。尚、離着陸台210と、画像形成装置301との間の距離、離着陸台210と、画像形成装置302との間の距離、離着陸台210と、画像形成装置303との間の距離は、ほぼ同じになるように、画像形成装置301~303は、事業所内に設置されているとする。
(1-1)移動体101、102、103
移動体101、102、103はそれぞれ、クアッドドローンであり、4本のローター111、112、113、114と、印刷用紙収容のためのキャビネット115を有する。移動体101、102、103は通常、図1におけるホームポジション100で待機しており、プリントコントローラー400からの制御により航行を画像形成装置301、302、303が設置された事業所構内の、予め定められた航路を行き来する。尚、移動体101~103は、性能(速度、高度)が同じであり、また、積載能力も同じであるとする。
(1-2)画像形成装置301、302、303、
画像形成装置301、302、303は、多機能複合機 (Multifunction Peripheral:MFP)であり、プリントコントローラー400を通じて、クライアント端末200が発したジョブデータを受信して、印刷を実行する。また、画像形成システム1000に固有の構成要素として、排出先分別ユニット304を含む。排出先分別ユニット304は、画像形成装置301の排紙口側の側面に隣接して配置されユーザーの選択により排紙先を分別するためのユニットであり、移動体101への引き渡しを前提にしない排出トレイ301Aと、移動体101のキャビネット115に用紙を引き渡すための排出トレイ301Bとを有する。排出トレイ301Bは、離着陸台305と、排出先分別ユニット304の排出口(図示せず)に連なるスロープ309とを含み、排出先分別ユニット304から排出された用紙を離着陸台305に導く。移動体101が離着陸台305に着陸して、キャビネット115の扉116を開くことで、排出先分別ユニット304から排紙される印刷物を荷受する。
(1-3)プリントコントローラー400
プリントコントローラー400は、クライアント端末200、画像形成装置301~303が属する有線LAN200Nに接続されており、クライアント端末200と、画像形成装置301~303とに介在して、クライアント端末200が発した印刷ジョブデータを受信し、当該ジョブデータの分散処理を画像形成装置301、302、303に実行させる。そうして画像形成装置301、302、303により出力される印刷物を、移動体101、102、103に配達させる。
[2]移動体101の構成
(2-1)移動体101の外観
移動体101、102、103は、自律制御により飛翔する飛行体である。移動体101~103による自律制御とは、予め設定された出発位置から、目的地に至るまでに進むべき進路を動的に決定して移動する制御をいう。こうした自律制御のため、移動体101~103は、地図データを含む制御コマンドをプリントコントローラー400から受信して、この地図データに示される出発位置から、目的地に至るまでの進路を動的に決定して航行する。
図2は、扉116を開けた状態の移動体101の外観を示す。図2に示すようにキャビネット115の一方端面には、制御部132(図3)からの指示により開閉が可能な扉116が設けられている。画像形成装置の離着陸台305の到達時に図示しない駆動モーターを回転させることで扉116をあけ、印刷物を収容した後、同駆動モーターを駆動することで扉116を閉める。これにより配達中に、印刷物がキャビネット115から落下しないようにする。キャビネット115の内面底部には、用紙センサー126が設けられていて、キャビネット115における用紙収容の有無を検出することができる。また、移動体101の脚部101Lには、接地センサー127が設けられていて、移動体101の接地の有無を検出することができる。
(2-2)移動体101の内部構成
図3は、移動体101の内部構成を示す。クアッドドローンである移動体101は、自律制御のための構成要素として、図3に示すように、無線LAN子機121と、HPFメモリ122と、姿勢計測のためのジャイロセンサー123と、高度計測を行う超音波センサー124と、速度センサー125と、用紙センサー126と、接地センサー127と、HPF制御回路128と、NADF制御回路129と、クランピング制御回路130と、モーター駆動回路131と、制御部132とを備える。
(2-3)HPFメモリ122
図3に示すHPFメモリ122は、移動体101が取るべき航路を示すHPF(Harmonic Potential Field)データを記憶する。図4に、HPFデータの一例を示す。
HPFデータは、本図に示すように所望の座標系平面の複数の座標位置に、勾配ベクトル(図4において矢印記号を用いて示す)をプロットした地図データである。勾配データは、各座標位置から目標位置(画像形成装置301の離着陸台305、クライアント端末200の離着陸台210の双方がある)に到達するにあたって、各座標位置でとるべき進路を示す。各勾配データは、壁や障害物といった環境境界からの斥力と、任意に設定した目標からの引力から計算されており、座標位置に対応する場所において、どちらの方向に向かえば、障害物を避けながら目標位置に到達するかを示す。かかるHPFデータには、X-Y座標系平面に対応するもの、Y-Z座標系平面に対応するもの、X-Z座標系平面に対応するものが準備されている。
(2-4)NADF制御回路129
図3に示すNADF制御回路129は、速度センサーにより検出されたX軸方向、Y軸方向の速度を用いて、NADF(NonLinear Anisotropic Damping Forces)制御を実行する。NADF制御回路129が行うNADF制御は、HPFデータに示される、任意の座標xにおける勾配∇(x)と、任意の座標xにおける速度V(x)との積を符号を出力する関数(単位ステップ関数)を用いて、勾配と、速度方向との一致・不一致を判定し、判定結果に従い、ローター駆動モーター111M~114Mに印加すべき駆動力を調整することで、現在の速度方向に向かう力、又は、現在の速度方向への力を打ち消す力を移動体101に印加する。これにより、HPFデータに示される勾配方向から逸脱した場合に、移動体101が元の勾配方向に復帰することになる。
(2-5)クランピング制御回路130
クランピング制御回路130は、ステレオ視のカメラ130R、Lにより撮影された左右画像を用いて、クランピング制御を実現する。クランピング制御は、目標位置(画像形成装置301、クライアント端末200の何れかがある)からの半径σの圏内において、移動体の速度方向が目標点から遠ざかる方向に向いている場合、非線形入力関数を用いて、目標位置に向かう力を移動体に印加し、移動体の位置と、目標位置(画像形成装置の離着陸台305、クライアント端末200の離着陸台210のどちらか)との距離を最小にする制御である。非線形入力関数は、制御対象である移動体が、目標位置から半径σの圏内にあることを確認する関数(単位ステップ関数)と、現在の速度方向が、目標位置に向かっているかを確認する関数とに、目標位置と、移動体101との差分を乗じることで移動体101の航路を調整する。
(2-6)モーター駆動回路131
図3に示すモーター駆動回路131は、ローター111、112、113、114に回転駆動力を印加するローター駆動モーター111M~114Mを駆動するのと共に、扉116を開閉するための扉駆動モーター116Mを駆動する。モーター駆動回路131による典型的なローター制御を、図5(a)~(d)に示す。
図5(a)は、X軸正方向に移動体101を進行させる場合のローター制御、図5(b)は、Y軸正方向に移動体101を進行させる場合のローター制御、図5(c)は、移動体101を上昇させる際のローター制御、図5(d)は、移動体101を時計周りに旋回させる際のローター制御を示す。
モーター駆動回路131は、図5(a)に示すように、ローター駆動モーター111M~114Mを駆動し、4つのローターのうち、対角線上に位置する一対のローター112、114の推力f2、f4を一定に保ち、他の対角線上にある一対のローター111、113の推力f1、f3に、高低差を設ける。こうすることで、X軸正方向への移動を実現する。またモーター駆動回路131は、図5(b)に示すように、4つのローターのうち、対角線上に位置する一対のローター111、113の推力f1、f3を一定に保ち、他の対角線上にある一対のローター112、114の推力f2、f4に、高低差を設けることで、Y軸正方向への移動を実現する。
更にモーター駆動回路131は、図5(c)に示すように、4つのローター111、112、113、114の推力f1、f2、f3、f4を同一とした場合、移動体101は上昇(Z軸方向への移動)する。
