JP7109740B2 - 生タイヤ成形方法およびステッチング装置 - Google Patents

生タイヤ成形方法およびステッチング装置 Download PDF

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Description

本発明は、複数のタイヤ構成部材を貼り付けて生タイヤを成形する生タイヤ成形方法、および、前記生タイヤ成形方法において、複数のタイヤ構成部材を圧着するために使用されるステッチング装置に関する。
空気入りタイヤは、通常、インナーライナー、チェーファー、カーカスプライ、サイドウォール、ベルト、トレッドなど、複数のタイヤ構成部材を、成形ドラムなどの回転支持体上で貼り付け、積層させることにより成形された生タイヤを加硫することにより製造されている。
このとき、タイヤ構成部材間にエアーが残った状態で貼り付けられていると、加硫後の製品タイヤにBL/R(ブロンラバー)やA/Sh(ショルダー部へのエアー巻き込み)などのディフェクト(欠陥)が生じて、品質低下を招く。
そこで、成形されたタイヤ構成部材を十分に冷却することによりエアー残りを低減させた後、タイヤ構成部材を貼り付けることが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2005-359587号公報
しかしながら、上記のような手段を用いて各構成部材のエアー残りを低減させても、タイヤ構成部材を貼り付ける際にはエアーが巻き込まれてしまう恐れがあるため、貼り付けられたタイヤ構成部材同士を押圧して圧着(ステッチング)することにより、タイヤ構成部材間に巻き込まれたエアーを除去する必要があり、従来より、ステッチローラーを用いて、貼り付け面からエアーを排出しながら圧着することが行われている。
図3は、従来のステッチローラーを用いたステッチングを説明する模式的断面図であり、二段階成形法において、1stカバーと2ndカバーとを圧着する場合を示している。図3に示すように、貼り合わされた1stカバー6と2ndカバー7とにおいて、1stカバー6と2ndカバー7の積層体を回転させながら、ステッチローラー15を矢印方向に一定の押圧力で移動させて、2ndカバー7の表面を中央部8から側縁部9に向けて横行させることにより、エアーを排出して1stカバーと2ndカバーとを圧着することができる。
しかしながら、ステッチローラー15は常に一定の樽状形状を有しているため、ステッチング対象のタイヤ構成部材の形状がステッチローラー15の表面形状と合わなくなる(アンマッチ)と、安定したステッチングができず、ステッチングが不十分な箇所にエアー残りが発生したりして、ステッチング不良の不具合が発生し、やはり、上記したディフェクトの発生を招く恐れがある。
このような不具合の発生は、ステッチローラーの横行スピードを遅くすることにより、抑制することができるが、今度は、成形サイクルタイムが大幅に増加して、生産性の低下を招く恐れがある。
そこで、本発明は、生タイヤの成形に際して、タイヤ構成部材とのアンマッチによるステッチング不良の不具合の発生を低減させると共に、十分速い成形サイクルタイムで、安定した品質のタイヤを生産性高く製造することができるタイヤ成形技術を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、以下に記載する発明により上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
請求項1に記載の発明は、
複数のタイヤ構成部材を回転支持体上で貼り付け、積層することにより生タイヤを成形する生タイヤ成形方法であって、
前記回転支持体上で、複数の前記タイヤ構成部材を貼り合わせる貼り合わせ工程と、
貼り合わされた前記タイヤ構成部材を、回転させながら圧着する圧着工程とを備えており、
前記圧着工程が、前記タイヤ構成部材の表面に直径が1.0~3.0mmの点状または縦1.0~3.0mm、横10~30mmの扁平状の噴出パターンが形成されるようにノズルから前記タイヤ構成部材に気体を噴出させることにより、前記タイヤ構成部材を圧着する工程であることを特徴とする生タイヤ成形方法である。
請求項2に記載の発明は、
前記ノズルから噴出させる前記気体の噴出圧力を、0.1~2.0MPaに制御することを特徴とする請求項1に記載の生タイヤ成形方法である。
請求項3に記載の発明は、
前記ノズルから噴出させる前記気体の噴出範囲と前記ノズルの方向とがなす噴出角度を、20°以下に制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生タイヤ成形方法である。
請求項4に記載の発明は、
