JPH09164556A - 多層射出成形物 - Google Patents

多層射出成形物

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JPH09164556A
JPH09164556A JP1590196A JP1590196A JPH09164556A JP H09164556 A JPH09164556 A JP H09164556A JP 1590196 A JP1590196 A JP 1590196A JP 1590196 A JP1590196 A JP 1590196A JP H09164556 A JPH09164556 A JP H09164556A
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layer
multilayer injection
molded article
oxygen gas
gas barrier
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JP1590196A
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Hiroshi Kawasaki
浩志 河▲崎▼
Takekuni Seki
関  武邦
Hiroto Kashima
浩人 鹿島
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い酸素ガスバリア性能と遮光性能を備えるこ
とを特徴とする多層射出成形物の提供。 【解決手段】二種類の熱可塑性樹脂からなり、三層の層
構成を有する多層射出成形物において、該成形物の外側
表面あるいは内側表面のいずれか一方が、酸素ガスバリ
ア性に優れたフィルムで被覆されていることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素ガスバリア性
及び遮光性能、特に紫外線吸収性能に優れた多層構造の
プラスチック成形物に関するものであり、詳しくは食料
品、飲料、化粧品、医薬品等の酸素ガスバリア性および
遮光性能を要求され、かつ好ましくは内容物を外側から
見ることができるプラスチック製の多層容器、キャッ
プ、蓋等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸化ケイ素蒸着薄膜のような無機化合物
蒸着薄膜を形成させたプラスチックフィルムは、酸素等
の各種ガスに対するバリヤー性に最も優れたフィルムの
一つであり、食料品、飲料、化粧品、医薬品等の酸素ガ
スバリア性を必要とする収納物の包装用材料として種々
の包装形態にて用いられている。
【0003】しかしながら、食料品、飲料、化粧品等の
中には、その製造及び容器への充填から、収納物が消費
されるまでの間で紫外線、可視光線および酸素により劣
化あるいは変質する内容物がある。一般に店頭で販売さ
れている場合においても店内の蛍光灯やショウケース内
の蛍光灯と酸素により内容物の劣化、変質が起こる。遮
光性能が要求される内容物の包装用材料としては光線を
透過させないカーボンブラック顔料で着色されているこ
とが好ましい。カーボンブラック顔料にて着色された樹
脂材料は、積層構造の中間層あるいは容器の最も内側の
層とされており、容器の外側の層を成している樹脂材料
には内容物のイメージを表す色や消費者の購買意欲がそ
そられる色で着色されて使用されている。
【0004】ところが、従来の二種三層構成の多層射出
成形法、あるいはインモールド射出成形成形法にて成形
されたプラスチック容器では、酸素ガスバリア性能、遮
光性能の機能の1つの機能を有することしかできず、上
記の二つの内容物に要求される機能をともに満足するこ
とができなかった。
【0005】また、多層射出成形法のみで、酸素ガスバ
リア性能と遮光性能を備えるプラスチック容器を成形す
るためには例えば、EVOH(エチレン−酢酸ビニル共
重合体けん化物)や芳香族ナイロンのような酸素ガスバ
リア性の優れた熱可塑性樹脂と表面層をなすポリオレフ
ィン系樹脂あるいはポリスチレン樹脂との間に接着性樹
脂を必要とするため、表面層/接着層/酸素ガスバリア
層/接着層/表面層となるような、少なくとも三種五層
構成の多層射出成形物となり、三種類の材料で五層の層
流を形成させるための複雑な機構を備える三種五層の多
層射出成形機が必要であった。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】本発明は以上のような問題点に着目してな
されたもので、高い酸素ガスバリア性能と遮光性能を備