加えて、図5(d)に示すように、1の対角線上にある一対のローター112、114と、他の対角線上にある一対のローター111、113とを逆方向に回転させることで(ローター111、113は時計周り、ローター112、114は反時計周り)、移動体を図中のΨ方向に旋回させる。こうした上昇、水平移動、旋回を組み合わせることで、画像形成装置からクライアント端末への移動を行う。
(2-7)制御部132
図3に示す制御部132は、無線LAN子機121を通じた、データ送受信を行うのと共に、周期的にステータスパケット101Pの送信を行う。ステータスパケット101Pは、移動体101のバッテリー残量、移動体101のステータス、トラブルの有無、現在位置、目標位置を含み、現在の移動体101の状況がどのようなものかを把握させるようにしている。ステータスパケット101Pにより示される移動体101のステータスには、キャビネット115に用紙を収容しないまま航行している旨のステータス(図3の移動中)、新たな印刷物の収容準備が完了したステータス(図3における準備完)、扉116を開けて、用紙を荷受けしているステータス(図3における収容中)、用紙の荷受けが完了したステータス(図3の収容完)、印刷物をキャビネット115に収容して航行している旨のステータス(図3の配達中)、移動体101が目的地に到着して、用紙が取り出され、配達が完了した旨のステータス(図3の配達完)、ホームポジション100で、航行開始の指示を待っているステータス(図3の待機中)といったものがある。
[3]クライアント端末200
図6は、クライアント端末200、画像形成装置301の内部構成を示す構成図である。以下、図6を参照しながら、クライアント端末200、画像形成装置301の内部構成について説明する。
クライアント端末200は、文書作成アプリケーション201、OS(オペレーティングシステム)202、プリンタドライバー203がインストールされたハードディスク、ソリッドステートディスクであるストレージ204と、ネットワークI/F部205とを備える。プリンタドライバー203は、OS202、文書作成アプリケーション201の起動時において、文書印刷が指示された際、文書作成アプリケーション201により作成された文書データを、PJL(Printer Job Language)形式に変換し、変換により得られたデータ(PJLデータ201J)をネットワークI/F部205を介して、プリントコントローラー400に送信する。作成されたPJLデータ201Jは、複数のページP1、P2・・・P90からなり、各ページは、テキスト文字列、図形、写真を用いて形成すべき画像を表す。PJLデータ201Jは、トレイ選択コマンド304Cを含む。トレイ選択コマンド304Cは、クライアント端末200の設定画面におけるユーザ設定に従い、上記排出トレイ301A、301Bの何れかを指定する。
[4]画像形成装置301、302、303
画像形成装置301、302、303は、待ち行列メモリ310、ネットワークI/F部311、現像器312、給紙部313、転写部314、定着部315、制御部316、パネル操作部317を備え、プリントコントローラー400から送信されるPJLデータを受信して、順次、待ち行列メモリ310に格納し、現像器312、給紙部313、転写部314、定着部315、制御部316による印刷に供する。画像形成装置301による印刷は、現像器312による感光体上へのトナー像の形成、給紙部313による給紙カセット301C(図1参照)からの用紙の繰り出し、転写部314による感光体から用紙に対するトナー像の転写、定着部315によるトナー像の熱定着を含む。
待ち行列メモリ310は、クライアント端末200から発せられたPJLデータを蓄積しており、制御部316は、この待ち行列メモリ310に蓄積されたそれぞれのPJLデータに対し、トナー像形成から定着までの一連の処理を実行する。それと共に、ネットワークI/F部311を通じて、ステータスパケット301Pの送信、実行待ちリスト301Wの送信を周期的に行う。ステータスパケット301Pは、画像形成装置301、302、303の現在のステータスが、印刷待機中、印刷中、印刷完の何れであるかを示す。実行待ちリスト301Wは、対応する画像形成装置において、現在実行待ちになっている1以上の印刷ジョブを示す。
[5]プリントコントローラー400の構成
以下、プリントコントローラー400の内部構成について説明する。図7は、プリントコントローラー400の内部構成を示す図であり、本図に示すように、プリントコントローラー400は、ネットワークI/F部401、移動体監視部402、MFP監視部403、ジョブ解析部404、ジョブ分割部405、PJLデータメモリ406、配達指示部407、印刷指示部408、ジョブ進捗管理部409、移動体型式データ415、進捗管理テーブル419、積載能力データ425、用紙重量テーブル435を備える。
(5-1)ネットワークインターフェイス部401
ネットワークインターフェイス部401は、クライアント端末200や画像形成装置301を相手側としたデータ送受信を実行する。このデータ送受信にあたって、クライアント端末200や画像形成装置301から受信するデータとしては、クライアント端末が発したPJLデータ201Jや画像形成装置により実行されている印刷ジョブの状態を示すステータスパケット301P、302P、303P、移動体の状態を示すステータスパケット101Pがある。
(5ー2)移動体監視部402
移動体監視部402は、移動体101、102、103から送信されるステータスパケット101P(図3)を参照して、現在、待機中になっている移動体を示すリスト(移動体リスト412)を作成する。この移動体リスト412は、本画像形成システムで、利用可能となる複数の移動体を示す。また、ステータスパケット101Pに示される移動体ステータスが、移動中、収容中、配達中になっている移動体については、ステータスパケット101Pに示される移動体のステータスを用いて、進捗管理テーブル419における進捗ステータスを更新する。これにより、画像形成システムに存在する各移動体が、どのような状態であるかを明示する。
(5-3)MFP監視部403
MFP監視部403は、画像形成装置301、302、303のそれぞれから送信されるステータスパケット301P、302P、303Pの内容を監視する。印刷待機中の画像形成装置が存在する場合、それら印刷待機中の画像形成装置のIDからなるリスト(MFPリスト413)を作成する。このMFPリスト413は、本画像形成システムで、利用可能となる複数の画像形成装置を示す。
(5-4)ジョブ解析部404
ジョブ解析部404は、ネットワークインターフェイス部401が受信したPJLデータを解析する。具体的にいうと、クライアント端末200が発したPJLデータに包含される文書のページ数、印刷部数、排出トレイの選択を得る。そして、文書のページ数に、印刷部数を乗じることで、印刷すべきページ数が分散処理の閾値を越えるかどうかを判定する。印刷すべきページ数が、分散処理の閾値を越える場合、ジョブ分割部405にPJLデータを引き渡し、複数の分割ジョブに対応する複数のPJLデータの生成を、ジョブ分割部405に行わせる。
(5-5)ジョブ分割部405
ジョブ分割部405は、移動体型式データ415、積載能力データ425、用紙重量テーブル435を参照して、ジョブ解析部404が解析したPJLデータによる印刷対象となる文書データを分割する。移動体型式データ415は、画像形成システムに存在する複数の移動体の形式番号(図中のTypeA)を、移動体のID(図中のID=101、102、103)に対応付けて示す。また、積載能力データ425は、複数の移動体の型式番号(図中のTypeA、TypeB、TypeC)に、積載能力の上限値(200g、300g、500g)を対応付けて示す。
用紙重量テーブル435は、用紙の種別に対応付けて単位枚数当りの用紙重量を示す。ジョブ分割部405は、これら移動体型式データ415、積載能力データ425を参照して、各移動体の積載能力の上限となる重量を取得する。また、PJLデータの用紙種別に応じた重量を用紙重量テーブル435から取り出す。用紙一枚当たりの重量がm[g]であると、この用紙重量m[g]で、移動体の積載能力M[g]を割ることにより、移動体に配達させるべきページ数を算出する。そして、ジョブにより印刷が要求された文書のうち、このページ数の範囲のみを部分選択した新たなジョブ(以下、分割ジョブという)のPJLデータ(図中のPJLデータA1/5、A2/5、A3/5・・・)を生成する。
(5-6)PJLデータメモリ406
PJLデータメモリ406は、ジョブ分割部405により生成された分割ジョブのPJLデータを格納する。
(5-7)配達指示部407
