JP7113144B2 - 部品実装機 - Google Patents

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Description

本明細書は、部品実装機について開示する。
従来より、部品を基板上に装着する部品実装機と、基板に実装された部品の実装状態を検査する検査装置と、を備える部品実装システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この部品実装システムは、部品種と装着位置座標と検査タイミング等が対応付けられた実装・検査データを記憶し、部品種と装着位置座標とにより部品実装を実行すると共に検査タイミングで対象となる部品の部品検査を実行する。
特開2012-89552号公報
しかしながら、上述した部品実装システムでは、ユーザにニーズに十分に対応することができない場合が生じる。基板に下部品を実装した後、下部品の上に上部品(例えばフレーム部品)を実装する部品実装機において、上部品が実装されると、下部品は上部品で覆われて隠れる。このため、下部品の実装検査は、上部品を実装する前に行なわれなければならない。このとき、部品実装機は、複数の下部品を実装すると共に実装した複数の下部品のうちそれぞれ異なる下部品の上に上部品を実装する場合、検査の信頼性を高めるため(例えば下部品の実装検査を行なった後、その下部品の上に上部品を実装するまでの間に異物等が混入するのを回避するため)に、複数の下部品の実装検査をそれぞれ上に来る上部品を実装する直前のタイミングで行なうことが考えられる。しかし、検査の信頼性よりも生産効率を優先するユーザにとっては、上記の検査タイミングが必ずしも適切なタイミングとはならない。
本開示は、基板に対して複数の下部品を実装すると共に複数の下部品のうちそれぞれ異なる下部品の上に上部品を実装する部品実装機において、下部品の実装検査を行なう場合に、ユーザの異なるニーズに対応することができる部品実装機を提供することを主目的とする。
本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本開示の部品実装機は、
部品を基板に実装する部品実装機であって、
前記部品を保持可能なヘッドと、
前記ヘッドを移動させるヘッド移動装置と、
前記ヘッド移動装置により前記ヘッドと共に移動可能に設けられ、前記基板を撮像する撮像装置と、
前記基板に下部品が実装されるよう前記ヘッドと前記ヘッド移動装置とを制御する下部品実装動作と、前記基板に実装された下部品の上に上部品が実装されるよう前記ヘッドと前記ヘッド移動装置とを制御する上部品実装動作と、前記下部品実装動作を行なった後であって前記上部品実装動作を行なう前に前記下部品を実装した基板を撮像するよう前記撮像装置と前記ヘッド移動装置とを制御すると共に該基板の撮像画像に基づいて前記下部品の実装検査を行なう下部品実装検査動作とを実行する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記基板に対して実装された複数の下部品のうち異なる下部品の上にそれぞれ前記上部品を実装する場合、前記下部品実装検査動作の実行タイミングとして、各上部品の前記上部品実装動作を行なう直前に実装対象の上部品の下に位置する下部品の実装検査を行なう第1検査モードと、前記複数の下部品の全ての実装検査を連続的に行なう第2検査モードとを含む複数の検査モードから選択された検査モードにより前記下部品実装検査動作を実行する、
ことを要旨とする。
この本開示の部品実装機の制御装置は、下部品実装動作と、上部品実装動作と、下部品実装動作を行なった後であって上部品実装動作を行なう前に下部品の実装検査を行なう下部品実装検査動作とを実行する。また、制御装置は、基板に対して実装された複数の下部品のうち異なる下部品の上にそれぞれ上部品を実装する場合、第1検査モードと第2検査モードとを含む複数の検査モードから選択された検査モードにより下部品実装検査動作を実行する。第1検査モードは、下部品実装検査動作の実行タイミングとして、各上部品の上部品実装動作を行なう直前に実装対象の上部品の下に位置する下部品の実装検査を行なうモードとされ、第2検査モードは、複数の下部品の全ての実装検査を連続的に行なうモードとされる。これにより、検査の信頼性を優先するユーザに対しては第1検査モードで下部品実装検査動作を行ない、検査の信頼性よりも生産効率を優先するユーザに対しては第2検査モードで下部品実装検査動作を行なうことで、ユーザのニーズに適切に対応することができる。
