JP6398353B2 - 紙容器用包装材料 - Google Patents
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Description
このような紙容器としては、紙基材層およびシーラント層を有する紙容器用包装材料を、図5に示されるゲーブルトップ型や、図6に示されるフラットトップ型等の種々の形状に製函してなるものが用いられている。
また、紙カップとしては、紙基材層およびシーラント層を有する紙容器用包装材料から胴部材および底部材を打ち抜き、これを任意の紙カップの形状に成型してなるものが用いられている。
これらの紙容器および紙カップは、内容物の浸透や液漏れを防ぐために、あるいは、内容物の変質等を防ぎ長期保存を可能にするために、極めて高い密封性が要求される。
したがって、製函時のシール温度を低く設定しても、高い接着強度および密封性が得られる紙容器用包装材料が求められている。
また、本発明において、メルトインデックス(MI)は、JIS K 7210に準拠して測定した値である。
(1)少なくとも、紙基材層およびシーラント層を有する紙容器用包装材料であって、該シーラント層は、紙基材層に近い側から順に、貼合層、中間層および接液層の三層構造を有し、貼合層は、低密度ポリエチレンからなり、中間層および接液層は、線状低密度ポリエチレンからなり、かつ、中間層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスが、貼合層を形成する低密度ポリエチレンおよび接液層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスより大きいことを特徴とする、上記紙容器用包装材料。
(2)中間層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスが、7.0〜15.0g/10分であることを特徴とする、上記(1)に記載の紙容器用包装材料。
(3)中間層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスと、接液層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスとの差が、3.0g/10分以上であることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の紙容器用包装材料。
(4)貼合層、中間層および接液層のうち、貼合層を形成する低密度ポリエチレンの密度が最も大きく、中間層を形成する線状低密度ポリエチレンの密度は、接液層を形成する線状低密度ポリエチレンの密度と同じか、またはそれ以上であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の紙容器用包装材料。
(5)紙基材層とシーラント層との間にバリア層を積層したことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の紙容器用包装材料。
(6)紙基材層のシーラント層を設けた面と反対側の面に、熱可塑性樹脂層を積層したことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の紙容器用包装材料。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の紙容器用包装材料を、シーラント層が最内層となるように製函してなる紙容器。
(8)筒状の胴部材と、該胴部材の底部を密閉する底部材とからなる紙カップであって、該胴部材および底部材が、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の紙容器用包装材料からなることを特徴とする、上記紙カップ。
(9)少なくとも、紙基材層およびシーラント層を有する紙容器用包装材料の製造方法であって、該シーラント層は、紙基材層に近い側から順に、貼合層、中間層および接液層の三層構造を有し、中間層を形成するポリエチレンのメルトインデックスが、貼合層を形成するポリエチレンおよび接液層を形成するポリエチレンのメルトインデックスより大きく、かつ、貼合層、中間層および接液層を三層共押出コーティング法により積層することを特徴とする、上記紙容器用包装材料の製造方法。
図1〜3は、本発明の紙容器用包装材料の層構成の一例を示す概略的断面図である。
本発明の紙容器用包装材料は、図1に示すように、紙基材層(1)およびシーラント層(2)を基本の構成とする。ここで、シーラント層(2)は三層構造を有し、紙基材層に最も近い場所に位置する貼合層(2a)、中間層(2b)、および、紙基材層から最も離れた場所に位置する接液層(2c)を有する。
また、図2に示すように、紙基材層(1)とシーラント層(2)との間に、バリア層(3)を設けてもよい。または、紙容器の包装目的、充填包装する内容物、その使用目的、用途等に応じて、更なる層を任意に積層してもよい。
さらに、図3に示すように、紙基材層のシーラント層を設けた面と反対側の面に、紙容器または紙カップの外面を形成する熱可塑性樹脂層(4)を設けてもよい。熱可塑性樹脂層(4)と紙基材層(1)との間に、印刷層等を任意に設けてもよい。また、熱可塑性樹脂層(4)の表面に印刷層を設けてもよい。
