JP7106692B2 - 消火システム - Google Patents

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Description

本発明は、消火システムに関する。
従来、貯留槽の水を消火のために放出する消火用ホースを少なくとも備えている消火栓システムが知られていた(例えば、特許文献1参照)。この消火栓システムは、正常な状態を維持することを目的とするメンテナンスを行うための構成として、貯留槽と消火用ホースとの間の流路に設けられている三方切替弁であって、常時は貯留槽の水が消火用ホースから放出されるように切り替えられている三方切替弁と、当該三方切替弁に対して着脱可能に取り付けられるメンテナンス用ホースとを備えていた。そして、メンテナンスを行う場合には、作業員が、三方切替弁にメンテナンス用ホースを取り付けた後に、貯留槽の水が消火用ホースからでは無く、メンテナンス用ホースから放出されるように、三方切替弁を切り替えた上で、メンテナンスのためにメンテナンス用ホースから水を放出させていた。
特開2001-95939号公報
しかしながら、三方切替弁に対するメンテナンス用ホースの取り付け、及び、三方切替弁の切替操作については、作業員による手作業によって行われていたために、当該作業員によるヒューマンエラーに起因して、例えば、三方切明弁に対してメンテナンス用ホースを取り付けたにも関わらず三方切替弁の切替操作を失念してしまい、メンテナンスを行う場合に、メンテナンス用ホースからでは無く、消火用ホースから水が放出されてしまい、消火栓システムの周辺の意図していない場所を水浸しにしてしまう可能性があり、周囲に迷惑となる可能性があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、周囲に迷惑をかけずに確実にメンテナンスを行うことが可能な消火システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の消火システムは、消火液を放出する消火用ホースを少なくとも収容する消火用ホース側収容手段と、前記消火用ホース側収容手段とは別体となっており前記消火用ホースに前記消火液を出力する消火装置を収容する消火装置用収容手段とを備えた消火システムであり、前記消火装置用収容手段は、前記消火装置を取り囲むフレーム枠を有しており、前記フレーム枠の一部はその枠外から枠内の前記消火装置にアクセス可能に開口しており、前記フレーム枠の他の一部には前記消火装置に関する電気設備を取り付けるための取付手段を設け、前記消火用ホース側収容手段は前記消火システムの設置場所の床版上に配置され、前記消火装置用収容手段は前記取付手段に取付けられた前記電気設備を含め前記消火システムの設置場所の床版下に配置される。
また、請求項2に記載の消火システムは、請求項1に記載の消火システムに記載の消火システムにおいて、前記取付手段は、前記消火装置用収容手段の側部であって前記フレーム枠によって形成される枠体が成す立体の側面部に設けられ、前記消火装置用収容手段は前記消火装置用収容手段の上部を上にして前記消火システムの設置場所の床版下に配置される。
請求項1に記載の消火システムによれば、消火装置用収容手段の少なくとも一部が、消火装置を取り囲むフレーム枠のみによって構成されていることにより、例えば、フレーム枠の間の開口を介して消火装置用収容手段の外部から消火装置用収容手段の内部の消火装置に容易にアクセスすることができるので、消火装置に対するメンテナンス等の作業性を向上させることができる。また、例えば、前述の開口を介して消火装置用収容手段の外部から消火装置用収容手段の内部の消火装置を直接目視することができるので、消火装置の故障個所(例えば、外観の損傷等)を容易に特定することができる。また、例えば、消火装置を取り囲む材料(例えば、板金等)を消火装置用収容手段の全面に設けることが不要となるので、消火装置用収容手段を製造するための材料費を低減させることができる。また、例えば、消火装置を取り囲む材料(例えば、板金等)を消火装置用収容手段の全面に設けることが不要となるので、消火システムの軽量化を図ることが可能となり、消火システムの運搬性あるいは設置性を向上させることができる。また、例えば、消火装置用収容手段に収容されている消火装置を保持することができるので、当該消火装置を所定位置に固定することができる。
また、取付手段を備えることにより、例えば、消火装置に関する電気設備を取り付けることができるので、当該電気設備を用いて消火装置のために又は消火装置とともに、所定の電気機器(例えば、メンテナンスで用いる電話機等を含む任意の電気機器)を利用することが可能となる。また、例えば、この所定の電気機器のための電気設備を消火システムとは別に設けることが不要となるので、消火システムが設置される場所のスペースを有効に活用することができる。
請求項2に記載の消火システムによれば、例えば、消火システムを利用している作業員による取付手段へのアクセスが容易となり、当該作業員による作業効率を向上させることができる。
本実施の形態に係る消火システムの図である。 操作ハンドルが干渉位置に移動した状態において、メンテナンス用ホースが取り外された状態の、供給部及び開閉部を例示する側面図である。 操作ハンドルが干渉位置に移動した状態の、供給部、開閉部、及び仮想的に図示されたメンテナンス用ホースを例示する側面図である。 操作ハンドルが非干渉位置に移動した状態の、供給部、開閉部及びメンテナンス用ホースを例示する側面図である。 操作ハンドルが干渉位置に移動した状態において、メンテナンス用ホースが取り外された状態の、変形例の供給部及び開閉部を例示する側面図である。 図5の平面図である。 操作ハンドルが干渉位置に移動した状態の、変形例の供給部、開閉部、及び仮想的に図示されたメンテナンス用ホースを例示する側面図である 操作ハンドルが非干渉位置に移動した状態の、変形例の供給部、開閉部及びメンテナンス用ホースを例示する側面図である。 図8の平面図である。 消火装置用収容部の斜視図である。 地下側被収容装置群を収容した状態の消火装置用収容部の正面図である。
以下に、本発明に係る消火システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
〔実施の形態の基本的概念〕
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、供給配管と、開閉手段と、供給口と、取付制御手段とを備える消火システムに関するものである。
ここで、「消火システム」とは、消火のために用いられるシステムであり、具体的には、消火液を放出するためのシステムであり、例えば、トンネル用消火栓、地上消火栓、地下消火栓、屋内消火栓、あるいは、これら以外の消火栓、または、消火栓以外の消火のための装置等を含む概念である。
また、「供給配管」とは、消火液を少なくとも消火用ホースに供給するための供給手段である。「消火液」とは、消火のために用いられる液体であり、例えば、窒息効果によって消火するための泡を発生するための泡原液、冷却効果によって消火するための水、あるいは、これらの混合物である泡消火剤等を含む概念である。「消火用ホース」とは、消火のために用いられるホースであり、具体的には、消火のために消火液を放出するものであり、例えば、先端に消火用ノズルが設けられているものである。
また、「開閉手段」とは、供給配管における消火液の流路を開閉する手段であり、具体的には、供給配管に設けられているものであり、例えば、ユーザによって手動にて開閉の制御が可能なマニュアル操作弁、あるいは、制御信号を用いて電気的に制御可能な電気制御弁等を含む概念である。
また、「供給口」とは、供給配管の消火液をメンテナンス用ホースに供給するための供給口であって、メンテナンス用ホースが着脱可能である供給口であり、供給配管における開閉手段よりも上流側に設けられているものである。「メンテナンス用ホース」とは、消火システムのメンテナンスのために用いられるホースであり、具体的には、メンテナンスを行う場合に、消火液を放出するものである。「メンテナンス」とは、消火システムの維持、管理、あるいは保守を行うことであり、例えば、消火用システムが正常に動作するか否かを確認するために、消火用ホースの代わりにメンテナンス用ホースから消火液を放出すること等を含む概念である。
また、「取付制御手段」とは、開閉手段が流路を開いている場合に、供給口に対するメンテナンス用ホースの取り付けを阻害し、開閉手段が流路を閉じている場合に、供給口に対するメンテナンス用ホースの取り付けを許可する手段であり、例えば、後述する干渉位置又は非干渉位置に移動する操作ハンドル等を含む概念である。
以下に示す実施の形態では、「消火システム」が「トンネル用消火栓」であり、「消火液」が「泡原液」、「水」、及び「泡消火剤」であり、「開閉手段」が「マニュアル操作弁」である場合について説明する。
(構成)
まず、本実施の形態に係る消火システムの構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る消火システムの図である。なお、メンテナンス用ホース32については、実際には、床版下格納箱102に収納されているわけではなく、メンテナンスを行う場合に持ち込まれて供給部45に取り付けられるものであるので、図1では説明の便宜上、破線にて示されている。また、消火システム100には、図1にて具体的に図示されているものの他に、公知の構成として、発信機(不図示)、あるいはポンプ起動スイッチ(不図示)等が含まれているが、これらの公知の構成については、説明の便宜上図示が省略されている。