本実施形態の部品実装機10の構成の概略を示す構成図である。 部品実装機10の制御装置60と管理装置80との電気的な接続関係を示す説明図である。 部品A~Dを実装した基板Sの一例を示す説明図である。 部品A~Dの実装シーケンスデータの一例を示す説明図である。 部品実装処理の一例を示すフローチャートである。 検査タイミング設定処理の一例を示すフローチャートである。 検査タイミング設定データの一例を示す説明図である。 検査タイミング設定データの一例を示す説明図である。 変形例の検査タイミング設定データを示す説明図である。 変形例の検査タイミング設定データを示す説明図である。 変形例の検査タイミング設定データを示す説明図である。 変形例の検査タイミング設定データを示す説明図である。 作業シーケンスデータの一例を示す説明図である。 作業シーケンスデータの一例を示す説明図である。 変形例の部品実装処理を示すフローチャートである。 変形例の検査タイミング設定データを示す説明図である。 変形例の検査タイミング設定データを示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明する。
図1は、本実施形態の部品実装機10の構成の概略を示す構成図である。図2は、部品実装機10の制御装置60と管理装置80との電気的な接続関係を示す説明図である。なお、図1の左右方向がX軸方向であり、前(手前)後(奥)方向がY軸方向であり、上下方向がZ軸方向である。
部品実装機10は、図1に示すように、部品を供給する部品供給装置21と、基板Sを搬送する基板搬送装置22と、吸着ノズル45を用いて部品をピックアップ(吸着)するヘッド40と、ヘッド40をX軸方向およびY軸方向へ移動させるヘッド移動装置30と、実装機全体をコントロールする制御装置60(図2参照)とを備える。また、部品実装機10は、これらの他に、ピックアップした部品の姿勢を撮像するためのパーツカメラ23や、交換用の吸着ノズル45を収容するノズルステーション24、基板Sに付された位置決め基準マークを撮像するためのマークカメラ25なども備えている。部品実装機10は、基板搬送方向(X軸方向)に複数台並べて配置されて、生産ラインを構成する。生産ラインは、管理装置80によって管理される。
部品供給装置21は、例えば、所定間隔で部品を収容したキャリアテープが巻回されたテープリールと、駆動モータの駆動によりテープリールからキャリアテープを引き出して部品供給位置まで送り出すテープ送り機構と、を備えるテープフィーダとして構成される。この部品供給装置21(テープフィーダ)は、部品実装機10が備える図示しないフィーダ台に着脱可能に取り付けられる。
基板搬送装置22は、Y軸方向に間隔を空けて配置される一対のコンベアレールを備えており、一対のコンベアレールを駆動することにより基板Sを図1の左から右(基板搬送方向)へと搬送する。
ヘッド移動装置30は、図1に示すように、一対のX軸ガイドレール31と、X軸スライダ32と、X軸アクチュエータ33(図2参照)と、一対のY軸ガイドレール35と、Y軸スライダ36と、Y軸アクチュエータ37(図2参照)と、を備える。一対のY軸ガイドレール35は、Y軸方向に互いに平行に延在するように筐体11の上段に設置される。Y軸スライダ36は、一対のY軸ガイドレール35に架け渡され、Y軸アクチュエータ37の駆動によりY軸ガイドレール35に沿ってY軸方向に移動する。一対のX軸ガイドレール31は、X軸方向に互いに平行に延在するようにY軸スライダ36の前面に設置される。X軸スライダ32は、一対のX軸ガイドレール31に架け渡され、X軸アクチュエータ33の駆動によりX軸ガイドレール31に沿ってX軸方向に移動する。X軸スライダ32にはヘッド40が取り付けられており、ヘッド移動装置30は、X軸スライダ32とY軸スライダ36とを移動させることで、ヘッド40をX軸方向とY軸方向とに移動させる。
