JP7461831B2 - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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本発明は、空気入りタイヤの製造方法に関する。
特許文献1の空気入りタイヤの製造方法では、インナーライナ、カーカス等からなるカーカスバンドを径方向外側に膨出させて、ベルト及びトレッドゴムを含むトレッドバンドの内周面に結合させて積層体を成型している。その後、ステッチャーを積層体のタイヤ軸方向の中央部に押し付け、ステッチャーを押し付ける位置を積層体の外周面に沿ってタイヤ軸方向外側に移動させることで、トレッドバンドをカーカスバンドに圧着させている。
特開2006-82389号公報
特許文献1の空気入りタイヤの製造方法では、トレッドバンドを構成するベルトとトレッドゴムとの間又は複数のベルト間への空気の閉じ込み(いわゆる空気溜)が発生することがある。この空気溜は、例えばベルトの端部における他の部材との段差に起因して発生しやすい。
本発明は、空気溜の発生を抑制できる空気入りタイヤの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、
カーカスプライを含むカーカスバンドを成型し、
第1ベルトと、前記第1ベルトよりも幅狭である第2ベルトと、前記第1ベルトよりも幅広であるトレッドゴムとを、内径側から順に含むトレッドバンドを成型し、
前記カーカスバンドに対して、前記カーカスバンドの外周側に同心状に前記トレッドバンドを配置し、
前記カーカスバンドを外径側に膨出させて、前記トレッドバンドの内周面に結合させて、積層体を成型し、
前記積層体をタイヤ軸方向回りに回転させ、前記積層体の回転に伴って、ステッチャーをタイヤ軸方向に移動させながら前記積層体に押し付けること
を含み、
前記ステッチャーは、前記トレッドゴムとの接触位置が前記第2ベルトの端部よりタイヤ軸方向中央側に位置する始動位置から、前記接触位置が前記第2ベルトの端部に対応する第1位置まで、第1移動速度で移動し、
前記ステッチャーは、前記第1位置から、前記接触位置が前記第1ベルトの端部よりもタイヤ軸方向外側に位置する第2位置まで、第2移動速度でさらに移動し、
前記ステッチャーは、前記第2位置から、前記トレッドゴムと接触しない停止位置までさらに移動し、
前記第2移動速度は、前記第1移動速度より遅い、空気入りタイヤの製造方法を提供する。
一般的に、ステッチャーを用いてベルト及びトレッドゴム等を含むトレッドバンドをカーカスバンドに圧着させる場合、ステッチャーの移動速度が遅いほど、ベルトとトレッドゴムとの間、及び複数のベルト間の空気を確実に排出でき、空気溜の発生が抑制される。
この構成によれば、第1位置から第2位置に移動するまでのステッチャーの移動速度である第2移動速度が、始動位置から第1位置に移動するまでのステッチャーの移動速度である第1移動速度よりも遅い。これにより、第1ベルトの端部において、第1ベルトとトレッドゴムとの間の空気が排出され易い。同様に、第2ベルトの端部において、第2ベルトとトレッドゴムとの間、及び第1ベルトと第2ベルトとの間の空気が排出され易い。その結果、空気溜の発生をより効果的に抑制できる。
前記ステッチャーは、前記第2位置から前記停止位置まで、第3移動速度で移動し、
前記第3移動速度は、前記第1移動速度より速くてもよい。
この構成によれば、第2位置から停止位置に移動するまでのステッチャーの移動速度である第3移動速度が、第1移動速度よりも速い。このため、第3移動速度が第1移動速度と同程度である場合と比較して、カーカスバンドとトレッドバンドとの圧着に必要なサイクルタイムが短くなる。その結果、空気入りタイヤの生産性の悪化を抑制しつつ、空気溜の発生を抑制できる。なお、ステッチャーが第2位置にあるときの接触位置よりもタイヤ軸方向外側の領域には、第1ベルト及び第2ベルトの端部は位置していないので、該領域においてステッチャーの移動速度を増大させても空気溜が生じにくい。
本発明によれば、空気溜の発生を抑制できる。
