JP5071641B2 - 包装袋 - Google Patents

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Description

本発明は、食品用のパウチ等の包装袋に関する。
従来、電子レンジで加熱が可能となる食品用のパウチ(包装袋)が提案されている(特許文献1参照)。このパウチは、重なり合う表裏のプラスチック製シートの周縁がヒートシールされて袋状となり、その上縁辺部の近傍に蒸気抜き部が形成されている。この蒸気抜き部は、孔(弱化部)の周りがシールされた構造となっている。このようなパウチが電子レンジによって加熱されると、内容物から発生する蒸気によって内圧が上昇してパウチは徐々に膨張していく。そして、パウチの内圧が限界を越えると、蒸気抜き部のシール部分が剥離して孔から蒸気が噴出し、パウチの過度の内圧上昇が防止される。
また、前記パウチには、側縁辺部にノッチが形成され、そのノッチから前記蒸気抜き部を横切って対向する側縁辺部まで延びるようにミシン目やレーザ加工部分が形成されている。そして、加熱されたパウチを前記ノッチからミシン目やレーザ加工部分などの引裂き誘導部に沿って引裂くことにより、容易に開封することができる。
特開2002−249176号公報
ところで、前記引裂き誘導部は、表裏のプラスチック製シートそれぞれの同じ位置に形成されている。そのミシン目がシールされた上縁辺部から離れた位置をその上縁辺部に沿って形成されていると、加熱によって膨張したパウチでは、表裏のプラスチック製シートが大きく離間した状態となっているので、ノッチを起点として各ミシン目に沿って表裏のプラスチック製シートを同じように引裂いて開封することが難しい。従って、ミシン目(引裂き誘導部)は、シールされた上縁辺部にできるだけ近い位置をその上縁辺部に沿って形成されることが好ましい。
しかしながら、ミシン目(引裂き誘導部)をシールされた上縁辺部に近い位置に形成すると、前記上縁辺部の幅が比較的狭いため、指で摘むための摘み代が小さくなって、ノッチからの引裂きの開始がし難くなってしまうという新たな問題が生じてしまう。
前述したような問題は、加熱時に膨張する電子レンジ用のパウチだけでなく、ヘッド部分に酸化防止用の不活性ガスを充填するようなパウチ等、離間する表裏のシートのそれぞれに引裂き誘導部を形成するようにした包装袋(パウチ)にも生じうるものである。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、表裏のシートが離間した状態であっても、その開始から終了に至るまでできるだけ容易に引裂いて開封することのできる包装袋を提供するものである。
本発明に係る包装袋は、重なった表裏のシートの少なくとも隣り合う第1縁辺部及び第2縁辺部がシールされてなる包装袋であって、前記第1縁辺部の所定部位に設けられ、開封の起点となる開封起点部と、前記開封起点部から当該開封起点部より前記第2縁辺部に近い終点まで延び、前記開封起点部と前記終点とを結ぶ直線より前記第2縁辺部側にある部分が当該直線より前記第2縁辺部と逆側にある部分より長くなるように、前記表裏のシートのそれぞれに形成された引裂き誘導部とを有し、前記引裂き誘導部は、前記開封起点部より前記終点まで前記第2縁辺部から遠ざかることなく延びる構成となる。
このような構成により、第1縁辺部の所定部位に設けられた開封起点部から当該第1縁辺部に隣り合う第2縁辺部に向かって前記開封起点部より前記第2縁辺部に近い終点まで延びる引裂き誘導部が、前記開封起点部と前記終点とを結ぶ直線より第2縁辺部側にある部分が当該直線より前記第2縁辺部と逆側にある部分より長くなるように表裏のシートのそれぞれに形成されているので、開封起点部から終点まで引裂き誘導部に沿って包装袋を引裂くと、前記開封起点部から前記終点まで直線的に引裂く場合に比べてより早く第2縁辺部に近づきつつ引裂くことができるようになる。そして、前記引裂き誘導部は、前記開封起点部より前記終点まで前記第2縁辺部から遠ざかることなく延びるので、開封起点部から終点まで引裂き誘導部に沿って包装袋を引裂く際に、前記開封起点部から前記終点まで直線的に引裂く場合に比べて更に早く第2縁辺部に近づきつつ引裂くことができるようになる。
