JP7096744B2 - 光触媒複合材料、光触媒複合材料の製造方法および光触媒装置 - Google Patents

光触媒複合材料、光触媒複合材料の製造方法および光触媒装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、光触媒複合材料、光触媒複合材料の製造方法および光触媒装置に関するものである。
光触媒は、光によって励起された正孔を生じ、強い酸化反応を促進することが知られている。このような作用を有する光触媒としては種々のものが知られており、この促進作用は有害有機分子の分解除去や殺菌、基材の親水性維持等に利用されている。
このような用途に光触媒を適用しようとする場合、例えば光触媒を基材上に担持させた複合材料が用いられることがある。例えば、酸化チタン粒子と熱可塑性樹脂とを有機溶剤に分散させた液を基材に塗布、乾燥して、酸化チタンを含有する被膜を形成させた複合材料がある 。また、光触媒がバインダー樹脂により基材上に固定されてなる光触媒複合材料において、バインダー樹脂を塗布し、塗布された樹脂が粘着性を有する間に光触媒粉末を散布することにより、光触媒を基材上に固定したものがある。
しかし、これらの複合材料において、光触媒粒子の一部分がバインダー樹脂に沈み込むため、光触媒粒子の外環境に接触する面積が狭くなり、光触媒活性が阻害されやすい傾向にあった。また、光触媒粒子の一部分がバインダー樹脂に沈み込まない場合には、光触媒粒子が脱離しやすい傾向にあった。
国際公開第01/048109号公報 特開2001-162172号公報
高活性で、簡便に作製でき、触媒粒子が剥がれにくい光触媒複合材料、その製造方法および光触媒装置を提供することを目的とする。
実施形態による光触媒複合材料は、アルミニウム酸化物層とタングステン酸化物層とが積層された構造を具備してなり、前記アルミニウム酸化物層と前記タングステン酸化物層との間に、アルミニウム酸化物とタングステン酸化物とを含有する複合領域をさらに具備するものである。
また、実施形態による光触媒複合材料の製造方法は、
(a)アルミニウム酸化物層を有する基材を準備する工程、
(b)前記アルミニウム酸化物層表面にタングステン酸化物粒子を含有する光触媒分散液を塗布する工程、および
(c)塗布後の基材を前記基材の融点未満の温度で加熱する工程
を含むものである。
さらに、実施形態による光触媒装置は、
前記の光触媒複合材料と、
前記基材に光触媒活性を生じさせる光照射部材と、
処理しようとする物質を前記複合材料に供給する供給部材と
を具備し、
前記光により触媒活性を生じた前記複合材料が、前記物質を処理するための化学反応を促進するものである。
実施形態にかかる光触媒複合材料の構成の一例を表す概念図である。 実施形態にかかる光触媒複合材料の製造方法の例を表すフロー図である。 実施形態にかかる光触媒装置の構成の一例を表す概略図である。 実施例1における光触媒複合体の表面の電子顕微鏡写真(80000倍)。 実施例1における光触媒複合体の断面の電子顕微鏡写真(10000倍)。 実施例1における光触媒複合体の断面の電子顕微鏡写真(80000倍)。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、実施形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施形態とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
(第1実施形態)
図1に示す実施形態に係る光触媒複合材料100は、アルミニウム酸化物層101と、タングステン酸化物層102とが積層されており、前記アルミニウム酸化物層101と前記タングステン酸化物層102との間にアルミニウム酸化物103とタングステン酸化物104を含有する複合領域105を有する。タングステン酸化物層102中、またはタングステン酸化物層102と複合領域105の間には空隙106が存在してもよい。
アルミニウム酸化物層101は、アルミニウム含有基材(図示せず)の表面に担持されたものであってよい。このような基材を用いた場合、光触媒複合材料の支持体として、材料の物理的強度を改善できる。また、アルミニウム含有基材は、一般に表面にアルミニウム酸化物層を有しているので、特別な処理をしないでもアルミニウム酸化物層を得ることができる。
アルミニウム酸化物層を構成するアルミニウム酸化物の化学組成は、典型的にはAlで表わすことができるが、他の金属元素が含まれていてもよい。このような場合、アルミニウム酸化物層に含まれる全金属元素の総モル数に対するアルミニウム元素のモル数は、50モル%以上であることが好ましい。またアルミニウム酸化物層に含まれる酸素が化学量論から算出される量よりも若干少ないこともある。さらに、アルミニウム酸化物層が、アルミニウム酸化物の水和物を含んでいてもよい。このようなアルミニウム酸化物層の組成や状態は、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy:X線光電子分光法)スペクトルにより観察できる。
