JP7365542B2 - 部品実装システムおよび部品実装方法 - Google Patents

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Description

本発明は、下側部品の上面に半田をスクリーン印刷して上側部品を実装する部品実装システムおよび部品実装方法に関する。
基板上に部品を高密度実装する方法として、基板の上にパッケージングされた下側部品を装着し、その下側部品の上面にパッケージングされた上側部品を装着するPOP(Package on Package)実装が使用されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の部品実装システムでは、基板、下側部品、上側部品を平面上に並べて格納するとそれぞれの上面の高さが一致するように作成された専用のパレットに、基板、下側部品、上側部品を格納し、スクリーン印刷によりそれらの上面に半田を同時に印刷している。そして、半田が印刷された基板上に下側部品を実装し、さらに半田が印刷された下側部品の上に上側部品を実装するPOP実装を実行している。
特開2015-41703号公報
ところで、複数のパターン(個別基板)が形成された基板では、各パターンに下側部品と上側部品をそれぞれPOP実装して一度に複数のパターンが生産される。この基板では、基板の製造過程で複数のパターンのうちの一部が断線やショートなどにより不良となることがある。予め不良と判明している不良パターンにまで高価な部品を実装してしまうと生産コストが増加するため、不良パターンには部品が実装されない。しかしながら、特許文献1を含む従来技術では、生産コスト削減のために専用のパレットに不良パターン分の下側部品と上側部品を格納せず半田をスクリーン印刷すると、空き領域の周囲に格納された部品への半田の印刷が安定せずに印刷された半田が不均一となり、POP実装基板の品質が低下するという問題点があった。
そこで本発明は、基板に不良パターンがある場合でも生産されるPOP実装基板の品質を維持しつつ生産コストを削減することができる部品実装システムおよび部品実装方法を提供することを目的とする。
本発明の部品実装システムは、複数のパターンが形成された基板の、不良と判断された不良パターン以外のパターンに下側部品を実装すると共に前記不良パターンに置き換え部品を実装する下側部品実装装置と、前記下側部品実装装置によって実装された前記下側部品の上面に半田をスクリーン印刷する印刷装置と、前記印刷装置によって前記半田が印刷された前記下側部品の上面に上側部品を実装する上側部品実装装置と、を備える。
本発明の部品実装方法は、複数のパターンが形成された基板の、不良と判断された不良パターン以外のパターンに下側部品を実装し、前記不良パターンに置き換え部品を実装し、実装された前記下側部品の上面に半田をスクリーン印刷し、前記半田が印刷された前記下側部品の上面に上側部品を実装する。
本発明によれば、基板に不良パターンがある場合でも生産されるPOP実装基板の品質を維持しつつ生産コストを削減することができる。
本発明の一実施の形態の部品実装システムの構成説明図 本発明の一実施の形態の部品実装システムにおいて部品が実装される多面取り基板の一例の(a)平面図(b)正面図 本発明の一実施の形態の部品実装システムにおいて下側部品が実装された多面取り基板の一例の(a)平面図(b)正面図 本発明の一実施の形態の部品実装システムにおいて下側部品の上面に半田が印刷された多面取り基板の一例の(a)平面図(b)正面図 本発明の一実施の形態の部品実装システムにおいて下側部品の上面に上側部品が実装された多面取り基板の一例の(a)平面図(b)正面図 本発明の一実施の形態の部品実装システムの制御系の構成を示すブロック図 本発明の一実施の形態の部品実装システムにおいて部品が実装される不良パターンがある多面取り基板の一例の平面図 本発明の一実施の形態の部品実装システムにおいて多面取り基板への部品の実装で使用される(a)下側部品のマスターデータの一例を示す図(b)置き換え部品のマスターデータの一例を示す図 本発明の一実施の形態の部品実装システムにおいて不良パターンがある多面取り基板への部品の実装で使用される(a)第1のデータの一例を示す図(b)第2のデータの一例を示す図 本発明の一実施の形態の部品実装システムにおいて下側部品と置き換え部品が実装された不良パターンがある多面取り基板の一例の(a)平面図(b)正面図 本発明の一実施の形態の部品実装システムにおいて下側部品の上面に半田が印刷された不良パターンがある多面取り基板の一例の(a)平面図(b)正面図 本発明の一実施の形態の部品実装システムにおいて下側部品の上面に上側部品が実装された不良パターンがある多面取り基板の一例の(a)平面図(b)正面図 本発明の一実施の形態の部品実装方法のフロー図 本発明の一実施の形態の部品実装システムにおいて不良パターンがある多面取り基板への部品の実装で使用される第3のデータの例を示す図
