JP7111476B2 - 車両用冷却装置 - Google Patents

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Description

本明細書は、自動車のパワーユニット室に配置され、コンデンサおよびラジエータを有した車両用冷却装置を開示する。
自動車の前部には、走行動力を生成するパワーユニット(例えばエンジン、モータ等)が配されるパワーユニット室が設けられている。このパワーユニット室には、パワーユニットの他に、車両用冷却装置も配置されている。車両用冷却装置は、エンジンの冷却液を冷却するラジエータや、エアコン用の高圧冷媒を冷却するコンデンサ等を有する。そして、一般に、コンデンサは、ラジエータよりも低温となるため、ラジエータの車両前方に配置される。
ここで、このコンデンサおよびラジエータの前方に、パワーユニット周辺で生じた熱風が回り込むことを防止するために、コンデンサおよびラジエータの周囲を、エアガイドと呼ばれる部品で囲むことが一部で提案されている。
例えば、特許文献1には、コンデンサおよびラジエータの上方に、上部エアガイドを、側方に側部エアガイドを設けた車両用エアガイドが開示されている。特許文献1において、コンデンサ上面およびラジエータ上面は、同じ高さにあり、上部エアガイドは、この二つの上面に跨って配置される略平板状となっている。かかる上部エアガイドを設けることで、パワーユニット周辺で生じた熱風が、コンデンサ等の前方に回りこむことが防止できる。
特開2008-155739号公報
ところで、コンデンサとラジエータの上面高さは、常に同じとは限らず、ラジエータ上面が、コンデンサ上面より高くなることがある。この場合、上部エアガイドを、特許文献1のように平板状とすると、エアガイドがコンデンサ上面とラジエータ上面とに跨ることができない。
そこで、かかる場合には、上部エアガイドを、コンデンサおよびラジエータの上面高さの差に追従し得る階段状にすることが考えられる。すなわち、エアガイドの途中に高さ方向に立脚する立脚壁を設けることが考えられる。しかし、単純にエアガイドを階段状にした場合、ラジエータの前面の一部が、立脚壁で覆われてしまい、当該一部には外気が当たらない。その結果、ラジエータによる冷却効率が低下するおそれがあった。
そこで、本明細書では、ラジエータによる冷却の効率低下を抑制できる車両用冷却装置を開示する。
本明細書で開示する車両用冷却装置は、ラジエータと、前記ラジエータの前方に配され、その上面が、前記ラジエータ上面より低いコンデンサと、前記ラジエータ上面から前記コンデンサ上面に跨るエアガイドと、を備え、前記エアガイドの本体部は、前記コンデンサ上面に載置される第一ベース面と、前記ラジエータ上面に載置される第二ベース面と、前記第一ベース面と第二ベース面を接続するべく車両高さ方向に延びるとともに、車両前後方向に対して前記ラジエータの前面と対向する立脚壁と、を含み、前記立脚壁には、外気を前記ラジエータに導く導風孔が形成されており、さらに、前記ラジエータ上面および前記コンデンサ上面の上方に、前記両上面と間隙を開けて配されたラジエータサポートを備え、前記エアガイドは、さらに、前記第二ベース面上に設けられ、車幅方向に延びる第一シール体であって、弾性材料からなり、前記本体部と前記ラジエータサポートとの間隙を埋める第一シール体を備える、ことを特徴とする。
かかる構成とすることで、導風孔を介して外気がラジエータ前面に当たるため、ラジエータによる冷却の効率低下を抑制できる。
第一シール体を設けることで、後方から前方に進む熱風が、本体部とラジエータサポートとの間隙を通過することを防止できる。そして、これにより、熱風が、ラジエータおよびコンデンサの前方に回り込むことが防止でき、車両用冷却装置の冷却効率をより向上できる。
また、前記エアガイドは、さらに、前記本体部の車幅方向両端近傍において車両前後方向に延びる第二シール体であって、弾性材料からなり、前記本体部と前記ラジエータサポートとの間隙を埋める第二シール体を備えてもよい。
第二シール体を設けることで、側方から、本体部とラジエータサポートとの間隙に進む熱風を遮断できる。そして、これにより、車両用冷却装置の冷却効率をより向上できる。
また、前記立脚壁には、前記導風孔が車幅方向に間隔を開けて複数形成されており、隣接する導風孔間には、車両前後方向に突出するリブが形成されていてもよい。
かかる構成とすることで、本体部の強度を向上でき、ひいては、導風孔の面積を増加できる。結果として、ラジエータによる冷却の効率をより向上できる。
また、前記立脚壁は、前記第二ベース面の前端から、下方に進むにつれて前方に進むように傾斜していてもよい。