えた多層射出成形物を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の技術
の問題点を解決すべく考えられたものでまず、請求項1
の発明は二種類の熱可塑性樹脂から成り、三層の層構成
を有する多層射出成形物において、該成形物の外側表面
あるいは内側表面のいずれか一方が酸素ガスバリア性に
優れたフィルムで被覆されていることを特徴とする多層
射出成形物である。請求項2の発明は二種類の熱可塑性
樹脂からなり、三層の層構成を有する多層射出成形物に
おいて、該成形物の外側表面および内側表面の両方が酸
素ガスバリア性の優れたフィルムで被覆されていること
を特徴とする多層射出成形物である。請求項3の発明は
前記多層射出成形物の中間層に再生材料が使用されてい
ることを特徴とする請求項1又は2記載の多層射出成形
物である。請求項4の発明は前記多層射出成形物の中間
層に遮光材料が添加されていることを特徴とする請求項
1又は2記載の多層射出成形物である。請求項5の発明
は前記遮光材料が紫外線吸収剤であることを特徴とする
請求項1又は2記載の多層射出成形物である。請求項6
の発明は前記遮光材料がカーボンブラックであることを
特徴とする請求項1又は2記載の多層射出成形物であ
る。請求項7の発明は紫外線吸収剤が酸化チタン微粒
子、あるいは酸化亜鉛微粒子の何れかであることを特徴
とする請求項5記載の多層射出成形物である。請求項8
の発明は外側表面層と内側表面層がポリオレフィン系樹
脂から成ることを特徴とする請求項8記載の多層射出成
形物である。請求項9の発明は外側表面層と内側表面層
がポリスチレン樹脂から成ることを特徴とする請求項8
記載の多層射出成形物である。請求項10の発明は前記
多層射出成形物において、酸素ガスバリアー性に優れる
フィルムを金型内に予め装着しておき、インモールド射
出成形法により成形されたことを特徴とする請求項1乃
至9記載の何れかの多層射出成形物である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に使用される酸素ガスバリ
アフィルムとしては酸素ケイ素蒸着薄膜のような無機化
合物蒸着薄膜を形成させたプラスチックフィルムが用い
られ、例えば、ポリプロピレンフィルムの表面に酸素ケ
イ素蒸着薄膜を形成させた酸素ガスバリアフィルムが好
ましく用いられる。
【0009】多層射出成形物の中間層に用いられるカー
ボンブラック顔料は遮光性能が最も優れた顔料の一つで
あり、食料品、飲料品、化粧品、医薬品または電気部
品、工業部品等の光によって劣化、変質が進行する内容
物に用いられることがあるが、多層射出成形体の表面に
酸素ガスバリアフィルムで被覆することにより、酸素ガ
スバリア性能と遮光性能の二つの機能を併せ持つ高機能
性の多層射出成形物を得ることが可能となった。
【0010】遮光層を中間層とすることでカーボンブラ
ック顔料が直接内容物と触れることがないため、カーボ
ンブラック顔料が内容物によって内容物中に溶出するこ
とがない。したがって、表面層のポリオレフィン樹脂の
選択はポリオレフィン系樹脂と中間層のポリオレフィン
樹脂が内容物中に溶出する成分のないものを選択すれば
よいことになる。
【0011】本発明の多層射出成形物の外側表面あるい
は内側表面のいずれか一方、又は外側表面と内側表面の
両方が酸素ガスバリア性に優れたフィルムで被覆されて
いるので、酸素ガスバリア性能を有し、また、中間層に
はカーボンブラックが添加されているので、遮光性能を
有している。したがって、酸素ガスバリア性能と遮光性
能の二つの性能を多層射出成形物に付与することが可能
となる。
【0012】さらには、酸素ガスバリア性能と遮光性能
の一方のみが重要視される場合であっても多層射出成形
法により表面層、中間層の厚さの比率を任意に調整する
ことで酸素ガスバリア性能及び遮光性能の調整が可能で
あり、また、遮光性能においては多層射出成形法により
層の厚さの比率を任意に設定することでさらにその性能
の調整の幅が広くでき、容器に求められる性能が内容物
に関わらす幅広く対応することが可能となる。
【0013】さらには中間層に添加する紫外線吸収物質
として酸化チタン微粒子、酸化亜鉛微粒子等を用いれ
ば、遮光性を保持しつつ透明性が出せるので容器等の包
装材料の外側から内容物の劣化、変質状態を視認するこ
とができるとともに内容物の色が外側から包装材料を通
して見えるので店頭での美粧効果もある。
【0014】中間層に添加される酸化チタン微粒子、ま
たは酸化亜鉛微粒子の一次粒子径は通常、0.01μm
〜0.1μmの範囲で使用でき、好ましくは0.02〜
0.03μmの範囲で使用される。また、酸化チタン微
粒子、又は酸化亜鉛微粒子の添加率は通常、0.01重
量%〜1.0重量%の範囲で使用でき、好ましくは0.
