JP2022026738A - チューブ状容器の胴部、チューブ状容器 - Google Patents

チューブ状容器の胴部、チューブ状容器 Download PDF

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【課題】チューブ状容器の胴部内部に紙の端面が露出せず、かつ外観が良好なチューブ状容器の胴部を提供する。【解決手段】チューブ状容器の胴部は、少なくとも最外層と最内層が熱可塑性樹脂層であり、中間層に紙層を含む積層シートからなる胴部形成用ブランクスを用いて形成され、紙層の端面は、少なくとも胴部形成用ブランクスの対向する両端縁側において露出しておらず、胴部形成用ブランクスの対向する両端縁同士は、最外層と最内層の面を重ね合わせて熱融着されている。【選択図】図1

Description

本発明は、チューブ状容器の胴部およびそれを用いたチューブ状容器に関する。
医薬品、化粧品、食品等を充填して包装することができるチューブ状容器が知られている。このチューブ状容器を構成する胴部の構成として、紙を用いた中間層を積層したシートが用いられ、そのシートが筒状に形成されたものがある。
例えば、特許文献1には、ヒートシール性のある樹脂で構成される最外層と最内層と、中間層の紙層を有し、最外層と最内層を高周波シール法を用いてサイドシールすることで円筒状に形成された、チューブ状容器用の胴部が記載されている。
また、特許文献2には、紙を主体とし、少なくとも最外層と最内層に熱可塑性樹脂層を有する積層体を矩形状に裁断した1枚のブランクスの両側端部を、最内層同士を重ね合わせた上で折り込んで熱融着し胴部シール部を形成してなる胴部を有するチューブ状容器が記載されている。
実公平7-45311号公報 特開2012-25471号公報
上記特許文献1に記載のチューブ状容器の胴部は、チューブ状容器内部に紙の端面が露出することで、内容物と紙が接触し、紙を浸透して内容物が溶出、析出するという問題がある。
そこで、特許文献2に記載のチューブ状容器の胴部のように、紙を用いた中間層を積層した積層体より構成されるブランクスの両側端部が、最内層同士を重ね合わせた上で折り込んで熱融着(合掌貼り)されることで、チューブ状容器内部に紙の端面が露出しないが、紙を含んだ胴部シール部が厚くなり、チューブ状容器の外観を低下させるという問題がある。
そこで、本発明は、チューブ状容器の胴部内部に紙の端面が露出せず、かつ外観が良好なチューブ状容器の胴部を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、少なくとも最外層と最内層が熱可塑性樹脂層であり、中間層に紙層を含む積層シートからなる胴部形成用ブランクスを用いて形成され、前記紙層の端面は、少なくとも前記胴部形成用ブランクスの対向する両端縁側において露出しておらず、前記胴部形成用ブランクスの対向する両端縁同士は、最外層と最内層の面を重ね合わせて熱融着されている、チューブ状容器の胴部である。
請求項2に記載の発明は、前記積層シートは、厚みが30μm以上300μm以下である、請求項1に記載のチューブ状容器の胴部である。
請求項3に記載の発明は、前記最内層の熱可塑性樹脂層と紙層の間にバリア層が積層されている、請求項1または2に記載のチューブ状容器の胴部である。
請求項4に記載の発明は、前記紙層の坪量は、3g/m以上300g/m以下である、請求項1から3のいずれかに記載のチューブ状容器の胴部である。
請求項5に記載の発明は、前記最外層の熱可塑性樹脂層はシーラント層であり、前記最外層のシーラント層は、厚みが3μm以上200μm以下である、請求項1から4のいずれかに記載のチューブ状容器の胴部である。
請求項6に記載の発明は、前記紙層を挟持する第1の接着層と第2の接着層を有し、前記第1の接着層と第2の接着層は、それぞれの厚みが5μm以上100μm以下である、請求項1から5のいずれかに記載のチューブ状容器の胴部である。
請求項7に記載の発明は、前記請求項1から6のいずれかに記載のチューブ状容器の胴部を用いたチューブ状容器である。
請求項8に記載の発明は、一端が閉塞され、内容物を収容することができる、前記請求項1から6のいずれかに記載のチューブ状容器の胴部と、前記チューブ状容器の胴部の他端に取り付けられた、前記チューブ状容器の胴部の前記他端を閉塞可能な注出口部とを含むチューブ状容器であって、前記チューブ状容器の胴部の前記他端は、前記注出口部の周縁部において、前記注出口部の前記チューブ状容器の胴部の前記一端側とは反対側の面に取り付けられている、請求項7に記載のチューブ状容器である。
請求項9に記載の発明は、前記注出口部は、前記チューブ状容器の胴部の高さ方向に直交する平板状の閉塞部を備え、前記周縁部は、前記閉塞部の端縁であって、前記チューブ状容器の胴部の前記他端は、前記閉塞部の前記周縁部において、前記閉塞部の前記チューブ状容器の胴部の前記一端側とは反対側の面に接着されている、請求項8に記載のチューブ状容器である。
本発明のチューブ状容器の胴部は、最内層と最外層が熱可塑性樹脂層で中間層に紙層を含む積層シートからなる胴部形成用ブランクスの対向する両端縁側において、紙層の端面が露出していない。紙層の端面が露出しない胴部形成用ブランクスの両端縁同士を重ね合わせて筒状に形成するため、チューブ状容器の胴部内部に紙層の端面が露出せず、紙層の端面に内容物が触れることがない。よって、内容物が紙に浸透して溶出、析出するということがない。また、内容物の浸透による積層シートの各層の劣化や各層間の接着強度の低下や内容物の品質劣化を防ぐ。また、本発明のチューブ状容器の胴部は、胴部形成用ブランクスの対向する両端縁同士が、最外層と最内層の面を重ね合わせて熱融着されている。よって、胴部シール部に例えば合掌貼りのような厚みができず、外観が良好である。