ヘッド40は、本実施形態では、周方向に等角度間隔で配列される複数(例えば4個)のノズルホルダを備えるロータリヘッドとして構成されている。ヘッド40は、複数のノズルホルダを周方向に旋回させるR軸アクチュエータ41と、複数のノズルホルダを回転(自転)させるθ軸アクチュエータ42と、複数のノズルホルダのうち所定の旋回位置にあるノズルホルダを昇降(上下)させるZ軸アクチュエータ43と、を備える。各ノズルホルダの先端部には、吸着ノズル45が着脱可能となっている。吸着ノズル45の吸引口は、図1に示すように、電磁弁53を介して負圧源51と正圧源52とエア導入口とに選択的に連通するようになっている。ヘッド40は、吸着ノズル45の吸引口が負圧源51と連通するよう電磁弁53を駆動することで、吸引口に負圧を作用させて部品を吸着することができる。また、ヘッド40は、吸着ノズル45の吸引口が正圧源52と連通するよう電磁弁53を駆動することで、吸引口に正圧を作用させて部品の吸着を解除することができる。
パーツカメラ23は、吸着ノズル45に吸着させた部品がパーツカメラ23の上方を通過する際、部品を撮像し、得られた撮像画像を制御装置60へ出力する。制御装置60は、撮像画像において部品を認識する画像処理を行なうことで、吸着した部品の位置ずれ量(吸着ずれ量)を判定したり、吸着エラーの有無を判定したりする。
マークカメラ25は、X軸スライダ32に取り付けられ、ヘッド移動装置30によってヘッド40と共にX軸方向とY軸方向とに移動する。マークカメラ25は、基板Sが搬入されたときに、当該基板Sに付された位置決め基準マークを撮像し、得られた撮像画像得を制御装置60へ出力する。制御装置60は、撮像画像において位置決め基準マークを認識する画像処理を行なうことで、搬入された基板Sの位置を確認する。
制御装置60は、図2に示すように、CPU61を中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPU61の他に、ROM62とHDD63とRAM64と入出力インタフェース65とを備える。これらは、バス66を介して電気的に接続されている。制御装置60には、X軸スライダ32の位置を検知するX軸位置センサ34からの位置信号や、Y軸スライダ36の位置を検知するY軸位置センサ38からの位置信号、パーツカメラ23からの画像信号、マークカメラ25からの画像信号などが入出力インタフェース65を介して入力されている。一方、制御装置60からは、部品供給装置21への制御信号や、基板搬送装置22への制御信号、X軸アクチュエータ33への駆動信号、Y軸アクチュエータ37への駆動信号、R軸アクチュエータ41への駆動信号、θ軸アクチュエータ42への駆動信号、Z軸アクチュエータ43への駆動信号、電磁弁53への駆動信号、パーツカメラ23への駆動信号、マークカメラ25への駆動信号などが入出力インタフェース65を介して出力されている。また、制御装置60は、管理装置80と双方向通信可能に接続されており、互いにデータや制御信号のやり取りを行っている。
管理装置80は、例えば、汎用のコンピュータであり、図2に示すように、CPU81とROM82とHDD83とRAM84と入出力インタフェース85などを備える。これらは、バス86を介して電気的に接続されている。この管理装置80には、マウスやキーボード等の入力デバイス87から入力信号が入出力インタフェース85を介して入力されている。また、管理装置80からは、ディスプレイ88への画像信号が入出力インタフェース85を介して出力されている。HDD83は、基板Sの生産ジョブを記憶している。ここで、基板Sの生産ジョブには、各部品実装機10においてどの部品をどの順番で基板Sへ実装するか、また、そのように部品を実装した基板Sを何枚作製するかなどの生産スケジュールが含まれる。管理装置80は、オペレータが入力デバイス87を介して入力した各種データに基づいて生産ジョブを生成し、生成した生産ジョブを各部品実装機10へ送信することで、各部品実装機10に対して生産の開始を指示する。
次に、こうして構成された本実施形態の部品実装機10の動作について説明する。特に、図3に示すように、基板Sに対して下部品A,Bを実装すると共に実装した下部品A,Bのうちそれぞれ異なる下部品を上から覆うように上部品(フレーム部品)Cを実装する場合に、当該下部品A,Bに対して行なう実装検査について説明する。なお、図3中、アルファベットは、部品種を示し、数字は、部品の実装順序を示す。部品の実装順序は、生産スケジュールに含まれる実装シーケンスに従って決定される。実装シーケンスは、本実施形態では、各部品の実装が効率良く行なわれるように実装順序が定められたものである。部品A~Dの実装シーケンスの一例を図4に示す。