また、本発明に係る包装袋において、前記引裂き誘導部は、その全てが前記開封点部と前記終点とを結ぶ直線より前記第2縁辺部側にあるように形成された構成とすることができる。
このような構成により、第1縁辺部の所定部位に設けられた開封起点部から当該第1縁辺部に隣り合う第2縁辺部から遠ざかることなく終点まで延びる引裂き誘導部が、その全てが前記開封起点部と前記終点とを結ぶ直線より第2縁辺部側にあるように表裏のシートのそれぞれに形成されているので、開封起点部から終点まで引裂き誘導部に沿って包装袋を引裂くと、前記開封起点部から前記終点まで直線的に引裂く場合に比べて更に早く第2縁辺部に近づきつつ引裂くことができるようになる。
また、本発明に係る包装袋において、前記引裂き誘導部は、前記第2縁辺部側に凸形状となる区間を含む構成とすることができる。
このような構成により、引裂き誘導部を、開封起点部から終点までの間でそれらを結ぶ直線より第2縁辺部側にあるようにすることができる。
更に、本発明に係る包装袋において、前記第1引裂き誘導部は、前記開封点部から前記第1縁辺部に対して垂直方向に延びる部分を有する構成とすることができる。
このような構成により、開封起点部から第1縁辺部に対して垂直方向に引裂きを開始することができるので、その引裂き開始をより容易に行うことができるようになる。
また、本発明に係る包装袋において、前記引裂き誘導部は、前記終点が前記第2縁辺部の終端に対応するように、形成された構成とすることができる。
このような構成により、第2縁辺部全体を除去するように包装袋を開封することができるようになる。
更に、本発明に係る包装袋において、前記引裂き誘導部は、前記開封起点部から前記第2縁辺部に向けて延びるように形成された第1引裂き誘導部と、前記第1引裂き誘導部に続いて前記終点まで延びる第2引裂き誘導部とを有し、前記第2引裂き誘導部が前記第1引裂き誘導部より長い構成とすることができる。
このような構成により、第1引裂き誘導部を急な傾きに設定することで、より長い第2引裂き誘導部が第2縁辺部により近い位置に形成し得るようになる。従って、開封起点部から第1引裂き誘導部を沿って引裂きがなされ、更に、第2縁辺部により近い第2引裂き誘導部に沿って終点まで比較的長い距離を引裂くことができるようになる。
また、本発明に係る包装袋において、前記第2引裂き誘導部は、前記第2縁辺部と並行するように形成された構成とすることができる。
このような構成により、第2縁辺部に沿うように包装袋を開封することができるようになる。
また、本発明に係る包装袋は、蒸気抜き部が形成された電子レンジ用パウチとすることができる。
この場合、前記引裂き誘導部は、前記蒸気抜き部と前記第2縁辺部との間を通るように形成され構成とすることができる。
本発明に係る包装袋によれば、第1縁辺部に形成された開封起点部から終点まで引裂き誘導部に沿って包装袋を引裂くと、前記開封起点部から前記終点まで直線的に引裂く場合に比べてより早く前記第1縁辺部に隣り合う第2縁辺部に近づきつつ引裂くことができるようになるので、引裂きの開始をし易くするために、開封起点部の第1縁辺部での形成位置を当該第1縁辺部に隣り合う第2縁辺部から遠ざけたとしても、表裏のシートが離間した状態の包装袋において、シールされた第2縁辺部に比較的近く、表裏のシートの離間幅の比較的小さい部位をより長い距離引裂くことができるようになる。従って、表裏のシートが離間した状態であっても、その開始から終了に至るまで比較的容易に引裂いて開封することできるようになる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
