JP2017225476A - トンネル内消火栓設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホース収納部を上昇させてホース取出しを可能とする昇降制御回路を備えたトンネル内消火栓設備を提供する。【解決手段】トンネル側壁に沿って設けた監視員通路14内に、ノズル付きホース54が収納されたホース収納部44が昇降機構により昇降自在に配置される。昇降機構の液圧アクチュエータは、液圧切替えによりピストンを双方向に摺動させる複動シリンダ60−1であり、ホース収納部44側に設けられた昇降レバー300の操作により、三方切替弁82を上昇位置に切り替えて複動シリンダ60−1の上昇用シリンダ室に圧力水を供給し、管理用通路側に設けられた三方切替弁84により下降シリンダ室62から圧力水を排出させ、ホース収納部44を監視員通路14上の露出位置に上昇させる。【選択図】図6

Description

本発明は、ホース収納部を上昇させてホース取出しを可能とするトンネル内消火栓設備に関する。
従来、高速道路や自動車専用道路などのトンネル内に設置するトンネル非常用設備として消火栓装置が設けられており、消火栓装置は開放自在な消火栓扉を備えた筐体の消火栓収納部に、先端にノズルを装着したホースとバルブ類を収納し、また、開閉自在な消火器扉を備えた消火器収納部に例えば2本の消火器を収納している。
このような消火栓装置は、トンネル内に設けた監視員通路に面した側壁に沿って例えば50メートル間隔で設置している。監視員通路は路面に対し1メートル程度高くした側壁通路として設け、トンネル内の車両通行を妨げることなく且つ安全にトンネル内に設置している消火栓装置を含む各種の機器の点検を行うことを可能としている。
火災を伴う車両事故が発生した場合には、事故車両の運転者等の利用者は、消火栓装置の消火栓扉を開いてノズル付きのホースを引き出し、消火栓弁開閉レバーを操作することで消火ポンプ設備を起動して放水することにより消火作業を行うことができる。
特開2008−055024号公報 特開2009−285126号公報
しかしながら、このような従来のトンネル内に設置した消火栓装置にあっては、監視員通路に面したトンネル側壁に沿って設置していたため、車両事故による火災の発生時に利用者は、路面から監視員通路を超えたトンネル側壁に設置している消火栓装置に手を伸ばして消火栓扉を開き、ホースを引き出して消火作業を行う必要があり、消火栓装置が路面から離れた高い位置に設置されているため、人によっては手が届かずに監視員通路に上がって操作しなければならない場合もあり、また、監視員通路によっては手摺りを設けており、手摺りが消火作業の邪魔になり、扱いづらい場合があった。
この問題を解決するため、本願出願人は、道路側及び監視員通路側から簡単且つ容易に取り扱うことができる昇降型の消火栓設備を提案している。昇降型の消火栓設備は、ノズル付きのホースが収納されたホース収納部が監視員通路内に昇降機構により昇降自在に配置されており、トンネル内で火災を伴う車両事故の発生時には、所定のスイッチ操作を行うと、昇降機構の作動によりホース収納部が監視員通路上の露出位置に上昇して保持され、消火栓扉の開放操作を必要とすることなく、監視員通路上に露出したホース収納部から簡単且つ容易にノズル付きホースを引き出して消火を行うことができる。
ところで、このような昇降型の消火栓設備にあっては、昇降機構に設けられたアクチュエータを水圧又は油圧で駆動してホース収納部を昇降させる昇降制御回路が重要であり、液圧アクチュエータにより昇降させる負荷となるホース収納部は100キログラムを超える重量があり、消火栓を使用する場合には確実に上昇させて監視員通路上に露出させ、この露出状態を確実に保持する落下防止が必要であり、また、ホース収納部を監視員通路内に収納する場合には、暴走や衝撃を発生することなく滑らかに下降させる必要がある。
また、消火栓設備によっては、監視員通路側に設けた昇降レバーの手動操作により昇降機構を駆動してホース収納部を監視員通路上の露出位置に上昇させる必要がある。
る。
本発明は、ホース収納部を上昇させてホース取出しを可能とする昇降制御回路を備えたトンネル内消火栓設備を提供することを目的とする。
(トンネル内消火栓設備)
本発明は、トンネル長手方向に所定間隔で設置され、監視員通路内に収納されたノズル付きのホースを収納したホース収納部を、消火栓を使用する場合に、昇降機構の作動により監視員通路上の露出位置に上昇して保持させるトンネル内消火栓設備に於いて、
昇降機構は、
ホース収納部を昇降させる液圧アクチュエータと、
上昇位置と下降位置とに操作される昇降操作部と、
昇降操作が上昇位置に操作された場合に、ホース収納部を上昇させるように液圧アクチュエータに対する液圧を制御し、昇降操作が下降位置に操作された場合に、ホース収納部を下降させるように液圧アクチュエータに対する液圧を制御する昇降制御回路と、
を設けたことを特徴とする。
(水圧式の昇降制御回路)
液圧アクチュエータは、上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室に対する水圧源からの圧力水の供給と排水側への圧力水の排出との切替えによりピストンを双方向に摺動させる複動シリンダであり、
昇降制御回路Aは第1の三方切替弁と第2の三方切替弁を備え、
第1の三方切替弁は、ホース収納部側に設けられ、昇降操作部の操作により上昇切替え位置と下降切替え位置の2位置切替えが可能であり、上昇切替え位置で複動シリンダの上昇用シリンダ室に圧力水を供給し、下降切替え位置で上昇用シリンダ室の圧力水を排出させ、
第2の三方切替弁は、ホース収納部から分離配置された制御機構収納部に設けられ、手動操作により上昇切替え位置と下降切替え位置の2位置切替えが可能であり、上昇切替え位置で複動シリンダの下降用シリンダ室の圧力水を排出させ、下降切替え位置で下降用シリンダ室に圧力水を供給する。
(定流量弁、流量調整弁、逆止弁)
水圧式の昇降制御回路は、更に、制御機構収納部に、
第1の三方切替弁及び第2の三方切替弁に水圧源からの圧力水が供給される1次側の配管に設けられ、所定の一定流量を供給する定流量弁と、
第1の三方切替弁及び第2の三方切替弁から複動シリンダに接続される2次側の配管の各々に、シリンダ側への圧力水の供給を許容すると共にシリンダ側からの圧力水の戻りを阻止する逆止弁と、シリンダ側から排出側に戻る圧力水の流量を調整する流量調整弁の並列回路と、
が設けられる。
(油圧式の昇降制御回路)
液圧アクチュエータは、上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室に対する油圧源からの圧油の供給とタンク側への圧油の排出の切替えによりピストンを双方向に摺動させる複動シリンダであり、
昇降制御回路Bは方向制御弁を備え、
方向制御弁は、ホース収納部側に設けられ、昇降操作部の操作により上昇切替え位置、中立位置及び下降切替え位置の3位置切替えが可能であり、中立位置で、複動シリンダの上昇用シリンダ室及び下降用シリンダ室に対する圧油の供給及び排出を切り離し、上昇切替え位置で、複動シリンダの上昇用シリンダ室に圧油を供給させると共に下降用シリンダ室の圧油を排出させ、下降切替え位置で、複動シリンダの下降用シリンダ室に圧油を供給させると共に上昇用シリンダ室の圧油を排出させる。
(逆止弁、リリーフ弁、流量調整弁を補助回路)
油圧式の昇降制御回路は、更に、ホース収納部から分離配置された制御機構収納部に、
方向制御弁に油圧源からの圧油が供給される1次側の配管に設けられ、油圧源への圧油の逆流を阻止する逆止弁と、
逆止弁の2次側配管と方向制御弁からのタンク戻り用配管との間に接続され、方向制御弁に供給される圧油を所定圧に制御するリリーフ弁と、
方向制御弁から複動シリンダの上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室に接続される2次側の配管の各々に、シリンダ側への圧油の供給を許容すると共にシリンダ側からの圧油の戻りを阻止する逆止弁と、シリンダ側からタンク側へ戻る圧油の流量を調整する流量調整弁の並列回路と、
が設けられる。
(カウンタバランス弁を備えた油圧式の昇降制御回路)
液圧アクチュエータは、上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室に対する油圧源からの圧油の供給とタンク側への圧油の排出の切替えによりピストンを双方向に摺動させる複動シリンダであり、
昇降制御回路は方向制御弁を備え、
方向制御弁は、ホース収納部側に設けられ、昇降操作部の操作により上昇切替え位置、中立位置及び下降切替え位置の3位置切替えが可能であり、中立位置で、複動シリンダの上昇用シリンダ室に対する圧油の供給を切り離すと共に下降用シリンダ室をタンク側に連通させ、上昇切替え位置で、複動シリンダの上昇用シリンダ室に圧油を供給させると共に下降用シリンダ室の圧油を排出させ、下降切替え位置で、複動シリンダの下降用シリンダ室に圧油を供給させると共に上昇用シリンダ室の圧油を排出させ、
更に、ホース収納部から分離配置された制御機構収納部に
方向制御弁から複動シリンダの上昇用シリンダ室に接続される2次側の配管に設けられ、シリンダ側からタンク側に戻る圧油が所定圧を超えた場合に開放されるカウンタバランス弁と、
カウンタバランス弁に直列接続され、カウンタバランス弁の漏れ油のタンク側への戻りを阻止すると共にシリンダ側からタンク側に戻る圧油が所定圧を超えた場合に開放されるパイロット逆止弁と、
が設けられる。
(カウンタバランス弁付きの昇降制御回路に設けた逆止弁、リリーフ弁、流量調整弁)
昇降制御回路は、更に、制御機構収納部に、
方向制御弁に油圧源からの圧油が供給される1次側の配管に設けられ、油圧源への圧油の逆流を阻止する逆止弁と、
逆止弁の2次側配管と方向制御弁からのタンク戻り用配管との間に接続され、方向制御弁に供給される圧油を所定圧に制御するリリーフ弁と、
方向制御弁から複動シリンダの上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室に接続される2次側の配管の各々に、シリンダ側への圧油の供給を許容すると共にシリンダ側からの圧油の戻りを阻止する逆止弁と、シリンダ側からタンク側へ戻る圧油の流量を調整する流量調整弁の並列回路と、
が設けられる。
(三方切替弁を備えた油圧式の昇降制御回路)
液圧アクチュエータは、上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室に対する圧油源からの圧油の供給とタンク側への圧油の排出の切替えによりピストンを双方向に摺動させる複動シリンダであり、
昇降制御回路は第1の三方切替弁と第2の三方切替弁を備え、
第1の三方切替弁は、ホース収納部側に設けられ、昇降操作部の操作により上昇切替え位置と下降切替え位置の2位置切替えが可能であり、上昇切替え位置で複動シリンダの上昇用シリンダ室に圧油を供給し、下降切替え位置で上昇用シリンダ室の圧油を排出させ、
第2の三方切替弁は、ホース収納部から分離配置された制御機構収納部に設けられ、手動操作により上昇切替え位置と下降切替え位置の2位置切替えが可能であり、上昇切替え位置で複動シリンダの下降用シリンダ室の圧油を排出させ、下降切替え位置で下降用シリンダ室に圧油を供給させる。
(三方切替弁を備えた昇降制御回路に設けた逆止弁、リリーフ弁、流量調整弁)
昇降制御回路は、更に、制御機構収納部に、
第1の三方切替弁及び第2の三方切替弁に油圧源からの圧油が供給される1次側の配管に設けられ、油圧源への圧油の戻りを阻止する逆止弁と、
逆止弁の2次側配管と第1及び第2の三方切替弁からのタンク戻り用配管との間に接続され、第1の三方切替弁及び第2の三方切替弁に油圧源から供給される圧油を所定圧に制御するリリーフ弁と、
第1の三方切替弁及び第2の三方切替弁から複動シリンダに接続される2次側の配管の各々に、シリンダ側への圧油の供給を許容すると共にシリンダ側からの圧油の戻りを阻止する逆止弁と、シリンダ側からタンク側に戻る圧油の流量を調整する流量調整弁との並列回路と、
が設けられる。
(単動シリンダを油圧駆動する昇降制御回路)
液圧アクチュエータは、シリンダ室に対する油圧源からの圧油の供給によりピストンを一方向に摺動させ、シリンダ室から圧油をタンク側に排出させた状態でスプリングによりピストンを他方向に摺動させる単動シリンダであり、
