JP7279519B2 - 画像形成システム、制御装置、画像形成装置 - Google Patents
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Description
1)1の画像形成装置により出力された1のページ単位の印刷物の配達を指示するにあたり、直前のページ単位にあたる印刷物であって、別の画像形成装置から出力されたものを収容した移動体の状態を監視する、
2)前記直前のページ単位にあたる印刷物を配達する移動体の状態が、印刷物の配達間隔を確保できる所定の状態になるのを待って、前記1のページ単位の印刷物について、配達指示を前記移動体に発する、ことを特徴とする画像形成システムにより解決される。
1)1の画像形成装置により出力された1のページ単位の印刷物の配達を指示するにあたり、直前のページ単位にあたる印刷物であって、別の画像形成装置から出力されたものを収容した移動体の状態を監視する、
2)前記直前のページ単位にあたる印刷物を配達する移動体の状態が、印刷物の配達間隔を確保できる所定の状態になるのを待って、前記1のページ単位の印刷物について、配達指示を前記移動体に発する、ことを特徴とする制御装置により解決される。
1)1の画像形成装置により出力された1のページ単位の印刷物の配達を指示するにあたり、直前のページ単位にあたる印刷物であって、別の画像形成装置から出力されたものを収容した移動体の状態を監視する、
2)前記直前のページ単位にあたる印刷物を配達する移動体の状態が、印刷物の配達間隔を確保できる所定の状態になるのを待って、前記1のページ単位の印刷物について、配達指示を前記移動体に発する、ことを特徴とする画像形成装置により解決される。
図1に、本発明に係る画像形成システムの全体構成を示す。本図の画像形成システム1000は、移動体101、102、103、クライアント端末200、画像形成装置301、302、303、プリントコントローラー400により構成される。画像形成システム1000は、複数のユーザーによる使用を想定していて、各ユーザーが占有している事業所のスペース(ユーザー居所という)には、クライアント端末200、離着陸台210の組が存在する。図1では省略しているが、同様のクライアント端末、離着陸台210の組は事業所内の複数の場所に存在するものとする。尚、離着陸台210と、画像形成装置301との間の距離、離着陸台210と、画像形成装置302との間の距離、離着陸台210と、画像形成装置303との間の距離は、ほぼ同じになるように、画像形成装置301~303は、事業所内に設置されているとする。
移動体101、102、103はそれぞれ、クアッドドローンであり、4本のローター111、112、113、114と、印刷用紙収容のためのキャビネット115を有する。移動体101、102、103は通常、図1におけるホームポジション100で待機しており、プリントコントローラー400からの制御により航行を画像形成装置301、302、303が設置された事業所構内の、予め定められた航路を行き来する。尚、移動体101~103は、性能(速度、高度)が同じであり、また、積載能力も同じであるとする。
画像形成装置301、302、303は、多機能複合機 (Multifunction Peripheral:MFP)であり、プリントコントローラー400を通じて、クライアント端末200が発したジョブデータを受信して、印刷を実行する。また、画像形成システム1000に固有の構成要素として、排出先分別ユニット304を含む。排出先分別ユニット304は、画像形成装置301の排紙口側の側面に隣接して配置されユーザーの選択により排紙先を分別するためのユニットであり、移動体101への引き渡しを前提にしない排出トレイ301Aと、移動体101のキャビネット115に用紙を引き渡すための排出トレイ301Bとを有する。排出トレイ301Bは、離着陸台305と、排出先分別ユニット304の排出口(図示せず)に連なるスロープ309とを含み、排出先分別ユニット304から排出された用紙を離着陸台305に導く。移動体101が離着陸台305に着陸して、キャビネット115の扉116を開くことで、排出先分別ユニット304から排紙される印刷物を荷受する。
プリントコントローラー400は、クライアント端末200、画像形成装置301~303が属する有線LAN200Nに接続されており、クライアント端末200と、画像形成装置301~303とに介在して、クライアント端末200が発した印刷ジョブデータを受信し、当該ジョブデータの分散処理を画像形成装置301、302、303に実行させる。そうして画像形成装置301、302、303により出力される印刷物を、移動体101、102、103に配達させる。