配達指示部407は、移動体リスト412に示される個々の移動体を、ジョブ分割部405の分割で得られた複数の分割ジョブのそれぞれに関連付ける。そして、無線LAN親機117(図6)を通じて、地図データ(図4に示すHPFデータ)を添付した制御コマンド101Iを移動体101~103に送信することで、移動体101~103を制御する。
(5-8)印刷指示部408
印刷指示部408は、ジョブ分割部405による分割で得られた複数の分割ジョブのそれぞれに、MFPリスト413に示されるそれぞれの画像形成装置を関連付け、各分割ジョブについてのPJLデータを、それぞれの画像形成装置に分配することで、各画像形成装置に分割ジョブを実行させる。
(5-9)ジョブ進捗管理部409
ジョブ進捗管理部409は、配達指示部407による各分割ジョブへの移動体の割り当て、印刷指示部408による各分割ジョブへの画像形成装置の割り当てを行うのと共に、各分割ジョブの進捗ステータスを示すテーブル(進捗管理テーブル419)の新規作成・更新を行う。進捗管理テーブル419は、複数のジョブID(ID=A1/5、A2/5、A3/5・・・)に、画像形成装置のID(ID=301、302、303)、移動体のID(ID=101、102、103・・・)、進捗ステータス429を対応付けて示す。進捗ステータス429は、ステータスパケット301Pに示される画像形成装置のステータス(印刷待機中、印刷中、印刷完)と、ステータスパケット101Pに示される移動体のステータス(移動中、収容中、配達中、待機中)とを組み合わせたものである。ジョブ進捗管理部409は、これら、画像形成装置のステータスと、移動体のステータスとの組み合わせにより、分割ジョブがどの程度、進捗しているかを明示する。
[6]画像形成システム1000の動作
(6-1)クライアント端末200からのPJLデータの受け付け
以上のように構成された画像形成システム1000の動作について説明する。図8は、クライアント端末200、画像形成装置301~303、移動体101~103間の処理シーケンスを示すシーケンスチャートである。また、シーケンスチャートは、クライアント端末200、プリントコントローラー400が行うべき処理手順を併せて示す。クライアント端末200の文書作成アプリケーション201を用いて文書作成を行っていたユーザーが作成した文書の印刷を命じたものとする。この場合、プリンタドライバー203は、作成されている文書データをPJLデータに変換して、プリントコントローラー400に送信する(図8のステップS101)。
プリントコントローラー400のジョブ解析部404は、ネットワークインターフェイス部401が受信したPJLデータを解析する(ステップS201)。そしてPJLデータは、移動体101による配達が必要であり、尚且つ、分散印刷を行うべきPJLデータかどうかを判定する(ステップS202)。かかる判定が肯定的であれば、移動体監視部402は、利用可能な移動体を検出する(ステップS203)。利用可能となる移動体として、移動体監視部402により移動体101、102、103という3機の移動体が検出されたとする。またMFP監視部403が、利用可能な画像形成装置として、画像形成装置301、302、303を検出した場合、配達指示部407は、検出した移動体101、102、103と、画像形成装置301、302、303との関連付けを行う(ステップS204)。この関連付けにより、移動体101を画像形成装置301に、移動体102を画像形成装置302に、移動体103を画像形成装置303にそれぞれ関連付ける。続いて移動体101~103の積載能力を取得して(ステップS205)、かかる積載能力を基に、クライアント端末200が発したPJLデータに係る印刷ジョブを分割する(ステップS206)。
(6-2)ジョブ分割の詳細
ステップS206は、ジョブ分割部405がなすべき処理手順であり、図9のサブルーチンに展開することができる。図9は、ジョブ分割部405による印刷ジョブの分割手順を示すフローチャートである。本フローチャートにおけるNは、利用可能となる移動体数を示す変数であり、vは、分割ジョブの番号を示し、mは、変数vにより指示される分割ジョブ(分割ジョブv)が割り当てられる移動体の番号を示す。変数uは、分割ジョブvに割り当てられるページ範囲のページ数を示し、変数iは、分割ジョブvに割り当てられるページ範囲の先頭ページ番号を示す。
本フローチャートにおけるページ数は、片面印刷を行う場合の印刷用紙の枚数であり、PJLデータにおける1ページが、用紙一枚に対応するとしている。尚、両面印刷の場合は、PJLデータの2ページが、用紙の表面、裏面に対応していて、用紙の1ページに該当すると計算する。
図9のフローチャートにおいて、利用可能とされた移動体数をNに設定し(ステップS211)、変数i、変数m、変数vにそれぞれ1を代入してこれらの変数を初期化する(ステップS212)。
以下、ステップS213~ステップS219のループを実行する。ステップS213~ステップS219のループでは、クライアント端末200のPJLデータで指定されたジョブ設定からジョブの紙種、坪量を取得する(ステップS213)。そして、取得した紙種、坪量から導かれる用紙一枚当たりの紙重量で、変数mで指示される移動体の積載能力(重量)を割ることにより、分割ジョブvで印刷すべきページ数uを算出する(ステップS214)。また、ステップS214の計算における用紙の種別としては、普通紙、厚紙、封筒の他、ラベル紙、樹脂シートといったものがあり、これらの種別に応じて、紙重量を変化させる。
続いて、印刷ジョブの文書のiページから(i+u-1)ページまでのページ範囲を対象とする印刷ジョブを分割ジョブvとする(ステップS215)。ステップS216は、ステップS213~S219からなるループの継続要件であり、ページ範囲の末尾のページである、(i+u-1)ページが、文書の総ページ数以下かどうかを判定する。この継続要件を満たす場合、変数iに変数uを加算することで、変数iを更新し(ステップS217)、分割ジョブのジョブ番号vをインクリメントする(ステップS218)。次に、分割ジョブのジョブ番号vを、利用可能な移動体数Nで割って、その剰余を移動体の識別番号m(図7に示したIDの下位の数値)として(ステップS219)、ステップS213に戻る。以下、ステップS216のループ継続要件を満たす限り、ステップS213~ステップS219のループを繰り返す。
利用可能な移動体として、検出された移動体101、102、103は、約20ページの用紙を配達できるものとする。
また利用可能な移動体の数が3台、利用可能な画像形成装置が画像形成装置301、302、303の3台であるとして、図9のフローチャートの処理がなされる。
v=1である場合、i、mも同じく「1」となる。この際、変数vにより指示される1番目の分割ジョブ(以下、分割ジョブA1/5という)のページ範囲は、1ページから20(=1+20-1)ページとなる(ステップS215)。以降、変数iに20を加算することで「i=21」に更新し(ステップS217)、変数v、変数mを更新して、「2」にする(ステップS218、S219)。
v=2である場合、2番目の分割ジョブ(以下、分割ジョブA2/5という)のページ範囲は、21ページから40(=21+20-1)ページとなる。
v=3である場合、i=41(=40+1)となり、3番目の分割ジョブ(以下、分割ジョブA3/5という)のページ範囲は、41ページから60(=41+20-1)ページとなる。
v=4である場合、i=61(=60+1)となり、4番目の分割ジョブ(分割ジョブA4/5という)のページ範囲は、61ページから80(=61+20-1)ページとなる。
v=5である場合、i=81(=80+1)となり、5番目の分割ジョブ(以下、分割ジョブA5/5という)のページ範囲は、81ページから90ページとなる。以上の過程を経ることで、図10(a)に示す分割ジョブA1/5、分割ジョブA2/5、分割ジョブA3/5、分割ジョブA4/5、分割ジョブA5/5が揃う。ジョブ分割部405は、5つの分割ジョブを3個+2個に分けて、分割ジョブA1/5、分割ジョブA4/5を画像形成装置301に関連付け、分割ジョブA2/5、分割ジョブA5/5を画像形成装置302に関連付け、分割ジョブA5/5を画像形成装置303に関連付ける。更に、分割ジョブA1/5~分割ジョブA5/5のそれぞれに、移動体101~103を関連付ける。
こうした関連付けの後、ジョブ進捗管理部409は、図7に示す進捗管理テーブル419を作成する。進捗管理テーブル419を生成した後、配達指示部407、印刷指示部408は、分割ジョブA1/5~分割ジョブA5/5についてジョブ配達指示プロセス207D、ジョブ印刷指示プロセス207Pを生成する(図8のステップS207)。これら、ジョブ配達指示プロセス207D、ジョブ印刷指示プロセス207Pを起動することで、図10(b)に示すように、1巡目で分割ジョブA1/5から分割ジョブA3/5までのPJLデータを画像形成装置301~303に分配して、それぞれの画像形成装置に実行させる。また、図10(c)に示すように、2巡目で、分割ジョブA4/5、分割ジョブA5/5のPJLデータを画像形成装置301、302にそれぞれ分配して、各画像形成装置に実行させる。
