本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
本発明の第1の実施の一形態に係る包装袋は、図1に示すように構成されている。
図1において、この包装袋100は、例えば、ファスナ付きパウチであって、複数の層、例えば、後述するように4つの層が積層された構造のフィルムが袋状に形成されることによりなっている。具体的には、その複数の層が積層された構造の表側フィルム100a(第1フィルム)と同じく複数の層が積層された構造の裏側フィルム100b(第2フィルム)とが、それぞれの周縁部を接合させて袋状に形成されている。
表側フィルム100a及び裏側フィルム100bのそれぞれは、例えば、図2に示すように、ポリエチレンテレフタレートでできたPET層101、ナイロンでできたNY層102、アルミ箔でできたアルミ層103及びポリエチレンでできたPE層104の4つの層が積層された構造となっている。PET層101は、透明性が高く、伸び縮みし難い寸法安定性の良い性質を有し、印刷用の層として好適である。NY層102は、衝撃や折り曲げに強く、穴が開き難い性質を有し、強度確保のための層(第1合成樹脂層)である。アルミ層103は、この層を境として空気(酸素)等のガスや水分の出入りを遮蔽するための金属層である。PE層104は、100℃~130℃程度で溶融する性質を有し、熱融着に適したシーラント層としての層(第2合成樹脂層)である。
このようにPE層104及びPET層101が表裏の最も外側に配置されるともにNY層102とアルミ層103とが隣接するように積層された構造の表側フィルム100a及び裏側フィルム100bは、それぞれのPE層101を対向させた状態で表側フィルム100a及び第2フィルム100bのそれぞれの周辺部のPE層101が熱融着によりシールされ(接合され)、袋状に形成される。これにより、PE層104を内側にして、図1に示すように、周辺のシール部(接合部)41、42、43(シール部43に対向する下側のシール部は省略)により封止された包装袋100が形成される。
包装袋100には、上側のシール部43から下方に所定距離だけ離れた位置に、横方向で対向する2つのシール部41、42の間で直線的に延びる、プラスチックファスナ50が設けられている。このプラスチッファスナ50は、公知の構造であって開閉自在である。プラスチックファスナ50を境にして、上側のシール部43と反対側の領域に内容物(例えば、飲食物)の収容部が形成されている。プラスチックファスナ50を開放することにより、収容部から内容物を取り出すことができ、プラスチックファスナ50を閉鎖することにより、内容物が収容された収容部を密封することができる。
なお、表側フィルム100a及び裏側フィルム100bのそれぞれの上側の周縁部は、プラスチックファスナ50を開放した状態で収容部に内容物を収容した後に、プラスチックファスナ50を閉鎖して収容部を密封した状態でシールされ、上側のシール部43が形成される。
包装袋100の左側のシール部41には、上側のシール部43より下方で、プラスチックファスナ50より上方の所定位置に、包装袋100(表側フィルム100b、裏側フィルム100b)の引裂きを容易に開始させる切り込み等のノッチ30(引裂き開始部)が形成されている。また、表側フィルム100a及び裏側フィルム100bのそれぞれには、図1とともに、図3A、図3B、図4に示すように、ノッチ30からの引裂きを誘導するために当該フィルムを線状に弱化させた引裂き誘導弱め線10、20が形成されている。
表側フィルム100aには、図1とともに図3Aに示すように、第1引裂き誘導弱め線10が形成されている。また、裏側フィルム100bには、図1とともに図3Bに示すように、第2引裂き誘導弱め線20が形成されている。第1引裂き誘導弱め線10は、第1主誘導線11、4つの第1傾斜補助誘導線12(121、122、123、124)及び第1はみ出し規制誘導線13を含む。第2引裂き誘導弱め線20は、第2主誘導線21、4つの第2傾斜補助誘導線22(221、222、223、224)及び第2はみ出し規制誘導線23を含む。
表側フィルム100aにおいて(図1、図3A参照)、第1主誘導線11は、ノッチ30より下方の所定位置に、シール部41の縁から対向するシール部42の縁まで直線的に延びるように形成されている。第1はみ出し規制誘導線13は、ノッチ30からの引裂きが所定の範囲からはみ出して上側のシール部43の方向に大きくずれてしまうのを規制し、その引裂きを後述するように形成される第1傾斜補助誘導線12に向けて誘導するための引裂き誘導弱め線である。この第1はみ出し規制誘導線13は、ノッチ30に対して第1主誘導線11と逆側の所定位置に、シール部41の縁から当該シール部41より内側の所定位置まで直線的に延びるように形成されている。4つの第1傾斜補助誘導線12(121、122、123、124)は、第1主誘導線11と第1はみ出し規制誘導線13との間隔内において、シール部41から離れる方向に、かつ、第1主誘導線11に向けて斜めに延びるように形成されている。
裏側フィルム100bにおいて(図1、図3B参照)、第2主誘導線21は、ノッチ30より上方の所定位置に、シール部41の縁(包装袋100の一方の縁)から対向するシール部42の縁(包装袋100の他方の縁)まで直線的に延びるように形成されている。前述した第1はみ出し規制誘導線13と同様の機能を有する第2はみ出し規制誘導線23は、ノッチ30に対して第2主誘導線21と逆側の所定位置に、シール部41の縁から当該シール部41より内側の所定位置まで直線的に延びるように形成されている。4つの第2傾斜補助誘導線22(221、222、223、224)は、第2主誘導線21と第2はみ出し規制誘導線23との間隔内において、シール部41から離れる方向に、かつ、第2主誘導線21に向けて斜めに延びるように形成されている。
包装袋100において、表側フィルム100aに形成された第1引裂き誘導弱め線10(第1主誘導線11、第1傾斜補助誘導線12、第1はみ出し規制誘導線13)と、裏側フィルム100bに形成された第2引裂き誘導弱め線20(第2主誘導線21、第2傾斜補助誘導線22、第2はみ出し規制誘導線23)との相対的な位置関係は、図4に示すようになる。