第1実施形態に係るチューブ状容器の胴部を構成する積層シートの層構成を示す断面図である。 第1実施形態に係るチューブ状容器の胴部に用いられる胴部形成用ブランクスを示す平面図である。 図2のA-A線拡大断面図である。 (a)第1実施形態に係るチューブ状容器の胴部の高さ方向に直交する拡大断面図である。(b)第2実施形態に係るチューブ状容器の胴部の高さ方向に直交する拡大断面図である。 (a)第1実施形態に係るチューブ状容器の胴部を用いたチューブ状容器の第一例の正面図である。(b)第1実施形態に係るチューブ状容器の胴部を用いたチューブ状容器の第一例の側面図である。 図5(b)の注出口部近傍のB-B線における拡大断面図である。
以下、必要に応じて図面を参照して、本発明に係るチューブ状容器の胴部およびそれを用いたチューブ状容器の実施形態の例について説明する。
<第1実施形態のチューブ状容器の胴部>
図1は、第1実施形態に係るチューブ状容器の胴部100を構成する積層シート10の層構成を示す断面図である。積層シート10は例えば、第1のシーラント層12、バリア層13、第1の基材フィルム層14をこの順で積層した内側積層フィルム11と、第2の基材フィルム層16、第2のシーラント層17をこの順で積層した外側積層フィルム15との間に紙層20が積層されている。この紙層20は、第1の基材フィルム層14のバリア層13と反対側に積層された第1の接着層18と、第2の基材フィルム層16の第2のシーラント層17と反対側に積層された第2の接着層19に挟持されるように設けられている。また、紙層20の第2の基材フィルム層16側に、インキ層21が部分的に積層されている。
次に、積層シート10を構成する各層について詳しく説明する。
(第1のシーラント層)
第1のシーラント層12は積層シート10の最内層および内側積層フィルム11の最内層であり、熱可塑性樹脂層である。第1のシーラント層12は、積層シート10を筒状に形成させる際に最内層の第2のシーラント層17とシールされる層である。また、第1のシーラント層12は、筒状に形成した胴部100を後述するチューブ状容器300に用いた場合に注出口部50に接着させる層であるため、注出口部50との密着性に適することが好ましい。
第1のシーラント層12に用いる材料は熱可塑性樹脂であれば特に限定しないが、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン、環状ポリオレフィン、ポリエステルなどが好ましい。また、第1のシーラント層12の軟化温度は、第1の基材フィルム層14の軟化温度よりも20℃以上低い必要があり、40℃以上低いものがより好ましい。第1の基材フィルム層14の軟化温度から第1のシーラント層12の軟化温度を引いた温度が20℃未満だと、積層シート10の筒状形成のための胴部シール時に第1の基材フィルム層14および第2の基材フィルム層16が軟化し、胴部100に微小な孔(ピンホール)が発生する可能性が高くなる。
(バリア層)
バリア層13は、内側積層フィルム11の中間層であり、内容物の品質保護や賞味期限延長などのために積層される。
このバリア層13は、アルミニウムなどの金属蒸着、シリカやアルミナなどの無機化合物の蒸着、板状鉱物とバインダー樹脂からなるバリアコート材で、成分としてエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)やポリ塩化ビニリデン(PVDC)などを含むバリア性樹脂被膜、のいずれかを1つ以上含む。また、これらを組み合わせて使用しても良い。なお、バリア層13が透明であるとチューブ状容器の胴部100の透明化に寄与でき、内容物の視認性が向上し、残量などが確認しやすいため、バリア層13は透明であることが好ましい。
(第1の基材フィルム層)
第1の基材フィルム層14は、内側積層フィルム11の最内層であり、上記バリア層13の基材層としての機能も果たす。
第1の基材フィルム層14に用いる材料は特に限定しないが、耐熱性、加熱時の強靭性、および物理的強度の観点から、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドなどの延伸フィルムが好ましい。また、第1の基材フィルム層14に紙を用いても良い。
なお、外側積層フィルム15における後述する第2の基材フィルム層16が積層されていれば、内側積層フィルム11における第1の基材フィルム層14は積層しなくてもよい。
(第1の接着層)
第1の接着層18は、後述する第2の接着層19と共に紙層20を挟み込み、外側積層フィルム15と一体化させるための層である。
第1の接着層18の組成としては、熱可塑性樹脂で、例えば、ポリオレフィン、ポリアクリル酸、PE系やPP系などの各種ホットメルト材を1種以上含む物である。前述の組成で、第2の接着層19に対して熱融着可能であれば特に限定しないが、後述の第2の接着層19と同じ材質の方がより接着強度が高くなり好ましい。
第1の接着層18の厚みは、例えば5μm以上100μm以下であり、特に10μm以上50μm以下であることが好ましい。第1の接着層18の厚みが5μm未満であると、紙層20および外側積層フィルム15との貼り合わせの際に十分な強度を得ることができず、第1の接着層18の厚みが100μmより厚くなると、紙層20および外側積層フィルム15との貼り合わせなどの際の加工適性や加工速度が悪くなり、また樹脂使用量が多くなり経済的でない。
(紙層)
紙層20は、積層シート10の中間層であり、第1の接着層18および後述する第2の接着層19に挟持され、外側積層フィルム15と内側積層フィルム11の間でこれらのフィルムと貼り合わされることで、チューブ状容器の胴部100に対する強度を付与する層である。
