JP7119489B2 - 被覆積層体、複合成形容器および複合成形容器の製造方法 - Google Patents

被覆積層体、複合成形容器および複合成形容器の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、被覆積層体、複合成形容器および複合成形容器の製造方法に関する。
従来から、ガスバリア性を付与したカップ状の容器として、例えば特許文献1に記載されているように、ガスバリア性樹脂層と熱可塑性樹脂層とを有する透明多層シートを熱可塑性樹脂層が外面側になるようにシート成形法によって容器形状に成形してなる容器内面部構成体と、該容器内面部構成体の外面側に熱可塑性樹脂層と接着性を有する熱可塑性樹脂を射出成形して容器内面部構成体と一体に形成した容器外面部構成体とからなる透明容器が知られている。
実開平7-44724号公報
上記の特許文献1の例では、ガスバリア性樹脂層が容器の内面側、すなわち内容物側に位置する。この場合、容器内面部構成体と容器外面部構成体との接着性には問題がないものの、レトルト殺菌などで内容物が加熱された場合に、容器内面部構成体の表面に凹凸が生じて外観不良になる場合があった。これは、内容物の加熱時に容器内が高温高湿の雰囲気になることによって、例えばエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)のような吸湿性のあるガスバリア性樹脂層が吸湿および膨潤するためである。
そこで、本発明は、射出成形容器とその内容物側を被覆する被覆積層体とを含む複合成形容器において、内容物の加熱時の高温高湿の容器内雰囲気が被覆積層体のバリア層に与える影響を低減することが可能な被覆積層体、複合成形容器、および複合成形容器の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のある観点によれば、射出成形容器と、射出成形容器の内容物側を被覆する被覆積層体とを含む複合成形容器に用いられる被覆積層体は、少なくとも1層のバリア層と、バリア層に対して内容物側に形成される第1の基材層と、バリア層に対して射出成形容器側に形成される第2の基材層とを含み、第1の基材層が第2の基材層よりも厚く形成される。
本発明の別の観点によれば、射出成形容器と、射出成形容器の内容物側を被覆する上記の被覆積層体とを含む複合成形容器が提供される。
本発明の別の観点によれば、上記の複合成形容器の製造方法であって、被覆積層体を金型内に装着する工程と、金型内に射出成形容器を形成する樹脂材料を射出する工程とを含む複合成形容器の製造方法が提供される。
本発明のさらに別の観点によれば、上記の複合成形容器の製造方法であって、被覆積層体を、射出成形容器の内容物側に沿う形状に成形する工程と、成形された被覆積層体を金型内に配置する工程と、金型内に射出成形容器を形成する樹脂材料を射出する工程とを含む複合成形容器の製造方法が提供される。
上記の構成では、第2の基材層によって射出成形容器と被覆積層体の樹脂とを溶着するための必要最低限の厚みを確保する一方で、第1の基材層によってバリア層を内容物から十分に離隔させることができる。従って、上記の構成では、内容物の加熱時の高温高湿の容器内雰囲気がバリア層に与える影響が低減され、バリア層に含まれるEVOHなどの吸湿性があるガスバリア性樹脂が吸湿及び膨潤することによって生じる外観不良を防止することができる。
本発明では、射出成形容器とその内容物側を被覆する被覆積層体とを含む複合成形容器において、内容物の加熱時の高温高湿の容器内雰囲気が被覆積層体のバリア層に与える影響を低減することができる。
本発明の第1の実施形態に係る複合成形容器の断面図である。 図1に示される複合成形容器に含まれる被覆積層体の積層構造を示す模式的な断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る複合成形容器の製造方法について説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係る複合成形容器に含まれる被覆積層体の積層構造を示す模式的な断面図である。 本発明の実施形態において適用可能な構造の第1の例を示す断面図である。 本発明の実施形態において適用可能な構造の第2の例を示す断面図である。 本発明の実施形態において適用可能な構造の第3の例を示す断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る複合成形容器の断面図である。図1に示されるように、複合成形容器10は、射出成形容器11と、被覆積層体12と、加飾ラベル13とを含む。複合成形容器10には、例えばヒートシールなどによって蓋体14が接合される。以下、各部の構成についてさらに説明する。