図4において、第1主誘導線11(実線)と第2主誘導線21(破線)とは、ノッチ30から始まる引裂き方向に延びる仮想線CLに対してそれぞれ逆側、例えば、仮想線CLに対して対称となるように配置される。第1はみ出し規制誘導線13(実線)と第2はみ出し規制誘導線23(第1主誘導線11を表す実線に重なって表れていない)についても、同様に、前記仮想線CLに対してそれぞれ逆側、例えば、仮想線CLに対して対称となるように配置される。また、4つの第1傾斜補助誘導線12(実線)は、第1主誘導線11(実線)と第2主誘導線21(破線)との間隔W内において、シール部41から離れる方向に、かつ、第1主誘導線11に向けて斜めに延びている。4つの第2傾斜補助誘導線22(破線)は、第1主誘導線11(実線)と第2主誘導線21(破線)との間隔W内において、シール部41から離れる方向に、かつ、第2主誘導線21に向けて斜めに延びている。4つの第1傾斜補助誘導線12と4つの第2傾斜誘導線22とは重なる位置関係にあり、それぞれ逆向きに傾いている。
前述したような、第1引裂き誘導弱め線10(第1主誘導線11、第1傾斜補助誘導線12、第1はみ出し規制誘導線13)、及び第2引裂き誘導弱め線20(第2主誘導線21、第2傾斜補助誘導線22、第2はみ出し規制誘導線23)の各引裂き誘導弱め線は、公知のレーザ加工により、表側フィルム100a及び裏側フィルム100bに形成される。具体的には、図5に示すように、表側フィルム100a及び裏側フィルム100bのそれぞれにおいて、PET層101側から照射されるレーザ光により、PET層101及びNY層102からアルミ層103に達する深さの線状溝110が、前記引裂き誘導弱め線(第1引裂き誘導弱め線10、第2引裂き誘導弱め線20)として形成される。
前述した包装袋100は、例えば、図6に示すように開封することができる。
図6において、ノッチ30から、シール部41から逆側のシール部42に向けて、包装袋100(表側フィルム100a、裏側フィルム100b)を引裂き始めると、第1引裂き誘導弱め線10が形成された表側フィルム100aでは、その引裂きが、シール部41から離れる方向進み、例えば、第1傾斜補助誘導線124に達し得る。そして、引裂きが第1傾斜補助誘導線124に達すると、その引裂きは、その第1傾斜補助誘導線124に誘導されて進む。引裂きは、その第1傾斜補助誘導線124から外れても、次の第1傾斜補助誘導線123に至り、更に第1傾斜補助誘導線123に誘導されて第1主誘導線11に向けて進む。この第1傾斜補助誘導線123に誘導されて進む引裂きが第1主誘導線11に達すると、その引裂きは、第1主誘導線11に誘導されて、逆側のシール部42(図1参照)に向けて進む(図6におけるLa参照)。
一方、第2引裂き誘導線20が形成された裏側フィルム100bでは、ノッチ30からの引裂きは、例えば、第2傾斜補助誘導線222に達し得る。そして、引裂きが第2傾斜補助誘導線22に達すると、その引裂きがその第2傾斜補助誘導線222に誘導されて進む。引裂きは、その第2傾斜補助誘導線222から外れても、次の第2傾斜補助誘導線223に至り、更に第2傾斜補助誘導線223に誘導されて第2主誘導線21に向かって進む。この第2傾斜補助誘導線223に誘導されて進む引裂きが第2主誘導線21に達すると、その引裂きは、第2主誘導線21に誘導されて、逆側のシール部42(図1参照)に向けて進む(図6におけるLb参照)。
上述したように、ノッチ30から始まった引裂きが、表側フィルム100a及び裏側フィルム100bの双方において逆側のシール部42の縁に達すると、包装袋100が開封される。このように包装袋100が開封されると、図7に示すように、表側フィルム100aの開封切り口の縁線Laが第1傾斜補助誘導線124、123及び第1主誘導線11に対応し、裏側フィルム100bの開封切り口の縁線Lbが第2傾斜補助誘導線222、223及び第2主誘導線21に対応するようになる。ここで、第1主誘導線11と第2主誘導線21はとは重ならないように形成されている(図4参照)ので、表側フィルム100aの開封切り口の縁線Laと裏側フィルム100bの開封切り口の縁線Lbとは、少なくとも、第1主誘導線11と第2主誘導線21との対応した部分では重ならずに、ずれた状態になる。このずれ量Δは、第1主誘導線11と第2主誘導線21との間隔Wに対応する。そして、そのずれた部分の裏側フィルム100bを摘んで開封された包装袋100を開き、プラスチックファスナ50を容易に開放することができる。
この場合、表側フィルム100aに形成された第1主誘導線11と裏側フィルム100bに形成された第2主誘導線21とは、ノッチ30から始まる引裂き方向に延びる仮想線CL(図4参照)に対して単に逆側に配置されるので、第1主誘導線11と第2主誘導線21との間隔Wを比較的大きく設定することができる。その結果、第1主誘導線11に対応する表側フィルム100aの開封切り口の縁線Laと、裏側フィルム100bの開封切り口の縁線Lbとのずれ量Δを比較的大きくすることができる。従って、包装袋100の開封後、開封切り口の縁線Lbが表側フィルム100aの開封切り口の縁線Laから大きくずれた裏側フィルム100b(図7参照)を摘んで包装袋100を開き、プラスチックファスナ50を特に容易に開放することができる。
表側フィルム100aに形成された第1傾斜補助誘導線12(121、122、123、124)と裏側フィルム100bに形成された第2傾斜補助誘導線22(221、222、223、224)とが重なっているので(図4、図6参照)、ノッチ30から始まる表側フィルム100aの引裂きと、裏側フィルム100bの引裂きとが、より少ない時間差で、表側フィルム100aでは第1主誘導線11に、裏側フィルム100bでは第2主誘導線21に、それぞれ誘導されるようになる。その結果、表側フィルム100aと裏側フィルム100bとをバランスよく引裂くことができる。
