JP7116062B2 - 多重化シグナル増幅 - Google Patents

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Description

関連出願
本出願は、35U.S.C.§119(e)の下、2017年1月10日に出願された米国仮特許出願第62/444,734号、2017年8月16日に出願された米国仮特許出願第62/546,418号、及び2017年8月17日に出願された米国仮特許出願第62/546,836号の利益を主張するものであり、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に援用される。
連邦政府による資金提供を受けた研究
本発明は、米国国防省海軍研究局(U.S. Department of Defense Office of Naval Research)により授与されたN00014-13-1-0593、N00014-16-1-2182、及びN00014-16-1-2410の下、政府の支援を受けて行われた。政府は、本発明に対する一定の権利を有する。
背景
生体分子の細胞内局在化パターンの知識は、これらの分子がどのように機能するかについての重要な洞察を提供することができる。従って、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)及び免疫蛍光法(IF)など、生体分子の局在化をインサイチュで調べる技術は、基礎研究から臨床診断法までの広範囲の分野で重要な役割を果たす。これらの方法は、その広範な使用にもかかわらず、フルオロフォアのスペクトルのオーバーラップのために多重化能力が限られている。さらに、標的の存在量が少ない場合又は密集した組織環境との関連で検査される場合、これらの技術を用いて、明確で解釈可能なシグナルを生じるために許容できる信号対雑音比をインサイチュで達成することは、多くの場合に困難である。
概要
本明細書では、例えば、組織サンプル及び体液サンプルにおけるインサイチュ分子(例えば、核酸及び/又はタンパク質)検出のための高レベルの多重化に適合するロバストな高効率画像化方法がいくつかの実施形態で提供される。インサイチュ検出のための重要な基準は、可変的な発現レベルの標的に対して達成可能なシグナルのレベルである。特に、厚い組織サンプルの場合、珍しい標的の検出は、高い自己蛍光バックグラウンド及びシグナル散乱の増大のために厄介であり続けている。二次抗体の放棄が必要とされ、従って多価結合によって二次抗体が提供する増幅が制限される、いくつかの標的の多重化免疫蛍光検出では、この問題が悪化する。これにより、特に低存在量の標的を画像化するために、シグナル増幅に対する明確な必要性が生じる。
本開示の多重化プラットフォームは、高い自己蛍光バックグラウンド及びシグナル散乱の増大などの障害を回避しながら、厚い組織サンプル内の分子の画像化を伴う、複数の低存在量の標的のインサイチュシグナル増幅のための手段を提供する。本開示の方法及び組成物は、例えば、健康な人及びアルツハイマー病の人の脳切片におけるニューロン免疫因子(例えば、サイトカイン)及びそのニューロン細胞との相互作用を含むが、これらに限定されない、様々な異なる状況における多重化分析を可能にする。インサイチュで直接且つタンパク質レベルで実施されるこのような分析は、例えば、異なるニューロン細胞型に対するミクログリアの神経毒効果及び神経保護効果、並びに身体レベルでのその神経変性疾患との関連性を理解するうえで貴重である。多数の重篤な疾患は、同時に研究すべき複数の因子を含むため、異なる組織型における他の多重化分析も様々な他の病状を理解するうえでもかなりの利益を提供する。
本明細書に提供される多重化シグナル増幅方法は、短いssDNAプライマー配列から長いssDNAコンカテマーを生じる。これらのコンカテマーは、次に、局在化され増幅された検出可能なシグナルを生じるために蛍光鎖が適用されたスカフォールド鎖として使用される。
これらの方法は、例えば、インサイチュ標識化のための特有の利点を提供する:これらは、通常、単純で安価な試薬を使用し、細胞及び組織におけるインサイチュ増幅に適合して、高い信号対雑音比(SNR)を提供し;最終産物は、空間的にコンパクトであり、これにより、より良好な画質及び解像度と共に複数の標的のより良好な空間的隔離が可能になり(現存の方法と比べて);及びこれらの方法は、配列設計に対して高い柔軟性を規定し、同時多重化の設計及び実行を実現可能にする。
従って、本開示のいくつかの態様は、(a)複数の分子(例えば、核酸標的)を含有するサンプルと、複数のプローブ鎖(例えば、1nM~1μMの濃度)であって、各プローブ鎖は、(i)分子標的の領域に対して相補的な(例えば、核酸標的の1つに対して相補的な)不対5’標的ドメイン、及び(ii)不対3’プライマードメインを含む、複数のプローブ鎖とを組み合わせ、且つプローブ鎖に結合された分子標的を含む第1の反応混合物を生成すること、(b)ステップ(a)で生成された第1の反応混合物と、dNTP(例えば、1~500μMの濃度)、鎖置換ポリメラーゼ、及び複数の触媒分子(例えば、1nM~1μMの濃度)であって、各触媒分子は、5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合され、及び第3のドメインは、プローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに対して相補的な不対3’トーホールドドメインである、複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ分子標的に結合された核酸コンカテマーを含む第2の反応混合物を生成すること、(c)ステップ(b)で生成された第2の反応混合物と、複数のシグナル鎖(例えば、1nM~1μMの濃度)であって、各シグナル鎖は、異なる検出可能な分子に連結され、且つプローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに対して相補的なドメインを含む、複数のシグナル鎖とを組み合わせ、且つ複数のシグナル鎖によって標識されたコンカテマーを生成することを含み、及び(d)任意選択的に、標識コンカテマーを画像化することをさらに含む、多重化標的検出方法を提供する。
本開示の他の態様は、(a)複数のプローブ鎖と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び複数の触媒分子とであって、各プローブ鎖は、(i)分子(例えば、核酸)標的に対して相補的な不対5’標的ドメイン、及び(ii)不対3’プライマードメインを含み、各触媒分子は、5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合され、及び第3のドメインは、プローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに対して相補的な不対3’トーホールドドメインである、複数のプローブ鎖と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び複数の触媒分子とを組み合わせ、且つプローブ鎖に結合された核酸コンカテマーを含む第1の反応混合物を生成すること、(b)ステップ(a)で生成された第1の反応混合物と、複数の分子標的(例えば、核酸標的)を含有するサンプルとを組み合わせ、且つ分子標的に結合された核酸コンカテマーを含む第2の反応混合物を生成すること、(c)ステップ(b)で生成された第2の反応混合物と、複数のシグナル鎖であって、各シグナル鎖は、異なる検出可能な分子に連結され、且つプローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに対して相補的なドメインを含む、複数のシグナル鎖とを組み合わせ、且つ複数のシグナル鎖によって標識されたコンカテマーを生成することを含み、及び(d)任意選択的に、標識コンカテマーを画像化することをさらに含む、多重化標的検出方法を提供する。
いくつかの実施形態では、触媒分子は、DNAから構成される。いくつかの実施形態では、触媒分子は、RNAから構成される。
いくつかの実施形態では、各触媒分子の第1のドメインは、同じ触媒分子の第2のドメインに結合される。いくつかの実施形態では、各触媒分子の第1のドメインは、同じ触媒分子の第2のドメインに対して完全に相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、各触媒分子の第2のドメインは、同じ触媒分子の第3のドメインと同一の配列を含む。
いくつかの実施形態では、各触媒分子は、同じ触媒分子の第1のドメインと第2のドメインとの間に位置する、重合を終結させるストッパー分子又は修飾をさらに含む。例えば、重合を終結させる分子又は修飾は、トリエチレングリコール(TEG)、18原子ヘキサエチレングリコール、アデニル化、アジド、ジゴキシゲニン、コレステリル-TEG、3-シアノビニルカルバゾール(CNVK)、iso-dG、及びiso-dCから選択され得る。いくつかの実施形態では、ストッパー分子は、グアニンであり、且つ触媒分子は、アデニン、チミン、及びシトシンから構成され、又は他の実施形態では、ストッパー分子は、シトシンであり、且つ触媒分子は、アデニン、チミン、及びグアニンから構成される。
いくつかの実施形態では、各触媒分子は、第1のドメインと第2のドメインとの間に位置するループドメインをさらに含む触媒ヘアピン分子である。いくつかの実施形態では、各触媒ヘアピン分子は、25~300ヌクレオチド長を有するDNAの一本鎖から構成される。いくつかの実施形態では、触媒分子は、互いに結合されたDNAの二本鎖を含み、第1の鎖は、第1のドメインを含有し、且つ第2の鎖は、第2及び第3のドメインを含む。
いくつかの実施形態では、プローブ鎖は、DNAから構成される。いくつかの実施形態では、プローブ鎖は、RNAから構成される。いくつかの実施形態では、各プローブ鎖は、10~50ヌクレオチド長を有する。いくつかの実施形態では、各プローブ鎖の標的ドメインは、5~25ヌクレオチド長を有する。いくつかの実施形態では、各プローブ鎖のプライマードメインは、5~25ヌクレオチド長を有する。
いくつかの実施形態では、核酸標的は、DNA又はRNAを含む。例えば、核酸標的は、染色体DNAであり得、又は核酸標的は、mRNA又はmiRNAであり得る。
いくつかの実施形態では、シグナル鎖の検出可能な分子は、フルオロフォアである。いくつかの実施形態では、シグナル鎖のそれぞれは、10~30ヌクレオチド長を有する。
いくつかの実施形態では、鎖置換ポリメラーゼは、phi29 DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、及びBsu DNAポリメラーゼのラージフラグメントから選択される。
いくつかの実施形態では、反応混合物は、水性バッファー、任意選択的にリン酸緩衝食塩水(PBS)を含む。いくつかの実施形態では、反応混合物は、任意選択的に5~50mMの濃度のMgSOを含む。
いくつかの実施形態では、複数のステップ(a)は、2~100のプローブ鎖を含み、複数のステップ(b)は、2~100の触媒分子を含み、及び/又は複数のステップ(c)は、2~100のシグナル鎖を含む。いくつかの実施形態では、複数のステップ(a)は、2~1000のプローブ鎖を含み、複数のステップ(b)は、2~1000の触媒分子を含み、及び/又は複数のステップ(c)は、2~1000のシグナル鎖を含む。いくつかの実施形態では、複数のステップ(a)は、2~10,000のプローブ鎖を含み、複数のステップ(b)は、2~10,000の触媒分子を含み、及び/又は複数のステップ(c)は、2~10,000のシグナル鎖を含む。いくつかの実施形態では、複数のステップ(a)は、2~100,000のプローブ鎖を含み、複数のステップ(b)は、2~100,000の触媒分子を含み、及び/又は複数のステップ(c)は、2~100,000のシグナル鎖を含む。
いくつかの実施形態では、サンプルは、細胞サンプルである。いくつかの実施形態では、サンプルは、組織培養細胞である。いくつかの実施形態では、サンプルは、組織サンプルである。組織サンプルは、例えば、脳組織サンプルであり得る。いくつかの実施形態では、組織サンプルは、腫瘍サンプルである。いくつかの実施形態では、サンプルは、体液サンプルである。いくつかの実施形態では、体液サンプルは、血清サンプル、血液サンプル、又は唾液サンプルである。他の体液サンプルも使用され得る。いくつかの実施形態では、サンプルは、糞便サンプルである。
本開示のいくつかの態様は、(a)複数のタンパク質又はペプチド標的を含有するサンプルと、複数の一次結合パートナー(例えば、抗体)であって、複数の一次結合パートナーのそれぞれは、タンパク質又はペプチド標的に特異的に結合し、且つプローブ鎖に連結される、複数の一次結合パートナーとを組み合わせ、且つ一次結合パートナー(例えば、抗体)に結合されたタンパク質又はペプチドを含む反応混合物を生成すること、(b)ステップ(a)で生成された反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び複数の触媒分子であって、各触媒分子は、5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合され、及び第3のドメインは、抗体の1つのプローブ鎖に対して相補的な不対3’トーホールドドメインである、複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ抗体に結合された核酸コンカテマーを含む反応混合物を生成すること、(c)ステップ(b)で生成された反応混合物と、複数のシグナル鎖であって、各シグナル鎖は、異なる検出可能な分子に連結され、且つ抗体の1つのプローブ鎖に対して相補的なドメインを含む、複数のシグナル鎖とを組み合わせ、且つ複数のシグナル鎖によって標識されたコンカテマーを生成することを含み、及び(d)任意選択的に、標識コンカテマーを画像化することをさらに含む、多重化標的検出方法を提供する。いくつかの実施形態では、一次結合パートナーは、抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、全長抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、抗原結合抗体断片である。
本開示の他の態様は、(a)複数のタンパク質又はペプチド標的を含有するサンプルと、複数の一次結合パートナー(例えば、抗体)であって、複数の一次結合パートナーのそれぞれは、タンパク質又はペプチド標的に特異的に結合し、且つ架橋鎖に連結される、複数の一次結合パートナーとを組み合わせ、且つ一次結合パートナー(例えば、抗体)に結合されたタンパク質又はペプチドを含む反応混合物を生成すること、(b)ステップ(a)で生成された反応混合物と、複数のプローブ鎖であって、各プローブ鎖は、(i)一次結合パートナー(例えば、抗体)の1つの架橋鎖に対して相補的な不対5’標的ドメイン、及び(ii)不対3’プライマードメインを含む、複数のプローブ鎖とを組み合わせ、且つ一次結合パートナー(例えば、抗体)に結合されたプローブ鎖を含む反応混合物を生成すること、(c)ステップ(b)で生成された反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び複数の触媒分子であって、各触媒分子は、5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合され、及び第3のドメインは、プローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに対して相補的な不対3’トーホールドドメインである、複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ一次結合パートナー(例えば、抗体)に結合された核酸コンカテマーを含む反応混合物を生成すること、(d)ステップ(c)で生成された反応混合物と、複数のシグナル鎖であって、各シグナル鎖は、異なる検出可能な分子に連結され、且つプローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに対して相補的なドメインを含む、複数のシグナル鎖とを組み合わせ、且つ複数のシグナル鎖によって標識されたコンカテマーを生成することを含み、及び(e)任意選択的に、標識コンカテマーを画像化することをさらに含む、多重化標的検出方法を提供する。
本開示のさらに他の態様は、(a)複数のタンパク質又はペプチド標的を含有するサンプルと、複数の一次抗体(又は複数の他の結合パートナー)であって、複数の一次抗体のそれぞれは、タンパク質又はペプチド標的に特異的に結合する、複数の一次抗体とを組み合わせ、且つ一次抗体に結合されたタンパク質又はペプチドを含む反応混合物を生成すること、(b)ステップ(a)で生成された反応混合物と、複数の二次抗体(又はタンパク質A、タンパク質G若しくは抗体特異的ナノボディなどの結合パートナーに結合する複数の他の二次プローブ)であって、複数の二次抗体のそれぞれは、一次抗体に特異的に結合し、且つプローブ鎖に連結される、複数の二次抗体とを組み合わせ、且つ二次抗体に結合された一次抗体を含む反応混合物を生成すること、(c)ステップ(b)で生成された反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び複数の触媒分子であって、各触媒分子は、5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合され、及び第3のドメインは、二次抗体の1つのプローブ鎖に対して相補的な不対3’トーホールドドメインである、複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ二次抗体に結合された核酸コンカテマーを含む反応混合物を生成すること、(c)ステップ(c)で生成された反応混合物と、複数のシグナル鎖であって、各シグナル鎖は、異なる検出可能な分子に連結され、且つ二次抗体の1つのプローブ鎖に対して相補的なドメインを含む、複数のシグナル鎖とを組み合わせ、且つ複数のシグナル鎖によって標識されたコンカテマーを生成することを含み、及び(d)任意選択的に、標識コンカテマーを画像化することをさらに含む、多重化標的検出方法を提供する。
本開示のさらに他の態様は、(a)複数のタンパク質又はペプチド標的を含有するサンプルと、複数の一次結合パートナー(例えば、抗体)であって、複数の一次結合パートナーのそれぞれは、タンパク質又はペプチド標的に特異的に結合する、複数の一次結合パートナーとを組み合わせ、且つ一次結合パートナー(例えば、一次抗体)に結合されたタンパク質又はペプチドを含む反応混合物を生成すること、(b)ステップ(a)で生成された反応混合物と、複数の二次結合パートナー(例えば、二次抗体)であって、複数の二次結合パートナーのそれぞれは、一次結合パートナーに特異的に結合し、且つ架橋鎖に連結される、複数の二次結合パートナーとを組み合わせ、且つ二次結合パートナー(二次抗体、又は例えばタンパク質A、タンパク質G若しくは抗体特異的ナノボディなどの結合パートナーに結合する他の二次プローブ)に結合された一次結合パートナーを含む反応混合物を生成すること、(c)ステップ(b)で生成された反応混合物と、複数のプローブ鎖であって、各プローブ鎖は、(i)二次結合パートナーの1つの架橋鎖に対して相補的な不対5’標的ドメイン、及び(ii)不対3’プライマードメインを含む、複数のプローブ鎖とを組み合わせ、且つ二次抗体に結合されたプローブ鎖を含む反応混合物を生成すること、(d)ステップ(c)で生成された反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び複数の触媒分子であって、各触媒分子は、5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合され、及び第3のドメインは、プローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに対して相補的な不対3’トーホールドドメインである、複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ二次結合パートナーに結合された核酸コンカテマーを含む反応混合物を生成すること、(e)ステップ(d)で生成された反応混合物と、複数のシグナル鎖であって、各シグナル鎖は、異なる検出可能な分子に連結され、且つプローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに対して相補的なドメインを含む、複数のシグナル鎖とを組み合わせ、且つ複数のシグナル鎖によって標識されたコンカテマーを生成することを含み、及び(f)任意選択的に、標識コンカテマーを画像化することをさらに含む、多重化標的検出方法を提供する。
本明細書では、いくつかの態様において、(a)5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合し、及び第3のドメインは、不対3’トーホールドドメインである、触媒分子と、(b)(i)分子標的に特異的に結合する不対5’標的ドメイン、及び(ii)触媒分子の不対3’トーホールドドメインに結合する不対3’プライマードメインを含むプローブ鎖と、(c)検出可能な分子に連結され、且つプローブ鎖の不対3’プライマードメインに結合するドメインを含むシグナル鎖とを含む組成物も提供される。
いくつかの実施形態では、組成物は、(a)複数の触媒分子であって、各触媒分子は、5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合し、及び第3のドメインは、不対3’トーホールドドメインである、複数の触媒分子と、(b)複数のプローブ鎖であって、各プローブ鎖は、(i)分子標的に特異的に結合する不対5’標的ドメイン、及び(ii)触媒分子の1つの不対3’トーホールドドメインに結合する不対3’プライマードメインを含む、複数のプローブ鎖と、(c)複数のシグナル鎖であって、各シグナル鎖は、異なる検出可能な分子に連結され、且つプローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに結合するドメインを含む、複数のシグナル鎖とを含む。