そして、これらのジョブ配達指示プロセス207D、ジョブ印刷指示プロセス207Pに基づき、移動体101、102、103の配達準備(図8のステップS111、S112、S113)、画像形成装置301、302、303の印刷(図8のステップS221、S222、S223)、移動体101、102、104の配達(図8のステップS231、232、S233)を実行する。
(6-3)ジョブ配達指示プロセス207Dの詳細
ジョブ配達指示プロセスにあたっては、図11のフローチャートに従い、移動体101を対象とした制御を行い、図12(a)~(e)に示すような一連の動作を移動体101に行わせる。ジョブ配達指示プロセス207Dは、移動体101~103のそれぞれについて生成される。個々のジョブ配達指示プロセス207Dの実行にあたり、個々の移動体を対象として、図11のフローチャートに示される処理がなされる。
また、ジョブ配達指示プロセス207Dによる制御がなされている間、移動体101の制御部は、図13のフローチャートに従い、定期的にステータスパケットを発し、現在のステージが、上記の5つのステージの何れであるかを、プリントコントローラー400に通知する。以下、図11~図13を参照しながら、配達指示部407による制御について説明する。尚、図11における変数mは、ページ範囲に応じた分割ジョブの順位を示す変数である。
(6-3-1)ホームポジションから離着陸台305への移動
図11のフローチャートのステップS400では、分割ジョブmの1つ前のページ範囲に対応する分割ジョブ(この分割ジョブを分割ジョブm-1という)の印刷が開始されたかどうかの判定待ちとなる。印刷が開始された場合、また、1つ前の分割ジョブがそもそも存在しない場合、ステップS400がYesになる。この場合、プリントコントローラー400のジョブ配達指示プロセス207Dは、ホームポジションを出発地、画像形成装置301の離着陸台305を目的地とした航路を移動体101に設定し(ステップS401)、無線LAN親機117を通じて、地図データを伴った制御コマンドを移動体101に発行することで、航行開始を移動体101に指示する(ステップS402)。移動体監視部402は、画像形成装置301の離着陸台305に移動体101が到達するのを待つ(ステップS403でwait)。
移動体101の制御部132は、プリントコントローラー400から発行される制御コマンドを受信した際、扉駆動モーター116Mを駆動して扉116を閉じ、ローター駆動モーター111M~114Mの回転駆動を開始させる。これにより移動体101は地図データに示される出発地から目的地までに向けた航路の航行を開始する。
図13のフローチャートは、ステップS511、S513、S515、S517、S519、S521の判定ステップからなるループを繰り返す、ループ構造になっている。ステップS511、S513、S515、S517、S519、S521は、ローター駆動モーター111M~114MのON/OFF、用紙センサー126のON/OFF、接地センサー127のON/OFF、扉116の開閉に応じて、移動体101のステータスを定める内容になっている。
用紙センサー126が用紙を検出しないまま、移動体101が航行を開始して、接地センサー127が接地を検出しなくなると、ローター駆動モーター111M~114MがON、用紙センサー126がOFF、接地センサー127がOFF、扉116が閉となり、図13のフローチャートにおいてステップS511がYesになり、移動中を示すステータスパケットを送信する(ステップS512)。これにより、進捗管理テーブル419の進捗ステータスは、「印刷待機中」「移動中」の組み合わせとなる。
(6-3-2)印刷物の収容準備
用紙センサー126が用紙を検出しないまま移動体101が航行を継続して、離着陸台305に到達したとする。移動体101が離着陸台305に到着すると(図11のステップS403でYes)、扉116が開いて、用紙の出力待ちとなる(ステップS404でwait)。移動体101では、接地センサー127が接地を検出し、モーター111M~114Mの回転を停止して、図12(a)の116Pに示すように移動体101の扉116を開く。
この際、ローター駆動モーター111M~114MがOFF、用紙センサー126がOFF、接地センサー127がON、扉116が開となり、図13の判定ステップからなるループにおいて、ステップS513がYesになる。こうして、ステップS513がYesになることで、準備完を示すステータスパケットを送信する(ステップS514)。このステータスパケットの送信を受けて、ジョブ進捗管理部409は、進捗管理テーブル419における分割ジョブのステータスを、印刷待機中・準備完とする。こうして、ジョブのステータスが準備完になったことで、印刷指示部408は、分割ジョブについて、画像形成装置301に印刷開始の指示を発する。尚、印刷開始指示については、後段の(6-4)で詳しく説明する。
(6-3-3)文書印刷及び印刷物収容
キャビネット115の扉116は、離着陸台305において開いているため、トナー像の転写、トナー像の定着といった過程を経て、画像形成装置301の機外に排出された印刷用紙301Sは、図12(b)に示すように移動体101のキャビネット115に収容される。
移動体101の用紙センサー126が用紙載置を検出した場合、ローター駆動モーター111M~114MがOFF、用紙センサー126がON、接地センサー127がON、扉116が開となり、図13のステップS513がNo、ステップS515がYesになって、収容中を示すステータスパケットを送信する(ステップS516)。
以下、画像形成装置301からの用紙排出が完了し、移動体101による用紙収容が完了するのを待つ(図11のステップS404でwait)。
(6-3-4)印刷物配達
画像形成装置301による用紙排出及び移動体101による用紙収容が完了すると(ステップS404でYes)、扉116を閉め、地図データにより画像形成装置301の離着陸台305を出発地、ユーザー居所を目的地とした航路を移動体101に設定する(ステップS405)。その後、進捗管理テーブル419を参照して、印刷物の配達順序の制御を行う。具体的にいうと、進捗管理テーブル419に示される複数の分割ジョブのそれぞれについての進捗のうち、直前のページ範囲にあたる分割ジョブ(分割ジョブm-1)の進捗ステータス429(図7参照)が配達中か、配達完になっているかどうかを判定する(ステップS407)。他の画像形成装置が未だ、直前のページ範囲にあたる分割ジョブを実行している場合、図7の進捗管理テーブル419に示されるその直前の分割ジョブの進捗ステータスは印刷中になっている。この場合、分割ジョブmの印刷物について移動体を用いた配達を開始すると、分割ジョブm-1の印刷物よりも先に、分割ジョブmの印刷物が離着陸台210に到着して、印刷物の到着順序が入れ替わってしまう。そうした恐れがあるので、ステップS407では、図7の進捗管理テーブル419に示される直前の分割ジョブm-1の進捗ステータスが配達中か、配達完になるまで、処理待ちを行う(ステップS407でwait)。
分割ジョブm-1が存在しないか、分割ジョブm-1が存在していて、配達中/配達完である場合(ステップS407でYes)、移動体101に対し、配達開始の指示を発する(ステップS409)。移動体101は配達開始の指示がなされると、用紙センサー126が用紙載置を検出したまま扉116を閉じる。この際、扉116が閉となり、図13の判定ステップのループにおいて、ステップS517がYesになって、収容完を示すステータスパケットを送信する(ステップS518)。ローター駆動モーター111M~114Mの回転を開始されると、接地センサー127が接地を検出しなくなる。この場合、ローター駆動モーター111M~114MがON、接地センサー127がOFFになる。図13のループにおいてステップS519がYesになり、配達中を示すステータスパケットを送信する(ステップS520)。「配達中」を示すステータスパケットが送信されることで、進捗管理テーブル419は対応する分割ジョブのステータスが、印刷待機中・配達中を示すことになる。
(6-3-5)印刷物の受け渡し
以下、ユーザー居所に移動体101が到着するのを待つ(図11のステップS410)。図12(d)の矢印101Dに示すようにユーザー居所に到着すると、移動体101から印刷物が取り出されるのを待つ(ステップS411でwait)。
