JP2019119283A - 空気入りタイヤとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
所定の間隔で配列されたテキスタイルコードと、前記テキスタイルコードに対して略直角方向に配列された横糸とが織り合わされたテキスタイル部材の両面に、ゴムが被覆されたカーカスプライが巻回された空気入りタイヤであって、
巻回されてオーバーラップすることによりジョイントされた前記カーカスプライの始端部および終端部の少なくとも一方の端部において、配列された前記テキスタイルコードの間に位置する前記横糸が切断されていることを特徴とする空気入りタイヤである。
前記横糸が、前記カーカスプライの始端部および終端部の少なくとも一方の端部において、全ての前記テキスタイルコードの間で切断されていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤである。
前記横糸が切断されている範囲が、前記カーカスプライの始端部または終端部の先端から2〜10mmの範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤである。
前記カーカスプライの先端部と終端部とのオーバーラップジョイントにおけるジョイント量が、2〜10mmであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤである。
所定の間隔で配列されたテキスタイルコードと、前記テキスタイルコードに対して略直角方向に配列された横糸が織り合わされたテキスタイル部材の両面に、ゴムが被覆されたカーカスプライを切断してタイヤ成形ドラムに貼り付けて、空気入りタイヤを製造する空気入りタイヤの製造方法であって、
前記カーカスプライを所定の寸法に切断する切断工程と、
切断された前記カーカスプライの始端部および終端部の少なくとも一方の端部において、配列された前記テキスタイルコードの間に位置する前記横糸を切断する横糸切断工程と、
横糸を切断した前記カーカスプライを前記タイヤ成形ドラムに貼り付け、前記カーカスプライの始端部と終端部とをオーバーラップジョイントするジョイント工程とを含むことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法である。
前記横糸切断工程が、前記カーカスプライの始端部および終端部の少なくとも一方の端部において、全ての前記テキスタイルコードの間で前記横糸を切断する工程であることを特徴とする請求項5に記載の空気入りタイヤの製造方法である。
前記横糸を切断する範囲が、前記カーカスプライの始端部または終端部の先端から2〜10mmの範囲であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の空気入りタイヤの製造方法である。
前記カーカスプライの先端部と終端部とのオーバーラップジョイントにおけるジョイント量が、2〜10mmであることを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法である。
前記横糸切断工程は、櫛形状カッターを用いて前記横糸を切断する工程であることを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法である。
前記横糸切断工程は、歯車形状カッターを用いて前記横糸を切断する工程であることを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法である。
本発明者は、前記したように、カーカスプライをオーバーラップジョイントした場合、オーバーラップジョイント部におけるテキスタイルコードの剛性が他の部分よりも高くなっていることにより、製造後の空気入りタイヤをインフレートした際にオーバーラップジョイント部にデントが生じるという技術的問題点について検討を行った。
(1)概要
本発明の空気入りタイヤ(以下、「タイヤ」という)は、巻回されたカーカスプライのオーバーラップジョイント部における始端部および終端部の少なくとも一方の端部において、配列されたテキスタイルコードの間に位置する横糸が切断されていることを特徴とする。
以下、図面を参照しながら本実施の形態に係るタイヤについて具体的に説明する。図1は、本実施の形態に係るタイヤを構成するカーカスプライのオーバーラップジョイント部を側面上方から見た模式的斜視図である。図2は、図1のII−II断面図である。
(1)概要
次に、図面を参照しながら本実施の形態に係るタイヤの製造方法を具体的に説明する。図3は、本実施の形態のタイヤの製造方法を説明するための模式的斜視図である。
以下、本実施の形態のタイヤの製造方法について詳述する。
切断工程においては、図示しない2ステージ成形機において、上流側から搬送されてきた長尺のカーカスプライを、カーカスプライを搬送する搬送コンベア上のアンビル部で所定寸法にプリカットする。
カーカスプライ10が所定寸法に切断された後、引き続いて搬送コンベア上で横糸14の切断工程が行われる。図2に示すように、カーカスプライ10のオーバーラップジョイント部20の始端部10aおよび終端部10bの少なくとも一方の端部の所定の範囲で横糸14を切断する。
ここでは、始端部10aおよび終端部10bの両方の端部の横糸14の切断を、櫛形状カッター30a、30bを用いて行う。図3に示すように、櫛形状カッター30a、30bは、カーカスプライ10の搬送方向に対して直角の方向(カーカスプライ10の幅方向)に沿って延びるように、即ちテキスタイルコード12の延伸方向に対して平行に設けられている。櫛形状カッター30a、30bは、それぞれ始端部10aおよび終端部10bの先端から内側に向かって横糸の切断範囲Cに配置されている横糸14が切断されるように複数枚並置されている。さらに、櫛形状カッター30a、30bは、カーカスプライ10の全ての横糸14を切断することができるように、横糸14の本数と同数の櫛形状カッターのカット刃32a、32bをそれぞれ等間隔に有している。
ここでは、始端部10aおよび終端部10bの両方の端部の横糸14の切断を、それぞれ下段の歯車形状カッター40aおよび上段の歯車形状カッター40bを用いて行う。図4は、櫛形状カッターの代わりに歯車形状カッターを用いた空気入りタイヤの製造方法を説明するための模式的斜視図である。