さらに、本明細書では、いくつかの実施形態において、タンデム反復配列のコンカテマーが結合される核酸標的を含むサンプルであって、検出可能な標識に連結されたシグナル鎖は、コンカテマーの各配列に結合される、サンプルが提供される。
いくつかの実施形態では、サンプルは、抗体(又は結合パートナー)が結合されるタンパク質標的含み、抗体は、タンデム反復配列のコンカテマーに連結され、及び検出可能な標識に連結されたシグナル鎖は、コンカテマーの各配列に結合される。
いくつかの実施形態では、サンプルは、一次結合パートナー(例えば、一次抗体)が結合されるタンパク質標的を含み、二次結合パートナー(例えば、二次抗体)は、一次結合パートナーに結合され、二次結合パートナーは、タンデム反復配列のコンカテマーに連結され、及び検出可能な標識に連結されたシグナル鎖は、コンカテマーの各配列に結合される。
図面の簡単な説明
基本のプライマー交換反応(PER)サイクルである。ドメイン1を有するプライマーは、まず触媒ヘアピン種に結合する。次に、鎖置換ポリメラーゼがドメイン2を合成し、それを元のプライマーに付加して転写物1+2を作る。ヘアピンからのプライマーの自然解離は、新しい転写物を溶液中に放出し、ヘアピンは、リサイクルされ、別の反応における使用に利用可能である。 PERカスケードによる段階的合成である。5つのヘアピンは、ドメイン1を有するCy5標識プライマーの段階的伸長を媒介する。 PERカスケードによる段階的合成である。37℃で4時間のインキュベーション中に含まれるヘアピンの種々のサブセット。プライマー配列:/5Cy5/TTCTCTTATT(配列番号1);ヘアピン配列:ACTAAATTCAGGGCCTTTTGGCCCTGAATTTAGTAATAAGAGA/3InvdT/(配列番号2);ATATCCCATAGGGCCTTTTGGCCCTATGGGATATTGAATTTAG/3InvdT/(配列番号3);ATTACACTACGGGCCTTTTGGCCCGTAGTGTAATTATGGGATA/3InvdT/(配列番号4);ATATTAAACCGGGCCTTTTGGCCCGGTTTAATATGTAGTGTAA/3InvdT/(配列番号5);ATCATTTTTCGGGCCTTTTGGCCCGAAAAATGATGGTTTAATA/3InvdT/(配列番号6)。 合成「テロメラーゼ」反応である。単一のヘアピン(ATCTCTTATTGGGCCTTTTGGCCCAATAAGAGATAATAAGAGA/3InvdT/(配列番号7)は、ドメイン1を有するプライマー(配列番号1)の反復伸長を媒介することができる。 合成「テロメラーゼ」反応である。プライマーは、長い反復配列に伸長される。 合成「テロメラーゼ」反応である。37℃で4時間のインキュベーション中に触媒ヘアピンの濃度を上昇させると、テロメル化の割合が増大する。 インサイチュ増幅のための基本戦略である。プローブをインサイチュでハイブリダイズした後、PERヘアピンを使用して、長い反復コンカテマースカフォールド配列を作製する。次に、蛍光鎖をこのスカフォールドとハイブリダイズさせ、局在化された増幅シグナルを作る。 固定細胞における局在化シグナル増幅の概略図である。mRNA又は染色体の領域などの標的Xが同定される。 固定細胞における局在化シグナル増幅の概略図である。システムは、3つの構成要素、対象の標的に結合するように設計されたプローブ(X’1)、PERヘアピン、及び蛍光補体(1’)を含有する。 固定細胞における局在化シグナル増幅の概略図である。まず、プローブをインサイチュでその標的にハイブリダイズさせ、その後、標準DNA又はRNA FISHプロトコルを行う。 固定細胞における局在化シグナル増幅の概略図である。ハイブリダイゼーション後、ハンドルは、PERヘアピンにより長いテロメア(鎖)に伸長される。 固定細胞における局在化シグナル増幅の概略図である。最後に、蛍光補体鎖を長い合成鎖にハイブリダイズさせ、蛍光シグナル増幅を局在させる。 固定細胞におけるシグナル増幅のための予備実験である。プローブ(1)(/5ATTO488N/TTGCGAGGAAAACTGAAAAAGGTTTCTCTTATT;配列番号41)を染色体のメジャーサテライト部分に結合するように設計し、その5’末端においてATTO 488フルオロフォアにより標識化した。PERヘアピン(2)(配列番号41)、及びATTO 565色素により標識化された、伸長テロメア配列に対して相補的な蛍光プローブ(3)(/5ATTO565N/TTAATAAGAGATAATAAGAGAT/3InvdT/;配列番号8)をシグナル増幅及び検出のために使用した。 固定細胞におけるシグナル増幅のための予備実験である。プローブ(1)のハイブリダイゼーション後、これらをPERヘアピン(2)により伸長させた。テロメル化後、蛍光プローブ(3)をハイブリダイズさせ、画像化した。 固定細胞におけるシグナル増幅のための予備実験である。全PERシステムの存在下において、両方のATTO染料からのシグナルは、核内に共存する。ヘアピン(2)がなければ、蛍光プローブ(3)からのシグナルは、予想通り検出されない。スケールバーは、10μmである。 シグナル破壊による多重化の戦略である。標的シグナルは、強力なレーザーでサンプルを標的にすることによりブリーチングされ得る。 シグナル破壊による多重化の戦略である。シグナルは、蛍光鎖のみがRNA骨格を含有する場合、例えば、RNase酵素などのヌクレアーゼで蛍光オリゴ(核酸鎖)を消化することによって除去され得る。酵素の例としては、USER(登録商標)酵素(ウラシル特異的切断試薬;NEB)、DNaseI及びExoIが挙げられる。 シグナル破壊による多重化の戦略である。蛍光鎖は、低塩条件下で標的から洗浄され得る。 シグナル破壊による多重化の戦略である。洗浄ステップ前に一時的にのみ結合する短い蛍光鎖を使用して、蛍光シグナルを局在化させることができる。 交換イメージングのワークフローである。単一レーザーによる複数の標的の画像化は、洗浄(バッファー交換)ステップ及び蛍光ハイブリダイゼーションステップを交互に行うことによって達成することができる。 プライマー交換反応である。同じ短配列「a」を繰り返しコピーするPER反応の概略図であり、ssDNAの長いコンカテマーが生成される。 プライマー交換反応である。異なるヘアピン濃度における伸長を示すPAGE変性ゲル。Bstポリメラーゼ及び所与のヘアピン濃度を用いて、100nMのプライマーを37℃で4時間、100μMのdATP、dTTP、及びdCTPと共にインキュベートした。 IFシグナルのPERベースの増幅である。コンカテマーのインビトロ伸長:予備伸長コンカテマーをAb上の架橋配列にハイブリダイズさせることができる。 IFシグナルのPERベースの増幅である。インサイチュ伸長:PERプライマーは、Ab上に直接提示され、PERによってインサイチュで伸長される。 予備伸長鎖を用いるPERベースのシグナル増幅を伴うFISHである。胚性線維芽細胞中のマウスメジャーサテライト(MS)を標的とするFISH実験において、予備伸長PER配列を有するオリゴプローブを使用した。 予備伸長鎖を用いるPERベースのシグナル増幅を伴うFISHである。X染色体上の非反復単一コピーX不活性化中心(Xist)領域を標的とするFISH実験において、予備伸長PER配列を有する48のオリゴプローブのセットを使用した。落射蛍光顕微鏡で撮影されたz-スタックの最大投影が示される。 予備伸長鎖を用いるPERベースのシグナル増幅を伴うFISHである。FISH実験前の15%PAGE変性ゲル上の予備伸長鎖の可視化。濃いバンドは、約2kbに相当する。上部パネルのプローブ(メジャーサテライト):CCACTGTAGGACGTGGAATATGGCAAGAAAACTGAAAATCATGGTTCATCATCAT(配列番号9);上部及び下部パネルのヘアピン:ACATCATCATGGGCCTTTTGGCCCATGATGATGTATGATGATG/3InvdT/(配列番号10)。 PERを用いたIFにおけるシグナル増幅である。マウス胚性線維芽細胞を抗βチューブリン一次抗体で染色した。二次抗体染色は、Alexa 647コンジュゲート二次抗体(中央)を用いるか、又はAlexa 647コンジュゲート相補的シグナル鎖が結合することができる、予備伸長PER鎖の結合のためのドッキング部位を提示するDNAコンジュゲート二次抗体(右側)を用いて実施した。ネガティブコントロール(左側)は、一次抗体を省くが、その他にはPER条件と同様にサンプルを処理することにより調製した。有意な非特異的バックグラウンドは、検出されなかった。ヘアピン:ACCAATAATAGGGCCTTTTGGCCCTATTATTGGTTATTATTGG/3InvdT/(配列番号11);プライマー(架橋補体/B38+プライミングのためのp25):CTAGATCGAACTATTCGAACACTAAATATTCCAATAATA(配列番号12);二次抗体にコンジュゲートされたB38架橋配列:/5ThioMC6-D/TATTTAGTGTTCGAATAGTTCGATCTAG(配列番号13);蛍光(25):/5Alex647N/TTTATTATTGGTTATTATTGGT/3InvdT/(配列番号14)。 コンジュゲート二次抗体を用いるIF戦略である。主要な増幅実験のために、一次抗体は、まず、その標的に結合され、次にDNAコンジュゲート二次抗体が一次抗体に結合される。次に、コンジュゲートP38領域に対して相補的な鎖を突出したp27ハンドルと結合させた。PER増幅は、p27ハンドルにおいて実施し、相補的蛍光647鎖を用いて可視化した。蛍光コントロールは、コンジュゲートしたものではなく蛍光二次抗体を使用する。 インサイチュ対インビトロアプローチである。最初のアプローチは、インサイチュで伸長される鎖を使用する。すなわち、プローブ鎖は、まず固定サンプル内のその標的(DNA/RNA/タンパク質)に結合され、次にその場所で伸長される。 インサイチュ対インビトロアプローチである。インビトロアプローチは、代わりに、コンカテマーをインビトロで予め伸長させ、次にこれらを標的にハイブリダイズさせる。 2色増幅である。マイナーサテライト領域及びメジャーサテライト領域をそれぞれ標的とするプローブに取り付けられたプライマー19及び22を使用した2色実験の概略図。メジャーサテライトを標的とするp22’p22’p22’鎖は、ATTO 565色素を含有し、p19’p19’p19’鎖は、Alexa 647色素を含有した。 2色増幅である。個々のチャネルについての画像化の結果であり、適切な蛍光チャネルにおける2つの標的の予想される形態を示す。コントロールとして、細胞にDAPI染色も行った。プライマー19プローブを有するマイナーサテライト:AGATGAGTGAGTTACACTGAAAAACACATTCGTTGGAAACGGTTTCTCTTATT(配列番号15);プライマー22プローブを有するメジャーサテライト:CCACTGTAGGACGTGGAATATGGCAAGAAAACTGAAAATCATGGTTTTACACTAC(配列番号16);ヘアピン19:ATCTCTTATTGGGCCTTTTGGCCCAATAAGAGATAATAAGAGA/3InvdT/(配列番号17);ヘアピン22:ATTACACTACGGGCCTTTTGGCCCGTAGTGTAATGTAGTGTAA/3InvdT/(配列番号18);蛍光p19’:/5Alex647N/TTAATAAGAGATAATAAGAGATAATAAGAGAT/3InvdT/(配列番号19);蛍光p22’:/5ATTO565N/TTGTAGTGTAATGTAGTGTAATGTAGTGTAAT/3InvdT/(配列番号20)。 大まかな増幅可視化のための増幅戦略である。メジャーサテライトプローブは、Alexa 647標識化p19’p19’p19’鎖のための結合領域を含有し、従って非増幅プローブを有するサンプル(PERインキュベーション中にヘアピンを用いない)からの蛍光を、増幅プローブを有するサンプル(PERインキュベーション中にヘアピンを用いる)と比較することができる。 PER分岐変異体である。PER生成コンカテマーは、分岐構造を形成するためのプローブ結合部位として使用され得る。 スペクトル多重化の例である。オリゴにコンジュゲートした二次抗体を用いる2色免疫染色(左側は細胞、右側は網膜組織)であり、二次抗体は、次にインビトロ伸長PER鎖にハイブリダイズされる。 PERによる同時インサイチュ多重化シグナル増幅及びDEIによる連続的な多重化検出である。 8つの直交性鎖を用いるインビトロPERである。37℃で2時間のインキュベーション後、反応産物を15%変性ゲルにおいて可視化した。上部の濃いバンドは、SYBRTMGold染色により可視化された、1.5kbに相当する伸長産物を示す。より薄いバンドは、過剰なヘアピンを示す。 シグナル増幅のワークフローの概略図である。シグナルレベルの変化を定量化するために蛍光ハイブリダイゼーション2’の前後に画像を獲得した。 PAGEゲルは、異なるヘアピン濃度(0.1μM、0.2μM、0.3μM、0.4μM)で伸長されたコンカテマー(最大1000ntまで)を示す。 イメージャ結合のための約70の結合部位を有する約1.5kbの試験コンカテマーである。 Alexa 647を有するイメージャ鎖を用いて、増幅しない場合(蛍光ハイブリダイゼーション1)と比べて約37倍高いシグナル(蛍光ハイブリダイゼーション2)を得た。Abなしのバックグラウンドは、1°Abが省かれたネガティブコントロールを示す。エラーバーは、平均の標準誤差である(n=150~180細胞)。 増幅の前後の代表的な画像である。プライマー(B38架橋補体+増幅前のシグナルの定量化のための2Xp27部位+プライミングのためのp28部位):CTAGATCGAACTATTCGAACACTAAATATTACATCATCATACATCATCATACAACTTAAC(配列番号21);ヘアピン:ACAACTTAACGGGCCTTTTGGCCCGTTAAGTTGTGTTAAGTTG/3InvdT/(配列番号22);二次抗体にコンジュゲートされた架橋配列(B38):/5ThioMC6-D/TATTTAGTGTTCGAATAGTTCGATCTAG(配列番号23)。 分岐のための予備伸長ワークフローである。コンカテマーの2つのセットを溶液中で予め合成し、サンプル上に順次適用した。第2のコンカテマーのプライマーは、第1のコンカテマーに相補的な配列に付加した。 予備伸長コンカテマーをラミンBに対して免疫標識されたHeLa細胞上に順次適用し、分岐構造をインサイチュで構築した。 第1のコンカテマーのみの場合(C1)に対する、第2のコンカテマー(C2)を用いた分岐によるシグナルの改善の定量化である。 インサイチュ樹状成長のメカニズムである:指数関数的な成長動態で誘発されるデンドリマーの合成は、ヘアピンに加えて、分岐を媒介する一本鎖ヘルパー鎖を使用する。 樹状構造の自律的なインサイチュ合成の一例である。二次抗体にコンジュゲートされた架橋配列(B38):/5ThioMC6-D/TATTTAGTGTTCGAATAGTTCGATCTAG(配列番号24);コンカテマー1について:プライマー(B38架橋補体+基礎シグナルの定量化のための2Xp27部位+プライミングのためのp28部位):CTAGATCGAACTATTCGAACACTAAATATTACATCATCATACATCATCATACAACTTAAC(配列番号25);ヘアピン:ACAACTTAACGGGCCTTTTGGCCCGTTAAGTTGTGTTAAGTTG/3InvdT/(配列番号26);コンカテマー2について:プライマー(コンカテマー1へのハイブリダイゼーションのための3Xp28部位+増幅の第2ラウンド前のシグナルの定量化のための2Xp30部位+プライミングのためのp25部位):GTTAAGTTGTGTTAAGTTGTGTTAAGTTGTAAATACTCTCAAATACTCTCTTCCAATAATA(配列番号27);ヘアピン:ACCAATAATAGGGCCTTTTGGCCCTATTATTGGTTATTATTGG/3InvdT/(配列番号28);蛍光鎖1(p30):/5Alex647N/TTGAGAGTATTTGAGAGTATTT/3InvdT/(配列番号29);蛍光鎖2(p25):/5Alex647N/TTTATTATTGGTTATTATTGGT/3InvdT/(配列番号30)。 分岐増幅の一例を実証する、αチューブリンに対して染色されたHeLa細胞である(DNAコンジュゲート一次抗体を用いる)。一次抗体にコンジュゲートされた架橋配列:/5ThioMC6-AATTCTATGACACCGCCACGCCCTATATCCTCGCAATAACCC(配列番号31);コンカテマー1:蛍光プライマー(フルオロフォア+架橋補体+p30プライミング部位):/5ATTO565N/TTTGGGTTATTGCGAGGATATAGGGCGTGGCGGTGTCATAGAATTTTTTTTAATACTCTC(配列番号32);ヘアピン:AAATACTCTCGGGCCTTTTGGCCCGAGAGTATTTGAGAGTATT/3InvdT/(配列番号33);蛍光鎖(p30):/5ATTO565N/TTGAGAGTATTTGAGAGTATTT/3InvdT/(配列番号42);コンカテマー2:プライマー(コンカテマー1へのハイブリダイゼーションのための3Xp30部位+プライミングのためのp33部位):GAGAGTATTTGAGAGTATTTGAGAGTATTTTTCCTTCTATT(配列番号34);ヘアピン:ACCTTCTATTGGGCCTTTTGGCCCAATAGAAGGTAATAGAAGG/3InvdT/(配列番号35);蛍光(p33):/5ATTO565N/TTAATAGAAGGTAATAGAAGGT/3InvdT/(配列番号36)。 FFPEサンプルの免疫染色である。胚中心の周囲の濾胞間(interfollicular)T細胞ゾーンを標識化する、T細胞マーカーCD3で染色された4μm厚の扁桃腺サンプル(DNAコンジュゲート二次抗体を用いる)。スケールバー200μm。プライマー(架橋補体/B38+プライミングのためのp27):CTAGATCGAACTATTCGAACACTAAATATTCATCATCAT(配列番号37);ヘアピン(27):ACATCATCATGGGCCTTTTGGCCCATGATGATGTATGATGATG/3InvdT/(配列番号38);二次抗体にコンジュゲートされた架橋配列(B38):/5ThioMC6-D/TATTTAGTGTTCGAATAGTTCGATCTAG(配列番号39);蛍光(p27):/5Alex647N/TTATGATGATGTATGATGATGT/3InvdT/(配列番号40)。
詳細な説明
生体分子の細胞内局在化パターンの知識は、これらの分子がどのように機能するかについての重要な洞察を提供することができる。従って、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)及び免疫蛍光法(IF)など、生体分子の局在化をインサイチュで調べる技術は、基礎研究から臨床診断法までの広範囲の分野で重要な役割を果たす。しかしながら、これらの方法の広範な使用にもかかわらず、技術的な限界は、依然としてこれらの有用性を制限し得る。具体的に、これらの技術は、特に標的の存在量が少ない場合又は密集した組織環境との関連で検査される場合、明確で解釈可能なシグナルを生じるために苦心していることが多い。本明細書では、特に、この限界に対処するために画像化シグナルをインサイチュで増幅するための方法が提供される。
本開示の根底にある増幅プロセスは、プライマー交換反応(PER)と呼ばれる。PERは、インサイチュ標識化のためのいくつかの利点を有し、例えば高い信号対雑音比(SNR)を提供する、細胞及び組織におけるインサイチュ増幅に適合した単純で安価な試薬の使用;より高い画質及び解像度と共に複数の標的のより高い空間分解能を可能にする、空間的にコンパクトな産物の生成;及び同時多重化の設計及び実行を容易にする配列設計の柔軟性が含まれる。
PER経路は、等温及び自律的な方法で鎖置換DNAポリメラーゼを用いた、成長プライマー鎖上へ任意の一本鎖DNA(ssDNA)配列の動的合成を含む。鎖置換ポリメラーゼ及び触媒的に作用するヘアピン種を用いて、プライマー交換反応は、溶液中でヘアピンによりパターン化された順序でプライマー配列を伸長させる(図3A~3C)。各PERヘアピンは、重合を停止させるために停止配列を使用する(29~31)。例えば、配列「a」がA、T、及びCの3文字コードを含み、且つdNTPの混合物からdGTPが排除される場合、停止配列は、G-C対である。他の停止配列には、4文字全てが合成されることを可能にする化学修飾及び合成塩基対が含まれる。例えば、重合を終結させる合成非DNAリンカー又はiso-d若しくはiso-dCが使用され得る。プライマーは、ゲル電気泳動実験での容易な追跡のために、その5’末端において色素で標識化することができる。ヘアピンは、プライマーを不可逆的に結合させ得るプライマー鎖上の伸長を防止するためにその3’末端に逆位dT又は他の修飾も含み得る。PERにより生成される線状ssDNA構造は、繰り返しコピーされる配列に対して相補的な短い蛍光オリゴヌクレオチドの結合のための優れたドッキングプラットフォームを提示し、従ってDNAベースの検出における効率的なシグナル増幅のためのロバストな方法を提供する。PERシグナル増幅は、効果的な多重化のために時間効率が良く、且つ標的特異的である。
本開示のプライマー交換反応は、3つの一般的なステップを含む(例えば、図1及び図3A~3Bを参照されたい)。最初に、溶液中のプライマードメインを含有するプローブ鎖(その3’末端に配列「1」を保有する)は、触媒分子(例えば、触媒ヘアピン分子)上の露出された相補的不対(一本鎖)トーホールド結合領域(「1’」)に結合する。鎖置換ポリメラーゼは、続いて、停止配列(3本の黒色ライン)に到達するまでプライマー配列(「1」)をコピーする。最後のステップでは、分岐点移動プロセスは、伸長されたプライマー配列を触媒分子から移動させることができ、残りの結合領域は、自然に解離し得る。次に、触媒分子は、別のプライマー交換サイクルにおいて別のプライマードメインと自由に相互作用する(リサイクルされる)。このコピー及び放出手順におけるプライマー結合及び解離ステップは、いずれも可逆的であるが、dNTPを燃料とする重合ステップは、効果的に不可逆的である。これは、全体的に駆動される反応プロセスをもたらし、dNTPは消費されるが、ヘアピンは消費されない。いくつかの反応サイクルにより、この伸長プロセスの繰り返しは、配列「1」の長い線状一本鎖コンカテマーを生成する(図3A及び3B)。単一の触媒ヘアピン分子を使用して、成長プライマー鎖上に同じドメインを連続して連結させることにより、任意の長さの鎖を生成することができる。この合成「テロメラーゼ」PERシステムにおいて、溶液中の触媒ヘアピン分子の濃度を上昇させると、テロメル化の割合が増大される(図3C)。誤ったヘアピン上で結合及び伸長しないように十分に直交性であるプライマーを用いて、いくつかのテロメル化反応を並行して実施することができる。
