JP6398353B2 - 紙容器用包装材料 - Google Patents

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Description

本発明は、紙容器用包装材料、それよりなる紙容器および紙カップ、並びにその製造方法に関し、更に詳しくは、密封性に優れ、製函時のシール温度を低くすることができるとともに製函時のシール温度領域が広い紙容器用包装材料、紙容器および紙カップ、並びにその製造方法に関するものである。
従来、酒、ジュース、ミネラルウォーター、液体調味料等の液体飲食物を充填包装するために、種々の紙容器用包装材料およびそれよりなる紙容器や紙カップが開発され、提案されている。
このような紙容器としては、紙基材層およびシーラント層を有する紙容器用包装材料を、図5に示されるゲーブルトップ型や、図6に示されるフラットトップ型等の種々の形状に製函してなるものが用いられている。
また、紙カップとしては、紙基材層およびシーラント層を有する紙容器用包装材料から胴部材および底部材を打ち抜き、これを任意の紙カップの形状に成型してなるものが用いられている。
これらの紙容器および紙カップは、内容物の浸透や液漏れを防ぐために、あるいは、内容物の変質等を防ぎ長期保存を可能にするために、極めて高い密封性が要求される。
しかしながら、紙基材はある程度の厚さや剛性を持ったものであるため、これを用いる紙容器および紙カップは一般的に、接合部分に生じる空隙や、折り曲げに対する紙の反発力等により、密封性が損なわれ易い。例えば、ゲーブルトップ型紙容器の場合は、その上部、底部および胴部の接合部、特に上部接合部において、確実な密封性を得ることは困難とされていた。
そこで、接合部の密封性を高めるために、製函時のシール温度を上げて接着強度を高めることが行われている。しかしながら、シール温度が高いと、熱可塑性樹脂が酸化し、その酸化臭が内容物に移行する等の問題がある。特に、蒸着仕様に関しては、接着強度は高まるものの、ピンホールが発生し、その部分で密封性および気密性が損なわれるという問題がある(特許文献1)。
したがって、製函時のシール温度を低く設定しても、高い接着強度および密封性が得られる紙容器用包装材料が求められている。
特開2001−31005号公報
本発明は、上記の問題を解決し、製函時のシール適性に優れ、すなわち、低温シール性に優れるとともに広い温度範囲でシール可能であり、密封性に優れ、特に、容器の接合部分における段差部やセンターシール部の密封性に優れる紙容器用包装材料、それよりなる紙容器および紙カップ、並びにその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究し、少なくとも、紙基材層およびシーラント層を有する紙容器用包装材料であって、該シーラント層は、紙基材層に近い側から順に、貼合層、中間層および接液層の三層構造を有し、貼合層は、低密度ポリエチレンからなり、中間層および接液層は、線状低密度ポリエチレンからなり、かつ、中間層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックス(MI)が、貼合層を形成する低密度ポリエチレンおよび接液層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスより大きいことを特徴とする、上記紙容器用包装材料、並びにそれよりなる紙容器および紙カップ、並びにその製造方法を開発した。
なお、本発明において、低密度ポリエチレンとは、高圧法エチレン単独重合体であり、線状低密度ポリエチレンとは、チーグラー触媒に代表されるマルチサイト触媒またはメタロセン触媒に代表されるシングルサイト触媒を使用して重合した、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、いずれも、密度が0.930g/cm3以下のものを指す。線状低密度ポリエチレンのコモノマーとなるα−オレフィンとしては、炭素数3〜20のα−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテン、1−ノネン、4−メチルペンテン等、及びこれらの混合物が挙げられる。
また、本発明において、メルトインデックス(MI)は、JIS K 7210に準拠して測定した値である。
より具体的には、本発明は、以下の点を特徴とする。
(1)少なくとも、紙基材層およびシーラント層を有する紙容器用包装材料であって、該シーラント層は、紙基材層に近い側から順に、貼合層、中間層および接液層の三層構造を有し、貼合層は、低密度ポリエチレンからなり、中間層および接液層は、線状低密度ポリエチレンからなり、かつ、中間層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスが、貼合層を形成する低密度ポリエチレンおよび接液層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスより大きいことを特徴とする、上記紙容器用包装材料。
(2)中間層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスが、7.0〜15.0g/10分であることを特徴とする、上記(1)に記載の紙容器用包装材料。
