以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る印刷装置の概略構成図である。なお、以下の説明における上下方向は鉛直方向であり、図1における紙面の上下を上下方向とする。
図1に示すように、第1実施形態に係る印刷装置1は、印刷部2と、補給部3と、圧力生成部4と、制御部5とを備える。
印刷部2は、インクを循環させつつ、図示しない搬送部により搬送される用紙にインクを吐出して画像を印刷する。ここで、印刷装置1で印刷に使用されるインクは、磁性体を含むMICRインクである。印刷部2は、インクジェットヘッド11と、インク循環部12とを備える。
インクジェットヘッド11は、インク循環部12により供給されるインクを吐出する。インクジェットヘッド11は、複数のヘッドモジュール16を有する。
ヘッドモジュール16は、インクを貯留するインクチャンバ(図示せず)と、インクを吐出する複数のノズル(図示せず)とを有する。インクチャンバ内には、ピエゾ素子(図示せず)が配置されている。ピエゾ素子の駆動により、ノズルからインクが吐出される。
インク循環部12は、加圧タンク21と、分配器22と、集合器23と、負圧タンク24と、循環ポンプ25と、インク温度調整部26と、循環管27~29とを備える。
加圧タンク21は、インクジェットヘッド11に供給するインクを貯留する。加圧タンク21のインクは、循環管27および分配器22を介してインクジェットヘッド11に供給される。加圧タンク21内には、インクの液面上に空気層31が形成されている。加圧タンク21は、後述の加圧側連通管82を介して、後述の加圧生成室81に連通されている。加圧タンク21は、インクジェットヘッド11より低い位置に配置されている。
加圧タンク21には、加圧タンク液面センサ32が設けられている。加圧タンク液面センサ32は、加圧タンク21内のインクの液面高さが所定の基準高さに達しているか否かを検出する。加圧タンク液面センサ32は、加圧タンク21内の液面高さが基準高さ以上である場合に「オン」を示す信号を出力し、基準高さ未満である場合に「オフ」を示す信号を出力する。
分配器22は、循環管27を介して加圧タンク21から供給されるインクを、インクジェットヘッド11の各ヘッドモジュール16に分配する。
集合器23は、インクジェットヘッド11で消費されなかったインクを各ヘッドモジュール16から集める。集合器23により集められたインクは、循環管28を介して負圧タンク24へと流れる。
負圧タンク24は、インクジェットヘッド11で消費されなかったインクを集合器23から受け取って貯留する。また、負圧タンク24は、補給部3から補給されるインクを貯留する。負圧タンク24内には、インクの液面上に空気層36が形成されている。負圧タンク24は、後述の負圧側連通管89を介して、後述の負圧生成室88に連通されている。負圧タンク24は、加圧タンク21と同じ高さに配置されている。
負圧タンク24には、負圧タンク液面センサ37が設けられている。負圧タンク液面センサ37は、負圧タンク24内のインクの液面高さが所定の基準高さに達しているか否かを検出する。負圧タンク液面センサ37は、負圧タンク24内の液面高さが基準高さ以上である場合に「オン」を示す信号を出力し、基準高さ未満である場合に「オフ」を示す信号を出力する。
循環ポンプ25は、負圧タンク24から加圧タンク21へインクを送液する。循環ポンプ25は、循環管29の途中に設けられている。
インク温度調整部26は、インク循環部12におけるインクの温度を調整する。インク温度調整部26は、循環管27の途中に設けられている。インク温度調整部26は、ヒータ41と、ヒートシンク42と、冷却ファン43とを備える。
ヒータ41は、循環管27内のインクを温める。ヒートシンク42は、放熱により循環管27内のインクを冷却する。冷却ファン43は、ヒートシンク42に冷却風を送る。
循環管27は、加圧タンク21と分配器22とを接続する。循環管28は、集合器23と負圧タンク24とを接続する。循環管29は、負圧タンク24と加圧タンク21とを接続する。循環管27~29、加圧タンク21、分配器22、集合器23、および負圧タンク24により、インクを循環させつつインクジェットヘッド11にインクを供給する循環経路が構成される。
補給部3は、インクを撹拌するとともに、印刷部2にインクを補給する。インクを撹拌するのは、MICRインクの磁性体成分の沈殿を防止するためである。補給部3は、撹拌部51と、サブタンク(貯留部に相当)52と、補給弁53と、補給管54と、インクカートリッジ55と、導入弁56と、導入ポンプ57と、導入管58とを備える。
撹拌部51は、インクを撹拌しつつ、サブタンク52を介して印刷部2にインクを供給する。また、撹拌部51は、印刷動作中にインクカートリッジ55から新たなインクが導入されると、印刷部2へのインクの供給を停止してインクの撹拌を行う。撹拌部51は、撹拌タンク61と、撹拌ポンプ62と、撹拌循環管63~65と、切替弁66,67とを備える。