アルミニウム含有基材(以下、単に基材ということがある)を用いる場合、アルミニウム酸化物層の化学組成は基材の組成に影響を受けることが多い。このため、基材は純アルミニウムからなるものが好ましいが、アルミニウムを主成分とする合金からなるものであってもよい。合金を構成する金属としては、アルミニウムのほか、銅、マンガン、ケイ素、マグネシウム、亜鉛などがある。なお、アルカリ金属やアルカリ土類金属はタングステン酸化物を還元するため、合金の成分として用いることは好ましくない。
基材としてはアルミニウム板やアルミニウム箔などを用いることができる。これらの基材は、厚みが1μm~2mmの範囲にあることが好ましく、20μm~1.5mmがより好ましい。基材は湾曲していてもおり曲がっていてもよく、このような形状は基材の表面積を大きくできことから好ましい。また基材の算術平均表面粗さRaが0.2~20μmとすることが好ましく、0.5~4μmであることがより好ましい。基材のRaを大きくすると基材表面の表面積が大きくなり、その基材上のタングステン酸化物層をより多く担持できる。一方、基板のRaが大きくなりすぎるとタングステン酸化物層の膜厚が大きくなりすぎて下部の光触媒の光による活性化が起こりにくくなる。また、Raが過度に小さいと表面積が小さくなり光触媒反応物と光触媒との接触が妨げられる傾向がある。
アルミニウム基材の算術平均表面粗さは、JIS B 0031(1994)規格に則して測定できるが、光触媒複合材料におけるアルミニウム酸化物層の表面は、複合領域やタングステン酸化物層が存在するので、JIS規格による測定が困難である。このため、アルミニウム酸化物層の算術平均表面粗さRaは、JIS規格に代えて、無作為に選ばれた3カ所について、1万倍で断面を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscopy、以下、SEMという)で観測し、アルミニウム含有基材と複合領域の境界の曲線を画像処理することにより測定することができる。
また、実施形態では基材に複数の平行な溝を有することができる。ここで、平行とは完全な平行ではなくてもよい。実施形態においては、例えば酸化物層を有する基材をローラー処理することにより形成することができる溝が平行であるという。このような場合、表面粗さは測定方向によって変化するが、溝の方向に対して垂直な方向の断面SEMを観察することで算術表面粗さを求めることができる。
また、アルミニウム酸化物層の厚さは特に限定されないが、一般に30~200nmの範囲とすることができる。
タングステン酸化物層102は、光触媒複合材料の光触媒機能を発揮させる中心部分である。
タングステン酸化物層を構成するタングステン酸化物の化学組成は、典型的にはWOで表わすことができるが、他の金属元素が含まれていてもよい。タングステン酸化物は、光触媒複合材料において、主たる光触媒として機能するが、その他の金属元素は助触媒として機能するものがある。このようなその他の金属元素としては、Ti、Sn、Zr、Mn、Fe、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Zn、Al、RuおよびCeからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を挙げることができる。これらのうち、Cu、Fe、およびNiからなる群から選択される遷移金属が好ましい。タングステン酸化物層は、これらのその他の金属元素の金属酸化物またはこれらの複合酸化物を含むことが好ましい。タングステン酸化物層の総量に対する、タングステン以外の金属元素の含有量は0.01~50質量%の範囲とすることが好ましい。その含有量が50質量%を超えると、光の透過率が下がって触媒の活性が低下する傾向がある。その含有量は10質量%以下であることがより好ましく、さらに好ましくは2質量%以下である。金属元素の含有量の下限値は特に限定されるものではないが、助触媒の添加効果をより有効に発現させる上で、その含有量は0.01質量%以上とすることが好ましい。
またタングステン酸化物層に含まれる酸素が化学量論から算出される量よりも若干少ないこともある。さらに、タングステン酸化物層が、タングステン酸化物の水和物を含んでいてもよい。このようなタングステン酸化物層の組成や状態は、XPSスペクトルにより観察できる。
