JP2020175938A - 液体紙容器及び液体紙容器の製造方法 - Google Patents

液体紙容器及び液体紙容器の製造方法 Download PDF

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【課題】紙を主体とする筒状の胴部10とこの筒状胴部の開口上部を塞ぐ天板20とを備え、ジュース等の液体内容物を収容する容器であって、天板の上面が液体で濡れた場合であっても、この液体が紙基材に浸み込むことのない液体紙容器とその製造方法を提供すること。【解決手段】筒状胴部10を紙基材11と、この紙基材の内面側に熱可塑性樹脂層12を介して積層された内側層13とで構成する。天板20の周縁を上側に折り曲げて周縁折り曲げ片20aとし、筒状胴部の上端を内側に折り返して内側折り返し片10aとして、この内側折り返し片10aと筒状胴部の上部10bとの間に前記周縁折り曲げ片20aを挟んで、これらを一体にシールする。そして、前記熱可塑性樹脂層12の厚さを20μm以上として、内側折り返し片10a先端からはみ出した熱可塑性樹脂12αで紙基材の先端を液密に覆う。【選択図】図1

Description

本発明は、紙を主体とする筒状の胴部とこの筒状胴部の開口上部を塞ぐ天板とを備え、ジュース等の液体内容物を収容する容器とその製造方法に関するものである。
紙を主体とする筒状の胴部とこの筒状胴部の開口上部を塞ぐ天板とを備える液体紙容器は公知であり、例えば、特許文献1や特許文献2に記載されている。
この容器Aは、図4(a)及び図4(b)に示すように、筒状胴部10、この筒状胴部の開口上部を塞ぐ天板20、筒状胴部の開口下部を塞ぐ底板30及び天板20に設けられた飲み口を塞ぐラベル材40とで構成されるものである。
筒状胴部10は、図5に示すように、紙基材11を主体とするシートである。そして、この紙基材11の容器内面側に熱可塑性樹脂層12を介して内側層13が積層されている。また、紙基材11の容器外面側には外側層14が積層されている。これら内側層13及び外側層14は単層構造であってもよいが、一般には多層構造である。例えば、内側層13はガスバリア性の層とシーラント層とを積層した多層構造を有していることが多い。また、外側層14は、一般に、紙基材11に施された印刷インキ層とこの印刷インキ層を保護する透明保護層とを備える多層構造を有している。いずれの場合でも、内側層13の露出表面はヒートシール性のあるシーラント層で構成されている。外側層14の露出表面もヒートシール性樹脂で構成されることが多い。
そして、この紙基材11を主体とするシートを丸め、その両端同志をヒートシールして接合することにより、筒状胴部10としている。なお、両端同志の接合は、一般に、シートの一方端部の外側層14に他方端部の内側層13を重ねてヒートシールするいわゆる封筒貼りである。
図6は天板20の説明用断面図である。この図から分かるように、天板20も紙基材21を主体とするシートである。そして、その両側にヒートシール性樹脂層22,23を積層して構成している。
紙基材21には、これを貫通する飲み口20xが設けられており、両側のヒートシール性樹脂層22,23はその飲み口20x内側に向けて張り出した張り出し部22y,23yを有している。そして、これら両張り出し部22y,23yが互いにヒートシールされて、紙基材21の飲み口20x側端面を覆っている。このため、液体内容物が紙基材21の飲み口20x側端面に触れることがなく、また、ここから紙基材21に浸み込むこともない。
筒状胴部10と天板20とは、図7に示すような方法で接合されている。
すなわち、まず、天板20の周縁を上側に折り曲げて周縁折り曲げ片20aを設ける。次に、筒状胴部11の上端を内側に折り返して内側折り返し片10aを形成し、この内側折り返し片10aとこれに対向する筒状胴部10の上部10bとの間に前記周縁折り曲げ片20aを挟み、その内外から金型51,52で熱圧して、これら内側折り返し片10a、周縁折り曲げ片20a及び筒状胴部上部10bの三者を一体にヒートシールすることにより、筒状胴部10と天板20とを接合している。