本発明の第1の実施の形態に係るパウチ(包装袋)は、図1(a)に示すように構成されている。このパウチ10は、電子レンジでの加熱が可能な、いわゆる平袋タイプのパウチであり、矩形形状となる表裏のプラスチック製のシート101a、101b(後述する図4参照)の4つの縁辺部、即ち、側縁辺部11a(第1縁辺部)、上縁辺部11b(第2縁辺部)、側縁辺部11c及び下縁辺部11dがそれぞれヒートシールされた構造となっている。なお、シール幅は、例えば、4mm〜12mm程度に設定され、特に内容物の充填後に上縁辺部11bをシールする場合、上縁辺部11bのシール幅は8mm〜10mm程度に設定される。また、上縁辺部11bと側縁辺部11cとで挟まれるコーナ部分に蒸気抜き部12が形成されている。この蒸気抜き部12は、特開2002−249176号公報に開示されるものと同様に、孔(弱化部)の周りがシールされた構造となって、パウチ10の内圧が限界を越えると、その蒸気抜き部12(孔)から蒸気が噴出するようになっている。なお、蒸気抜き部12の構成としては、上述したものに限らず、縁辺シール部の所定部位を、狭幅とする、内側に突出させる、易剥離性フィルムを挟んでシールするなどして、パウチ10の内圧が上昇した際に前記所定部位のシールが優先的に剥離するようにしたもの、マイクロ波の照射で発熱する発熱体をフィルム材(シート)に貼り付け、フィルム材が溶融、若しくはシール強度が低下して蒸気が抜けるようにしたものなど、公知のものを適用することができる。
側縁辺部11aの上縁辺部11bから下がった所定部位(例えば、パウチ10の上縁辺部11bから20mm〜30mm程度下がった位置)に開封の起点となるノッチ13(開封起点部)が形成されている。また、パウチ10を構成する表裏のシート101a、101bのそれぞれには、引裂きを誘導する引裂き誘導部20(例えば、貫通していないミシン目)がノッチ13から逆側の側縁辺部11cの終点Pe(上縁辺部11bの終端に対応)まで延びるように形成されている。なお、引裂き誘導部20は、ミシン目の他、レーザ加工、スコア加工、微小傷加工等の手法により形成することができる。また、パウチ10を構成するプラスチック製のシート101a,101bとして多層フィルムを用いた場合、予め切断した中間層フィルムをラミネートすることにより引裂き誘導部20を形成することもできる。引き裂き誘導部20は、ノッチ13から上縁辺部11b側に凸状に湾曲しつつ立ち上がって上縁辺部11bの間際まで延びる第1引き裂き誘導部20aと、第1引き裂き誘導部20aに続いて上縁辺部11bの間際(例えば、シール部分の内縁から5mm以内、望ましくは3mm以内の位置)をその上縁辺部11bと並行して終点Peまで延びる第2引き裂き誘導部20bとから構成されている。上縁辺部11bに並行する第2引き裂き誘導部20bは、ノッチ13から立ち上がる第1引裂き誘導部20aより長く、その終点Peの近傍において、上縁辺部11bと蒸気抜き部12との間を通るように形成されている。
第1引き裂き誘導部20a及び第2引き裂き誘導部20bにて構成される引き裂き誘導部20は、上縁辺部11b側に凸形状となって、上縁辺部11bから遠ざかることなくノッチ13から終点Peまで延びている。更に具体的には、図1(b)に示すように、引裂き誘導部20(第1引裂き誘導部20a、第2引裂き誘導部20b)は、その全ての部分がノッチ13と終点Peとを結ぶ直線Lより上縁辺部11b側にある。
前述したような構造のパウチ10は、加熱前においては、収容する内容物によってある程度膨らんで、表裏のシート101aと101bとが図4(a)に示すように内容物の容積に応じた幅をもって離間した状態となっている。この状態でパウチ10を電子レンジにて加熱すると、内容物から発生する水蒸気によって、パウチ10が膨張して、表裏のシート101aと101bとが図4(b)に示すように大きく離間するようになる。そして、内圧がある限界を越えると、蒸気抜き部12から蒸気が噴出して、それ以上内圧が上昇することが防止される。