なお、上述した包装袋100において、表側フィルム100aにノッチ30(仮想線CL)を挟んで形成された第1主誘導線11と第1はみ出し規制誘導線13との間隔と、裏側フィルム100bにノッチ30(仮想線CL)を挟んで形成された第2主誘導線21と第2はみ出し規制誘導線23との間の間隔は、上述した例のように同じであっても、異なるものであってもよい。また、第1はみ出し規制誘導線13と第2はみ出し規制誘導線23は、特に設けなくてもよい。更に、第1傾斜補助誘導線12及び第2傾斜補助誘導線22それぞれの数は、4つに限定されず、1つ(単数)~3つのいずれであっても、更に5つ以上であってもよい。また、更に、第1主誘導線11及び第2主誘導線21のそれぞれは、シール部41の縁からではなく、シール部41中から、またはシール部41より内側から延びるものであってもよく、対向するシール部42の縁まで至らずに、シール部42に至る手前までのものであってもよい。また、第1傾斜補助誘導線12は、第1主誘導線11に完全に至るものでなくてもよく、同様に、第2傾斜補助誘導線22も第2主誘導線21に完全に至るものでなくてもよい。
また、前述した第1傾斜補助誘導線12(121、122、123、124)と第2傾斜補助誘導線22(221、222、223、224)とは、重ならないように表側フィルム100aと裏側フィルム100bに形成するようにしてもよい。この場合であっても、表側フィルム100aでは、ノッチ30からの引裂きを、第1傾斜補助誘導線12を経由して第1主誘導線11に誘導することができ、また、裏側フィルム100bでも、ノッチ30からの引裂きを、第2傾斜補助誘導線22を経由して第2主誘導線21に誘導することができる。
更に、上述した包装袋100によれば、強度確保のためのNY層102に引裂き誘導弱め線としての線状溝が形成されているので(図5参照)、本来強度確保の性質によって引裂き難いNY層102であっても、引裂き誘導弱め線に誘導されながら、その引裂き誘導弱め線の延びる方向に、引裂かれ易くなる。そして、更に、NY層102に隣接するアルミ層103も、NY層102の引裂き誘導線によって誘導される引裂きに連れて、前記引裂き誘導弱め線の延びる方向に引裂かれ易くなる。
また、延伸フィルムは、一般的に、ある方向に引裂かれ易い性質がある。特に、ナイロン(NY)は、その化学的構造によりその性質が顕著に発現されるため、NY層102は、開封時に所望する方向でない方向へ引裂かれる場合がある。上述したように、NY層102に引裂き誘導弱め線を形成することにより、そのような性質の影響のもとでも、ノッチ30からの切裂きを前記引裂き誘導弱め線に沿って確実に所望の方向に誘導することができる。その結果、表側フィルム100aの開封切り口の縁線Laと裏側フィルム100bの開封切り口の縁線Lbとを確実にずらすように、包装袋100を開封することができる。
以上のように、NY層102に引裂き誘導弱め線が形成された包装袋100によれば、強度確保のためのNY層102、ガス及び水分を遮蔽するためのアルミ層103及びシーラント層としてのPE層104を含む種々の特性の層が積層された構造のフィルム(表側フィルム100a、裏側フィルム100b)で形成された包装袋100において、より容易に開封することができるようになる。
また、プラスチックファスナ50を境にして内容物を収容する収容部と逆側の領域に引裂き誘導弱め線(第1引裂き誘導弱め線10、第2引裂き誘導弱め線20)が形成されるので、特に、強度確保のためのNY層102に線状に弱化させる前記引裂き誘導弱め線が広い範囲で形成されて、その引裂き誘導弱め線により引裂きの予定部分の強度が低下した場合でも、落下の衝撃の伝搬が防止され、内容物を収容する包装袋100全体に対する強度低下の影響を少なくすることができる。その結果、内容物を収容する包装袋としても良好な易開封性を備えた包装袋を実現することができる。
更に、前述した包装袋100を形成するフィルム(表側フィルム100a、裏側フィルム100b)において、アルミ層103に隣接するNY層102に、アルミ層103に達する深さの線状溝が引裂き誘導弱め線として形成されている。このため、レーザ加工の際に、PET層101側から照射されるレーザ光がNY層102を切断してアルミ層103で反射し、その反射光が再びNY層102に吸収され得るので、より効率的にその線状溝(引裂き誘導弱め線)を形成することができる。
なお、包装袋100を形成するフィルム(表側フィルム100a、裏側フィルム100b)の層構造は、図2及び図5に示す構造のものに限定されず、どのような層構造のものであってもよい。ただし、上述した強度確保のためのNY層102の特性を考慮する観点からは、その強度確保のためのNY層102、ガス及び水分を遮蔽するめのアルミ層103及びシーラント層としてのPE層104を含む複数の層が、PE層104を最も外側に配置されるとともに、NY層102とアルミ層103とが隣接するように積層された構造であればよい。例えば、図8に示すように、アルミ層103とPE層104との間に強度確保のためのNY層102を配置した構造のフィルム(表側フィルム100a、裏側フィルム100b)によって包装袋100を形成することができる。この場合、PE層104側からレーザ光を照射し、PE層104を透過するレーザ光によってNY層102に引裂き誘導弱め線としての線状溝111を形成することができる。このような構造のフィルムで形成される包装袋100では、外側(PET層101側)から、引裂き誘導弱め線が見えないので、PET層101に施された印刷の見栄えが引裂誘導弱め線によって損なわれることがない。
包装袋100を形成するフィルムを構成する層の数も前述した4つに限定されない。例えば、図9に示すように、NY層102とPE層104とが外側に配置され、それらの層の間にアルミ層103を配置した構造であってもよい。この場合、NY層102側からレーザ光が照射され、そのレーザ光によってNY層102に引裂き誘導弱め線としての線状溝112が形成される。
