JP7127359B2 - 凍結乾燥かき玉子スープの製造方法 - Google Patents
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Description
一方、かき玉子から水分を除去しやすくするため、低粘度の熱水を用いて凍結乾燥かき玉子スープを製造すると、かき玉子がスクランブルエッグ状の塊となったり、細切れ状となったりして、従来と同程度の品質を備えるかき玉子は得られなかった。
本発明者らは種々検討した結果、卵液に消泡乳化剤を含有させ、かき玉子の調製に用いられる熱水に特定のHLB値を有する乳化剤を含有させることによって、低粘度の熱水を用いても従来と同程度の高い品質を備えるかき玉子が得られることを見出し、かかる知見に基づいて更に研究を進めることによって本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
[2]かき玉子を含む液体(以下、かき玉子液と称する)を脱水する工程を更に含む、[1]記載の製造方法。
[3]かき玉子液を、凍結乾燥する工程を更に含む、[1]又は[2]記載の製造方法。
[4]かき玉子調製液体の粘度が、95℃において20mPa・S以下である、[1]~[3]のいずれか一つに記載の製造方法。
[5]卵液における消泡乳化剤の含有量が、卵液に対して0.01~10重量%である、[1]~[4]のいずれか一つに記載の製造方法。
[6]かき玉子調製液体における、HLB値が9以下である乳化剤の含有量が、かき玉子調製液体に対して0.01~10重量%である、[1]~[5]のいずれか一つに記載の製造方法。
[7]かき玉子調製液体が、緩衝剤を更に含有する、[1]~[6]のいずれか一つに記載の製造方法。
[8]緩衝剤が、加工澱粉及び多価アルコールからなる群より選択される少なくとも一つである、[7]記載の製造方法。
[9]かき玉子調製液体における緩衝剤の含有量が、かき玉子調製液体に対して0.1~10重量%である、[7]又は[8]記載の製造方法。
[10]卵液の粘度が、20℃において10~5000mPa・Sである、[1]~[9]のいずれか一つに記載の製造方法。
[11]かき玉子液に増粘剤を添加する工程を更に含む、[1]~[10]のいずれか一つに記載の製造方法。
本発明の凍結乾燥かき玉子スープの製造方法(本明細書中、単に「本発明の製造方法」と称する場合がある)は、卵液を、加熱した液体(本明細書中、「かき玉子調製液体」と称する場合がある)に添加し、当該液体中でかき玉子を調製する工程(本明細書中、「かき玉子調製工程」と称する場合がある)を含む。
かき玉子調製工程において用いられる「卵液」とは、熱未変性の全卵、卵黄及び卵白の少なくとも一つを含む液状物をいう。本明細書において、卵液に含まれる未変性の全卵、卵黄及び卵白をまとめて「卵成分」と称する場合がある。熱未変性の全卵としては、例えば、殻付き卵を割卵して得られる生全卵、凍結全卵の解凍品、粉末全卵の水戻し品等を用いることができる。熱未変性の卵黄としては、例えば、殻付き卵を割卵及び分離して得られる生卵黄、凍結卵黄の解凍品、粉末卵黄の水戻し品等を用いることができる。熱未変性の卵白としては、例えば、殻付き卵を割卵及び分離して得られる生卵白、凍結卵白の解凍品、粉末卵白の水戻し品等を用いることができる。これらの卵成分は、いずれも加糖又は加塩されたものであってよく、また本発明の目的を損なわない限り、公知乃至慣用の処理(例、殺菌処理、酵素処理等)を施されていてもよい。これらの卵成分は、それぞれ単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において「消泡乳化剤」とは、消泡性を有する乳化剤をいい、詳細には、泡の生成を抑制する性質、生成した泡を破壊又は溶解する性質を有する乳化剤をいう。乳化剤の消泡性は、例えば、液卵等、起泡性のある液体あるいはペーストに対して乳化剤を所定の濃度で添加した後、撹拌あるいは振とう等の混合を施した際に、無添加で撹拌あるいは振とう等を施したものに比べて気泡量が抑えられていること等により確認し得る。本発明において消泡乳化剤は、食品製造に用い得るものであれば特に制限されず、例えば、グリセリン脂肪酸エステル(例、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、脂肪酸トリグリセリド等)、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等を有効成分とし、乳化剤系の消泡剤、抑泡剤、破泡剤、溶泡剤等として市販されている製剤を使用できる。消泡乳化剤の市販品の具体例としては、「アワブレークG109」(太陽化学株式会社製)、「アワブレークL-01」(太陽化学株式会社製)及び「リョートーエステルCA-L2」(三菱化学フーズ株式会社製)等のグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする消泡乳化剤;「リョートーエステルCA-H1」(三菱化学フーズ株式会社製)等のショ糖脂肪酸エステルを有効成分とする消泡乳化剤等が挙げられる。これらの消泡乳化剤は、単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