(2-1)移動体101の外観
移動体101、102、103は、自律制御により飛翔する飛行体である。移動体101~103による自律制御とは、予め設定された出発位置から、目的地に至るまでに進むべき進路を動的に決定して移動する制御をいう。こうした自律制御のため、移動体101~103は、地図データを含む制御コマンドをプリントコントローラー400から受信して、この地図データに示される出発位置から、目的地に至るまでの進路を動的に決定して航行する。
図3は、移動体101の内部構成を示す。クアッドドローンである移動体101は、自律制御のための構成要素として、図3に示すように、無線LAN子機121と、HPFメモリ122と、姿勢計測のためのジャイロセンサー123と、高度計測を行う超音波センサー124と、速度センサー125と、用紙センサー126と、接地センサー127と、HPF制御回路128と、NADF制御回路129と、クランピング制御回路130と、モーター駆動回路131と、制御部132とを備える。
図3に示すHPFメモリ122は、移動体101が取るべき航路を示すHPF(Harmonic Potential Field)データを記憶する。図4に、HPFデータの一例を示す。
図3に示すNADF制御回路129は、速度センサーにより検出されたX軸方向、Y軸方向の速度を用いて、NADF(NonLinear Anisotropic Damping Forces)制御を実行する。NADF制御回路129が行うNADF制御は、HPFデータに示される、任意の座標xにおける勾配∇(x)と、任意の座標xにおける速度V(x)との積を符号を出力する関数(単位ステップ関数)を用いて、勾配と、速度方向との一致・不一致を判定し、判定結果に従い、ローター駆動モーター111M~114Mに印加すべき駆動力を調整することで、現在の速度方向に向かう力、又は、現在の速度方向への力を打ち消す力を移動体101に印加する。これにより、HPFデータに示される勾配方向から逸脱した場合に、移動体101が元の勾配方向に復帰することになる。
クランピング制御回路130は、ステレオ視のカメラ130R、Lにより撮影された左右画像を用いて、クランピング制御を実現する。クランピング制御は、目標位置(画像形成装置301、クライアント端末200の何れかがある)からの半径σの圏内において、移動体の速度方向が目標点から遠ざかる方向に向いている場合、非線形入力関数を用いて、目標位置に向かう力を移動体に印加し、移動体の位置と、目標位置(画像形成装置の離着陸台305、クライアント端末200の離着陸台210のどちらか)との距離を最小にする制御である。非線形入力関数は、制御対象である移動体が、目標位置から半径σの圏内にあることを確認する関数(単位ステップ関数)と、現在の速度方向が、目標位置に向かっているかを確認する関数とに、目標位置と、移動体101との差分を乗じることで移動体101の航路を調整する。
図3に示すモーター駆動回路131は、ローター111、112、113、114に回転駆動力を印加するローター駆動モーター111M~114Mを駆動するのと共に、扉116を開閉するための扉駆動モーター116Mを駆動する。モーター駆動回路131による典型的なローター制御を、図5(a)~(d)に示す。
図3に示す制御部132は、無線LAN子機121を通じた、データ送受信を行うのと共に、周期的にステータスパケット101Pの送信を行う。ステータスパケット101Pは、移動体101のバッテリー残量、移動体101のステータス、トラブルの有無、現在位置、目標位置を含み、現在の移動体101の状況がどのようなものかを把握させるようにしている。ステータスパケット101Pにより示される移動体101のステータスには、キャビネット115に用紙を収容しないまま航行している旨のステータス(図3の移動中)、新たな印刷物の収容準備が完了したステータス(図3における準備完)、扉116を開けて、用紙を荷受けしているステータス(図3における収容中)、用紙の荷受けが完了したステータス(図3の収容完)、印刷物をキャビネット115に収容して航行している旨のステータス(図3の配達中)、移動体101が目的地に到着して、用紙が取り出され、配達が完了した旨のステータス(図3の配達完)、ホームポジション100で、航行開始の指示を待っているステータス(図3の待機中)といったものがある。