図4に示す実装シーケンスに従った部品の実装は以下のようにして行なわれる。すなわち、部品実装機10は、まず、下部品A-1~A-12,B-13~B-18を、下部品A-1~A-4,B-13,B-14と下部品A-5~A-8,B-15,B-16と下部品A-9~A-12,B17,B-18をそれぞれ1セットとして指定の実装位置に順番に実装する。次に、部品実装機10は、後に下部品A-1~A-12,B-13~B-18の上に実装することとなる上部品C-25~C-27と干渉しない指定の実装位置に他の部品D-19~D24を順番に実装する。そして、部品実装機10は、下部品A-1~A-4,B-13,B-14の上に上部品C-25を実装し、下部品A-5~A-8,B-15,B-16の上に上部品C-26を実装し、下部品A-9~A-12,B-17,B-18の上に上部品C-27を実装する。
次に、こうした実装シーケンスに従った部品実装処理について説明する。図5は、制御装置60のCPU61により実行される部品実装処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、オペレータによって生産の開始が指示されたときに実行される。制御装置60は、管理装置80から送信された生産ジョブを受信し、受信した生産ジョブに基づいて部品実装処理を実行する。
部品実装処理が実行されると、制御装置60のCPU61は、まず、基板Sが搬入されるよう基板搬送装置22を制御する(ステップS100)。続いて、CPU61は、生産ジョブに含まれる実装シーケンスデータを入力し(ステップS110)、ピックアップ番号PPを値1に初期化する(ステップS120)。次に、CPU61は、実装シーケンスデータに従って対象部品が供給される部品供給位置の上方にヘッド40が来るようにヘッド移動装置30を制御すると共に(ステップS130)、吸着ノズル45により対象部品がピックアップされるようにヘッド40を制御する(ステップS140)。対象部品のピックアップ動作は、具体的には、吸着ノズル45の先端(吸引口)が対象部品に当接するまで吸着ノズル45が下降するようZ軸アクチュエータ43を駆動制御し、吸着ノズル45の吸引口に負圧が作用するよう電磁弁53を駆動制御することにより行なう。そして、CPU61は、実装シーケンスデータに基づいて同一ピックアップ番号PPの未吸着部品が残存するか否かを判定する(ステップS150)。CPU61は、同一ピックアップ番号PPの未吸着部品が残存すると判定すると、ステップS130に戻って、対象部品のピックアップ動作を繰り返す。例えば、ヘッド40が備える4個のノズルホルダにそれぞれ吸着ノズル45を装着した場合、ヘッド40は対象部品を4個まで保持することができる。このため、これらの対象部品は、同一ピックアップ番号PPに設定される。
一方、CPU61は、同一ピックアップ番号PPの未吸着部品が残存しないと判定すると、目標実装位置の上方にヘッド40が来るようにヘッド移動装置30を制御する(ステップS160)。CPU61は、ピックアップした部品がパーツカメラ23の上方を通過するようにヘッド40を移動させ、部品がパーツカメラ23の上方を通過する際に当該部品を撮像し、得られた撮像画像に基づいて部品の吸着ずれ量を算出すると共に算出した吸着ずれ量に基づいて目標実装位置を補正する。続いて、CPU61は、目標実装位置に対象部品が実装されるようにヘッド40を制御する(ステップS170)。対象部品の実装動作は、具体的には、対象部品が基板Sの表面に当接するまで吸着ノズル45が下降するようZ軸アクチュエータ43を駆動制御し、吸着ノズル45の吸引口に正圧が作用するよう電磁弁53を駆動制御することにより行なう。そして、CPU61は、ヘッド40に未実装の部品が保持されているか否かを判定する(ステップS180)。CPU61は、ヘッド40に未実装部品が保持されていると判定すると、ステップS160に戻って、対象部品を目標実装位置の上方へ移動させると共に当該目標実装位置に実装する処理を繰り返す。