ところで、この容器Aにおいては、天板20の上面が液体で濡れることがある。例えば、水蒸気が結露して容器Aの外面が水で濡れる場合である。また、飲み口20xから液体内容物を飲んだ後、その液体内容物で濡れる場合である。
このように天板20の上面が液体で濡れた場合、飲み口20xの紙基材21端面は張り出し部22y,23yで覆われているから、この飲み口20x側端面に液体が触れることはない。
しかしながら、筒状胴部10と天板20との接合部においては、筒状胴部11の内側折り返し片10aの先端の位置で筒状胴部10の紙基材11の端面11αが露出しており、この端面11αに前記液体が接触して浸み込むことがあった。
なお、前述のように、内側折り返し片10aと筒状胴部10の上部10bとの間に周縁折り曲げ片20aを挟み、その内外から金型51,52で熱圧して接合しているから、この熱圧に伴って前記熱可塑性樹脂層12を構成する熱可塑性樹脂が内側折り返し片10aからはみ出すが、こうしてはみ出した熱可塑性樹脂12αは、図8に示すように、天板20の上面に流れ出してしまい、内側折り返し片10aの先端の紙基材端面11αを覆うことはできないのである。
そして、このように紙基材端面11αから液体が浸み込んだとき、紙基材11が膨潤してその繊維層から剥離し易いという問題がある。
特開2012−30884号公報 特開2015−117028号公報
そこで、本発明は、前記天板の上面が液体で濡れた場合であっても、この液体が紙基材に浸み込むことのない液体紙容器とその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、筒状胴部とこの筒状胴部の開口上部を塞ぐ天板とを備える液体紙容器であって、
前記筒状胴部が、紙基材と、この紙基材の内面側に熱可塑性樹脂層を介して積層された内側層とを備えており、
前記天板の周縁を上側に折り曲げて周縁折り曲げ片が設けられており、
前記筒状胴部の上端を内側に折り返して内側折り返し片が設けられており、
この内側折り返し片と筒状胴部の上部との間に前記周縁折り曲げ片を挟んで、これら内側折り返し片、周縁折り曲げ片及び筒状胴部の上部とが一体にシールされており、
前記熱可塑性樹脂層の厚さが20μm以上であり、かつ、前記熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂が前記内側折り返し片の先端からはみ出し、こうしてはみ出した前記熱可塑性樹脂が、前記紙基材の先端を液密に覆っていることを特徴とする液体紙容器である。
次に、請求項2に記載の発明は、前記熱可塑性樹脂層の厚さが50μmに満たないことを特徴とする請求項1に記載の液体紙容器である。
次に、請求項3に記載の発明は、前記内側層を構成する樹脂に比較して、前記熱可塑性樹脂層を構成する樹脂の融点が低いことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体紙容器
である。
次に、請求項4に記載の発明は、前記熱可塑性樹脂層を構成する樹脂が低密度ポリエチレン樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体紙容器である。
次に、請求項5に記載の発明は、前記天板が、これを貫通する飲み口を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体紙容器である。
次に、請求項6に記載の発明は、筒状胴部とこの筒状胴部の開口上部を塞ぐ天板とを備える液体紙容器の製造方法であって、
前記筒状胴部が、紙基材と、この紙基材の内面側に熱可塑性樹脂層を介して積層された内側層とを備えており、
前記天板の周縁を上側に折り曲げて周縁折り曲げ片を設け、
前記筒状胴部の上端を内側に折り返して内側折り返し片を設けると共に、この内側折り返し片と筒状胴部の上部との間に前記周縁折り曲げ片を挟み、
次に、その内外から金型で熱圧して、これら内側折り返し片、周縁折り曲げ片及び筒状胴部の上部を一体にシールする液体紙容器の製造方法において、