図6は、クライアント端末200、画像形成装置301の内部構成を示す構成図である。以下、図6を参照しながら、クライアント端末200、画像形成装置301の内部構成について説明する。
画像形成装置301、302、303は、待ち行列メモリ310、ネットワークI/F部311、現像器312、給紙部313、転写部314、定着部315、制御部316、パネル操作部317を備え、プリントコントローラー400から送信されるPJLデータを受信して、順次、待ち行列メモリ310に格納し、現像器312、給紙部313、転写部314、定着部315、制御部316による印刷に供する。画像形成装置301による印刷は、現像器312による感光体上へのトナー像の形成、給紙部313による給紙カセット301C(図1参照)からの用紙の繰り出し、転写部314による感光体から用紙に対するトナー像の転写、定着部315によるトナー像の熱定着を含む。
以下、プリントコントローラー400の内部構成について説明する。図7は、プリントコントローラー400の内部構成を示す図であり、本図に示すように、プリントコントローラー400は、ネットワークI/F部401、移動体監視部402、MFP監視部403、ジョブ解析部404、ジョブ分割部405、PJLデータメモリ406、配達指示部407、印刷指示部408、ジョブ進捗管理部409、移動体型式データ415、進捗管理テーブル419、積載能力データ425、用紙重量テーブル435を備える。
ネットワークインターフェイス部401は、クライアント端末200や画像形成装置301を相手側としたデータ送受信を実行する。このデータ送受信にあたって、クライアント端末200や画像形成装置301から受信するデータとしては、クライアント端末が発したPJLデータ201Jや画像形成装置により実行されている印刷ジョブの状態を示すステータスパケット301P、302P、303P、移動体の状態を示すステータスパケット101Pがある。
移動体監視部402は、移動体101、102、103から送信されるステータスパケット101P(図3)を参照して、現在、待機中になっている移動体を示すリスト(移動体リスト412)を作成する。この移動体リスト412は、本画像形成システムで、利用可能となる複数の移動体を示す。また、ステータスパケット101Pに示される移動体ステータスが、移動中、収容中、配達中になっている移動体については、ステータスパケット101Pに示される移動体のステータスを用いて、進捗管理テーブル419における進捗ステータスを更新する。これにより、画像形成システムに存在する各移動体が、どのような状態であるかを明示する。
MFP監視部403は、画像形成装置301、302、303のそれぞれから送信されるステータスパケット301P、302P、303Pの内容を監視する。印刷待機中の画像形成装置が存在する場合、それら印刷待機中の画像形成装置のIDからなるリスト(MFPリスト413)を作成する。このMFPリスト413は、本画像形成システムで、利用可能となる複数の画像形成装置を示す。
ジョブ解析部404は、ネットワークインターフェイス部401が受信したPJLデータを解析する。具体的にいうと、クライアント端末200が発したPJLデータに包含される文書のページ数、印刷部数、排出トレイの選択を得る。そして、文書のページ数に、印刷部数を乗じることで、印刷すべきページ数が分散処理の閾値を越えるかどうかを判定する。印刷すべきページ数が、分散処理の閾値を越える場合、ジョブ分割部405にPJLデータを引き渡し、複数の分割ジョブに対応する複数のPJLデータの生成を、ジョブ分割部405に行わせる。
ジョブ分割部405は、移動体型式データ415、積載能力データ425、用紙重量テーブル435を参照して、ジョブ解析部404が解析したPJLデータによる印刷対象となる文書データを分割する。移動体型式データ415は、画像形成システムに存在する複数の移動体の形式番号(図中のTypeA)を、移動体のID(図中のID=101、102、103)に対応付けて示す。また、積載能力データ425は、複数の移動体の型式番号(図中のTypeA、TypeB、TypeC)に、積載能力の上限値(200g、300g、500g)を対応付けて示す。
PJLデータメモリ406は、ジョブ分割部405により生成された分割ジョブのPJLデータを格納する。
配達指示部407は、移動体リスト412に示される個々の移動体を、ジョブ分割部405の分割で得られた複数の分割ジョブのそれぞれに関連付ける。そして、無線LAN親機117(図6)を通じて、地図データ(図4に示すHPFデータ)を添付した制御コマンド101Iを移動体101~103に送信することで、移動体101~103を制御する。