電子レンジによる加熱が終了して、図4(b)に示すように表裏のシート101aと101bとが大きく離間した状態のパウチ10は、ノッチ13から開封される。その際、ノッチ13から第1引裂き誘導部20aに沿ってパウチ10が切り裂かれるが、表裏のシート101aと101bとが大きく離間しているので、表裏のシート101a、101bそれぞれを第1引裂き誘導部20aに沿って同じように引裂くことが難しい。しかし、凸状に上縁辺部11bに向けて立ち上がる第1引裂き誘導部20aに沿った引裂きは、直ぐに上縁辺部11bの間際まで達するので、その引裂きが一旦上縁辺部11bの間際まで達してしまえば、続いて、第2引裂き誘導部20bに沿って引裂かれていくようになる。この第2引裂き誘導部20bに沿った引裂きは、表裏のシート101aと101bとの離間幅の比較的小さい上縁辺部11bの間際での引裂きなので、その表裏のシート101aと101bとを同じように引裂くことが容易にできるようになる。
前述したように、第1の実施の形態に係るパウチ10によれば、ノッチ13から終点Peまで第1引裂き誘導部20a及びそれに続く第2引裂き誘導部20bに沿ってパウチ10を引裂くと、ノッチ13から終点Peまで直線的に(図1(b)に示す直線Lに沿って)引裂く場合に比べて、表裏のシート101aと101bとの離間幅の比較的小さい上縁辺部11bの間際により早く近づけつつ引裂くことができるようになる。更に、具体的にいえば、比較的短い第1引裂き誘導部20aに沿った引裂きが直ちに上縁辺部11bの間際に達してしまえば、続いて、表裏のシート101aと101bとの離間幅の比較的小さい上縁辺部11bの間際を比較的長い距離にわたって引裂くことができるようになるので、ノッチ13からの引裂き動作をやり易くするためにそのノッチ13の形成位置を上縁辺部11bからある程度遠ざけたとしても、電子レンジの加熱によって膨張したパウチ10を比較的容易に開封することができるようになる。
前述した第1の実施の形態に係るパウチ(図1参照)の変形例が図2に示される。この変形例では、ノッチ13が、図1に示すパウチ10の場合に比べて、上縁辺部11bから遠ざかった位置に形成されているとともに、引裂き誘導部20´の湾曲した第1引裂き誘導部20a´が、図1に示すパウチ10の場合に比べて長くなっている。即ち、第1引裂き誘導部20a´は、ノッチ13からパウチ10の幅方向における中心線Lc上の点を中心とした円弧に沿って上縁辺部11bの間際の前記中心線Lcに達するまで延びている。そして、その第1引き裂き誘導部20a´に続いて上縁辺部11bの間際をその上縁辺部11bと並行して終点Peまで第2引き裂き誘導部20b´が形成されている。
このようなパウチ10によれば、第1の実施の形態の場合と同様に、電子レンジによって加熱されて膨張した状態のパウチ10であっても、ノッチ13から引裂き誘導部20´(第1引裂き誘導部20a´、第2引裂き誘導部20b´)に沿って表裏のシート101a、101bを容易に引裂き、そのパウチ10を容易に開封することができるようになる。
本発明の第2の実施の形態に係るパウチは、図3(a)に示すように構成される。このパウチ10では、パウチ10に形成される引裂き誘導部21の第1引裂き誘導部21aの形状が、前述した(図1(a)参照)第1引裂き誘導部20aの形状と異なっている。
図3(a)において、引裂き誘導部21は、側縁辺部11aの上縁辺部11bから下がった所定部位に形成されたノッチ13から上縁辺部11bに向けて立ち上がる第1引裂き誘導部21aと、第1引き裂き誘導部21aに続いて上縁辺部11bの間際をその上縁辺部11bと並行して終点Peまで延びる第2引裂き誘導部20bとから構成されている。第1引裂き誘導部20aは、ノッチ13から側縁辺部13に略垂直方向に僅かに出てから急激に立ち上がって上縁辺部11bの間際に達するようになっている。
このような第1引裂き誘導部21aと、それに続いて上縁辺部11bの間際をその上縁辺部11bと並行して形成された第2引裂き誘導部21bとから構成される引裂き誘導部21は、上縁辺部11bから遠ざかることなくノッチ13から終点Peまで延びている。更に具体的には、図3(b)に示すように、ノッチ13と終点Peとを結ぶ直線Lより上縁辺部11b側にある部分E2が前記直線Lより上縁辺部11bと逆側にある部分E1より長くなるように、引裂き誘導部21(第1引裂き誘導部21a及び第2引裂き誘導部21b)が形成されている。
