JP5109313B2 - 容器の蓋材 - Google Patents

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本発明は容器の蓋材に関するものである。
食品用の容器として、フランジ部を有した紙製の容器と、当該容器のフランジ部に熱融着された紙製の中蓋と、中蓋をさらに覆うプラスチック製の外蓋と、からなる容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この紙製の容器は、通常、防水等のためにポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等で覆われており、フランジ部の中蓋と接する表面にも樹脂が形成されている。容器の中蓋としては、紙基材における容器のフランジ部と接する面に、容器のフランジ部上面と接着できる材質、例えばポリプロピレンフィルムが形成されたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平6−1375号公報 特開平3−665号公報
容器のフランジ部における、容器の紙基材の両端が重なっている部分には、微小な段差が生じる。上述の中蓋を容器のフランジ部に熱融着し、当該容器に圧力をかけた場合には、この段差部分における容器の紙基材と容器のポリエチレン樹脂等とが分離されやすくなり、内容物の漏れの原因にもなる。
そこで、本発明は、容器との密着性を向上させ、容器の基材の重なり部分においても剥がれにくい中蓋用の蓋材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の容器の蓋材は、紙の両面にポリエチレン系樹脂を積層した加工紙からなる容器にヒートシールされる蓋材であって、少なくとも紙からなる基材層、中間層、シーラント層が順次積層され、前記シーラント層が少なくとも二種類のポリエチレン樹脂からなる二層以上で構成されており、前記中間層に隣接する第1シーラント層を形成するポリエチレン樹脂の融点が、前記容器と接する第2シーラント層を形成するポリエチレン樹脂の融点よりも4℃以上高く、前記シーラント層は、前記第1シーラント層の層厚と、前記第2シーラント層の層厚と、の比が4:1〜1:1の範囲内であり、かつ、前記シーラント層全体の層厚が30〜70μmであり、前記第1シーラント層を形成するポリエチレン樹脂のMFRが7g/10min以下であり、かつ、前記第2シーラント層を形成するポリエチレン樹脂のMFRが9〜45g/10minの範囲内にあり、さらに、前記第1シーラント層及び前記第2シーラント層を含む前記シーラント層が共押出ラミネーションにより前記中間層上に積層されることを特徴とする。
これによれば、融点の低い第2シーラント層は容器とのヒートシール時に早く溶融し、容器の段差部に流動して密封性を高める機能を有する。一方、第1シーラント層は容器とのヒートシール時にやや遅れて溶融するため、シーラントの過剰な流動を抑止し、いわゆるシール痩せによる封緘強度の低下を防止する。そのため、本発明の蓋材は、容器との密着性を向上させ、容器の基材の重なり部分においても剥がれにくくすることができる。
これによれば、蓋材のシーラント層をこのような層厚、層厚比とすることにより、容器の段差部分に接する部分における密封性・封緘性に優れ、容器との易開封性も得られる。
これによれば、蓋材のシーラント層の材料におけるMFRを上記範囲内とすることにより、密封性・封緘性に優れ、蓋材を製造するの加工適性も良好となる。
また、前記第1シーラント層及び前記第2シーラント層を含む前記シーラント層を共押出ラミネーションにより前記中間層上に積層することにより、他の各種方法に比べて蓋材の製造費用を削減することができる。
上記本発明の容器の蓋材において、前記第1シーラント層を形成するポリエチレン樹脂の引張破壊応力が12MPa以上であり、前記第2シーラント層を形成するポリエチレン樹脂の引張破壊応力が11MPa以下であり、かつ、前記蓋材の被着材となる紙容器に積層されたポリエチレン系樹脂の引張破壊応力よりも前記第2シーラント層を形成するポリエチレン樹脂の引張破壊応力が低いことを特徴とする。
これによれば、蓋材やこれに接する容器におけるポリエチレン樹脂の引張破壊応力を上記範囲内とすることにより、容器から蓋材を剥がす際の易開封性が実現される。
本発明の容器の蓋材によれば、容器との密着性を向上させ、容器の基材の重なり部分においても剥がれにくくすることができる。
以下、本発明の容器の蓋材の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の容器の蓋材及びこれが設けられる容器の例を示す斜視図であり、図2は、容器のフランジ部における微小な段差を説明する側面図であり、図3は、本発明の容器の蓋材の断面図である。