射出成形容器11は、例えばポリオレフィン系樹脂で形成され、複合成形容器10に必要な機械的強度、耐熱性、および耐衝撃性などを発揮する。ポリオレフィン系樹脂としては、ホモポロプロピレン(HPP)、ランダムポリプロピレン(RPP)もしくはブロックポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン(HDPE)もしくは低密度ポリエチレン(LDPE)などのポリエチレン系樹脂、ポリブチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、または直鎖状エチレン-α-オレフィン共重合体などが用いられる。射出成形容器11は、後述するように金型内に上記のような樹脂材料を射出する、いわゆるインモールド射出成形によって形成される。図示された例において、射出成形容器11は、底面部111、側面部112およびフランジ部113を含む形状に成形されているが、この例には限られず容器として利用可能な各種の形状に成形されうる。
被覆積層体12は、例えばエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)で形成されるバリア層と、例えばポリオレフィン系樹脂で形成される少なくとも2層の基材層とを含む積層体であり、射出成形容器11の内容物側を被覆する。本実施形態において、被覆積層体12は射出成形容器11の底面部111、側面部112およびフランジ部113を含むほぼ全体を被覆し、フランジ部113において蓋体14に接合される。被覆積層体12は、後述するように金型内に予め装着または配置され、そこに射出成形容器11の樹脂材料が射出されることによって射出成形容器11の内容物側に接着される。後述するように、被覆積層体12においてバリア層の両側にある基材層の厚さを調節することによって、本実施形態では内容物の加熱時の高温高湿の容器内雰囲気が被覆積層体12のバリア層に与える影響を低減している。
加飾ラベル13は、例えばポリプロピレン系樹脂で形成される印刷基材層や表面保護層などを含み、射出成形容器11の内容物側とは反対側を少なくとも部分的に被覆する。本実施形態では被覆積層体12によってガスバリア性が提供されるため、加飾ラベル13は必ずしもバリア性を有さなくてもよく、従って射出成形容器11を部分的に覆っていてもよい。例えば、加飾ラベル13は、射出成形容器11の底面部111および側面部112の平坦面だけを覆っていてもよい。加飾ラベル13は、後述するように金型内で被覆積層体12とは反対側に予め装着または配置され、そこに射出成形容器11の樹脂材料が射出されることによって射出成形容器11に接着される。なお、本実施形態において加飾ラベル13は複合成形容器10の意匠性を高めることを目的としており、ガスバリア性などの機能を提供するものではないため、省略することも可能である。
蓋体14は、例えばEVOHで形成されるバリア層と、例えばポリオレフィン系樹脂で形成される基材層とを含むシート状、またはフィルム状の積層体であり、射出成形容器11のフランジ部113で、射出成形容器11の内容物側を被覆する被覆積層体12に接合される。蓋体14と被覆積層体12との間は、例えばヒートシール、超音波シール、または接着剤を用いた接合など公知の各種の手法で接合される。いずれもバリア層を含む被覆積層体12および蓋体14が互いに接合されて内容物が収納される収納空間Sを密封することによって、内容物に対するガスバリア性を提供することができる。なお、他の例では、射出成形容器11および被覆積層体12と同様に構成された成形容器(射出成形容器でなくてもよい)および被覆積層体が蓋体14の代わりに配置されてもよい。
図2は、図1に示される複合成形容器に含まれる被覆積層体の積層構造を示す模式的な断面図である。図2に示されるように、被覆積層体12は、バリア層121と、バリア層121に対して内容物側(図中の上側)に形成される内容物側基材層122(第1の基材層)と、バリア層121に対して射出成形容器側(図中の下側)に形成される容器側基材層123(第2の基材層)とを含む。バリア層121は、例えばEVOH、またはポリキシリレンジアミンジパミドなどのガスバリア性に優れる材料で形成される。図示された例では1層のバリア層121が形成されているが、2層以上のバリア層が形成されてもよい。バリア層121の両側には、接着層121A,121Bが形成される。
内容物側基材層122は、第1の樹脂材料によって形成される樹脂層122Aと、第2の樹脂材料によって形成される樹脂層122Bと、第3の樹脂材料によって形成される樹脂層122Cとを含む。容器側基材層123は、第1の樹脂材料によって形成される樹脂層123Aと、第2の樹脂材料によって形成される樹脂層123Bとを含む。内容物側基材層122および容器側基材層123の各層を形成する第1の樹脂材料、第2の樹脂材料、および第3の樹脂材料は、ポリプロピレン系樹脂またはポリエチレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂である。例えば、第1の樹脂材料として再生材料を用いてもよい。