本発明の実施形態に係るカーカスバンドを成型する工程を示す図。 実施形態に係るカーカスバンドにビード部材を組み付ける工程を示す図。 実施形態に係るトレッドバンドを成型する工程を示す図。 実施形態に係るカーカスバンドとトレッドバンドとを同心状に配置する工程を示す図。 実施形態に係るカーカスバンドを膨出させてトレッドバンドとカーカスバンドとを結合する工程を示す図。 実施形態に係るステッチャーを用いてトレッドバンドをカーカスバンドに貼り付ける工程を示す図。 実施形態に係るカーカスバンドの両端部をターンアップする工程を示す図。 始動位置にあるバットレスステッチャーを示す概略図。 第1位置にあるバットレスステッチャーを示す概略図。 第2位置にあるバットレスステッチャーを示す概略図。 停止位置にあるバットレスステッチャーを示す概略図。 トレッドバンドをカーカスバンドに貼り付ける工程におけるバットレスステッチャーの移動速度の変化を示すグラフ。
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(全体構成)
図1から図7は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの製造方法を概略的に示す図である。具体的には、図1は、カーカスバンド10を成型する工程を示す図である。図2は、カーカスバンド10にビード部材20を組み付ける工程を示す図である。図3は、トレッドバンド30を成型する工程を示す図である。図4は、カーカスバンド10とトレッドバンド30とを同心状に配置する工程を示す図である。図5は、カーカスバンド10を膨出させてトレッドバンド30とカーカスバンド10とを結合する工程を示す図である。図6は、ステッチャーを用いてトレッドバンド30をカーカスバンド10に貼り付ける工程を示す図である。図7は、カーカスバンド10の両端部をターンアップする工程を示す図である。
本実施形態では、一例として、タイヤサイズが155/65R14である空気入りタイヤの製造方法を説明する。
まず、図1に示すように、カーカスバンド10を成型する。具体的には、第1成型ドラム110の外周部に、インナーライナ11と、一対のサイドウォールゴム12と、カーカスプライ13とが順に巻き付けられて、円筒状のカーカスバンド10が成型される。また、カーカスバンド10は、ラバーチェーファのような他の構成部材を含んでもよい。一対のサイドウォールゴム12は、インナーライナ11のドラム軸方向の両外側にそれぞれ配置される。
次に、図2に示すように、カーカスバンド10にビード部材20を組み付ける。具体的には、第1成型ドラム110の外周部に保持されたカーカスバンド10の両端部にビード部材20を配置する。ビード部材20は、ビードコア21と、ビードコア21に連接されたビードフィラー22とを備える。ビード部材20は、ビードフィラー22が外径側に向けて延びるように、カーカスバンド10に組み付けられる。
上述したカーカスバンド10の成型及びカーカスバンド10へのビード部材20の組み付けとは別に、図3に示すように、トレッドバンド30を成型する。具体的には、第2成型ドラム120の外周部に、第1ベルト31と、第1ベルト31よりも幅狭の第2ベルト32と、第1ベルト31よりも幅広のトレッドゴム33とが順に巻き付けられて、円筒状のトレッドバンド30が成型される。つまり、トレッドバンド30は、第1ベルト31と、第2ベルト32と、トレッドゴム33とを、内径側から順に含む。本実施形態の第1ベルト31の幅W31は、134mmである。本実施形態の第2ベルト32の幅W32は、122mmである。本実施形態のトレッドゴム33の幅W33は、172mmである。
そして、図4に示すように、図示しない搬送装置により、ビード部材20が組み付けられたカーカスバンド10を第1成型ドラム110(図2に示す)から抜き出し、第3成型ドラム130に移送する。その後、トレッドバンド30を第2成型ドラム120(図3に示す)から抜き出し、第3成型ドラム130に移送する。このとき、トレッドバンド30は、カーカスバンド10の外周側に同心状に配置されている。
第3成型ドラム130は、カーカスバンド10の一対のビード部材20を内径側からそれぞれ支持する一対の支持体131を備える。一対の支持体131は、第3成型ドラム130のドラム軸方向において、互いに近接及び離間可能である。また、第3成型ドラム130には、カーカスバンド10の内側に膨出媒体(例えば、圧縮空気)を充填する媒体供給装置(図示せず)が接続されている。
