JP2006021369A - 画質を向上させたインクジェット式記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インクカートリッジ内のインク残量に依存せずに適切なインク補給を可能にして記録画質の低下を防止したインクジェット式記録装置を提供する。
【解決手段】 キャリッジに搭載されたインクジェット用の記録ヘッド7と、記録ヘッドにインク補給路10を介してインク補給を行い本体に着脱可能なインクタンク9と、インクタンク9を加圧する加圧ポンプ21とを有するインクジェット式記録装置において、インクの消費に伴ってインク残量が記録されるインク残量メモリ38と、当該インク残量が第1の残量の時は、インクタンク9内の圧力を第1の圧力に加圧するよう加圧ポンプ21を駆動制御し、インク残量が第1の残量より少ない第2の残量の時は、インクタンク9内の圧力を第1の圧力より高い第2の圧力に加圧するよう加圧ポンプ21を駆動制御する制御手段40を有する。
【選択図】 図2
【解決手段】 キャリッジに搭載されたインクジェット用の記録ヘッド7と、記録ヘッドにインク補給路10を介してインク補給を行い本体に着脱可能なインクタンク9と、インクタンク9を加圧する加圧ポンプ21とを有するインクジェット式記録装置において、インクの消費に伴ってインク残量が記録されるインク残量メモリ38と、当該インク残量が第1の残量の時は、インクタンク9内の圧力を第1の圧力に加圧するよう加圧ポンプ21を駆動制御し、インク残量が第1の残量より少ない第2の残量の時は、インクタンク9内の圧力を第1の圧力より高い第2の圧力に加圧するよう加圧ポンプ21を駆動制御する制御手段40を有する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、インクジェット式の記録装置に関し、特に、インクタンク内のインクの量に応じてインクタンク圧力を制御することで画質を向上させたインクジェット式記録装置に関する。
インクジェット式記録装置は、記録用紙の幅方向に移動するキャリッジに記録ヘッドを搭載し、記録ヘッドから記録用紙にインクを吐出して記録用紙に所定の画像を印刷する。また、記録ヘッドはCMYKなど複数色のインクを吐出し、その吐出割合を制御することでカラー印刷を行う。
かかるインクジェット式記録装置において、業務用に提供される装置では、ポスターなどの大きなサイズの印刷や、大量の印刷を可能にするため、大容量のインクカートリッジを装着する必要がある。このため、インクカートリッジであるメインのインクタンクを装置本体側に装着可能にし、記録ヘッドが搭載されたキャリッジのサブタンクにメインタンクからのインクを補給するよう構成される。つまり、インクカートリッジであるメインタンクとキャリッジ上のサブタンクとをインク補給チューブで接続し、サブタンクから記録ヘッドにインクを補給する。
したがって、メインタンクからキャリッジ上のサブタンクに適切にインクを補給する必要があり、メインタンク内のインクを送り出すためにメインタンクに加圧ポンプが取り付けられる。例えば、特許文献1に記載されるとおりである。
特許文献1に記載されたインクジェット式記録装置のうち、特に業務用の記録装置では、インク補給チューブが長くなり且つインクの消費量も多いので、インク補給量不足を解消するために、メインタンクに加圧ポンプを設けている。そして、メインタンクに加圧ポンプから空気圧を印加してメインタンクからサブタンクに向けて強制的なインク流を発生させ、インク補給量不足を解消している。そして、メインタンク内の圧力を適切な圧力に保つために、圧力センサを設け、その圧力が一定になるように加圧ポンプを間欠駆動させている。
特開2001−253085号公報
上記従来のインクジェット式記録装置では、インクカートリッジであるメインタンク内の加圧圧力がほぼ一定に保たれるように加圧ポンプが間欠駆動される。つまり、インクの消費に伴ってインクの補給が必要になるが、インクが消費されるとメインタンク内の圧力が低下するので、それを圧力センサで検出して加圧ポンプを駆動し、メインタンク内圧力をほぼ一定に保っている。