昇降制御回路Eは三方切替弁を備え、
三方切替弁は、ホース収納部側に設けられ、昇降操作部の操作により上昇切替え位置と下降切替え位置の2位置切替えが可能であり、上昇切替え位置で、複動シリンダのシリンダ室に圧油を供給し、下降切替え位置で、シリンダ室から圧油を排出させる。
(単動シリンダを油圧駆動する昇降制御回路に設けた逆止弁、流量調整弁)
昇降制御回路は、更に、ホース収納部から分離配置された制御機構収納部に、
三方切替弁に圧油が供給される1次側の配管に設けられ、油圧源への圧油の戻りを阻止する逆止弁と、
逆止弁の2次側配管と三方切替弁からのタンク戻り用配管との間に接続され、三方切替弁に油圧源から供給される圧油を所定圧に制御するリリーフ弁と、
逆止弁の2次側配管に接続され、油圧源からシリンダ側へ供給される圧油の流量を調整可能な第1の流量調整弁と、
三方切替弁からタンク戻り用配管に接続され、シリンダ側からタンク側に戻る圧油の流量を調整可能な第2の流量調整弁と、
が設けられる。
(単動シリンダに設けたパイロット逆止弁と流量調整弁)
昇降制御回路は、更に、
シリンダ室からタンク側に連通する配管に、シリンダ側の油圧が所定圧を超えた場合に開放するパイロット逆止弁と、逆止弁を通ってタンク側に流れる圧油の流量を調整する流量調整弁との直列回路が設けられる。
(四方切替弁を備えた油圧駆動用の昇降制御回路)
液圧アクチュエータは、上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室に対する圧油源からの圧油の供給とタンク側への圧油の排出の切替えによりピストンを双方向に摺動させる複動シリンダであり、
昇降制御回路は四方切替弁を備え、
四方切替弁は、ホース収納部側に設けられ、昇降操作部の操作により上昇切替え位置と下降切替え位置の2位置切替えが可能であり、上昇切替え位置で複動シリンダの上昇用シリンダ室に圧油を供給すると共に下降用シリンダ室の圧油を排出させ、下降切替え位置で上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室を連通させてピストンをホース収納部の重量による負荷圧により下降させる。
(四方切替弁を備えた昇降制御回路に設けた逆止弁、リリーフ弁、流量調整弁)
昇降制御回路は、更に、ホース収納部から分離配置された制御機構収納部に、
四方切替弁に油圧源からの圧油が供給される1次側の配管に設けられ、油圧源への圧油の戻りを阻止する逆止弁と、
逆止弁の2次側配管と四方切替弁からのタンク戻り用配管との間に接続され、四方切替弁に油圧源から供給される圧油を所定圧に制御するリリーフ弁と、
四方切替弁から複動シリンダに接続される2次側の配管の各々に、シリンダ側への圧油の供給を許容すると共にシリンダ側からの圧油の戻りを阻止する逆止弁と、シリンダ側からタンク側に戻る圧油の流量を調整する流量調整弁との並列回路と、
が設けられる。
(基本的な効果)
本発明は、トンネル長手方向に所定間隔で設置され、監視員通路内に収納されたノズル付きのホースを収納したホース収納部を、消火栓を使用する場合に、昇降機構の作動により監視員通路上の露出位置に上昇して保持させるトンネル内消火栓設備に於いて、昇降機構は、ホース収納部を昇降させる液圧アクチュエータと、上昇位置と下降位置とに操作される昇降操作部と、昇降操作が上昇位置に操作された場合に、ホース収納部を上昇させるように液圧アクチュエータに対する液圧を制御し、昇降操作が下降位置に操作された場合に、ホース収納部を下降させるように液圧アクチュエータに対する液圧を制御する昇降制御回路とが設けられたため、トンネル内で火災を伴う車両事故の発生時には、昇降操作部を上昇位置に切り替える操作を行うと、監視員通路内に収納されているホース収納部が昇降制御回路による昇降機構の作動により押し上げられて監視員通路の路面上に露出し、消火栓扉の開放操作を必要とすることなく、監視員通路上に露出したホース収納部から簡単且つ容易にノズル付きホースを引き出して消火を行うことができる。
(水圧式の昇降制御回路による効果)
また、液圧アクチュエータは、上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室に対する水圧源からの圧力水の供給と排水側への圧力水の排出との切替えによりピストンを双方向に摺動させる複動シリンダであり、昇降制御回路Aは第1の三方切替弁と第2の三方切替弁を備え、第1の三方切替弁は、ホース収納部側に設けられ、昇降操作部の操作により上昇切替え位置と下降切替え位置の2位置切替えが可能であり、上昇切替え位置で複動シリンダの上昇用シリンダ室に圧力水を供給し、下降切替え位置で上昇用シリンダ室の圧力水を排出させ、第2の三方切替弁は、ホース収納部から分離配置された制御機構収納部に設けられ、手動操作により上昇切替え位置と下降切替え位置の2位置切替えが可能であり、上昇切替え位置で複動シリンダの下降用シリンダ室の圧力水を排出させ、下降切替え位置で下降用シリンダ室に圧力水を供給するようにしたため、昇降操作部を上昇位置に切り替える操作を行うと、消火栓設備に給水本管により供給されている消火用水の水圧を利用した複動シリンダの作動により、監視員通路の内部に収納しているホース収納部を路面の消火栓昇降口から押し上げて路面上に露出させることができ、昇降機構の駆動源を新たに設ける必要がなく、設備構成が簡単となり、設備コストの低減を可能とする。
また、監視員通路上にホース収納部が露出された状態で、昇降操作部を下降位置に切り替えると共に、例えば、監視員通路の下側に区画された管理用通路の制御機構収納部に設けられた第2の方向切替弁を手動操作により下降切替え位置に切り替えることで、複動シリンダが下降駆動され、ホース収納部を監視員通路内に収納させることができる。
(水圧式の昇降制御回路に設けた定流量弁、流量調整弁、逆止弁)
また、水圧駆動用の昇降制御回路は、更に、制御機構収納部に、第1の三方切替弁及び第2の三方切替弁に水圧源からの圧力水が供給される1次側の配管に設けられ、所定の一定流量を供給する定流量弁と、第1の三方切替弁及び第2の三方切替弁から複動シリンダに接続される2次側の配管の各々に、シリンダ側への圧力水の供給を許容すると共にシリンダ側からの圧力水の戻りを阻止する逆止弁と、シリンダ側から排出側に戻る圧力水の流量を調整する流量調整弁の並列回路とが設けられため、定流量弁により複動シリンダ側への圧力水の供給量が圧力の如何拘らず一定流量を超えることないことで複動シリンダの動きが安定し、また、給水本管側の水圧が急激に低下しても1次側配管に設けられた逆止弁によりシリンダ側への圧力低下の影響が抑制される。また、第1の三方切替弁及び第2の三方切替弁から複動シリンダに接続される2次側の配管の各々に設けられた逆止弁により、シリンダ側の圧力に対し水圧源側の圧力が低下した場合のピストンの逆方向への戻りを抑止し、更に、並列回路に設けられた流量制御弁によりシリンダ側から排出される圧力水の流量を一定流量とすることで、ピストンの移動速度を一定に保つことが可能となる。
(油圧式の昇降制御回路)
また、液圧アクチュエータは、上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室に対する油圧源からの圧油の供給とタンク側への圧油の排出の切替えによりピストンを双方向に摺動させる複動シリンダであり、昇降制御回路は方向制御弁を備え、方向制御弁は、ホース収納部側に設けられ、昇降操作部の操作により上昇切替え位置、中立位置及び下降切替え位置の3位置切替えが可能であり、中立位置で、複動シリンダの上昇用シリンダ室及び下降用シリンダ室に対する圧油の供給及び排出を切り離し、上昇切替え位置で、複動シリンダの上昇用シリンダ室に圧油を供給させると共に下降用シリンダ室の圧油を排出させ、下降切替え位置で、複動シリンダの下降用シリンダ室に圧油を供給させると共に上昇用シリンダ室の圧油を排出させるようにしたため、昇降操作部を上昇位置に切り替える操作を行うと、油圧ポンプを備えた油圧源からの油圧を利用して方向制御弁による複動シリンダの作動により、監視員通路の内部に収納しているホース収納部を路面の消火栓昇降口から押し上げて路面上に露出させることができ、水圧駆動に対し十分に高い油圧が使用されることで、複動シリンダ及び昇降制御回路に使用されるバルブ類等の機器を小型化し、設置スペースを低減可能とする。
また、監視員通路上にホース収納部が露出された状態で、昇降操作部を下降位置に切り替えることで、複動シリンダが下降駆動され、ホース収納部を監視員通路内に収納させることができる。
(油圧式の昇降制御回路ら設けた逆止弁、リリーフ弁、流量調整弁による効果)
また、油圧駆動用の昇降制御回路は、更に、ホース収納部から分離配置された制御機構収納部に設けられ、方向制御弁に油圧源からの圧油が供給される1次側の配管に設けられ、油圧源への圧油の逆流を阻止する逆止弁と、逆止弁の2次側配管と方向制御弁からのタンク戻り用配管との間に接続され、方向制御弁に供給される圧油を所定圧に制御するリリーフ弁と、方向制御弁から複動シリンダの上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室に接続される2次側の配管の各々に、シリンダ側への圧油の供給を許容すると共にシリンダ側からの圧油の戻りを阻止する逆止弁と、シリンダ側からタンク側へ戻る圧油の流量を調整する流量調整弁の並列回路とが設けられたため、リリーフ弁によりシリンダ側に供給される油圧が一定に保たれ、また、油圧源の油圧が急激に低下しても1次側配管に設けられた逆止弁によりシリンダ側への圧力低下の影響が抑制される。また、方向切替弁から複動シリンダに接続される2次側の配管の各々に設けられた逆止弁により、シリンダ側の圧力に対し油圧源側の圧力が低下した場合のピストンの逆方向への戻りを抑止し、更に、並列回路に設けられた流量制御弁によりシリンダ側から排出される圧油の流量を一定流量とすることで、ピストンの移動速度を一定に保つことが可能となる。
(カウンタバランス弁を備えた油圧駆動用の昇降制御回路による効果)
また、液圧アクチュエータは、上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室に対する油圧源からの圧油の供給とタンク側への圧油の排出の切替えによりピストンを双方向に摺動させる複動シリンダであり、昇降制御回路は方向制御弁を備え、方向制御弁は、ホース収納部側に設けられ、昇降操作部の操作により上昇切替え位置、中立位置及び下降切替え位置の3位置切替えが可能であり、中立位置で、複動シリンダの上昇用シリンダ室に対する圧油の供給を切り離すと共に下降用シリンダ室をタンク側に連通させ、上昇切替え位置で、複動シリンダの上昇用シリンダ室に圧油を供給させると共に下降用シリンダ室の圧油を排出させ、下降切替え位置で、複動シリンダの下降用シリンダ室に圧油を供給させると共に上昇用シリンダ室の圧油を排出させ、更に、ホース収納部から分離配置された制御機構収納部に、方向制御弁から複動シリンダの上昇用シリンダ室に接続される2次側の配管に設けられ、シリンダ側からタンク側に戻る圧油が所定圧を超えた場合に開放されるカウンタバランス弁と、カウンタバランス弁に直列接続され、カウンタバランス弁の漏れ油のタンク側への戻りを阻止すると共にシリンダ側からタンク側に戻る圧油が所定圧を超えた場合に開放されるパイロット逆止弁とが設けられたため、方向制御弁の下降位置への切替えによりホース収納部を下降させる場合に、複動シリンダの上昇シリンダ室からタンク側に戻る圧油の圧力をカウンタバランス弁により制御し、負荷となるホース収納部の暴走を防止する。即ち、カウンタバランス弁に設けられたリリーフ弁の設定圧は負荷圧より所定値だけ高い値に設定されており、複動シリンダの下降駆動にともなって排出される圧油の圧力がリリーフ弁の設定圧を超えるとタンク側に流れ始め、ホース収納部の下降駆動を開始した場合の暴走を抑止可能とする。
また、方向制御弁を上昇切替え位置に切り替えてホース収納部を上昇させた後に、方向制御弁を中立位置に戻した場合、カウンタバランス弁はスプール弁を使用しているため、シリンダ側に保持された圧油がスプール弁の隙間からタンク側に漏れ、ホース収納部の重量を受けている複動シリンダが下がっていくが、カウンタバランス弁と直列にパイロット逆止弁が設けられたことで、カウンタバランス弁からの漏れ油をせき止めることができ、複動シリンダによるホース収納部の上昇位置を確実に保持可能とする。