この図1に示す消火システム100は、トンネル用消火栓であり、例えば、消火栓格納箱101、床版下格納箱102、消火用配管11、上流側制御用配管12、下流側制御用配管13、地上側消火栓弁21、地下側消火栓弁22、一斉開放弁23、自動調圧弁24、制御用排水弁25、消火用排水弁26、消火用ホース31、メンテナンス用ホース32、水タンク41、ポンプ42、泡タンク43、エダクター44、供給部45、及び開閉部46を備える。なお、「消火用配管11、上流側制御用配管12、下流側制御用配管13、地上側消火栓弁21、地下側消火栓弁22、一斉開放弁23、自動調圧弁24、制御用排水弁25、消火用排水弁26、消火用ホース31、泡タンク43、エダクター44、供給部45、及び開閉部46」を、「被収容装置群」と称し、また、「被収容装置群」のうちの「地上側消火栓弁21、及び消火用ホース31」を「地上側被収容装置群」と称し、また、「被収容装置群」のうちの「地上側消火栓弁21及び消火用ホース31以外の装置」を「地下側被収容装置群」と称して説明する。また、消火用配管11におけるポンプ42側を上流側と称し、一方、消火用配管11における消火用ホース31側を下流側と称して、以下説明する。
(構成-格納箱)
消火栓格納箱101は、地上側被収容装置群を収納する収納手段であり、少なくとも消火用ホース31を収容する消火用ホース側収容手段であって、例えば、床版900よりも上側の車道等が敷設されている地上側に設けられているものであり、例えば、地上側被収容装置群を収納するための中空部、及び、当該中空部を開閉することが可能な開閉蓋を備えているものである。
床版下格納箱102は、地下側被収容装置群を収納する収納手段であり、例えば、床版900よりも下側の避難通路等が敷設されている地下側に設けられているものであり、例えば、地下側被収容装置群を収納するための中空部、及び、当該中空部を開閉することが可能な開閉蓋を備えているものである。
(構成-消火用配管)
消火用配管11は、供給配管であり、具体的には、水等を消火用ホース31又はメンテナンス用ホース32側に供給するためのものであり、例えば、ポンプ42と消火用ホース31との間に設けられているものである。この消火用配管11は、例えば、所定径(一例としては、直径40~50mm程度)のものであり、ユーザによって曲げることができない非可撓性である金属製のものである。
(構成-制御用配管)
上流側制御用配管12及び下流側制御用配管13は、消火用配管11の水流の開始又は停止を制御するための制御手段であり、具体的には、水による圧力を一斉開放弁23に供給するためのものである。詳細には、上流側制御用配管12は、例えば、消火用配管11におけるポンプ42と一斉開放弁23との間から分岐しているものであって、消火用配管11よりも小径(一例としては、直径10~15mm程度)のものである。また、下流側制御用配管13は、例えば、上流側制御用配管12の下流側に設けられているものであって、上流側制御用配管12と同様な径のものである。
(構成-消火栓弁)
地上側消火栓弁21及び地下側消火栓弁22は、消火用配管11の水流の開始又は停止を制御するための制御手段であり、具体的には、水による圧力を一斉開放弁23に供給するためのものであり、例えば、上流側制御用配管12及び下流側制御用配管13の間において互いに並列に設けられているものである。詳細には、地上側消火栓弁21は、例えば、消火を行うために消防隊員等のユーザによって開閉されるものである。また、地下側消火栓弁22は、メンテナンスを行う場合に、消火用配管11における一斉開放弁23の下流側への水の供給を開始するべく、作業員等のユーザに操作される操作手段であり、例えば、ユーザによって開閉されるものである。
(構成-一斉開放弁)
一斉開放弁23は、消火用配管11の水流の開始又は停止を制御するための制御手段であり、具体的には、地上側消火栓弁21又は地下側消火栓弁22の開閉に基づいて、消火用配管11を開閉するものであり、例えば、加圧型バルブとして構成することができるものである。
(構成-自動調圧弁)
自動調圧弁24は、消火用配管11の水流の圧力を調整する調整手段であり、例えば、当該自動調圧弁24の二次側の水流を所定の圧力(一例としては、消火用ホース31からの放出が0.3メガパスカル程度となる圧力)に調整するためのものである。
(構成-排水弁)
制御用排水弁25及び消火用排水弁26は、消火又はメンテナンスを終了した場合に、配管の水を排水するための弁である。詳細には、制御用排水弁25は、例えば、下流側制御用配管13の水を排水するように構成されているものである。また、消火用排水弁26は、消火用配管11の水を排水するように構成されているものである。
(構成-消火用ホース)
消火用ホース31は、前述したように、消火のために用いられるホースであり、具体的には、消火のために泡消火剤を放出するものであり、例えば、先端に消火用ノズルが設けられているものであって、消火用配管11の下流側の端部に設けられているものである。
(構成-メンテナンス用ホース)
メンテナンス用ホース32は、前述したように、消火システム100のメンテナンスのために用いられるホースであり、具体的には、メンテナンスを行う場合に、泡消火剤を放出するものであって、供給部45に着脱可能となっているものである。
(構成-水タンク)
水タンク41は、消火用の水を貯留する貯留手段であり、例えば、少なくとも所定時間(一例としては、40~60分程度)消火のために供給し続けられる程度の量の水が貯留されているものである。
(構成-ポンプ)
ポンプ42は、消火用の水を供給する供給手段であり、例えば、水タンク41の水を所定の圧力(一例としては、1.4~1.5メガパスカル程度)にて消火用配管11に供給するものである。
(構成-泡タンク)
泡タンク43は、消火用の泡原液を貯留する貯留手段であり、例えば、少なくとも所定時間(一例としては、40~60分程度)消火のために供給し続けられる程度の量の泡原液が貯留されているものである。
(構成-エダクター)
エダクター44は、水及び泡原液を互いに撹拌するための撹拌手段であり、例えば、消火用配管11において、水タンク41からの水と泡タンク43からの泡原液とを互いに撹拌して泡消火剤を生成するためものである。
(構成-供給部)
供給部45は、泡消火剤をメンテナンス用ホース32に供給するための供給手段である。図2は、操作ハンドルが干渉位置に移動した状態において、メンテナンス用ホースが取り外された状態の、供給部及び開閉部を例示する側面図である。なお、以下の説明では、図2に示すX―Z方向が互いに直交する方向であり、具体的には、Z方向が垂直方向であるものとして、例えば、+Z方向を上側と称し、-Z方向を下側と称し、+X方向を上流側と称し、-X方向を下流側と称して説明する(なお、後述する各図のX―Z方向も同様とする)。また、以下の「X―Z方向」に関する用語については、図示の供給部45及び開閉部46において、各構成品の相対的な位置関係(又は、方向)等を説明するための便宜的な表現であることする(なお、後述する各図のX―Z方向も同様とする)。また、各構成品又は方向の説明に用いられている「垂直」及び「水平」の用語については、一般的な垂直及び水平の用語の意味の一例である重力の向きを基準とした意味とは異なっており、各構成品の相対的な位置関係(又は、方向)を説明するために便宜的に用いられている表現であることとする。この図2に示す供給部45は、例えば、垂直配管451、水平配管452、及び供給口453を備える。
(構成-供給部-垂直配管)
垂直配管451は、泡消火剤を図1のメンテナンス用ホース32に供給するための供給手段であり、具体的には、消火用配管11の泡消火剤の少なくとも一部が供給されるように、消火用配管11の所定の分岐位置であって、エダクター44と開閉部46との間の所定の分岐位置から分岐しているものであり、例えば、図2に示すように、消火用配管11から上側(+Z方向)に向かって突出しているものである。この垂直配管451は、例えば、消火用配管11と同様に、所定径(一例としては、直径40~50mm程度)のものであり、ユーザによって曲げることができない非可撓性である金属製のものである(なお、水平配管452も同様とする)。
(構成-供給部-水平配管)
水平配管452は、泡消火剤を図1のメンテナンス用ホース32に供給するための供給手段であり、具体的には、消火用配管11の泡消火剤の少なくとも一部が供給されるように、垂直配管451と連通しているものであり、例えば、図2に示すように、垂直配管451の上側(+Z方向)の端部から下流側(-X方向)に向かって突出しているものである。
(構成-供給部-供給口)
供給口453は、消火用配管11の泡消火剤を図1のメンテナンス用ホース32に供給するためのものであって、メンテナンス用ホース32が着脱可能であるものであり、消火用配管11における開閉部46よりも上流側に設けられているものであって、具体的には、水平配管452の下流側(-X側)の端部に設けられているものである。この供給口453は、例えば、メンテナンス用ホース32の先端が挿入されるように構成されているものであり、ロック機構(不図示)、及び連通機構(不図示)を備えて構成されているものである。「ロック機構」とは、供給口453に取り付けられたメンテナンス用ホース32の先端のロック及びアンロックを行うロック手段であり、例えば、公知の機構を適用することができ、詳細には、供給口453にメンテナンス用ホース32の先端を挿入した状態で、当該先端あるいは供給口453を回転させることにより、当該先端及び供給口453が互いに嵌合あるいは螺合する機構を適用することができる。また、「連通機構」とは、、当該供給口453にメンテナンス用ホース32の先端が取り付けられた場合に、水平配管452とメンテナンス用ホース32との間を連通し、且つ、当該供給口453からメンテナンス用ホース32の先端が取り外された場合に、供給口453の開口部を閉鎖して泡消火剤が外部に放出されないようにする連通手段であり、例えば、公知の機構を適用することができ、詳細には、供給口453の内部に設けられており常時付勢されて閉じている閉鎖弁であって、供給口453にメンテナンス用ホース32の先端を挿入することによって開くことが可能な閉鎖弁を適用することができる。