さらに、図5に示すように、カーカスバンド10を膨出させて、カーカスバンド10とトレッドバンド30とを結合する。具体的には、図4に示す状態から、一対の支持体131を互いに近接させながら、カーカスバンド10の内側に膨出媒体を供給する。これによって、図5に示すように、カーカスバンド10のうちドラム軸方向において一対のビード部材20の内側に位置する部分が外径側にトロイダル状に膨出して、カーカスバンド10がトレッドバンド30の内周部に結合した積層体40が成型される。
次に、図5及び図6に示すように、センターステッチャー140、一対のクラウンステッチャー150A,150B、及び一対のバットレスステッチャー160A,160Bを用いて、トレッドバンド30をカーカスバンド10に貼り付ける。具体的には、第3成型ドラム130を回転軸132回りに回転させながら、センターステッチャー140、一対のクラウンステッチャー150A,150B、及び一対のバットレスステッチャー160A,160Bを外径側からトレッドバンド30に押し付ける。図6に示すように、第3成型ドラム130と、第3成型ドラム130に保持された積層体40とは、回転軸132を中心として周方向に回転する(図中矢印R参照)。
以下の説明において、一対のクラウンステッチャー150A,150Bを特に区別する必要がない場合、これらのうちの1つを単にクラウンステッチャー150という場合がある。一対のバットレスステッチャー160A,160Bを特に区別する必要がない場合、これらのうちの1つを単にバットレスステッチャー160という場合がある。
図5を参照すると、センターステッチャー140は、積層体40のタイヤ軸方向の中央部に配置されている。また、センターステッチャー140は、トレッドゴム33の幅W33(図3に示す)の60%~95%の領域を押圧するように配置されている。図6に示すように、センターステッチャー140は、第3成型ドラム130の回転中にトレッドバンド30に接触することにより、従動回転しつつ、トレッドバンド30の中央部をカーカスバンド10に押し付ける。また、センターステッチャー140には、図示しないシリンダが接続されている。センターステッチャー140は、上記シリンダにより駆動されて、タイヤ径方向に移動可能である。
図5を参照すると、一対のクラウンステッチャー150A,150Bは、トレッドバンド30のタイヤ軸方向の両端部にそれぞれ配置されている。具体的には、クラウンステッチャー150Aは、トレッドバンド30のタイヤ軸方向の一方側(図5において右側)の端部に配置されている。また、クラウンステッチャー150Bは、トレッドバンド30のタイヤ軸方向の他方側(図5において左側)の端部に配置されている。また、図6に示すように、クラウンステッチャー150は、センターステッチャー140よりも第3成型ドラム130の回転方向の後方に配置されている。クラウンステッチャー150は、第3成型ドラム130の回転中にトレッドバンド30に接触することにより、従動回転しつつ、トレッドバンド30のタイヤ軸方向の両端部をカーカスバンド10に押し付ける。クラウンステッチャー150には、図示しないシリンダが接続されている。クラウンステッチャー150は、上記シリンダにより駆動されて、タイヤ径方向に移動可能である。
バットレスステッチャー160は、軸心L回りに回転可能なローラ161を備える。ローラ161の外周は、軸心Lを通り軸心Lに平行な断面形状が半円状に形成されている。本実施形態では、バットレスステッチャー160は、ローラ161の径方向が、タイヤ軸方向に対して30°傾斜するように配置されている。つまり、バットレスステッチャー160は、ローラ161の径方向が、トレッドバンド30に対して30°傾斜するように配置されている。バットレスステッチャー160には、図示しないシリンダが接続されている。バットレスステッチャー160は、上記シリンダにより駆動されて、タイヤ径方向に移動可能である。