かき玉子調製工程において用いられるかき玉子調製液体の液体媒体は、卵液が凝固し得、食品製造に使用できるものであれば特に制限されないが、好ましくは水である。
具体的には、当該乳化剤のHLB値は、かき玉子の品質の観点から、好ましくは9以下であり、より好ましくは8以下であり、特に好ましくは7.5以下である。当該乳化剤のHLB値の下限は特に制限されないが、かき玉子の品質の観点から、好ましくは1以上であり、より好ましくは1.5以上である。
本発明において「HLB値」は、親水親油バランス(hydrophile-lipophile balance)を表し、W.C.Griffinによって提唱された計算式(W.C.Griffin,J.Soc.Cosmetic Chemists,1,311(1949)参照)に従って求められるものをいう。
本発明において緩衝剤として用いられる「加工澱粉」とは、化学的処理、物理的処理及び酵素的処理の少なくとも一つの処理を施された澱粉をいい、食用であれば特に制限されないが、加熱した液体中で発粘しないものが好ましく、例えば、酸化澱粉、アセチル化酸化澱粉、酸処理が施された酢酸澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉等の化学的処理を施された澱粉;湿熱処理澱粉等の物理的処理を施された澱粉等が挙げられる。本発明において緩衝剤として用いられる加工澱粉は、原料澱粉の由来品種について特に制限されず、例えば、馬鈴薯、コーン、ハイアミロースコーン、ワキシーコーン、小麦、米、タピオカ由来のものを用いることができる。
本発明において緩衝剤として用いられる多価アルコールは、一分子内に複数(例、2個以上)のヒドロキシ基をもつアルコールをいい、食用であれば特に制限されず、例えば、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール等が挙げられるが、加熱した液体中で発粘しないことから、グリセリン、プロピレングリコールが好ましい。
これらの緩衝剤(例、加工澱粉、多価アルコール等)は、単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の製造方法は、上述のかき玉子調製工程で得られたかき玉子を含む液体(本明細書中、「かき玉子液」と称する場合がある)を脱水する工程(本明細書中、「脱水工程」と称する場合がある)を含むことが好ましい。かき玉子液を脱水することにより、後述の凍結乾燥工程において、かき玉子液を凍結乾燥する時間を短縮できる。尚、本工程における脱水は、かき玉子液を凍結させることなく、水分を除去するものであり、後述の凍結乾燥は脱水に包含されない。
かき玉子液に添加し得る増粘剤としては、例えば、α化澱粉、増粘多糖類等が挙げられる。α化していない澱粉の水溶液を加熱して発粘させた(α化させた)ものを、増粘剤として用いてもよい。
α化澱粉としては、例えば、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉、これらに各種加工処理(例、物理的処理、酵素的処理、化学的処理等)を施した加工澱粉等をα化(糊化)したものを用いることができる。これらのα化澱粉は単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
増粘多糖類としては、例えば、キサンタンガム、グアガム、タマリンドシードガム、アラビアガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、カラギーナン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等を用いることができる。これらの増粘多糖類は単独で用いてよく、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の製造方法は、かき玉子液(上述のかき玉子調製工程で得られたかき玉子液、又は上述の脱水工程で脱水したかき玉子液等)を、凍結乾燥する工程(本明細書中、「凍結乾燥工程」と称する場合がある)を含むことが好ましい。
<実施例1>
実施例1の凍結乾燥かき玉子スープを下記の手順で作製した。
生全卵(鶏卵)に、消泡乳化剤(太陽化学株式会社製「アワブレークG109」)、キサンタンガム及び食用菜種油を、それぞれ下表1に示す割合(卵液に対する割合)となるよう添加し、市販のホイッパーにて1~2分間撹拌して混合した後、20℃における粘度が2000mPa・Sとなるまで放置して卵液を調製した。