紙容器の形状は、用途・目的等に応じて適宜決定すればよく、図5および図7に示すゲーブルトップ型や、図6に示すフラットトップ型の他にも、任意の形状であってよい。また、この紙容器の注出口には、たとえばポリエチレン製のキャップ、プルタブ型の開封機構等を適宜に設けてもよい。
図4および図5に示されるとおり、紙容器は、上部(10)、胴部(30)および底部(50)の各面を形成するパネルを、糊代(90)を介してシールし、筒状のスリーブを製造する。次いで、底面パネル(51、52、53、54)により底部(50)を製造する。さらに、内容物を充填後、傾斜パネル(11a)の傾斜パネル糊代(11b)および折込パネル(13a)の折込パネル糊代(13b)を介してシールして上部接合部(15)を形成し、傾斜部(11)および折込部(13)を含む上部(10)を製造する。また、図5に示すように、紙容器は、注出口(71)を備えていてもよく、さらにキャップ(72)を備えていてもよい。
密封された紙容器Pにおいては、特に内容物が液体である場合、いかなる部位からも液漏れがあってはならないことは言うまでもない。たとえば、ゲーブルトップ型紙容器の場合、容器の構造上、漏れ易い、気密性を損ないやすい部位としては、図8(a)に示すように、上部接合部の段差部DSにおける空隙X、及び、図8(b)に示すように上部接合部(15)のセンターシール部CSにおける空隙Yである。この段差部DSおよびセンターシール部CSに形成される空隙X、Yは、溶融樹脂により確実に密封する際に、特に注意すべき部位である。
これらの漏れが生じやすい接合部分には、通常のシールに加え、さらにビスを設けることが行われている。具体的には、段差部やセンターシール部において、部分的に余分に加圧することにより、より高い接着強度で接着された部分(ビス)を設ける。しかしながら、従来の紙容器では、内容物が空隙を伝い、ビスを超えて漏れだすことが知られている。これに対し、本願発明は、このような問題を解消し得るものである。
上記の紙カップは、胴シール部Mと底部材周囲の底部シール部N(以下「ローレットシール部」ともいう)の2箇所のシール部からなる。これらのシール部においては、段差部の空隙を埋めて完全に密封されることが必要であり、特に、底紙周囲の底部シール部Nにおいて、段差部の空隙を完全に埋めて、密封性を確実にすることが、漏れ防止のために必要である。しかしながら、細心の注意を払っても、成形条件のバラツキ等による密封不良
が発生して、漏れが発生することが知られている。これに対し、本願発明は、このような問題を解消し得るものである。
本発明において、紙基材層としては、適用する紙容器の用途に応じて、種々の賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有する任意の紙を使用することができ、例えば、主強度材であり、強サイズ性の晒または未晒の紙、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク原紙等の各種の紙を使用することができる。紙基材層は、これらの紙を複数層重ねてラミネートしたものであってもよい。任意の厚さのものを使用することができるが、例えば、坪量80〜600g/m2、好ましくは坪量100〜500g/m2であり、厚さ110〜860μm、好ましくは厚さ140〜640μmの範囲である。なお、紙基材には、例えば、文字、図形、記号、その他の所望の絵柄を通常の印刷方式にて任意に形成することができる。
本発明において、シーラント層は、ポリエチレンからなる三層構造を有し、この三層構造において、中間層を形成するポリエチレンのメルトインデックスが、接液層および貼合層を形成するポリエチレンのメルトインデックスよりも大きい。
この構成により、低温シール性を損なうことなく、密封性を高めることができる。
上記三層構造において、接液層を形成するポリエチレンは、線状低密度ポリエチレンである。この構成により、良好なシール性が発揮される。したがって、本発明の紙容器用包装材料は、低温でもシールが可能であり、高速包装が可能であり、多種多様な用途に適用することができる。接液層を形成する線状低密度ポリエチレンの密度は、好ましくは0.900〜0.915g/cm3である。接液層を形成する線状低密度ポリエチレンの密度が小さいことにより、低温シール性を十分に確保することができる。しかしながら、密度が0.900g/cm3より小さいと、粘りが出て、表面の滑り性が悪くなり、また、打ち抜き適性に劣る。また、0.915g/cm3より大きいと、低温シール性に劣る。
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウフルオリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げられる。
また、鎖状あるいは環状アルミノキサンは、アルキルアルミニウムと水を接触させて生成される。例えば、重合時にアルキルアルミニウムを加えておき、後に水を添加するか、あるいは、錯塩の結晶水または有機・無機化合物の吸着水とアルキルアルミニウムとを反応させることで得られる。