印刷指示部408は、ジョブ分割部405による分割で得られた複数の分割ジョブのそれぞれに、MFPリスト413に示されるそれぞれの画像形成装置を関連付け、各分割ジョブについてのPJLデータを、それぞれの画像形成装置に分配することで、各画像形成装置に分割ジョブを実行させる。
ジョブ進捗管理部409は、配達指示部407による各分割ジョブへの移動体の割り当て、印刷指示部408による各分割ジョブへの画像形成装置の割り当てを行うのと共に、各分割ジョブの進捗ステータスを示すテーブル(進捗管理テーブル419)の新規作成・更新を行う。進捗管理テーブル419は、複数のジョブID(ID=A1/5、A2/5、A3/5・・・)に、画像形成装置のID(ID=301、302、303)、移動体のID(ID=101、102、103・・・)、進捗ステータス429を対応付けて示す。進捗ステータス429は、ステータスパケット301Pに示される画像形成装置のステータス(印刷待機中、印刷中、印刷完)と、ステータスパケット101Pに示される移動体のステータス(移動中、収容中、配達中、待機中)とを組み合わせたものである。ジョブ進捗管理部409は、これら、画像形成装置のステータスと、移動体のステータスとの組み合わせにより、分割ジョブがどの程度、進捗しているかを明示する。
(6-1)クライアント端末200からのPJLデータの受け付け
以上のように構成された画像形成システム1000の動作について説明する。図8は、クライアント端末200、画像形成装置301~303、移動体101~103間の処理シーケンスを示すシーケンスチャートである。また、シーケンスチャートは、クライアント端末200、プリントコントローラー400が行うべき処理手順を併せて示す。クライアント端末200の文書作成アプリケーション201を用いて文書作成を行っていたユーザーが作成した文書の印刷を命じたものとする。この場合、プリンタドライバー203は、作成されている文書データをPJLデータに変換して、プリントコントローラー400に送信する(図8のステップS101)。
ステップS206は、ジョブ分割部405がなすべき処理手順であり、図9のサブルーチンに展開することができる。図9は、ジョブ分割部405による印刷ジョブの分割手順を示すフローチャートである。本フローチャートにおけるNは、利用可能となる移動体数を示す変数であり、vは、分割ジョブの番号を示し、mは、変数vにより指示される分割ジョブ(分割ジョブv)が割り当てられる移動体の番号を示す。変数uは、分割ジョブvに割り当てられるページ範囲のページ数を示し、変数iは、分割ジョブvに割り当てられるページ範囲の先頭ページ番号を示す。
ジョブ配達指示プロセスにあたっては、図11のフローチャートに従い、移動体101を対象とした制御を行い、図12(a)~(e)に示すような一連の動作を移動体101に行わせる。ジョブ配達指示プロセス207Dは、移動体101~103のそれぞれについて生成される。個々のジョブ配達指示プロセス207Dの実行にあたり、個々の移動体を対象として、図11のフローチャートに示される処理がなされる。
図11のフローチャートのステップS400では、分割ジョブmの1つ前のページ範囲に対応する分割ジョブ(この分割ジョブを分割ジョブm-1という)の印刷が開始されたかどうかの判定待ちとなる。印刷が開始された場合、また、1つ前の分割ジョブがそもそも存在しない場合、ステップS400がYesになる。この場合、プリントコントローラー400のジョブ配達指示プロセス207Dは、ホームポジションを出発地、画像形成装置301の離着陸台305を目的地とした航路を移動体101に設定し(ステップS401)、無線LAN親機117を通じて、地図データを伴った制御コマンドを移動体101に発行することで、航行開始を移動体101に指示する(ステップS402)。移動体監視部402は、画像形成装置301の離着陸台305に移動体101が到達するのを待つ(ステップS403でwait)。
用紙センサー126が用紙を検出しないまま移動体101が航行を継続して、離着陸台305に到達したとする。移動体101が離着陸台305に到着すると(図11のステップS403でYes)、扉116が開いて、用紙の出力待ちとなる(ステップS404でwait)。移動体101では、接地センサー127が接地を検出し、モーター111M~114Mの回転を停止して、図12(a)の116Pに示すように移動体101の扉116を開く。
キャビネット115の扉116は、離着陸台305において開いているため、トナー像の転写、トナー像の定着といった過程を経て、画像形成装置301の機外に排出された印刷用紙301Sは、図12(b)に示すように移動体101のキャビネット115に収容される。