紙層20に用いる材料は特に限定しないが、美粧性のために雲龍紙、剛性のために厚手のクラフト紙などを用いることができる。また、紙層20は、セルロース繊維を5%以上含むことで、樹脂繊維を抄紙して作られた合成紙と区別し、セルロース繊維が含むことを定義することができる。
紙層20の坪量は、3g/m以上300g/m以下であることが好ましい。また、紙層20の坪量が10g/m以上150g/m以下であれば、胴部成形加工などの取り扱いのし易さとこの胴部100を用いたチューブ状容器300の使用時における胴部100のコシ感が良好である。紙層20の坪量が3g/m未満であると、外側積層フィルム15および内側積層フィルム11との貼り合わせの際に断紙してしまい、胴部100への成形加工がうまくできない。一方、紙層20の坪量が300g/mより厚くなると、積層シート10の総厚みが増し、筒状に形成する際にうまく融着加工できない。
(第2の接着層)
第2の接着層19は、前述した第1の接着層18と共に紙層20を挟み込み、内側積層フィルム11と一体化させるための層である。
第2の接着層19の組成としては、熱可塑性樹脂で、例えば、ポリオレフィン、ポリアクリル酸、PE系やPP系などの各種ホットメルト材を1種以上含む物である。前述の組
成で、第1の接着層18に対して熱融着可能であれば特に限定しないが、前述の第1の接着層18と同じ材質の方がより接着強度が高くなり好ましい。
第2の接着層19の厚みは、第1の接着層18と同じく、例えば5μm以上100μm以下であり、特に10μm以上50μm以下であることが好ましい。第2の接着層19の厚みが5μm未満であると、紙層20および内側積層フィルム11との貼り合わせの際に十分な強度を得ることができず、第2の接着層19の厚みが100μmより厚くなると、紙層20および内側積層フィルム11との貼り合わせの際の加工適性や加工速度が悪くなり、また樹脂使用量が多くなり経済的でない。
(第2の基材フィルム層)
第2の基材フィルム層16は、内側積層フィルム11の最内層であり、主に強靭性を付与するための層である。第2の基材フィルム層16に用いる材料は、前述の第1の基材フィルム層14と同じである。
なお、内側積層フィルム11における前述する第1の基材フィルム層14が積層されていれば、外側積層フィルム15における第2の基材フィルム層16は積層しなくてもよい。
(第2のシーラント層)
第2のシーラント層17は、積層シート10の最外層および外側積層フィルム15の最外層であり、熱可塑性樹脂層である。
第2のシーラント層17は、第1のシーラント層12との熱溶着性が付与されており、また、紙層20を保護するための層である。
第2のシーラント層17は、熱可塑性樹脂層であれば特に限定しないが、例えば、低融点のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートやポリメタクリル酸を1種以上含んだものをエクストルーダー加工または塗液化したものをコーティングしたものでもある。また、積層シート10を筒状に成形するためにシールする部分のみへのパターンコートでもよい。
第2のシーラント層17は、厚みが3μm以上200μm以下であることが好ましく、8μm以上30μm以下であることがより好ましい。第2のシーラント層17の厚みが3μm未満では、第1のシーラント層12との熱融着の際に十分な強度を保てず、積層シート10をチューブ状容器300に用いた場合に破袋等の問題が発生する。一方、第2のシーラント層17の厚みが200μmより厚くなると、積層シート10の層厚が厚くなり経済的でない。
(インキ層)
図1では、インキ層21は紙層20の外側積層フィルム15側の面のみに部分的に積層されているが、インキ層21を積層する場所は特に限定されない。
上記紙層20の外側積層フィルム15側の面の他に、例えば、第2のシーラント層17の第2基材フィルム層と反対側の面、第1の基材フィルム層14のバリア層13と反対側の面もしくはバリア層13側の面、第2の基材フィルム層16の第2シーラント層側の面もしくは第2のシーラント層17と反対側の面などにインキ層21を積層することができる。
インキ層21に用いるインキの種類は特に限定しないが、印刷方法と印刷基材に適した
ものを選定することが好ましい。インキ層21における印刷方法は特に限定しないが、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷など一般的な印刷方法が使用可能である。
上記各層を用いた積層シート10の作製は、例えば次の通り行う。
紙層20の片方の面にインキ層21を積層(印刷)する。第1のシーラント層12、バリア層13、第1の基材フィルム層14の順に積層してドライラミネート用接着剤にてドライラミネートし、内側積層フィルム11を作製する。また、第2の基材フィルム層16の片方の面に第2のシーラント層17をエクストルーダーラミネーションにより形成して外側積層フィルム15を作製する。
上記第1の基材フィルム層14のバリア層13と反対側の面に第1の接着層18を積層し、その第1の接着層18の第1の基材フィルム層14と反対側の面に、印刷された紙層20を印刷面を上にして複数行ストライプ状に供給して積層する。紙層20の第1の接着層18と反対側の面に、第2の接着層19、第2のシーラント層17を上にした外側積層フィルム15の順で積層する。内側積層フィルム11と外側積層フィルム15、およびその間の紙層20とは、第1の接着層18と第2の接着層19によりエクストルーダーラミネーションにより貼り合わせを行うことで、積層シート10を完成させる。