前述した第1の実施の形態では、強度確保のための層としてNY層102を用いたが、この強度確保のための層は、強度確保の性質を有する層であれば、特に限定されず、例えば、ポリブチレンテレフタレートでできたPBT層、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートの共押出フィルムでできた層、ポリエチレンテレフタレートとナイロンの共押出フィルムでできた層、ポリブチレンテレフタレートとナイロンの共押出フィルムでできた層等であってもよい。また、シーラント層としてPE層104を用いたが、これに限定されず、例えば、直線状低密度ポリエチレンでできたLLDPE層、ポリプロピレンでできたPP層等をシーラント層として用いることができる。更に、ガス及び水分を遮蔽するための層は、アルミ層103に限定されず、そのようなガス及び水分を遮蔽する性質を有する他の金属箔でできた金属層であってもよい。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る包装袋100は、図10に示すように構成される。この包装袋100を形成するフィルム(表側フィルム100a、裏側フィルム100b)の構造は、前述した第1の実施の形態に係る包装袋のもの(図2参照)と同である。また、包装袋100を構成するフィルム(表側フィルム100a、裏側フィルム100b)のNY層102に引裂き誘導弱め線(第1引裂き誘導弱め線10、第2引裂き誘導弱め線20)としての線状溝が形成される点も第1の実施の形態に係る包装袋のもの(図5参照)と同じである。更に、包装袋100の外観構成(シール部41、42、43、プラスチックファスナ50等)についても第1の実施の形態に係る包装袋のもの(図1参照)と同じである。この第2の実施の形態に係る包装袋100は、表側フィルム100aに形成される第1引裂き誘導弱め線10及び裏側フィルム100bに形成される第2引裂き誘導弱め線20の構成が異なる点で、第1の実施の形態に係る包装袋100(図1~図5参照)と異なる。
表側フィルム100a及び裏側フィルム100bのそれぞれには、図10とともに図11A、図11B、図12に示すように、シール部41に設けられたノッチ30からの引裂きを誘導するための引裂き誘導弱め線10、20が形成されている。表側フィルム100aに形成される第1引裂き誘導弱め線10は、第1主誘導線11、第1はみ出し規制誘導線13、第1傾斜補助誘導線14、及び3つの第1補助誘導線15(151、152、153)を含む。また、裏側フィルム100bに形成される第2引裂き誘導弱め線20は、第2主誘導線21、第2はみ出し規制誘導線24、第2傾斜補助誘導線24、及び3つの第2補助誘導線25(251、252、253)を含む。
表側フィルム100aにおいて(図10、図11A参照)、第1主誘導線11は、第1の実施の形態の場合(図3A参照)と同様に、ノッチ30より下側の所定位置に、シール部41の縁から対向するシール部42の縁まで直線的に延びるように形成されている。第1はみ出し規制誘導線13は、第1の実施の形態(図3A参照)における第1はみ出し規制誘導線13と同様の機能を有し、ノッチ30に対して第1主誘導線11と逆側の所定位置に、シール部41の縁から当該シール部41より内側の所定位置まで直線的に延びるように形成されている。第1傾斜補助誘導線14は、第1主誘導線11と第1はみ出し規制誘導線13との間隔内において、シール部41から離れる方向に、かつ、第1主誘導線11に向けて斜めに延びるように形成されている。この第1傾斜補助誘導線14は、第1実施の形態における第1傾斜補助誘導線12(図3A参照)に比べて緩やかな角度をもって延びている。3つの第1補助誘導線15(151、152、153)は、第1主誘導線11と第1はみ出し規制誘導線13との間隔内において、シール部41の縁から第1傾斜補助誘導線14に向けて直線的に延びるように形成されている。
裏側フィルム100bにおいて(図10、図11B参照)、第2主誘導線21は、第1の実施の形態の場合(図3B参照)と同様に、ノッチ30より上側の所定位置に、シール部41の縁から対向するシール部42の縁まで直線的に延びるように形成されている。前述した第1はみ出し規制誘導線13と同様の機能を有する第2はみ出し規制誘導線23は、ノッチ30に対して第2主誘導線21と逆側の所定位置に、シール部41の縁から当該シール部41より内側の所定位置まで直線的に延びるように形成されている。第2傾斜補助誘導線24は、第2主誘導線21と第2はみ出し規制誘導線23との間隔内において、シール部41から離れる方向に、かつ、第2主誘導線21に向けて斜めに延びるように形成されている。この第2傾斜補助誘導線24は、第1の実施の形態における第2傾斜補助誘導線22(図3B参照)に比べて緩やかな角度をもって延びている。3つの第2補助誘導線25(251、252、253)は、第2主誘導線21と第2はみ出し規制誘導線23との間隔内において、シール部41の縁から第1傾斜補助誘導線14に向けて直線的に延びるように形成されている。
包装袋100において、表側フィルム100aに形成された第1引裂き誘導弱め線10(第1主誘導線11、第1はみ出し規制誘導線13、第1傾斜補助誘導線14、第1補助誘導線15)と、裏側フィルム100bに形成された第2引裂き誘導弱め線20(第2主誘導線21、第2はみ出し誘導線23、第2傾斜補助誘導線24、第2補助誘導線25)との相対的な位置関係は、図12に示すようになる。
図12において、第1主誘導線11(実線)と第2主誘導線21(破線)とは、ノッチ30から始まる引裂き方向に延びる仮想線CLに対してそれぞれ逆側、例えば、仮想線CLに対して対称となるように配置される。第1はみ出し規制誘導線13(実線)と第2はみ出し規制誘導線23(第1主誘導線11を表す実線に重なって表れていない)についても、同様に、前記仮想線CLに対してそれぞれ逆側、例えば、仮想線CLに対して対称となるように配置されている。第1傾斜補助誘導線14(実線)は、第1主誘導線11(実線)と第2主誘導線21(破線)との間隔W内において、シール部41から離れる方向に、かつ、第1主誘導線11に向けて斜めに延びている。第2傾斜補助誘導線24(破線)は、第1主誘導線11(実線)と第2主誘導線21(破線)との間隔W内において、シール部41から離れる方向に、かつ、第2主誘導線21に向けて斜めに延びている。第1傾斜補助誘導線15と第2傾斜補助誘導線25とは重なる位置関係にあり、それぞれ逆向きに傾いている。