しかしながら、インクカートリッジであるメインタンクからのインク流出量は、インク残量に応じて変化することが判明した。具体的には、インク残量が少なくなると、インク残量が多いときのインク流出量に比較して、インク流出量が少なくなる。特に、インクカートリッジ内のインク残量が残り少なくなると同じ加圧制御を行っても充分なインク量を補給することができなくなり、記録画質が低下する傾向にある。
そこで、本発明の目的は、インクカートリッジ内のインク残量に依存せずに適切なインク補給を可能にして記録画質の低下を防止したインクジェット式記録装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面では、キャリッジに搭載されたインクジェット用の記録ヘッドと、前記記録ヘッドにインク補給路を介してインク補給を行い本体に着脱可能なインクタンクと、前記インクタンクを加圧する加圧ポンプとを有するインクジェット式記録装置において、インクの消費に伴ってインク残量が記録されるインク残量メモリと、当該インク残量が第1の残量の時は、前記インクタンク内の圧力を第1の圧力に加圧するよう前記加圧ポンプを駆動制御し、前記インク残量が前記第1の残量より少ない第2の残量の時は、前記インクタンク内の圧力を前記第1の圧力より高い第2の圧力に加圧するよう前記加圧ポンプを駆動制御する制御手段を有する。
上記の発明の側面において、好ましい実施例によれば、インクタンク内の圧力が所定の基準値を超えたか否かを検出する圧力センサを有し、前記制御手段は、前記加圧ポンプを駆動中に圧力センサがインクタンク内圧力が基準値を超えたことを検出してから当該加圧ポンプを停止するまでの加圧停止タイムラグと、前記加圧ポンプを停止中に圧力センサがインクタンク内圧力が基準値より低下したことを検出してから当該加圧ポンプを駆動開始するまでの加圧開始タイムラグとのいずれか一方の長さまたは両方の長さを、前記インク残量に応じて制御する。より好ましくは、加圧停止タイムラグと加圧開始タイムラグの両方を組み合わせて制御する。これにより、インクタンク内圧力の制御幅を広くすることができる。
更に、上記の発明の側面において、好ましい実施例によれば、前記のインクタンクは、複数の色に対応して複数有し、当該複数のインクタンクに共通に加圧タンクが設けられ、更に、前記インク残量メモリには前記インクタンク毎のインク残量が記録され、前記制御手段は、複数のインクタンクのインク残量のうち最小インク残量に応じて、前記加圧ポンプを駆動制御する。
上記の目的を達成するために、本発明の第2の側面では、インクジェット式記録装置において、キャリッジに搭載されたインクジェット用の記録ヘッドと、前記記録ヘッドにインク補給路を介してインク補給を行い本体に着脱可能なインクタンクと、前記インクタンクを加圧する加圧ポンプと、インクの消費に伴ってインク残量が記録されるインク残量メモリと、前記加圧ポンプを間欠的に駆動制御を行い、当該インク残量が第1の残量の時は、前記加圧ポンプの駆動継続時間を第1の長さに制御し、前記インク残量が前記第1の残量より少ない第2の残量の時は、前記加圧ポンプの駆動継続時間を前記第1の長さよりも長い第2の長さに制御する制御手段とを有する。これにより、インク残量が少なくなると、インクタンク内圧力が適切な圧力に制御される。