積層シート10は、厚みが30μm以上300μm以下が好ましい。この厚さにより、積層シート10より構成されるチューブ状容器の胴部100を用いたチューブ状容器300において、軽い力で内容物を絞り出しやすい。また、内容物を絞り出す際に胴部100を端部までむらなく押しつぶして、胴部100の幅方向端部における曲率半径を小さくし、内容物の残留を抑制できる。
図2は、第1実施形態に係るチューブ状容器の胴部100に用いられる胴部形成用ブランクス200を示す平面図である。図3は、図2のA-A線拡大断面図である。胴部形成用ブランクス200は、上記積層シート10からなる。胴部形成用ブランクス200は、紙層20が胴部の高さ方向に複数行ストライプ状にラミネートされた積層シート10において、図2に示すように、平面視で胴部の高さ方向に見たときに、紙層20部分を中央としてその両側部分に紙層20が積層されていないフィルムのみの部分31、32が形成されるようにスリットされ、さらに、胴部の高さ方向と直交方向に所定の長さにカッティングされることで形成される。ここで、胴部の高さ方向とは、筒状に形成した胴部100が例えば円柱状である場合、その円柱の高さ方向のことである。
図2に示されるように、第1実施形態に係るチューブ状容器の胴部100に用いられる胴部形成用ブランクス200は、例えば略矩形状である。図3に示されるように、紙層20の端面41は、少なくとも胴部形成用ブランクス200の対向する両端縁側において露出していない。内側積層フィルム11と外側積層フィルム15により紙層20が挟まれ、胴部形成用ブランクス200の対向する両端縁側において紙層20端面41は保護されている。なお、図1で示す第1の接着層18と第2の接着層19(図3では図示せず)により、内側積層フィルム11、紙層20、および外側積層フィルム15が一体化されている。
図4(a)は、第1実施形態に係るチューブ状容器の胴部100の高さ方向に直交する拡大断面図である。
図4(a)に示されるように、上記胴部形成用ブランクス200の対向する両端縁同士が、熱可塑性樹脂である最外層の面10Aと最内層の面10Bを重ね合わせて熱融着されることで、筒状に形成され、チューブ状容器の胴部100が完成する。つまり、胴部形成用ブランクス200の対向する両端縁同士は、一方の端縁がチューブ状容器の胴部100の内側に、他方の端縁がチューブ状容器の胴部100の外側にくるように重ね合わせて熱
融着され、いわゆる封筒貼りがされている。
図4(a)に示される第1実施形態に係るチューブ状容器の胴部100は、胴部形成用ブランクス200の対向する両端縁同士を重ね合わせる際に、紙層20が積層された部分同士が重なるまで巻き付けて熱融着されている。例えば、紙層20が積層された部分同士が重なるまでマンドレルやプレートに巻き付け、胴部形成用ブランクス200の対向する両端縁同士を重ねた後、片面または両面からヒートシールバーや熱板をあてて、胴部形成用ブランクス200の対向する両端縁同士を熱融着する。また、例えば、胴部形成用ブランクス200の片端縁または両端縁を加熱して、表面樹脂が溶融している間に、胴部形成用ブランクス200を紙層20が積層された部分同士が重なるまで巻き付け重ねて冷却することでシールしてもよい。
上記のように胴部形成用ブランクス200を筒状に形成する方法として、一般的なチュービングマシン、製袋機やピロー・スティック包装機などで、胴部形成用ブランクス200の対向する両端縁の最内層と最外層を重ね合わせて熱融着する方法が挙げられる。例えば、製袋機を用いた場合は、ストライプ状にスリットされた積層シート10をシート折りガイドで胴部の高さ方向と直交する方向に筒状に折り込み、積層シート10の両端縁の最内層と最外層を重ね合わせ、重ね合わせた部分の上からヒートシールバーで熱融着する方法が挙げられる。
<第2実施形態のチューブ状容器の胴部>
第2実施形態のチューブ状容器の胴部101は、第1実施形態のチューブ状容器の胴部100を構成する胴部形成用ブランクス200と同じ胴部形成用ブランクス200より形成されるが、筒状に形成される際の熱融着部分の構造が異なる。
図4(b)は、第2実施形態に係るチューブ状容器の胴部101の高さ方向に直交する拡大断面図である。
図4(a)に示される第1実施形態に係るチューブ状容器の胴部100と同じように、胴部形成用ブランクス200の対向する両端縁同士が、熱可塑性樹脂である最外層の面10Aと最内層の面10Bを重ね合わせて熱融着されることで、筒状に形成され、チューブ状容器の胴部101が完成する。つまり、胴部形成用ブランクス200の対向する両端縁同士は、一方の端縁がチューブ状容器の胴部101の内側に、他方の端縁がチューブ状容器の胴部101の外側にくるように重ね合わせて熱融着されている。
しかし、第1実施形態に係るチューブ状容器の胴部100と異なり、図4(b)で示す第2実施形態に係るチューブ状容器の胴部101は、胴部形成用ブランクス200の対向する両端縁同士を重ね合わせる際に、紙層20が積層されている部分が重なる直前のところまで巻き付けて熱融着されている。例えば、紙層20が積層されている部分が重なる直前のところまでマンドレルやプレートに巻き付け、胴部形成用ブランクス200の対向する両端縁同士を重ねた後、片面または両面からヒートシールバーや熱板をあてて、胴部形成用ブランクス200の対向する両端縁同士を熱融着する。また、例えば、胴部形成用ブランクス200の片端縁または両端縁を加熱して、表面樹脂が溶融している間に、胴部形成用ブランクス200を紙層20が積層されている部分が重なる直前のところまで巻き付け重ねて冷却することでシールしてもよい。
なお、紙層20が積層されていないフィルムのみの部分31、32同士が重なる状態で積層シート10を巻き付けて熱融着すると、胴部の高さ方向に直交する断面の周の一部に紙層20が設けられていない状態となり、内容物保護の点から好ましくない。よって、図4(a)や図4(b)に示されるように、胴部の高さ方向に直交する断面の全周に紙層20が設けられていることが好ましい。