(カウンタバランス弁付きの昇降制御回路に設けた逆止弁、リリーフ弁、流量調整弁による効果)
また、昇降制御回路は、更に、制御機構収納部に、方向制御弁に油圧源からの圧油が供給される1次側の配管に設けられ、油圧源への圧油の逆流を阻止する逆止弁と、逆止弁の2次側配管と方向制御弁からのタンク戻り用配管との間に接続され、方向制御弁に供給される圧油を所定圧に制御するリリーフ弁と、方向制御弁から複動シリンダの上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室に接続される2次側の配管の各々に、シリンダ側への圧油の供給を許容すると共にシリンダ側からの圧油の戻りを阻止する逆止弁と、シリンダ側からタンク側へ戻る圧油の流量を調整する流量調整弁の並列回路が設けられたため、リリーフ弁によりシリンダ側に供給される油圧が一定に保たれ、また、油圧源の油圧が急激に低下しても1次側配管に設けられた逆止弁によりシリンダ側への圧力低下の影響が抑制される。また、方向切替弁から複動シリンダに接続される2次側の配管の各々に設けられた逆止弁により、シリンダ側の圧力に対し油圧源側の圧力が低下した場合のピストンの逆方向への戻りを抑止し、更に、並列回路に設けられた流量制御弁によりシリンダ側から排出される圧油の流量を一定流量とすることで、ピストンの移動速度を一定に保つことが可能となる。
(三方切替弁を備えた油圧駆動用の昇降制御回路による効果)
また、液圧アクチュエータは、上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室に対する圧油源からの圧油の供給とタンク側への圧油の排出の切替えによりピストンを双方向に摺動させる複動シリンダであり、昇降制御回路は第1の三方切替弁と第2の三方切替弁を備え、第1の三方切替弁は、ホース収納部側に設けられ、昇降操作部の操作により上昇切替え位置と下降切替え位置の2位置切替えが可能であり、上昇切替え位置で複動シリンダの上昇用シリンダ室に圧油を供給し、下降切替え位置で上昇用シリンダ室の圧油を排出させ、第2の三方切替弁は、ホース収納部から分離配置された制御機構収納部に設けられ、手動操作により上昇切替え位置と下降切替え位置の2位置切替えが可能であり、上昇切替え位置で複動シリンダの下降用シリンダ室の圧油を排出させ、下降切替え位置で下降用シリンダ室に圧油を供給させるようにしたため、昇降操作部を上昇位置に切り替える操作を行うと、油圧ポンプを備えた油圧源からの油圧を利用して三方切替弁による複動シリンダの作動により、監視員通路の内部に収納しているホース収納部を路面の消火栓昇降口から押し上げて路面上に露出させることができ、水圧駆動に対し十分に高い油圧が使用されることで、複動シリンダ及び昇降制御回路に使用されるバルブ類等の機器を小型化し、設置スペースを低減可能とする。
また、監視員通路上にホース収納部が露出された状態で、昇降操作部を下降位置に切り替えると共に、例えば、監視員通路の下側に区画された管理用通路の制御機構収納部に設けられた第2の三方切替弁を手動操作により下降切替え位置に切り替えることで、複動シリンダが下降駆動され、ホース収納部を監視員通路内に収納させることができる。
(三方切替弁を備えた昇降制御回路に設けた逆止弁、リリーフ弁、流量調整弁による効果)
また、昇降制御回路は、更に、制御機構収納部に、第1の三方切替弁及び第2の三方切替弁に油圧源からの圧油が供給される1次側の配管に設けられ、油圧源への圧油の戻りを阻止する逆止弁と、逆止弁の2次側配管と第1及び第2の三方切替弁からのタンク戻り用配管との間に接続され、第1の三方切替弁及び第2の三方切替弁に油圧源から供給される圧油を所定圧に制御するリリーフ弁と、第1の三方切替弁及び第2三方切替弁から複動シリンダに接続される2次側の配管の各々に、シリンダ側への圧油の供給を許容すると共にシリンダ側からの圧油の戻りを阻止する逆止弁と、シリンダ側からタンク側に戻る圧油の流量を調整する流量調整弁との並列回路とが設けられたため、リリーフ弁によりシリンダ側に供給される油圧が一定に保たれ、また、油圧源の油圧が急激に低下しても1次側配管に設けられた逆止弁によりシリンダ側への圧力低下の影響が抑制される。また、三方切替弁から複動シリンダに接続される2次側の配管の各々に設けられた逆止弁により、シリンダ側の圧力に対し油圧源側の圧力が低下した場合のピストンの逆方向への戻りを抑止し、更に、並列回路に設けられた流量制御弁によりシリンダ側から排出される圧油の流量を一定流量とすることで、ピストンの移動速度を一定に保つことが可能となる。
(単動シリンダを油圧駆動する昇降制御回路の効果)
また、液圧アクチュエータは、シリンダ室に対する油圧源からの圧油の供給によりピストンを一方向に摺動させ、シリンダ室から圧油をタンク側に排出させた状態でスプリングによりピストンを他方向に摺動させる単動シリンダであり、昇降制御回路Eは三方切替弁を備え、三方切替弁は、ホース収納部側に設けられ、昇降操作部の操作により上昇切替え位置と下降切替え位置の2位置切替えが可能であり、上昇切替え位置で、複動シリンダのシリンダ室に圧油を供給し、下降切替え位置で、シリンダ室から圧油を排出させるようにしたため、複動シリンダの昇降制御回路に比べ、三方切替弁が1台で済み、回路構成が簡単でコストの低減が可能となる。
(単動シリンダに設けた逆止弁、流量調整弁の効果)
また、昇降制御回路は、更に、ホース収納部から分離配置された制御機構収納部に、三方切替弁に圧油が供給される1次側の配管に設けられ、油圧源への圧油の戻りを阻止する逆止弁と、逆止弁の2次側配管と三方切替弁からのタンク戻り用配管との間に接続され、三方切替弁に油圧源から供給される圧油を所定圧に制御するリリーフ弁と、逆止弁の2次側配管に接続され、油圧源からシリンダ側へ供給される圧油の流量を調整可能な第1の流量調整弁と、三方切替弁からタンク戻り用配管に接続され、シリンダ側からタンク側に戻る圧油の流量を調整可能な第2の流量調整弁とが設けられたため、リリーフ弁によりシリンダ側に供給される油圧が一定に保たれ、また、油圧源の油圧が急激に低下しても1次側配管に設けられた逆止弁によりシリンダ側への圧力低下の影響が抑制される。また、流量制御弁によりシリンダ側に対し供給及び排出される圧油の流量を一定流量とすることで、ピストンの移動速度を一定に保つことが可能となる。
(単動シリンダを油圧駆動する昇降制御回路に設けたパイロット逆止弁と流量調整弁による効果)
また、昇降制御回路は、更に、シリンダ室からタンク側に連通する配管に、シリンダ側の油圧が所定圧を超えた場合に開放するパイロット逆止弁と、逆止弁を通ってタンク側に流れる圧油の流量を調整する流量調整弁との直列回路が設けられたため、負荷となるホース収納部側から単動シリンダに衝撃的な力が加わった場合、パイロット逆止弁が開放し、流量制御弁により調整された流量の圧油がタンク側に流れ、衝撃を吸収して滑らかな動きを可能とする。
(四方切替弁を備えた油圧駆動用の昇降制御回路による効果)
また、液圧アクチュエータは、上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室に対する圧油源からの圧油の供給とタンク側への圧油の排出の切替えによりピストンを双方向に摺動させる複動シリンダであり、昇降制御回路は四方切替弁を備え、四方切替弁は、ホース収納部側に設けられ、昇降操作部の操作により上昇切替え位置と下降切替え位置の2位置切替えが可能であり、上昇切替え位置で複動シリンダの上昇用シリンダ室に圧油を供給すると共に下降用シリンダ室の圧油を排出させ、下降切替え位置で上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室を連通させてピストンをホース収納部の重量による負荷圧により下降させるようにしたため、三方切替弁を用いる場合は2台必要になるが、これが四方切替弁1台で済み、昇降制御回路の構成を簡単にして小型化できる。
(四方切替弁を備えた昇降制御回路に設けた逆止弁、リリーフ弁、流量調整弁による効果)
また、昇降制御回路は、更に、ホース収納部から分離配置された制御機構収納部に、四方切替弁に油圧源からの圧油が供給される1次側の配管に設けられ、油圧源への圧油の戻りを阻止する逆止弁と、逆止弁の2次側配管と四方切替弁からのタンク戻り用配管との間に接続され、四方切替弁に油圧源から供給される圧油を所定圧に制御するリリーフ弁と、四方切替弁から複動シリンダに接続される2次側の配管の各々に、シリンダ側への圧油の供給を許容すると共にシリンダ側からの圧油の戻りを阻止する逆止弁と、シリンダ側からタンク側に戻る圧油の流量を調整する流量調整弁との並列回路とが設けられたため、リリーフ弁によりシリンダ側に供給される油圧が一定に保たれ、また、油圧源の油圧が急激に低下しても1次側配管に設けられた逆止弁によりシリンダ側への圧力低下の影響が抑制される。また、四方切替弁から複動シリンダに接続される2次側の配管の各々に設けられた逆止弁により、シリンダ側の圧力に対し油圧源側の圧力が低下した場合のピストンの逆方向への戻りを抑止し、更に、並列回路に設けられた流量制御弁によりシリンダ側から排出される圧油の流量を一定流量とすることで、ピストンの移動速度を一定に保つことが可能となる。
シールドトンネル内に設置した消火栓設備を含むトンネル非常用設備を示した説明図 消火栓設備を道路側から示した説明図 消火栓設備の内部構造を路面側から見た断面で示した説明図 消火栓設備におけるホース収納部の内部構造を監視員通路の断面で示した説明図 昇降機構によりホース収納部を上昇して監視員通路上に露出させた状態を路面側から見た断面で示した説明図 手動操作される水圧駆動用の昇降制御回路の実施形態を放水制御回路と共に示した説明図 図6の昇降制御回路の上昇制御と下降制御を示した説明図 方向制御弁を用いた油圧駆動用の昇降制御回路の実施形態を示した説明図 カウンタバランス弁を用いた油圧駆動用の昇降制御回路の他の実施形態を示した説明図 三方切替弁を用いた油圧駆動用の昇降制御回路の実施形態を示した説明図 図10の昇降制御回路による複動シリンダの下降駆動を示した説明図 単動シリンダを油圧駆動する昇降制御回路の実施形態を示した説明図 図12の昇降制御回路による単動シリンダの下降駆動を示した説明図 四方切替弁を用いた油圧駆動用の昇降制御回路の実施形態を示した説明図 図14の昇降制御回路による複動シリンダの下降駆動を示した説明図
[トンネル内消火設備の概要]
図1は自動車専用道路のトンネル内に設置された消火栓設備を含むトンネル非常用設備を示した説明図である。図1に示すように、シールド工法により構築されたトンネル10内は円筒形のトンネル壁面12により覆われ、床版18により仕切られることで道路15が設けられており、この例にあっては、道路15は1方向2車線としている。
床版18で仕切られた道路15の左側のトンネル壁面12に沿って監視員通路14が設けられ、監視員通路14の下側の内部空間はダクト22として利用され、電線管等が敷設される。
道路15が形成された床版18の下側はトンネル横方向に複数の区画に仕切られており、例えば、監視員通路14の下に位置する区画は、管理用通路20として使用され、また、管理用通路20はトンネル内での火災発生時には、緊急避難通路として使用される。管理用通路20には給水本管24が敷設されている。
トンネル10の長手方向の50メートルおきには、消火栓設備16が設置され、消火栓設備16はホース収納部44と制御機構収納部45に分離して設置されている。
ホース収納部44は、監視員通路14の路面及び道路15側の壁面にかけて箱形に刳り貫かれた消火栓埋込部に配置されている。制御機構収納部45は、ホース収納部44の下側となる管理用通路20に配置され、給水本管24から分岐した分岐管が引き込まれ、また、ホース収納部44に消火用水を供給する給水配管が立ち上げられている。
消火栓設備16のホース収納部44にはノズル付きホースが収納され、監視員通路14内に昇降機構により支持されており、ホース収納部44側に設けられた昇降レバーの上昇操作を行うと、昇降機構により監視員通路14上の露出位置にホース収納部44が上昇されて露出状態となり、ノズル付きホースの引き出しによる消火作業を可能とする。