画像形成装置301による用紙排出及び移動体101による用紙収容が完了すると(ステップS404でYes)、扉116を閉め、地図データにより画像形成装置301の離着陸台305を出発地、ユーザー居所を目的地とした航路を移動体101に設定する(ステップS405)。その後、進捗管理テーブル419を参照して、印刷物の配達順序の制御を行う。具体的にいうと、進捗管理テーブル419に示される複数の分割ジョブのそれぞれについての進捗のうち、直前のページ範囲にあたる分割ジョブ(分割ジョブm-1)の進捗ステータス429(図7参照)が配達中か、配達完になっているかどうかを判定する(ステップS407)。他の画像形成装置が未だ、直前のページ範囲にあたる分割ジョブを実行している場合、図7の進捗管理テーブル419に示されるその直前の分割ジョブの進捗ステータスは印刷中になっている。この場合、分割ジョブmの印刷物について移動体を用いた配達を開始すると、分割ジョブm-1の印刷物よりも先に、分割ジョブmの印刷物が離着陸台210に到着して、印刷物の到着順序が入れ替わってしまう。そうした恐れがあるので、ステップS407では、図7の進捗管理テーブル419に示される直前の分割ジョブm-1の進捗ステータスが配達中か、配達完になるまで、処理待ちを行う(ステップS407でwait)。
以下、ユーザー居所に移動体101が到着するのを待つ(図11のステップS410)。図12(d)の矢印101Dに示すようにユーザー居所に到着すると、移動体101から印刷物が取り出されるのを待つ(ステップS411でwait)。
「配達完」を示すステータスパケットが送信されることで、プリントコントローラー400の進捗管理テーブル419は、対応する分割ジョブの進捗ステータスが印刷待機中・配達完であることを示す。
図12(e)に示すように、印刷用紙301Sが取り出されると、ステップS412のループ継続要件を判定する。図11のステップS412は、残りの分割ジョブが存在するかどうかの判定であり、この継続条件を満たす場合、ユーザー居所を出発地、離着陸台305を目的地とした航路を移動体101に設定して(ステップS413)、ステップS401に戻り、設定した航路で、移動体101の航行を開始させる。
図14は、ジョブ印刷指示プロセス207Pの処理手順を示すフローチャートである。複数の分割ジョブの実行にあたり、この図14のフローチャートが共通に実行される。以下、図14のフローチャートを参照しながら、分割ジョブのジョブ印刷指示プロセス207Pについて説明する。図14におけるmは、ページ範囲に応じた分割ジョブの順位を示す変数である。先ず、分割ジョブを示す変数mを1で初期化する(ステップS300)。そして、分割ジョブmに対応するPJLデータを、対応する画像形成装置に送信し(ステップS301)、プリントコントローラー400の進捗管理テーブル419を参照することで、m番目の分割ジョブ(分割ジョブm)に対応する画像形成装置において、移動体による用紙収容の準備が完了したかどうかを判定する(ステップS302)。分割ジョブmに対応する移動体は移動経路の途上にあり、用紙収容の準備が完了していない場合(ステップS302でNo)、ステップS302~S305のループを実行する。
図15、図16を参照しながら、分割ジョブA1/5~分割ジョブA5/5が、上記のジョブ配達指示プロセス207D、ジョブ印刷指示プロセス207Pの対象になった際の動作を説明する。図15は、分割ジョブA1/5~分割ジョブA5/5の時間的関係を示すタイミングチャートである。図16は、分割ジョブA1/5~分割ジョブA5/5を実行する場合の移動体101、102、103の航路を示す。
分割ジョブA1/5を実行する際の移動体101の動作は以下の通りである。図7の進捗管理テーブル419において、移動体101、画像形成装置301には、先頭順位のページ範囲である分割ジョブA1/5が割り当てられる。そのため、印刷指示部408のジョブ印刷指示プロセス207Pにあたっては、図11におけるステップS400がYesになり、図15の時点t1において、ホームポジション100からの移動体101の移動を遅滞なく実行する(図11のステップS401~S404)。具体的にいうと、ホームポジション100を出発位置、画像形成装置301の離着陸台305を目的地として移動体101の航行を行わせる。この間、移動体101のステータスは移動中になっているから、移動体101は、図16の矢印101Aに示すようにホームポジション100から出発して、離着陸台305に向かう。この間、印刷指示部408のジョブ印刷指示プロセス207Pでは、図14のステップS302~S305のループを繰り返す。