(構成-開閉部)
開閉部46は、前述の開閉手段であり、また、前述の取付制御手段であり、例えば、図2に示すように、開閉弁461、及び操作ハンドル462を備える。
(構成-開閉部-開閉弁)
開閉弁461は、消火用配管11における泡消火剤の流路を開閉する開閉手段であり、具体的には、消火用配管11の前述の所定の分岐位置よりも下流側(-X方向)の位置に設けられているものであり、例えば、操作ハンドル462を操作することにより開閉するものである。
(構成-開閉部-操作ハンドル)
操作ハンドル462は、開閉弁461が流路を開いている場合に、供給口453に対するメンテナンス用ホース32の取り付けを阻害し、開閉弁461が流路を閉じている場合に、供給口453に対するメンテナンス用ホース32の取り付けを許可する取付制御手段であり、具体的には、開閉弁461が流路を開いている場合に、供給口453に対するメンテナンス用ホース32の取り付けを阻害するように、後述する干渉位置に移動し、開閉弁461が流路を閉じている場合に、供給口453に対するメンテナンス用ホース32の取り付けを許可するように、後述する非干渉位置に移動するものであり、例えば、ハンドル持ち手462a、及びハンドル軸462bを備える。
図3は、操作ハンドルが干渉位置に移動した状態の、供給部、開閉部、及び仮想的に図示されたメンテナンス用ホースを例示する側面図であり、図4は、操作ハンドルが非干渉位置に移動した状態の、供給部、開閉部及びメンテナンス用ホースを例示する側面図である。なお、図3においては、実際には、メンテナンス用ホース32は操作ハンドル462に当たって干渉するので、供給口453に対して当該メンテナンス用ホース32を取り付けることはできないが、供給口453に取り付けられたメンテナンス用ホース32を、説明の便宜上、二点鎖線にて仮想的に図示している。「干渉位置」とは、操作ハンドル462の位置であって、供給口453に取り付けられた状態におけるメンテナンス用ホース32と干渉する位置であって、図3の仮想的に図示されているメンテナンス用ホース32に対して操作ハンドル462の少なくとも一部が重複して当たる(つまり、干渉する)位置であり、例えば、供給口453に取り付けられた状態のメンテナンス用ホース32の最下面(-Z方向)であって、操作ハンドル462が移動可能となっている垂直方向(Z方向)の移動可能範囲におけるメンテナンス用ホース32の最下面(-Z方向)よりも、操作ハンドル462の最上面(+Z方向)が上側(+Z方向)に設けられる位置であり、一例としては、図3に示す操作ハンドル462の位置である。また、「非干渉位置」とは、操作ハンドル462の位置であって、供給口453に取り付けられた状態におけるメンテナンス用ホース32と干渉しない位置であって、図3の仮想的に図示されているメンテナンス用ホース32に対して操作ハンドル462の全体が重複せずに当たらない(つまり、干渉しない)位置であり、例えば、供給口453に取り付けられた状態のメンテナンス用ホース32の最下面(-Z方向)であって、操作ハンドル462が移動可能となっている垂直方向(Z方向)の移動可能範囲におけるメンテナンス用ホース32の最下面(-Z方向)よりも、操作ハンドル462の最上面(+Z方向)が下側(-Z方向)に設けられる位置であり、一例としては、図4に示す操作ハンドル462の位置である。
図2のハンドル持ち手462aは、ユーザによって操作される操作手段であり、具体的には、開閉弁461を開閉するために操作されるものであり、例えば、全体として円盤形状のものであって、当該円盤形状が広がっている面における略中央にハンドル軸462bか固定されているものであり、当該ハンドル軸462bを軸に上側(+Z方向)から下側(-Z方向)に向かってみて、時計回り又は反時計回りに回転させることができるように構成されているものである。また、ハンドル持ち手462aは、例えば、ユーザによって曲げることができない非可撓性である金属製のものである(なお、ハンドル軸462bも同様とする)。
図2のハンドル軸462bは、ハンドル持ち手462aを回転させることにより上下動する移動手段であり、また、ハンドル持ち手462aを回転させることにより開閉弁461を開閉する力を伝達する伝達手段であり、例えば、固定筒462b1及び移動軸462b2を備える。固定筒462b1は、消火用配管11に固定されている固定手段であり、例えば、消火用配管11における垂直配管451よりも下流側(-X方向)に設に設けられているものであり、上側(+Z方向)に向かって突出している筒状のものである。移動軸462b2は、固定筒462a1に対して移動する移動手段であり、例えば、移動軸462b2における下側(-Z方向)の端部が固定筒462b1の内部に挿入されており、且つ、移動軸462b2における上側(+Z方向)の端部にハンドル持ち手462aが固定されているものである。この移動軸462b2は、例えば、ハンドル持ち手462aを回転させることにより、自己も回転しながら垂直方向(Z方向)に移動し、且つ、開閉弁461を開閉できるように、公知の機構を用いて、固定筒462b1の内部に設けられている
ここでは、例えば、これらのハンドル持ち手462a及びハンドル軸462bを備える操作ハンドル462について、ハンドル持ち手462aを時計回りに回転させることにより、移動軸462b2が下側(-Z方向)に移動し、ハンドル持ち手462aが非干渉位置に移動した場合に、開閉弁461が流路を閉じ、一方、ハンドル持ち手462aを反時計回りに回転させることにより、移動軸462b2が上側(-Z方向)に移動し、ハンドル持ち手462aが干渉位置に移動した場合に、開閉弁461が流路を開くように、公知の機構等を用いて構成されているものとして、以下説明する。
(動作)
次に、このように構成される図1の消火システム100の動作について説明する。具体的には、消火を行うための動作である消火動作、及び、メンテナンスを行うための動作であるメンテナンス動作について説明する。なお、図1の地上側消火栓弁21、地下側消火栓弁22、及び一斉開放弁23が閉じており、且つ、図2に示すように、メンテナンス用ホース32が取り付けられておらず、且つ、操作ハンドル462が干渉位置に設けられており、且つ、開閉弁461が流路を開いている状態を、消火動作及びメンテナンス動作を行う場合の、消火システム100の初期状態として、初期状態から消火動作又はメンテナンス動作を行う場合について説明する。なお、図1の自動調圧弁24、制御用排水弁25、及び消火用排水弁26の動作については、公知の動作を適用することができるので、その説明については省略する。
(動作-消火動作-開始)
消火動作を開始する場合、図1において地上のユーザは、地上の不図示の発信機のボタンを押下することによりポンプ42を起動する。この場合、水タンク41の水は、ポンプ42によって、消火用配管11における一斉開放弁23の上流側の一部、及び上流側制御用配管12に供給される。
次に、地上のユーザは、消火用ホース31を消火栓格納箱101から取り出した上で、地上側消火栓弁21を開く。この場合、上流側制御用配管12に供給された水は、地上側消火栓弁21、及び下流側制御用配管13を介して一斉開放弁23側に供給されて、一斉開放弁23に圧力が供給されることになり、一斉開放弁23が消火用配管11の流路を開く。次に、消火用配管11における一斉開放弁23の上流側の一部に供給されていた水は、自動調圧弁24を介してエダクター44に供給され、当該エダクター44にて泡タンク43の泡原液と撹拌されて泡消火剤となり、当該泡消火剤は供給部45及び開閉部46に供給される。この場合、図2の開閉弁461が流路を開いているので、供給された泡消火剤は、開閉弁461を介して図1の消火用ホース31に供給されて消火用ノズルから放出される。なお、この場合、メンテナンス用ホース32が供給口453に取り付けられていないので、供給口453の不図示の閉鎖弁は閉じているために、供給口453から泡消火剤は放出されないことになる。
(動作-消火動作-終了)
消火動作を終了する場合、地上のユーザは、不図示のポンプ停止スイッチを押下した上で、地上側消火栓弁21を閉じる。この場合、ポンプ42が停止し、また、上流側制御用配管12及び下流側制御用配管13の間が遮断されるので、一斉開放弁23に供給される圧力が低下し、一斉開放弁23が消火用配管11の流路を閉じ、消火用ホース31からの泡消火剤の放出が停止されることになる。この後、各配管の排水等を行った上で、消火用ホース31を消火栓格納箱101に収納する。これにて、消火動作を終了する。
(動作-メンテナンス動作-開始)