ホース収納部44からノズル付きホースを引き出した場合の放水開始は、ホース収納部44側に設けている開閉レバーを操作して行う。
[消火栓設備の設置構造]
図2はホース収納部を昇降させる消火栓設備を道路側から示した説明図、図3は図2の消火栓設備の内部構造を路面側から見た断面で示した説明図、図4は図2の消火栓設備におけるホース収納部の内部構造を監視員通路の断面で示した説明図、図5は昇降機構によりホース収納部を上昇して監視員通路上に露出させた状態を路面側から見た断面で示した説明図である。
(消火栓設備の外観構造)
図2に示すように、消火栓設備16のホース収納部側は、手摺り40を設けた監視員通路14の床面下の内部空間に設置されており、パンタグラフ機構を用いた昇降機構46の水圧シリンダ60−1の駆動により、昇降自在に配置されている。
消火栓設備16の設置場所となる監視員通路14の道路に面した前壁14aに通報装置パネル28と消火栓パネル26が設置されている。消火栓パネル26はビス止め等で固定設置されており、内部を点検する場合には、取り外すことができる。
通報装置パネル28には、赤色表示灯30、発信機32及び応答ランプ34が設けられている。赤色表示灯30は常時点灯し、消火栓設備16の設置場所が遠方から分かるようにしている。火災時には、発信機32を押して押し釦スイッチをオンすると、火災通報信号が監視センターの防災受信盤に送信されて火災警報が出され、これに伴い応答信号が防災受信盤から送られて、応答ランプ34が点灯され、赤色表示灯30が点滅される。
通報装置パネル28の右側には、ハンドル303により上向きに開閉自在な操作扉302が設けられ、内部にハンドル付きの昇降レバー300が配置され、後の説明で明らかにする昇降制御回路に設けられた第1の三方切替弁82を上昇切替位置と下降切替位置に切り替え操作可能としている。
また、通報装置パネル28には、監視員通路14内に配置している消火栓設備16のホース収納部を昇降操作するための上昇スイッチ36aと下降スイッチ36bが設けられている。
通報装置パネル28の左側には、ハンドル222により上向きに開閉自在な操作扉220が設けられ、内部にハンドル付きの開閉レバー202が配置され、後の説明で明らかにする放水制御回路に設けられたパイロット手動弁200を放水位置と放水停止位置に切り替え操作可能としている。
更に、消火栓設備16を設置している監視員通路14の部分には手摺り40を設けておらず、監視員通路14の路面上に内部から上昇して露出するホース収納部に対する操作の邪魔にならないようしている。
なお、通報装置パネル28の上昇スイッチ36a及び下降スイッチ36bを配置したパネル部分は、道路15側及び監視員通路14の両方からの操作を可能とするため、監視員通路14の路肩部分に対し斜めに位置するように配置しても良いし、それ以外の場所に配置しても良い。
(内部空間に設置した消火栓設備の構造)
図3及び図4に示すように、監視員通路14の消火栓設備16の設置場所に対応した路面には、矩形の消火栓昇降口42が開口されており、消火栓昇降口42の開口縁の上部には段部42aが形成されている。
消火栓昇降口44に対してはその下側から消火栓設備16のホース収納部44が昇降自在に配置される。ホース収納部44は、前面及び背面に開口した箱型の筐体48を備え、筐体48の前面及び背面の開口に4本のフレームパイプ52を配置して間にホース取出口55が形成されている。
ホース収納部44の内部には、先端にノズル56を装着したホース54が内巻きした状態で収納され、内巻したホース54の中央部分にホース先端に装着したノズル56が配置され、筐体48の前面及び背面の何れからもノズル56の取出しができるようにしている。
ホース収納部44は昇降機構46により昇降自在に支持されており、本実施形態にあっては、昇降機構46としてパンタグラフ機構を用いている。パンタグラフ機構を用いた昇降機構46は、2本のリンクアーム46a,46bで構成される。リンクアーム46aは左端が支点47aにより基台41に回動自在に支持され、またリンクアーム46bは左端を支点47bにより取付台43に回動自在に支持され、リンクアーム46a,46bを中央で交差させて支点47cで回動自在に連結させている。
また、リンクアーム46aの右端はローラ49aにより取付台43に沿って移動自在に支持され、リンクアーム46bの右端はローラ49bにより基台41に移動自在に支持されている。
昇降機構46の駆動機構としては、ピストンシリンダ機構が設けられ、複動水圧シリンダ60−1の下端がリンクアーム46bに支点51aにより回動自在に連結され、複動水圧シリンダ60−1内に摺動自在に設けられたピストン61に連結されたピストンロッド63の先端がリンクアーム46aに支点51bにより回動自在に連結されている。
昇降機構46を配置した内部空間の下側となる管理用通路20には制御機構収納部45が配置され、制御機構収納部45には、ホース収納部44のホース54に消火用水を供給して放水させる放水制御回路と、昇降機構46を昇降駆動させるための昇降制御回路が設けられている。
制御機構収納部45に対しては水圧源として機能する給水本管24から分岐した分岐配管24aが連結され、消火ポンプ設備から給水本管24に供給されている消火用水を導入している。
制御機構収納部45に内蔵した放水制御回路には、図2のホース収納部44側に設けたパイロット手動弁200によるパイロット圧の制御で開閉される一斉開放弁が設けられており、放水制御回路からの給水配管57は、連結ホース62を介してホース収納部44のホース接続口となるフレキシブルジョイント65に連結されている。給水配管58は例えば口径50ミリメートル程度の配管を使用している。
連結ホース62は、昇降機構46によりホース収納部44を監視員通路14の消火栓昇降口42から押し上げて露出させた露出位置に保持した場合に、連結に必要な余裕を持ったホース長としており、これにより固定側となる配管に対しホース収納部44が昇降作動しても、連結ホース62が抜けることなくホース収納部44が動けるようにしている。また、昇降作動で生ずる連結ホース62の動きはフレキシブルジョイント65の動きで吸収される。
また、制御機構収納部45に内蔵した放水制御回路からは起動用パイロット配管204a,204bがホース収納部44側に配管され、図2に示したパイロット手動弁200に接続されている。この起動用パイロット配管204a,204bは、口径10ミリメートル程度の金属パイプが使用される。
また、制御機構収納部45に内蔵した昇降制御回路からは、消火用水の供給と排水を行うための2本の配管58が昇降機構46の水圧シリンダ60−1に接続されている。更に、制御機構収納部45に内蔵した昇降制御回路からは、図2に示した第1の三方切替弁82に対する2本の配管59が引き出されている。
ここで、ホース収納部44と制御機構収納部45との連結は、監視員通路内を連結ホース62とし、管理用通路20側を給水配管58としているが、ホース収納部44と制御機構収納部45との間を連結ホースにより直接に連結してもよい。この場合にも、ホース収納部44側及び制御機構収納部45に対する連結ホースの接続は、何れか一方又は両方をフレキシブルジョイントによる連結とする。
[消火栓設備の動作]
(通常監視時)
図1に示すトンネル10の道路を車両が通行している通常監視時にあっては、図2乃至図4に示すように、消火栓設備16のホース収納部44は、制御機構収納部45に設けられた放水制御回路からの消火用水の供給が停止されていることで、昇降機構46の水圧シリンダ60−1はピストン61を最下点に位置させ、これにより昇降機構46はホース収納部44を監視員通路14の内部空間に収納し、筐体48の上面の路面板50を消火栓昇降口42の段部42aに押し当てて支えており、監視員通路14内に消火栓設備16を設置していても、監視員通路14を通る人の通行を妨げたり、危険を及ぼすことはない。
(火災発生時)
一方、トンネル10内で火災を伴う車両事故が発生した場合には、利用者は火災発生場所に近い消火栓設備16に出向き、図2に示す通報装置パネル28の発信機32を押して監視センターの防災受信盤に火災通報信号を送信し、防災受信盤から確認応答信号を受信して応答ランプ34が点灯されると共に赤色表示灯30が点滅され、監視センター側への通報完了を確認する。
続いて、ハンドル303の操作でロックを解除して操作扉302を上向きに開き、昇降レバー300を下向きに回動することで上昇位置に切り替える。この昇降レバー300の上昇位置への操作により制御機構収納部45から昇降機構46の水圧シリンダ60−1に消火用水が送られ、シリンダ内に供給された消火用水によりピストン61が上昇し、ピストンロッド63を介してリンクアーム46aとリンクアーム46bの間隔が押し広げられる。
リンクアーム46a,46bの間隔が押し広げられると、支点47cを中心にリンクアーム46a,46bの角度が広がり、リンクアーム46a,46bの右端のローラ49a,4bが左側に移動し、その結果、取付台43が上方に押し上げられ、取付台43に取付けられたホース収納部44が押し上げられる。
このため監視員通路14の消火栓昇降口42を閉鎖している路面板50が持ち上がり、内部に収納していたホース収納部44が路面からゆっくり表れ、図5に示す露出位置まで上昇して停止し、この露出位置を保持する。
このように監視員通路14の上に露出状態にホース収納部44が保持されると、利用者は道路側から筐体48の前面開口を介してノズル56を取出すことで、簡単且つ容易にホース54を引き出すことができる。
続いて、利用者は、図2に示した操作扉220を開いて開閉レバー202を下向きに操作することでパイロット手動弁200を開くと、制御機構収納部45に設けられた一斉開放弁が開放駆動され、消火用水が給水配管58及び連結ホース62を介してホース54に供給され、ノズル56からの放水により消火作業を行うことができる。
一方、監視員通路14側から利用者が消火作業を行う場合には、監視員通路14上に露出保持されたホース収納部44における筐体48の背面開口からノズル56を取出し、図2に示した操作扉220を開いて開閉レバー202を下向きに回動して放水位置に操作することでパイロット手動弁200を開き、放水制御回路に設けられた一斉開放弁にパイロット圧を供給して開放駆動させ、これにより消火用水をホース54に供給してノズル56から放水させ、消火作業を可能とする。
火災が鎮火して消火作業が終了した場合には、図2に示した開閉レバー202を上向きに回動して放水停止位置に戻すことでパイロット手動弁200を閉じ、放水制御回路の一斉開放弁が閉鎖駆動され、ノズル56からの放水が停止される。
また、消火作業が終了した後の復旧作業では、ホース56の水抜きを行った後に、監視員通路14上に露出保持されているホース収納部44の中に内巻き状態にホース54を収納する。続いて、図2に示した昇降レバー300を上向きに回動して下降位置に戻す。更に、管理用通路20側に設置された制御機構収納部45に出向き、昇降制御回路に設けられている、後述する第2の三方切替弁を手動操作により下降切替え位置に切り替え操作すると、昇降機構46によりホース収納部44が下降され、路面板50が消火栓昇降口42の段部42aに当る位置まで下降して停止し、ホース収納部44が監視員通路14の内部空間に収納された状態となる。
[放水制御回路]
図6は手動操作される水圧駆動用の昇降制御回路の実施形態を放水制御回路と共に示した説明図である。
(回路構成)
図6に示すように、放水制御回路64は、給水本管24からの分岐配管24aが引き込まれ、逆止弁68に続いて一斉開放弁70が接続されている。一斉開放弁70は、弁体を開閉する開閉駆動部としてシリンダピストン機構を備えており、シリンダ室に対するパイロット圧の供給によりピストンを作動して弁体を開放位置に移動させ、パイロット圧の抜きによりリターンスプリングによりピストンを初期位置に戻して弁体を閉鎖位置に移動させる構造を備える。
一斉開放弁70に対しては、ホース収納部44側に分離配置されたパイロット手動弁200が設けられる。パイロット手動弁200は開位置と閉位置に切り替え可能な小型の開閉弁を使用している。
ここで、図2の実施形態では、パイロット手動弁200の弁体回転軸に開閉レバー202を直結していたが、図6の実施形態にあっては、開閉レバー202を昇降機構により昇降されるホース小脳部44の筐体内に設けられている。