(3)中間層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスと、接液層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスとの差が、3.0g/10分以上であることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の紙容器用包装材料。
(4)貼合層、中間層および接液層のうち、貼合層を形成する低密度ポリエチレンの密度が最も大きく、中間層を形成する線状低密度ポリエチレンの密度は、接液層を形成する線状低密度ポリエチレンの密度と同じか、またはそれ以上であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の紙容器用包装材料。
(5)紙基材層とシーラント層との間にバリア層を積層したことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の紙容器用包装材料。
(6)紙基材層のシーラント層を設けた面と反対側の面に、熱可塑性樹脂層を積層したことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の紙容器用包装材料。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の紙容器用包装材料を、シーラント層が最内層となるように製函してなる紙容器。
(8)筒状の胴部材と、該胴部材の底部を密閉する底部材とからなる紙カップであって、該胴部材および底部材が、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の紙容器用包装材料からなることを特徴とする、上記紙カップ。
(9)少なくとも、紙基材層およびシーラント層を有する紙容器用包装材料の製造方法であって、該シーラント層は、紙基材層に近い側から順に、貼合層、中間層および接液層の三層構造を有し、中間層を形成するポリエチレンのメルトインデックスが、貼合層を形成するポリエチレンおよび接液層を形成するポリエチレンのメルトインデックスより大きく、かつ、貼合層、中間層および接液層を三層共押出コーティング法により積層することを特徴とする、上記紙容器用包装材料の製造方法。
本発明の紙容器用包装材料は、ポリエチレンからなるシーラント層が三層構造を有し、この三層のうちの中間層を形成するポリエチレンのメルトインデックスが、紙基材層に最も近い場所に位置する貼合層を形成するポリエチレン、および紙基材層から最も遠い場所に位置し、すなわち紙容器または紙カップの最内層となる接液層を形成するポリエチレンのメルトインデックスより大きいことを特徴とするものである。この構成等により、密封性および低温シール性に優れた紙容器および紙カップを提供することができる。
本発明の紙容器用包装材料の層構成について、一例を示す概略的断面図である。 本発明の紙容器用包装材料の層構成について、一例を示す概略的断面図である。 本発明の紙容器用包装材料の層構成について、一例を示す概略的断面図である。 ゲーブルトップ型紙容器のブランク板の一例を示す平面図である。 本発明の紙容器について、ゲーブルトップ型の一例を示す斜視図である。 本発明の紙容器について、フラットトップ型の一例を示す斜視図である。 本発明の紙容器について、ゲーブルトップ型の一例を示す斜視図である。 図7の(a)DS部、(b)CS部を示すW−W部断面図である。 本発明の紙カップについて、(a)一例を示す斜視図、(b)胴部材のブランク板の一例を示す平面図、(c)底部材のブランク板の一例を示す平面図である。 密封性試験の評価基準を示す参考図である。 密封性試験において、浸透液が容器上部に形成されたビスまで到達している状態を示す参考写真である。
上記の本発明について以下に更に詳しく説明する。以下、本発明において使用される樹脂名は、業界において慣用されるものが用いられる。
<1>本発明の紙容器用包装材料の層構成並びに紙容器および紙カップの形状
図1〜3は、本発明の紙容器用包装材料の層構成の一例を示す概略的断面図である。
本発明の紙容器用包装材料は、図1に示すように、紙基材層(1)およびシーラント層(2)を基本の構成とする。ここで、シーラント層(2)は三層構造を有し、紙基材層に最も近い場所に位置する貼合層(2a)、中間層(2b)、および、紙基材層から最も離れた場所に位置する接液層(2c)を有する。
また、図2に示すように、紙基材層(1)とシーラント層(2)との間に、バリア層(3)を設けてもよい。または、紙容器の包装目的、充填包装する内容物、その使用目的、用途等に応じて、更なる層を任意に積層してもよい。
さらに、図3に示すように、紙基材層のシーラント層を設けた面と反対側の面に、紙容器または紙カップの外面を形成する熱可塑性樹脂層(4)を設けてもよい。熱可塑性樹脂層(4)と紙基材層(1)との間に、印刷層等を任意に設けてもよい。また、熱可塑性樹脂層(4)の表面に印刷層を設けてもよい。
本発明の紙容器用包装材料は、所定の形状に打ち抜き、図4に示すような糊代部を有するブランク板を製造することができる。この端面を、スカイブ・ヘミング等によって処理し、フレーム処理やホットエアー処理により糊代部のシーラント層を溶融し、シールを行い、筒状のスリーブを製造する。次いで、内容物充填機内で同様にシールを行い、底部及び上部を形成して紙容器とすることができる。