次に、メンテナンス動作を開始する場合、図1において地下のユーザは、図2の状態にて供給口453にメンテナンス用ホース32を取り付けようとしても、当該メンテナンス用ホース32が操作ハンドル462と干渉して取り付けを行うことができないので、以下の操作を行う。具体的には、地下のユーザは、図2のハンドル持ち手462aを時計回りに回転して、操作ハンドル462が非干渉位置まで移動するように、当該操作ハンドル462を下側(-Z方向)に移動させる。そして、操作ハンドル462が非干渉位置に移動した場合に、開閉弁461が流路を閉じている状態となり、また、供給口453にメンテナンス用ホース32を取り付けることが可能となる。
次に、地下のユーザは、図4に示すように、供給口453にメンテナンス用ホース32を取り付ける。この場合、供給口453の内部の不図示の閉鎖弁は、供給口453に挿入されたメンテナンス用ホース32の先端によって開くことになり、消火用配管11の泡消火剤が垂直配管451及び水平配管452を介してメンテナンス用ホース32に供給され得ることになる。このように、操作ハンドル462が非干渉位置に移動しており、開閉弁461が流路を閉じている場合にのみ、供給口453にメンテナンス用ホース32を取り付けることが可能であるので、供給口453にメンテナンス用ホース32が取り付けられているにも関わらず、開閉弁461が流路を開いている状態が発生するのを防止することができる。
次に、地下のユーザは、地下の不図示のポンプ起動スイッチを押下することによりポンプ42を起動した後に、地下側消火栓弁22を開く。この場合、「(動作-消火動作-開始)」にて説明したした場合と同様にして、一斉開放弁23が消火用配管11の流路を開くことになり、水タンク41の水は、消火用配管11に供給されてた後に、自動調圧弁24を介してエダクター44に供給され、当該エダクター44にて泡タンク43の泡原液と撹拌されて泡消火剤となり、当該泡消火剤は供給部45及び開閉部46に供給される。この場合、図4の開閉弁461が流路を閉じており、且つ、供給口453の不図示の閉鎖弁が開いているので、供給された泡消火剤は、垂直配管451及び水平配管452を介してメンテナンス用ホース32に供給されて放出される。そして、地下のユーザは、このメンテナンス用ホース32から泡消火剤が放出されるか否か、放出量、あるいは、放出時間等に基づいて、消火システム100が正常に動作するか否かを、公知の手法を用いて確認することが可能となる。なお、この場合、開閉弁461が流路を閉じているので、泡消火剤が消火用ホース31から放出されるのを防止することができる。
(動作-メンテナンス動作-終了)
メンテナンス動作を終了する場合、地下のユーザは、不図示のポンプ停止スイッチを押下した上で、地下側消火栓弁22を閉じる。この場合、「(動作-消火動作-終了)」にて説明した場合と同様にして、ポンプ42が停止し、また、メンテナンス用ホース32からの泡消火剤の放出が停止されることになる。
次に、地下のユーザは、図4のメンテナンス用ホース32を供給口453から取り外した後、ハンドル持ち手462aを反時計回りに回転して、操作ハンドル462が干渉位置まで移動するように、当該操作ハンドル462を上側(+Z方向)に移動させる。そして、操作ハンドル462が干渉位置に移動した場合に、開閉弁461が流路を開いている状態となり、また、供給口453にメンテナンス用ホース32を取り付けることが不可能となる。これにて、メンテナンス動作を終了する。
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、開閉弁461が流路を開いている場合に、供給口453に対するメンテナンス用ホース32の取り付けを阻害し、開閉弁461が流路を閉じている場合に、供給口453に対するメンテナンス用ホース32の取り付けを許可することにより、例えば、開閉弁461が流路を閉じている場合にのみ供給口453に対してメンテナンス用ホース32を取り付けることができるので、作業員のヒューマンエラー(例えば、流路を閉じる作業の失念等)に起因して、供給口453に対してメンテナンス用ホース32が取り付けられているにも関わらず開閉弁461が流路を開いている状態が発生するのを防止することができるために、上記ヒューマンエラーに起因してメンテナンスを行う場合に消火用ホース31から泡消火剤が放出されてしまうのを防止することができ、周囲に迷惑をかけずに確実にメンテナンスを行うことができる。
また、操作ハンドル462が、開閉弁461が流路を開いている場合に、供給口453に対するメンテナンス用ホース32の取り付けを阻害するように、干渉位置に移動し、開閉弁461が流路を閉じている場合に、供給口453に対するメンテナンス用ホース32の取り付けを許可するように、非干渉位置に移動することにより、例えば、操作ハンドル462とメンテナンス用ホース32とが互いに干渉するか否かにより、供給口453に対するメンテナンス用ホース32の取り付けの阻害又は許可を行うことができるので、供給口453に対してメンテナンス用ホース32が取り付けられているにも関わらず開閉弁461が流路を開いている状態が発生するのを確実に防止することができる。
また、取付制御手段が開閉弁461を操作するための操作ハンドル462であることにより、例えば、従来の消火システムの部品を用いて取付制御手段の機能を実現することができるので、取付制御手段の機能を実現するための部品コストあるいは改造コストを低減することができ、消火システム100を低価格にて提供することができる。
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の詳細に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
(分散や統合について)
また、上述した構成は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。本出願における「システム」とは、複数の装置によって構成されたものに限定されず、単一の装置によって構成されたものを含む。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。
(供給部及び開閉部について-構成)
また、上記実施の形態では、図2の供給部45及び開閉部46を用いる場合について説明したが、供給部45及び開閉部46とは異なる供給部及び開閉部を用いてもよい。図5は、操作ハンドルが干渉位置に移動した状態において、メンテナンス用ホースが取り外された状態の、変形例の供給部及び開閉部を例示する側面図であり、図6は、図5の平面図であり、図7は、操作ハンドルが干渉位置に移動した状態の、変形例の供給部、開閉部、及び仮想的に図示されたメンテナンス用ホースを例示する側面図であり、図8は、操作ハンドルが非干渉位置に移動した状態の、変形例の供給部、開閉部及びメンテナンス用ホースを例示する側面図であり、図9は、図8の平面図である。なお、以下の説明では、図6及び図9に示すY方向は、X方向及びZ方向に直交する方向であるものとして、以下説明する。
まず、図5及び図6の供給部55は、図2の供給部45において垂直配管451の長さが短くなるように変更したものであり、変更した構成以外の構成については供給部45の同一名称の構成と同様である。供給部55は、例えば、垂直配管551、水平配管552、及び供給口553を備える。
また、図5及び図6の開閉部56は、図2の開閉部46と同様な機能を当該開閉部46とは異なる構成にて実現するものである。開閉部56は、例えば、図5及び図6に示すように、開閉弁561、及び操作ハンドル562を備える。
開閉弁561は、例えば、操作ハンドル562を操作することにより開閉するものである。操作ハンドル562は、開閉弁561が流路を開いている場合に、供給口553に対するメンテナンス用ホース32の取り付けを阻害するように、後述する干渉位置に移動し、開閉弁561が流路を閉じている場合に、供給口553に対するメンテナンス用ホース32の取り付けを許可するように、後述する非干渉位置に移動するものであり、例えば、ハンドル持ち手562a、及びハンドル軸562bを備える。
ここで、「干渉位置」とは、操作ハンドル562の位置であって、供給口553に取り付けられた状態におけるメンテナンス用ホース32と干渉する位置であって、図7の仮想的に図示されているメンテナンス用ホース32に対して操作ハンドル562の少なくとも一部が重複して当たる(つまり、干渉する)位置であり、例えば、操作ハンドル562の後述するハンドル持ち手562aが供給口553の近傍に設けられる位置であり、一例としては、図6に示す操作ハンドル562の位置である。また、「非干渉位置」とは、操作ハンドル562の位置であって、供給口553に取り付けられた状態におけるメンテナンス用ホース32と干渉しない位置であって、図7の仮想的に図示されているメンテナンス用ホース32に対して操作ハンドル562の全体が重複せずに当たらない(つまり、干渉しない)位置であり、例えば、操作ハンドル562の後述するハンドル持ち手562aが供給口553から離れた位置であり、一例としては、図9に示す操作ハンドル562の位置である。
図5及び図6のハンドル持ち手562aは、ユーザによって操作される操作手段であり、例えば、棒状に伸びた平板形状のものであり、ハンドル軸562bを基準に図6の方向A1及び方向A2に90度だけ回動させることができるように構成されているものである。
図5及び図6のハンドル軸562bは、ハンドル持ち手562aを回動可能に支持する支持手段であり、また、ハンドル持ち手562aを回動させることにより開閉弁561を開閉する力を伝達する伝達手段であり、例えば、消火用配管11に設けられているものである。