ホース収納部44に設けられた開閉レバー202の回転軸にはリンク円盤210が設けられ、リンク円盤210とパイロット手動弁200の弁体回転軸に設けられたリンク円盤214との間は、2本のリンクケーブル212に通したリンクワイヤーで連結され、開閉レバー202によるリンク円盤210の回転をリンクケーブル212に通したリンクワイヤーによりリンク円盤214に伝えてパイロット手動弁200を遠隔的に開閉可能としている。
パイロット手動弁100に対しては一斉開放弁70の1次側から分岐された起動用パイロット配管204aが立ち上げられ、ホース収納部44側に配置されたパイロット手動弁200の入口ポートに接続されている。また、パイロット手動弁200の出口ポートに接続した起動用パイロット配管204aが立ち下げられ、一斉制御弁70に接続されている。
更に、一斉開放弁70に戻されたパイロット配管204bからは停止用パイロット配管208が分岐され、一斉開放弁200の2次側に接続され、この停止用パイロット配管208にはオリフィス206が設けられている。
ここで、一斉開放弁70に対するパイロット圧を制御して開閉駆動させるパイロット回路部は、パイロット手動弁200、起動用パイロット配管204a,204b、オリフィス206及び停止用パイロット配管208で構成される。
一斉開放弁70に続いては仕切弁74を介して自動調圧弁76が接続され、自動調圧弁76の2次側が、給水配管58及び連結ホース62を介してホース収納部44のホース54に連結されている。更に、仕切弁74の手前からは配管が排水側に分岐され、試験用排水弁75が接続されている。
(一斉開放弁の操作)
一斉開放弁70は、シリンダ室にピストンが動自在に収納され、ピストンの背後にスプリングが配置され、ピストンに弁体70dが連結されたシリンダピストン機構を開閉駆動部として備えている。
一斉開放弁70は、シリンダ室に対するパイロット圧の供給によりピストンをスプリングに抗してストロークされることで開放駆動され、また、開放状態でシリンダ室からパイロット圧を抜くことで、スプリングによりピストンが初期位置に押し戻されることで閉鎖駆動される。
開閉レバー202により操作されるパイロット手動弁200による一斉開閉弁70の開閉駆動は次のようになる。通常時、開閉レバー202は放水停止位置にあり、パイロット手動弁200は閉鎖し、一斉開放弁70のシリンダ室はオリフィス206が設けられた停止用パイロット配管208を介して2次側(大気開放側)に連通しており、シリンダ室は無圧状態となり、スプリングによりピストンは弁体を閉じた閉鎖位置としている。
開閉レバー202を放水位置に操作すると、パイロット手動弁200が開放され、消火用水が起動用パイロット配管204aを介して一斉開放弁70のシリンダ室に供給され、シリンダ室にパイロット圧が加わることで、ピストンがスプリングに抗してストロークし、弁体が開放し、2次側に消火用水が供給され、引き出されたホースのノズルからの放水が開始される。
このとき停止用パイロット配管208にも消火用水が加わるが、オリフィス206により2次側への流出が制限され、シリンダ室のパイロット圧は所定圧以上に維持される。
放水を停止する場合には、開閉レバー202を放水位置から放水停止位置に戻すと、パイロット手動弁200が閉鎖され、一斉開放弁70のシリンダ室に対する消火用水に供給が停止される。このためシリンダ室の圧力は停止用パイロット配管208のオリフィス206を介して2次側の圧力に低下し、ピストンが弁体を閉鎖側に移動させ、これに伴い2次側の圧力が低下し、この繰り返しによる帰還作用により一斉開放弁70は閉鎖駆動され、ノズルからの放水が停止される。
[昇降制御回路]
図6に示すように、昇降制御回路66は、複動水圧シリンダ60−1を昇降駆動させるため、第1の三方切替弁82と第2の三方切替弁84を備える。なお、以下の説明では、三方切替弁82,84という。
三方切替弁82は、ホース収納部44側に設置され、昇降ハンドル300により操作され、ポートa,bが連通される上昇位置と、ポートb,cが連通される下降位置の2位置切替えが可能である。
ここで、図2の実施形態では、三方切替弁82の弁体回転軸に昇降レバー300を直結していたが、図6の実施形態にあっては、昇降レバー300は複動水圧シリンダ60−1により昇降されるホース収納部44の筐体内に設けられている。
ホース収納部44に設けられた昇降レバー300の回転軸にはリンク円盤304が設けられ、リンク円盤304と三方切替弁82の弁体回転軸に設けられたリンク円盤306との間は、2本のリンクケーブル308に通したリンクワイヤーで連結され、昇降レバー300によるリンク円盤304の回転をリンクケーブル308に通したリンクワイヤーによりリンク円盤306に伝えて三方切替弁82を遠隔的に開閉可能としている。
三方切替弁84は管理用通路20側に設置され、ポートb,cが連通される上昇位置と、ポートa,bが連通される下降位置の2位置切替えが可能である。
水圧源となる給水本管24から引き込まれた分岐管には逆止弁78が設けられ、続いて自動調圧弁80が設けられる。逆止弁78は給水本管24側の水圧が低下した場合に閉鎖して消火用水の逆流を阻止する。自動調圧弁80はシリンダ側に供給する消火用水(圧力水)の流量を圧力変動に関わらず所定流量に制御させる。
自動調圧弁80の2次側は三方切替弁82,84のポートaに接続される。三方切替弁82のポートbは複動水圧シリンダ60−1の上昇用シリンダ室60aに接続され、また、三方切替弁84のポートbは複動水圧シリンダ60−1の下降用シリンダ室60bに接続される。更に、三方切替弁82,84のポートcは排水側に接続される。なお、自動調圧弁80に替えて定流量弁を設けても良い。
三方切替弁82から複動水圧シリンダ60−1の上昇用シリンダ室60aに接続された2次側配管には、流量制御弁86と逆止弁88の並列回路が接続され、また、三方切替弁84から複動水圧シリンダ60−1の下降用シリンダ室60bに接続された2次側配管にも、流量制御弁90と逆止弁92の並列回路か接続される。
流量制御弁90は複動水圧シリンダ60−1を上昇駆動させる場合に下降用シリンダ室60bから排出される消火用水の流量を設定流量に制御することで、ピストン61によるホース収納部44の上昇速度を所定速度に制御させる。
流量制御弁86は複動水圧シリンダ60−1を下降駆動させる場合に上昇用シリンダ室60aから排出される消火用水の流量を設定流量に制御することで、ピストン61によるホース収納部44の下降速度を所定速度に制御させる。
(昇降制御回路による制御動作)
図6の昇降制御回路の上昇制御に対し、図7は昇降制御回路の下降制御を示している。
まず、通常監視中にあっては、三方切替弁82,84は、ポートb,cを連通させた下降位置にあり、複動水圧シリンダ60−1の上昇用シリンダ室60a及び下降用シリンダ室60bは共に排水側に連通されており、ホース収納部44の重量による負荷圧を受けて下降停止位置にあり、ホース収納部44を監視員通路14内に収容させている。
この状態で昇降レバー300が上昇位置に操作されると、図6に示すように、三方切替弁82がポートa,bを連通させる上昇位置に切り替えられ、消火用水が複動水圧シリンダ60−1の上昇用シリンダ室60aに供給され、ホース収納部44の重量による負荷圧に打ち勝ってピストン61が上昇を開始する。ピストン61の上昇に伴い下降用シリンダ室60bの消火用水が三方切替弁84を通って排水側に流れ出し、このとき流量制御弁90を流れる設定流量によりピストン61によるホース収納部44の上昇速度が決まる。
ピストン61がフルストロークに達すると、図7に示すように、ホース収納部44の上昇が停止し、監視員通路14上に露出されることで、ノズル付きホースの引き出しにより消火作業が可能となる。ホース収納部44を上昇位置に停止させた状態は、三方切替弁82を上昇位置に保つことで、複動水圧シリンダ60−1の上昇用シリンダ室60aに対する消火用水の供給が維持され、ピストン61は負荷圧を超える押上力を得ることで、ホース収納部44を上昇停止位置に保持させる。
また、ホース収納部44を上昇停止位置に保持している間に、給水本管24側の水圧が一時的に低下した場合には、逆止弁78の閉鎖によりシリンダ側の圧力低下が阻止され、安定してホース収納部44を上昇停止位置に保持することができる。
消火作業が終了し、ホースを水抜きしてホース収納部44に収納した場合には、昇降レバー300を下降位置に戻す操作を行うと、図7に示すように、三方切替弁82がポートb,cを連通させる下降位置に切り替えられる。また、管理用通路20に係員が出向き、そこに設置されている三方切替弁84を手動操作によりポートa,bを連通させる下降位置に切り替える。
このため三方切替弁84を介して消火用水が複動水圧シリンダ60−1の下降用シリンダ室60bに供給され、上昇用シリンダ室60aが三方切替弁82を介して排水側に連通され、消火用水の水圧とホース収納部44の重量による負荷圧を受けてピストン60が下降を開始する。ピストン61の下降に伴い上昇用シリンダ室60aの消火用水が三方切替弁82を通って排水側に流れ出し、このとき流量制御弁86を流れる設定流量によりピストン61によるホース収納部44の下降速度が決まる。
ピストン61が下降停止位置にストロークすると、ホース収納部44は監視員通路14内に収納され、例えば、下降停止位置で動作する検出スイッチ等の信号により三方切替弁84をポートb,cが連通される上昇位置に切り替えられ、例えば、下降停止位置で動作する検出スイッチ等により検出して表示灯により収納完了を表示させ、これにより係員が三方切替弁126をポートb,cが連通される上昇位置に戻すことで、通常監視状態に戻る。
[方向制御弁を備えた油圧駆動用の昇降制御回路]
図8は方向制御弁を用いた油圧駆動用の昇降制御回路の実施形態を示した説明図である。
(昇降制御回路の構成)
図8に示すように、本実施形態による油圧駆動用の昇降制御回路は、ホース収納部を負荷として支持した複動油圧シリンダ60−2の上昇用シリンダ室60aと下降用シリンダ室60bに対する油圧源96からの圧油の供給とタンク98側への圧油の排出の切替えによりピストンを双方向に摺動させてホース収納部を昇降させる。
本実施形態の昇降制御回路は、方向制御弁100を備え、1次側のポートP,Tと2次側のポートA,Bとの間で、電磁ソレノイドによるスプールの移動により、上昇位置、中立位置及び下降位置の3位置切替えを可能としている。ここで、方向制御弁100は、中立位置で1次側のポートP,Tと2次側のポートA,Bを切り離し、上昇位置でストレート接続、下降位置でクロス接続としている。
方向制御弁100はホース収納部44側に配置されており、昇降レバー310の操作により、上昇位置、中立位置又は下降位置に切替えられる。昇降レバー310は支点312を中心に回動自在に設けられ、レバーの途中にスライド部314が形成され、ここにスプールの連結軸316に設けた連結ピン318を摺動自在に嵌め入れており、昇降レバー310の回転による動きをスプールの直線運動に変換させている。
油圧源96からの配管に逆止弁104が設けられ、油圧源96の油圧が一時的に低下したような場合に閉鎖して2次側の油圧低下を阻止させる。逆止弁104の2次側は方向制御弁100のポートPに接続され、タンク98側は方向制御弁100のポートTに接続される。
方向制御弁100のポートAは複動油圧シリンダ60−2の上昇用シリンダ室60aに接続され、方向制御弁100のポートBは複動油圧シリンダ60−2の下降用シリンダ室60bに接続される。
方向制御弁100の1次側のポートP,Tに対する配管の間には、リリーフ弁106が接続される。リリーフ弁106にはシリンダ駆動に必要な所定のリリーフ圧が設定されており、油圧源96からの油圧が設定リリーフ圧を超えるとリリーフ弁106が開放して余剰流量をタンク98側に流し、ポートPに供給する圧油の圧力を所定の設定リリーフ圧に維持させる。
方向制御弁100から複動油圧シリンダ60−2の上昇用シリンダ室60aに接続された2次側配管には、流量制御弁108と逆止弁110の並列回路か接続され、また、方向制御弁100から複動油圧シリンダ60−2の下降用シリンダ室60bに接続された2次側配管にも、流量制御弁112と逆止弁114の並列回路か接続される。
