JP7112089B2 - ロールペーパ用ホルダ装置 - Google Patents
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Description
上蓋はその先端縁に連続したエッジを有し、ロール体から引き出したペーパの途中をエッジに沿って切断し得るようになっている。
特に切断時に上蓋をロール体へ押し付けてペーパを切断することから、ペーパの切断端がロール体の周面に付着し易く、ペーパの切断端が非常に分かり難い。
このような場合、上蓋を持ち上げた状態でロール体を手で回転しながらペーパの切断端を探し出さなければならず、使い勝手が悪いことが指摘されている。
特許文献1には、上蓋の中央に縦向きの長穴を開設したホルダ装置が開示されていて、長穴に指を挿し入れてロール体を引出方向へ回転することで、上蓋の裏に隠れていたペーパの切断端を送り出している。
特許文献2には、上蓋の裏面にスライド式の移動板を設けたホルダ装置が開示されていて、可動板蓋の先端から手動で延出させた移動板の先端のカッタに沿って切断した後に、移動板を手動で後退移動させることで、移動板の裏に隠れていたペーパの切断端が露出するようになっている。
特許文献3には、複数の歯車機構とゼンマイバネを組み合わせたホルダ装置が開示されていて、ロール体の中心を両側から支持する支持体と共にロール体が強制回転する構成になっている。
<1>特許文献1に記載のホルダ装置は、上蓋に形成された長穴に指を挿し入れなければならず、ロール体の回転操作が面倒であるだけでなく、ぺーパの切断端がロール体に付着し易く、ペーパの切断端を探し出すのに手数がかかって使い勝手が非常に悪い。
さらにロール体に指や手で直接触れることは、不衛生であり使用者に不快感を与え易い。
<2>特許文献2に記載のホルダ装置は、移動板のスライド操作が面倒であるだけでなく、移動板に押されてぺーパの切断端がロール体に付着し易い。
<3>複数の歯車機構とゼンマイバネを組み合わせた特許文献3に記載のホルダ装置は、ロール体の回転機構が複雑でコストが高い。
<4>従来のホルダ装置は、ペーパを使い切ったときに紙管がホルダ本体に残る構造である。
そのため、新たなロール体と交換する際に使用者がホルダ本体から紙管を掴んで取り外さなければならず、紙管の取り外しが面倒である。
さらに本発明の他の目的は、使い終わった紙管の取り外し操作が不要な使い勝手のよいロールペーパ用ホルダ装置を提供することにある。
本発明の他の形態において、前記前垂部がホルダ本体の前面の外方で上下動するように、上蓋の基端がホルダ本体の最上部に上下動自在に枢支されている。
本発明の他の形態において、前記前垂部の先端縁がV字形に形成されている。
本発明の他の形態において、前記クッション体が弾性部材で形成されている。
本発明の他の形態において、前記ロール体の回転支持機構がホルダ本体内の上半に空転可能に枢支された一対の並行ローラからなる。
本発明の他の形態において、前記一対の並行ローラの対向間隔がロール体の最大径より小さく、ロール体の紙管の外径より大きい寸法関係にある。
本発明の他の形態において、前記ホルダ本体内の下半に補助室が形成されている。
<1>上蓋の先端縁に形成したエッジを上下動自在に構成したことで、引き出したペーパの余長部をホルダ本体の前面に露出させることができる。
<2>ペーパの切断端がロール体の周面に付着しないので、使用する都度、ペーパの切断端を探し出す手間が不要となり、ホルダ本体の前面に露出したペーパの余長部を簡単に引き出して切断できる。
したがって、従来のホルダ装置と比べて使い勝手が格段によくなる。
<3>ロール体に触れずにペーパに余長部を形成できるので衛生的である。
<4>先端に前垂部を形成すると共に、その一部にクッション体を設けた上蓋と、ガイド面を形成したホルダ本体とを組み合わせただけの簡単な構造であり、製作コストを低廉に抑えることができる。
<5>ロール体の回転支持機構として一対の並行ローラを採用すると、上口を通じて一対の並行ローラの上に載せるだけでロール体をセットできるので、ロール体のセット装置が簡単である。
<6>一対の並行ローラの対向間隔がロール体の紙管の外径より小さい寸法関係にしてあることで、ペーパを使い切ると紙管が自重で落下する。
したがって、使い終わった紙管を使用者が取り外す操作が不要であると共に、使用者が紙管に触れずに済むので衛生的である。
<7>ホルダ本体内に形成した補助室は、使い終わった紙管の回収空間として活用できるだけでなく、予備用のロール体の収容空間としても活用できる。