一方、CPU61は、ヘッド40に未実装部品が保持されていないと判定すると、現在のピックアップ番号PPが検査関連ピックアップ番号PP*と一致するか否かを判定する(ステップS190)。CPU61は、現在のピックアップ番号PPが検査関連ピックアップ番号PP*と一致すると判定すると、下部品を検査して(ステップS200)、ステップS210に進み、一致しないと判定すると、ステップS200をスキップしてステップS210に進む。ここで、検査関連ピックアップ番号PP*は、下部品の検査を実行するタイミング(検査タイミング)を示すものである。検査タイミングは、後述する検査タイミング設定処理により設定される。本実施形態では、検査関連ピックアップ番号PP*と同一番号のピックアップ番号PPにおける全ての対象部品の実装動作が完了した直後のタイミングで、下部品の実装検査が行なわれる。実装検査は、例えば、部品の実装動作を行なった後の基板Sをマークカメラ25で撮像し、得られた撮像画像において当該部品を認識する画像処理を行ない、部品の認識が成功したときには部品が正常に実装されたと判定し、部品の認識が失敗したときには部品が正常に実装されなかったと判定することにより行なわれてもよい。また、実装検査は、部品の認識結果から基板Sに対する部品の実装ずれ量(位置ずれ量や回転ずれ量)を算出し、算出した実装ずれ量が許容範囲内であるときには部品が正常に実装されたと判定し、算出した実装ずれ量が許容範囲を超えているときには部品が正常に実装されなかったと判定することにより行なわれてもよい。
次に、CPU61は、実装シーケンスが終了したか否かを判定する(ステップS210)。CPU61は、実装シーケンスが終了していないと判定すると、ピックアップ番号PPを値1だけインクリメントし(ステップS220)、ステップS130に戻って、更新したピックアップ番号PPにおける対象部品のピックアップ動作や実装動作を実行すると共に必要に応じて検査動作を実行する処理を繰り返す。そして、CPU61は、ステップS210において実装シーケンスが終了したと判定すると、基板Sが搬出されるように基板搬送装置22を制御して(ステップS230)、本処理を終了する。
次に、検査タイミング設定処理について説明する。図6は、管理装置80のCPU81により実行される検査タイミング設定処理の一例を示すフローチャートである。検査タイミング設定処理が実行されると、管理装置80のCPU81は、まず、検査モードの選択を受け付ける(ステップS300)。この処理は、例えば、検査モードを選択するための検査モード選択画面をディスプレイ88に表示し、検査モード選択画面において表示される選択肢の中からオペレータが希望する検査モードの入力を入力デバイス87を介して受け付けることにより行なわれる。検査モードの選択肢には、第1検査モードと、第2検査モードとを有する。第1検査モードは、検査の信頼性を優先して検査タイミングを規定したモードである。一方、第2検査モードは、検査の信頼性よりも生産効率を優先して検査タイミングを規定したモードである。
CPU81は、検査モードの選択を受け付けると、受け付けた検査モードが第1検査モードであるか否かを判定する(ステップS310)。CPU81は、受け付けた検査モードが第1検査モードであると判定すると、実装対象の上部品の実装直前のタイミングで当該上部品の下に位置する下部品が検査されるように検査タイミング設定データを作成して(ステップS320)、本処理を終了する。一方、CPU81は、受け付けた検査モードが第1検査モードでなく第2検査モードであると判定すると、全ての下部品が連続的に検査されるように検査タイミング設定データを作成して(ステップS330)、本処理を終了する。
図7Aおよび図7Bは、検査タイミング設定データの一例を示す説明図である。図7Aおよび図7Bは、上述した図4の実装シーケンスに従って実装作業を行なる場合に用いられる検査タイミング設定データを示す。また、図7A,図7B中、関連ピックアップ番号PP*(関連PP番号)の欄における番号は、その番号(ピックアップ番号PP)における対象部品が全て実装された後に下部品の実装検査を行なうことを示す。なお、図4の実装シーケンスでは、部品実装機10は、ピックアップ番号PP=6において、4個の他の部品D-21~D-24を全て実装した後、ピックアップ番号PP=7において、実装済みの下部品A-1~A-4,B-13,B-14の上に1個の部品C-25を実装する。部品実装機10は、部品C-25を実装した後、ピックアップ番号PP=8において、実装済みの下部品A-5~A-8,B-15,B-16の上に1個の部品C-26を実装する。そして、部品実装機10は、部品C-26を実装した後、ピックアップ番号PP=9において、実装済みの下部品A-9~A-12,B-17,B-18の上に1個の部品C-27を実装する。
