JP2021123209A - 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 タイヤの軽量化を図りつつ、緯糸を切断することなく、カーカスコードのコード間隔の均一化を図る。【解決手段】 カーカス6は、カーカスコード6cからなる径糸13と緯糸14とで織られたファブリック10がトッピングゴム12で被覆された1枚のカーカスプライ6cからなる。カーカスコード6cは、総繊度が6000〜9000dtexのポリエチレンテレフタレート繊維コードからなる。緯糸14は、加硫前において、10%伸長時の応力が1.0〜1.6N、100%伸長時の応力が1.3〜1.8N、打ち込み数が3.6〜5.9本/5cmである。【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤの軽量化を図りつつ、カーカスコードのコード間隔の均一化を図った空気入りタイヤおよび空気入りタイヤの製造方法に関する。
タイヤのカーカスプライとして、カーカスコードからなる径糸と細い緯糸とで簾織りされたファブリックを、トッピングゴムで被覆したプライ材料が広く使用されている。
他方、例えば乗用車用のタイヤでは、タイヤを軽量化するために、カーカスプライの枚数を2枚から1枚に減じることが行われている。この場合、ケース強度を確保するため、カーカスコードを例えば1100dtex/2或いは1670dtex/2の細いコードから、例えば3300dtex/2の太いコードに変更することが望まれる。
しかし、コードが太くなることで、径糸と緯糸との接触面積が増える。これにより、縦糸が緯糸に拘束され、タイヤシェーピング時(インフレート時)に、プライ材料がタイヤ周方向に均一に拡がるのを妨げる。
その結果、例えば図5(a)に示されるように、カーカスコード(径糸)aのコード間隔にバラツキが生じ、ユニフォミティの低下原因となりうる。図中の符号bは緯糸であり、符号cはコード間隔が広い箇所を示す。またコード間隔が広い箇所cでは、図5(b)に示されるように、インフレートの圧力Pにより、インナライナーゴムdが、カーカスコードa、a間を通ってタイヤ内側に入り込む所謂「吸い上げ」が生じる。これにより、インナライナーゴムdのコード下の厚さtが減じ、エア漏れの発生原因となりうる。なお。前記吸い上げによって厚さtが減じ、タイヤ内面にカーカスコードaによる凹凸が生じる現象をO/TH(オープンスレッド)と呼ぶ。
下記の特許文献1には、コード間隔の均一化のために、プライ材料において緯糸を切断することが提案されている。この特許文献1では、緯糸として切断伸度が5〜20%の低伸度糸を採用し、かつ外周に周状突起と周状溝部とを交互に形成した一対のローラ間に、プライ材料を通過させることにより、緯糸を切断している。
特開2004−142425号公報
しかし、上記提案では、切断工程を要するため、設備コストの増加や、生産効率の低下を招く。また緯糸の切れる長さや頻度が不均一になる場合があり、カーカスコードのコード間隔の均一化を充分に達成することが難しい。そこで、緯糸を切断することなく、カーカスコードのコード間隔の均一化を図ることが望まれる。
本発明は、タイヤの軽量化を図りつつ、緯糸を切断することなく、カーカスコードのコード間隔の均一化を図りうる空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法を提供することを課題としている。
本発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアの回りで折り返されたカーカスを含む空気入りタイヤであって、
前記カーカスは、カーカスコードからなる径糸と前記径糸に交わる緯糸とで織られたファブリックがトッピングゴムで被覆された1枚のカーカスプライからなり、
前記カーカスコードは、総繊度が6000〜9000dtexのポリエチレンテレフタレート繊維コードからなり、
前記緯糸は、加硫前において、10%伸長時の応力が1.0〜1.6N、100%伸長時の応力が1.3〜1.8Nであり、かつ打ち込み数が3.6〜5.9本/5cmである。
本発明に係る空気入りタイヤにおいて、前記緯糸は、総繊度が100〜300dtexであるのが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤにおいて、前記カーカスプライは、前記ビードコアの半径方向内側において、前記カーカスコードの打ち込み数が45本/5cm以下であるのが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤにおいて、前記カーカスコードは、破断強度が350〜450Nであるのが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤにおいて、前記カーカスコードは、加硫前において、180℃における熱収縮率が5.0%以下であるのが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤにおいて、前記トッピングゴムは、加硫前において、130℃でのムーニー粘度(ML1+4)が30〜48であるのが好ましい。