実施形態において、タングステン酸化物層はタングステン酸化物からなる均一な層であっても、粒状または粉状のタングステン酸化物粒子が堆積した層であってもよい。また、タングステン酸化物層には、ロッド状もしくはストリング状の酸化タングステン粒子が含まれていてもよい。このような粒子を含むタングステン酸化物層を用いると、タングステン酸酸化物層の内部や、複合領域との間に空隙が生じやすい。光触媒複合材料と光反応物質を接触させて、触媒効果を得る場合、光反応物質が空隙内部に拡散して、高い光触媒効果を得やすい。
このような場合、タングステン酸化物粒子は、2nm~10μmの粒子径を有することが好ましい。この範囲内の粒子径を有すると、後述する製造過程において、タングステン酸化物分散液の安定性、基材に塗布する際の加工性、及び光触媒機能が良好となる。タングステン酸化物粒子の粒子径は、より好ましくは10nmから1μmであり、さらに好ましくは20nmから200nmである。
また、タングステン酸化物層の厚さは特に限定されないが、一般に平均0.5~5μmの範囲とすることができる。0.5μmより薄いと触媒活性が低下する傾向があり、5μmより厚いと剥がれやすく、また重量に対する触媒活性が低下する傾向がある。
実施形態による光触媒複合材料は、上記したアルミニウム酸化物層とタングステン酸化物層との間に複合領域を有する。この複合領域は、アルミニウム酸化物とタングステン酸化物とを含む。本明細書においては、「アルミニウムとタングステンとの複合酸化物を含む」場合も、「アルミニウム酸化物とタングステン酸化物とを含む」という。ここで、アルミニウムとタングステンの複合酸化物はAl-O-W結合を有する複合酸化物である。この複合領域は、典型的には、アルミニウム酸化物中にタングステン酸化物粒子が分散した形態を有する。また、さらに分散したタングステン坂物粒子の表面に、アルミニウムとタングステンの複合酸化物が被覆した形態になっていることもある。
複合領域に含まれるタングステン酸化物はタングステン酸化物層102に含まれるタングステン酸化物と化学組成や結晶構造が同一であってもよい。
複合領域は断面SEMで観測することができる。原子番号の大きいタングステンは電子線を散乱しやすく明るく観測される。一方原子番号の小さいアルミニウムは暗く観測される。アルミニウム含有基材に対してタングステン酸化物層は明るく観測される。アルミニウム酸化物層や複合領域のアルミニウム酸化物は導電性が低いためにアルミニウム基材よりもチャージアップされやすく、そのための電子散乱が起こりアルミニウム基材よりも明るいがタングステン酸化物層よりは暗く観察される。複合領域のSEM画像にはタングステン酸化物による明るい箇所も見られる。
複合領域105はアルミニウム酸化物層101および光触媒として機能するタングステン酸化物層102のそれぞれと強く結合することが可能であり、この結果、複合材料が剥離しにくい堅牢な構造を有する。特に複合領域の中や、複合領域とタングステン酸化物層、複合領域とアルミニウム酸化物層が接触する部分に複合酸化物が存在すると、結合がより強固になる。
さらにアルミニウム酸化物はゼータ電位が正になりやすく、タングステン酸化物は負になりやすいため静電的にも複合領域と剥がれにくい。
アルミニウム含有基材のゼータ電位は電気泳動光散乱法により測定することができる。具体的にはでマルバーン社製ゼータサイザーナノZS(商品名)を用い、平板ゼータ電位測定用セルを組み合わせ、ポリスチレンラテックスをトレーサー粒子として測定することができる。pHは純水に希塩酸と希水酸化カリウム水溶液を添加して調整する。
光触媒含有物や助触媒粒子のゼータ電位は電気泳動光散乱法により測定することができる。具体的にはでマルバーン社製ゼータサイザーナノZS(商品名)にキャピラリーセルを組み合わせて測定することができる。分散液のpHは光触媒含有物や助触媒粒子を分散させた純水に希塩酸と希水酸化カリウム水溶液を添加して調整する。
複合領域の平均厚さは、30~500nmが好ましい。30nmより小さいとアルミニウム基材と光触媒であるタングステン酸化物層との結合が弱くなる傾向があり、500nmより大きいと熱履歴でクラック等の欠陥が発生しやすく、タングステン酸化物層が剥離し易くなる傾向がある。なお、複合領域は、タングステン酸化物とアルミニウム酸化物を含むため、タングステン酸化物層やアルミニウム酸化物層との界面が明確でない場合がある。このような場合は、断面をSEMで観察し、光触媒複合材料の表面に対して水平な方向に見たときに、タングステン酸化物のみが存在する部分がタングステン酸化物層、アルミニウム酸化物のみが存在する部分がアルミニウム酸化物層、その間の部分が複合領域であるとする。
複合領域の平均厚さは5000倍で断面SEMを観測し、無作為に選択された10か所を8万倍で観測した平均から求めることができる。