分割ジョブA2/5について説明する。分割ジョブA2/5の直前の印刷ジョブは、分割ジョブA1/5になるから、画像形成装置301による分割ジョブA1/5の印刷が開始され、移動体101による印刷物の収容が開始される時点t2まで、移動体102の移動を行わない(図11のステップS400でNo)。時点t2において、画像形成装置301の印刷が開始されるのを待って、移動体102に航行を開始させる(ステップS400でYes、ステップS401、S402)。
分割ジョブA3/5について説明する。分割ジョブA3/5の直前の印刷ジョブは、分割ジョブA2/5になるから、画像形成装置302による分割ジョブA2/5の印刷が開始され、移動体101による印刷物の収容が開始される時点t3まで、移動体103の航行を開始しない(ステップS400でNo)。時点t3において、画像形成装置302の印刷が開始されるのを待って、移動体103の航行を開始する(ステップS400でYes、ステップS401、S402)。これにより移動体103は、分割ジョブA3/5の収容のため、画像形成装置303の離着陸台307に向かう(図16の矢印103A)。分割ジョブA1/5と同様、画像形成装置303による印刷が開始されれば、画像形成装置303から出力される印刷物をキャビネット115に収容して、矢印103Bに示すように、離着陸台210に向かい、分割ジョブA3/5の印刷物を配達する。
分割ジョブA4/5について説明する。分割ジョブA4/5の直前の印刷ジョブは、分割ジョブA3/5となる。移動体101から分割ジョブA1/5の印刷物が取り出された時点t4において、既に画像形成装置303による分割ジョブA3/5の印刷は開始されているから、ステップS400がYesになる。よって、図15の時点t4において、画像形成装置303の印刷及び用紙収容が開始されるのを待つことなく、移動体101の移動を開始する(図11のステップS401、S402)。2巡目においては、ユーザー居所の離着陸台210を出発位置、画像形成装置301の離着陸台305を目的地として移動体101の航行を行わせる。
分割ジョブA5/5について説明する。分割ジョブA5/5の直前の印刷ジョブは、分割ジョブA4/5となる。移動体102から分割ジョブA2/5の印刷物が取り出された時点t5において、画像形成装置301による分割ジョブA4/5の印刷は開始されているから、ステップS400がYesになる。よって、時点t5において、画像形成装置301の印刷及び用紙収容が開始されるのを待つことなく、移動体102の移動を開始する(ステップS401、S402)。
図14のステップS304における他の印刷ジョブの優先実行について説明する。上記の(6-5-1)~(6-5-5)で説明した、1巡目の分割ジョブA1/5~A3/5の実行時では、ホームポジションから画像形成装置に設置された離着陸台まで、移動体が移動する期間において、図14のステップS302~S305からなるループの実行待ちとなる。
プリントコントローラー400のジョブ分割部405は、ユーザーによる印刷要求にかかる文書データを、移動体101、102、103の積載能力を限度としたページ単位に分割する。配達指示部407は、こうした分割により得られた複数の部分ジョブデータを、画像形成装置301、302、303のそれぞれに分配し印刷させるので、移動体の積載能力を超える端数のページは、画像形成装置301、302、303への送信が後回しにされる。こうして、端数のページの送信が後回しにされることで、端数にあたるページ(図16の61~80ページ、81~90ページ)の印刷物が、クライアント端末200を操作するユーザーの手元に先に到達することはない。ユーザーはページ順序の入れ替わりを危惧することなく、複数の画像形成装置によって分散印刷された文書を利用することができるので、ユーザーによる利便性を向上させることができる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが本発明は上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり以下の変形例が考えられる。
101~303 移動体
111M~114M ローター駆動モーター
115 キャビネット
116 扉
117 無線LAN親機
121 無線LAN子機
122 HPFメモリ
123 ジャイロセンサー
124 超音波センサー
