JP6764434B2 - 改ざん防止機能付き再封可能な包装体のシール方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2では、再封機能を有するピロー包装容器およびブリスター容器において、開封すると感熱粘着剤層の領域内に網点状感熱粘着剤層により形成された文字、記号、図形等が表れ再封したことが目視により確認できる包装容器が提案されている。
一方、成型容器を使用する高速充填包装機においては、生産性を高めるため短時間でヒートシールされシール時間が十分に確保できないため、包装体に再封機能および改ざん防止機能を安定的に付与することは困難であった。
[1]開口周縁部にフランジ部を有する容器本体と、蓋材基材層(a)と粘着樹脂層(b)とシーラント層(c)とを上から順に積層させて構成された蓋材とが、フランジ部上面(X)においてヒートシールされる包装体のシール方法において、前記フランジ部におけるフランジ部上面(X)と、前記蓋材とをヒートシールする工程を少なくとも2回以上有し、これら少なくとも2回のシール工程が、フランジ部上面(X)を全部押圧するように形成されたシール盤によりヒートシールする全シール工程(A1)と、フランジ部上面(X)からフランジ部外周縁部の全部または一部を除く環状部分(Y)を押圧するように形成されたシール盤によりヒートシールする部分シール工程(B)とを含み、全シール工程(A1)および部分シール工程(B)とが前後に互換でき、且つ、連続して行われ、全シール工程(A1)におけるシール温度が、フランジ部上面(X)から環状部分(Y)を除く外縁部分(Z)において、フランジ部上面(X)と、シーラント層(c)とのシール強度が、シーラント層(c)と粘着樹脂層(b)との接合強度より弱くなる〔(X-c)<(c-b)〕ように構成される温度であって、且つ、部分シール工程(B)におけるシール温度が、フランジ部上面(X)の環状部分(Y)において、フランジ部上面(X)と、シーラント層(c)とのシール強度が、シーラント層(c)と粘着樹脂層(b)との接合強度より強くなる〔(X-c)>(c-b)〕ように構成される温度であることを特徴とする、包装体のシール方法に関する。
[2]全シール工程(A1)の後に連続して行われ、フランジ部上面(X)を全部押圧するように形成されたシール盤によりヒートシールする少なくとも1回以上の補助シール工程(A2)を有し、全シール工程(A1)および補助シール工程(A2)におけるシール温度が、フランジ部上面(X)の外縁部分(Z)において、フランジ部上面(X)と、シーラント層(c)とのシール強度が、シーラント層(c)と粘着樹脂層(b)との接合強度より弱くなる〔(X-c)<(c-b)〕ように構成される温度であることを特徴とする、[1]記載の包装体のシール方法に関する。
また、本発明の方法は、包装機のシール盤に特殊な加工は要さず、既存のフラットなシール盤の外周縁部または開封口周縁の一部を削り取るだけでよく、高額な費用をかけることなく実施することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の包装体のシール方法を適用する包装体の一例にかかり、図1、図2は、2回または3回のシール工程で構成するシール装置の概略縦断面図であり、図1は全シール工程(A1)および補助シール工程(A2)に用いる全面シール盤、図2は部分シール工程(B)に用いる部分シール盤、図3は包装体の斜視図、図4は包装体の分解斜視図、図5は包装体が密封された状態の概略縦断面図、図6は包装体の蓋材が一部開封した状態の概略縦断面図、図7は部分シール工程(B)において、フランジ部上面(X)のフランジ部外周縁部の全部を除いた環状部分(Y)を押圧するように形成された部分シール盤を用いて成形された包装体の開封後の本体容器の斜視図、
図8は部分シール工程(B)において、フランジ部上面(X)のフランジ部外周縁部の一部を除いた環状部分(Y)を押圧するように形成された部分シール盤を用いて成形された包装体の開封後の本体容器の斜視図であって、10は全面シール盤、11は全面シール盤の環状凸部、12は全面シール盤の環状凸部水平面、15は部分シール盤、16は部分シール盤の環状凸部、17は部分シール盤の環状凸部水平面、20は容器本体、21は収容部、22はフランジ部、30は蓋材、35は開封口、40はリテーナー、100は包装体、(a)は蓋材基材層、(b)は粘着樹脂層、(c)はシーラント層、(X)はフランジ部上面、(Y)は環状部分、(Z)は外縁部分をそれぞれ示す。
本発明の包装体のシール方法として、全シール工程(A1)および部分シール工程(B)は前後に互換できるが、ここでは全シール工程(A1)の後に部分シール工程(B)を順に行う方法を用い、部分シール工程(B)が、フランジ部上面(X)のフランジ部外周縁部の全部を除いた部分からなる環状部分(Y)を押圧するように構成された場合を一例とし、本発明の包装体のシール方法が適用される包装体として、図3、図4に示す、包装体100を例に説明する。