移動体101の方では、ローター駆動モーター111M~114Mの回転を停止し、接地センサー127が接地を検出して、扉116を開く。そして、キャビネット115に収容されていた用紙をユーザーが取り出すと、用紙センサー126が用紙載置を検出しなくなる。こうして用紙センサー126が、用紙載置を検出しなくなると、図13のループにおいてステップS521がYesになって、配達完を示すステータスパケットを送信する(ステップS522)。
「配達完」を示すステータスパケットが送信されることで、プリントコントローラー400の進捗管理テーブル419は、対応する分割ジョブの進捗ステータスが印刷待機中・配達完であることを示す。
(6-3-6)次順位の分割ジョブ
図12(e)に示すように、印刷用紙301Sが取り出されると、ステップS412のループ継続要件を判定する。図11のステップS412は、残りの分割ジョブが存在するかどうかの判定であり、この継続条件を満たす場合、ユーザー居所を出発地、離着陸台305を目的地とした航路を移動体101に設定して(ステップS413)、ステップS401に戻り、設定した航路で、移動体101の航行を開始させる。
残りの分割ジョブが存在しない場合(ステップS412でNo)、ユーザー居所を出発地、ホームポジションを目的地とした航路を移動体101に設定して(ステップS414)、設定した航路で、移動体101の航行を開始させる(ステップS415)。以下、ホームポジションに移動体101が到着するのを待ち(ステップS416でwait)、到着すれば(ステップS416でYes)、ジョブ配達指示プロセス207Dを終了する。
(6-4)ジョブ印刷指示プロセス207P
図14は、ジョブ印刷指示プロセス207Pの処理手順を示すフローチャートである。複数の分割ジョブの実行にあたり、この図14のフローチャートが共通に実行される。以下、図14のフローチャートを参照しながら、分割ジョブのジョブ印刷指示プロセス207Pについて説明する。図14におけるmは、ページ範囲に応じた分割ジョブの順位を示す変数である。先ず、分割ジョブを示す変数mを1で初期化する(ステップS300)。そして、分割ジョブmに対応するPJLデータを、対応する画像形成装置に送信し(ステップS301)、プリントコントローラー400の進捗管理テーブル419を参照することで、m番目の分割ジョブ(分割ジョブm)に対応する画像形成装置において、移動体による用紙収容の準備が完了したかどうかを判定する(ステップS302)。分割ジョブmに対応する移動体は移動経路の途上にあり、用紙収容の準備が完了していない場合(ステップS302でNo)、ステップS302~S305のループを実行する。
ステップS302~ステップS305のループにおいて、分割ジョブmの受信後、画像形成装置には、移動体による搬送を伴わない他の印刷ジョブが存在するかどうかを判定する(ステップS303)。他の印刷ジョブが存在する場合(ステップS303がYes)、実行待ちになっている複数の印刷ジョブのうち、印刷時間がもっとも短いものの印刷を指示する(ステップS304)。他の印刷ジョブが存在しない場合(ステップS303がNo)、分割ジョブmの印刷開始を行わない(ステップS305)。こうして、ステップS302~S305のループを繰り返し、移動体101が離着陸台305に到達するのを待つ。
分割ジョブmに対応する画像形成装置において、移動体の準備が完了した場合(ステップS302でYes)、分割ジョブmの印刷開始を、対応する画像形成装置に指示して(ステップS307)、ステップS308に移行する。ステップS308は、ループ継続要件であり、変数mが分割ジョブの総数を下回るかどうかを判定する。下回る場合、変数mをインクリメントして(ステップS309)、ステップS302に戻る。以下、全ての分割ジョブについて、ステップS302~S309の処理を繰り返す。
(6-5)各分割ジョブの実行過程
図15、図16を参照しながら、分割ジョブA1/5~分割ジョブA5/5が、上記のジョブ配達指示プロセス207D、ジョブ印刷指示プロセス207Pの対象になった際の動作を説明する。図15は、分割ジョブA1/5~分割ジョブA5/5の時間的関係を示すタイミングチャートである。図16は、分割ジョブA1/5~分割ジョブA5/5を実行する場合の移動体101、102、103の航路を示す。
(6-5-1)分割ジョブA1/5を実行する際の動作
分割ジョブA1/5を実行する際の移動体101の動作は以下の通りである。図7の進捗管理テーブル419において、移動体101、画像形成装置301には、先頭順位のページ範囲である分割ジョブA1/5が割り当てられる。そのため、印刷指示部408のジョブ印刷指示プロセス207Pにあたっては、図11におけるステップS400がYesになり、図15の時点t1において、ホームポジション100からの移動体101の移動を遅滞なく実行する(図11のステップS401~S404)。具体的にいうと、ホームポジション100を出発位置、画像形成装置301の離着陸台305を目的地として移動体101の航行を行わせる。この間、移動体101のステータスは移動中になっているから、移動体101は、図16の矢印101Aに示すようにホームポジション100から出発して、離着陸台305に向かう。この間、印刷指示部408のジョブ印刷指示プロセス207Pでは、図14のステップS302~S305のループを繰り返す。
移動体101が離着陸台305に到達して、キャビネット115の扉116を開けば、移動体101のステータスは、準備完となる。これによりジョブ進捗管理部409は、分割ジョブA1/5のステータスを、未印刷・準備完とする。分割ジョブA1/5のステータスが、未印刷・準備完になったところで、図14のステップS302がYesになり、図15の時点t2において分割ジョブA1/5について印刷開始を画像形成装置301に指示する(ステップS307)。
こうして印刷が開始されれば、移動体101は画像形成装置301の排出トレイ301Bから排出される用紙を、移動体101のキャビネット115に収容する。その後、配達指示部407からの配達指示を待って、図16の矢印101Bに示すように飛行を開始し、キャビネット115に収容した用紙を、クライアント端末201の離着陸台210まで配達する。
(6-5-2)分割ジョブA2/5を実行する際の動作
分割ジョブA2/5について説明する。分割ジョブA2/5の直前の印刷ジョブは、分割ジョブA1/5になるから、画像形成装置301による分割ジョブA1/5の印刷が開始され、移動体101による印刷物の収容が開始される時点t2まで、移動体102の移動を行わない(図11のステップS400でNo)。時点t2において、画像形成装置301の印刷が開始されるのを待って、移動体102に航行を開始させる(ステップS400でYes、ステップS401、S402)。
これにより移動体102は、分割ジョブA2/5の収容のため、図16の矢印102Aに示すように、画像形成装置302の離着陸台306に向かう。分割ジョブA1/5と同様、画像形成装置302による印刷が開始されれば、画像形成装置302から出力される印刷物をキャビネット115に収容して、矢印102Bに示すように、離着陸台210に向かい、分割ジョブA2/5の印刷物を配達する。
(6-5-3)分割ジョブA3/5を実行する際の動作
分割ジョブA3/5について説明する。分割ジョブA3/5の直前の印刷ジョブは、分割ジョブA2/5になるから、画像形成装置302による分割ジョブA2/5の印刷が開始され、移動体101による印刷物の収容が開始される時点t3まで、移動体103の航行を開始しない(ステップS400でNo)。時点t3において、画像形成装置302の印刷が開始されるのを待って、移動体103の航行を開始する(ステップS400でYes、ステップS401、S402)。これにより移動体103は、分割ジョブA3/5の収容のため、画像形成装置303の離着陸台307に向かう(図16の矢印103A)。分割ジョブA1/5と同様、画像形成装置303による印刷が開始されれば、画像形成装置303から出力される印刷物をキャビネット115に収容して、矢印103Bに示すように、離着陸台210に向かい、分割ジョブA3/5の印刷物を配達する。
(6-5-4)分割ジョブA4/5を実行する際の動作
分割ジョブA4/5について説明する。分割ジョブA4/5の直前の印刷ジョブは、分割ジョブA3/5となる。移動体101から分割ジョブA1/5の印刷物が取り出された時点t4において、既に画像形成装置303による分割ジョブA3/5の印刷は開始されているから、ステップS400がYesになる。よって、図15の時点t4において、画像形成装置303の印刷及び用紙収容が開始されるのを待つことなく、移動体101の移動を開始する(図11のステップS401、S402)。2巡目においては、ユーザー居所の離着陸台210を出発位置、画像形成装置301の離着陸台305を目的地として移動体101の航行を行わせる。