本実施形態では複合領域と酸化タングステン層の間に空隙106が存在してもよい。すなわち空隙は複合領域と酸化タングステン層の両者に接している。空隙があると光反応物質が拡散しやすく、また熱や応力等による歪に対しても強くなる。空隙の大きさは断面SEMで観測される平均断面積が500~100,000nmであることが好ましく、2,000~50,000nmであることがより好ましい。500nmより小さいと光反応物質が拡散しにくく、100,000nmより大きいとタングステン酸化物層が剥離し約なる傾向がある。空隙の大きさは断面SEMを測定し無作為に選択された10か所の空隙の平均から求めることができる。なお酸化タングステン層や複合領域の中に別の空隙が存在してもよい。
また、実施形態において、タングステン酸化物層の上に、さらに別の層を有していてもよい。たとえば、酸化チタン、金属触媒などの他の触媒材料を含む層を積層することもできる。
なお、実施形態における「光触媒作用」とは、アンモニア、アルデヒド類等の有害物質の分解、タバコ、ペット臭の不快なにおいの分解消臭、黄色ブドウ球菌、大腸菌等に対する、抗菌作用、抗ウイルス作用、また汚れが付着しにくい防汚作用をいう。
(第2実施形態)
図2に、実施形態にかかる光触媒複合材料の製造方法の一例を表すフロー図を示す。実施形態による方法は、
(A)アルミニウム酸化物層を有する基材を準備する工程、
(B)前記基材表面にタングステン酸化物粒子を含有する光触媒分散液を塗布する工程、および
(C)塗布後の基材を前記基材の融点以下の温度で加熱する工程
を含む。
まず、アルミニウム酸化物層101aを有する基材を準備する(工程(a):図2(A))。
光触媒複合材料を構成するアルミニウム酸化物層101aは、アルミニウム酸化物からなる板状材料やフィルムを用いることもできるが、一般に支持体上に形成されたアルミニウム酸化物層であることが取り扱いの容易性などの観点から好ましい。そして、支持体としてアルミニウム含有基材(図示せず)を用い、その表面を酸化させてアルミニウム酸化物層を形成させることが好ましい。このような方法によれば、支持体とアルミニウム酸化物層とが化学的に堅牢な結合を形成するため、剥離しにくくなる上、貼り付けなどの処理が不要なため、製造も容易である。
アルミニウム含有基材は、通常、大気中においては表面が酸化されてアルミニウム酸化物で被覆されている。従って、入手可能な一般的なアルミニウム含有基材は、すでにアルミニウム酸化物層を有している。このため、特別な処理をしなくてもアルミニウム酸化物層を準備することができる。
また、アルミニウム含有基材の表面に存在する不純物を除去するなどの目的で、表面の酸化物を除去した上で改めて酸化処理をして酸化物層を形成させたり、酸化物層の厚さを増大させるために、さらに酸化処理をしたりすることもできる。このような酸化処理として、UV-オゾン処理またはプラズマ処理を用いることができる。これらの方法によれば、より簡便にアルミニウム酸化物層を作製でき、表面に付いた有機物等をドライな環境で除去することができ、さらに酸化物層表面が改質されて、後の工程(工程(B))において、光触媒分散液が塗布しやすくなる。
また、酸化物層を形成する前の基材の表面、または酸化物層が形成された後の酸化物層の表面を粗面化処理することができる。この処理によって、アルミニウム酸化物層の表面の算術平均表面粗さRaを調整し、よりすぐれた触媒性能を実現できる。
粗面化処理は、例えば基材または酸化物層の表面の研磨によって行うことができる。研磨は、研磨剤粒子やヤスリを使って行うことができる。また、基材や酸化物層をローラー処理などによって、表面に複数の平行な溝を形成したり、サンドブラストなどによって粗面化処理することもできる。粗面化処理後の算術平均表面粗さRaは0.2~20μmとすることが好ましい。なお、算術平均表面粗さRaは、JIS規格に則して測定するほか、フォームタリサーフ表面形状・粗さ測定機(商品名テーラーホブソン社製)などの触針式測定機で測定することができる。
次に、アルミニウム酸化物層表面に光触媒分散液201を塗布する(工程(B)):図2(B))。
光触媒分散液201は、主たる光触媒であるタングステン酸化物粒子を含む。また、タングステン酸化物粒子に加えて、またはそれに代えて、アルミニウムとタングステンの複合酸化物粒子を用いることもできる。これらの酸化物粒子の平均粒子径は2~200nmであることが好ましい。
光触媒分散液の分散媒には、水またはアルコール水溶液を適用することができる。アルコール水溶液は光触媒粒子を安定に分散することができる。また、表面張力が小さいためにアルミニウム酸化物層表面に均一な塗膜を形成しやすい。アルコールとしてはエタノール、メタノール、2-プロパノールが好ましい。光触媒分散液には、次亜塩素酸をさらに添加することができる。次亜塩素酸が含まれることにより分散状態が安定になる。また、アルミニウム酸化物層に適用した際に洗浄効果がある。