前記熱可塑性樹脂層の厚さが20μm以上であることを特徴とする液体紙容器の製造方法である。
次に、請求項7に記載の発明は、前記熱可塑性樹脂層の厚さが50μmに満たないことを特徴とする請求項6に記載の液体紙容器の製造方法である。
次に、請求項8に記載の発明は、前記内側層を構成する樹脂に比較して、前記熱可塑性樹脂層の融点が低いことを特徴とする請求項6又は7に記載の液体紙容器の製造方法である。
次に、請求項9に記載の発明は、前記内外の金型のうち内側の金型が、前記内側折り返し片の先端より下方に延びた延設部分を有することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の液体紙容器の製造方法である。
次に、請求項10に記載の発明は、前記内側の金型が、前記延設部分に切り欠けを有することを特徴とする請求項9に記載の液体紙容器の製造方法である。
請求項1〜4に記載の発明においては、内側折り返し片と筒状胴部の上部との間に前記周縁折り曲げ片を挟んで、これら内側折り返し片、周縁折り曲げ片及び筒状胴部の上部とが一体にシールされており、このため、厚さ20μm以上の熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂が、内側折り返し片の先端からはみ出して、筒状胴部の紙基材の先端を液密に覆っているから、天板の上面が液体で濡れた場合であっても、この液体が紙基材に浸み込むことがなく、紙基材の剥離も防止できる。
また、請求項5〜8に記載の発明においては、内側折り返し片と筒状胴部の上部との間に周縁折り曲げ片を挟み、その内外から金型で熱圧して、これら内側折り返し片、周縁折り曲げ片及び筒状胴部の上部とを一体にシールするから、この熱圧に伴って厚さ20μm以上の熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂が内側折り返し片の先端からはみ出してくる。この熱可塑性樹脂が内側折り返し片先端の紙基材端面を液密に覆って、紙基材端面からその内部に浸み込むから、天板の上面が液体で濡れた場合であっても、この液体が紙基材に浸み込むことがなく、また、筒状胴部の紙基材がその繊維層から剥離することも防止できる。
図1は本発明の製造方法の具体例を示す説明用要部断面図である。 図2は本発明の液体紙容器の具体例を示す説明用要部断面図である。 図3は本発明に係る内側の金型の別の具体例を示す説明用要部断面図である。 図4は液体紙容器に係り、図4(a)はその斜視図、図4(b)は断面図である。 図5は液体紙容器の筒状胴部の説明用断面図である。 図5は液体紙容器の天板の説明用断面図である。 図7は従来の製造方法を示す説明用要部断面図である。 図8は従来の液体紙容器を示す説明用要部断面図である。
以下、具体例によって本発明を説明する。なお、説明の便宜上、液体紙容器Aの製造方法をまず説明する。
本発明に係る液体紙容器Aは、筒状胴部10とこの筒状胴部10の開口上部を塞ぐ天板20とを備えるものであって、このほか、筒状胴部10の開口上部を塞ぐ天板20、筒状胴部の開口下部を塞ぐ底板30及び天板20に設けられた飲み口を塞ぐラベル材40を有することが望ましい。その概要は、図4に示すとおりである。
筒状胴部10は、図5に示すとおり、容器Aの外面側から順に、外側層14、紙基材11、熱可塑性樹脂層12及び内側層13を積層した多層構造のシートで構成されている。外側層14及び内側層13は単層構造又は多層構造であってよいが、外側層14及び内側層13の露出表面は、いずれも、ヒートシール性樹脂で構成することが望ましい。