これにより移動体101は、図16の矢印101Cに示すように、離着陸台210を出発位置として、再び画像形成装置301の離着陸台305にまで戻り、画像形成装置301の排出トレイ301Bから排出される用紙を、キャビネット115に収容する。キャビネット115への用紙収容が完了すると、図16の矢印101Dに示すように、再び離着陸台210に向かう。画像形成装置301の分割ジョブ割り当ては、分割ジョブA1/5、分割ジョブA4/5なので、分割ジョブA4/5の印刷物を配達した後、移動体101はホームポジション100に戻る。
(6-5-5)分割ジョブA5/5を実行する際の動作
分割ジョブA5/5について説明する。分割ジョブA5/5の直前の印刷ジョブは、分割ジョブA4/5となる。移動体102から分割ジョブA2/5の印刷物が取り出された時点t5において、画像形成装置301による分割ジョブA4/5の印刷は開始されているから、ステップS400がYesになる。よって、時点t5において、画像形成装置301の印刷及び用紙収容が開始されるのを待つことなく、移動体102の移動を開始する(ステップS401、S402)。
これにより移動体102は、分割ジョブA2/5の印刷物をユーザーに配達した後、離着陸台210を出発位置として図16の矢印102Cに示すように、画像形成装置302に航路を変え画像形成装置302に向かう。画像形成装置302から排出された用紙の収容が完了すると、矢印102Dに示すように移動体102を出発させ、離着陸台210に向かう。こうして分割ジョブA5/5の印刷用紙を離着陸台210に送り届けた後、移動体102をホームポジション100に戻す。
(6-6)他の印刷ジョブの優先実行
図14のステップS304における他の印刷ジョブの優先実行について説明する。上記の(6-5-1)~(6-5-5)で説明した、1巡目の分割ジョブA1/5~A3/5の実行時では、ホームポジションから画像形成装置に設置された離着陸台まで、移動体が移動する期間において、図14のステップS302~S305からなるループの実行待ちとなる。
2巡目の分割ジョブA4/5~A5/5の実行時では、画像形成装置に設置された離着陸台からユーザー居所の目的地まで移動体を移動させて、当該目的地から離着陸台まで移動体を帰還させる間、図14のステップS302~S305からなるループの実行待ちとなる。
図14のステップS302~S305のループで移動体の収容準備を待っている間、画像形成装置301、302、303の待ち行列メモリ310に蓄積されたPJLデータの印刷ジョブのうち、印刷時間が短いものを、移動体の収容準備待ちの際、順次実行してゆく。図17(a)は、複数の画像形成装置のそれぞれにおいて、複数の印刷ジョブが実行待ちになっている状態を示す。画像形成装置302には、実行待ちになっている印刷ジョブとして、印刷ジョブD、E、Fが存在していて、これらのうち、印刷ジョブEの印刷時間がもっとも短く(5秒)、次いで、印刷ジョブFの印刷時間が短い(10秒)。そこで、図14のステップS304において、これらの印刷ジョブを印刷時間が短いものを順次実行してゆく。これにより、画像形成装置302において移動体102の収容準備完了を待っている間、図17(b)に示すように、印刷ジョブE、Fを優先して実行する。
画像形成装置303には、実行待ちになっている印刷ジョブとして、印刷ジョブG、H、Iが存在していて、これらのうち、印刷ジョブIの印刷時間がもっとも短く(3秒)、次いで、印刷ジョブHの印刷時間が短い(15秒)。画像形成装置302と同様、実行待ちになっている3つの印刷ジョブのうち、印刷時間が短いものを順次実行してゆく。これにより、分割ジョブA1/5の処理進行を待っている間、図17(b)に示すように、印刷ジョブI、Hを優先して実行する。
画像形成装置301の待ち行列メモリ310に蓄積されている2つの印刷ジョブ(印刷ジョブB、C)は、移動体101が分割ジョブA1/5の印刷物の配達に出向いてから、分割ジョブA4/5の印刷物収容のため、画像形成装置301の位置に戻ってくるまでの期間に、実行される。
画像形成装置302の待ち行列メモリ310に蓄積されている残りの印刷ジョブ(印刷ジョブD)は、移動体102が分割ジョブA2/5の印刷物の配達に出向いてから、分割ジョブA5/5の印刷物収容のため、画像形成装置302の位置に戻ってくるまでの期間に、実行される。
画像形成装置303の待ち行列メモリ310に蓄積されている残りの印刷ジョブ(印刷ジョブG)は、分割ジョブA3/5の印刷物を出力した後、直ちに実行される。これら、図17(a)に示した印刷ジョブB~Gの印刷物は、図1に示した、排出先分別ユニット304の排出トレイ301Aから機外に排出される。
このように、実行待ちになっている通常の印刷ジョブを優先して実行することで、分割ジョブの印刷開始までの待ち時間に、移動体による配達を伴わない他の印刷ジョブの待ち行列における順位を繰り上げて実行するので生産性を向上することができる。
[7]まとめ
プリントコントローラー400のジョブ分割部405は、ユーザーによる印刷要求にかかる文書データを、移動体101、102、103の積載能力を限度としたページ単位に分割する。配達指示部407は、こうした分割により得られた複数の部分ジョブデータを、画像形成装置301、302、303のそれぞれに分配し印刷させるので、移動体の積載能力を超える端数のページは、画像形成装置301、302、303への送信が後回しにされる。こうして、端数のページの送信が後回しにされることで、端数にあたるページ(図16の61~80ページ、81~90ページ)の印刷物が、クライアント端末200を操作するユーザーの手元に先に到達することはない。ユーザーはページ順序の入れ替わりを危惧することなく、複数の画像形成装置によって分散印刷された文書を利用することができるので、ユーザーによる利便性を向上させることができる。
[8]変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが本発明は上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり以下の変形例が考えられる。
(8-1)実施形態では、移動体101~103をクアッドドローンとしたがこれに限らない。自律制御により車輌を駆動して走行する走行車輌であってもよい。この走行車輌には、移動体101と同様、用紙の収容のためのキャビネットが設けられており、画像形成装置301の排出トレイから排出される用紙をそのキャビネットに収容する。そうして、キャビネットに用紙を収容した状態で、事業所構内を走行しユーザー居所に送り届ける。また、上記の走行車輛は、事業所床面のガイド部材に沿って走行するものでもよい。
(8-2)上記実施形態では、移動体101~103の積載能力に基づくページ単位(20ページ)で、印刷要求にかかる印刷ジョブの文書を分割したがこれに限らない。移動体毎に異なる積載能力をもって印刷ジョブの文書を分割してもよい。例えば、移動体101、102、103の積載能力が図18(a)に示す通りであり、各移動体で異なり(移動体101は200g、移動体102は300g、移動体103は500g)、それぞれ、20ページ、30ページ、50ページの印刷用紙を配達し得る場合、図9のフローチャートに従い、20ページのページ範囲、30ページのページ範囲、50ページのページ範囲を対象とする3つの分割ジョブを生成し、図18(b)に示すように、1ページから20ページまでを印刷対象とする分割ジョブA1/3、21ページから50ページまでを印刷対象とする分割ジョブA2/3、51ページから90ページまでを印刷対象とする分割ジョブA3/3を生成して、これらの印刷を画像形成装置301、302、303に実行させる。こうして、移動体101~103の積載能力を最大限に活用することで、移動体を往復させることなく、ユーザーに印刷物を引き渡すことができる。また、移動体の積載能力に違いがあった場合、積載能力がもっとも小さい移動体が積載可能なページ単位で、要求に係る文書を分割してもよい。
上記実施形態では、移動体101~103が同じ航行性能(速度、高度)を有し、画像形成装置301~303と、離着陸台210との距離が略同じという環境を前提としたがこれに限られない。分割したページ単位のそれぞれの印刷物について、ページ番号が最も小さいものから最も大きいものの順に、離着陸台210に到着するように、移動体101~103の性能や航続距離に応じて、印刷指示部408が印刷指示を発する順序、配達指示部407が配達指示を発する順序を制御してもよい。