図1に示すように、本発明の蓋材12は、紙の両面にポリエチレン系樹脂を積層した加工紙からなる容器11にヒートシールされる蓋材12である。蓋材12は容器11におけるフランジ部11aに接着される。また、本発明の蓋材12は、図1に示すように中蓋として好適に用いられ、さらに外蓋13を設けることができる。なお、本発明の蓋材12は、外蓋としても用いることができる。
図1における円く囲んだ部分の拡大側面図を図2に示すように、容器11のフランジ部11aにおける、容器11の紙基材の両端が重なっている部分には、微小な段差11bが生じる。この段差部分11bにおいては、通常、容器11の紙基材と容器のポリエチレン系樹脂とが分離されやすくなり、内容物の漏れの原因にもなっている。これに対し、例えば、蓋材12における容器11と接するシーラント層を厚くすることにより段差部分11bにおける密封性は向上するが、シール強度が強くなるため易開封性が著しく損なわれる。また、蓋材12のシーラント層におけるポリエチレンの溶融流動性(MFR)を高めることにより、段差部分11bにおける密封性は向上するが、容器11とのヒートシール時にシーラント層の樹脂が段差部分11b以外では過剰に流動するため、いわゆるシール痩せ現象を生じ封緘強度が低下する。
これらに対し、本発明のシーラント層23における溶融温度を規定した蓋材12を用いることにより、容器11との密着性を向上させ、容器11の基材の段差部分11bにおいても剥がれにくくすることができる。
図3に蓋材12の断面図を示すように、本発明の蓋材12は、少なくとも紙からなる基材層21、中間層22、シーラント層23が順次積層されている。各層について順に説明する。
まず、基材層21は紙からなり、この紙は、蓋材を構成する基本素材となることから賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有するものを使用することができる。紙としては、例えば、主強度材であり、強サイズ性の晒または未晒の紙基材、あるいは、耐酸紙、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク原紙等の各種の紙基材を使用することができる。基材層21は、これらの紙を複数層重ねたものであってもよい。また、紙は、坪量80〜600g/m程度、好ましくは坪量100〜450g/m程度であり、厚さ110〜860μm程度、好ましくは140〜640μm程度のものを使用することができる。なお、紙基材には、例えば、文字、図形、記号、その他の所望の絵柄を通常の印刷方式にて任意に形成することができる。
中間層22は、紙の基材層21の強度を補強するものであり、開封時に蓋が破れたり、紙間剥離によるいわゆる膜残りを防止するために積層される。中間層22は、通常、ポリエチレン系樹脂、PET等からなる。具体的に、中間層22は、基材層21側にありポリエチレン系樹脂からなる中間層221と、シーラント層23側にありPET等からなる中間層222と、からなる。中間層221の材料としては、後述する第1シーラント層231と同様の材料が用いられる。中間層222の材料としては、上記の機能を有するものであれば特に限定されないが、PET、OPP、HDPE、EVOH等のフィルムが用いられる。また、バリア性を付与するためにアルミ箔、アルミ蒸着フィルム、シリカ蒸着フィルム等を用いることも可能である。
中間層22全体の厚さも、特に限定されないが、通常、16〜80μm程度である。また、中間層221の厚さは、通常、10〜60μm程度であり、中間層222の厚さは、通常、6〜20μm程度である。
基材層21に中間層22を積層する方法は、特に限定されないが、EC(エクストルージョンコーティング)によるポリサンドラミネーションや、ドライラミネーション、ウェットラミネーション等が用いられる。
シーラント層23は、少なくとも二種類のポリエチレン系樹脂からなる二層以上で構成されている。図3に示すように、中間層22に隣接する層を第1シーラント層231とし、容器11と接する層を第2シーラント層232とする。
シーラント層23に用いられるポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレンの他にエチレン共重合体が用いられ、特に限定されないが、例えば以下に説明する材料が用いられる。第1シーラント層231のポリエチレン系樹脂としてはLDPE、LLDPE、EMAA等を用いることができる。第2シーラント層232のポリエチレン系樹脂としては、LLDPE等が用いられ、後述する引張破壊応力の物性を満たすためには高圧法LDPEが好適に用いられる。