光触媒分散液は、タングステン以外の金属の酸化物粒子を含んでいてもよい。このような金属の酸化物として、上記した助触媒として機能する金属元素の酸化物を用いることができる。助触媒の粒子を用いることにより、より優れた触媒効果を得ることができる。また、光触媒分散液はアルミナ水和物を含んでいてもよい。アルミナ水和物はアルミニウム酸化物層とタングステン酸か物層との結合性を高め、より安定な光触媒複合材料を形成することができる。特に、繊維状のアルミナ水和物を用いることにより、タングステン酸化物粒子同士の凝集を防ぎ、均一で丈夫なタングステン酸化物層を形成することができる。
工程((B))に用いられる塗布方法は特に限定されないが、例えば、ドロップコート、スピンコート、ディップコート、スプレーコート、アプリケータコート、ブレードコート、グラビア印刷、インクジェット印刷等の方法を適用することができる。この中でスプレーコートが定量性よく、ロールツーロールに適することから好ましい。
次いで、必要に応じて乾燥をした後、塗布後の基材を前記基材の融点以下の温度で加熱して、光触媒複合体を得る(工程(C):図2(C))。
工程(C)において、光触媒分散液が塗布された基材はその融点以下の温度で加熱される。この加熱処理によって、タングステン酸化物粒子に由来するタングステン酸化物層が形成されると同時に、タングステン酸化物層102とアルミニウム酸化物層101との間に、アルミニウム酸化物103とタングステン酸化物104とを含む複合領域105が形成される。この複合領域は、アルミニウム酸化物層101aとタングステン酸化物層102とが融和して形成される。複合領域に含まれるアルミニウム酸化物は、初期に存在したアルミニウム酸化物層101aが溶融したもの、あるいは光触媒分散液に必要に応じて添加した、アルミナ水和物などが溶融したものに由来する。このとき、アルミニウム酸化物とタングステン酸化物とが反応して複合酸化物を形成することもある。化学的計算手法によるとW-O-Alの結合はAl-O-Alと同様に安定であり、加熱によって、タングステン酸化物層の表面に存在するW-OHとアルミニウム酸化物層の表面に存在するAl-OHが脱水縮合してW-O-Al結合を形成しやすいものと考えられる。すなわち、実施形態における複合領域は、加熱によって形成された新たな結晶構造を含む領域となっている。
また、タングステン酸化物層中、タングステン酸化物層と複合領域との間、および複合領域中に空隙106が形成されることもある。さらに、複合領域中に光触媒分散液またはタングステン酸化物層に由来する、タングステン酸化物粒子104が分散した状態となることもある。このように複合領域に分散した粒子は、ロッド状またはストリング状の形状とすることもできる。このような粒子形状は、SEM観察において電子線照射することによって容易に観察できる。
加熱は、基材が溶融しない融点未満で行う必要がある。その他の加熱条件は特に限定されないが、例えば大気中、500℃~650℃で加熱することができる。
工程(c)の後、必要に応じて冷却することができる。冷却速度は特に限定されないが、急速な冷却によって熱歪みにより欠陥発生を防ぐために、徐冷することが好ましい。
また、工程(C)の後、タングステン酸化物層の一部を除去することができる。この処理によって、光触媒複合材料の表面に形成された剥離しやすい部分をあらかじめ除去することができる、除去する方法としてはブラシや布等で表面をこすることが好ましい。
(第3の実施形態)
図3に、第3の実施形態にかかる光触媒装置の構成の一例を表す概略図を示す。
図示するように、実施形態に係る光触媒装置300は、第1の実施形態による光触媒複合材料301と、基材に光触媒活性を生じさせる光照射部材302と、光触媒複合材料に物質を供給する供給部材303を具備する。これらの部材を内包するチャンバー304をさらに具備していてもよい。また、処理しようとする物質を導入するための導入部305aや処理されたあとの物質を排出するための排出口305bを具備することもできる。
ここで、処理しようとする物質とは、光触媒複合材料の光触媒作用によって促進された化学反応によって、変化させようとするものである。具体的には、有害成分を除去することが望まれる有毒成分含有ガス、脱臭が望まれる臭気を含んだガス、汚染物質を含んだ廃液などが挙げられる。
光照射部材としては外光や室内光を利用して、光を光触媒複合材料に誘導する光学系部材である場合、ランプやLED等の光源である場合等がある。外光や室内光を利用する場合には光触媒複合材料が光を受けやすい位置に設置または移動する部材であってもよい光源を用いる場合には低消費電力や小型化の観点からLEDが好ましい。