そして、例えば、これらのハンドル持ち手562a及びハンドル軸562bを備える操作ハンドル562について、ハンドル持ち手562aを方向A1に回動させることにより、ハンドル持ち手562aが非干渉位置に移動した場合に、開閉弁561が流路を閉じ、一方、ハンドル持ち手562aを方向A2に回動させることにより、ハンドル持ち手562aが干渉位置に移動した場合に、開閉弁561が流路を開くように、公知の機構等を用いて構成されているものとする。
(供給部及び開閉部について-メンテナンス動作)
このように構成される変形例の消火システム(具体的には、実施の形態の消火システム100において、供給部45及び開閉部46を供給部55及び開閉部56に置き換えたもの)において、メンテナンス動作を開始する場合、地下のユーザは、図5及び図6の状態にて供給口553にメンテナンス用ホース32を取り付けようとしても、当該メンテナンス用ホース32が操作ハンドル562と干渉して取り付けを行うことができないので、以下の操作を行う。具体的には、地下のユーザは、図6のハンドル持ち手562aを方向A1に回動して、当該ハンドル持ち手562aを非干渉位置まで移動せる。そして、ハンドル持ち手562aが非干渉位置に移動した場合に、開閉弁561が流路を閉じている状態となり、また、供給口553にメンテナンス用ホース32を取り付けることが可能となる。次に、地下のユーザは、図8及び図9に示すように、供給口553にメンテナンス用ホース32を取り付けた後に、実施の形態で説明した場合と同様な操作を行って、メンテナンス動作を開始する。
次に、メンテナンス動作を終了する場合、地下のユーザは、所定の操作(実施の形態で説明した、不図示のポンプ停止スイッチの押下等)を行った後に、図8及び図9のメンテナンス用ホース32を供給口553から取り外した後、ハンドル持ち手562aを図6の方向A2に回動して、当該ハンドル持ち手562aを干渉位置まで移動せる。そして、ハンドル持ち手562aが干渉位置に移動した場合に、開閉弁561が流路を開いている状態となり、また、供給口553にメンテナンス用ホース32を取り付けることが不可能となる。これにて、メンテナンス動作を終了する。
(取付制御手段について(その1))
また、上記実施の形態においては、取付制御手段が図2の操作ハンドル462である場合について説明したが、これに限らない。例えば、供給口453付近において突出又は退避する突起を設けて、開閉弁461が開いている場合に、供給口453へのメンテナンス用ホース32の取り付けを阻害するべく突起が突出し、一方、開閉弁461が閉じている場合に、供給口453へのメンテナンス用ホース32の取り付けを許可するべく突起が退避するように構成してもよい。
(取付制御手段について(その2))
また、上記実施の形態においては、図2の操作ハンドル462を干渉位置又は非干渉位置に移動させることにより、供給口453へのメンテナンス用ホース32の取り付けを阻害又は許可する場合について説明したが、これに限らない。例えば、操作ハンドル462のハンドル持ち手462aを、供給口453及びメンテナンス用ホース32の継ぎ手としても用いられるように構成し、且つ、開閉弁461が閉じている場合にのみハンドル持ち手462aをハンドル軸462bから取り外せるように構成し、且つ、継ぎ手としてのハンドル持ち手462aを用いないと供給口453にメンテナンス用ホース32を取り付けられないように構成してもよい。このように構成した場合、開閉弁461が開いている場合には、ハンドル持ち手462aをハンドル軸462bから取り外せないので、供給口453へのメンテナンス用ホース32の取り付けが阻害されることになり、一方、開閉弁461が閉じている場合には、ハンドル持ち手462aをハンドル軸462bから取り外して、継ぎ手として用いることができるので、供給口453へのメンテナンス用ホース32の取り付けが許可されることになる。
(自動制御について)
また、上記実施の形態においては、図2の開閉弁461及び操作ハンドル462を、マニュアルにて操作する場合について説明したが、例えばこれらの装置を自動制御してもよい。例えば、開閉弁461を電磁弁として構成し、また、操作ハンドル462をアクチュエータにより移動可能に構成し、また、図1の防火システム100に制御コンピュータを設けて、当該制御コンピュータが、開閉弁461の開閉及び操作ハンドル462の移動を制御するように構成してもよい。具体的には、メンテナンス動作を行う前の初期状態として、制御コンピュータが、開閉弁461を開き、且つ、操作ハンドル462を干渉位置に移動させ、ユーザからのメンテナンス要求を受信した場合に、開閉弁461を閉じ、且つ、操作ハンドル462を非干渉位置に移動させるように構成してもよい。
(警報について(その1))
また、上記実施の形態において、図1の火災システム100に対して、開閉状態検出センサ、取付状態検出センサ、及び警報装置を設けてもよい。開閉状態検出センサとは、図2の開閉弁461の開閉状態を検出する検出手段であり、具体的には、開閉弁461が開いているか閉じているかを検出するものであり、例えば、公知のバルブセンサ等、あるいは、当該バルブセンサ以外の公知のセンサを用いて実現することができる任意のセンサを用いることができる。また、取付状態検出センサとは、供給口453に対するメンテナンス用ホース32の取付状態を検出する検出手段であり、具体的には、供給口453にメンテナンス用ホース32が取り付けられているか否かを検出するものであり、例えば、供給口453の内側に設けられる公知のスイッチセンサ等、あるいは、当該スイッチセンサ以外の公知のセンサを用いて実現することができる任意のセンサを用いることができる。また、警報装置は、開閉状態検出センサの検出結果、又は、取付状態検出センサの検出結果に基づいて警報を行う警報手段であり、具体的には、双方の検出結果又は一方のみの検出結果に基づいて警報を行うものであり、例えば、画像情報を表示する小型液晶ディスプレイの如き表示装置、あるいは、音声情報を出力するスピーカ等を用いることができる。なお、この表示装置及びスピーカについては、ユーザに警報を報知可能な場所である限りにおいて任意の場所に設けることができるが、例えば、図2の消火用配管11における供給部45及び開閉部46の間に設けてもよい。
このように構成した上で、図1の火災システム100に対して制御コンピュータを設けて、当該制御コンピュータが各センサの検出結果を取得して、警報を行ってもよい。
具体的には、制御コンピュータは、各センサの検出結果として、開閉弁461が閉じており、且つ、メンテナンス用ホース32が取り付けられていることを示す検出結果(以下、「第1の検出結果」と称する)、又は、開閉弁461が閉じており、且つ、メンテナンス用ホース32が取り付けられていないことを示す検出結果(以下、「第2の検出結果」と称する)、又は、開閉弁461が開いており、且つ、メンテナンス用ホース32が取り付けられていないことを示す検出結果(以下、「第3の検出結果」と称する)を取得する可能性がある。なお、図2の操作ハンドル462が取付制御手段として機能するので、開閉弁461が開いており、且つ、メンテナンス用ホース32が取り付けられていることを示す検出結果については、取得しないことになる。
そして、制御コンピュータは、第1の検出結果を取得した場合、メンテナンスを行っている最中である可能性を報知するために、メンテナンス中であることを示す画像又は音声を、警報として警報装置に出力させてもよい。また、制御コンピュータは、第2の検出結果を取得した場合、メンテナンス終了後に開閉弁461を開き忘れている可能性を報知するために、開閉弁461が閉じていることを示す画像又は音声を、警報として警報装置に出力させてもよい。また、制御コンピュータは、第3の検出結果を取得した場合、メンテナンスが行われておらずに通常の待機状態であること報知するために、待機状態であることを示す画像又は音声を、警報として警報装置に出力させるように構成してもよい。
(警報について(その2))
また、上記「(警報について(その1))」において、警報装置として、LED等を用いてもよい。
このように構成した場合、開閉弁461の開閉状態、及び、供給口453に対するメンテナンス用ホース32の取付状態の検出結果に基づいて警報を行うことにより、例えば、メンテナンスに関する警報を行うことができるので、メンテナンスの状態を作業員に報知することができる。特に、例えば、開閉弁461を閉じており、且つ、供給口453にメンテナンス用ホース32が取り付けられていない場合には、メンテナンスが終了したにも関わらず開閉弁461を開き忘れている可能性があることを報知することができ、メンテナンスに関するヒューマンエラーを防止することができる。
(供給制御について(その1))
また、上記実施の形態において、図1の火災システム100に対して、メンテナンス格納箱、及び供給制御弁を設けてもよい。メンテナンス格納箱とは、メンテナンス用ホース32を収容するための収容手段であり、具体的には、メンテナンスが行われない場合にメンテナンス用ホース32が収容される中空部が設けられているものであり、例えば、床版格納箱102の近傍に設けられているものであり、メンテナンス用ホース32が収容されているか否かを検出するための収容検出センサを備えるものである。また、供給制御弁とは、メンテナンス格納箱によってメンテナンス用ホース32が収容されていない場合において、地下側消火栓弁22がユーザによって操作された場合に、消火用配管11における一斉開放弁23の下流側への水の供給を開始可能にし、メンテナンス格納箱によってメンテナンス用ホース32が収容されている場合において、地下側消火栓弁22がユーザによって操作された場合に消火用配管11における一斉開放弁23の下流側への水の供給を開始不能とする供給制御手段であり、例えば、上流側制御用配管12及び下流側制御用配管13の間において、地下側消火栓弁22に直列に設けられている電磁弁として構成することができる。