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品実装システム、部品実装装置、印刷装置、基板の仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図1では、水平面内で互いに直交する2軸方向として、基板搬送方向のX方向(図1における左右方向)、基板搬送方向に直交するY方向(図1における前後方向)が示される。また、図1において紙面左側を上流側、紙面右側を下流側と称する。
まず図1を参照して、部品実装システム1の構成について説明する。部品実装システム1は、X方向に配置された第1部品実装装置M1、印刷装置M2、第2部品実装装置M3を通信ネットワーク2によって接続し、全体を管理コンピュータ3が制御する構成となっている。部品実装システム1は、上流側から搬入される複数の個別基板4aから成る多面取り基板(以下、単に「基板4」と称する。)を下流側に順に搬送しながら、基板4に部品Pを実装する機能を有している。
ここで図2(a)、図2(b)、図7を参照し、基板4について説明する。図2(a)、図2(b)は部品Pが実装される前の基板4Aを示している。図2(a)において、基板4Aには、部品Pの端子と接合される複数の基板電極4eを含む回路パターン(図示省略)が形成された複数の個別基板4a(ここでは9個)が形成されている。すなわち、基板4A(多面取り基板)には、複数の回路パターン(個別基板4a)が形成されている。個別基板4aには、基板電極4eと部品Pの端子(バンプ)が接合されるように部品Pがそれぞれ実装される(例えば図3参照)。基板4Aは、部品Pが全て実装された後、個別基板4aに切り離される。
図7に示す基板4Bには、いくつか(ここでは2個)の個別基板4aには、各個別基板4aの右下の隅にバッドマークBが付されている。バッドマークBは、回路パターンに短絡(ショート)や断線(オープン)などの不良がある個別基板4aを識別するためのマークである。部品実装システム1では、バッドマークBが付された不良のある個別基板4a(回路パターン)には部品Pは実装されない。このように、複数のパターン(個別基板4a)には不良パターン以外のパターンと不良パターンを識別するマーク(バッドマークB)が形成されている。
図1において、第1部品実装装置M1と第2部品実装装置M3は同様の構成であり、以下、第1部品実装装置M1について説明する。第1部品実装装置M1は、上流側から搬入された基板4の上、または基板4に実装された部品Pの上に部品Pを実装する機能を有する。基台5の中央部には、X方向に伸びた一対の搬送コンベア6が設置されている。搬送コンベア6は、上流側から搬入された基板4を所定の実装作業位置まで搬送して位置決めし、部品Pが実装された基板4を下流側に搬出する機能を有する。
搬送コンベア6の両側には部品供給部7がそれぞれ設置されている。部品供給部7には、X方向に並んで配置された複数のテープフィーダ8がセットされている。テープフィーダ8は、キャリアテープに保持された部品Pをピッチ送りして、実装ヘッド9によるピックアップ位置まで供給する。なお、部品供給部7には、複数の部品Pを収容したトレイをピックアップ位置まで供給するトレイフィーダ(図示省略)をセットしてもよい。
図1において、実装ヘッド9は、図示省略するヘッド移動機構によって水平方向(XY方向)に移動して、それぞれ部品供給部7から供給された部品Pをピックアップして実装作業位置に位置決めされた基板4に実装する。実装ヘッド9およびヘッド移動機構は、基板4または基板4に実装された部品Pの上に部品Pを実装する部品実装手段10(図6参照)を構成する。
第1部品実装装置M1は、ヘッド移動機構によって実装ヘッド9とともに一体的に移動する基板認識カメラ11を備えている。基板認識カメラ11は、実装作業位置に位置決めされた基板4の上方に移動して、基板4に形成された基板の位置を認識するための基板マーク(図示省略)や、不良がある個別基板4aに付されたバッドマークBを撮像する。基板認識カメラ11およびヘッド移動機構は、基板4上の基板マークまたはバッドマークBを撮像する基板認識手段12(図6参照)を構成する。