05重量%〜0.5重量%の範囲で使用される。また、
酸化チタン微粒子、または酸化亜鉛微粒子の粒子径は重
量添加率が同じとして比較した場合、粒子径が小さいほ
ど、すなわち、粒子数が多いほど紫外線吸収性に優れ、
また、粒子径が小さいほど透明性にも優れるが、無機微
粒子とその無機微粒子が添加される中間層の樹脂材料と
の親和性によっては粒子径が小さくても一次粒子まで分
散しないで紫外線吸収効果、透明性が低下する場合もあ
るので無機微粒子と樹脂材料との親和性を考慮した上で
粒子径を決めた方がよい。
【0015】酸化チタン微粒子および酸化亜鉛微粒子の
添加率は上記の通り、無機微粒子径が小さいほど紫外線
吸収性、透明性に優れるため、粒子径の小さい酸化チタ
ンおよび酸化亜鉛を使用した場合には紫外線吸収効果を
低下させることなく、必然的に添加率を低く抑えること
ができ、さらに透明性が向上する。また、無機微粒子の
粒子径と添加率は多層射出成形物の中間(コア)層の厚
さおよび多層射出成形体の全体の肉厚と密接に関係し、
多層射出成形物の中間(コア)層を厚くすれば酸化チタ
ン、酸化亜鉛微粒子の添加量を少なく抑えることができ
る。
【0016】多層射出成形物の各層の厚みの比率は従来
から使用されている二種三層の多層射出成形機を用い
て、射出量、射出率、射出開始時間を調整してすること
により任意に設定できる。したがって、紫外線吸収無機
微粒子の粒子径、添加率と紫外線吸収層となる中間(コ
ア)層の層厚を調整することにより高い透明性を得るこ
とができる。また、紫外線吸収層を中間(コア)層とす
ることで酸化チタン微粒子、酸化亜鉛微粒子等の紫外線
吸収材料が直接、内容物に触れることがなく、内容物中
に溶出することもない。したがって、表面層を構成する
ポリオレフィン樹脂は中間(コア)層を構成するポリオ
レフィン樹脂も含めて、内容物中に溶出する成分のない
ものを選択する必要がある。
【0017】本発明の多層射出成形物は二種類の材料を
用いた二種三層の層構成を成し、紫外線吸収性を有する
多層射出成形物が酸素ガスバリア性能に優れるフィルム
で被覆されているため、酸素ガスバリア性能と遮光性能
の二つの機能を付与することが可能となった。したがっ
て、従来以上に幅広く内容物の要求する容器性能に対応
することが可能となった。
【0018】さらには、酸素ガスバリア性能と遮光性能
の一方のみが重要視される場合であっても、多層射出成
形法により表面層、中間(コア)層の厚さの比率を任意
に調整することで酸素ガスバリア性能と遮光性能の調整
が可能であり、また、紫外線吸収性能も中間(コア)層
の厚さの比率を任意に設定することにより幅広く調整で
き、容器に求められる性能が内容物に関わらず、幅広く
対応することが可能となった。
【0019】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて説明する。 <実施例1>表面層にチタンホワイト顔料にて着色した
ポリプロピレン、中間層にカーボンブラック顔料0.2
重量%にて着色したポリプロピレン、酸素ガスバリアフ
ィルムは酸化ケイ素蒸着薄膜を形成させたポリプロピレ
ンフィルムを用い、インモールド多層射出成形法により
インモールド二種三層のカップ形状をした容器を成形し
た。肉厚は0.8mmで、表面積は0.044m2 、内
容量は250ccである。 <実施例2>表面層にチタンホワイト顔料にて着色した
ポリスチレン、中間層にカーボンブラック顔料0.2重
量%にて着色したポリスチレン、酸素ガスバリアフィル
ムは酸化ケイ素蒸着薄膜を形成させたポリエステルフィ
ルムを用い、多層射出成形法により2種3層のカップ形
状をした容器を成形し、上記酸化ケイ素蒸着薄膜を形成
させたポリエステルフィルムを容器外側側面および底面
に接着剤を介して貼着した容器を成形した。肉厚は0.