図2A及び2Bに描かれる5段階PERカスケードシステムは、5つの触媒ヘアピン分子の異なるサブセットがどのように異なる数の伸長ステップを媒介するかを示す。
典型的な多段階多重化PER反応は、直交性のプローブ鎖(それぞれ異なる標的ドメイン及び異なるプライマードメインを含有する)、触媒ヘアピン(それぞれプローブ鎖の1つのプライマードメインに結合し得る異なるトーホールドドメインを含有する)、鎖置換ポリメラーゼ、バッファー、dNTP、及び直交性のシグナル鎖(それぞれプローブ鎖のプライマードメインに対して相補的なドメインを含有し、それぞれスペクトル的に別個のフルオロフォアで標識される)を含む。
非限定的な例として、5~50のヌクレオチド(例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45若しくは50のヌクレオチド、又は5~30、5~40、5~60、10~30、10~40、10~50、15~30、15~40、15~50、20~30、20~40、20~50、25~30、25~40若しくは25~50のヌクレオチド)の長さを有するプローブ鎖は、1nM~1μMの濃度で反応中に存在し得(プライマーは、非同族ヘアピン上で伸長しないはずである)、触媒ヘアピンも1nM~1μMの濃度で反応中に存在し得、5~30のヌクレオチド(例えば、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28若しくは30のヌクレオチド、又は5~10、5~15、5~30、10~15、10~20、10~25、10~30、15~20、15~25、15~30若しくは20~30のヌクレオチド)の長さを有し、フルオロフォア(例えば、Cy5)によりその5’末端で標識されたシグナル鎖は、1nM~1μMの濃度で反応中に存在し得、鎖置換ポリメラーゼは、非エキソヌクレアーゼポリメラーゼBst、Bsm、クレノウ(その他が使用され得る)の1つ又は複数であり得、dNTP濃度は、1μM~500μMの濃度で反応中に存在し得、及びバッファーは、5mM~50mMのMgSO濃度(特異性を保持しながら、反応の速度を調整するため)と、いくつかの反応ではデキストラン硫酸及び/又はポリアクリル酸(SNRを最大にするため)とを含むリン酸緩衝食塩水であり得る。プライマー交換反応の作用実施例は、以下の実施例2に記載される。
例えば、多重化PER反応のためにシグナルをインサイチュで増幅するための一般的な戦略は、図4に描かれるように、長い蛍光テロメアスキャフォールド(成長DNA鎖)を成長させることである。触媒分子(例えば、触媒ヘアピン分子)とのインキュベーションにより長い鎖を成長させた後、相補的シグナル鎖(例えば、フルオロフォアに連結された核酸鎖)の結合が可能になる。いくつかのフルオロフォアが単一のテロメアスキャフォールドに沿って集まることができるため、これにより、増幅された局在化蛍光シグナルが作られる。画像化ワークフローのより詳細な概略図は、図5に示される。第1に、標的が選択される(図5A)。この標的が染色体DNA、mRNA、又はmiRNAなどの核酸であれば、インサイチュハイブリダイゼーション手順により固定細胞内の標的の場所に局在化するように、標的(ドメインX)に対して相補的なプローブ(ドメインX’を有する)が設計される。このプローブは、その3’末端(ドメイン1)にプライマーが取り付けられ、これは、触媒分子(例えば、触媒ヘアピン分子)を用いて伸長させることができる。標的がタンパク質であれば、Xドメインの代わりに、プライマーは、標的タンパク質に結合する抗体(又は他の結合パートナー)にコンジュゲートされ得る。
本明細書で提供される多重化増幅システムは、触媒分子(例えば、触媒ヘアピン分子)と、反復伸長ドメイン1に対して相補的な蛍光プローブとを使用する(図5B)。画像化は、まずプローブをその標的に局在化させ(図5C)、次にPER構成要素を導入して、テロメアスキャフォールドをインサイチュで成長させ(図5D)、且つ最後に、いくつかのフルオロフォアを単一の局在化点に集めるために、蛍光シグナル鎖(例えば、相補的オリゴヌクレオチド)をこれらの反復転写物(タンデム反復配列)に結合させる(図5E)ことによって段階的な方法で行われる。
システムの初期試験は、固定不死化マウス胚性線維芽細胞においてDNA FISHを用いて実施した(図6)。染色体のメジャーサテライト反復領域を標的とし、コントロール実験は、PERヘアピンが反応溶液中に含まれる場合、テロメア誘起蛍光のみが存在することを示した。
本明細書に記載される分子構成要素は、1つ又は複数のドメインを含む。分子のドメインは、単にその分子の個別のセグメントである。核酸分子(ヌクレオチドを含むか又はヌクレオチドからなる)のドメインは、ドメインが不対(一本鎖ヌクレオチド)であるか又は対(二本鎖ヌクレオチド塩基対)であるかに応じて、それぞれヌクレオチド又はヌクレオチド塩基対の個別の連続した配列である。いくつかの実施形態では、ドメインは、分子内(同じ分子種内)及び分子間(2つの別々の分子種間)の相補性を定義する目的で複数のサブドメインを有すると記載されている。2つのドメインが対(二本鎖)又は部分的に対の分子種/構造を形成するように1つのドメインが他のドメインのヌクレオチドと塩基対合する(Watson-Crick型ヌクレオチド塩基対合によってハイブリダイズ/結合する)ヌクレオチドを含有すれば、1つのドメイン(又は1つのサブドメイン)は、別のドメインに対して相補的である。相補的ドメインは、対構造を形成するために完全に/全体的に(100%)相補的である必要はないが、いくつかの実施形態では完全な相補性が提供される。従って、触媒分子の3’トーホールドドメインなどの特定のドメインに対して相補的なプライマードメインは、例えば、ポリメラーゼの存在下において、重合を開始させるのに十分な時間にわたってそのドメインに結合する。例えば、図1は、触媒ヘアピン分子のトーホールドドメイン「1’」に結合するプライマードメイン「1」を示す。
核酸から構成される触媒分子の対ドメイン(ヘアピンに関しては「ステムドメイン」と考えられる)は、触媒分子の不対トーホールドドメインから5’側に(いくつかの実施形態では直接隣接して)位置するヌクレオチドの対配列(例えば、Watson-Crick型核酸塩基対合)を指す。触媒分子の対ドメインは、「置換鎖」と、トーホールドドメインを含有する「テンプレート鎖」との間のヌクレオチド塩基対合によって形成される。触媒ヘアピン分子の対ドメイン(ステムドメイン)は、触媒ヘアピン分子の2つのサブドメインの分子内塩基対合(同じ分子内のヌクレオチド間の塩基対合)によって形成さ、例えば触媒ヘアピンの5’末端に位置するサブドメインに結合(ハイブリダイズ)されたトーホールドドメインから5’側に位置する内部/中央サブドメインである。核酸から構成される触媒分子の対ドメインの長さは、変動し得る。いくつかの実施形態では、対ドメインは、5~40ヌクレオチド長を有する。例えば、対ドメインは、5~35、5~30、5~25、5~20、5~15、5~10、10~40、10~35、10~30、10~25、10~20、10~15、15~40、15~35、15~30、15~25、15~20、20~40、20~35、20~30、20~25、25~40、25~35、25~30、30~40、30~35、又は35~40ヌクレオチド長を有し得る。いくつかの実施形態では、対ドメインは、5、10、15、20、25、30、35、又は40ヌクレオチド長を有する。いくつかの実施形態では、対ドメインは、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25ヌクレオチド長を有する。対ドメインは、いくつかの実施形態では、40ヌクレオチドよりも長いか、又は5ヌクレオチドよりも短い。
対ドメインは、一般に、触媒分子の2つのサブドメインの分子内塩基対合によって形成されるが、この対ドメインが少なくとも1つのミスマッチ対(例えば、AとC若しくはGとの対合、又はTとC若しくはGとの対合)を含有し得ることが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、対ドメインは、1~5つのミスマッチヌクレオチド塩基対を有する。例えば、対ドメインは、1、2、3、4、又は5つのミスマッチヌクレオチド塩基対を有し得る。
触媒分子は、一般に、不対(一本鎖)3’トーホールドドメインと、3’トーホールドドメインから5’側の(いくつかの実施形態では直接隣接する)対(二本鎖)ドメインとを含む。触媒分子は、DNA、RNA又はDNA及びRNAの組合せから構成され得る。触媒ヘアピン分子は、3’トーホールドドメインの反対側の分子の末端にループドメインをさらに含む。多重化プライマー交換反応の動態は、例えば、触媒分子(例えば、触媒分子の1つ又は複数のドメイン)の長さ、組成及び濃度を変更することによって制御することができる。
触媒ヘアピン分子(説明的な例として、図1Aを参照されたい)は、ヘアピンループドメイン(ループ様構造)に連結された対ステムドメイン(例えば、サブドメイン「2」のサブドメイン「2’」への分子内結合により形成される)に連結された3’トーホールドドメイン(「1’」)を含む。従って、いくつかの実施形態では、触媒ヘアピン分子は、分子内塩基対合によりヘアピン構造に形成された単一の核酸鎖を含む。ループドメイン(「二本鎖」)のない触媒分子も本明細書において提供される。触媒分子(例えば、触媒ヘアピン分子)の長さは、変動し得る。いくつかの実施形態では、核酸から構成される触媒分子は、25~300ヌクレオチド長(5’-3’方向)を有する。例えば、核酸から構成される触媒分子は、25~250、25~200、25~150、25~100、25~50、50~300、50~250、50~200、50~150、又は50~100ヌクレオチド長を有し得る。いくつかの実施形態では、核酸から構成される触媒分子は、30~50、40~60、50~70、60~80、70~90、80~100、100~125、100~150、又は100~200ヌクレオチド長を有する。いくつかの実施形態では、核酸から構成される触媒分子は、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100ヌクレオチド長を有する。核酸から構成される触媒分子は、いくつかの実施形態では300ヌクレオチドよりも長いか、又は25ヌクレオチドよりも短い。
トーホールドドメインは、触媒分子の3’末端に位置する不対ドメイン(不対3’ドメイン)であり、プローブ鎖のプライマードメインに結合する。いくつかの実施形態では、トーホールドドメイン(従って触媒分子)は、プローブ鎖のプライマードメインに対して相補的な(例えば、長さ及び/又はヌクレオチド組成において完全又は部分的に)ヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、トーホールドドメインヌクレオチド配列は、プローブ鎖のプライマードメインよりも長いか又は短い。他の実施形態では、トーホールドドメインヌクレオチド配列は、プローブ鎖のプライマードメインと同じ長さである。トーホールドドメインの長さは、変動し得る。いくつかの実施形態では、トーホールドドメインは、5~40ヌクレオチド長を有する。例えば、トーホールドドメインは、2~35、2~30、2~25、2~20、2~15、2~10、5~35、5~30、5~25、5~20、5~15、5~10、10~40、10~35、10~30、10~25、10~20、10~15、15~40、15~35、15~30、15~25、15~20、20~40、20~35、20~30、20~25、25~40、25~35、25~30、30~40、30~35、又は35~40ヌクレオチド長を有し得る。いくつかの実施形態では、トーホールドドメインは、5、10、15、20、25、30、35、又は40ヌクレオチド長を有する。いくつかの実施形態では、トーホールドドメインは、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25ヌクレオチド長を有する。トーホールドドメインは、いくつかの実施形態では、40ヌクレオチドよりも長いか、又は5ヌクレオチドよりも短い。
触媒ヘアピン分子のループドメインは、ステムドメインの(3’トーホールドドメインの反対側の)末端(隣接する)にループ様構造を形成するヌクレオチドの主に不対の配列を指す。ループドメインの長さは、変動し得る。いくつかの実施形態では、核酸から構成される触媒ヘアピン分子のループドメインは、3~200ヌクレオチド長を有する。例えば、ループドメインは、3~175、3~150、3~125、3~100、3~75、3~50、3~25、4~175、4~150、4~125、4~100、4~75、4~50、4~25、5~175、5~150、5~125、5~100、5~75、5~50、又は5~25ヌクレオチド長を有し得る。いくつかの実施形態では、ループドメインは、3~10、3~15、32~10、3~25、3~30、3~35、3~40、3~35、3~40、3~45、3~50、4~10、4~15、4~10、4~25、4~30、4~35、4~40、4~35、4~40、4~45、又は4~50ヌクレオチド長を有する。いくつかの実施形態では、ループドメインは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、45、46、47、48、49、又は50ヌクレオチド長を有する。ループドメインは、いくつかの実施形態では、300ヌクレオチドよりも長い。
いくつかの実施形態では、触媒分子は、ヘアピンループドメインを含有しない。例えば、触媒分子は、単に、ステムドメインに類似している対ドメインに隣接する3’不対トーホールドドメインを含む二本鎖であり得る(隣接するループドメインを含まない)。ループドメインを含まない触媒分子は、1区間(例えば、10以上)のヌクレオチド塩基対間の架橋又はヌクレオチド塩基相補性により、3’トーホールドドメインと反対側の末端において安定化され得る。
プローブ鎖は、いくつかの実施形態では、分子標的に結合する不対5’標的ドメインと、多重化プライマー交換反応を開始するために触媒分子の不対3’トーホールドドメインに結合する不対3’プライマードメインとを含む。プローブ鎖は、いくつかの実施形態では、DNA、RNA又はDNA及びRNAの組合せから構成される。多重化PER反応(説明的な例として、図5Bのプローブ鎖、及び図1の標的ドメインを含まない簡略版を参照されたい)において、プローブ鎖のプライマードメイン(「1」)は、触媒分子のトーホールドドメイン(「1’」)に結合し、反応溶液中に存在する鎖置換ポリメラーゼによるプライマーの伸長は、分岐点移動プロセスにより触媒分子のステムドメインのサブドメイン(「2」)の1つを置換する。全体的な効果は、ヘアピンステムドメインのサブドメイン(「2」)の1つが、伸長された(新しく合成された)プライマードメインで置き換えられることである。
いくつかの実施形態では、プローブ鎖(標的ドメイン及びプライマードメインを含む)は、10~50ヌクレオチド長を有する。例えば、プローブ鎖は、10~45、10~40、10~35、10~30、10~25、10~20、10~15、15~50、15~45、15~40、15~35、15~30、15~25、15~20、20~50、20~45、20~40、20~35、20~30、20~25、25~50、25~45、25~40、25~35、25~30、30~50、30~45、30~40、30~35、35~50、35~45、35~40、40~50、40~45、又は45~50ヌクレオチド長を有し得る。いくつかの実施形態では、プローブ鎖は、10、15、20、25、30、35、40、45、又は50ヌクレオチド長を有する。いくつかの実施形態では、プローブ鎖は、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25ヌクレオチド長を有する。プローブ鎖は、いくつかの実施形態では、50ヌクレオチドよりも長いか、又は10ヌクレオチドよりも短い。
いくつかの実施形態では、プライマードメイン(触媒分子のトーホールドドメインに結合するヌクレオチド配列)は、10~30ヌクレオチド長を有する。例えば、プライマードメインは、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、20~25、又は25~30ヌクレオチド長を有し得る。いくつかの実施形態では、プライマードメインは、10、15、20、25、又は30ヌクレオチド長を有する。いくつかの実施形態では、プライマードメインは、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25ヌクレオチド長を有する。
いくつかの実施形態では、置換ポリメラーゼによるプライマードメイン(プライマー結合部位に結合)の伸長は、重合を終結させる触媒分子中の分子又は修飾の存在によって終結される。従って、いくつかの実施形態では、本開示の触媒分子は、重合を終結させる分子又は修飾を含む。重合を終結させる分子又は修飾(「ストッパー」)は、通常、対ドメインにより重合がプライマーの伸長を終結させるように、触媒分子の対ドメイン(例えば、ステムドメイン)内に位置する。ヘアピンの形態に配置される触媒分子の場合、重合を終結させる分子又は修飾は、対ステムドメインとループドメインとの間に位置し得る(例えば、図1の触媒ヘアピン分子内の3本の黒色直線を参照されたい)。いくつかの実施形態では、重合を終結させる分子は、合成非DNAリンカー、例えばInt Spacer 9(iSp9)又はSpacer 18(Integrated DNA Technologies(IDT))などのトリエチレングリコールスペーサーである。ポリメラーゼによる重合を終結させる任意の非ネイティブリンカーが、本明細書に提供されるように使用され得ることが理解されるべきである。このような分子及び修飾の他の非限定的な例としては、3炭素連結(Int C3 Spacer、iSpC3)(IDT)、ACRYDITETM(IDT)、アデニル化、アジド、ジゴキシゲニン(NHSエステル)、コレステリル-TEG(IDT)、I-LINKERTM(IDT)、及び3-シアノビニルカルバゾール(CNVK)並びにこれらの変異体が挙げられる。常にではないが通常、短いリンカー(例えば、iSp9)は、より速い反応時間をもたらす。
いくつかの実施形態では、重合を終結させる分子は、それぞれシトシン及びグアニンの化学変異体であるiso-dG及びiso-dC(IDT)などの単一又は対の非天然ヌクレオチド配列である。Iso-dCは、Iso-dGと塩基対合(水素結合)し得るが、dGと塩基対合しない。同様に、Iso-dGは、Iso-dCと塩基対合し得るが、dCと塩基対合しない。ストッパー位置において、これらのヌクレオチドをヘアピンの反対側の対に組み込むことにより、ポリメラーゼは、その位置に付加するための相補的ヌクレオチドを溶液中に有さないために停止され得る。
いくつかの実施形態では、「ストッパー」修飾の性能の効率は、反応中のdNTP濃度を(例えば、200μMから)100μM、10μM、1μM、又はそれを下回って低下させることによって改善される。
重合を終結させる分子又は修飾を包含させると、その分子又は修飾が対合されないため、多くの場合、触媒分子の対ドメイン(例えば、ヘアピン構造のステムドメイン)内にバルジが形成される。従って、いくつかの実施形態では、触媒分子は、その分子又は修飾の反対側に単一のヌクレオチド(例えば、チミン)、少なくとも2つの同じヌクレオチド(例えば、チミン二量体(TT)又は三量体(TTT))、又は非天然修飾を含むように設計される。
プローブ鎖の標的ドメインは、直接又は間接的に分子標的に結合する。例えば、分子標的が核酸標的(例えば、染色体DNA、mRNA又はmiRNA)である場合、標的ドメイン(従ってプローブ鎖)が核酸標的に直接結合するように、標的ドメインは、核酸標的のドメインに対して相補的なヌクレオチド配列を含むように設計され得る(例えば、図5A~5Eを参照されたい)。しかしながら、分子標的がタンパク質又はペプチドである場合、タンパク質又はペプチド標的へのプローブ鎖の結合は、間接的であり得る。このような実施形態では、一次及び/又は二次抗体(又は他の結合パートナー)を使用して、まずタンパク質又はペプチド標的を局在化させることができ、次に(1)「予め作製された」コンカテマーが抗体に付加される(例えば、図10Aを参照されたい)か、又は(2)抗体に付加した中間架橋鎖を介してプローブ鎖が一次又は二次抗体(又は他の結合パートナー)に結合する。例えば、プローブ鎖が一次抗体の架橋鎖に結合して、触媒分子及びポリメラーゼの存在下で多重化プライマー交換反応を開始させることができるように、一次抗体は、プローブ鎖の5’標的ドメインに対して相補的なドメインを含む「架橋鎖」(不対核酸鎖)により修飾され得る。或いは、(非修飾)一次抗体(分子標的に対して特異的)を使用してタンパク質又はペプチド標的を局在化させ得、次に架橋鎖で修飾された二次抗体(一次抗体に対して特異的)を使用して一次抗体を局在化させる。プローブ鎖は、次に二次抗体の架橋鎖に結合して、触媒分子及びポリメラーゼの存在下で多重化プライマー交換反応を開始させる。さらに他の実施形態では、抗体に付加されたプローブ鎖は、それ自体がプライマー(プライマードメイン)の役割を果たし、触媒分子のトーホールドドメインに直接結合することによってプライマー交換反応を開始させることができる(例えば、図10Bを参照されたい)。
いくつかの実施形態では、本方法は、複数のタンパク質又はペプチド標的を含有するサンプルと、複数の結合パートナーとを組み合わせて、第1の反応混合物を形成した後、第1の反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、複数の触媒分子、及び複数のプローブ鎖とを組み合わせる(種々の要素(dNTP、ポリメラーゼ、触媒分子、及びプローブ鎖)の段階的及び同時的な付加を包含する)ことを含む。例えば、場合により、ユーザーは、dNTP、ポリメラーゼ、及び触媒分子を添加する前にプローブを反応混合物に付加してプローブをプレハイブリダイズすることを好み得る。