撹拌タンク61は、インクカートリッジ55から導入されるインクを撹拌するために貯留する。撹拌タンク61内には、インクの液面上に空気層71が形成されている。
撹拌タンク61には、大気開放管72が設けられている。大気開放管72は、一端が空気層71に接続され、他端(上端)がエアフィルタ73を介して大気に通じている。これにより、撹拌タンク61は大気開放されている。エアフィルタ73は、撹拌タンク61への空気中のゴミ等の進入を防止する。
また、撹拌タンク61には、撹拌タンク上限センサ74と、撹拌タンク下限センサ75とが設けられている。
撹拌タンク上限センサ74は、撹拌タンク61内のインクの液面高さが所定の上限高さに達しているか否かを検出する。撹拌タンク上限センサ74は、撹拌タンク61内の液面高さが上限高さ以上である場合に「オン」を示す信号を出力し、上限高さ未満である場合に「オフ」を示す信号を出力する。
撹拌タンク下限センサ75は、撹拌タンク61内のインクの液面高さが、上限高さより低い所定の下限高さに達しているか否かを検出する。撹拌タンク下限センサ75は、撹拌タンク61内の液面高さが下限高さ以上である場合に「オン」を示す信号を出力し、下限高さ未満である場合に「オフ」を示す信号を出力する。
撹拌ポンプ62は、後述の通常撹拌経路Ctおよび初期撹拌経路Csを介してインクを循環させることで、インクを撹拌させる。撹拌ポンプ62は、撹拌循環管64の切替弁67より導入管58側に配置されている。
撹拌循環管63は、撹拌タンク61とサブタンク52とを接続する。撹拌循環管64は、サブタンク52と導入管58とを接続する。撹拌循環管65は、切替弁66,67を介して、撹拌循環管63と撹拌循環管64とを接続する。
切替弁66は、撹拌循環管63の途中に配置され、撹拌循環管63の切替弁66より撹拌タンク61側の部分の連通先を、撹拌循環管63の切替弁66よりサブタンク52側の部分と撹拌循環管65との間で選択的に切り替える。ここで、切替弁66において、撹拌循環管63の切替弁66より撹拌タンク61側の部分と撹拌循環管63の切替弁66よりサブタンク52側の部分とを連通させる設定を、通常循環設定とする。また、切替弁66において、撹拌循環管63の切替弁66より撹拌タンク61側の部分と撹拌循環管65とを連通させる設定を、初期循環設定とする。
切替弁67は、撹拌循環管64の途中に配置され、撹拌循環管64の切替弁67よりサブタンク52側の部分の連通先を、撹拌循環管64の切替弁67より導入管58側の部分と撹拌循環管65との間で選択的に切り替える。ここで、切替弁67において、撹拌循環管64の切替弁67よりサブタンク52側の部分と撹拌循環管64の切替弁67より導入管58側の部分とを連通させる設定を、通常循環設定とする。また、切替弁67において、撹拌循環管64の切替弁67よりサブタンク52側の部分と撹拌循環管65とを連通させる設定を、初期循環設定とする。
切替弁66,67が通常循環設定の場合、通常撹拌経路(第1経路に相当)Ctが形成される。
通常撹拌経路Ctは、印刷動作中の通常の撹拌動作において使用される経路である。通常撹拌経路Ctは、撹拌タンク61のインクを、サブタンク52を経由して循環させつつ撹拌するための経路である。通常撹拌経路Ctは、撹拌循環管63,64と、導入管58の撹拌循環管64が接続された地点より撹拌タンク61側の部分とにより構成される。
切替弁66,67が初期循環設定の場合、初期撹拌経路(第2経路に相当)Csが形成される。
初期撹拌経路Csは、インクカートリッジ55から撹拌部51へのインクの導入時に行われる撹拌動作である初期撹拌動作において使用される経路である。初期撹拌経路Csは、サブタンク52を撹拌タンク61から分離し、撹拌タンク61のインクを、サブタンク52を経由せずに循環させつつ撹拌するための経路である。初期撹拌経路Csは、撹拌循環管63の切替弁66より撹拌タンク61側の部分と、撹拌循環管65と、撹拌循環管64の切替弁67より導入管58側の部分と、導入管58の撹拌循環管64が接続された地点より撹拌タンク61側の部分とにより構成される。
サブタンク52は、初期撹拌期間中における印刷部2による印刷に使用するためのインクを貯留する。初期撹拌期間は、インクカートリッジ55から撹拌タンク61へのインクの導入の開始から初期撹拌動作が終了するまでの期間である。サブタンク52は、初期撹拌期間における印刷で想定される最大のインク使用量以上の容量を有する。サブタンク52内には、インクの液面上に空気層76が形成されている。
サブタンク52には、大気開放管77が設けられている。大気開放管77は、一端が空気層76に接続され、他端(上端)がエアフィルタ78を介して大気に通じている。これにより、サブタンク52は大気開放されている。エアフィルタ78は、サブタンク52への空気中のゴミ等の進入を防止する。
補給弁53は、補給管54内のインクの流路を開閉する。負圧タンク24へインクを補給する際、補給弁53が開放される。