本発明においては、第1シーラント層231を形成するポリエチレン樹脂の融点が、第2シーラント層232を形成するポリエチレン樹脂の融点よりも4℃以上高いことを特徴とする。各ポリエチレン樹脂の融点の差は、4℃以上であれば特に限定されないが、通常、上限値は20℃程度であり、105〜125℃程度であることが好ましい。このポリエチレン樹脂の融点の測定方法としては、ISO規格 11357−3に規定されるDSC法が用いられる。このように二つの層において融点の差があることにより、融点の低い第2シーラント層232は容器11とのヒートシール時に早く溶融し、容器11の段差部11bに流動して密封性を高め、かつ、第1シーラント層231は容器11とのヒートシール時にやや遅れて溶融するため、シーラントの過剰な流動を抑止し、いわゆるシール痩せによる封緘強度の低下を防止できる。なお、シーラント層23は、二層以上であればよく、三層以上の場合には、第1シーラント層231側から第2シーラント層232側になるにつれて形成するポリエチレン樹脂の融点が低くなることが好ましい。
シーラント層23の層厚は、全体の層厚が30〜70μmであることが好ましく、さらに好ましくは40〜60μm程度である。シーラント層23の全体の層厚が30μm未満であると密封性・封緘性が劣り、70μmを超えると易開封性が損なわれる。また、第1シーラント層231の層厚と、第2シーラント層232の層厚と、の比が4:1〜1:1の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは2:1〜4:3である。第1シーラント層231の層厚比が上記比よりも小さいとシール痩せにより封緘強度が低下し、第1シーラント層231の層厚比が上記比よりも大きいとカップ段差部11bの密封性が期待できない。このときの第1シーラント層231のみの層厚は、18〜56μmであり、第2シーラント層232のみの層厚は、6〜28μmである。
シーラント層23のポリエチレン系樹脂におけるMFRは、以下の範囲とすることが好ましい。第1シーラント層231を形成するポリエチレン系樹脂のMFRは、7g/10min以下であり、下限値は特に限定されないが、通常、1g/10min程度である。さらに、第1シーラント層231を形成するポリエチレン系樹脂のMFRは、1〜7g/10min程度が好ましい。また、第2シーラント層232を形成するポリエチレン系樹脂のMFRが9〜45g/10minの範囲内であり、12〜20g/10min程度が好ましい。このポリエチレン系樹脂のMFRの測定方法としては、JIS規格 K 7210が用いられる。
第1シーラント層231のMFRが7g/10minを超えると、樹脂流動性が高いため、容器11とのヒートシール時にシール痩せを生じ封緘強度が低下するおそれがある。また、第2シーラント層232のMFRが9g/10min未満では十分な密封性が得られず、45g/10minを超えると製膜、積層加工が困難となる。なお、第1シーラント層231と第2シーラント層232では、その材料のMFRの差が5〜19g/10min程度あることが好ましい。
シーラント層23における材料の引張破壊応力は、以下の範囲とすることが好ましい。第1シーラント層231のポリエチレン系樹脂の引張破壊応力は12MPa以上である。この上限値は特に限定されないが、通常、15MPa程度である。また、この引張破壊応力は、12〜15MPa程度であることが好ましい。第2シーラント層232のポリエチレン系樹脂の引張破壊応力が11MPa以下である。この下限値は特に限定されないが、通常、9MPa程度である。また、この引張破壊応力は、9〜11MPa程度であることが好ましい。さらに、蓋材12の被着材となる紙容器11に積層されたポリエチレン系樹脂の引張破壊応力よりも第2シーラント層232を形成するポリエチレン系樹脂の引張破壊応力が低くする。このポリエチレン系樹脂の引張破壊応力の測定方法としては、JIS規格 K 7161、K 7162が用いられる。
容器11と直接ヒートシールされる第1シーラント層231におけるポリエチレン系樹脂の引張破壊応力を上記範囲内とすることにより、開封時に第2シーラント層232が容易に凝集破壊し、易開封性が実現される。また、第1シーラント層231及び被着体である容器11におけるポリエチレン系樹脂の引張破壊応力をこれらに挟まれる第2シーラント層232よりも強くすることで、開封時の力が第2シーラント層232に集中するため、易開封性がより安定的に発現する。