このようなパウチ10によれば、ノッチ13から側縁辺部11aに略垂直な方向に引裂きを開始すれば第1引裂き誘導部21aに沿って引裂くことができるようになるので、その引裂き開始を容易に行うことができるようになる。また、前述した第1の実施の形態と同様に、比較的短い第1引裂き誘導部21aに沿った引裂きが直ちに上縁辺部11bの間際に達してしまえば、続いて、表裏のシート101aと101bとの離間幅の比較的小さい上縁辺部11bの間際を比較的長い距離にわたって引裂くことができるようになるので、電子レンジの加熱によって膨張したパウチ10を比較的容易に開封することができるようになる。
本発明の第3の実施の形態に係るパウチは、図5に示すように構成される。このパウチ10は、特に電子レンジ用ではなく、通常の平袋タイプのパウチである。図5において、パウチ10の側縁辺部11aに形成されたノッチ13から延びる引裂き誘導部22が、上縁辺部11b側に凸形状となり、上縁辺部11bから遠ざかることなく徐々にその上縁辺部11bに近づきつつ逆側の側縁辺部11cの終点Peに達している。このようなパウチ10によれば、第1の実施の形態と同様に、ノッチ13から終点Peまで引裂き誘導部22に沿ってパウチ10を引裂くと、ノッチ13から終点Peまで直線的に引裂く場合に比べてより早く側縁辺部11aに隣り合う上縁辺部11bに近づきつつ引裂くことができるようになるので、引裂きの開始をし易くするために、ノッチ13の側縁辺部11aでの形成位置を上縁辺部11bから遠ざけたとしても、表裏のシート101aと101とが離間した状態のパウチ10において、シールされた上縁辺部11bに比較的近く、表裏のシートの離間幅の比較的小さい部位をより長い距離引裂くことができるようになる。よって、不活性ガスを充填するなどして表裏のシート101aと101bとが離間した状態であっても、パウチ10をその開始(ノッチ13)から終了(終点Pe)に至るまで比較的容易に引裂いて開封することできるようになる。
本発明の第4の実施の形態に係るパウチは、図6に示すように構成される。このパウチ10は、ノッチ13から逆側の側縁辺部11cの終点Peまで延びる引裂き誘導部23を構成する第1引裂き誘導部23aが直線である点で、第1の実施の形態に係るパウチ(図1(a)参照)と異なる。
このパウチ10では、引裂き誘導部23は、ノッチ13から直線的に上縁辺部11bの間際まで延びる第1引裂き誘導部23aと、第1引裂き誘導部23aに続いて上縁辺部11bの間際をその上縁辺部11bと並行して終点Peまで延びる第2引裂き誘導部23bとから構成されている。即ち、この引裂き誘導部23は、上縁辺部11b側に凸形状となって、上縁辺部11bから遠ざかることなくノッチ13から終点Peまで延びている。また、第2引裂き誘導部23bは第1引裂き誘導部23aより長い。このようなパウチ10によれば、前述した各実施の形態と同様に、ノッチ13から終点Peまで引裂き誘導部23に沿ってパウチ10を引裂くと、ノッチ13から終点Peまで直線的に引裂く場合に比べてより早く側縁辺部11aに隣り合う上縁辺部11bに近づきつつ引裂くことができるようになる。よって、電子レンジの加熱によって表裏のシート101aと101bとが離間した状態であっても、パウチ10をその開始(ノッチ13)から終了(終点Pe)に至るまで比較的容易に引裂いて開封することできるようになる。
本発明の第5の実施の形態に係るパウチ10は、図7に示すように構成される。このパウチ10は、引裂き誘導部24が、それぞれ直線状の第1引裂き誘導部24a及び第2引裂き誘導部24bにて構成される点では、第4の実施の形態の場合と同じであるが、第1引裂き誘導部24aが上縁辺部11bの間際まで達していない点、及び、それに伴って、第2引裂き誘導部24bが徐々に上縁辺部11bの間際に近づきつつ終点Peに達するように形成された点で、第4の実施の形態の場合と異なる。このような引裂き誘導部24であっても、各実施の形態と同様に、ノッチ13から終点Peまで引裂き誘導部24に沿ってパウチ10を引裂くと、ノッチ13から終点Peまで直線的に引裂く場合に比べてより早く側縁辺部11aに隣り合う上縁辺部11bに近づきつつ引裂くことができるようになる。よって、電子レンジの加熱によって表裏のシート101aと101bとが離間した状態であっても、パウチ10をその開始(ノッチ13)から終了(終点Pe)に至るまで比較的容易に引裂いて開封することできるようになる。