貼合層を形成する低密度ポリエチレンの密度は、好ましくは0.915〜0.925g/cm3である。0.915g/cm3より小さいと、流れやすくなり、密封性を十分に高めることができない。また0.925g/cm3より大きいと、融点が高くなるため、低温シール性に悪影響を及ぼし得る。
中間層を形成する線状低密度ポリエチレンとしては、シングルサイト触媒を使用して重合したものと、マルチサイト触媒を使用して重合したものと、いずれも使用可能であるが、低温シール性をより一層高めるためには、シングルサイト触媒を使用して重合した線状低密度ポリエチレンを用いることが特に好ましい。
一方、貼合層を形成するポリエチレンのメルトインデックスは、中間層よりも小さく、好ましくは3.0〜8.0g/10分である。3.0g/10分より小さいと、十分な密封性が得られず、また、8.0g/10分より大きいと、シール痩せ状態になり易い。
および折込パネル糊代(13b)同士のシール性を指す。接液層を形成するポリエチレンとして、メルトインデックスの小さい樹脂を用いることにより、優れたホットタック性等の機械的特性を得ることができる。特に、加熱圧着により製函する際に、シール部には、紙基材の反発力により、圧着方向と逆方向の力がかかるが、接液層を形成するポリエチレンのメルトインデックスを2.0〜6.0g/10分とすることにより、ホットタック性に優れるため、圧着された状態を良好に維持することができる。
シーラント層の総厚みは、当業者が適宜に設定することができるが、30〜100μmとすることが好ましく、40〜80μmとすることがより好ましい。40μ以上とすることで、優れた密封性および低温シール性が発揮される。また、本発明のシーラント層は、100μm以下で十分な接着強度を示すため、成形性に優れる。
アンカーコート剤を用いる場合は、ウレタン系接着剤等を使用することができ、その塗布量は0.01〜1.0g/m2程度であることができる。ドライラミネーション法で積層する場合は、接着剤としてウレタン系接着剤、ビニル系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤等を用いることができ、その塗布量は例えば2.0g/m2以上であるとよい。
本発明において、紙基材層とシーラント層との間に、バリア層を設けてもよい。バリア層は、酸素及び水蒸気に対するバリア性を示す任意のバリアフィルム等であってよい。具体的には、アルミニウム箔等の金属箔、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン等からなるフィルムに、アルミニウム等の金属や酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物を蒸着した蒸着フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクロニトリル等のガスバリア性を示す樹脂により形成された層が挙げられる。これらの2種以上を積層してもよい。
バリア層はまた、任意の接着剤を介してドライラミネーション法等により積層してもよい。接着剤としては、ウレタン系接着剤、ビニル系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
本発明において、紙基材層のシーラント層を設けた面と反対側の面に、熱可塑性樹脂層を設けてもよい。熱可塑性樹脂層は、シーラント層の接液層との接着性を有する任意の熱可塑性樹脂からなってよい。
このような熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の樹脂を、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。接液層が線状低密度ポリエチレンからなる場合に、これと特に良好な接着性を示すことから、低密度ポリエチレン、または線状低密度ポリエチレンを用いることが特に好ましい。
熱可塑性樹脂層を設ける場合、その層厚は、紙容器または紙カップを形成するのに十分なシール強度が得られる厚さであればよく、当業者が適宜に設定することができるが、例えば10〜50μm、特に好ましくは15〜30μmの範囲である。
熱可塑性樹脂層は、紙基材層の一方の面上に、コロナ処理・フレーム処理や場合によりアンカーコート剤層等を介して、溶融した熱可塑性樹脂を押出しコーティングすることによって、または、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムを任意の方法によりラミネートすることによって積層することができる。
本発明の紙容器用包装材料を製造するには、紙基材層の一方の面上にシーラント層を積層する。熱可塑性樹脂層を積層する場合は、シーラント層を設けた面とは反対側の面上に、積層することができる。バリア層を積層する場合は、紙基材層上にバリア層を積層し、該バリア層上にシーラント層を積層する。あるいは、紙基材層と、一方の面上にシーラント層を積層したバリア層とを、貼り合わせることによって製造してもよい。
本発明の紙容器用包装材料からなる紙容器および紙カップは、例えば、各種の飲食品、接着剤、粘着剤等の化学品、化粧品、医薬品等の雑貨品等の種々の物品を充填包装するこ