このように構成した上で、図1の火災システム100に対して制御コンピュータを設けて、当該制御コンピュータが収容検出センサの検出結果を取得して、供給制御弁を制御してもよい。
具体的には、制御コンピュータは、収容検出センサの検出結果として、メンテナンス用ホース32が収容されていることを示す検出結果を取得した場合、供給制御弁を閉じる。この場合、ポンプ42の起動後に地下側消火栓弁22を開いたとしても、当該地下側消火栓弁22と直列に設けられている供給制御弁が流路を閉じているので、一斉開放弁23に圧力を供給できずに当該一斉開放弁23が閉じたままとなるので、消火用配管11における一斉開放弁23の下流側への水の供給の開始が不能となる。
一方、制御コンピュータは、収容検出センサの検出結果として、メンテナンス用ホース32収容がされていないことを示す検出結果を取得した場合、供給制御弁を開く。この場合、ポンプ42の起動後に地下側消火栓弁22を開いた場合、当該地下側消火栓弁22と直列に設けられている供給制御弁が流路を開いているので、一斉開放弁23に圧力が供給されて当該一斉開放弁23が開くので、消火用配管11における一斉開放弁23の下流側への水の供給の開始が可能となる。
このように構成した場合、メンテナンス格納箱によってメンテナンス用ホース32が収容されていない場合において、地下側消火栓弁22がユーザによって操作された場合に、消火用配管11における一斉開放弁23の下流側への水の供給を開始可能にし、メンテナンス格納箱によってメンテナンス用ホース32が収容されている場合において、地下側消火栓弁22がユーザによって操作された場合に、消火用配管11における一斉開放弁23の下流側への水の供給を開始不能とすることにより、例えば、メンテナンスを行うためにメンテナンス用ホース32の使用準備(例えば、メンテナンス格納箱からメンテナンス用ホース32を取り出して供給口453に取り付ける等)ができていないにも関わらず、消火用配管11における一斉開放弁23の下流側への水の供給が開始されるのを防止することができるので、メンテナンス用ホース32の使用準備が完了した適切な場合に消火用配管11における一斉開放弁23の下流側への水の供給を開始し、適切にメンテナンスを行うことができる。
(供給制御について(その2))
また、上記「(供給制御について(その1))」に関して、供給制御弁と共にあるいは供給制御弁の代わりに、ポンプ起動装置を設けて、当該ポンプ起動装置が、収容検出センサの検出結果を取得し、及び、前述した図1のポンプ42を起動するためのポンプ起動スイッチ(不図示)からの起動信号を受信するように構成した上で、ポンプ42の起動を制御してもよい。具体的には、ポンプ起動装置は、ポンプ起動スイッチからの起動信号を受信した場合において、メンテナンス用ホース32が収容されていることを示す検出結果を取得した場合にポンプ42を起動せずに、メンテナンス用ホース32が収容されていないことを示す検出結果を取得した場合にポンプ42を起動してもよい。なお、この場合、ポンプ起動装置が「供給制御手段」に相当し、ポンプ起動スイッチが「操作手段」に相当する。
(消火装置用収容手段について)
また、上記実施の形態では、前述の地下側被収容装置群を図1の床版下格納箱102に収容する場合について説明したが、これに限らない。例えば、地下側被収容装置群の全部又は一部を、消火装置用収容手段に収容してもよい。ここで、「消火装置用収容手段」とは、消火装置を収容する消火装置用収容手段であり、具体的には、当該消火装置用収容手段の少なくとも一部が、消火装置を取り囲むフレーム枠のみによって構成されているものである。また、「消火装置」とは、消火液を出力するための装置であり、例えば、消火液を消火用ホース31に供給するための装置又は構成品等であって、地下側被収容装置群に含まれる装置又は構成品等を含む概念である。図10は、消火装置用収容部の斜視図であり、図11は、地下側被収容装置群を収容した状態の消火装置用収容部の正面図である。なお、消火装置用収容部600には、実際には、地下側被収容装置群の全てが収容されているが、図11では、説明の便宜上、地下側消火栓弁22、自動調圧弁24、泡タンク43、エダクター44については、説明の便宜上、矩形にて図示している。なお、「消火装置用収容部600」及び「地下側被収容装置群」を備えるシステムが「消火システム」に相当する。
なお、以下の説明では、図10に示すX1―Y1―Z1方向が互いに直交する方向であり、具体的には、Z1方向が垂直方向であるものとして、例えば、+Z1方向を上側と称し、-Z1方向を下側と称し、X1方向が左右方向であるものとして、例えば、+X1方向を右側と称し、-X1方向を左側と称し、Y1方向が前後方向であるものとして、例えば、+Y1方向を正面側と称し、-Y1方向を背面側と称して説明する(なお、図11のX―Z方向も同様とする)。
図10及び図11に示す消火装置用収容部600は、地下側被収容装置群を収容する消火装置用収容手段であり、例えば、図1の消火栓格納箱101とは別体のものであり、図1の床版900よりも下側の避難通路等が敷設されている地下側に設けられているものである。この消火装置用収容部600の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、少なくとも一部が地下側被収容装置群を取り囲むフレーム枠のみによって構成されているものであり、全体としては略直方体形状を呈している金属製のものであり、一例としては、図10に示すように、底板61、下側フレーム62、縦側フレーム63、中側フレーム64、上側フレーム65、背面板66、及び吊上部67を備える。なお、実際には、消火装置用収容部600は、地下側被収容装置群を消火装置用収容部600自身に取り付けて固定するための機構である取付機構も備えるが、この取付機構については、各種装置を取り付け又は固定するための公知の機構を適用することができるので、ここでは、その説明を省略する。
底板61は、消火装置用収容部600の底を形成するための部材であり、例えば、略矩形形状のものである。
また、下側フレーム62は、消火装置用収容部600の下側(-Z1方向)のフレーム枠であり、例えば、底板61の四辺に公知の結合手法(例えば、一体形成、ねじ止め、又は溶接等)にて結合されているものである。また、縦側フレーム63は、消火装置用収容部600において垂直方向(Z1方向)において立設しているフレーム枠であり、例えば、底板61と結合している下側フレーム62における底板61の四隅に対応する部分に前述の公知の結合手法にて結合されているものである。中側フレーム64は、垂直方向(Z1方向)における消火装置用収容部600の下側フレーム62と上側フレーム65との間の真ん中の地点よりも若干上側(+Z1方向)寄りの位置に設けられているフレーム枠であり、例えば、縦側フレーム63に対して前述の公知の結合手法にて結合されているものである。また、上側フレーム65は、消火装置用収容部600の上側(+Z1方向)のフレーム枠であり、例えば、縦側フレーム63に対して前述の公知の結合手法にて結合されているものである。
また、背面板66は、所定の電気設備(例えば、防災盤、消火栓等の電気信号をやりとりするための端子台、電話ジャック、あるいは、ポンプ起動スイッチ等の任意の設備)を取り付けるための取付手段である。この背面板66の種類や具体的な構成は任意であるが、例えば、消火装置用収容部600における外面側に設けられているものであり、一例としては、消火装置用収容部600における背面側(-Y1)の上側(+Z1)に設けられているものであって、消火装置用収容部600における背面側(-Y1)の上側(+Z1)に設けられている開口の一部を塞ぐような略矩形形状を呈しているものであり、消火装置用収容部600における背面側(-Y1)の上側(+Z1)に前述の公知の結合手法にて結合されているものである。
また、吊上部67は、消火装置用収容部600自体を吊り上げて移動させるための吊上手段である。この吊上部67の種類や具体的な構成は任意であるが、例えば、公知の吊り上げ装置(例えば、フックを備えるクレーン装置等)のフックを引っ掛けることができるように環状を呈しているものであり、消火装置用収容部600における上側(+Z1方向)の面に対して前述の公知の結合手法にて結合されているものである。
このように構成した場合、消火装置用収容部600の少なくとも一部が、地下側被収容装置群を取り囲むフレーム枠のみによって構成されていることにより、例えば、フレーム枠の間の開口を介して消火装置用収容部600の外部から消火装置用収容部600の内部の地下側被収容装置群に容易にアクセスすることができるので、地下側被収容装置群に対するメンテナンス(例えば、泡タンク43の泡原液の入れ替え等)等の作業性を向上させることができる。また、例えば、前述の開口を介して消火装置用収容部600の外部から消火装置用収容部600の内部の地下側被収容装置群を直接目視することができるので、地下側被収容装置群の故障個所(例えば、外観の損傷等)を容易に特定することができる。また、例えば、地下側被収容装置群を取り囲む材料(例えば、板金等)を消火装置用収容部600の全面に設けることが不要となるので、消火システムを製造するための材料費を低減させることができる。また、例えば、地下側被収容装置群を取り囲む材料(例えば、板金等)を消火装置用収容部600の全面に設けることが不要となるので、消火システムの軽量化を図ることが可能となり、消火システムの運搬性あるいは設置性を向上させることができる。また、例えば、消火装置用収容部600に収容されている地下側被収容装置群を保持することができるので、当該地下側被収容装置群を所定位置に固定することができる。