本発明の第6の実施の形態に係るパウチ10は、図8に示すように構成される。このパウチ10は、ノッチ13の形成された側縁辺部11aと上縁辺部11bとの境界となるコーナ部分(シール領域)の内縁の半径が外縁の半径より大きくなって、そのコーナ部分の幅が側縁辺部11a及び上縁辺部11bそれぞれの幅より大きくなっている。そして、引裂き誘導部25が、前記コーナ部分の内縁の間際に沿って形成された第1引裂き誘導部25aと、その第1引裂き誘導部25aに続いて上縁辺部11bの間際に沿って終点Peまで延びる第2引裂き誘導部25bとによって構成されている。
このようなパウチ10によれば、引裂き誘導部25の全体がシール領域の内縁の間際に沿って形成されるので、具体的には、第1引裂き誘導部25aが側縁辺部11aと上縁辺部11bとの境界のコーナ部分の内縁の間際に沿って、第2引裂き誘導部25bが上縁辺部11bの間際に沿って、それぞれ形成されているので、電子レンジによる加熱によってパウチ10が膨張した状態となっても、引裂き誘導部25(第1引裂き誘導部25a、第2引裂き誘導部25b)の形成されたシール領域の間際では、表裏のシート101aと101bとの離間幅の比較的小さい状態が維持される。従って、ノッチ13から引裂き誘導部25(第1引裂き誘導部25a、第2引裂き誘導部25b)に沿ってその終点Peまで表裏のシート101a、101bを同じように引裂いていくことができ、パウチ10の開封を容易に行うことができるようになる。
前述した各実施の形態に係るパウチは、平袋タイプのものであったが、これに限られることはなく、スタンディングタイプのもの、分岐タイプのもの(分岐部に蒸気抜き部を設けたものや、分岐部により加熱時にパウチが立ち上がるようにしたものなど(特開2003-081360号公報、特開2005−320023号公報、特開2006−062672号公報等参照))など、種々のタイプのものを用いることができる。
本発明の第7の実施の形態に係るパウチ10は、図9に示すように構成される。このパウチ10は、前記スタンディングタイプのパウチであって、蒸気抜き部12と逆側の下方部分15が広がって自立するようになっている。各周縁辺部(側縁辺部11a、上縁辺部11b、側縁辺部11c、下縁辺部11d)は、前述した各実施の形態に係るパウチと同様に熱シールされて、袋状となっている。
引裂き誘導部26は、第1引裂き誘導部26aとそれに続く第2引裂き誘導部26bとから構成されている。第1引裂き誘導部26aは、第2の実施の形態の場合(図3参照)と同様に、ノッチ13から側縁辺部11bに略垂直方向に僅かに出てから急激に立ち上がって上縁辺部11bの間際に達するようになっている。第2引裂き誘導部26bは、第1引裂き誘導部26bから続いて上縁辺部11bの間際に沿って延び、更に、蒸気抜き部12の近傍で、その蒸気抜き部12を巻くようにして上縁辺部11bから離れて終点Peに至っている。ただし、その終点Peは、ノッチ13(開封起点部)の上縁辺部11b(第2縁辺部)からの距離よりも上縁辺部11bに近い位置となっている。
このようなパウチ10によれば、第2の実施の形態に係るパウチ(図3参照)と同様に、ノッチ13から側縁辺部11aに略垂直な方向に引裂きを開始すれば第1引裂き誘導部26aに沿って引裂くことができるようになるので、その引裂き開始を容易に行うことができるようになる。また、比較的短い第1引裂き誘導部26aに沿った引裂きが直ちに上縁辺部11bの間際に達してしまえば、続いて、表裏のシート101aと101bとの離間幅の比較的小さい上縁辺部11bの間際を比較的長い距離にわたって引裂くことができるようになるので、電子レンジの加熱によって膨張したパウチ10を比較的容易に開封することができるようになる。
また、パウチ10の上下方向において切裂き誘導部26の始点(ノッチ13)と終点Peとの距離が小さくなるので、その切裂き誘導部26を形成する際に、その上下方向への加工機の移動量を小さくできるので、生産性を向上させることができる。