熱可塑性樹脂層12は、紙基材11と内側層13とを強固に接着すると共に、筒状胴部10と天板20とを接合する際に、この熱可塑性樹脂層12を構成する熱可塑性樹脂が後述する内側折り返し片10aの先端からはみ出して、このはみ出した熱可塑性樹脂12αによって紙基材11の先端端面11αを液密に覆う役割を有するものである。このような理由から、熱可塑性樹脂層12の厚さが20μm以上であることが必要である。熱可塑性樹脂層12の厚さがこれより薄いと、内側折り返し片10aの先端からはみ出す熱可塑性樹脂12αの量が不足し、紙基材11の先端端面11αを液密に覆えないことがある。望ましくは30以上である。また、熱可塑性樹脂層12の厚さは50μmに満たないことが望ましい。熱可塑性樹脂層12の厚さがこれより厚いと、内側折り返し片10aの先端からはみ出す熱可塑性樹脂12αの量が過剰であり、この過剰の樹脂が天板20の上面にあふれて、液体紙容器Aの外観を損なうことがある。また、筒状胴部10と天板20とを接合する際に、外側層14や内側層13を構成する樹脂が内側折り返し片10aの先端からはみ出すことなく、熱可塑性樹脂層12を構成する樹脂が優先してはみ出すように、外側層14及び内側層13を構成する樹脂に比較して、熱可塑性樹脂層12の融点が低いことが望ましい。例えば、融点が110℃以下で、密度0.910〜0.930g/cmの低密度ポリエチレン樹脂である。
なお、この熱可塑性樹脂層12を構成する熱可塑性樹脂を溶融状態で押し出し、その両側に紙基材11と内側層13とを重ねて圧着することにより、これら紙基材11、熱可塑性樹脂層12及び内側層13の三者を一体に.積層することができる。また、紙基材11と外側層14との積層は任意の方法によってよい。
天板20は、図6に示すとおり、紙基材21の両側にヒートシール性樹脂層22,23を積層したシートで構成することができる。この紙基材21には、紙基材21を貫通する
飲み口20xを設けることが望ましく、また、両側のヒートシール性樹脂層22,23を飲み口20x内側に向けて張り出して張り出し部22y,23yとし、この両張り出し部22y,23yを互いにヒートシールして、紙基材21の飲み口20x側端面を保護することも、図6に示すとおりである。
次に、筒状胴部10と天板20とは、図1に示すような方法で接合する。
すなわち、天板20の周縁を上側に折り曲げて周縁折り曲げ片20aを設け、次に、筒状胴部11の上端を内側に折り返して内側折り返し片10aを形成し、この内側折り返し片10aとこれに対向する筒状胴部10の上部10bとの間に前記周縁折り曲げ片20aを挟み、その内外から金型51,52で熱圧して、これら内側折り返し片10a、周縁折り曲げ片20a及び筒状胴部上部10bの三者を一体にヒートシールすることにより、筒状胴部10と天板20とを接合する。この熱圧に伴って前記熱可塑性樹脂層12を構成する熱可塑性樹脂が、内側折り返し片10aからはみ出す。図1において、符合12αは、こうしてはみ出した熱可塑性樹脂を示している。そして、図2に示すように、このはみ出した熱可塑性樹脂12αが内側折り返し片先端10aの紙基材11端面を液密に覆って、紙基材11端面からその内部に浸み込むから、天板20の上面が液体で濡れた場合であっても、この液体が紙基材11に浸み込むことがなく、また、紙基材11がその繊維層から剥離することも防止できるのである。
ところで、この際、本発明においては、内側の金型52として、内側折り返し片10aの先端より下方に延びた延設部分52αを有する金型52を使用することが望ましい。この延設部分52αがはみ出した熱可塑性樹脂12αを堰止めて、この熱可塑性樹脂12αが天板20の上面にあふれることを防ぎ、また、こうしてあふれた樹脂で液体紙容器Aの外観が損なわれることを防止する(図2参照)。前記熱可塑性樹脂層12の厚みが20μmを越える場合でも、熱可塑性樹脂12αが天板20の上面にあふれることを防いで、液体紙容器Aの外観が損なわれることを防止するのである。なお、後述する実施例から分かるように、この延設部分52αを持たない内側の金型52を使用した場合には、熱可塑性樹脂層12の厚みが20μmを越えると、内側折り返し片10aからはみ出した熱可塑性樹脂12αが天板20の上面にあふれて、液体紙容器Aの外観が損なわれることがある。
なお、同じ理由から、内側の金型52の下面は天板20に近接していることが望ましく、内側の金型52の下面が天板20に接触していることがさらに望ましい。