流量制御弁114は複動油圧シリンダ60−2を上昇駆動させる場合に下降用シリンダ室60bから排出される圧油の流量を設定流量に制御することで、ピストンによるホース収納部の上昇速度を所定速度に制御させる。
流量制御弁108は複動油圧シリンダ60−2を下降駆動させる場合に上昇用シリンダ室60aから排出される圧油の流量を設定流量に制御することで、ピストンによるホース収納部の下降速度を所定速度に制御させる。
このような昇降制御回路は、複動油圧シリンダ60−2からタンク98側に戻る圧油の流量を流量制御弁108,114で制御する所謂ダブルメータアウト制御を実現している。
(昇降制御回路の制御動作)
まず、通常監視中にあっては、図8に示すように、方向制御弁100は中立位置にあり、複動油圧シリンダ60−2の上昇用シリンダ室60a及び下降用シリンダ室60bは共に油圧源96及びタンク98側から切り離されており、ホース収納部44の重量による負荷圧を受けてピストンは下降停止位置にあり、ホース収納部は監視員通路内に収容されている。
この状態で、昇降レバー300を上昇位置に切り替える操作を行うと、方向制御弁100はストレート接続となる上昇位置に切り替えられ、油圧源96からの圧油が複動油圧シリンダ60−2の上昇用シリンダ室60aに供給され、ホース収納部の重量による負荷圧に打ち勝ってピストンが上昇を開始する。ピストンの上昇に伴い下降用シリンダ室60bの圧油が方向制御弁100を通ってタンク98側に流れ出し、このとき流量制御弁114を流れる設定流量により、ピストンによるホース収納部の上昇速度が決まる。
ピストンがフルストロークに達するとホース収納部の上昇が停止し、監視員通路上に露出されることで、ノズル付きホースの引き出しにより消火作業が可能となる。ホース収納部が上昇位置に到達すると、例えば上昇位置検出スイッチ等で検出して表示灯により上昇完了を表示させ、これにより利用者が昇降レバー300を中立位置に戻すことで、方向制御弁100は中立位置に切り替えられ、シリンダ側に圧油を封じ込めることで、ピストンを上昇停止位置に保持させ、ホース収納部を上昇停止位置に保持させる。
また、方向制御弁100が中立位置に切り替えられた状態では、シリンダ側からタンク側へのスプール弁による漏れが起きると、複動油圧シリンダ60−2のピストンを上昇停止位置から下がる。これを防止するため、昇降レバー300を上昇位置に保持させ、複動油圧シリンダ60−2の上昇用シリンダ室60aに圧油を継続供給させた状態としても良い。
また、複動油圧シリンダ60−2を上昇停止位置に保持している間に、油圧源96の油圧が一時的に低下した場合には、逆止弁104の閉鎖によりシリンダ側の圧力低下が阻止され、安定してホース収納部を上昇停止位置に保持することができる。
消火作業が終了し、係員がホースを水抜きしてホース収納部に収納し、続いて係員が昇降レバー300の下降操作を行うと、方向制御弁100はクロス接続となる下降位置に切り替えられる。このため方向制御弁100のポートP,Bを介して油圧源96からの圧油が複動油圧シリンダ60−2の下降用シリンダ室60bに供給され、上昇用シリンダ室60aが方向制御弁100のポートA,Tを介してタンク98側に連通され、油圧とホース収納部の重量による負荷圧を受けてピストンが下降を開始する。
ピストンの下降に伴い上昇用シリンダ室60aの圧油が方向制御弁100を通ってタンク98側に流れ出し、このとき流量制御弁108を流れる設定流量によりピストンによるホース収納部の下降速度が決まる。
複動油圧シリンダ60−2のピストンが下降停止位置にストロークすると、ホース収納部は監視員通路内に収納され、例えば、下降停止位置で動作する検出スイッチ等により検出して表示灯により収納完了を表示させ、これにより係員が昇降レバー300を中立位置に戻すことで、方向制御弁100は中立位置に切り替えられ、通常監視状態に戻る。
[カウンタバランス弁を備えた油圧駆動用の昇降制御回路]
図9はカウンタバランス弁を用いた油圧駆動用の昇降制御回路の他の実施形態を示した説明図である。
本実施形態の昇降制御回路は、図8に示した昇降制御回路と同様、昇降レバー300により切替え操作される方向制御弁100を備えるが、本実施形態の方向制御弁100は、中立位置に切り替えた場合、2次側のポートA,Bを1次側のポートTに連通している点で相違し、これに伴い、更にカウンタバラス弁118とパイロット逆止弁116が設けられたことを特徴とし、それ以外の構成及び動作は、図8の実施形態と同じになる。
方向制御弁100のポートAと複動油圧シリンダ60−2の上昇用シリンダ室60aを接続する2次側配管には、カウンタバランス弁116とパイロット逆止弁118が設けられる。
カウンタバランス弁116は、逆止弁120とリリーフ弁122を並列接続した回路に相当し、スプール弁が使用されており、複動油圧シリンダ60−2の背圧回路を構成し、負荷圧を受けたシリンダ側を上昇停止位置に保持させる自重落下防止機能を果たす。
カウンタバランス弁116のリリーフ弁122には、複動油圧シリンダ60−2が受ける負荷圧に所定値を加えた所定圧が設定され、負荷圧を受けてもカウンタバランス弁116が閉鎖していることで、負荷圧によるホース収納部の自重落下が防止される。
ところで、カウンタバランス弁116はスプール弁を使用しているため、複動油圧シリンダ60−2を上昇停止位置に保持した場合の負荷圧を受けることで、スプール弁の隙間を通ってポートT側に油が漏れ、負荷圧を受けている複動油圧シリンダ60−2のピストンが下がっていき、ホース収納部を上昇停止位置に保持できない場合がある。
このカウンタバランス弁116の油漏れによる自重落下を防止するためパイロット逆止弁118を直列に接続している。パイロット逆止弁118は、入力ポートの圧力をパイロット圧として取込み、所定の設定圧を超えた場合に逆止機能が解除されて逆方向に圧油を流すことができる。
本実施形態では、パイロット逆止弁118の設定圧をカウンタバランス弁116の設定圧と同じに設定しておくことにより、カウンタバランス弁116の閉鎖により複動油圧シリンダ60−2を上昇停止位置に保持した場合の負荷圧による油漏れをパイロット逆止弁118により阻止し、自重落下を確実に防止させることを可能とする。
なお、図示のカウンタバランス弁116とパイロット逆止弁118は、その位置を入れ替えても、同じ機能が実現される。
[三方切替弁を備えた油圧駆動用の昇降制御回路]
図10は三方切替弁を用いた油圧駆動用の昇降制御回路の実施形態を示した説明図である。
本実施形態の昇降制御回路は、図6に示した水圧駆動用の昇降制御回路を、油圧駆動用とした回路に相当する。
図10に示すように、本実施形態の昇降制御回路は、第1の三方切替弁124と第2の三方切替弁126を備える。なお、以下の説明では、三方切替弁124,126という。
三方切替弁124は、ホース収納部44側に配置され、図示しない昇降レバーの操作により切替え作動される手動切替弁である。三方切替弁124はポートa,bが連通される上昇位置と、ポートb,cが連通される下降位置の2位置切替えが可能である。
また、三方切替弁126は管理用通路20側に設けられており、ポートb,cが連通される上昇位置と、ポートa,bが連通される下降位置の2位置切替えが可能である。
油圧源96からの配管には逆止弁104が設けられ、逆止弁10の2次側の配管は、三方切替弁124,126のポートaに接続されている。三方切替弁124のポートbは複動油圧シリンダ60−2の上昇用シリンダ室60aに接続され、また、三方切替弁126のポートbは複動油圧シリンダ60−2の下降用シリンダ室60bに接続される。更に、三方切替弁82,84のポートcはタンク98側に共通接続される。
また、図8の実施形態と同様に、三方切替弁124,126のポートa,cに対する配管の間には、リリーフ弁106が接続され、また、三方切替弁124から複動油圧シリンダ60−2の上昇用シリンダ室60aに接続された2次側配管には、流量制御弁108と逆止弁110の並列回路か接続され、更に、三方切替弁126から複動油圧シリンダ60−2の下降用シリンダ室60bに接続された2次側配管にも、流量制御弁112と逆止弁114の並列回路が接続される。
(昇降制御回路の制御動作)
まず、通常監視中にあっては、ホース収納部44側の三方切替弁124は、昇降レバーが下降位置に操作された状態にあることから、ポートb,cを連通させた下降位置にあり、また、管理用通路に配置された昇降制御回路66側となる三方切替弁126も、ポートb,cを連通させた下降位置にある。
このため、複動油圧シリンダ60−2の上昇用シリンダ室60a及び下降用シリンダ室60bは共にタンク98側に連通されており、ホース収納部の負荷圧を受けて下降停止位置にある。
この状態で上昇操作を行うと、図10に示すように、三方切替弁124がポートa,bを連通させる上昇位置に切り替えられ、油圧源96からの圧油が三方切替弁124及び逆止弁110を介して複動油圧シリンダ60−2の上昇用シリンダ室60aに供給され、ホース収納部の重量による負荷圧に打ち勝ってピストンが上昇を開始する。
ピストンの上昇に伴い下降用シリンダ室60bの圧油が流量制御弁112及び三方切替弁126を通ってタンク98側に流れ、このとき流量制御弁112を流れる設定流量によりピストンによるホース収納部の上昇速度が決まる。
複動油圧シリンダ60−2のピストンがフルストロークに達するとホース収納部の上昇が停止し、監視員通路上に露出されることで、ノズル付きホースの引き出しにより消火作業が可能となる。
ホース収納部を上昇位置に停止させた状態は、三方切替弁124を上昇位置に保つことで、複動油圧シリンダ60−2の上昇用シリンダ室60aに圧油の供給が維持され、負荷圧を超える押上力を得ることで、ホース収納部を上昇停止位置に保持させる。
消火作業が終了し、係員がホースを水抜きしてホース収納部に収納し、続いて係員が昇降レバー300の下降操作を行うと、図11に示すように、三方切替弁124がポートb,cを連通させる下降位置に切り替えられる。また、管理用通路20側に係員が出向き、そこに設置されている三方切替弁126を手動操作によりポートa,bを連通させる下降位置に切り替える。
このため三方切替弁126及び逆止弁114を介して圧油が複動油圧シリンダ60−2の下降用シリンダ室60bに供給され、上昇用シリンダ室60aが流量制御弁108及び三方切替弁124を介してタンク98側に連通され、油圧とホース収納部の重量による負荷圧を受けて複動油圧シリンダ60−2のピストンが下降を開始する。ピストンの下降に伴い上昇用シリンダ室60aの圧油が流量制御弁108及び三方切替弁124を通ってタンク98側に流れ、流量制御弁108を流れる設定流量によりピストンによるホース収納部の下降速度が決まる。
複動油圧シリンダ60−2のピストンが下降停止位置にストロークすると、ホース収納部は監視員通路内に収納され、例えば、下降停止位置で動作する検出スイッチ等により検出して表示灯により収納完了を表示させ、これにより係員が三方切替弁126をポートb,cが連通される上昇位置に戻すことで、通常監視状態に戻る。
[単動シリンダを油圧駆動する昇降制御回路]
図12は単動シリンダを油圧駆動する昇降制御回路の実施形態を示した説明図である。
図12に示すように、本実施形態の昇降制御回路は、液圧アクチュエータとして単動油圧シリンダ130を使用している。単動油圧シリンダ130は、ピストン131で仕切られた一方をシリンダ室130aとしており、他方のシリンダ室130bは外気に開放され、ピストン131を初期位置に戻すスプリング132が設けられている。
単動油圧シリンダ130はシリンダ室130aに圧油が供給されることで、ピストン131を負荷圧及びスプリング132に抗してストロークさせ、シリンダ室の圧油がタンク側に抜かれると、負荷圧及びスプリング132の力で初期位置にストロークされる。
また、本実施形態の昇降制御回路は、ホース収納部44側に三方切替弁140を備え、三方切替弁140は、図示しない昇降レバーの操作により、ポートa,bが連通される上昇位置と、ポートb,cが連通される下降位置の2位置切り替えが可能である。
油圧源96からの配管には逆止弁104が設けられ、逆止弁104の2次側の配管は、三方切替弁140のポートaに接続されている。三方切替弁140のポートbは単動油圧シリンダ130のシリンダ室130aに接続され、また、三方切替弁140のポートcはタンク98側に接続される。