紙容器の形状は、用途・目的等に応じて適宜決定すればよく、図5および図7に示すゲーブルトップ型や、図6に示すフラットトップ型の他にも、任意の形状であってよい。また、この紙容器の注出口には、たとえばポリエチレン製のキャップ、プルタブ型の開封機構等を適宜に設けてもよい。
本発明の一態様として、ゲーブルトップ型紙容器を例に、その接合部分の段差部やセンターシール部における密封性について説明する。
図4および図5に示されるとおり、紙容器は、上部(10)、胴部(30)および底部(50)の各面を形成するパネルを、糊代(90)を介してシールし、筒状のスリーブを製造する。次いで、底面パネル(51、52、53、54)により底部(50)を製造する。さらに、内容物を充填後、傾斜パネル(11a)の傾斜パネル糊代(11b)および折込パネル(13a)の折込パネル糊代(13b)を介してシールして上部接合部(15)を形成し、傾斜部(11)および折込部(13)を含む上部(10)を製造する。また、図5に示すように、紙容器は、注出口(71)を備えていてもよく、さらにキャップ(72)を備えていてもよい。
図7は、本発明の紙容器について、ゲーブルトップ型の別の一例を示す斜視図である。図8は、図7のW−W部断面図であって、図8(a)は段差部DSを、図8(b)はセンターシール部CSを示す。
密封された紙容器Pにおいては、特に内容物が液体である場合、いかなる部位からも液漏れがあってはならないことは言うまでもない。たとえば、ゲーブルトップ型紙容器の場合、容器の構造上、漏れ易い、気密性を損ないやすい部位としては、図8(a)に示すように、上部接合部の段差部DSにおける空隙X、及び、図8(b)に示すように上部接合部(15)のセンターシール部CSにおける空隙Yである。この段差部DSおよびセンターシール部CSに形成される空隙X、Yは、溶融樹脂により確実に密封する際に、特に注意すべき部位である。
また、上記のような容器の構造において、特に、上部の傾斜パネルおよび折込パネルの糊代の接合部分である上部接合部(15)において、折込パネルの折込に対する反発力等により、面シール性(糊代面同士の接着強度)が損なわれ、シール不良が生じ易い。さらに、上部接合部(15)のセンターシール部CSは、シール部の厚みが薄くなるシール痩せ状態となり易い。
紙容器Pの上部の部位にて、説明したが、その底部にも同様の漏れやすい、あるいは、気密性を損ない易い部位が存在する。輸送時に、これらの部位が衝撃等により破損し、液漏れを起こさせることがある。特に、長距離輸送の場合に、その危険性が高くなっている。
これらの漏れが生じやすい接合部分には、通常のシールに加え、さらにビスを設けることが行われている。具体的には、段差部やセンターシール部において、部分的に余分に加圧することにより、より高い接着強度で接着された部分(ビス)を設ける。しかしながら、従来の紙容器では、内容物が空隙を伝い、ビスを超えて漏れだすことが知られている。これに対し、本願発明は、このような問題を解消し得るものである。
本発明の紙容器用包装材料は、任意の形状、例えば図9に示されるような底部が丸形の紙カップとすることができる。その他の形状としては、底部が三角形、四角形等の角形の形状、あるいは円筒形状の紙缶等のいずれの形状であってもよい。図9に示される紙カップを例に説明すると、本発明の紙容器用包装材料を、図9(b)および(c)に示されるような胴部材Eおよび底部材Fの形状に打ち抜き、胴シール部Mにて貼り合わされた胴部材Eの下部に底部材Fを巻き締めし、上方開口縁に外向きカール部Gを形成して製造することができる。
上記の紙カップは、胴シール部Mと底部材周囲の底部シール部N(以下「ローレットシール部」ともいう)の2箇所のシール部からなる。これらのシール部においては、段差部の空隙を埋めて完全に密封されることが必要であり、特に、底紙周囲の底部シール部Nにおいて、段差部の空隙を完全に埋めて、密封性を確実にすることが、漏れ防止のために必要である。しかしながら、細心の注意を払っても、成形条件のバラツキ等による密封不良
が発生して、漏れが発生することが知られている。これに対し、本願発明は、このような問題を解消し得るものである。
<2>紙基材層
本発明において、紙基材層としては、適用する紙容器の用途に応じて、種々の賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有する任意の紙を使用することができ、例えば、主強度材であり、強サイズ性の晒または未晒の紙、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク原紙等の各種の紙を使用することができる。紙基材層は、これらの紙を複数層重ねてラミネートしたものであってもよい。任意の厚さのものを使用することができるが、例えば、坪量80〜600g/m2、好ましくは坪量100〜500g/m2であり、厚さ110〜860μm、好ましくは厚さ140〜640μmの範囲である。なお、紙基材には、例えば、文字、図形、記号、その他の所望の絵柄を通常の印刷方式にて任意に形成することができる。
<3>シーラント層
本発明において、シーラント層は、ポリエチレンからなる三層構造を有し、この三層構造において、中間層を形成するポリエチレンのメルトインデックスが、接液層および貼合層を形成するポリエチレンのメルトインデックスよりも大きい。