前述した包装袋100は、例えば、図13に示すように開封することができる。
図13において、ノッチ30から、シール部41から逆側のシール部42に向けて、包装袋100(表側フィルム100a、裏側フィルム100b)を引裂き始めると、第1引裂き誘導弱め線10が形成された表側フィルム100aでは、その引裂きが、シール部41から離れる方向に進み、例えば、第1補助誘導線152に達し得る。そして、引裂きが第1補助誘導線152に達すると、その引裂きは、その第1補助誘導線152に誘導されて進む。この第1補助誘導線152に誘導されて進む引裂きが第1傾斜補助誘導線14に達すると、その引裂きは、第1傾斜補助誘導線14に誘導されて第1主誘導線11に向けて進む。この第1傾斜補助誘導線14に誘導されて進む引裂きが第1主誘導線11lに達すると、その引裂きは、第1主誘導線11に誘導されて、逆側のシール部42(図10参照)に向けて進む(図13におけるLa参照)。
一方、第2引裂き誘導弱め線20が形成された裏側フィルム100bでは、ノッチ30からの引裂きは、例えば、第2補助誘導線253に達し得る。そして、引裂きが第2補助誘導線253に達すると、その引裂きは、第2補助誘導線253に誘導されて進む。この第2補助誘導線253に誘導されて進む引裂きが第2傾斜補助誘導線24に達すると、その引裂きは、第2傾斜補助誘導線24に誘導されて第2主誘導線21に向けて進む。この第2傾斜補助誘導線に誘導されて進む引裂きが第2主誘導線21に達すると、その引裂きは、第2主誘導線21に誘導されて、逆側のシール部42(図10参照に向けて進む(図13におけるLb参照)。
上述したように、ノッチ30から始まった引裂きが、表側フィルム100a及び裏側フィルム100bの双方において逆側のシール部42の縁に達すると、包装袋100が開封される。このように包装袋100が開封されると、図14に示すように、表側フィルム100aの開封切り口の縁線Laが第1補助誘導線152、第1傾斜補助誘導線14及び第1主誘導線11に対応し、裏側フィルム100bの開封切り口の縁線Lbが第2補助誘導線253、第2傾斜補助誘導線24及び第2主誘導線21に対応するようになる。ここで、第1主誘導線11と第2主誘導線21とは重ならないように形成されている(図12参照)ので、表側フィルム100aの開封切り口の縁線Laと裏側フィルム100bの開封切り口の縁線Lbとは、少なくとも、第1主誘導線11と第2主誘導線21との対応した部分では重ならずに、ずれた状態になる。このずれ量Δは、第1主誘導線11と第2主誘導線21との間隔Wに対応する。そして、そのずれた部分の裏側フィルム100bを摘んで開封された包装袋100を開き、プラスチックファスナ50を容易に開放することができる。
この場合も、第1の実施の形態の場合と同様、第1主誘導線11と第2主誘導線21との間隔Wを大きく設定することにより、開封された包装袋100において、表側フィルム100aの開封切り口の縁線Laと裏側フィルム100bの開封切り口の縁線Lbとのずれ量Δを大きくすることができる。これにより、開封後の包装袋100を特に開き易くなる。また、第1の実施の形態の場合と同様に、第1傾斜補助誘導線14と第2傾斜補助誘導線24とが重なっているので(図12、図13参照)、表側フィルム100aと裏側フィルム100bとをバランスよく引裂くことができる。
また、第1傾斜補助誘導線14及び第2傾斜補助誘導線24の傾きが、第1の実施の形態における第1傾斜補助誘導線12及び第2傾斜補助誘導線22に比べて緩やかであるので、第1の実施の形態の場合に比べて、シール部41から離れる方向の引裂きを抵抗感少なく誘導することができる。
なお、上述した包装袋100において、表側フィルム100aにノッチ30(仮想線CL)を挟んで形成された第1主誘導線11と第1はみ出し規制誘導線13との間隔と、裏側フィルム100bにノッチ30(仮想線CL)を挟んで形成された第2主誘導線21と第2はみ出し規制誘導線23との間隔は、第1の実施の形態の場合と同様に、同じであっても、異なるものであってもよい。また、第1はみ出し規制誘導線13と第2はみ出し規制誘導線23とは、特に設けなくてもよい。更に、第1傾斜補助誘導線15及び第2傾斜補助誘導線25のそれぞれの数は、単数(1つ)に限定されず、2つ以上であってもよい。また、更に、第1の実施の形態の場合と同様に、第1主誘導線11及び第2主誘導線21のそれぞれは、シール部41の縁からではなく、シール部41中から、またはシール部41より内側から延びるものであってもよく、対向するシール部42の縁まで至らずに、シール部42に至る手前までのものであってもよい。また、第1傾斜補助誘導線14は、第1主誘導線11に完全に至るものでなくてもよく、同様に、第2傾斜補助誘導線24も第2主誘導線21に完全に至るものでなくてもよい。更に、第1補助誘導線15(151、152、153)及び第2補助誘導線25(251、252、253)は、シール部41の縁からではなく、シール部41中から、または、シール部41より内側から延びるものであってもよく、対応する第1傾斜補助誘導線14及び第2補助誘導線24に完全に至るものであっても、完全にいたるものでなくてもよい。また、第1補助誘導線15及び第2補助誘導線25それぞれの数は、3つに限定されず、単数(1つ)、2つ、及び4つ以上のいずれであってもよい。更に、第1傾斜補助誘導線14と第2傾斜補助誘導線24とは重ならないように表側フィルム100aと裏側フィルム100bとに形成するようにしてもよい。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る包装袋100は、図15に示すように構成される。この第3の実施の形態に係る包装袋100は、表側フィルム100aに形成される第1引裂き誘導弱め線10及び裏側フィルム100bに形成される第2引裂き誘導弱め線20の構成以外については、前述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態のものと同じである。