また、バットレスステッチャー160には、図示しないサーボモータが接続されている。バットレスステッチャー160は、上記サーボモータにより駆動されて、タイヤ軸方向に移動可能である。具体的には、バットレスステッチャー160は、トレッドバンド30のタイヤ軸方向中央側から外側に移動可能である。図6に示すように、バットレスステッチャー160は、クラウンステッチャー150よりも第3成型ドラム130の回転方向の後方に配置されている。本実施形態のバットレスステッチャー160は、本発明に係るステッチャーの一例である。
第3成型ドラム130では、センターステッチャー140及びクラウンステッチャー150によって、トレッドバンド30のドラム軸方向の中央部及び側部をカーカスバンド10に押し付けてステッチングする。一方で、バットレスステッチャー160は、トレッドバンド30のうち、ドラム軸方向においてセンターステッチャー140及びクラウンステッチャー150のどちらにもステッチングされていない部分を少なくとも含む領域を、ドラム軸方向の中央側から外側へ順にステッチングするように構成されている。
その後、図7に示すように、ビード部材20を包み込むように、カーカスバンド10のうちドラム軸方向において一対のビード部材20よりも外側に位置する両端部を外径側かつドラム軸方向内側に折り返す(すなわち、ターンアップする)。具体的には、第3成型ドラム130に設けられたターンアップブラダー133の内部に気体を充填し、ターンアップブラダー133を膨張させることで、カーカスバンド10の両端部が、ドラム周方向の全周にわたって同時に外径側かつドラム軸方向の内側に折り返される。これにより、グリーンタイヤ(図示せず)が得られる。
最後に、得られたグリーンタイヤ(図示せず)を加硫成型することによって、空気入りタイヤが製造される。
(バットレスステッチャー160の動作)
以下、トレッドバンド30をカーカスバンド10に貼り付ける工程におけるバットレスステッチャー160の動作を説明する。バットレスステッチャー160は、タイヤ軸方向中央側から外側に向かって移動しつつ、トレッドバンド30を押圧する。具体的には、バットレスステッチャー160は、始動位置から、第1位置及び第2位置を順に経由して、停止位置まで移動する。
バットレスステッチャー160は、第3成型ドラム130が1回転したときに、タイヤ軸方向外側に10mm進む。つまり、バットレスステッチャー160のトラバースピッチ(第3成型ドラム130の1回転毎の進み量)は、10mm/revである。また、バットレスステッチャー160のトラバースピッチは、バットレスステッチャー160が始動位置から停止位置に移動する間、一定である。つまり、バットレスステッチャー160のタイヤ軸方向の移動速度は、第3成型ドラム130の回転数に応じて変化する。
図8は、始動位置にあるバットレスステッチャー160を示す概略図である。図9は、第1位置にあるバットレスステッチャー160を示す概略図である。図10は、第2位置にあるバットレスステッチャー160を示す概略図である。図11は、停止位置にあるバットレスステッチャー160を示す概略図である。なお、図8から図11において、タイヤ赤道線CLに対して一方側(各図において右側)のバットレスステッチャー160Aの動作について説明するが、タイヤ赤道線CLに対して他方側のバットレスステッチャー160B(図5に示す)も同様に動作する。また、図8から図11では、センターステッチャー140及びクラウンステッチャー150によって、トレッドバンド30がカーカスバンド10に大まかに貼り付けられた状態を示している。
また、図12は、トレッドバンド30をカーカスバンド10に貼り付ける工程における移動速度の変化を示すグラフである。図12において、縦軸は、バットレスステッチャー160の移動速度[任意目盛]を示し、横軸は、バットレスステッチャー160の移動開始からの時間[任意目盛]を示す。
図8を参照すると、バットレスステッチャー160が始動位置にあるとき、バットレスステッチャー160とトレッドバンド30との接触位置Cは、第2ベルト32のタイヤ軸方向の端部32aよりもタイヤ軸方向中央側に位置している。本実施形態では、始動位置での上記接触位置Cは、第2ベルト32の端部32aからタイヤ軸方向中央側に10mmの位置である。また、始動位置での上記接触位置Cは、センターステッチャー140(図5に示す)のドラム軸方向の端部よりも中央側に位置している。上記接触位置Cは、生産性の観点から、第2ベルト32の端部32aからタイヤ軸方向中央側に第2ベルト32の幅W32(図3に示す)の20%以内の位置であると好ましい。バットレスステッチャー160は、第3成型ドラム130(図5に示す)が回転し始めると、タイヤ軸方向外側(図8の右側)に向かって移動する。