この構成により、低温シール性を損なうことなく、密封性を高めることができる。
上記三層構造において、接液層を形成するポリエチレンは、線状低密度ポリエチレンである。この構成により、良好なシール性が発揮される。したがって、本発明の紙容器用包装材料は、低温でもシールが可能であり、高速包装が可能であり、多種多様な用途に適用することができる。接液層を形成する線状低密度ポリエチレンの密度は、好ましくは0.900〜0.915g/cm3である。接液層を形成する線状低密度ポリエチレンの密度が小さいことにより、低温シール性を十分に確保することができる。しかしながら、密度が0.900g/cm3より小さいと、粘りが出て、表面の滑り性が悪くなり、また、打ち抜き適性に劣る。また、0.915g/cm3より大きいと、低温シール性に劣る。
接液層を形成する線状低密度ポリエチレンは、優れた低温シール性を得るために、特に、メタロセン触媒に代表されるシングルサイト触媒を使用して重合した線状低密度ポリエチレンを用いる。メタロセン触媒で重合した線状低密度ポリエチレンは、チーグラーナッタ触媒に代表されるマルチサイト触媒を使用して重合したものに比べて、引張り強度、引裂き強度、突き刺し強度等の機械的特性に優れており、特に好適に使用することができる。ここで、シングルサイト触媒(メタロセン触媒、いわゆるカミンスキー触媒を含む)は、活性点が均一(シングルサイト)であるという特徴を持つ。このシングルサイト触媒は、メタロセン系遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒であり、無機物に担持されて使用されることもある。
ここで、メタロセン系遷移金属化合物としては、例えば、IVB族から選ばれる遷移金属[チタニウム(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)]に、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、テトラヒドロインデニル基、置換テトラヒドロインデニル基、フルオニル基または置換フルオニル基が1乃至2結合しているか、あるいは、これらのうちの二つの基が共有結合で架橋したものが結合しており、他に水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アセチルアセトナート基、カルボニル基、窒素分子、酸素分子、ルイス塩基、ケイ素原子を含む置換基、不飽和炭化水素等の配位子を有するものが挙げられる。
また、有機アルミニウム化合物としては、アルキルアルミニウム、または鎖状あるいは環状アルミノキサン等が挙げられる。ここで、アルキルアルミニウムとしては、トリエチ
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ジメチルアルミニウフルオリド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げられる。
また、鎖状あるいは環状アルミノキサンは、アルキルアルミニウムと水を接触させて生成される。例えば、重合時にアルキルアルミニウムを加えておき、後に水を添加するか、あるいは、錯塩の結晶水または有機・無機化合物の吸着水とアルキルアルミニウムとを反応させることで得られる。
上記三層構造において、貼合層を形成するポリエチレンは、好ましくは低密度ポリエチレン(高圧法エチレン単独重合体)である。低密度ポリエチレンは、高剪断速度において、直鎖状低密度ポリエチレンよりも溶融粘度が小さい。製函に際し、本発明の紙容器用包装材料の加熱圧着シールは、高剪断速度の状態に相当する。このような状態下で、貼合層を形成する樹脂として、溶融粘度のより小さい低密度ポリエチレンを用いることにより、密封性を一層高めることができる。
貼合層を形成する低密度ポリエチレンの密度は、好ましくは0.915〜0.925g/cm3である。0.915g/cm3より小さいと、流れやすくなり、密封性を十分に高めることができない。また0.925g/cm3より大きいと、融点が高くなるため、低温シール性に悪影響を及ぼし得る。
上記三層構造において、中間層を形成するポリエチレンは、好ましくは直鎖状低密度ポリエチレンである。接液層と共に、中間層においても直鎖状低密度ポリエチレンを用いることにより、低温シール性を一層向上させることができる。また、接液層が直鎖状低密度ポリエチレンからなり、貼合層が低密度ポリエチレンからなるときに、中間層として、直鎖状低密度ポリエチレンであって、かつ、接液層および貼合層を形成するポリエチレンよりもメルトインデックスが大きい直鎖状低密度ポリエチレンを用いることにより、シール時(溶融時)の層間の相溶性を良好なものとして、密封性をさらに高めることができる。
中間層を形成する直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、好ましくは0.900〜0.915g/cm3である。密度が0.900g/cm3より小さいと、流れやすく、シール痩せが生じやすい。また、0.915g/cm3より大きいと、低温シール性に影響が出易いため、好ましくない。