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、分子標的(すなわちタンパク質又はペプチド標的)に結合する一次結合パートナーを用いる。一次結合パートナーは、抗体、又は分子標的に特異的に結合することができる任意の他の結合パートナーであり得る。他に言及されない限り、抗体という用語が全長抗体及び抗原結合抗体断片を包含することが理解されるべきである。従って、いくつかの実施形態では、一次結合パートナーは、全長抗体であり得、他の実施形態では、一次結合パートナーは、抗原結合抗体断片であり得る。さらに、いくつかの実施形態は、一次結合パートナーに結合する二次結合パートナーを用いる。二次結合パートナーは、いくつかの実施形態では、全長抗体又は抗原結合抗体断片などの抗体である。他の結合パートナーが二次結合パートナーとして使用され得る。
分子標的がタンパク質又はペプチドである場合、分子標的に結合する分子は、抗体でなくてもよい。分子標的に特異的に結合することができる任意の分子(任意の「結合パートナー」)が使用され得る。従って、結合パートナーは、標的結合抗体又は任意のタイプのその抗原結合断片を含む。さらに、例えば、分子標的がタンパク質リガンドであれば、架橋鎖で修飾される分子は、そのリガンドの受容体であり得る。いくつかの実施形態では、分子標的を局在化させる(それに結合する)ために、融合タンパク質、ペプチド、タンパク質断片、毒素、脂質、又は親和性プローブ(ナノボディ、アフィボディ、単鎖可変断片及びアプタマーを含むが、これらに限定されない)が使用され得る。他の結合パートナー(例えば、タンパク質結合パートナー)の相互作用は、本明細書に包含される。同様に、いくつかの実施形態では、結合パートナーを局在化させる(それに結合する)ために、結合パートナーに結合する他の二次プローブ(タンパク質A、タンパク質G又は抗体特異的ナノボディを含むが、これらに限定されない)が使用され得る。
図5A~5Eに示されるような多重化プライマー交換反応は、長い核酸コンカテマーの生成をもたらす(例えば、図5Dを参照されたい)。分子標的(ポリメラーゼの存在下)に結合されたプローブ鎖は、触媒分子と相互作用して、いくつかの実施形態ではタンデム反復配列である成長鎖を生成する。このタンデム反復配列のコンカテマーは、増幅シグナルの基礎としての役割を果たす。コンカテマーが生成されると、シグナル鎖は、コンカテマーに結合して、増幅シグナルを生じることができる(図5E)。
シグナル鎖は、このようにしてコンカテマーに結合する。シグナル鎖は、いくつかの実施形態では、プローブ鎖のプライマードメインに対して相補的な配列を含み、従って、シグナル鎖は、成長プローブ鎖から生成されるコンカテマーに結合することができる。シグナル鎖は、検出可能な分子(例えば、蛍光又は化学発光シグナルなどの検出可能なシグナルを発する分子)に連結(それで標識)される。いくつかの実施形態では、標識は、フルオロフォアである。フルオロフォア又は他の蛍光/化学発光分子に連結したプライマーは、単に「蛍光プライマー」と呼ばれる。本明細書で使用され得るフルオロフォアの例としては、ヒドロキシクマリン、メトキシクマリン、Alexa fluor、アミノクマリン、Cy2、FAM、Alexa fluor 405、Alexa fluor 488、フルオレセインFITC、Alexa fluor 430、Alexa fluor 532、HEX、Cy3、TRITC、Alexa fluor 546、Alexa fluor 555、R-フィコエリトリン(PE)、Rhodamine Red-X、Tamara、Cy3.5 581、Rox、Alexa fluor 568、Red 613、Texas Red、Alexa fluor 594、Alexa fluor 633、アロフィコシアニン、Alexa fluor 647、Cy5、Alexa fluor 660、Cy5.5、TruRed、Alexa fluor 680、Cy7及びCy7.5が挙げられるが、これらに限定されない。検出可能なシグナルを発する他のフルオロフォア及び分子は、本開示によって包含される。
多重化プライマー交換反応は、ポリメラーゼの使用を必要とする。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、DNA鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼ(鎖置換ポリメラーゼ)などのDNAポリメラーゼ(DNAP)である。「鎖置換」は、合成中に遭遇される下流側のDNAを置換する能力を説明する。本明細書で提供されるように使用され得る、DNA鎖置換活性を有するポリメラーゼ(鎖置換ポリメラーゼ)の例としては、phi29 DNAポリメラーゼ(例えば、NEB#M0269)、Bst DNAポリメラーゼラージフラグメント(例えば、NEB#M0275)、又はBsu DNAポリメラーゼラージフラグメント(例えば、NEB#M0330)が挙げられるが、これらに限定されない。鎖置換活性を有する他のポリメラーゼも使用され得る。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、RNAポリメラーゼである。
いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、phi29 DNAポリメラーゼである。このような実施形態では、反応条件は、次の通りであり得る:精製ウシ血清アルブミン(BSA)が補充された1X反応バッファー(例えば、50mMのTris-HCl、10mMのMgCl、10mMの(NHSO、4mMのDTT)、pH7.5、30℃でインキュベート。
いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、Bst DNAポリメラーゼラージフラグメントである。このような実施形態では、反応条件は、次の通りであり得る:1X反応バッファー(例えば、20mMのTris-HCl、10mM(NHSO、10mMのKCl、2mMのMgSO、0.1%のTRITON(登録商標)X-100)、pH8.8、65℃でインキュベート。
いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、Bsu DNAポリメラーゼである。このような実施形態では、反応条件は、次の通りであり得る:1X反応バッファー(例えば、50mMのNaCl、10mMのTris-HCl、10mMのMgCl、1mMのDTT)、pH7.9、37℃インキュベート。
多重化プライマー交換反応システム中のプライマー、触媒分子及びdNTPの濃度は、例えば、特定の用途及びその特定の用途に必要とされる動態に応じて変動し得る。
多重化プライマー交換反応におけるプライマーの濃度は、例えば、10nM~1000nMであり得る。いくつかの実施形態では、多重化プライマー交換反応におけるプライマー濃度は、10~20、10~30、10~40、10~50、10~60、10~70、10~80、10~90、10~100、10~125、10~150、10~200、25~50、25~75、25~100、25~150、25~200、50~75、50~100、50~150、又は50~200nMである。いくつかの実施形態では、多重化プライマー交換反応におけるプライマー濃度は、100~200、100~300、100~400、100~500、100~600、100~70、100~800、100~900、又は100~1000nMである。いくつかの実施形態では、多重化プライマー交換反応におけるプライマー濃度は、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、又は200nMである。いくつかの実施形態では、多重化プライマー交換反応におけるプライマー濃度は、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000nMである。多重化プライマー交換反応におけるプライマーの濃度は、10nM未満であり得、又は1000nMを超え得る。
多重化プライマー交換反応における触媒分子(例えば、触媒ヘアピン)の濃度は、例えば、5nM~1000nMであり得る。いくつかの実施形態では、多重化プライマー交換反応における触媒分子濃度は、5~10、5~20、5~30、5~40、5~50、5~60、5~70、5~80、5~90、5~100、5~125、5~150、5~200、10~50、10~75、10~100、10~150、10~200、25~75、25~100、25~125、又は25~200nMである。いくつかの実施形態では、多重化プライマー交換反応における触媒分子濃度は、10~200、10~300、10~400、10~500、10~600、10~70、10~800、10~900、又は10~100nMである。いくつかの実施形態では、多重化プライマー交換反応における触媒分子濃度は、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、又は200nMである。いくつかの実施形態では、多重化プライマー交換反応における触媒分子濃度は、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は100nMである。多重化プライマー交換反応における触媒分子の濃度は、5nM未満であり得、又は1000nMを超え得る。
多重化プライマー交換反応におけるプライマー対触媒分子の比率は、2:1~100:1であり得る。いくつかの実施形態では、プライマー対触媒分子の比率は、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、又は20:1である。いくつかの実施形態では、プライマー対触媒分子の比率は、30:1、40:1、50:1、60:1、70:1、80:1、又は90:1である。
多重化プライマー交換反応における異なる触媒分子の数は、非限定的である。多重化プライマー交換反応は、1~1010の異なる触媒分子(それぞれ例えば特異的なトーホールドドメイン配列を有する)を含み得る。いくつかの実施形態では、多重化プライマー交換反応は、1~10、1~10、1~10、1~10、1~10、1~10、1~10、1~10、1~10、1~1010、又はそれを超える異なる触媒分子を含む。いくつかの実施形態では、多重化プライマー交換反応は、1~5、1~10、1~15、1~20、1~25、1~30、1~35、1~40、1~45、1~50、1~55、1~60、1~65、1~70、1~75、1~80、1~85、1~90、1~95、1~100、5~10、5~15、5~20、5~25、5~30、5~35、5~40、5~45、5~50、5~55、5~60、5~65、5~70、5~75、5~80、5~85、5~90、5~95、5~100、10~15、10~20、10~25、10~30、10~35、10~40、10~45、10~50、10~55、10~60、10~65、10~70、10~75、10~80、10~85、10~90、10~95、又は10~100の異なる触媒分子を含む。いくつかの実施形態では、多重化プライマー交換反応は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、28、19、20、21、22、23、24、又は25の異なる触媒分子を含む。触媒分子は、例えば、そのトーホールドドメインが互いに異なれば、互いに異なる。
多重化プライマー交換反応の動態は、例えば、温度、時間、バッファー/塩条件、及びデオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)濃度を変化させることによって制御され得る。ポリメラーゼは、ほとんどの酵素と同様に、イオン強度、pH、及び存在する金属イオンの種類(例えば、ナトリウムイオン対マグネシウムイオン)を含む多数のバッファー条件に敏感である。従って、多重化プライマー交換反応が実施される温度は、例えば、4℃~65℃(例えば、4℃、25℃、37℃、42℃、又は65℃)で変動し得る。いくつかの実施形態では、多重化プライマー交換反応が実施される温度は、4~25℃、4~30℃、4~35℃、4~40℃、4~45℃、4~50℃、4~55℃、4~60℃、10~25℃、10~30℃、10~35℃、10~40℃、10~45℃、10~50℃、10~55℃、10~60℃、25~30℃、25~35℃、25~40℃、25~45℃、25~50℃、25~55℃、25~60℃、25~65℃、35~40℃、35~45℃、35~50℃、35~55℃、35~60℃、又は35~65℃である。いくつかの実施形態では、多重化プライマー交換反応は、室温で実施されるが、他の実施形態では、多重化プライマー交換反応は、37℃で実施される。
多重化プライマー交換反応は、30分間(min)~24時間(hr)にわたって実施(インキュベート)され得る。いくつかの実施形態では、多重化プライマー交換反応は、10分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、60分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、18時間、又は24時間にわたって実行される。
デオキシリボヌクレオチド(dNTP)は、多重化プライマー交換反応を駆動する「燃料」である。従って、多重化プライマー交換反応の動態は、いくつかの実施形態では、反応におけるdNTPの濃度に大きくに依存する。多重化プライマー交換反応におけるdNTPの濃度は、例えば、2~1000μMであり得る。いくつかの実施形態では、多重化プライマー交換反応におけるdNTP濃度は、2~10μM、2~15μM、2~20μM、2~25μM、2~30μM、2~35μM、2~40μM、2~45μM、2~50μM、2~55μM、2~60μMμM、2~65μM、2~70μM、2~75μM、2~80μM、2~85μM、2~90μM、2~95μM、2~100μM、2~110μM、2~120μM、2~130μM、2~140μM、2~150μM、2~160μM、2~170μM、2~180μM、2~190μM、2~200μM、2~250μM、2~300μM、2~350μM、2~400μM、2~450μM、2~500μM、2~600μM、2~700μM、2~800μM、2~900μM、又は2~1000μMである。例えば、多重化プライマー交換反応におけるdNTP濃度は、2μM、5μM、10μM、15μM、20μM、25μM、30μM、35μM、40μM、45μM、50μM、55μM、60μM、65μM、70μM、75μM、80μM、85μM、90μM、95μM、100μM、105μM、110μM、115μM、120μM、125μM、130μM、135μM、140μM、145μM、150μM、155μM、160μM、165μM、170μM、175μM、180μM、185μM、190μM、195μM、又は200μMであり得る。いくつかの実施形態では、多重化プライマー交換反応におけるdNTP濃度は、10~20μM、10~30μM、10~40μM、10~50μM、10~60μM、10~70μM、10~80μM、10~90μM、又は10~100μMである。
いくつかの実施形態では、dNTP変異体が使用される。例えば、PERシステムは、ホットスタート/クリーンアンプ(hot start/clean amp)dNTP、ホスホロチオエートdNTP、又は蛍光dNTPを使用し得る。他のdNTP変異体も使用され得る。いくつかの修飾dNTPは、正常な(非修飾)DNA-DNA結合よりも好ましくないため、その使用により、ヘアピン戻し置換プロセスが増大され得る。同様に、異なるタイプの核酸(例えば、LNA、RNA、又はメチルdC若しくはスーパーT IDT修飾などの散在修飾塩基)から構成されるヘアピンは、いくつかの実施形態では、触媒分子に関して合成プライマーよりも強い結合を形成することによりPERの速度を増大させるために使用され得る。
いくつかの実施形態では、触媒分子は、フルオロフォア又はタンパク質などの生体分子に共有結合で連結される。いくつかの実施形態では、触媒分子は、ビオチン修飾を含有し、従ってビオチン-ストレプトアビジン結合により表面に係留され得る。いくつかの実施形態では、触媒分子は、サブドメインの1つにアジド修飾などの修飾を含有し、これによりクリックケミストリーを介してアルキンなどの他の分子に共有結合で連結することができる。他の化学的及び生物学的連結は、本開示により包含される。
本開示の核酸が天然に存在しないことが理解されるべきである。従って、核酸は、「改変核酸」と呼ぶことができる。改変核酸は、天然に存在しない核酸(例えば、互いに共有結合で連結され、且つ場合により、ホスホジエステル骨格と呼ばれるホスホジエステル結合を含有する少なくとも2つのヌクレオチド)である。改変核酸は、組換え核酸及び合成核酸を含む。組換え核酸は、核酸(例えば、単離核酸、合成核酸又はこれらの組合せ)を連結することによって構築され、且つ場合により、生細胞において複製することができる分子である。合成核酸は、増幅されるか、又は化学的に若しくは他の手段により合成された分子である。合成核酸は、化学的に修飾されるか又は他の方法で修飾されるが、天然に存在する核酸分子と塩基対合する(例えば、一時的に又は安定して「結合する」とも称される)ことができるものを含む。組換え及び合成核酸は、上記のもののいずれかの複製から得られる分子も含む。
改変核酸は、全体として、天然に存在しないが、野生型ヌクレオチド配列を含み得る。いくつかの実施形態では、改変核酸は、異なる生物から得られる(例えば、異なる種から得られる)ヌクレオチド配列を含む。例えば、いくつかの実施形態では、改変核酸は、マウスヌクレオチド配列、細菌ヌクレオチド配列、ヒトヌクレオチド配列、ウイルスヌクレオチド配列、又は上記の配列のいずれか2つ以上の組合せを含む。いくつかの実施形態では、改変核酸は、1つ又は複数のランダム塩基を含有する。
いくつかの実施形態では、本開示の改変核酸は、ホスホジエステル骨格以外の骨格を含み得る。例えば、改変核酸は、いくつかの実施形態では、ホスホルアミド、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、O-メチルホスホロアミダイト結合、ペプチド核酸又は上記の結合の任意の2つ以上の組合せを含み得る。改変核酸は、規定されるように、一本鎖(ss)又は二本鎖(ds)であり得、又は改変核酸は、一本鎖及び二本鎖配列の両方の部分を含有し得る。いくつかの実施形態では、改変核酸は、三本鎖配列、又はG-カルテット、G-四本鎖、及びi-モチーフなどの他の非Watson-Crick型塩基対合の部分を含有する。改変核酸は、例えば、DNA(例えば、ゲノムDNA、cDNA又はゲノムDNA及びcDNAの組合せ)、RNA又はハイブリッド分子を含むことができ、核酸は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチド(例えば、人口又は天然)の任意の組合せ、並びにウラシル、アデニン、チミン、シトシン、グアニン、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチン、イソシトシン及びイソグアニンを含む2つ以上の塩基の任意の組合せを含有する。改変核酸は、官能基(例えば、架橋化学、例えばアジド官能基、アルキン官能基、ビオチン官能基、6-FAM官能基、5-TAMRA官能基及び/又は5-ブロモdU)によって修飾され得ることも理解されるべきである。
本開示の改変核酸は、標準分子生物学法を用いて生成され得る(例えば、Green and Sambrook, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2012, Cold Spring Harbor Pressを参照されたい)。いくつかの実施形態では、核酸は、GIBSON ASSEMBLY(登録商標)クローニングを用いて生成される(例えば、Gibson, D.G. et al. Nature Methods, 343-345, 2009;及びGibson, D.G. et al. Nature Methods, 901-903, 2010を参照されたく、これらのそれぞれは、参照により本明細書に援用される)。GIBSON ASSEMBLY(登録商標)は、通常、シングルチューブ反応において3つの酵素活性:5’エキソヌクレアーゼ、DNAポリメラーゼの3’伸長活性、及びDNAリガーゼ活性を使用する。5’エキソヌクレアーゼ活性は、5’末端配列をチューバック(chew back)し、アニーリングのために相補的配列を露出させる。次に、ポリメラーゼ活性は、アニーリングされたドメイン上のギャップを充填する。次に、DNAリガーゼは、ニックを密封し、DNA断片を互いに共有結合で連結させる。隣接する断片のオーバーラップ配列は、Golden Gate Assemblyで使用されるものよりもはるかに長く、従ってより高い割合の正しい集合体をもたらす。改変核酸を生成する他の方法は、当該技術分野で知られており、本開示に従って使用され得る。例えば、鎖のサブセットは、多数(例えば、数百又は数千)の特有の鎖を含有するマイクロアレイライブラリから増幅され得る。
分岐変異体
本明細書では、分岐コンカテマーの生成をもたらす方法も提供され、これは、プローブの検出をさらに増幅する。これらの方法を用いて生成される組成物も提供される。さらに、本明細書では、これらの方法を実施するためのキットが提供される。分岐変異体の例は、図17、図22A、及び図22Eにおいて提供される。分岐構造は、例えば、図17及び図22Aにおいて分岐状のパターンで描かれるように、第1のコンカテマー種の複数のコピー(全て同じ配列を有する)を第2のコンカテマー種(第1の種とは異なる配列を有する)に連結させることによって生成され得る。分岐構造は、例えば、複数の異なるコンカテマー種を分岐状のパターンで互いに連結させることによっても生成され得る。