表側フィルム100a及び裏側フィルム100bのそれぞれには、図15とともに図16A、図16B、図17に示すように、シール部41に設けられたノッチ30からの引裂きを誘導するための引裂き誘導弱め線10、20が形成されている。表側フィルム100aに形成される第1引裂き誘導弱め線10は、2つの第1主誘導線16a、16b、2つの第1傾斜補助誘導線17a(171a、172a)、2つの第2傾斜補助誘導線17b(171b、172b)及び3つの補助誘導線18(181、182、183)を含む。裏側フィルム100bに形成される第2引裂き誘導弱め線20は、2つの第2主誘導線26a、26bを含む。
表側フィルム100aにおいて(図15、図16A参照)、2つの第1主誘導線16a、16bは、ノッチ30から引裂き方向に延びる仮想線CLに対してそれぞれ逆側、例えば、前記仮想線CLに対して対称に、所定の間隔Wをもって配置され、シール部41の縁から対向するシール部42の縁まで直線的に延びるように形成されている。2つの第1傾斜補助誘導線17a(171a、172a)は、2つの第1主誘導線16a、16bの間隔W内において、シール部41から離れる方向に、かつ、2つの第1主誘導線16a、16bのうちの一方の第1主誘導線16bに向けて斜めに延びるように形成されている。2つの第2傾斜補助誘導線17b(171b、172b)は、2つの第1主誘導線16a、16bの間隔W内において、シール部41から離れる方向に、かつ、2つの第1主誘導線16a、16bのうちの他方の第1主誘導線16aに向けて斜めに延びるとともに、2つの第1傾斜補助誘導線17a(171a、172a)と交差するように形成されている。3つの補助誘導線18(181、182、183)は、2つの第1主誘導線16a、16bの間隔W内において、シール部41の縁から交差する第1傾斜補助誘導線17a(171a、172a)及び第2傾斜補助誘導線17b(171b、172b)に向けて直線的に延びるように形成されている。
裏側フィルム100bにおいて(図15、図16B参照)、2つの第2主誘導線26a、26bは、ノッチ30(仮想線CL)を挟んで逆側に、前述した2つの第1主誘導線16a、16bの間隔Wより狭い間隔をもって配置され、シール部41かの縁から対向するシール部42の縁まで直線的に延びるように形成されている。そして、包装袋100において、裏側フィルム100bに形成された2つの第2主誘導線26a、26b(第2引裂き誘導弱め線20)の、表側フィルム100aに形成された第1引裂き誘導弱め線10(第1主誘導線16a、16b、第1傾斜補助誘導線17a、第2傾斜補助誘導線17b、補助誘導線18)に対する相対的な位置関係は、図17に示すようになる。即ち、2つの第2主誘導線26a、26b(破線)は、2つの第1主誘導線16a、16b(実線)の間隔W内にそれら2つの第1主誘導線16a、16bに重なることなく配置される。
前述した包装袋100は、例えば、図18に示すように開封することができる。
図18において、ノッチ30から、シール部41から逆側のシール部42に向けて、包装袋100(表側フィルム100a、裏側フィルム10b)を引裂き始めると、第1引裂き誘導弱め線10が形成された表側フィルム100aでは、その引裂きが、シール部41から離れる方向に進み、例えば、補助誘導線182に達し得る。そして、その引裂きが補助誘導線182に達すると、その引裂きは、補助誘導線182に誘導されて進み、第2傾斜補助誘導線171bに達し得る。引裂きが第2傾斜補助誘導線171bに達すると、その引裂きは、第2傾斜補助誘導線171bに誘導されて第1主誘導線16aに向けて進む。そして、引裂きが第1主誘導線16aに達すると、その引裂きは、第1主誘導線16aに誘導されて、逆側のシール部42(図15参照)に向けて進む(図18におけるLa参照)。
一方、第2引裂き誘導線20が形成された裏側フィルム100bでは、ノッチ30からの引裂きは、前述した表側フィルム100aの引裂きに連れて進みながら第2主誘導線26aに達し得る。そして、その引裂きが第2主誘導線26aに達すると、引裂きは、第2主誘導線26aに誘導されて、逆側のシール部42(図15参照)に向けて進む。
上述したように、ノッチ30から始まった引裂きが、表側フィルム100a及び裏側フィルム100bの双方において逆側のシール部42に達すると、包装袋100が開封される。このように包装袋100が開封されると、図19に示すように、表側フィルム100aの開封切り口の縁線Laが補助誘導線182、第2傾斜補助誘導線171b及び第1主誘導線16aに対応し、裏側フィルム100bの開封切り口の縁線Lbが第2主誘導線26bに対応するようになる。ここで、第1主誘導線16aと第2主誘導線26aとは重ならないように形成されている(図17参照)ので、表側フィルム100aの開封切り口の縁線Laと裏側フィルム100bの開封切り口線Lbとは、少なくとも、第1主誘導線16aと第2主誘導線26aとの対応した部分では重ならずに、ずれた状態(ずれ量Δ)になる。そして、そのずれた部分の表側フィルム100aを摘んで開封された包装袋100を開き、プラスチックファスナ50を容易に開封することができる。
上述した包装袋100は、図20に示すように開封することもできる。
図20において、ノッチ30から、シール部41から逆側のシール部42に向けて、包装袋100(表側フィルム100a、裏側フィルム10b)を引裂き始めると、第1引裂き誘導弱め線10が形成された表側フィルム100aでは、その引裂きが、シール部41から離れる方向に進み、例えば、補助誘導線181に達し得る。そして、その引裂きが補助誘導線181に達すると、その引裂きは、補助誘導線181に誘導されて進み、第1傾斜補助誘導線171aに達し得る。引裂きが第1傾斜補助誘導線171aに達すると、その引裂きは、第1傾斜補助誘導線171aに誘導されて第1主誘導線16bに向けて進む。そして、引裂きが第1主誘導線16bに達すると、その引裂きは、第1主誘導線16bに誘導されて、逆側のシール部42(図15参照)に向けて進む(図20におけるLa参照)。