本発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアの回りで折り返されたカーカスを含む空気入りタイヤの製造方法であって、
前記カーカスは、カーカスコードからなる径糸と前記径糸に交わる緯糸とで織られたファブリックがトッピングゴムで被覆された1枚のカーカスプライからなり、
前記カーカスコードは、総繊度が6000〜9000dtexのポリエチレンテレフタレート繊維コードからなり、
前記緯糸は、加硫前において、10%伸長時の応力が1.0〜1.6N、100%伸長時の応力が1.3〜1.8Nであり、かつ打ち込み数が3.6〜5.9本/5cmである。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法において、前記緯糸は、総繊度が100〜300dtexであるのが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法において、前記カーカスプライは、加硫前において、前記カーカスコードの打ち込み数が45本/5cm以下であるのが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法において、前記カーカスコードは、破断強度が350〜450Nであるのが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法おいて、前記カーカスコードは、加硫前において、180℃における熱収縮率が5.0%以下であるのが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法において、前記トッピングゴムは、加硫前において、130℃でのムーニー粘度(ML1+4)が30〜48であるのが好ましい。
本発明は叙上の如く、カーカスが、カーカスコードとして総繊度が6000〜9000dtexの太いポリエチレンテレフタレート繊維コードを用いた1枚のカーカスプライにより形成される。これにより、必要なケース強度を確保しながらタイヤの軽量化が図られる。
また緯糸は、加硫前において、10%伸長時の応力が1.0N以上であり、初期モジュラスが大きい。そのため、シェーピングのためのインフレートに際し、周上で均一に力が掛かり始めるまでは、緯糸が伸長するのを抑えることができ、カーカスの形状を保持することができる。なお緯糸の初期モジュラスが低い場合、力が掛かった位置から緯糸が順次伸び始めるため、カーカスの形状が歪となり周上のコード間隔にバラ付きが生じる。
また緯糸は、加硫前において、100%伸長時の応力が1.8N以下と低い。もし応力が1.8Nを越えて高い場合、インフレートに際し、均一な力が掛かった後も、緯糸は伸長し難いため、カーカスの拡張に対する抗力となる。そのため、インナライナーゴムの吸い上げを誘発させる。しかし、本発明では、100%伸長時の応力が1.8N以下と低いため、上記の吸い上げを抑制することができる。
また加硫前において、緯糸の打ち込み数が3.6〜5.9本/5cmに規制されている。打ち込み数が3.6本/5cmを下回ると、緯糸間の間隔が広いため、緯糸間でのカーカスコードの振れが大きくなり、コード間隔にバラ付きを誘発する。逆に打ち込み数が5.9本/5cmを越える場合、緯糸による締め付けが大きく、カーカスコードが周方向に拡がるのを妨げる。そのため、インナライナーゴムの吸い上げを誘発させる。
また緯糸の10%伸長時の応力、100%伸長時の応力、及び打ち込み数をそれぞれ規制することにより、互いの効果が結びつき、コード間隔のバラ付きを抑え、インナライナーゴムの吸い上げ、及びユニフォミティの低下を効果的に抑制しうる。
本発明の空気入りタイヤの一実施形態を示す断面図である。 カーカスプライ形成用のプライ材料を概念的に示す正面図である。 緯糸の「荷重−伸長曲線」の一例を示すグラフである。 カーカスコードの振れを示す概念図である。 (a)カーカスコードのコード間隔がバラ付いたシェーピング状態のカーカスプライの写真、(b)はインナライナーゴムの吸い上げを示す写真である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6を含む。空気入りタイヤ1は、カーカス6の外側かつトレッド部2の内部に配されるベルト層7、及びカーカス6の内側に配されるインナライナーゴム8をさらに含む。
インナライナーゴム8は、例えばブチルゴム等の低空気透過性ゴムからなり、タイヤ内面Sを覆うことにより、タイヤ内圧を保持する。