光触媒複合材料に物質を供給する部材としては気体であれば、例えばファンやポンプが挙げられる。また、光触媒複合材料を内包するチャンバーに気体や液体を導入する場合には、そのチャンバーやチャンバー内に気体や液体を導入するノズルなども供給部材である。さらに、チャンバー内で気体や液体を自然拡散させてもよいが、ヒーターなどで生じる対流を利用することもできる。この場合には、そのヒーターも供給部材である。さらに、自然拡散を利用する場合は光触媒複合材料が物質と接触しやすい位置に設置または移動する部材であってもよい。
光触媒複合材料が平板状である場合、処理しようとする物質をその表面に沿って流すことができる。また、光触媒複合材料が多孔体であり、物質が多孔体を透過することができるものである場合、物質と触媒との接触面積が増えるため、処理効率が高くなるので好ましい。また、処理しようとする物質が光触媒複合材料の表面にそって流れる場合であっても、タングステン酸化物層や複合領域に空隙が存在することによって接触面積が大きくなる。このため、光触媒複合材料は多孔体であることが好ましい。
本実施形態では、タングステン酸化物層が、物質を吸着するための吸着材をさらに含むことができる。このような吸着材が光触媒に含まれていると、触媒近傍の物質濃度を増加させることにより触媒作用の効率を上げることができる。このような吸着材としては活性炭、アルミナ、ゼオライト、シリカゲル等がある。
以下、実施例を示し、実施形態をより具体的に説明する。
各種測定は以下のようにして行う。
(ガス分解実験)
JIS R 1701-1(2004)の窒素酸化物の除去性能(分解能力)評価に準じる流通式装置に試料を入れた状態で、初期濃度10ppmのアセトアルデヒドガスを140mL/minで流す。そして、白色蛍光灯に紫外線カットフィルムを組み合わせた光源を用い、波長が380nm未満の光をカットした可視光(照度6000ルクス)の可視光を試料に照射する。光照射の前後でガス濃度を測定する。光照射前のガス濃度をA、光照射から15分以上経過し、かつ安定したときのガス濃度をBとするとき、下記式(1)に基づいてガス分解率(%)を求める。
(A-B)/A×100…(1)
(大腸菌活性試験)
光触媒複合材料試料を菌液40ml(1×105/ml)に完全に浸漬させた状態で、24時間光照射(および遮光下)を行う。
白色蛍光灯に紫外線カットフィルムを組み合わせた光源を用い、波長が380nm未満の光をカットした可視光(照度6000ルクス)の可視光を試料に照射する。
終了後、段階希釈した上記菌液をコンパクトドライ「ニッスイCF」(商品名、日本製薬株式会社製、大腸菌数測定用)に接種し、37℃で24時間培養した後に菌数を測定する。
(実施例1)
(光触媒分散液の調製)
粒径20~100nmの室温pH6の水中におけるゼータ電位が負である酸化タングステン微粒子を水に分散させ、1質量%の分散液を得る。
(アルミニウム板上への光触媒粒子の塗布)
厚さ1mmのアルミニウム板(10cm×10cm)をローラー処理して、複数の平行な溝を形成させる(算術平均表面粗さRaが1μm)。この表面を2-プロパノール、水で洗浄した後。UV-オゾン処理を10分間行う。処理後のアルミニウム板表面に前記光触媒分散液を2.5g滴下し、全面に広げて光触媒塗布層を形成した後、60℃で1時間乾燥し、次に大気中で600℃で5時間加熱し、600℃から急冷して光触媒複合材料を作製する。次に布で表面をこすって剥離し易い触媒を除去する。
(光触媒活性試験)
アセトアルデヒド分解試験では、初期濃度10ppmに対して、光照射20分後には0ppm(検出不能)になる。遮光した試料を用いた場合、同じ時間経過後の濃度は10ppmである。
大腸菌抗菌性試験では、初期菌濃度 1×10/ml、蛍光灯による光照射を3時間した後の菌数は0である。遮光した試料を用いた場合、同じ時間経過後の菌数は、2×10/mlである。
上記光触媒活性は光照射300時間後も活性はほとんど変化しない。
測定後の表面SEM写真を図4に、断面SEM写真を図5および図6に示す。図6は、図5の枠Aの部分の拡大写真である。断面SEM写真の撮影は、光触媒複合材料の表面部分の損傷を防ぐために、タングステン酸化物層の上に加工用被膜を形成させた後に行った。表面SEM写真をみると、タングステン酸化物粒子は一部がロッド状やストリング状の構造を有することが認められる。また断面SEM写真ではアルミニウム板501(表面にアルミニウム酸化物層が形成されている)とタングステン酸化物層102の間に、アルミニウム酸化物とタングステン酸化物を含む複合領域103や空隙が見られる。タングステン原子は電子散乱が大きいために、SEM写真では白く観察される。なお、タングステン酸化物層の上に観察されるのは、加工用被膜502である。
(比較例1)