従って、いくつかの実施形態では、多重化標的検出方法は、(a)複数の核酸標的を含有するサンプルと、第1の複数のプローブ鎖であって、第1の複数のものの各プローブ鎖は、(i)核酸標的の1つに対して相補的な不対5’標的ドメイン、及び(ii)不対3’プライマードメインを含む、第1の複数のプローブ鎖とを組み合わせ、且つプローブ鎖に結合された分子標的を含む反応混合物を生成すること、(b)ステップ(a)で生成された反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び第1の複数の触媒分子であって、第1の複数のものの各触媒分子は、5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合され、及び第3のドメインは、プローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに対して相補的な不対3’トーホールドドメインである、第1の複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ分子標的に結合された第1の複数の核酸コンカテマーを含む反応混合物を生成すること、(c)ステップ(b)で生成された反応混合物と、第2の複数のプローブ鎖であって、第2の複数のものの各プローブ鎖は、(i)コンカテマーの配列に対して相補的な不対5’ドメイン、及び(ii)不対3’プライマードメインを含む、第2の複数のプローブ鎖とを組み合わせ、且つプローブ鎖に結合されたコンカテマーを含む反応混合物を生成すること、(d)ステップ(c)で生成された反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び第2の複数の触媒分子であって、第2の複数のものの各触媒分子は、5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合され、及び第3のドメインは、第2の複数のプローブ鎖のプローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに対して相補的な不対3’トーホールドドメインである、第2の複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ第2の複数の核酸コンカテマーに結合された第1の複数の核酸コンカテマーの核酸コンカテマーを含む反応混合物を生成すること、(e)ステップ(d)で生成された反応混合物と、複数のシグナル鎖であって、各シグナル鎖は、異なる検出可能な分子に連結され、且つ第2の複数のプローブ鎖のプローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに対して相補的なドメインを含む、複数のシグナル鎖とを組み合わせ、且つ複数のシグナル鎖によって標識されたコンカテマーを生成することを含み、及び(f)任意選択的に、標識コンカテマーを画像化することをさらに含む。例えば、図17を参照されたい。
いくつかの実施形態では、多重化標的検出方法は、(a)複数の核酸標的を含有するサンプルと、第1の複数のプローブ鎖であって、第1の複数のものの各プローブ鎖は、(i)核酸標的の1つに対して相補的な不対5’標的ドメインa、及び(ii)不対3’プライマードメインbを含む、第1の複数のプローブ鎖とを組み合わせ、且つプローブ鎖に結合された分子標的を含む反応混合物を生成することと、(b)ステップ(a)で生成された反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び第1の複数の触媒分子であって、第1の複数のものの各触媒分子は、5’-3’方向にドメインa、ドメインx、ドメインa、ドメインb、ドメインb 、ドメインa 、ドメインx、ドメインa 、ドメインb 、及びドメインa を含み、ドメインa、ドメインx、ドメインa、及びドメインbは、それぞれドメインb 、ドメインa 、ドメインx、及びドメインa に結合し(これらに対して相補的である)、且つドメインb 及びドメインa は、第1の複数のもののプローブ鎖に対して相補的な不対3’トーホールドドメインを形成する、第1の複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ分子標的に結合された第1の複数の核酸コンカテマーを含む反応混合物を生成することと、(c)ステップ(b)で生成された反応混合物と、第2の複数のプローブ鎖であって、第2の複数のものの各プローブ鎖は、(i)触媒分子のドメインxに対して相補的な不対5’ドメインx、及び(ii)触媒分子のドメインb1及びb に対して相補的な不対3’プライマードメインbを含む、第2の複数のプローブ鎖とを組み合わせ、且つプローブ鎖に結合されたコンカテマーを含む反応混合物を生成することと、(d)ステップ(c)で生成された反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び第2の複数の触媒分子であって、第2の複数のものの各触媒分子は、5’-3’方向にドメインa、ドメインx、ドメインa、ドメインb、ドメインb 、ドメインa 、ドメインx、ドメインa 、ドメインb 、及びドメインa を含み、ドメインa、ドメインx、ドメインa、及びドメインbは、それぞれドメインb 、ドメインa 、ドメインx、及びドメインa に結合し(これらに対して相補的である)、且つドメインb 及びドメインa は、第1の複数のもののプローブ鎖に対して相補的な不対3’トーホールドドメインを形成する、第2の複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ分岐コンカテマーを生成することとを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、(e)ステップ(d)で生成された反応混合物と、複数のシグナル鎖であって、各シグナル鎖は、異なる検出可能な分子に連結され、且つ第1及び/又は第2の複数のプローブ鎖のプローブ鎖の不対3’プライマードメインbに対して相補的なドメインを含む、複数のシグナル鎖とを組み合わせ、且つ複数のシグナル鎖によって標識されたコンカテマーを生成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、標識コンカテマーを画像化することをさらに含む。例えば、図22D及び22Eを参照されたい。
いくつかの実施形態では、触媒分子は、DNAから構成される。いくつかの実施形態では、触媒分子は、RNAから構成される。
いくつかの実施形態では、各触媒分子の第1のドメインは、同じ触媒分子の第2のドメインに結合される。いくつかの実施形態では、各触媒分子の第1のドメインは、同じ触媒分子の第2のドメインに対して完全に相補的な配列を含む。いくつかの実施形態では、各触媒分子の第2のドメインは、同じ触媒分子の第3のドメインと同一の配列を含む。
いくつかの実施形態では、各触媒分子は、同じ触媒分子の第1のドメインと第2のドメインとの間に位置する、重合を終結させるストッパー分子又は修飾をさらに含む。例えば、重合を終結させる分子又は修飾は、トリエチレングリコール(TEG)、18原子ヘキサエチレングリコール、アデニル化、アジド、ジゴキシゲニン、コレステリル-TEG、3-シアノビニルカルバゾール(CNVK)、iso-dG、及びiso-dCから選択され得る。いくつかの実施形態では、ストッパー分子は、グアニンであり、且つ触媒分子は、アデニン、チミン、及びシトシンから構成されるか、又はストッパー分子は、シトシンであり、且つ触媒分子は、アデニン、チミン、及びグアニンから構成される。
いくつかの実施形態では、各触媒分子は、第1のドメインと第2のドメインとの間に位置するループドメインをさらに含む触媒ヘアピン分子である。いくつかの実施形態では、各触媒ヘアピン分子は、25~300ヌクレオチド長を有するDNAの一本鎖から構成される。
いくつかの実施形態では、触媒分子は、1nM~1μMの濃度で反応混合物中に存在する。他の濃度は、本明細書中の他の箇所で提供される。
いくつかの実施形態では、プローブ鎖は、DNAから構成される。いくつかの実施形態では、プローブ鎖は、RNAから構成される。
いくつかの実施形態では、各プローブ鎖は、10~50ヌクレオチド長を有する。いくつかの実施形態では、各プローブ鎖の標的ドメインは、5~25ヌクレオチド長を有する。いくつかの実施形態では、各プローブ鎖のプライマードメインは、5~25ヌクレオチド長を有する。他のプローブ鎖の長さ及びドメインの長さは、本明細書中の他の箇所で提供される。
いくつかの実施形態では、本組成物は、1nM~1μMの濃度のプローブ鎖を含む。他の濃度は、本明細書中の他の箇所で提供される。
いくつかの実施形態では、核酸標的は、DNA又はRNAを含む。例えば、核酸標的は、染色体DNAであり得る。いくつかの実施形態では、核酸標的は、mRNA又はmiRNAである。
いくつかの実施形態では、シグナル鎖の検出可能な分子は、フルオロフォアである。いくつかの実施形態では、シグナル鎖のそれぞれは、10~30ヌクレオチド長を有する。他のシグナル鎖の長さは、本明細書中の他の箇所で提供される。
いくつかの実施形態では、反応混合物は、1nM~1μMの濃度のシグナル鎖を含む。他の濃度は、本明細書中の他の箇所で提供される。
いくつかの実施形態では、鎖置換ポリメラーゼは、phi29 DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、及びBsu DNAポリメラーゼのラージフラグメントから選択される。
いくつかの実施形態では、ステップ(a)の反応混合物は、水性バッファー、任意選択的にリン酸緩衝食塩水(PBS)を含む。
いくつかの実施形態では、反応混合物は、1~500μMの濃度のdNTPを含む。いくつかの実施形態では、反応混合物は、5~50mMの濃度のMgSOを含む。
変異体の画像化
多重化は、いくつかの直交性のPER伸長反応を設計することにより達成される。これらの鎖に相補的なオリゴヌクレオチドにおいて異なるフルオロフォアを使用することにより、3~4つまでの標的を画像化することができる。別の可能性は、連続して成長されるプローブ鎖のそれぞれに対して異なるフルオロフォアを用いるか、又は異なる配列から生じる差次的な蛍光色に依存して、各蛍光点の色を特異的な標的にマッピングすることのいずれかにより、PER伸長中にフルオロフォア標識化dNTPを使用して各伸長反応をバーコード化することである。
上記のアプローチを用いると、蛍光スペクトルのスペクトルオーバーラップにより標的検出を多重化する能力が制限されるが、これを克服するために使用することができる戦略もいくつかある。一般に、これらの戦略は、それぞれ一度に単一の標的の蛍光を活性化する手段を必要とし、この手段は、以前に画像化された標的を無効化又は破壊する能力も必要とする。これを達成するためのいくつかの手段は、図7に描かれる。1つの選択肢は、サンプルに向けられた強いレーザーを用いて、画像化された時点で各標的の蛍光シグナルをブリーチングすることである(図7A)。蛍光オリゴヌクレオチドがRNAであれば、これらは、RNaseにより消化され得る(図7B)。高塩条件下で安定して結合されるが、低塩条件下で不安定であるように蛍光オリゴヌクレオチドを設計することにより、個々の蛍光シグナルを簡単なバッファー交換により標的鎖から洗浄することができる(図7C)。最後に、蛍光オリゴヌクレオチドは、PER合成スキャフォールドに一時的に結合するように設計され得る。この戦略を使用して、回折限界又は超解像度の画像化のいずれかのために蛍光シグナルを局在化させることができる。
従って、いくつかの実施形態では、本方法は、連続的な画像化を含み、フルオロフォア標識化シグナル鎖の第1のセットが1つ又は複数の標的に適用され、画像化され、次に除去(例えば、ブリーチング、消化、洗浄、又は解離)され、且つフルオロフォア標識化シグナル鎖の第2のセットが異なる1つ又は複数の標的に適用され、画像化され、次に除去され、及び異なる標的に特異的なフルオロフォア標識化シグナル鎖の異なるセットを用いて同様に行われる。
これらの戦略の全てにより、個々の標的は、一度に一つずつ画像化され、次に非活性化されることが可能になるため、これらは、全て高度に多重化された画像化に適合する。理論的には、全ての蛍光が同じチャネル内にあれば、1つのみのレーザーを用いて任意の数の標的が画像化され得る。これは、異なるフルオロフォアのスペクトルオーバーラップの課題を克服するだけでなく、1つのレーザーのみを必要とするため、より安価な画像化セットアップも意味し得る。
そのネイティブな構造におけるDNA、RNA、及びタンパク質の画像化は、生命の基礎を成すこれらの生体分子の構造及び機能の解明を促進することができる。上記では、本発明者らは、インサイチュ増幅画像化のために長いポリマーを合成するための新しい方法を紹介し、単一のサンプル中の多数の標的を画像化するためにそれを使用可能な手段のいくつかを明らかにした。
本開示は、以下の番号付けされた段落をさらに包含する。
1.(a)複数の核酸標的を含有するサンプルと、複数のプローブ鎖であって、各プローブ鎖は、(i)核酸標的の1つに対して相補的な不対5’標的ドメイン、及び(ii)不対3’プライマードメインを含む、複数のプローブ鎖とを組み合わせ、且つプローブ鎖に結合された分子標的を含む第1の反応混合物を生成すること、
(b)ステップ(a)で生成された第1の反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び複数の触媒分子であって、各触媒分子は、5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合され、及び第3のドメインは、プローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに対して相補的な不対3’トーホールドドメインである、複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ分子標的に結合された核酸コンカテマーを含む第2の反応混合物を生成すること、
(c)ステップ(b)で生成された第2の反応混合物と、複数のシグナル鎖であって、各シグナル鎖は、異なる検出可能な分子に連結され、且つプローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに対して相補的なドメインを含む、複数のシグナル鎖とを組み合わせ、且つ複数のシグナル鎖によって標識されたコンカテマーを生成すること
を含み、及び
(d)任意選択的に、標識コンカテマーを画像化することをさらに含む、多重化標的検出方法。
1A.(a)複数のプローブ鎖と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び複数の触媒分子とであって、各プローブ鎖は、(i)複数の核酸標的の核酸標的に対して相補的な不対5’標的ドメイン、及び(ii)不対3’プライマードメインを含み、各触媒分子は、5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合され、及び第3のドメインは、プローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに対して相補的な不対3’トーホールドドメインである、複数のプローブ鎖と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び複数の触媒分子とを組み合わせ、且つプローブ鎖に結合された核酸コンカテマーを含む第1の反応混合物を生成すること、
(b)ステップ(a)で生成された第1の反応混合物と、複数の核酸標的を含有するサンプルとを組み合わせ、且つ分子標的に結合された核酸コンカテマーを含む第2の反応混合物を生成すること、
(c)ステップ(b)で生成された第2の反応混合物と、複数のシグナル鎖であって、各シグナル鎖は、異なる検出可能な分子に連結され、且つプローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに対して相補的なドメインを含む、複数のシグナル鎖とを組み合わせ、且つ複数のシグナル鎖によって標識されたコンカテマーを生成すること
を含み、及び
(d)任意選択的に、標識コンカテマーを画像化することをさらに含む、多重化標的検出方法。
2.段落1又は1Aの方法であって、触媒分子は、DNAから構成される、方法。
3.段落1、1A、又は2のいずれか1つの方法であって、触媒分子は、RNAから構成される、方法。
4.段落1~3のいずれか1つの方法であって、各触媒分子の第1のドメインは、同じ触媒分子の第2のドメインに結合される、方法。
5.段落1~4のいずれか1つの方法であって、各触媒分子の第1のドメインは、同じ触媒分子の第2のドメインに対して完全に相補的な配列を含む、方法。
6.段落1~5のいずれか1つの方法であって、各触媒分子の第2のドメインは、同じ触媒分子の第3のドメインと同一の配列を含む、方法。
7.段落1~6のいずれか1つの方法であって、各触媒分子は、同じ触媒分子の第1のドメインと第2のドメインとの間に位置する、重合を終結させるストッパー分子又は修飾をさらに含む、方法。
8.段落7の方法であって、重合を終結させる分子又は修飾は、トリエチレングリコール(TEG)、18原子ヘキサエチレングリコール、アデニル化、アジド、ジゴキシゲニン、コレステリル-TEG、3-シアノビニルカルバゾール(CNVK)、iso-dG、及びiso-dCから選択される、方法。
9.段落7の方法であって、ストッパー分子は、グアニンであり、且つ触媒分子は、アデニン、チミン、及びシトシンから構成されるか、又はストッパー分子は、シトシンであり、且つ触媒分子は、アデニン、チミン、及びグアニンから構成される、方法。
10.段落1~9のいずれか1つの方法であって、各触媒分子は、第1のドメインと第2のドメインとの間に位置するループドメインをさらに含む触媒ヘアピン分子である、方法。
11.段落10の方法であって、各触媒ヘアピン分子は、25~300ヌクレオチド長を有するDNAの一本鎖から構成される、方法。
12.段落1~11のいずれか1つの方法であって、ステップ(b)の反応混合物は、1nM~1μMの濃度の触媒分子を含む、方法。
13.段落1~12のいずれか1つの方法であって、プローブ鎖は、DNAから構成される、方法。
14.段落1~13のいずれか1つの方法であって、プローブ鎖は、RNAから構成される、方法。
15.段落1~14のいずれか1つの方法であって、各プローブ鎖は、10~50ヌクレオチド長を有する、方法。
16.段落1~15のいずれか1つの方法であって、各プローブ鎖の標的ドメインは、5~25ヌクレオチド長を有する、方法。
17.段落1~16のいずれか1つの方法であって、各プローブ鎖のプライマードメインは、5~25ヌクレオチド長を有する、方法。
18.段落1~17のいずれか1つの方法であって、組成物は、1nM~1μMの濃度のプローブ鎖を含む、方法。
19.段落1~18のいずれか1つの方法であって、核酸標的は、DNA又はRNAを含む、方法。
20.段落19の方法であって、核酸標的は、染色体DNAである、方法。
21.段落19の方法であって、核酸標的は、mRNA又はmiRNAである、方法。
22.段落1~22のいずれか1つの方法であって、シグナル鎖の検出可能な分子は、フルオロフォアである、方法。
23.段落1~23のいずれか1つの方法であって、シグナル鎖のそれぞれは、10~30ヌクレオチド長を有する、方法。
24.段落1~22のいずれか1つの方法であって、(c)の反応混合物は、1nM~1μMの濃度のシグナル鎖を含む、方法。
25.段落1~24のいずれか1つの方法であって、鎖置換ポリメラーゼは、phi29 DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、及びBsu DNAポリメラーゼのラージフラグメントから選択される、方法。
26.段落1~25のいずれか1つの方法であって、ステップ(a)の反応混合物は、水性バッファー、任意選択的にリン酸緩衝食塩水(PBS)を含む、方法。
27.段落1~26のいずれか1つの方法であって、ステップ(b)及び/又はステップ(a)の反応混合物は、1~500μMの濃度のdNTPを含む、方法。
28.段落1~22のいずれか1つの方法であって、ステップ(b)及び/又はステップ(c)の反応混合物は、5~50mMの濃度のMgSO4を含む、方法。
29.段落1~28のいずれか1つの方法であって、
ステップ(a)の複数のプローブ鎖は、2~10,000のプローブ鎖を含み、
ステップ(b)の複数の触媒分子は、2~10,000の触媒分子を含み、及び
ステップ(c)の複数のシグナル鎖は、2~10,000のシグナル鎖を含む、方法。
30.段落1~29のいずれか1つの方法であって、サンプルは、細胞サンプルである、方法。
31.段落1~29のいずれか1つの方法であって、サンプルは、組織サンプルである、方法。
32.段落31の方法であって、組織サンプルは、脳組織サンプルである、方法。
33.段落31のサンプルであって、組織サンプルは、腫瘍組織サンプルである、サンプル。
34.(a)複数のタンパク質又はペプチド標的を含有するサンプルと、複数の一次結合パートナーであって、複数の一次結合パートナーのそれぞれは、タンパク質又はペプチド標的に特異的に結合し、且つプローブ鎖に連結される、複数の一次結合パートナーとを組み合わせ、且つ一次結合パートナーに結合されたタンパク質又はペプチドを含む第1の反応混合物を生成すること、
(b)ステップ(a)で生成された第1の反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び複数の触媒分子であって、各触媒分子は、5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合され、及び第3のドメインは、一次結合パートナーの1つのプローブ鎖に対して相補的な不対3’トーホールドドメインである、複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ一次結合パートナーに結合された核酸コンカテマーを含む第2の反応混合物を生成すること、
(c)ステップ(b)で生成された第2の反応混合物と、複数のシグナル鎖であって、各シグナル鎖は、異なる検出可能な分子に連結され、且つ一次結合パートナーの1つの架橋鎖に対して相補的なドメインを含む、複数のシグナル鎖とを組み合わせ、且つ複数のシグナル鎖によって標識されたコンカテマーを生成すること
を含み、及び
(d)任意選択的に、標識コンカテマーを画像化することをさらに含む、多重化標的検出方法。
35.(a)複数のタンパク質又はペプチド標的を含有するサンプルと、複数の一次結合パートナーであって、複数の一次結合パートナーのそれぞれは、タンパク質又はペプチド標的に特異的に結合し、且つ架橋鎖に連結される、複数の一次結合パートナーとを組み合わせ、且つ一次結合パートナーに結合されたタンパク質又はペプチドを含む第1の反応混合物を生成すること、
(b)第1の反応混合物と、複数のプローブ鎖であって、各プローブ鎖は、(i)一次結合パートナーの1つの架橋鎖に対して相補的な不対5’標的ドメイン、及び(ii)不対3’プライマードメインを含む、複数のプローブ鎖とを組み合わせ、且つプローブ鎖に結合された一次結合パートナーを含む第2の反応混合物を生成すること、