とができるものである。特に、例えば、酒、果汁飲料等のジュース、ミネラルウォーター、醤油、ソース、スープ等の液体調味料、あるいは、カレー、シチュー、スープ等の種々の液体飲食物を充填包装する液体用紙容器として有用なものである。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらは本発明を制限するものではない。
坪量400g/m2のミルクカートン原紙の表面側に、低密度ポリエチレン(LC520、日本ポリエチレン(株)製)を厚さ20μmになるように押出しコーティングした。次いで、ミルクカートン原紙の裏面側に、エチレン−メタクリル酸共重合体(N0908C、三井デュポンポリケミカル(株)製)を厚さ20μmになるように押し出しながら、サンドイッチラミネーション法を用いて、蒸着膜が設けられた厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせた。最後に、蒸着膜が設けられた厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムにウレタン系接着剤(EL−540(主剤)/CAT−RT32(硬化剤)、東洋モートン(株)製)を乾燥後の塗布量が0.1g/m2となるように塗工した後、低密度ポリエチレン(貼合層、LC520、MI3.8g/10分、密度0.923g/m3、日本ポリエチレン(株)製)と、線状低密度ポリエチレン(中間層、022GS、MI8.0g/10分、密度0.904g/m3、宇部丸善ポリエチレン(株)製)と、線状低密度ポリエチレン(接液層、FV401、MI3.8g/10分、密度0.904g/m3、住友化学(株)製)とを、厚さがそれぞれ20μm、20μm、15μmになるように共押出しコーティングし、本発明の紙容器用包装材料を作製した。
中間層を形成する樹脂として、線状低密度ポリエチレン(022GS、MI8.0g/10分、密度0.904g/m3、宇部丸善ポリエチレン(株)製)の代わりに、線状低密度ポリエチレン(NH745N、MI8.0g/10分、密度0.913g/m3、日本ポリエチレン(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の紙容器用包装材料を作製した。
中間層を形成する樹脂として、線状低密度ポリエチレン(022GS、MI8.0g/10分、密度0.904g/m3、宇部丸善ポリエチレン(株)製)の代わりに、線状低密度ポリエチレン(NH845N、MI15.0g/10分、密度0.913g/m3、日本ポリエチレン(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の紙容器用包装材料を作製した。
実施例1と同様にして、ミルクカートン原紙の表面側に低密度ポリエチレンを押出しコーティングし、裏面側に蒸着フィルムを貼り合わせ、この蒸着フィルム上にウレタン系接着剤を塗工した。その後、低密度ポリエチレン(貼合層、LC520、MI3.8g/10分、密度0.923g/m3、日本ポリエチレン(株)製)と、線状低密度ポリエチレン(中間層、FV401、MI3.8g/10分、密度0.904g/m3、住友化学(株)製)と、線状低密度ポリエチレン(接液層、FV401、MI3.8g/10分、密度0.904g/m3、住友化学(株)製)とを、厚さがそれぞれ20μm、20μm、15μmになるように共押出しコーティングし、紙容器用包装材料を作製した。
実施例1と同様にして、ミルクカートン原紙の表面側に低密度ポリエチレンを押出しコ
ーティングし、裏面側に蒸着フィルムを貼り合わせ、この蒸着フィルム上にウレタン系接着剤を塗工した。その後、低密度ポリエチレン(貼合層、LC520、MI3.8g/10分、密度0.923g/m3、日本ポリエチレン(株)製)と、線状低密度ポリエチレン(中間層、KS560T、MI16.5g/10分、密度0.898g/m3、日本ポリエチレン(株)製)と、線状低密度ポリエチレン(接液層、KS560T、MI16.5g/10分、密度0.898g/m3、日本ポリエチレン(株)製)とを、厚さがそれぞれ20μm、20μm、15μmになるように共押出しコーティングし、紙容器用包装材料を作製した。
実施例1と同様にして、ミルクカートン原紙の表面側に低密度ポリエチレンを押出しコーティングし、裏面側に蒸着フィルムを貼り合わせ、この蒸着フィルム上にウレタン系接着剤を塗工した。その後、低密度ポリエチレン(貼合層、LC520、MI3.8g/10分、密度0.923g/m3、日本ポリエチレン(株)製)と、線状低密度ポリエチレン(中間層、021GT、MI6.0g/10分、密度0.919g/m3、宇部丸善ポリエチレン(株)製)と、線状低密度ポリエチレン(接液層、021GT、MI6.0g/10分、密度0.919g/m3、宇部丸善ポリエチレン(株)製)とを、厚さがそれぞれ20μm、20μm、15μmになるように共押出しコーティングし、紙容器用包装材料を作製した。
(密封性試験・シール性試験)