600℃で加熱することを除いては実施例1と同様にして光触媒を作製する。アセトアルデヒド初期濃度10ppmに対して光照射20分後でも8ppmである。なお、複合材料の表面を布でこすると殆どの光触媒が除去される。
(実施例2)
厚さ50μmのアルミニウム箔に実施例1の光触媒分散液を塗布し、550℃で5時間大気中で加熱して光触媒複合材料を作製する。
上記光触媒複合材料と395nmのLEDと小型のファンを有する光触媒装置を冷蔵庫中に設置する。電源と制御装置は冷蔵の外部に設置する。
(光触媒装置の活性試験)
LEDで光触媒複合材料に光を照射しながら光触媒装置を駆動した。駆動前のメrチルメルカプタン濃度は10ppmであり、駆動30分後に0ppm(検出不能)になる。
上記光触媒活性は光照射300時間後も活性はほとんど変化しない。
(実施例3)
厚さ1mmのアルミニウム板(10cm×10cm)をやすりで全面を処理して平均表面粗さRaが4μmの凹凸を形成する。この表面を2-プロパノール、水で洗浄した後。UVオゾン処理を10分間行う。この表面に実施例1と同様の光触媒分散液を4g滴下し、全面に広げて光触媒塗布層を形成した後、60℃で1時間乾燥し、次に大気中で650℃で5時間加熱した後、12時間で除冷して光触媒複合材料を形成する。
(光触媒活性試験)
アセトアルデヒド分解試験では、初期濃度10ppmに対して、光照射5分後には0ppm(検出不能)になる。遮光した試料を用いた場合、同じ時間経過後の濃度は10ppmである。
(比較例2)
650℃で加熱しないことを除いては実施例3と同様にして光触媒を作製する。
アセトアルデヒド分解試験では、初期濃度10ppmに対して、光照射5分後には7ppmになる。
(実施例4)
厚さ1mmのアルミニウム板(10cm×10cm)の表面を微小粒子で磨いて粗面化し、平均表面粗さRaが0.2μmとする。以下、このアルミニウム板を用いて実施例1と同様にして光触媒複合材料を作製する。次に布で表面をこすって剥離し易い触媒を除去する。
(光触媒活性試験)
アセトアルデヒド分解試験では、初期濃度10ppmに対して、光照射25分後には0ppm(検出不能)になる。遮光した試料を用いた場合、同じ時間経過後の濃度は10ppmである。
(実施例5)
厚さ1mmのアルミニウム板(10cm×10cm)の表面を微小粒子で磨いて粗面化し、平均表面粗さRaが0.1μmとする。以下、このアルミニウム板を用いて実施例1と同様にして光触媒複合材料を作製する。次に布で表面をこすって剥離し易い触媒を除去する。
(光触媒活性試験)
アセトアルデヒド分解試験では、初期濃度10ppmに対して、光照射30分後には0ppm(検出不能)になる。遮光した試料を用いた場合、同じ時間経過後の濃度は10ppmである。
(実施例6)
厚さ1mmのアルミニウム板(10cm×10cm)の表面をヤスリで磨いて粗面化し、平均表面粗さRaが20μmとする。以下、このアルミニウム板を用いて実施例3と同様にして光触媒複合材料を作製する。次に布で表面をこすって剥離し易い触媒を除去する。
(光触媒活性試験)
アセトアルデヒド分解試験では、初期濃度10ppmに対して、光照射7分後には0ppm(検出不能)になる。遮光した試料を用いた場合、同じ時間経過後の濃度は10ppmである。
(実施例7)
650℃で加熱する代わりに500℃で加熱することを除いては実施例6と同様にして光触媒複合材料を形成する。
(光触媒活性試験)
アセトアルデヒド分解試験では、初期濃度10ppmに対して、光照射10分後には0ppm(検出不能)になる。遮光した試料を用いた場合、同じ時間経過後の濃度は10ppmである。
(実施例8)
厚さ1mmのアルミニウム板(10cm×10cm)の表面をヤスリで磨いて粗面化し、平均表面粗さRaが5μmとする。この表面を2-プロパノール、水で洗浄した後。UVオゾン処理を10分間行う。この表面に実施例1と同様の光触媒分散液を4g滴下し、全面に広げる。次に平均粒径150nmのアナターゼ型のチタン酸化物ナノ粒子光触媒をタングステン酸化物と同重量を塗布して広げた後、60℃で1時間乾燥し、次に大気中で650℃で5時間加熱した後、12時間で除冷して光触媒複合材料を形成する。
(光触媒活性試験)
アセトアルデヒド分解試験では、初期濃度10ppmに対して、光照射4分後には0ppm(検出不能)になる。遮光した試料を用いた場合、同じ時間経過後の濃度は10ppmである。
(実施例9)
光触媒分散液としてタングステン酸化物に対して0.01質量%のPdナノ粒子をさらに含むことを除いては実施例3と同様にして光触媒複合材料を形成する。
(光触媒活性試験)
アセトアルデヒド分解試験では、初期濃度10ppmに対して、光照射4分後には0ppm(検出不能)になる。遮光した試料を用いた場合、同じ時間経過後の濃度は10ppmである。