第2実施形態に係るチューブ状容器の胴部101における、胴部形成用ブランクス200を筒状に形成する方法として、第1実施形態に係るチューブ状容器の胴部100と同じように、一般的なチュービングマシン、製袋機やピロー・スティック包装機などで、胴部形成用ブランクス200の対向する両端縁の最内層と最外層を重ね合わせて熱融着する方法が挙げられる。例えば、製袋機を用いた場合は、ストライプ状にスリットされた積層シート10をシート折りガイドで胴部の高さ方向と直交する方向に筒状に折り込み、積層シート10の両端縁の最内層と最外層を重ね合わせ、重ね合わせた部分の上からヒートシールバーで熱融着する方法が挙げられる。
<第1実施形態に係るチューブ状容器の胴部を用いたチューブ状容器の一例>
図5(a)は、第1実施形態に係るチューブ状容器の胴部100を用いたチューブ状容器の第一例の正面図である。図5(b)は、第1実施形態に係るチューブ状容器の胴部100を用いたチューブ状容器の第一例の側面図である。
チューブ状容器300は、上述したチューブ状容器の胴部100と注出口部50を含む。チューブ状容器の胴部100は一端が閉塞され、注出口部50は、その胴部100の他端に取り付けられている。また、チューブ状容器300は、一例として、注出口部50に取り付けられるヒンジキャップ(図示せず)をさらに備える。なお、図5では、便宜上、注出口部50は、ヒンジキャップ(図示せず)が取り付けられていない状態を示している。
チューブ状容器の胴部100は、一端に位置する底部62が閉塞され、内容物(図示せず)が収容されている。胴部は、一例として、上述した積層シート10からなる胴部形成用ブランクス200を筒状に形成した後、底部62と、胴部の高さ方向に沿った端縁である積層シート10の端縁部同士を接着することにより形成される。底部62における積層シート10同士の接着方法は、特に限定されないが、例えば対向させた積層シート10の最内層同士の間にポリエチレンを含んだ接着層を設けて、これらを熱溶着する方法を用いることができる。チューブ状容器の胴部100における積層シート10同士の接着方法は、上述した図4で示される第1実施形態に係るチューブ状容器の胴部100における筒状形成方法と同じである。よって、胴部100の筒状形成のための胴部シール部および底部62において、紙層20の端面41に内容物が触れることがない。
図6は、図5の注出口部50近傍のB-B線における拡大断面図である。注出口部50は、チューブ状容器の胴部100の他端に位置する頂部61に取り付けられ、チューブ状容器の胴部100の頂部61を閉塞可能とする部材である。注出口部50は、チューブ状容器の胴部100の高さ方向に直交する平板状の閉塞部51を備える。図5、図6においては、胴部の高さ方向とは、胴部100の一端に位置する底部62と胴部100の他端に取り付けられた注出口部50とを結ぶ胴部100の軸線方向のことである。
閉塞部51は、一例として円板形状であるが、平板状であれば形状は限定されず、楕円、長円、多角形等であってもよい。注出口部50の材料は、特に限定されないが、低密度ポリエチレン等の樹脂材料を好適に用いることができる。また、胴部100と共に注出口部50にもバリア機能を付与した材料を用いることで、チューブ状容器300全体のバリア機能が向上し、内容物の品質をより保護することができる。閉塞部51を平板状に形成した注出口部50は、テーパ形状に形成された従来技術に係る注出口部50と比較して、使用する材料を低減することができる。
閉塞部51は、一例として略中心部に円環状のハーフカット52を有し、ハーフカット52の内側にプルリング53を備える。閉塞部51が、ハーフカット52とプルリング5
3とを備えることにより、チューブ状容器300の使用者は、プルリング53を引っ張りハーフカット52に沿って閉塞部51の一部を除去することで、閉塞部51に内容物を取り出すための開口を形成することができる。なお、ハーフカット52とプルリング53とを設けずに、閉塞部51に内容物を取り出すための開口をあらかじめ形成してもよい。
チューブ状容器の胴部100の頂部61は、注出口部50の周縁部において、注出口部50のチューブ状容器の胴部100の底部62側とは反対側の面に取り付けられている。図6では、チューブ状容器の胴部100の頂部61は、閉塞部51の端縁(周縁部)において、閉塞部51のチューブ状容器の胴部100の底部62側とは反対側の面に接着されている。よって、胴部100の筒状形成のための胴部シール部、底部62、および注出口部50との取り付け部分において、紙層20の端面41に内容物が触れることがなく、胴部100を用いたチューブ状容器300全体として、紙層20の端面41が内容物に触れることがない。
チューブ状容器の胴部100と閉塞部51との接着方法は、特に限定されないが、例えば積層シート10の最内層にポリエチレンを含んだ第2シーラント層を設けるとともにポリエチレンを含んだ材料で注出口部50を形成して、これらを熱溶着する方法を用いることができる。
ヒンジキャップ(図示せず)は、注出口部50に取り付けられ、注出口部50に形成された開口の閉塞および開放を可能にする部材である。
なお、注出口部50に形成された開口の閉塞および開放を実現するための形態はヒンジキャップに限定されず、例えば、注出口部50に設けた外ネジを有する円筒部と、この外ネジに螺着可能な内ネジを備えるキャップとを含む形態としてもよい。