卵液の粘度は、BH形粘度測定器にてNo.2ローターを用い、10rpm条件下で測定した。
水に、HLB値が4.5である乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、太陽化学株式会社製「サンソフトQ185SP」)及び緩衝剤として加工澱粉(酸化馬鈴薯澱粉、松谷化学工業株式会社製「スタビローズK」)を、それぞれ下表2に示す割合(かき玉子調製液体に対する割合)となるよう添加して混合し、かき玉子調製液体を調製した。調製したかき玉子調製液体の95℃における粘度は、10mPa・S以下であった。
かき玉子調製液体の粘度は、BH形粘度測定器にてNo.2ローターを用い、10rpm条件下で測定した。
95℃に加熱したかき玉子調製液体800gに、卵液300gを撹拌(撹拌速度:20rpm)しながら1~10分間かけて徐々に添加し、卵液全量を添加した後も1分間撹拌し続け、かき玉子を調製した。
得られたかき玉子液を、穴開き容器に移して、水分を分離除去した。脱水した水分量は、脱水前のかき玉子液の水分量に対して、60重量%であった。
脱水したかき玉子液に、食塩、しょうゆ及びかつおエキス等を含む調味ベース、並びに、α化澱粉(三和澱粉工業株式会社製「タピオカアルファーTP-2」、タピオカ澱粉のα化酢酸澱粉)を10重量%含む澱粉水溶液を、それぞれ添加して混合し、かき玉子スープを作製した。調味ベースの添加量は、かき玉子スープに対して10重量%、澱粉水溶液の添加量は、かき玉子スープに対して10重量%とした。
得られたかき玉子スープを、所定の容器に適当量充填し、氷点下以下の温度帯で凍結させて真空乾燥し、凍結乾燥かき玉子スープを得た。真空乾燥は、凍結乾燥かき玉子スープの水分が3%以下と確認できた時点を乾燥終点とした。凍結乾燥かき玉子スープの水分は減圧乾燥法により測定した。
コントロールの凍結乾燥かき玉子スープを下記の手順で作製した。
生全卵(鶏卵)に、卵液に対して0.02重量%のキサンタンガム及び卵液に対して1重量%の食用菜種油を添加し、市販のホイッパーにて1~2分間撹拌して混合して混合した後、20℃における粘度が1000mPa・Sとなるまで放置して、卵液を調製した。
水に、かき玉子調製液体に対して2.2重量%の小麦加工澱粉を添加して混合し、かき玉子調製液体を調製した。調製したかき玉子調製液体の95℃における粘度は、50mPa・Sであった。
95℃に加熱したかき玉子調製液体500gに、卵液300gを撹拌(撹拌速度:20rpm)しながら1~10分間かけて徐々に添加し、卵液全量を添加した後も1分間撹拌し続け、かき玉子を調製した。
得られたかき玉子液に、実施例1と同様の調味ベースを添加して混合し、かき玉子スープを作製した。調味ベースの添加量は、かき玉子スープに対して13.2重量%とした。
得られたかき玉子スープを、所定の容器に適当量充填し、氷点下以下の温度帯で凍結させて真空乾燥し、凍結乾燥かき玉子スープを得た。真空乾燥は、実施例1と同様、凍結乾燥かき玉子スープの水分が3%以下と確認できた時点を乾燥終点とした。
比較例1の凍結乾燥かき玉子スープを下記の手順で作製した。
生全卵(鶏卵)に、卵液に対して0.02重量%のキサンタンガム及び卵液に対して1重量%の食用菜種油を添加し、市販のホイッパーにて1~2分間撹拌して混合して混合した後、20℃における粘度が1000mPa・Sとなるまで放置して、卵液を調製した。
95℃に加熱した水800gに、卵液300gを撹拌(撹拌速度:20rpm)しながら1~10分間かけて徐々に添加し、卵液全量を添加した後も1分間撹拌し続け、かき玉子を調製した。
得られたかき玉子液を、穴開き容器に移して、水分を分離除去した。脱水した水分量は、脱水前のかき玉子液の水分量に対して、60重量%であった。
脱水したかき玉子液に、実施例1と同様の調味ベースを添加して混合し、かき玉子スープを作製した。調味ベースの添加量は、かき玉子スープに対して10重量%とした。
得られたかき玉子スープを、所定の容器に適当量充填し、氷点下以下の温度帯で凍結させて真空乾燥し、凍結乾燥かき玉子スープを得た。真空乾燥は、実施例1と同様、凍結乾燥かき玉子スープの水分が3%以下と確認できた時点を乾燥終点とした。
実施例1、比較例1及びコントロールの凍結乾燥かき玉子スープについて、5名の専門パネルにより官能評価を行った。
官能評価は、各凍結乾燥かき玉子スープ7.0gをカップに入れ、お湯を160g注ぎ、数秒撹拌して、かき玉子スープを作製し、当該かき玉子スープのかき玉子の形状、大きさ、食感及び浮遊性について、それぞれ下記の基準を充足するか判定し、これらの基準を全て充足する場合を「◎」、これらの基準のいずれか三つを充足する場合を「○」、これらの基準のいずれか二つを充足する場合を「△」、これらの基準のいずれか一つを充足する場合及びこれらの基準をいずれも充足しない場合を「×」と評価することにより実施した。