図1において、印刷装置M2は、第1部品実装装置M1において基板4に実装された部品Pの上面にマスクを介して導電性接合部材である半田(クリーム半田)をスクリーン印刷する機能を有する。印刷装置M2は、基台13の上にX方向に伸びた一対の搬送コンベア14、印刷機構15を備えている。搬送コンベア14は、基板4を搬送して所定の印刷作業位置に位置決めし、また、半田が印刷された基板4を下流側に搬出する。印刷機構15は、印刷作業位置に位置決めされた基板4に実装された部品Pの上面にマスクを当接させ、スキージを摺動させて半田を印刷する。
次に図1~図5を参照して、部品実装システム1において基板4Aに下側部品と上側部品をPOP実装する工程(方法)について説明する。ここでは、図2~図5に示す不良パターンがない(バッドマークBが付された個別基板4aがない)基板4AにPOP実装する例で説明する。図1において、基板電極4eに図示省略する印刷装置により半田がスクリーン印刷された基板4Aが、第1部品実装装置M1に搬入される(矢印a)。図2では、基板4Aの基板電極4eに印刷された半田の表示は省略されている。
図3(a)、図3(b)において、第1部品実装装置M1は、上流側から搬送された基板4Aの各個別基板4aに下側部品PLをそれぞれ実装する。すなわち、第1部品実装装置M1は、複数の個別基板4a(パターン)が形成された基板4Aの個別基板4aに下側部品PLを実装する下側部品実装装置である。下側部品PLの下面には、個別基板4aの基板電極4eと接合する複数のバンプPLbが形成されている。また、下側部品PLの上面には、上側部品PUの下面に形成されたバンプPUb(図5(b)参照)と接合される上面電極PLeが形成されている。下側部品PLが実装された基板4Aは、下流側の印刷装置M2に搬送される。
図4(a)、図4(b)において、印刷装置M2は、第1部品実装装置M1によって実装された9個の下側部品PLの上面の上面電極PLeにマスクを介して半田Sをスクリーン印刷する。下側部品PLの上面に半田Sが印刷された基板4Aは、下流側の第2部品実装装置M3に搬送される。
図5(a)、図5(b)において、第2部品実装装置M3は、半田Sが印刷された9個の下側部品PLの上面に上側部品PUをそれぞれ実装する。これにより、下側部品PLの上面に形成された上面電極PLeと上側部品PUの下面に形成されたバンプPUbが半田Sを介して接合される。なお、図5(b)では、下側部品PLの上面電極PLeに印刷された半田Sの表示は省略されている。このように、第2部品実装装置M3は、印刷装置M2によって半田Sが印刷された下側部品PLの上面に上側部品PUを実装する上側部品実装装置である。
図1において、下側部品PLと上側部品PUが実装された基板4Aは、第2部品実装装置M3より下流側に搬出される(矢印b)。下側部品PLと上側部品PUが実装された基板4Aは図示省略するリフロー装置に搬送される。リフロー装置では、基板4Aが加熱されて半田Sが融解し、個別基板4aの基板電極4eと下側部品PLのバンプPLb、下側部品PLの上面電極PLeと上側部品PUのバンプPUbが半田接合される。このように、部品実装システム1により基板4Aに下側部品PLと上側部品PUがPOP実装される。
次に図6を参照して、部品実装システム1の制御系の構成について説明する。管理コンピュータ3、第1部品実装装置M1、印刷装置M2、第2部品実装装置M3は、通信ネットワーク2を介して相互に接続されている。管理コンピュータ3は、記憶装置である管理記憶部21を備えている。管理記憶部21には、生産データ22、基板データ23などが記憶されている。
生産データ22には、基板4の種類(実装基板種)毎に、個別基板4aのサイズ、個別基板4aの配置、個別基板4aに実装される部品Pの種類、個別基板4aへの実装位置(XY座標)、実装方向、スクリーン印刷する条件など、部品実装作業に必要な情報が記憶されている。基板データ23には、基板4を特定する基板番号毎に、不良の個別基板4a(不良パターン)の位置など、基板4に関する情報が記憶されている。管理コンピュータ3は、部品実装システム1で生産する実装基板に応じ、また個々の基板4に応じて、第1部品実装装置M1、印刷装置M2、第2部品実装装置M3に必要なデータを送信する。
図6において、第1部品実装装置M1は、搬送コンベア6、テープフィーダ8、部品実装手段10、基板認識手段12の他、実装制御部24、認識処理部25、データ作成部26、実装記憶部27を備えている。実装記憶部27は記憶装置であり、実装データ28、基板データ29などを記憶している。実装データ28には、基板4の種類(実装基板種)毎に、個別基板4aのサイズ、個別基板4aの配置、個別基板4aに実装される部品Pの種類、個別基板4aへの実装位置(XY座標)、実装方向など、第1部品実装装置M1における部品実装作業に必要な情報が記憶されている。