補給管54は、サブタンク52と負圧タンク24とを接続する。
インクカートリッジ55は、インクジェットヘッド11による印刷に用いるインクであるMICRインクを収容している。インクカートリッジ55内のインクは、導入管58を介して撹拌タンク61に一気に導入される。
導入弁56は、導入管58内のインクの流路を開閉する。撹拌タンク61へインクを導入する際、導入弁56が開放される。
導入ポンプ57は、インクカートリッジ55から撹拌タンク61へインクを送液する。導入ポンプ57は、導入管58の撹拌循環管64が接続された地点と導入弁56との間に配置されている。
導入管58は、インクカートリッジ55と撹拌タンク61とを接続する。また、導入管58は、通常撹拌経路Ctの一部、および初期撹拌経路Csの一部を構成する。
圧力生成部4は、加圧タンク21および負圧タンク24にインク循環のための圧力を生成する。圧力生成部4は、加圧生成室81と、加圧側連通管82と、加圧側大気開放弁83と、加圧側大気開放管84と、加圧側圧力調整弁85と、加圧側圧力調整管86と、加圧側圧力センサ87と、負圧生成室88と、負圧側連通管89と、負圧側大気開放弁90と、大気連通管91と、エアフィルタ92と、負圧側圧力調整弁93と、負圧側圧力調整管94と、負圧側圧力センサ95と、エアポンプ96と、エアポンプ用配管97とを備える。
加圧生成室81は、エアポンプ96から空気が送り込まれて加圧される気室である。加圧生成室81は、加圧側連通管82を介して加圧タンク21に接続されている。
加圧側連通管82は、加圧生成室81と加圧タンク21の空気層31とを連通させる。加圧側連通管82は、一端が加圧生成室81に接続され、他端が加圧タンク21の空気層31に接続されている。
加圧側大気開放弁83は、加圧生成室81を介して加圧タンク21を密閉状態(大気から遮断した状態)と大気開放状態(大気に通じた状態)との間で切り替えるために、加圧側大気開放管84内の空気の流路を開閉する。加圧側大気開放弁83は、加圧側大気開放管84の途中に設けられている。
加圧側大気開放管84は、加圧生成室81を介して加圧タンク21を大気開放するための空気の流路を形成する。加圧側大気開放管84は、一端が加圧生成室81に接続され、他端が大気連通管91に接続されている。
加圧側圧力調整弁85は、加圧生成室81および加圧タンク21の圧力を調整するために、加圧側圧力調整管86内の空気の流路を開閉する。加圧側圧力調整弁85は、加圧側圧力調整管86の途中に設けられている。
加圧側圧力調整管86は、加圧生成室81および加圧タンク21の圧力調整のための空気の流路を形成する。加圧側圧力調整管86は、加圧側大気開放管84および大気連通管91より流路抵抗が大きいパイプからなる。具体的には、加圧側圧力調整管86は、加圧側大気開放管84および大気連通管91より細いパイプからなる。加圧側圧力調整管86は、一端が加圧生成室81に接続され、他端が大気連通管91に接続されている。
加圧側圧力センサ87は、加圧生成室81内の圧力を検出する。加圧生成室81内の圧力は、加圧タンク21内の圧力と等しい。加圧生成室81と加圧タンク21の空気層31とが連通されているためである。
負圧生成室88は、エアポンプ96により空気が吸引されて減圧される気室である。負圧生成室88は、負圧側連通管89を介して負圧タンク24に接続されている。
負圧側連通管89は、負圧生成室88と負圧タンク24の空気層36とを連通させる。負圧側連通管89は、一端が負圧生成室88に接続され、他端が負圧タンク24の空気層36に接続されている。
負圧側大気開放弁90は、負圧生成室88を介して負圧タンク24を密閉状態と大気開放状態との間で切り替えるために、大気連通管91内の空気の流路を開閉する。負圧側大気開放弁90は、大気連通管91の負圧側圧力調整管94が接続された地点と負圧生成室88との間に配置されている。
大気連通管91は、加圧側大気開放管84、加圧側圧力調整管86、負圧生成室88、および負圧側圧力調整管94を大気に連通させるための空気の流路を形成する。大気連通管91は、一端が負圧生成室88に接続され、他端(大気開放端)がエアフィルタ92を介して大気に通じている。大気連通管91には、加圧側大気開放管84、加圧側圧力調整管86、および負圧側圧力調整管94が接続されている。
エアフィルタ92は、大気連通管91への空気中のゴミ等の進入を防止する。エアフィルタ92は、大気連通管91の大気開放端に設置されている。
負圧側圧力調整弁93は、負圧生成室88および負圧タンク24の圧力を調整するために、負圧側圧力調整管94内の空気の流路を開閉する。負圧側圧力調整弁93は、負圧側圧力調整管94の途中に設けられている。
負圧側圧力調整管94は、負圧生成室88および負圧タンク24の圧力調整のための空気の流路を形成する。負圧側圧力調整管94は、加圧側圧力調整管86と同様に、加圧側大気開放管84および大気連通管91より流路抵抗が大きいパイプからなる。負圧側圧力調整管94は、一端が負圧生成室88に接続され、他端が大気連通管91に接続されている。