中間層を形成する線状低密度ポリエチレンとしては、シングルサイト触媒を使用して重合したものと、マルチサイト触媒を使用して重合したものと、いずれも使用可能であるが、低温シール性をより一層高めるためには、シングルサイト触媒を使用して重合した線状低密度ポリエチレンを用いることが特に好ましい。
貼合層、中間層および接液層の各層を形成するポリエチレンのメルトインデックスの関係性としては、中間層を形成するポリエチレンのメルトインデックスが最も大きく、好ましくは7.0〜15.0g/10分である。7.0g/10分より小さいと、十分な密封性が得られない。また、15.0g/10分より大きいと、加熱圧着したときにシーラント層の厚みが薄くなる、いわゆるシール痩せ状態となり、好ましくない。
一方、貼合層を形成するポリエチレンのメルトインデックスは、中間層よりも小さく、好ましくは3.0〜8.0g/10分である。3.0g/10分より小さいと、十分な密封性が得られず、また、8.0g/10分より大きいと、シール痩せ状態になり易い。
また、接液層を形成するポリエチレンのメルトインデックスは、中間層よりも小さく、好ましくは2.0〜6.0g/10分である。2.0g/10分より小さいと、押出が困難であり、製膜性に劣る。また6.0g/10分より大きいと、面シール性が損なわれ、シール不良が生じ易い。なお、面シール性とは、傾斜パネル糊代(11b)同士のシール性
および折込パネル糊代(13b)同士のシール性を指す。接液層を形成するポリエチレンとして、メルトインデックスの小さい樹脂を用いることにより、優れたホットタック性等の機械的特性を得ることができる。特に、加熱圧着により製函する際に、シール部には、紙基材の反発力により、圧着方向と逆方向の力がかかるが、接液層を形成するポリエチレンのメルトインデックスを2.0〜6.0g/10分とすることにより、ホットタック性に優れるため、圧着された状態を良好に維持することができる。
中間層のメルトインデックスと、接液層のメルトインデックスとの差は、3.0g/10分以上、より好ましくは4.0g/10分以上であることが好ましい。両者の差が大きいことによって、優れた密封性と、優れた面シール性とを両立させることができる。
シーラント層の総厚みは、当業者が適宜に設定することができるが、30〜100μmとすることが好ましく、40〜80μmとすることがより好ましい。40μ以上とすることで、優れた密封性および低温シール性が発揮される。また、本発明のシーラント層は、100μm以下で十分な接着強度を示すため、成形性に優れる。
接液層と中間層とを合わせた厚みは、貼合層の厚みより大きいことが好ましい。この構成により、低温シール性を一層高めることができる。各層の厚みは、当業者が適宜に設定することができるが、例えば、貼合層の厚みは15〜25μmであり、中間層の総厚みは15〜35μmであり、接液層の厚みは10〜25μmとすることができる。貼合層および中間層が厚過ぎると、低温シール性が損なわれる。逆に、貼合層が薄過ぎると、十分な密封性が得られない。また、中間層が薄過ぎると、密封性が損なわれる。接液層が薄過ぎると、低温シール性が損なわれるため、好ましくない。
シーラント層は、紙基材層または後述のバリア層上に、アンカーコート剤層等を介して、溶融した熱可塑性樹脂を貼合層/中間層/接液層の共押出しコーティングによって積層される。または、貼合層/中間層/接液層の層構成で成膜した共押出フィルムを、紙基材層またはバリア層上に任意の方法により、例えば接着剤を介してドライラミネーション法により積層してもよい。また、中間層/接液層の層構成で成膜した共押出フィルムを、貼合層を介して、サンドイッチラミネーション法により積層してもよい。共押出フィルムは、Tダイまたはインフレーション法等を用いて製造することができる。また別の積層方法としては、貼合層/中間層/接液層の層構成でTダイ法により成膜した共押出フィルムを、接着剤を介して、ドライラミネーション法を用いて、インラインで貼り合わせることもできる(いわゆるニーラム法)。生産性に優れ、低コストで製造可能であり、さらに、容器内部への接着剤成分の溶出が少ない点において、共押出しコーティング法による積層が特に好ましい。
アンカーコート剤を用いる場合は、ウレタン系接着剤等を使用することができ、その塗布量は0.01〜1.0g/m2程度であることができる。ドライラミネーション法で積層する場合は、接着剤としてウレタン系接着剤、ビニル系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤等を用いることができ、その塗布量は例えば2.0g/m2以上であるとよい。
<4>バリア層
本発明において、紙基材層とシーラント層との間に、バリア層を設けてもよい。バリア層は、酸素及び水蒸気に対するバリア性を示す任意のバリアフィルム等であってよい。具体的には、アルミニウム箔等の金属箔、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン等からなるフィルムに、アルミニウム等の金属や酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物を蒸着した蒸着フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクロニトリル等のガスバリア性を示す樹脂により形成された層が挙げられる。これらの2種以上を積層してもよい。