(8-3)移動体監視部402、MFP監視部403、ジョブ解析部404、ジョブ分割部405、ジョブ進捗管理部409をプリントコントローラー400に設けるとしたが、MFP監視部403、ジョブ解析部404、ジョブ分割部405、ジョブ進捗管理部409を画像形成装置に設けてもよい。MFP監視部403、ジョブ解析部404、ジョブ分割部405、ジョブ進捗管理部409を有する画像形成装置(以下、エントリー画像形成装置)は、画像形成装置301~303の何れかであってもよいし、画像形成装置301~303とは別に存在してもよい。ジョブ分割部405が分割ジョブのPJLデータを生成した際、エントリー画像形成装置は、分割により得られた複数の部分ジョブデータのうちの一部を実行する。
印刷指示部408は、残りの分割ジョブのPJLデータを、前記残りの画像形成装置のそれぞれに分配して印刷させる。そうした処理を、残りのPJLデータが全て印刷されるまで繰り返す。配達指示部407は、エントリー画像形成装置、及び、他の画像形成装置から印刷物が出力される度に、当該印刷物を移動体101~103に収容させ、目的地に配達させる指示を、全ての分割ジョブのPJLデータの印刷物が配達されるまで繰り返す。
(8-4)ジョブ解析部404によるPJLデータの解析に従い、パンチ、ステープル等の仕上げやポスター印刷を分割ジョブに対して実行してもよい。PJLデータにかかる文書が複数部数の印刷を伴っていて、一部のページ数が移動体101の積載能力以下であれば、移動体101が配達可能なページ数毎にパンチ、ステープルを施すよう、画像形成装置301に指示を発する。こうすることで、ステープル、パンチを施した状態で、分割ジョブの印刷物を移動体101に引き渡してもよい。
(8-5)プリントコントローラー400は、分割ジョブのPJLデータを、各画像形成装置に引き渡したが、これに限らない。プリントコントローラー400に、PJLデータからビットマップへの変換を行う画像変換部を設け、変換で得られたビットマップを含むPDL(page description language)形式の文書データをそれぞれの画像形成装置に引き渡してもよい。具体的にいうと、プリントコントローラー400の画像変換部は、クライアント端末200が発したPJLデータに含まれるページ毎の文書画像に対し、二値化、網点置換、階調処理(γ補正を含む)、色調調整、色味変更を施した上、ビットマップに展開してPDL形式の文書データを得る。プリントコントローラー400は、各分割ジョブのビットマップを画像形成装置301、302、303に引き渡すことで、これらの分割ジョブについての印刷を、画像形成装置301、302、303に実行させる。
(8-6)画像形成装置301は、用紙を排出トレイ301Bのスロープを通じて落下させ、移動体101のキャビネット115に収容するとしたがこれに限らない。特許文献2に記載されているように、ワイヤー等を介して、移動体101が印刷物保持部を吊り下げる構成としてもよい。この印刷物保持部は、側面に開口を有している。移動体101は、画像形成装置301の排出口側近辺でホバリングを行い、この印刷物保持部の開口を、画像形成装置の用紙排出口と連通させることで、画像形成装置の排出口から排出される印刷物を、当該印刷物保持部に収容させる。こうして、画像形成装置から排出された印刷物が印刷物保持部に収容されれば、印刷物保持部をワイヤーで吊り上つつ、移動体101が航行を開始することで、印刷物を配達する。
(8-7)上記実施形態では、画像形成装置301、302、303の離着陸台306、307、308とは別にホームポジションを設けることとしたがこれに限らない。離着陸台305、306、307をホームポジションとしてもよい。
(8-8)移動体101、102、103の制御にあたっては、カルマンフィルタにより、適切な移動量を算出してもよい。カルマンフィルタでは、観測値から推定値を引いた値に、ゲイン係数をかけて推定値に加算し、移動量を適切に定めるアルゴリズムである。
移動体101、102、103は、GPSによる測位で自律飛行を行ってもよいし、SLAM(Simultaneous Localization Mapping)により、リアルタイムに3次元地図を作成しながら航行してもよい。また、移動体101の自律制御に、ロバスト制御、適応制御、非線形制御を含むモデルベース制御、ニューラルネットワーク、ファジー理論、人口知能アルゴリズムを用いてもよい。
(8-9)移動体101との無線通信は、無線LANで行ったとしたがこれに限らない。BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、GPS、RFIDなどの他の通信手段を用いてもよい。
(8-10)上記実施形態において、移動体の台数は画像形成装置の台数と等しいとしたが、これに限らない。画像形成装置の台数をNとすると、(N+α)台にしてもよい。
N=3、α=1であり、3基の画像形成装置に対して、4台の移動体を使用する場合は、最初4台の中の3台の移動体が3基の画像形成装置に接近して、それぞれ印刷物を収容し、目的地に向け飛び立つ。残り1台の移動体は、その間、待機しておく。
3台の移動体のうち最初の1台がユーザー居所の目的地に到達すると、待機していた移動体が次に搬送すべき印刷物を出力する1基目の画像形成装置に接近し、その印刷物を収容し、目的地に向けて飛び立つ。これによって、移動体が3台しかない場合に比べて、最初の1台の移動体が画像形成装置まで戻ってくるのを待たずに、新たな印刷物の搬送が可能となり、搬送の高速化が図れる。
最初の1台の移動体が目的地に到達して、印刷物をユーザーに引き渡し、戻ってくるときは、2基目の画像形成装置に接近する。そして2基目の画像形成装置から出力される印刷物を収容し、目的地に向け航行を開始する。同様に、2番目に目的地に印刷物をユーザーに引き渡した移動体は、3基目の画像形成装置まで戻ってきて、その画像形成装置で印刷された印刷物を収容し、目的地に向け、航行を開始する。3番目に目的地に到達した移動体は、1基目の画像形成装置から印刷物が出力されるまで、待機する。
このように、3基の画像形成装置に対して移動体数が4の場合は、常に1台が待機状態になるが、他の3台のうちの1台が一番最初に目的地に到達すると、画像形成装置に近づき、印刷物を搭載して航行を開始することが出来るので、3基の画像形成装置の印刷物を目的地に届けるサイクル時間を短縮することが出来る。なお、移動体の台数は4台に限らず、5台でも使用可能である。その場合は、2台が待機することになるが、待機している2台とも、次に搬送すべき印刷物をその次に搬送すべき印刷物を、先に飛び立った移動体が返ってくるのを待つことなく、搭載し発進することが出来、更に高速化に資する。
また、移動体の数が画像形成装置の倍数である場合は、1基当たりの移動体数が複数になり、その複数の移動体がパイプライン式に印刷物を搬送することができ、更に高速化が図れる。
(8-11)上記実施形態では、直前のページ範囲にあたる分割ジョブm-1の配達が完了した完了状態になったこと、分割ジョブm-1が配達されている配達中になったことを、印刷物の配達間隔を確保できる所定の状態としたが、これに限らない。直前のページ範囲にあたる分割ジョブm-1の移動体が、航路の1/nの地点に到達したことを、印刷物の配達間隔を確保できる所定の状態としてもよい。つまり、あるページ単位の印刷物を積載した移動体が、地図データにおける所定の地点を通過した際、次の印刷物を積載した移動体による印刷物の配達を開始させてもよい。また、あるページ単位の印刷物を積載した移動体が航行を開始してからの経過時間をタイマーでカウントして、当該タイマーの計時値が所定の時間になった際、次の印刷物を積載した移動体による印刷物の配達を開始させてもよい。
(8-12)画像形成装置301、302、303は、多機能複合機であるとしたが、これに限らない。パーソナルコンピュータの単機能の周辺機器(プリンター)であってもよい。また、ラベル印刷機、はがき印刷機、プロダクションプリント機であってもよい。
本発明は、遠隔の場所に配置された複数の画像形成装置に印刷を行わせるリモートプリントシステムとして有用であり、OA機器、情報機器の産業分野を始め、小売業、賃貸業、不動産業、出版業等、様々な業種の産業分野で利用される可能性がある。
101~103 移動体
101~303 移動体
111M~114M ローター駆動モーター
115 キャビネット
116 扉
117 無線LAN親機
121 無線LAN子機
122 HPFメモリ
123 ジャイロセンサー
124 超音波センサー
125 速度センサー
126 用紙センサー
127 接地センサー
128 HPF制御回路
129 NADF制御回路
130 クランピング制御回路
131 モーター駆動回路
200 クライアント端末
200N 有線LAN
201 文書作成アプリケーション
201J PJLデータ
202 OS
203 プリンタドライバー
204 ストレージ
210 離着陸台
301 画像形成装置
301~303 画像形成装置
304 排出先分別ユニット
304C トレイ選択コマンド
305~307 離着陸台
312 現像器
313 給紙部
314 転写部
315 定着部