実施例1〜3および比較例1〜3で作製した紙容器用包装材料を用いて、シール温度(エアー温度)を280〜360℃の間で10℃おきに変化させて、中に内容物として水を充填した容量1800mlのゲーブルトップ型紙容器のサンプルを作製した。上部の傾斜パネルの糊代は幅17mmとし、折込パネルの糊代と重ね合せてシールを行い、上部接合部15を設けた。ここで、段差部においては、折れ線(非糊代部との境界線)から2mm
より上の位置にビスを設け、センターシール部においては、折れ線(非糊代部との境界線)から2.5mmより上の位置にビスを設けた。底部においても同様に底部接合部を設けるとともに、底部接合部にビスを設けた。
結果を以下の表2に示す。
また、「シール」の欄において、○は、浸透液が傾斜パネル糊代(11b)と折込パネル糊代(13b)に浸透していない状態を表し、△は、浸透液が傾斜パネル糊代(11b)と折込パネル糊代(13b)の中(傾斜パネル糊代(11b)および折込パネル糊代(
13b)と、側面パネル(31,32,33,34)との折れ線より上)に浸透している状態を表し、×は、傾斜パネル糊代(11b)および折込パネル糊代(13b)から浸透液の漏れが発生している状態を表す。
2.シーラント層
2a.紙貼合層
2b.中間層
2c.接液層
3.バリア層
4.熱可塑性樹脂層
10.上部
11.傾斜部
11a.傾斜パネル
11b.傾斜パネル糊代
13.折込部
13a.折込パネル
13b.折込パネル糊代
15.上部接合部
30.胴部
31,32,33,34.側面パネル
50.底部
51,52,53,54.底面パネル
52b,53b,54b.底面パネル糊代
70.把持タブ
71.注出口
72.キャップ
90.糊代
L1,L2.折れ線
P.紙容器、紙カップ
DS.段差部
CS.センターシール部
E.胴部材
F.底部材
G.外向きカール部
M.胴シール部
N.底部シール部(ローレットシール部)
X.空隙
Y.空隙
Z.胴シール部Mとローレットシール部Nの交差する部分
Claims (8)
- 少なくとも、紙基材層およびシーラント層を有する紙容器用包装材料であって、
該シーラント層は、紙基材層に近い側から順に、貼合層、中間層および接液層の三層構造を有し、
貼合層は、低密度ポリエチレンからなり、
中間層および接液層は、線状低密度ポリエチレンからなり、
該中間層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスは7.0〜15.0g/10分であり、
かつ、中間層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスが、貼合層を形成する低密度ポリエチレンおよび接液層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスより大きいことを特徴とする、上記紙容器用包装材料。 - 中間層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスと、接液層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスとの差が、3.0g/10分以上であることを特徴とする、請求項1に記載の紙容器用包装材料。
- 貼合層、中間層および接液層のうち、貼合層を形成する低密度ポリエチレンの密度が最も大きく、中間層を形成する線状低密度ポリエチレンの密度は、接液層を形成する線状低密度ポリエチレンの密度と同じか、またはそれ以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の紙容器用包装材料。
- 紙基材層とシーラント層との間にバリア層を積層したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の紙容器用包装材料。
- 紙基材層のシーラント層を設けた面と反対側の面に、熱可塑性樹脂層を積層したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の紙容器用包装材料。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の紙容器用包装材料を、シーラント層が最内層となるように製函してなる紙容器。
- 筒状の胴部材と、該胴部材の底部を密閉する底部材とからなる紙カップであって、該胴部材および底部材が、請求項1〜5のいずれか1項に記載の紙容器用包装材料からなることを特徴とする、上記紙カップ。
- 少なくとも、紙基材層およびシーラント層を有する紙容器用包装材料の製造方法であって、
該シーラント層は、紙基材層に近い側から順に、貼合層、中間層および接液層の三層構造を有し、
貼合層は、低密度ポリエチレンからなり、
中間層および接液層は、線状低密度ポリエチレンからなり、
中間層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスは7.0〜15.0g/10分であり、
中間層を形成するポリエチレンのメルトインデックスが、貼合層を形成するポリエチレンおよび接液層を形成するポリエチレンのメルトインデックスより大きく、
かつ、貼合層、中間層および接液層を三層共押出コーティング法により積層することを特徴とする、上記紙容器用包装材料の製造方法。
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