前記ノズルの先端と前記タイヤ構成部材の表面との距離を、30~100mmに制御することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の生タイヤ成形方法である。
請求項5に記載の発明は、
前記回転支持体を10000~20000°/minの角速度で回転させながら、前記気体を噴出させることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の生タイヤ成形方法である。
請求項6に記載の発明は、
前記ノズルが1個であり、
前記ノズルを、前記タイヤ構成部材の幅方向の中央部から外方に横行させながら、前記気体を噴出させることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の生タイヤ成形方法である。
請求項7に記載の発明は、
前記ノズルの横行速度が、0.5~10.0mm/sであることを特徴とする請求項6に記載の生タイヤ成形方法である。
請求項8に記載の発明は、
前記タイヤ構成部材に点状または扁平状の噴出パターンが形成されるように、前記ノズルから前記気体を噴出させることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の生タイヤ成形方法である。
請求項9に記載の発明は、
前記タイヤ構成部材の幅方向の中央部から外方に向けて等間隔に複数個配置された前記ノズルを用いて、
前記タイヤ構成部材の中央部に配置されたノズルから外方に配置されたノズルの順に、前記気体を噴出させることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の生タイヤ成形方法である。
請求項10に記載の発明は、
前記タイヤ構成部材に扁平状の噴出パターンが形成されるように、前記ノズルから前記気体を噴出させることを特徴とする請求項9に記載の生タイヤ成形方法である。
請求項11に記載の発明は、
2段階成形法により生タイヤを成形することを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の生タイヤ成形方法である。
請求項12に記載の発明は、
前記気体として、圧縮空気を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の生タイヤ成形方法である。
請求項13に記載の発明は、
回転支持体上に貼り付けられた複数のタイヤ構成部材を幅方向の中央部から外方に向けて押さえ付けることにより圧着するステッチング装置であって、
請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の生タイヤ成形方法に用いられるステッチング装置であり、
前記タイヤ構成部材に向けて先端に開口部を有するノズルと、
前記ノズルの先端から前記タイヤ構成部材に向けて気体を噴出させる気体噴出手段とを備え、
前記ノズルから噴出させる前記気体の噴出範囲と前記ノズルの方向とがなす噴出角度を、20°以下に制御するように構成されていることを特徴とするステッチング装置である。
本発明によれば、生タイヤの成形に際して、タイヤ構成部材とのアンマッチによるステッチング不良の不具合の発生を低減させると共に、十分速い成形サイクルタイムで、安定した品質のタイヤを生産性高く製造することができるタイヤ成形技術を提供することができる。
本発明の一実施の形態における一態様を説明する模式的な断面図である。 本発明の一実施の形態における他の態様を説明する模式的な(a)断面図、(b)斜視図である。 従来のステッチング装置においてステッチローラーがカバー表面を圧着する様子を示す模式的断面図である。
[1]本発明の概要
本発明においては、生タイヤを成形する際、複数のタイヤ構成部材を回転支持体上で貼り付け、積層した後、ノズルから気体を噴出させることにより、貼り合わされたタイヤ構成部材を圧着している。
ノズルから噴出した気体は、対象となるタイヤ構成部材の表面形状に合わせて自在に変化して押圧するため、従来のステッチローラーによるステッチングと異なり、アンマッチが発生せず、アンマッチによるステッチング不良の不具合の発生を低減させることができる。また、成形サイクルタイムを増加させる必要がないため、生産性の低下を招く恐れがない。この結果、安定した品質のタイヤを生産性高く製造することができる。
そして、このような本発明による効果は、特に、アンマッチによるステッチング不良の不具合の発生が懸念される二段階成形法における1stカバーと2ndカバーとの圧着において、特に顕著に発揮される。
[2]本発明の実施の形態