バリア層は、紙基材層上に、接着性樹脂を介してサンドイッチラミネーション法により積層することができる。接着性樹脂としては、熱によって溶融し相互に融着し得る任意の熱可塑性樹脂を使用することができるが、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、アイオノマー樹脂、ポリエチレンをアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、無水マレイン酸などが挙げられる。この接着性樹脂層の厚みとしては、貼り合わせるバリアフィルムの種類等に応じて、当業者が適宜に設定することができるが、例えば15〜60μm、好適には20〜30μmであってよい。60μmより厚いと、コストアップになり好ましくない。
バリア層はまた、任意の接着剤を介してドライラミネーション法等により積層してもよい。接着剤としては、ウレタン系接着剤、ビニル系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
<5>熱可塑性樹脂層
本発明において、紙基材層のシーラント層を設けた面と反対側の面に、熱可塑性樹脂層を設けてもよい。熱可塑性樹脂層は、シーラント層の接液層との接着性を有する任意の熱可塑性樹脂からなってよい。
このような熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の樹脂を、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。接液層が線状低密度ポリエチレンからなる場合に、これと特に良好な接着性を示すことから、低密度ポリエチレン、または線状低密度ポリエチレンを用いることが特に好ましい。
熱可塑性樹脂層は、紙容器または紙カップの表面となるが、そのさらに表面に印刷層を設けることもでき、この場合には、印刷層に用いられる印刷インキの密着性の向上を図るために表面に例えばコロナ処理等の表面処理を施すことが好ましい。また、印刷層は、紙基材層の表面や紙基材層と熱可塑性樹脂層との間に設けてもよい。
熱可塑性樹脂層を設ける場合、その層厚は、紙容器または紙カップを形成するのに十分なシール強度が得られる厚さであればよく、当業者が適宜に設定することができるが、例えば10〜50μm、特に好ましくは15〜30μmの範囲である。
熱可塑性樹脂層は、紙基材層の一方の面上に、コロナ処理・フレーム処理や場合によりアンカーコート剤層等を介して、溶融した熱可塑性樹脂を押出しコーティングすることによって、または、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムを任意の方法によりラミネートすることによって積層することができる。
<6>紙容器用包装材料、紙容器および紙カップ
本発明の紙容器用包装材料を製造するには、紙基材層の一方の面上にシーラント層を積層する。熱可塑性樹脂層を積層する場合は、シーラント層を設けた面とは反対側の面上に、積層することができる。バリア層を積層する場合は、紙基材層上にバリア層を積層し、該バリア層上にシーラント層を積層する。あるいは、紙基材層と、一方の面上にシーラント層を積層したバリア層とを、貼り合わせることによって製造してもよい。
本発明の紙容器用包装材料からなる紙容器および紙カップは、例えば、各種の飲食品、接着剤、粘着剤等の化学品、化粧品、医薬品等の雑貨品等の種々の物品を充填包装するこ
とができるものである。特に、例えば、酒、果汁飲料等のジュース、ミネラルウォーター、醤油、ソース、スープ等の液体調味料、あるいは、カレー、シチュー、スープ等の種々の液体飲食物を充填包装する液体用紙容器として有用なものである。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらは本発明を制限するものではない。
<実施例1>
坪量400g/m2のミルクカートン原紙の表面側に、低密度ポリエチレン(LC520、日本ポリエチレン(株)製)を厚さ20μmになるように押出しコーティングした。次いで、ミルクカートン原紙の裏面側に、エチレン−メタクリル酸共重合体(N0908C、三井デュポンポリケミカル(株)製)を厚さ20μmになるように押し出しながら、サンドイッチラミネーション法を用いて、蒸着膜が設けられた厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせた。最後に、蒸着膜が設けられた厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムにウレタン系接着剤(EL−540(主剤)/CAT−RT32(硬化剤)、東洋モートン(株)製)を乾燥後の塗布量が0.1g/m2となるように塗工した後、低密度ポリエチレン(貼合層、LC520、MI3.8g/10分、密度0.923g/m3、日本ポリエチレン(株)製)と、線状低密度ポリエチレン(中間層、022GS、MI8.0g/10分、密度0.904g/m3、宇部丸善ポリエチレン(株)製)と、線状低密度ポリエチレン(接液層、FV401、MI3.8g/10分、密度0.904g/m3、住友化学(株)製)とを、厚さがそれぞれ20μm、20μm、15μmになるように共押出しコーティングし、本発明の紙容器用包装材料を作製した。
<実施例2>