上記の目的を達成するために、本発明の第3の側面では、インクジェット式記録装置において、キャリッジに搭載されたインクジェット用の記録ヘッドと、前記記録ヘッドにインク補給路を介してインク補給を行い本体に着脱可能なインクタンクと、前記インクタンクを加圧する加圧ポンプと、インクの消費に伴ってインク残量が記録されるインク残量メモリと、前記インクタンク内の圧力が所定の基準値を超えたか否かを検出する圧力センサと、前記圧力センサの検出出力に応じて、前記加圧ポンプを駆動制御する制御手段とを有し、当該制御手段は、前記加圧ポンプを駆動中に前記圧力センサが前記インクタンク内の圧力が基準値を超えたことを検出してから当該加圧ポンプを停止するまでの加圧停止タイムラグを、前記インク残量が第1の残量の時よりも、前記インク残量が前記第1の残量より少ない第2の残量の時のほうが、より長くなるよう制御する。これにより、インク残量が少なくなると、インクタンク内圧力が適切な圧力に制御される。
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
図1は、本実施の形態におけるインクジェット式記録装置の上面図である。装置本体28には、印刷用紙の幅方向(主走査方向)に移動するキャリッジ1と、装置本体28のカートリッジホルダ8に着脱可能に取り付けられるインクカートリッジとしてのメインタンク9a、9b、9c、9dとを有する。キャリッジ1は、キャリッジモータ2により駆動されるタイミングベルト3を介して、走査ガイド部材4に沿って主走査方向に移動する。また、図示しない記録用紙は、用紙送り部材5により印刷用紙の高さ方向(副走査方向)に送られる。
更に、メインタンク9a〜9dに対して、メインタンク内を加圧する加圧ポンプ21と、不測の事態でメインタンク内が過剰に加圧されることを防止する圧力開放弁22と、メインタンク内圧力を検出する圧力センサ23とが設けられ、加圧ポンプ21と各メインタンク9a〜9dとは加圧経路27を介して接続されている。そして、メインタンク9a〜9dは、それぞれインク補給路である補給チューブ10を介して、キャリッジ1に搭載されたサブタンク7a〜7dに接続される。キャリッジ1には図示しないインクジェット用記録ヘッドが設けられ、サブタンク内のインクが記録ヘッドにより吐出され記録用紙上に印刷される。さらに、キャリッジ1の記録ヘッドは、ホームポジションに戻ったときに、キャップ11によりインクノズルを封じされその乾燥が防止され、吸引部11aによりインクノズルからインクを吸引されてクリーニングされる。また、補給チューブ10はメインタンク9a〜9dとはバルブ26を介して接続される。
大型の記録装置の場合、キャリッジ1の移動距離が大きくなり、それに伴ってインク補給チューブ10の長さも長くなる。したがって、加圧ポンプ21によりメインタンクを加圧することで、メインタンク9a〜9dからサブタンク7a〜7dに不足することなくインクを補給する。
図2は、本実施の形態におけるメインインクタンクへの加圧制御を説明する図である。インクカートリッジであるメインインクタンク9は、インク補給チューブ10を介してサブタンク30に接続され、制御ユニット40からのヘッド駆動信号HDRに応じてサブタンク30内のインクが記録ヘッド7のノズルから吐出される。このヘッド駆動信号HDRは、印刷データに対応して生成される信号であり、その信号によって記録ヘッド7内の例えば圧電素子が駆動され各ノズルからインクが吐出される。メインタンク9は、気密状態にされた外枠34内にインクを封入した可じょう性素材により形成されたインクパック32が収納されている。そして、外枠34とインクパック32との間には空間からなる圧力室36が形成され、加圧ポンプ21から加圧することによりこの圧力室36を加圧することで、インクパック32内のインクが、インク補充チューブ10を介してキャリッジ上のサブタンク30に供給される。
インクタンク9には、圧力室36内の圧力を測定する圧力センサ23が設けられている。この圧力センサ23は、例えばメインタンク内の圧力室36の圧力が所定の基準圧力を超えたか否かを検出し、オン・オフの2値の出力Poutを出力するものである。或いは、圧力センサ23は、2つの基準圧力が設定可能であり、その2つの基準圧力の一方を超えたか否か、他方を超えたか否かの出力を生成するものでもよい。圧力ポンプ21は、例えばDCモータMOTにより駆動され、メインタンク内の圧力室36に空気を供給することで、圧力室36内を加圧する。