125 速度センサー
126 用紙センサー
127 接地センサー
128 HPF制御回路
129 NADF制御回路
130 クランピング制御回路
131 モーター駆動回路
200 クライアント端末
200N 有線LAN
201 文書作成アプリケーション
201J PJLデータ
202 OS
203 プリンタドライバー
204 ストレージ
210 離着陸台
301 画像形成装置
301~303 画像形成装置
304 排出先分別ユニット
304C トレイ選択コマンド
305~307 離着陸台
312 現像器
313 給紙部
314 転写部
315 定着部
316 制御部
317 パネル操作部
400 プリントコントローラー
401 ネットワークインターフェイス部
402 移動体監視部
403 MFP監視部
404 ジョブ解析部
405 ジョブ分割部
407 配達指示部
408 印刷指示部
409 ジョブ進捗管理部
415 移動体型式データ
419 進捗管理テーブル
435 用紙重量テーブル
1000 画像形成システム
Claims (8)
- 複数の画像形成装置と、自律制御可能な複数の移動体とを含み、文書コンテンツを含むジョブデータの印刷と、印刷物の配達とを画像形成装置及び移動体を用いて実行する画像形成システムであって、
ユーザーが印刷要求をした文書をコンテンツとして含むジョブデータを、移動体による印刷物の積載能力以下の所定のページ単位で分割して、複数の部分ジョブデータを得るジョブデータ分割手段と、
分割により得られた複数の部分ジョブデータを、前記複数の画像形成装置のそれぞれに分配して印刷させる指示を、全ての部分ジョブデータが印刷されるまで繰り返し発する印刷実行指示手段と、
部分ジョブデータの印刷物が画像形成装置から出力される度に、当該印刷物を移動体に収容させ、目的地に配達させる指示を、全ての部分ジョブデータの印刷物が配達されるまで繰り返し発する配達実行指示手段と
を備え、
前記配達実行指示手段は、複数の画像形成装置のそれぞれから、複数の部分ジョブデータの印刷物が出力された際、部分ジョブデータにあたるページ単位のページ番号が小さい順に、以下の1)の処理、及び、2)の処理を、部分ジョブデータのそれぞれについて実行する
1)1の画像形成装置により出力された1のページ単位の印刷物の配達を指示するにあたり、直前のページ単位にあたる印刷物であって、別の画像形成装置から出力されたものを収容した移動体の状態を監視する、
2)前記直前のページ単位にあたる印刷物を配達する移動体の状態が、印刷物の配達間隔を確保できる所定の状態になるのを待って、前記1のページ単位の印刷物について、配達指示を前記移動体に発する、
ことを特徴とする画像形成システム。 - 前記所定のページ単位は、前記移動体が積載することができる記録シートの上限枚数であり、前記ジョブデータ分割手段は、各移動体の積載能力の上限となる重量を、前記印刷物を構成する記録シートの単位枚数当りの重量で割ることで、前記所定のページ単位を定める
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。 - 前記移動体は、印刷物の収容のためのキャビネットと、ステータス通知部とを含み、
前記移動体の状態は、キャビネット内の記録シートの載置の有無、移動体の到着の有無、キャビネットの扉の開閉状態によって表現され、
記録シートが前記キャビネットに収容されることなく、前記移動体が前記画像形成装置に到着して、前記キャビネットの扉が開いた状態になった場合、前記ステータス通知部は、無線通信ネットワークを通じて、移動体が新たな印刷物を収容することが可能なステータスに至った旨を通知し、
前記印刷実行指示手段は
前記ステータス通知部から前記ステータスに至った旨の通知を受けて、前記部分ジョブデータを分配した画像形成装置に対し、印刷開始の指示を発する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成システム。 - 前記印刷実行指示手段が印刷開始を指示した後に、前記移動体のキャビネットに記録シートが載置され、且つ、前記キャビネットの扉を閉じた状態になった場合、前記ステータス通知部は、前記移動体への新たな印刷物の収容が完了した旨を通知し、
前記配達実行指示手段は、前記移動体による印刷物の収容が完了した旨の通知を受けて、前記移動体に対し、配達開始の指示を発する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成システム。 - 前記配達実行指示手段が配達開始の指示を発した後に、前記移動体が、目的地に到着し、前記キャビネットの扉が開いて、ユーザーにより記録シートが取り出され、前記記録シートが載置されていない状態になった場合、前記ステータス通知部は移動体による印刷物の配達完了のステータスに至った旨を通知し、