以下、本発明を実施の形態に基づき、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下においては、顕著な効果が得られる二段階成形法における1stカバーと2ndカバーとの圧着を例に挙げて説明するが、一段階成形法においても同様の方法を適用することができる。
1.本実施の形態に係る生タイヤ成形方法
本実施の形態に係る生タイヤ成形方法は、貼り合わせ工程と圧着工程とを備えている。
(1)貼り合わせ工程
貼り合わせ工程は、回転支持体上で複数のタイヤ構成部材を貼り合わせる工程であり、基本的に従来の生タイヤ成形方法における貼り合わせ工程と同様である。
即ち、第1成形ドラムを用いて、インナーライナー、チェーファー、カーカスプライ、サイドウォールなどのタイヤ構成部材を順次貼り付けることにより、1stカバーが成形される一方、第2成形ドラムを用いて、ベルト、ブレーカー、トレッドなどのタイヤ構成部材を順次貼り付けることにより、2ndカバーが成形される。
その後、1stカバーを2ndカバーの内側に移動させて、シェーピングフォーマーにより1stカバーをトロイダル状に膨張させることにより、2ndカバーと貼り合わされる。
(2)圧着工程
圧着工程は、貼り合わされた1stカバーに2ndカバーの端部を、回転させながら圧着する工程であり、本実施の形態においては、この圧着を気体の噴出により行っている。この圧着工程は、気体を噴出するノズルの数が1個の場合(第1の態様)と、複数個の場合(第2の態様)とで、2つの態様に大別される。以下、各態様に分けて説明する。
(a)第1の態様
本態様は、ステッチング装置に1個のノズルを配置して、このノズルをタイヤ構成部材の幅方向の中央部から外方に横行させながら、気体を噴出させることにより、タイヤ構成部材を圧着する態様である。
図1は、この態様を説明する模式的断面図であり、図1において、5はノズル、6は1stカバー、7は2ndカバーであり、8は2ndカバー7の表面の中央部、9は圧着される2ndカバー7の側縁部である。そして、矢印14は、ノズル5の移動方向を示している。
図1に示すように、本態様において、ステッチング装置にはノズル5が1個配置されている。ノズル5を矢印14の方向に移動させながら、先端の開口部から気体を噴出させることにより、回転する1stカバー6と2ndカバー7の積層体の表面を押圧して圧着することができる。
ノズル5から噴出した気体は、前記したように、タイヤ構成部材(2ndカバー7)の表面形状に合わせて自在に変化して押圧するため、従来のステッチローラーによるステッチングと異なり、アンマッチが発生せず、アンマッチによるステッチング不良の不具合の発生を低減させて、圧着(ステッチング)することができる。また、成形サイクルタイムを増加させる必要がないため、生産性の低下を招く恐れがない。この結果、安定した品質のタイヤを生産性高く製造することができる。
このとき、ノズル5から噴出させる気体の噴出圧力は0.1~2.0MPaに制御することが好ましい。小さ過ぎると2ndカバー7に対する押圧力が不足してエアーの排出を十分に行うことができない恐れがある。一方、大き過ぎると2ndカバー7の表面を変形させる恐れがある。
そして、ノズル5の先端の開口部の形状を適宜設定して、2ndカバー7の表面に点状または扁平状の噴出パターンが形成されるように、気体を噴出させることが好ましい。
即ち、点状の噴出パターンが形成されるように気体を噴出させることにより、大きな噴出圧力で2ndカバー7を押圧して効率的にエアーの排出を行うことができるため、ノズル5の横行速度を低下させずとも、ディフェクトの発生を十分に抑制することができる。なお、ここで言う「点状の噴出パターン」は、通常、径1.0~3.0mmの微小な円形状の噴出パターンである。
一方、扁平状の噴出パターンが形成されるように気体を噴出させることにより、適度な噴出圧力および噴出面積で2ndカバー7を押圧して効率的にエアーの排出を行うことができるため、ノズル5の横行速度を低下させずとも、ディフェクトの発生を十分に抑制することができる。なお、ここで言う「扁平状の噴出パターン」は、通常、縦(回転支持体の回転方向への長さ)1.0~3.0mm、横(ノズルの横行方向の長さ)10~30mmの狭小な矩形状の噴出パターンであり、このような噴出パターンは、ノズルから噴出させる気体の噴出範囲とノズルの方向とがなす噴出角度を20°以下に制御することにより得ることができる。なお、扁平状の噴出パターンの場合、扁平状の長手方向において気体の噴出角度を20°以下に制御することにより扁平状の噴出パターンを得ることができる。
なお、ノズル5の先端と2ndカバー7の表面との距離は、確実なステッチングを行うという観点から、30~100mmに制御することが好ましい。そして、同様に、ノズルの横行速度は、0.5~10.0mm/sであることが好ましい。また、1stカバー6と2ndカバー7の積層体を支持する回転支持体の角速度は、10000~20000°/minであることが好ましい。