ベルト層7は、2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bから形成される。各ベルトプライ7A、7Bは、タイヤ周方向に対して例えば10〜35゜の角度で配列するベルトコードを含む。各ベルトコードがプライ間で交差するように、ベルトプライ7A、7Bはベルトコードの傾斜の向きを違えて配される。ベルト層7の半径方向外側に、高速性能(耐久性、操縦安定性などを含む)を高める目的でバンド層(図示省略)を設けることができる。バンド層は、螺旋状に巻回されるバンドコードのプライを含む。
カーカス6は、ビードコア5、5間を跨る本体部6aと、この本体部6aに連なりビードコア5をタイヤ軸方向内側から外側に折り返される折返し部6bとを具える。タイヤの軽量化のために、折返し部6bは、ベルト層7のタイヤ軸方向の外端7Eよりもタイヤ半径方向内側で終端するのが好ましい。
カーカス6は、タイヤ周方向に対して例えば75゜〜90゜の角度で配列したカーカスコード6c(図2に示す)を有する1枚のカーカスプライ6Aにより形成される。
このカーカスプライ6Aは、図2に概念的に示されるように、ファブリック10の両面がトッピングゴム11により被覆された、プライ材料12を用いて形成される。ファブリック10は、カーカスコード6cからなる径糸13と、径糸13に交わる緯糸14とで織られた簾織物状をなす。
カーカスコード6cとして、総繊度を6000〜9000dtexの範囲とした太いポリエチレンテレフタレート(PET)繊維コードが採用される。これにより、カーカス6を1枚のカーカスプライ6Aにより形成しながら、必要なケース強度が確保される。
カーカスコード6cの打ち込み数Naは、45本/5cm以下が好ましい。打ち込み数が45本/5cmを越えると、コード間距離が短く、ゴムが浸透せず、ゴム浮きまたはエアーインの現象が生じる傾向を招く。なお打ち込み数の下限は、30本/5cm以上が好ましく、これを下回ると、平均のコード間隔が増すため、コード間隔のバラ付きが抑えられた場合にも、インナライナーゴム8の吸い上げ傾向を招き、エア漏れの発生原因となりうる。打ち込み数Naは、ビードコア5の半径方向内側(所謂ビードコア下)において測定された値である。ビードコア下での打ち込み数Naは、生タイヤ形成前のプライ材料12における打ち込み数と実質的に等しい。
ケース強度の確保のために、カーカスコード6cの1本当たりの破断強度は、350〜450Nであるのが好ましい。破断強度が350Nを下回ると、ケース強度を充分に確保するのが難しくなる。逆に破断強度が450Nを越えると、総維度が大きくなりコード径の増加によってバルジデントの悪化、もしくはモジュラスの増大によるゴム吸い上がりの増加の傾向を招く。破断強度は、カーカスコード6cの総繊度、及び撚り数により調整できる。
カーカスコード6cの破断強度は、以下のように測定される。新品のタイヤから採取したカーカスコード6cに対し、JIS L1017の「化学繊維タイヤコード試験方法」に準拠して、室温(25℃±2℃)にて引っ張り荷重試験を行い、カーカスコード6cが切断したときの荷重を、破断強度として求める。
カーカスコード6cは、180℃における熱収縮率が5.0%以下であるのが好ましい。熱収縮率が5.0%を越えると、タイヤ加硫中にカーカスコード6cに縮みが生じ、カーカスコードが内側のゴムに食い込み、ゴム吸い上げが発生する傾向を招く。この熱収縮率は、以下のように測定される。加硫前のカーカスコード6cに対し、JIS L1017の「化学繊維タイヤコード試験方法」に準拠し、コードを無負荷の状態かつ180℃の温度下で30分間放置した時のコードの縮み量yと、放置前のコードの長さxとの比(y/x)(%)で表される。
トッピングゴム11は、加硫前における130℃でのムーニー粘度(ML1+4)が30〜48であるのも好ましい。ムーニー粘度(ML1+4)が30を下回る場合、トッピングゴム11が柔らか過ぎとなって、インナライナーゴム8の吸い上げ傾向を招き、エア漏れの発生原因となりうる。逆にムーニー粘度(ML1+4)が48を越えると、ゴムの粘着力が小さくなり、生タイヤの生産性の低下原因となりうる。このムーニー粘度(ML1+4)は、ゴムの練り工程における例えば練り時間、練り回数等によって調整できる。トッピングゴム11の一例として、表1のゴム組成のものが挙げられる。
Figure 2021123209
次に、本実施形態では、カーカスプライ6Aの緯糸14は、10%伸長時の応力F10が1.0〜1.6Nの範囲であり、100%伸長時の応力F100が1.3〜1.8Nの範囲である。図3に、緯糸14の「荷重−伸長曲線」の一例が示される。