制御ユニット40は、例えばマイクロプロセッサまたはマイクロコンピュータにより構成され、印刷データに対応する記録ヘッドを駆動する駆動信号HDRを生成する。また、制御ユニット40は、この駆動信号HDRを生成する段階で消費インク量を演算し、各インクカートリッジ内のインク残量を演算し、不揮発性メモリからなるインク残量メモリ38内にそのインク残量を記録する。そして、制御ユニット40は、一定のサンプリング間隔で圧力センサ23の検出出力Poutを監視し、圧力センサ23の検出出力Poutからメインタンク内の圧力の低下を検出すると、ポンプ駆動信号PDRによりポンプモータMOTを駆動して、加圧ポンプ21による加圧を開始する。一方、制御ユニット40は、圧力センサ23からの検出出力Poutからメインタンク内の圧力の上昇を検出すると、ポンプ駆動信号PDRをオフにしてポンプモータMOTを停止し、加圧ポンプ21による加圧を停止する。これにより、制御ユニット40は、メインタンク内の圧力を所定の基準値近傍に保って、メインタンク9から適量のインクがキャリッジ上のサブタンクに補給されるようにする。
図3は、本実施の形態における加圧制御を説明する図である。図3(A)は、メインタンク内のインク残量が比較的多い場合であり、図3(B)は、メインタンク内のインク残量が比較的少ない場合である。記録ヘッドからインクが吐出されることによりインクが消費されると、それに伴ってメインタンク9からサブタンク30にインクが補給される。このインク補給により、インクパック32の容積が減少し、圧力室36の容積が増大する。したがって、圧力室への加圧がないと、圧力室内の圧力は低下することになる。
そこで、本実施の形態では、インク消費に伴ってメインタンクの圧力室36の容積が増大すると、その圧力低下が圧力センサ23により検出され、それに応答して、加圧ポンプが加圧を開始し圧力室36の圧力を上昇させる。加圧ポンプによる加圧を一定時間行って圧力室の圧力を上昇させると加圧ポンプを停止させ、インク消費に応じた圧力室36の圧力低下を監視する。このように、圧力室36の圧力低下に応答して、加圧ポンプによる加圧駆動を間欠的におこなって、加圧ポンプ駆動によるノイズの発生時間を少なくしている。
図3(A)のようにインク残量が比較的多い場合にメインタンクから流出するインク量は、比較的多く、図3(B)のようにインク残量が比較的少ない場合にメインタンクから流出するインク量は、比較的少ない。この理由は、インク残量が少なくなると、可じょう性材料からなるインクパック32の形状がインク残量が多い場合の楕円球の形状とは異なりつぶれた形状になり、圧力室36による加圧に対するインク補給量の効率が低下し、インク残量が多いときに比較すると充分なインク量を補給できないことが一つの理由と思われる。従って、加圧室の圧力が同じであっても、インク残量が少ない場合のほうが補給されるインク量が少なくなる傾向にある。
更に、インク残量が低下すると圧力室36の容積が増加し、同じ時間だけ加圧ポンプによる加圧駆動を行っても、圧力室の圧力の回復レベルが低下し、相対的に補給されるインク量が少なくなることも考えられる。
そこで、本実施の形態では、メインインクタンク内のインク残量に依存することなく常に適切なインク補充量を確保するために、インク残量が少なくなると、メインタンク内の圧力を、インク残量が多い場合に比較して、高くするように加圧ポンプの制御を行う。つまり、図3(A)の状態でインクタンク内圧力をP1に保つように制御し、図3(B)の状態では、インクタンク内圧力をP1より高いP2(>P1)に保つように制御する。このように圧力ポンプを駆動制御することで、インク残量が少なくなっても、メインタンク9からサブタンク6に適切なインク量のインク補充が担保される。その結果、記録ヘッドから吐出されるインクの液滴サイズを所望の設計値に保って印刷を行うことができ、印刷画質の低下を防止することができる。