シーラント層23の形成方法は、特に限定されないが、多層インフレーション製膜等の公知の方法が用いられる。中間層22上にシーラント層23を積層する方法も、特に限定されないが、共押出ラミネーション、ドライラミネーション、タンデム押出ラミネーション等用いられる。特に、シーラント層23の積層のために共押出ラミネーションを用いることは、蓋材12の製造費用を削減することができ、好ましい。
ここで、蓋材12には上述の各層以外の層を設けることも可能である。例えば、中間層222の代替として、アルミニウム蒸着PET、シリカ蒸着PET、OPP等の材料に変更することができる。他の層を設ける場合にも、各種ラミネーション等の積層方法又は塗布方法が適用できる。また、各層を形成する前に、アンカーコートやコロナ処理等を行ってもよい。
蓋材12の全体の層厚は特に限定されないが、上述の各層の厚さの範囲内で設定されることが好ましい。上記した蓋材12は、紙からなる基材層21の大きさに合わせて作製し、シート裁ち、打抜き加工して、容器に用いられる大きさにする。蓋材12は、容器11のフランジ部11aにヒートシールされて、容器11を密封する。このヒートシール温度は、特に限定されないが、通常、230〜260℃程度である。
本発明の蓋材12が設けられる容器11は、特に限定されないが、略円柱形や図1に示すような略直方体形のカップ型等の形状が挙げられる。容器11の内容物も、特に限定されず、乳製品、スナック菓子、ラーメン等の食品等を内容物とすることができる。
実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
坪量210g/mの耐酸紙の一方の面に、厚さ12μmのPETフィルムを対抗させ、インラインコロナ処理を施しながら、その層間を低密度ポリエチレン樹脂(A)(密度0.923、メルトインデックス(MFR)3.6)を使用し、厚さ15μm押出しコートし、上記の耐酸紙(基材層)とバリア性を有する中間層を貼り合わせた。さらに、上記の耐酸紙と貼り合わせたPET面側にAC(アンカーコート)剤を施し、その面に上記と同様の低密度ポリエチレン樹脂(A)(密度0.923、メルトインデックス(MFR)3.6、融点111℃、引張破壊応力13.3MPa)とそれよりも低融点、高MFRである低密度ポリエチレン樹脂(B)(密度0.918、メルトインデックス(MFR)14、融点106℃、引張破壊応力10.0MPa)の樹脂を共押しし、積層体を作製した。低密度ポリエチレン樹脂の厚さ比は(A)35μm:(B)20μmであった。以上の層構成を以下に示す。PE(B)が容器に接する面となる。
紙210g/m/(A)PE15μm/PET12μm/((A)PE35μm/(B)PE20μm(低融点、MFR=14))
製造した積層体を使用し、シート裁ち、打抜き加工し、蓋材を作製した。
また、容器本体について、以下の層構成の紙基材に、底紙を加えて胴貼りし、フランジプレス工程を経てカップ型に成形した。(A)PEは、上述の蓋材における(A)PEと同様の材料を用いている。
(A)PE20g/m/紙300g/m/(A)PE40μm(内面)
(比較例1)
実施例1におけるシーラント層に(A)PE一層のみを用い45μmとした他は、実施例1と同様にして比較例1の蓋材を作製した。この蓋材の層構成を以下に示す。
紙210g/m /(A)PE15μm/PET12μm/(A)PE45μm
(評価方法及び評価結果)
実施例及び比較例の蓋材について、封緘強度試験、ピール強度試験を行なった。
各試験について、発酵乳を充填した容器本体に、シールヘッドを用いて蓋材をヒートシールした。その時の条件は、以下の通りである。この条件における容器フランジ巾、容器外径・内径サイズ、シールヘッド巾、シールヘッド外径・内径サイズを図4の容器の概略図に示す。図4の容器11は、蓋材12がヒートシールされた状態であり、蓋材12における破線部分が容器11の内径である。
シールヘッド圧力 :3kg/cm
時間 :1.0秒(×2回)
容器フランジ巾 :4mm
容器外径サイズ(高さ省略) :107×80mm(内径99×72mm)
シールヘッド巾 :2mm
シールヘッド外径サイズ :103×77mm(内径99×73mm)
蓋材サイズ :106×79mm
R(蓋材、容器本体、シールヘッド):26
封緘強度試験は、蓋材がヒートシールされた容器を水没させて、容器と蓋材の間から空気漏れが発生した際の強度を測定した。各ヒートシール温度における測定結果を表1に示すように、実施例1は比較例1に比べて封緘強度が増しており、幅広い温度巾において封緘強度が高く、かつ、安定していた。また、実施例1の各例においてはフランジ部における不特定の位置で容器・蓋材間が破裂したように軽く音を立てて空気漏れが発生した。これに対し、比較例1の各例においてはフランジ部における段差部分から静かに空気が漏れた。なお、空気漏れが発生する際には、通常、容器におけるポリエチレン層直下の紙において剥離する。