図3に示されるように、緯糸14は、10%伸長時の応力F10が1.0N以上であり、従来の緯糸Aよりも、初期モジュラスが大きい。シェーピング時、インフレートの初期段階では、内圧が不安定に作用する。そのため、もし緯糸14の応力F10が1.0Nより低い場合、即ち初期モジュラスが低い場合、力が掛かった位置から緯糸14が伸び始める。その結果、カーカス6の形状が歪となって、周上のコード間隔にバラ付きが生じる。これに対して、応力F10が1.0N以上の場合、インフレートに際して、周上で力が均一に掛かり始めるまでは、緯糸14が伸長するのが抑えられる。その結果、カーカス6の形状を正常に保つことが可能となる。
応力F10の上限は1.6N以下であって、1.6Nを越えた場合、インフレートの初期段階でカーカス6が拡張し難くなって、インナライナーゴム8の吸い上げを誘発させる。
緯糸14は、100%伸長時の応力F100が1.8N以下である。もし、応力F100が、緯糸Bのように1.8Nを越えて高い場合、インフレートに際し、均一な力が掛かった後も、緯糸14が伸長し難い。そのため、カーカス6が拡張し難くなって、インナライナーゴム8の吸い上げを誘発させる。しかし、応力F100を1.8N以下とすることで、上記の吸い上げを抑制することが可能となる。
応力F100の下限は1.3N以上であって、1.3Nを下回ると、成形及び加硫時にタイヤ周上に均一にインフレート応力がかかる前に緯糸14の一部が伸び始めてしまい、コード間隔を一定に保つことが難しくなる。
緯糸14の10%伸長時の応力F10の値、及び100%伸長時の応力F100の値は、以下のように測定される。加硫前において、ファブリック10から採取した緯糸14に対し、JIS L1017の「化学繊維タイヤコード試験方法」に準拠して、室温(25℃±2℃)にて引っ張り荷重試験を行い、「荷重−伸長曲線」を求める。この曲線から、それぞれ10%伸長時及び100%伸長時の荷重を求める。
緯糸14は、総繊度が100〜300dtexであるのが好ましく、総維度が300dtexを越える場合、緯糸14が太いために、径糸13(カーカスコード)が畳表のように蛇行し、ユニフォミティの悪化傾向を招く。逆に、総維度が100dtexを下回る場合、緯糸14請求項の強力、モジュラスが小さく、ゴムをトッピングする前のファブリック10が簾形状を保つことが難しくなる。
このような伸び特性の緯糸14としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはナイロンからなる芯材の周囲を、コットンのスパン糸で被覆した被覆糸が好適に採用しうる。
緯糸14の打ち込み数Nbは、3.6〜5.9本/5cmに規制される。打ち込み数Nbが3.6本/5cmを下回ると、緯糸14、14間の間隔が広くなる。そのため、例えば図4に示されるように、緯糸14、14間の間隔が広い場合、緯糸14、14間でのカーカスコード6cの振れ幅δが大きくなって、コード間隔にバラ付きを誘発する。逆に打ち込み数Nbが5.9本/5cmを越える場合、間隔が狭くなって振れ幅δが小さくなるが、緯糸14による締め付けが大きくなる。そのため、カーカス6が拡張し難くなって、インナライナーゴム8の吸い上げを誘発させる。
緯糸14の加硫前における10%伸長時の応力、100%伸長時の応力、及び打ち込み数をそれぞれ規制することにより、互いの効果が結びつき、コード間隔のバラ付きを抑え、インナライナーゴム8の吸い上げ、及びユニフォミティの低下を効果的に抑制しうる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
本発明の効果を確認するために、図1に示す構造を有する空気入りタイヤ(225/45R17)が、表2〜3の仕様に基づいて試作された。そして、各試作タイヤについて、タイヤ質量、カーカスコードのコード間隔のバラ付き、カーカスコード下のインナライナーゴムの厚さ、タイヤのRFV(ラジアルフォースバリエーション)がそれぞれ測定され、比較された。表の記載以外は実質的に同仕様である。
(1)タイヤ質量:
タイヤ1本当たりの質量を測定し、比較例1を基準とした差で表示される。−(マイナス)表示は、比較例1より軽量であることを示す。
(2)コード間隔のバラ付き:
直径400mm(周長1257mm)の筒状のインフレートマシンに、プライ材料を巻き付けて円筒状に形成した。巻き付けの始端部と終端部との重なり幅は5mmである。そしてインフレートマシンを、直径600mm(周長1885mm)になるまで拡径させ、拡径後のプライ材料において、幅50mm毎のカーカスコードの本数を、一周に亘って測定した。そして、カーカスコードの本数/50mmの最大値と最小値の差を表示した。数値が小さいほど、コード間隔のバラ付きが少ない。
(3)コード下厚さ(カーカスコード下のインナライナーゴムの厚さ):