(c)第2の反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び複数の触媒分子であって、各触媒分子は、5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合され、及び第3のドメインは、プローブ鎖の1つに対して相補的な不対3’トーホールドドメインである、複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ一次結合パートナーに結合された核酸コンカテマーを含む第3の反応混合物を生成すること、
(d)ステップ(b)で生成された第3の反応混合物と、複数のシグナル鎖であって、各シグナル鎖は、異なる検出可能な分子に連結され、且つ一次結合パートナーの1つの架橋鎖に対して相補的なドメインを含む、複数のシグナル鎖とを組み合わせ、且つ複数のシグナル鎖によって標識されたコンカテマーを生成すること
を含み、及び
(e)任意選択的に、標識コンカテマーを画像化することをさらに含む、多重化標的検出方法。
35A.(a)複数のタンパク質又はペプチド標的を含有するサンプルと、複数の一次結合パートナーであって、複数の一次結合パートナーのそれぞれは、タンパク質又はペプチド標的に特異的に結合し、且つ架橋鎖に連結される、複数の一次結合パートナーとを組み合わせ、且つ一次結合パートナーに結合されたタンパク質又はペプチドを含む第1の反応混合物を生成すること、
(b)第1の反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、複数のプローブ鎖、及び複数の触媒分子であって、各プローブ鎖は、(i)一次結合パートナーの1つの架橋鎖に対して相補的な不対5’標的ドメイン、及び(ii)不対3’プライマードメインを含み、各触媒分子は、5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合され、及び第3のドメインは、プローブ鎖の1つに対して相補的な不対3’トーホールドドメインである、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、複数のプローブ鎖、及び複数の触媒分子を第2の反応混合物中で組み合わせることによって生成されたプローブ鎖に結合されたコンカテマーとを組み合わせ、且つ一次結合パートナーに結合された核酸コンカテマーを含む第3の反応混合物を生成すること、
(c)ステップ(b)で生成された第3の反応混合物と、複数のシグナル鎖であって、各シグナル鎖は、異なる検出可能な分子に連結され、且つ一次結合パートナーの1つの架橋鎖に対して相補的なドメインを含む、複数のシグナル鎖とを組み合わせ、且つ複数のシグナル鎖によって標識されたコンカテマーを生成すること
を含み、及び
(d)任意選択的に、標識コンカテマーを画像化することをさらに含む、多重化標的検出方法。
35B.(a)複数の一次結合パートナーと、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び複数の触媒分子とであって、各結合パートナーは、タンパク質又はペプチド標的に特異的に結合し、且つプローブ鎖に連結され、各プローブ鎖は、(i)一次結合パートナーの1つの架橋鎖に対して相補的な不対5’標的ドメイン、及び(ii)不対3’プライマードメインを含み、各触媒分子は、5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合され、及び第3のドメインは、プローブ鎖の1つに対して相補的な不対3’トーホールドドメインである、複数の一次結合パートナーと、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ核酸コンカテマーに結合された一次結合パートナー(BP-コンカテマー複合体)を含む第1の反応混合物を生成すること、
(b)第1の反応混合物のBP-コンカテマー複合体と、複数のタンパク質又はペプチド標的を含有するサンプルとを組み合わせ、且つBP-コンカテマー複合体に結合されたタンパク質又はペプチドを含む第2の反応混合物を生成すること、
(c)ステップ(b)で生成された第2の反応混合物と、複数のシグナル鎖であって、各シグナル鎖は、異なる検出可能な分子に連結され、且つ一次結合パートナーの1つのプローブ鎖に対して相補的なドメインを含む、複数のシグナル鎖とを組み合わせ、且つ複数のシグナル鎖によって標識されたコンカテマーを生成すること
を含み、及び
(d)任意選択的に、標識コンカテマーを画像化することをさらに含む、多重化標的検出方法。
36.(a)複数のタンパク質又はペプチド標的を含有するサンプルと、複数の一次結合パートナー(例えば、一次抗体)であって、複数の一次結合パートナーのそれぞれは、タンパク質又はペプチド標的に特異的に結合する、複数の一次結合パートナーとを組み合わせ、且つ一次結合パートナー(例えば、一次抗体)に結合されたタンパク質又はペプチドを含む反応混合物を生成すること、
(b)ステップ(a)で生成された反応混合物と、複数の二次結合パートナー(例えば、二次抗体)であって、複数の二次結合パートナーのそれぞれは、一次結合パートナー(例えば、一次抗体)に特異的に結合し、且つ架橋鎖に連結される、複数の二次結合パートナーとを組み合わせ、且つ二次結合パートナー(例えば、二次抗体)に結合された一次抗体を含む反応混合物を生成すること、
(c)ステップ(b)で生成された反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び複数の触媒分子であって、各触媒分子は、5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合され、及び第3のドメインは、二次結合パートナー(例えば、二次抗体)の1つの架橋鎖に対して相補的な不対3’トーホールドドメインである、複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ二次結合パートナー(例えば、二次抗体)に結合された核酸コンカテマーを含む反応混合物を生成すること、
(d)ステップ(c)で生成された反応混合物と、複数のシグナル鎖であって、各シグナル鎖は、異なる検出可能な分子に連結され、且つ二次結合パートナー(例えば、二次抗体)の1つの架橋鎖に対して相補的なドメインを含む、複数のシグナル鎖とを組み合わせ、且つ複数のシグナル鎖によって標識されたコンカテマーを生成すること
を含み、及び
(e)任意選択的に、標識コンカテマーを画像化することをさらに含む、多重化標的検出方法。
37.(a)複数のタンパク質又はペプチド標的を含有するサンプルと、複数の一次結合パートナー(例えば、一次抗体)であって、複数の一次結合パートナーのそれぞれは、タンパク質又はペプチド標的に特異的に結合する、複数の一次結合パートナーとを組み合わせ、且つ一次結合パートナー(例えば、一次抗体)に結合されたタンパク質又はペプチドを含む反応混合物を生成すること、
(b)ステップ(a)で生成された反応混合物と、複数の二次抗体であって、複数の二次抗体のそれぞれは、次結合パートナー(例えば、一次抗体)に特異的に結合し、且つ架橋鎖に連結される、複数の二次抗体とを組み合わせ、且つ二次結合パートナー(例えば、二次抗体)に結合された一次抗体を含む反応混合物を生成すること、
(c)ステップ(b)で生成された反応混合物と、複数のプローブ鎖であって、各プローブ鎖は、(i)二次結合パートナー(例えば、二次抗体)の1つの架橋鎖に対して相補的な不対5’標的ドメイン、及び(ii)不対3’プライマードメインを含む、複数のプローブ鎖とを組み合わせ、且つ二次結合パートナー(例えば、二次抗体)に結合されたプローブ鎖を含む反応混合物を生成すること、
(d)ステップ(c)で生成された反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び複数の触媒分子であって、各触媒分子は、5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合され、及び第3のドメインは、プローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに対して相補的な不対3’トーホールドドメインである、複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ二次結合パートナー(例えば、二次抗体)に結合された核酸コンカテマーを含む反応混合物を生成すること、
(e)ステップ(d)で生成された反応混合物と、複数のシグナル鎖であって、各シグナル鎖は、異なる検出可能な分子に連結され、且つプローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに対して相補的なドメインを含む、複数のシグナル鎖とを組み合わせ、且つ複数のシグナル鎖によって標識されたコンカテマーを生成すること
を含み、及び
(f)任意選択的に、標識コンカテマーを画像化することをさらに含む、多重化標的検出方法。
37A.(a)複数の核酸標的を含有するサンプルと、第1の複数のプローブ鎖であって、第1の複数のものの各プローブ鎖は、(i)核酸標的の1つに対して相補的な不対5’標的ドメインa、及び(ii)不対3’プライマードメインbを含む、第1の複数のプローブ鎖とを組み合わせ、且つプローブ鎖に結合された分子標的を含む反応混合物を生成することと、
(b)ステップ(a)で生成された反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び第1の複数の触媒分子であって、第1の複数のものの各触媒分子は、5’-3’方向にドメインa、ドメインx、ドメインa、ドメインb、ドメインb 、ドメインa 、ドメインx、ドメインa 、ドメインb 、及びドメインa を含み、ドメインa、ドメインx、ドメインa、及びドメインbは、それぞれドメインb 、ドメインa 、ドメインx、及びドメインa に結合し、且つドメインb 及びドメインa は、第1の複数のもののプローブ鎖に対して相補的な不対3’トーホールドドメインを形成する、第1の複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ分子標的に結合された第1の複数の核酸コンカテマーを含む反応混合物を生成することと、
(c)ステップ(b)で生成された反応混合物と、第2の複数のプローブ鎖であって、第2の複数のものの各プローブ鎖は、(i)触媒分子のドメインxに対して相補的な不対5’ドメインx、及び(ii)触媒分子のドメインb1及びb に対して相補的な不対3’プライマードメインbを含む、第2の複数のプローブ鎖とを組み合わせ、且つプローブ鎖に結合されたコンカテマーを含む反応混合物を生成することと、
(d)ステップ(c)で生成された反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び第2の複数の触媒分子であって、第2の複数のものの各触媒分子は、5’-3’方向にドメインa、ドメインx、ドメインa、ドメインb、ドメインb 、ドメインa 、ドメインx、ドメインa 、ドメインb 、及びドメインa を含み、ドメインa、ドメインx、ドメインa、及びドメインbは、それぞれドメインb 、ドメインa 、ドメインx、及びドメインa に結合し、且つドメインb 及びドメインa は、第1の複数のもののプローブ鎖に対して相補的な不対3’トーホールドドメインを形成する、第2の複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ分岐コンカテマーを生成することと
を含む、多重化標的検出方法。
37B.請求項32に記載の方法であって、(e)ステップ(d)で生成された反応混合物と、複数のシグナル鎖であって、各シグナル鎖は、異なる検出可能な分子に連結され、且つ第1及び/又は第2の複数のプローブ鎖のプローブ鎖の不対3’プライマードメインbに対して相補的なドメインを含む、複数のシグナル鎖とを組み合わせ、且つ複数のシグナル鎖によって標識されたコンカテマーを生成することをさらに含み、及び任意選択的に、標識コンカテマーを画像化することをさらに含む、方法。
38.段落34~37Bのいずれか1つの方法であって、触媒分子は、DNAから構成される、方法。
39.段落34~37Bのいずれか1つの方法であって、触媒分子は、RNAから構成される、方法。
40.段落34~39のいずれか1つの方法であって、各触媒分子の第1のドメインは、同じ触媒分子の第2のドメインに結合される、方法。
41.段落34~40のいずれか1つの方法であって、各触媒分子の第1のドメインは、同じ触媒分子の第2のドメインに対して完全に相補的な配列を含む、方法。
42.段落34~41のいずれか1つの方法であって、各触媒分子の第2のドメインは、同じ触媒分子の第3のドメインと同一の配列を含む、方法。
43.段落34~42のいずれか1つの方法であって、各触媒分子は、同じ触媒分子の第1のドメインと第2のドメインとの間に位置する、重合を終結させるストッパー分子又は修飾をさらに含む、方法。
44.段落43の方法であって、重合を終結させる分子又は修飾は、トリエチレングリコール(TEG)、18原子ヘキサエチレングリコール、アデニル化、アジド、ジゴキシゲニン、コレステリル-TEG、3-シアノビニルカルバゾール(CNVK)、iso-dG、及びiso-dCから選択される、方法。
45.段落43の方法であって、ストッパー分子は、グアニンであり、且つ触媒分子は、アデニン、チミン、及びシトシンから構成されるか、又はストッパー分子は、シトシンであり、且つ触媒分子は、アデニン、チミン、及びグアニンから構成される、方法。
46.段落34~45のいずれか1つの方法であって、各触媒分子は、第1のドメインと第2のドメインとの間に位置するループドメインをさらに含む触媒ヘアピン分子である、方法。
47.段落46の方法であって、各触媒ヘアピン分子は、25~300ヌクレオチド長を有するDNAの一本鎖から構成される、方法。
48.段落34~47のいずれか1つの方法であって、触媒分子を含む反応混合物は、1nM~1μMの濃度の触媒分子を含む、方法。
49.段落34~48のいずれか1つの方法であって、プローブ鎖は、DNAから構成される、方法。
50.段落34~49のいずれか1つの方法であって、プローブ鎖は、RNAから構成される、方法。
51.段落34~50のいずれか1つの方法であって、各プローブ鎖は、10~50ヌクレオチド長を有する、方法。
52.段落34~51のいずれか1つの方法であって、各プローブ鎖の標的ドメインは、5~25ヌクレオチド長を有する、方法。
53.段落34~52のいずれか1つの方法であって、各プローブ鎖のプライマードメインは、5~25ヌクレオチド長を有する、方法。
54.段落34~53のいずれか1つの方法であって、組成物は、1nM~1μMの濃度のプローブ鎖を含む、方法。
55.段落34~54のいずれか1つの方法であって、タンパク質又はペプチド標的は、抗体、サイトカイン、及び成長因子から選択される、方法。
56.段落34~55のいずれか1つの方法であって、シグナル鎖の検出可能な分子は、フルオロフォアである、方法。
57.段落34~56のいずれか1つの方法であって、シグナル鎖のそれぞれは、10~30ヌクレオチド長を有する、方法。
58.段落34~57のいずれか1つの方法であって、シグナル鎖を含む反応混合物は、1nM~1μMの濃度のシグナル鎖を含む、方法。
59.段落34~58のいずれか1つの方法であって、鎖置換ポリメラーゼは、phi29 DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、及びBsu DNAポリメラーゼのラージフラグメントから選択される、方法。
60.段落34~59のいずれか1つの方法であって、反応混合物は、水性バッファー、任意選択的にリン酸緩衝食塩水(PBS)を含む、方法。
61.段落34~60のいずれか1つの方法であって、dNTPを含む反応混合物は、1~500μMの濃度のdNTPを含む、方法。
62.段落34~61のいずれか1つの方法であって、反応混合物は、5~50mMの濃度のMgSO4を含む、方法。
63.段落34~62のいずれか1つの方法であって、
複数の一次及び/又は二次結合パートナーは、2~10,000の一次及び/又は二次結合パートナーを含み、
複数のプローブ鎖は、2~10,000のプローブ鎖を含み、
複数の触媒分子は、2~10,000の触媒分子を含み、及び/又は
複数のシグナル鎖は、2~10,000のシグナル鎖を含む、方法。
64.段落34~63のいずれか1つの方法であって、サンプルは、細胞サンプル、体液サンプル、又は糞便サンプルである、方法。
65.段落34~64のいずれか1つの方法であって、サンプルは、組織サンプルである、方法。
66.段落64の方法であって、組織サンプルは、脳組織サンプルである、方法。
67.段落64のサンプルであって、組織サンプルは、腫瘍サンプルである、サンプル。
68.段落64のサンプルであって、体液サンプルは、血清、血液、又は唾液サンプルである、サンプル。
68.(a)複数の核酸標的を含有するサンプルと、第1の複数のプローブ鎖であって、第1の複数のものの各プローブ鎖は、(i)核酸標的の1つに対して相補的な不対5’標的ドメイン、及び(ii)不対3’プライマードメインを含む、第1の複数のプローブ鎖とを組み合わせ、且つプローブ鎖に結合された分子標的を含む反応混合物を生成すること、
(b)ステップ(a)で生成された反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び第1の複数の触媒分子であって、第1の複数のものの各触媒分子は、5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合され、及び第3のドメインは、プローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに対して相補的な不対3’トーホールドドメインである、第1の複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ分子標的に結合された第1の複数の核酸コンカテマーを含む反応混合物を生成すること、
(c)ステップ(b)で生成された反応混合物と、第2の複数のプローブ鎖であって、第2の複数のものの各プローブ鎖は、(i)コンカテマーの配列に対して相補的な不対5’ドメイン、及び(ii)不対3’プライマードメインを含む、第2の複数のプローブ鎖とを組み合わせ、且つプローブ鎖に結合されたコンカテマーを含む反応混合物を生成すること、
(d)ステップ(c)で生成された反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び第2の複数の触媒分子であって、第2の複数のものの各触媒分子は、5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合され、及び第3のドメインは、第2の複数のプローブ鎖のプローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに対して相補的な不対3’トーホールドドメインである、第2の複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ第2の複数の核酸コンカテマーに結合された第1の複数の核酸コンカテマーの核酸コンカテマーを含む反応混合物を生成すること、
(e)ステップ(d)で生成された反応混合物と、複数のシグナル鎖であって、各シグナル鎖は、異なる検出可能な分子に連結され、且つ第2の複数のプローブ鎖のプローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに対して相補的なドメインを含む、複数のシグナル鎖とを組み合わせ、且つ複数のシグナル鎖によって標識されたコンカテマーを生成すること
を含み、及び
(f)任意選択的に、標識コンカテマーを画像化することをさらに含む、多重化標的検出方法。
69.(a)5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合し、及び第3のドメインは、不対3’トーホールドドメインである、触媒分子と、
(b)(i)分子標的に特異的に結合する不対5’標的ドメイン、及び(ii)触媒分子の不対3’トーホールドドメインに結合する不対3’プライマードメインを含むプローブ鎖と、
(c)検出可能な分子に連結され、且つプローブ鎖の不対3’プライマードメインに結合するドメインを含む、任意選択的なシグナル鎖と
を含む組成物。
70.段落69の組成物であって、触媒分子は、DNAから構成される、組成物。
71.段落69又は70の組成物であって、触媒分子は、RNAから構成される、組成物。
72.段落69の組成物であって、触媒分子の第1のドメインは、触媒分子の第2のドメインに結合される、組成物。
73.段落69~72のいずれか1つの組成物であって、触媒分子の第1のドメインは、触媒分子の第2のドメインに対して完全に相補的な配列を含む、組成物。
74.段落69~73のいずれか1つの組成物であって、触媒分子の第2のドメインは、触媒分子の第3のドメインと同一の配列を含む、組成物。
75.段落69~74のいずれか1つの組成物であって、触媒分子は、第1のドメインと第2のドメインとの間に位置する、重合を終結させるストッパー分子又は修飾をさらに含む、組成物。
76.段落75の組成物であって、重合を終結させる分子又は修飾は、トリエチレングリコール(TEG)、18原子ヘキサエチレングリコール、アデニル化、アジド、ジゴキシゲニン、コレステリル-TEG、3-シアノビニルカルバゾール(CNVK)、iso-dG、及びiso-dCから選択される、組成物。
77.段落75の組成物であって、ストッパー分子は、グアニンであり、且つ触媒分子は、アデニン、チミン、及びシトシンから構成されるか、又はストッパー分子は、シトシンであり、且つ触媒分子は、アデニン、チミン、及びグアニンから構成される、組成物。
78.段落69~77のいずれか1つの組成物であって、触媒分子は、第1のドメインと第2のドメインとの間に位置するループドメインをさらに含む触媒ヘアピン分子である、組成物。
79.段落78の組成物であって、触媒ヘアピン分子は、25~300ヌクレオチド長を有するDNAの一本鎖から構成される、組成物。