前記配達実行指示手段は、印刷物の配達完了の通知を受けて、前記移動体に対し、画像形成装置に帰還する旨の指示を発する
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成システム。 - ホームポジションから画像形成装置に設置された離着陸台まで、移動体を移動させるのに費やされる期間、及び/又は、画像形成装置に設置された離着陸台からユーザー居所の目的地まで移動体を移動させて、当該目的地から離着陸台まで移動体を帰還させるのに費やされる期間において、部分ジョブデータの分配を受けた画像形成装置のメモリに、印刷物の配達を伴わない他のジョブデータが蓄積された場合、当該他のジョブデータの印刷を優先的に実行する
ことを特徴とする請求項1~5の何れかに記載の画像形成システム。 - 複数の画像形成装置と、自律制御可能な複数の移動体とを含む画像形成システムに用いられ、文書コンテンツを含むジョブデータの印刷と、印刷物の配達とを画像形成装置及び移動体を用いて実行する制御装置であって、
ユーザーが印刷要求をした文書をコンテンツとして含むジョブデータを、移動体による印刷物の積載能力以下の所定のページ単位で分割して、複数の部分ジョブデータを得るジョブデータ分割手段と、
分割により得られた複数の部分ジョブデータを、前記複数の画像形成装置のそれぞれに分配して印刷させる指示を、全ての部分ジョブデータが印刷されるまで繰り返し発する印刷実行指示手段と、
部分ジョブデータの印刷物が画像形成装置から出力される度に、当該印刷物を移動体に収容させ、目的地に配達させる指示を、全ての部分ジョブデータの印刷物が配達されるまで繰り返し発する配達実行指示手段と
を備え、
前記配達実行指示手段は、複数の画像形成装置のそれぞれから、複数の部分ジョブデータの印刷物が出力された際、部分ジョブデータにあたるページ単位のページ番号が小さい順に、以下の1)の処理、及び、2)の処理を、部分ジョブデータのそれぞれについて実行する
1)1の画像形成装置により出力された1のページ単位の印刷物の配達を指示するにあたり、直前のページ単位にあたる印刷物であって、別の画像形成装置から出力されたものを収容した移動体の状態を監視する、
2)前記直前のページ単位にあたる印刷物を配達する移動体の状態が、印刷物の配達間隔を確保できる所定の状態になるのを待って、前記1のページ単位の印刷物について、配達指示を前記移動体に発する、
ことを特徴とする制御装置。 - 複数の画像形成装置と、自律制御可能な複数の移動体とを含み、文書コンテンツを含むジョブデータの印刷と、印刷物の配達とを画像形成装置及び移動体を用いて実行する画像形成システムにおける1の画像形成装置であって、
ユーザーが印刷要求をした文書をコンテンツとして含むジョブデータを、移動体による印刷物の積載能力以下の所定のページ単位で分割して、複数の部分ジョブデータを得るジョブデータ分割手段と、
分割により得られた複数の部分ジョブデータのうちの一部を実行するジョブ実行手段と、
残りの部分ジョブデータを、前記残りの画像形成装置のそれぞれに分配して印刷させる指示を、残りの部分ジョブデータが全て印刷されるまで繰り返し発する印刷実行指示手段と、
部分ジョブデータの印刷物が各画像形成装置から出力される度に、当該印刷物を移動体に収容させ、目的地に配達させる指示を、全ての部分ジョブデータの印刷物が配達されるまで繰り返し発する配達実行指示手段と
を備え、
前記配達実行指示手段は、複数の画像形成装置のそれぞれから、複数の部分ジョブデータの印刷物が出力された際、部分ジョブデータにあたるページ単位のページ番号が小さい順に、以下の1)の処理、及び、2)の処理を、部分ジョブデータのそれぞれについて実行する
1)1の画像形成装置により出力された1のページ単位の印刷物の配達を指示するにあたり、直前のページ単位にあたる印刷物であって、別の画像形成装置から出力されたものを収容した移動体の状態を監視する、
2)前記直前のページ単位にあたる印刷物を配達する移動体の状態が、印刷物の配達間隔を確保できる所定の状態になるのを待って、前記1のページ単位の印刷物について、配達指示を前記移動体に発する、
ことを特徴とする画像形成装置。
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