図8に示す状態から第3成型ドラム130が回転すると、バットレスステッチャー160は、始動位置からタイヤ軸方向外側に移動して、図9に示す第1位置に到達する。図12を併せて参照すると、バットレスステッチャー160が始動位置から第1位置に移動するまでの第1領域において、第3成型ドラム130の回転数は、バットレスステッチャー160の移動速度が一定の移動速度V1となるように、制御されている。つまり、本実施形態では、始動位置から第1位置に移動するまでのバットレスステッチャー160の移動速度である第1移動速度は、一定の移動速度V1である。
図9を参照すると、バットレスステッチャー160が第1位置にあるとき、バットレスステッチャー160とトレッドバンド30との接触位置Cは、第2ベルト32のタイヤ軸方向の端部32aに対応している。つまり、第1位置は、バットレスステッチャー160が始動位置からタイヤ軸方向外側に10mm移動した位置である。
図9に示す状態から第3成型ドラム130が回転すると、バットレスステッチャー160は、第1位置からタイヤ軸方向外側に移動した後、タイヤ軸方向かつ内径側に移動して、図10に示す第2位置に到達する。図12を併せて参照すると、バットレスステッチャー160が第1位置から第2位置に移動するまでの第2領域において、第3成型ドラム130の回転数は、バットレスステッチャー160の移動速度が一定の移動速度V2となるように制御されている。つまり、本実施形態では、第1位置から第2位置に移動するまでのバットレスステッチャー160の移動速度である第2移動速度は、一定の移動速度V2である。第1位置から第2位置に移動するまでのバットレスステッチャー160の移動速度V2は、始動位置から第1位置に移動するまでのバットレスステッチャー160の移動速度V1よりも遅い。
図10に示すように、バットレスステッチャー160が第2位置にあるとき、バットレスステッチャー160とトレッドバンド30との接触位置Cは、第1ベルト31のタイヤ軸方向の端部31aよりも、タイヤ軸方向外側に位置している。具体的には、バットレスステッチャー160が第2位置にあるとき、上記接触位置Cは、第1ベルト31の端部31aからタイヤ軸方向外側に15mmの位置である。上記接触位置Cは、第1ベルト31の端部31aからタイヤ軸方向外側に第1ベルト31の幅W31の5%~10%離れていることが好ましい。
図10に示す状態から第3成型ドラム130が回転すると、バットレスステッチャー160は、第2位置からタイヤ軸方向外側かつ内径側に移動して、図11に示す停止位置に到達する。図12を併せて参照すると、バットレスステッチャー160が第2位置から停止位置に移動するまでの第3領域において、第3成型ドラム130の回転数は、バットレスステッチャー160の移動速度が一定の移動速度V3となるように制御されている。つまり、本実施形態では、第2位置から停止位置に移動するまでのバットレスステッチャー160の移動速度である第3移動速度は、一定の移動速度V3である。第2位置から停止位置に移動するまでのバットレスステッチャー160の移動速度V3は、始動位置から第1位置に移動するまでのバットレスステッチャー160の移動速度V1よりも速い。
図11に示すように、バットレスステッチャー160が停止位置にあるとき、バットレスステッチャー160と、トレッドバンド30とは接触していない。バットレスステッチャー160が停止位置にあるとき、ローラ161の下端部161aは、トレッドゴム33よりもタイヤ軸方向外側に位置している。具体的には、バットレスステッチャー160が停止位置にあるとき、ローラ161の下端部161aは、トレッドバンド30をカーカスバンド10に貼り付ける前の状態(図5に示す状態)のトレッドゴム33の端部33aからタイヤ軸方向外側に26mm離れて位置する。また、バットレスステッチャー160が停止位置あるとき、第3成型ドラム130は停止している。
本実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、次の効果を奏する。