そして、噴出させる気体としては特に限定されず、圧縮空気、窒素、ヘリウムなどから適宜選択して使用することができるが、安全性や経済性を考慮すると、圧縮空気が好ましく、コンプレッサーなどの気体噴出手段によってタイヤ構成部材に向けて噴出させる。
(b)第2の態様
本態様は、全体として、タイヤ構成部材の中央部から外方に向けて気体が隙間なく噴出されるように、ステッチング装置に複数個のノズルを配置して、中央部に配置されたノズルから外方に配置されたノズルの順に、気体を噴出させることにより、タイヤ構成部材を圧着する態様である。
ステッチング装置をこのような構成とすることにより、第1の態様のように、ノズルを横行させる必要がなくなり、成形サイクルタイムのさらなる低減を図ることができるため、より効率的なステッチングが可能となる。
図2は、この態様を説明する図であり、(a)は模式的側断面図、(b)は模式的斜視図である。図2において、11、12、13は、配置された3個のノズルであり、10は各ノズルから破線で示した噴出角度で噴出された気体により2ndカバー7上に形成された扁平状の噴出パターンである。そして、矢印14は1stカバー6と2ndカバー7の積層体の回転方向を示している。
図2に示すように、3個のノズル11、12、13は、1stカバー6と2ndカバー7の積層体の径方向および周方向の位置をずらして配置することが好ましい。そして、各ノズルからの噴出パターンが、扁平状の噴出パターン10を形成するように気体を噴出させる。これにより、矢印14方向に回転する1stカバー6と2ndカバー7の積層体において、1個のノズルを横行させてステッチングを行う第1の態様と異なり、固定されたノズル11、ノズル12、ノズル13の順に、中央部から側縁部に向けて、エアーを排出しながら連続的に圧着していくことができるため、成形サイクルタイムのさらなる低減を図ることができ、より効率的なステッチングが可能となる。
なお、本態様における気体の噴出圧力、噴出角度などのパラメーターは、第1の態様と同様に設定することができる。
以下、実施例により、本発明をより具体的に説明する。
[1]実験例1
本実験例は、上記した第1の態様に基づいて、2種類のタイヤサイズの生タイヤについて、横行速度を変えてステッチングを行った例である。
1.評価用試験体の作製
具体的には、二段階成形法を用いて、タイヤサイズ225/60R17および265/35R18の形状が異なる2種類の生タイヤを成形して、加硫した(N=40本)。
この生タイヤの成形時、実施例1では、ノズルから0.2MPaの噴出圧力で圧縮空気を噴出させながら、ノズルを幅方向の中央部から外方に向けて横行させることにより、トレッドのステッチングを行った。なお、このとき、ノズルの先端とトレッドの表面との距離は30mm、圧縮空気のノズルからの噴出角度は10°に設定して、トレッドの表面に扁平状の噴出パターンが形成されるようにした。また、生タイヤを支持する回転支持体の回転は10000°/minの角速度に設定した。
一方、比較例1では、従来と同様に、ステッチローラーに0.2MPaの押圧力を掛けながら幅方向の中央部から外方に向けて横行させることにより、トレッドのステッチングを行った。なお、生タイヤを支持する回転支持体の回転は実施例1と同じに設定した。
なお、上記したステッチングにおけるノズルおよびステッチローラーの横行速度は、1.0mm/s、3.0mm/sの2水準とした。
2.評価
成形された生タイヤの外観を目視観察してトレッドのエッジの浮きの有無を評価すると共に、加硫後のタイヤの外観を目視観察してディフェクトの発生の有無を評価した。
具体的な評価は、40本のタイヤについての総合評価に基づいて、以下の3水準で行った。
良:トレッドのエッジの浮きもディフェクトの発生もなかった。(0本)
可:トレッドのエッジの浮きまたはディフェクトが発生した。(1本)
不可:トレッドの浮きまたはディフェクトが発生した。(2本以上)
結果を表1に示す。
Figure 0007109740000001
表1に示すように、比較例1(従来方法)の場合、ステッチローラーの形状とマッチしているタイヤサイズ225/60R17では、横行速度が1.0mm/sと遅ければ問題なくステッチングができるものの、横行速度が3.0mm/sと速くなるとディフェクトが発生した。そして、ステッチローラーの形状とマッチしていないタイヤサイズ265/35R18では、横行速度を遅くしてもディフェクトが発生し、速くするとトレッドの浮きが発生した。