80.段落69~79のいずれか1つの組成物であって、1nM~1μMの濃度の触媒分子を含む、組成物。
81.段落69~80のいずれか1つの組成物であって、プローブ鎖は、DNAから構成される、組成物。
82.段落69~81のいずれか1つの組成物であって、プローブ鎖は、RNAから構成される、組成物。
83.段落69~82のいずれか1つの組成物であって、プローブ鎖は、10~50ヌクレオチド長を有する、組成物。
84.段落69~83のいずれか1つの組成物であって、プローブ鎖の標的ドメインは、5~25ヌクレオチド長を有する、組成物。
85.段落69~84のいずれか1つの組成物であって、プローブ鎖のプライマードメインは、5~25ヌクレオチド長を有する、組成物。
86.段落69~85のいずれか1つの組成物であって、1nM~1μMの濃度のプローブ鎖を含む、組成物。
87.段落69~86のいずれか1つの組成物であって、分子標的は、核酸標的である、組成物。
88.段落87の組成物であって、プローブ鎖の標的ドメインは、核酸標的に対して相補的なヌクレオチド配列を含む、組成物。
89.段落87又は88の組成物であって、核酸は、DNA又はRNAを含む、組成物。
90.段落89の組成物であって、核酸は、染色体DNAである、組成物。
91.段落89の組成物であって、核酸は、mRNA又はmiRNAである、組成物。
92.段落69~86のいずれか1つの組成物であって、分子標的は、架橋鎖にコンジュゲートされた一次結合パートナー(例えば、抗体)によって結合されるタンパク質又はペプチドである、組成物。
93.段落67の組成物であって、プローブ鎖の標的ドメインは、架橋鎖に対して相補的なヌクレオチド配列を含む、組成物。
94.段落92又は93の組成物であって、タンパク質は、抗体、サイトカイン、及び成長因子から選択される、組成物。
95.段落69~94のいずれか1つの組成物であって、シグナル鎖の検出可能な分子は、フルオロフォアである、組成物。
96.段落69~95のいずれか1つの組成物であって、シグナル鎖は、10~30ヌクレオチド長を有する、組成物。
97.段落69~96のいずれか1つの組成物であって、1nM~1μMの濃度のシグナル鎖を含む、組成物。
98.段落69~97のいずれか1つの組成物であって、鎖置換ポリメラーゼをさらに含む、組成物。
99.段落98の組成物であって、鎖置換ポリメラーゼは、phi29 DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、及びBsu DNAポリメラーゼのラージフラグメントから選択される、組成物。
100.段落69~99のいずれか1つの組成物であって、バッファー、dNTP、及び/又はMgSO4をさらに含む、組成物。
101.段落100の組成物であって、リン酸緩衝食塩水(PBS)を含む、組成物。
102.段落100又は101の組成物であって、1~500μMの濃度のdNTPを含む、組成物。
103.段落100~102のいずれか1つの組成物であって、5~50mMの濃度のMgSO4を含む、組成物。
104.(a)複数の触媒分子であって、各触媒分子は、5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、第1のドメインは、第2のドメインに結合し、及び第3のドメインは、不対3’トーホールドドメインである、複数の触媒分子と、
(b)複数のプローブ鎖であって、各プローブ鎖は、(i)分子標的に特異的に結合する不対5’標的ドメイン、及び(ii)触媒分子の1つの不対3’トーホールドドメインに結合する不対3’プライマードメインを含む、複数のプローブ鎖と、
(c)任意選択的な複数のシグナル鎖であって、各シグナル鎖は、異なる検出可能な分子に連結され、且つプローブ鎖の1つの不対3’プライマードメインに結合するドメインを含む、任意選択的な複数のシグナル鎖と
を含む組成物。
105.段落104の組成物であって、
複数の(a)は、2~10,000の触媒分子を含み、
複数の(b)は、2~10,000のプローブ鎖を含み、及び
複数の(c)は、2~10,000のシグナル鎖を含む、組成物。
106.タンデム反復配列のコンカテマーが結合される核酸標的を含むサンプルであって、検出可能な標識に連結されたシグナル鎖は、コンカテマーの各配列に結合される、サンプル。
107.一次結合パートナー(例えば、抗体)が結合されるタンパク質標的を含むサンプルであって、一次結合パートナー(例えば、抗体)は、タンデム反復配列のコンカテマーに連結され、及び検出可能な標識に連結されたシグナル鎖は、コンカテマーの各配列に結合される、サンプル。
108.一次結合パートナー(例えば、一次抗体)が結合されるタンパク質標的を含むサンプルであって、二次結合パートナー(例えば、二次抗体)は、一次結合パートナー(例えば、一次抗体)に結合され、二次結合パートナー(例えば、二次抗体)は、タンデム反復配列のコンカテマーに連結され、及び検出可能な標識に連結されたシグナル鎖は、コンカテマーの各配列に結合される、サンプル。
109.段落106~108のいずれか1つのサンプルであって、細胞サンプルである、サンプル。
110.段落106~108のいずれか1つのサンプルであって、組織サンプルである、サンプル。
111.段落110のサンプルであって、組織サンプルは、脳組織サンプルである、サンプル。
112.段落111のサンプルであって、組織サンプルは、腫瘍組織サンプルである、サンプル。
113.(a)複数の核酸標的を含有するサンプルと、第1の複数のプローブ鎖であって、第1の複数のものの各プローブ鎖は、(i)核酸標的の1つに対して相補的な不対5’標的ドメインa、及び(ii)不対3’プライマードメインbを含む、第1の複数のプローブ鎖とを組み合わせ、且つプローブ鎖に結合された分子標的を含む反応混合物を生成することと、
(b)ステップ(a)で生成された反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び第1の複数の触媒分子であって、第1の複数のものの各触媒分子は、5’-3’方向にドメインa1、ドメインx、ドメインa2、ドメインb1、ドメインb1、ドメインa2、ドメインx、ドメインa1、ドメインb2、及びドメインa3を含み、ドメインa1、ドメインx、ドメインa2、及びドメインb1は、それぞれドメインb1、ドメインa2、ドメインx、及びドメインa1に結合し、且つドメインb2及びドメインa3は、第1の複数のもののプローブ鎖に対して相補的な不対3’トーホールドドメインを形成する、第1の複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ分子標的に結合された第1の複数の核酸コンカテマーを含む反応混合物を生成することと、
(c)ステップ(b)で生成された反応混合物と、第2の複数のプローブ鎖であって、第2の複数のものの各プローブ鎖は、(i)触媒分子のドメインxに対して相補的な不対5’ドメインx、及び(ii)触媒分子のドメインb1及びb2に対して相補的な不対3’プライマードメインbを含む、第2の複数のプローブ鎖とを組み合わせ、且つプローブ鎖に結合されたコンカテマーを含む反応混合物を生成することと、
(d)ステップ(c)で生成された反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び第2の複数の触媒分子であって、第2の複数のものの各触媒分子は、5’-3’方向にドメインa1、ドメインx、ドメインa2、ドメインb1、ドメインb1、ドメインa2、ドメインx、ドメインa1、ドメインb2、及びドメインa3を含み、ドメインa1、ドメインx、ドメインa2、及びドメインb1は、それぞれドメインb1、ドメインa2、ドメインx、及びドメインa1に結合し、且つドメインb2及びドメインa3は、第1の複数のもののプローブ鎖に対して相補的な不対3’トーホールドドメインを形成する、第2の複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ分岐コンカテマーを生成することと
を含む、多重化標的検出方法。
113.段落112の方法であって、(e)ステップ(d)で生成された反応混合物と、複数のシグナル鎖であって、各シグナル鎖は、異なる検出可能な分子に連結され、且つ第1及び/又は第2の複数のプローブ鎖のプローブ鎖の不対3’プライマードメインbに対して相補的なドメインを含む、複数のシグナル鎖とを組み合わせ、且つ複数のシグナル鎖によって標識されたコンカテマーを生成することをさらに含む、方法。
114.段落113の方法であって、標識コンカテマーを画像化することをさらに含む、方法。
実施例
実施例1.交換イメージング反応のワークフロー例
図7Cに記載される交換イメージング戦略のワークフロー例は、図8に示される。4つの標的は、異なるプライマー伸長オーバーハング(ドメイン1~4)を有する4つのプローブに結合される。1つの標的に対して相補的な蛍光鎖をハイブリダイズさせ、同時に画像化した後、低塩条件によるバッファー交換を使用して、蛍光鎖をその標的から移動させる。
場合により、反復バーコード配列を成長させるため、又は複数のヘアピン合成ステップにわたって分割される反復ドメインを成長させるために、1つの標的につき複数のPERヘアピンが使用される。いくつかの実施形態では、蛍光オリゴヌクレオチドは、PER合成スキャフォールド上の反復ドメインよりも長さが短いことができる。いくつかの実施形態では、これらの蛍光オリゴヌクレオチドは、反復ドメイン配列の1つ又は複数に対して相補的であり得る。
実施例2.単一プライマー交換反応
このプライマー交換反応では、伸長のための効果的なプライミング、及び37℃の最後のステップでの効率的な自然解離を可能にするために、8~9ヌクレオチド長を有するプライマー結合ドメインを使用した。可変濃度のヘアピン(1nM~1μM)を100nMのフルオロフォア標識プライマーと一緒に、Bst Large Fragmentポリメラーゼ、並びにヌクレオチドdATP、dTTP、及びdCTPの混合物と共にインキュベートすることにより、基本の単一プライマー交換反応を検証し、特徴付けした。伸長したプライマー(コンカテマー)は、ゲル電気泳動により可視化した(図9B)。アウトプットの長さは、シグナル増幅レベルの評価のための直接的な尺度となる。
実施例3.多重化プライマー交換反応
複数の標的における同時シグナル増幅に対するプライマー交換反応の適合性を確立するために、スペクトルの多重化を使用する。スペクトル的に別個のフルオロフォアでそれぞれ標識された4つの直交性のプライマーを使用し、全ての伸長を並行して実行する。プライマーは、37℃の動作温度において、それら自体又は非同族ヘアピン上のプライマー結合部位に結合する確率が低いように設計される。全てのプライマーは、同族ヘアピン結合に対して同じ配列長さ(例えば、9-nt)を特徴とし、同様の結合エネルギーを有する。全てのプライマーは、3文字A、T、及びCから構成される配列を含む。これらの反応パラメータは、100倍を超える増幅及び4xのスペクトル増幅を可能にする。
実施例4.インビトロPERベースのシグナル増幅
インビトロ伸長オリゴヌクレオチドを用いて増幅を調べるために実験を行った。上記のように、オリゴヌクレオチドをインサイチュで伸長させる代わりに、オリゴヌクレオチドを予めインビトロで伸長させた。全体的なスキームは、図14A~14Bに示される。
PERは、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)プローブに付加されたプライマーを用いてインビトロで実施した。次に、DNA-FISHによりゲノム標的部位を標識するために、PERコンカテマーを使用した。可視化は、蛍光シグナル鎖のコンカテマーへのハイブリダイゼーションにより実施した。これらの実験において、ゲノム反復領域(マウス細胞のメジャー及びマイナーサテライト反復配列又はヒト細胞のテロメアなど)は、ロバストな試験標的として良好に可視化された(図11A)。シグナル増幅の非存在下で検出することが難しい非反復領域も標的とした。FISHプローブ上に付加されたプライマー(標的ゲノム領域を網羅する48のオリゴの混合物)をインビトロPERで伸長させ、マウス胚性線維芽細胞(MEF)のX染色体上のわずか2.7kb長の単一コピー領域であるゲノム配列XIST DNAのインサイチュ標識化のために使用した(図11B)。安定的に結合する長さ20-ntのイメージャ(フルオロフォアに連結された一本鎖核酸)を用いて、両方のアッセイについてゲルに従って75倍の予想シグナル増幅が得られる(図11C)。これらの予備実験で得られた高SNRを動機として、このアプローチの適合性をIFでも検証した。このために、プライマーに28-nt架橋配列を付加し、PERをインビトロで実施した。次に、架橋に対して相補的な配列にコンジュゲートされた標識二次AbであるIFサンプルと共に反応混合物をインキュベートした(図12A)。哺乳類細胞内の微小管を標的とするデータは、同じフルオロフォアのみによる二次抗体染色と比べてPERがより高いシグナルを提供することを実証する(図12B)。
実施例5.インサイチュPERベースのシグナル増幅
インビトロ伸長鎖を用いる実験は、細胞サンプルのPERによるシグナル増幅を実証する。ここで、PERシグナル増幅は、インサイチュでのIFの感受性を高めるために使用される。PERプライマーは、DNA-抗体コンジュゲーションを介して抗体(Ab)に提示される。プローブによる標識化後、サンプルを37℃でPER構成要素と共にインキュベートし、相補的蛍光シグナル鎖のハイブリダイゼーションにより伸長コンカテマーを可視化する(図10B)。標的タンパク質は、核小体、ミトコンドリア又はゴルジ体などの明白な境界で細胞小器官をマークするものを含む。いくつかの実験では、SNR及び増幅倍率の正確な定量化のために、伸長の前後に同じ標的を同じシグナル鎖で画像化するために抗体上に付加的な配列ドメインが含まれる。
インサイチュPERを実証するために、プライマー配列を保有するFISHプローブ又は二次Abをそれぞれ使用することにより、FISH及びIFサンプルにおける実験を実施した。これらの実験では、増幅レベル及びSNRのヘアピン濃度への依存、並びに非特異的なバックグラウンドがないことを検証した。
5’末端のフルオロフォア及び3’末端のPERプライマー配列を保有するFISHプローブを用いて、MEF細胞内のメジャーサテライト反復領域を標的とした(図16)。ヘアピン濃度を上昇させることにより、蛍光レベルの増大を達成した。ヘアピンを含まないコントロール条件では、PERが起こらず、プローブ自体からの蛍光のみが検出された。蛍光レベルの増大は、ヘアピン濃度を500nMから1μMまで上昇させることにより達成した(データは示されない)。
βチューブリンを標的とする一次抗体でMEF細胞を標識化した後、Alexa 488フルオロフォア、又はPERプライマーのいずれかにコンジュゲートされた二次抗体と共にインキュベーションを行った。Alexa 647コンジュゲートシグナル鎖のハイブリダイゼーションによりPER条件を可視化した(データは示されない)。
実施例6.インサイチュPERベースのシグナル増幅
DNAコンカテマーの拡散及び到達性における潜在的な問題を伴わずにより厚い組織切片を画像化可能にするために、組織サンプルへのインサイチュPERアプローチが確立される。組織における主要な課題は、組織環境でのPERの効率、PER構成要素の組織への拡散、並びにPER及びハイブリダイゼーションに関連する自己蛍光及び非特異的バックグラウンドの増大である。染色体2を標的とするプライマー付加FISHプローブでC.エレガンス(C. elegans)の全載標本を標識化し、PERによるインサイチュ伸長を適用した。プライマー部位を保有するプローブを用いて染色体2に対してFISHを実施した。インサイチュPER後、洗浄、イメージャのハイブリダイゼーション及び共焦点画像化を行った(データは示されない)。
これらの条件下において、多量の虫全体にわたって明るい蛍光シグナルが観察された(データは示されない)。これらの実験のために、プローブ上の架橋配列は、付加的な区間の非伸長プライマー配列を含有する。同じシグナル鎖を用いて、増幅のないシグナルをまず画像化して基礎レベルを確立する。次に、既知の長さの伸長PER鎖をハイブリダイズさせ、同じ部位を同じシグナル鎖で画像化して、増幅後のシグナルを定量する。この戦略は、組織サンプル中のシグナル鎖のハイブリダイゼーション効率(シグナル鎖長さを変更することによる)、拡散性(ハイブリダイゼーション期間を変更することによる)、結合安定性(洗浄条件を変更することによる)及び非特異性(ブロッカー及びハイブリダイゼーション温度を変更することによる)を調整するために使用される。標的は、15μm未満のヒト脳切片上で標識される。
さらに、RNA FISHを用いてマウス網膜組織を調べるために、インビトロ方法を使用した。組織サンプルにおいてシグナルを検出した(データは示されない)。
実施例7.インビトロでのスペクトル多重化
プレートアッセイを用いて同時多重化を得るために、IFと組み合わせて4つの直交性の配列を使用する。インビトロ伸長及びインサイチュ検出戦略を使用して、インサイチュでの検出の直交性を検証する。4つの直交性のプライマー配列を用いて同時インサイチュ伸長を実施し、インサイチュ反応の直交性を検証する。直交標識化Abを用いるIFにより形態的に別個の細胞コンパートメント及び構造(例えば、核小体、ミトコンドリア、ゴルジ体、微小管など)を標的とし、各一次Abが省かれたネガティブコントロールを使用する。
インサイチュ直交性の実験により、インサイチュで伸長させた直交性プライマーが付加されたメジャー及びマイナーサテライト反復配列を標的とする2色FISH標識化が良好に実証された。MEF内のメジャー及びマイナーサテライト反復配列に対してFISHを実施した。
FISHプローブをインサイチュで同時に伸長させ、Alexa 647(マイナー)又はAlexa 565(メジャー)を保有する直交性イメージャとハイブリダイズさせた(データは示されない)。
実施例8.免疫染色実験
DNA鎖がコンジュゲートされた二次抗体を使用して、PER増幅を用いる初期免疫染色実験を実施した(図13)。この「架橋」配列、この場合にはP38をハンドルとして使用して、p27プライマーハンドルが突出した鎖に結合した。次に、このハンドルをp27の反復配列により伸長させ、そこに蛍光647鎖を結合させて、シグナルを可視化した。蛍光コントロール実験では、DNAコンジュゲート二次抗体ではなく、蛍光488二次抗体を一次抗体に結合させた
βチューブリンを標的とする一次抗体を用いる例からの結果は、図10において見ることができる。上側の行は、488チャネルにおける蛍光二次抗体(Alexa 488標識)シグナルを示し、下側の行は、PERシグナルを示し、これは、予想通り647チャネルにおけるシグナルのみを示す。
実施例9.シグナル増幅レベルの定量化
実際のインサイチュシグナル増幅レベルの定量化は、同じサンプルにおいて増幅の前後にシグナルレベルを比較することにより実証した。これは、ハンドル内の架橋補体配列(B38)と、P27プライマー配列との間に直交性の蛍光オリゴヌクレオチドのための余分な結合部位(P28)を含むことによって達成された(図21A)。
ヘアピンを100nMのプライマー、Bst Large Fragmentポリメラーゼ及びヌクレオチド(dATP、dTTP、及びdCTP)の混合物と一緒にインキュベートすることにより、基本の単一プライマー交換反応を調製した。伸長されたプライマー(コンカテマー)をゲル電気泳動により可視化した(図21C)。ゲル上に可視化されたアウトプットの長さは、シグナル増幅レベルの直接的な尺度となる。この例では、1.5kbの長さのコンカテマーは、最大70倍のシグナル増大をもたらすことが予想された。これは、蛍光鎖ハイブリダイゼーションの長さが20ntであり、全てのコンカテマーがこの最大長さに到達し、全ての部位がフルオロフォアにより占められたと仮定して計算した。
HeLa細胞を4%のパラホルムアルデヒドで固定し、100mMのNHClでクエンチし、0.1%のTriton-X100で透過処理し、PBS中2%のBSAでブロックした。ヤギ抗ラミンB抗体を用い、その後、架橋配列(B38)にコンジュゲートされた抗ヤギ二次抗体を用いて、免疫染色を実施した。過剰の抗体の洗浄及び後固定後、B38配列を介して予備伸長コンカテマーを架橋にハイブリダイズさせた。過剰の鎖を洗浄し、次にP28部位に結合するAlexa 647コンジュゲート蛍光鎖と共にサンプルをインキュベートして、増幅がない場合のベースラインシグナルレベルを測定した。第1ラウンドの画像化後、P27反復配列に結合するAlexa 647コンジュゲート蛍光鎖と共にサンプルをインキュベートして、増幅シグナルレベルを測定した。過剰の蛍光オリゴヌクレオチドをPBSで洗浄した後、落射蛍光顕微鏡を用いてサンプルを画像化した。画像スタックの最大投影は、図21Eに示される。蛍光シグナルの定量化は、インサイチュイメージング条件下で約37倍高いシグナルを実証し、これは、シグナルレベルの大幅な改善である。
実施例10.シグナル破壊による多重化イメージング
2つの戦略で画像化を検証した:ホルムアミド誘発性のシグナル解離及びUSER(登録商標)切断誘発性のシグナル解離。
ホルムアミドの場合、ATリッチな20mer蛍光オリゴヌクレオチドを合成した。蛍光オリゴヌクレオチドは、1xPBS溶液中50%ホルムアミドにより、室温よりも十分に低い融解温度を有した。ホルムアミド系では、これらの弱い結合オリゴヌクレオチドを洗浄し、永久的に結合したFISHプローブが残される。蛍光オリゴヌクレオチドは、ホルムアミドにより良好に洗浄され、次に1xPBS溶液中の標的に再ハイブリダイズされる(データは示されない)。
USER(登録商標)酵素も使用して、シグナル解離を誘発した。ウラシル塩基を切断するUSER(登録商標)酵素(neb.com/products/m5505-user-enzyme)をDNA配列に組み込んだ。酵素を使用して、蛍光シグナル鎖を、コンカテマーから自然に解離する複数の短い断片に切断し、蛍光シグナルを効果的に洗浄する。プロセスを細胞内で検証した。1xPBS中に1:20でストックから希釈されたUSER(登録商標)による処理前及び20分後に、488標識プローブ及びウラシル含有647蛍光鎖を有する細胞の画像を撮った(データは示されない)。
実施例11.2色増幅