続いて次に、環状部分(Y)において、蓋材30の粘着樹脂層(b)とシーラント層(c)との間で層間剥離され、これと同時に蓋材30の粘着樹脂層(b)が露出され、蓋材30のシーラント層(c)がフランジ部上面(X)の環状部分(Y)に融着され移行される。
これにより包装体100を開封後、蓋材30の粘着樹脂層(b)を、容器本体20のフランジ部上面(X)おける環状部分(Y)に融着されたシーラント層(c)に粘着することにより、蓋材30と容器本体20の再封を可能とすることができる。
上記以外の他の構成の一例として、部分シール工程(B)のヒートシールは、フランジ部上面(X)の外周縁部の一部からなる外縁部分(Z)を除いた環状部分(Y)を押圧するように形成された部分シール盤15を用いることができる。すなわち、部分シール盤15の部分シール盤の環状凸部水平面17は、包装体100の開封口35に相当する近接の一部分のみを、全シール盤の環状凸部水平面12の全幅より小さくなるように構成することができる。
その結果、図8に示すように、容器本体20においては開封口35に近接するフランジ部上面(X)における外縁部分(Z)のみに白濁痕が形成され、残りの環状部分(Y)はフランジ部上面(X)にシーラント層(c)が融着される。
これにより容器本体20と蓋材30との粘着面積が広くなるため、再封したときには、容器本体20と蓋材30との粘着性が高まり、再封機能面を向上させることができる。
なおこの場合においても、包装体100は再封性を有し、開封後において容器100はフランジ部上面(X)の外縁部分(Z)に白濁痕を形成することができ、再封したことが目視により確認することができ、工程を前後に互換した場合であっても同一の効果が奏せられることは言うまでもない。
蓋材は、上面側から基材層としてポリエチレンテレフテレート層(厚さ:12μm)、樹脂粘着層としてスチレン系熱可塑性エストラマー層(厚さ:20μm)、シーラント層としてポリプロピレン系プロピレン−エチレン共重合体層(厚さ:30μm)が3層に積層された合計厚さが62μmのものを用いた。
得られた包装体を開封し再封したところ、容器内周縁部において蓋材が粘着して再封性を有していた。また、容器フランジ部の外周縁部に、環状の白濁痕が形成されており、再封したことが目視により確認することができた。
11 全面シール盤の環状凸部
12 全面シール盤の環状凸部水平面
15 部分シール盤
16 部分シール盤の環状凸部
17 部分シール盤の環状凸部水平面
20 容器本体
21 収容部
22 フランジ部
30 蓋材
35 開封口
40 リテーナー
100 包装体
(a) 蓋材基材層
(b) 粘着樹脂層
(c) シーラント層
(X) フランジ部上面
(Y) 環状部分
(Z) 外縁部分
Claims (2)
- 開口周縁部にフランジ部を有する容器本体と、蓋材基材層(a)と粘着樹脂層(b)とシーラント層(c)とを上から順に積層させて構成された蓋材とが、フランジ部上面(X)においてヒートシールされる包装体のシール方法において、
前記フランジ部におけるフランジ部上面(X)と、前記蓋材とをヒートシールする工程を少なくとも2回以上有し、
これら少なくとも2回のシール工程が、
フランジ部上面(X)を全部押圧するように形成されたシール盤によりヒートシールする全シール工程(A1)と、
フランジ部上面(X)からフランジ部外周縁部の全部または一部を除く環状部分(Y)を押圧するように形成されたシール盤によりヒートシールする部分シール工程(B)とを含み、
全シール工程(A1)および部分シール工程(B)とが前後に互換でき、且つ、連続して行われ、
全シール工程(A1)におけるシール温度が、フランジ部上面(X)から環状部分(Y)を除く外縁部分(Z)において、
フランジ部上面(X)と、シーラント層(c)とのシール強度が、
シーラント層(c)と粘着樹脂層(b)との接合強度より弱くなる〔(X-c)<(c-b)〕ように構成される温度であって、且つ、
部分シール工程(B)におけるシール温度が、フランジ部上面(X)の環状部分(Y)において、
フランジ部上面(X)と、シーラント層(c)とのシール強度が、
シーラント層(c)と粘着樹脂層(b)との接合強度より強くなる〔(X-c)>(c-b)〕ように構成される温度であることを特徴とする、包装体のシール方法。 - 全シール工程(A1)の後に連続して行われ、フランジ部上面(X)を全部押圧するように形成されたシール盤によりヒートシールする少なくとも1回以上の補助シール工程(A2)を有し、
全シール工程(A1)および補助シール工程(A2)におけるシール温度が、フランジ部上面(X)の外縁部分(Z)において、
フランジ部上面(X)と、シーラント層(c)とのシール強度が、
シーラント層(c)と粘着樹脂層(b)との接合強度より弱くなる〔(X-c)<(c-b)〕ように構成される温度であることを特徴とする、請求項1記載の包装体のシール方法。
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