8mmで、表面積は0.044m2 、内容量は250c
cである。
【0020】<比較例1>表面層にチタンホワイト顔料
にて着色した実施例1で使用したものと同じポリプロピ
レン、中間層にカーボンブラック顔料を添加していない
ナチュラル色のポリプロピレン、酸素ガスバリアフィル
ムは酸化ケイ素蒸着薄膜を有する実施例1と同じポリプ
ロピレンフィルムを用いて実施例1と同じカップ形状を
した容器をインモールド多層射出成形法により成形し
た。肉厚は0.8mmで、表面積は0.044m2 、内
容量は250ccである。 <比較例2>表面層にチタンホワイト顔料にて着色した
ポリプロピレン、中間層にカーボンブラック顔料にて着
色したポリプロピレンを用い多層射出成形法により2種
3層の実施例1と同じカップ形状の容器を成形した。肉
厚は0.8mmで、表面積は0.044m2 、内容量は
250ccである。 <比較例3>表面層にチタンホワイト顔料にて着色した
実施例2で使用したものと同じポリスチレン、中間層に
カーボンブラック顔料を添加していないナチュラル色の
ポリスチレン、酸素ガスバリアフィルムは酸化ケイ素蒸
着薄膜を有する実施例2と同じポリエステルフィルムを
用いて実施例2と同じカップ形状をした容器を多層射出
成形法により成形し、上記酸化ケイ素蒸着薄膜を形成さ
せたポリエステルフィルムを容器外側側面および底面に
接着剤を介して貼着した容器を成形した。肉厚は0.8
mmで、表面積は0.044m2 、内容量は250cc
である。
【0021】<実施例3>表面層に透明性が高く、耐衝
撃性に優れるポリプロピレン、中間層に平均粒子径が
0.02μmの酸化チタンを0.6重量%添加したポリ
プロピレンを用い、酸素ガスバリアーフィルムはSiO
蒸着膜を有するポリプロピレンフィルムを用いてインモ
ールド多層射出成形法により二種三層構造のカップ形状
をした容器を成形した。肉厚は0.8mmで、表面積は
0.044m2 、内容量は250ccであった。この容
器の酸素透過度はモコン法にて測定したところ、0.0
1cc/pkg/day以下であり、波長190nmか
ら370nmの間での光線透過率は0.1%以下であっ
た。 <実施例4>表面層に透明性が高く、耐衝撃性に優れる
ポリプロピレン、中間層に平均粒子径が0.02μmの
酸化亜鉛0.4重量%添加したポリプロピレンを用い、
酸素ガスバリアーフィルムはSiO蒸着膜を有するポリ
プロピレンフィルムを用いてインモールド多層射出成形
法により二種三層構造のカップ形状をした容器を成形し
た。肉厚は0.8mmで、表面積は0.044m2 、内
容量は250ccであった。この容器の酸素透過度はモ
コン法にて測定したところ、0.01cc/pkg/d
ay以下であり、波長190nmから370nmの間で
の光線透過率は0.1%以下であった。
【0022】<比較例4>表面層は実施例で使用したも
のと同じポリプロピレン、中間層は実施例で使用したも
のと同じポリプロピレンで紫外線吸収無機粒子を添加し
ていないナチュラル色のポリプロピレンを用い、酸素ガ
スバリアーフィルムはSiO蒸着膜を有する実施例と同
じポリプロピレンフィルムを用いて実施例と同じカップ
形状をした容器をインモールド多層射出成形法により成
形した。肉厚は0.8mmで、表面積は0.044
2 、内容量は250ccであった。この容器の酸素透
過度はモコン法にて測定したところ、0.01cc/p
kg/day以下であり、波長370nmの光は約40
%透過し、波長650nmの光は約70%透過した。 <比較例5>表面層は実施例で使用したものと同じポリ
プロピレン、中間層に平均粒子径が0.02μmの酸化
亜鉛を0.4重量%添加した実施例3で使用したものと
同じポリプロピレンを用いて実施例3と同じカップ形状
をした容器を成形した。肉厚は0.8mmで、表面積は
0.044m2 、内容量は250ccであった。この容
器の酸素透過度はモコン法にて測定したところ、0.2
cc/pkg/day以下であり、波長190nmから
370nmの間での光線透過率は0.1%以下であっ
た。
【0023】以上のようにして成形した実施例、比較