また、内側のこの金型52は、その延設部分52αに切り欠け52βを有することが望ましい。そして、この切り欠け52βが、内側折り返し片10aを向くように金型52を配置することにより、この切り欠け52βの部分を樹脂溜まりとして、はみ出した前記熱可塑性樹脂12αをここに溜めることができる。なお、この切り欠け52βの上端は前記内側折り返し片先端10xに当設する位置に配置されている。
なお、図1に示す例では、内側の金型52の切り欠け52βは断面矩形状をしているが、これに限らず、図3の内側の金型52の断面図に示すように、内側折り返し片先端10xに当設する位置から内側の金型52の下面に向けて傾斜するように設けられた断面三角形状の切り欠け52β’であってもよい。
なお、筒状胴部10と底板30とを接合する方法は周知であるから、その説明を省略する。
この容器Aは、天板20に設けられた飲み口20xから液体内容物を充填した後、ラベ
ル材40を剥離容易にシールして飲み口20xを塞ぐことにより、内容物を密封することができる。また、このラベル材40を剥離除去して飲み口20xを開くことにより、内容物を取り出すことができる。液体内容物としては、ジュースのほか、コーヒーミルク、日本茶、紅茶等を例示できる。
以下、実施例によって本発明を説明する。なお、便宜上、実施例と比較例とを区別することなく、両者を共に実験例として説明する。
この実験例は3つのグループに分けることができる。第1のグループ(実験例1−1〜実験例1−5)は、図7に示すように、内側の金型として、内側折り返し片10aの先端より下方に延びた延設部分がなく、もちろん切り欠けのない金型52を使用した例である。第2のグループ(実験例2−1〜実験例2−5)は、内側の金型として、図1に示すように、内側折り返し片10aの先端より下方に延びた延設部分52βを有し、この延設部分52βに断面矩形状の切り欠け52βを有する金型52を使用した例である。また、第3のグループ(実験例3−1〜実験例3−5)は、内側の金型として、図3に示すように、内側折り返し片の先端より下方に延びた延設部分52βを有し、この延設部分52βに断面三角形状の切り欠け52β’を有する金型52を使用した例である。なお、第2のグループ(実験例2−1〜実験例2−5)と第3のグループ(実験例3−1〜実験例3−5)とのいずれにおいても、内側の金型52,52の切り欠け52β,52β’の上端は前記内側折り返し片先端10xに当設する位置に配置されている。
これらの実験例においては、筒状胴部10の紙基材11として坪量320g/mのカップ原紙(日本製紙社製N−CAN原紙G)を使用し、内側層13として、ガスバリア性透明蒸着フィルム(凸版印刷社製GL−RD)に直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(宇部興産社製ポリエチレン2540F,融点119℃)を積層した二層構成のシートを使用した。
また、熱可塑性樹脂層12を構成する熱可塑性樹脂として低密度ポリエチレン樹脂(住友化学社製スミカセンL420,融点106℃)を使用し、この熱可塑性樹脂を溶融して膜状に押し出して熱可塑性樹脂層12とし、この熱可塑性樹脂層12の両面に前記紙基材11と内側層13とを圧着して積層した。
なお、この熱可塑性樹脂層12の厚みは各実験例によって異なり、実験例1−1、実験例2−1及び実験例3−1では10μmである。また、実験例1−2、実験例2−2及び実験例3−2では20μm、実験例1−3、実験例2−3及び実験例3−3では30μm、実験例1−4、実験例2−4及び実験例3−4では40μm、実験例1−5、実験例2−5及び実験例3−5では50μmである。
なお、外側層14としては、高密度ポリエチレン樹脂(住友化学社製プライムポリマー3300F,融点132℃)のフィルムを使用した。
そして、このシートを丸め、その両端同志をヒートシールして接合することにより、筒状胴部10を製造した。
次に、筒状胴部10に底板30を接合すると共に、図1又は図7に示すように、天板20の周縁を上側に折り曲げて周縁折り曲げ片20aを設け、一方、筒状胴部10の上端を内側に折り返して内側折り返し片10aを設け、この内側折り返し片10aと筒状胴部の上部10bとの間に前記周縁折り曲げ片20aを挟み、次に、その内外から金型で熱圧して、これら内側折り返し片10a、周縁折り曲げ片20a及び筒状胴部の上部10bとを一体にシールして接合した。