一方、第2引裂き誘導線20が形成された裏側フィルム100bでは、ノッチ30からの引裂きは、前述した表側フィルム100aの引裂きに連れて進みながら第2主誘導線26aに達し得る。そして、その引裂きが第2主誘導線26aに達すると、引裂きは、第2主誘導線26aに誘導されて、逆側のシール部42(図15参照)に向けて進む(図20におけるLb参照)。
上述したように、ノッチ30から始まった引裂きが、表側フィルム100a及び裏側フィルム100bの双方において逆側のシール部42に達すると、包装袋100が開封される。このように包装袋100が開封されると、図21に示すように、表側フィルム100aの開封切り口の縁線Laが補助誘導線181、第1傾斜補助誘導線171a及び第1主誘導線16bに対応し、裏側フィルム100bの開封切り口の縁線Lbが第2主誘導線26bに対応するようになる。ここで、第1主誘導線16bと第2主誘導線26aとは重ならないように形成されている(図17参照)ので、表側フィルム100aの開封切り口の縁線Laと裏側フィルム100bの開封切り口線Lbとは、少なくとも、第1主誘導線16bと第2主誘導線26aとの対応した部分では重ならずに、ずれた状態(ずれ量Δ)になる。そして、そのずれた部分の裏側フィルム100bを摘んで開封された包装袋100を開き、プラスチックファスナ50を容易に開封することができる。
なお、上述した包装袋100において、第1傾斜補助誘導線17a及び第2傾斜補助誘導線17bのそれぞれの数は、2つに限定されず、単数(1つ)であっても3つ以上であってもよい。また、補助誘導線18の数は、3つに限定されず、単数(1つ)であっても、2つ、または4つ以上であってもよい。更に、補助誘導線18は設けなくてもよい。また、更に、裏側フィルム100bに形成される第2主誘導線26a、26bの数は、2つに限定されず、表側フィルム100aに形成される2つの主誘導線16a、16bに重ならなければ、3つ以上であってもよい。また、2つの第1主誘導線16a、16b及び2つの第2主誘導線26a、26bのそれぞれは、シール部41の縁からではなく、シール部41中から、またはシール部41より内側から延びるものであってもよく、対向するシール部42の縁まで至らずに、シール部42に至る手前までのものであってもよい。
次に、本発明の第4の実施の形態に係る包装袋100は、図22に示すように構成される。この第4の実施の形態に係る包装袋100は、表側フィルム100aに形成される第1引裂き誘導線10の構成以外については、前述した第3の実施の形態のものと同じである。
表側フィルム100a及び裏側フィルム100bのそれぞれには、図22とともに図23に示すように、シール部41に設けられたノッチ30からの引裂きを誘導するための引裂き誘導弱め線10、20が形成されている。表側フィルム100aに形成される第1引裂き誘導弱め線10は、2つの第1主誘導線16a、16b、5つの屈曲補助誘導線19(191、192、193、194、195)及び3つの補助誘導線18(181、182、183)を含む。一方、裏側フィルム100bに形成される第2引裂き誘導弱め線20は、第3の実施の形態の場合(図16B、図17参照)と同様に、2つの第2主誘導線26a、26bを含む。
表側フィルム100aにおいて(図22、図23参照)、2つの第1主誘導線16a、16bは、第3の実施の形態の場合と同様に、ノッチ30から引裂き方向に延びる仮想線CLに対してそれぞれ逆側、例えば、前記仮想線CLに対して対称に、所定の間隔Wをもって配置され、シール部41の縁から対向するシール部42の縁まで直線的に延びるように形成されている。4つの屈曲補助誘導線19(191、192、193、194、195)は、2つの第1主誘導線16a、16bの間隔W内において、シール部41から離れる方向で2つの主誘導線16a、16bの双方に分かれて向かう屈曲形状、例えば、「く」の字状に、形成されている。各屈曲補助誘導線191、192、193、194、195は、2つの第1主誘導線16a、16bの間隔W内の所定位置、例えば、前記仮想線CL上の所定位置から、一方の第1主誘導線16aに向かって傾斜して進む一方の部分と、前記仮想線CLの前記所定位置から、他方の第1主誘導線16bに向かって前記一方の部分と逆向きに傾斜して進む他方の部分とを含む。3つの補助誘導線18(181、182、183)は、2つの第1主誘導線16a、16bの間隔W内において、シール部41の縁から屈曲形状の屈曲補助誘導線19(191、192、193、194、195)に向けて直線的に延びるように形成されている。
包装袋100において、第1引裂き誘導弱め線10(第1主誘導線16a、16b、補助誘導線18、屈曲補助誘導線19)と、第2引裂き誘導弱め線20との相対的な位置関係は、図24にしめすようになる。即ち、2つの第1主誘導線16a、16b(実線)の間隔W内に、2つの第2主誘導線26a、26b(破線)が、それら2つの第1主誘導線16a、16bに重なることなく配置される。
前述した包装袋100は、例えば、図25に示すように開封することができる。
図25において、ノッチ30から、シール部41から逆側のシール部42に向けて、包装袋100(表側フィルム100a、裏側フィルム100b)を引裂き始めると、第1引裂き誘導線10が形成された表側フィルム100aでは、その引裂きが、シール部41から離れる方向に進み、例えば、補助誘導線181に達し得る。そして、その引裂きが補助誘導線181に達すると、その引裂きは、補助誘導線181に誘導されて進み、屈曲補助誘導線191に達し得る。引裂きが屈曲補助誘導線191に達すると、その引裂きは、屈曲補助誘導線191に誘導されて第1主誘導線16aに進む。そして、引裂きが第1主誘導線16aに達すると、その引裂きは、第1主誘導線16aに誘導されて、逆側のシール部42(図22参照)に向けて進む(図25におけるLa参照)。
