JP3910835B2 - タイヤ用のプライ材料の製造方法、及びそのプライ材料を用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、横糸に起因するタイヤコードの不均一な目開き、蛇行などを抑制しタイヤのユニフォミティーを改善しうるタイヤ用のプライ材料の製造方法、及びそのプライ材料を用いた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤに配されるカーカスプライやベルトプライなどのコードプライ、例えばカーカスプライaは、従来、図7に示すように、カーカスコードa1(タイヤコード)である縦糸Aと比較的に粗い間隔でこの縦糸Aに交絡される細い横糸Bとで織られた簾織物Cの両面を、トッピングゴムGにより被覆した長尺な1次プライdを原反として形成される。
【0003】
詳しくは、この1次プライdを、縦糸方向に対して所望の角度α(例えばラジアルタイヤでは約90゜)でかつカーカスプライaの巾相当の長さLaで裁断片d1・・・ に裁断する一方、各裁断片d1の非裁断側の側縁de、de間を順次連結(一次継ぎj)することにより、カーカスコードa1が長手方向に対して前記角度αで配列する長尺なプライ材料fを形成する。そして、このプライ材料fを1周長さで定寸切りしてドラム上で巻回することによって、カーカスプライaを形成している。
【0004】
他方、前記一次継ぎjでは、図8(A)に示すように、側縁de、de間を互いに重ね合わせて、或いは突き合わせて連結している。このとき、従来においては、一方の側縁deにおける横糸Bと、他方の側縁deにおける横糸Bとの縦糸方向の位置ずれδに対して、特別な配慮が払われていなかった。これは、横糸Bに高伸度の糸を使用しているため、タイヤ性能への影響が殆どないものと考えられていたためである。なお同図には、便宜上縦糸Aを省略して描いている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者の研究の結果、前記側縁deでは横糸Bが弧を描いて折返されているため、縦糸Aへの拘束力が、この折返し部分B1で不均一に高くなりやすいことが判明した。そして、前記位置ずれδが大きな状態で連結されたプライ材料fでは、加硫ストレッチが作用した際、図8(B)に示すように、前記拘束力の不均一が原因して、連結部分の近辺で、カーカスコードa1に目開きや蛇行が発生し、タイヤのユニフォミティーを低下させていることを究明し得た。
【0006】
そこで本発明は、裁断片の側縁を突き合わせにより連結するとともに、連結に際して、横糸の前記位置ずれを、この横糸の簾織りピッチの1/5倍以下に規制することを基本として、拘束力の不均一を、連結の左右両側で均衡させることができ、タイヤコードの目開きや蛇行を抑制し、タイヤのユニフォミティーを改善しうるタイヤ用のプライ材料の製造方法、及びそのプライ材料を用いた空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、タイヤコードを用いた縦糸と横糸とによって簾織りされかつ平行な側縁を有する帯状の簾織物の両面をトッピングゴムにより被覆した1次プライが、前記縦糸方向に交わる向きに裁断された各裁断片の前記側縁を順次突き合わせて連結することによりタイヤ用のプライ材料を形成するとともに、前記横糸は前記一次プライの前記側縁でU字に弧を描いて折り返し、
かつ側縁が連結される一方の裁断片の前記側縁における横糸と、他方の裁断片の前記側縁における横糸との間の、縦糸方向の距離Kは、各連結において、前記横糸の簾織りピッチPの1/5倍以下としたことを特徴としている。
【0008】
又請求項2の発明は空気入りタイヤであって、前記請求項1に記載の製造方法によって製造されたタイヤ用のプライ材料を用いたことを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。
本発明のタイヤ用のプライ材料10の製造方法は、図1に示すように、1次プライ11を裁断してなる裁断片12の非裁断側の側縁E、Eを順次連結する連結工程を含んで構成される。
【0010】
そして、この連結工程において、図2に概念的に示すように、一方の裁断片12Lの前記側縁Eにおける横糸21と、他方の裁断片12Rの前記側縁Eにおける横糸21との間の縦糸方向の距離K、即ち縦糸方向の位置ずれδを、前記横糸21の簾織りピッチPの1/5倍以下に規制している。
【0011】
詳しくは、前記1次プライ11は、従来と同様、タイヤコードTcからなる縦糸20と横糸21とによって簾織りされた平行な側縁Eを有する帯状の簾織物23の両面を、トッピングゴム24によって被覆することによって形成される。
【0012】
なお本例では、前記プライ材料10が、ラジアルタイヤ1(図6に示す)におけるカーカスプライ6A用のプライ材料である場合を例示しており、従って、縦糸20として、例えばナイロン、ポリエステル、レーヨン、芳香族ポリアミド等の有機繊維のカーカスコードが用いられる。又横糸21も、従来と同様の、有機繊維からなる高伸度の細糸が使用できる。
【0013】
前記簾織物23における前記縦糸20の配列密度は、要求するプライ強度等によって設定されるが、カーカスプライ6Aの場合、40〜70本/5cmの範囲が一般的である。又前記横糸21の簾織りピッチPは、簾織物23に接着剤塗布処理(所謂ディップ処理)を施す際の、縦糸20のバラケ防止の観点から、10〜30mmの範囲が好ましい。
【0014】
又前記簾織物23として、本例では、1本の横糸21が前記両側縁Eで交互に折り返される所謂ターン方式のものを例示しているが、例えば図5に略示する如く、複数の横糸21の各両端が、前記両側縁EでU字に折返されて終端する所謂タックイン方式の簾織物であっても良い。
【0015】