(形状)
かき玉子の形状が、薄膜状である。
(大きさ)
かき玉子スープ40~50mLを抜き取り、これを1cm四方の方眼紙にのせ、そこに含まれるかき玉子のうち50%(個数)以上が長さ1cm以上である。
(食感)
かき玉子が、ふんわりとした滑らかな食感である。
(浮遊性)
お湯を注いで撹拌した後、かき玉子が液面に浮いている時間が、1分間以上である。
一方、比較例1の凍結乾燥かき玉子スープは、コントロールの凍結乾燥かき玉子スープに比べ、著しく品質に劣るものであった。
<実施例2>
卵液の調製において、卵液の20℃における粘度が3000mPa・Sとなるまで放置したこと以外は、実施例1と同様の手順で、凍結乾燥かき玉子スープを作製した。
卵液の調製において、卵液の20℃における粘度が1000mPa・Sとなるまで放置したこと以外は、実施例1と同様の手順で、凍結乾燥かき玉子スープを作製した。
卵液の調製において、卵液の20℃における粘度が50mPa・Sとなるまで放置したこと以外は、実施例1と同様の手順で、凍結乾燥かき玉子スープを作製した。
実施例2~4の凍結乾燥かき玉子スープについて、5名の専門パネルにより官能評価を行った。官能評価は試験例1と同様に実施した。結果を下表4に示す。
<実施例5>
卵液の調製において、消泡乳化剤(太陽化学株式会社製「アワブレークG109」)の割合を、卵液に対して5重量%とし、かき玉子調製液体の調製において、HLB値が4.5である乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、太陽化学株式会社製「サンソフトQ185SP」)の割合を、かき玉子調製液体に対して5重量%としたこと以外は、実施例1と同様の手順で、凍結乾燥かき玉子スープを作製した。
卵液の調製において、消泡乳化剤(太陽化学株式会社製「アワブレークG109」)の割合を、卵液に対して0.5重量%とし、かき玉子調製液体の調製において、HLB値が4.5である乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、太陽化学株式会社製「サンソフトQ185SP」)の割合を、かき玉子調製液体に対して0.5重量%としたこと以外は、実施例1と同様の手順で、凍結乾燥かき玉子スープを作製した。
卵液の調製において、消泡乳化剤(太陽化学株式会社製「アワブレークG109」)の割合を、卵液に対して0.1重量%とし、かき玉子調製液体の調製において、HLB値が4.5である乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、太陽化学株式会社製「サンソフトQ185SP」)の割合を、かき玉子調製液体に対して0.1重量%としたこと以外は、実施例1と同様の手順で、凍結乾燥かき玉子スープを作製した。
卵液の調製において、消泡乳化剤(太陽化学株式会社製「アワブレークG109」)の割合を、卵液に対して0.05重量%とし、かき玉子調製液体の調製において、HLB値が4.5である乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、太陽化学株式会社製「サンソフトQ185SP」)の割合を、かき玉子調製液体に対して0.05重量%としたこと以外は、実施例1と同様の手順で、凍結乾燥かき玉子スープを作製した。
実施例5~8の凍結乾燥かき玉子スープについて、5名の専門パネルにより官能評価を行った。官能評価は試験例1と同様に実施した。結果を下表5に示す。
<実施例9>
卵液を添加する際のかき玉子調製液体の温度を、90℃としたこと以外は、実施例1と同様の手順で、凍結乾燥かき玉子スープを作製した。
卵液を添加する際のかき玉子調製液体の温度を、85℃としたこと以外は、実施例1と同様の手順で、凍結乾燥かき玉子スープを作製した。
卵液を添加する際のかき玉子調製液体の温度を、80℃としたこと以外は、実施例1と同様の手順で、凍結乾燥かき玉子スープを作製した。
実施例9~11の凍結乾燥かき玉子スープについて、5名の専門パネルにより官能評価を行った。官能評価は試験例1と同様に実施した。結果を下表6に示す。
<実施例12>
かき玉子調製液体の調製において、加工澱粉(酸化馬鈴薯澱粉、松谷化学工業株式会社製「スタビローズK」)の割合を、かき玉子調製液体に対して4.4重量%としたこと以外は、実施例1と同様の手順で、凍結乾燥かき玉子スープを作製した。
かき玉子調製液体の調製において、加工澱粉(酸化馬鈴薯澱粉、松谷化学工業株式会社製「スタビローズK」)の割合を、かき玉子調製液体に対して1.1重量%としたこと以外は、実施例1と同様の手順で、凍結乾燥かき玉子スープを作製した。