(1)一般的に、ステッチャーを用いてベルト及びトレッドゴム等を含むトレッドバンドをカーカスバンドに圧着させる場合、ステッチャーの移動速度が遅いほど、ベルトとトレッドゴムとの間、及び複数のベルト間の空気を確実に排出でき、空気溜の発生が抑制される。
本実施形態では、第1位置から第2位置に移動するまでのバットレスステッチャー160の移動速度V2が、始動位置から第1位置に移動するまでのバットレスステッチャー160の移動速度V1よりも遅い。これにより、第1ベルト31の端部において、第1ベルト31トレッドゴム33との間の空気が排出され易い。同様に、第2ベルト32の端部において、第2ベルト32トレッドゴム33との間、及び第1ベルト31と第2ベルト32との間の空気が排出され易い。その結果、空気溜の発生をより効果的に抑制できる。
(2)本実施形態では、第2位置から停止位置に移動するまでのバットレスステッチャー160の移動速度V3が、始動位置から第1位置に移動するまでのバットレスステッチャー160の移動速度V1よりも速い。このため、移動速度V3が移動速度V1と同程度である場合と比較して、カーカスバンド10とトレッドバンド30との圧着に必要なサイクルタイムが短くなる。その結果、空気入りタイヤの生産性の悪化を抑制しつつ、空気溜の発生を抑制できる。なお、バットレスステッチャー160が第2位置にあるときの接触位置Cよりもタイヤ軸方向外側の領域には、第1ベルト31の端部31a及び第2ベルト32の端部32aは位置していないので、該領域においてバットレスステッチャー160の移動速度を増大させても空気溜が生じにくい。
なお、本発明は、上記実施形態に記載された構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
上記実施形態では、トレッドバンド30をカーカスバンド10に貼り付ける工程において、センターステッチャー140、クラウンステッチャー150、バットレスステッチャー160を用いたが、これに限定されない。つまり、センターステッチャー140を用いずに上記工程を行ってもよいし、クラウンステッチャー150を用いずに上記工程を行ってもよい。
上記実施形態では、始動位置から第1位置に移動するまでのバットレスステッチャー160の移動速度である第1移動速度は、一定の移動速度V1であったが、これに限定されない。つまり、始動位置から第1位置に移動するまでのバットレスステッチャー160の移動速度は、変動してもよい。この場合、本発明に係る第1移動速度は、始動位置から第1位置に移動するまでのバットレスステッチャー160の平均速度である。
上記実施形態では、第1位置から第2位置に移動するまでのバットレスステッチャー160の移動速度である第2移動速度は、一定の移動速度V2であったが、これに限定されない。つまり、第1位置から第2位置に移動するまでのバットレスステッチャー160の移動速度は、変動してもよい。この場合、本発明に係る第2移動速度は、第1位置から第2位置に移動するまでのバットレスステッチャー160の平均速度である。
上記実施形態では、第2位置から停止位置に移動するまでのバットレスステッチャー160の移動速度である第3移動速度は、一定の移動速度V3であったが、これに限定されない。つまり、第2位置から停止位置に移動するまでのバットレスステッチャー160の移動速度は、変動してもよい。この場合、本発明に係る第3移動速度は、第2位置から停止位置に移動するまでのバットレスステッチャー160平均速度である。
比較例及び実施例1,2の空気入りタイヤの製造方法を用いて、上記実施形態の空気入りタイヤ(タイヤサイズ:155/65R14)を製造した。比較例及び実施例1,2の空気入りタイヤの製造方法により製造された空気入りタイヤの空気溜抑制効果、及び生産性の評価試験を行った。
比較例では、移動速度V1,移動速度V2,移動速度V3は、ともに1100mm/minである。実施例1では、移動速度V1は、1100mm/minであり、移動速度V2は、400mm/minであり、移動速度V3は、1500mm/minである。実施例2では、移動速度V1は、1100mm/minであり、移動速度V2は、200mm/minであり、移動速度V3は、1500mm/minである。