本実施形態では、内容物側基材層122(第1の基材層)および容器側基材層123(第2の基材層)で同じ樹脂材料(第2の樹脂材料)によって形成される樹脂層122B,123Bについて、容器側基材層123に含まれる樹脂層123Bが内容物側基材層122に含まれる樹脂層122Bよりも薄く形成される。このような構成は、例えば、被覆積層体12の各層を共押出によって形成するときに、内容物側基材層122側および容器側基材層123側にそれぞれ第2の樹脂材料を供給する経路のうち、容器側基材層123側の経路を絞り、容器側基材層123側に供給される第2の樹脂材料を内容物側基材層122側よりも少なくすることによって可能になる。
他の例では、第1の樹脂材料によって形成される樹脂層122A,123Aについて、容器側基材層123に含まれる樹脂層123Aを内容物側基材層122に含まれる樹脂層122Aよりも薄く成形してもよい。このような構成は、例えば、被覆積層体12の各層を共押出によって形成するときに、内容物側基材層122側および容器側基材層123側にそれぞれ第1の樹脂材料を供給する経路のうち、容器側基材層123側の経路を絞り、容器側基材層123側に供給される第1の樹脂材料を内容物側基材層122側よりも少なくすることによって可能になる。
本実施形態では、内容物側基材層122(第1の基材層)が容器側基材層123(第2の基材層)よりも厚く形成される結果、バリア層121から内容物までの距離dが、バリア層121から射出成形容器11までの距離dに比べて大きくなる。それゆえ、距離dによって射出成形容器11と被覆積層体12の樹脂とを溶着するための必要最低限の厚みを確保する一方で、距離dを大きくしてバリア層121を内容物から離隔させることが可能であり、従って内容物の加熱時の高温高湿の容器内雰囲気によってバリア層121に含まれるEVOHなどの吸湿性があるガスバリア性樹脂が吸湿および膨潤して被覆積層体12の表面に凹凸が生じるのを防止することができる。
(複合成形容器の製造方法)
図3は、本発明の第1の実施形態に係る複合成形容器の製造方法について説明するための図である。図示されているように、複合成形容器10は、シート状、またはフィルム状の被覆積層体12を金型15内に装着し、その上で金型15内に射出成形容器11を形成する樹脂材料16を射出することによって製造される。あるいは、被覆積層体12を真空成形、圧空成形、またはプレス成形などによって射出成形容器11の内容物側に沿う形状に成形する工程が先に実行され、成形された被覆積層体12を金型15内に配置した上で、金型15内に射出成形容器11を形成する樹脂材料16を射出してもよい。なお、図示されているように、複合成形容器10が加飾ラベル13を含む場合、加飾ラベル13も樹脂材料16を射出する前に金型15内に装着または配置される。
(第2の実施形態)
次に、図4を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態に係る複合成形容器は、被覆積層体22の構成について第1の実施形態とは異なるものの、それ以外の構成および製造方法については第1の実施形態と同様であるため、以下では被覆積層体22の構成について説明し、それ以外の重複した説明については省略する。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る複合成形容器に含まれる被覆積層体の積層構造を示す模式的な断面図である。図4に示されるように、被覆積層体22は、バリア層121と、バリア層121に対して内容物側(図中の上側)に形成される内容物側基材層222(第1の基材層)と、バリア層121に対して射出成形容器側(図中の下側)に形成される容器側基材層223(第2の基材層)とを含む。バリア層121は第1の実施形態と同様にガスバリア性に優れる材料で形成され、バリア層121の両側には接着層121A,121Bが形成される。
内容物側基材層222は、第1の樹脂材料によって形成される樹脂層222Aと、第2の樹脂材料によって形成される樹脂層222Bとを含む。容器側基材層223は、第1の樹脂材料によって形成される樹脂層223Aと、第3の樹脂材料によって形成される樹脂層223Cとを含む。内容物側基材層222および容器側基材層223の各層を形成する第1の樹脂材料、第2の樹脂材料、および第3の樹脂材料は、ポリプロピレン系樹脂またはポリエチレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂である。例えば、第1の樹脂材料として再生材料を用いてもよい。