負圧側圧力センサ95は、負圧生成室88内の圧力を検出する。負圧生成室88内の圧力は、負圧タンク24内の圧力と等しい。負圧生成室88と負圧タンク24の空気層36とが連通されているためである。
エアポンプ96は、負圧生成室88から空気を吸引するとともに、加圧生成室81へ空気を送る。これにより、加圧タンク21に正圧が生成され、負圧タンク24に負圧が生成される。エアポンプ96は、エアポンプ用配管97の途中に設けられている。
エアポンプ用配管97は、エアポンプ96により負圧生成室88から加圧生成室81へ送られる空気の流路を形成する。エアポンプ用配管97は、一端が加圧生成室81に接続され、他端が負圧生成室88に接続されている。
制御部5は、印刷装置1の各部の動作を制御する。制御部5は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えて構成される。
次に、印刷装置1の動作について説明する。
印刷ジョブが入力されると、制御部5は、加圧側大気開放弁83および負圧側大気開放弁90を閉鎖する。これにより、加圧生成室81を介して加圧タンク21が密閉状態となるとともに、負圧生成室88を介して負圧タンク24が密閉状態となる。
ここで、印刷装置1の待機中は、加圧側大気開放弁83および負圧側大気開放弁90は開放され、加圧側圧力調整弁85および負圧側圧力調整弁93は閉鎖されている。また、補給弁53および導入弁56は閉鎖されている。また、切替弁66,67は通常循環設定とされている。
次いで、制御部5は、エアポンプ96の駆動を開始させる。これにより、負圧生成室88および負圧タンク24が減圧され、加圧生成室81および加圧タンク21が加圧される。これにより、加圧タンク21からインクジェットヘッド11を経由して負圧タンク24へ向かうインクの流れが生じ、インク循環が始まる。エアポンプ96の駆動開始後、制御部5は、加圧タンク21および負圧タンク24の圧力がそれぞれの設定圧Pk,Pfに達し、それが維持されるように、加圧側圧力センサ87および負圧側圧力センサ95の検出値に基づき、エアポンプ96の駆動、加圧側圧力調整弁85の開閉、および負圧側圧力調整弁93の開閉を制御する。
設定圧Pk,Pfは、インクを循環させつつインクジェットヘッド11のヘッドモジュール16のノズル圧を適正値にするための圧力値として予め設定されたものである。加圧タンク21の設定圧Pkは正圧であり、負圧タンク24の設定圧Pfは負圧である。
また、制御部5は、撹拌部51によるインクの撹拌動作を開始させる。具体的には、制御部5は、撹拌ポンプ62の駆動を開始させる。これにより、通常撹拌経路Ctに沿ってインクが循環され、撹拌タンク61およびサブタンク52のインクが攪拌される。
加圧タンク21および負圧タンク24の圧力が設定圧Pk,Pfになった後、制御部5は、印刷ジョブの実行を開始する。具体的には、制御部5は、印刷ジョブに基づき、図示しない搬送部により搬送される用紙にインクジェットヘッド11のヘッドモジュール16からインクを吐出させて画像を印刷させる。
印刷動作中は、加圧タンク21からインクジェットヘッド11へインクが供給され、インクジェットヘッド11で消費されなかったインクが負圧タンク24に回収される。加圧タンク液面センサ32がオフになると、制御部5は、加圧タンク液面センサ32がオンになるまで循環ポンプ25を駆動させる。このようにして、インク循環および印刷が行われる。
また、印刷動作中において、補給部3から印刷部2へのインクの補給が行われる。この印刷部2へインクを補給する動作について、図2のフローチャートを参照して説明する。
図2のステップS1において、制御部5は、負圧タンク液面センサ37がオフであるか否かを判断する。負圧タンク液面センサ37がオンであると判断した場合(ステップS1:NO)、制御部5は、ステップS1を繰り返す。
負圧タンク液面センサ37がオフであると判断した場合(ステップS1:YES)、ステップS2において、制御部5は、補給弁53を開放する。これにより、撹拌タンク61からサブタンク52を介して負圧タンク24へインクが供給される。
次いで、ステップS3において、負圧タンク液面センサ37がオンであるか否かを判断する。
負圧タンク液面センサ37がオフであると判断した場合(ステップS3:NO)、ステップS4において、制御部5は、補給弁53を開放してから負圧タンク液面センサ37がオンにならずにタイムアウトしたか否かを判断する。タイムアウトしていないと判断した場合(ステップS4:NO)、制御部5は、ステップS3に戻る。
タイムアウトしたと判断した場合(ステップS4:YES)、ステップS5において、制御部5は、エラー通知を行う。具体的には、制御部5は、エラーが発生したことをユーザに通知する画面を図示しない表示部に表示させる。これにより、一連の処理が終了となる。