図4は、本実施の形態におけるメインタンクの加圧制御を説明する図である。横軸が時間、縦軸がメインタンク内の圧力である。また、図中、圧力センサ出力Poutと、加圧ポンプのモータ制御信号PDRが示されている。これらは、Hレベルがオン状態、Lレベルがオフ状態をそれぞれ示す。図4の加圧制御は、メインタンク内のインク残量が比較的多い場合の例である。
図中、時間t0で加圧ポンプのモータ制御信号PDRがオン状態にされ加圧ポンプによりメインタンク内の圧力が上昇する。時間t1で圧力センサがメインタンク内圧力が基準圧力P0を超えたことを検出すると、検出出力Poutがオン状態になる。但し、制御ユニット40は、この検出出力Poutのオン状態の検出から加圧停止タイムラグT1の期間、加圧ポンプのモータ駆動を継続し、加圧停止タイムラグT1の期間経過後の時間t2で加圧ポンプのモータ駆動を停止する。加圧停止に伴い、メインタンク内の圧力は、記録ヘッドからのインク消費の進捗に伴って徐々に下降する。そして、時間t3で圧力センサがメインタンク内圧力が基準圧力P0より低くなったことを検出すると、検出出力Poutがオフ状態になる。但し、制御ユニット40は、この検出出力Poutのオフ状態の検出から加圧開始タイムラグT2の期間、加圧ポンプのモータ駆動の開始を行わないで、加圧開始タイムラグT2の期間経過後の時間t4で加圧ポンプのモータ駆動を開始する。それにより、メインタンク内の圧力が上昇する。
このように、制御ユニット40は、所定のサンプリング間隔で圧力センサの検出出力Poutを監視し、加圧ポンプ駆動中(加圧中)に検出出力Poutがオンになってから、加圧停止タイムラグT1後に加圧ポンプのモータを停止し、加圧ポンプ停止中(圧力低下中)に検出出力Poutがオフになってから、加圧開始タイムラグT2後に加圧ポンプのモータを駆動開始する。その結果、加圧ポンプのモータは間欠的に駆動し、メインタンク内の圧力は、図示されるように基準圧力P0の上下を変動することになる。図4の例では、平均圧力Paは、基準圧力P0とほぼ同じに維持される。
図5も、本実施の形態におけるメインタンクの加圧制御を説明する図である。図5と同様の図であり、この加圧制御は、メインタンク内のインク残量が比較的少ない場合の例である。制御ユニット40は、インク残量をインク残量メモリ38内に維持している。そして、インク残量が少なくなると、加圧停止タイムラグT1と加圧開始タイムラグT2のいずれか一方、または両方を可変制御して、メインタンク内の圧力が図4よりも高くなるように制御する。図5の例は、加圧停止タイムラグT1と加圧開始タイムラグT2の両方を、図4の場合よりも長くなるように制御する。
その結果、時間t1でメインタンク内圧力が基準圧力P0を超えた後、より長い期間T1の間、加圧ポンプのモータ駆動を継続し、時間t2で停止する。これにより、メインタンク内圧力はより高い最大値に制御される。また、時間t3でメインタンク内圧力が基準圧力P0より低くなった後、より短い期間T2の間、加圧ポンプのモータ停止状態を継続し、時間t4で駆動開始する。これにより、メインタンク内圧力はより高い最小値に制御される。それにより、平均的な圧力Paは、基準圧力P0よりも高く制御される。
上記の実施の形態では、圧力センサが一つの基準値P0より高いか否かのみを検出するだけの簡単なものであり、低コスト化されている。そして、加圧中においては加圧停止タイムラグT1を長くすることで、或いは、圧力下降中においては加圧開始タイムラグT2を短くすることで、メインタンク内圧力の平均値Paをより高く制御することができる。両タイムラグT1,T2を制御することで、メインタンク内圧力の平均値Paをより広いレンジにわたって制御することができる。