一方、第2引裂き誘導線20が形成された裏側フィルム100bでは、ノッチ30からの引裂きは、前述した表側フィルム100aの引裂きに連れて進みながら第2主誘導線26aに達し得る。そして、その引裂きが第2主誘導線26aに達すると、引裂きは、第2主誘導線26aに誘導されて、逆側のシール部42(図15参照)に向けて進む。
上述したように、ノッチ30から始まった引裂きが、表側フィルム100a及び裏側フィルム100bの双方において逆側のシール部42に達すると、包装袋100が開封される。このように包装袋100が開封されると、図26に示すように、表側フィルム100aの開封切り口の縁線Laが補助誘導線181、屈曲補助誘導線191及び第1主誘導線16aに対応し、裏側フィルム100bの開封切り口の縁線Lbが第2主誘導線26bに対応するようになる。ここで、第1主誘導線16aと第2主誘導線26aとは重ならないように形成されている(図24参照)ので、表側フィルム100aの開封切り口の縁線Laと裏側フィルム100bの開封切り口線Lbとは、少なくとも、第1主誘導線16aと第2主誘導線26aとの対応した部分では重ならずに、ずれた状態(ずれ量Δ)になる。そして、そのずれた部分の表側フィルム100aを摘んで開封された包装袋100を開き、プラスチックファスナ50を容易に開封することができる。
上述した包装袋100は、図27に示すように開封することもできる。
図27において、ノッチ30から、シール部41から逆側のシール部42に向けて、包装袋100(表側フィルム100a、裏側フィルム10b)を引裂き始めると、第1引裂き誘導弱め線10が形成された表側フィルム100aでは、その引裂きが、シール部41から離れる方向に進み、例えば、補助誘導線183に達し得る。そして、その引裂きが補助誘導線183に達すると、その引裂きは、補助誘導線183に誘導されて進み、屈曲補助誘導線191に達し得る。引裂きが屈曲補助誘導線191に達すると、その引裂きは、屈曲補助誘導線191に誘導されて第1主誘導線16bに向けて進む。そして、引裂きが第1主誘導線16bに達すると、その引裂きは、第1主誘導線16bに誘導されて、逆側のシール部42(図22参照)に向けて進む(図27におけるLa参照)。
一方、第2引裂き誘導線20が形成された裏側フィルム100bでは、ノッチ30からの引裂きは、前述した表側フィルム100aの引裂きに連れて進みながら第2主誘導線26bに達し得る。そして、その引裂きが第2主誘導線26bに達すると、引裂きは、第2主誘導線26bに誘導されて、逆側のシール部42(図22参照)に向けて進む(図27におけるLb参照)。
上述したように、ノッチ30から始まった引裂きが、表側フィルム100a及び裏側フィルム100bの双方において逆側のシール部42に達すると、包装袋100が開封される。このように包装袋100が開封されると、図28に示すように、表側フィルム100aの開封切り口の縁線Laが補助誘導線183、屈曲補助誘導線191及び第1主誘導線16bに対応し、裏側フィルム100bの開封切り口の縁線Lbが第2主誘導線26bに対応するようになる。ここで、第1主誘導線16bと第2主誘導線26bとは重ならないように形成されている(図24参照)ので、表側フィルム100aの開封切り口の縁線Laと裏側フィルム100bの開封切り口線Lbとは、少なくとも、第1主誘導線16bと第2主誘導線26bとの対応した部分では重ならずに、ずれた状態(ずれ量Δ)になる。そして、そのずれた部分の裏側フィルム100bを摘んで開封された包装袋100を開き、プラスチックファスナ50を容易に開封することができる。
なお、上述した包装袋100において、屈曲補助誘導線19の数は、5つに限定されず、単数(1つ)であっても、2~4、あるいは6つ以上であってもよい。また、補助誘導線18の数は、3つに限定されず、単数(1つ)であっても、2つ、または4つ以上であってもよい。更に、補助誘導線18は設けなくてもよい。また、更に、裏側フィルム100bに形成される第2主誘導線26a、26bの数は、2つに限定されず、表側フィルム100aに形成される2つの主誘導線16a、16bに重ならなければ、3つ以上であってもよい。また、2つの第1主誘導線16a、16b及び2つの第2主誘導線26a、26bのそれぞれは、シール部41の縁からではなく、シール部41中から、または、シール部41より内側から延びるものであってもよく、対向するシール部42の縁まで至らずに、シール部42に至る手前までのものであってもよい。更に、各屈曲補助誘導線191、192、193、194、195の形状は、図22、図23、図24に示す形状に限定されない。その形状は、2つの第1主誘導線16a、16bの間隔W内の所定位置から、一方の第1主誘導線16aに向かって傾斜して進む一方の部分と、前記所定位置から他方の第1主誘導線16bに向かって前記一方の部分と逆向きに傾斜して進む他方の部分とが屈曲して接合する形状であればよい。例えば、その形状は、前記一方の部分と前記他方の部分とが接合する先端部分が僅かに湾曲する形状であってもよい。
前述した各実施の形態に係る包装袋100においては、シール部41に設けられたノッチ30からの引裂きを誘導する引裂き誘導弱め線(第1引裂き誘導弱め線10、第2引裂き誘導弱め線20)が形成されていたが、シール部41に対向するシール部42に、またはシール部41とシール部42の両方にノッチを設けることができる。この場合、シール部42、またはシール部41とシール部42の両方に設けられたノッチからの引裂きを誘導する引裂き誘導弱め線(第1引裂き誘導弱め線10、第2引裂き誘導弱め線20)を、前述した各実施の形態に係る包装袋100と同様に、形成することができる。
包装袋100の形状は、各図に示された形状(ほぼ矩形形状)に限定されず、任意の形状とすることができる。
なお、本発明は、前述した実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。本発明の趣旨に基づいて種々変形することが可能であり、これらを本発明の範囲から除外するものではない。