上記実施例の結果に明らかであるように、本発明では安定な光触媒性能を長期間、安定に発揮することができる光触複合材料、その製造方法および光触媒装置を提供できる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施し得るものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100…光触媒複合材料、101…アルミニウム酸化物層、102…タングステン酸化物層、103…アルミニウム酸化物、104…タングステン酸化物、105…複合領域、20…光触媒複合材料、21…アルミニウム基材、202…アルミニウム酸化物膜、201…光触媒分散液、300…光触媒装置、31…光触媒複合材料、302…光照射部材、303…基材に光触媒作用を受ける物質を供給する部材、304…反応チャンバー、501…アルミニウム板、502…加工用被膜

Claims (18)

  1. アルミニウム酸化物層とタングステン酸化物層とが積層された構造を具備してなり、前記アルミニウム酸化物層と前記タングステン酸化物層との間に、アルミニウム酸化物とタングステン酸化物とを含有する複合領域をさらに具備する、光触媒複合材料。
  2. 前記タングステン酸化物層が、前記複合領域に含有されるタングステン酸化物と化学組成および結晶構造が同一のタングステン酸化物を含有する、請求項1記載の光触媒複合材料。
  3. 前記複合領域が、アルミニウムとタングステンの複合酸化物を含有する、請求項1記載の光触媒複合材料。
  4. 前記アルミニウム酸化物層と前記タングステン酸化物層との間に、空隙を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の光触媒複合材料。
  5. 前記アルミニウム酸化物層が、アルミニウム含有基材の表面に担持されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の光触媒複合材料。
  6. 前記アルミニウム酸化物層の、前記タングステン酸化物層が積層されている側の面の算術平均表面粗さRaが0.2~20μmである、請求項1~5のいずれか1項に記載の光触媒複合材料。
  7. 前記アルミニウム酸化物層の、前記タングステン酸化物層が積層されている側の面に複数の平行な溝を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の光触媒複合材料。
  8. 前記タングステン酸化物層が、ロッド状またはストリング状の酸化タングステン粒子を含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の光触媒複合材料。
  9. (a)アルミニウム含有基材の表面にアルミニウム酸化物層を形成させ、前記酸化物層の表面を粗面化処理して、アルミニウム酸化物層を有する基材を準備する工程、
    (b)前記アルミニウム酸化物層表面にタングステン酸化物粒子を含有する光触媒分散液を塗布する工程、および
    (c)塗布後の基材を前記基材の融点未満の温度で加熱する工程
    を含む、光触媒複合材料の製造方法。
  10. 前記アルミニウム酸化物層をUV-オゾン処理またはプラズマ処理により形成させる、請求項に記載の光触媒複合材料の製造方法。
  11. 前記粗面化処理が研磨処理である、請求項9または10に記載の光触媒複合材料の製造方法
  12. 前記工程(c)における加熱が、大気中、温度500℃~650℃の条件下に行われる、請求項9~11のいずれか1項に記載の光触媒複合材料の製造方法。
  13. 前記工程(c)の後、タングステン酸化物層の一部を除去する工程をさらに有する、請求項9~12のいずれか1項に記載の光触媒複合材料の製造方法。
  14. 請求項1~8のいずれか1項に記載の光触媒複合材料と、
    前記光触媒複合材料に光触媒活性を生じさせる光照射部材と、
    処理しようとする物質を前記光触媒複合材料に供給する供給部材と
    を具備する光触媒装置であって、
    前記光により触媒活性を生じた前記光触媒複合材料が、前記物質を処理するための化学反応を促進する、
    光触媒装置。
  15. 前記光照射部材がLEDである、請求項14記載の光触媒装置。
  16. 前記供給部材がファンである、請求項14また15に記載の光触媒装置。
  17. 前記物質が前記光触媒複合材料の正面に供給され、前記化学反応により生成した生成物が、前記光触媒複合材料の裏面から放出される、請求項1416のいずれか1項に記載の光触媒装置。
  18. 前記光触媒複合材料が、前記物質を吸着する吸着材をさらに含む、請求項1417のいずれか1項に記載の光触媒装置。
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