中間層を形成する樹脂として、線状低密度ポリエチレン(022GS、MI8.0g/10分、密度0.904g/m3、宇部丸善ポリエチレン(株)製)の代わりに、線状低密度ポリエチレン(NH745N、MI8.0g/10分、密度0.913g/m3、日本ポリエチレン(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の紙容器用包装材料を作製した。
<実施例3>
中間層を形成する樹脂として、線状低密度ポリエチレン(022GS、MI8.0g/10分、密度0.904g/m3、宇部丸善ポリエチレン(株)製)の代わりに、線状低密度ポリエチレン(NH845N、MI15.0g/10分、密度0.913g/m3、日本ポリエチレン(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の紙容器用包装材料を作製した。
<比較例1>
実施例1と同様にして、ミルクカートン原紙の表面側に低密度ポリエチレンを押出しコーティングし、裏面側に蒸着フィルムを貼り合わせ、この蒸着フィルム上にウレタン系接着剤を塗工した。その後、低密度ポリエチレン(貼合層、LC520、MI3.8g/10分、密度0.923g/m3、日本ポリエチレン(株)製)と、線状低密度ポリエチレン(中間層、FV401、MI3.8g/10分、密度0.904g/m3、住友化学(株)製)と、線状低密度ポリエチレン(接液層、FV401、MI3.8g/10分、密度0.904g/m3、住友化学(株)製)とを、厚さがそれぞれ20μm、20μm、15μmになるように共押出しコーティングし、紙容器用包装材料を作製した。
<比較例2>
実施例1と同様にして、ミルクカートン原紙の表面側に低密度ポリエチレンを押出しコ
ーティングし、裏面側に蒸着フィルムを貼り合わせ、この蒸着フィルム上にウレタン系接着剤を塗工した。その後、低密度ポリエチレン(貼合層、LC520、MI3.8g/10分、密度0.923g/m3、日本ポリエチレン(株)製)と、線状低密度ポリエチレン(中間層、KS560T、MI16.5g/10分、密度0.898g/m3、日本ポリエチレン(株)製)と、線状低密度ポリエチレン(接液層、KS560T、MI16.5g/10分、密度0.898g/m3、日本ポリエチレン(株)製)とを、厚さがそれぞれ20μm、20μm、15μmになるように共押出しコーティングし、紙容器用包装材料を作製した。
<比較例3>
実施例1と同様にして、ミルクカートン原紙の表面側に低密度ポリエチレンを押出しコーティングし、裏面側に蒸着フィルムを貼り合わせ、この蒸着フィルム上にウレタン系接着剤を塗工した。その後、低密度ポリエチレン(貼合層、LC520、MI3.8g/10分、密度0.923g/m3、日本ポリエチレン(株)製)と、線状低密度ポリエチレン(中間層、021GT、MI6.0g/10分、密度0.919g/m3、宇部丸善ポリエチレン(株)製)と、線状低密度ポリエチレン(接液層、021GT、MI6.0g/10分、密度0.919g/m3、宇部丸善ポリエチレン(株)製)とを、厚さがそれぞれ20μm、20μm、15μmになるように共押出しコーティングし、紙容器用包装材料を作製した。
<評価基準>
(密封性試験・シール性試験)
実施例1〜3および比較例1〜3で作製した紙容器用包装材料を用いて、シール温度(エアー温度)を280〜360℃の間で10℃おきに変化させて、中に内容物として水を充填した容量1800mlのゲーブルトップ型紙容器のサンプルを作製した。上部の傾斜パネルの糊代は幅17mmとし、折込パネルの糊代と重ね合せてシールを行い、上部接合部15を設けた。ここで、段差部においては、折れ線(非糊代部との境界線)から2mm
より上の位置にビスを設け、センターシール部においては、折れ線(非糊代部との境界線)から2.5mmより上の位置にビスを設けた。底部においても同様に底部接合部を設けるとともに、底部接合部にビスを設けた。
得られたゲーブルトップ型紙容器に水を充填後、ゲーブルトップ型紙容器の中の水を廃棄し、容器の上部および底部を切り取って、その内部に浸透液を塗布し、30分後に加熱により接合箇所を剥がして平板状態にした後、目視により上部接合部(15)の段差部およびセンターシール部における浸透液の浸透度合いから、密封性を評価するとともに、上部接合部(15)の段差部以外の部分およびセンターシール部以外の部分における浸透液の浸透度合いから、シール性を評価した。図4のブランク板において、折り込みパネル糊代(13b)と糊代(90)との連設部近傍を確認することにより、上部接合部(15)の段差部の密封性を評価した。また、図4のブランク板において、傾斜パネル糊代(11b)および折込パネル糊代(13b)の中央部近傍を確認することにより、上部接合部(15)のセンターシール部の密封性を評価した。
なお、上部接合部(15)の密封性が評価基準を満たせば、底部接合部の密封性も評価基準を満たすことがわかっているため、ここでは、上部接合部(15)の密封性およびシール性を評価した結果のみを説明する。
結果を以下の表2に示す。
上記の表2の「密封性」の欄において、○は、図10のOK例に示されるように、浸透液が傾斜パネル糊代(11b)および折込パネル糊代(13b)に形成されたビスの下端に到達していない状態を表し、△は、図10のNG例および図11に示されるように、浸透液が傾斜パネル糊代(11b)および折込パネル糊代(13b)に形成されたビスの下端を越して浸透している状態を表し、×は、傾斜パネル糊代(11b)および折込パネル糊代(13b)から浸透液の漏れが発生している状態を表す。