第1検査モードでは、図7Aに示すように、上部品C-25の下に隠れることとなる下部品A-1~A-4,B-13,B-14の検査は、ピックアップ番号PP=6において最後の他の部品D-24が実装された直後のタイミング、言い換えるとピックアップ番号PP=7において上部品C-25が実装される直前のタイミングで行なわれる。また、第1検査モードでは、上部品C-26の下に隠れることとなる下部品A-5~A-8,B-15,B-16の検査は、ピックアップ番号PP=7において上部品C-25が実装された直後のタイミング、言い換えるとピックアップ番号PP=8において上部品C-26が実装される直前のタイミングで行なわれる。さらに、第1検査モードでは、上部品C-27の下に隠れることとなる下部品A-9~A-12,B-17,B-18の検査は、ピックアップ番号PP=8において上部品C-26が実装された直後のタイミング、言い換えるとピックアップ番号PP=9において上部品C-27が実装される直前のタイミングで行なわれる。このように、第1検査モードでは、下部品の検査は、その下部品の上に実装される上部品の実装直前のタイミングで行なわれる。第1検査モードでは、下部品の検査とその下部品の上に実装する上部品の実装動作との間に時間が空かないようにすることで、下部品の検査を行なった後、その下部品の上に上部品を実装するまでの間に、異物等が混入するのを回避することができ、下部品の検査の信頼性を高めることができる。
一方、第2検査モードでは、図7Bに示すように、上部品C-25~C-27の下に隠れることとなる全ての下部品A-1~A-12,B-13~18の検査は、いずれも、ピックアップ番号PP=6において最後の他の部品D-24が実装された直後のタイミング、言い換えるとピックアップ番号PP=7において上部品C-25が実装される直前のタイミングで連続的に行なわれる。このように、第2検査モードでは、全ての下部品の検査をまとめて実行することで、検査時間を短縮することができ、生産効率を高めることができる。
こうした第1検査モードと第2検査モードの選択はユーザの操作によって任意に行なうことができるため、ユーザの異なるニーズにも適切に対応することができる。
ここで、実施形態の主要な要素と発明の開示の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。即ち、ヘッド40がヘッドに相当し、ヘッド移動装置30がヘッド移動装置に相当し、マークカメラ25が撮像装置に相当し、制御装置60が制御装置に相当する。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、検査タイミング設定データは、関連ピックアップ番号PP*と一致するピックアップ番号PPにおいて全ての対象部品の実装動作が行なわれた後に検査が行なわれることを示すものとした。しかし、検査タイミング設定データは、図8A,図8Bに示すように、関連ピックアップ番号PP*と一致するピックアップ番号PPにおいて最初の対象部品の実装動作が行なわれる前に検査が行なわれることを示すものとしてもよい。また、検査タイミング設定データは、図9A,図9Bに示すように、ピックアップ番号PP毎に、そのタイミングで検査を実行するか否かを示すものとしてもよい。
また、上述した実施形態では、検査タイミング設定データは、実装シーケンスデータとは別に設けられるものとした。しかし、検査タイミング設定データは、実装シーケンスデータに組み込まれて実装作業と検査作業とを含む作業シーケンスデータとして構成されてもよい。作業シーケンスデータは、図10A,図10Bに示すように、作業番号ごとに、作業内容と作業対象と作業グループ番号とが互いに関連付けられて構成される。部品実装機10は、作業番号の順に、当該作業番号に関連付けられた作業対象に対して当該作業番号に関連付けられた作業内容で作業を行なう。ここで、作業内容には、対象部品の実装作業と、対象部品の実装検査とが含まれる。また、作業対象には、実装作業を行なう場合には対象部品の部品種が含まれ、実装検査を行なう場合にはその検査対象を識別する情報(検査1,検査2,検査3)が含まれる。また、作業グループ番号は、実装作業を行なう場合の上述したピックアップ番号に相当する。