空気溜抑制効果の評価は、製造された空気入りタイヤの外観に基づいて行われる。具体的には、製造された空気入りタイヤの外観を観察して、外観不良が発生した製品をスクラップ品とし、スクラップ品の発生率(スクラップ率)を算出した。表1において、スクラップ率が0.5%未満の場合を「◎」で示し、スクラップ率が0.5%以上1.0%未満の場合を「○」で示し、スクラップ率が1.0%以上の場合を「×」で示している。スクラップ率が低いほど、空気溜抑制効果が優れていることを示している。
生産性の評価は、トレッドバンド30をカーカスバンド10に貼り付ける工程のサイクルタイムに基づいて行われる。表1において、サイクルタイムが5秒以下の場合を「◎」で示し、サイクルタイムが5秒を超えて10秒以下の場合を「○」で示している。また、表1において、サイクルタイムが20秒を超える場合を「△」で示している。サイクルタイムが短いほど、生産性が優れていることを示している。
Figure 0007461831000001
表1から明らかなように、比較例1と実施例1,2との対比により、第1位置から第2位置までのバットレスステッチャー160の移動速度V2が遅いほど、空気溜抑制効果が優れている。
実施例1は、比較例と対比しても、生産性が僅かに劣るが同程度である。これは、実施例1での移動速度V2は、比較例での移動速度V2よりも遅いが、実施例1での移動速度V3が比較例での移動速度V3よりも速いため、全体としてのサイクルタイムが大幅に長くなることなく同程度となっているからである。
実施例2は、比較例と対比すると、生産性が劣っている。これは、実施例1での移動速度V2が、比較例での移動速度V2よりも大幅に遅く、バットレスステッチャー160が第1位置から第2位置まで移動するために多くの時間を要するからである。
10 カーカスバンド
11 インナーライナ
12 サイドウォールゴム
13 カーカスプライ
20 ビード部材
21 ビードコア
22 ビードフィラー
30 トレッドバンド
31 第1ベルト
32 第2ベルト
33 トレッドゴム
40 積層体
110 第1成型ドラム
120 第2成型ドラム
130 第3成型ドラム
131 支持体
132 回転軸
133 ターンアップブラダー
140 センターステッチャー
150,150A,150B クラウンステッチャー
160,160A,160B バットレスステッチャー(ステッチャー)
161 ローラ
C 接触位置

Claims (2)

  1. カーカスプライを含むカーカスバンドを成型し、
    第1ベルトと、前記第1ベルトよりも幅狭である第2ベルトと、前記第1ベルトよりも幅広であるトレッドゴムとを、内径側から順に含むトレッドバンドを成型し、
    前記カーカスバンドに対して、前記カーカスバンドの外周側に同心状に前記トレッドバンドを配置し、
    前記カーカスバンドを外径側に膨出させて、前記トレッドバンドの内周面に結合させて、積層体を成型し、
    前記積層体をタイヤ軸方向回りに回転させ、前記積層体の回転に伴って、ステッチャーをタイヤ軸方向に移動させながら前記積層体に押し付けること
    を含み、
    前記ステッチャーは、前記トレッドゴムとの接触位置が前記第2ベルトの端部よりタイヤ軸方向中央側に位置する始動位置から、前記接触位置が前記第2ベルトの端部に対応する第1位置まで、第1移動速度で移動し、
    前記ステッチャーは、前記第1位置から、前記接触位置が前記第1ベルトの端部よりもタイヤ軸方向外側に位置する第2位置まで、第2移動速度でさらに移動し、
    前記ステッチャーは、前記第2位置から、前記トレッドゴムと接触しない停止位置までさらに移動し、
    前記第2移動速度は、前記第1移動速度より遅い、空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記ステッチャーは、前記第2位置から前記停止位置まで、第3移動速度で移動し、
    前記第3移動速度は、前記第1移動速度より速い、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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