図6は、本実施の形態における制御ユニットの加圧ポンプ制御のフローチャート図である。最初に、電源オンに伴って加圧ポンプのモータ駆動を開始し、メインタンクの加圧を開始する(S10)。そして、制御ユニット40は、インク残量メモリ38のインク残量をチェックし、インク残量に応じた加圧停止タイムラグT1と加圧開始タイムラグT2を設定する(S12)。インク残量が比較的多い場合は、それぞれのタイムラグT1,T2をそれぞれ短く及び長く設定し、インク残量が比較的少ない場合は、タイムラグT1を長く,またはタイムラグT2を短く、またはタイムラグT1,T2をそれぞれ長く及び短く設定する。
制御ユニット40は、例えば0.5秒のサンプリング時間経過するたびに(S14)、圧力センサの検出出力Poutをチェックし、加圧中(加圧ポンプ駆動中)で検出出力Poutがオンになったか否か(S16)、圧力低下中(加圧ポンプ停止中)で検出出力Poutがオフになったか否か(S22)をチェックする。電源オン後は加圧中であるので、制御ユニット40は、加圧中で検出出力Poutがオンになるまで検出出力を監視する。図4,5における時間t1で加圧中で検出出力Poutがオンになったことを検出すると、制御ユニット40は、設定された加圧停止タイムラグT1経過するのを待って(S18)、加圧ポンプのモータ駆動を停止し、メインタンクへの加圧を停止する(S20)。
メインタンクへの加圧が停止すると、図4,5に示されるように、インク消費にしたがいメインタンク内の圧力が低下する。制御ユニット40は、加圧停止中で圧力センサの検出出力Poutがオフになったことを検出すると(S22)、設定された加圧開始タイムラグT2経過するのを待って(S24)、加圧ポンプのモータ駆動を開始し、メインタンクへの加圧を開始する(S26)。
以上のように、加圧ポンプによる加圧駆動と加圧停止とが繰り返し行われる。そして、インク残量に応じて設定された加圧停止タイムラグT1と加圧開始タイムラグT2により、メインタンク内の圧力が所望の値に制御される。
上記の実施例では、インク残量が少なくなると、加圧停止タイムラグT1を長くするか、加圧開始タイムラグT2を短くするか、あるいは両方変更するかにより、メインタンク内圧力を上昇させている。例えば、加圧停止タイムラグT1を長く設定するだけでもメインタンク内圧力を高く制御することができる。そして、加圧停止中においてインク消費量が少ない場合は、圧力低下速度が遅いので、加圧開始タイムラグT2の長さはそのままにしてもよく、一方で、加圧停止中においてインク消費量が多い場合は、圧力低下速度が速いので、加圧開始タイムラグT2の長さを短くするようにすることが望ましい。このように、インク残量だけでなく、インク消費量の大小に応じて事前に加圧開始タイムラグT2の長さを制御することで、最低圧力が過剰に低下するのを防止することができる。
図7は、本実施の形態における複数のメインタンクについての加圧を説明する図である。カラー印刷を可能にする場合は、例えばCMYKの4つのインクカートリッジが着脱可能に取り付けられる。また、各色のインクを完全に消費可能にするために、これら複数のインクカートリッジは個別に着脱可能になっている。但し、コスト削減のために、4つのインクカートリッジであるメインタンクに対しては、共通の加圧ポンプ21から加圧経路38を介して加圧するようにしている。それに伴い、圧力センサ23も加圧経路38内の共通に設けられている。したがって、メインタンク9a〜9dの圧力室36a〜36dは、同じ圧力に制御される。
制御ユニット40は、各インクカートリッジ毎にインク残量を演算により維持し、インク残量メモリ38に記録する。そして、複数のインク残量のうち最小値に応じて、インクカートリッジであるメインタンク内の圧力を制御する。つまり、複数のインク残量のうち最小値が比較的少なくなれば、前述の加圧停止タイムラグT1を長くし、加圧開始タイムラグT2を短くして、インクタンク内圧力を高めに制御する。これにより、最もインク残量が少ない色のインク補給が不十分にならないようにすることができる。具体的な加圧ポンプのモータ制御は、図6に示した通りである。