また、上述した実施形態では、部品実装機10は、下部品の実装と、上部品の実装と、下部品の検査とを行なうものとしたが、これらに加えて、上部品の検査も行なうものとしてもよい。図11は、制御装置60のCPU61により実行される変形例の部品実装処理を示すフローチャートである。変形例の部品実装処理の各処理のうち実施形態の部品実装処理と同一の処理については同一のステップ番号を付し、その説明は重複するから省略する。
図11に示す変形例の部品実装処理が実行されると、CPU61は、ステップS190において、現在のピックアップ番号PPが検査関連ピックアップ番号PP*と一致すると判定すると、検査種別が下部品検査であるか否かを判定する(ステップS240)。CPU61は、検査種別が下部品検査であると判定すると、下部品を検査して(ステップS200)、ステップS210に進み、検査種別が下部品検査でなく上部品検査であると判定すると、上部品を検査して(ステップS250)、ステップS210に進む。図12Aおよび図12Bは、変形例の検査タイミング設定データを示す説明図である。図12Aおよび図12Bは、図4の実装シーケンスデータに従って実装作業を行なう場合に用いられる検査タイミング設定データを示す。図示するように、変形例では、上部品の検査タイミングは、第1検査モードおよび第2検査モードのいずれも、ピックアップ番号PP=9において上部品C-25~C-27のうち最後の上部品C-27が実装された後に当該上部品C-25~C-27の検査が行なわれるように設定される。
また、上述した実施形態では、検査モードとして、複数の上部品のうち実装対象の上部品を実装する直前にその実装対象の上部品の下に位置する下部品の実装検査を行なう第1検査モードと、全ての下部品の実装検査を連続的に行なう第2検査モードとを備え、部品実装機10は、第1検査モードおよび第2検査モードのうち選択された検査モードで実装検査を行なうものとした。しかし、部品実装機10は、実装シーケンスに従って部品を実装すると、第2検査モードの実行が不可能である場合(例えば、下部品A-1~A-4,B-13,B-14を実装した後、下部品A-5~A-8,B-15,B-16を実装する前に上部品C-25を実装する場合等)には、ユーザの選択に拘わらず第1検査モードを実行するものとしてもよい。
さらに、上述した実施形態では、検査モードとして、複数の上部品のうち実装対象の上部品を実装する直前にその実装対象の上部品の下に位置する下部品の実装検査を行なう第1検査モードと、全ての下部品の実装検査を連続的に行なう第2検査モードとを備えるものとした。しかし、第1検査モードおよび第2検査モードと異なる他の検査モードを備えてもよい。例えば、他の検査モードとして、実装シーケンスに基づいて下部品が実装された後、当該下部品の実装検査の実行タイミングをユーザが任意に指定可能な第3検査モードを備えてもよい。
以上説明したように、本開示の部品実装機は、部品を基板に実装する部品実装機であって、前記部品を保持可能なヘッドと、前記ヘッドを移動させるヘッド移動装置と、前記ヘッド移動装置により前記ヘッドと共に移動可能に設けられ、前記基板を撮像する撮像装置と、前記基板に下部品が実装されるよう前記ヘッドと前記ヘッド移動装置とを制御する下部品実装動作と、前記基板に実装された下部品の上に上部品が実装されるよう前記ヘッドと前記ヘッド移動装置とを制御する上部品実装動作と、前記下部品実装動作を行なった後であって前記上部品実装動作を行なう前に前記下部品を実装した基板を撮像するよう前記撮像装置と前記ヘッド移動装置とを制御すると共に該基板の撮像画像に基づいて前記下部品の実装検査を行なう下部品実装検査動作とを実行する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記基板に対して実装された複数の下部品のうち異なる下部品の上にそれぞれ前記上部品を実装する場合、前記下部品実装検査動作の実行タイミングとして、各上部品の前記上部品実装動作を行なう直前に実装対象の上部品の下に位置する下部品の実装検査を行なう第1検査モードと、前記複数の下部品の全ての実装検査を連続的に行なう第2検査モードとを含む複数の検査モードから選択された検査モードにより前記下部品実装検査動作を実行することを要旨とする。