こうして得られた各液体紙容器Aについて、3つの観点から評価した。
第1の評価試験は、天板2と筒状胴部10との接合部分にコーヒーミルクを滴下して、このコーヒーミルクが筒状胴部10の紙基材11に浸み込むか否かを評価したものである。浸み込みが全く見られないものを「〇」、浸み込みがわずかに見られるが、紙基材11の層内剥離が見られないものを「△」、浸み込みが多く、紙基材11の層内剥離が生じたものを「×」と評価した。
第2の評価試験は、コーヒーミルクの代わりにお茶を使用して第1の評価試験と同様に評価したものである。すなわち、天板2と筒状胴部10との接合部分にお茶を滴下して、このお茶が筒状胴部10の紙基材11に浸み込むか否かを評価したものである。浸み込みが全く見られないものを「〇」、浸み込みがわずかに見られるが、紙基材11の層内剥離が見られないものを「△」、浸み込みが多く、紙基材11の層内剥離が生じたものを「×」と評価した。
第3の評価試験は、液体紙容器Aの外観の評価である。すなわち、液体紙容器Aを肉眼で観察して、筒状胴部10の内側折り返し片10aの先端から、熱可塑性樹脂層12を構成する樹脂がはみ出して、天板2上に流れ出しているか否かを評価した。そして、天板2上に流れ出していないものを「〇」、天板2上にわずかに流れ出して天板2にムラができているものを「△」、天板2上に激しいムラとなって流れ出しているものを「×」と評価した。
この結果を表1に示す。
Figure 2020175938
この表から分かるように、第1のグループ(実験例1−1〜実験例1−5)、第2のグループ(実験例2−1〜実験例2−5)及び第3のグループ(実験例3−1〜実験例3−5)とのいずれにおいても、熱可塑性樹脂層12の厚さが10μmの場合には、天板2と筒状胴部10との接合部分に対するコーヒーミルクやお茶の浸み込みが多く、紙基材11の層内剥離が生じることが分かる。一方、熱可塑性樹脂層12の厚さが20μmの場合には、お茶は浸み込まないが、コーヒーミルクはわずかに浸み込む。そして、熱可塑性樹脂層12の厚さが30〜50μmの場合には、コーヒーミルクやお茶の浸み込みはまったく生じない。
また、内側の金型として、内側折り返し片10aの先端より下方に延びた延設部分がなく、もちろん切り欠けのない金型52を使用した第1のグループ(実験例1−1〜実験例1−5)では、熱可塑性樹脂層12の厚さが厚くなるにつれて、筒状胴部10の内側折り返し片10aの先端からはみ出した熱可塑性樹脂12αが天板2上に流れ出して、液体紙容器の外観を損なっていることが理解できる。このため、内側折り返し片10aの先端より下方に延びた延設部分がなく、もちろん切り欠けのない金型52を使用した場合、天板2と筒状胴部10との接合部分に対する液体の浸み込みを防止し、しかも、その外観が損なわれることを防止することは困難である。
一方、内側折り返し片10aの先端より下方に延びた延設部分52βを有し、この延設部分52βに断面矩形状の切り欠け52βを有する金型52を使用した第2のグループ(実験例2−1〜実験例2−5)においては、熱可塑性樹脂層12の厚さが10μmであっても、内側折り返し片10aの先端からはみ出した熱可塑性樹脂12αが天板2上に流れ出すことがなく、したがって、液体紙容器の外観を損なうことがない。このため、天板2と筒状胴部10との接合部分に対する液体の浸み込みを防止し、しかも、その外観が損なわれることを防止するためには、内側の金型としてこのような金型52を使用して、熱可塑性樹脂層12の厚さを20μm以上とすればよいことが理解できる。
なお、熱可塑性樹脂層12の厚さが50μmの場合には、内側折り返し片10aの先端からはみ出した熱可塑性樹脂12αが過剰となって、わずかに流れ出すから、熱可塑性樹脂層12の厚さは50μmに満たないことが望ましい。