さらに、複数のインクカートリッジが装着されている場合、各色のインク消費量の程度を監視し、全体のインク消費量の合計に応じて、前述の加圧開始タイムラグT2を短くするように制御してもよい。そうすることにより、メインインクタンク内の最小圧力が過剰に低下することが回避される。
上記の実施の形態では、制御ユニット40は、インクカートリッジであるメインインクタンク内の圧力を、インク残量に応じて可変制御し、具体的には、インク残量が少なくなると、メインインクタンク内の圧力を高めるように制御した。しかしながら、制御ユニット40は、メインインクタンク内圧力を高めることができるか否かにかかわらず、インク残量が少なくなると、単に加圧停止タイムラグT1を長くするようにしてもよい。つまり、インク残量が少なくなると、メインタンク内の圧力室の容積が大きくなるので、その大きな容積の圧力低下を基の圧力レベルに引き上げるためには、より長い時間加圧を継続することが必要になる。すなわち、同じ加圧ポンプ能力では、容積が大きくなった圧力室の加圧時の圧力上昇速度が遅くなるので、その分加圧継続時間である加圧停止タイムラグT1を長くすることが望ましい。このように加圧停止タイムラグT1を長くするだけで、インク残量が低下した時のメインタンク内の圧力室の圧力が低下することを回避することができる。
すなわち、最終的には、メインタンク9からサブタンク30へのインク補給量を、インク残量に依存することなく一定に保つことができればよいので、メインタンク内の圧力がいずれであっても、インク補給量が一定に保たれるように、インク残量が低下した時は、圧力ポンプの間欠駆動時間をより長くするように制御すれば良い。つまり、上記の例では、加圧停止タイムラグT1をより長く制御すれば良い。
以上の実施の形態によれば、インクカートリッジであるメインインクタンク内の圧力が、インク残量に応じてまたはインク残量にかかわらず最適な圧力に維持されるので、適量のインクがメインインクタンクからサブタンクに補給され、インクジェットによる印刷画質が低下することが防止される。また、圧力センサの機能を所定の基準圧力を超えたか否かのみを検出するようにしても、加圧停止タイムラグと加圧開始タイムラグの長さを制御することにより、メインインクタンク内の圧力を自在に制御することができる。
7:記録ヘッド、9:メインのインクタンク、10:インク補給路
21:加圧ポンプ、23:圧力センサ、38:インク残量メモリ、40:制御ユニット
21:加圧ポンプ、23:圧力センサ、38:インク残量メモリ、40:制御ユニット
Claims (9)
- キャリッジに搭載されたインクジェット用の記録ヘッドと、
前記記録ヘッドにインク補給路を介してインク補給を行い本体に着脱可能なインクタンクと、
前記インクタンクを加圧する加圧ポンプと、
インクの消費に伴ってインク残量が記録されるインク残量メモリと、
当該インク残量が第1の残量の時は、前記インクタンク内の圧力を第1の圧力に加圧するよう前記加圧ポンプを駆動制御し、前記インク残量が前記第1の残量より少ない第2の残量の時は、前記インクタンク内の圧力を前記第1の圧力より高い第2の圧力に加圧するよう前記加圧ポンプを駆動制御する制御手段とを有することを特徴とするインクジェット式記録装置。 - 請求項1において、
更に、前記インクタンク内の圧力が所定の基準値を超えたか否かを検出する圧力センサを有し、
前記制御手段は、前記加圧ポンプを駆動中に前記圧力センサが前記インクタンク内の圧力が基準値を超えたことを検出してから当該加圧ポンプを停止するまでの加圧停止タイムラグと、前記加圧ポンプを停止中に前記圧力センサが前記インクタンク内の圧力が基準値より低下したことを検出してから当該加圧ポンプを駆動開始するまでの加圧開始タイムラグとのいずれか一方の長さまたは両方の長さを、前記インク残量に応じて制御することを特徴とするインクジェット式記録装置。 - 請求項1において、
前記インクタンクは複数の色に対応して複数装着可能であり、当該複数のインクタンクに共通に前記加圧タンクが設けられ、更に、前記インク残量メモリには前記インクタンク毎のインク残量が記録され、