かき玉子調製液体の調製において、加工澱粉(酸化馬鈴薯澱粉、松谷化学工業株式会社製「スタビローズK」)の割合を、かき玉子調製液体に対して0.6重量%としたこと以外は、実施例1と同様の手順で、凍結乾燥かき玉子スープを作製した。
実施例12~14の凍結乾燥かき玉子スープについて、5名の専門パネルにより官能評価を行った。官能評価は試験例1と同様に実施した。結果を下表7に示す。
<実施例15~17>
卵液の調製において、太陽化学株式会社製「アワブレークG109」に代えて、下表8に示す消泡乳化剤を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で、凍結乾燥かき玉子スープをそれぞれ作製した。
<比較例2~10>
卵液の調製において、太陽化学株式会社製「アワブレークG109」に代えて、下表9に示す、消泡乳化剤でない乳化剤(消泡性を有しない乳化剤)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で、凍結乾燥かき玉子スープをそれぞれ作製した。
実施例15~17及び比較例2~10の凍結乾燥かき玉子スープについて、5名の専門パネルにより官能評価を行った。官能評価は試験例1と同様に実施した。結果を下表8及び表9に示す。
一方、表9に示す結果から明らかなように、比較例2~10の凍結乾燥かき玉子スープは、いずれもコントロールの凍結乾燥かき玉子スープに比べ、著しく品質に劣るものであった。
<実施例18~26、比較例11及び12>
かき玉子調製液体の調製において、HLB値が4.5である乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、太陽化学株式会社製「サンソフトQ185SP」)に代えて、下表10に示す乳化剤を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で、凍結乾燥かき玉子スープをそれぞれ作製した。
実施例18~24、比較例11及び12の凍結乾燥かき玉子スープについて、5名の専門パネルにより官能評価を行った。官能評価は試験例1と同様に実施した。結果を下表10に示す。
一方、比較例11及び12の凍結乾燥かき玉子スープは、いずれもコントロールの凍結乾燥かき玉子スープに比べ、著しく品質に劣るものであった。
<実施例27~34>
かき玉子調製液体の調製において、酸化馬鈴薯澱粉(松谷化学工業株式会社製「スタビローズK」)に代えて、下表11に示す加工澱粉又は多価アルコールを用いたこと以外は、実施例1と同様の手順で、凍結乾燥かき玉子スープをそれぞれ作製した。
実施例27~34の凍結乾燥かき玉子スープについて、5名の専門パネルにより官能評価を行った。官能評価は試験例1と同様に実施した。結果を下表11に示す。
<実施例35~39>
脱水したかき玉子液に添加した澱粉水溶液が、三和澱粉工業株式会社製「タピオカアルファーTP-2」(タピオカ澱粉のα化酢酸澱粉)に代えて、下表12に示すα化澱粉を含むこと以外は、実施例1と同様の手順で、凍結乾燥かき玉子スープをそれぞれ作製した。
実施例35~39の凍結乾燥かき玉子スープについて、5名の専門パネルにより官能評価を行った。官能評価は試験例1と同様に実施した。結果を下表12に示す。
Claims (7)
- 消泡乳化剤を含有する卵液を、加熱したHLB値が9以下である乳化剤を含有する液体(以下、かき玉子調製液体と称する)に添加し、当該液体中でかき玉子を調製する工程、
かき玉子を含む液体(以下、かき玉子液と称する)を脱水する工程、及び
脱水したかき玉子液を、凍結乾燥する工程
を含み、
かき玉子調製液体の粘度が、95℃において20mPa・S以下である、
凍結乾燥かき玉子スープの製造方法。 - 卵液における消泡乳化剤の含有量が、卵液に対して0.01~10重量%である、請求項1記載の製造方法。
- かき玉子調製液体における、HLB値が9以下である乳化剤の含有量が、かき玉子調製液体に対して0.01~10重量%である、請求項1又は2記載の製造方法。
- かき玉子調製液体が、加工澱粉及び多価アルコールからなる群より選択される少なくとも一つの緩衝剤を更に含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
- かき玉子調製液体における緩衝剤の含有量が、かき玉子調製液体に対して0.1~10重量%である、請求項4記載の製造方法。
- 卵液の粘度が、20℃において10~5000mPa・Sである、請求項1~5のいずれか一項に記載の製造方法。
- かき玉子液に増粘剤を添加する工程を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
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