以上、説明したように、本発明に係る包装袋は、表裏のシートが離間した状態であっても、その開始から終了に至るまでできるだけ容易に引裂いて開封することできるという効果を有し、電子レンジで加熱が可能となる食品用のパウチ等として有用である。
本発明の第1の実施の形態に係るパウチ(包装袋)を示す平面図(a)と、そのパウチに形成された引裂き誘導部の形状を示す図(b)である。 本発明の第1の実施の形態に係るパウチの変形例を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るパウチ(包装袋)を示す平面図(a)と、そのパウチに形成された引裂き誘導部の形状を示す図(b)である。 加熱前のパウチの断面形状を示す部分断面図(a)と加熱後のパウチの断面形状を示す部分断面図(b)である。 本発明の第3の実施の形態に係るパウチ(包装袋)を示す平面図である。 本発明の第4の実施の形状に係るパウチ(包装袋)を示す平面図である。 本発明の第5の実施の形態に係るパウチ(包装袋)を示す図である。 本発明の第6の実施の形態に係るパウチ(包装袋)を示す図である。 本発明の第7の実施の形態に係るパウチ(包装袋)を示す図である。
符号の説明
10 パウチ(包装袋)
11a 側縁辺部(第1縁辺部)
11b 上縁辺部(第2縁辺部)
11c 側縁辺部
11d 下縁辺部
12 蒸気抜き部
13 ノッチ(開封起点部)
20、21、22、23、24 引裂き誘導部
20a、21a、22a、23a、24a 第1引裂き誘導部
20b、21b、22b、23b、24b 第2引裂き誘導部
101a、101b シート

Claims (9)

  1. 重なった表裏のシートの少なくとも隣り合う第1縁辺部及び第2縁辺部がシールされてなる包装袋であって、
    前記第1縁辺部の所定部位に設けられ、開封の起点となる開封起点部と、
    前記開封起点部から当該開封起点部より前記第2縁辺部に近い終点まで延び、前記開封起点部と前記終点とを結ぶ直線より前記第2縁辺部側にある部分が当該直線より前記第2縁辺部と逆側にある部分より長くなるように、前記表裏のシートのそれぞれに形成された引裂き誘導部とを有し、
    前記引裂き誘導部は、前記開封起点部より前記終点まで前記第2縁辺部から遠ざかることなく延びることを特徴とする包装袋。
  2. 前記引裂き誘導部は、その全てが前記開封点部と前記終点とを結ぶ直線より前記第2縁辺部側にあるように形成されたことを特徴とする請求項1記載の包装袋。
  3. 前記引裂き誘導部は、前記第2縁辺部側に凸形状となる区間を含むことを特徴とする請求項1または2記載の包装袋。
  4. 前記引裂き誘導部は、前記開封点部から前記第1縁辺部に対して垂直方向に延びる部分を有することを特徴とする請求項1記載の包装袋。
  5. 前記引裂き誘導部は、前記終点が前記第2縁辺部の終端に対応するように形成されたことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の包装袋。
  6. 前記引裂き誘導部は、前記開封起点部から前記第2縁辺部に向けて延びるように形成された第1引裂き誘導部と、
    前記第1引裂き誘導部に続いて前記終点まで延びる第2引裂き誘導部とを有し、
    前記第2引裂き誘導部が前記第1引裂き誘導部より長いことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の包装袋。
  7. 前記第2引裂き誘導部は、前記第2縁辺部と並行するように形成されたことを特徴とする請求項に記載の包装袋。
  8. 蒸気抜き部が形成された電子レンジ用パウチであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の包装袋。
  9. 前記引裂き誘導部は、前記蒸気抜き部と前記第2縁辺部との間を通るように形成されたことを特徴とする請求項記載の包装袋。
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