図1,2を参照して説明すると、ロールペーパ用ホルダ装置10(以下「ホルダ装置10」)は、トイレットぺーパ等のロール体50の回転支持機構を具備したホルダ本体20と、ホルダ本体20の上部奥側に上下動自在に枢支され、先端にエッジ33を形成した上蓋30とを備えている。
ホルダ本体20は前面20a、背面20bおよび左右の側面20cを有し、内部に縦向きの連続空間を形成した箱体であり、背面20bが建物の側壁に向けて取り付けてある。
ホルダ本体20の上部にはロール体50を収容可能な上口21が形成されている。上口21は上蓋30により開閉可能である。
本発明では、ロール体50の回転支持機構としてロール体50を載置可能な一対の並行ローラ22,22を採用する。
ホルダ本体20内には、横向きに一対の並行ローラ22,22が配置されていて、側壁20cが一対の並行ローラ22,22の両端を空転可能に枢支している。
図2を参照して説明すると、並行ローラ22,22の対向間隔Lはロール体50の最大径より小さく、紙管53の外径dより大きい寸法関係に設定してある。
このような寸法関係にしたのは、一対の並行ローラ22,22でロール体50を回転可能に支持すると共に、使い終わった紙管53を一対の並行ローラ22,22の間から自重で落下させるためである。
ホルダ本体20の下半には補助室23が形成してあり、補助室23は一部の側壁20cに開設した開口を通じて開放されている。
後述するように使い終わった紙管53の回収空間として活用するだけでなく、予備用のロール体50の収容空間としても活用できる補助室23は、必須ではなく省略される場合もある。
ホルダ本体20の前面20aの上部には、ホルダ本体20の内部空間へ向けて横向きに延出したガイド面24を有している。
ガイド面24はロール体50から引き出したペーパ51をホルダ本体0の外部へ案内するための平面である。
本例でガイド面24を水平に形成した形態を示しているが、ガイド面24に緩やかな勾配を付与してもよい。
上蓋30はホルダ本体20の上口21を封鎖可能な寸法の板体であり、その基端が支軸31を介してホルダ本体20の上部に上下動自在に枢支されている。
上蓋30はガイド面24と対応する位置に突出して形成したクッション体40と、クッション体40から先に延出して下向きに屈曲させて形成した前垂部32とを有している。
上蓋30の裏面に付設したクッション体40は、上蓋30の横断方向に沿って連続して突出していて、ホルダ本体20のガイド面24と接面可能な位置に設けてある。
クッション体40の素材としては、例えばスポンジ、軟質樹脂等の弾性変形が可能な弾性材で構成されている。
クッション体40は、上蓋30の自重のみでは弾性変形せず、上蓋30の自重を超えた下向きの外力を加えることではじめて弾性変形し、外力を解除することで変形前の形状に復元する。
上蓋30の先端部近くを下向きに屈曲させた前垂部32は、ホルダ本体20の前面20aの外方に張り出していて、その先端縁に沿って連続したエッジ33を形成している。
換言すれば、本発明は上蓋30の通常位置でペーパ51を切断するのではなく、上蓋30の通常位置より押し下げられた位置でペーパ51を切断するようにしたものである。
したがって、クッション体40の変形前の高さを適宜選択することで、上蓋30によるペーパ51の切断位置を変更できる。
ガイド面24とクッション体40との間に位置するペーパ51には、上蓋30とクッション体40の自重が常時作用することになる。
上蓋30とクッション体40の重量は、ペーパ51の円滑な引き出しを阻害しないように軽量に設定してある。
図2~5を参照してホルダ装置10の使用方法について説明する。
図2に示した通常状態において、ホルダ本体20内のロール体50は、一対の並行ローラ22上に回転自在に支持されている。ロール体50に巻き取られたペーパ51はホルダ本体20のガイド面24と上蓋30のクッション体40との間を通じてホルダ本体20の外部へ引き出されている。
通常状態において、上蓋30は最上位に位置し、そのエッジ33はホルダ本体20の前面20aから離隔している。
ペーパ51の使用時は、その切断端52を指で摘まみながら任意の長さ分を引き出す。
ペーパ51の引き出し中、上蓋30を押さえ込まないのでペーパ51の引き出し抵抗が小さく、そのためペーパ51を円滑に引き出しできる。
図3,4を参照してペーパ51の切断操作について説明する。
所望の長さ分のペーパ51を引き出したら、クッション体40の弾力に抗しながら上蓋30を軽く押し込む。