チューブ状容器300では、注出口部50がチューブ状容器の胴部100の高さ方向に直交する平板状の閉塞部51を備えるとともに、チューブ状容器の胴部100の頂部61は、閉塞部51の端縁において、閉塞部51のチューブ状容器の胴部100の底部62側とは反対側の面に接着されている。このため、指等で胴部100を閉塞部51の端縁で折り曲げることにより、胴部100にわずかに残った内容物を、閉塞部51の内方側の平面と胴部100の内面とで挟み込むことにより注出口部50の開口の周辺へ向かって押し出すことができる。
また、注出口部50の閉塞部51は平板状であるため、従来技術のようにテーパ形状に形成された注出口部50とは異なり、内方側に内容物の残留を可能とする空間を有さない。このため、注出口部50の開口の周辺へ向かって押し出された内容物を、胴部100および注出口部50の内部へ残留させることなく開口から絞り出すことができる。この結果、容器内部における内容物の残留を抑制することができる。
なお、チューブ状容器300では、上述のように、胴部100を折り曲げながら内容物を絞り出すことで内容物の残留を抑制することができる。このため、胴部を容易に折り曲げることが可能となる、剛性が低い(コシが強くない)積層シート10で胴部を形成することが好ましい。
上述したとおり、チューブ状容器の胴部100を構成する積層シート10の厚みを30μm以上300μm以下とすることで、その積層シート10より構成されるチューブ状容器の胴部100を用いたチューブ状容器300において、軽い力で内容物を絞り出しやすく、内容物の残留を抑制できる。また、チューブ状容器の胴部100を容易に折り曲げることも可能となる。
また、キャップとして、上述のヒンジキャップを設けると、閉塞部51と螺合し、回転させて開栓するキャップを設ける場合に比べて、開栓時に手でつかまれる胴部に要求される捩じれに対する剛性を低減できるので、剛性が低い積層シート10を採用しやすく好ましい。
本願発明者は、実施例1~4および比較例1、2のチューブ状容器を用いて、筒状形成のための胴部シール部のハネの状況、紙層への内容物染み込みの有無、および、注出口部の溶着部の液モレの状況を確認する試験を実施した。実施例1~4および比較例1、2は、すべて胴部および注出口部より構成されており、注出口部の構造や材料は上述した第1実施形態のチューブ状容器に用いた注出口部と同じである。また、実施例1~4および比較例1、2における注出口部の胴部への取り付け方法、および底部における積層シート同士の接着方法は、上述した第1実施形態のチューブ状容器と同じである。
次に、実施例1~4および比較例1、2のそれぞれの胴部の構造について説明する。
(実施例1)
最内層側から、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)フィルム(タマポリ株式会社製、商品名:SE620A)(50μm)、無機蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(凸版印刷株式会社製、商品名:GL-RD)(12μm)の順で積層し、ドライラミネート用接着剤を用いてドライラミネートすることで内側積層フィルムを作製した。この接着剤は、2液硬化型ウレタン系接着剤(三井化学株式会社製、主剤A626/硬化剤A5)を用いた。
また、最外層側から、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)(日本ポリエチレン株式会社製、商品名:LC600A)(15μm)、ポリエチレンテレフタレート(PET)(東レ株式会社製、商品名:P60)(12μm)の順で積層し、エクストルーダーラミネーションにより形成して外側積層フィルムを作製した。
未晒クラフト(王子マテリア株式会社製、未晒軽包装用紙)(70g/m)の片面に前述の内側積層フィルム、反対側に前述の外側積層フィルムをそれぞれ、SPE(日本ポリエチレン株式会社製、商品名:ノバテックLC600A)(15μm)を用いてエクストルーダーラミネーションにより貼り合わせを行い、胴部を構成する積層シートを完成させた。
未晒クラフト、内側積層フィルムおよび外側積層フィルムを積層する際、内側積層フィルムおよび外側積層フィルムのそれぞれ幅方向全面の間に、110mm幅の未晒クラフトを複数行ストライプ状に供給して貼り合わせを行った。その後、未晒クラフト部分を中央として、両側部分に8mmのフィルムのみの部分が形成されるようにスリットした。筒状形成の方法は、上述の第1実施形態のチューブ状容器の胴部の筒状形成の方法と同じである。
(実施例2)
最内層側から、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)フィルム(タマポリ株式会社製、商品名:SE620A)(50μm)、無機蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(凸版印刷株式会社製、商品名:GL-RD)(12μm)の順で積層し、ドライラミネート用接着剤を用いてドライラミネートすることで内側積層フィルムを作製した。この接着剤は、2液硬化型ウレタン系接着剤(三井化学株式会社製、主剤A626/硬化剤A5)を用いた。
未晒クラフト(王子マテリア株式会社製、未晒軽包装用紙)(70g/m)の片面に前述の内側積層フィルムをSPE(日本ポリエチレン株式会社製、商品名:ノバテックLC600A)(15μm)を用いてエクストルーダーラミネーションにより貼り合わせを
行い、反対側に低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)(日本ポリエチレン株式会社製、商品名:LC600A)(15μm)の単層を同様にエクストルーダーラミネーションにより貼り合わせを行い、胴部を構成する積層シートを完成させた。