これに対して、実施例では、いずれのタイヤサイズにおいても、横行速度を速くしても、問題なくステッチングができており、ノズルから圧縮空気を噴出させてステッチングすることにより成形サイクルタイムの低減を図れることが確認できた。
[2]実験例2
本実験例は、上記した第2の態様に基づいて、成形サイクルタイムの低減を確認した例である。
具体的には、二段階成形法を用いて、タイヤサイズ225/60R17の生タイヤの成形における成形サイクルタイムを測定すると共に、ステッチングの状況を評価した。
実施例2では、ノズルを幅方向の中央部から外方に向けて3本配置して、各ノズルから0.2MPaの噴出圧力で圧縮空気を噴出させながら、トレッドのステッチングを行い、成形サイクルタイムを測定すると共に、ステッチングの状況を評価した。なお、このとき、ノズルの先端とトレッドの表面との距離、圧縮空気のノズルからの噴出角度、回転支持体が回転する角速度は実験例1と同様に設定し、各ノズルは横行させなかった。
一方、比較例2、3では、ステッチローラーに0.1MPaの押圧力を掛けながら幅方向の中央部から外方に向けて横行させることにより、トレッドのステッチングを行い、成形サイクルタイムを測定すると共に、ステッチングの状況を評価した。なお、ステッチローラーの横行速度は、1.0mm/s(比較例2)、3.0mm/s(比較例3)の2水準とした。
結果を表2に示す。
Figure 0007109740000002
表2に示すように、比較例2では生タイヤの仕上がりに問題はないものの、成形サイクルタイムが8.0secであった。そこで、横行速度を3.0mm/sに上げて成形サイクルタイムを3.5secに短縮しようとすると(比較例3)、トレッドの浮きが発生した。
これに対して、実施例2では、3つのノズルを配列して、適切なステッチングを効率的に行うことができたため、成形サイクルタイムを3secと大幅に改善することができた。
[3]実験例3
1.噴出圧力の設定についての実験
実験例1において、圧縮空気を噴出させながらノズルを横行させることにより、適切なステッチングが可能であることが確認できたので、ここでは、実施例1に示した265/35R18の生タイヤの成形において、噴出圧力を表3のように変化させたこと以外は、実験例1と同様にして評価した。なお、ノズルの横行速度は1.0mm/sに固定した。
結果を表3に示す。
Figure 0007109740000003
表3より、噴出圧力としては0.1~2.0MPaが好ましいことが確認できた。
2.噴出角度の設定についての実験
上記実験で、噴出圧力としては0.1~2.0MPaが好ましいことが確認できたため、次に、好ましい噴出角度についての実験を行った。
具体的には、噴出圧力を上記実験において好ましい噴出圧力であることが確認された1.0MPaに設定して、噴出角度を表4に示すように変化させたこと以外は、実験例1と同様にして評価した。なお、ノズルの横行速度は1.0mm/sに固定した。
結果を表4に示す。
Figure 0007109740000004
表4より、噴出角度としては20°以下が好ましいことが確認できた。
3.ノズルの先端とタイヤ構成部材との距離の設定についての実験
次に、ノズルの先端とタイヤ構成部材との好ましい距離についての実験を行った。
具体的には、噴出圧力を1.0MPa、噴出角度を10°に設定して、ノズルの先端とタイヤ構成部材との距離を表5に示すように変化させたこと以外は、実験例1と同様にして評価した。
結果を表5に示す。
Figure 0007109740000005
表5より、ノズルの先端とタイヤ構成部材との距離としては30~100mmが好ましいことが確認できた。
4.回転支持体の回転速度の設定についての実験
次に、ステッチングに際しての回転支持体の好ましい回転速度についての実験を行った。
具体的には、噴出圧力を1.0MPa、噴出角度を10°、ノズルの先端とタイヤ構成部材との距離を30mmに設定して、回転支持体の回転速度を表6に示すように変化させたこと以外は、実験例1と同様にして評価した。
結果を表6に示す。
Figure 0007109740000006
表6より、回転支持体の回転速度としては10000~20000°/minが好ましいことが確認できた。
5.ノズルの横行速度の設定についての実験
次に、ノズルの好ましい横行速度についての実験を行った。
具体的には、噴出圧力を1.0MPa、噴出角度を10°、回転支持体の回転速度を10000°/minに設定して、ノズルの横行速度を表7に示すように変化させたこと以外は、実験例1と同様にして評価した。
結果を表7に示す。
Figure 0007109740000007