実装制御部24は、実装データ28に基づいて第1部品実装装置M1の各部を制御して、上流側から搬入された基板4に部品Pを実装する部品実装作業を実行させる。認識処理部25は、基板認識手段12を制御して基板4の個別基板4aを撮像させてバッドマークBの有無を検出し、個別基板4aの位置を特定する情報(基板位置)と関連付けて基板データ29として実装記憶部27に記憶させる。データ作成部26は、実装データ28に含まれる基板4の個別基板4aに部品Pを実装するためのマスターデータと、基板データ29に含まれる不良の個別基板4aの情報に基づいて、当該基板4に部品Pを実装する際に参照されるデータを作成する実装データ作成処理を実行させる。
ここで、図7~9を参照して、実装データ作成処理の詳細について説明する。図7において、基板4Bには、3行3列で合計9個の個別基板4aが形成されている。各個別基板4aには、個別基板4aの位置を特定する「1」~「9」の基板位置が設定されている。基板位置が「6」と「8」の個別基板4aは不良であり、バッドマークBが付されている。認識処理部25は、基板4Bを基板認識手段12で撮像させ、バッドマークBの有無を認識する。これにより、基板位置が「6」と「8」の個別基板4aは不良パターンであることが検出され、基板4Bの情報として基板データ29に記憶される。
図8(a)は、基板4に下側部品PLを実装するためのマスターデータである。図8(b)は、基板4に下側部品PLの代わりに置き換え部品PD(図10参照)を実装するためのマスターデータである。マスターデータには、基板位置41、部品実装位置42、部品名43が含まれている。基板位置41は、個別基板4aを特定する情報であり、ここでは「1」~「9」が設定されている。部品実装位置42は、部品Pの実装位置(XY座標)と実装方向(θ方向)である。部品名43は、実装される部品Pの種類である。
図8(a)、図8(b)において、置き換え部品PDのマスターデータの部品実装位置42には、下側部品PLと同じ実装位置と実装方向が設定されている。下側部品PLのマスターデータの部品名43には、全て下側部品PLとして「DR32P」が設定されている。置き換え部品PDのマスターデータの部品名43には、全て下側部品PLとして「DUM1」が設定されている。
図9(a)、図9(b)は、データ作成部26が図8(a)、図8(b)に示すマスターデータと基板4Bの基板データ29に含まれる不良の個別基板4a(不良パターン)に基づいて作成した、下側部品PLと置き換え部品PDを基板4Bに実装する際に参照されるデータである。
図9(a)に示す下側部品PLを基板4Bに実装する際に参照される第1のデータは、データ作成部26によって不良パターンである基板位置41が「6」と「8」の部品名43が空欄(図9(a)では「-」で示す。)に変更されている。図9(b)に示す置き換え部品PDを基板4Bに実装する際に参照される第2のデータは、データ作成部26によって不良パターン以外のパターンである基板位置41が「1」~「5」、「7」、「9」の部品名43が空欄(図9(b)では「-」で示す。)に変更されている。作成された第1のデータと第2のデータは、実装データ28として記憶される。
次に図10(a)、図10(b)を参照して、第1部品実装装置M1が、図9(a)に示す第1のデータと図9(b)に示す第2のデータを参照して下側部品PLと置き換え部品PDを実装した基板4Bについて説明する。基板4Bには、第1のデータに基づいて基板位置41が「1」~「5」、「7」、「9」の個別基板4aに下側部品PLが実装されている。また、基板4Bには、第2のデータに基づいて基板位置41が「6」と「8」の個別基板4aに置き換え部品PDが実装されている。
図10(b)において、置き換え部品PDは、バンプも上面電極も形成されていない立方体である。置き換え部品PDの高さhは、基板4Bに実装された状態で置き換え部品PDの上面の高さ位置HDと下側部品PLの上面の高さ位置HLが、後工程の印刷装置M2による下側部品PLの上面への半田Sのスクリーン印刷が安定に実行できる程度に同一となるように設定される。すなわち、基板4Bに実装された記置き換え部品PDの高さ(置き換え部品の高さ位置HD)は、基板4Bに実装された下側部品PLの高さ(下側部品の高さ位置HL)と略同一である。なお、置き換え部品PDは、下側部品PLと同様にバンプと上面電極を備える構成であってもよい。
このように、データ作成部26(実装データ作成装置)は、マーク(バッドマークB)に基づいて、下側部品実装装置(第1部品実装装置M1)が下側部品PLと置き換え部品PDを実装する際に参照されるデータ(第1のデータ、第2のデータ)を作成する(実装データ作成工程)。そして、下側部品実装装置は、不良パターン以外のパターン(個別基板4a)のみを実装対象とする第1のデータに基づいて下側部品PLを実装すると共に、不良パターンのみを実装対象とする第2のデータに基づいて置き換え部品PDを実装する。