前記制御手段は、複数のインクタンクのインク残量のうち最小インク残量に応じて、前記加圧ポンプを駆動制御することを特徴とするインクジェット式記録装置。 - 請求項2において、
前記インクタンクは複数の色に対応して複数装着可能であり、当該複数のインクタンクに共通に前記加圧タンクが設けられ、更に、前記インク残量メモリには前記インクタンク毎のインク残量が記録され、
前記制御手段は、複数のインクタンクのインク残量のうち最小インク残量に応じて、前記加圧停止タイムラグ及び加圧開始タイムラグのいずれか一方の長さまたは両方の長さを制御することを特徴とするインクジェット式記録装置。 - 請求項1において、
前記制御手段は、前記加圧開始タイムラグを、第1のインク消費速度の時よりも、当該第1のインク消費速度よりも速い第2のインク消費速度の時に、より短くなるよう制御することを特徴とするインクジェット式記録装置。 - キャリッジに搭載されたインクジェット用の記録ヘッドと、
前記記録ヘッドにインク補給路を介してインク補給を行い本体に着脱可能なインクタンクと、
前記インクタンクを加圧する加圧ポンプと、
インクの消費に伴ってインク残量が記録されるインク残量メモリと、
前記加圧ポンプを間欠的に駆動制御を行い、当該インク残量が第1の残量の時は、前記加圧ポンプの駆動継続時間を第1の長さに制御し、前記インク残量が前記第1の残量より少ない第2の残量の時は、前記加圧ポンプの駆動継続時間を前記第1の長さよりも長い第2の長さに制御する制御手段とを有することを特徴とするインクジェット式記録装置。 - 請求項6において、
更に、前記インクタンク内の圧力が所定の基準値を超えたか否かを検出する圧力センサを有し、
前記制御手段は、前記圧力センサが前記加圧ポンプ停止中に前記基準値より下降したことを検出した後に、前記加圧ポンプの駆動を開始し、当該駆動を前記駆動継続時間継続することを特徴とするインクジェット式記録装置。 - キャリッジに搭載されたインクジェット用の記録ヘッドと、
前記記録ヘッドにインク補給路を介してインク補給を行い本体に着脱可能なインクタンクと、
前記インクタンクを加圧する加圧ポンプと、
インクの消費に伴ってインク残量が記録されるインク残量メモリと、
前記インクタンク内の圧力が所定の基準値を超えたか否かを検出する圧力センサと、
前記圧力センサの検出出力に応じて、前記加圧ポンプを駆動制御する制御手段とを有し、
当該制御手段は、前記加圧ポンプを駆動中に前記圧力センサが前記インクタンク内の圧力が基準値を超えたことを検出してから当該加圧ポンプを停止するまでの加圧停止タイムラグを、前記インク残量が第1の残量の時よりも、前記インク残量が前記第1の残量より少ない第2の残量の時のほうが、より長くなるよう制御することを特徴とするインクジェット式記録装置。 - 請求項8において、
前記制御手段は、前記加圧ポンプを停止中に前記圧力センサが前記インクタンク内の圧力が基準値より低下したことを検出してから当該加圧ポンプを駆動開始するまでの加圧開始タイムラグを、第1のインク消費速度の時よりも、当該第1のインク消費速度よりも速い第2のインク消費速度の時に、より短くなるよう制御することを特徴とするインクジェット式記録装置。
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JP2004200096A JP2006021369A (ja) | 2004-07-07 | 2004-07-07 | 画質を向上させたインクジェット式記録装置 |
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2004
- 2004-07-07 JP JP2004200096A patent/JP2006021369A/ja active Pending
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