表7より、ノズルの横行速度としては0.5~10.0mm/sが好ましいことが確認できた。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることができる。
5 ノズル
6 1stカバー
7 2ndカバー
8 中央部
9 側縁部
10 噴出パターン
11、12、13 ノズル
14 矢印
15 ステッチローラー

Claims (13)

  1. 複数のタイヤ構成部材を回転支持体上で貼り付け、積層することにより生タイヤを成形する生タイヤ成形方法であって、
    前記回転支持体上で、複数の前記タイヤ構成部材を貼り合わせる貼り合わせ工程と、
    貼り合わされた前記タイヤ構成部材を、回転させながら圧着する圧着工程とを備えており、
    前記圧着工程が、前記タイヤ構成部材の表面に直径が1.0~3.0mmの点状または縦1.0~3.0mm、横10~30mmの扁平状の噴出パターンが形成されるようにノズルから前記タイヤ構成部材に気体を噴出させることにより、前記タイヤ構成部材を圧着する工程であることを特徴とする生タイヤ成形方法。
  2. 前記ノズルから噴出させる前記気体の噴出圧力を、0.1~2.0MPaに制御することを特徴とする請求項1に記載の生タイヤ成形方法。
  3. 前記ノズルから噴出させる前記気体の噴出範囲と前記ノズルの方向とがなす噴出角度を、20°以下に制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の生タイヤ成形方法。
  4. 前記ノズルの先端と前記タイヤ構成部材の表面との距離を、30~100mmに制御することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の生タイヤ成形方法。
  5. 前記回転支持体を10000~20000°/minの角速度で回転させながら、前記気体を噴出させることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の生タイヤ成形方法。
  6. 前記ノズルが1個であり、
    前記ノズルを、前記タイヤ構成部材の幅方向の中央部から外方に横行させながら、前記気体を噴出させることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の生タイヤ成形方法。
  7. 前記ノズルの横行速度が、0.5~10.0mm/sであることを特徴とする請求項6に記載の生タイヤ成形方法。
  8. 前記タイヤ構成部材に点状または扁平状の噴出パターンが形成されるように、前記ノズルから前記気体を噴出させることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の生タイヤ成形方法。
  9. 前記タイヤ構成部材の幅方向の中央部から外方に向けて等間隔に複数個配置された前記ノズルを用いて、
    前記タイヤ構成部材の中央部に配置されたノズルから外方に配置されたノズルの順に、前記気体を噴出させることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の生タイヤ成形方法。
  10. 前記タイヤ構成部材に扁平状の噴出パターンが形成されるように、前記ノズルから前記気体を噴出させることを特徴とする請求項9に記載の生タイヤ成形方法。
  11. 2段階成形法により生タイヤを成形することを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の生タイヤ成形方法。
  12. 前記気体として、圧縮空気を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の生タイヤ成形方法。
  13. 回転支持体上に貼り付けられた複数のタイヤ構成部材を幅方向の中央部から外方に向けて押さえ付けることにより圧着するステッチング装置であって、
    請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の生タイヤ成形方法に用いられるステッチング装置であり、
    前記タイヤ構成部材に向けて先端に開口部を有するノズルと、
    前記ノズルの先端から前記タイヤ構成部材に向けて気体を噴出させる気体噴出手段とを備え、
    前記ノズルから噴出させる前記気体の噴出範囲と前記ノズルの方向とがなす噴出角度を、20°以下に制御するように構成されていることを特徴とするステッチング装置。
JP2018129891A 2018-07-09 2018-07-09 生タイヤ成形方法およびステッチング装置 Active JP7109740B2 (ja)

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