図6において、印刷装置M2は、搬送コンベア14、印刷機構15の他、印刷制御部30、印刷記憶部31を備えている。印刷記憶部31は記憶装置であり、印刷データ32などを記憶している。印刷データ32には、スクリーン印刷で使用するマスクを特定する情報、印刷条件などが記憶されている。印刷制御部30は、印刷データ32に基づいて搬送コンベア14、印刷機構15を制御して、基板4に実装された下側部品PLの上面に半田Sをスクリーン印刷させる。
ここで、図11(a)、図11(b)を参照して、印刷装置M2によって基板4Bに実装された下側部品PLの上面と置き換え部品PDの上面に半田Sがスクリーン印刷された基板4Bについて説明する。基板位置41が「1」~「5」、「7」、「9」の個別基板4aに実装された下側部品PLの上面電極PLeには、半田Sが印刷されている。また、基板位置41が「6」と「8」の個別基板4aに実装された置き換え部品PDの上面にも、下側部品PLの上面と同様に半田Sが印刷されている。本実施の形態では、不良パターンに置き換え部品PDを実装することで、不良パターンに隣接する下側部品PLの上面に印刷された半田Sの形状、転写量などの半田Sの品質は、不良パターンがない基板4Aと同等になる。
図2において、第2部品実装装置M3の構成は、第1部品実装装置M1と同様である。以下、第1部品実装装置M1と異なる部分について説明して、同じ部分については説明を省略する。第2部品実装装置M3の実装データ28には、基板4に実装された下側部品PLの上面に上側部品PUを実装するためのマスターデータ(図示省略)が記憶されている。データ作成部26は、基板データ29に含まれる不良の個別基板4aの情報に基づいて、不良パターン以外のパターンに実装された下側部品PLの上面にのみ上側部品PUを実装するデータ(図示省略)を作成して実装データ28に記憶させる。
ここで図12(a)、図12(b)を参照して、第2部品実装装置M3がデータ作成部26によって作成された上側部品PUを実装するためのデータに基づいて上側部品PUを実装した基板4Bについて説明する。基板位置41が「1」~「5」、「7」、「9」の個別基板4aに実装された下側部品PLの上面には、上側部品PUが実装されている。基板位置41が「6」と「8」の個別基板4aに実装された置き換え部品PDの上面には、上側部品PUが実装されていない。このように、不良パターンには上側部品PUが実装されない。
次に図13のフローに沿って、図10~図12を参照して部品実装システム1によりPOP実装基板を生産する部品実装方法について説明する。まず、第1部品実装装置M1(下側部品実装装置)は、第1のデータに基づいて、複数のパターン(個別基板4a)が形成された基板4Bの、不良と判断された不良パターン以外のパターンに下側部品PLを実装する(ST1:下側部品実装工程)(図10)。次いで第1部品実装装置M1(下側部品実装装置)は、第2のデータに基づいて、不良パターンに置き換え部品PDを実装する(ST2:置き換え部品実装工程)(図10)。なお、下側部品PLの実装前に置き換え部品PDを実装しても、下側部品PLと置き換え部品PDを同時に実装してもよい。
次いで印刷装置M2は、基板4に実装された下側部品PLの上面に半田Sをスクリーン印刷する(ST3:半田印刷工程)(図11)。次いで第2部品実装装置M3(上側部品実装装置)は、半田Sが印刷された下側部品PLの上面に上側部品PUを実装する(ST4:上側部品実装工程)(図12)。これによって、基板4に不良パターン(不良の個別基板4a)がある場合でも、生産されるPOP実装基板の品質を維持しつつ生産コストを削減することができる。
上記説明したように、本実施の形態の部品実装システム1は、複数のパターン(個別基板4a)が形成された基板4Bの、不良と判断された不良パターン以外のパターンに下側部品PLを実装すると共に不良パターンに置き換え部品PDを実装する下側部品実装装置(第1部品実装装置M1)と、下側部品実装装置によって実装された下側部品PLの上面に半田Sをスクリーン印刷する印刷装置M2と、印刷装置M2によって半田Sが印刷された下側部品PLの上面に上側部品PUを実装する上側部品実装装置(第2部品実装装置M3)と、を備える。これによって、基板4に不良パターン(不良の個別基板4a)がある場合でも、生産されるPOP実装基板の品質を維持しつつ生産コストを削減することができる。