光学式顕微鏡を用い、バットレズ部の所定位置(ビードベースラインからタイヤ半径方向外側に70mm離れた位置)において、タイヤ内面からカーカスコードまでの距離を測定した。測定は、タイヤ周方向の16ヵ所(タイヤの両側で、それぞれ8ヶ所)の位置で測定した。結果は、測定値の平均値及び標準偏差σで評価される。平均値が高いほど、インナライナーゴムの吸い上げが少なく、また標準偏差σが小さいほどバラツキが少なく優れている。
(4)タイヤのRFV:
JASO C607のユニフォミティ測定法に基づいて、各タイヤのRFVが、ユニフォミティマシンを用いて測定された。そしてタイヤ1000本の平均値が、比較例1を100とする指数で示される。数値が小さいほどユニフォミティに優れている。
Figure 2021123209
Figure 2021123209
表に示されるように、実施例のタイヤは、タイヤの軽量化を図りながらカーカスコードのコード間隔のバラ付きが抑えられており、インナライナーゴムのコード下での厚さ低下、及びユニフォミティの低下が、それぞれ抑制されているのが確認できる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A カーカスプライ
6c カーカスコード
10 ファブリック
11 トッピングゴム
13 径糸
14 緯糸

Claims (12)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアの回りで折り返されたカーカスを含む空気入りタイヤであって、
    前記カーカスは、カーカスコードからなる径糸と前記径糸に交わる緯糸とで織られたファブリックがトッピングゴムで被覆された1枚のカーカスプライからなり、
    前記カーカスコードは、総繊度が6000〜9000dtexのポリエチレンテレフタレート繊維コードからなり、
    前記緯糸は、加硫前において、10%伸長時の応力が1.0〜1.6N、100%伸長時の応力が1.3〜1.8Nであり、かつ打ち込み数が3.6〜5.9本/5cmである、空気入りタイヤ。
  2. 前記緯糸は、総繊度が100〜300dtexである、請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記カーカスプライは、前記ビードコアの半径方向内側において、前記カーカスコードの打ち込み数が45本/5cm以下である、請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記カーカスコードは、破断強度が350〜450Nである、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記カーカスコードは、加硫前において、180℃における熱収縮率が5.0%以下である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記トッピングゴムは、加硫前において、130℃でのムーニー粘度(ML1+4)が30〜48である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアの回りで折り返されたカーカスを含む空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記カーカスは、カーカスコードからなる径糸と前記径糸に交わる緯糸とで織られたファブリックがトッピングゴムで被覆された1枚のカーカスプライからなり、
    前記カーカスコードは、総繊度が6000〜9000dtexのポリエチレンテレフタレート繊維コードからなり、
    前記緯糸は、加硫前において、10%伸長時の応力が1.0〜1.6N、100%伸長時の応力が1.3〜1.8Nであり、かつ打ち込み数が3.6〜5.9本/5cmである、空気入りタイヤの製造方法。
  8. 前記緯糸は、総繊度が100〜300dtexである、請求項7記載の空気入りタイヤの製造方法。
  9. 前記カーカスプライは、加硫前において、前記カーカスコードの打ち込み数が45本/5cm以下である、請求項7または8記載の空気入りタイヤの製造方法。
  10. 前記カーカスコードは、破断強度が350〜450Nである、請求項7ないし9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  11. 前記カーカスコードは、加硫前において、180℃における熱収縮率が5.0%以下である、請求項7ないし10のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  12. 前記トッピングゴムは、加硫前において、130℃でのムーニー粘度(ML1+4)が30〜48である、請求項7ないし11のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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