ステップS3において、負圧タンク液面センサ37がオンであると判断した場合(ステップS3:YES)、ステップS6において、制御部5は、補給弁53を閉鎖する。これにより、負圧タンク24へのインク供給が停止する。この後、制御部5は、ステップS1に戻る。
印刷ジョブに基づく印刷が終了すると、制御部5は、その時点で図3のフローチャートの処理を終了する。
上述のようにして補給部3から印刷部2に供給されるインクは、補給部3において攪拌されているため、濃度は一定に保たれている。また、印刷部2では、インク循環部12によるインク循環によりインクが攪拌されている。これにより、安定した吐出性能と印刷品質が確保される。
次に、初期撹拌動作について説明する。
印刷動作によりインクが消費されることで、撹拌タンク61内のインクは減少する。それにより撹拌タンク下限センサ75がオフになると、インクカートリッジ55から撹拌タンク61にインクが導入される。初期撹拌動作は、この新たに撹拌タンク61に導入されたインクを撹拌する動作である。インクカートリッジ55内ではMICRインクの磁性体成分が沈殿している可能性があるため、インクカートリッジ55内のすべてのインクが一気に撹拌タンク61に導入され、初期撹拌動作が行われる。
図3は、第1実施形態における初期撹拌動作を説明するためのフローチャートである。図3のフローチャートの処理は、印刷動作が開始されることにより、開始となる。
図3のステップS11において、制御部5は、撹拌タンク下限センサ75がオフであるか否かを判断する。
撹拌タンク下限センサ75がオンであると判断した場合(ステップS11:NO)、ステップS12において、制御部5は、印刷動作中であるか否かを判断する。印刷動作中であると判断した場合(ステップS12:YES)、制御部5は、ステップS11に戻る。
ステップS11において、撹拌タンク下限センサ75がオフであると判断した場合(ステップS11:YES)、ステップS13において、制御部5は、撹拌動作に用いる経路を、通常撹拌経路Ctから初期撹拌経路Csに切り替える。具体的には、制御部5は、切替弁66,67を通常循環設定から初期循環設定に切り替える。
次いで、ステップS14において、制御部5は、導入弁56を開放するとともに、導入ポンプ57の駆動を開始させる。これにより、インクカートリッジ55から導入管58を介して撹拌タンク61へインクが導入され始める。
ここで、撹拌ポンプ62は、前述のように、印刷動作の開始時から駆動されている。このため、インクカートリッジ55から撹拌タンク61へインクが導入されつつ、初期撹拌経路Csに沿ってインクが循環されて撹拌される。
次いで、ステップS15において、制御部5は、撹拌タンク上限センサ74がオンであるか否かを判断する。
撹拌タンク上限センサ74がオフであると判断した場合(ステップS15:NO)、ステップS16において、制御部5は、導入ポンプ57の駆動を開始してから撹拌タンク上限センサ74がオンにならずにタイムアウトしたか否かを判断する。タイムアウトしていないと判断した場合(ステップS16:NO)、制御部5は、ステップS15に戻る。
タイムアウトしたと判断した場合(ステップS16:YES)、ステップS17において、制御部5は、エラー通知を行う。これにより、一連の処理が終了となる。
ステップS15において、撹拌タンク上限センサ74がオンであると判断した場合(ステップS15:YES)、ステップS18において、制御部5は、導入弁56を閉鎖するとともに、導入ポンプ57を停止させる。
ここで、インクカートリッジ55のインクがすべて撹拌タンク61に導入されると、撹拌タンク上限センサ74がオンになるように、撹拌タンク上限センサ74の位置が設定されている。
インクカートリッジ55のインクがすべて撹拌タンク61に導入されて導入ポンプ57が停止した後も、撹拌ポンプ62の駆動は継続されている。これにより、インクが初期撹拌経路Csを循環することで、撹拌タンク61内のインクが撹拌される。
そして、ステップS19において、制御部5は、初期撹拌期間が終了したか否かを判断する。ここで、制御部5は、ステップS14で撹拌タンク61へインクの導入が開始されてから規定時間が経過すると、初期撹拌期間が終了したと判断する。初期撹拌期間が終了していないと判断した場合(ステップS19:NO)、制御部5は、ステップS19を繰り返す。
初期撹拌期間が終了したと判断した場合(ステップS19:YES)、ステップS20において、制御部5は、撹拌動作に用いる経路を、初期撹拌経路Csから通常撹拌経路Ctに切り替える。具体的には、制御部5は、切替弁66,67を初期循環設定から通常循環設定に切り替える。これにより、初期撹拌動作が終了し、通常撹拌経路Ctを用いた通常の撹拌動作に移行する。この後、制御部5は、ステップS1に戻る。
ステップS12において、印刷動作中ではないと判断した場合(ステップS12:NO)、ステップS21において、制御部5は、撹拌ポンプ62を停止させる。これにより、撹拌動作が終了し、一連の処理が終了となる。