次に、図14を参照して、第1部品実装装置M1において、データ作成部26によって作成される基板4に下側部品PLと置き換え部品PDを実装するための第3のデータについて説明する。図14は、図8(a)に示す下側部品PLのマスターデータと図8(b)に示す置き換え部品PDのマスターデータに基づいて作成された、図7に示す不良パターンがある基板4Bに下側部品PLと置き換え部品PDを実装するための第3のデータである。
図14において、第3のデータでは、基板位置41が「1」~「5」、「7」、「9」の部品名43に下側部品PLを示す「DR32P」が、基板位置41が「6」と「8」の部品名43に置き換え部品PDを示す「DUM1」が設定されている。第1部品実装装置M1は、第3のデータに基づいて基板4Bに下側部品PLと置き換え部品PDを実装することで、第1のデータと第2のデータに基づいて実装された図10に示す基板4Bと同様の部品実装作業が実行される。このように、下側部品実装装置(第1部品実装装置M1)は、不良パターン以外のパターン(個別基板4a)に下側部品PLを実装すると共に、不良パターンに置き換え部品PDを実装する第3のデータに基づいて、下側部品PLと置き換え部品PDを実装する。
なお、上記説明した実施例では、第1部品実装装置M1と第2部品実装装置M3のそれぞれで、基板認識手段12により基板4に付されたバッドマークBを撮像して基板データ29を作成しているが、基板データ29の作成はこの方法に限定されることはない。例えば、第1部品実装装置M1で作成した基板データ29を、第2部品実装装置M3に転送して使用してもよい。また、第1部品実装装置M1に搬入する前に実装データ作成装置で基板4の不良パターンに関する情報を作成してもよい。管理コンピュータ3がこの情報を基板データ23として記憶し、管理コンピュータ3が第1部品実装装置M1と第2部品実装装置M3に基板4の不良パターンに関する情報(基板データ29)を送信するようにしてもよい。
本発明の部品実装システムおよび部品実装方法は、基板に不良パターンがある場合でも生産されるPOP実装基板の品質を維持しつつ生産コストを削減することができるという効果を有し、部品を基板に実装する分野において有用である。
4、4A、4B 基板
4a 個別基板(パターン)
B バッドマーク(マーク)
HD 置き換え部品の高さ位置(置き換え部品の高さ)
HL 下側部品の高さ位置(下側部品の高さ)
M1 第1部品実装装置(下側部品実装装置)
M2 印刷装置
M3 第2部品実装装置(上側部品実装装置)
PD 置き換え部品
PL 下側部品
PU 上側部品
S 半田

Claims (6)

  1. 複数のパターンが形成された基板の、不良と判断された不良パターン以外のパターンに下側部品を実装すると共に前記不良パターンに置き換え部品を実装する下側部品実装装置と、
    前記下側部品実装装置によって実装された前記下側部品の上面に半田をスクリーン印刷する印刷装置と、
    前記印刷装置によって前記半田が印刷された前記下側部品の上面に上側部品を実装する上側部品実装装置と、を備える、部品実装システム。
  2. 前記基板に実装された前記置き換え部品の高さは、前記基板に実装された前記下側部品の高さと略同一である、請求項1に記載の部品実装システム。
  3. 前記下側部品実装装置は、前記不良パターン以外のパターンのみを実装対象とする第1のデータに基づいて前記下側部品を実装すると共に、前記不良パターンのみを実装対象とする第2のデータに基づいて前記置き換え部品を実装する、請求項1または2に記載の部品実装システム。
  4. 前記下側部品実装装置は、前記不良パターン以外のパターンに前記下側部品を実装すると共に、前記不良パターンに前記置き換え部品を実装する第3のデータに基づいて前記下側部品と前記置き換え部品を実装する、請求項1または2に記載の部品実装システム。
  5. 前記複数のパターンには前記不良パターン以外のパターンと前記不良パターンを識別するマークが形成されており、
    前記マークに基づいて、前記下側部品実装装置が前記下側部品と前記置き換え部品を実装する際に参照されるデータを作成する実装データ作成装置をさらに備える、請求項3または4に記載の部品実装システム。
  6. 複数のパターンが形成された基板の、不良と判断された不良パターン以外のパターンに下側部品を実装し、
    前記不良パターンに置き換え部品を実装し、
    実装された前記下側部品の上面に半田をスクリーン印刷し、
    前記半田が印刷された前記下側部品の上面に上側部品を実装する、部品実装方法。
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