また、三方切替弁140の1次側のポートa,cに対する配管の間には、リリーフ弁106が接続され、また、三方切替弁140の1次側のポートa,cに対する配管の各々にはニードル弁を用いた流量制御弁134,136が設けられている。
更に、単動油圧シリンダ130のシリンダ室130aからタンク98側に引き出された配管には、パイロット逆止弁142とニードル弁を用いた流量制御弁136の直列回路が接続される。
(昇降制御回路の制御動作)
まず、通常監視中にあっては、ホース収納部44側に設けられた三方切替弁140は、ポートb,cを連通させた下降位置にあり、単動油圧シリンダ130のシリンダ室130aはタンク98側に連通されており、ホース収納部の重量による負荷圧を受けて下降停止位置にある。
この状態で昇降レバーにより上昇操作を行うと、図12に示すように、三方切替弁140がポートa,bを連通させる上昇位置に切り替えられ、油圧源96からの圧油が単動油圧シリンダ60−2のシリンダ室130aに供給され、ホース収納部の重量による負荷圧及びスプリング132に打ち勝ってピストン131が上昇を開始する。
ピストン131の上昇に伴い油圧源96からの圧油が流量調整弁134を通ってシリンダ側に流れ出し、流量制御弁134を流れる設定流量によりピストン131によるホース収納部の上昇速度が決まる。
単動油圧シリンダ130のピストン131がフルストロークに達するとホース収納部の上昇が停止し、監視員通路上に露出されることで、ノズル付きホースの引き出しにより消火作業が可能となる。ホース収納部を上昇位置に停止させた状態は、三方切替弁140を上昇位置に保つことで、単動油圧シリンダ130のシリンダ室130aに圧油の供給が維持され、負荷圧を超える押上力を得ることで、ホース収納部を上昇停止位置に保持させる。
消火作業が終了し、係員が水抜きしたホースをホース収納部に収納し、昇降レバーの下降操作を行うと、図13に示すように、三方切替弁140がポートb,cを連通させる下降位置に切り替えられる。
このため三方切替弁140を介して単動油圧シリンダ130のシリンダ室130aがタンク98側に連通され、ホース収納部の重量による負荷圧とスプリング132の荷重を受けて単動油圧シリンダ130のピストン131が下降を開始する。
ピストン131の下降に伴いシリンダ室130aの圧油が三方切替弁140を通ってタンク98側に流れ出し、このとき流量制御弁136を流れる設定流量によりピストン131によるホース収納部の下降速度が決まる。
単動油圧シリンダ130のピストン131が下降停止位置にストロークすると、ホース収納部は監視員通路内に収納され、通常監視状態に戻る。
一方、単動油圧シリンダ130のピストン131を上昇停止位置に保持した状態で、ホース収納部を介して単動油圧シリンダ130のピストン131に衝撃力が加わった場合、シリンダ室130aの油圧が一時的に増加する。この場合、シリンダ室130aの増加した油圧がパイロット逆止弁142の設定圧を超えると、パイロット逆止弁142が開放して流量調整弁136の設定流量となる圧油がタンク98側に流れ、単動油圧シリンダ130に加わった衝撃力を緩和させ、シリンダ室130aや三方切替弁140等の機器に異常高圧が加わることを防止する。
[四方切替弁を備えた油圧駆動用の昇降制御回路]
図14は四方切替弁を用いた油圧駆動用の昇降制御回路の実施形態を示した説明図である。
図14に示すように、本実施形態の昇降制御回路は、四方切替弁150を備える。四方切替弁150は、ホース収納部44側に配置され、昇降レバーの操作により切替え作動される手動切替弁である。四方切替弁150は昇降レバーの操作により、ポートa,b及びポートc,dが連通される上昇位置と、ポートb,c及びポートd,aが連通される下降位置の2位置切替えが可能であり、ポートa〜dの配置からX切替弁ともいわれる。
油圧源96からの配管には逆止弁104が設けられ、逆止弁10の2次側の配管は、四方切替弁124,126のポートaに接続されている。四方切替弁124のポートbは複動油圧シリンダ60−2の上昇用シリンダ室60aに接続され、また、ポートcは複動油圧シリンダ60−2の下降用シリンダ室60bに接続される。更に、四方切替弁150のポートdはタンク98側に共通接続される。
また、図8の実施形態と同様に、四方切替弁150のポートa,dに対する配管の間には、リリーフ弁106が接続され、また、四方切替弁124のポートbから複動油圧シリンダ60−2の上昇用シリンダ室60aに接続された2次側配管には、流量制御弁108と逆止弁110の並列回路か接続され、更に、四方切替弁150のポートcから複動油圧シリンダ60−2の下降用シリンダ室60bに接続された2次側配管にも、流量制御弁112と逆止弁114の並列回路か接続される。
(昇降制御回路による制御動作)
まず、通常監視中にあっては、昇降レバーが下降位置に切り替えられていることで、四方切替弁150は、ポートb,c及びポートa,bを連通させた切替位置にあり、複動油圧シリンダ60−2の上昇用シリンダ室60a及び下降用シリンダ室60bは共に油圧源96側から切り離されており、ホース収納部の負荷圧を受けて下降停止位置にある。
この状態で昇降レバーを上昇位置に切り替える操作を行うと、図14に示すように、四方切替弁150がポートa,b及びポートc,dを連通させる上昇位置に切り替えられ、油圧源96からの圧油が四方切替弁150及び逆止弁110を介して複動油圧シリンダ60−2の上昇用シリンダ室60aに供給され、ホース収納部の重量による負荷圧に打ち勝ってピストンが上昇を開始する。
ピストンの上昇に伴い下降用シリンダ室60bの圧油が流量制御弁112及び四方切替弁150を通ってタンク98側に流れ、このとき流量制御弁112を流れる設定流量によりピストンによるホース収納部の上昇速度が決まる。
複動油圧シリンダ60−2のピストンがフルストロークに達するとホース収納部の上昇が停止し、監視員通路上に露出されることで、ノズル付きホースの引き出しにより消火作業が可能となる。ホース収納部を上昇位置に停止させた状態は、四方切替弁150を上昇位置に保つことで、複動油圧シリンダ60−2の上昇用シリンダ室60aに圧油の供給が維持され、負荷圧を超える押上力を得ることで、ホース収納部を上昇停止位置に保持させる。
消火作業が終了し、係員が水抜きしたホースをホース収納部に収納し、昇降レバーを下降位置に切り替える操作を行うと、図15に示すように、四方切替弁150がポートb,c及び゛ポートd,aを連通させる下降位置に切り替えられる。
このため四方切替弁150のポートb,cを介して複動油圧シリンダ60−2の上昇用シリンダ室60aと下降用シリンダ室60bが連通した状態となり、このときピストンにはホース収納部の重量による負荷圧が加わっており、負荷圧を受けたピストンが下降を始め、上昇用シリンダ室60aの圧油は、流量制御弁112、四方切替弁150、逆止弁110となる経路で下降用シリンダ室60bに流れ、このとき流量制御弁108を流れる設定流量により、ピストンによるホース収納部の下降速度が決まる。
複動油圧シリンダ60−2のピストンが下降停止位置にストロークすると、ホース収納部は監視員通路内に収納され、通常監視状態に戻る。
[本発明の変形例]
(昇降制御回路)
上記の実施形態は、図6、図8、図9及び図10に示した複動シリンダを用いた昇降制御において、下降制御時にも圧力水又は圧油を下降用シリンダ室に供給し、水圧又は油圧とホース収納部の重量による負荷圧によりピストンを下降駆動させているが、これに限定されない。例えば、図14の実施形態と同様に、下降制御は、複動シリンダの上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室を三方切替弁又は方向切替弁により連通させ、ホース収納部の重量による負荷圧のみによりピストンを下降駆動させるようにしても良い。
(消火栓収納部)
上記の消火栓設備は、昇降機構によりホース収納部を昇降自在に支持しているが、これに限定されない。例えば、ホース収納部と一体に消火器収納部を設けて消火器を収納し、消火器を使用する場合にも、昇降機構により消火器収納部をホース収納部と一体に監視員通路上の露出位置に上昇させるようにしても良い。
このため、火災を伴う車両事故が発生した場合に、監視員通路内に収納されている消火器収納部がホース収納部と共に昇降機構により上昇して監視員通路の路面上に露出し、消火器扉の開放操作を必要とすることなく、監視員通路上に露出した消火器収納部から簡単且つ容易に取り出して消火を行うことができる。
(昇降機構)
上記の実施形態は、水圧シリンダにより直接にホース収納部を昇降させる昇降機構を例にとっているが、これに限定されない。例えば、水圧シリンダ又は油圧シリンダで駆動される別の機構、例えばパンタグラフ式やネジ式の昇降機構を用いても良い。
(消火栓装置)
上記の実施形態で示した消火栓設備のホース類や消火栓弁等のバルブ類、通報装置の構成及び配置、その他の構成については任意であり、適宜の構成を採用して良い。
(その他)
また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:トンネル
12:トンネル壁面
14:監視員通路
15:道路
16:消火栓設備
18:床版
20:管理用通路
22:ダクト
24:給水本管
24a:分岐配管
26:消火栓パネル
28:通報装置パネル
36a:上昇スイッチ
36b:下降スイッチ
38a:放水スイッチ
38b:放水停止スイッチ
42:消火栓昇降口
44:ホース収納部
45:制御機構収納部
46:昇降機構
48:筐体
50:路面板
54:ホース
55:ホース取出口
56:ノズル
60−1:複動水圧シリンダ
60−2:複動油圧シリンダ
60a:上昇用シリンダ室
60b:下降用シリンダ室
62:連結ホース
63:フレキシブルジョイント
64:放水制御回路
66:昇降制御回路
70,88,92,104,110,114,120,:逆止弁
72:遠隔消火栓弁
74:試験用排水弁
76:自動調圧弁
80:定流量弁
82,84,124,126,140:三方切替弁
86,90,108,112,134,136,144:流量制御弁
100:方向制御弁
106,122:リリーフ弁
116:カウンタバランス弁
118,142:パイロット逆止弁
150:四方切替弁
200:パイロット手動弁
202:開閉レバー
204a,204b:起動用パイロット配管
206:オリフィス
208:停止用パイロット配管
210,214,304,306:リンク円盤
212,308:リンクケーブル
220,302:操作扉
300,310:昇降レバー

Claims (14)

  1. トンネル長手方向に所定間隔で設置され、監視員通路内に収納されたノズル付きのホースを収納したホース収納部を、消火栓を使用する場合に、昇降機構の作動により監視員通路上の露出位置に上昇して保持させるトンネル内消火栓設備に於いて、
    前記昇降機構は、
    前記ホース収納部を昇降させる液圧アクチュエータと、
    上昇位置と下降位置とに操作される昇降操作部と、
    前記昇降操作部が上昇位置に操作された場合に、前記ホース収納部を上昇させるように前記液圧アクチュエータに対する液圧を制御し、前記昇降操作部が下降位置に操作された場合に、前記ホース収納部を下降させるように前記液圧アクチュエータに対する液圧を制御する昇降制御回路と、
    を設けたことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
  2. 請求項1記載のトンネル内消火栓装置に於いて、
    前記液圧アクチュエータは、上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室に対する水圧源からの圧力水の供給と排水側への圧力水の排出との切替えによりピストンを双方向に摺動させる複動シリンダであり、
    前記昇降制御回路は第1の三方切替弁と第2の三方切替弁を備え、
    前記第1の三方切替弁は、前記ホース収納部側に設けられ、前記昇降操作部の操作により上昇切替え位置と下降切替え位置の2位置切替えが可能であり、上昇切替え位置で複動シリンダの上昇用シリンダ室に圧力水を供給し、下降切替え位置で上昇用シリンダ室の圧力水を排出させ、