また、「シール」の欄において、○は、浸透液が傾斜パネル糊代(11b)と折込パネル糊代(13b)に浸透していない状態を表し、△は、浸透液が傾斜パネル糊代(11b)と折込パネル糊代(13b)の中(傾斜パネル糊代(11b)および折込パネル糊代(
13b)と、側面パネル(31,32,33,34)との折れ線より上)に浸透している状態を表し、×は、傾斜パネル糊代(11b)および折込パネル糊代(13b)から浸透液の漏れが発生している状態を表す。
表2に表す評価結果から明らかなように、実施例1〜3の紙容器用包装材料は、300℃の低温でも良好なシール性および密封性を示し、広範囲のヒートシール温度領域で製函可能なものであった。
これに対し、比較例1および比較例2は、高温下ではシール性および密封性に問題がないものの、300〜310℃で密封性不良を生じた。また、比較例3は、300℃で、密封性不良に加えてシール性不良も発生した。
1.紙基材層
2.シーラント層
2a.紙貼合層
2b.中間層
2c.接液層
3.バリア層
4.熱可塑性樹脂層
10.上部
11.傾斜部
11a.傾斜パネル
11b.傾斜パネル糊代
13.折込部
13a.折込パネル
13b.折込パネル糊代
15.上部接合部
30.胴部
31,32,33,34.側面パネル
50.底部
51,52,53,54.底面パネル
52b,53b,54b.底面パネル糊代
70.把持タブ
71.注出口
72.キャップ
90.糊代
L1,L2.折れ線
P.紙容器、紙カップ
DS.段差部
CS.センターシール部
E.胴部材
F.底部材
G.外向きカール部
M.胴シール部
N.底部シール部(ローレットシール部)
X.空隙
Y.空隙
Z.胴シール部Mとローレットシール部Nの交差する部分

Claims (8)

  1. 少なくとも、紙基材層およびシーラント層を有する紙容器用包装材料であって、
    該シーラント層は、紙基材層に近い側から順に、貼合層、中間層および接液層の三層構造を有し、
    貼合層は、低密度ポリエチレンからなり、
    中間層および接液層は、線状低密度ポリエチレンからなり、
    該中間層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスは7.0〜15.0g/10分であり、
    かつ、中間層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスが、貼合層を形成する低密度ポリエチレンおよび接液層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスより大きいことを特徴とする、上記紙容器用包装材料。
  2. 中間層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスと、接液層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスとの差が、3.0g/10分以上であることを特徴とする、請求項1に記載の紙容器用包装材料。
  3. 貼合層、中間層および接液層のうち、貼合層を形成する低密度ポリエチレンの密度が最も大きく、中間層を形成する線状低密度ポリエチレンの密度は、接液層を形成する線状低密度ポリエチレンの密度と同じか、またはそれ以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の紙容器用包装材料。
  4. 紙基材層とシーラント層との間にバリア層を積層したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の紙容器用包装材料。
  5. 紙基材層のシーラント層を設けた面と反対側の面に、熱可塑性樹脂層を積層したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の紙容器用包装材料。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の紙容器用包装材料を、シーラント層が最内層となるように製函してなる紙容器。
  7. 筒状の胴部材と、該胴部材の底部を密閉する底部材とからなる紙カップであって、該胴部材および底部材が、請求項1〜5のいずれか1項に記載の紙容器用包装材料からなることを特徴とする、上記紙カップ。
  8. 少なくとも、紙基材層およびシーラント層を有する紙容器用包装材料の製造方法であって、
    該シーラント層は、紙基材層に近い側から順に、貼合層、中間層および接液層の三層構造を有し、
    貼合層は、低密度ポリエチレンからなり、
    中間層および接液層は、線状低密度ポリエチレンからなり、
    中間層を形成する線状低密度ポリエチレンのメルトインデックスは7.0〜15.0g/10分であり、
    中間層を形成するポリエチレンのメルトインデックスが、貼合層を形成するポリエチレンおよび接液層を形成するポリエチレンのメルトインデックスより大きく、
    かつ、貼合層、中間層および接液層を三層共押出コーティング法により積層することを特徴とする、上記紙容器用包装材料の製造方法。
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