Figure 0005109313
ピール強度試験は、図4の蓋材12の左下に示すように、蓋材12にタブを設けた形状で容器11にヒートシールし、当該タブを45°上方に開封する際の力をプッシュプールゲージにて測定した。各ヒートシール温度における測定結果を表2に示すように、実施例1は比較例1に比べて接着力は弱く、開封が容易である。
Figure 0005109313
(シーラント層のMFR比較における評価)
(比較例2〜6)
実施例1におけるシーラント層に(B)PE一層のみを用い45μmとした他は、実施例1と同様にして比較例2の蓋材を作製した。
実施例1におけるシーラント層に(B)PE一層のみを用い55μmとした他は、実施例1と同様にして比較例3の蓋材を作製した。
実施例1におけるシーラント層に低密度ポリエチレン樹脂(C)(密度0.918、メルトインデックス(MFR)7、融点106℃、引張破壊応力11MPa)一層のみを用い45μmとした他は、実施例1と同様にして比較例4の蓋材を作製した。
実施例1におけるシーラント層に(C)PE一層のみを用い55μmとした他は、実施例1と同様にして比較例5の蓋材を作製した。
実施例1におけるシーラント層に(A)PE28μm/(C)PE17μm(比5:3)を用いた他は、実施例1と同様にして比較例6の蓋材を作製した。
(評価結果)
実施例1及び比較例1〜6について、上述の封緘強度試験と同様に封緘強度を測定した結果を表3に示す。実施例1は比較例1〜6に比べて封緘強度が増しており、幅広い温度巾において封緘強度が高く、かつ、安定していた。下線を引いた比較例2〜4のヒートシール温度240℃〜260℃においては、樹脂が流れすぎ、シール痩せが始まり、封緘強度が低下した。また、比較例1〜6においては、容器のフランジ部の段差部分から空気漏れが発生した。
Figure 0005109313
(シーラント層の層厚比較における評価)
(実施例2)
実施例1におけるシーラント層に(A)PE40μm/(B)PE15μm(比8:3)を用いた他は、実施例1と同様にして実施例2の蓋材を作製した。
(評価結果)
実施例1、2について、上述の封緘強度試験と同様に封緘強度を測定した結果を表4に示す。実施例1、2は幅広い温度巾において封緘強度が高く安定していた。
Figure 0005109313
本発明の容器の蓋材及びこれが設けられる容器の例を示す斜視図である。 容器のフランジ部における微小な段差を説明する側面図である。 本発明の容器の蓋材の断面図である。 実施例の評価方法を説明する容器及び蓋材の概略図である。
符号の説明
10 容器全体
11 容器
11a 容器のフランジ部
11b 容器の段差部分
12 蓋材(中蓋)
13 蓋材(外蓋)
21 基材層
22 中間層
23 シーラント層
231 第1シーラント層
232 第2シーラント層

Claims (2)

  1. 紙の両面にポリエチレン系樹脂を積層した加工紙からなる容器にヒートシールされる蓋材であって、
    少なくとも紙からなる基材層、中間層、シーラント層が順次積層され、
    前記シーラント層が少なくとも二種類のポリエチレン樹脂からなる二層以上で構成されており、
    前記中間層に隣接する第1シーラント層を形成するポリエチレン樹脂の融点が、前記容器と接する第2シーラント層を形成するポリエチレン樹脂の融点よりも4℃以上高く、
    前記シーラント層は、前記第1シーラント層の層厚と、前記第2シーラント層の層厚と、の比が4:1〜1:1の範囲内であり、かつ、前記シーラント層全体の層厚が30〜70μmであり、
    前記第1シーラント層を形成するポリエチレン樹脂のMFRが7g/10min以下であり、かつ、前記第2シーラント層を形成するポリエチレン樹脂のMFRが9〜45g/10minの範囲内にあり、
    さらに、前記第1シーラント層及び前記第2シーラント層を含む前記シーラント層が共押出ラミネーションにより前記中間層上に積層されることを特徴とする蓋材。
  2. 前記第1シーラント層を形成するポリエチレン樹脂の引張破壊応力が12MPa以上であり、前記第2シーラント層を形成するポリエチレン樹脂の引張破壊応力が11MPa以下であり、かつ、前記蓋材の被着材となる紙容器に積層されたポリエチレン樹脂の引張破壊応力よりも前記第2シーラント層を形成するポリエチレン樹脂の引張破壊応力が低いことを特徴とする請求項1に記載の蓋材。
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