立脚壁を傾斜させることで、当該立脚壁に形成される導風孔の面積をより増加できる。結果として、ラジエータによる冷却の効率をより向上できる。
本明細書で開示した車両用冷却装置によれば、導風孔を介して外気がラジエータ前面に当たるため、ラジエータによる冷却の効率低下を抑制できる。
車両用冷却装置の概略的な分解斜視図である。 エアガイドの斜視図である。 導風孔を通る面での端面図である。 第二シール体を通る面での端面図である。
以下、図面を参照して車両用冷却装置10の構成について説明する。図1は、車両用冷却装置10の概略分解斜視図である。
この車両用冷却装置10は、自動車のパワーユニット室に配置される。パワーユニット室は、車両の前部に設けられる空間であり、走行用動力を生成するパワーユニット(図示せず)が配置される空間である。パワーユニットとしては、エンジン、走行用モータ等が含まれる。これらパワーユニットは、走行用動力を生成する過程で、発熱するため、パワーユニットの周辺には、熱風が生じる。
パワーユニット室の前端面は、フロントバンパで仕切られており、このフロントバンパには、フロントグリルが形成されている(いずれも図示せず)。フロントグリルは、外気を、パワーユニット室に導くための開口部であり、車両幅方向に長尺な範囲に形成された格子孔である。
車両用冷却装置10は、このフロントグリルと、パワーユニットとの間に配置されている。車両用冷却装置10は、少なくとも2つの熱交換器、すなわち、コンデンサ14と、ラジエータ12と、を有している。コンデンサ14は、主に、エアコンに用いられる高圧冷媒を、外気を用いて冷却する熱交換器である。また、ラジエータ12は、主に、エンジンの冷却に用いられる冷却液を、外気を用いて冷却する熱交換器である。
コンデンサ14は、車幅方向に長尺で、車両前後方向に薄い、略直方形となっている。また、ラジエータ12も、コンデンサ14と同様に、車幅方向に長尺で、車両前後方向に薄い、略直方形となっている。コンデンサ14とラジエータ12の車幅方向寸法は、ほぼ同じとなっている。一方、ラジエータ12の高さ寸法は、コンデンサ14の高さ寸法より大きく、ラジエータ12上面は、コンデンサ14上面より高くなっている。
このコンデンサ14およびラジエータ12は、車両前後方向に間隔を開けて並んだ状態で、樹脂等からなるブラケット20により連結される。そして、コンデンサ14およびラジエータ12は、このブラケット20を介して、ラジエータサポート16に取り付けられる。
また、ラジエータ12の後方には、ファンシュラウド18が設けられる。このファンシュラウド18には、ラジエータファン(図示せず)が取り付けられる。そして、このファンシュラウド18も、ブラケット20等を介してラジエータサポート16に取り付けられる。
ラジエータサポート16は、コンデンサ14およびラジエータ12を支持する部材である。このラジエータサポート16の構成は、種々、考えられるが、本例のラジエータサポート16は、コンデンサ14およびラジエータ12の上方および下方に配されるアッパーサポート16uおよびロアサポート16lを有する。図1では、アッパーサポート16uを、簡易的に、平坦な平板として図示しているが、実際のアッパーサポート16uは、図3、図4に示すように、車幅方向に延びるビード17が形成されており、ラジエータ12のほぼ真上に対応する箇所が、他の部位よりも低くなっている。
このアッパーサポート16uと、コンデンサ14上面およびラジエータ12上面との間には、若干の隙間が存在する。本例では、この隙間にエアガイド22を設けている。エアガイド22は、パワーユニット室の熱風が、車両用冷却装置10の前方へ回り込むことを防止するものである。すなわち、車両用冷却装置10の後方には、エンジンやモータのように、駆動に伴い発熱するパワーユニットが配置されている。かかるパワーユニット周辺で生じた熱風が、車両用冷却装置10の前方に回り込むと、コンデンサ14およびラジエータ12の冷却効率が低下する。そこで、本例では、コンデンサ14およびラジエータ12と、アッパーサポート16uとの間に、エアガイド22を設けている。
このエアガイド22の構成について、図2~図4を参照して詳説する。図2は、エアガイド22の斜視図である。図3、図4は、エアガイド22の高さ周辺での端面図であり、図3は、導風孔30を、図4は、第二シール体40を横断する面で切断した端面図である。