例、合計5例の容器の酸素透過度、光線透過率、中間層
隠蔽性の各物性について、次に示す試験方法にしたがっ
て測定した。その結果を表1に示す。 酸素透過度‥‥モコン法にて測定を行なった。 光線透過率‥‥波長190nmから850nmの間の光
線透過率を分光光度計により測定を行なった。 中間層隠蔽性‥色彩色差計を使用して色彩(L、a、
b)の測定を行った。比較例と実施例の多層射出成形物
の色差ΔEが1.5より小さければ、中間層隠蔽性が完
全であるとした。
【0024】
【表1】
【0025】表1から考察すると、外層に酸素ガスバリ
アフィルムを被覆した多層射出成形カップは、酸素ガス
透過度が低いことがわかる(実施例1、2および比較例
1、3)。また、中間層にカーボンブラックを添加した
ポリプロピレン樹脂やポリスチレン樹脂を用いた多層射
出成形カップは光線透過率が0.1%以下で、殆ど光線
を透さないことがわかる(実施例1、2、比較例2)。
さらに、外層にチタンホワイトで着色したポリプロピレ
ン樹脂やポリスチレン樹脂を用いると、中間層に用いた
カーボンブラックで黒色に着色したポリプロピレン樹脂
層やポリスチレン樹脂層が完全に隠蔽されることがわか
る(実施例1、2、比較例2)。
【0026】<実施例5>表面層に透明性が高く、耐衝
撃性の優れたポリプロピレン、中間層に平均粒子径が
0.02μmの酸化チタンを0.6重量%を添加したポ
リプロピレン、酸素バリアフィルムは酸化ケイ素の蒸着
膜を有するポリプロピレンフィルムを用い、インモール
ド多層射出成形法により二種三層のカップ形状をした容
器を成形した。肉厚は0.8mm、表面積は0.044
2 で、内容量は250ccであった。この容器の酸素
透過度をモコン法にて測定したところ、0.01cc/
pkg/day以下であり、波長190nmから370
nmの間の光の光線透過率は0.1%以下であった。 <実施例6>表面層に透明性が高く、耐衝撃性の優れた
ポリプロピレン、中間層に平均粒子径が0.02μmの
酸化亜鉛を0.4重量%を添加したポリプロピレン、酸
素バリアフィルムは酸化ケイ素の蒸着膜を有するポリプ
ロピレンフィルムを用い、インモールド多層射出成形法
により二種三層のカップ形状をした容器を成形した。肉
厚は0.8mm、表面積は0.044m2 で、内容量は
250ccであった。この容器の酸素透過度をモコン法
にて測定したところ、0.01cc/pkg/day以
下であり、波長190nmから370nmの間の光の光
線透過率は0.1%以下であった。
【0027】<比較例6>表面層は実施例5、6で使用
したものと同じポリプロピレン、中間層は実施例5、6
で使用したものと同じポリプロピレンで紫外線吸収無機
微粒子を添加していないナチュラル色のポリプロピレ
ン、酸素バリアフィルムは実施例5、6と同じポリプロ
ピレンフィルムを用い、インモールド多層射出成形法に
より二種三層のカップ形状をした容器を成形した。肉厚
は0.8mm、表面積は0.044m 2 で、内容量は2
50ccであった。この容器の酸素透過度をモコン法に
て測定したところ、0.01cc/pkg/day以下
であり、波長370nmの波長の光の光線透過率は約4
0%であり、波長650nmの光の光線透過率は約70
%であった。 <比較例7>表面層に実施例5、6で使用したものと同
じポリプロピレン、中間層に平均粒子径が0.02μm
の酸化亜鉛を0.4重量%を添加した実施例6と同じポ
リプロピレンを用い、多層射出成形法により二種三層の
カップ形状をした容器を成形した。肉厚は0.8mm、
表面積は0.044m2 で、内容量は250ccであっ
た。この容器の酸素透過度をモコン法にて測定したとこ
ろ、0.2cc/pkg/dayであり、波長190n
mから370nmの間の光の光線透過率は0.1%以下
であった。
【0028】以上の結果を表2にまとめる。
【0029】
【表2】
【0030】以上の実施例5、6及び比較例6、7の結
果を考察すると、酸素ガスバリアフィルムを被覆した多
層射出成形容器は酸素ガス透過度が低いことがわかる
(実施例5,6、比較例6)。また、中間層に酸化亜鉛