上蓋30の押し込みに伴い、クッション体40が圧縮変形して、ガイド面24とクッション体40との間に位置するペーパ51をスリップ不能に挟持すると共に、上蓋30の先端のエッジ33が降下する。
エッジ33がホルダ本体20の前面20aに当接するまで上蓋30は回動可能である。
上蓋30を押さえたまま、ホルダ本体20の外部へ引き出したペーパ51を軽く引き上げると、エッジ33に沿ってペーパ51が切断される。
本発明では、ガイド面24とクッション体40との挟持位置から離れた位置でペーパ51を切断するものであるから、ペーパ51の切断端52がロール体50に周面に付着することがない。
ロール体50側のペーパ51はガイド面24とクッション体40との挟持位置から前面20aに垂れ下がり、ペーパ51の下向きの部位が余長部54として残る。
この時点において、余長部54は押し下げられた上蓋30の裏に隠れている。
このように本発明では、上蓋30のエッジ33を上下動可能にしたことで、ロール体50に触れずに余長部54を含む長さにペーパ51を余分に引き出しすることができる。
上蓋30から手を離すと、クッション体40の弾性復元力により上蓋30が支軸31を中心に回動して通常位置に復帰する。
上蓋30の復帰に伴って前垂部32が上昇すると、前垂部32の裏に隠れていたペーパ51の余長部54がホルダ本体20の前面20aに露出する。
次回の使用時は、ホルダ本体20の前面20aに垂れ下がったペーパ51の余長部54を指で摘まんで簡単に引き出しできるので、ペーパ51の切断端52を改めて探し出す必要がなくなり、従来と比べて使い勝手がよくなる。
図5を参照して紙管53の回収について説明する。
並行ローラ22,22の対向間隔Lが、紙管53の外径dより広くなっているので、すべてのペーパ51を使い切ると、紙管53が一対の並行ローラ22,22の間から自重で落下する。落下した紙管53は補助室23で回収される。
20・・・ホルダ本体
20a・・ホルダ本体の前面
20b・・ホルダ本体の背面
20c・・ホルダ本体の側面
21・・・ホルダ本体の上口
22・・・並行ローラ
23・・・ホルダ本体の補助室
24・・・ホルダ本体のガイド面
25・・・保護シート
30・・・上蓋
31・・・上蓋の支軸
32・・・上蓋の前垂部
33・・・上蓋のエッジ
40・・・クッション体
50・・・ロール体
51・・・ペーパ
52・・・ペーパの切断端
53・・・ロール体の紙管
54・・・ペーパの余長部
Claims (7)
- 内部に縦向きの連続空間を形成した箱体からなり、連続空間の上半にロール体の回転支持機構を具備したホルダ本体と、ホルダ本体の上口を閉鎖可能に枢支され、先端にエッジが形成された上蓋とを備えたロールペーパ用ホルダ装置であって、
前記ホルダ本体の前面上部に、ロール体から引き出したペーパをホルダ本体の外方へ案内するガイド面を形成し、
前記上蓋はガイド面と対応する位置に設けたクッション体と、ホルダ本体の前面側で下向きに屈曲して延出した前垂部とを有し、
前記前垂部の先端に、クッション体とガイド面との間から引き出されたペーパを切断可能なエッジが形成され、
前記前垂部のエッジがクッション体の弾力で上蓋が押し戻される通常位置と、上蓋が押し下げられた状態でペーパを切断する切断位置との間で上下動し、
前記前垂部のエッジが降下したときにガイド面とクッション体の間から引き出されたペーパに下向きの余長部を形成すると共に、前記上蓋が通常位置に復帰したときに前垂部の裏に隠れていた余長部がホルダ本体の前面に露出することを特徴とする、
ロールペーパ用ホルダ装置。 - 前記前垂部がホルダ本体の前面の外方で上下動するように、上蓋の基端がホルダ本体の最上部に上下動自在に枢支したことを特徴とする、請求項1に記載のロールペーパ用ホルダ装置。
- 前記前垂部の先端縁をV字形に形成したことを特徴とする、請求項1または2に記載のロールペーパ用ホルダ装置。
- 前記クッション体を弾性部材で形成したことを特徴とする、請求項1に記載のロールペーパ用ホルダ装置。
- 前記ロール体の回転支持機構がホルダ本体内の上半に空転可能に枢支した一対の並行ローラからなることを特徴とする、請求項1に記載のロールペーパ用ホルダ装置。
- 前記一対の並行ローラの対向間隔がロール体の最大径より小さく、ロール体の紙管の外径より大きい寸法関係にあることを特徴とする、請求項5に記載のロールペーパ用ホルダ装置。
- 前記ホルダ本体内の下半に補助室を形成したことを特徴とする、請求項1に記載のロールペーパ用ホルダ装置。
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