エアガイド22は、樹脂等からなる本体部23と、当該本体部23に取り付けられたシール体38,40と、に大別される。本体部23は、コンデンサ14上面とラジエータ12上面との間に跨って延びる部材であり、当該本体部23の車幅方向の寸法は、コンデンサ14およびラジエータ12の車幅方向寸法とほぼ同じとなっている。この本体部23は、さらに、コンデンサ14上面に載置される第一ベース面24と、ラジエータ12上面に載置される第二ベース面26と、当該第一ベース面24および第二ベース面26を接続する立脚壁28と、に大別される。上述したとおり、ラジエータ12上面は、コンデンサ14上面よりも高いため、ラジエータ12上面に載置される第二ベース面26は、コンデンサ14上面に載置される第一ベース面24よりも高い。そして、この第一、第二ベース面26が、立脚壁28により接続されているため、本体部23全体は、階段状形状となっている。
第一ベース面24の車幅方向両端近傍からは、下方に突出する締結部34が形成されている。この締結部34は、ブラケット20に設けられた被締結孔54に挿し込まれ、嵌合される(図1参照)。そして、これにより、エアガイド22が、コンデンサ14に取り付けられる。第二ベース面26の後端は、ファンシュラウド18の上面を覆うカバー部材50に連結されている(図3、図4参照)。すなわち、カバー部材50には、第二ベース面26の後端が挿し込まれる係合孔56が形成されており、第二ベース面26の後端は、この係合孔56に挿し込まれる。
立脚壁28は、第一ベース面24の後端と、第二ベース面26の前端とを接続する部分であり、車両前後方向に対してラジエータ12の前面と対向する。この立脚壁28には、フロントグリルから流入した外気を、ラジエータ12の前面に導く導風孔30が設けられている。この導風孔30は、ラジエータ12の前面にフレッシュエア100を当てるために設けられている。かかる導風孔30を設けることで、より多量のフレッシュエア100がラジエータ12に当たり、ラジエータ12の冷却効率が向上する。なお、導風孔30は、エアガイド22の剛性が維持できる範囲で、出来るだけ大きく、また、多く設けられることが望ましい。
本例では、複数(図示例では5つ)の導風孔30が、車幅方向に間隔を開けて均等に配置されている。各導風孔30は、立脚壁28の上端より僅かに下側位置から、立脚壁28の下端まで広がっている。また、導風孔30の車幅方向寸法は、導風孔30間である繋ぎ部の車幅方向寸法よりも十分に大きく、立脚壁28は、全体として、梯子状となっている。繋ぎ部には、前方に突出し、かつ、立脚壁28の全高さに渡って延びるリブ32が形成されている。かかるリブ32を設けることで、本体部23の強度を向上できる。そして、本体部23の強度が向上することで、導風孔30の面積をより増加でき、ラジエータ12の冷却効率をより向上できる。
また、立脚壁28は、図2から明らかなとおり、第二ベース面26の前端から、下方に進むにつれて前方に進むように傾斜している。このように立脚壁28を傾斜させた場合、立脚壁28を鉛直壁とする場合に比べて、導風孔30の開口面積を大きくでき、ラジエータ12の冷却効率をより向上できる。
本体部23の車幅方向両端には、部分的に盛り上がった端部ビード36が設けられている。この端部ビード36は、第一ベース面24の前端近傍から立脚壁28に沿って延びている。この端部ビード36には、第二シール体40が取り付けられるが、これについては、後述する。
第一シール体38は、第二ベース面26上、すなわち、導風孔30よりも車両後方に設けられている。第一シール体38は、本体部23(第二ベース面26)とアッパーサポート16u(ラジエータサポート)との隙間を埋めてシールするもので、柔軟に変形可能な弾性材料、例えば、スポンジやゴム、ゴム発泡体などからなる。無負荷状態(エアガイド22を組み付ける前)における第一シール体38の高さは、第二ベース面26からアッパーサポート16uまでの距離よりも十分に高い。図3において、細二点鎖線は、無負荷状態における第一シール体38の形状を示している。そして、エアガイド22およびアッパーサポート16uを車両用冷却装置10に組み付けた場合、第一シール体38は、アッパーサポート16uの形状に合わせて柔軟に変形し、アッパーサポート16uと第二ベース面26との間の間隙を確実に埋める。そして、これにより、後方からの熱風110が、当該間隙を通過することを防止でき、コンデンサ14およびラジエータ12の冷却効率を向上できる。
なお、第一シール体38は、図2から明らかなとおり、その車幅方向両端が、前方にせり出すように、上面視で湾曲している。このように湾曲させることで、第一シール体38の倒れ(座屈)が生じにくくなり、シールの信頼性がより向上する。