未晒クラフト、内側積層フィルム、および低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)の単層を積層する際、内側積層フィルムおよび低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)の単層のそれぞれ幅方向全面に、110mm幅の未晒クラフトを複数行ストライプ状に供給して貼り合わせを行った。その後、未晒クラフト部分を中央として、両側部分に8mmのフィルムのみの部分が形成されるようにスリットした。筒状形成の方法は、実施例1の筒状形成の方法と同じである。
(実施例3)
最内層側から、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)フィルム(タマポリ株式会社製、商品名:SE620A)(50μm)、アルミ箔(7μm)、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ株式会社製、商品名:P60)(12μm)の順で積層し、ドライラミネート用接着剤を用いてドライラミネートすることで内側積層フィルムを作製した。この接着剤は、2液硬化型ウレタン系接着剤(三井化学株式会社製、主剤A626/硬化剤A5)を用いた。
未晒クラフト(王子マテリア株式会社製、未晒軽包装用紙)(70g/m)の片面に前述の内側積層フィルムをSPE(日本ポリエチレン株式会社製、商品名:ノバテックLC600A)(15μm)を用いてエクストルーダーラミネーションにより貼り合わせを行い、反対側に低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)(日本ポリエチレン株式会社製、商品名:LC600A)(15μm)の単層を同様にエクストルーダーラミネーションにより貼り合わせを行い、胴部を構成する積層シートを完成させた。
未晒クラフト、内側積層フィルム、および低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)の単層を積層する際、内側積層フィルムおよび低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)の単層のそれぞれ幅方向全面に、110mm幅の未晒クラフトを複数行ストライプ状に供給して貼り合わせを行った。その後、未晒クラフト部分を中央として、両側部分に8mmのフィルムのみの部分が形成されるようにスリットした。筒状形成の方法は、実施例1の筒状形成の方法と同じである。
(実施例4)
最内層側から、EMAA樹脂(三井・ダウ ポリケミカル株式会社製、商品名:AN4228C)(50μm)、無機蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(凸版印刷株式会社製、商品名:GL-RD)(12μm)の順に積層し、エクストルーダーラミネーションにより貼り合わせを行い、内側積層フィルムを作製した。
未晒クラフト(王子マテリア株式会社製、未晒軽包装用紙)(70g/m)の片面に前述の内側積層フィルムをEMAA樹脂(三井・ダウ ポリケミカル株式会社製、商品名:AN4228C)(15μm)を用いてエクストルーダーラミネーションにより貼り合わせを行い、反対側にEMAA樹脂(三井・ダウ ポリケミカル株式会社製、商品名:AN4228C)(15μm)の単層を形成し、胴部を構成する積層シートを完成させた。
未晒クラフト、内側積層フィルム、およびEMAA樹脂の単層を積層する際、内側積層フィルムおよびEMAA樹脂の単層のそれぞれ幅方向全面に、110mm幅の未晒クラフトを複数行ストライプ状に供給して貼り合わせを行った。その後、紙層部分を中央として、両側部分に8mmのフィルムのみの部分が形成されるようにスリットした。筒状形成の方法は、実施例1の筒状形成の方法と同じである。
(比較例1)
実施例1と同じ積層構成で貼り合わせを行うことで、胴部を構成する積層シートを完成させる。しかし、未晒クラフト、内側積層フィルムおよび外側積層フィルムを積層する際、未晒クラフトは幅方向に全幅に内側積層フィルムおよび外側積層フィルムと貼り合わせ
、胴部の高さ方向にストライプ状にスリットした胴部形成用ブランクスの両端縁には未晒クラフトの端面が露出したものを作製した。
筒状形成の方法は、実施例1の筒状形成の方法と同じである。
(比較例2)
胴部を構成する積層シートの積層構成、および胴部形成用ブランクスの両端縁に未晒クラフトの端面が露出する胴部形成用ブランクスの構造は、比較例1と同じである。
筒状形成の方法は比較例1と異なり、最内層である直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)フィルム同士を貼り合わせる合掌貼り方法により筒状形成した。
(試験方法)
実施例1~4、比較例1および2のチューブ状容器について、筒状形成のための胴部シール部がはねて、外観が悪くないか否か目視判断を行った。
また、実施例1~4、比較例1および2のチューブ状容器に、内容物としてバターを充填し、40℃で2週間保存し、紙である未晒クラフトに油ジミが生じないか否かを確認した。
さらに、実施例1~4、比較例1および2のチューブ状容器を、下記の同一条件で超音波溶着を行い、チェック液を使用して注出口部の液モレを確認した。
条件:発信時間は0.3秒、ホールド時間は0.3秒、振動数は30kHz
この注出口部の液モレの確認は、実施例1~4、比較例1および2のチューブ状容器それぞれ100個について行い、その100個の中で液モレが生じたチューブ状容器の数(漏れ数/評価数)を確認した。
(試験結果・考察)
上記試験方法による試験結果を表1に示す。