上述のように、初期撹拌期間では、初期撹拌経路Csでインクの撹拌が行われ、撹拌タンク61とサブタンク52とが分離されているため、撹拌タンク61からサブタンク52を介した印刷部2へのインクの供給は停止されている。初期撹拌期間中は、撹拌タンク61から分離されたサブタンク52に貯留されたインクが印刷部2に供給されることで、印刷可能になっている。すなわち、初期撹拌期間中は、印刷部2は、サブタンク52に貯留されたインクを使用して印刷を行う。
初期撹拌期間以外の印刷動作中は、通常撹拌経路Ctによりインクの撹拌が行われつつ、撹拌タンク61からサブタンク52を介して印刷部2にインクが供給される。
以上説明したように、印刷装置1は、初期撹拌期間中における印刷部2による印刷に使用するためのインクを貯留するサブタンク52を備える。これにより、初期撹拌期間中でも印刷動作を行うことが可能であるので、生産性の低下を抑制できる。
具体的には、印刷装置1では、撹拌部51は、インクカートリッジから撹拌タンク61に新たなインクが導入されると、初期撹拌経路Csによりインクの撹拌を行う。そして、印刷部2は、初期撹拌期間中において、サブタンク52に貯留されたインクを使用して印刷を行う。これにより、初期撹拌期間中の印刷動作を実現できる。
[第2実施形態]
次に、上述した第1実施形態の一部を変更した第2実施形態について説明する。図4は、第2実施形態に係る印刷装置の概略構成図である。
図4に示すように、第2実施形態に係る印刷装置1Aは、上述した第1実施形態の印刷装置1の印刷部2を印刷部2Aに置き換え、補給部3を補給部3Aに置き換えた構成である。
印刷部2Aは、第1実施形態の印刷部2のインク循環部12をインク循環部12Aに置き換えた構成である。
インク循環部12Aは、第1実施形態のインク循環部12の負圧タンク液面センサ37を省略し、負圧タンク上限センサ101および負圧タンク下限センサ102を設けた構成である。
負圧タンク上限センサ101は、負圧タンク24内のインクの液面高さが所定の上限高さに達しているか否かを検出する。負圧タンク上限センサ101は、負圧タンク24内の液面高さが上限高さ以上である場合に「オン」を示す信号を出力し、上限高さ未満である場合に「オフ」を示す信号を出力する。
負圧タンク下限センサ102は、負圧タンク24内のインクの液面高さが、上限高さより低い所定の下限高さに達しているか否かを検出する。負圧タンク下限センサ102は、負圧タンク24内の液面高さが下限高さ以上である場合に「オン」を示す信号を出力し、下限高さ未満である場合に「オフ」を示す信号を出力する。
印刷装置1Aでは、負圧タンク24は、後述する撹拌部51Aにおいて撹拌タンク61へのインクの導入および初期撹拌動作が行われている初期撹拌期間中における印刷部2による印刷に使用するためのインクを貯留する。これにより、インク循環部12Aのインク循環経路が、初期撹拌期間中における印刷部2による印刷に使用するためのインクを貯留する貯留部としての機能を有する。負圧タンク24は、液面高さが上限高さのときのインク量と、液面高さが下限高さのときのインク量との差分のインク量が、初期撹拌期間における印刷で想定される最大のインク使用量以上となるように構成されている。
補給部3Aは、第1実施形態の補給部3の撹拌部51を撹拌部51Aに置き換え、サブタンク52、補給弁53、補給管54、導入ポンプ57、および導入管58を省略した構成である。
撹拌部51Aは、第1実施形態の撹拌部51に対し、撹拌循環管63~65を撹拌循環管111,112に置き換え、切替弁66,67を省略し、循環弁113、補給弁114、および補給管115を設けた構成である。
撹拌循環管111は、撹拌タンク61内のインクを撹拌するための撹拌経路の一部を形成するとともに、撹拌タンク61とインクカートリッジ55とを接続する。
撹拌循環管111の撹拌循環管112が接続された地点と撹拌タンク61との間に、撹拌ポンプ62が配置されている。印刷装置1Aでは、撹拌ポンプ62は、インクカートリッジ55から撹拌タンク61へインクを送液するためにも用いられる。
また、撹拌循環管111の撹拌循環管112が接続された地点とインクカートリッジ55との間に、導入弁56が配置されている。
撹拌循環管112は、撹拌経路の一部を形成する。撹拌循環管112は、一端が撹拌タンク61に接続され、他端が撹拌循環管111に接続されている。
循環弁113は、撹拌循環管112内のインクの流路を開閉する。循環弁113は、インクカートリッジ55から撹拌タンク61へインクを送液する際、閉鎖される。
補給弁114は、補給管115内のインクの流路を開閉する。負圧タンク24へインクを補給する際、補給弁114が開放される。
補給管115は、撹拌タンク61と負圧タンク24とを接続する。
印刷装置1Aで印刷を行う際、制御部5は、第1実施形態と同様に、圧力生成部4により加圧タンク21および負圧タンク24にインク循環のための圧力を付与してインク循環部12Aでインクを循環させつつ、インクジェットヘッド11からインクを吐出させる。