DNA FISHを用いて、固定不死化マウス胚性線維芽細胞において2色実験も実施した(図15A)。上記の初期実験で標的としたメジャーサテライト反復領域に加えて、異なる色を用いて染色体のマイナーサテライト反復領域も標的とした。これは、2つの異なる標的に対して異なるプライマーをプローブに取り付け、インサイチュ合成したテロメア鎖の相補鎖において異なるフルオロフォアを用いることにより行った。この例では、マイナーサテライト領域及びメジャーサテライト領域を標的とするプローブにそれぞれプライマー19及び22を取り付けた。メジャーサテライト領域を標的とするp22’p22’p22’鎖は、ATTO 565色素を含有し、マイナーサテライト領域を標的とするp19’p19’p19’鎖は、Alexa 647色素を含有した。両方の標的のプライマーを37℃で3時間のインキュベーション中にPERヘアピンと一緒に伸長させた。図15Bは、そのそれぞれの適切な蛍光チャネルにおいて2つの標的の予想される形態を有する結果を示す。細胞をコントロールとしてDAPI染色も行った。
実施例12.増幅の可視化
メジャーサテライトPER増幅でどの程度の増幅が達成されるかという感覚を得るための実験を設計した(図16)。1つのAlexa 647標識補体を結合するためにメジャーサテライトプローブに5’ハンドルを付加し(図16において、これは、Alexa 647標識p19’p19’p19’鎖の結合領域である)、3つの異なるウェルにおいてPERヘアピン濃度を変更して、3つの異なるPER条件下で局在化Alexa 647シグナルの増大を可視化した。結合領域は、非増幅プローブを有するサンプル(すなわちPERインキュベーション中にヘアピンなし)からの蛍光の、増幅プローブを有するサンプル(すなわちPERインキュベーション中にヘアピンあり)との比較を可能にする。ウェル1は、3時間のPERインキュベーション中にヘアピンを含有せず、従ってプローブの3’末端にテロメル化を有さないことが予想された(データは示されない)。ウェル2は、500nMのヘアピンをインキュベートし、ウェル3は、1μMのヘアピンをインキュベートした(データは示されない)。ヘアピン濃度を増大させると、同じ顕微鏡条件下で画像化された細胞の蛍光値の増大が見られた。これは、PER合成に対応して増幅があることと一致し、結果を2つの異なるピクセルコントラストレベル下で可視化した。
実施例13.PER及びDEIの組合せ
今日まで、例えば、高価な計測手段を用いずに、厚い組織サンプルにおける迅速な(数時間で達成可能)多重化(10色を超える)タンパク質検出(特に低存在量レベルにおける)を実証する公表されたデータは存在していない。プライマー交換反応(PER)と、DNA交換イメージング(DEI)方法(例えば、参照により本明細書に援用される、2015年9月17日に公開された国際公開第2015/138653号を参照されたい)とを組み合わせることにより、本開示は、例えば、ニューロン組織の正確な組成マッピングのための手段を提供する。この例では、高感度及び多重化インサイチュ免疫蛍光法を達成するために、免疫蛍光法は、直交性PERプライマー配列にコンジュゲートされた数十の一次抗体を用いて実施され、直交性PERプライマー配列は、インサイチュPERにより同時に伸長され、DNA交換イメージングは、全ての標的の連続的な検出のために実施される(図19)。従って、この例では、直交性配列設計を用いることにより、DEIベースの多重化戦略をPER増幅と組み合わせて、深い組織サンプル中の珍しい標的の迅速な多重化検出を可能にする。
DEI及びPERを用いる多重化免疫蛍光法の実施を可能にするために、DNAと直接コンジュゲートされた一次抗体を用いて染色が実施される。二次抗体により提供されるシグナル増幅及び標識化密度増強がなくてもPERが予想通りに機能し得ることを示すために、DNAオリゴ(28-nt長)に直接コンジュゲートされた抗αチューブリン一次抗体を用いる実験を実施し、微小管の広範な標識化が得られた(データは示されない)。異なる発現レベルの抗体標的化タンパク質の多様なセットを用いて、付加的な実験が実施される。
画像化の各ラウンド後、安定的に結合したイメージャ鎖が除去される。
異なるスペクトルチャネルを用いて、4X多重化を達成することができる(上記を参照されたい)。より高レベルの多重化を実証するために、インシリコからインビトロへ且つインサイチュへと至る3段階システムが確立される。直交性配列のインシリコ設計のために、8つの異なるプライマーを設計するための実験的なパイプラインが作られる。最初に、98.2%~99.2%の確率でその完全補体に結合する、全て9-ntの長さのプライマー配列のライブラリが構築される。結合確率は、NUPACKツール(24、25)をコマンドラインから実行して、0℃において100nMの鎖が100nMの相補鎖に結合する確率として計算される。このライブラリから、CCCCの区間を含有する配列が選別除去される。なぜなら、これらの配列の補体は、四本鎖DNA構造を形成する望ましくない可能性を有するヘアピン内のGGGGを保有することを必要とし得るからである。次に、最適化アルゴリズムを使用して、ライブラリからランダムにn個の配列のセットを作成し、直交性の制約を満たすセットが得られるまでこれらを置き換える。適格とするために、セット内の全てのプライマーが以下の試験に合格しなければならない。(i)ホモ二量体化チェック:自己結合確率が20%未満である。(ii)ヘテロ二量体化チェック:全てのプライマーに結合する確率が20%未満である。(iii)クロストークチェック:セット内のプライマーに対する全ての他の相補的配列への結合が0.08%未満である。(iv)逆クロストークチェック:セット内の全てのプライマーに対する全ての補体の結合が0.08%未満である。これにより、この直交性の制約の有効な重み付けの倍増、及び鎖のいずれの方向性が選択されるかに応じて生じ得る小さい熱力学的差異の平均化が保証される。(v)普遍的な配列結合:選択されたヘアピンループ配列(この例では「GCCTTTTG」)に対する全てのプライマーの結合確率が20%未満である。次に、選択されたランダムプライマーセットに、本発明者らが経験的に確立した一本鎖の制約を受けさせた。これによると、プライマー配列(A塩基が次に続く)を5回連結する50-ntの配列が構築される。これらの50merは、0℃において少なくとも0.06%の確率で完全に一本鎖(完全に不対)である。このパイプラインを用いて、2時間未満の計算時間で8つの直交性のプライマー配列を設計した。設計基準のさらなる分析を用いて、高レベルのPER増強多重化インサイチュイメージングを可能にするために数十の直交性配列を設計することができる。約50の直交性鎖のセットを作成するために、Simulated Annealing及びGenetic Algorithmsなどの他の方法が使用され得る。
インシリコ設計に続いて、選択された配列はインビトロで評価される。ゲルアッセイを使用して、PERが全てのプライマーに対して同時に実施される場合、反応間のクロストークチェックを実施する。最初に、各プライマー配列と、その相補的なヘアピン(ポシティブコントロール)、8つ全てのプライマーに同族のヘアピン、又は特定のプライマーの相補的ヘアピンを除く全てのプライマー(ネガティブコントロール)とを混合することにより、PERをインビトロで実施した。各反応からの産物をゲル電気泳動により分析した(図20)。この実験スキームは、50のインシリコ設計された鎖の直交性の高スループット検証のために使用される。
イメージャのレベルのクロストークを高スループットで定量的にチェックするために、スペクトル的にバーコード化されたナノロッド折り紙プラットフォーム(spectrally barcoded nanorod origami platform)が使用される(例えば、2015年9月17日に公開された国際公開第2015/138653号を参照されたい)。3つの蛍光のスポットに加えて、第4のスペクトルチャネル(深紅色)及び付加的なスポット位置がプライマー配列を提示するために使用される。各プライマー配列(約50種)に対してバーコード化された折り紙構造は混ぜ合わせられ、マイカ表面に固定化される(これは、固定化された折り紙骨格を鎖置換ポリメラーゼの作用から保護する)。これらは、全てのヘアピンを提供するPERにより全て同時に伸長される。次に、連続して、各相補的イメージャが付加され、TIRFイメージングが実施され、イメージャが移動され(USER酵素により)、且つ洗浄され、全てのプライマー-イメージャ配列対が画像化されるまで新しいイメージャが付加される。50配列のプールから始めて、上位の30がインサイチュ検証のために選択される。
インビトロで確認された直交性配列は、細胞を含むマルチウェルプレートにおいて高速蛍光アッセイを用いてインサイチュで検証される。プライマー結合のための架橋オリゴを提示する抗体を用いて、別個の細胞構造(例えば、ミトコンドリア又は微小管など)が免疫蛍光法により標的とされる。同じ架橋結合配列を保有する直交性プライマー配列を各ウェルにハイブリダイズさせる。ゲルアッセイと同様のスキームに従い、各プライマー配列に対して3つのウェルがある:ポジティブコントロール(正確に相補的なヘアピンのみが付加される)、ネガティブコントロール(相補的なものを除く全てのヘアピン)及び実験条件(全てのヘアピンが付加される)。各ウェルに対して同時にPERが実施された後、全てのイメージャと共にインキュベーションが行われる。非結合イメージャが洗浄され、任意の望ましくない結合を検出するために蛍光シグナルのレベルが評価される。これらの方法で検証した配列は、ニューロン及びサイトカイン標的をマークする一次抗体にコンジュゲートされる。
実施例14.コンカテマー長の伸長の制御
コンカテマー長のシグナル増幅に対する効果を調査するために実験を実施した。可変濃度のヘアピン(0.1~0.4 0.4μM)を100nMのプライマー、Bst Large Fragmentポリメラーゼ及びヌクレオチド(dATP、dTTP、及びdCTP)の混合物と一緒にインキュベートすることにより、基本のシグナルプライマー交換反応を調製した。次に、伸長したプライマー(コンカテマー)をゲル電気泳動により可視化した(図21B)。ゲル上に可視化されたアウトプットの長さは、予想されるシグナル増幅レベルの直接的な尺度を表した。伸長レベルの厳格な制御及びプログラム可能性が示される。コンカテマー長は、インキュベーション時間又はdNTP濃度などの他のパラメータによって制御することもできる。
実施例15.分岐PERシグナル増幅
この実施例は、異なる分岐構造と、結果として生じるシグナル増幅とを実証する。PER鎖をカスケード式に適用させて、付加的なコンカテマーの主要なコンカテマーへのハイブリダイゼーションを介して分岐構造を形成することができる。分岐の形成は、プレコンカテマーの標的への同時又は連続的な適用によって実施することができる。分岐コンカテマーは、直接的なインサイチュPERによって形成することもできる。分岐の形成は、蛍光オリゴヌクレオチドのための結合部位の数を増大させ、さらなるシグナル増幅が可能になる。
分岐構造は、以下のように連続して構築した。HeLa細胞を4%のパラホルムアルデヒドで固定し、100mMのNHClでクエンチし、0.1%のTriton-X100で透過処理し、PBS中2%のBSAでブロックした。ヤギ抗ラミンB抗体を用い、その後、架橋配列(B38)にコンジュゲートされた抗ヤギ二次抗体を用いて、免疫染色を実施した。過剰の抗体の洗浄及び後固定後、B38配列を介して予備伸長コンカテマー1(P30)を架橋にハイブリダイズさせた。過剰の鎖を洗浄し、コンカテマー2を用いて第2のハイブリダイゼーションを実施した。コンカテマー2は、3反復配列のP30結合部位とそれに続くP25プライミング部位とを有するプライマー鎖を用いて予備伸長させた。予備伸長は、ヘアピン、Bst Large Fragmentポリメラーゼ及びヌクレオチド(dATP、dTTP、及びdCTP)の混合物と共にインキュベートされた100nMのプライマーヘアピンを用いてインビトロで実施した。過剰の鎖を37℃で洗浄した。次に、P30反復配列(コンカテマー1を検出するため、分岐なし)又はP25反復配列(コンカテマー2を検出するため、分岐後)に結合するAlexa 647コンジュゲート蛍光鎖と共にサンプルをインキュベートした。過剰の蛍光オリゴヌクレオチドをPBSで洗浄した後、落射蛍光顕微鏡を用いてサンプルを画像化した。画像スタックの最大投影は、図22A~22Bに示される。蛍光シグナルの定量化は、分岐のない場合に比べて分岐のある場合、約5倍高い増幅をもたらす。
分岐は、図22D~22Eに概略的に示される樹状成長などの他の構築形態によって構築することもできる。
分岐PERシグナル増幅を、一次抗体で直接染色した細胞も用いて調査した。上記のように、HeLa細胞を4%のパラホルムアルデヒドで固定し、100mMのNHClでクエンチし、0.1%のTriton-X100で透過処理し、PBS中2%のBSAでブロックした。42-nt架橋配列(B0)にコンジュゲートされたラット抗αチューブリン抗体を用いて免疫染色を実施した。過剰の抗体の洗浄及び後固定後、B38配列を介して予備伸長コンカテマー1(P30)を架橋に37℃で4時間ハイブリダイズさせた。過剰の鎖を洗浄し、コンカテマー2を用いて第2のハイブリダイゼーションを37℃で一晩実施した。コンカテマー2は、3反復配列のP30結合部位とそれに続くP33プライミング部位とを有するプライマー鎖を用いて予備伸長させた。予備伸長は、ヘアピン、Bst Large Fragmentポリメラーゼ及びヌクレオチド(dATP、dTTP、及びdCTP)の混合物と共にインキュベートされた100nMのプライマーヘアピンを用いてインビトロで実施した。過剰の鎖を37℃で洗浄した。次に、P33反復配列に結合する2μMのAlexa 565コンジュゲート蛍光鎖と共にサンプルを37℃で100分間インキュベートした。過剰の蛍光オリゴをPBSで洗浄した後、落射蛍光顕微鏡を用いてサンプルを画像化した。画像スタックの最大投影は、図23に示される。抗体なしのコントロールは、一次抗体が省かれるが、全ての他のステップが適用されたサンプルにおけるバックグラウンド染色がないことを実証する。伸長なしのコントロールは、コンカテマーの代わりに非伸長プライマーとハイブリダイズされたサンプルを示す。単一ラウンド伸長サンプルのみをコンカテマー1とハイブリダイズさせ、P30反復配列に結合する2μMのAlexa 565コンジュゲート蛍光鎖により可視化した。
実施例16.ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)サンプルにおけるシグナル増幅
この実施例は、過剰の分子がFFPE調製手順を困難にし得る、医学的な組織分析及び保管(archival)において一般に使用されるFFPEサンプルに対するシグナル増幅方法の適用性を実証する。より速い診断的適用のために、抗体及びDNA鎖のインキュベーション時間を実質的に短くすることができる。
実験では、標準プロトコルを用いて、4μm厚のヒト扁桃腺サンプルをホルマリンで固定し、パラフィンに包埋した。抗原回復後、2%のウシ血清アルブミン及び0.3%のTriton-X100を含有するPBSでサンプルをブロック及び透過処理した。ウサギ抗ヒトCD3抗体を用いて一次抗体染色を4℃で実施した。過剰の抗体を洗浄した後、B38架橋配列にコンジュゲートされた抗ウサギ二次抗体と共にサンプルをインキュベートした。過剰の抗体を洗浄した後、サンプルをPBS中4%のパラホルムアルデヒドで10分間後固定し、PBS中100mMの塩化アンモニウムで5分間クエンチし、0.3%のTritonを含有するPBSで洗浄した。増幅に使用したPERコンカテマーは、5’末端上の相補的架橋結合ハンドルを含有する100nMのP27プライマーを用いて予備伸長させた。0.5μMのヘアピン、Bst Large Fragmentポリメラーゼ、及びヌクレオチド(dATP、dTTP、及びdCTP)の混合物と共に反応を1時間実施した。次に、ポリメラーゼを熱不活性化し、FFPEサンプルへの37℃で一晩のハイブリダイゼーションのために1:10希釈の反応混合物を使用した。37℃の0.3%のTritonを含有するPBSで過剰の鎖を洗浄した。次に、サンプルを1μMの蛍光鎖と共に2時間インキュベートした。PBSで洗浄した後、共焦点顕微鏡を用いてサンプルを画像化した。図24に示されるように、扁桃腺サンプルについて予想されるように胚中心の周囲の濾胞間T細胞ゾーン内のCD3ポジティブT細胞を可視化した。
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本明細書で開示される参照文献、特許及び特許出願の全ては、それぞれが引用される主題(場合により文献の全体を包含し得る)に関して参照により援用される。
不定冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、明らかに反対のことが指示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
明らかに反対のことが指示されない限り、2つ以上のステップ又は行為を含む本明細書で特許請求されるあらゆる方法において、方法のステップ又は行為の順序は、必ずしも方法のステップ又は行為が記載された順序に限定されるわけではないことも理解されるべきである。
特許請求の範囲において、及び上記の本明細書において、「含む」、「包含する」、「保有する」、「有する」、「含有する」、「伴う」、「保持する」、「から構成される」などの全ての移行句は、全て非限定的である、すなわち包含するが、限定されないことを意味すると理解されるべきである。「からなる」及び「から本質的になる」という移行句のみは、米国特許庁特許審査便覧(United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures)セクション2111.03に記載されるように、それぞれ限定的又は半限定的な移行句であるものとする。

Claims (13)

  1. 多重化標的検出方法であって、
    (a)複数のタンパク質又はペプチド標的を含有するサンプルと、複数の一次結合パートナーであって、前記複数の一次結合パートナーのそれぞれが、タンパク質又はペプチド標的に特異的に結合し、且つプローブ鎖に連結される、複数の一次結合パートナーとを組み合わせ、且つ一次結合パートナーに結合されたタンパク質又はペプチドを含む第1の反応混合物を生成すること、
    (b)ステップ(a)で生成された前記第1の反応混合物と、dNTP、鎖置換ポリメラーゼ、及び複数の触媒分子であって、各触媒分子が、5’-3’方向に第1のドメイン、第2のドメイン、及び第3のドメインを含み、前記第1のドメインが、前記第2のドメインに結合され、及び前記第3のドメインが、前記一次結合パートナーの1つの前記プローブ鎖に対して相補的な不対3’トーホールドドメインである、複数の触媒分子とを組み合わせ、且つ一次結合パートナーに連結された前記プローブ鎖と結合された核酸コンカテマーを含む第2の反応混合物を生成すること、
    (c)ステップ(b)で生成された前記第2の反応混合物と、複数のシグナル鎖であって、各シグナル鎖が、異なる検出可能な分子に連結され、且つ前記一次結合パートナーの1つの前記プローブ鎖に対して相補的なドメインを含む、複数のシグナル鎖とを組み合わせ、且つ複数のシグナル鎖によって標識されたコンカテマーを生成すること
    を含み、前記プローブ鎖のそれぞれ及び前記触媒分子のそれぞれが、DNA及び/又はRNAから構成される、多重化標的検出方法。
  2. (d)複数のシグナル鎖によって標識された前記コンカテマーを画像化すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記一次結合パートナーが、抗体である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 各触媒分子の前記第1のドメインが、同じ触媒分子の前記第2のドメインに結合され、各触媒分子の前記第2のドメインが、同じ触媒分子の前記第3のドメインと同一の配列を含、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  5. 各触媒分子の前記第1のドメインが、同じ触媒分子の前記第2のドメインに対して完全に相補的な配列を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 各触媒分子が、同じ触媒分子の前記第1のドメインと前記第2のドメインとの間に位置する、重合を終結させるストッパー分子又は修飾をさらに含、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  7. 重合を終結させる前記ストッパー分子又は修飾が、トリエチレングリコール(TEG)、18原子ヘキサエチレングリコール、アデニル化、アジド、ジゴキシゲニン、コレステリル-TEG、3-シアノビニルカルバゾール(CNVK)、iso-dG、及びiso-dCから選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記ストッパー分子が、グアニンであり、且つ前記触媒分子が、アデニン、チミン、及びシトシンから構成されるか、あるいは前記ストッパー分子が、シトシンであり、且つ前記触媒分子が、アデニン、チミン、及びグアニンから構成される、請求項6に記載の方法。
  9. 各触媒分子が、前記第1のドメインと前記第2のドメインとの間に位置するループドメインをさらに含む触媒ヘアピン分子である、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記シグナル鎖の前記検出可能な分子が、フルオロフォアである、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記鎖置換ポリメラーゼが、phi29 DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、及びBsu DNAポリメラーゼのラージフラグメントから選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記複数の触媒分子が、2~10,000の前記触媒分子を含み、及び
    前記複数のシグナル鎖が、2~10,000の前記シグナル鎖を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記サンプルが、細胞サンプル又は組織サンプルである、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
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