316 制御部
317 パネル操作部
400 プリントコントローラー
401 ネットワークインターフェイス部
402 移動体監視部
403 MFP監視部
404 ジョブ解析部
405 ジョブ分割部
407 配達指示部
408 印刷指示部
409 ジョブ進捗管理部
415 移動体型式データ
419 進捗管理テーブル
435 用紙重量テーブル
1000 画像形成システム

Claims (8)

  1. 複数の画像形成装置と、自律制御可能な複数の移動体とを含み、文書コンテンツを含むジョブデータの印刷と、印刷物の配達とを画像形成装置及び移動体を用いて実行する画像形成システムであって、
    ユーザーが印刷要求をした文書をコンテンツとして含むジョブデータを、移動体による印刷物の積載能力以下の所定のページ単位で分割して、複数の部分ジョブデータを得るジョブデータ分割手段と、
    分割により得られた複数の部分ジョブデータを、前記複数の画像形成装置のそれぞれに分配して印刷させる指示を、全ての部分ジョブデータが印刷されるまで繰り返し発する印刷実行指示手段と、
    部分ジョブデータの印刷物が画像形成装置から出力される度に、当該印刷物を移動体に収容させ、目的地に配達させる指示を、全ての部分ジョブデータの印刷物が配達されるまで繰り返し発する配達実行指示手段と
    を備え
    前記配達実行指示手段は、複数の画像形成装置のそれぞれから、複数の部分ジョブデータの印刷物が出力された際、部分ジョブデータにあたるページ単位のページ番号が小さい順に、以下の1)の処理、及び、2)の処理を、部分ジョブデータのそれぞれについて実行する
    1)1の画像形成装置により出力された1のページ単位の印刷物の配達を指示するにあたり、直前のページ単位にあたる印刷物であって、別の画像形成装置から出力されたものを収容した移動体の状態を監視する、
    2)前記直前のページ単位にあたる印刷物を配達する移動体の状態が、印刷物の配達間隔を確保できる所定の状態になるのを待って、前記1のページ単位の印刷物について、配達指示を前記移動体に発する、
    ことを特徴とする画像形成システム。
  2. 前記所定のページ単位は、前記移動体が積載することができる記録シートの上限枚数であり、前記ジョブデータ分割手段は、各移動体の積載能力の上限となる重量を、前記印刷物を構成する記録シートの単位枚数当りの重量で割ることで、前記所定のページ単位を定める
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
  3. 前記移動体は、印刷物の収容のためのキャビネットと、ステータス通知部とを含み、
    前記移動体の状態は、キャビネット内の記録シートの載置の有無、移動体の到着の有無、キャビネットの扉の開閉状態によって表現され、
    録シートが前記キャビネットに収容されることなく、前記移動体が前記画像形成装置に到着して、前記キャビネットの扉が開いた状態になった場合、前記ステータス通知部は、無線通信ネットワークを通じて、移動体が新たな印刷物を収容することが可能なステータスに至った旨を通知し、
    前記印刷実行指示手段は
    前記ステータス通知部から前記ステータスに至った旨の通知を受けて、前記部分ジョブデータを分配した画像形成装置に対し、印刷開始の指示を発する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成システム。
  4. 前記印刷実行指示手段が印刷開始を指示した後に、前記移動体のキャビネットに記録シートが載置され、且つ、前記キャビネットの扉を閉じた状態になった場合、前記ステータス通知部は、前記移動体への新たな印刷物の収容が完了した旨を通知し、
    前記配達実行指示手段は、前記移動体による印刷物の収容が完了した旨の通知を受けて、前記移動体に対し、配達開始の指示を発する
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。
  5. 前記配達実行指示手段が配達開始の指示を発した後に、前記移動体が、目的地に到着し、前記キャビネットの扉が開いて、ユーザーにより記録シートが取り出され、前記記録シートが載置されていない状態になった場合、前記ステータス通知部は移動体による印刷物の配達完了のステータスに至った旨を通知し、
    前記配達実行指示手段は、印刷物の配達完了の通知を受けて、前記移動体に対し、画像形成装置に帰還する旨の指示を発する
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成システム。
  6. ホームポジションから画像形成装置に設置された離着陸台まで、移動体を移動させるのに費やされる期間、及び/又は、画像形成装置に設置された離着陸台からユーザー居所の目的地まで移動体を移動させて、当該目的地から離着陸台まで移動体を帰還させるのに費やされる期間において、部分ジョブデータの分配を受けた画像形成装置のメモリに、印刷物の配達を伴わない他のジョブデータが蓄積された場合、当該他のジョブデータの印刷を優先的に実行する
    ことを特徴とする請求項1~の何れかに記載の画像形成システム。
  7. 複数の画像形成装置と、自律制御可能な複数の移動体とを含む画像形成システムに用いられ、文書コンテンツを含むジョブデータの印刷と、印刷物の配達とを画像形成装置及び移動体を用いて実行する制御装置であって、
    ユーザーが印刷要求をした文書をコンテンツとして含むジョブデータを、移動体による印刷物の積載能力以下の所定のページ単位で分割して、複数の部分ジョブデータを得るジョブデータ分割手段と、
    分割により得られた複数の部分ジョブデータを、前記複数の画像形成装置のそれぞれに分配して印刷させる指示を、全ての部分ジョブデータが印刷されるまで繰り返し発する印刷実行指示手段と、
    部分ジョブデータの印刷物が画像形成装置から出力される度に、当該印刷物を移動体に収容させ、目的地に配達させる指示を、全ての部分ジョブデータの印刷物が配達されるまで繰り返し発する配達実行指示手段と
    を備え
    前記配達実行指示手段は、複数の画像形成装置のそれぞれから、複数の部分ジョブデータの印刷物が出力された際、部分ジョブデータにあたるページ単位のページ番号が小さい順に、以下の1)の処理、及び、2)の処理を、部分ジョブデータのそれぞれについて実行する
    1)1の画像形成装置により出力された1のページ単位の印刷物の配達を指示するにあたり、直前のページ単位にあたる印刷物であって、別の画像形成装置から出力されたものを収容した移動体の状態を監視する、
    2)前記直前のページ単位にあたる印刷物を配達する移動体の状態が、印刷物の配達間隔を確保できる所定の状態になるのを待って、前記1のページ単位の印刷物について、配達指示を前記移動体に発する、
    ことを特徴とする制御装置。
  8. 複数の画像形成装置と、自律制御可能な複数の移動体とを含み、文書コンテンツを含むジョブデータの印刷と、印刷物の配達とを画像形成装置及び移動体を用いて実行する画像形成システムにおける1の画像形成装置であって、
    ユーザーが印刷要求をした文書をコンテンツとして含むジョブデータを、移動体による印刷物の積載能力以下の所定のページ単位で分割して、複数の部分ジョブデータを得るジョブデータ分割手段と、
    分割により得られた複数の部分ジョブデータのうちの一部を実行するジョブ実行手段と、
    残りの部分ジョブデータを、前記残りの画像形成装置のそれぞれに分配して印刷させる指示を、残りの部分ジョブデータが全て印刷されるまで繰り返し発する印刷実行指示手段と、
    部分ジョブデータの印刷物が各画像形成装置から出力される度に、当該印刷物を移動体に収容させ、目的地に配達させる指示を、全ての部分ジョブデータの印刷物が配達されるまで繰り返し発する配達実行指示手段と
    を備え、
    前記配達実行指示手段は、複数の画像形成装置のそれぞれから、複数の部分ジョブデータの印刷物が出力された際、部分ジョブデータにあたるページ単位のページ番号が小さい順に、以下の1)の処理、及び、2)の処理を、部分ジョブデータのそれぞれについて実行する
    1)1の画像形成装置により出力された1のページ単位の印刷物の配達を指示するにあたり、直前のページ単位にあたる印刷物であって、別の画像形成装置から出力されたものを収容した移動体の状態を監視する、
    2)前記直前のページ単位にあたる印刷物を配達する移動体の状態が、印刷物の配達間隔を確保できる所定の状態になるのを待って、前記1のページ単位の印刷物について、配達指示を前記移動体に発する、
    ことを特徴とする画像形成装置。
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