また、制御部5は、印刷動作中において、撹拌部51Aによるインクの撹拌動作を行わせる。具体的には、制御部5は、循環弁113を開放状態として、撹拌ポンプ62を駆動させる。これにより、撹拌循環管111,112を介してインクが循環し、撹拌タンク61内のインクが撹拌される。
ここで、印刷装置1Aでは、印刷動作中における印刷部2へのインクの補給は、負圧タンク上限センサ101の出力信号に基づいて行われる。この印刷部2へインクを補給する動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。
図5のステップS31において、制御部5は、負圧タンク上限センサ101がオフであるか否かを判断する。負圧タンク上限センサ101がオンであると判断した場合(ステップS31:NO)、制御部5は、ステップS1を繰り返す。
負圧タンク上限センサ101がオフであると判断した場合(ステップS31:YES)、ステップS32において、制御部5は、インク導入フラグがオンであるか否かを判断する。
ここで、インク導入フラグは、インクカートリッジ55から撹拌タンク61へのインクの導入および初期撹拌動作が行われている最中であるか否か、すなわち、初期撹拌期間中であるか否かを示すものである。初期撹拌期間中である場合、インク導入フラグはオンであり、初期撹拌期間中でない場合、インク導入フラグはオフである。
インク導入フラグがオンであると判断した場合(ステップS32:YES)、ステップS33において、制御部5は、負圧タンク下限センサ102がオフであるか否かを判断する。負圧タンク下限センサ102がオンであると判断した場合(ステップS33:NO)、制御部5は、ステップS1へ戻る。
負圧タンク下限センサ102がオフであると判断した場合(ステップS33:NO)、ステップS34において、制御部5は、エラー通知を行う。これにより、一連の処理が終了となる。
ここで、印刷装置1Aでは、初期撹拌期間中は、撹拌部51Aから印刷部2へのインクの供給は行わない。すなわち、インク導入フラグがオンである期間中は、補給弁114は開放されない。このため、初期撹拌期間中に印刷が行われている場合、負圧タンク24内のインクは減少する。
これに対し、前述のように、負圧タンク24は、液面高さが上限高さのときのインク量と、液面高さが下限高さのときのインク量との差分のインク量が、初期撹拌期間における印刷で想定される最大のインク使用量以上となるように構成されている。このため、初期撹拌期間中に印刷が行われても、印刷装置1Aが正常な状態であれば、負圧タンク下限センサ102がオフにはならない。そこで、負圧タンク下限センサ102がオフになった場合、制御部5は、上述のように、エラー通知を行う(ステップS34)。
インク導入フラグがオフであると判断した場合(ステップS32:NO)、ステップS35において、制御部5は、補給弁114を開放する。これにより、撹拌タンク61から印刷部2へインクが供給され始める。
次いで、ステップS36において、制御部5は、撹拌タンク下限センサ75がオンであるか否かを判断する。
撹拌タンク下限センサ75がオンであると判断した場合(ステップS36:YES)、ステップS37において、制御部5は、負圧タンク上限センサ101がオンであるか否かを判断する。負圧タンク上限センサ101がオフであると判断した場合(ステップS37:NO)、制御部5は、ステップS36に戻る。
負圧タンク上限センサ101がオンであると判断した場合(ステップS37:YES)、ステップS38において、制御部5は、補給弁114を開放する。これにより、撹拌タンク61から印刷部2へのインクの供給が停止する。この後、制御部5は、ステップS31に戻る。
ステップS36において、撹拌タンク下限センサ75がオフであると判断した場合(ステップS36:NO)、ステップS39において、制御部5は、インク導入フラグをオンにする。これにより、後述するように、インクカートリッジ55から撹拌タンク61へのインクの導入が開始される。
次いで、ステップS40において、制御部5は、負圧タンク上限センサ101がオンであるか否かを判断する。負圧タンク上限センサ101がオフであると判断した場合(ステップS40:NO)、制御部5は、ステップS40を繰り返す。
負圧タンク上限センサ101がオンであると判断した場合(ステップS40:YES)、ステップS38において、制御部5は、補給弁114を開放する。これにより、撹拌タンク61から印刷部2へのインクの供給が停止する。この後、制御部5は、ステップS31に戻る。
印刷ジョブに基づく印刷が終了すると、制御部5は、その時点で図5のフローチャートの処理を終了する。
次に、初期撹拌動作について説明する。
図6は、第2実施形態における初期撹拌動作を説明するためのフローチャートである。図6のフローチャートの処理は、印刷動作が開始されることにより、開始となる。