以上の結果は、内側折り返し片の先端より下方に延びた延設部分52βを有し、この延設部分52βに断面三角形状の切り欠け52β’を有する金型52を使用した第3のグループ(実験例3−1〜実験例3−5)でも同様である。このため、切り欠けの形状によらないことが分かる。
A:液体紙容器
10:筒状胴部
10a:内側折り返し片 10b:筒状胴部の上部
11:筒状胴部の紙基材 11α:筒状胴部の紙基材の端面
12:熱可塑性樹脂層 12α:はみ出した熱可塑性樹脂
13:内側層
14:外側層
20:天板
20a:周縁折り曲げ片
20x:飲み口
21:天板の紙基材
22:ヒートシール性樹脂層 22y:張り出し部
23:ヒートシール性樹脂層 23y:張り出し部
30:底板
40:ラベル材
51:外側の金型
52:内側の金型
52:内側の金型 52α:延設部分 52β:切り欠け
52:内側の金型 52β’:切り欠け

Claims (10)

  1. 筒状胴部とこの筒状胴部の開口上部を塞ぐ天板とを備える液体紙容器であって、
    前記筒状胴部が、紙基材と、この紙基材の内面側に熱可塑性樹脂層を介して積層された内側層とを備えており、
    前記天板の周縁を上側に折り曲げて周縁折り曲げ片が設けられており、
    前記筒状胴部の上端を内側に折り返して内側折り返し片が設けられており、
    この内側折り返し片と筒状胴部の上部との間に前記周縁折り曲げ片を挟んで、これら内側折り返し片、周縁折り曲げ片及び筒状胴部の上部とが一体にシールされており、
    前記熱可塑性樹脂層の厚さが20μm以上であり、かつ、前記熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂が前記内側折り返し片の先端からはみ出し、こうしてはみ出した前記熱可塑性樹脂が、前記紙基材の先端を液密に覆っていることを特徴とする液体紙容器。
  2. 前記熱可塑性樹脂層の厚さが50μmに満たないことを特徴とする請求項1に記載の液体紙容器。
  3. 前記内側層を構成する樹脂に比較して、前記熱可塑性樹脂層を構成する樹脂の融点が低いことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体紙容器。
  4. 前記熱可塑性樹脂層を構成する樹脂が低密度ポリエチレン樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体紙容器。
  5. 前記天板が、これを貫通する飲み口を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体紙容器。
  6. 筒状胴部とこの筒状胴部の開口上部を塞ぐ天板とを備える液体紙容器の製造方法であって、
    前記筒状胴部が、紙基材と、この紙基材の内面側に熱可塑性樹脂層を介して積層された内側層とを備えており、
    前記天板の周縁を上側に折り曲げて周縁折り曲げ片を設け、
    前記筒状胴部の上端を内側に折り返して内側折り返し片を設けると共に、この内側折り返し片と筒状胴部の上部との間に前記周縁折り曲げ片を挟み、
    次に、その内外から金型で熱圧して、これら内側折り返し片、周縁折り曲げ片及び筒状胴部の上部を一体にシールする液体紙容器の製造方法において、
    前記熱可塑性樹脂層の厚さが20μm以上であることを特徴とする液体紙容器の製造方法。
  7. 前記熱可塑性樹脂層の厚さが50μmに満たないことを特徴とする請求項6に記載の液体紙容器の製造方法。
  8. 前記内側層を構成する樹脂に比較して、前記熱可塑性樹脂層の融点が低いことを特徴とする請求項6又は7に記載の液体紙容器の製造方法。
  9. 前記内外の金型のうち内側の金型が、前記内側折り返し片の先端より下方に延びた延設部分を有することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の液体紙容器の製造方法。
  10. 前記内側の金型が、前記延設部分に切り欠けを有することを特徴とする請求項9に記載の液体紙容器の製造方法。
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