特に、消火装置用収容部600の6面における下側(-Z1方向)以外の5面において、開口部が形成されるために、地下側被収容装置群にあらゆる方向から容易にアクセスすることができるので、作業員が地下側被収容装置群に対する手作業を行い易くなる。また、消火装置用収容部600に開口部が設けられているので、消火装置用収容部600の内外を結ぶ穴(例えば、配管又は配線用の穴等)を設けることが不要となる。また、消火装置用収容部600は主にフレーム枠によって構成されているので、フレーム枠を組み替えたり増設したりすることにより、消火装置用収容部600を容易に任意の形状又はサイズにすることが可能となる。また、例えば、図11に示すように、メンテナンス用ホース32を消火装置用収容部600における上側の一部に引っ掛けることにより、メンテナンス用ホース32を比較的高い位置に保持することができ、メンテナンス用ホース32が作業員の足元で邪魔になるのを防止することができる。
また、背面板66を備えることにより、例えば、地下側被収容装置群に関する電気設備を取り付けることができるので、当該電気設備を用いて地下側被収容装置群のために又は地下側被収容装置群とともに、所定の電気機器(例えば、メンテナンスで用いる電話機等を含む任意の電気機器)を利用することが可能となる。また、例えば、この所定の電気機器のための電気設備を消火システムとは別に設けることが不要となるので、消火システムが設置される場所のスペースを有効に活用することができる。
また、背面板66が消火装置用収容部600の外面側(例えば、背面側(-Y1方向))に設けられていることにより、例えば、消火システムを利用している作業員による背面板66へのアクセスが容易となり、当該作業員による作業効率を向上させることができる。特に、背面板66が消火装置用収容部600の上側(+Z1方向)に設けられていることにより、例えば、所定の電気設備を比較的高い位置に設けることができるので、一例としては電気設備に関連する配線等が、作業員の足元で邪魔になるのを防止することができる。
また、背面板66を用いて取り付ける所定の電気設備としての端子台については、任意のものを用いることができるが、例えば、トンネルの出入口に設けられている制御盤側と、図1の地上の消火栓格納箱101側との電気的な配線を中継するように構成されているものを用いてもよい。この場合、制御盤側と背面板66を用いて取り付ける所定の電気設備としての当該端子台との間の配線については、図1の地下側を利用して行い、当該端子台から地上側の消火栓格納箱101側に配線することにより、制御盤側と消火栓格納箱101側とが配線されることになる。このように構成した場合、配線の大部分を地下側にて行うことが可能となり、地上側の安全性の確保又は地上側の景観の維持を図ることが可能となる。
また、背面板66を用いて取り付ける所定の電気設備としての電話ジャックについては、任意のものを用いることができるが、例えば、メンテナンス時に図1の地下側にいる作業員と、車道側である地上側にいる作業員との間で電話機を用いて通話を行うために、地下側で用いられる電話機が接続されるように構成されているものを用いてもよい。この場合、地上側と地下側とでコミュニケーションをとることができるので、メンテナンス作業を適切且つ効率的に行うことが可能となる。
(利用について)
また、「(消火装置用収容手段について)」で説明した消火システム(つまり、消火装置用収容部600及び地下側被収容装置群)については、例えばトンネル内の所定の場所に固定設置して据え置き型の機器として利用してもよいし、あるいは、当該消火システムをメンテナンスユニットとしてユニット化して、例えば、メンテナンス時にトンネル内外に当該メンテナンスユニットを運搬して利用してもよい。なお、メンテナンスユニットとしてユニット化する場合については、地下側被収容装置群としては、メンテナンスのために用いられるメンテナンス用ホース32のみを備えるように構成してもよい。
(継手について)
また、「(消火装置用収容手段について)」で説明した消火システム(つまり、消火装置用収容部600及び地下側被収容装置群)については、工場にてユニットとして組みたてた上で、当該組み立てたユニットを当該ユニットの設置現場に運搬して施工するように構成してもよい。この場合、設置現場での施工性を向上させる観点から、消火システムの配管の末端部に継手等を設けてもよい。特に、図11において、消火用配管11、上流側制御用配管12、及び下流側制御用配管13の上側(+Z1方向)の一部に、いわゆるワンタッチ継手等の任意の継手等によって実現される接続部を設けて末端とした上で、これらの配管と接続される図1の地上側から取り回される配管である地上側配管を、当該接続部を用いて着脱可能に接続するように構成してもよい。この場合、各配管における接続部を設ける位置は任意であるが、例えば、消火用配管11については、図11の開閉部46よりも上側(+Z1方向)の任意の位置(例えば、上側フレーム65よりも下側(-Z1方向)の位置、又は、上側フレーム65よりも上側(+Z1方向)の位置)に接続部を設けてもよく、上流側制御用配管12及び下流側制御用配管13については、図11の地下側消火栓弁22よりも上側(+Z1方向)の任意の位置(例えば、上側フレーム65よりも下側(-Z1方向)の位置、又は、上側フレーム65よりも上側(+Z1方向)の位置)に接続部を設けてもよい。また、消火用配管11における下側(-Z1方向)且つ左側(-Z1方向)に至る部分にも、同様にして接続部を設けて、図1のポンプ42側から取り回される配管であるポンプ側配管を、当該接続部を用いて着脱可能に接続するように構成してもよい。この接続部の位置についても任意であるが、例えば、図11の消火用配管11と上流側制御用配管12とが結合されている位置よりも左側(-X1側)の任意の位置(例えば、図11の左側(-X1方向)に図示されている縦側フレーム63よりも左側(-X1方向)の位置、又は、当該縦側フレーム63よりも右側(+X1方向)の位置)に接続部を設けてもよい。また、例えば、図1の地上側から取り回される地上側配管、又は、図1のポンプ42側から取り回されるポンプ側配管については、施工性等を考慮して、可撓性の配管を少なくとも一部(つまり、全部又は一部)に採用してもよい。
(補強又は保護について)
また、「(消火装置用収容手段について)」で説明した消火装置用収容部600について、いわゆる筋交いの如き補強手段を設けて補強してもよいし、図5の背面板66のサイズを増大させて補強手段として用いてもよい。また、消火装置用収容部600の全部又は一部については、開閉部(例えば、ファスナー等)を備えるカバーシートで覆ってもよい。このカバーシートの素材については、透光性のものを用いてもよく又は非透光性のものを用いてもよい。このように構成した場合、消火装置用収容部600に収容されている地下側被収容装置群、又は消火装置用収容部600自体について、防塵や保護の効果を得ることができる。
(構成について)
また、「(消火装置用収容手段について)」で説明した消火装置用収容部600について、図10の床板61を省略して、全部をフレーム枠にて構成してもよい。また、背面板66を消火装置用収容部600の6面における下側(-Z1方向)以外の5面(外面)中の、図10に示す位置以外の任意の位置に設けてもよく、あるいは、背面板66を消火装置用収容部600の内部側に若干入った位置に設けてもよい。
(消火システムの解釈について)
また、少なくとも「(消火装置用収容手段について)」で説明した「消火装置用収容部600」及び「地下側被収容装置群」を備えるシステムを「消火システム」と解釈してもよいし、消火装置用収容部600に、地下側被収容装置群の一部のみの装置、あるいは、地下側被収容装置群に含まれない装置(例えば、メンテナンス機器等)を収容して、この収容した装置と消火装置用収容部600とを「消火システム」と解釈してもよい。
(特徴について)
また、上記実施の形態の特徴及び変形例の特徴を任意に組合わせてもよい。
(付記)
付記1の消火システムは、消火液を少なくとも消火用ホースに供給するための供給配管と、前記供給配管における消火液の流路を開閉する開閉手段と、前記供給配管の消火液をメンテナンス用ホースに供給するための供給口であって、前記メンテナンス用ホースが着脱可能である前記供給口であり、前記供給配管における前記開閉手段よりも上流側に設けられている前記供給口と、前記開閉手段が流路を開いている場合に、前記供給口に対する前記メンテナンス用ホースの取り付けを阻害し、前記開閉手段が流路を閉じている場合に、前記供給口に対する前記メンテナンス用ホースの取り付けを許可する取付制御手段と、を備える。
付記2の消火システムは、付記1に記載の消火システムにおいて、前記取付制御手段は、前記開閉手段が流路を開いている場合に、前記供給口に対する前記メンテナンス用ホースの取り付けを阻害するように、前記供給口に取り付けられた状態における前記メンテナンス用ホースと干渉する位置に移動し、前記開閉手段が流路を閉じている場合に、前記供給口に対する前記メンテナンス用ホースの取り付けを許可するように、前記供給口に取り付けられた状態における前記メンテナンス用ホースと干渉しない位置に移動する。
付記3の消火システムは、付記2に記載の消火システムにおいて、前記取付制御手段は、前記開閉手段を操作するための操作ハンドルである。