第二シール体40は、端部ビード36の上面に設けられる。第二シール体40も、第一シール体38と同様に、柔軟に変形可能な弾性材料、例えば、スポンジやゴム、ゴム発泡体などからなる。この第二シール体40も、第一シール体38と同様に、本体部23とアッパーサポート16uとの隙間を埋めてシールする。図4において、細二点鎖線は、無負荷状態における第二シール体40の形状を示している。ただし、第一シール体38は、おもに、車両後方から前方に流れる熱風110を遮断するのに対し、第二シール体40は、車幅方向外側から内側に流れる熱風110を遮断する。そのため、第二シール体40は、端部ビード36と同様に、第一ベース面24の前端近傍から立脚壁28に沿って延びている。この第二シール体40は、図4に示す通り、アッパーサポート16uの底面と本体部23との隙間だけでなく、アッパーサポート16uの前端面と本体部23との隙間も埋める。そして、このように、本体部23の車幅方向両端に、前後方向に延びる第二シール体40を設けることで、横方向からの熱風の回り込みも防止でき、車両用冷却装置10の冷却効率をより向上できる。
なお、これまで説明した構成は、一例であり、少なくとも、エアガイド22の本体部23が、コンデンサ14上面とラジエータ12上面との高さの差を吸収し得る階段状であり、当該本体部23の立脚壁28に、ラジエータ12の前面に外気を導く導風孔30が形成されているのであれば、その他の構成は、適宜、変更されてもよい。したがって、例えば、導風孔30の形状や個数は、適宜変更されてもよく、例えば、導風孔30を、フロントグリルのように、格子状の孔としてもよい。また、十分な大きさの導風孔30を確保しつつ、本体部23の強度が維持できるのであれば、リブ32は無くてもよいし、立脚壁28は、傾斜していなくてもよい。また、熱風の回り込みを防止できるのであれば、第一、第二シール体40の形状や配置は、適宜、変更されてもよい。さらに、上述の説明では、ラジエータ12およびコンデンサ14の上に設けられるエアガイドのみを説明したが、エアガイドは、ラジエータ12等の側方や下方にも設けられてもよい。なお、当然ながら、側方及び下方に設けられるエアガイドは、本明細書で説明したエアガイドとは、異なる形状・構成となる。
10 車両用冷却装置、12 ラジエータ、14 コンデンサ、16u アッパーサポート(ラジエータサポート)、17 ビード、18 ファンシュラウド、20 ブラケット、22 エアガイド、23 本体部、24 第一ベース面、26 第二ベース面、28 立脚壁、30 導風孔、32 リブ、34 締結部、36 端部ビード、38 第一シール体、40 第二シール体、50 カバー部材、54 被締結孔、56 係合孔、100 フレッシュエア、110 熱風。

Claims (4)

  1. ラジエータと、
    前記ラジエータの前方に配され、その上面が、前記ラジエータ上面より低いコンデンサと、
    前記ラジエータ上面から前記コンデンサ上面に跨るエアガイドと、
    を備え、
    前記エアガイドの本体部は、
    前記コンデンサ上面に載置される第一ベース面と、
    前記ラジエータ上面に載置される第二ベース面と、
    前記第一ベース面と第二ベース面を接続するべく車両高さ方向に延びるとともに、車両前後方向に対して前記ラジエータの前面と対向する立脚壁と、
    を含み、前記立脚壁には、外気を前記ラジエータに導く導風孔が形成されており、さらに、
    前記ラジエータ上面および前記コンデンサ上面の上方に、前記両上面と間隙を開けて配されたラジエータサポートを備え、
    前記エアガイドは、さらに、前記第二ベース面上に設けられ、車幅方向に延びる第一シール体であって、弾性材料からなり、前記本体部と前記ラジエータサポートとの間隙を埋める第一シール体を備える、
    ことを特徴とする車両用冷却装置。
  2. 請求項に記載の車両用冷却装置であって、
    前記エアガイドは、さらに、前記本体部の車幅方向両端近傍において車両前後方向に延びる第二シール体であって、弾性材料からなり、前記本体部と前記ラジエータサポートとの間隙を埋める第二シール体を備える、ことを特徴とする車両用冷却装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用冷却装置であって、
    前記立脚壁には、前記導風孔が車幅方向に間隔を開けて複数形成されており、
    隣接する導風孔間には、車両前後方向に突出するリブが形成されている、
    ことを特徴とする車両用冷却装置。
  4. 請求項1からのいずれか1項に記載の車両用冷却装置であって、
    前記立脚壁は、前記第二ベース面の前端から、下方に進むにつれて前方に進むように傾斜している、ことを特徴とする車両用冷却装置。
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