表1において、評価項目の「胴部シール部ハネ」は、筒状形成のための胴部シール部のハネのことであり、「〇」はこのハネが無いため外観良好であることを示し、「×」はこのハネが有るために外観不良であることを示す。評価項目の「紙層への内容物染み込み」における紙層は未晒クラフトのことであり、「〇」は胴部の紙層への内容物の染み込みが無いことを示し、「×」は胴部の紙層への内容物の染み込みが有ることを示す。また、評価項目の「注出口部の溶着部の液モレ」における「〇」は液モレが生じた数が0個の場合を示し、「×」は液モレが1個以上生じた場合を示す。さらに、「総合評価」の「〇」は上記各評価を総合的に判断して良好であることを示し、「×」は上記各評価を総合的に判断して不良であることを示す。
また、表1における積層シートの構成欄に記載の数値は、紙の坪量(g/m)、樹脂量の厚み(μm)、またはアルミ箔の厚み(μm)を表す。
実施例1~4は、筒状形成のための胴部シール部のハネが無く外観良好であり、胴部の紙層への内容物染み込み(油ジミ)が無く、さらに、チューブ状容器100個の中で注出口部の溶着部の液モレが生じた数は0個であった。
一方、比較例1は、筒状形成のための胴部シール部のハネは無いが、胴部の紙層への内容物染み込み(油ジミ)が有り、さらに、チューブ状容器100個中10個について注出口部の溶着部の液モレが生じた。また、比較例2は、胴部の紙層への内容物染み込み(油ジミ)は無かったが、筒状形成のための胴部シール部のハネが有り、さらに、チューブ状容器100個中30個について注出口部の溶着部の液モレが生じた。
以上の試験結果より、胴部を構成する積層シートのスリットした両端縁に紙層の端面を
露出させず、フィルムのみの部分からなる部分を形成した上で、その両端縁の最外層と最内層の面を重ね合わせるようにして筒状に形成させた胴部を用いたチューブ状容器は、外観良好で紙層への内容物の染み込みを防ぎ、かつシール性も良好であることが分かる。
Figure 2022026738000002
以上の通り、本発明のチューブ状容器の胴部は、最内層と最外層が熱可塑性樹脂層で中間層に紙層を含む積層シートからなる胴部形成用ブランクスの対向する両端縁側において、紙層の端面が露出していない。紙層の端面が露出しない胴部形成用ブランクスの両端縁同士を重ね合わせて筒状に形成するため、チューブ状容器の胴部内部に紙層の端面が露出せず、紙層の端面に内容物が触れることがない。また、本発明のチューブ状容器の胴部は、胴部形成用ブランクスの対向する両端縁同士が、最外層と最内層の面を重ね合わせて熱融着されている。よって、胴部シール部に例えば合掌貼りのような厚みができず、外観が良好である。
積層シート・・・10
内側積層フィルム・・・11
第1のシーラント層・・・12
バリア層・・・13
第1の基材フィルム層・・・14
外側積層フィルム・・・15
第2の基材フィルム層・・・16
第2のシーラント層・・・17
第1の接着層・・・18
第2の接着層・・・19
紙層・・・20
インキ層・・・21
紙層が積層されていないフィルムのみの部分・・・31、32
紙層の端面・・・41
積層シートの最外層の面・・・10A
積層シートの最内層の面・・・10B
注出口部・・・50
閉塞部・・・51
ハーフカット・・・52
プルリング・・・53
頂部・・・61
底部・・・62
チューブ状容器の胴部・・・100、101
胴部形成用ブランクス・・・200
チューブ状容器・・・300

Claims (9)

  1. 少なくとも最外層と最内層が熱可塑性樹脂層であり、中間層に紙層を含む積層シートからなる胴部形成用ブランクスを用いて形成され、
    前記紙層の端面は、少なくとも前記胴部形成用ブランクスの対向する両端縁側において露出しておらず、
    前記胴部形成用ブランクスの対向する両端縁同士は、最外層と最内層の面を重ね合わせて熱融着されている、チューブ状容器の胴部。
  2. 前記積層シートは、厚みが30μm以上300μm以下である、請求項1に記載のチューブ状容器の胴部。
  3. 前記最内層の熱可塑性樹脂層と紙層の間にバリア層が積層されている、請求項1または2に記載のチューブ状容器の胴部。
  4. 前記紙層の坪量は、3g/m以上300g/m以下である、請求項1から3のいずれかに記載のチューブ状容器の胴部。
  5. 前記最外層の熱可塑性樹脂層はシーラント層であり、前記最外層のシーラント層は、厚みが3μm以上200μm以下である、請求項1から4のいずれかに記載のチューブ状容器の胴部。
  6. 前記紙層を挟持する第1の接着層と第2の接着層を有し、前記第1の接着層と第2の接着層は、それぞれの厚みが5μm以上100μm以下である、請求項1から5のいずれかに記載のチューブ状容器の胴部。
  7. 前記請求項1から6のいずれかに記載のチューブ状容器の胴部を用いたチューブ状容器。
  8. 一端が閉塞され、内容物を収容することができる、前記請求項1から6のいずれかに記載のチューブ状容器の胴部と、
    前記チューブ状容器の胴部の他端に取り付けられた、前記チューブ状容器の胴部の前記他端を閉塞可能な注出口部とを含むチューブ状容器であって、
    前記チューブ状容器の胴部の前記他端は、前記注出口部の周縁部において、前記注出口部の前記チューブ状容器の胴部の前記一端側とは反対側の面に取り付けられている、
    請求項7に記載のチューブ状容器。
  9. 前記注出口部は、前記チューブ状容器の胴部の高さ方向に直交する平板状の閉塞部を備え、
    前記周縁部は、前記閉塞部の端縁であって、
    前記チューブ状容器の胴部の前記他端は、前記閉塞部の前記周縁部において、前記閉塞部の前記チューブ状容器の胴部の前記一端側とは反対側の面に接着されている、
    請求項8に記載のチューブ状容器。
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