本実施形態では、内容物側基材層222(第1の基材層)が第1の樹脂材料によって形成される樹脂層222Aと、第2の樹脂材料によって形成される樹脂層222Bとを含むのに対して、容器側基材層223(第2の基材層)は第1の樹脂材料によって形成される樹脂層223Aを含み、第2の樹脂材料によって形成される樹脂層を含まない。このような構成は、例えば、被覆積層体22の各層を共押出によって形成するときに、内容物側基材層222側および容器側基材層223側にそれぞれ第2の樹脂材料を供給する経路のうち、容器側基材層223側の経路を遮断することによって、容器側基材層223側に第2の樹脂材料を供給しないことによって可能になる。
他の例では、内容物側基材層222が第1の樹脂材料によって形成される樹脂層222Aと、第2の樹脂材料によって形成される樹脂層222Bとを含むのに対して、容器側基材層223が第1の樹脂材料によって形成される樹脂層を含まず、第2の樹脂材料によって形成される樹脂層を含んでもよい。このような構成は、例えば、被覆積層体22の各層を共押出によって形成するときに、内容物側基材層222側および容器側基材層223側にそれぞれ第1の樹脂材料を供給する経路のうち、容器側基材層223側の経路を遮断することによって、容器側基材層223側に第1の樹脂材料を供給しないことによって可能になる。
本実施形態でも、内容物側基材層222(第1の基材層)が容器側基材層223(第2の基材層)よりも厚く形成される結果、バリア層121から内容物までの距離dが、バリア層121から射出成形容器11までの距離dに比べて大きくなる。それゆえ、第1の実施形態と同様に、距離dによって射出成形容器11と被覆積層体22の樹脂とを溶着するための必要最低限の厚みを確保する一方で、距離dを大きくしてバリア層121を内容物から離隔させることが可能であり、従って内容物の加熱時の高温高湿の容器内雰囲気によってバリア層121に含まれるEVOHなどの吸湿性があるガスバリア性樹脂が吸湿および膨潤して被覆積層体22の表面に凹凸が生じるのを防止することができる。
上記で説明した本発明の第1および第2の実施形態では、バリア層121に含まれるEVOHなどの吸湿性があるガスバリア性樹脂の吸湿および膨潤を防止する観点から、内容物側基材層122,222の厚みを270μm以上とすることが好ましい。この場合、バリア層121から内容物までの距離dは270μmよりも大きくなる。また、上記で説明した本発明の第1および第2の実施形態では、射出成形容器11と被覆積層体12,22の樹脂とを十分に溶着させる観点から、容器側基材層123,223の厚みを60μm以上とすることが好ましい。これによって、この場合、バリア層121から射出成形容器11までの距離dは60μmよりも大きくなる。
(適用可能な構造)
図5は、本発明の実施形態において適用可能な構造の第1の例を示す断面図である。図5(A)に示すように、複合成形容器30は、射出成形容器11、被覆積層体32、および加飾ラベル13を含む。被覆積層体32は表面層321および表面下層322を含み、表面層321に切り込み323が形成される。フランジ部113に形成された接合領域113Aにおける表面層321と蓋体14との接合強度は、被覆積層体32における表面層321と表面下層322との層間接合強度よりも強い。これによって、図5(B)に示すように、開封時には接合領域113Aで表面層321と表面下層322との間が層間剥離する。層間剥離した表面層321は切り込み323で破断し、それによって蓋体14が被覆積層体32および射出成形容器11から分離される。
上記のような被覆積層体32と蓋体14との接合構造は、例えば特開昭63-78号公報などの文献に記載されている。切り込み323の代わりに、表面層321が薄く成形された部分、または表面層321が途切れた部分を形成してもよい。表面層321と表面下層322との層間接合強度を弱めることによって開封を容易にすることができる一方で、接合領域113Aでの接合強度を強くすることによって耐内圧性を高めることができる。本発明の実施形態では、複合成形容器が射出成形容器と被覆積層体とを含んで構成されることによって、上記のような被覆積層体32と蓋体14との接合構造を採用することができる。例えば、第1の実施形態で上記の接合構造を採用した場合、被覆積層体12の樹脂層122Cを表面層321とし、それ以外の層を表面下層322としてもよい。
図6は、本発明の実施形態において適用可能な構造の第2の例を示す断面図である。図6(A)に示すように、複合成形容器40は、射出成形容器11、被覆積層体42、および加飾ラベル13を含む。被覆積層体42は表面層421および表面下層422を含み、表面層421および表面下層422を形成する樹脂によって樹脂溜まり部423が形成される。一方、蓋体44は、シール層441および外層442を含み、シール層441を形成する樹脂によって樹脂溜まり部443が形成される。被覆積層体42の表面層421の凝集強度は、フランジ部113に形成された接合領域113Aにおける表面層421と表面下層422との接合強度よりも弱く、また被覆積層体42および蓋体44の各層の間の層間接合強度、および被覆積層体42と射出成形容器11との間の接合強度よりも弱い。これによって、図6(B)に示すように、開封時には接合領域113Aで表面層421が凝集破壊される。表面層421の凝集破壊は樹脂溜まり部423で途切れ、それによって蓋体44が被覆積層体42および射出成形容器11から分離される。