横糸切断工程の後、搬送コンベアは再び搬送を開始して、カーカスプライ10はタイヤ成形ドラム(図示せず)に搬送され、その他のインナーライナーを含むタイヤ用ゴム材料と共に、カーカスプライの始端部の裏面10dをタイヤ成形ドラムの外周面に向けてタイヤ成形ドラム上に貼り付けられる。タイヤ成形ドラム上を一周巻回したカーカスプライ10は、終端部10bを始端部10aにオーバーラップジョイントすることによってオーバーラップジョイント部20を有するカーカス層が形成される。このとき、オーバーラップジョイント部20のジョイント量Jは、カーカスプライ10の長さ等に応じてそれぞれ適切な値に調整されるが、オープンジョイントを抑制できる適切なジョイント量という観点から前記したように2〜10mmの範囲であることが好ましい。
(1)本実施の形態のタイヤによれば、カーカスプライのオーバーラップジョイント部の始端部および終端部の少なくとも一方の端部の横糸が、所定の間隔で配列されたテキスタイルコードの間で切断されているため、隣接するテキスタイルコード間の拘束力が緩和され、オーバーラップジョイント部の剛性が緩和されて、オーバーラップジョイント部とそれ以外の部分との間の剛性差がより小さくなる。
1−0LTU構造のカーカスプライを用いて、タイヤサイズが155/80R13の空気入りタイヤを各100本作製した(実施例1〜3、比較例1〜4)。
作製後の空気入りタイヤを内圧200kPaでインフレートした後、FV測定装置にて回転させながら、ユニフォミティを測定し評価した。具体的には、非接触型距離測定センサーを用いてバットレス部における凹み量を測定すると共に、各空気入りタイヤのデント評価を官能評価により行った。また、RFV値、RRO値およびバランス値を測定し評価した。
評価結果を表1に示す。なお、オーバーラップジョイント部の剛性(ジョイント部剛性)、RFV値、RRO(Radial Run Out)値、バランス値およびデント評価は、比較例1を100とした相対評価で示した。ここで、ジョイント部剛性は、値が小さいほど剛性が低いことを示しており、RFV値、RRO値は値が小さいほど性能が高いことを示しており、またバランス値は値が大きいほど性能が高いことを示している。また、デント評価は、値が大きいほど凹み量が少ないことを示している。
10a、50a 始端部
10b、50b 終端部
10c カーカスプライの終端部の表面
10d カーカスプライの始端部の裏面
12、52 テキスタイルコード
13 隣接するテキスタイルコードの略中間位置
14、54 横糸
16、56 ゴム
20、60 オーバーラップジョイント部
22、24 切込み
30a、30b 櫛形状カッター
32a、32b 櫛形状カッターのカット刃
40a、40b 歯車形状カッター
42a、42b 歯車形状カッターのカット刃
C 横糸の切断範囲
J ジョイント量
Claims (10)
- 所定の間隔で配列されたテキスタイルコードと、前記テキスタイルコードに対して略直角方向に配列された横糸とが織り合わされたテキスタイル部材の両面に、ゴムが被覆されたカーカスプライが巻回された空気入りタイヤであって、
巻回されてオーバーラップすることによりジョイントされた前記カーカスプライの始端部および終端部の少なくとも一方の端部において、配列された前記テキスタイルコードの間に位置する前記横糸が切断されていることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記横糸が、前記カーカスプライの始端部および終端部の少なくとも一方の端部において、全ての前記テキスタイルコードの間で切断されていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記横糸が切断されている範囲が、前記カーカスプライの始端部または終端部の先端から2〜10mmの範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記カーカスプライの先端部と終端部とのオーバーラップジョイントにおけるジョイント量が、2〜10mmであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 所定の間隔で配列されたテキスタイルコードと、前記テキスタイルコードに対して略直角方向に配列された横糸が織り合わされたテキスタイル部材の両面に、ゴムが被覆されたカーカスプライを切断してタイヤ成形ドラムに貼り付けて、空気入りタイヤを製造する空気入りタイヤの製造方法であって、
前記カーカスプライを所定の寸法に切断する切断工程と、
切断された前記カーカスプライの始端部および終端部の少なくとも一方の端部において、配列された前記テキスタイルコードの間に位置する前記横糸を切断する横糸切断工程と、
横糸を切断した前記カーカスプライを前記タイヤ成形ドラムに貼り付け、前記カーカスプライの始端部と終端部とをオーバーラップジョイントするジョイント工程とを含むことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。 - 前記横糸切断工程が、前記カーカスプライの始端部および終端部の少なくとも一方の端部において、全ての前記テキスタイルコードの間で前記横糸を切断する工程であることを特徴とする請求項5に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記横糸を切断する範囲が、前記カーカスプライの始端部または終端部の先端から2〜10mmの範囲であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記カーカスプライの先端部と終端部とのオーバーラップジョイントにおけるジョイント量が、2〜10mmであることを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記横糸切断工程は、櫛形状カッターを用いて前記横糸を切断する工程であることを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記横糸切断工程は、歯車形状カッターを用いて前記横糸を切断する工程であることを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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