    前記第2の三方切替弁は、前記ホース収納部側から分離配置された制御機構収納部に設けられ、手動操作により上昇切替え位置と下降切替え位置の2位置切替えが可能であり、前記上昇切替え位置で前記複動シリンダの下降用シリンダ室の圧力水を排出させ、前記下降切替え位置で前記下降用シリンダ室に圧力水を供給する、
    ことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
  3. 請求項2記載のトンネル内消火栓装置に於いて、
    前記昇降制御回路は、更に、前記制御機構収納部に、
    前記第1の三方切替弁及び前記第2の三方切替弁に水圧源からの圧力水が供給される1次側の配管に設けられ、所定の一定流量を供給する定流量弁と、
    前記第1の三方切替弁及び前記第2の三方切替弁から前記複動シリンダに接続される2次側の配管の各々に、シリンダ側への圧力水の供給を許容すると共にシリンダ側からの圧力水の戻りを阻止する逆止弁と、シリンダ側から排出側に戻る圧力水の流量を調整する流量調整弁の並列回路と、
    が設けられたことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
  4. 請求項1記載のトンネル内消火栓装置に於いて、
    前記液圧アクチュエータは、上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室に対する油圧源からの圧油の供給とタンク側への圧油の排出の切替えによりピストンを双方向に摺動させる複動シリンダであり、
    前記昇降制御回路は方向制御弁を備え、
    前記方向制御弁は、前記ホース収納部側に設けられ、前記昇降操作部の操作により上昇切替え位置、中立位置及び下降切替え位置の3位置切替えが可能であり、前記中立位置で、前記複動シリンダの上昇用シリンダ室及び前記下降用シリンダ室に対する圧油の供給及び排出を切り離し、前記上昇切替え位置で、前記複動シリンダの上昇用シリンダ室に圧油を供給させると共に前記下降用シリンダ室の圧油を排出させ、前記下降切替え位置で、前記複動シリンダの下降用シリンダ室に圧油を供給させると共に前記上昇用シリンダ室の圧油を排出させる、ことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
  5. 請求項4記載のトンネル内消火栓装置に於いて、
    前記昇降制御回路は、更に、前記ホース収納部側から分離配置された制御機構収納部に、
    前記方向制御弁に油圧源からの圧油が供給される1次側の配管に設けられ、前記油圧源への圧油の逆流を阻止する逆止弁と、
    前記逆止弁の2次側配管と前記方向制御弁からのタンク戻り用配管との間に接続され、前記方向制御弁に供給される圧油を所定圧に制御するリリーフ弁と、
    前記方向制御弁から前記複動シリンダの上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室に接続される2次側の配管の各々に、シリンダ側への圧油の供給を許容すると共にシリンダ側からの圧油の戻りを阻止する逆止弁と、シリンダ側からタンク側へ戻る圧油の流量を調整する流量調整弁の並列回路と、
    が設けられたことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
  6. 請求項1記載のトンネル内消火栓装置に於いて、
    前記液圧アクチュエータは、上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室に対する油圧源からの圧油の供給とタンク側への圧油の排出の切替えによりピストンを双方向に摺動させる複動シリンダであり、
    前記昇降制御回路は方向制御弁を備え、
    前記方向制御弁は、前記ホース収納部側に設けられ、前記昇降操作部の操作により上昇切替え位置、中立位置及び下降切替え位置の3位置切替えが可能であり、前記中立位置で、前記複動シリンダの上昇用シリンダ室に対する圧油の供給を切り離すと共に下降用シリンダ室をタンク側に連通させ、前記上昇切替え位置で、前記複動シリンダの上昇用シリンダ室に圧油を供給させると共に前記下降用シリンダ室の圧油を排出させ、前記下降切替え位置で、前記複動シリンダの下降用シリンダ室に圧油を供給させると共に前記上昇用シリンダ室の圧油を排出させ、
    更に、前記ホース収納部側から分離配置された制御機構収納部に、
    前記方向制御弁から前記複動シリンダの上昇用シリンダ室に接続される2次側の配管に設けられ、シリンダ側からタンク側に戻る圧油が所定圧を超えた場合に開放されるカウンタバランス弁と、
    前記カウンタバランス弁に直列接続され、前記カウンタバランス弁の漏れ油のタンク側への戻りを阻止すると共にシリンダ側からタンク側に戻る圧油が所定圧を超えた場合に開放されるパイロット逆止弁と、
    が設けられたことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
  7. 請求項6記載のトンネル内消火栓装置に於いて、
    前記昇降制御回路は、更に、前記制御機構収納部に、
    前記方向制御弁に油圧源からの圧油が供給される1次側の配管に設けられ、前記油圧源への圧油の逆流を阻止する逆止弁と、
    前記逆止弁の2次側配管と前記方向制御弁からのタンク戻り用配管との間に接続され、前記方向制御弁に供給される圧油を所定圧に制御するリリーフ弁と、
    前記方向制御弁から前記複動シリンダの上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室に接続される2次側の配管の各々に、シリンダ側への圧油の供給を許容すると共にシリンダ側からの圧油の戻りを阻止する逆止弁と、シリンダ側からタンク側へ戻る圧油の流量を調整する流量調整弁の並列回路と、
    が設けられたことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
  8. 請求項1記載のトンネル内消火栓装置に於いて、
    前記液圧アクチュエータは、上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室に対する圧油源からの圧油の供給とタンク側への圧油の排出の切替えによりピストンを双方向に摺動させる複動シリンダであり、
    前記昇降制御回路は第1の三方切替弁と第2の三方切替弁を備え、
    前記第1の三方切替弁は、前記ホース収納部側に設けられ、前記昇降操作部の操作により上昇切替え位置と下降切替え位置の2位置切替えが可能であり、前記上昇切替え位置で前記複動シリンダの上昇用シリンダ室に圧油を供給し、前記下降切替え位置で前記上昇用シリンダ室の圧油を排出させ、
    前記第2の三方切替弁は、前記ホース収納部側から分離配置された制御機構収納部に設けられ、手動操作により上昇切替え位置と下降切替え位置の2位置切替えが可能であり、前記上昇切替え位置で前記複動シリンダの下降用シリンダ室の圧油を排出させると共に前記下降切替え位置で前記下降用シリンダ室に圧油を供給させる、
    ことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
  9. 請求項8記載のトンネル内消火栓装置に於いて、
    前記昇降制御回路は、更に、前記制御機構収納部に
    前記第1の三方切替弁及び前記第2の三方切替弁に前記油圧源からの圧油が供給される1次側の配管に設けられ、前記油圧源への圧油の戻りを阻止する逆止弁と、
    前記逆止弁の2次側配管と前記第1及び第2の三方切替弁からのタンク戻り用配管との間に接続され、前記第1の三方切替弁及び前記第2の三方切替弁に前記油圧源から供給される圧油を所定圧に制御するリリーフ弁と、
    前記第1の三方切替弁及び前記第2の三方切替弁から前記複動シリンダに接続される2次側の配管の各々に、シリンダ側への圧油の供給を許容すると共にシリンダ側からの圧油の戻りを阻止する逆止弁と、シリンダ側からタンク側に戻る圧油の流量を調整する流量調整弁との並列回路と、
    が設けられたことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
  10. 請求項1記載のトンネル内消火栓装置に於いて、
    前記液圧アクチュエータは、シリンダ室に対する油圧源からの圧油の供給によりピストンを一方向に摺動させ、前記シリンダ室から圧油をタンク側に排出させた状態でスプリングにより前記ピストンを他方向に摺動させる単動シリンダであり、
    前記昇降制御回路は三方切替弁を備え、
    前記三方切替弁は、前記ホース収納部側に設けられ、前記昇降操作部により上昇切替え位置と下降切替え位置の2位置切替えが可能であり、前記上昇切替え位置で、前記複動シリンダのシリンダ室に圧油を供給し、前記下降切替え位置で、前記シリンダ室から圧油を排出させる、
    ことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
  11. 請求項10記載のトンネル内消火栓装置に於いて、
    前記昇降制御回路は、更に、前記ホース収納部側から分離配置された制御機構収納部に、
    前記三方切替弁に圧油が供給される1次側の配管に設けられ、前記油圧源への圧油の戻りを阻止する逆止弁と、
    前記逆止弁の2次側配管と前記三方切替弁からのタンク戻り用配管との間に接続され、前記三方切替弁に前記油圧源から供給される圧油を所定圧に制御するリリーフ弁と、
    前記逆止弁の2次側配管に接続され、前記油圧源からシリンダ側へ供給される圧油の流量を調整可能な第1の流量調整弁と、
    前記三方切替弁からタンク戻り用配管に接続され、シリンダ側からタンク側に戻る圧油の流量を調整可能な第2の流量調整弁と、
    が設けられたことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
  12. 請求項10又は11記載のトンネル内消火栓装置に於いて、
    前記昇降制御回路は、更に、
    前記シリンダ室からタンク側に連通する配管に、シリンダ側の油圧が所定圧を超えた場合に開放するパイロット逆止弁と、前記逆止弁を通ってタンク側に流れる圧油の流量を調整する流量調整弁との直列回路が設けられたことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
  13. 請求項1記載のトンネル内消火栓装置に於いて、
    前記液圧アクチュエータは、上昇用シリンダ室と下降用シリンダ室に対する圧油源からの圧油の供給とタンク側への圧油の排出の切替えによりピストンを双方向に摺動させる複動シリンダであり、
    前記昇降制御回路は四方切替弁を備え、
    前記四方切替弁は、前記ホース収納部側に設けられ、前記昇降操作部により上昇切替え位置と下降切替え位置の2位置切替えが可能であり、前記上昇切替え位置で前記複動シリンダの上昇用シリンダ室に圧油を供給すると共に前記下降用シリンダ室の圧油を排出させ、前記下降切替え位置で前記上昇用シリンダ室と前記下降用シリンダ室を連通して前記ピストンを前記ホース収納部の重量による負荷圧により下降させる、
    ことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
  14. 請求項13記載のトンネル内消火栓装置に於いて、
    前記昇降制御回路は、更に、前記ホース収納部側から分離配置された制御機構収納部に、
    前記四方切替弁に前記油圧源からの圧油が供給される1次側の配管に設けられ、前記油圧源への圧油の戻りを阻止する逆止弁と、
    前記逆止弁の2次側配管と前記方向制御弁からのタンク戻り用配管との間に接続され、前記四方切替弁に前記油圧源から供給される圧油を所定圧に制御するリリーフ弁と、
    前記四方切替弁から前記複動シリンダに接続される2次側の配管の各々に、シリンダ側への圧油の供給を許容すると共にシリンダ側からの圧油の戻りを阻止する逆止弁と、シリンダ側からタンク側に戻る圧油の流量を調整する流量調整弁との並列回路と、
    が設けられたことを特徴とするトンネル内消火栓設備。
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