微粒子、酸化チタン微粒子を添加したポリプロピレン樹
脂を用いた多層射出成形容器は波長370nmの光線透
過率が0.1%以下ではほとんど光線を通さないことが
わかる。なお、上記実施例では外層にチタンホワイトで
着色したポリプロピレン樹脂やポリスチレン樹脂の例を
説明したが、チタンホワイトに限定されるものではな
く、カーボンブラックの色を成形物の外面からの光線が
当たっても隠蔽できる色であれば白でなくてもよい。
【0031】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
多層射出成形物は、三種類の成形材料を用いて五層の構
成を有しているため、高い酸素バリア性能と高い遮光性
能の二つの機能を射出成形物に付与することが可能とな
り、遮光層(紫外線吸収層)の紫外線吸収層材料を樹脂
の透明性を損なわないものを選択することにより内容物
によってはその変質、劣化状態を視認できるだけでな
く、内容物の色による店頭効果もあるため、従来以上に
幅広い内容物に対応できることが可能となった。さらに
は材料の無駄が少なく生産工程が少ないことから機能性
を有する多層プラスチック容器を生産コストを低く抑え
て提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/30 B32B 27/30 B 27/32 ZAB 27/32 ZABZ B65D 65/40 B65D 65/40 D // B29K 23:00 25:00 105:16 B29L 9:00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二種類の熱可塑性樹脂から成り、三層の層
    構成を有する多層射出成形物において、該成形物の外側
    表面あるいは内側表面のいずれか一方が、酸素ガスバリ
    ア性に優れたフィルムで被覆されていることを特徴とす
    る多層射出成形物。
  2. 【請求項2】二種類の熱可塑性樹脂から成り、三層の層
    構成を有する多層射出成形物において、該成形物の外側
    表面および内側表面の両方が、酸素ガスバリア性に優れ
    たフィルムで被覆されていることを特徴とする多層射出
    成形物。
  3. 【請求項3】前記多層射出成形物の中間層に再生材料が
    使用されていることを特徴とする請求項1又は2記載の
    多層射出成形物。
  4. 【請求項4】前記多層射出成形物の中間層に遮光材料が
    添加されていることを特徴とする請求項1又は2記載の
    多層射出成形物。
  5. 【請求項5】前記遮光材料が紫外線吸収剤であることを
    特徴とする請求項1又は2記載の多層射出成形物。
  6. 【請求項6】前記遮光材料がカーボンブラックであるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の多層射出成形物。
  7. 【請求項7】紫外線吸収剤が酸化チタン微粒子、あるい
    は酸化亜鉛微粒子の何れかであることを特徴とする請求
    項5記載の多層射出成形物。
  8. 【請求項8】外側表面層と内側表面層がポリオレフィン
    系樹脂から成ることを特徴とする請求項8記載の多層射
    出成形物。
  9. 【請求項9】外側表面層と内側表面層がポリスチレン樹
    脂から成ることを特徴とする請求項8記載の多層射出成
    形物。
  10. 【請求項10】前記多層射出成形物において、酸素ガス
    バリアー性に優れるフィルムを金型内に予め装着してお
    き、インモールド射出成形法により成形されたことを特
    徴とする請求項1乃至9記載何れかの多層射出成形物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019171604A (ja) * 2018-03-27 2019-10-10 出光ユニテック株式会社 被覆積層体、複合成形容器および複合成形容器の製造方法

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