この本開示の部品実装機の制御装置は、下部品実装動作と、上部品実装動作と、下部品実装動作を行なった後であって上部品実装動作を行なう前に下部品の実装検査を行なう下部品実装検査動作とを実行する。また、制御装置は、基板に対して実装された複数の下部品のうち異なる下部品の上にそれぞれ上部品を実装する場合、第1検査モードと第2検査モードとを含む複数の検査モードから選択された検査モードにより下部品実装検査動作を実行する。第1検査モードは、下部品実装検査動作の実行タイミングとして、各上部品の上部品実装動作を行なう直前に実装対象の上部品の下に位置する下部品の実装検査を行なうモードとされ、第2検査モードは、複数の下部品の全ての実装検査を連続的に行なうモードとされる。これにより、検査の信頼性を優先するユーザに対しては第1検査モードで下部品実装検査動作を行ない、検査の信頼性よりも生産効率を優先するユーザに対しては第2検査モードで下部品実装検査動作を行なうことで、ユーザのニーズに適切に対応することができる。
こうした本開示の部品実装機において、前記制御装置は、前記複数の検査モードのうちオペレータの操作により選択された検査モードにより前記下部品実装検査動作を行なうものとしてもよい。こうすれば、容易に検査モードを選択することができる。
また、本開示の部品実装機において、前記制御装置は、前記上部品実装動作を行なった後、前記上部品を実装した基板を撮像するよう前記撮像装置と前記ヘッド移動装置とを制御すると共に該基板の撮像画像に基づいて前記上部品の実装検査を行なう上部品実装検査動作を実行するものとしてもよい。こうすれば、部品実装機は、単体で下部品および上部品のそれぞれの実装と検査とを実行することができる。
本発明は、部品実装機の製造産業などに利用可能である。
10 部品実装機、11 筐体、21 部品供給装置、22 基板搬送装置、23 パーツカメラ、24 ノズルステーション、25 マークカメラ、30 ヘッド移動装置、31 X軸ガイドレール、32 X軸スライダ、33 X軸アクチュエータ、35 Y軸ガイドレール、36 Y軸スライダ、37 Y軸アクチュエータ、40 ヘッド、41 R軸アクチュエータ、42 θ軸アクチュエータ、43 Z軸アクチュエータ、51 負圧源、52 正圧源、53 電磁弁、60 制御装置、61 CPU、62 ROM、63 HDD、64 RAM、65 入出力インタフェース、66 バス、80 管理装置、81 CPU、82 ROM、83 HDD、84 RAM、85 入出力インタフェース、86 バス、87 入力デバイス、88 ディスプレイ、S 基板。

Claims (3)

  1. 部品を基板に実装する部品実装機であって、
    前記部品を保持可能なヘッドと、
    前記ヘッドを移動させるヘッド移動装置と、
    前記ヘッド移動装置により前記ヘッドと共に移動可能に設けられ、前記基板を撮像する撮像装置と、
    前記基板に下部品が実装されるよう前記ヘッドと前記ヘッド移動装置とを制御する下部品実装動作と、前記基板に実装された下部品の上に上部品が実装されるよう前記ヘッドと前記ヘッド移動装置とを制御する上部品実装動作と、前記下部品実装動作を行なった後であって前記上部品実装動作を行なう前に前記下部品を実装した基板を撮像するよう前記撮像装置と前記ヘッド移動装置とを制御すると共に該基板の撮像画像に基づいて前記下部品の実装検査を行なう下部品実装検査動作とを実行する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記基板に対して実装された複数の下部品のうち異なる下部品の上にそれぞれ前記上部品を実装する場合、前記下部品実装検査動作の実行タイミングとして、各上部品の前記上部品実装動作を行なう直前に実装対象の上部品の下に位置する下部品の実装検査を行なう第1検査モードと、前記複数の下部品の全ての実装検査を連続的に行なう第2検査モードとを含む複数の検査モードから選択された検査モードにより前記下部品実装検査動作を実行する、
    部品実装機。
  2. 請求項1に記載の部品実装機であって、
    前記制御装置は、前記複数の検査モードのうちオペレータの操作により選択された検査モードにより前記下部品実装検査動作を行なう、
    部品実装機。
  3. 請求項1または2に記載の部品実装機であって、
    前記制御装置は、前記上部品実装動作を行なった後、前記上部品を実装した基板を撮像するよう前記撮像装置と前記ヘッド移動装置とを制御すると共に該基板の撮像画像に基づいて前記上部品の実装検査を行なう上部品実装検査動作を実行する、
    部品実装機。
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