図6のステップS51において、制御部5は、インク導入フラグがオンであるか否かを判断する。
インク導入フラグがオフであると判断した場合(ステップS51:NO)、ステップS52において、制御部5は、印刷動作中であるか否かを判断する。印刷動作中であると判断した場合(ステップS52:YES)、制御部5は、ステップS51に戻る。
インク導入フラグがオンであると判断した場合(ステップS51:YES)、ステップS53において、制御部5は、循環弁113を閉鎖する。これにより、撹拌部51Aにおける撹拌動作が停止する。
次いで、ステップS54において、制御部5は、導入弁56を開放する。これにより、インクカートリッジ55から撹拌循環管111を介して撹拌タンク61へインクが導入され始める。
次いで、ステップS55において、制御部5は、撹拌タンク上限センサ74がオンであるか否かを判断する。
撹拌タンク上限センサ74がオフであると判断した場合(ステップS55:NO)、ステップS16において、制御部5は、導入弁56を開放してから撹拌タンク上限センサ74がオンにならずにタイムアウトしたか否かを判断する。タイムアウトしていないと判断した場合(ステップS56:NO)、制御部5は、ステップS55に戻る。
タイムアウトしたと判断した場合(ステップS56:YES)、ステップS57において、制御部5は、エラー通知を行う。これにより、一連の処理が終了となる。
ステップS55において、撹拌タンク上限センサ74がオンであると判断した場合(ステップS55:YES)、ステップS58において、制御部5は、導入弁56を閉鎖する。
次いで、ステップS59において、制御部5は、循環弁113を開放する。これにより、撹拌部51Aにおける撹拌動作が再開される。この撹拌動作が、撹拌タンク61にインクカートリッジ55から新たに導入されたインクを撹拌する初期撹拌動作になる。
次いで、ステップS60において、制御部5は、初期撹拌期間が終了したか否かを判断する。ここで、制御部5は、ステップS59で循環弁113が開放されてから規定時間が経過すると、初期撹拌期間が終了したと判断する。初期撹拌期間が終了していないと判断した場合(ステップS60:NO)、制御部5は、ステップS60を繰り返す。
初期撹拌期間が終了したと判断した場合(ステップS60:YES)、ステップS61において、制御部5は、インク導入フラグをオフとする。この後、制御部5は、ステップS51に戻る。
ステップS52において、印刷動作中ではないと判断した場合(ステップS52:NO)、ステップS62において、制御部5は、撹拌ポンプ62を停止させる。これにより、撹拌動作が終了し、一連の処理が終了となる。
以上説明したように、印刷装置1Aでは、初期撹拌期間中における印刷部2による印刷に使用するためのインクを負圧タンク24が貯留している。これにより、初期撹拌期間中でも印刷動作を行うことが可能であるので、生産性の低下を抑制できる。
また、インク循環部12Aにおける循環経路上の負圧タンク24に、初期撹拌期間中における印刷部2による印刷に使用するためのインクを貯留しているので、第1実施形態におけるサブタンク52が不要である。これにより、装置構成の複雑化を抑えつつ、初期撹拌期間中に印刷動作を行うことを実現できる。
[その他の実施形態]
上述のように、本発明は第1および第2実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
上述した第1および第2実施形態では、磁性体を含むMICRインクを用いたが、撹拌が必要な他の種類のインクでもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
[付記]
本出願は、以下の発明を開示する。
(付記1)
印刷部と、
インクを撹拌しつつ前記印刷部にインクを供給するものであり、印刷動作中に新たなインクが導入されると前記印刷部へのインクの供給を停止してインクの撹拌を行う撹拌部と、
前記撹拌部が前記印刷部へのインクの供給を停止して新たなインクの導入および導入されたインクの撹拌を行っている初期撹拌期間中における前記印刷部による印刷に使用するためのインクを貯留する貯留部と
を備えることを特徴とする印刷装置。
(付記2)
前記撹拌部は、
前記貯留部を経由してインクを循環させつつ撹拌するための第1経路と、
前記貯留部を経由せずにインクを循環させつつ撹拌するための第2経路とを備え、
前記初期撹拌期間以外の印刷動作中は、前記第1経路によりインクの撹拌を行いつつ前記印刷部にインクを供給し、
前記初期撹拌期間中は、前記印刷部へのインクの供給を停止して前記第2経路によりインクの撹拌を行い、
前記印刷部は、前記初期撹拌期間中において、前記貯留部に貯留されたインクを使用して印刷を行うことを特徴とする付記1に記載の印刷装置。
(付記3)
前記印刷部は、循環経路に沿ってインクを循環させつつ印刷を行うものであり、
前記循環経路が前記貯留部であることを特徴とする付記1に記載の印刷装置。