上記のような被覆積層体42と蓋体44との接合構造は、例えば特許第5001962号公報などの文献に記載されている。図7の第3の例に示すように、被覆積層体42の表面層421ではなく蓋体44のシール層441を凝集破壊させてもよい。表面層421またはシール層441の凝集強度を弱めることによって開封を容易にすることができる一方で、接合領域113Aでの接合強度を強くすることによって耐内圧性を高めることができる。本発明の実施形態では、複合成形容器が射出成形容器と被覆積層体とを含んで構成されることによって、上記のような被覆積層体42と蓋体44との接合構造を採用することができる。例えば、第1の実施形態で上記の接合構造を採用した場合、被覆積層体12の樹脂層122Cを表面層421とし、それ以外の層を表面下層422および基材層423としてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において、各種の変形例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10,20…複合成形容器、11…射出成形容器、12,22…被覆積層体、13…加飾ラベル、14…蓋体、15…金型、16…樹脂材料、121…バリア層、122,222…内容物側基材層、123,223…容器側基材層。

Claims (9)

  1. 射出成形容器と、前記射出成形容器の内容物側を被覆する被覆積層体とを含む複合成形容器に用いられる被覆積層体であって、
    少なくとも1層のバリア層と、
    前記バリア層に対して前記内容物側に形成される第1の基材層と、
    前記バリア層に対して前記射出成形容器側に形成される第2の基材層と
    を含み、
    前記第1の基材層が前記第2の基材層よりも厚く形成され
    前記第1の基材層の厚みが270μm以上であることを特徴とする被覆積層体。
  2. 前記第2の基材層の厚みが60μm以上である、請求項1に記載の被覆積層体。
  3. 射出成形容器と、前記射出成形容器の内容物側を被覆する被覆積層体とを含む複合成形容器に用いられる被覆積層体であって、
    少なくとも1層のバリア層と、
    前記バリア層に対して前記内容物側に形成される第1の基材層と、
    前記バリア層に対して前記射出成形容器側に形成される第2の基材層と
    を含み、
    前記第1の基材層が前記第2の基材層よりも厚く形成され、
    前記第2の基材層の厚みが60μm以上であることを特徴とする被覆積層体。
  4. 前記第1の基材層および前記第2の基材層は、同じ樹脂材料によって形成される樹脂層を含み、
    前記第2の基材層に含まれる前記樹脂層は、前記第1の基材層に含まれる前記樹脂層よりも薄く形成される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の被覆積層体。
  5. 前記第1の基材層は、第1の樹脂材料によって形成される樹脂層と、第2の樹脂材料によって形成される樹脂層とを含み、
    前記第2の基材層は、前記第1の樹脂材料によって形成される樹脂層を含み、前記第2の樹脂材料によって形成される樹脂層を含まない、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の被覆積層体。
  6. 前記射出成形容器の前記内容物側とは反対側を少なくとも部分的に被覆する加飾ラベルをさらに含む、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の被覆積層体。
  7. 射出成形容器と、前記射出成形容器の内容物側を被覆する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の被積層体とを含む複合成形容器。
  8. 請求項7に記載の複合成形容器の製造方法であって、
    前記被覆積層体を金型内に装着する工程と、
    前記金型内に前記射出成形容器を形成する樹脂材料を射出する工程と
    を含む複合成形容器の製造方法。
  9. 請求項7に記載の複合成形容器の製造方法であって、
    前記被覆積層体を、前記射出成形容器の内容物側に沿う形状に成形する工程と、
    前記成形された被覆積層体を金型内に配置する工程と、
    前記金型内に前記射出成形容器を形成する樹脂材料を射出する工程と
    を含む複合成形容器の製造方法。
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