次に、前記簾織物23にトッピングゴム24をゴム引きした1次プライ11は、前記図1の如く、縦糸方向に対して角度α(ラジアルタイヤでは75〜90゜程度)でかつカーカスプライ6Aの巾相当の長さLaで、裁断片12・・・ に切断され、しかる後、各裁断片12の非裁断側の前記側縁E、E間を順次連結(一次継ぎJ)することによって、タイヤコードTcが長手方向に対して前記角度αで配列する長尺なプライ材料10が形成される。なお本発明では、前記側縁E、E間間は、各連結において、図1、2,4に示すように突き合わせて連結される。
【0016】
このとき、前記一次継ぎJは、図3に示すような、前記側縁Eを互いに重ね合わせて圧着する所謂オーバラップジョイントではなくて、前記のように側縁Eを互いに突き合わせたバットジョイントが用いられる。
【0017】
ここで、従来と大きく相違することは、前記図2の如く、連結する一方の裁断片12Lの前記側縁Eにおける横糸21と、他方の裁断片12Rの前記側縁Eにおける横糸21との間の縦糸方向の距離Kを、横糸21の前記簾織りピッチPの1/5倍以下に規制することである。
【0018】
これは、前述した如く、横糸21が側縁EではU字に弧を描いて折返されるため、この折返し部分における縦糸20への拘束力が不均一に高まるが、前記距離KをP×1/5以下に減じることにより、前記拘束力の不均一を、連結の左右両側で均衡させることができるからである。従って、図4の如く、加硫ストレッチが作用した際の、タイヤコードTcの目開きや蛇行の発生が抑制される等、コード配列が均一化され、タイヤのユニフォミティーが改善されるのである。
【0019】
又図6に、前記プライ材料10をカーカスプライ6Aに用いた空気入りタイヤ1の一例を示す。空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、前記トレッド部2の内方かつカーカス6の外側に配されるベルト層7とを具える。
【0020】
なお前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ周方向に対して、例えば10〜40度の角度で配列した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bからなり、各ベルトコードがプライ間相互で交差するように、向きを違えて重置される。
【0021】
又前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば75〜90度の前記角度αで配列した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aからなる。そして、このカーカスプライ6Aでは、前記プライ材料10から形成されることにより、加硫ストレッチが作用した場合にも、横糸21に起因するコード配列の乱れが抑制され、周方向の均一性が高まるなど、ユニフォミティーを向上することができる。
【0022】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0023】
【実施例】
表1の仕様に基づき、タイヤのプライ材料を試作し、ストレッチが作用した際の、連結部分におけるタイヤコードの蛇行量を測定した。又各プライ材料をカーカスプライに使用したタイヤサイズ195/65R15の乗用車用ラジアルタイヤを試作し、各タイヤのユニフォミティー(RFV、LFV、CON)を測定した。
【0024】
(1)コードの蛇行量:
加硫ストレッチを想定し、プライ材料のテンションを加えて125%のストレッチを付与した際の、連結部分におけるタイヤコードの蛇行量を測定し、サンプル数20の平均値を比較した。値が小なほど蛇行が小さく良好である。
【0025】
(2)ユニフォミティー
JASOC607(自動車用タイヤのユニフォミティー試験方法)に準拠して、内圧(200kPa)、荷重(4510N)の基で、試供タイヤ20本のRFV(ラジアルフォースバリエーション)、LFV(ラテラルフォースバリエーション)、CON(コニシティ)を測定し、その平均値を比較した。数値が小なほどユニフォミティーに優れている。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】
叙上の如く本発明は、裁断片の連結に際して、横糸の位置ずれを、この横糸の簾織りピッチの1/5倍以下に規制しているため、タイヤコードの目開きや蛇行を抑制でき、タイヤのユニフォミティーを改善しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法における裁断片の連結工程を説明する線図である。
【図2】連結部分を概念的に示す線図である。
【図3】連結がオーバラップジョイントである場合の断面図である。
【図4】本発明の作用効果を示す線図である。
【図5】簾織物の他の例を示す線図である。
【図6】プライ材料をカーカスプライに用いたタイヤを例示する断面図である。
【図7】カーカスプライの形成を説明する線図である。
【図8】(A)、(B)は、そのときの問題点を誇張して示す線図である。
【符号の説明】
1 空気入りタイヤ
10 プライ材料
11 1次プライ
12 裁断片
20 縦糸
21 横糸
23 簾織物
24 トッピングゴム
E 側縁
Tc タイヤコード
Claims (2)
- タイヤコードを用いた縦糸と横糸とによって簾織りされかつ平行な側縁を有する帯状の簾織物の両面をトッピングゴムにより被覆した1次プライが、前記縦糸方向に交わる向きに裁断された各裁断片の前記側縁を順次突き合わせて連結することによりタイヤ用のプライ材料を形成するとともに、前記横糸は前記一次プライの前記側縁でU字に弧を描いて折り返し、
かつ側縁が連結される一方の裁断片の前記側縁における横糸と、他方の裁断片の前記側縁における横糸との間の、縦糸方向の距離Kは、各連結において、前記横糸の簾織りピッチPの1/5倍以下としたことを特徴とするタイヤ用のプライ材料の製造方法。 - 請求項1に記載の製造方法によって製造されたタイヤ用のプライ材料を用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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