付記4の消火システムは、付記1から3のいずれか一項に記載の消火システムにおいて、前記開閉手段の開閉状態、及び、前記供給口に対する前記メンテナンス用ホースの取付状態を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、警報を行う警報手段と、を備える。
付記5の消火システムは、付記1から4のいずれか一項に記載の消火システムにおいて、メンテナンスを行う場合に、前記供給配管への消火液の供給を開始するべく、ユーザに操作される操作手段と、前記メンテナンス用ホースを収容するための収容手段と、前記収容手段によって前記メンテナンス用ホースが収容されていない場合において、前記操作手段がユーザによって操作された場合に、前記供給配管への消火液の供給を開始可能にし、前記収容手段によって前記メンテナンス用ホースが収容されている場合において、前記操作手段がユーザによって操作された場合に、前記供給配管への消火液の供給を開始不能とする供給制御手段と、を備える。
付記6の消火システムは、消火液を放出する消火用ホースを少なくとも収容する消火用ホース側収容手段とは別体となっている消火システムであり、前記消火液を出力するための装置である消火装置と、前記消火装置を収容する消火装置用収容手段と、を備え、前記消火装置用収容手段の少なくとも一部は、前記消火装置を取り囲むフレーム枠のみによって構成されている。
付記7の消火システムは、付記6に記載の消火システムに記載の消火システムにおいて、前記消火装置に関する電気設備を取り付けるための取付手段、を備える。
付記8の消火システムは、付記7に記載の消火システムに記載の消火システムにおいて、前記取付手段は、前記消火装置用収容手段の外面側に設けられている。
(付記の効果)
付記1に記載の消火システムによれば、開閉手段が流路を開いている場合に、供給口に対するメンテナンス用ホースの取り付けを阻害し、開閉手段が流路を閉じている場合に、供給口に対するメンテナンス用ホースの取り付けを許可することにより、例えば、開閉手段が流路を閉じている場合にのみ供給口に対してメンテナンス用ホースを取り付けることができるので、作業員のヒューマンエラー(例えば、流路を閉じる作業の失念等)に起因して、供給口に対してメンテナンス用ホースが取り付けられているにも関わらず開閉手段が流路を開いている状態が発生するのを防止することができるために、上記ヒューマンエラーに起因してメンテナンスを行う場合に消火用ホースから消火液が放出されてしまうのを防止することができ、周囲に迷惑をかけずに確実にメンテナンスを行うことができる。
付記2に記載の消火システムによれば、取付制御手段が、開閉手段が流路を開いている場合に、供給口に対するメンテナンス用ホースの取り付けを阻害するように、供給口に取り付けられた状態におけるメンテナンス用ホースと干渉する位置に移動し、開閉手段が流路を閉じている場合に、供給口に対するメンテナンス用ホースの取り付けを許可するように、供給口に取り付けられた状態におけるメンテナンス用ホースと干渉しない位置に移動することにより、例えば、取付制御手段とメンテナンス用ホースとが互いに干渉するか否かにより、供給口に対するメンテナンス用ホースの取り付けの阻害又は許可を行うことができるので、供給口に対してメンテナンス用ホースが取り付けられているにも関わらず開閉手段が流路を開いている状態が発生するのを確実に防止することができる。
付記3に記載の消火システムによれば、取付制御手段が、開閉手段を操作するための操作ハンドルであることにより、例えば、従来の消火システムの部品を用いて取付制御手段の機能を実現することができるので、取付制御手段の機能を実現するための部品コストあるいは改造コストを低減することができ、消火システムを低価格にて提供することができる。
付記4に記載の消火システムによれば、開閉手段の開閉状態、及び、供給口に対するメンテナンス用ホースの取付状態の検出結果に基づいて警報を行うことにより、例えば、メンテナンスに関する警報を行うことができるので、メンテナンスの状態を作業員に報知することができる。特に、例えば、開閉手段を閉じており、且つ、供給口にメンテナンス用ホースが取り付けられていない場合には、メンテナンスが終了したにも関わらず開閉手段を開き忘れている可能性があることを報知することができ、メンテナンスに関するヒューマンエラーを防止することができる。
付記5に記載の消火システムによれば、収容手段によってメンテナンス用ホースが収容されていない場合において、操作手段がユーザによって操作された場合に、供給配管への消火液の供給を開始可能にし、収容手段によってメンテナンス用ホースが収容されている場合において、操作手段がユーザによって操作された場合に、供給配管への消火液の供給を開始不能とすることにより、例えば、メンテナンスを行うためにメンテナンス用ホースの使用準備(例えば、収容手段からメンテナンス用ホースを取り出して供給口に取り付ける等)ができていないにも関わらず、供給配管への消火液の供給が開始されるのを防止することができるので、メンテナンス用ホースの使用準備が完了した適切な場合に供給配管への消火液の供給を開始し、適切にメンテナンスを行うことができる。
付記6に記載の消火システムによれば、消火装置用収容手段の少なくとも一部が、消火装置を取り囲むフレーム枠のみによって構成されていることにより、例えば、フレーム枠の間の開口を介して消火装置用収容手段の外部から消火装置用収容手段の内部の消火装置に容易にアクセスすることができるので、消火装置に対するメンテナンス等の作業性を向上させることができる。また、例えば、前述の開口を介して消火装置用収容手段の外部から消火装置用収容手段の内部の消火装置を直接目視することができるので、消火装置の故障個所(例えば、外観の損傷等)を容易に特定することができる。また、例えば、消火装置を取り囲む材料(例えば、板金等)を消火装置用収容手段の全面に設けることが不要となるので、消火装置用収容手段を製造するための材料費を低減させることができる。また、例えば、消火装置を取り囲む材料(例えば、板金等)を消火装置用収容手段の全面に設けることが不要となるので、消火システムの軽量化を図ることが可能となり、消火システムの運搬性あるいは設置性を向上させることができる。また、例えば、消火装置用収容手段に収容されている消火装置を保持することができるので、当該消火装置を所定位置に固定することができる。
付記7に記載の消火システムによれば、取付手段を備えることにより、例えば、消火装置に関する電気設備を取り付けることができるので、当該電気設備を用いて消火装置のために又は消火装置とともに、所定の電気機器(例えば、メンテナンスで用いる電話機等を含む任意の電気機器)を利用することが可能となる。また、例えば、この所定の電気機器のための電気設備を消火システムとは別に設けることが不要となるので、消火システムが設置される場所のスペースを有効に活用することができる。
付記8に記載の消火システムによれば、取付手段が消火装置用収容手段の外面側に設けられていることにより、例えば、消火システムを利用している作業員による取付手段へのアクセスが容易となり、当該作業員による作業効率を向上させることができる。
11 消火用配管
12 上流側制御用配管
13 下流側制御用配管
21 地上側消火栓弁
22 地下側消火栓弁
23 一斉開放弁
24 自動調圧弁
25 制御用排水弁
26 消火用排水弁
31 消火用ホース
32 メンテナンス用ホース
41 水タンク
42 ポンプ
43 泡タンク
44 エダクター
45 供給部
46 開閉部
55 供給部
56 開閉部
61 底板
62 下側フレーム
63 縦側フレーム
64 中側フレーム
65 上側フレーム
66 背面板
67 吊上部
100 消火システム
101 消火栓格納箱
102 床版下格納箱
451 垂直配管
452 水平配管
453 供給口
461 開閉弁
462 操作ハンドル
462a ハンドル持ち手
462b ハンドル軸
462b1 固定筒
462b2 移動軸
551 垂直配管
552 水平配管
553 供給口
561 開閉弁
562 操作ハンドル
562a ハンドル持ち手
562b ハンドル軸
600 消火装置用収容部
900 床版
A1 方向
A2 方向

Claims (2)

  1. 消火液を放出する消火用ホースを少なくとも収容する消火用ホース側収容手段と、前記消火用ホース側収容手段とは別体となっており前記消火用ホースに前記消火液を出力する消火装置を収容する消火装置用収容手段とを備えた消火システムであり
    記消火装置用収容手段は、前記消火装置を取り囲むフレーム枠を有しており
    前記フレーム枠の一部はその枠外から枠内の前記消火装置にアクセス可能に開口しており、前記フレーム枠の他の一部には前記消火装置に関する電気設備を取り付けるための取付手段を設け、
    前記消火用ホース側収容手段は前記消火システムの設置場所の床版上に配置され、
    前記消火装置用収容手段は前記取付手段に取付けられた前記電気設備を含め前記消火システムの設置場所の床版下に配置される、
    消火システム。
  2. 前記取付手段は、前記消火装置用収容手段の側部であって前記フレーム枠によって形成される枠体が成す立体の側面部に設けられ、
    前記消火装置用収容手段は前記消火装置用収容手段の上部を上にして前記消火システムの設置場所の床版下に配置される、
    請求項に記載の消火システム。
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